JP4712255B2 - 押釦スイッチ用接点部材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、電極に当接して通電可能な押釦スイッチ用接点部材、特に、弾性を有するシリコーンゴムを用いた押釦スイッチ用接点部材の耐久性の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、押釦スイッチには、押釦を押圧することにより電極に当接して通電する接点部材が配置されている。また、携帯電話等の小型電子機器の押釦スイッチでは、回路開閉機能、復元機能、操作釦機能を1枚のシリコーンゴムシートに一体化したものが多用されている。
【0003】
図3は、従来の小型電子機器の押釦スイッチの断面図を示している。図4は、従来の小型電子機器の押釦スイッチに使用されている接点部材の断面図を示している。
【0004】
図3において、30は押釦スイッチであり、回路基板Pに取り付けるためのべース部材31と、回路基板P上に設けられた電極32に対向して配置される押圧部33とを有している。押圧部33の裏面には、電極32と接触して所定の電気回路を通電できる押釦スイッチ用接点部材34を有している。押圧部33とベース部材31とは、押圧部33を押圧しない状態で押釦スイッチ用接点部材34と電極32とを所定の間隔に保持し、押圧部33を押圧した状態で押釦スイッチ用接点部材34を電極32から離間させる方向に付勢するバネ部材35にて一体に接続されている。このため、この従来の押釦スイッチ30にあっては、部品点数が少なくコストダウンが図れるといった利点を有し、広く使用されている。
【0005】
ここで、押釦スイッチ用接点部材34は、シリコーンゴムからなる押圧部33との接着性を確保するため同じシリコーンゴムを主体としており、図4(a)に示したように、シリコーンゴムにカーボンブラックを練り込んで成形した導電性シリコーンゴム36の成形品や、図4(b),図4(c)に示したように、導電性シリコーンゴム36の両面或いは片面に導電性カーボン繊維布37を貼り付けたもの等が知られている。
【0006】
このような従来の押釦スイッチ30では、押圧部33を押圧すると、バネ部材35が変形し、押釦スイッチ用接点部材34が電極32に当接することにより通電することができる。このとき、電極32と当接する部分に弾性に富むシリコーンゴムが配置されているため、押釦スイッチ用接点部材34が電極32に当接する際に、電極32の形状に対応して押釦スイッチ用接点部材34が変形することにより、接触面積を広く確保することができる。
【0007】
また、図4(d)に示したように、シリコーンゴム層38にプライマー処理層39を介して金属箔層40を貼り付けた押釦スイッチ用接点部材34にあっては、電極32に接触する金属箔層40の電気抵抗値が低いため、品質が高く好適なものであった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図4(d)に示した押釦スイッチ用接点部材34では、シリコーンゴム層38が弾性変形し易いので金属箔層40に過度の応力が負荷され易く、これを防ぐには金属箔層40を厚肉に形成しなければならない。そこで、金属箔層40を厚肉とした場合には、金属箔層40の剛性が高くなり、押釦スイッチ用接点部材34と電極32との間に絶縁性異物が存在すると、金属箔層40が異物の形状に応じて変形できない。その結果、電極32との接触面積が減少して電気抵抗値が増大したり、押釦スイッチ用接点部材34と電極32との間に隙間が生じて通電が確保できなくなる等の問題点を有していた。
【0009】
また、図4(a)に示した押釦スイッチ用接点部材34では、使用を重ねるに連れてシリコーンゴムに加わる圧縮力の作用により表面にシリコーンオイルが吹き出して電気抵抗値が増大したり、導電性シリコーンゴム36が電極32に密着した状態で離れなくなる、いわゆるスティッキング現象が生じることがある。また、図4(b)又は図4(c)に示した押釦スイッチ用接点部材34では、使用時に繰返し荷重を受けることにより、導電性カーボン繊維布37の一部が破断して落下し、電極32に付着することで電気回路がショートすることもあった。
【0010】
さらに、図4(a)乃至図4(c)に示した押釦スイッチ用接点部材34にあっては、押圧部33の天面や側面の外表面に操作による汗や汚れ等に由来する脂肪酸エステル類が付着した場合、脂肪酸エステル類が導電性シリコーンゴム36に浸透し、カーボンブラック粒子間に侵入して電気抵抗値を増大させたり、電極32との当接部分に達して、その部分に絶縁物を形成することとなり、その結果、押釦スイッチ用接点部材34と電極32間の電気抵抗値を増大させるという問題点があった。
【0011】
そこで、この発明は、以上のような問題を解決すべく、異物が介在した場合であっても通電に必要な電極との接触面積を確保することができると共に、長期間使用しても経時的な劣化によるスティッキング等が生じ難い押釦スイッチ用接点部材を提供することを課題としている。
【0012】
また、この発明では、脂肪酸エステル類による電気抵抗値の増大を防止できる押釦スイッチ用接点部材を提供することを課題としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
以上のような課題を解決すべく、請求項1に記載の発明は、シリコーンゴム層の表面に、弾性率が700MPa以上の第1の樹脂層を形成し、この第1の樹脂層に接着層を介して弾性変形可能な金属箔層を設け、前記シリコーンゴム層と前記第1の樹脂層との間に、弾性率が700MPa未満の第2の樹脂層を設け、この第2の樹脂層は、シリコーン系接着層及びウレタン系樹脂層からなることを特徴としている。ここで、第1および第2の樹脂層の弾性率は、いずれもASTM−D883でいうところの標準状態における弾性率を意味する。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1の構成に加えて、前記第1の樹脂層は、耐熱性を有することを特徴としている。
【0015】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2の構成に加えて、前記第1の樹脂層は、耐脂肪酸エステル性を有することを特徴としている。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について、図面に従って説明する。
【0017】
[発明の実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1に係る押釦スイッチ用接点部材であり、携帯電話等の小型電子機器の押釦スイッチとしての適用例を示している。
【0018】
押釦スイッチ用接点部材21は、図1に示すように、押圧部2に固定されるシリコーンゴム層4を有し、シリコーンゴム層4の電極3側に、シリコーン系接着層22及びウレタン系樹脂層23からなる弾性率が700MPa未満の第2の樹脂層14を有し、第2の樹脂層14の電極3側に、弾性率が700MPa以上の第1の樹脂層6としての厚さ25μmのPETフィルムを有し、第1の樹脂層6の電極3側に接着層24を有し、接着層24の電極3側に金属箔層8としての厚さ10μmのアルミニウム箔を有している。つまり、この実施の形態1にあっては、シリコーンゴム層4と第1の樹脂層6との間に第2の樹脂層14が介在した構成となっている。
【0019】
金属箔層8としては、アルミニウムやステンレス等、薄膜を形成可能な金属であれば適宜選択でき、使用環境下での信頼性を向上する目的で金メッキ等の他の金属をメッキ処理して使用することも可能である。
【0020】
この金属箔層8は、厚いと曲げ剛性が高くなるため、例えば5〜20μmと薄く形成することが望ましく、電極3との接触時に接触面の形状に応じて変形し易いものとしている。
【0021】
金属箔層8とシリコーンゴム層4との間に配置される耐熱性を有する第1の樹脂層6は、脂肪酸エステル類の浸透性がシリコーンゴム層4より低いものであって、金属箔層8を使用時に補強できる強度を有する必要があり、シリコーンゴム層4より硬質であり、かつ金属箔層8より軟質の樹脂が好適に使用できる。また、この第1の樹脂層6は、電気回路で発生する熱に対して安定な樹脂である必要があり、小型電子機器の押釦スイッチの場合、例えば熱変形温度が100℃以上であるものが好適である。
【0022】
このような第1の樹脂層6としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ボリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリイミド、ポリカーボネート、又はそのポリマーアロイ等が挙げられる。なお、この第1の樹脂層6の厚さは、厚いと曲げ剛性が高くなり、薄いと補強効果が得られないため、金属箔層8の強度に応じて適宜選択することになるが、例えば50〜200μmのものが使用される。
【0023】
このような構成の実施の形態1に係る押釦スイッチ用接点部材21を製造するには、例えば次のようにして行うことができる。
【0024】
まず、第1の樹脂層6としての厚さ25μmのPETフィルムに、金属箔層8としての厚さ10μmのアルミニウム箔を接着した金属箔付きフィルムを製作する。このような構成のフィルムとして、アルペット10−25(パナック(株)製)等の市販品があるが、これを使用してもよい。
【0025】
次に、この第1の樹脂層6の表面にウレタン系樹脂(MP−4、(株)セイコーアドバンス製)をスクリーン印刷により塗布してウレタン系樹脂層23を形成して乾燥させる。そして、ウレタン系樹脂層23に重なるようにシリコーン系接着剤(TSE3221、GE東芝シリコーン(株)製)をスクリーン印刷により塗布してシリコーン系接着層22を形成し、その上にシリコーンゴム層4としての0.9mmのシリコーンゴムシートをトッピングし、130℃で1時間加熱硬化し、所定の形状に打ち抜くことにより押釦スイッチ用接点部材21を完成する。
【0026】
実施の形態1に係る押釦スイッチ用接点部材21においては、第1の樹脂層6により金属箔層8が補強されているので、弾性に富むシリコーンゴム層4に直接金属箔層8を設けたものに比べて、金属箔層8を薄く形成することができる。そのため、押釦スイッチ用接点部材21の大きな変形に対しては第1の樹脂層6で強度を維持することができ、小さな変形に対しては金属箔層8と接着層24がその形状変化に追従することが可能である。
【0027】
その結果、押釦スイッチ内に絶縁性の異物が侵入して押釦スイッチ用接点部材21と電極3との間に絶縁性の微細な異物が存在しても、金属箔層8がその形状に応じて変形して電極3と接触することができ、接触面積を確保して電気抵抗値を低く維持することが可能である。
【0028】
また、電極3との接触面が金属箔層8であるため電極に粘着することがないので、スティッキング現象が生じることがなく、また、シリコーンオイルが押釦スイッチ用接点部材21の接触面に吹き出すこともないため、経時的な劣化が生じ難い。
【0029】
また、使用時に汗や汚れ等に由来する脂肪酸エステル類が押圧部2の外表面に付着してシリコーンゴム層4に浸透しても、第1の樹脂層6が脂肪酸エステル類の浸透を防ぎ、電極3との接触部分に到達して絶縁物質が形成されることを抑制することができる。特に、この実施の形態1に係る押釦スイッチ用接点部材21では、電極3との接触部分が金属箔層8であるため、脂肪酸エステル類が2重にブロックされることから、押釦スイッチ用接点部材21の表面に絶縁物質が形成されることを確実に防止することができる。
【0030】
さらに、第1の樹脂層6とシリコーンゴム層4との間に第2の樹脂層14が配置されているため、押釦スイッチ用接点部材21の接触面がより電極3の形状に対して追従性が増す。
【0031】
[発明のその他の実施の形態]
なお、実施の形態1では、小型電子機器の押釦スイッチにこの発明を適用した例について説明したが、この発明に係る押釦スイッチ用接点部材は、接点部材の一部にシリコーンゴムを使用するスイッチであれば、他のスイッチにも同様に用いることが可能であり、特に外部から脂肪酸エステル類が付着し易い部分に使用される押釦スイッチに好適である。
【0032】
【実施例】
以下、この発明の効果を確認するために使用した実施例及び比較例と、これらを用いた実験結果について説明する。
【0033】
[実施例1]
実施例1は実施の形態1に対応するものであり、シリコーンゴム層4としての0.9mmのシリコーンゴムシート、第1の樹脂層6としての厚さ25μmのPETフィルム、第2の樹脂層14としてウレタン系樹脂層23であるウレタン系樹脂(MP−4、(株)セイコーアドバンス製)とシリコーン系接着層22であるシリコーン系接着剤(TSE3221、GE東芝シリコーン(株)製)、金属箔層8として厚さ10μmのアルミニウム箔を用い、第1の樹脂層6と金属箔層8との接着層24としてシランカップリング剤(KBM403、信越化学工業(株)製)を用いて、押釦スイッチ用接点部材21を製作した。
【0034】
[比較例1]
比較例1は、図4(a)に示した従来の押釦スイッチ用接点部材34に対応するものであり、カーボンブラックをシリコーンゴムに練り込んで実施例1と同一の厚さの導電性シリコーンゴムの成形品を製作した。
【0035】
[比較例2]
比較例2は、図4(b)に示した従来の押釦スイッチ用接点部材34に対応するものであり、導電性シリコーンゴムの両面にカーボン繊維布を接着して実施例1と同一の厚さとしたものである。
【0036】
[比較例3]
比較例3は、図4(d)に示した従来の押釦スイッチ用接点部材34に対応するものであり、シリコーンゴム層にプライマー(No.25、信越化学工業(株)製)を介して20μmのステンレス箔を接着したものである。
【0037】
(1)耐スティッキング性
電極幅0.5mm、電極ピッチ1.0mmの櫛歯状パターンからなる回路基板P上に設けた電極3,32に対向させて、実施例1と比較例1乃至3の各押釦スイッチ用接点部材21,34を固定した押釦スイッチ10,30を配置して、耐スティッキング性試験を行った。
【0038】
具体的には、押圧部2,33に1kgの荷重を負荷した状態で7日間室温で放置した後、その負荷を解除した際に、押釦スイッチ用接点部材21,34が回路基板Pから離れて元の位置まで復帰するまでの時間を測定することにより行った。
【0039】
その結果は、表1のとおりである。
【表1】
【0040】
表1から明らかなように、比較例1及び2では負荷を解除した際に押圧部33が回路基板Pから離れて元の位置まで復帰するまでにある程度の時間を要し、いわゆるスティッキング現象が生じていることが確認された。
【0041】
これに対して、電極3との接触面が金属箔層8からなる実施例1及び比較例3では、負荷を解除した際に押圧部2が回路基板Pから離れて瞬時に元の位置まで復帰し、スティッキング現象が生じることはなかった。
【0042】
(2)脂肪酸エステル類の浸透性
図2に示したような押圧部2,33の天面に椀状部を有する試験用の押釦スイッチを製作し、押圧部2,33の裏面に実施例1と比較例1乃至3の各押釦スイッチ用接点部材21,34を固定して脂肪酸エステル類の浸透性試験を行った。
【0043】
具体的には、押圧部2,33の椀状部41に牛脂G(和光純薬(株)製)を満たし、85℃の恒温層内に放置し、押釦スイッチ用接点部材21,34の電気抵抗値の経時変化を測定することにより行った。
【0044】
その結果は、表2のとおりである。
【表2】
【0045】
表2から明らかなように、比較例1及び2ではいずれも電気抵抗値が上昇したが、比較例3と第1の樹脂層6を介して金属箔層8を設けた実施例1では、電気抵抗値の変化が少なく、ほぼ一定の電気抵抗値を維持した。
【0046】
(3)打鍵耐久性
図2に示した試験用の押釦スイッチに実施例1と比較例1乃至3の各押釦スイッチ用接点部材21,34を固定し、打鍵耐久性試験を行った。
【0047】
具体的には、突き上げ式試験機を使用して、押釦スイッチの設定荷重の2倍の荷重を加え、設定ストロークの2.5倍の突き上げ量で、1秒間に1回のサイクルで打鍵し、電気抵抗値の経時変化を測定するとともに、外観の変化を確認することにより行った。
【0048】
その結果は、表3のとおりである。
【表3】
【0049】
表3から明らかなように、実施例1では、比較例3に比べて金属箔層が薄いものの、第1の樹脂層6を備えているため、金属箔層8が破壊されることがなく、比較例3と同等の低い電気抵抗値を維持し、外観の変化も生じなかった。
【0050】
(4)接触電気抵抗値
図2に示した試験用の押釦スイッチに実施例1と比較例1乃至3の各押釦スイッチ用接点部材21,34を固定し、押釦スイッチ用接点部材21,34の表面に絶縁性異物が存在する場合と、存在しない場合における接触電気抵抗値を測定した。
【0051】
具体的には、平面形状が円形をした電極(直径3.0mm)の投影面積内に直径100μmの略球形のガラスビーズ(絶縁性異物)を1個、5個、10個、15個、20個の条件でそれぞれ任意に配置して、負荷500g、サイクルスピード1回/秒にて500回打鍵した後に接触電気抵抗値を測定し、絶縁性異物が存在しない場合における接触電気抵抗値と比較した。
【0052】
その結果は、表4のとおりである。
【表4】
【0053】
表4の比較例3において、異物個数10個、15個、20個の欄に記載のある「測定不能」とは、試験に使用した測定器(ADVANTEST R6561 DIGITAL MULTIMETER、日本電色工業株式会社製)の性能として最大で12kΩまでしか測定できないことから、接触電気抵抗値が12kΩを超えていたことを示している。
【0054】
表4から明らかなように、比較例3では絶縁性異物がある場合と絶縁性異物がない場合とで接触電気抵抗値の変化量が大きいが、実施例1ではその変化量が小さく、実用上問題のない通電性能が得られることが確認できた。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明によれば、シリコーンゴム層の表面に、弾性率が700MPa以上の第1の樹脂層を形成し、この第1の樹脂層に接着層を介して弾性変形可能な金属箔層を設け、前記シリコーンゴム層と前記第1の樹脂層との間に、弾性率が700MPa未満の第2の樹脂層を設け、この第2の樹脂層は、シリコーン系接着層及びウレタン系樹脂層からなるので、第1の樹脂層が金属箔層を補強しつつ金属箔層の弾性変形が実現できる。これにより、絶縁性の異物が電極と押釦スイッチ用接点部材との間に介在することがあっても、金属箔層が変形することで電極との接触面積を確保し、導電材料層に電気抵抗値の低い金属を使用することができ、スティッキングやショート等による経時的な劣化を防止することができる。
【0056】
また、請求項2に記載の発明によれば、前記第1の樹脂層は、耐熱性を有するので、請求項1の効果に加えて、回路基板で発生する熱に対して安定性が増大し、押釦スイッチ用接点部材の耐久性を改良することができる。
【0057】
さらに、請求項3に記載の発明によれば、前記第1の樹脂層は、耐脂肪酸エステル性を有するので、請求項1又は2の効果に加えて、脂肪酸エステル類の浸透が抑制され、電気抵抗値の増大を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係る押釦スイッチ用接点部材の断面図である。
【図2】 実験に用いた押釦スイッチの断面図である。
【図3】 従来の小型電子機器に使用される一般的な押釦スイッチの断面図である。
【図4】 (a)乃至(d)は従来の押釦スイッチ用接点部材の断面図である。
【符号の説明】
4 シリコーンゴム層
6 第1の樹脂層
8 金属箔層
14 第2の樹脂層
21,34 押釦スイッチ用接点部材
22 シリコーン系接着層
23 ウレタン系樹脂層
24 接着層
Claims (3)
- シリコーンゴム層の表面に、弾性率が700MPa以上の第1の樹脂層を形成し、この第1の樹脂層に接着層を介して弾性変形可能な金属箔層を設け、前記シリコーンゴム層と前記第1の樹脂層との間に、弾性率が700MPa未満の第2の樹脂層を設け、この第2の樹脂層は、シリコーン系接着層及びウレタン系樹脂層からなることを特徴とする押釦スイッチ用接点部材。
- 前記第1の樹脂層は、耐熱性を有することを特徴とする請求項1に記載の押釦スイッチ用接点部材。
- 前記第1の樹脂層は、耐脂肪酸エステル性を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の押釦スイッチ用接点部材。
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