JP2001329229A - シリコーンゴム用接着剤 - Google Patents
シリコーンゴム用接着剤Info
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Abstract
有し、かつ必要な期間が終了した後には簡単に剥離させ
ることが可能な、歯科用シリコーン系粘膜調整材等のシ
リコーンゴムと義歯床等の樹脂とを接着させる接着剤を
得る。 【解決手段】 酢酸エチル、メチレンクロライド等の有
機溶媒100質量部、噴霧質シリカ等の無機粉体0.1
〜10質量部を含有してなり、該有機溶媒と無機粉体の
合計が全体の90質量%以上を占める組成物を接着剤と
する。さらに、分子中にSiH基を有するポリシロキサ
ンを、接着剤全量の0.1〜10質量%の割合で配合す
ることにより、より良好な初期接着性を得ることが可能
となる。
Description
樹脂を接着するための接着剤に関する。
耐寒性、耐薬品性、操作の簡便性等の利点を有してお
り、電気・電子材料のコーティング用途、建材のシーリ
ング用途、食品の型取り用途、歯科用印象材用途などで
幅広く使用されている。しかしながら、ポリメチルメタ
クリレート、ポリカーボネート等の樹脂(以下、単に樹
脂)と接着させようとする場合、シリコーンゴムと樹脂
との接着性はほとんどないという欠点がある。
せるための接着剤が幾つか開発されてきた。例えば、
(メタ)アクリル酸アルキルと(メタ)アクリル酸ジメ
チルビニルシリルアルキルエステルとの共重合体を用い
たシリコーン修飾アクリル系樹脂(特開平2−4320
9号公報)を可溶性溶媒に溶解した、或いは(メタ)ア
クリル酸アルキルと(メタ)アクリル酸ジメチルハイド
ロジェンシリルアルキルエステルとの共重合体を用いた
シリコーン修飾アクリル系樹脂(特公平6−11683
号公報)を可溶性溶媒に溶解したアクリル樹脂用接着剤
が開発されている。これらは、側鎖にシリル基を有する
高分子を主成分とした接着剤であり、長期間(望ましく
は半永久的に)シリコーンゴムと、樹脂とを強固に接着
させたままでおくことを目的としている。
平7―76611号公報には、シリコーン修飾アクリル
系ランダム系共重合体を可溶性溶媒に溶解させた接着剤
が提案されているが、これらもまた、シリコーンゴムと
アクリル系樹脂とを長期間強固に接着させておくための
ものである。
やプラスチックとを接着させるためのプライマー組成物
として特開平1−306484号公報には、100質量
部のパーフルオロアルキル基含有ポリオルガノシロキサ
ン、5〜100質量部のシリカ系充填材、0.5〜50
質量部のイソシアヌレート系有機ケイ素化合物及び有機
溶媒を主成分とする組成物、同じく、特開平2−182
775号公報には、100質量部のパーフルオロアルキ
ル基含有ポリオルガノシロキサン、5〜100質量部の
シリカ系充填材、0.5〜50質量部の(メタ)アクリ
ルアミド系化合物及び有機溶媒を主成分とする組成物が
開示されている。これらの組成物も、長期間の強固な接
着を目的としたものであり、また、接着の際に、プレス
加硫又は常圧熱気加硫を要す。
ては、最初は強固な接着性を要するが、一定期間終了後
には、シリコーンゴムと樹脂とを剥がす必要が生じる場
合がある。具体的には、使用していた義歯の適合が悪く
なった場合に短期間暫間的に使用する裏打ち材である歯
科用シリコーン系粘膜調整材において、通常、ポリメチ
ルメタクリレート、ポリカーボネート等の樹脂製の義歯
床に対し、シリコーンゴム系の粘膜調整材によって暫間
的に補修しておき、数日〜数週間後に本格的に義歯床を
補修する際に、当該シリコーンゴム系粘膜調整材を取り
除く必要がある。この場合、粘膜調整材接着直後は容易
に剥がれない強い接着性を必要とするが、一定期間経過
後に取り除く際には、できるだけ容易に除去できること
が望まれる。
ムと樹脂を接着するための接着剤は、できる限り長期間
高い接着性を保持することを目的としているため、樹脂
製の義歯床とシリコーンゴム系の粘膜調整材の接着用に
用いた場合、必要な期間終了後も強固に接着したままで
あり、両者を剥離させることは容易ではない。剥離させ
る場合は、研削によってシリコーンゴムを除去せざるを
得ず、手間がかかり、また削りかすが多量に発生する等
の問題があった。そこで、接着直後は強固な接着力を発
揮するが、数日〜数週間経過後には接着力が低下して容
易に剥離できるシリコーンゴムと樹脂を接着するための
接着剤の開発が望まれていた。
や、特開平2−182775号公報に記載のフルオロシ
リコーンゴム用プライマー組成物は、高い接着性を発現
させるために、生体に対する為害性に懸念のあるイソシ
アヌレート系化合物や、アクリルアミド系化合物を必須
としており、この点においても問題がある。
来技術の課題を解決すべく鋭意検討した結果、有機溶媒
100質量部、及び無機粉体0.1〜10質量部を主成
分としてなる接着剤を用いることにより、上記課題を克
服できることを見い出し本発明を完成するに至った。
部、及び無機粉体0.1〜10質量部を含有してなり、
該有機溶媒と無機粉体との合計が接着剤全量の90質量
%以上を占めることを特徴とするシリコーンゴム用接着
剤である。
た時の接着機構は充分には明らかになっていないが、以
下のように推測される。
樹脂表面を膨潤させることで、その面に無機粉体がアン
カーの様に固定される。その結果、樹脂表面は凹凸を持
った形状を呈し、その表面に硬化性シリコーン組成物を
盛ると、樹脂とシリコーンゴムの間に物理的勘合力が発
生し両者が接着すると考えられる。さらに、シリコーン
ゴムのマトリックスであるポリオルガノシロキサン部分
やシリコーンゴム中及び/または接着剤中のSiHシロ
キサンなどと無機粉体表面との間に相互作用が生じるこ
とによっても更に強固な接着力が発現すると考えられ
る。一方で、化学結合的な相互作用は発生していないた
め、長期間の湿潤条件下では容易に剥離させることがで
きるようになる。また、この様な機構のため、接着剤成
分中に、有機溶媒及び無機粉体以外の成分が多量に存在
すると、樹脂の膨潤や無機粉体の固定を阻害したり、或
いは樹脂表面に厚い塗膜を生じ、アンカー状に存在する
無機粉体と、シリコーンゴムのマトリックスであるポリ
オルガノシロキサンとの間隔が大きくなり、それらの相
互作用が物理的におき難くなったりする。
の接着機構とは大きく異なる。すなわち、本発明の接着
機構が物理的勘合力や無機粉体とシリコーンとの相互作
用と言った、比較的弱い結合によるものであるのに対
し、従来技術の接着においては、相溶化剤あるいはグラ
フト化剤の様な構造を有する接着成分を用いている。そ
のため、接着初期において強固に接着するものは、湿潤
条件下での長期間経過後も強固に接着したままであり、
容易に剥離させることができず、使用後の除去が煩雑で
あり、結局のところ操作性が著しく低下する。
る有機溶媒としては、公知のものが何ら制限なく使用で
きるが、被着体である樹脂への浸透性があり、揮発性が
高く、毒性の低い有機溶媒を使用するのが好適である。
揮発性の高い溶媒を用いた場合は、後述する乾燥操作が
容易に行える。また、樹脂への浸透性の高い溶媒を用い
た場合には、接着強度が高くなる。樹脂溶解性の指標と
しては、溶解度パラメーター(溶解度係数:δ)があ
り、例えばアクリル系樹脂に対しては、δ=17.4〜
20.5(MPa)1/2の範囲の有機溶媒が特に樹脂溶
解性が高いので好ましい。
ノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノ
ール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン
等のケトン類、トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香
族炭化水素類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、
プロピオン酸エチル等のエステル類、塩化メチレン、ク
ロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエチレン、テ
トラクロロエチレン等の塩素系溶媒が挙げられる。
(MPa)1/2)、塩化メチレン(δ=19.8(MP
a)1/2)、トルエン(δ=18.2(MPa)1/2)
は、アクリル系樹脂に対する溶解性が高く、しかも揮発
性が高いので、特に好適に使用でき、なかでも酢酸エチ
ルの使用が、その生体への毒性の低さから最も好適であ
る。
有機溶媒の混合溶媒が使用できる。複数の溶媒の混合溶
媒を使用する場合には、その混合溶媒としての溶解度パ
ラメーターが、δ=17.4〜20.5(MPa)1/2
となるような組成にすることが好ましい。
リコーンゴムの硬化反応を阻害しないものであれば公知
のものが何等制限なく使用できる。好適に使用される無
機粉体を具体的に例示すると、シリカ(二酸化ケイ
素)、アルミナ、チタニア、ジルコニア、マグネシア等
の無機酸化物粉体、炭酸カルシウム、硫酸マグネシウム
等の無機金属塩、窒化アルミニウム等が挙げられる。こ
れらの中でも、シリコーンゴムのポリオルガノシロキサ
ンや架橋成分との間の相互作用が生じることによる接着
性の向上が見られる、口腔内に常在する水に対して実質
的に安定である等の点で、無機酸化物粉体の使用が好ま
しく、シリカがより好ましい。さらに、後述する保存安
定性まで考慮すると、煙霧質シリカ(ヒュームドシリ
カ)が特に好ましく使用できる。これら無機粉体は2種
類以上併用して使用することも可能である。
る為に、その粒子表面をトリメチルクロロシラン、ジメ
チルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、ヘキサ
メチルジシラザン、シリコーンオイル等の表面処理剤で
疎水化処理されたものであることがより好ましい。
限定されないが、有機溶媒に分散させた際に、長期間沈
降し難く、使用しやすいという観点から粉体の平均粒径
は小さい方が好ましく、平均粒径が1μm以下である無
機粉体を用いるのが好適であり、0.5μm以下である
無機粉体がより好ましい。
粉体との量比は、有機溶媒100質量部に対して無機粉
体0.1〜10質量部である。無機粉体の量が0.1質
量部よりも少ない場合には十分な接着効果が発現しない
場合が多く、また、10質量部よりも多い場合は過剰の
粉体により接着阻害が生じ、やはり充分な接着効果が得
られないために好ましくない。より好ましくは、有機溶
媒100質量部に対して無機粉体0.5〜5質量部であ
る。
体を主成分として構成される。本発明において主成分と
は、接着剤に含まれる全成分に対して、有機溶媒及び無
機粉体の合計が90質量%以上であることを意味する。
この割合が90%より少ない場合には、その他成分とし
て何を用いたかによるが、通常、初期接着性が実用に耐
えないほど低くなる。また、その他成分を多量に配合す
ることは、製造の手間やコストの点でも不利である。初
期接着性及び一定期間終了後の剥離性を考慮すると、有
機溶媒および無機粉体の含有割合は、95%以上がより
好ましい。
ター(δ)=17.4〜20.5(MPa)1/2の有機
溶媒100質量部、平均粒径1μm以下のシリカ0.1
〜10質量部を含有してなり、当該有機溶媒とシリカの
合計が、全接着剤中90〜100質量%である組成物が
好ましい。より好ましくは、酢酸エチル、塩化メチレ
ン、トルエンから選ばれる有機溶媒100質量部、平均
粒径0.5μm以下の噴霧質シリカ0.5〜5質量部を
含有してなり、当該有機溶媒と噴霧質シリカの合計が、
全接着剤中95〜100質量%からなる組成物である。
上させる目的で、分子中にSiH基を有するポリシロキ
サンを少量添加することがより好ましい。この様な分子
中にSiH基を有するポリシロキサンは、前記イソシア
ヌレート系化合物やアクリルアミド系化合物と異なり、
生体に対する安全性が充分確立されている。なお、説明
の便宜上、“分子中にSiH基を有するポリシロキサ
ン”を“SiHシロキサン”と呼ぶこともある。
ンの構造は特に限定されず、直鎖状でも枝分かれを有し
ていてもよく、また各種有機置換基を有していてもよ
い。接着初期に良好な接着性を得るためには、分子中に
存在するSiH基の数が3個以上であることが望まし
い。また、その平均分子量が200〜10000程度の
ものの使用が、操作性、接着性向上の観点から好まし
い。
代表的なものを具体的に示せば、
る。なお、上記化合物および後述する実施例、比較例に
用いられるSiHシロキサン中の各繰り返し構成単位の
結合順序は全く任意であり、構造式中に示される繰り返
し構成単位の数は各構成単位の総量を示すにすぎない。
加する場合の添加量としては、接着剤全成分の合計中、
0.1〜10質量%が好適であり、0.2〜2質量%が
より好適である。SiHシロキサンの量が0.1質量%
よりも少ない場合には、添加したことによる初期接着性
向上の効果が得られにくく、多すぎる場合には、シリコ
ーンゴムと樹脂との間隔を大きくさせることとなり、結
局として接着を阻害する傾向にあるため好ましくない。
ムの硬化反応を阻害しないものであれば、全体の10質
量%以下、好ましくは3質量%以下で、着色剤、抗菌・
防腐剤、紫外線安定剤等を更に配合することも可能であ
る。
分を配合した際には、本発明の好ましいシリコーンゴム
用接着剤は、溶解度パラメーター(δ)=17.4〜2
0.5(MPa)1/2の有機溶媒100質量部、平均粒
径1μm以下のシリカ0.1〜10質量部を含有してな
り、全接着剤中、当該有機溶媒とシリカの合計が90〜
99.9質量%、SiHシロキサンを0.1〜10質量
%含んでなる組成物である。より好ましくは、酢酸エチ
ル、塩化メチレン、トルエンから選ばれる有機溶媒10
0質量部、平均粒径0.5μm以下の噴霧質シリカ1〜
5質量部を含有してなり、全接着剤中、当該有機溶媒と
噴霧質シリカの合計が95〜99.8質量%であって、
下記式、
質量%を含んでなる組成物である。
効果を顕著に発揮するという点で、歯科用シリコーン系
粘膜調整材用の接着剤として使用することが好適であ
る。
した包装形態も可能であるし、複数の包装とし、使用直
前に混合する形態にすることも可能である。事前に全成
分を混合した包装形態にする場合には、無機粉体を分散
させる方法は特に限定されず、超音波分散、ディスパー
ザー分散、湿式ボールミル分散等の公知の方法が何ら制
限なく採用できる。この場合、SiHシロキサン(及
び、配合される場合にはその他の任意成分)を配合する
場合には、該無機粉体を分散させる前に有機溶媒に溶解
させておいても良いし、無機粉体分散後、その分散液に
溶解させてもよい。
を分散させた有機溶媒と、SiHシロキサンを溶解させ
た有機溶媒の2包装とし、使用直前に、歯科医師等が混
合して使用する形態が挙げられる。この場合、歯科医師
等の判断する剥離作業を行なうまでの期間に応じ、該2
包装の混合割合を適宜変更するように設定することも可
能である。該混合割合と、剥離までの期間の関係は、事
前にデータを蓄積しておくことで対応可能である。
きるシリコーンゴムとしては、公知のものが何等制限な
く使用できる。具体的に例示すると、熱加硫型シリコー
ンゴム、縮合型液状シリコーンゴム、付加型液状シリコ
ーンゴム、紫外線硬化型シリコーンゴム等を挙げること
ができる。粘膜調整材用としては、付加型液状シリコー
ンゴムが好ましい。
タクリレート、ポリエチルメタクリレート、ABS等の
アクリル系樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリカーボネート
樹脂等を挙げることができる。義歯床用としては、通常
ポリメチルメタクリレート系樹脂、或いはポリカーボネ
ート樹脂が使用される。
を適用する方法は特に制限されず、例えば、被着体であ
る樹脂製物品に、本発明の接着剤をハケ、ヘラ、筆、ス
ポンジなどで塗布、または噴霧すればよい。
分である有機溶媒を揮発させて乾燥させることが好まし
い。乾燥方法も特に限定されず、空気中に放置して自然
乾燥させてもよいし、冷風又は熱風を吹き付けて乾燥さ
せてもよいし、加熱型の乾燥機を使用してもよい。
膜調整材用として使用する場合、以下のような手順で行
えば良い。
着剤を筆等で塗布し、エアブローにて有機溶媒を乾燥さ
せる。乾燥後、シリコーン系粘膜調整材用硬化性組成物
のペーストを練和後、義歯床上に盛り付ける。該義歯を
患者の口腔内に所定時間装着して組成物を硬化させたの
ち、切削、研磨等によりシリコーンゴムの概形を修正し
てシリコーン系粘膜調整材とすれば良い。
後、辺縁部より引き剥がすことにより容易に剥離させる
ことが可能である。
を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。以下の実施例及び比較例において試験に供した
各材料の構造式を以下に示す。・ポリシロキサンA:下
記式で表わされるα,ω−ジビニルポリジメチルシロキ
サン(粘度30ポイズ;GE東芝シリコーン製ME9
1)
メチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)シロキサ
ン単位を97モル%以上含むポリオルガノシロキサン
(粘度50000ポイズ;GE東芝シリコーン製FQE
26U)
る化合物
る化合物
30(平均粒径0.01μmの煙霧質シリカ) ・MT10:トクヤマ製レオロシールMT10(平均粒
径0.01μmの煙霧質シリカ) ・PMMA:ポリメチルメタクリレート粉末(平均粒径
0.4μm、分子量250000)・ポリマー1:下記式
で表わされる重合体の粉末(質量平均分子量=1270
00、特開平7―70246号公報記載の方法で合成)
のペーストを調製した。これらは同量づつ混練すること
により室温で硬化し、シリコーンゴムとなる。 ・Aペースト: ポリシロキサンA 100質量部 ポリメチルシルセスキオキサン微粉(粒径3μm) 100質量部 白金/ビニルシロキサン錯体溶液(白金含有率3%) 0.5質量部・ Bペースト: ポリシロキサンA 100質量部 SiHシロキサン1 0.3質量部 SiHシロキサン2 2.0質量部 ポ リメチルシルセスキオキサン微粉(粒径3μm) 100質量部 シリコーンゴムb 硬化性シリコーン組成物として、以下に示すコンパウン
ドを調製した。これは、加熱することにより硬化しシリ
コーンゴムとなる。 ・コンパウンド: ポリシロキサンB 100質量部 過酸化ベンゾイル 1質量部 2)接着力の評価 表面を800番の耐水研磨紙で注水下研磨したアクリル
板またはポリカーボネート板(以下、樹脂版と総称)
に、調製した接着剤溶液を筆で塗布した。乾燥後、ペー
ストAとペーストBの等量混合物(シリコーンゴム
a)、または、コンパウンド(シリコーンゴムb)を、
接着剤溶液を塗布した樹脂板上に盛り付けた。その後、
ペーストAとペーストBの等量混合物を盛り付けたもの
は37℃水中で5分間放置、コンパウンドを盛り付けた
ものは大気中150℃で20分間加熱して硬化させ、シ
リコーンゴムa又はbとした。硬化反応終了後、スパチ
ュラを用いて、樹脂板とシリコーンゴムの界面から剥離
させようとし、そのときの破壊の様子を観察し評価し
た。評価点は以下の判定に従い◎〜×で評価した。すべ
てシリコーンゴムの凝集破壊である◎が最も優れてい
る。
熱衝撃試験機(トーマス社製)にて4℃と60℃の恒温
水に各1分間ずつ交互に浸漬するサイクルを1000回
行った。(なお、この1000回の熱サイクルは、ケー
スにより差があるが、ほぼ平均的な粘膜調整剤の使用期
間に相当する。)その後、上記と同様に、樹脂板とシリ
コーンゴムの剥離状態を評価した。評価点は、以下の判
定に従い◎から×で評価した。除去性は剥離時に抵抗感
がある界面破壊(評価◎)が最も優れている。
波分散し、これを接着剤とした。該接着剤をアクリル板
(GC製アクロン)上に塗布し、前述の方法でシリコー
ンゴムaとの接着性を評価したところ、結果は凝集破壊
と界面破壊の混合破壊(評価○)であった。また、除去
性については、剥離時に抵抗感がある界面破壊(評価
◎)であった。
調製し、アクリル板とシリコーンゴムaとの接着性及び
除去性を評価した。接着材の組成、及び評価結果を表1
に示す。
調製し、ポリカーボネート板(松風製PCレジン)とシ
リコーンゴムbとの接着性及び除去性を評価した。接着
材の組成、及び評価結果を表1に示す。
コーンゴムaとの接着性を評価したところ、全く接着し
ておらず(評価×)、無機粉体が必須であることが明ら
かであった。
体を添加した場合) 酢酸エチル100質量部に、1質量部のPMMA粉末を
超音波分散し、これを接着剤とした。該接着剤を、アク
リル板上に塗布し、前述の方法でシリコーンゴムaとの
接着性を評価したところ、まったく接着しておらず、評
価結果は×であった。このことから、接着剤成分として
配合する粉末は、無機の粉末である必要性が明らかであ
る。
マーを添加した場合) 酢酸エチル100質量部にポリマー1の粉末(なお、特
開平7−70246の発明の接着剤成分である)を超音
波分散し、これを接着剤とした。該接着剤を、アクリル
板上に塗布し、前述の方法でシリコーンゴムaとの接着
性を評価したところ、非常によく接着していた(評価
◎)が、1000回の熱サイクル後も、強固に接着した
ままであり、除去性が著しく悪かった(評価×)。即
ち、この様な成分も本発明の目的においては使用が困難
である。
以下の場合) 酢酸エチル100質量部に、粒径0.01μmの煙霧式
シリカ0.02質量部(本発明の範囲以下)及びSiH
シロキサン0.7質量部を添加した液を超音波分散し、
これを接着剤とした。該接着剤を、アクリル板上に塗布
し、前述の方法でシリコーンゴムaとの接着性を評価し
たところ、全く接着していなかった(評価×)。
以上の場合) 煙霧質シリカを20質量部(本発明の範囲以上)及びS
iHシロキサンを0.3質量部とした場合には、接着性
が著しく低かった(評価△)。
本発明の範囲内である必要性があることは明らかであ
る。
が本発明の範囲外の場合) 酢酸エチル100質量部に、平均粒径0.2μmの煙霧
式シリカ1質量部、及びSiHシロキサン20質量部を
添加した液(SiHシロキサン含有割合16.5%)を
超音波分散し、これを接着剤とした。該接着剤を、アク
リル板上に塗布し、前述の方法でシリコーンゴムaとの
接着性を評価したところ、接着性が弱く、簡単に剥離し
た(評価△)。この結果から、有機溶媒及び無機粉体の
配合量が全接着剤成分の合計に対し少なすぎると、接着
性が低くなることは明らかである。
評価結果は表1にまとめて示した。
ンゴムと樹脂とを最初は強固に接着させ、そして、湿潤
条件下で一定の期間が経過した後は、研削等の作業を伴
わずに容易に剥離可能である。このため、歯科用粘膜調
整材として特に好適に使用できる。
Claims (4)
- 【請求項1】 有機溶媒100質量部、及び無機粉体
0.1〜10質量部を含有してなり、該有機溶媒と無機
粉体との合計が接着剤全量の90質量%以上を占めるこ
とを特徴とするシリコーンゴム用接着剤。 - 【請求項2】 分子中にSiH基を有するポリシロキサ
ンを接着剤全量の0.1〜10質量%で更に含んでなる
請求項1記載のシリコーンゴム用接着剤。 - 【請求項3】 請求項1または請求項2記載のシリコー
ンゴム用接着剤からなる、歯科用シリコーン系粘膜調整
材用接着剤。 - 【請求項4】 有機溶媒が酢酸エチル、塩化メチレンま
たはトルエンであり、無機粉体が煙霧質シリカである請
求項3記載の歯科用シリコーン系粘膜調整材用接着剤。
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JP2000148744A JP4577944B2 (ja) | 2000-05-19 | 2000-05-19 | 歯科用シリコーン系粘膜調整材用接着剤 |
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JP2000148744A JP4577944B2 (ja) | 2000-05-19 | 2000-05-19 | 歯科用シリコーン系粘膜調整材用接着剤 |
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