JP4114062B2 - プライマー組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属、ガラス、セラミックス、セメント、モルタルなどの無機材料や、カーボン、プラスチックなどの有機材料からなる各種基材との接着性に優れ、特に1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有するポリマーを主成分とする熱硬化型エラストマー組成物用として好適なプライマー組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有するポリマーを主成分とする熱硬化型エラストマー組成物は、耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性、耐水性などの特性に優れたエラストマー硬化物を与えるが、同時に離型性にも優れており、従ってその反面、接着させるのが困難な材料である。特開平9−95615号公報及び特開2002−105319号公報によれば、このエラストマー組成物にアルコキシシリル基、エポキシ基、カルボキシル基、及び酸無水物の構造を有する各種化合物(接着助剤)を内添することによって、金属、ガラス、セラミックス、プラスチックに接着させることが可能となった。しかし、これら接着助剤を添加すると、ゴムの機械的強度が低下したり、圧縮永久歪み特性が低下するなどの問題が生じる場合がある。
【0003】
これらの物性低下を招かずに各種基材と接着させるためには、接着助剤を内添せず、代わりにプライマーを使用する必要がある。
【0004】
プライマーとしては、シランカップリング剤を主体とするシラン系プライマー、合成ゴムを主成分とするプライマー、アクリル樹脂を主成分とするプライマー、ウレタン樹脂を主成分とするプライマーやエポキシ樹脂を主成分とするプライマーなどが上市されているが、これらのプライマーは前記熱硬化型エラストマー組成物との親和性や界面での濡れ性に劣るため、十分な接着性が得られない。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−95615号公報
【特許文献2】
特開2002−105319号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、特に前記1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有するポリマーを主成分とする熱硬化型エラストマー組成物との親和性に優れ、各種基材とバランスよく接着するプライマー組成物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、(a)1分子内に1個以上のアルケニル基と1個以上の加水分解性シリル基を有するフルオロアルキレン化合物又はフルオロポリエーテル化合物、(b)有機チタン酸エステル化合物、(c)有機スズ化合物、及び(d)シラン化合物を必須成分とするプライマー組成物が、特に1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有するポリマーを主成分とする熱硬化型エラストマー組成物のプライマーとして用いた場合、このエラストマー組成物と各種基材との間に良好な接着性を与えることを知見し、本発明をなすに至った。
【0008】
従って、本発明は、
(a)下記一般式(1)で示される1分子内に1個以上のアルケニル基と1個以上の加水分解性シリル基を有するフルオロアルキレン化合物又はフルオロポリエーテル化合物:100重量部
【化16】
Figure 0004114062
[式中、Aは−CH=CH 2 又は加水分解性シリル基、X、X’は独立に2価の連結基であって、Xは−CH 2 −、−CH 2 O−又は−Y−NR 1 −CO−(但し、Yは−CH 2 −又は下記構造式(Z)
【化17】
Figure 0004114062
(o,m又はp位)
であり、R 1 は水素原子、メチル基、フェニル基又はアリル基)、X’は、−CH 2 −、−OCH 2 −、−CH 2 OC 3 6 又は−CO−NR 2 −Y’−(Y’は−CH 2 −、−C 3 6 −又は下記構造式(Z’)
【化18】
Figure 0004114062
(o,m又はp位)
で表される基であり、R 2 は水素原子、メチル基、フェニル基又はアリル基)である。pは独立に0又は1、rは独立に0又は1、Rf’はフルオロアルキレン基又はフルオロポリエーテル基である。]
(b)有機チタン酸エステル化合物:0.1〜50重量部
(c)有機スズ化合物:0.01〜10重量部、
(d)シラン化合物:0.1〜50重量部
を必須成分とすることを特徴とするプライマー組成物を提供する。この場合、このプライマー組成物は、1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有するポリマーを主成分とする熱硬化型エラストマー組成物用として有効に使用される。
【0009】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
(a)1分子内に1個以上のアルケニル基と1個以上の加水分解性シリル基を有するフルオロアルキレン化合物又はフルオロポリエーテル化合物
本発明のプライマー組成物の第1必須成分[(a)成分]は、フルオロアルキレン化合物又はフルオロポリエーテル化合物から誘導されたものが好ましい。
これらの化合物におけるアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基等のように末端にCH2=CH−構造を有する基、特にビニル基、アリル基等が好ましい。このアルケニル基は、フルオロアルキレン化合物又はフルオロポリエーテル化合物の主鎖の末端部に直接結合していてもよいし、2価の連結基を介して結合していてもよい。
加水分解性シリル基としては、例えば、アルコキシシリル基、アセトキシシリル基、イソプロペノキシシリル基、クロロシリル基のように水分と反応してシロキサン結合(Si−O−Si結合)を形成することが可能な基であり、フルオロアルキレン化合物又はフルオロポリエーテル化合物の主鎖の末端部に直接結合していてもよいし、2価の連結基を介して結合していてもよい。
【0010】
フルオロアルキレン化合物としては、例えば下記一般式
−(Cn2n)−
(nは2〜20の整数である。)
で表される構造を有するものであり、直鎖でも、分岐構造を含んでいてもよい。
フルオロポリエーテル化合物におけるパーフルオロアルキルエーテル構造としては、例えば、下記一般式
−(Rf−O)q
(式中、Rfは炭素原子数1〜6、好ましくは1〜3の直鎖状又は分岐状のパーフルオロアルキレン基であり、qは1〜500、好ましくは2〜400、より好ましくは10〜200の整数である。)
で示されるものが挙げられる。
【0011】
前記−(Rf−O)−で示される繰り返し単位としては、例えば、
−CF2O−
−CF2CF2O−
−CF2CF2CF2O−
−CF(CF3)CF2O−
−CF2CF2CF2CF2O−
−CF2CF2CF2CF2CF2CF2O−
−C(CF32O−
等が挙げられ、中でも好ましいのは、
−CF2O−
−CF2CF2O−
−CF2CF2CF2O−
及び
−CF(CF3)CF2O−
である。
【0012】
前記パーフルオロアルキルエーテル構造は、これらの−(Rf−O)−で示される繰り返し単位の1種を単独で又は2種以上の組み合わせで構成されていてもよい。
【0013】
(a)成分のフルオロアルキレン化合物又はフルオロポリエーテル化合物の代表例としては、下記一般式(1)
【化1】
Figure 0004114062
[式中、Aは−CH=CH2又は加水分解性シリル基、X、X’は独立に2価の連結基であって、Xは−CH2−、−CH2O−又は−Y−NR1−CO−(但し、Yは−CH2−又は下記構造式(Z)
【化2】
Figure 0004114062
(o,m又はp位)
であり、R1は水素原子、メチル基、フェニル基又はアリル基)、X’は、−CH2−、−OCH2、−CH 2 OC 3 6 又は−CO−NR2−Y’−(Y’は−CH2、−C 3 6 又は下記構造式(Z’)
【化3】
Figure 0004114062
(o,m又はp位)
で表される基であり、R2は水素原子、メチル基、フェニル基又はアリル基)である。pは独立に0又は1、rは独立に0又は1、Rf’はフルオロアルキレン基又はフルオロポリエーテル基である。]
Rf’がフルオロアルキレン基の場合、Rf’の代表例は下記式
−(Cn2n)−
[nは2〜20の整数]
が挙げられる。
Rf’がフルオロポリエーテル基の場合、Rf’の代表例は下記式(1’)
【化4】
Figure 0004114062
[Lは2〜6の整数、m及びnはそれぞれ0〜200、好ましくは5〜100の整数である。]
で表される分子量400〜100,000、好ましくは1,000〜50,000のフルオロポリエーテル基が挙げられる。
【0014】
上記一般式(1)で表されるフルオロアルキレン化合物又はフルオロポリエーテル化合物の具体例としては、下記式で表されるものが挙げられる。
【0015】
【化5】
Figure 0004114062
【0016】
【化6】
Figure 0004114062
(式中、L、m及びnはそれぞれ上記式(1’)で定義したL、m、nと同じ意味を示す。)
【0017】
これらのフルオロアルキレン化合物又はフルオロポリエーテル化合物は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0018】
(b)有機チタン酸エステル類
本発明のプライマー組成物の第2必須成分[(b)成分]は、有機チタン酸エステル類である。有機チタン酸エステル類としては、有機チタン酸エステル、チタンのキレート化合物、チタンのケイ酸エステルによるキレート化合物、チタネート系カップリング剤、これらの部分加水分解縮合物が挙げられる。有機チタン酸エステル類の具体例としては、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラキス(2−エチルヘキシル)チタネート、テトラステアリルチタネート、テトラメチルチタネート、ジエトキシビス(アセチルアセトナト)チタン、ジイソプロピルビス(アセチルアセトナト)チタン、ジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)チタン、イソプロポキシ(2−エチル−1,3−ヘキサンジオラト)チタン、ジ(2−エチルヘキソキシ)ビス(2−エチル−1,3−ヘキサンジオラト)チタン、ジ−n−ブトキシビス(トリエタノールアミナト)チタン、テトラアセチルアセトネートチタン、ヒドロキシビス(ラクタト)チタン及びこれらの加水分解縮合物等を挙げることができる。
【0019】
上記の有機チタン酸エステル類の内、下記一般式
Ti(OR34
(式中、R3は、それぞれ独立に炭素数1〜10の置換もしくは非置換の1価炭化水素基である。)
で表される化合物は、架橋性に優れ、また接着性改善効果が特に高いためより好ましい。なお、R3の1価炭化水素基としては、アルキル基、アルコキシアルキル基、アルケニル基、アリール基等が挙げられる。
【0020】
上記有機チタン酸エステル類は1種類のみで使用してもよいし、2種類以上混合使用してもよい。
【0021】
有機チタン酸エステル類(b)の配合量は、フルオロアルキレン化合物又はフルオロポリエーテル化合物(a)100重量部に対して0.1〜50重量部が好ましく、0.2〜20重量部がより好ましい。有機チタン酸エステル類の配合量がこの範囲を下回ると基材(被着体)との接着性が低下する場合がある。一方、有機チタン酸エステル類の配合量がこの範囲を上回ると、オープンタイムが短くなりすぎて作業性が悪くなることがあり、また貯蔵安定性が低下する場合がある。
【0022】
(c)有機スズ化合物
本発明の第3必須成分[(c)成分]は、有機スズ化合物である。有機スズ化合物としては、ジブチルスズジメトキシド、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジオクテート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジオレエート、ジブチルスズジステアレート、ジオクチルスズジアセテート、ジオクチルスズジラウレート、ジエチルスズジオレエート等を挙げることができる。
上記の有機スズ化合物(c)は1種類のみで使用してもよいし、2種類以上混合使用してもよい。
有機スズ化合物(c)の配合量は、フルオロアルキレン化合物又はフルオロポリエーテル化合物(a)100重量部に対して0.01〜10重量部が好ましく、0.02〜5重量部がより好ましい。有機スズ化合物の配合量がこの範囲を下回ると、フルオロアルキレン化合物又はフルオロポリエーテル化合物(a)に含まれる加水分解性シリル基の反応が遅くなり、十分な接着性が得られない場合がある。一方、有機スズ化合物の配合量がこの範囲を上回ると、オープンタイムが短くなりすぎて作業性が悪くなることがあり、また貯蔵安定性が低下する場合がある。
【0023】
(d)シラン化合物
本発明の第4必須成分[(d)成分]は、シラン化合物である。シラン化合物としては、
4 aSi(OR54-a
(式中、R4は有機基、R5はアルキル基、aは0,1又は2である。)
で示されるものが挙げられる。この場合、aは特に0又は1が好ましい。R5のアルキル基としては、炭素数1〜6、特に1〜3のものが好ましく、とりわけメチル基、エチル基が好ましい。
【0024】
4の有機基としては、炭素数1〜15、特に1〜12の非置換もしくは置換1価炭化水素基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基などの非置換1価炭化水素基、グリシジル基、グリシドキシ基等のエポキシ基含有1価炭化水素基、(メタ)アクリル基、(メタ)アクリロキシ基等の(メタ)アクリル基含有1価炭化水素基、アミノ基、アミノアルキルアミノ基等のアミノ基含有1価炭化水素基、ウレイド基含有1価炭化水素基、ハロゲン原子含有1価炭化水素基、メルカプト基含有1価炭化水素基、イソシアネート基含有1価炭化水素基などの置換1価炭化水素基を挙げることができる。
【0025】
シラン化合物として具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等を挙げることができる。
【0026】
上記のシラン化合物(d)は1種類のみで使用してもよいし、2種類以上混合使用してもよい。
【0027】
上記のシラン化合物(d)の配合量は、フルオロアルキレン化合物又はフルオロポリエーテル化合物(a)100重量部に対して0.1〜50重量部が好ましく、1〜30重量部がより好ましい。シラン化合物の配合量がこの範囲を下回ると基材(被着体)との接着性が低下する場合がある。一方、配合量がこの範囲を上回ると、熱硬化型エラストマー組成物との親和性が悪くなり、その結果接着性が悪くなることがある。
【0028】
(e)その他の成分(溶剤、充填剤など)
本発明においては、プライマー組成物をプライマー塗布作業に適した粘度に調節するために溶剤を用いることができる。溶剤は本発明の(a)成分〜(d)成分を溶解するものであればよく、その種類は特に限定されない。かかる溶剤の具体例としては、トルエン、キシレン、ヘプタン、ヘキサン、石油系溶媒等の炭化水素系溶剤、トリクロロエチレン等のハロゲン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶剤、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等のシリコーン系溶剤、トリフルオロメチルベンゼン、1,3−ビストリフルオロメチルベンゼン、HCFC−225等のフッ素系溶剤が例示される。これらの溶剤は、1種類を単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
【0029】
また、本発明のプライマー組成物には、必要に応じて各種充填剤を用いてもよい。これら充填剤の具体例としては、木粉、パルプ、木綿チップ、アスベスト、ガラス繊維、炭素繊維、マイカ、クルミ殻粉、もみ殻粉、グラファイト、ケイソウ土、白土、ヒュームドシリカ、沈降性シリカ、無水ケイ酸、カーボンブラック、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、クレー、タルク、酸化チタン、酸化セリウム、炭酸マグネシウム、石英粉末、アルミニウム微粉末、酸化鉄、フリント粉末、亜鉛末などが挙げられる。これらの充填剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
【0030】
更に、本発明のプライマー組成物には、必要に応じて各種添加剤を添加してもよい。このような添加剤としては、例えば、老化防止剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、オゾン劣化防止剤、貯蔵安定性向上剤、接着性付与剤、各種顔料、染料等を挙げることができる。
【0031】
熱硬化型エラストマー組成物
本発明のプライマー組成物は、各種熱硬化型エラストマー組成物などに対するプライマーとして使用できるが、特に、1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有するポリマーを主成分とする熱硬化型エラストマー組成物用のプライマー組成物として好適に使用される。ここで、この熱硬化型エラストマー組成物としては、上記ポリマーに加え、1分子中に少なくとも2つ、好ましくは3つ以上のSiH基を有する化合物と、白金族触媒とを用いて、ヒドロシリル化反応によって加熱硬化させるエラストマー組成物が挙げられ、この種のエラストマー組成物は、特許第2990646号公報、特開平11−116684号公報、特開2002−12769号公報等に記載してあるものを挙げることができる。また、上記ポリマーに有機過酸化物を加えてパーオキサイド架橋により硬化するものとしては、例えば、特開2000−7835号公報、特願2002−001257号等に記載してあるものを挙げることができる。
【0032】
塗布方法、使用方法
本発明のプライマー組成物は、鉄、ステンレススチール、アルミニウム、ニッケル、亜鉛、金、銀、銅などの各種金属、及び各種基材の表面をこれらの金属でメッキ処理した物、アクリル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、カーボン、ガラス、セラミックス、セメント、スレート、大理石や御影石などの石材、モルタル等の無機材料等と、上記熱硬化型エラストマー組成物とを強固に接着させることができる。
【0033】
本発明のプライマー組成物は、通常採用されているコーティング法、例えば、刷毛塗り法、スプレーコーティング法、ワイヤバー法、ブレード法、ロールコーティング法、ディッピング法などを用いて基材にコーティングできる。
【0034】
本発明のプライマー組成物は、通常常温にて1〜60分、好ましくは5〜30分風乾後、50〜180℃(好ましくは80〜150℃)で1〜60分(好ましくは5〜30分)加熱することにより目的とする被膜を形成できる。
【0035】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記例でMeはメチル基を示す。
【0036】
[製造例1](熱硬化型エラストマー組成物(A)の具体例)
下記式(2)
【化7】
Figure 0004114062
で表されるポリマー(粘度5,500cs、平均分子量15,300、ビニル基量0.012モル/100g)100重量部にヘキサメチルジシラザンと1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザンとの混合処理剤で処理された比表面積200m2/gの煙霧質シリカ20重量部を加え、混合、熱処理の後三本ロールミル上にて混合し、更に、下記式(3)
【化8】
Figure 0004114062
で表される含フッ素有機ケイ素化合物3.36重量部、塩化白金酸をCH2=CHSiMe2OSiMe2CH=CH2で変性した触媒のトルエン溶液(白金濃度0.5重量%)0.2重量部及びエチニルシクロヘキサノールの50%トルエン溶液0.4重量部を加え、混合し、組成物(A)を作製した。この組成物(A)を150℃で10分間加熱したところ、硬化し、ゴムになることを確認した。
【0037】
[実施例1]
撹拌機付き容器に下記式(4)
【化9】
Figure 0004114062
で表されるフルオロアルキレン化合物10重量部、テトラノルマルブトキシチタネート2.0重量部、3−アミノプロピルトリエトキシシラン0.4重量部、テトラエトキシシラン0.8重量部、ジオクチルスズジラウレート0.2重量部、酢酸エチル40重量部、ノルマルヘプタン40重量部を投入し、均一溶解してプライマー組成物Iを調製した。
【0038】
[実施例2]
撹拌機付き容器に下記式(5)
【化10】
Figure 0004114062
(但し、m+nの平均は8)
で表されるフルオロポリエーテル化合物10重量部、テトライソプロポキシチタネート1.5重量部、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン1.0重量部、ビニルトリメトキシシラン0.5重量部、ジブチルスズジアセテート0.2重量部、メチルイソブチルケトン60重量部、1,3−ビストリフルオロメチルベンゼン20重量部、イソプロピルアルコール5重量部を投入し、均一溶解してプライマー組成物IIを調製した。
【0039】
[実施例3]
撹拌機付き容器に下記式(6)
【化11】
Figure 0004114062
(但し、m+nの平均は8)
で表されるフルオロポリエーテル化合物10重量部、テトラノルマルブトキシチタネート1.0重量部、ビニルトリメトキシシラン0.8重量部、3−アミノプロピルトリエトキシシラン0.3重量部、ジブチルスズジアセテート0.2重量部、1,3−ビストリフルオロメチルベンゼン40重量部、酢酸エチル40重量部を投入し、均一溶解してプライマー組成物IIIを調製した。
【0040】
[実施例4]
撹拌機付き容器に下記式(7)
【化12】
Figure 0004114062
(但し、m+nの平均は13)
で表されるフルオロポリエーテル化合物10重量部、テトラノルマルブトキシチタネート2.0重量部、テトラエトキシシラン1.0重量部、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン1.5重量部、ジブチルスズジメトキシド0.1重量部、1,3−ビストリフルオロメチルベンゼン50重量部、メチルイソブチルケトン30重量部を投入し、均一溶解してプライマー組成物IVを調製した。
[比較例1]
撹拌機付き容器にテトラノルマルブトキシチタネート2.0重量部、テトラエトキシシラン1.0重量部、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン1.5重量部、ジブチルスズジメトキシド0.1重量部、ノルマルヘプタン25重量部、メチルイソブチルケトン15重量部を投入し、均一溶解してプライマー組成物Vを調製した。
【0041】
上記実施例1〜4及び比較例1のプライマー組成物I〜Vを鉄、アルミ、SUS314、ガラス、フェノール樹脂、エポキシ樹脂のテストピース(100mm×25mm×1mm)上に刷毛で塗布し、室温にて15分風乾し、120℃で15分加熱処理した。このプライマー表面上に、100mm×2mm×2mmのビード状になるような型をあてて、製造例1の加熱硬化型エラストマー組成物(A)を注入し、150℃で30分加熱硬化させた。これらの一体成形物をJIS K 6854−1に準じて90度剥離接着強さ試験機にて接着強度を測定した。結果を表1に示す。
【0042】
【表1】
Figure 0004114062
【0043】
表1の結果から、本発明のプライマー組成物I〜IVは、種々の被着体に良好に接着した。これに対して、フルオロアルキレン化合物及びフルオロポリエーテル化合物を除いた比較例1(プライマー組成物V)は製造例1の加熱硬化型エラストマー組成物(A)との親和性に劣るため、ゴムとプライマーとの界面で剥離した。
【0044】
【発明の効果】
本発明のプライマー組成物は、金属、ガラス、セラミックス、セメント、モルタルなどの無機材料や、カーボン、プラスチックなどの有機材料からなる各種基材との接着性に優れ、特に1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有するポリマーを主成分とする熱硬化型エラストマー組成物用として好適に使用される。

Claims (2)

  1. (a)下記一般式(1)で示される1分子内に1個以上のアルケニル基と1個以上の加水分解性シリル基を有するフルオロアルキレン化合物又はフルオロポリエーテル化合物:100重量部
    Figure 0004114062
    [式中、Aは−CH=CH 2 又は加水分解性シリル基、X、X’は独立に2価の連結基であって、Xは−CH 2 −、−CH 2 O−又は−Y−NR 1 −CO−(但し、Yは−CH 2 −又は下記構造式(Z)
    Figure 0004114062
    (o,m又はp位)
    であり、R 1 は水素原子、メチル基、フェニル基又はアリル基)、X’は、−CH 2 −、−OCH 2 −、−CH 2 OC 3 6 又は−CO−NR 2 −Y’−(Y’は−CH 2 −、−C 3 6 −又は下記構造式(Z’)
    Figure 0004114062
    (o,m又はp位)
    で表される基であり、R 2 は水素原子、メチル基、フェニル基又はアリル基)である。pは独立に0又は1、rは独立に0又は1、Rf’はフルオロアルキレン基又はフルオロポリエーテル基である。]
    (b)有機チタン酸エステル化合物:0.1〜50重量部
    (c)有機スズ化合物:0.01〜10重量部、
    (d)シラン化合物:0.1〜50重量部
    を必須成分とすることを特徴とするプライマー組成物。
  2. 1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有するポリマーを主成分とする熱硬化型エラストマー組成物用である請求項1記載のプライマー組成物。
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