JP2007062179A - 離型用積層ポリエチレンテレフタレートフィルムロール - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも2層以上からなる長尺の二軸配向積層ポリエチレンテレフタレートフィルムを芯材に巻き取ってなる離型用積層ポリエチレンテレフタレートフィルムロールであって、前記の二軸配向積層ポリエチレンテレフタレートフィルムは表面層Aと表面層Bを有し、離型剤を塗布する面と反対面を形成する層(表面層B)に、シリカ又は炭酸カルシウム粒子をその合計量で5000〜15000ppm含有し、かつ表面層Bの三次元中心面粗さ(SRa)が20〜40nmであり、離型剤を塗布する面を形成する層(表面層A)は、粒子を実質的に含有せず、三次元中心面粗さ(SRa)が2〜7nmであることを特徴とする離型用積層ポリエチレンテレフタレートフィルムロール。
Description
本発明の離型用積層ポリエチレンテレフタレートフィルムロールを構成するポリエチレンテレフタレートフィルムは、その中のエチレンテレフタレートのモノマー単位が好ましくは90モル%以上、より好ましくは95モル%以上であり、他のジカルボン酸成分、ジオール成分が少量共重合されていてもよいが、コストの点から、テレフタル酸とエチレングリコールのみから製造されたものが好ましい。なお、ポリエチレンナフタレートフィルムは、変形に対して優れているもののコストの観点から好ましくない。また、本発明のフィルムロールの効果を阻害しない範囲内で、公知の添加剤、例えば、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、結晶化剤などを添加してもよい。
粒子粉体をエチレングリコールスラリー中に高速撹拌によって十分に分散させ、得られたスラリー中の粒度分布を、光透過型遠心沈降式粒度分布測定機(島津製作所社製、商品名「SRA−CP3型」)を用いて測定し、この分布における積算50%の値を読み取って平均粒径とした。
試料を130℃で一昼夜真空乾燥後、粉砕又は切断し、その80mgを精秤して、フェノール/テトラクロロエタン=60/40(体積比)の混合溶液に80℃で30分間、加熱溶解した。同じ混合溶液で20mlにした後、30℃で測定した。
JIS B 0601に準じて、東京精密社製のサーフコム300B(針圧:400mg)を用いて、カットオフ0.8mm、測定長5mm、測定スピード0.3mm/秒で10回繰り返し、中心線平均粗さ(Ra)と最大高さ(Rmax)を求めた。
芯材を長さ100mmの円柱状に裁断し、島津製作所社製のオートグラフを用いて、30mm/分の速さで圧縮し、100mm幅の芯材の変形の始まる強度で表わした。
ケット科学研究所社製の紙水分計K−100型を用いて測定した。
50mm×50mmの面積のフィルムを切り出し、3次元表面形状測定装置(菱化システム社製、マイクロマップ550N(測定条件:waveモード、測定波長560nm、対物レンズ10倍))を用いて、フィルム面に対して垂直方向から測定し、400μm×400μmのCCDカメラ画像取り込み領域を指定し、次式により与えられるSRaを求めた。フィルム両面において、測定数をそれぞれ16とし、それらの平均値を求めた。また、小数点以下の端数は、四捨五入によりまるめた。
後に説明する実施例1で得られたフィルムと比較例1で得られたフィルムの断面プロフィールデータを図1、図2にそれぞれ示した。測定は、上記(6)と同様に、菱化システム社製のマイクロマップを用いて、フィルム面に対して垂直方向から測定し、フィルムロールの幅方向の断面に位置する微小な凹凸を測定しチャートに記載した。
(離型剤の調製)
熱硬化型シリコーン樹脂(東芝シリコーン社製、TPR6712)を、固形分濃度が1.0質量%となるように、溶剤(トルエン/MEK=50/50;質量比)に混合分散させ、さらに、前記シリコーン樹脂 100質量部に対し、硬化触媒として白金触媒1質量部を添加してコートする離型剤とした。
下記の材料からなる組成物を攪拌・混合し、ペースト状にした後、ボールミルにて、2日間分散し、セラミックスラリーを得た。
・トルエン 15質量%
・エタノール 15質量%
・チタン酸バリウム(富士チタン社製) 50質量%
・ポリビニルブチラール(積水化学社製) 10質量%
グラビアコーターを用いて、本発明の実施例及び比較例で得たポリエチレンテレフタレートフィルムのスリットロール(長さ5000m巻き)を用いて、シート状に押出した時の、冷却ロールと接しない側に、離型剤を塗布した後、140℃で90秒間乾燥し、厚さ0.5μmの離型層を設けた。
離型フィルムの離型層の表面にドクターブレード法にて、上記セラミックスラリーを乾燥厚みが1μmとなるようにコートし、100℃、5分で乾燥してセラミックシートを得た。
離型フィルムの離型層面にセラミックシート層を積層したフィルム積層体に、100cm2の範囲でセラミックシート層の反対面から光を当ててピンホールの発生状況を観察し、下記基準で、目視判定、評価した。
○:ピンホールなし。
△:ピンホールはほとんどなし。
×:ピンホールが多数あり。
エステル化反応装置として、攪拌装置、分縮器、原料仕込口及び生成物取出口を有する3段の完全混合槽よりなる連続エステル化反応装置を用いた。TPA(テレフタル酸)を2トン/時とし、EG(エチレングリコール)をTPA1モルに対して2モルとし、三酸化アンチモンを生成PETに対してSb原子が160ppmとなる量とし、これらのスラリーをエステル化反応装置の第1エステル化反応缶に連続供給し、常圧にて平均滞留時間4時間、255℃で反応させた。
層)、PET(II)をA層(離型面側層)となるように積層し、シート状に45m/分のスピードで押出(キャステイング)し、静電密着法により30℃のキャスティングドラム上に静電密着・冷却させ、固有粘度が0.59dl/gの未延伸ポリエチレンテレフタレートシートを得た。層比率は各押出機の吐出量計算でPET(I)/(II)=60%/40%となるように調整した。
実施例1において、PET(I)中の滑剤濃度・粒径、芯材の物性を表1及び2のよう
に変更し、層比率を各押出機の吐出量計算でPET(I)/(II)=80%/20%とな
るように調整し、ミルロールを450mm幅にカットし、長さ4000mを巻き取ったこと以外は実施例1と同様にして、フィルムロールを製造した。得られたフィルムの特性及びフィルムロールの評価結果を表3に示す。
実施例1において、PET(I)中の滑剤濃度・粒径、芯材の物性を表1及び2のよう
に変更し、フィルム層構成をA/C/Bとし、表層(A層)、裏層(B層)には実施例1の原料を、芯層(C層)には実施例1の回収原料(以後、PET(III)と略す。)を使用し、芯材の材質および物性を表2のように変更すること以外は実施例1と同様にして、フィルムロールを製造した。層比率は各押出機の吐出量計算でPET(I)/(III)/
(II)=20%/40%/40%となるように調整した。得られたフィルムの特性及びフィルムロールの評価結果を表3に示す。
実施例3において、滑剤濃度・粒径、芯材の材質および物性を表1及び2のように変更し、ウェブクリーナーの使用を中止し、層比率を各押出機の吐出量計算でPET(I)/(III)/(II)=15%/35%/50%となるように調整すること以外は実施例3と同様にして、フィルムロールを製造した。得られたフィルムの特性及びフィルムロールの評価結果を表3に示す。
実施例3において、除電機とウェブクリーナーの使用を中止し、滑剤濃度・粒径と芯材の材質および物性を表1及び2のように変更すること以外は実施例3と同様にして、フィルムロールを製造した。得られたフィルムの特性及びフィルムロールの評価結果を表3に示す。
実施例3において、滑剤濃度・粒径と芯材の材質および物性を表1及び2のように変更すること以外は実施例3と同様にして、フィルムロールを製造した。得られたフィルムの特性及びフィルムロールの評価結果を表3に示す。
実施例3において、静電密着の電極の更新と電流制御を中止し(電圧10kV固定)、滑剤濃度・粒径と芯材の物性を表1及び2のように変更すること以外は実施例3と同様にして、フィルムロールを製造した。得られたフィルムの特性及びフィルムロールの評価結果を表3に示す。
Claims (3)
- 少なくとも2層以上からなる長尺の二軸配向積層ポリエチレンテレフタレートフィルムを芯材に巻き取ってなる離型用積層ポリエチレンテレフタレートフィルムロールであって、前記の二軸配向積層ポリエチレンテレフタレートフィルムは表面層Aと表面層Bを有し、離型剤を塗布する面と反対面を形成する層(表面層B)に、シリカ又は炭酸カルシウム粒子をその合計量で5000〜15000ppm含有し、かつ表面層Bの三次元中心面平均表面粗さ(SRa)が20〜40nmであり、離型剤を塗布する面を形成する層(表面層A)は、粒子を実質的に含有せず、三次元中心面平均表面粗さ(SRa)が2〜7nmであることを特徴とする離型用積層ポリエチレンテレフタレートフィルムロール。
- 前記の芯材が、樹脂含浸紙付き紙材、ガラス繊維強化プラスチック及び炭素繊維強化プラスチックからなる群から選択される材料から形成され、厚みが5〜20mmであり、表面粗さが二次元中心線平均粗さ(Ra)で0.5〜10μm、最大高さ(Rmax)で10〜100μmであり、偏平圧縮強度が90〜350kg/100mmであることを特徴とする請求項1記載の離型用積層ポリエチレンテレフタレートフィルムロール。
- 前記の長尺の二軸配向積層ポリエチレンテレフタレートフィルムは、厚みが20〜50μm、幅が200〜3000mm、長さが4000〜12000mであることを特徴とする請求項1又は2記載の離型用積層ポリエチレンテレフタレートフィルムロール。
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