JP2003109449A - 押釦スイッチ用接点部材 - Google Patents

押釦スイッチ用接点部材

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JP2003109449A JP2001301860A JP2001301860A JP2003109449A JP 2003109449 A JP2003109449 A JP 2003109449A JP 2001301860 A JP2001301860 A JP 2001301860A JP 2001301860 A JP2001301860 A JP 2001301860A JP 2003109449 A JP2003109449 A JP 2003109449A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 異物が介在した場合であっても通電に必要な
電極との接触面積を確保することができると共に、長期
間使用しても経時的な劣化によるスティッキング等が生
じ難い接点部材を提供する。 【解決手段】 シリコーンゴムと導電材料とを積層した
接点部材1であって、シリコーンゴム層4の表面に硬質
樹脂層6を形成し、該硬質樹脂層6に接着層を介して弾
性変形可能な柔軟性金属箔層8を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電極に当接して
通電可能な接点部材、特に、弾性を有するシリコーンゴ
ムを用いた押釦スイッチ用接点部材の耐久性の改良に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来から、押釦スイッチには、押釦を押
圧することにより電極に当接して通電する接点部材が配
置されている。また、携帯電話等の小型電子機器の押釦
スイッチでは、回路開閉機能、復元機能、操作釦機能を
1枚のシリコーンゴムシートに一体化したものが多用さ
れている。
【0003】図6は、従来の小型電子機器の押釦スイッ
チの断面図を示している。図7は、従来の小型電子機器
の押釦スイッチに使用されている接点部材の断面図を示
している。
【0004】図6において、30は押釦スイッチであ
り、回路基板Pに取り付けるためのべース部材31と、
回路基板P上に設けられた電極32に対向して配置され
る押圧部33とを有している。押圧部33の裏面には、
電極32と接触して所定の電気回路を通電できる接点部
材34を有している。押圧部33とベース部材31と
は、押圧部33を押圧しない状態で接点部材34と電極
32とを所定の間隔に保持し、押圧部33を押圧した状
態で接点部材34を電極32から離間させる方向に付勢
するバネ部材35にて一体に接続されている。このた
め、この従来の押釦スイッチ30にあっては、部品点数
が少なくコストダウンが図れるといった利点を有し、広
く使用されている。
【0005】ここで、接点部材34は、シリコーンゴム
からなる押圧部33との接着性を確保するため同じシリ
コーンゴムを主体としており、図7(a)に示したよう
に、シリコーンゴムにカーボンブラックを練り込んで成
形した導電性シリコーンゴム36の成形品や、図7
(b),図7(c)に示したように、導電性シリコーン
ゴム36の両面或いは片面に導電性カーボン繊維布37
を貼り付けたもの等が知られている。
【0006】このような従来の押釦スイッチ30では、
押圧部33を押圧すると、バネ部材35が変形し、接点
部材34が電極32に当接することにより通電すること
ができる。このとき、電極32と当接する部分に弾性に
富むシリコーンゴムが配置されているため、接点部材3
4が電極32に当接する際に、電極32の形状に対応し
て接点部材34が変形することにより接触面積を広く確
保することができる。
【0007】また、図7(d)に示したように、シリコ
ーンゴム層38にプライマー処理層39を介して金属箔
層40を貼り付けた接点部材34にあっては、電極32
に接触する金属箔層40の電気抵抗値が低いため品質が
高く好適なものであった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図7
(d)に示した接点部材34では、シリコーンゴム層3
8が弾性変形し易いので金属箔層40に過度の応力が負
荷され易く、これを防ぐには金属箔層40を厚肉に形成
しなければならない。そこで、金属箔層40を厚肉とし
た場合には、金属箔層40の剛性が高くなり、接点部材
34と電極32との間に絶縁性異物が存在すると、金属
箔層40が異物の形状に応じて変形できない。その結
果、電極32との接触面積が減少して電気抵抗値が増大
したり、接点部材34と電極32との間に隙間が生じて
通電が確保できなくなる等の問題点を有していた。
【0009】また、図7(a)に示した接点部材34で
は、使用を重ねるに連れてシリコーンゴムに加わる圧縮
力の作用により表面にシリコーンオイルが吹き出して電
気抵抗値が増大したり、導電性シリコーンゴム36が電
極32に密着した状態で離れなくなる、いわゆるスティ
ッキング現象が生じることがある。また、図7(b)又
は図7(c)に示した接点部材34では、使用時に繰返
し荷重を受けることにより、導電性カーボン繊維布37
の一部が破断して落下し、電極32に付着することで電
気回路がショートすることもあった。
【0010】さらに、図7(a)乃至図7(c)に示し
た接点部材34にあっては、押圧部33の天面や側面の
外表面に操作による汗や汚れ等に由来する脂肪酸エステ
ル類が付着した場合、脂肪酸エステル類が導電性シリコ
ーンゴム36に浸透し、カーボンブラック粒子間に侵入
して電気抵抗値を増大させたり、電極32との当接部分
に達して、その部分に絶縁物を形成することとなり、そ
の結果、接点部材34と電極32間の電気抵抗値を増大
させるという問題点があった。
【0011】そこで、この発明は、以上のような問題を
解決すべく、異物が介在した場合であっても通電に必要
な電極との接触面積を確保することができると共に、長
期間使用しても経時的な劣化によるスティッキング等が
生じ難い接点部材を提供することを課題としている。
【0012】また、この発明では、脂肪酸エステル類に
よる電気抵抗値の増大を防止できる接点部材を提供する
ことを課題としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】以上のような課題を解決
すべく、請求項1に記載の発明は、シリコーンゴムと導
電材料とを積層した接点部材であって、シリコーンゴム
層の表面に耐熱性を有する硬質樹脂層を形成し、該硬質
樹脂層に接着層を介して弾性変形可能な柔軟性金属箔層
を設けたことを特徴としている。ここで、硬質樹脂層と
は、ASTM−D883でいうところの標準状態にける
弾性率が700MPa(70kgf/mm)以上のも
のをいう。
【0014】請求項2に記載の発明は、請求項1の構成
に加えて、前記硬質樹脂層と前記柔軟性金属箔層との間
に、軟質樹脂層を設けたことを特徴としている。ここ
で、軟質樹脂層とは、ASTM−D883でいうところ
の標準状態にける弾性率が700MPa(70kgf/
mm)未満のものをいう。
【0015】請求項3に記載の発明は、請求項1又は2
の構成に加えて、前記硬質樹脂層は耐熱性及び耐脂肪酸
エステル性を有することを特徴としている。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて、図面に従って説明する。
【0017】[発明の実施の形態1]図1は、この発明
の実施の形態1に係る接点部材であり、携帯電話等の小
型電子機器の押釦スイッチとしての適用例を示してい
る。
【0018】接点部材1は、小型電子機器の押釦スイッ
チ10の押圧部2の裏側に、電極3と対向するように固
定されているシリコーンゴム層4と、このシリコーンゴ
ム層4の電極3側に第1接着層5を介して配置される耐
熱性を有する硬質樹脂層6と、硬質樹脂層6の電極3側
に第2接着層7を介して配置される導電材料層として弾
性変形可能な柔軟性金属箔層8とからなっている。
【0019】柔軟性金属箔層8としては、アルミニウム
やステンレス等、薄膜を形成可能な金属であれば適宜選
択でき、使用環境下での信頼性を向上する目的で金メッ
キ等の他の金属をメッキ処理して使用することも可能で
ある。
【0020】この柔軟性金属箔層8は、厚いと曲げ剛性
が高くなるため、例えば5〜20μmと薄く形成するこ
とが望ましく、電極3との接触時に接触面の形状に応じ
て変形し易いものとしている。
【0021】柔軟性金属箔層8とシリコーンゴム層4と
の間に配置される耐熱性を有する硬質樹脂層6は、脂肪
酸エステル類の浸透性がシリコーンゴム層4より低いも
のであって、柔軟性金属箔層8を使用時に補強できる強
度を有する必要があり、シリコーンゴム層4より硬質で
ありかつ柔軟性金属箔層8より軟質の樹脂が好適に使用
できる。また、この硬質樹脂層6は、電気回路で発生す
る熱に対して安定な樹脂である必要があり、小型電子機
器の押釦スイッチの場合、例えば熱変形温度が100℃
以上であるものが好適である。
【0022】このような硬質樹脂層6としては、例えば
ポリエチレンテレフタレート、ボリブチレンテレフタレ
ート等のポリエステル、ポリイミド、ポリカーボネー
ト、又はそのポリマーアロイ等が挙げられる。なお、こ
の硬質樹脂層6の厚さは、厚いと曲げ剛性が高くなり、
薄いと補強効果が得られないため、柔軟性金属箔層8の
強度に応じて適宜選択することになるが、例えば50〜
200μmのものが使用される。
【0023】このような構成の実施の形態1に係る接点
部材1を製造するには、シリコーンゴム層4に硬質樹脂
層6及び柔軟性金属箔層8を、接着層5,7としてプラ
イマー処理層若しくは接着剤層を介して積層してシート
状の成形品を成形して、このシート状の成形品を任意の
形状に打ち抜けばよい。このとき、予め硬質樹脂層6に
柔軟性金属箔層8をシート状に形成した後、シリコーン
ゴム層4に積層すれば、柔軟性金属箔層8が硬質樹脂層
6により補強されるため、極めて薄い柔軟性金属箔層8
を形成する場合でも柔軟性金属箔層8の形成が容易であ
り、また、後工程を行い易く、製造が容易である。
【0024】実施の形態1に係る接点部材1において
は、硬質樹脂層6により柔軟性金属箔層8が補強されて
いるので、弾性に富むシリコーンゴム層4に直接柔軟性
金属箔層8を設けたものに比べて、柔軟性金属箔層8を
薄く形成することができる。そのため、接点部材1の大
きな変形に対しては硬質樹脂層6で強度を維持すること
ができ、小さな変形に対しては柔軟性金属箔層8と第2
接着層7がその形状変化に追従することが可能である。
【0025】その結果、押釦スイッチ内に絶縁性の異物
が侵入して接点部材1と電極3との間に絶縁性の微細な
異物が存在しても、図2に示したように、柔軟性金属箔
層8がその形状に応じて変形して電極3と接触すること
ができ、接触面積を確保して電気抵抗値を低く維持する
ことが可能である。
【0026】また、電極3との接触面が柔軟性金属箔層
8であるため電極に粘着することがないので、スティッ
キング現象が生じることがなく、また、シリコーンオイ
ルが接点部材1の接触面に吹き出すこともないため、経
時的な劣化が生じ難い。
【0027】また、使用時に汗や汚れ等に由来する脂肪
酸エステル類が押圧部2の外表面に付着してシリコーン
ゴム層4に浸透しても、硬質樹脂層6が脂肪酸エステル
類の浸透を防ぎ、電極3との接触部分に到達して絶縁物
質が形成されることを抑制することができる。特に、こ
の実施の形態1に係る接点部材1では、電極3との接触
部分が柔軟性金属箔層8であるため、脂肪酸エステル類
が2重にブロックされることから接点部材1の表面に絶
縁物質が形成されることを確実に防止することができ
る。
【0028】[発明の実施の形態2]次に、この発明の
実施の形態2について説明する。
【0029】図3に示した接点部材11は、押圧部2に
固定されるシリコーンゴム層4を有し、シリコーンゴム
層4の電極3側に第1プライマー層12を有し、第1プ
ライマー層12の電極3側に50μm厚のポリエチレン
テレフタレート(PET)からなる硬質樹脂層6を有
し、硬質樹脂層6の電極3側に第2プライマー層13を
有し、第2プライマー層13の電極3側にシリコーンゴ
ムからなる軟質樹脂層14を有し、軟質樹脂層14の電
極3側に第3プライマー層15を有し、第3プライマー
層15の電極3側に20μm厚のステンレスからなる柔
軟性金属箔層8を有している。つまり、実施の形態2に
あっては、硬質樹脂層6と柔軟性金属箔層8との間に軟
質樹脂層14が介在した構成となっている。
【0030】軟質樹脂層14としては、硬質樹脂層6の
樹脂より軟質で、かつ、電気回路から生じる熱に対して
安定な程度に耐熱性を有する樹脂を適宜選択することが
でき、例えば、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂、エ
ポキシ系樹脂等が挙げられる。これらは1種からなるも
のであってもよく、2種以上を混合して、或いは積層し
て用いることができる。また、軟質樹脂層14の厚さ
は、樹脂の強度により適宜選択することができるが、過
剰に厚いと硬質樹脂層6による柔軟性金属箔層8の補強
効果が不足し、薄すぎると軟質樹脂層14の十分な効果
が得られないため、10〜1000μmに設定するのが
望ましい。
【0031】なお、硬質樹脂層6及び柔軟性金属箔層8
は実施の形態1と同様であるため、その説明は省略す
る。
【0032】このような構成の実施の形態2に係る接点
部材11を製造するには、例えば次のようにして行うこ
とができる。
【0033】まず、硬質樹脂層6としての厚さ50μm
のPETフィルムの片面に、第1プライマー層12とし
てのシランカップリング剤(KBM403、信越化学工
業(株)製)を塗布し、カレンダー成形によりシリコー
ンゴム層4をトッピングし、加熱硬化して硬質樹脂層6
とシリコーンゴム層4との一体品を製作する。
【0034】次に、この一体品の硬質樹脂層6の表面に
第2プライマー層13としてのシランカップリング剤
(KBM403、信越化学工業(株)製)を塗布し、そ
の上に軟質樹脂層14としてのシリコーンゴムをトッピ
ングし、その上に柔軟性金属箔層8としての厚さ20μ
mのステンレス箔の一方の面に第3プライマー層15と
してのプライマー(No.25、信越化学工業(株)
製)を塗布して張り合わせ、加熱硬化し、これを所定の
形状に打ち抜くことにより接点部材11を完成する。
【0035】このような実施の形態2に係る接点部材1
1によれば、実施の形態1と同様の効果が得られる上
に、硬質樹脂層6と柔軟性金属箔層8との間に軟質樹脂
層14が配置されているので、薄く形成された柔軟性金
属箔層8にさらに柔軟性を付与することができ、接点部
材11と電極3との間に絶縁性の微細な異物が存在する
ような場合にも接触面積を確保して電気抵抗値の増加を
抑える効果をより顕著に得ることができる。
【0036】[発明の実施の形態3]次に、この発明の
実施の形態3について説明する。
【0037】図4に示した接点部材21は、押圧部2に
固定されるシリコーンゴム層4を有し、シリコーンゴム
層4の電極3側にシリコーン系接着層22及びウレタン
系樹脂層23からなる軟質樹脂層14を有し、軟質樹脂
層14の電極3側に硬質樹脂層6としての厚さ25μm
のPETフィルムを有し、硬質樹脂層6の電極3側に接
着剤層24を有し、接着剤層24の電極3側に柔軟性金
属箔層8としての厚さ10μmのアルミニウム箔を有し
ている。つまり、実施の形態3にあっては、シリコーン
ゴム層4と硬質樹脂層6との間に軟質樹脂層14が介在
した構成となっている。
【0038】その他の構成は、実施の形態1と同様であ
るから、その説明を省略する。
【0039】このような構成の実施の形態3に係る接点
部材21を製造するには、例えば次のようにして行うこ
とができる。
【0040】まず、硬質樹脂層6としての厚さ25μm
のPETフィルムに、柔軟性金属箔層8としての厚さ1
0μmのアルミニウム箔を接着した金属箔付きフィルム
を製作する。このような構成のフィルムとして、アルペ
ット10−25(パナック(株)製)等の市販品がある
が、これを使用してもよい。
【0041】次に、この硬質樹脂層6の表面にウレタン
系樹脂(MP−4、(株)セイコーアドバンス製)をス
クリーン印刷により塗布してウレタン系樹脂層23を形
成して乾燥させる。そして、ウレタン系樹脂層23に重
なるようにシリコーン系接着剤(TSE3221、GE
東芝シリコーン(株)製)をスクリーン印刷により塗布
してシリコーン系接着層22を形成し、その上にシリコ
ーンゴム層4としての0.9mmのシリコーンゴムシー
トをトッピングし、130℃で1時間加熱硬化し、所定
の形状に打ち抜くことにより接点部材21を完成する。
【0042】このようにして製造された実施の形態3に
係る接点部材21は、実施の形態1と同様の効果が得ら
れる上に、硬質樹脂層6とシリコーンゴム層4との間に
軟質樹脂層14が配置されているため、接点部材21の
接触面がより電極3の形状に対して追従性が増す。
【0043】なお、実施の形態1乃至3では、いずれも
小型電子機器の押釦スイッチにこの発明を適用した例に
ついて説明したが、この発明に係る接点部材は、接点部
材の一部にシリコーンゴムを使用するスイッチであれば
他のスイッチにも同様に用いることが可能であり、特に
外部から脂肪酸エステル類が付着し易い部分に使用され
る押釦スイッチに好適である。
【0044】
【実施例】以下、この発明の効果を確認するために使用
した実施例及び比較例と、これらを用いた実験結果につ
いて説明する。
【0045】[実施例1]実施例1は実施の形態1に対
応するものであり、シリコーンゴム層4としての0.9
mmのシリコーンゴムシート、硬質樹脂層6として厚さ
25μmのPETフィルム、柔軟性金属箔層8として2
0μm厚のステンレス箔を用い、シリコーンゴム層4と
硬質樹脂層6との第1接着層5としてシランカップリン
グ剤(KBM403、信越化学工業(株)製)、硬質樹
脂層6と柔軟性金属箔層8との第2接着層7としてシラ
ンカップリング剤(KBM403、信越化学工業(株)
製)を用いて、接点部材1を製作した。
【0046】[実施例2]実施例2は実施の形態2に対
応するものであり、シリコーンゴム層4としての0.9
mmのシリコーンゴムシート、硬質樹脂層6として厚さ
50μmのPETフィルム、軟質樹脂層14として厚さ
500μmのシリコーンゴム、柔軟性金属箔層8として
20μm厚のステンレス箔を用い、シリコーンゴム層4
と硬質樹脂層6との第1プライマー層12としてシラン
カップリング剤(KBM403、信越化学工業(株)
製)、硬質樹脂層6と軟質樹脂層14との第2プライマ
ー層13としてシランカップリング剤(KBM403、
信越化学工業(株)製)、軟質樹脂層14と柔軟性金属
箔層8との第3プライマー層15としてプライマー(N
o.25、信越化学工業(株)製)を用いて、接点部材
11を製作した。
【0047】[実施例3]実施例3は実施の形態3に対
応するものであり、シリコーンゴム層4としての0.9
mmのシリコーンゴムシート、硬質樹脂層6としての厚
さ25μmのPETフィルム、軟質樹脂層14としてウ
レタン系樹脂層23であるウレタン系樹脂(MP−4、
(株)セイコーアドバンス製)とシリコーン系接着層2
2であるシリコーン系接着剤(TSE3221、GE東
芝シリコーン(株)製)、柔軟性金属箔層8として厚さ
10μmのアルミニウム箔を用い、硬質樹脂層6と柔軟
性金属箔層8との接着剤層24としてシランカップリン
グ剤(KBM403、信越化学工業(株)製)を用い
て、接点部材21を製作した。
【0048】[比較例1]比較例1は、図7(a)に示
した従来の接点部材に対応するものであり、カーボンブ
ラックをシリコーンゴムに練り込んで実施例1と同一の
厚さの導電性シリコーンゴムの成形品を製作した。
【0049】[比較例2]比較例2は、図7(b)に示
した従来の接点部材に対応するものであり、導電性シリ
コーンゴムの両面にカーボン繊維布を接着して実施例1
と同一の厚さとしたものである。
【0050】[比較例3]比較例3は、図7(d)に示
した従来の接点部材に対応するものであり、シリコーン
ゴム層にプライマー(No.25、信越化学工業(株)
製)を介して20μmのステンレス箔を接着したもので
ある。
【0051】(1)耐スティッキング性 電極幅0.5mm、電極ピッチ1.0mmの櫛歯状パタ
ーンからなる回路基板P上に設けた電極3,32に対向
させて、実施例1乃至3と比較例1乃至3の各接点部材
1,34を固定した押釦スイッチ10,30を配置し
て、耐スティッキング性試験を行った。
【0052】具体的には、押圧部2,33に1kgの荷
重を負荷した状態で7日間室温で放置した後、その負荷
を解除した際に、接点部材1,34が回路基板Pから離
れて元の位置まで復帰するまでの時間を測定することに
より行った。
【0053】その結果は、表1のとおりである。
【表1】
【0054】表1から明らかなように、比較例1及び2
では負荷を解除した際に押圧部33が回路基板Pから離
れて元の位置まで復帰するまでにある程度の時間を要
し、いわゆるスティッキング現象が生じていることが確
認された。
【0055】これに対して、電極3との接触面が柔軟性
金属箔層8からなる実施例1及び比較例3では、負荷を
解除した際に押圧部2が回路基板Pから離れて瞬時に元
の位置まで復帰し、スティッキング現象が生じることは
なかった。
【0056】(2)脂肪酸エステル類の浸透性 図5に示したような押圧部2,33の天面に椀状部を有
する試験用の押釦スイッチを製作し、押圧部2,33の
裏面に実施例1乃至3と比較例1乃至3の各接点部材
1,34を固定して脂肪酸エステル類の浸透性試験を行
った。
【0057】具体的には、押圧部2,33の椀状部41
に牛脂G(和光純薬(株)製)を満たし、85℃の恒温
層内に放置し、接点部材1,34の電気抵抗値の経時変
化を測定することにより行った。
【0058】その結果は、表2のとおりである。
【表2】
【0059】表2から明らかなように、比較例1及び2
ではいずれも電気抵抗値が上昇したが、比較例3と硬質
樹脂層6を介して柔軟性金属箔層8を設けた実施例1乃
至3では、電気抵抗値の変化が少なく、ほぼ一定の電気
抵抗値を維持した。
【0060】(3)打鍵耐久性 図5に示した試験用の押釦スイッチに実施例1乃至3と
比較例1乃至3の各接点部材1,34を固定し、打鍵耐
久性試験を行った。
【0061】具体的には、突き上げ式試験機を使用し
て、押釦スイッチの設定荷重の2倍の荷重を加え、設定
ストロークの2.5倍の突き上げ量で、1秒間に1回の
サイクルで打鍵し、電気抵抗値の経時変化を測定すると
ともに、外観の変化を確認することにより行った。
【0062】その結果は、表3のとおりである。
【表3】
【0063】表3から明らかなように、実施例1乃至3
では、比較例3に比べて柔軟性金属箔層が薄いものの硬
質樹脂層6を備えているため柔軟性金属箔層8が破壊さ
れることがなく、比較例3と同等の低い電気抵抗値を維
持し、外観の変化も生じなかった。
【0064】(4)接触電気抵抗値 図5に示した試験用の押釦スイッチに実施例1乃至3と
比較例1乃至3の各接点部材1,34を固定し、接点部
材1,34の表面に絶縁性異物が存在する場合と、存在
しない場合における接触電気抵抗値を測定した。
【0065】具体的には、平面形状が円形をした電極
(直径3.0mm)の投影面積内に直径100μmの略
球形のガラスビーズ(絶縁性異物)を1個、5個、10
個、15個、20個の条件でそれぞれ任意に配置して、
負荷500g、サイクルスピード1回/秒にて500回
打鍵した後に接触電気抵抗値を測定し、絶縁性異物が存
在しない場合における接触電気抵抗値と比較した。
【0066】その結果は、表4のとおりである。
【表4】
【0067】表4の比較例3において、異物個数10
個、15個、20個の欄に記載のある「測定不能」と
は、試験に使用した測定器(ADVANTEST R6
561DIGITAL MULTIMETER、日本電
色工業株式会社製)の性能として最大で12kΩまでし
か測定できないことから、接触電気抵抗値が12kΩを
超えていたことを示している。
【0068】表4から明らかなように、比較例3では絶
縁性異物がある場合と絶縁性異物がない場合とで接触電
気抵抗値の変化量が大きいが、実施例1乃至3ではその
変化量が小さく、実用上問題のない通電性能が得られる
ことが確認できた。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
発明によれば、シリコーンゴムと導電材料とを積層した
接点部材であって、シリコーンゴム層の表面に耐熱性を
有する硬質樹脂層を形成し、該硬質樹脂層に接着層を介
して弾性変形可能な柔軟性金属箔層を設けたので、硬質
樹脂層が柔軟性金属箔層を補強しつつ柔軟性金属箔層の
弾性変形が実現できる。これにより、絶縁性の異物が電
極と接点部材との間に介在することがあっても柔軟性金
属箔層が変形することで電極との接触面積を確保し、導
電材料層に電気抵抗値の低い金属を使用することがで
き、スティッキングやショート等による経時的な劣化を
防止することができる。
【0070】また、請求項2に記載の発明によれば、硬
質樹脂層と柔軟性金属箔層との間に軟質樹脂層を設けた
ので、柔軟性金属箔層がより変形し易くなり、請求項1
の効果に加えて、接点部材と電極との間に絶縁性異物が
存在しても十分な接触面積を確保して電気抵抗値の増加
を抑える効果が一層顕著になものとなる。
【0071】さらに、請求項3に記載の発明によれば、
前記硬質樹脂層は耐熱性及び耐脂肪酸エステル性を有す
るので、請求項1又は2の効果に加えて、脂肪酸エステ
ル累の浸透が抑制され、電気抵抗値の増大を防止でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係る接点部材の断
面図である。
【図2】 同実施の形態1に係る接点部材が電極と接触
している状態を示した拡大断面図である。
【図3】 同実施の形態2に係る接点部材の断面図であ
る。
【図4】 同実施の形態3に係る接点部材の断面図であ
る。
【図5】 実験に用いた押釦スイッチの断面図である。
【図6】 従来の小型電子機器に使用される一般的な押
釦スイッチの断面図である。
【図7】 (a)乃至(d)は従来の接点部材の断面図
である。
【符号の説明】
1,34 接点部材 2,33 押圧部 3,32 電極 4 シリコーンゴム層 6 硬質樹脂層 8 柔軟性金属箔層(導電材料層) 14 軟質樹脂層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5G006 AA01 AZ05 AZ08 5G023 AA06 BA04 CA19 5G050 AA02 AA03 AA14 BA08 CA13 DA02 EA20 FA01 5G051 AA12 AB10 AC20

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコーンゴムと導電材料とを積層した
    接点部材であって、シリコーンゴム層の表面に耐熱性を
    有する硬質樹脂層を形成し、該硬質樹脂層に接着層を介
    して弾性変形可能な柔軟性金属箔層を設けたことを特徴
    とする押釦スイッチ用接点部材。
  2. 【請求項2】 前記硬質樹脂層と前記柔軟性金属箔層と
    の間に、軟質樹脂層を設けたことを特徴とする請求項1
    に記載の押釦スイッチ用接点部材。
  3. 【請求項3】 前記硬質樹脂層は耐熱性及び耐脂肪酸エ
    ステル性を有することを特徴とする請求項1又は2に記
    載の押釦スイッチ用接点部材。
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