JP2013147594A - 防錆塗料組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の発明によれば、確かに一定の防錆効果を備えた皮膜や塗膜を得ることが可能であるが、そのいずれの皮膜や塗膜も防錆性能の点において不十分であった。
【解決手段】樹脂粒子が水性溶媒に分散してなる分散液、該樹脂粒子100重量部に対して0.01〜0.5重量部のモリブデン酸化合物、該樹脂粒子100重量部に対して0.9〜4.0重量部のジルコニウム化合物を含有する防錆塗料組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、建築物、構造物、自動車等の金属表面に優れた防錆効果を付与するための防錆塗料組成物に関する。
特許文献1に記載されているように、金属板用塗料に添加して金属板表面の酸化を抑制、つまり防錆効果を発揮させるための添加剤として、モリブデン酸塩やジルコニウム酸塩は知られている。
また、特許文献2及び3に記載されているように、モリブデン酸塩及びジルコニウムのポリホスホネート塩を含有する防錆塗料組成物、あるいはモリブデン酸塩と単に顔料として珪酸ジルコニウムを含有する塗料組成物も知られている。
さらに、特許文献4には、フッ化ジルコニウム、炭酸ジルコニウムを含有する表面処理組成物を亜鉛系メッキ鋼板又はアルミニウム系メッキ鋼板に塗布し、次いでモリブデン酸化合物を含有する塗料組成物を塗布してなる高耐食性表面処理鋼板が記載されている。
これらの特許文献に記載の技術によれば、モリブデン酸塩は防錆顔料として知られており、かつ上記ジルコニウム酸塩、ジルコニウムのポリホスホネート塩、フッ化ジルコニウム、炭酸ジルコニウムもそれぞれ単独にて使用するものである。
特開2000−281977号公報 特開平05−255616号公報 WO2007/046301号公報 特開2009−287080号公報
上記の各特許文献に記載の発明によれば、確かに一定の防錆効果を備えた皮膜や塗膜を得ることが可能であるが、そもそもモリブデン酸塩は防錆性能が強くはないため、そのいずれの皮膜や塗膜も防錆性能の点において不十分であった。
上記課題の解決のために本発明者は以下の防錆塗料組成物を発明した。
1.樹脂粒子が水性溶媒に分散してなる分散液、モリブデン酸化合物、該樹脂粒子100重量部に対して0.9〜4.0重量部のジルコニウム化合物を含有する防錆塗料組成物。
2.該樹脂粒子100重量部に対して0.01〜0.5重量部のモリブデン酸化合物を含有する1に記載の防錆塗料組成物。
3.リン酸及び/又は酢酸を含有する1又は2に記載の防錆塗料組成物。
4.リン酸及び/又は酢酸の含有量は、該樹脂粒子100重量部に対して0.01〜3.0重量部である1〜3のいずれかに記載の防錆塗料組成物。
5.樹脂粒子がアクリル系樹脂粒子である1〜4のいずれかに記載の防錆塗料組成物。
本発明によれば、金属表面に防錆性に優れた塗膜を得ることができると共に、貯蔵安定性、密着性、耐衝撃性、耐摺擦性に優れ、硬度が高いという効果を発揮することができる。
以下、具体的に本発明について述べる。
(樹脂粒子)
本発明における樹脂粒子としては、アクリル系樹脂、アクリル/スチレン系樹脂、ウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、酢酸ビニル/アクリル系樹脂、エチレン/酢酸ビニル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、アルキッド系樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン系樹脂、スチレン/ブタジエン系樹脂、ポリブタジエン、及びポリイソプレン等の樹脂から選ばれる少なくとも1種からなるものが挙げられる。
これらの樹脂はいわゆるゴムであっても良い。
複数の樹脂をブレンドした後に樹脂粒子としてもよく、複数種の樹脂粒子のブレンドを防錆塗料組成物に配合させてもよい。
これらの樹脂粒子の中でも、塗料としての密着性、防錆性等の性質からみてアクリル系樹脂粒子を採用することが好ましい。そのときには、全樹脂粒子中90重量%以上をアクリル系樹脂とすることも可能である。
本発明におけるアクリル系樹脂粒子が水性溶媒に分散してなる分散液としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエ−テル等のノニオン系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルアリルエ−テル硫酸エステル塩等のアニオン系界面活性剤、酸価20〜150程度及び数平均分子量5,000〜30,000程度のアクリル樹脂等の水溶性樹脂等の分散安定剤の存在下で、少なくとも1種のアクリル系単量体及び必要に応じて他の共重合性単量体を乳化重合することによって調製される平均粒子径が一般に約0.02〜約1μm、特に0.03〜0.5μmの範囲内にあるアクリル系樹脂粒子の水性分散液が挙げられる。
上記において重合に供するアクリル系単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸;2−カルボキシエチル(メタ)アクリレートのようなカルボキシアルキル(メタ)アクリレート;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル;(メタ)アクリルアミド、N−プロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類;グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらはそれぞれ単独で使用することができ、或いは2種以上を組合わせて用いてもよい。
また、これらアクリル系単量体と共重合させうる他の単量体としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、マレイン酸又はフマル酸の半エステル化物などのα,β−エチレン性不飽和カルボン酸;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンなどのビニル芳香族化合物;酢酸ビニル、(メタ)アクリロニトリルなどが挙げられる。
さらに必要に応じて、形成される樹脂粒子を架橋させることを目的として、多官能性単量体、例えば、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、トリアクリル酸トリメチロールプロパン等を少量併用することができる。
また、本発明で用いるアクリル系樹脂粒子を水性溶媒に分散してなる分散液としては、多段重合法によって調製されるものを使用することもできる。例えば、最初にα,β−エチレン性不飽和酸を全く含まないか或いは少量含む前記の如きアクリル系単量体をエマルジョン重合し、次いでα,β−エチレン性不飽和酸を多量に含むアクリル系単量体を共重合することによって得られる多段重合エマルジョンは、中和剤を用いて中和することによって増粘するので塗装作業性の面から好ましいものである。
ここで使用しうる中和剤としては、例えば、アンモニア又は水溶性アミノ化合物、例えば、モノエタノールアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、ジプロピルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリエタノールアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、メチルエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、2−アミノ−2−メチルプロパノール、モルホリン等が挙げられるが、特にトリエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、2−アミノ−2−メチルプロパノール等が好ましい。
本発明で用いるアクリル系樹脂粒子を水性溶媒に分散してなる分散液は、その機械安定性、貯蔵安定性等の性能面を重視する場合、分散粒子を架橋してもよい。その架橋方法としては、粒子を形成する単量体成分中にジビニルベンゼンのような多官能性単量体を含有させたり、(メタ)アクリル酸とグリシジル(メタ)アクリレートの組合せからなる単量体を含有させるそれ自体既知の方法を用いることができる。
また、通常はアクリル系樹脂粒子自身にも良好な塗膜の仕上り外観、耐水性などに優れた塗膜性能が望まれる。良好な仕上りを得るには、(メタ)アクリル酸のような不飽和酸単量体を比較的多く使用することによって達成できる。さらに耐水性の改良には(メタ)アクリル酸の長鎖アルキルエステルの使用が好ましい。
本発明においては、物性等を調整する目的でアクリル系樹脂粒子の他に別の樹脂からなる粒子を配合することができる。
本発明で用いるアクリル系樹脂粒子を水性溶媒に分散してなる分散液の分散媒は、水、水と一価アルコールの混合液が好ましい。該一価アルコールとしてはメタノール、エタノール、プロパノール等を使用できる。
(モリブデン酸化合物)
本発明にて用いるモリブデン酸化合物は塗膜が形成される金属表面に不動態皮膜を形成することで、該金属表面の酸化を防止する。モリブデン酸化合物としてはモリブデン酸及びその塩から選ばれる1種以上である。
そのようなモリブデン酸としては、モリブデン酸塩、オルトモリブデン酸、メタモリブデン酸塩、及びパラモリブデン酸、リンモリブデン酸が挙げられる。またこれらの酸の塩としては、カリウム塩、ナトリウム塩、アンモニウム塩等から選ばれる。さらにリンモリブデン酸の塩としては複塩の内の1種以上を使用することができる。本発明においては防錆性及び安定性等の点から好ましくはモリブデン酸ナトリウムを使用できる。
使用されるモリブデン酸塩の量としては、該アクリル系樹脂粒子100重量部に対して好ましくは0.01〜0.5重量部であり、さらに好ましくは0.01〜0.2である。
モリブデン酸塩の量が0.01〜0.5重量部であれば、本発明の防錆塗料組成物により得られた塗膜はさらに十分に高い防錆性を示すことができる。
(ジルコニウム化合物)
本発明にて用いるジルコニウム化合物としては、炭酸ジルコニウムアンモニウムや炭酸ジルコニウムカリウム等の炭酸ジルコニウム塩、硝酸ジルコニウム、酢酸ジルコニウム、塩基性炭酸ジルコニウム、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート、ジルコニウムモノアセチルアセトネート、及びジルコニウムビスアセチルアセトネート、オキシ塩化ジルコニウムアンモニウム、硫酸ジルコニウムアンモニウム、硝酸ジルコニウムアンモニウム等の1種以上を使用できるが、好ましくは炭酸ジルコニウムアンモニウムである。
使用されるジルコニウム化合物の量としては、該アクリル系樹脂粒子100重量部に対して好ましくは0.9〜4.0重量部であり、さらに好ましくは0.9〜3.6である。ジルコニウム化合物の量が0.9〜4.0重量部であれば、本発明の防錆塗料組成物により得られた塗膜は特に十分に高い防錆性を示すことができ、かつ塗膜の硬度を高めることができるとともに、被塗装物である金属の表面との密着性を向上させる。このため、塗膜に水が浸透した場合であっても被塗装物から塗膜が浮きにくくなる。
(リン酸及び/又は酢酸)
本発明の防錆塗料組成物にはリン酸及び/又は酢酸を含有させることができ、そのときの含有量としてはアクリル系樹脂粒子100重量部に対して好ましくは0.01〜3.0重量部であり、さらに好ましくは1.0〜3.0である。リン酸及び/又は酢酸の使用により、本発明の防錆塗料組成物により得られた塗膜は特に十分に高い防錆性を示すことができる。
(有機硫黄化合物)
本発明の防錆塗料組成物には硫黄化合物を含有させることができ、それにより塗膜が形成された金属表面から、金属イオン(鉄、亜鉛、アルミニウム、銅等のイオン)が溶出しても、そのイオンは硫黄原子を有する官能基により捕捉される。捕捉の結果、有機硫黄化合物と金属イオンとの間にて不溶性の錯塩が形成されるので該金属イオンの溶出である腐食の進行を防止できる。
該有機硫黄化合物としてはチアゾール類、トリアゾール類、チオール類、チアジアゾール類、及びチウラム類から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
チアゾール類としては、例えば3−(2−ベンゾチアジルチオ)プロピオン酸塩、3−(ベンゾチアジルチオ)プロピオン酸、2−N,N−ジエチルチオベンゾチアゾール、及び2−メルカプトベンゾチアゾールが挙げられる。3−(2−ベンゾチアジルチオ)プロピオン酸塩としては、カリウム塩、ナトリウム塩、アンモニウム塩、及びトリエタノールアミン塩等が挙げられる。
トリアゾール類としては、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、及び5−アミノ−3−メルカプト−1,2,4−トリアゾールが挙げられる。
チオール類としては、1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリチオール、及び2−メルカプトベンズイミダゾールが挙げられる。
チアジアゾール類としては、5−アミノ−2−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール、及び2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールが挙げられる。
本発明においては、防錆塗料組成物の保存安定性を向上させる点から、該有機硫黄化合物の中でも3−(2−ベンゾチアジルチオ)プロピオン酸塩、3−(2−ベンゾチアジルチオ)プロピオン酸トリエタノールアミンが好ましい。
本発明の防錆塗料組成物にこのような硫黄化合物を配合させる場合には、該アクリル系樹脂粒子100重量部に対して好ましくは1.0〜40重量部であり、より好ましくは3〜35重量部、さらに好ましくは3〜30重量部である。
(無機微粒子)
本発明の防錆塗料組成物には無機微粒子を含有させることができる。
該無機微粒子としては防錆塗料組成物に不溶であれば特に限定されず、一般に塗料に使用する防錆顔料、着色顔料、体質顔料等を選択することができ、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、マイカ、タルク、クレー、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、ガラス、アルミナ、アルミニウム、水酸化アルミニウム、鉄、酸化チタン、酸化鉄、珪藻土、ゼオライト、フェライト等、一般に塗料に配合可能な顔料を一種以上含有させることができる。
中でも無機微粒子として炭酸カルシウムやシリカ、タルク、マイカ、アルミナ、ガラス等の広く使用されているものが好ましい。
含有させる無機微粒子の平均粒径は限定されないが、塗膜による防錆性向上効果を考慮してより粒子径が小さい無機微粒子が好ましい。
具体的には、平均粒径が1〜100nmの粒子を使用することにより、本発明の防錆塗料組成物から形成させた塗膜がより緻密な構造を示すことができ、その平均粒径が好ましくは1〜20nm、さらに好ましくは3〜10nmであると、さらに優れた塗膜とすることができる。
使用される平均粒径が1〜100nmの無機微粒子の使用量は樹脂粒子100重量部に対して1〜30、好ましくは1〜20重量部、さらに好ましくは2〜10重量部である。無機微粒子は必要であれば分散剤を用いて得た分散媒に分散させた状態にて防錆塗料組成物に配合させることができる。
1重量部未満であると、無機微粒子を添加したことによる効果を十分に得ることができず、30重量部を超えてもさらに優れた効果を得ることができない。
なお、無機微粒子の平均粒径は、粒体比表面積測定装置によって測定された1g当たりの比表面積値から下記計算式に従って算出される平均粒子径である。
平均粒径(μm)=6/(比重/比表面積)×1000
(水性溶媒)
本発明における水性溶媒としては、溶媒である水を基本として、必要に応じて水溶性の有機溶媒を添加してなる溶媒である。
その水溶性の有機溶媒については、樹脂粒子及び無機微粒子等の分散性、塗布作業性、塗膜平滑性等を考慮しつつ決めることができ、水性塗料一般において使用することができる水溶性有機溶媒を採用できる。
そのような水溶性有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、エチレングリコール、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、等のグリコール類、及び樹脂粒子を製造する際に使用される有機溶剤を含有していてもよい。
本発明の防錆塗料組成物における水性溶媒の量は、樹脂粒子100重量部に対して30〜400重量部、好ましくは50〜200重量部、さらに好ましくは50〜150重量部である。30重量部未満である場合には、防錆塗料組成物中の固形分濃度が高く、高粘度になると共に、樹脂粒子等の分散性が低下する。また、400重量部を超えると、固形分濃度が低くなりすぎるので、十分な膜厚の塗膜を形成させることが困難になると共に、塗装後の乾燥性も低下することになる。
(その他成分)
本発明においては、防錆塗料組成物として上記の各成分に加えて、難燃剤、着色剤、酸化防止剤、帯電防止剤、安定剤、発泡剤、滑剤、分散剤、充填剤、ゲル化剤、造膜化助剤、凍結防止剤、粘度調整剤等の成分を配合することができる。
特に該分散剤としては、樹脂粒子を製造する際に例えば乳化重合時において添加を要した分散剤であってもよい。
また、充填剤としては、上記の無機微粒子と同じ材料からなるものの、粒径がより大きいものを採用してもよい。但し、その際には上記無機微粒子の機能を阻害しない程度の量とすることが必要である。
(塗装方法)
本発明の防錆塗料組成物を使用して塗装する方法として、まず被塗装物としては防錆が課題になるような部材であり、広く金属製部材とすることができる。そのような金属製部材の用途としては自動車部品、建築材料、構造材料、機械部品、電機部品等広く一般の用途とすることができる。
塗装方法としても、一般的な塗装方法、例えばエアスプレー、エアレススプレー、浸漬、ロールコート、刷毛塗り等を採用することができる。
塗装後には、乾燥工程を行うことが必要であるが、水性溶媒を使用することにより加熱乾燥を行うことが望ましい。その加熱乾燥温度としては、水性塗料の加熱乾燥温度として一般的な範囲の温度でよい。
このようにして得た塗装物の塗膜厚さは、通常の防錆塗料組成物による塗膜の厚さでよく、10μm〜1mm、好ましくは50〜500μmである。
(実施例)
本発明の実施例1〜9の防錆塗料組成物及び比較例1〜7の防錆塗料組成物の貯蔵安定性、回転粘度、pHを測定し、それらの防錆塗料組成物をガルバリウム鋼板に塗布し、その塗装されたガルバリウム鋼板を試験片として、以下の条件にて耐食性(塩水噴霧)、耐食性促進試験1及び2(自作測定法)、ワキ、密着性1及び2、デュポン衝撃性、コインスクラッチ性、鉛筆硬度を測定した。
(貯蔵安定性)
50℃での防錆塗料組成物について目視により流動性を、硬化、沈殿、分離の有無により確認した。○は硬化、沈殿、分離を発生せず、流動性が良好であることを示し、△は硬化、沈殿、分離の少なくともいずれかを発生して流動性が良好ではないことを示す。
(回転粘度)
23℃、湿度50%で状態調整後、B型粘度計を用いて、No.3で20rpm、5分後の防錆塗料組成物の回転粘度を測定した。
(pH)
防錆塗料組成物のpHを測定した。
(耐食性(塩水噴霧))
塗膜を形成したガルバリウム鋼板をJIS K5600−7−1:2007に基づいて塩水噴霧試験を行った。なお、試験後のサビやフクレの発生の有無を確認した。その塗膜はバーコーターにて塗布され、230℃で乾燥した後の塗膜の厚みが0.1mmになるように調整された。
(耐食性促進試験1)
厚さ0.1mmの塗膜を形成したガルバリウム鋼板に対して、0.3Aの電流を2分間通電して、電気腐食法により耐食性促進試験を行い、目視にてふくれの数を確認した。
(耐食性促進試験2)
厚さ0.1mmの塗膜を形成したガルバリウム鋼板に対して、5Vの電圧を10分間通電した後の電流値を測定し、得られた電流値から抵抗値(kΩ)を算出した。
(ワキ)
厚さが0.1mmとなるように形成された塗膜を、その表面から目視にてワキの発生の有無を確認した。
(密着性1)
厚さ0.1mmの塗膜が形成されたガルバリウム鋼板を試料として、エリクセン5mm押出試験をJIS K5600−5−2及び5−6に基づいて行った。テープ剥離を行い、目視にて確認した。
(密着性2)
厚さ0.1mmの塗膜が形成されたガルバリウム鋼板を試料として、180°曲げ密着性試験をJIS G3312−12−2−2に基づいて行った。テープ剥離を行い、目視にて確認した。
(デュポン衝撃性)
厚さ0.1mmの塗膜が形成されたガルバリウム鋼板を試料として、デュポン衝撃性試験をJIS G3312−12−2−4に基づいて行った。塗膜の形成面を表面とし、該表面に錘を落下させた場合(デュポン衝撃性(表面))と、塗膜が形成されていない面である裏面に錘を落下させた場合(デュポン衝撃性(裏面))について試験を行った。その後塗膜面に対してテープ剥離を行い、目視にて確認した。通常、剥離10%以内であれば問題なしとした。
(コインスクラッチ性)
厚さ0.1mmの塗膜が形成されたガルバリウム鋼板を試料として、加重2kgをかけて10円硬貨によるひっかき試験を行ない、目視にて素地の露出の程度を確認した。
(鉛筆硬度)
厚さ0.1mmの塗膜が形成されたガルバリウム鋼板を試料として、JIS K5600−5−4に基づいて鉛筆硬度を測定した。
次に上記の各試験結果を表1及び表2に示す。
各成分の配合量は重量部にて記載した。
防錆剤(MOX):モリブデン酸ナトリウム
防錆剤(PMT):3−(2−ベンゾチアジルチオ)プロピオン酸トリエタノールアミン
耐水化剤(AZコート):炭酸ジルコニウムアンモニウム
上記の表1及び2に示す結果によれば、実施例1〜9の防錆塗料組成物を塗布してなる塗膜は、塩水噴霧による耐食性試験及び耐食性促進試験による結果が良好であり耐食性に優れる結果となった。さらに防錆塗料組成物は貯蔵安定性に優れる回転粘度が適切な範囲となり、塗装作業性にも優れるものである。また、塗膜のワキ、基材との密着性、デュポン衝撃性、コインスクラッチ性、さらに鉛筆硬度が優れており、硬く傷つきにくい塗膜が形成されたことがわかる。
これに対して、比較例1〜7は防錆剤としてリン酸又は酢酸を含有しないが、実施例2による結果からみて明らかなように、リン酸又は酢酸を含有しないことよりも、樹脂粒子100重量部に対して8.52重量部の耐水化剤としてのジルコニウム化合物を含有する例であり、耐水化剤を多量に含有することによって、塩水噴霧試験による耐食性試験の結果が悪化してサビやフクレが発生しやすくなった。
この結果、本発明は特にジルコニウム化合物を特定の含有量となるように含有させることにより、そうでない場合と比較して耐食性や塗膜硬度が優れるという顕著な効果を奏する。

Claims (5)

  1. 樹脂粒子が水性溶媒に分散してなる分散液、モリブデン酸化合物、該樹脂粒子100重量部に対して0.9〜4.0重量部のジルコニウム化合物を含有する防錆塗料組成物。
  2. 該樹脂粒子100重量部に対して0.01〜0.5重量部のモリブデン酸化合物を含有する請求項1に記載の防錆塗料組成物。
  3. リン酸及び/又は酢酸を含有する請求項1又は2に記載の防錆塗料組成物。
  4. リン酸及び/又は酢酸の含有量は、該樹脂粒子100重量部に対して0.01〜3.0重量部である請求項1〜3のいずれかに記載の防錆塗料組成物。
  5. 樹脂粒子がアクリル系樹脂粒子である請求項1〜4のいずれかに記載の防錆塗料組成物。
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