JP2010163633A - 金属表面処理剤、表面処理鋼材及びその表面処理方法、並びに塗装鋼材及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】配位性官能基を含有するシランカップリング剤必須成分とし、これを水及び/又は有機溶媒に溶解してなることを特徴とする金属表面処理剤。
【選択図】なし
Description
[請求項1]
下記一般式(1)
で示される有機ケイ素化合物を必須成分とし、これを水、有機溶媒、又は水と有機溶媒の混合溶媒に溶解してなることを特徴とする金属表面処理剤。
[請求項2]
下記一般式(2)
で示される有機ケイ素化合物を必須成分とし、これを水、有機溶媒、又は水と有機溶媒の混合溶媒に溶解してなることを特徴とする金属表面処理剤。
[請求項3]
下記一般式(3)
で示される有機ケイ素化合物を必須成分とし、これを水、有機溶媒、又は水と有機溶媒の混合溶媒に溶解してなることを特徴とする金属表面処理剤。
[請求項4]
更に、下記一般式(14)
R20 xSi(OR21)4-x (14)
(式中、R20は炭素数1〜20の非置換又は置換の一価炭化水素基、R21は炭素数1〜8の非置換又は置換一価炭化水素基を示し、xは0〜3の整数である。)
で示されるアルコキシシラン又はその部分加水分解縮合物を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の金属表面処理剤。
[請求項5]
更に、有機チタン酸エステル類を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の金属表面処理剤。
[請求項6]
更に、水分散性シリカ又は有機溶媒分散性シリカを含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の金属表面処理剤。
[請求項7]
更に、Fe,Zr,Ti,V,W,Mo,Al,Sn,Nb,Hf,Y,Ho,Bi,La,Ce及びZnから選択されるいずれか1種以上の金属の化合物を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の金属表面処理剤。
[請求項8]
更に、チオカルボニル基含有化合物を含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の金属表面処理剤。
[請求項9]
更に、水溶性もしくは水分散性樹脂を含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載の金属表面処理剤。
[請求項10]
更に、リン酸イオンを含むことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項記載の金属表面処理剤。
[請求項11]
鋼材の表面を請求項1〜10のいずれか1項記載の金属表面処理剤で表面処理することを特徴とする鋼材の表面処理方法。
[請求項12]
鋼材が金属被覆鋼材である請求項11記載の表面処理方法。
[請求項13]
請求項11又は12記載の方法で得られる表面処理鋼材。
[請求項14]
請求項1〜10のいずれか1項記載の金属表面処理剤で鋼材を処理した後、更に上層被膜層を設けることを特徴とする塗装鋼材の製造方法。
[請求項15]
請求項14記載の方法で得られる塗装鋼材。
本発明の金属表面処理剤は配位性官能基を有する有機ケイ素化合物(シランカップリング剤)を必須成分とし、これを水、有機溶媒又は水と有機溶媒の混合溶媒に溶解してなるものである。
本発明で用いる有機ケイ素化合物は、下記一般式(1)〜(3)で示されるもので、その1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
(i)窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれる少なくとも1つの原子を有する複素環。
(ii)(チオ)ウレタン結合、(チオ)尿素結合、(チオ)アミド結合、(チオ)エステル結合、アミノ結合、(チオ)エーテル結合及びスルフィド結合から選択される少なくとも1つの結合を含む2価の有機基。
(iii)加水分解性シリル基。
上記構造(i)の窒素原子、酸素原子及び硫黄原子の少なくとも1つの原子を有する複素環は、脂肪族環でも芳香族環でもよく、その具体的な構造としては、下記のようなものが挙げられるが、これら例示したものに限らない。
R20 xSi(OR21)4-x (14)
(式中、R20は炭素数1〜20、特に1〜15の非置換(好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、ビニル基、フェニル基)又は置換(好ましくはエポキシ基、(メタ)アクリロキシ基、メルカプト基、アミノ基、アミノアルキルアミノ基、アルキルアミノ基、イソシアナート基、ポリエーテル基、ハロゲン置換アルキル基、パーフロアルキル基、パーフルオロポリエーテル基を含有するもの)一価炭化水素基、R21は炭素数1〜8、特に1〜6の非置換又は置換一価炭化水素基を示し、好ましくはメチル基、エチル基である。xは0〜3の整数であり、特に0〜2が好ましい。)
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた1Lセパラブルフラスコに、2−アミノピリジン31.4g(0.33mol)を納め、溶媒としてテトラヒドロフラン150gを加え、撹拌・溶解させた。その中に3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン82.5g(0.33mol)を滴下投入し、70℃にて4時間加熱撹拌した。その後、IR測定により原料のイソシアネート基由来の吸収ピークが完全に消失し、代わりに尿素結合由来の吸収ピークが生成したことを確認し、反応終了とした。その後、溶媒を溜去することで得られた反応生成物は淡黄色液体であり、オストワルド粘度計による測定の結果、動粘度184mm2/s、比重1.094、屈折率1.4975であり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)より反応生成物は単一の生成物であった。また、NMRスペクトルにより下記化学構造式(4)に示す構造であることを確認した。NMRスペクトルデータは以下の通りであった。
3.67(q,6H),6.66(m,1H),6.88(m,1H),
7.39(m,1H),7.97(m,1H),9.34(s,1H),
10.01(s,1H)
13C NMR(75MHz,CDCl3,δ(ppm)):7.4,17.9,
23.2,42.0,58.0,111.9,116.0,137.6,145.4,
153.7,156.6
29Si NMR(60MHz,CDCl3,δ(ppm)):−45.7
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた1Lセパラブルフラスコに、2−アミノピリミジン31.7g(0.33mol)を納め、溶媒としてテトラヒドロフラン150gを加え、撹拌・溶解させた。その中に3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン82.5g(0.33mol)を滴下投入し、70℃にて4時間加熱撹拌した。その後、IR測定により原料のイソシアネート基由来の吸収ピークが完全に消失し、代わりに尿素結合由来の吸収ピークが生成したことを確認し、反応終了とした。その後、溶媒を溜去することで得られた反応生成物は橙色固体であり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)より反応生成物は単一の生成物であった。NMRスペクトルにより、反応生成物は下記化学構造式(5)であることを確認した。NMRスペクトルデータは以下の通りであった。
3.66(q,6H),6.86(m,1H),7.38(m,1H),
7.80(m,1H),9.32(s,1H),10.02(s,1H)
13C NMR(75MHz,CDCl3,δ(ppm)):7.6,18.2,
23.2,42.2,58.0,110.8,113.7,158.0,163.2
29Si NMR(60MHz,CDCl3,δ(ppm)):−45.7
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた1Lセパラブルフラスコに、2−メルカプトチアゾリン89.4g(0.75mol)、ジオクチルスズオキシド1.3gを納め、溶媒として酢酸エチル300gを加え、撹拌・溶解させた。その中に3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン185.5g(0.75mol)を滴下投入し、80℃にて4時間加熱撹拌した。その後、IR測定により原料のイソシアネート基由来の吸収ピークが完全に消失し、代わりにチオウレタン結合由来の吸収ピークが生成したことを確認し、反応終了とした。その後、溶媒を溜去することで得られた反応生成物は淡黄色液体で、オストワルド粘度計による測定の結果、動粘度38mm2/s、比重1.164、屈折率1.5218であり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)より反応生成物は単一の生成物であった。また、NMRスペクトルにより反応生成物は下記化学構造式(6)であることを確認した。NMRスペクトルデータは以下の通りであった。
0.94(t,9H),1.40(quint,2H),3.02(m,2H),
3.04(t,2H),3.54(q,6H),4.42(m,2H),
9.52(m,1H)
13C NMR(75MHz,CDCl3,δ(ppm)):7.2,17.7,
22.2,26.6,42.5,55.8,57.8,151.6,199.6
29Si NMR(60MHz,CDCl3,δ(ppm)):−45.7
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた1Lセパラブルフラスコに、2−アミノチアゾール33.4g(0.33mol)を納め、溶媒としてテトラヒドロフラン150gを加え、撹拌・溶解させた。その中に3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン82.5g(0.33mol)を滴下投入し、80℃にて4時間加熱撹拌した。その後、IR測定により原料のイソシアネート基由来の吸収ピークが完全に消失し、代わりに尿素結合由来の吸収ピークが生成したことを確認し、反応終了とした。その後、溶媒を溜去することで得られた反応生成物は褐色固体であり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)より反応生成物は単一の生成物であった。NMRスペクトルにより反応生成物は下記化学構造式(7)であることを確認した。NMRスペクトルデータは以下の通りであった。
1.19(t,9H),1.68(quint,2H),3.32(t,2H),
3.69(m,1H),3.79(q,6H),6.26(m,2H),
7.28(m,2H)
13C NMR(75MHz,CDCl3,δ(ppm)):7.7,18.2,
23.4,42.7,58.3,111.0,136.8,154.8,162.6
29Si NMR(60MHz,CDCl3,δ(ppm)):−45.8
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた1Lセパラブルフラスコに、2−アミノベンゾチアゾール50.1g(0.33mol)を納め、溶媒としてテトラヒドロフラン150gを加え、撹拌・溶解させた。その中に3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン82.5g(0.33mol)を滴下投入し、70℃にて4時間加熱撹拌した。その後、IR測定により原料のイソシアネート基由来の吸収ピークが完全に消失し、代わりに尿素結合由来の吸収ピークが生成したことを確認し、反応終了とした。その後、溶媒を溜去することで得られた反応生成物は白色固体であり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)より反応生成物は単一の生成物であった。NMRスペクトルにより反応生成物は下記化学構造式(8)であることを確認した。NMRスペクトルデータは以下の通りであった。
1.20(t,9H),1.71(quint,2H),3.35(t,2H),
3.53(m,1H),3.72(q,1H),3.81(q,6H),
7.21(m,1H),7.35(m,1H),7.68(m,2H)
13C NMR(75MHz,CDCl3,δ(ppm)):7.4,18.2,
23.2,42.7,58.4,119.8,121.1,123.3,126.0,
130.8,149.0,154.7,161.7
29Si NMR(60MHz,CDCl3,δ(ppm)):−45.9
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた1Lセパラブルフラスコに、N−ヒドロキシコハク酸イミド57.5g(0.5mol)、ジオクチルスズオキシド1.0gを納め、溶媒としてテトラヒドロフラン300gを加え、撹拌・溶解させた。その中に3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン123.7g(0.5mol)を滴下投入し、70℃にて4時間加熱撹拌した。その後、IR測定により原料のイソシアネート基由来の吸収ピークが完全に消失し、代わりにウレタン結合由来の吸収ピークが生成したことを確認し、反応終了とした。その後、溶媒を溜去することで得られた反応生成物は淡黄色液体で、オストワルド粘度計による測定の結果、動粘度38mm2/s、比重1.164、屈折率1.5218であり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)より反応生成物は単一の生成物であった。NMRスペクトルにより反応生成物は下記化学構造式(9)であることを確認した。NMRスペクトルデータは以下の通りであった。
0.94(t,9H),1.38(quint,2H),2.39(m,2H),
2.52(m,2H),2.90(t,2H),3.53(q,6H),
4.42(m,2H),6.45(m,1H)
13C NMR(75MHz,CDCl3,δ(ppm)):6.8,17.6,
22.2,24.8,43.7,57.7,151.2,170.2
29Si NMR(60MHz,CDCl3,δ(ppm)):−45.4
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた1Lセパラブルフラスコに、N−ヒドロキシフタルイミド48.9g(0.3mol)、ジオクチルスズオキシド1.0gを納め、溶媒として酢酸エチル200gを加え、撹拌・溶解させた。その中に3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン74.2g(0.3mol)を滴下投入し、80℃にて4時間加熱撹拌した。その後、IR測定により原料のイソシアネート基由来の吸収ピークが完全に消失し、代わりにウレタン結合由来の吸収ピークが生成したことを確認し、反応終了とした。その後、溶媒を溜去することで得られた反応生成物は黄色固体であり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)より反応生成物は単一の生成物であった。NMRスペクトルにより反応生成物は下記化学構造式(10)であることを確認した。NMRスペクトルデータは以下の通りであった。
1.14(t,9H),1.65(quint,2H),3.20(m,2H),
3.75(q,6H),6.30(m,1H),7.72(m,4H)
13C NMR(75MHz,CDCl3,δ(ppm)):7.3,17.9,
22.6,44.2,58.3,123.6,128.7,134.5,152.2,
162.4
29Si NMR(60MHz,CDCl3,δ(ppm)):−45.9
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた1Lセパラブルフラスコに、N−ヒドロキシメチルフタルイミド53.2g(0.3mol)、ジオクチルスズオキシド1.0gを納め、溶媒として酢酸エチル200gを加え、撹拌・溶解させた。その中に3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン74.2g(0.3mol)を滴下投入し、80℃にて4時間加熱撹拌した。その後、IR測定により原料のイソシアネート基由来の吸収ピークが完全に消失し、代わりにウレタン結合由来の吸収ピークが生成したことを確認し、反応終了とした。その後、溶媒を溜去することで得られた反応生成物は白色固体であり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)より反応生成物は単一の生成物であった。NMRスペクトルにより反応生成物は下記化学構造式(11)であることを確認した。NMRスペクトルデータは以下の通りであった。
1.07(t,9H),1.49(quint,2H),3.04(m,2H),
3.68(q,6H),5.39(m,1H),5.55(s,2H),
7.69(m,4H)
13C NMR(75MHz,CDCl3,δ(ppm)):7.3,14.3,
17.9,22.7,43.1,57.9,123.2,131.4,134.1,
154.5,166.4
29Si NMR(60MHz,CDCl3,δ(ppm)):−45.6
メタノール990g、水10gの混合溶媒に合成例1で得た高分子化合物を不揮発分として10g添加し、室温で5分間撹拌することで金属表面処理剤を得た。得られた金属表面処理剤を脱脂乾燥した市販の溶融亜鉛めっき鋼板(日本テストパネル社製;70×150×0.4mm)にバーコーターNo.20で乾燥膜厚が10μmになるように塗布し、金属表面温度105℃で10分間乾燥させた。その後V/P顔料含有のノンクロメートプライマーをバーコーターNo.16で乾燥膜厚が5μmになるように塗布し、金属表面温度215℃で5分間乾燥した。更にトップコートとしてフレキコート1060(ポリエステル系上塗り塗料;日本ペイント社製)をバーコーターNo.36で乾燥膜厚が15μmとなるように塗布し、金属表面温度を230℃で乾燥させて試験板を得た。得られた試験板の折り曲げ密着性、深絞り性、耐食性を下記の評価方法に従って評価し、その結果を表1に記載した。
合成例1で得られた化合物を合成例2〜8で得られた化合物に変更した以外は、実施例1と同様にして金属表面処理剤を調製した。これらの金属表面処理剤を用いて、実施例1と同様にして試験板を作製し、これらの評価を行った。得られた結果を表1に記載した。
合成例1で得られた化合物、シラン系化合物の種類と濃度、有機チタン酸エステル、水分散性シリカ、ジルコニウムイオン、チオカルボニル基含有化合物、水溶性樹脂並びにリン酸イオンの濃度をそれぞれ表1に記載したように配合した以外は、実施例1と同様にして金属表面処理剤を調製した。これらの金属表面処理剤を用いて、実施例1と同様にして試験板を作製し、これらの評価を行った。得られた結果を表1に記載した。
合成例で得られた化合物を用いずに、シラン系化合物の種類と濃度、有機チタン酸エステル、水分散性シリカ、ジルコニウムイオン、チオカルボニル基含有化合物、水溶性樹脂並びにリン酸イオンの濃度をそれぞれ表1に記載したように配合した以外は、実施例1と同様にして金属表面処理剤を調製した。これらの金属表面処理剤を用いて、実施例1と同様にして試験板を作製し、これらの評価を行った。得られた結果を表1に記載した。
金属表面処理剤に代えて、市販の塗布型クロメート処理剤(樹脂含有タイプ)をクロム付着量が20mg/m2となるように塗布、乾燥したこと、及びクロム含有プライマー(ストロンチウムクロメート顔料含有プライマー)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして試験板を作製及び評価し、得られた結果を表1に記載した。
A:KBM−903(アミノプロピルトリメトキシシラン;信越化学工業社製)
B:KBM−403(グリシドキシプロピルトリメトキシシラン;信越化学工業社製)
C:下記構造式(12)で示される有機ケイ素化合物
D:下記構造式(13)で示される有機ケイ素化合物
[有機チタン酸エステル]
チタンテトライソプロポキシド
[水分散性シリカ]
メタノールシリカゾル(日産化学工業社製)
[ジルコニウムイオンを形成する化合物]
ジルコノゾールAC−7(炭酸ジルコニルアンモニウム;第一稀元素社製)
[チオカルボニル基含有化合物]
チオ尿素
[水溶性樹脂]
ポリアクリル酸(重量平均分子量100万)
[リン酸イオンを形成する化合物]
リン酸
上記実施例1〜16及び比較例1〜5における折り曲げ密着性、深絞り性、耐食性の評価は以下の方法、評価基準に基づいて行った。
20℃の環境下、コニカルマンドレル試験機を用いて試験板を2mmφのスペーサーを挟んで180°折り曲げ加工し、折り曲げ加工部を3回テープ剥離して、剥離度合いを20倍ルーペで観察し、下記の基準で評価した。
A:クラックなし
B:加工部前面にクラック
C:剥離面積が加工部の20%未満
D:剥離面積が加工部の20%以上〜80%未満
E:剥離面積が加工部の80%以上
20℃の環境下で絞り比:2.3、シワ抑え圧:2t、ポンチR:5mm、ダイス肩R:5mm、無塗油、の条件で円筒絞り試験を行った。その後、クロスカット部から塗膜の剥離幅を測定し、下記の基準で評価した。
A:ふくれ幅が1mm未満
B:ふくれ幅が1mm以上〜2mm未満
C:ふくれ幅が2mm以上〜3mm未満
D:ふくれ幅が3mm以上〜5mm未満
E:ふくれ幅が5mm以上
(カット部)
試験板にクロスカットを入れ、JIS Z 2371に基づく塩水噴霧試験を500時間行った後、カット部片側のふくれ幅を測定し、下記の基準で評価した。
A:ふくれ幅が0mm
B:ふくれ幅が0mmを超え〜1mm未満
C:ふくれ幅が1mm以上〜3mm未満
D:ふくれ幅が3mm以上〜5mm未満
E:ふくれ幅が5mm以上
(端面)
試験板をJIS Z 2371に基づく塩水噴霧試験を500時間行った後、上バリ端面からのふくれ幅をカット部と同一基準で評価した。
Claims (15)
- 下記一般式(1)
で示される有機ケイ素化合物を必須成分とし、これを水、有機溶媒、又は水と有機溶媒の混合溶媒に溶解してなることを特徴とする金属表面処理剤。 - 下記一般式(2)
で示される有機ケイ素化合物を必須成分とし、これを水、有機溶媒、又は水と有機溶媒の混合溶媒に溶解してなることを特徴とする金属表面処理剤。 - 下記一般式(3)
で示される有機ケイ素化合物を必須成分とし、これを水、有機溶媒、又は水と有機溶媒の混合溶媒に溶解してなることを特徴とする金属表面処理剤。 - 更に、下記一般式(14)
R20 xSi(OR21)4-x (14)
(式中、R20は炭素数1〜20の非置換又は置換の一価炭化水素基、R21は炭素数1〜8の非置換又は置換一価炭化水素基を示し、xは0〜3の整数である。)
で示されるアルコキシシラン又はその部分加水分解縮合物を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の金属表面処理剤。 - 更に、有機チタン酸エステル類を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の金属表面処理剤。
- 更に、水分散性シリカ又は有機溶媒分散性シリカを含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の金属表面処理剤。
- 更に、Fe,Zr,Ti,V,W,Mo,Al,Sn,Nb,Hf,Y,Ho,Bi,La,Ce及びZnから選択されるいずれか1種以上の金属の化合物を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の金属表面処理剤。
- 更に、チオカルボニル基含有化合物を含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の金属表面処理剤。
- 更に、水溶性もしくは水分散性樹脂を含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載の金属表面処理剤。
- 更に、リン酸イオンを含むことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項記載の金属表面処理剤。
- 鋼材の表面を請求項1〜10のいずれか1項記載の金属表面処理剤で表面処理することを特徴とする鋼材の表面処理方法。
- 鋼材が金属被覆鋼材である請求項11記載の表面処理方法。
- 請求項11又は12記載の方法で得られる表面処理鋼材。
- 請求項1〜10のいずれか1項記載の金属表面処理剤で鋼材を処理した後、更に上層被膜層を設けることを特徴とする塗装鋼材の製造方法。
- 請求項14記載の方法で得られる塗装鋼材。
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