JP2017217901A - 離型用二軸配向ポリエステルフィルムおよびその製造方法 - Google Patents

離型用二軸配向ポリエステルフィルムおよびその製造方法 Download PDF

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秀徳 中谷
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崇史 川上
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順之 高木
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Abstract

【課題】
薄膜グリーンシート成形時の、セラミックススラリーの塗工性および、グリーンシート積層特性をバランス良く改善する。
【解決手段】
2層以上からなるポリエステルフィルムであって、少なくとも一方の最表層がアニオン性帯電防止剤および/または非イオン性帯電防止剤を含み、前記アニオン性帯電防止剤および/または非イオン性帯電防止剤を含む層の表面比抵抗値が1.0×10Ω/□以上1.0×1013Ω/□以下であることを特徴とする離型用二軸配向ポリエステルフィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は離型用途に用いられる二軸配向ポリエステルフィルムに関する。
昨今のスマートフォンの普及に伴い、積層セラミックスコンデンサーの小型高容量化が進み、積層セラミックスコンデンサーの製造に用いる離型フィルムに関して、平滑性が高く、フィルム表面および内部に欠陥の無いポリエステルフィルムフィルムの需要が急速に増えている。昨今では、時計や眼鏡、装飾品に各種センサーや表示装置が組み込まれる、いわゆるウェアラブル機器への積層セラミックコンデンサーの搭載によって、小型化が求められている。一方、自動車分野でも、電装化が進み、最近では電気自動車や自動運転車の用途においても、積層セラミックコンデンサーの活用分野が広がっている。自動車用途においては、自動車が曝される環境がスマートフォンと比べ厳しく、また、人命に関わる装置である故に、安全性や信頼性に関わる要求が厳しい。
高平滑な離型用途ポリエステルフィルムに関しては、セラミックススラリーを形成する表面には、粒子を実質的に含有せず、三次元中心面粗さ(SRa)が2〜7nmであることを特徴とすることで、グリーンシート上のピンホールの発生が少ないベースフィルム(特許文献1)や、フィルム表面の窪み欠点を減少させることで、セラミックススラリー塗布後に形成される、グリーンシート表面の欠点を抑制することで、セラミックススラリーの塗工性を向上させる技術も開示されている(特許文献2)。またグリーンシート薄膜化に伴う平滑化によって発生する帯電を、フィルムの巻き取り工程にて改善することで、静電気によりフィルムに付着した異物が巻き込まれ、隆起状欠点が発生することを減少させる方法が開示されている(特許文献3)。また高平滑性と、異物削減や、生産コスト低減を可能とするために、異種3層構成の中間層に微粒子を配合しない方法も開示されている(特許文献4)。
特開2007−62179号公報 特開2007−210226号公報 特開2004−196873号公報 特開2004−196856号公報
近年、グリーンシート薄膜化が大きく進む中、薄膜化されたグリーンシートを多層に積層させる際の積層精度が、さらに高く要求されている。特に離型フィルム上でグリーンシートを切断する工程において、フィルムの支持体としてのコシやクッション性が足ないと、切断が正確に行われなかったり、切断面が安定化されず、グリーンシートの断面が裂けることがある。またグリーンシート切断後の積層工程において、均一に加熱が行き届かずに、積層が均一になされないこともある。
本発明の目的は、スマートフォン向け、ウェアラブル他、多機能携帯端末および自動車に搭載される、積層セラミックスコンデンサーを製造する際、薄膜グリーンシート成形時の、セラミックススラリーの塗工性および、グリーンシート打ち抜き性およびグリーンシート積層特性、特には積層前の剥離をスムーズに行える特性との、各種特性のバランスを適正化した、離型用二軸配向ポリエステルフィルムおよびその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記実情に鑑み鋭意検討した結果、フィルムの積層構成を適正化し、少なくとも一方の表層に特定の帯電防止剤を含有せしめ、表面比抵抗値を制御することで、薄膜グリーンシート成形に好適である離型用二軸配向ポリエステルフィルムを見いだし、本発明に至った。
すなわち、2層以上からなるポリエステルフィルムであって、少なくとも一方の最表層がアニオン性帯電防止剤および/または非イオン性帯電防止剤を含み、前記アニオン性帯電防止剤および/または非イオン性帯電防止剤を含む層の表面比抵抗値が1.0×10Ω/□以上1.0×1013Ω/□以下であることを特徴とする離型用二軸配向ポリエステルフィルムである。
本発明によれば、薄膜グリーンシート成形時のセラミックススラリーの塗工性および、グリーンシート打ち抜き性が改善される。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明の離型用二軸配向ポリエステルフィルムにおける、離型用とは、ポリエステルフィルム基材を用い、部材を成型し、成型後の部材から剥離する用途を指す。部材は、多層セラミックスコンデンサーにおけるグリーンシートや、多層回路基板における、層間絶縁樹脂(電気絶縁樹脂)、光学関連部材におけるポリカーボネート(この際は溶液製膜において使用される)などが挙げられる。
本発明の離型用二軸配向ポリエステルフィルムを用いて成形する部材としては、最終形態として、多層セラミックスコンデンサー、SAWフィルター、CMOSセンサー用セラミックパッケージ、CPUが挙げられる。本発明においては、これらが搭載される機器のうち、ウェアラブル機器や、自動車用の多層セラミックスコンデンサーに好適に用いることができる。
ウェアラブル機器とは、身に着けるコンピュータを指し、腕時計、眼鏡、指輪、靴、ペンダント、ブレスレット、シャツ、帽子、ヘルメットなどの装身具に、CPU、記憶媒体、通信装置、カメラ、センサ類、表示機器、電源等からなる部品を組み込まれる。これらウェアラブル機器は、即時に多量の情報を採取し、サーバーやコンピュータに送ることや、即時に結果を出力するなどして、機器保有者に紐付けられる情報、たとえば移動距離、睡眠時間、心拍数、周囲の気温など、多様な情報を収集し解析、結果を出力する事ができるため、個人の健康管理や安全管理などに活用されている。これらは着用者の負担にならないことや、見た目などの理由から、従来の形状や質感が大きく変わらないことが必要である。たとえば眼鏡に関しては、フレームやセルに外付けした表示機器が、眼鏡の外観を大きく損ない、広い普及の妨げになっている。このため部品は、従来スマートフォンに組み込まれていたものよりも小さいものが好ましいとされるため、積層精度、打ち抜き性が、特に高く要求される。そのため、積層精度、打ち抜き性が良好な本発明の離型用二軸配向ポリエステルフィルムは、ウェアラブル機器用積層セラミックスコンデンサーを製造する工程においてグリーンシート成形の支持体に好適に用いられる。
また、自動車用の多層セラミックコンデンサーは、エンジンやトランスミッションを制御する電子回路に用いられることもあり、自動運転車に導入されるセンサー類にも搭載される。これらは例えばエンジンルーム内では125℃を超える環境で用いられ、また、人命に関わる装置もあることから、これら自動車用の多層セラミックコンデンサーは、従来スマートフォンに組み込まれていたものよりも、信頼性の高いものが要求される。信頼性とは、部品の欠損が発生しにくく、また部品の一部が欠損しても、全体の機能としては現状を維持できることが求められることである。本発明の離型用二軸配向ポリエステルフィルムは、グリーンシート成形時における、グリーンシートの厚みむらや、グリーンシートを剥離する時に均一な剥離力にて剥離が行われ、グリーンシートに与える負荷が小さいため、自動車用積層セラミックスコンデンサーを製造する工程においてグリーンシート成形の支持体に好適に用いられる。
本発明の離型用二軸配向ポリエステルフィルムにおいては、特に、多層セラミックスコンデンサーにおいての離型用に好適であり、薄膜グリーンシート成形時のセラミックススラリーの塗工性および、グリーンシート打ち抜き性およびグリーンシート積層特性が良好である。
本発明の離型用二軸配向ポリエステルフィルムにおける、二軸配向とは、広角X線回折で二軸配向のパターンを示すものである。また、未延伸(未配向)フィルムを、常法により、二次元方向に延伸された状態を指す。延伸は、逐次二軸延伸または同時二軸延伸のいずれの方法も採ることができる。逐次二軸延伸は、長手方向(縦)および幅方向(横)に延伸する工程を、縦−横の1回ずつ実施することもできるし、縦−横−縦−横など、2回ずつ実施することもできる。
本発明の離型用二軸配向ポリエステルフィルムにおける、ポリエステルとは、二塩基酸とグリコールを構成成分とするポリエステルであり、芳香族二塩基酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸、ナトリウムスルホイソフタル酸、ジブロモテレフタル酸などを用いることができる。脂環族二塩基酸としては、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸などを用いることができる。グリコールとしては、脂肪族ジオールとして、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコールなどを用いることができ、芳香族ジオールとして、ナフタレンジオール、2,2ビス(4−ヒドロキシジフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ハイドロキノンなどを用いることができ、脂環族ジオールとしては、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオールなどを用いることができる。
上記ポリエステルは公知の方法で製造することができる。本発明の離型用二軸配向ポリエステルフィルムの固有粘度は0.5以上0.8以下が好ましい。さらに好ましくは0.55以上0.70以下である。
本発明の離型用二軸配向ポリエステルフィルムは、2層以上からなる積層フィルムである。本発明の離型用二軸配向ポリエステルフィルムは、少なくとも一方の最表層がアニオン性帯電防止剤および/または非イオン性帯電防止剤を含むことが必要である。また、本発明の離型用二軸配向ポリエステルフィルムは、一方のフィルム表面の中心線粗さSRaが3nm以上10nm以下であることが好ましく、前記層とは反対側の最表層表面の中心線粗さが10nm以上50nm以下であることが好ましい。中心線粗さSRaが3nm以上10nm以下であるフィルム表面を有する層(以降中心線粗さSRaが3nm以上10nm以下であるフィルム表面を有する層をA層と称する場合がある)は、離型層を設けた後に、セラミックススラリーを塗布する面を構成するのに好適な層であり、中心線粗さSRaが10nm以上50nm以下であるフィルム表面を有する層(以降中心線粗さSRaが10nm以上50nm以下であるフィルム表面を有する層をB層と称する場合がある)は離型層の反対面を構成するのに好適な層である。
また、本発明の離型用二軸配向ポリエステルフィルムが、3層からなる積層フィルムの場合、A層は、離型層を設けた後に、セラミックススラリーを塗布する面を構成するのに好適な層であり、B層は離型層の反対面を構成するのに好適な層であり、C層は、A層とB層の中間に位置する層である。この際、最表層に含有する粒子量を制御することで、内層部(上記3層からなる積層フィルムの場合、C層)にフィルム表面の特性に悪影響を与えない範囲で、製膜工程で発生するエッジ部分の回収原料、あるいは他の製膜工程のリサイクル原料などを適時混合して使用することで、コストメリットを得ることが可能である。この際のC層の厚みは、全体の厚みの50%〜95%であることが好ましい。
本発明の離型用二軸配向ポリエステルフィルムは、セラミックススラリーの塗工性やグリーンシート打抜き性やグリーンシート積層特性に優れる。本発明において、セラミックススラリーの塗工性に優れるとは、セラミックスコンデンサーの誘電体を、本発明の離型用二軸配向ポリエステルフィルムからなる離型フィルム上に塗布後、乾燥させた後に得られる成形体であるセラミックスシート(いわゆるグリーンシート)においてピンホールが少ないことや、シート表面および端部の表面状態が良好であることを示す。
また、本発明における、グリーンシート打抜き性に優れるとは、離型フィルム上に成形されたグリーンシートを、積層させるために行う、グリーンシートの切断の際に、グリーンシートを目的の形状に維持させ損傷させることなく切断されていることを示す。
また、本発明における、グリーンシート積層特性に優れるとは、上記工程で切断したグリーンシートを、基板上に熱プレスにより圧着させた後に、離型フィルムを剥離させる工程において、異物を噛み込まずに積層し、グリーンシートに与えるダメージが小さく剥離できるという特性を示す。これら評価手法についての説明は、後述する。
本発明の離型用二軸配向ポリエステルフィルムの厚みは、特に制限されるものではないが、1μm以上1000μm以下の範囲であることが好ましい。より好ましい下限が20μmであり、好ましくは25μm、さらに好ましくは31μmである。また、より好ましい上限は40μmであり、好ましくは38μmである。厚みが20μmより薄くなると、セラミックススラリーを保持するための腰がなくなり、セラミックススラリーの塗布において、セラミックススラリーを支えられなくなり、後工程で均一な乾燥ができなくなる場合がある。厚みが40μmを超えると、フィルム製造時においての搬送工程で、傷が入り易くなる場合がある。
本発明の離型用二軸配向ポリエステルフィルムにおけるA層の積層厚みは好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1.5μmであることが好ましい。積層厚みが0.5μmを下回ると、粒子が脱落する場合があり、また1.5μmを下回ると隣接層に粒子が含まれる場合、粒子の突き抜けが発生する場合がある。
本発明の離型用二軸配向ポリエステルフィルムにおけるC層は、ポリエステルフィルムの製造工程で発生した屑よりなる回収原料を入れることがコストの点からは好ましいが、該層中の粒子についての体積平均粒子径はA層、B層に添加している粒子とのバランスを調整することが、グリーンシート打ち抜き性と、グリーンシート積層特性の両立を備える上で好ましい。なお、C層に入れ得る回収原料は、ポリエステルフィルム製造工程において発生する二軸延伸後の発生屑のみとすることが好ましい。ただし、回収原料の形状や、かさ密度によっては、原料乾燥の効率が悪くなることや、押出工程での吐出が不安定になることもあるため、C層に入れる回収原料の、C層全体の原料に対する混率は、これらの乾燥や押出工程の適性に合わせ、また、後述するヘイズを好ましい値にコントロールするように、所望の量に調整を行う。
また、回収原料は、中間製品の巻き取り後の工程で発生した屑のみを入れることが、さらに好ましい。回収原料を得るまでの熱履歴を均質化させることが好ましく、例えば、未配向フィルムと二軸延伸後のフィルムを混在させて回収させると、結晶性が異なるために溶融粘度が安定せず、グリーンシートの打ち抜き性にばらつきが生じることがある。また、再溶融時に融点の違いが生じ、未溶融異物あるいは熱劣化異物の生成に繋がると、該異物が粗大突起となる。この粗大突起がA層あるいはB層の層厚みよりも大きな場合、A層あるいはB層の表面の粗大突起が形成される事がある。この際、特にA層側へ表面突起が形成された場合、グリーンシートのピンホールが発生することがある。
本発明の離型用二軸配向ポリエステルフィルムは、搬送や巻き取り時のハンドリング性を向上させる目的で、粒子を含有させても良い。粒子は、A層およびB層に含有させることにより、A面およびB面へ微細な凸形態を形成させ、搬送時においては、搬送ロールとフィルムとの間の空気が抜けやすくなり、また、巻き取り時には、A面とB面の間の空気が抜けやすくなるため、ハンドリング性が向上する。
本発明に用いる粒子の形状・粒子径分布については均一なものが好ましく、とくに粒子形状は球形に近いものが好ましい。体積形状係数は好ましくはf=0.3〜π/6であり、より好ましくはf=0.4〜π/6である。体積形状係数fは、次式で表される。
f=V/Dm
ここでVは粒子体積(μm),Dmは粒子の投影面における最大径(μm)である。
なお、体積形状係数fは粒子が球のとき、最大のπ/6(=0.52)をとる。また、必要に応じて濾過などを行うことにより、凝集粒子や粗大粒子などを除去することが好ましい。中でも、乳化重合法で等で合成された、架橋ポリスチレン樹脂粒子、架橋シリコーン樹脂粒子、架橋アクリル樹脂粒子、酸化アルミニウム粒子、酸化チタン粒子等の粒子が好適に使用できるが、とくに架橋ポリスチレン粒子、架橋シリコーン、さらに球状シリカなどは体積形状係数が真球に近く、粒径分布が極めて均一であり、均一にフィルム表面突起を形成する観点で好ましい。
本発明の離型用二軸配向ポリエステルフィルムにおける、B層の粒度分布曲線においては、1つもしくは2つのピークが存在することが必要である。本発明の離型用二軸配向ポリエステルフィルムに離型層を塗布してなる離型フィルム上に、グリーンシートを保持したものを、巻き取るが、巻き取られた後には、巻き締まりの影響でC層表面とグリーンシートが圧着される。この際、B層表面の突起による表面形状が、グリーンシートに転写されることがある。この時の転写痕が、グリーンシートの形態に影響を及ぼし、コンデンサーの誘電率に影響を及ぼす。このような転写痕をグリーンシートに与えないためには、B層の表面が、グリーンシート表面に圧着される際の圧力が均一に分散される必要があり、このためには、B層表面の平坦な面に形成された突起の高さが、均一であることが好ましい。また、B層表面の突起は、巻き取られたグリーンシートを巻き出す際に、グリーンシート表面に引っかかり、グリーンシートを削ることがある。この引っかかりも、B層表面の平坦な面に形成された突起の高さが、均一であることで防止できる。またこの突起は、グリーンシートとB層表面がブロッキングを起こすことも防止している。薄膜グリーンシートを形成できるような、高平滑な離型フィルムにおいては、B層の突起以外の平坦面にグリーンシートが接触しやすくなるが、粒度分布のピークが1つであると、グリーンシートへの接触は最も均一になるものの、B層の平坦面とグリーンシートが密着しやすくなり、かつ、B層表面とグリーンシートとの密着性が均一になり過ぎ、剥離の初期にて過度の剥離力が必要となることがある。この際、微視的に剥離力の弱い箇所をつくると、剥離初期に剥離が進行しやすくなる。この際の適切な粒度分布のピークは2つであることを見いだした。しかしながら粒度分布のピークが3つを超えると、突起間の高低差が均一にならず、圧力の分散がランダムになりすぎることにより、ある箇所において過度な圧力がかかることがある。
さらに、これらの粒子については界面活性剤などによる表面処理を施すことにより、ポリエステルとの親和性の改善を図ることが可能であり、脱落の少ない突起を形成することが可能で好ましい。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、少なくとも一方の最表層の面の表面粗さSRa(A)が3nm以上10nm以下であることが好ましく、もう一方のフィルム表面の表面粗さSRa(B)が10nm以上50nm以下であることが好ましい。SRa(B)は、好ましくは10nm以上30nm以下である。また、A層表面の十点平均粗さSRz(A)が300nm以下であることが好ましく、B層表面の十点平均粗さSRz(B)が1000nm以下、さらには600nm以下であることが、厚み2μm以下のグリーンシートを成形する上での適切な平滑性を得られるので好ましい。A層表面の中心粗さが3nmを下回る場合、離型層塗布後のフィルムロールの保管中にブロッキングを起こしやすくなることがあり、30nmを超えると、セラミックススラリーの塗布が不均一となることがあり、グリーンシートにピンホール等の欠陥が生じやすくなることがある。A層表面の十点平均粗さSRz(A)が300nmを超えると、A層の表面形態が、A層と接する面のグリーンシートの表面状態を悪化させ、セラミックスコンデンサーの静電容量のばらつきを生じやすくなる場合がある。このA層に帯電防止剤を含有させる場合は、離型層を塗布し、グリーンシートを成形する際に、剥離がスムースに行われる好ましい形態である。また、B層表面は、本発明の離型用二軸配向ポリエステルフィルムを加工する際、離型層塗布高低やセラミックススラリーの塗布工程において、加工面の反対面になるため、ハンドリング性が良好である事が必要である。また、スラリーを塗布し乾燥後に得るグリーンシートは、本発明の離型用二軸配向ポリエステルフィルムに離型層を塗布してなる離型フィルム上に保持し、巻き取られるため、先述の通りB層表面の形状は、巻き取られた後のグリーンシートの表面形態に影響を及ぼす。B層表面の中心線粗さSRa(B)が10nmを下回ると、離型層塗布工程やスラリー塗布工程にてハンドリング性が悪化し、塗布が不安定となり、塗布斑が発生することや、塗布後の巻き取り時に、噛み込んだ空気が抜けにくくなることによる、巻きズレを起こすことがある。また、B層表面の中心線粗さSRa(B)が30nmを超える場合は、表面に形成された凹凸がグリーンシート表面に転写される影響が大きくなり、セラミックスコンデンサーの静電容量にばらつきが生じやすくなる場合がある。B層表面の十点平均粗さSRz(B)が600nmを超えると巻き取られたグリーンシートの表面に凹みやピンホールを生じさせる要因となり、セラミックスコンデンサーの耐圧不良になる場合がある。これらは、A層およびB層に特定の有機粒子あるいは無機粒子を特定量含有させることによって達成出来る。またB層に帯電防止剤を含有する際には、離型層やグリーンシートを巻き取った後、次工程にて巻き出しを行う際の剥離帯電が抑制されるので好ましい形態である。
本発明の離型用二軸配向ポリエステルフィルムは、少なくとも一方の最表層がアニオン性帯電防止剤および/または非イオン性帯電防止剤を含み、前記アニオン性帯電防止剤および/または非イオン性帯電防止剤を含む層の表面比抵抗が1.0×10Ω/□以上1.0×1012Ω/□以下であることが必要である。1.0×10Ω/□未満の場合、フィルム巻き取り時の微小帯電が発現しづらくなり、ハンドリング性の悪化につながり、また表面欠陥が発生する。1.0×1012Ω/□より大きい場合、フィルム巻出時に発生する剥離帯電やフィルム搬送時にフィルムとロールとの間で発生する摩擦帯電による帯電量が多くなり、剥離不良の問題を起こすだけでなく、搬送時の異物付着量が多くなり、セラミックススラリー塗布時に異物が巻き込まれることによってグリーンシートにピンホール等の表面欠陥を引き起こす。より好ましくは、1.0×10Ω/□以上1.0×1010Ω/□以下である。
本発明の離型用二軸配向ポリエステルフィルムが、一方のフィルム表面の中心線粗さSRaが3nm以上10nm以下であり、もう一方のフィルム表面の中心線粗さが10nm以上50nm以下である場合、前記フィルム表面の中心線粗さSRaが3nm以上10nm以下であるフィルム表面を有する層が、アニオン性帯電防止剤および/または非イオン性帯電防止剤を含んでいてもよい。この際はセラミックススラリーを塗工、乾燥し、最後に剥離を行う際に、スムースに剥離が行われる。また実施形態としては、前記フィルム表面の中心線粗さSRaが10nm以上50nm以下であるフィルム表面を有する層が、アニオン性帯電防止剤および/または非イオン性帯電防止剤を含んでいてもよく、前記フィルム表面の中心線粗さSRaが3nm以上10nm以下であるフィルム表面を有する層と前記フィルム表面の中心線粗さSRaが10nm以上50nm以下であるフィルフィルム表面を有する層のいずれのもアニオン性帯電防止剤および/または非イオン性帯電防止剤を含んでも良い。フィルム表面の中心線粗さSRaが10nm以上50nm以下であるフィルフィルム表面を有する層が、アニオン性帯電防止剤および/または非イオン性帯電防止剤を含む場合、セラミックススラリーの塗工性、詳しくはセラミックススラリーを塗工、乾燥して巻き取った後の、背面転写が少なくなるため良好好ましい
本発明の離型用二軸配向ポリエステルフィルムは、アニオン性帯電防止剤および/または非イオン性帯電防止剤を含むことが必要である。アニオン性帯電防止剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸やその塩が挙げられる。非イオン性帯電防止剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アルキルアミン、N−2ヒドロキシエチル−N−2ヒドロキシアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン脂肪酸エステル、アルキルジエタノールアマイド等が用いられる。なかでも、凝集異物の発生を抑制し、グリーンシートにピンホール等の表面欠陥の発生を抑制する観点から、ドデシルベンゼンスルホン酸が好適に用いられる。
また、前記前記アニオン性帯電防止剤および/または非イオン性帯電防止剤は、AV値が0.01〜1.0mgKOH/gであると、凝集の抑制と帯電防止性能を両立する観点から好ましい。より好ましくは0.01〜0.5mgKOH/gである。
なおA面に加えてB面の表面比抵抗が1.0×10Ω/□以上1.0×1012Ω/□以下であっても上記のポリエステルフィルムと同様の効果がえられる。
また、上記ポリエステルフィルムはA層および/またはB層への添加を前提とした設計であるが、該当面へアクリル酸エステルを共重合した化合物等の帯電防止剤をコーティングして達成してもよい。
また前記おいて、アニオン性帯電防止剤および/または非イオン性帯電防止剤を添加する時期としては、特に制限されるものではない。中でも、下記する(1)の工程中、あるいは、(1)の工程後(2)の工程の減圧を開始する前に、アニオン性帯電防止剤および/または非イオン性帯電防止剤を添加すると、帯電防止剤の凝集を抑制することができるため好ましい。
(1)ジカルボン酸成分とジオール成分を温度140〜250℃の間でエステル化反応またはエステル交換反応を行い、ポリエステルの低重合体物を得る工程。
(2)系内を徐々に減圧とし、最終重合温度270〜300℃として、重縮合反応を行いポリエステルを得る工程。
(3)(2)により得られたポリエステルを含むポリエステル原料を溶融製膜機に供して、溶融製膜を行い、二軸配向ポリエステルを得る工程。
本発明の離型用二軸配向ポリエステルフィルムは、リン化合物を含んでいると、アニオン性帯電防止剤および/または非イオン性帯電防止剤の凝集を抑制し、かつ、帯電防止性を高く出来るため好ましい。本発明において用いられるリン化合物としては、ホスファイト化合物、ホスフェート化合物、ホスホナイト化合物、ホスホネート化合物、ホスフィナイト化合物、ホスフィネート化合物が挙げられる。中でも、リン酸、リン酸トリメチル(トリメチルホスフェート)、リン酸トリエチル(トリエチルホスフェート)、ジエチルホスホノ酢酸エチル等は、凝集異物の発生を抑制する効果が高いため好ましい。なお、リン化合物を添加する時期としては特に特に制限されるものではないが、前記(1)の工程中、あるいは、前記(1)の工程後(2)の工程の減圧を開始する前にリン化合物を添加し、リン化合物の添加から20〜40分後に(2)の工程の減圧を開始すると、アニオン性帯電防止剤および/または非イオン性帯電防止剤の凝集を抑制し、かつ、帯電防止性を特に高く出来るため好ましい。なお、(1)の工程を開始する際に、ジカルボン酸成分とジオール成分の原料とともにリン化合物を添加し、(1)の工程後にさらにリン化合物を添加し、リン化合物の添加から20〜40分後に(2)の工程の減圧を開始しても良い。
本発明の離型用二軸配向ポリエステルフィルムは、長手方向および横方向の破断強度の和が500MPa以上600MPa以下であることが好ましく、さらに好ましくは520MPa以上590MPa以下である。また、幅方向の破断強度が長手向の破断強度と同等以上が好ましく、その差は、0MPa以上90MPa以下であり、さらに、その差が40MPa以上80MPa以下の場合がさらに好ましい。長手方向および横方向の破断強度の和が500MPaを下回ると、延伸工程に粒子周りのポリマーが粒子より剥離してなるボイド(空隙)構造が発現しづらくなり、所望の表面粗さや、クッション性が発現しない場合がある。600MPaより上回る状態を達成する為には長手方向や幅方向への延伸を過度に実施する必要があり、延伸中に破断することがあるため好ましくない。
また、破断伸度は80%以上220%以下、好ましくは90%以上210%以下が好ましく、さらに、長手方向の破断伸度が幅方向の破断伸度の同等以上が好ましく、その差が0%以上100%以下の場合がさらに好ましく、さらに、長手方向の破断伸度が170%以上190%以下、幅方向の破断伸度が90%以上110%以下で、長手方向の破断伸度が幅方向の破断伸度より70%以上90%以下大きい場合がさらに好ましい。破断伸度が80%を下回ると、セラミックススラリー塗布時に工程内での張力を受けた際、張力変動を吸収できず、塗布斑となることもあり好ましくない。破断伸度が220%を超えると、離型層塗布後の保管時に平面性が悪くなり、また、セラミックススラリー塗布後の保管時に、グリーンシートの平面性を損ねることもあり、好ましくない。破断伸度を先述の範囲にコントロールすることにより、加工工程で受ける張力により、フィルムが伸縮する現象や、巻き取り後にも残留応力が回復する挙動をコントロールすることができ、最終的には薄膜のグリーンシートの平面性を良好に保つことができる。長手方向の破断伸度が、幅方向の破断伸度と同等以上である必要性は、離型層を塗布する工程および巻き取り工程において、長手方向に張力がかかることと、該張力は巻き取られた後にもフィルム内の応力として残ることと、長手方向に張力がかかった際に、ポワソン変形により幅方向のフィルムに寸法変化が発生するため、離型層を塗布したロールを巻き出す際に平面性不良が発生することがある。これら長手・幅方向の寸法変化を抑制するために、長手方向と幅方向の破断伸度差を上記の範囲にすることが好ましい。
また、本発明における離型用二軸配向ポリエステルフィルムは、ヘイズが7%以下であることが好ましく、6%以下がさらに好ましい。積層セラミックスコンデンサーの離型用途としては、回収原料を3層複合層の中間層に入れることは可能であるが、ヘイズが7%を超えてしまうと、グリーンシートの成型状態、特に端部の状態を確認するのが難しくなるため、好ましくない。
さらに、フィルムの長手方向に15m測定し、記録されたフィルム厚さチャートから求めた、最大厚みと最小厚みの差である厚み斑は2μm以下が好ましく、さらに、好ましくは1.4μm以下である。従来から、フィルムの厚み斑を少なくすることはフィルムを製造する上での課題であったが、本発明の離型用フィルム、特に薄膜セラミックスコンデンサー製造に適用される離型フィルムへ適用するには長手方向の厚み斑を前記範囲とすることが、グリーンシートの厚さを薄くする際にコンデンサーの静電容量にばらつきを生じさせないため、好ましい。
本発明におけるポリエステルフィルムは、フィルム表面に存在する高さ0.27μm以上の粗大突起が5個/100cm以下であることが好ましい。さらに0.54μm以上の粗大突起が実質的に存在せず、1個/100cm以下であることが好ましい。粗大突起数が上記の値を超えると、離型剤を塗布時、塗布ムラ、ピンホール状の塗布抜け欠点を生じる場合があり、また、グリーンシートの厚さを薄くする際に、先述の離型剤塗布抜けにより、グリーンシートの剥離斑が生じることや、粗大突起が原因となりグリーンシートに凹みやピンホールを生じさせることがあるため好ましくない。
フィルム表面の粗大突起において上記の好ましい形態を達成するためには、粒子種および体積平均粒子径を上記の範囲にすることや、原料供給のための設備で、特に原料貯蔵設備(サイロ)、原料搬送のための配管を、本発明で使用する粒子を含むマスターペレットのみのために使用することが望ましい。また、原料を搬送するためには、ブロワーを用い空気により搬送を行うか、自由落下により搬送を行うが、空気により搬送を行う際は、空気を取り込む際に0.3μm以上の塵埃を95%カットできるフィルターを用い、空気を濾過することが好ましい。また、本発明の製造時に用いるフィルターを、後述の高精度なフィルターとすることにより達成することができる。
本発明におけるポリエステルフィルムにおいては、寸法変化率を適性にコントロールすることが、後加工、特に離型層を塗布した後の平面性を良好に保つ上で好ましく、製膜条件における弛緩処理等の公知の方法により適宜調整することにより達成出来る。150℃における寸法変化率は長手方向で2%以下、幅方向で2.5%以下が好ましく、長手方向で0.5%以上1.7%以下、幅方向で1%以上2%以下がさらに好ましい。また、100℃における寸法変化率は長手方向、幅方向ともに1%以下が好ましく、0.2%以上0.8%以下の範囲であるとさらに好ましい。該寸法変化率において上記範囲の下限を下回ると、離型層を塗布する際にタルミによる平面性不良が発生し、上限を上回ると、離型層を塗布する際に収縮によりトタン状に収縮斑が発生し平面性不良となり、いずれの場合も薄膜グリーンシートの塗布厚みに斑を生じさせることがあるため、好ましくない。
次に本発明の二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法について説明する。ポリエステルに不活性粒子を含有せしめる方法としては、例えばジオール成分であるエチレングリコールに不活性粒子を所定割合にてスラリーの形で分散せしめ、このエチレングリコールスラリーをポリエステル重合完結前の任意段階で添加する。ここで、粒子を添加する際には、例えば、粒子を合成時に得られる水ゾルやアルコールゾルを一旦乾燥させることなく添加すると粒子の分散性が良好であり、粗大突起の発生を抑制でき好ましい。また粒子の水スラリーを直接、所定のポリエステルペレットと混合し、ベント方式の2軸混練押出機に供給しポリエステルに練り込む方法も本発明の製造に有効である。
このようにして、各層のために準備した、粒子含有マスターペレットと粒子などを実質的に含有しないペレットを所定の割合で混合し、乾燥したのち、公知の溶融積層用押出機に供給する。本発明の離型用二軸配向ポリエステルフィルムの製造における押出機は、1軸、2軸の押出機を用いることができる。また、ペレットの乾燥工程を省くために、押出機に真空引きラインを設けた、ベント式押出機を用いることもできる。また、最も押出量が多くなるB層には、ペレットを溶融する機能と、溶融したペレットを一定温度に保つ機能をそれぞれの押出機で分担する、いわゆるタンデム押出機を用いることができる。本発明の離型用二軸配向ポリエステルフィルムにおけるA層、異種3層構成時のB層は、二軸式ベント式押出機を用いることが、粒子の分散性を良好に保てるので好ましい。
押出機で溶融して押出したポリマーは、フィルターにより濾過する。ごく小さな異物もフィルム中に入ると粗大突起欠陥となるため、フィルターには例えば3μm以上の異物を95%以上捕集する高精度のものを用いることが有効である。続いてスリット状のスリットダイからシート状に押し出し、キャスティングロール上で冷却固化せしめて未延伸フィルムを作る。すなわち、2層構成の場合は2台の押出機、2層のマニホールドまたは合流ブロック(例えば短形合流部を有する合流ブロック)を用いて2層に積層し、異種3層構成の場合は3台の押出機、3層のマニホールドまたは合流ブロックを用いて3層に積層し、口金からシートを押し出し、キャスティングロールで冷却して未延伸フィルムを作る。この場合、背圧の安定化および厚み変動の抑制の観点からポリマー流路にスタティックミキサー、ギヤポンプを設置する方法は有効である。
延伸方法は同時二軸延伸であっても逐次二軸延伸であってもよい。特に、同時二軸延伸においてはロールによる延伸を伴わないため、フィルム表面の局所的な加熱ムラを抑制し、均一な品質が得られると共に、延伸時にロール延伸に伴うフィルムとロールとの接触場所での速度差、ロールの微少傷の転写などによる傷の発生を抑制でき好ましい。
同時二軸延伸においては未延伸フィルムを、まず長手および幅方向に延伸温度を80℃以上130℃以下、好ましくは85℃以上110℃以下として同時に延伸する。延伸温度が80℃よりも低くなるとフィルムが破断しやすく、延伸温度が130℃よりも高くなると十分な強度が得られないため好ましくない。また、延伸ムラを防止する観点から、長手方向・幅方向の合計延伸倍率は4倍以上20倍以下、好ましくは6倍以上15倍以下である。合計延伸倍率が4倍よりも小さいと十分な強度が得られにくい。一方、倍率が20倍よりも大きくなると、フィルム破断が起こりやすく、安定したフィルムの製造が難しい。必要な強度を得るためには、温度140℃以上200℃以下、好ましくは160℃以上190℃以下で長手方向及び/又は幅方向に1.02倍以上1.5倍以下、好ましくは1.05倍以上1.2倍以下で再度延伸を行うことが好ましく、合計延伸倍率が、長手方向で3倍以上4.5倍以下、好ましくは3.5倍以上4.2倍以下、幅方向に3.2倍以上5倍以下、好ましくは3.6倍以上4.3倍以下である。目標とするフィルムの破断強度を達成するため、適時倍率を選択できるが、幅方向の破断強度を高くするため、幅方向の延伸倍率を長手方向よりも高めに設定することがさらに好ましい。その後、205℃以上240℃以下 好ましくは220℃以上240℃以下で0.5秒以上20秒以下、好ましくは1秒以上15秒以下熱固定を行う。熱固定温度が205℃よりも低いとフィルムの熱結晶化が進まないため目標とする寸法変化率などが安定しにくいため好ましくない。また、フィルム物性を安定させるため、フィルム上下の温度差が20℃以下、好ましくは10℃以下、更に好ましくは5℃以下である。フィルム上下での温度差が20℃よりも大きいと、熱処理時に微小な平面性の悪化を引き起こしやすいため好ましくない。その後、長手及び/又は幅方向に0.5%以上7.0%以下の弛緩処理を施す。
同時二軸延伸では後述する逐次二軸延伸とは異なり、高温空気によってフィルムが加熱される。そのため、フィルム表面のみ局所的に加熱されて粘着が発生することはなく、延伸方式として逐次延伸より好ましい。
一方、本発明のポリエステルフィルムは、逐次延伸を用いて製造することもできる。
最初の長手方向の延伸は、傷の発生を抑制する上で重要であり、延伸温度は90℃以上130℃以下、好ましくは100℃以上120℃以下である。延伸温度が90℃よりも低くなるとフィルムが破断しやすく、延伸温度が130℃よりも高くなるとフィルム表面が熱ダメージを受けやすくなるため好ましくない。また、延伸ムラ、及びキズを防止する観点からは延伸は2段階以上に分けて行うことが好ましく、トータル倍率は長さ方向に3倍以上4.5倍以下、好ましくは3.5倍以上4.2倍以下であり、幅方向に3.2倍以上5倍以下、好ましくは3.6倍以上4.3倍以下である。目標とするフィルムの破断強度を達成するため、適時倍率を選択できるが、幅方向の破断強度を高くするため、幅方向の延伸倍率を長手方向よりも高めに設定することがさらに好ましい。かかる温度、倍率範囲をはずれると延伸ムラあるいはフィルム破断などの問題を引き起こし、本発明の特徴とするフィルムが得られにくいため好ましくない。再縦または横延伸した後、205℃以上240℃以下、好ましくは210℃以上230℃以下で0.5秒以上20秒以下、好ましくは1秒以上15秒以下熱固定を行う。特に熱固定温度が205℃よりも低くなるとフィルムの結晶化が進まないために構造が安定せず、目標とする寸法変化率などの特性が得られず好ましくない。
逐次延伸において、長手方向の延伸過程は、フィルムとロールの接触し、ロールの周速とフィルムの速度差による傷が発生しやすい工程につき、ロール周速がロール毎に個別に設定できる駆動方式が好ましい。長手方向の延伸過程において、搬送ロールの材質は、延伸前に未延伸フィルムをガラス転移点以上に加熱するか、ガラス転移点未満の温度に保った状態で延伸ゾーンまで搬送し、延伸時に一挙に加熱するかにより選択されるが、延伸前に未延伸フィルムをガラス転移点以上まで加熱する際は、加熱による粘着を防止するうえで、非粘着性シリコーンロール、セラミックス、テフロン(登録商標)から選択できる。また、延伸ロールは最もフィルムに負荷がかかり、該プロセスで傷や延伸斑が発生しやすい工程につき、延伸ロールの表面粗さRaは、0.005μm以上1.0μm以下、好ましくは0.1μm以上0.6μm以下である。Raが1.0μmよりも大きいと延伸時ロール表面の凸凹がフィルム表面に転写するため好ましくなく、一方0.005μmよりも小さいとロールとフィルム地肌が粘着し、フィルムが熱ダメージを受けやすくなるため好ましくない。表面粗さを制御するためには研磨剤の粒度、研磨回数などを適宜調整することが有効である。未延伸フィルムをガラス転移点未満の温度に保った状態で延伸ゾーンまで搬送し、延伸時に一挙に加熱する際、予熱ゾーンの搬送ロールは、ハードクロムやタングステンカーバイドで表面処理を行った、表面粗さRaが0.2μm以上0.6μm以下の金属ロールを使用するのが好ましい。
本発明の離型用二軸配向ポリエステルフィルムは、かかる長手方向に延伸された一軸延伸フィルムを、横延伸機にて80℃以上120℃未満に加熱した後、3倍以上6倍未満で幅方向に延伸し、二軸延伸(二軸配向)フィルムとする。
本発明の離型用二軸配向ポリエステルフィルムは、さらに、再延伸を各方向に対して1回以上行なってもよいし、同時2軸にて再延伸しても良い。更に、二軸延伸の後にフィルムの熱処理を行なうが、この熱処理はオーブン中、加熱されたロール上等、従来公知の任意の方法で行なうことができる。熱処理温度は通常150℃以上245℃未満の任意の温度とすることができ、熱処理時間は、通常1秒間以上60秒間以下行なうことが好ましい。熱処理は、フィルムをその長手方向および/または幅方向に弛緩させつつ行なってもよい。また、熱処理後は熱処理温度より0℃以上150℃以下低い温度で幅方向に0%以上10%以下で弛緩させる。
熱処理後のフィルムは、例えば中間冷却ゾーンや除冷ゾーンを設け、寸法変化率や平面性を調整することができる。また特に、特定の熱収縮性を付与するために、熱処理時あるいはその後の中間冷却ゾーンや除冷ゾーンにおいて、縦方向および/または横方向に弛緩してもよい。
二軸延伸後のフィルムは、搬送工程にて冷却させた後、エッジを切断後巻取り、中間製品を得る。この搬送工程にて、フィルムの厚みを測定し、該データをフィードバックして用いてダイ厚みなどの調整によってフィルム厚みの調整を行い、また、欠点検出器による異物検知を行う。
エッジの切断時には、切粉の発生を抑制することが、本発明の離型用二軸配向ポリエステルフィルムにおいて必要である。エッジの切断は丸刃、シェアー刃、ストレート刃を使用して行うが、ストレート刃を用いる場合は、刃がフィルムに当たる箇所を、常に同じ箇所にさせないことが、刃の摩耗を抑制できるため好ましい形態である。このため刃を上限いオシレーションする機構を有することが好ましい。また、フィルム切断箇所に吸引装置を設けて、発生した切り粉や、切断後のフィルム端部同士が削れて発生する削れ粉を吸引することが好ましい。
中間製品はスリット工程により適切な幅・長さにスリットして巻き取り、本発明の本発明の離型用二軸配向ポリエステルフィルムのロールが得られる。スリット工程におけるフィルムの切断時も、先述のエッジの切断と同様な切断の方式から選定できる。
中間製品を所望の幅にスリットを行い、本発明の離型用二軸配向ポリエステルフィルムを得る。
以下、実施例で本発明を詳細に説明する。
本発明に関する測定方法、評価方法は次の通りである。
(I)粒子の体積平均粒径および粒度分布のピーク判定
フィルムからポリマーをプラズマ低温灰化処理法で除去し、粒子を露出させる。処理条件は、ポリマーは灰化されるが粒子は極力ダメージを受けない条件を選択する。その粒子を走査型電子顕微鏡(SEM;株式会社日立製作所製 S−4000型)で観察し、粒子画像をイメージアナライザ(株式会社ニレコ製 LUZEX_AP)で処理する。SEMの倍率は粒径により、およそ5000〜20000倍から適宜選択する。観察箇所をかえて粒子数5000個以上で粒径とその体積分率から、次式で体積平均径dを得る。粒径の異なる2種類以上の粒子を含有している場合には、それぞれの粒子について形状で粒子種を分類して区別し、同様に測定を行い、粒径を求める。
d=Σ(di・Nvi)
ここで、diは粒径、Nviはその体積分率である。
体積分率を求める際の仮定は、粒子を球と見立てた際、画像より得た粒子の面積を、その図形と等しい面積と仮定した際に得られる円相当径より求める。
粒子がプラズマ低温灰化処理法で大幅にダメージを受ける場合には、フィルム断面を透過型電子顕微鏡(TEM;株式会社日立製作所製H−600型)を用いて、粒径により、3000〜20000倍で観察する。TEMの切片厚さは約100nmとし、場所を変えて500視野以上測定し、上記式から体積平均径dを求める。
なお、粒子の体積平均粒径を測定する際に、SEMおよびTEMで観察した際に5000倍で10視野確認しても、粒子が認められなかった場合には、粒子を実質的に含有しないと判断する。
粒度分布のピーク判定は、イメージアナライザで処理した画像から、体積平均径が0.2μm刻みで粒子の個数をカウントした際、全体の20%以上の個数があれば、1つのピークとみなす。このピークをカウントしピーク判定する。
(II)粒子の体積形状係数
走査型電子顕微鏡で、粒子の写真を例えば5000倍で10視野撮影した上、画像解析処理装置を用いて、投影面最大径および粒子の平均体積を算出し、下記式により体積形状係数を得る。
f = V/ Dm
ここで、Vは粒子の平均体積(μm) 、Dm は投影面の最大径(μm)である。
(III)固有粘度
オルトクロロフェノール中、25℃ で測定した溶液粘度から、下式で計算した値を用いる。すなわち、
ηsp/C=[η]+ K[η] ・C
ここで、ηsp=(溶液粘度/溶媒粘度)−1であり、Cは、溶媒100ml あたりの溶解ポリマー重量(g/100ml、通常1.2)、Kはハギンス定数(0.343 とする)である。また、溶液粘度、溶媒粘度はオストワルド粘度計を用いて測定した。単位は[dl/g]で示す。
(IV)フィルム積層厚み
透過型電子顕微鏡(TEM;日立(株)製H−600型)を用いて、加速電圧100kVで、フィルムの断面を、超薄切片(RuO染色)で観察する。その断面全体から全厚みを求め、積層厚みについては、その界面に観察される粒子の最も深い地点から表面からの深さ、つまり積層されている厚みを求める。倍率は測定するフィルムの全厚み、層厚みによって適宜倍率を設定すればよいが、一般的には全厚み測定には1000倍、積層厚み測定には1万〜10万倍が適当である。
粒子が少ない場合など、積層界面を判別するためにどのような倍率で粒子像を得るべきかを事前に想定するために、断面のSEM−XMAによって断面における元素の分布(マッピング)から想定される積層厚みの概算を行い、TEMでの設定倍率を定めると効率的である。
(V)フィルム表面粗さ(SRa、SRz値)
三次元微細表面形状測定器( 小坂製作所製ET−350K)を用いて測定し、得られた表面のプロファイル曲線より、JIS・B0601に準じ、算術平均粗さSRa値、十点平均面粗さSRz値を求める。測定条件は下記のとおり。
X 方向測定長さ: 0.5mm、X方向送り速度: 0.1mm/ 秒。
Y 方向送りピッチ: 5μm、Y方向ライン数: 40本。
カットオフ: 0.25mm。
触針圧: 0.02mN。
高さ(Z方向) 拡大倍率: 5万倍。

(VI)表面比抵抗値
フィルムを幅110mm、長さ110mmの大きさにカットして、23±3℃、65±10%RHの条件下に24時間以上放置した後、アドバンテスト社製、デジタル超高抵抗計を使用し、JIS−C−2151(2006年)に従って測定する。
[実施例1]
(1)ポリエステルペレットの作成
(ポリエステルAの作製)
テレフタル酸86.5重量部とエチレングリコール37.1重量部を255℃で、水を留出しながらエステル化反応を行う。エステル化反応終了後、トリメチルリン酸0.02重量部、酢酸マグネシウム0.06重量部、酢酸リチウム0.01重量部、三酸化アンチモン0.0085重量部を添加し、引き続いて、真空下、290℃まで加熱、昇温して重縮合反応を行い、固有粘度0.63のポリエステルペレットを得た。
(ポリエステルBおよびポリエステルCの作成)
上記と同様にポリエステルを製造するにあたり、エステル交換後、体積平均粒径0.06μm、体積形状係数f=0.51、体積平均粒径0.2μm、体積形状係数f=0.51の球状シリカをそれぞれ添加し、重縮合反応を行い、粒子をポリエステルに対し1重量%含有するシリカ含有マスターペレットを得た(ポリエステルB)、(ポリエステルC)。
なお、ポリエステルBおよびポリエステルCで用いる球状シリカは、エタノールとエチルシリケートとの混合溶液を攪拌しながら、この混合溶液に、エタノール、純水、および塩基性触媒としてアンモニア水からなる混合溶液を添加し、得られた反応液を攪拌して、エチルシリケートの加水分解反応およびこの加水分解生成物の重縮合反応を行なった後に、反応後の攪拌を行い、単分散シリカ粒子を得た。
(ポリエステルD、EおよびポリエステルFの作成)
さらに別に、モノマーを吸着させる方法によって得た体積平均粒径0.3μm、体積形状係数f=0.51のジビニルベンゼン/スチレン共重合架橋粒子の水スラリーを、上記の実質的に粒子を含有しないホモポリエステルペレットに、ベント式二軸混練機を用いて含有させ、体積平均粒径0.3μ mのジビニルベンゼン/スチレン共重合架橋粒子をポリエステルに対し1重量% 含有するマスターペレットを得る(ポリエステルD)。
体積平均粒径0.5μm、0.8μmのジビニルベンゼン/スチレン共重合架橋粒子含有マスターペレットは、ポリエステルに対しそれぞれ1重量%含有するマスターペレットを同様にして得た(それぞれポリエステルE、ポリエステルF)。
(ポリエステルGの作製)
また、ポリエステルAを製造するにあたりエステル交換後、炭酸ガス法にて作成した体積平均粒径1.1μmの炭酸カルシウムをポリエステルに対し1重量%添加し炭酸カルシウム含有マスターペレットを得た。
(ポリエステルHの作製)
ポリエステルA対し帯電防止剤(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)を6重量%およびポリエチレングリコール(分子量:4000)を8.4重量%添加し、帯電防止剤含有マスターペレットを得た。
詳しくは、ジメチルテレフタレート100重量%、エチレングリコール65重量%およびエステル交換反応触媒として酢酸カルシウム0.09重量%、重合触媒として三酸化アンチモン0.03重量%を加え、140〜220℃の間でほぼ理論量のメタノールを留出させポリエステルの低重合体物を得た。その後、トリメチルホスフェート0.04重量%(88ppm)を添加し、添加してから30分後にAV値0.04mgKOH/gのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1重量%と分子量4000のポリエチレングリコール1重量%を添加した。次いで系内を徐々に減圧とし、1mmHgの減圧下で最終重合温度290℃にて4時間重縮合反応を行い、ポリエチレンテレフタレートを得た。得られたポリエチレンテレフタレートの極限粘度は0.637、軟化点257℃であった。
(回収原料A)
下記処方のフィルムを製造した後のフィルムを回収し、ペレット化したものを回収原料Aとした。なお以下に記載する比率は、フィルム全体の重量に対する重量比(重量%)で表す。
ポリエステルA 93.4
ポリエステルD: 0.6
ポリエステルG: 6.0。
(2)ポリエステルペレットの調合
A層、B層、C層それぞれの層の押出機に供給するポリエステルペレットは、以下の比率にて調合する。なお以下に記載する比率は、おのおのの層を構成するポリエステルペレットに対する重量比(単位:重量%)である。
A層
ポリエステルA:92.0
ポリエステルB: 8.0
B層
ポリエステルA:45.0
ポリエステルD:30.0
ポリエステルE: 5.0。
ポリエステルH:20.0
C層
ポリエステルA:60.0
回収原料A :40.0
(3)二軸配向ポリエステルフィルムの製造
先述の、各層について調合した原料を、ブレンダー内で攪拌した後、A層およびB層の原料は、攪拌後の原料を、A層およびB層用のベント付き二軸押出機に供給し、C層の原料は160℃で8時間減圧乾燥し、B層用の一軸押出機に供給した。275℃で溶融押出し、3μm以上の異物を95% 以上捕集する高精度なフィルターにて濾過した後、矩形の異種3層用合流ブロックで合流積層し、層A、層B、層Cからなる3層積層とした。その後、285℃に保ったスリットダイを介し冷却ロール上に静電印可キャスト法を用いて表面温度25℃のキャスティングドラムに巻き付け冷却固化して未延伸積層フィルムを得た。
この未延伸積層フィルムに逐次延伸(長手方向、幅方向)を実施した。まず長手方向の延伸を実施し、105℃でテフロン(登録商標)ロールにて搬送した後に、長手方向に120℃で4.0倍延伸して一軸延伸フィルムとした。
この一軸延伸フィルムをステンター内で横方向に115℃で4倍延伸し、続いて230℃で熱固定し、その際幅方向に5%弛緩し搬送工程にて冷却させた後、エッジを切断後に巻き取り、厚さ31μmの二軸延伸フィルムの中間製品を得た。この中間製品をスリッターにてスリットし、厚さ31μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た(以下原反フィルムロールと呼ぶ)。この二軸配向ポリエステルフィルムの積層厚みを測定した結果、A層:6.5μm、B層:1.0μm、C層:23.5μmであった。
(4)原反フィルム巻取性
中間製品をスリッターにてスリットした後の巻姿を観察、凸部と凹部の差を確認する。
○:原反フィルムロールの端面にズレが認められない
△:原反フィルムロールの端面に3mm未満のズレが認められる
×:原反フィルムロールの端面に3mm以上のズレが認められる
実施例1においては端面のズレが認められず○であった。
(5)離型層の塗布
次にこの二軸配向ポリエステルフィルムのA層の表面に、架橋プライマー層(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製商品名BY24−846)を固形分1%に調整した塗布液を塗布/乾燥し、乾燥後の塗布厚みが0.1μmとなるようにグラビアコーターで塗布し、100℃で20秒乾燥硬化した。その後1時間以内に付加反応型シリコーン樹脂(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製商品名LTC750A)100重量部、白金触媒(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製商品名SRX212)2重量部を固形分5%に調整した塗布液を、乾燥後の塗布厚みが0.1μmとなるようにグラビアコートで塗布し、120℃で30秒乾燥硬化した後に巻き取り、離型フィルムを得た。
(6)グリーンシートの成型(セラミックススラリーの塗布)
チタン酸バリウム(富士チタン工業(株)製商品名HPBT−1)100重量部、ポリビニルブチラール(積水化学(株)製商品名BL−1)10重量部、フタル酸ジブチル5重量部とトルエン−エタノール(重量比30:30)60重量部に、数平均粒径2mmのガラスビーズを加え、ジェットミルにて20時間混合・分散させた後、濾過してペースト状のセラミックスラリーを調整した。得られたセラミックスラリーを、離型フィルムの上に乾燥後の厚みが0.8μmとなるように、ダイコーターにて塗布し乾燥させ、巻き取り、グリーンシートを得た。
(7)グリーンシートの塗布状態評価
上記で巻き取られたグリーンシートを、繰り出し、離型フィルムから剥がさない状態にて目視で観察し、ピンホールの有無や、シート表面および端部の塗布状態を確認する。なお観察する面積は幅300mm、長さ500mmである。
a.ピンホール、凹みの有無
離型フィルムの上に成型されたグリーンシートについて、背面から1000ルクスのバックライトユニットで照らしながら、塗布抜けによるピンホールあるいは、離型フィルム背面の表面転写による凹み状態を観察する。
○:ピンホールも凹みも無い。
△:ピンホールは無く、凹みが3個以下認められる
×:ピンホールは無く、凹みが4個以上認められる。
××:ピンホールが有り、また凹みが4個以上認められる。
b.シート表面・端部の塗布状態
離型フィルムの上に成型されたグリーンシートについて、シートの表面および端部を目視で観察する。
○:シート表面および端部に塗布斑が認められない。
△:シート表面に塗布斑が無いが、端部には塗布斑が有る。
×:シート表面、端部に塗布斑が認められる。
実施例1においては、ピンホール、凹みの有無評価は、ピンホール、凹みとも無いため、評価を○とした。また、シート表面も端部も塗布斑が無いため、評価を○とした。
(8)内部電極のパターンの形成
Ni粒子44.6重量部と、テルピネオール52重量部と、エチルセルロース3重量部と、ベンゾトリアゾール0.4重量部とを、混練し、スラリー化して内部電極層用塗料を得る。内部電極層用塗料を、グリーンシートの上に、スクリーン印刷法によって所定パターンで塗布し、内部電極パターンを有するセラミックグリーンシートを得た。乾燥温度は90℃、乾燥時間は5分である。
(9)グリーンシートの打ち抜き性評価
上記の、離型フィルムの上に成形され、内部電極パターンを付与した、セラミックグリーンシートを繰り出し、離型フィルム上にてグリーンシートを100枚分切断し打ち抜く。切断には回転式の丸刃カッターを使用する。この際、グリーンシートを切断するための、回転式丸刃カッターの切り込み深さは、グリーンシート厚みプラス2μm〜3μmに設定する。この際、グリーンシートの切断面を目視で確認する。なお評価においては、丸刃式カッターは1000枚切断後交換する。
まず目視にてグリーンシート上面より切断面の均一性を確認し、切断カスや欠落の有無や、離型フィルムからの剥離の有無を確認する。この際の評価指標は以下の通りとする。
◎:離型フィルムとグリーンシートとの剥離がきわめて安定的に行われる。
○:グリーンシート上面の切断面に切断カスや欠落が無く、離型フィルムとグリーンシートとの局部的な剥離が無い。
△:グリーンシート上面の切断面に波状の凹凸がうっすらと見える。離型フィルムとグリーンシートとの局部的な剥離が無い。
×:グリーンシート上面の切断面に切断カスや欠落、あるいは、離型フィルムとグリーンシートとの局部的な剥離が有るシートが、1枚でも発生している。グリーンシートの積層において異物を噛込む可能性あるため×とする。
実施例1において、グリーンシートの打ち抜き性評価を実施したところ、グリーンシート上面の切断面に切断カスや欠落が無く、離型フィルムとグリーンシートとの局部的な剥離が無いため,評価を○とした。
(10)グリーンシート積層特性
上記の、離型フィルム上で打ち抜かれた後のグリーンシートを積層する。積層は、離型フィルム上にグリーンシートを保持したまま搬送後、グリーンシートを積層体に熱圧着した後に、離型フィルムを剥がす。この作業を100枚分繰り返し、セラミック積層体を得る。この際の積層状態を目視で確認して、グリーンシート積層特性を以下の基準にて評価する。
○:シート積層時に、熱圧着が均等に行われているので、グリーンシート剥離不良が発生せず、また、エア噛み込みや異物噛み込みがなく良好に積層されている。
△:シート積層時に熱圧着がやや不均一であり、エア噛み込みはなく、許容範囲の剥離状態であるが、ごくたまに剥離状態が安定しないことがある。
×:シート積層時に、エア噛み込みあるいは異物噛み込みがある。または剥離不良が発生する。
実施例1においてグリーンシート積層特性を評価した結果、シート積層時にグリーンシート剥離不良が発生していないため○であった。
[実施例2、3]
A層、B層に入れる粒子種を変更した以外は実施例1と同じ製法にて厚さ31μmの二軸延伸フィルムのロールを得た。離型層の塗布、グリーンシートの成型(セラミックススラリーの塗布)、内部電極のパターンの形成、グリーンシートの打ち抜き性評価、グリーンシート積層特性についても、実施例1と同様の方法で実施・評価した(以降、実施例、比較例とも同様な加工工程にて実施・評価する)。
原反フィルム巻取性、スラリー塗布特性、グリーンシート打ち抜き性、グリーンシート積層特性ともに○で、良好であった。
[実施例4]
A層、B層それぞれの層の押出機に供給するポリエステルペレットは、以下の比率にて調合する。なお以下に記載する比率は、おのおのの層を構成するポリエステルペレットに対する重量比(単位:重量%)である。
A層
ポリエステルA:95.0
ポリエステルD: 5.0
B層
ポリエステルA:30.0
ポリエステルD: 5.0
ポリエステルG:45.0。
ポリエステルH:20.0
上記の、各層について調合した原料を、ブレンダー内で攪拌した後、B層の原料は、攪拌後の原料をB層用のベント付き二軸押出機に供給し、A層の原料は160℃で8時間減圧乾燥し、A層用の一軸押出機に供給した。275℃で溶融押出し、3μm以上の異物を95% 以上捕集する高精度なフィルターにて濾過した後、矩形の2層用合流ブロックで合流積層し、層A、層Bからなる2層積層とした。その後は実施例1と同じ製法にて厚さ31μmの二軸延伸フィルムのロールを得た。離型層の塗布、グリーンシートの成型(セラミックススラリーの塗布)、内部電極のパターンの形成、グリーンシートの打ち抜き性評価、グリーンシート積層特性についても、実施例1と同様の方法で実施・評価した(以降、実施例、比較例とも同様な加工工程にて実施・評価する)。
原反フィルム巻取性、グリーンシート打ち抜き性、グリーンシート積層特性ともに○であったが、スラリー塗布特性はピンホールがないものの凹みが3個以上認められたため△であった。
[実施例5]
B層に入れる帯電防止剤の添加率を変更した以外は、実施例1と同じ製法にて厚さ31μmの二軸延伸フィルムのロールを得た。離型層の塗布、グリーンシートの成型(セラミックススラリーの塗布)、内部電極のパターンの形成、グリーンシートの打ち抜き性評価、グリーンシート積層特性についても、実施例1と同様の方法で実施・評価した(以降、実施例、比較例とも同様な加工工程にて実施・評価する)。
原反フィルムの巻取時に滑りやすく、わずかなズレが生じてしまい原反フィルム巻取性は△、スラリー塗布特性、グリーンシート打ち抜き性、グリーンシート積層特性ともに○であった。
[実施例6]
A層に帯電防止剤を添加する変更以外は、実施例1と同じ製法にて厚さ31μmの二軸延伸フィルムのロールを得た。離型フィルムとグリーンシートとの剥離がきわめて安定的に行われたため、グリーンシート積層特性は◎とした。
[実施例7]
A層およびB層に帯電防止剤を添加する変更以外は、実施例1と同じ製法にて厚さ31μmの二軸延伸フィルムのロールを得た。原反フィルムの巻取時に、わずかなズレが生じてしまい、原反フィルム巻取性は△。離型フィルムとグリーンシートとの剥離がきわめて安定的に行われたため、グリーンシート積層特性は◎とした。
[比較例1、2、3、4、5、6]
B層に入れる帯電防止剤の添加率を変更した以外は、実施例1、2、3と同じ製法にて厚さ31μmの二軸延伸フィルムのロールを得た。離型層の塗布、グリーンシートの成型(セラミックススラリーの塗布)、内部電極のパターンの形成、グリーンシートの打ち抜き性評価、グリーンシート積層特性についても、実施例1と同様の方法で実施・評価した(以降、実施例、比較例とも同様な加工工程にて実施・評価する)。
原反フィルム巻取性は○、スラリー塗布特性については凹みは確認できないものの付着異物によるピンホールが確認されたため×であった。グリーンシート打ち抜き性は○、グリーンシート積層時の剥離工程では、比較例4を除いて剥離が安定しないため△であった。比較例4は剥離不良が発生し×であった。
[比較例7、8]
B層に入れる帯電防止剤の添加率を変更した以外は、実施例4と同じ製法にて厚さ31μmの二軸延伸フィルムのロールを得た。離型層の塗布、グリーンシートの成型(セラミックススラリーの塗布)、内部電極のパターンの形成、グリーンシートの打ち抜き性評価、グリーンシート積層特性についても、実施例1と同様の方法で実施・評価した(以降、実施例、比較例とも同様な加工工程にて実施・評価する)。
原反フィルム巻取性は○、スラリー塗布特性についてはピンホールが無く、凹みが4個以上認められたため×、グリーンシート打ち抜き性は○、グリーンシート積層特性は○であった。
[比較例9]
B層に入れる帯電防止剤の添加率を変更した以外は、実施例1と同じ製法にて厚さ31μmの二軸延伸フィルムのロールを得た。離型層の塗布、グリーンシートの成型(セラミックススラリーの塗布)、内部電極のパターンの形成、グリーンシートの打ち抜き性評価、グリーンシート積層特性についても、実施例1と同様の方法で実施・評価した(以降、実施例、比較例とも同様な加工工程にて実施・評価する)。
原反フィルムの巻取時に大きく滑り、ズレが生じてしまい原反フィルム巻取性は×、スラリー塗布特性、グリーンシート打ち抜き性、グリーンシート積層特性ともに○であった。
[比較例11]
実施例1において、ポリエステルA対し帯電防止剤(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)を6重量%およびポリエチレングリコール(分子量:4000)を8.4重量%の分量を、B層の溶融押出時に、ベント付き二軸押出機を用いて混練した以外は、実施例1と同じ製法にて厚さ31μmの二軸延伸フィルムのロールを得た。帯電防止剤が凝集し、シリコーンの塗布抜けや、スラリーの塗布抜け(ピンホール)が発生した。このためグリーンシートを積層する際に破れが連続した。
[比較例12]
実施例1のポリエステルHを作成する工程において、ドデシルベンゼンスルホン酸塩AV値を2.04mgKOH/gとした以外は実施例1と同じ製法にて厚さ31μmの二軸延伸フィルムのロールを得た。帯電防止剤が凝集し、シリコーンの塗布抜けや、スラリーの塗布抜け(ピンホール)が発生した。このためグリーンシートを積層する際に破れが連続した。
[比較例13]
実施例1のポリエステルHを作成する工程において、トリメチルホスフェートを添加した直後にドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを添加した以外は実施例1と同じ製法にて厚さ31μmの二軸延伸フィルムのロールを得た。帯電防止剤が凝集し、シリコーンの塗布抜けや、スラリーの塗布抜け(ピンホール)が発生した。このためグリーンシートを積層する際に破れが連続した。
Figure 2017217901
Figure 2017217901
本発明は二軸延伸ポリエステルフィルムをベースとする、離型用ベースフィルム、特に、セラミックスコンデンサーを構成するグリーンシートが薄膜化された際、薄膜グリーンシート成形時の、セラミックススラリーの塗工性および、グリーンシート打ち抜き性およびグリーンシート積層特性が良好となる。

Claims (12)

  1. 2層以上からなるポリエステルフィルムであって、少なくとも一方の最表層がアニオン性帯電防止剤および/または非イオン性帯電防止剤を含み、前記アニオン性帯電防止剤および/または非イオン性帯電防止剤を含む層の表面比抵抗値が1.0×10Ω/□以上1.0×1013Ω/□以下であることを特徴とする離型用二軸配向ポリエステルフィルム。
  2. 一方のフィルム表面の中心線粗さSRaが3nm以上10nm以下であり、もう一方のフィルム表面の中心線粗さが10nm以上50nm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の離型用二軸配向ポリエステルフィルム。
  3. 前記フィルム表面の中心線粗さSRaが3nm以上10nm以下であるフィルム表面を有する層が、アニオン性帯電防止剤および/または非イオン性帯電防止剤を含む請求項2に記載の離型用二軸配向ポリエステルフィルム。
  4. 前記フィルム表面の中心線粗さSRaが10nm以上50nm以下であるフィルフィルム表面を有する層が、アニオン性帯電防止剤および/または非イオン性帯電防止剤を含む請求項2に記載の離型用二軸配向ポリエステルフィルム。
  5. 前記フィルム表面の中心線粗さSRaが3nm以上10nm以下であるフィルム表面を有する層と、前記フィルム表面の中心線粗さSRaが10nm以上50nm以下であるフィルフィルム表面を有する層が、アニオン性帯電防止剤および/または非イオン性帯電防止剤を含む請求項2に記載の離型用二軸配向ポリエステルフィルム。
  6. 積層セラミックスコンデンサーを製造する工程においてグリーンシート成形の支持体に用いられることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の離型用二軸配向ポリエステルフィルム。
  7. ウェアラブル機器用積層セラミックスコンデンサーまたは自動車用積層セラミックスコンデンサーを製造する工程においてグリーンシート成形の支持体に用いられることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の離型用二軸配向ポリエステルフィルム。
  8. 下記(1)〜(3)を満たす工程をその順に含み、下記(4)を満たす、請求項1から4のいずれかに記載の離型用二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法。
    (1)ジカルボン酸成分とジオール成分を温度140〜250℃の間でエステル化反応またはエステル交換反応を行い、ポリエステルの低重合体物を得る工程。
    (2)(1)により得られたポリエステルの低重合体物を、系内を減圧とし、最終重合温度270〜300℃として、重縮合反応を行いポリエステルを得る工程。
    (3)(2)により得られたポリエステルを含むポリエステル原料を溶融製膜機に供して、溶融製膜を行い、二軸配向ポリエステルを得る工程。
    (4)(1)〜(3)の何れかの工程で、アニオン性帯電防止剤および/または非イオン性帯電防止剤を添加する工程。
  9. 前記アニオン性帯電防止剤および/または非イオン性帯電防止剤の添加が、前記(1)の工程中、あるいは前記(1)の工程後前記(2)の工程の減圧を開始する前に行われることを特徴とする、請求項8に記載の離型用二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法。
  10. 前記アニオン性帯電防止剤および/または非イオン性帯電防止剤のAV値が0.01〜1.0mgKOH/gである請求項8または9に記載の離型用二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法。
  11. 前記アニオン性帯電防止剤および/または非イオン性帯電防止剤が、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを含む請求項8〜10のいずれかに記載の離型用二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法。
  12. 前記(1)の工程中、あるいは前記(1)の工程後前記(2)の工程の減圧を開始する前にリン化合物を添加し、リン化合物の添加から20〜40分後に(2)の工程の減圧を開始する、請求項8から11のいずれかに記載の離型用二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法。
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