JP4600669B2 - プライマー組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、シリコーンゴムと被着体とを良好に接着させることが可能なプライマー組成物に関し、より詳しくは、シリコーンゴムと金属、特に従来から接着が難しいとされていた金、銀、白金などの貴金属類とを良好に接着させるためのプライマー組成物に関するものである。
シリコーンゴムと金属との一体成型品は、シリコーンゴムの耐熱性などから各種ガスケットなどでの自動車用部品、レンジの窓枠シール、ポットのパッキンなどの家電類、複写機・プリンターの定着機周辺など幅広い分野に使用されてきた。近年、シリコーンゴムの電気、電子用途への応用が広がるに従い、電気接点に用いられる金、銀などの基材と、耐久疲労特性に優れるシリコーンゴムを接着させるプライマーの開発が望まれてきた。
従来、シリコーンゴムの接着対象に利用されるプライマー組成物は数多く提案されており、例えば特開昭52−32030号公報(特許文献1)には、テトラオルガノチタネート、エポキシ基含有アルコキシシラン、脂肪族不飽和結合含有有機ケイ素化合物、白金化合物、有機溶剤に可溶な重合体、有機溶剤からなる組成物が、特公昭61−2107号公報(特許文献2)には、アルコキシ基含有有機ケイ素化合物、有機チタン化合物、ヒドロシリル基含有有機ケイ素化合物からなる組成物が、特開平10−121023号公報(特許文献3)には、オルガノオキシ基含有の有機シラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物、ヒドロシリル基含有有機ケイ素化合物、及び/又は、1分子中に少なくとも1個のヒドロシリル基を有し、かつ非置換又は置換の2価又は3価の芳香環を1〜4個含有するか、又は炭素数2〜30のアルキレン基を有する有機ケイ素化合物、有機アルミニウム化合物を含有してなることを特徴とするプライマー組成物がそれぞれ提案されている。
このようなプライマー組成物を使用した場合、各種プラスチックや鉄、アルミ等の金属とは強固に接着するものの、表面不活性な銀、金といった基材に対しては満足な接着性が得られなかった。
特開昭52−32030号公報 特公昭61−2107号公報 特開平10−121023号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、シリコーンゴムと金属とを良好に接着させることができ、特に銀、金等の金属に対して優れた接着性を有するプライマー組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、1分子中にエポキシ基、Si−H基及び芳香環をそれぞれ少なくとも1つ含む化合物が、シリコーンゴムと金属との接着に顕著な効果があることを見出したものである。特に、1分子中にエポキシ基、Si−H基及び芳香環をそれぞれ少なくとも1つ含む化合物と溶剤に加え、シリコーンレジン、シランカップリング剤、縮合触媒などを添加することで、鉄、アルミといった接着させるのが容易な基材に加え、銀、金、白金といった表面不活性で接着させるのが困難な基材に対しても、シリコーンゴムをこれら基材に良好に接着させることができ、かつ接着力の耐水蒸気性も良好となるプライマー組成物が得られることを見出し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、下記プライマー組成物を提供する
請求項1:
シリコーンゴムと被着体とを一体成形させるためのプライマー組成物であって、下記式(i)又は(ii)で示される化合物と溶剤とを含有することを特徴とするプライマー組成物。
Figure 0004600669
から選ばれる基であり、R w ,R x はそれぞれメチル基である。q、hはそれぞれq=1〜20、h=1〜50である。)で示される基、R’’は−O−、−CH 2 −、−C(CH 3 2 −、−C(=O)−から選ばれる基である。〕
請求項2:
Yが下記式
Figure 0004600669
(式中、R’は上記の通り。)
で示されるものである請求項1記載のプライマー組成物。
請求項3:
R’が−CH 2 CH 2 CH 2 −又は−CH 2 CH 2 −であり、R’’が−CH 2 −又は−C(CH 3 2 −である請求項1記載のプライマー組成物。
請求項4:
更に、シリコーンレジン、オルガノオキシ基含有の有機シラン化合物及びその部分加水分解縮合物から選ばれる少なくとも1種を含む請求項1乃至3のいずれか1項記載のプライマー組成物。
請求項5:
(A)請求項1に記載の式(i)又は(ii)で示される化合物 10質量部、
(B)シリコーンレジン 1〜100質量部、
(C)下記平均組成式(1)
1 a 2 b (OR 3 c SiO (4-a-b-c)/2 …(1)
(式中、R 1 は非置換又はハロゲン置換1価炭化水素基、R 2 はエポキシ、(メタ)アクリル、アミノ又はメルカプト官能性の官能基で置換されたアルキル基、R 3 は非置換又はハロゲン置換1価炭化水素基を示し、a、b、cは、0≦a≦3、0≦b≦3、0<c≦4、0<a+b+c≦4を満足する数である。)
で示される、オルガノオキシ基含有の有機シラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物 1〜100質量部、
(D)縮合触媒 0〜100質量部、
(E)溶剤
を含有してなる請求項4記載のプライマー組成物。
請求項6:
一体成形される被着体が、金属である請求項1乃至5のいずれか1項記載のプライマー組成物。
請求項7:
一体成形される被着体が、表面を金、銀、白金又はそれらを含有する金属で被覆されているものである請求項1乃至6のいずれか1項記載のプライマー組成物。
請求項8:
一体成形されるシリコーンゴムが、付加硬化型シリコーンゴム組成物を硬化することによって得られたシリコーンゴムである請求項1乃至7のいずれか1項記載のプライマー組成物。
本発明のプライマー組成物は、金、銀、白金といった従来接着させることが困難であった金属とシリコーンゴムとを満足に接着させ、かつ接着性、接着耐久性(耐水蒸気性)も良好となるものであり、電気、電子部品等の広い分野で有効に利用することができる。
本発明のプライマー組成物は、1分子中にエポキシ基、Si−H基及び芳香環をそれぞれ少なくとも1つ含む化合物と溶剤とを含有するものであり、更に、シリコーンレジン、オルガノオキシ基含有の有機シラン化合物及びその部分加水分解縮合物から選ばれる少なくとも1種を含むものであることが好ましい。
このようなプライマー組成物としては、
(A)1分子中にエポキシ基、Si−H基及び芳香環をそれぞれ少なくとも1つ含む化合物 10質量部、
(B)シリコーンレジン 1〜100質量部、
(C)下記平均組成式(1)
1 a2 b(OR3cSiO(4-a-b-c)/2 …(1)
(式中、R1は非置換又は置換1価炭化水素基、R2はエポキシ、(メタ)アクリル、アミノ又はメルカプト官能性の官能基を有する1価の有機基、R3は非置換又は置換1価炭化水素基を示し、a、b、cは、0≦a≦3、0≦b≦3、0<c≦4、0<a+b+c≦4を満足する数である。)
で示される、オルガノオキシ基含有の有機シラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物 1〜100質量部、
(D)縮合触媒 0〜100質量部、
(E)溶剤
を含有してなるものがより好ましい。
以下に、(A)〜(E)成分について詳述する。
本発明において、1分子中にエポキシ基、Si−H基及び芳香環をそれぞれ少なくとも1つ含む化合物(A)は、接着性を付与させるために必須なものである。
本発明の(A)成分は、分子中に芳香環(通常、1価〜4価、好ましくは1価〜2価のベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環等)を少なくとも1個、好ましくは1〜20個含有するものである。分子中に芳香環を有することでシリコーンゴム及び各種基材(被着体)との界面での接着性が向上する。
また、(A)成分は、グリシドキシ基等のエポキシ基を分子中に少なくとも1個有するものである。このグリシドキシ基等のエポキシ基は、接着性を発現するために必要なものであり、そのエポキシ当量は100〜5,000g/1mol、好ましくは100〜2,000g/1mol、より好ましくは120〜1,000g/1molの範囲である。エポキシ当量が100未満では合成が困難であり、5,000を超えると接着性が不十分となる。
また、本発明の(A)成分としては、分子中に少なくとも1個のSi−H基(即ち、珪素原子に結合した水素原子)を含有するものであり、1分子中に少なくとも1個、通常1〜100個、好ましくは1〜50個、特には2〜20個程度のSi−H基を有する、珪素原子数1〜500、好ましくは1〜200、より好ましくは1〜50のオルガノシランや直鎖状又は環状構造等のオルガノポリシロキサン等の有機珪素化合物であるものが好適に使用できる。
(A)成分として、特には、エポキシ当量が100〜5,000g/1mol、好ましくは100〜1,000g/1molで、分子中にフェニル骨格(即ち、2〜4価のフェニレン基)又はフェニル基を少なくとも1個有し、かつ分子中に少なくとも1個、通常1〜10個、特には2〜6個程度のSi−H基を含有する有機ケイ素化合物を好適に使用することができる。
上述したように、本発明のプライマー組成物は、(A)成分として、エポキシ当量が100〜5,000g/1molのエポキシ基を有し、分子中に芳香環としてフェニル骨格(即ち、2〜4価のフェニレン基)又はフェニル基に代表されるベンゼン環や、ナフタレン環、アントラセン環等を少なくとも1個有し、少なくとも1個のSi−H基を含有する有機化合物又はオルガノシラン、オルガノシロキサンなどの有機珪素化合物、更に好ましくはエポキシ当量が100〜5,000g/1molのエポキシ基を有し、分子中にフェニル骨格又はフェニル基等のベンゼン環を少なくとも1個有し、少なくとも1個のSi−H基を含有する有機珪素化合物を使用する。本出願人が先願した接着性シリコーンゴム組成物(特開平6−172738号公報)、シリコーン接着組成物(特開平8−53661号公報)に使用される接着性付与成分は、分子中にフェニル骨格又はフェニル基等のベンゼン環を有しているが、エポキシ基を有していないものであり、ポリメチルメタクリレート、ポリフェニレンスルフィド、ポリアミド、ポリフタルアミド等の熱可塑性樹脂に対する接着性は不十分であった。また、一方で接着性付与成分としてSi−H基とエポキシ基を含有した組成物の例が以前から提案されているが、この接着性付与成分は分子中にフェニル骨格又はフェニル基等のベンゼン環構造を含有していないものであり、これもまた上記熱可塑性樹脂に対して十分な接着性が得られないものであった。
本発明で使用される(A)成分として、具体的には下記のものが例示される。
Figure 0004600669
から選ばれる基であり、Rw,Rxは置換又は非置換の一価炭化水素基である。q=1〜50、h=0〜100、好ましくはq=1〜20、h=1〜50である。)で示される基、R''は
Figure 0004600669
(Rw,Rxは上記と同様であり、y=0〜100である。)から選ばれる基であり、Y’は
Figure 0004600669
(Rw,Rx,q,hは上記と同様である。)である。z=1〜10である。〕
上記Rw,Rxの置換又は非置換の一価炭化水素基としては、炭素数1〜12、特に1〜8のものが好ましく、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基等、R1で例示したものと同様のものが挙げられるほか、置換一価炭化水素基としてこれら非置換一価炭化水素基の水素原子の1個又は複数個をアルコキシ基、アクリル基、メタクリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アミノ基、アルキルアミノ基等で置換したものが挙げられる。
なお、上記接着性付与成分(A)は上記成分を単独で用いても併用してもよい。或いは、上記成分の反応物でもよい。
このような化合物としては、下記に示すものが挙げられる。
Figure 0004600669
Figure 0004600669
本発明のプライマー組成物には、溶剤(E)を配合する。溶剤は、組成物の作業条件などを考慮してその種類及び配合量を調整することができ、このような溶剤としては、上記組成物が溶けるものであれば何でもよいが、例えばキシレン、トルエン、ベンゼン、ヘプタン、ヘキサン、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、塩化メチレン、酢酸エチル、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、リグロイン、シクロヘキサノン、ジエチルエーテル、ゴム揮発油、シリコーン系溶剤等の有機溶剤が挙げられ、プライマー塗布作業時の蒸発速度に応じ、1種又は2種以上を組合せて混合溶剤として用いてもよい。
溶剤の配合量としては、塗布作業・乾燥工程に支障がない範囲であればいかなる量でも構わないが、例えば、(A)成分10質量部に対して1〜1000質量部、好ましくは10〜500質量部である。
本発明の組成物には、シリコーンレジン(B)を配合することができる。シリコーンレジン(即ち、三官能性シロキサン単位及び/又はSiO4/2単位を分子中に含有する、三次元網状構造のオルガノポリシロキサン)はプライマー表面を皮膜化するものであり、末端がメチル基、Si−H基、脂肪族不飽和基などを有するシリコーンレジンや、分子内にメチル基だけでなく、フェニル基が含まれるレジンを使用することができ、好ましくは(A)成分との親和性が高いフェニル基を有するシリコーンレジンがよい。ここで、フェニル基含有シリコーンレジンは、トリクロロシラン・ジフェニルジクロロシラン・ジクロロシランの混合物を加水分解したもの等を例示することができる。
シリコーンレジンとしては、特に下記平均組成式(1−1)で示される、好ましくはフェニル基を含有するシリコーンレジンを使用することができる。
p(C65qSiO(4-p-q)/2 …(1−1)
(式中、Rは水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜6のアルキル基、又は、ビニル基、アリル基等の炭素数2〜4のアルケニル基であり、p、qは0.8≦p+q<2、好ましくは1≦p+q≦1.8、更に好ましくは1≦p+q≦1.5であり、かつ0≦q/(p+q)≦0.9、好ましくは0.1≦q/(p+q)≦0.80、更に好ましくは0.25≦q/(p+q)≦0.70を満たす数である。)
なお、シリコーンレジン中の三官能性シロキサン単位(RSiO3/2単位又は(C65)SiO3/2単位)及び/又はSiO4/2単位の含有量は全シロキサン単位に対して25〜100モル%、特に30〜70モル%であることが望ましい。
シリコーンレジンの配合量は、(A)成分10質量部に対して1〜100質量部であることが好ましく、より好ましくは2〜10質量部である。シリコーンレジンの配合量が少なすぎると有効な接着被膜が形成されない場合があり、多すぎると接着成分の濃度が下がり十分な接着性が得られない場合がある。
また、本発明においては、オルガノオキシ基含有の有機シラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物を配合することができ、この成分は(A)成分の働きを助け、金属への接着性を向上させるものであり、下記平均組成式(1)で示される有機シラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物(即ち、分子中に少なくとも1個、好ましくは2個以上の残存オルガノオキシ基を有するオルガノポリシロキサン)(C)であることが好ましい。
1 a2 b(OR3cSiO(4-a-b-c)/2 …(1)
(式中、R1は非置換又は置換1価炭化水素基、R2はエポキシ、(メタ)アクリル、アミノ又はメルカプト官能性の官能基を有する1価の有機基、R3は非置換又は置換1価炭化水素基を示し、a、b、cは、0≦a≦3、0≦b≦3、0<c≦4、かつ0<a+b+c≦4を満足する数である。)
上記式(1)中、R1は、好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜8の置換又は非置換の一価炭化水素基であり、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ビフェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、メチルベンジル基等のアラルキル基や、これらの炭化水素基中の水素原子の一部又は全部がフッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子、シアノ基などによって置換されたクロロメチル基、2−ブロモエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、3−クロロプロピル基、シアノエチル基等のハロゲン置換アルキル基やシアノ置換アルキル基などが挙げられる。
また、R2はエポキシ、(メタ)アクリル、アミノ又はメルカプト官能性の官能基を有する1価の有機基であり、具体的には、
Figure 0004600669

(nは1〜8の整数)で示されるグリシドキシプロピル基等のエポキシ置換アルキル基、
Figure 0004600669

(Rは水素原子又はメチル基、nは1〜8の整数)で示される(メタ)アクリロキシプロピル基等の(メタ)アクリル置換アルキル基、H2N−(CH2n−(nは1〜8の整数)で示されるアミノプロピル基等のアミノ置換アルキル基、HS−(CH2n−(nは1〜8の整数)で示されるメルカプトプロピル基等のメルカプト置換アルキル基等を例示することができ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。本発明においては、エポキシ基を少なくとも1つ配合することが好ましい。
3は、好ましくは炭素数1〜6、より好ましくは炭素数1〜4の非置換又は置換1価炭化水素基であり、R1で例示したものと同様のものを例示することができる。
a、b、cは、0≦a≦3、0≦b≦3、0<c≦4、0<a+b+c≦4を満足する数であり、好ましくは1≦a≦3、1≦b≦3、1≦c≦3、かつ1≦a+b+c≦4を満足する数である。
(C)成分としては、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、メチルジメトキシシリル基などのアルコキシシリル基、アクリル基、エステル基、無水カルボキシ基、アミノ基、アミド基等を有する有機ケイ素化合物が好ましく、より好ましくは分子中にエポキシ基を少なくとも1つ含有するものがよい。このような(C)成分としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン及びこれらの部分加水分解縮合物などが挙げられる。
上記有機シラン化合物及びその部分加水分解縮合物の配合量は、(A)成分10質量部に対して1〜100質量部であることが好ましく、より好ましくは1〜50質量部である。シランカップリング剤の配合量が少なすぎると十分な接着性が得られない場合があり、多すぎると被膜強度が低下するだけでなく、高価なものになってしまう場合がある。
本発明では、更に縮合触媒(D)を添加することができる。縮合触媒としては、アミン系化合物、錫系化合物、チタン系化合物等があるが、特にチタン系の縮合触媒が効果的である。ここで、有機チタン化合物として具体的には、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、ジエトキシチタンアセチルアセトナート、チタンジアセチルアセトナート、チタンオクチルグリコート、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル、チタントリエタノールアミネート、これらの部分加水分解縮合物等のチタン酸エステル類、チタンの部分アルコキシ化キレート化合物、チタンキレート化合物、チタンの珪酸エステルやそのキレート化物などが例示される。
縮合触媒の配合量は、(A)成分10質量部に対して0〜100質量部であることが好ましく、より好ましくは1〜10質量部である。縮合触媒の配合量が少なすぎるとプライマー塗布後、プライマー成分の縮合反応が十分進行するために長時間の風乾時間を要する場合があり、多すぎると塗布直後から急速に縮合反応が進行して固まるために作業性が悪くなる場合がある。
本発明のプライマー組成物は、前記成分を常温下で均一に混合することにより容易に得ることができる。なお、本発明のプライマー組成物においては、本発明の目的を損なわない範囲で上記成分以外の添加剤を適宜配合することは差し支えない。
本発明のプライマー組成物を接着に使用する場合は、これを清浄にした接着用基体(被着体)面に適宜の方法、例えば「はけ塗り」などの手段で薄く塗布すればよい。この場合、塗布量は接着用基体表面にプライマー薄膜を形成させるのに十分な量とすればよく、通常0.1〜10μm、好ましくは0.5〜5μmの厚さであり、多量の塗布は却って基体とシリコーンゴムとの接着を阻害するので好ましくない。更に塗布後は、30分乃至それ以上時間をかけて風乾を行ってからシリコーンゴムを接着させることが好ましい。また、プライマー組成物の基材への接着、あるいはプライマー組成物自体の硬化を確実にするために、必要に応じて120〜150℃で30分〜1時間程度加熱して焼付けを行ってからシリコーンゴムを接着させることが好ましい。更に、シリコーンゴムと基材の間の接着を強固なものとするために、シリコーンゴムの加熱硬化・接着を行った後、150℃で1時間以上、好ましくは2時間キュアすることが望ましい。
ここで、被着体である接着用基体としては、金、銀、白金に加え、スチール、ステンレススチール、銅、アルミニウム、クロム、ニッケル、クロムメッキ鋼などの金属が挙げられ、またスチール等の金属やプラスチックにメッキ等の表面処理を施すことにより、表面が金、銀、白金又はそれらを含有する金属で被覆されたものなども用いることができる。
また、シリコーンゴムとしては、公知のシリコーンゴムを使用するもので、例えばジオルガノポリシロキサン生ゴムと充填剤とを主成分として有機過酸化物で硬化させる熱硬化型のシリコーンゴム組成物、ビニル基含有ジオルガノポリシロキサン生ゴムもしくはオイルとオルガノハイドロジェンポリシロキサンと充填剤とを主成分とし、白金系触媒によって加熱硬化させる付加硬化型のシリコーンゴム組成物を硬化することによって得られるシリコーンゴム等が挙げられるが、特に付加硬化型のシリコーンゴム組成物が好ましい。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
[実施例1〜7]
表1に示す成分を常温で均一になるように撹拌し、プライマー組成物を調製した。
[比較例1]
接着助剤を使用せず、溶剤とCFシランカップリング剤と縮合触媒とを使用して実施例3と同様にしてプライマー組成物を調製した。
[比較例2]
接着助剤として骨格にエポキシ基、フェニル基をもつ化合物を使用する以外は実施例1と同様にしてプライマー組成物を調製した。
また、基材(金メッキ鋼、銀)として、幅25mm、長さ50mm、厚み0.2mmのものを準備した。上記で得られたプライマー組成物を、基材に25mm×10mmの大きさで塗布し、30分風乾した。次に、基材を150℃の乾燥機に入れ、30分オーブンキュアを行った。このプライマー硬化皮膜の上に、付加硬化型シリコーンゴム組成物(KE1950−50A/B、配合比100/100、信越化学工業(株)製)を塗布し、硬化条件を120℃/10分としてプレスキュアを行い、更に150℃/2時間オーブンキュアを行った。
接着試験は、ゴムと基材を引っ張る180度ピール試験によって行い、ゴム破壊:100%を○、ゴム破壊と界面剥離(20%未満)混在を△○、ゴム破壊と界面剥離(20%以上100%未満)混在を△、界面剥離:100%を×とした。また、金属−シリコーンゴムの複合体の初期接着性だけでなく、耐水蒸気性(120℃/100%RH/70時間)評価も併せて行った。結果を表1に併記する。
Figure 0004600669
溶剤:酢酸エチル
Figure 0004600669
フェニル基含有レジン:C65SiO3/2単位、CH3SiO3/2単位、(CH32SiO2/2単位からなる共重合体(フェニル基とメチル基との合計に対するフェニル基量:30モル%、OH基含有量:2.5質量%、全シロキサン単位に対するC65SiO3/2単位とCH3SiO3/2単位の合計の比率は40モル%)
メチル基系レジン:(CH33SiO1/2単位、(CH2=CH)(CH32SiO1/2単位、SiO4/2単位からなる共重合体([(CH33SiO1/2単位と(CH2=CH)(CH32SiO1/2単位との合計]/SiO4/2単位=0.8モル/モル、ビニル基含有量:0.0005モル/g)
CFシラン:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(商品名:KBM−403、信越化学工業(株)製)
縮合触媒:チタンテトラオクトエート
表1の結果より、本発明のプライマー組成物は、接着性、接着耐久性(耐水蒸気性)に優れ、金、銀基材へシリコーンゴムを良好に接着させることができ、過酷な環境条件下で使用する場合に有用なものであることが認められた。

Claims (8)

  1. シリコーンゴムと被着体とを一体成形させるためのプライマー組成物であって、下記式(i)又は(ii)で示される化合物と溶剤とを含有することを特徴とするプライマー組成物。
    Figure 0004600669
    から選ばれる基であり、R w ,R x はそれぞれメチル基である。q、hはそれぞれq=1〜20、h=1〜50である。)で示される基、R’’は−O−、−CH 2 −、−C(CH 3 2 −、−C(=O)−から選ばれる基である。〕
  2. Yが下記式
    Figure 0004600669
    (式中、R’は上記の通り。)
    で示されるものである請求項1記載のプライマー組成物。
  3. R’が−CH 2 CH 2 CH 2 −又は−CH 2 CH 2 −であり、R’’が−CH 2 −又は−C(CH 3 2 −である請求項1記載のプライマー組成物。
  4. 更に、シリコーンレジン、オルガノオキシ基含有の有機シラン化合物及びその部分加水分解縮合物から選ばれる少なくとも1種を含む請求項1乃至3のいずれか1項記載のプライマー組成物。
  5. (A)請求項1に記載の式(i)又は(ii)で示される化合物 10質量部、
    (B)シリコーンレジン 1〜100質量部、
    (C)下記平均組成式(1)
    1 a2 b(OR3cSiO(4-a-b-c)/2 …(1)
    (式中、R1は非置換又はハロゲン置換1価炭化水素基、R2はエポキシ、(メタ)アクリル、アミノ又はメルカプト官能性の官能基で置換されたアルキル基、R3は非置換又はハロゲン置換1価炭化水素基を示し、a、b、cは、0≦a≦3、0≦b≦3、0<c≦4、0<a+b+c≦4を満足する数である。)
    で示される、オルガノオキシ基含有の有機シラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物 1〜100質量部、
    (D)縮合触媒 0〜100質量部、
    (E)溶剤
    を含有してなる請求項記載のプライマー組成物。
  6. 一体成形される被着体が、金属である請求項1乃至のいずれか1項記載のプライマー組成物。
  7. 一体成形される被着体が、表面を金、銀、白金又はそれらを含有する金属で被覆されているものである請求項1乃至のいずれか1項記載のプライマー組成物。
  8. 一体成形されるシリコーンゴムが、付加硬化型シリコーンゴム組成物を硬化することによって得られたシリコーンゴムである請求項1乃至のいずれか1項記載のプライマー組成物。
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