JP2013245323A - 粘着テープ又はシート及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 シリコーン樹脂シートからなる基材の少なくとも片面にシリコーン系粘着剤層を有する粘着テープ又はシートであって、手切れ性、加工性に優れた粘着テープ又はシートを提供する。
【解決手段】 本発明の粘着テープ又はシートは、シリコーン樹脂シートからなる基材の片面又は両面にシリコーン系粘着剤層を有する粘着テープ又はシートであって、引張り伸び率が5〜15%の範囲にあり、且つ引張り破断強度が5.0〜20.0N/mm2の範囲にある。前記シリコーン樹脂シートは、シリコーンオリゴマー中に分散したコロイダルシリカ微粒子と該シリコーンオリゴマーとが化学結合により架橋した架橋構造体を含むシリコーン樹脂組成物により形成されているのが好ましい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、粘着テープ又はシート及びその製造方法に関する。より詳細には、本発明は、シリコーン樹脂シートからなる基材の片面又は両面にシリコーン系粘着剤層を有する粘着テープ又はシート及びその製造方法に関する。
透明基材を用いた粘着テープは、電子材料用途・ディスプレイ用途・モバイル機器用途・建材用途、汎用用途など多種多様な用途で用いられている。透明な基材として、PET(ポリエチレンテレフタレート)やセルロース、ポリ塩化ビニルなどのプラスチック基材が一般的に使用されている。また粘着剤として、ゴム系やアクリル系の粘着剤が主に使用されている。これらの材料は、一般的に安価で使いやすいが、厳しい環境下での使用には制限がある。例えば厳しい耐候性、耐光性、耐熱性、耐電気絶縁性、耐薬品性、耐寒性等が求められる分野への利用には注意が必要である。
一方、シリコーン系の粘着剤は、ケイ素‐酸素結合エネルギーが一般的な炭素‐炭素結合エネルギーより高く安定であるため、これらの厳しい環境下で主に利用されている。しかしながら、基材ありのテープの場合、このシリコーン系の粘着剤並みの安定性を有する基材は少なく、通常はポリイミド等の基材が用いられるが、ポリイミドは透明性に課題がある。
透明で比較的安定な基材として、例えば特許文献1では、2軸延伸されたポリエステルフィルムを用いているが、基材のプライマー処理が必要であり、工程が複雑であるばかりでなく、その耐熱性も140℃、5分程度とそれほど高くはない。特許文献2では基材と粘着剤がともにポリイミドである粘着テープが提案されているが、淡黄色を呈している点と透明性に課題がある。一方、特許文献3では、透明基材として、シリコーンゴムシートを用いている。これは透明性や耐熱性、耐候性、耐寒性、電気絶縁性等に優れているが、シリコーンゴムであるため、ゴム弾性が高く、手切れ性や加工性等のハンドリング性に課題がある。
特開2003−176466号公報 特開2011−144260号公報 特開2009−114299号公報
従って、本発明の目的は、シリコーン樹脂シートからなる基材の少なくとも片面にシリコーン系粘着剤層を有する粘着テープ又はシートであって、手切れ性、加工性に優れた粘着テープ又はシート、及びその工業的に効率のよい製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、上記特性に加えて、さらに、透明性、耐熱性、基材と粘着剤層との投錨性、耐候性、耐光性、耐電気絶縁性、耐薬品性、耐寒性等に優れた粘着テープ又はシート、及びその工業的に効率のよい製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記の目的を達成するため鋭意検討した結果、特定のシリコーンオリゴマー由来のシリコーンレジンにシリカ微粒子を化学結合で架橋させながら分散させることで、シリコーンゴムのようなゴム弾性、すなわち引張り伸び率を低下させて、手切れ性や加工性に優れたシリコーン樹脂シートが得られること、該シリコーン樹脂シートを基材とし、この片面又は両面にシリコーン系粘着剤層を設けることにより、手切れ性、加工性に優れた粘着テープ又はシートが得られること、特に、前記シリコーン樹脂シートの熱硬化条件を制御することで、半硬化状態のシートを作製し、その状態でシリコーン系粘着剤を塗工し、さらに硬化させることにより、該シリコーン樹脂シートとシリコーン系粘着剤層の投錨性を著しく向上できること、その結果、基材及び粘着剤層がともにシリコーン系である、手切れ性、加工性、透明性、耐熱性、耐光性、耐光性、耐電気絶縁性、耐薬品性、耐寒性、難燃性等に優れた粘着テープ又はシートが得られることを見出した。本発明は、これらの知見に基づき、さらに研究を重ねて完成したものである。
すなわち、本発明は、シリコーン樹脂シートからなる基材の片面又は両面にシリコーン系粘着剤層を有する粘着テープ又はシートであって、引張り伸び率が5〜15%の範囲にあり、且つ引張り破断強度が5.0〜20.0N/mm2の範囲にある粘着テープ又はシートを提供する。
前記シリコーン樹脂シートは、シリコーンオリゴマー中に分散したコロイダルシリカ微粒子と該シリコーンオリゴマーとが化学結合により架橋した架橋構造体を含むシリコーン樹脂組成物により形成されていてもよい。
前記シリコーンオリゴマーは、分子内にアルコキシシリル基及びシラノール基から選択された少なくとも1種の反応性基を有するシリコーンオリゴマーであるのが好ましい。
前記シリコーンオリゴマーは、分子内にC1-4アルコキシシリル基を10〜48重量%有するシリコーンオリゴマーであるのが好ましい。
コロイダルシリカ微粒子の含有量は、例えば、シリコーン樹脂シート全体に対して3〜30重量%である。
前記コロイダルシリカ微粒子の平均一次粒子径が1〜100nmの範囲にあり、前記コロイダルシリカ微粒子の表面電位がpH2〜5の範囲にあるのが好ましい。
シリコーン系粘着剤が付加型、過酸化物硬化型又は縮合型のシリコーン系粘着剤であり、粘着剤層の厚みが1〜500μmであってもよい。
本発明は、また、シリコーンオリゴマー中に分散したコロイダルシリカ微粒子と該シリコーンオリゴマーとが化学結合により架橋した架橋構造体を含むシリコーン樹脂組成物から形成されたシリコーン樹脂シートの片面又は両面にシリコーン系粘着剤層を設けることを特徴とする粘着テープ又はシートの製造方法を提供する。
この製造方法においては、シリコーンオリゴマー中に分散したコロイダルシリカ微粒子と該シリコーンオリゴマーとが化学結合により架橋した架橋構造体を含むシリコーン樹脂組成物から形成された半硬化状態にあるシリコーン樹脂シートの片面又は両面に、シリコーン系粘着剤層を形成した後、前記半硬化状態にあるシリコーン樹脂シートをさらに硬化させるのが好ましい。
本発明の粘着テープ又はシートは、特定の物性を有するシリコーン樹脂シートを基材とするので、手切れ性、加工性に優れる。また、透明性、耐熱性、基材と粘着剤層との投錨性、耐候性、耐光性、耐電気絶縁性、耐薬品性、耐寒性、難燃性等にも優れる。
また、本発明の製造方法によれば、上記のような優れた特性を有する粘着テープ又はシートを工業的に効率よく製造できる。
図1は、本発明の粘着テープ又はシートの一例を示す概略断面図である。 図2は、本発明の粘着テープ又はシートの他の例を示す概略断面図である。
本発明の粘着テープ又はシートは、シリコーン樹脂シートからなる基材の片面又は両面にシリコーン系粘着剤層を有する粘着テープ又はシートであって、引張り伸び率が5〜15%の範囲にあり、且つ引張り破断強度が5.0〜20.0N/mm2の範囲にある。
図1は本発明の粘着テープ又はシートの一例を示す概略断面図である。図2は本発明の粘着テープ又はシートの他の例を示す概略断面図である。図1の例では、粘着テープ又はシート3は、基材1の片面にシリコーン系粘着剤層2を有している。図2の例では、粘着テープ又はシート30は、基材1の両面にシリコーン系粘着剤層2を有している。
[基材]
本発明において基材を構成するシリコーン樹脂シートとしては、例えば、シリコーンオリゴマー中に分散したコロイダルシリカ微粒子と該シリコーンオリゴマーとが化学結合により架橋した架橋構造体を含むシリコーン樹脂組成物により形成されたシリコーン樹脂シートが好ましい。このようなシリコーン樹脂シートを基材として用いることにより、粘着テープ又はシートの引張り伸び率及び引張り破断強度を容易に上記範囲とすることができる。
前記コロイダルシリカとしては、例えば、特開昭53−112732号公報、特公昭57−9051号公報、特公昭57−51653号公報などにも記載されるように、二酸化ケイ素(無水ケイ酸)の微粒子のコロイドなどが挙げられる。
また、コロイダルシリカは、必要により、例えば、アルミナ、アルミン酸ナトリウムなどを含有することができ、また、必要により、無機塩基(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、アンモニアなど)や、有機塩基(例えば、テトラメチルアンモニウムなど)などの安定剤を含有することもできる。
このようなコロイダルシリカは、特に制限されず、公知のゾル−ゲル法など、具体的には、例えば、Werner Stober et al;J.Colloid and Interface Sci., 26, 62−69(1968)、Rickey D.Badley et al;Langmuir 6, 792−801(1990)、色材協会誌,61 [9] 488−493(1988)などに記載されるゾル−ゲル法などにより製造することができる。
コロイダルシリカは表面処理を施していない裸の状態であることが好ましい。コロイダルシリカには、表面官能基としてシラノール基が存在する。
また、このようなコロイダルシリカとしては、市販品を用いることができ、具体的には、例えば、商品名「スノーテックス−XL」、「スノーテックス−YL」、「スノーテックス−ZL」、「PST−2」、「スノーテックス−20」、「スノーテックス−30」、「スノーテックス−C」、「スノーテックス−O」、「スノーテックス−OS」、「スノーテックス−OL」、「スノーテックス−50」(以上、日産化学工業社製)、商品名「アデライトAT−30」、「アデライトAT−40」、「アデライトAT−50」(以上、日本アエロジル社製)などが挙げられる。これらの中でも、商品名「スノーテックス−O」、「スノーテックス−OS」、「スノーテックス−OL」などが特に好ましい。
前記コロイダルシリカ微粒子の平均粒子径(一次粒子径)としては、上限は、例えば100nm、好ましくは50nmであり、下限は、例えば1nmである。なお、平均粒子径は、動的光散乱法などにより測定することができる。 コロイダルシリカ微粒子の平均粒子径が大きすぎると、引張り伸び率が大きくなりすぎ、引張り破断強度が低下しやすくなる。
コロイダルシリカ微粒子の粒度分布は狭い方が望ましく、また、一次粒子径のまま分散している単分散状態であることが望ましい。さらに、コロイダルシリカ微粒子の表面電位は、酸性領域(例えば、pH2〜5、好ましくはpH2〜4)にあるのが好ましい。シリコーンオリゴマーとの反応時にそのような表面電位を有していればよい。
本発明では、コロイダルシリカ微粒子が、その一次粒子径が1〜100nmの範囲にあり、その表面電位がpH2〜5の範囲にあるコロイダルシリカであって、該コロイダルシリカ表面のシラノール基がシリコーンオリゴマーと化学結合により架橋した架橋構造体を形成しているのが好ましい。
本発明において、前記シリコーンオリゴマーとしては、コロイダルシリカ微粒子表面の官能基(シラノール基)に対して反応性を有する官能基を有するポリシロキサン化合物であれば特に限定されない。前記ポリシロキサン化合物のなかでも縮合反応性シリコーン樹脂が好ましい。縮合反応性シリコーン樹脂としては、例えば、基本構成単位がD単位及びT単位である縮合反応性基含有ポリシロキサン(以下、「D・T単位縮合反応性基含有ポリシロキサン」と称する場合がある)、基本構成単位がT単位である縮合反応性基含有ポリシルセスキオキサン(以下、「縮合反応性基含有ポリシルセスキオキサン」と称する場合がある)などが挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記縮合反応性シリコーン樹脂のなかでも、特に、D・T単位縮合反応性基含有ポリシロキサンと縮合反応性基含有ポリシルセスキオキサンとの組合せが好ましい。D・T単位縮合反応性基含有ポリシロキサンと縮合反応性基含有ポリシルセスキオキサンとを組み合わせることにより、形成されるシートにおいて、耐熱性及び強度と、柔軟性とを高いレベルで両立させることができる。
前記縮合反応性基としては、シラノール基、アルコキシシリル基(例えば、C1-6アルコキシシリル基等)、シクロアルキルオキシシリル基(例えば、C3-6シクロアルキルオキシシリル基等)、アリールオキシシリル基(例えば、C6-10アリールオキシシリル基等)などが挙げられる。これらの中でも、シラノール基、アルコキシシリル基、シクロアルキルオキシシリル基、アリールオキシシリル基が好ましく、特に、シラノール基、アルコキシシリル基が好ましい。
本発明において、D・T単位縮合反応性基含有ポリシロキサンは、具体的には、基本構成単位として、下記式(1)で表されるD単位と、下記式(2)で表されるT単位とを含有する。
Figure 2013245323
上記式(1)中、R1は、同一又は異なって、飽和炭化水素基及び芳香族炭化水素基から選択される1価の炭化水素基を示す。式(2)中、R2は、飽和炭化水素基及び芳香族炭化水素基から選択される1価の炭化水素基を示す。
前記R1、R2における飽和炭化水素基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル基等の炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基;シクロペンチル、シクロヘキシル基等の炭素数3〜6のシクロアルキル基などが挙げられる。また、前記R1、R2における芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル、ナフチル基等の炭素数6〜10のアリール基などが挙げられる。
1、R2としては、好ましくは、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基であり、さらに好ましくは、メチル基である。
式(1)で表されるD単位は、D・T単位縮合反応性基含有ポリシロキサン中において、それぞれ同一であっても異なっていてもよいが、好ましくは同一である。また、式(2)で表されるT単位は、D・T単位縮合反応性基含有ポリシロキサン中において、それぞれ同一であっても異なっていてもよいが、好ましくは同一である。
また、D・T単位縮合反応性基含有ポリシロキサンは、対応するシリコーン単量体の部分縮合物[例えば、ジアルキル(又は、アリール)ジアルコキシシラン等の2官能のシリコーン単量体と、アルキル(又は、アリール)トリアルコキシシラン等の3官能のシリコーン単量体との部分縮合物]であって、その構成単位中に、D単位、T単位、及び下記式(3)
−OR3 (3)
で表される基を含有する。式(3)で表される基はケイ素原子に結合しており、分子末端に存在する。
前記R3は、飽和炭化水素基及び芳香族炭化水素基から選択される1価の炭化水素基を示す。飽和炭化水素基、芳香族炭化水素基としては、上記式(1)中のR1における飽和炭化水素基、芳香族炭化水素基と同様のものが挙げられる。R3としては、好ましくは飽和炭化水素基であり、さらに好ましくは、炭素数1〜4のアルキル基であり、特に好ましくはメチル基又はエチル基である。
このようなD・T単位縮合反応性基含有ポリシロキサンとしては、例えば、アルコキシシリル基(例えば、C1-4アルコキシシリル基)含有ポリメチルシロキサン、アルコキシシリル基(例えば、C1-4アルコキシシリル基)含有ポリメチルフェニルシロキサン、アルコキシシリル基(例えば、C1-4アルコキシシリル基)含有ポリフェニルシロキサンなどが挙げられる。これらのD・T単位アルコキシシリル基含有ポリシロキサンは、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
D・T単位縮合反応性基含有ポリシロキサンの中でも、好ましくは、C1-4アルコキシシリル基含有ポリシロキサンであり、さらに好ましくは、メトキシシリル基含有ポリシロキサン又はエトキシシリル基含有ポリシロキサンであり、特に好ましくは、メトキシシリル基含有ポリメチルシロキサン又はエトキシシリル基含有ポリメチルシロキサンである。
このようなD・T単位縮合反応性基含有ポリシロキサンの縮合反応性基(例えば、アルコキシシリル基)の含有量としては、上限は、例えば30重量%、好ましくは25重量%であり、下限は、例えば8重量%、好ましくは10重量%、さらに好ましくは12重量%である。縮合反応性基(例えば、アルコキシシリル基)の含有量は、TGA(示差式重量減少測定装置)にて、室温から300℃まで昇温したときの重量減少の割合から求めることができる。
D・T単位縮合反応性基含有ポリシロキサンの数平均分子量(GPC測定による標準ポリスチレン換算)としては、上限は、例えば6000、好ましくは5500、さらに好ましくは5300であり、下限は、例えば800、好ましくは1000、さらに好ましくは1200である。
D・T単位縮合反応性基含有ポリシロキサンとして、商品名「X−40−9246」、「X−40−9250」(以上、信越化学工業社製)などの市販品(D・T単位アルコキシシリル基含有ポリシロキサン)を用いることもできる。
本発明において、縮合反応性基含有ポリシルセスキオキサンは、具体的には、基本構成単位として、前記式(2)で表されるT単位を含有する。式(2)で表されるT単位は、縮合反応性基含有ポリシルセスキオキサン中において、それぞれ、同一であっても異なっていてもよいが、好ましくは、同一である。
また、縮合反応性基含有ポリシルセスキオキサンは、対応するシリコーン単量体の部分縮合物[例えば、アルキル(又は、アリール)トリアルコキシシラン等の3官能のシリコーン単量体の部分縮合物]であって、その構成単位中に、T単位、及び下記式(4)
−OR4 (4)
で表される基を含有する。式(4)で表される基はケイ素原子に結合しており、分子末端に存在する。
前記R4は、飽和炭化水素基及び芳香族炭化水素基から選択される1価の炭化水素基を示す。飽和炭化水素基、芳香族炭化水素基としては、上記式(1)中のR1における飽和炭化水素基、芳香族炭化水素基と同様のものが挙げられる。R4としては、好ましくは飽和炭化水素基であり、さらに好ましくは、炭素数1〜4のアルキル基であり、特に好ましくはメチル基又はエチル基である。
縮合反応性基含有ポリシルセスキオキサンは、ランダム型、ラダー型、カゴ型などのいずれであってもよいが、柔軟性の観点からは、ランダム型が最も好ましい。これらの縮合反応性基含有ポリシルセスキオキサンは、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
縮合反応性基含有ポリシルセスキオキサンの中でも、好ましくは、C1-4アルコキシシリル基含有ポリシルセスキオキサンであり、さらに好ましくは、メトキシシリル基含有ポリシルセスキオキサン又はエトキシシリル基含有ポリシルセスキオキサンであり、特に好ましくは、メトキシシリル基含有ポリメチルシルセスキオキサン又はエトキシシリル基含有ポリメチルシルセスキオキサンである。
このような縮合反応性基含有ポリシルセスキオキサンの縮合反応性基(例えば、アルコキシシリル基)の含有量としては、上限は、例えば50重量%、好ましくは48重量%、さらに好ましくは46重量%であり、下限は、例えば10重量%、好ましくは15重量%、さらに好ましくは20重量%である。縮合反応性基(例えば、アルコキシシリル基)の含有量は、TGA(示差式重量減少測定装置)にて、室温から300℃まで昇温したときの重量減少の割合から求めることができる。
縮合反応性基含有ポリシルセスキオキサンの数平均分子量(GPC測定による標準ポリスチレン換算)としては、上限は、例えば6000、好ましくは3500、さらに好ましくは3000であり、下限は、例えば200、好ましくは300、さらに好ましくは400である。
縮合反応性基含有ポリシルセスキオキサンとして、商品名「KC−89」、「KR−500」、「X−40−9225」(以上、信越化学工業社製)などの市販品(アルコキシシリル基含有ポリシルセスキオキサン)を用いることもできる。
このほか、分子内(末端)に反応性のシラノール基を有するポリシロキサン化合物として、商品名「X−21−3153」、「X−21−5841」(以上、信越化学工業社製)などの市販品を用いることもできる。
本発明において、前記シリコーンオリゴマー(ポリシロキサン化合物)全体に占める、D・T単位縮合反応性基含有ポリシロキサンと縮合反応性基含有ポリシルセスキオキサンの総量の割合は、好ましくは50重量%以上、さらに好ましくは70重量%以上、特に好ましくは90重量%以上である。
本発明では、前記シリコーンオリゴマーが、分子内(末端)にアルコキシシリル基(例えば、C1-4アルコキシシリル基)及び/又はシラノール基を有しており、それらの基[アルコキシシリル基、シラノール基)の総含有量が10〜48重量%であるシリコーンオリゴマーであって、該シリコーンオリゴマーが前記コロイダルシリカ微粒子と化学結合により架橋されているのが好ましい。前記アルコキシシリル基、シラノール基の総含有量の上限は、より好ましくは30重量%であり、下限は、より好ましくは12重量%である。
本発明では、上記のように、縮合反応性基含有ポリシルセスキオキサンとD・T単位縮合反応性基含有ポリシロキサンとを併用するのが好ましい。この場合、両者の割合は、特に、前者/後者(重量比)=1/0.9〜1/2.8の範囲が好ましい。縮合反応性基含有ポリシルセスキオキサンの比率が高くなりすぎると、シートの引張り伸び率が小さくなりやすくなる。また、D・T単位縮合反応性基含有ポリシロキサンの比率が高くなりすぎると、シートの弾性率が低下し、引張り伸び率が大きくなりすぎて、粘着テープ又はシートとしたときの手切れ性等が低下しやすくなる。
本発明における前記シリコーン樹脂シート中のコロイダルシリカ微粒子の含有量は、適宜選択できるが、上限は、例えば30重量%、好ましくは20重量%、さらに好ましくは15重量%であり、下限は、例えば、3重量%、好ましくは4重量%、さらに好ましくは5重量%である。コロイダルシリカ微粒子の含有量が少なすぎると、機械的強度が低下しやすく、コロイダルシリカ微粒子の含有量が多すぎると、引張り伸び率が低下し、引張り破断強度が高くなりやすくなる。
前記シリコーンオリゴマーの数平均分子量(GPC測定による標準ポリスチレン換算)としては、上限は、例えば6000、好ましくは4500、さらに好ましくは4000であり、下限は、例えば200、好ましくは600、さらに好ましくは800である。
本発明におけるシリコーン樹脂シート(基材)の引張り伸び率は、本発明の粘着テープ又はシートと同様、5〜15%の範囲が好ましい。シリコーン樹脂シート(基材)の引張り伸び率が5%未満の場合は、柔軟性が十分でなく、脆くて割れやすい。また、引張り伸び率が15%を超える場合は、手切れ性や加工性に劣るものとなる。シリコーン樹脂シートの引張り伸び率は、コロイダルシリカ微粒子の含有量、コロイダルシリカ微粒子の平均一次粒子径、シリコーンオリゴマーの種類、縮合反応性基含有ポリシルセスキオキサンとD・T単位縮合反応性基含有ポリシロキサンとを併用する場合におけるこれらの配合比等により調整できる。
本発明におけるシリコーン樹脂シート(基材)の引張り破断強度は、本発明の粘着テープ又はシートと同様、5.0〜20.0N/mm2の範囲が好ましい。引張り破断強度が5.0N/mm2未満の場合は、基材が破断しやすくなる。また、引張り破断強度が20.0N/mm2を超える場合は、粘着テープ又はシートとしたときの手切れ性が低下しやすくなる。シリコーン樹脂シートの引張り破断強度は、コロイダルシリカ微粒子の含有量、コロイダルシリカ微粒子の平均一次粒子径、シリコーンオリゴマーの種類、縮合反応性基含有ポリシルセスキオキサンとD・T単位縮合反応性基含有ポリシロキサンとを併用する場合におけるこれらの配合比等により調整できる。
本発明におけるシリコーン樹脂シート(基材)の引張り弾性率は、50〜240MPa(特に、80〜220MPa)の範囲が好ましい。引張り弾性率が50MPa未満の場合は、シートが軟らかくなりすぎる場合があり、240MPaを超える場合は、シートが硬くなりすぎる場合がある。シリコーン樹脂シートの引張り弾性率は、コロイダルシリカ微粒子の含有量、コロイダルシリカ微粒子の平均一次粒子径、シリコーンオリゴマーの種類、縮合反応性基含有ポリシルセスキオキサンとD・T単位縮合反応性基含有ポリシロキサンとを併用する場合におけるこれらの配合比等により調整できる。
本発明におけるシリコーン樹脂シート(基材)の5%重量減少温度は、380℃以上(例えば、380〜500℃)が好ましい。5%重量減少温度が380℃未満では、耐熱性が不十分になりやすい。シリコーン樹脂シートの5%重量減少温度は、コロイダルシリカ微粒子の含有量、コロイダルシリカ微粒子の平均一次粒子径、シリコーンオリゴマーの種類、縮合反応性基含有ポリシルセスキオキサンとD・T単位縮合反応性基含有ポリシロキサンとを併用する場合におけるこれらの配合比等により調整できる。
本発明におけるシリコーン樹脂シート(基材)の全光線透過率(厚み:100μm)は、88%以上が好ましい。前記全光線透過率が88%未満の場合は、基材の透明性が不十分になりやすい。シリコーン樹脂シートの全光線透過率は、例えば、コロイダルシリカ微粒子の平均一次粒子径等により調整できる。コロイダルシリカ微粒子の平均一次粒子径を小さくすることにより、基材の全光線透過率を高くすることができる。
次に、本発明におけるシリコーン樹脂シート(基材)の製造法について説明する。
前記シリコーン樹脂シートは、例えば、前記コロイダルシリカ微粒子とシリコーンオリゴマー(好ましくは、D・T単位縮合反応性基含有ポリシロキサン及び/又は縮合反応性基含有ポリシルセスキオキサン)とを、溶媒中、好ましくは酸の存在下で反応させることにより製造できる。
前記溶媒としては、水;メタノール、エタノール、2−プロパノール、2−メトキシエタノール等のアルコール;これらの混合液などが挙げられる。これらのなかでも、水とアルコールの混合溶媒が好ましく、さらに好ましくは、水と2−プロパノールとの混合溶媒、水と2−プロパノールと2−メトキシエタノールとの混合溶媒である。
前記酸としては、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸などの無機酸;酢酸、p−トルエンスルホン酸などの有機酸などが挙げられる。これらのなかでも、無機酸が好ましく、特に硝酸が好ましい。これらの酸は水溶液として使用することができる。酸の使用量は、反応系のpHを2〜5(好ましくは、2〜4)程度に調整できる量であればよい。
反応の方法としては特に限定されず、例えば、(i)コロイダルシリカ微粒子と溶媒との混合液中にポリシロキサン樹脂と溶媒との混合液を添加する方法、(ii)シリコーンオリゴマーと溶媒との混合液中にコロイダルシリカ微粒子と溶媒との混合液を添加する方法、(iii)溶媒中に、コロイダルシリカ微粒子と溶媒との混合液、及びシリコーンオリゴマーと溶媒との混合液をともに添加する方法等のいずれであってもよい。
反応温度としては、上限は、例えば160℃、好ましくは155℃であり、下限は、例えば、40℃、好ましくは50℃である。また、反応時間としては、上限は、例えば24時間、好ましくは12時間であり、下限は、例えば0.3時間、好ましくは0.5時間である。なお、後述するように、本発明の粘着テープ又はシートを作製する際には、完全には硬化していない半硬化状態のシリコーン樹脂シートを作製し、この半硬化状態のシリコーン樹脂シートの片面又は両面にシリコーン系粘着剤組成物を塗布して粘着剤層を形成した後、前記シリコーン樹脂シートをさらに硬化させて粘着テープ又はシートを得る方法が好ましく用いられる。この場合、上記反応時間は、そのトータルの反応時間(硬化時間)を意味する。
なお、シリコーンオリゴマーとして、D・T単位縮合反応性基含有ポリシロキサンと縮合反応性基含有ポリシルセスキオキサンとを併用する場合には、コロイダルシリカ微粒子と、D・T単位縮合反応性基含有ポリシロキサンと縮合反応性基含有ポリシルセスキオキサンとの混合物とを反応させてもよく、また、コロイダルシリカ微粒子に、まず、D・T単位縮合反応性基含有含有ポリシロキサンを反応させ、次いで、縮合反応性基含有ポリシルセスキオキサンを反応させてもよく、さらには、コロイダルシリカ微粒子に、まず、縮合反応性基含有ポリシルセスキオキサンを反応させ、次いで、D・T単位縮合反応性基含有ポリシロキサンを反応させてもよい。
これらの中でも、コロイダルシリカ微粒子に、まず、縮合反応性基シリル基含有ポリシルセスキオキサンを反応させ、次いで、D・T単位縮合反応性基含有ポリシロキサンを反応させる方法を採用すると、極めて高い耐熱性及び強度と、非常に優れた柔軟性とを併せ持つシートを得ることができる。以下、この方法について説明する。
すなわち、本発明におけるシリコーン樹脂シート(基材)の好ましい製造法は、コロイダルシリカ微粒子と基本構成単位がT単位である縮合反応性基含有ポリシルセスキオキサンとを反応させる第1の反応工程と、前記第1の反応工程で得られた反応生成物に、さらに、基本構成単位がD単位及びT単位である縮合反応性基含有ポリシロキサンを反応させる第2の反応工程と、前記第2の反応工程で得られた反応生成物を成膜化する工程とを少なくとも具備する。
まず、第1の反応工程について説明する。第1の反応工程では、コロイダルシリカ微粒子と基本構成単位がT単位である縮合反応性基含有ポリシルセスキオキサンとを反応させる。
反応は、溶媒中、好ましくは酸の存在下で行われる。溶媒としては、前記の溶媒を使用できる。酸としても、前記の酸を使用できる。酸の使用量は、反応系のpHを2〜5(好ましくは、2〜4)程度に調整できる量であればよい。反応の方法としては、特に限定されず、前記の(i)〜(iii)の方法を採りうる。
第1の反応工程での反応温度としては、上限は、例えば150℃、好ましくは100℃であり、下限は、例えば40℃、好ましくは50℃である。また、反応時間としては、上限は、例えば8時間、好ましくは6時間であり、下限は、例えば0.1時間、好ましくは0.2時間である。
次に、第2の反応工程について説明する。第2の反応工程では、前記第1の反応工程で得られた反応生成物に、さらに、基本構成単位がD単位及びT単位である縮合反応性基含有ポリシロキサンを反応(縮合)させる。前記第1の反応工程で得られた反応液そのものを第2の反応工程に供してもよいが、前記反応液に、液性調整、濃縮、希釈、溶媒交換等の適宜な処理を施した後、第2の反応工程に供することもできる。この工程では、第1の反応工程でコロイダルシリカ微粒子と反応させた前記基本構成単位がT単位である縮合反応性基含有ポリシルセスキオキサンの有する縮合反応性基と、基本構成単位がD単位及びT単位である縮合反応性基含有ポリシロキサンの縮合反応性基とを反応させる。
反応は、溶媒中で行われる。溶媒としては、前記の溶媒を使用できる。反応は、酸性下で行うのが好ましい。反応系のpHは、例えば2〜5、好ましくは2〜4である。反応の方法としては、特に限定はなく、前記第1の反応工程で得られた反応生成物を含む液中に、基本構成単位がD単位及びT単位である縮合反応性基含有ポリシロキサンと溶媒との混合液を添加する方法、基本構成単位がD単位及びT単位である縮合反応性基含有ポリシロキサンと溶媒との混合液中に、前記第1の反応工程で得られた反応生成物を含む液を添加する方法等のいずれであってもよい。
第2の反応工程での反応温度としては、上限は、例えば160℃、好ましくは155℃であり、下限は、例えば50℃、好ましくは60℃である。また、反応時間としては、上限は、例えば8時間、好ましくは6時間であり、下限は、例えば0.1時間、好ましくは0.2時間である。
この好ましい方法によれば、強度を有するコロイダルシリカ微粒子を、硬さを付与できるT単位からなるポリシルセスキオキサンと強固に結合することにより高い耐熱性と強度を保持でき、次に柔軟なD単位を有するDTレジンを結合させるので、強靱性と柔軟性とをバランスよく備えることができる。また、第1の段階でコロイダルシリカ微粒子と前記基本単位がT単位である縮合反応性基含有ポリシルセスキオキサンとを反応させた後、DTレジンを結合させるので、コロイダルシリカ微粒子に最初にDTレジンを結合させる場合と比較して、柔軟なDTレジンの量を稼ぐことができる。そのため、柔軟性に著しく優れたシリコーン樹脂シートを得ることができる。
成膜化工程では、第2の反応工程で得られた反応生成物を成膜化する。第2の反応工程で得られた反応液をそのまま成膜に供してもよいが、前記反応液に、液性調整、濃縮、希釈、溶媒交換、洗浄等の適宜な処理を施した後、成膜化工程に供することもできる。また、硬化触媒を添加した後、成膜化に付すこともできる。
成膜法としては、特に限定はされず、公知乃至慣用の成膜法を採用できるが、反応生成物を含む溶液又は分散液(コロイダルシリカ微粒子含有シリコーン樹脂組成物)を転写用基材上に塗工し、乾燥し、必要に応じて反応を完結させるため加熱硬化することにより成膜化する方法が好ましく用いられる。前記乾燥温度は、例えば、50〜160℃(例えば80〜155℃)程度である。また、加熱硬化する際の温度は、例えば、40〜250℃(例えば100〜250℃)程度である。なお、成膜工程に関しては、上記2段階反応法に限らず、シリコーン樹脂シートの製造全般に適用できる。
前記転写用基材としては、表面に剥離処理が施されたものを使用できる。転写用基材の材質は、特に限定されず、ポリエステル等の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、金属、ガラス等が挙げられる。
本発明において、好ましい方法は、第2の反応工程の途中段階(完全には硬化していない段階)のシリコーン樹脂組成物を転写用基材上に塗工し、乾燥して、半硬化状態のシリコーン樹脂シートを作製し、この片面又は両面にシリコーン系粘着剤層を形成した後、前記半硬化状態のシリコーン樹脂シートをさらに硬化させることにより、基材を作製すると同時に粘着テープ又はシートを得る方法である。
このようにして、高い耐熱性及び適度な強度及び柔軟性を併せ持ち、しかも透明性の高いシリコーン樹脂シート(基材)を得ることができる。こうして得られるシリコーン樹脂シート(基材)の厚みとしては、上限は、例えば2000μm、好ましくは500μm、さらに好ましくは300μmであり、下限は、例えば1μm、好ましくは10μm、さらに好ましくは20μmである。
[粘着テープ又はシート]
本発明の粘着テープ又はシートは、上記で説明したシリコーン樹脂シートからなる基材の片面又は両面にシリコーン系粘着剤層を有している。
シリコーン系粘着剤層はシリコーン系粘着剤により形成されている。このようなシリコーン系粘着剤としては、特に制限されず、公知乃至慣用のシリコーン系粘着剤を用いることができ、例えば、付加型シリコーン系粘着剤、過酸化物硬化型シリコーン系粘着剤、縮合型シリコーン系粘着剤などを用いることができる。シリコーン系粘着剤は1液型、2液型のいずれであってもよい。シリコーン系粘着剤は1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
前記付加型シリコーン系粘着剤は、一般に、ケイ素原子にビニル基等のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンとヒドロシリル基を有するオルガノポリシロキサンとを、塩化白金酸等の白金化合物触媒を用いて付加反応(ヒドロシリル化反応)させることによりシリコーン系ポリマーを生成させる粘着剤である。過酸化物硬化型シリコーン系粘着剤は、一般に、オルガノポリシロキサンを過酸化物により硬化(架橋)させてシリコーン系ポリマーを生成させる粘着剤である。また、縮合型シリコーン系粘着剤は、一般に、末端にシラノール基又はアルコキシシリル基等の加水分解性シリル基を有するポリオルガノシロキサン間の脱水又は脱アルコール反応によりシリコーン系ポリマーを生成させる粘着剤である。
シリコーン系粘着剤としては、例えば、シリコーンゴムとシリコーンレジンとを含有し、さらに必要に応じて架橋剤、触媒(硬化剤)、充填剤、可塑剤、老化防止剤、帯電防止剤、着色剤(顔料や染料など)等の添加剤を含有するシリコーン系粘着剤組成物が挙げられる。
前記シリコーンゴムとしては、シリコーン系のゴム成分であれば特に制限されないが、例えば、ジメチルシロキサン、メチルフェニルシロキサンなどを主な構成単位とするオルガノポリシロキサンを使用できる。また、反応の型に応じて、ケイ素原子に結合したアルケニル基を有するシリコーン系ゴム(アルケニル基含有オルガノポリシロキサン;付加反応型の場合)、メチル基を少なくとも有するシリコーン系ゴム(過酸化物硬化型の場合)、末端にシラノール基又は加水分解性のアルコキシシリル基を有するシリコーン系ゴム(縮合型の場合)などを用いることができる。なお、シリコーンゴムにおけるオルガノポリシロキサンの重量平均分子量は、通常、15万以上であるが、好ましくは28万〜100万であり、特に50万〜90万が好適である。
また、前記シリコーンレジンとしては、シリコーン系粘着剤に使用されているシリコーン系のレジンであれば特に制限されないが、例えば、構成単位「R3Si1/2」からなるM単位、構成単位「SiO2」からなるQ単位、構成単位「RSiO3/2」からなるT単位、および構成単位「R2SiO」からなるD単位から選択される少なくとも1種の単位を有する(共)重合体からなるオルガノポリシロキサンからなるシリコーンレジンなどが挙げられる。なお、前記構成単位におけるRは炭化水素基又はヒドロキシル基を示す。前記炭化水素基としては、例えば、脂肪族炭化水素基(メチル基、エチル基等のアルキル基など)、脂環式炭化水素基(シクロヘキシル基等のシクロアルキル基など)、芳香族炭化水素基(フェニル基、ナフチル基等のアリール基など)などが挙げられる。前記M単位と、Q単位、T単位およびD単位から選択された少なくとも1種の単位との割合(比)としては、例えば、前者/後者(モル比)=0.3/1〜1.5/1(好ましくは0.5/1〜1.3/1)程度であることが望ましい。このようなシリコーンレジンにおけるオルガノポリシロキサンには、必要に応じて、ビニル基等の各種官能基が導入されていてもよい。なお、導入される官能基は、架橋反応を生じることが可能な官能基であってもよい。シリコーンレジンとしては、M単位とQ単位からなるMQレジンが好ましい。シリコーンレジンにおけるオルガノポリシロキサンの重量平均分子量は、通常、1000以上であるが、好ましくは1000〜20000であり、特に1500〜10000が好適である。
シリコーンゴムとシリコーンレジンとの配合割合としては、特に制限されないが、例えば、シリコーンゴム100重量部に対して、シリコーンレジンが100〜220重量部(特に、120〜180重量部)であることが好ましい。
なお、シリコーンゴムとシリコーンレジンとを含有するシリコーン系粘着剤組成物において、シリコーンゴムとシリコーンレジンとは、単に混合されている混合状態であってもよく、互いに反応して、縮合物(特に部分縮合物)、架橋反応物、付加反応生成物等となっていてもよい。
また、シリコーンゴムとシリコーンレジンとを含有するシリコーン系粘着剤組成物では、架橋構造体とするために、通常、架橋剤を含んでいる。このような架橋剤としては、特に制限されないが、シロキサン系架橋剤(シリコーン系架橋剤)、過酸化物系架橋剤を好適に用いることができる。架橋剤は1種単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
前記シロキサン系架橋剤としては、例えば、分子中にケイ素原子に結合している水素原子を2個以上有するポリオルガノハイドロジェンシロキサンを好適に用いることができる。このようなポリオルガノハイドロジェンシロキサンにおいて、水素原子が結合しているケイ素原子には、水素原子以外に各種有機基が結合していてもよい。該有機基としては、メチル基、エチル基等のアルキル基;フェニル基等のアリール基の他、ハロゲン化アルキル基などが挙げられるが、合成や取り扱いの観点から、メチル基が好ましい。また、ポリオルガノハイドロジェンシロキサンの骨格構造は、直鎖状、分岐状、環状のいずれの骨格構造を有していてもよいが、直鎖状が好適である。
前記過酸化物系架橋剤としては、例えば、ジアシルパーオキサイド、アルキルパーオキシエステル、パーオキシジカーボネート、モノパーオキシカーボネート、パーオキシケタール、ジアルキルパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、ケトンパーオキサイドなどを使用できる。より具体的には、例えば、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシヘキサン、2,4−ジクロロ−ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキシ−ジイソプロピルベンゼン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシヘキシン−3などが挙げられる。
付加型シリコーン系粘着剤として、例えば、商品名「KR−3700」、商品名「KR−3701」、商品名「X−40−3237−1」、商品名「X−40−3240」、商品名「X−40−3291−1」(以上、信越化学社製)が市販されている。また、過酸化物硬化型シリコーン系粘着剤として、例えば、商品名「KR−100」、商品名「KR−101−10」、商品名「KR−130」(以上、信越化学社製)などが市販されている。
本発明の粘着テープ又はシートは、前記シリコーン樹脂シート(基材)の片面又は両面にシリコーン系粘着剤層を設けることにより製造できる。好ましい方法においては、シリコーンオリゴマー中に分散したコロイダルシリカ微粒子と該シリコーンオリゴマーとが化学結合により架橋した架橋構造体を含むシリコーン樹脂組成物から形成された半硬化状態にある(完全には硬化していない)シリコーン樹脂シートの片面又は両面に、シリコーン系粘着剤層を形成した後、前記半硬化状態にあるシリコーン樹脂シートをさらに硬化させる。この方法によれば、シリコーン樹脂シート(基材)とシリコーン系粘着剤層の投錨性が著しく向上する。
より具体的には、本発明の粘着テープ又はシートは、前記シリコーン樹脂シート(好ましくは、完全には硬化していない半硬化状態のシリコーン樹脂シート)の片面又は両面に、前記シリコーン系粘着剤組成物を、乾燥後に所定の厚みとなるように塗布し、乾燥してシリコーン系粘着剤層を形成し、半硬化状態のシリコーン樹脂シートを用いた場合には、該シリコーン樹脂シートをさらに硬化させることにより製造できる。
シリコーン系粘着剤組成物の塗布に際しては、公知乃至慣用の塗布方法を利用することができる。また、シリコーン系粘着剤によるシリコーン系粘着剤層は、セパレータ(剥離ライナー)の剥離処理面上に、シリコーン系粘着剤を、乾燥後に所定の厚みとなるように塗布し、乾燥することにより形成し、これを前記シリコーン樹脂シート(好ましくは、前記半硬化状態のシリコーン樹脂シート)の片面又は両面に転写することにより形成することもできる。
シリコーン系粘着剤層の厚み(乾燥後の厚み)としては、例えば1〜500μmであり、上限は、好ましくは300μm、さらに好ましくは100μmであり、下限は、好ましくは2μm、さらに好ましくは3μmである。
本発明の粘着テープ又はシートの引張り伸び率は5〜15%の範囲である。引張り伸び率が5%未満の場合は、柔軟性が十分でなく、脆くて割れやすい。また、引張り伸び率が15%を超える場合は、手切れ性や加工性に劣るものとなる。粘着テープ又はシートの引張り伸び率は、シリコーン樹脂シート(基材)におけるコロイダルシリカ微粒子の含有量、コロイダルシリカ微粒子の平均一次粒子径、シリコーンオリゴマーの種類、縮合反応性基含有ポリシルセスキオキサンとD・T単位縮合反応性基含有ポリシロキサンとを併用する場合におけるこれらの配合比等により調整できる。
本発明の粘着テープ又はシートの引張り破断強度は5.0〜20.0N/mm2の範囲である。引張り破断強度が5.0N/mm2未満の場合は、粘着テープ又はシートが破断しやすく、実用的でない。また、引張り破断強度が20.0N/mm2を超える場合は、粘着テープ又はシートの手切れ性が悪い。粘着テープ又はシートの引張り破断強度は、シリコーン樹脂シート(基材)におけるコロイダルシリカ微粒子の含有量、コロイダルシリカ微粒子の平均一次粒子径、シリコーンオリゴマーの種類、縮合反応性基含有ポリシルセスキオキサンとD・T単位縮合反応性基含有ポリシロキサンとを併用する場合におけるこれらの配合比等により調整できる。
本発明の粘着テープ又はシートの引張り弾性率は、50〜240MPa(特に、80〜220MPa)の範囲が好ましい。引張り弾性率が50MPa未満の場合は、粘着テープ又はシートが軟らかくなりすぎて取扱性が低下しやすくなり、240MPaを超える場合は、シートが硬くなりすぎて、この場合も取扱性が低下しやすくなる。粘着テープ又はシートの引張り弾性率は、シリコーン樹脂シート(基材)におけるコロイダルシリカ微粒子の含有量、コロイダルシリカ微粒子の平均一次粒子径、シリコーンオリゴマーの種類、縮合反応性基含有ポリシルセスキオキサンとD・T単位縮合反応性基含有ポリシロキサンとを併用する場合におけるこれらの配合比等により調整できる。
本発明の粘着テープ又はシートは透明性に優れている。本発明の粘着テープ又はシートの全光線透過率(厚み:100μm)は、例えば88%以上である。前記全光線透過率が88%未満の場合は、粘着テープ又はシートの透明性が不十分になりやすい。粘着テープ又はシートの全光線透過率は、例えば、シリコーン系粘着剤層を構成する粘着剤の種類、シリコーン樹脂シート(基材)におけるコロイダルシリカ微粒子の平均一次粒子径等により調整できる。
本発明の粘着テープ又はシートの厚みは、例えば5〜2500μmであり、上限は、好ましくは800μm、さらに好ましくは400μmであり、下限は、好ましくは10μm、さらに好ましくは20μmである。
本発明の粘着テープ又はシートの粘着力(対アクリル板;引張速度300mm/分、90°剥離)としては、上限は、例えば15N/10mm、好ましくは12N/10mm、さらに好ましくは10N/10mmであり、下限は、例えば1N/10mm、好ましくは2N/10mm、さらに好ましくは3N/10mmである。粘着テープ又はシートの粘着力は下記の方法により測定できる。
<粘着力の測定方法>
粘着テープ又はシートを、幅10mm、長さ50mmにカットし、被着体(アクリル板)に5kgローラを用い片道で圧着させた後、23℃、50%RHで72時間エージングする。エージング後、23℃の雰囲気下、90°剥離方向に、引張り速度300mm/分にて、粘着テープ又はシートを剥離することにより、粘着力を測定する。
本発明の粘着テープ又はシートの保持力としては、上限は、例えば2mm、好ましくは1.5mm、さらに好ましくは1mmであり、下限は0mmである。前記保持力は、限りなく0mmに近づくのが好ましい。粘着テープ又はシートの保持力は下記の方法により測定できる。
<保持力の測定方法> 粘着テープ又はシートを、フェノール樹脂板に対して10mm×20mmの接触面積で貼着し、一晩放置後、40℃で30分放置した後に、フェノール樹脂板を垂下し、粘着テープ又はシートの自由端に、500gの均一荷重を負荷して、40℃で1時間放置した後のズレ距離を測定する。
本発明の粘着テープ又はシートは優れた難燃性を有している。例えば、UL94に基づく難燃性の等級は「V−0」以上となる。
本発明の粘着テープ又はシートにおいて、粘着剤層上には、粘着テープ又はシートを使用するまでの間、粘着剤層を保護するためのセパレータが設けられていてもよい。
以下に、実施例および比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は、それらに何ら制限されるものではない。なお、以下の説明において、「部」および「%」は、特に明記のない限り、重量基準である。
合成例1
撹拌機、還流冷却器及び窒素導入管を備えた容器に、平均粒子径8−11nmのコロイダルシリカ溶液(商品名:スノーテクスOS、日産化学社製、固形分濃度20%)15g、2−プロパノール15g、2−メトキシエタノール5gを加えた。濃硝酸を加えて液の酸性度(pH)を2〜4の範囲内に調整した。次いで70℃に昇温したのち、分子末端に反応性のメトキシシリル基を有するシルセスキオキサン化合物(シリコーンオリゴマー;商品名:X−40−9225、信越化学社製、メトキシ含有量24%)25gを2−プロパノール25gに溶解した液を、滴下ロートを用いて1時間かけて滴下し、シルセスキオキサン化合物とコロイダルシリカ粒子表面の反応を行った。
次いで、分子末端に反応性のメトキシシリル基を有する3官能アルコキシシラン及び2官能アルコキシシランから誘導されるポリシロキサン化合物(シリコーンオリゴマー;商品名:X−40−9246、信越化学社製、メトキシ含有量12%)35gを2−プロパノール35gに溶解した液を1時間かけて滴下して、前記コロイダルシリカ上のシルセスキオキサン化合物と反応を行った。水と2−プロパノールを減圧下、留去した後、トルエンを50g加えて、さらに100℃で1時間加熱撹拌を行った。室温に冷却し、減圧下、トルエンを留去して樹脂溶液を得た。
これをシリコーン系剥離剤で剥離処理を施したポリエチレンテレフタレート(PET)シート(膜厚38μm、商品名:MRF−38、三菱樹脂社製)に、乾燥後の膜厚が100μmになるように塗工して、オーブンで100℃で1分、150℃で1分間保持して、半硬化状態のシリコーン樹脂シートAを得た。
合成例2
合成例1と同様の実験装置を用い、平均粒子径8−11nmのコロイダルシリカ溶液(商品名:スノーテクスOS、日産化学社製、固形分濃度20%)の量を30g、初期の2−プロパノールの量を30gとした以外は合成例1と同様の操作を行い、半硬化状態のシリコーン樹脂シートBを得た。
合成例3
合成例1と同様の実験装置を用い、平均粒子径8−11nmのコロイダルシリカ溶液(商品名:スノーテクスOS、日産化学社製、固形分濃度20%)の代わりに平均粒子径20nmのコロイダルシリカ溶液(商品名:スノーテクスO−40、日産化学社製、固形分濃度40%)を10g用いた以外は合成例1と同様の操作を行い、半硬化状態のシリコーン樹脂シートCを得た。
比較合成例1
合成例1と同様の実験装置を用い、平均粒子径8−11nmのコロイダルシリカ溶液(商品名:スノーテクスOS、日産化学社製、固形分濃度20%)の量を75g、初期の2−プロパノールの量を75gとした以外は合成例1と同様の操作を行い、半硬化状態のシリコーン樹脂シートDを得た。
比較合成例2
合成例1と同様の実験装置を用い、平均粒子径8−11nmのコロイダルシリカ溶液(商品名:スノーテクスOS、日産化学社製、固形分濃度20%)の量を1.5g、初期の2−プロパノールの量を1.5gとした以外は合成例1と同様の操作を行った。しかし、樹脂溶液の粘度が低く、膜厚100μmのシートを得ることはできなかった。
比較合成例3
平均粒子径が約300nmの溶融シリカ(商品名:SFP−20M、電気化学工業社製)20gを水80gに超音波ホモジナイザーを用いて分散させ、溶融シリカの水分散液を得た。水分散液は白濁していた。合成例1において、平均粒子径8−11nmのコロイダルシリカ溶液(商品名:スノーテクスOS、日産化学社製、固形分濃度20%)の代わりに、上記溶融シリカの水分散液15gを用いるとともに、半硬化状態ではなく硬化状態のシートとすること以外は合成例1と同様の操作を行い、硬化状態のシリコーン樹脂シートEを得た。
実施例1(片面粘着テープ)
付加型のシリコーン系粘着剤(商品名:KR3700、信越化学社製)をトルエンで希釈し、これを、合成例1で得られた半硬化状態のシリコーン樹脂シートAの片面に、乾燥後の膜厚が30μmになるように塗工し、乾燥機で130℃で1分保持してシリコーン系粘着剤層を形成し、半硬化状態の粘着テープ前駆体を得た。次いで、これを150℃で1時間加熱して、片面粘着テープを得た。フッ素シリコーンで剥離処理を施したポリエチレンテレフタレートシート(膜厚38μm;商品名:SS4C、ニッタ社製)を剥離ライナーとして、上記片面粘着テープの粘着剤層上に積層した。
実施例2(両面粘着テープ)
付加型のシリコーン系粘着剤(商品名:KR3700、信越化学社製)をトルエンで希釈し、これを、合成例1で得られた半硬化状態のシリコーン樹脂シートAの片面(第1面)に、乾燥後の膜厚が30μmになるように塗工し、乾燥機で130℃で1分保持してシリコーン系粘着剤層を形成し、半硬化状態の粘着テープ前駆体を得た。
一方、付加型のシリコーン系粘着剤(商品名:KR3700、信越化学社製)をトルエンで希釈し、これを、フッ素シリコーンで剥離処理を施したポリエチレンテレフタレートシート(膜厚38μm;商品名:SS4C、ニッタ社製)上に、乾燥後の膜厚が30μmになるように塗工し、乾燥機で130℃で1分保持してシリコーン系粘着剤層を形成した。これを、上記で得られた半硬化状態の粘着テープ前駆体の第2面に転写し、次いで150℃で1時間加熱して、両面粘着テープを得た。
実施例3
合成例1で得られた半硬化状態のシリコーン樹脂シートAの代わりに、合成例2で得られた半硬化状態のシリコーン樹脂シートBを使用した以外は実施例1と同様の操作を行い、片面粘着テープを得た。
実施例4
合成例1で得られた半硬化状態のシリコーン樹脂シートAの代わりに、合成例3で得られた半硬化状態のシリコーン樹脂シートCを使用した以外は実施例1と同様の操作を行い、片面粘着テープを得た。
実施例5
付加型のシリコーン系粘着剤の代わりに過酸化物硬化型のシリコーン系粘着剤(商品名:KR−130、信越化学社製)を使用した以外は実施例1と同様の操作を行い、片面粘着テープを得た。
比較例1
合成例1で得られた半硬化状態のシリコーン樹脂シートAの代わりに、比較合成例1で得られた半硬化状態のシリコーン樹脂シートDを使用した以外は実施例1と同様の操作を行い、片面粘着テープを得た。
比較例2
合成例1で得られた半硬化状態のシリコーン樹脂シートAの代わりに、比較合成例3で得られた硬化状態のシリコーン樹脂シートEを使用した以外は実施例1と同様の操作を行い、片面粘着テープを得た。
比較例3
合成例1で得られた半硬化状態のシリコーン樹脂シートAの代わりに、シリコーンエラストマー(商品名:KE−1056、信越化学社製)を用い膜厚100μmで作製したシートを用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、片面粘着テープを得た。
<評価>
実施例及び比較例で得られた各粘着テープについて、以下の評価を行った。結果を表1に示す。引張り強度及び引張り伸び率の測定値より、実施例1〜5の粘着テープは手切れ性が良好であると判断される。これに対し、比較例1の粘着テープは脆くて実用性に欠けており、比較例2〜3の粘着テープは手切れ性が悪い。また、比較例3の粘着テープは、保持力が低く、荷重負荷後、1分間で落下した。
(1)全光線透過率
株式会社村上色彩技術研究所製のヘイズメーター(商品名「HR−100」)を用いて、全光線透過率(%)(厚さ100μm)を測定した。また、粘着テープを200℃下に100時間置いた後の全光線透過率(%)(厚さ100μm)も測定した。
(2)粘着力
各実施例、比較例で得られた粘着テープを、幅10mm、長さ50mmにカットし、被着体(アクリル板)に5kgローラを用い片道で圧着させた後、23℃、50%RHで72時間エージングした。エージング後、23℃の雰囲気下、90°剥離方向に、引張り速度300mm/分にて、粘着テープを剥離することにより、粘着力を測定した。
(3)保持力
各実施例、比較例で得られた粘着テープを、フェノール樹脂板に対して10mm×20mmの接触面積で貼着し、一晩放置後、40℃で30分放置した後に、フェノール樹脂板を垂下し、粘着テープの自由端に、500gの均一荷重を負荷して、40℃で1時間放置した後のズレ距離を測定した。
(4)引張り弾性率、引張り破断強度(引張り強度)、引張り伸び率
各粘着テープを縦5cm、横1cmにカットして、オートグラフ(SHIMAZU社製)のチャック部に長さ2cmになるようにセットして、300mm/minの速度で引張試験を行い、引張り弾性率(MPa)、引張り破断強度(引張り強度)(N/mm2)、引張り伸び率(%)を測定した。
(5)難燃性
UL94に基づいて、難燃性を評価した。
Figure 2013245323
1 基材(シリコーン樹脂シート)
2 シリコーン系粘着剤層
3 粘着テープ又はシート
30 粘着テープ又はシート

Claims (9)

  1. シリコーン樹脂シートからなる基材の片面又は両面にシリコーン系粘着剤層を有する粘着テープ又はシートであって、引張り伸び率が5〜15%の範囲にあり、且つ引張り破断強度が5.0〜20.0N/mm2の範囲にある粘着テープ又はシート。
  2. 前記シリコーン樹脂シートが、シリコーンオリゴマー中に分散したコロイダルシリカ微粒子と該シリコーンオリゴマーとが化学結合により架橋した架橋構造体を含むシリコーン樹脂組成物により形成されている請求項1記載の粘着テープ又はシート。
  3. 前記シリコーンオリゴマーが分子内にアルコキシシリル基及びシラノール基から選択された少なくとも1種の反応性基を有するシリコーンオリゴマーである請求項2記載の粘着テープ又はシート。
  4. 前記シリコーンオリゴマーが分子内にC1-4アルコキシシリル基を10〜48重量%有するシリコーンオリゴマーである請求項3記載の粘着テープ又はシート。
  5. コロイダルシリカ微粒子の含有量がシリコーン樹脂シート全体に対して3〜30重量%である請求項2〜4のいずれか1項に記載の粘着テープ又はシート。
  6. 前記コロイダルシリカ微粒子の平均一次粒子径が1〜100nmの範囲にあり、前記コロイダルシリカ微粒子の表面電位がpH2〜5の範囲にある請求項2〜5のいずれか1項に記載の粘着テープ又はシート。
  7. シリコーン系粘着剤が付加型、過酸化物硬化型又は縮合型のシリコーン系粘着剤であり、粘着剤層の厚みが1〜500μmである請求項1〜6のいずれか1項に記載の粘着テープ又はシート。
  8. シリコーンオリゴマー中に分散したコロイダルシリカ微粒子と該シリコーンオリゴマーとが化学結合により架橋した架橋構造体を含むシリコーン樹脂組成物から形成されたシリコーン樹脂シートの片面又は両面にシリコーン系粘着剤層を設けることを特徴とする粘着テープ又はシートの製造方法。
  9. シリコーンオリゴマー中に分散したコロイダルシリカ微粒子と該シリコーンオリゴマーとが化学結合により架橋した架橋構造体を含むシリコーン樹脂組成物から形成された半硬化状態にあるシリコーン樹脂シートの片面又は両面に、シリコーン系粘着剤層を形成した後、前記半硬化状態にあるシリコーン樹脂シートをさらに硬化させることを特徴とする請求項8記載の粘着テープ又はシートの製造方法。
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