JPH10219197A - プライマー組成物 - Google Patents
プライマー組成物Info
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- JPH10219197A JPH10219197A JP33934497A JP33934497A JPH10219197A JP H10219197 A JPH10219197 A JP H10219197A JP 33934497 A JP33934497 A JP 33934497A JP 33934497 A JP33934497 A JP 33934497A JP H10219197 A JPH10219197 A JP H10219197A
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Abstract
(4-a-b-c)/2(R1、R2は有機基、R3はアルキル基であ
り、a、bは0〜3、cは0〜4、a+b+cは0〜
4)で示されるオルガノアルコキシシラン又はシロキサ
ン 100重量部 (II)HdR4 e(XSiR5 g(OR6)h)fSiO
(4-d-e-f)/2(R4、R5は1価炭化水素基、R6はアルキ
ル基、Xは2価有機基又は酸素原子であり、dは0〜
2、e、fは0〜3、d+e+fは0〜4、gは0〜
2、hは1〜3、g+h=3。)で示されるアルコキシ
シリル基含有オルガノハイドロジェンシロキサン1〜5
00重量部 (III)有機チタン酸エステル化合物
0.1〜500重量部を含有するプライマー組成物。 【効果】 加熱硬化性シリコーンゴムを鉄、アルミニウ
ム、ステンレス、などの金属や各種プラスチックなどの
被着体に接着させるのに好適に使用でき、接着における
プライマーとして特に有効に使用できる。
Description
し、加熱硬化型シリコーンゴム、特に硬度(JIS−C
2123−9項に規定するA型硬度計による値、以下J
IS−A硬度という)20以下の低硬度の加熱硬化型シ
リコーンゴムをも各種の被着体に接着させることができ
るプライマー組成物に関する。
シリコーンゴムを各種の被着体に接着させるためには、
各種のプライマー組成物を塗布する方法が一般的に採用
されている。このプライマー組成物として、例えば特公
昭61−2107号公報には、アルコキシ基を有する有
機ケイ素化合物、有機チタン化合物、SiH基を有する
有機ケイ素化合物からなるプライマー組成物が、また、
特開平6−25615号公報には、下記一般式 −CR2R3(CH2)nCOOR1 で示される基を有する有機ケイ素化合物からなるプライ
マー組成物が提案されている。更に、特公昭61−48
66号公報には、オルガノポリシロキサン生ゴム、オル
ガノポリシロキサンレジン、オルガノアルコキシシラン
又はシロキサン、有機チタン酸エステル、オルガノハイ
ドロジェンシロキサンからなるプライマー組成物が提案
されている。また、特公昭63−48904号公報に
は、オルガノポリシロキサン生ゴム、オルガノポリシロ
キサンレジン、オルガノアルコキシシラン又はシロキサ
ン、オルガノハイドロジェンシロキサン、白金系触媒、
有機チタン酸エステル、有機過酸化物からなるプライマ
ー組成物が提案されている。
ザービームプリンター(LBP)の軽量コンパクト化に
伴い、JIS−A硬度20以下の低硬度の加熱硬化性シ
リコーンゴムの要求が増えている。しかし、低硬度の加
熱硬化性シリコーンゴムは、上記のような従来のプライ
マー組成物では各種の被着体に接着しないことが多く、
このため、上記したような低硬度の加熱硬化性シリコー
ンゴムをも被着体に接着させ得るプライマー組成物の開
発が望まれていた。
で、接着性に優れ、加熱硬化性シリコーンゴム、特に低
硬度の加熱硬化性シリコーンゴムをも各種被着体に接着
させることができるプライマー組成物を提供することを
目的とする。
発明は、上記目的を達成するため、第1の態様として (I)下記平均組成式(1) R1 aR2 b(OR3)cSiO(4-a-b-c)/2 (1) (但し、式中R1は非置換又は置換の1価炭化水素基、R2は官能基を有する1価 有機基、R3は非置換又はアルコキシ置換のアルキル基であり、a、b、cはそ れぞれ0≦a≦3、0≦b≦3、0<c≦4、0<a+b+c≦4を満たす数で ある。) で示されるオルガノアルコキシシラン又はシロキサン 100重量部 (II)下記平均組成式(2) HdR4 e(XSiR5 g(OR6)h)fSiO(4-d-e-f)/2 (2) (但し、式中R4、R5はそれぞれ非置換又は置換の1価炭化水素基、R6は非置 換又はアルコキシ置換のアルキル基、Xは非置換又は置換の2価有機基又は酸素 原子であり、d、e、fはそれぞれ0<d≦2、0≦e≦3、0<f≦3、0< d+e+f≦4を満たす数であり、gは0、1又は2、hは1、2又は3であり 、かつg+h=3である。) で示されるアルコキシシリル基含有オルガノハイドロジェンシロキサン 1〜500重量部 (III)有機チタン酸エステル化合物 0.1〜500重量部 を含有してなることを特徴とするプライマー組成物を提
供する。
ル基含有オルガノハイドロジェンシロキサンとしては、
下記一般式(3)又は(4)で示されるものが好適であ
る。
置換又は置換の1価炭化水素基、Yは非置換又は置換の
2価有機基、R12は非置換又はアルコキシ置換のアルキ
ル基であり、k、m、m’、rはそれぞれ0<k≦2
0、0≦m≦20、1≦m’≦20、1≦r≦20を満
たす整数であり、pは0、1又は2、qは1、2又は3
であり、かつp+q=3である。)
供する。
性を有し、加熱硬化性シリコーンゴム、特に低硬度の加
熱硬化性シリコーンゴムをも各種被着体に接着させるこ
とができる。
リコーンゴムは、架橋密度が小さいため、従来のプライ
マー組成物と十分な相互作用が働かないことがプライマ
ーとシリコーンゴムとの間で剥離が生じる原因と考え
た。そこで、シリコーンゴムとの相互作用を高めること
ができる化合物を種々検討した結果、付加反応性に優れ
たSiH基をプライマーのマトリックスに植え込むこと
が上記問題点の解決に重要であり、上記式(2)で示さ
れるSiH基とアルコキシシリル基とを有するオルガノ
ハイドロジェンシロキサンを用いた場合、分子中のSi
H基がプライマーのマトリックスに効果的に取り込まれ
る上、適度な応力緩和作用を与え、プライマー組成物の
接着性改善に極めて有効であること、それ故、上記式
(1)のオルガノアルコキシシラン又はシロキサン、有
機チタン酸エステル化合物に上記式(2)のアルコキシ
シリル基含有オルガノハイドロジェンシロキサンを配合
することにより、得られる皮膜は、低硬度の加熱硬化性
シリコーンゴムとプライマーとの接着性を飛躍的に向上
させ得る上、適度な応力緩和効果を有し、JIS−A硬
度20以下の低硬度の加熱硬化性シリコーンゴムとの接
着性にも優れていることを見出した。また、上記式
(3)で示される分子鎖末端にSiH基を有し、かつ分
子中にアルコキシシリル基を有するオルガノハイドロジ
ェンシロキサンが、上記SiH基がプライマーのマトリ
ックスに効果的に取り込まれて加熱硬化型シリコーンゴ
ムとプライマー組成物との相互作用を高め、かつ応力緩
和作用を与え、プライマー組成物の接着性改善に極めて
有効であり、上記式(5)で示されるアルケニル基含有
オルガノポリシロキサン生ゴム、上記式(6)で示され
るオルガノポリシロキサンレジン、上記式(1)で示さ
れるオルガノアルコキシシラン又はシロキサン、有機チ
タン酸エステルに上記式(3)で示される分子鎖末端に
SiH基を有し、かつ分子中にアルコキシシリル基を有
するオルガノハイドロジェンシロキサンを配合した組成
物を白金系触媒と有機過酸化物で硬化させることにより
得られる皮膜も、低硬度の加熱硬化性シリコーンゴムと
プライマーとの接着性を飛躍的に向上させ得る上、適度
な応力緩和効果を有し、それ故、JIS−A硬度20以
下の低硬度の加熱硬化性シリコーンゴムとの接着性にも
優れていることを見出し、本発明をなすに至ったもので
ある。
て、(I)成分としてのオルガノアルコキシシラン又は
シロキサンは、下記平均組成式(1)で示されるもので
ある。
R2は官能基を有する1価有機基、R3は非置換又はアル
コキシ置換のアルキル基であり、a、b、cはそれぞれ
0≦a≦3、0≦b≦3、0<c≦4、0<a+b+c
≦4を満たす数である。)
置換の1価炭化水素基は、好ましくは脂肪族不飽和結合
を除く炭素数1〜10、特に1〜6のものであり、例え
ばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチ
ル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基等のアルキル基、
フェニル基、トリル基、ナフチル基等のアリール基、ベ
ンジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基や、これ
らの基の水素原子をハロゲン原子、シアノ基等で置換し
たクロロメチル基、ブロムエチル基、トリフルオロプロ
ピル基、シアノエチル基などが挙げられる。
あり、その官能基としては、例えばビニル基、アリル
基、プロペニル基、ブテニル基等のアルケニル基、アク
リル基、メタクリル基、エポキシ基、アミノ基、アミノ
アルキル置換アミノ基、メルカプト基、α−アルコキシ
カルボニル基などの付加反応性、縮合反応性又はラジカ
ル反応性の官能基が挙げられ、このような官能基を有す
る1価有機基として具体的には、R’−(Z)x−
(R’は上記官能基、Zはエーテル結合性酸素原子が介
在してもよい炭素数1〜10、特に1〜3のアルキレン
基、xは0又は1)で示されるもの等が例示される。ま
た、R3の非置換又はアルコキシ置換のアルキル基とし
ては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシメ
チル基、エトキシエチル基等の好ましくは炭素数1〜4
の基が挙げられる。a、b、cはそれぞれ0≦a≦3、
0≦b≦3、0<c≦4、0<a+b+c≦4であり、
より好ましくは0≦a≦1、0≦b≦1、2≦c≦4、
2≦a+b+c≦4を満たす数である。
て具体的には、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリ
エトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキ
シ)シラン、メチルビニルジエトキシシラン、アリルト
リメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシメチルトリ
メトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルト
リメトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルトリ
メトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β
−アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、α−
(エトキシカルボニル)エチルトリメトキシシラン、テ
トラメトキシシラン、テトラエトキシシランなどが例示
されるが、これはその部分加水分解によって得られる、
1分子中に少なくとも1個、好ましくは2個以上のアル
コキシ基が残存するアルコキシシロキサンであってもよ
い。このようなオルガノアルコキシシラン又はシロキサ
ンは、2種以上を使用することも可能である。
ドロジェンシロキサンは、本発明のプライマー組成物の
接着性を飛躍的に向上させるための必須成分であり、下
記平均組成式(2)で示される分子中に下記式(2a)
で示される1価の基及びケイ素原子に結合した水素原子
(即ち、SiH基)を有するオルガノハイドロジェンシ
ロキサンである。
炭化水素基、R6は非置換又はアルコキシ置換のアルキ
ル基、Xは非置換又は置換の2価有機基又は酸素原子で
あり、d、e、fはそれぞれ0<d≦2、0≦e≦3、
0<f≦3、0<d+e+f≦4を満たす数であり、g
は0、1又は2、hは1、2又は3であり、かつg+h
=3である。)
ましくは脂肪族不飽和結合を除く非置換又は置換の1価
炭化水素基であり、上記R1と同様の基が挙げられる。
R6の非置換又はアルコキシ置換のアルキル基として
は、上記R3と同様の基が挙げられる。Xは非置換又は
置換の2価有機基又は酸素原子であり、非置換もしくは
置換の2価有機基としては、好ましくは炭素数1〜1
0、特に1〜3のものであり、例えばメチレン基、エチ
レン基、プロピレン基、ブチレン基等のアルキレン基、
フェニレン基等のアリーレン基やこれらの基の水素原子
をハロゲン原子、シアノ基等で置換したものなどが挙げ
られる。
−SiR5 g(OR6)hは、シロキサン構造(≡Si−O
−Si≡)を形成するケイ素原子に結合するもので、こ
の式(2a)の基としてはアルコキシシリルアルキル基
が好ましい。このアルコキシシリルアルキル基として
は、下記のトリアルコキシシリルアルキル基、アルキル
ジアルコキシシリルアルキル基等が挙げられるが、これ
に制限されるものではない。
≦3、0<f≦3、0<d+e+f≦4であり、好まし
くは0<d≦1、1≦e≦2、0<f≦1、2≦d+e
+f≦3を満たす数である。なお、g、hはそれぞれg
は0、1又は2、hは1、2又は3であり、好ましくは
gは0又は1、hは2又は3であり、かつg+h=3を
満たす数である。
を有するオルガノハイドロジェンシロキサンは、その形
状に特に制限はなく、直鎖状、環状、分岐状、三次元網
状のいずれでもよい。
有オルガノハイドロジェンシロキサンとしては、特に下
記一般式(3)又は(4)で示されるものが好ましい。
置換又は置換の1価炭化水素基、Yは非置換又は置換の
2価有機基、R12は非置換又はアルコキシ置換のアルキ
ル基であり、k、m、m’、rはそれぞれ0<k≦2
0、0≦m≦20、1≦m’≦20、1≦r≦20を満
たす整数であり、pは0、1又は2、qは1、2又は3
であり、かつp+q=3である。)
R9、R10、R11はそれぞれ非置換又は置換の1価炭化
水素基であり、具体的には上記R1において、好ましく
は脂肪族不飽和結合を除いたものと同様の基が挙げられ
る。また、R12の非置換又はアルコキシ置換のアルキル
基としては、上記R3と同様の基が挙げられる。Yは非
置換又は置換の2価有機基であり、好ましくは炭素数1
〜10、特に炭素数1〜4のものであり、例えばメチレ
ン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等のアル
キレン基、フェニレン基等のアリーレン基やこれらの基
の水素原子をハロゲン原子、シアノ基等で置換したもの
などが挙げられる。k、m、m’、rはそれぞれ0<k
≦20、0≦m≦20、1≦m’≦20、1≦r≦2
0、特に5≦k≦15、2≦m≦10、2≦m’≦1
0、1≦r≦10を満たす整数であり、p、qはそれぞ
れpは0、1又は2、qは1、2又は3であり、好まし
くはpは0又は1、qは2又は3であり、かつp+q=
3を満たす数である。
好適な例としては、下記のトリアルコキシシリルアルキ
ル基、アルキルジアルコキシシリルアルキル基などのア
ルコキシシリルアルキル基を挙げることができる。
ハイドロジェンシロキサンは、相当する各種のオルガノ
ハイドロジェンシロキサンとビニル基、アリル基などの
アルケニル基を有するオルガノアルコキシシランを白金
系触媒存在下で付加反応させるか、あるいは相当する各
種のオルガノハイドロジェンシロキサンとオルガノアル
コキシシランを酸触媒存在下で平衡化することによって
得ることができる。
シロキサンの1種を単独で使用しても、あるいは2種以
上を組み合わせて使用してもよいが、その配合量は、
(I)成分100部(重量部、以下同様)に対して1〜
500部、好ましくは2〜200部であり、1部未満で
は組成物の皮膜の強度が不足し、十分な接着強度が得ら
れなくなり、500部を超えると組成物の皮膜が脆く、
十分な接着強度が得られなくなる。
の有機チタン酸エステル化合物は、このプライマー組成
物を縮合硬化して風乾性を与え、皮膜と被着体との接着
性を向上させるために必要なものである。この有機チタ
ン酸エステル化合物としては、具体的にテトラメチルチ
タネート、テトラエチルチタネート、テトラプロピルチ
タネート、テトラブチルチタネート、テトラオクチルチ
タネート、チタンテトラキス(ビス−2,2(アリルオ
キシメチル)ブトキサイド)、テトラキス(トリメチル
シロキシ)チタン、(トリイソプロピルチタノキシ)ト
リ−n−ブチルスズ、(2−メタクリルオキシエチル)
トリイソプロピルチタネート、チタンジイソプロポキサ
イド(ビス−2,4−ペンタンジオネート)、チタンジ
−n−ブトキサイドビス−(エチルアセトアセテー
ト)、チタンラクテート、チタンメタクリレートトリイ
ソプロポキサイド、チタンアリルアセトアセテートトリ
イソプロポキサイド、チタンメタクリルオキシエチルア
セトアセテートトリイソプロポキサイド、チタノセンジ
フェノキサイドなどが例示される。
配合量は、(I)成分100部に対して0.1〜500
部、好ましくは0.3〜100部であり、0.1部未満
では風乾が進行せず、組成物の皮膜の強度が不足し、十
分な接着強度が得られなくなり、500部を超えると組
成物の皮膜が脆く、十分な接着強度が得られなくなる。
した(I)〜(III)成分の所定量を均一に混合する
ことによって得ることができるが、必要に応じてヘキサ
ン、ヘプタン、トルエン、キシレン、アセトン、メチル
エチルケトン、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノ
ール、塩化メチレン、トリクロロエチレン等から選択さ
れる1種又は2種以上の溶剤を添加して希釈してもよ
い。また、本発明の組成物には、その他の任意成分とし
てこの組成物が塗布されたことを確認するために各種の
顔料、例えばカーボン、ベンガラ、酸化チタンなどの無
機系顔料又は各種の有機系顔料を添加したり、得られる
皮膜の強度や耐熱性を向上させるために各種の無機質充
填剤、例えばヒュームドシリカ、ベンガラ、酸化セリウ
ム、酸化チタン等を添加してもよい。なお、上記任意成
分の添加量は、本発明の効果を妨げない範囲で目的に応
じた任意量とすることができる。
(A)成分としてのオルガノポリシロキサンは、下記平
均組成式(5)で示されるものである。
で、かつR13のうちの少なくとも0.15モル%がアル
ケニル基であり、iは1.9≦i≦2.3を満たす正数
である。)
置換の1価炭化水素基としては、好ましくは炭素数1〜
10、特に1〜6のものであり、例えばメチル基、エチ
ル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル
基、シクロヘキシル基等のアルキル基、ビニル基、アリ
ル基、プロペニル基、ブテニル基等のアルケニル基、フ
ェニル基、トリル基、ナフチル基等のアリール基、ベン
ジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基や、これら
の基の水素原子をハロゲン原子、シアノ基等で置換した
クロロメチル基、ブロムエチル基、トリフルオロプロピ
ル基、シアノエチル基などが挙げられる。この場合、R
13のうち少なくとも0.15モル%、好ましくは0.2
〜2.0モル%がアルケニル基、好ましくはビニル基で
ある。iは1.9≦i≦2.3、好ましくは1.95≦
i≦2.05を満たす正数である。
は、本発明のプライマー組成物が塗布により形成される
皮膜の主要成分となるもので、その皮膜に柔軟性を与
え、皮膜と加熱硬化性シリコーンゴムとの接着性を向上
させるものであることから、基本的に直鎖状のジオルガ
ノポリシロキサンであるが、一部に分岐状構造を含んで
いてもよく、25℃における粘度が5000cs(セン
チストークス)以上、好ましくは10000〜1000
00csのものを使用する。
ロキサンは、下記平均組成式(6)で示されるものであ
る。
あり、jは0.5≦j≦1.8を満たす正数である。)
13と同様のものを挙げることができる。jは0.5≦j
≦1.8、特に0.8≦j≦1.2を満たす正数であ
り、上記式(6)のオルガノポリシロキサンは、分子中
にR14SiO3/2単位及び/又はSiO2単位を含有し、
必要に応じてR14SiO1/2単位、R14SiO2/2単位の
1種又は2種以上を含有してもよいレジン構造(三次元
網状構造)のものである。
は、上記した各シロキサン単位に相当する各種のオルガ
ノクロロシラン又はオルガノアルコキシシランを加水分
解することによって得ることができる。
種を単独で又は2種以上を混合して使用することができ
るが、その配合量は、(A)成分100部に対して5〜
200部、好ましくは10〜100部である。配合量が
5部に満たないと組成物の皮膜の強度が不足し、十分な
接着強度が得られなくなり、200部を超えると組成物
の皮膜が脆く十分な接着強度が得られなくなる。
ルガノアルコキシシラン又はシロキサンは、下記平均組
成式(1)で示されるものである。
R2は官能基を有する1価有機基、R3は非置換又はアル
コキシ置換のアルキル基であり、a、b、cはそれぞれ
0≦a≦3、0≦b≦3、0<c≦4、0<a+b+c
≦4を満たす数である。)
サンは、第1のプライマー組成物において、先に説明し
た(I)成分の式(1)のオルガノアルコキシシラン又
はシロキサンと同様であるので、その説明を省略する。
ン又はシロキサンの配合量は、(A)成分100部に対
して5〜500部、好ましくは10〜200部であり、
5部に満たないと組成物の皮膜の強度が不足し、十分な
接着強度が得られなくなり、500部を超えると組成物
の皮膜が脆く十分な接着強度が得られなくなる。
ルガノハイドロジェンシロキサンは、本発明の第2のプ
ライマー組成物の接着性を飛躍的に向上させるための必
須成分であり、これは、第1のプライマー組成物におい
て説明した(II)成分のアルコキシシリル基含有オル
ガノハイドロジェンシロキサンにおいて、特に下記一般
式(3)で示され、少なくとも分子鎖末端にSiH基を
有し、かつ分子中、特に分子鎖の他方の末端にアルコキ
シシリル基、特にはアルコキシシリルアルキル基を有す
る基本的に直鎖状のものである。
置換又は置換の1価炭化水素基、Yは非置換又は置換の
2価有機基、R12は非置換又はアルコキシ置換のアルキ
ル基であり、k、mはそれぞれ0<k≦20、0≦m≦
20を満たす整数であり、pは0、1又は2、qは1、
2又は3であり、かつp+q=3である。)
含有オルガノハイドロジェンシロキサンの詳細な説明は
先に説明した通りである。
イドロジェンシロキサンの1種を単独で使用しても2種
以上を組み合わせて使用してもよいが、その配合量は、
(A)成分100部に対して1〜500部、好ましくは
2〜200部であり、1部未満ではシリコーンゴムと相
互作用をすべき活性点が十分得られず、また、組成物の
皮膜の強度が不足し、十分な接着強度が得られなくな
り、500部を超えると組成物の皮膜が脆く十分な接着
強度が得られなくなる。
り付加反応用触媒として公知のもので、例えば金属白
金、塩化白金酸、エチレン、プロピレン、ブタジエン、
シクロヘキセン、ジシクロオクタン、1,1,3,3−
テトラメチル−1,3−ジビニルジシロキサンなどの不
飽和化合物と白金との錯体などが例示される。
成分に対して白金金属として1〜100ppm、好まし
くは2〜50ppmであり、1ppm未満では付加反応
が進行せず、組成物の皮膜の強度が不足し、十分な接着
強度が得られなくなり、100ppmを超えると組成物
の付加反応が進みすぎてシリコーンゴムと相互作用をす
べき活性点が失われ十分な接着強度が得られなくなる。
の有機チタン酸エステル化合物は、このプライマー組成
物を縮合硬化して風乾性を与え、皮膜と被着体との接着
性を向上させるもので、これは第1のプライマー組成物
の(III)成分と同様のものを挙げることができる。
配合量は、(A)成分100部に対して0.1〜100
部、好ましくは0.3〜30部であり、0.1部未満で
は風乾が進行せず組成物の皮膜の強度が不足し、十分な
接着強度が得られなくなり、100部を超えると組成物
の皮膜が脆く十分な接着強度が得られなくなる。
から加熱硬化性シリコーンゴムの加硫剤として公知のも
ので、この有機過酸化物は、プライマー組成物をラジカ
ル硬化して皮膜と被着体との接着性を向上させるもので
ある。有機過酸化物としては、具体的にジクミルパーオ
キサイド、ターシャリーブチルパーベンゾエート、2,
5−ジメチル−2,5−ジ(ターシャリーブチルパーオ
キシ)ヘキサンなどが例示される。
0部に対して0.1〜5部、好ましくは0.2〜2部で
ある。
した(A)〜(G)成分の所定量を均一に混合すること
によって得ることができるが、必要に応じてヘキサン、
ヘプタン、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチ
ルケトン、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノー
ル、塩化メチレン、トリクロロエチレン等から選択され
る1種又は2種以上の溶剤で希釈して使用してもよい。
また、本発明の組成物には、その他の任意成分として得
られる皮膜の強度や耐熱性を向上させるために各種の無
機質充填剤、例えばヒュームドシリカ、ベンガラ、酸化
セリウム、酸化チタン等を添加してもよい。なお、これ
ら任意成分の添加量は、本発明の効果を妨げない範囲で
通常量とすることができる。
ってこれを被着体の表面に塗布し、この塗布面にシリコ
ーンゴムなどを接着させるが、特に溶剤で希釈して使用
される場合には塗布後10〜60分間程度風乾させてか
らシリコーンゴムなどと接着させることがよく、このシ
リコーンゴムの加工時にプライマー層に流れが生じる場
合には、この塗布面を100〜200℃程度に加熱して
5〜60分間程度焼付処理をして、この皮膜の強度を調
節してもよい。
リコーンゴム、特にJIS−A硬度20以下の低硬度の
加熱硬化性シリコーンゴムを各種被着体に接着させるの
に有効に使用でき、被着体としては、例えば鉄、アルミ
ニウム、ステンレス、ニッケル、亜鉛、錫メッキ鋼板な
どの金属や各種プラスチックなどを使用可能である。
着性を有し、加熱硬化性シリコーンゴム、特にJIS−
A硬度20以下の低硬度の加熱硬化性シリコーンゴムを
鉄、アルミニウム、ステンレス、ニッケル、亜鉛、錫メ
ッキ鋼板などの金属や各種プラスチックなどの被着体に
接着させるのに好適に使用でき、例えば複写機のロール
部分やエンジン周り部品などに使用される金属又はその
他各種基材と加熱硬化性シリコーンゴムとの接着におけ
るプライマーとして特に有効に使用できる。
体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるも
のではない。なお、各例中の部はいずれも重量部であ
り、粘度は25℃における測定値を示す。
試験は、下記方法で行った。 接着性試験方法:縦50mm×横25mm×厚さ1mm
の鉄板を金型にセットし、更に、鉄板の重ね合わせ部分
にプライマー組成物を塗布後、シリコーンゴム組成物を
射出成型機で120℃×3分加熱硬化させ、200℃×
4時間後加熱して、図1に示すように被着体1,1がシ
リコーンゴム層2を介して接着したサンプル(長さ10
mm×幅25mm×厚さ2mm)を成形した。
mm/分のスピードで剪断接着力を測定し、そのときの
接着部分の破壊状況を観察し、その結果を次の基準で評
価した。 ○:接着性良好。100%凝集破壊。 △:一部剥離。 ×:100%剥離又はプライマー破壊。
ラン100部、下記式(a)で示される粘度15csの
トリメトキシシリル基を有するメチルハイドロジェンシ
ロキサン(以下、ポリシロキサンaと略す)50部及び
テトラブチルチタネート50部を混合し、これにヘプタ
ン1000部を加えて良く混合してプライマー組成物1
を作った(実施例1)。
い以外は上記実施例1と同様にしてプライマー組成物2
を作った(比較例1)。
ライマー組成物1,2をそれぞれ被着体の鉄板の重ね合
わせ部分に塗布し、30分間風乾した後、シリコーンゴ
ム組成物として付加反応性液状シリコーンゴム組成物K
E1380A/B(信越化学工業(株)製)を使用し、
接着性試験サンプル(硬化後のJIS−A硬度5)を作
成し、接着性試験を行った。その結果、プライマー組成
物1は100%凝集破壊であったが、プライマー組成物
2は剥離した。
シシラン100部、ビニルトリエトキシシラン50部、
下記式(b)で示される粘度15csのトリメトキシシ
リル基を有するメチルハイドロジェンシロキサン(以
下、ポリシロキサンbと略す)50部及びテトラブチル
チタネート50部を混合し、これにヘプタン1000部
を加えて良く混合してプライマー組成物3を作った(実
施例2)。
下記式(c)で示される粘度10csのメチルハイドロ
ジェンシロキサン(以下、ポリシロキサンcと略す)5
0部を使用する以外は上記実施例2と同様にしてプライ
マー組成物4を作った(比較例2)。
わりに下記式(d)で示される粘度15csのトリメト
キシシリル基を有するメチルハイドロジェンシロキサン
(以下、ポリシロキサンdと略す)50部を使用する以
外は上記実施例2と同様にしてプライマー組成物5を作
った(比較例3)。更に、ポリシロキサンbを使用しな
い以外は実施例1と同様にしてプライマー組成物6を作
った(比較例4)。
て、上記実施例1と同様に接着性試験を行って接着性を
評価したところ、プライマー組成物3は100%凝集破
壊であったが、プライマー組成物4〜6は一部又は全部
が剥離した。
組成及び接着性試験結果は、表1に示す通りであり、本
発明組成物は、いずれも優れた接着性を有することが確
認された。
ン単位97モル%、メチルビニルシロキサン単位3モル
%からなる平均重合度5000のメチルビニルポリシロ
キサン生ゴム100部、メチルシロキサン単位40モル
%、ジメチルシロキサン単位30モル%、フェニルシロ
キサン単位30モル%からなり、シラノール含有率が
0.15モル%であるメチルフェニルポリシロキサンレ
ジン50部、テトラエトキシシラン15部、下記式
(a)で示される粘度15csのトリメトキシシリル基
を有するメチルハイドロジェンシロキサン(以下、ポリ
シロキサンaと略す)10部、塩化白金酸のイソプロパ
ノール溶液(白金濃度10ppm)1部、テトラブチル
チタネート5部及びジクミルパーオキサイド1部を混合
し、これにトルエン500部、ヘプタン1000部を加
えて良く混合してプライマー組成物7を作った(実施例
3)。
下記式(e)で示される粘度10csのメチルハイドロ
ジェンシロキサン(以下、ポリシロキサンeと略す)1
0部を使用する以外は上記実施例3と同様にしてプライ
マー組成物8を作った(比較例5)。
イマー組成物7,8をそれぞれ鉄板の重ね合わせ部分に
塗布し、30分間風乾してから更に150℃で30分間
焼付処理をした。ここに付加反応性液状シリコーンゴム
KE1380A/B(信越化学工業(株)製、硬化後の
JIS−A硬度5)を接着して上記の接着性試験方法で
接着性を評価した。その結果、プライマー組成物7は1
00%凝集破壊であったが、プライマー組成物8は剥離
した。
用したメチルビニルポリシロキサン生ゴム100部、メ
チルフェニルポリシロキサンレジン50部、テトラエト
キシシラン10部、ビニルトリエトキシシラン5部、下
記式(f)で示される粘度12csのトリメトキシシリ
ル基を有するメチルハイドロジェンシロキサン(以下、
ポリシロキサンfと略す)20部、塩化白金酸のイソプ
ロパノール溶液(白金濃度10ppm)1部、テトラブ
チルチタネート5部及びジクミルパーオキサイド1部を
混合し、これにトルエン500部、ヘプタン1000部
を加えて良く混合してプライマー組成物9を作った(実
施例4)。
下記式(g)で示される粘度10csのメチルハイドロ
ジェンシロキサン(以下、ポリシロキサンgと略す)1
5部を使用する以外は上記実施例4と同様にしてプライ
マー組成物10を作った(比較例6)。
わりに下記式(h)で示される粘度15csのトリメト
キシシリル基を有するメチルハイドロジェンシロキサン
(以下、ポリシロキサンhと略す)20部を使用する以
外は上記実施例4と同様にしてプライマー組成物11を
作った(比較例7)。更に、ポリシロキサンfを使用し
ない以外は実施例3と同様にしてプライマー組成物12
を作った(比較例8)。
いて、上記実施例3と同様に接着性を評価したところ、
プライマー組成物9は100%凝集破壊であったが、プ
ライマー組成物10〜12は一部又は全部が剥離した。
組成及び接着性試験結果は表2に示す通りであり、本発
明組成物は、優れた接着性を有することが確認された。
プルの概略図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 (I)下記平均組成式(1) R1 aR2 b(OR3)cSiO(4-a-b-c)/2 (1) (但し、式中R1は非置換又は置換の1価炭化水素基、R2は官能基を有する1価 有機基、R3は非置換又はアルコキシ置換のアルキル基であり、a、b、cはそ れぞれ0≦a≦3、0≦b≦3、0<c≦4、0<a+b+c≦4を満たす数で ある。) で示されるオルガノアルコキシシラン又はシロキサン 100重量部 (II)下記平均組成式(2) HdR4 e(XSiR5 g(OR6)h)fSiO(4-d-e-f)/2 (2) (但し、式中R4、R5はそれぞれ非置換又は置換の1価炭化水素基、R6は非置 換又はアルコキシ置換のアルキル基、Xは非置換又は置換の2価有機基又は酸素 原子であり、d、e、fはそれぞれ0<d≦2、0≦e≦3、0<f≦3、0< d+e+f≦4を満たす数であり、gは0、1又は2、hは1、2又は3であり 、かつg+h=3である。) で示されるアルコキシシリル基含有オルガノハイドロジェンシロキサン 1〜500重量部 (III)有機チタン酸エステル化合物 0.1〜500重量部 を含有してなることを特徴とするプライマー組成物。
- 【請求項2】 (II)成分のアルコキシシリル基含有
オルガノハイドロジェンシロキサンが、下記一般式
(3)又は(4) 【化1】 (但し、式中R7、R8、R9、R10、R11はそれぞれ非
置換又は置換の1価炭化水素基、Yは非置換又は置換の
2価有機基、R12は非置換又はアルコキシ置換のアルキ
ル基であり、k、m、m’、rはそれぞれ0<k≦2
0、0≦m≦20、1≦m’≦20、1≦r≦20を満
たす整数であり、pは0、1又は2、qは1、2又は3
であり、かつp+q=3である。)で示されるものであ
る請求項1記載のプライマー組成物。 - 【請求項3】 (A)下記平均組成式(5) R13 iSiO(4-i)/2 (5) (但し、式中R13は非置換又は置換の1価炭化水素基で、かつR13のうちの少な くとも0.15モル%がアルケニル基であり、iは1.9≦i≦2.3を満たす 正数である。) で示され、25℃における粘度が5000センチストークス以上のアルケニル基 含有オルガノポリシロキサン 100重量部 (B)下記平均組成式(6) R14 jSiO(4-j)/2 (6) (但し、式中R14は非置換又は置換の1価炭化水素基であり、jは0.5≦j≦ 1.8を満たす正数である。) で示されるオルガノポリシロキサン 5〜200重量部 (C)下記平均組成式(1) R1 aR2 b(OR3)cSiO(4-a-b-c)/2 (1) (但し、式中R1は非置換又は置換の1価炭化水素基、R2は官能基を有する1価 有機基、R3は非置換又はアルコキシ置換のアルキル基であり、a、b、cはそ れぞれ0≦a≦3、0≦b≦3、0<c≦4、0<a+b+c≦4を満たす数で ある。) で示されるオルガノアルコキシシラン又はシロキサン 5〜500重量部 (D)下記一般式(3) 【化2】 (但し、式中R7、R8、R9、R10、R11はそれぞれ非置換又は置換の1価炭化 水素基、Yは非置換又は置換の2価有機基、R12は非置換又はアルコキシ置換の アルキル基であり、k、mはそれぞれ0<k≦20、0≦m≦20を満たす整数 であり、pは0、1又は2、qは1、2又は3であり、かつp+q=3である。 ) で示される分子鎖末端にSiH基を有し、かつ分子中にアルコキシシリル基を有 するオルガノハイドロジェンシロキサン 1〜500重量部 (E)白金系触媒 白金金属として1〜100ppm (F)有機チタン酸エステル化合物 0.1〜100重量部 (G)有機過酸化物 0.1〜5重量部 を含有してなることを特徴とするプライマー組成物。
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