JP3643441B2 - 複合化離型フィルム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、グリーンシート用離型フイルムに関するものであり、詳しくは、グリーンシートの多層積層法によりセラミック基板を作成する際のスルーホール打ち抜き時にバリ等の発生が無く、打ち抜き性の改良されたグリーンシート用離型フイルムに関する。
【0002】
グリーンシートの多層積層法は、通常、微粉砕されたセラミック原料に解膠剤、結合剤、可塑剤、溶媒等を加えた泥漿を移動している離型フイルム上に流し、乾燥させてグリーンシートを作成する工程と、グリーンシートの断裁、スルーホール打ち抜き、穴埋め、導体印刷、乾燥、フイルム剥離、ラミネート、外形成形、焼成などの工程とから成る。
【0003】
【従来の技術】
半導体集積回路の製造分野においては、その高密度化に伴い、ファインパターン化、多層化が要求されている。多層化にはスルーホールが必要であり、また、高密度化には、一層のファインパターン化と共にスルーホールの狭小化が必要である。
【0004】
ところで、スルーホールは、導電性塗料が充填されて積層間の導通回路とされるが、離型フイルムとしてポリエステルフイルムを使用した場合、スルーホール打ち抜き時にバリが発生して良好なスルーホールが得られないと言う問題がある。すなわち、バリの発生は、特に、狭いスルーホールの場合、導電性塗料の充填に支障を来たし、不良率を高める原因となる。また、発生したバリにより、グリーンシートが破損してスルーホールの穴の大きさが変化すると言う問題もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その目的は、グリーンシート多層積層法によるセラミック基板を作成する際のスルーホール打ち抜き時にバリ等の発生が無く打ち抜き性の良好なグリーンシート用離型フイルムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記実情に鑑み鋭意検討した結果、特定の構成を有するフィルムによれば、上記課題が容易に解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明の要旨は、少なくとも2層からなる共押出により積層されたポリエステルフィルムの少なくとも 片面に離型層設けてなる複合化離型フィルムであって、離型層を設けた側のポリエステル層の総厚みがフィルム総厚みの50%以下であり、該ポリエステル層の粒子含有量が1重量%未満であり、且つ、下記式(1)〜(4)を同時に満足することを特徴とする複合化離型フィルムに存する。
【0007】
【数3】
100≦EBβ+EBγ≦200・・・(1)
0.03≦Ra≦0.1・・・(2)
0.1≦d50≦1 ・・・(3)
5≦WA≦20 ・・・(4)
(上記式中、EBβおよびEBγはそれぞれフィルムのβ軸およびγ軸方向の破断時伸び率(%)、Raは離型層表面の中心線平均粗さ(μm)、d50およびWAは離型層を設けない側のポリエステル層に含有される粒子の平均粒径(μm)および粒子添加量(重量%)を表す。)
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明にいう、積層ポリエステルフィルムとは、全ての層が押出口金から共に溶融押し出される、いわゆる共押出法により押し出されたフィルムであって、後に縦方向および横方向の二軸方向に配向させたフィルムからなる。
【0009】
本発明において、積層された各層を構成するポリエステルはホモポリエステルであっても共重合ポリエステルであってもよい。
ホモポリエステルからなる場合、かかるポリエステルは、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られる。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。代表的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(PEN)等が例示される。
【0010】
一方、共重合ポリエステルの場合は、30モル%以下の第三成分を含有した共重合体を用いればよい。かかる共重合ポリエステルのジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、フタル酸テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、およびオキシカルボン酸(例えば、P−オキシ安息香酸など)の一種または、二種以上が挙げられ、グリコール成分として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール等の一種または二種以上が挙げられる。
【0011】
本発明において、積層ポリエステルフィルムを構成する一つの層に含有される粒子の種類としてはシリカ、炭酸カルシウム、カオリン、酸化チタン等の粒子が挙げられる。粒子の平均粒径およびその添加量については、下記式(3)および(4)を同時満足することが好ましい。
【0012】
【数4】
0.1≦d50≦1 ………(3)
5≦WA≦20 ………(4)
【0013】
(上記式中、d50は粒子の平均粒径(μm)、WAは粒子の添加量(重量%)を表す)
添加する粒子の平均粒径が0.1μm未満の場合、スラリー中において粒子が凝集しやすい傾向があり、一方、平均粒径が1μmを超える粒子を添加する場合、当該粒子を添加した層の表面粗度が粗くなり、離型層を設ける側の層の表面粗度を粗面化させ、その結果得られるグリーンシートの表面が平滑になり難いことがある。さらに添加する粒子の添加量が1重量%未満では、得られる複合化離型フィルムの破断時伸び率が高くなる傾向があり、その結果、スルーホール打ち抜き時のバリが発生しやすくなる恐れがある。一方、粒子添加量が30重量%を超える場合には、フィルムの機械的強度が低下する傾向がある。
【0014】
積層された層のうち、ポリエステルに粒子を配合する方法としては、特に限定されるものではなく、公知の方法を採用し得る。例えば、ポリエステルを製造する任意の段階において添加することができるが、エステル化の段階、もしくはエステル交換反応終了後、重縮合反応開始前の段階でエチレングリコール等に分散させたスラリーとして添加し、重縮合反応を進めてもよい。またベント付き混練押出機を用いエチレングリコールまたは水などに分散させた粒子のスラリ−とポリエステル原料とをブレンドする方法、または混練押出機を用い、乾燥させた粒子とポリエステル原料とをブレンドする方法などによっても行うことができる。
【0015】
一方、本発明でいう複合化離型フィルムの離型層を設ける側の層の粒子添加量は1重量%未満であることが好ましい。かかる層への粒子添加量が1重量%以上の場合、その上に離型層を設けたときに、離型層表面が平滑になり難い場合がある。
本発明の複合化離型フィルムのβ軸およびγ軸方向の破断時伸び率(%)は下記式(1)を満足する必要がある。
【0016】
【数5】
100≦EBβ+EBγ≦200 ………(1)
【0017】
(上記式中、EBβおよびEBγはそれぞれフィルムのβ軸およびγ軸方向の破断時伸び率(%)を表す)
本発明における複合化離型フィルムにおいて、β軸およびγ軸方向の破断時伸び率の合計が100%未満の場合、フィルム自体が脆く、スルーホール打ち抜き時にフィルムが破れやすくなる。一方、200%を超える場合には、スルーホール打ち抜き時にバリが発生しやすくなる。
【0018】
また、上記(1)式を満足した上で、さらに追加的条件としてγ軸方向とβ軸方向の破断時伸び率の絶対値の差が0〜40%の範囲にあることが用途上好ましい。
本発明において離型層を設けた面の中心線平均粗さ(Ra)は下記式(2)を満足する必要がある。
【0019】
【数6】
0.03≦Ra≦0.1 ………(2)
【0020】
特にグリーンシート製造用として本発明の複合化離型フィルムを使用する場合、離型層を設けた面の中心線平均粗さRaが0.03μm未満では、フィルムの製膜性が非常に難しく、安定性に欠ける。一方、上記Raが0.1μmを超えると、でき上ったグリーンシート表面の平滑性が十分ではない。本発明において、上記(2)式を満足することにより、でき上がったグリーンシート表面が平滑になり、集積回路の高密度化に伴い、将来的にさらなる薄膜化・多層化が要求されても対応可能なグリーンシートを製造することができる。
【0021】
なお、離型層を一方の面にのみ設ける場合には、離型層を設けない面のRaは0.1μmを超えていてもよく、また両面に離型層を設ける場合、それぞれの面のRaは上記(2)式を満足すれば、同一である必要はない。
本発明の複合化離型フィルムは、フィルムとして製膜できる厚さであればよく、総厚みで25〜350μm、さらには50〜188μmの範囲が良い。また、複合化された離型フィルムの離型層を設ける側の層の厚みとしては、フィルム総厚みの50%以下、さらには30%以下、特に10%以下が用途上、好適である。50%を超える場合には、離型層を設けた側の層自体の粒子含有量が少ないために、得られる複合化離型フィルム自体の破断時伸び率が大きくなり、スルーホール打ち抜き時にバリが発生しやすくなる傾向がある。
【0022】
次に本発明における積層二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法について具体的に説明するが、本発明のフィルムは以下の製造例に何ら限定されるものではない。
すなわち、先に述べたポリエステル原料を使用し、複数台の押出機、複数層のマルチマニホールドダイまたはフィードブロックを用い、それぞれのポリエステルを積層して口金から複数層の溶融シートを押出し、冷却ロールで冷却固化して未延伸シートを得る方法が好ましい。この場合、シートの平面性を向上させるためシートと回転冷却ドラムとの密着性を高めることが好ましく、静電印加密着法および/または液体塗布密着法が好ましく採用される。
【0023】
次いで、得られた未延伸フィルムは二軸方向に延伸して二軸配向される。すなわち、まず、前記の未延伸シートを一方向にロールまたは、テンター方式の延伸機により延伸する。延伸温度は、通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃であり、延伸倍率は、通常2.5〜7倍、好ましくは3.0〜6倍である。次いで、一段目の延伸方向と直交する方向に延伸を行う。延伸温度は、通常70〜120℃、好ましくは80〜115℃であり、延伸倍率は、通常3.0〜7倍、好ましくは3.5〜6倍である。そして、引き続き、130〜250℃の範囲の温度で30%以内の弛緩下で熱処理を行い、二軸延伸フィルムを得る。該延伸工程中にフィルム表面を処理する、いわゆるインラインコ−ティングを施すことができる。それは、以下に限定するものではないが、例えば、1段目の延伸が終了して、2段目の延伸前に、帯電防止性、滑り性、接着性等の改良、二次加工性改良等の目的で、水溶液、水系エマルジョン、水系スラリー等のコ−ティング処理を施すことができる。
【0024】
上記の延伸においては、一方向の延伸を2段階以上で行う方法を用いることもできる。その場合、最終的に二方向の延伸倍率がそれぞれ上記範囲となるように行うのが好ましい。また、前記の未延伸シートを面積倍率が10〜40倍になるように同時二軸延伸を行うことも可能である。さらに、必要に応じて熱処理を行う前または後に再度縦および/または横方向に延伸してもよい。
【0025】
また、ポリエステルフィルムには、各種安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、顔料、酸化防止剤および可塑剤などが添加されてもよい。
本発明において離型層に用いる樹脂は、硬化性シリコーン樹脂を主成分とするものが好ましく、その種類は溶剤付加型・溶剤縮合型・溶剤紫外線硬化型、無溶剤付加型、無溶剤縮合型、無溶剤紫外線硬化型、無溶剤電子線硬化型等いずれの硬化反応タイプでも用いることができる。
【0026】
本発明に用いるシリコーン硬化性樹脂の具体例を挙げると、信越化学工業社製KS−774、KS−775、KS−778、KS−779H、KS−856、X−62−2422、X−62−2461、KNS−305、KNS−3000、X−62−1256、ダウ・コーニング・アジア社製DKQ3−202、DKQ3−203、DKQ3−204、DKQ3−205、DKQ3−210、東芝シリコーン社製YSR−3022、TPR−6700、TPR−6720、TPR−6721等が挙げられる。
【0027】
本発明において、積層ポリエステルフィルムに硬化シリコーン樹脂塗膜を設ける方法として、バーコート、リバースロールコート、グラビアコート、ロッドコート、エアドクターコート、ドクターブレードコート等、従来公知の塗工方式を用いることができる。
硬化性シリコーン樹脂を主成分とする離型層の厚みは塗工性の面より0.01〜5μmが好ましい。離型層の厚みが0.01μm未満になると、安定性に欠け、均一な塗膜を得られないことがあり、一方、5μmを超えて厚塗りにすると、実用上問題が生じる場合がある。
【0028】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例中「部」とあるのは固型分としての「重量部」を示す。また、本発明で用いた評価方法は次のとおりである。
(1)平均粒径(d50)測定方法
フィルム小片をエポキシ樹脂にて固定成形した後、ミクロトームで切断し、フィルムの長手方向の断面を透過型電子顕微鏡にて観察した。フィルム中に存在する粒子につき、フィルム表面と平行に引いた線でその最大径を求めてDmax とし、その線と直交する最大径をDminとし、下記式にて粒子毎にその粒径(直径)を算出した。
【0029】
【数7】
粒径(直径)=(Dmax +Dmin )/2
粒子群の平均粒径は、上記の粒径を少なくとも100個の粒子について求め、かかる粒径の等価球換算値の体積分率50%の点で平均粒径とした。
【0030】
(2)セラミックスラリー塗工性評価
セラミックスラリーを離型フィルムに塗工した直後の状態を目視にて観察し、下記判断基準により評価した。
《判定基準》
〇・・・塗工性良好
△・・・塗工ムラ発生(実用上、問題にならないレベル)
×・・・塗工ムラ発生(実用上、問題になるレベル)
【0031】
(3)スルーホール打ち抜き性評価
ライオン事務機社製「2HOLE PUNCH No.35」を使用し、試料フィルムを打ち抜き、打ち抜かれた部分をキーエンス社製デジタルマイクロスコープ「VH−6200」にて200倍で難察し、下記3段階評価にて判定した。
《判定基準》
〇・・・バリが殆ど観察されない
△・・・バリが観察される(実用上、問題にならないレベル)
×・・・バリが観察される(実用上、問題になるレベル)
【0032】
(4)試料フィルムのγ軸とβ軸の決定
野村商事社製「SONIC SHEET TESTER SSTー250 型」を使用し、ターンテーブル上に試料フィルムを載せ、面方向の伝播速度を回転させながら測定した。測定結果より、伝播速度が最大値を示す方向をγ軸とし、それに直交する方向をβ軸とした。
【0033】
(5)破断時伸び率評価方法
引張試験機(インテスコ社製「インテスコモデル2001型」)を使用し、温度23度、湿度50%RH雰囲気下において、チャック間距離50mm、幅10mmの試料フィルムを500mm/分の速度で引張り、応力ー歪み曲線より下記式にて引張破断伸度を求めた。
【0034】
【数8】
引張破断伸度(%)=[(L−L0 )/L0 ]×100
(上記式中、Lは破断時のチャック間距離、L0 はチャック間距離を示す)
【0035】
(6)表面粗さ(Ra)評価方法
離型層を設けた面の中心線平均粗さRa(μm)を持って表面粗さとした。小坂研究所社製表面粗さ測定機(SE−3F)を用い、JIS−B−0601−1982に準じて測定した。ただし、カットオフ値80μm、測定長2.5mmとした。
(7)剥離性(FA )評価方法
測定試料のシリコーン層に両面粘着テープ(日東電工社製「No.502」)の片面を貼り付けた後、50mm×300mmのサイズにカットした後、1時間放置後の剥離力を測定した。剥離力は、引張試験機(インテスコ社製「インテスコモデル2001型」)を使用し、引張速度300mm/分の条件下で行った。
【0036】
(原料ポリエステルの製造)
製造例1(ポリエステルA)
ジメチルテレフタレート100部、エチレングリコール60部および酢酸マグネシウム・4水塩0.09部を反応器にとり、加熱昇温すると共にメタノールを留去し、エステル交換反応を行い、反応開始から4時間を要して230℃に昇温し、実質的にエステル交換反応を終了した。次いで、平均粒径1.5μmのシリカ粒子3部、燐酸0.04部、三酸化アンチモン0.04部を添加した後、100分で温度を280℃、圧力を15mmHgとし、以後も徐々に圧力を減じ、最終的に0.05mmHgとした。4時間後、系内を常圧に戻して、ポリエステルAを得た。ポリエステルAのシリカ粒子含有量は3重量%であった。
【0037】
製造例2(ポリエステルB)
製造例1において、平均粒径1.5μmのシリカ粒子3部を添加しない以外は製造例1と同様にしてポリエステルBを得た。
製造例3(ポリエステルB1)
製造例1において、平均粒径1.5μmのシリカ粒子の添加量を10部とする以外は製造例1と同様にしてポリエステルB1を得た。ポリエステルB1のシリカ粒子含有量は10重量%であった。
【0038】
製造例4(ポリエステルC)
製造例1において、平均粒径1.5μmのシリカ粒子を添加する代わりに、平均粒径0.3μmの酸化チタン粒子を0.5部添加する以外は製造例1と同様にしてポリエステルCを得た。ポリエステルCの酸化チタン粒子の含有量は0.5重量%であった。
【0039】
製造例5(ポリエステルD) 製造例2において得られたポリエステルB70部と平均粒径1.0μmの酸化チタン粒子30部とをドライブレンドし、二軸混練押出機を使用して押出し、ポリエステルDを得た。ポリエステルDの酸化チタン粒子の含有量は30重量%であった。
【0040】
製造例6(ポリエステルE)
製造例2において得られたポリエステルB95部と平均粒径0.5μmの炭酸カルシウム粒子5部とをドライブレンドし、二軸混練押出機を使用して押出し、ポリエステルEを得た。ポリエステルEの炭酸カルシウム粒子の含有量は5重量%であった。
【0041】
製造例7(ポリエステルF)
製造例2において得られたポリエステルB80部と平均粒径0.5μmの炭酸カルシウム粒子10部とをドライブレンドし、二軸混練押出機を使用して押出しポリエステルFを得た。ポリエステルFの炭酸カルシウム粒子の含有量は10重量%であった。
【0042】
製造例8(ポリエステルG)
製造例2において得られたポリエステルB80部と平均粒径0.3μmの酸化チタン粒子10部とをドライブレンドし、二軸混練押出機を使用して押出し、ポリエステルGを得た。ポリエステルGの酸化チタン粒子の含有量は10重量%であった。
【0043】
〈ポリエステルフィルムの製造〉
製造例9(ポリエステルフィルムF1)
ポリエステルBとポリエステルAを別々に配合した後、180℃で4時間不活性ガス雰囲気中で乾燥し、別個の溶融押出機により290℃で溶融押出し、これらのポリマーをフィードブロック内で合流して積層し、静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定した冷却ロール上で冷却固化して積層未延伸シートを得た。得られたシートを85℃で3.8倍縦方向に延伸した。次いで、フィルムをテンターに導き、125℃で3.6倍横方向に延伸した後、230℃にて熱固定を行い、積層ポリエステルフィルム75μmを得た。層構成はB/Aであり、各層の厚さは15/60(μm)であった。
【0044】
製造例10(ポリエステルフィルムF2)
製造例9において、ポリエステルAの代わりにポリエステルCを使用した以外は製造例9と同様にして製造し、積層ポリエステルフィルム75μmを得た。層構成はB/Cであり、各層の厚さは5/70(μm)であった。
製造例11(ポリエステルフィルムF3)
製造例9において、ポリエステルAおよびBの代わりにポリエステルB1およびDを使用した以外は製造例9と同様にして製造し、積層ポリエステルフィルム75μmを得た。層構成はB1/Dであり、各層の厚さは50/25(μm)であった。
【0045】
製造例12(ポリエステルフィルムF4)
製造例9において、ポリエステルAの代わりにポリエステルEを使用した以外は製造例9と同様にして製造し、積層ポリエステルフィルム75μmを得た。層構成はB/Eであり、各層の厚さは5/70(μm)であった。
製造例13(ポリエステルフィルムF5)
製造例9において、ポリエステルAの代わりにポリエステルFを使用した以外は製造例9と同様にして製造し、積層ポリエステルフィルム75μmを得た。層構成はB/Fであり、各層の厚さは35/40(μm)であった。
【0046】
製造例14(ポリエステルフィルムF6)
製造例9において、ポリエステルAの代わりにポリエステルGを使用した以外は製造例9と同様にして製造し、積層ポリエステルフィルム75μmを得た。層構成はB/Gであり、各層の厚さは35/40(μm)であった。
製造例15(ポリエステルフィルムF7)
製造例9において、ポリエステルAの代わりにポリエステルDを使用した以外は製造例9と同様にして製造し、積層ポリエステルフィルム75μmを得た。層構成はB/Dであり、各層の厚さは10/65(μm)であった。
【0047】
実施例1
製造例12で得られたポリエステルフィルムF4(75μm)に下記組成からなる離型剤をB層の上に設けてなる複合化離型フィルムを得た。このフィルムの特性を下記表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】
実施例2
製造例13で得られたポリエステルフィルムF5(75μm)を用いる以外は実施例1と同様にB層の上に離型層を設けて、複合化離型フィルムを得た。このフィルム特性を表1に示す。
実施例3
製造例14で得られたポリエステルフィルムF6(75μm)を用いる以外は実施例1と同様にB層の上に離型層を設けて、複合化離型フィルムを得た。このフィルム特性を表1に示す。
【0050】
比較例1
製造例9で得られたポリエステルフィルムF1(75μm)を用いる以外は実施例1と同様にB層の上に離型層を設けて、複合化離型フィルムを得た。このフィルム特性を表1に示す。
【0051】
比較例2
製造例10で得られたポリエステルフィルムF2(75μm)を用いる以外は実施例1と同様にB層の上に離型層を設けて、複合化離型フィルムを得た。このフィルム特性を表1に示す。
比較例3
製造例11で得られたポリエステルフィルムF3(75μm)を用いる以外は実施例1と同様にB層の上に離型層を設けて、複合化離型フィルムを得た。このフィルム特性を表1に示す。
【0052】
比較例4
製造例15で得られたポリエステルフィルムF7(75μm)を用いる以外は実施例1と同様にB層の上に離型層を設けて、複合化離型フィルムを得た。このフィルム特性を表1に示す。
【0053】
【表2】
【0054】
【発明の効果】
本発明は、セラミックシート製造分野において、特にセラミック基板用にグリーンシート製造工程中のスルーホール打ち抜き時にバリ等の発生がなく、打ち抜き性良好でかつ平滑な表面を有するグリーンシートを製造できる複合化離型フィルムを提供する。
Claims (1)
- 少なくとも2層からなる共押出により積層されたポリエステルフィルムの少なくとも 片面に離型層設けてなる複合化離型フィルムであって、離型層を設けた側のポリエステル層の総厚みがフィルム総厚みの50%以下であり、該ポリエステル層の粒子含有量が1重量%未満であり、且つ、下記式(1)〜(4)を同時に満足することを特徴とする複合化離型フィルム。
【数1】
100≦EBβ+EBγ≦200・・・(1)
0.03≦Ra≦0.1・・・(2)
0.1≦d50≦1 ・・・(3)
5≦WA≦20 ・・・(4)
(上記式中、EBβおよびEBγはそれぞれフィルムのβ軸およびγ軸方向の破断時伸び率(%)、Raは離型層表面の中心線平均粗さ(μm)、d50およびWAは離型層を設けない側のポリエステル層に含有される粒子の平均粒径(μm)および粒子添加量(重量%)を表す。)
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