JPH1029287A - 複合化離型フィルム - Google Patents

複合化離型フィルム

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JPH1029287A
JPH1029287A JP8187850A JP18785096A JPH1029287A JP H1029287 A JPH1029287 A JP H1029287A JP 8187850 A JP8187850 A JP 8187850A JP 18785096 A JP18785096 A JP 18785096A JP H1029287 A JPH1029287 A JP H1029287A
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公裕 井崎
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慶英 尾崎
Masashi Inagaki
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 グリーンシート多層積層法によるセラミック
基板を作成する際のスルーホール打ち抜き時にバリ等の
発生が無く打ち抜き性の良好なグリーンシート用離型フ
イルムを提供する。 【解決手段】 少なくとも2層からなる共押出により積
層されたポリエステルフィルムの少なくとも片面に離型
層を設けてなる複合化離型フィルムであって、下記式
(1)および(2)を同時に満足することを特徴とする
複合化離型フィルム。 【数1】 100≦EBβ+EBγ≦200 ………(1) 0.03≦Ra≦0.1 ………(2) (上記式中、EBβおよびEBγはそれぞれフィルムの
β軸およびγ軸方向の破断時伸び率(%)、Raは離型
層表面の中心線平均粗さ(μm)を表す)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、グリーンシート用
離型フイルムに関するものであり、詳しくは、グリーン
シートの多層積層法によりセラミック基板を作成する際
のスルーホール打ち抜き時にバリ等の発生が無く、打ち
抜き性の改良されたグリーンシート用離型フイルムに関
する。
【0002】グリーンシートの多層積層法は、通常、微
粉砕されたセラミック原料に解膠剤、結合剤、可塑剤、
溶媒等を加えた泥漿を移動している離型フイルム上に流
し、乾燥させてグリーンシートを作成する工程と、グリ
ーンシートの断裁、スルーホール打ち抜き、穴埋め、導
体印刷、乾燥、フイルム剥離、ラミネート、外形成形、
焼成などの工程とから成る。
【0003】
【従来の技術】半導体集積回路の製造分野においては、
その高密度化に伴い、ファインパターン化、多層化が要
求されている。多層化にはスルーホールが必要であり、
また、高密度化には、一層のファインパターン化と共に
スルーホールの狭小化が必要である。
【0004】ところで、スルーホールは、導電性塗料が
充填されて積層間の導通回路とされるが、離型フイルム
としてポリエステルフイルムを使用した場合、スルーホ
ール打ち抜き時にバリが発生して良好なスルーホールが
得られないと言う問題がある。すなわち、バリの発生
は、特に、狭いスルーホールの場合、導電性塗料の充填
に支障を来たし、不良率を高める原因となる。また、発
生したバリにより、グリーンシートが破損してスルーホ
ールの穴の大きさが変化すると言う問題もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情に
鑑みなされたものであり、その目的は、グリーンシート
多層積層法によるセラミック基板を作成する際のスルー
ホール打ち抜き時にバリ等の発生が無く打ち抜き性の良
好なグリーンシート用離型フイルムを提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記実情に
鑑み鋭意検討した結果、特定の構成を有するフィルムに
よれば、上記課題が容易に解決できることを見いだし、
本発明を完成するに至った。すなわち、本発明の要旨
は、少なくとも2層からなる共押出により積層されたポ
リエステルフィルムの少なくとも片面に離型層を設けて
なる複合化離型フィルムであって、下記式(1)および
(2)を同時に満足することを特徴とする複合化離型フ
ィルムに存する。
【0007】
【数3】 100≦EBβ+EBγ≦200 ………(1) 0.03≦Ra≦0.1 ………(2) (上記式中、EBβおよびEBγはそれぞれフィルムの
β軸およびγ軸方向の破断時伸び率(%)、Raは離型
層表面の中心線平均粗さ(μm)を表す)
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明にいう、積層ポリエステルフィルムとは、全ての
層が押出口金から共に溶融押し出される、いわゆる共押
出法により押し出されたフィルムであって、後に縦方向
および横方向の二軸方向に配向させたフィルムからな
る。
【0009】本発明において、積層された各層を構成す
るポリエステルはホモポリエステルであっても共重合ポ
リエステルであってもよい。ホモポリエステルからなる
場合、かかるポリエステルは、芳香族ジカルボン酸と脂
肪族グリコールとを重縮合させて得られる。芳香族ジカ
ルボン酸としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレン
ジカルボン酸などが挙げられ、脂肪族グリコールとして
は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,
4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。代表
的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレー
ト(PET)、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカ
ルボキシレート(PEN)等が例示される。
【0010】一方、共重合ポリエステルの場合は、30
モル%以下の第三成分を含有した共重合体を用いればよ
い。かかる共重合ポリエステルのジカルボン酸成分とし
ては、イソフタル酸、フタル酸テレフタル酸、2,6−
ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、お
よびオキシカルボン酸(例えば、P−オキシ安息香酸な
ど)の一種または、二種以上が挙げられ、グリコール成
分として、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ブタンジオール、1,4−
シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール
等の一種または二種以上が挙げられる。
【0011】本発明において、積層ポリエステルフィル
ムを構成する一つの層に含有される粒子の種類としては
シリカ、炭酸カルシウム、カオリン、酸化チタン等の粒
子が挙げられる。粒子の平均粒径およびその添加量につ
いては、下記式(3)および(4)を同時満足すること
が好ましい。
【0012】
【数4】0.1≦d50≦1 ………(3) 5≦WA≦20 ………(4)
【0013】(上記式中、d50は粒子の平均粒径(μ
m)、WAは粒子の添加量(重量%)を表す) 添加する粒子の平均粒径が0.1μm未満の場合、スラ
リー中において粒子が凝集しやすい傾向があり、一方、
平均粒径が1μmを超える粒子を添加する場合、当該粒
子を添加した層の表面粗度が粗くなり、離型層を設ける
側の層の表面粗度を粗面化させ、その結果得られるグリ
ーンシートの表面が平滑になり難いことがある。さらに
添加する粒子の添加量が1重量%未満では、得られる複
合化離型フィルムの破断時伸び率が高くなる傾向があ
り、その結果、スルーホール打ち抜き時のバリが発生し
やすくなる恐れがある。一方、粒子添加量が30重量%
を超える場合には、フィルムの機械的強度が低下する傾
向がある。
【0014】積層された層のうち、ポリエステルに粒子
を配合する方法としては、特に限定されるものではな
く、公知の方法を採用し得る。例えば、ポリエステルを
製造する任意の段階において添加することができるが、
エステル化の段階、もしくはエステル交換反応終了後、
重縮合反応開始前の段階でエチレングリコール等に分散
させたスラリーとして添加し、重縮合反応を進めてもよ
い。またベント付き混練押出機を用いエチレングリコー
ルまたは水などに分散させた粒子のスラリ−とポリエス
テル原料とをブレンドする方法、または混練押出機を用
い、乾燥させた粒子とポリエステル原料とをブレンドす
る方法などによっても行うことができる。
【0015】一方、本発明でいう複合化離型フィルムの
離型層を設ける側の層の粒子添加量は1重量%未満であ
ることが好ましい。かかる層への粒子添加量が1重量%
以上の場合、その上に離型層を設けたときに、離型層表
面が平滑になり難い場合がある。本発明の複合化離型フ
ィルムのβ軸およびγ軸方向の破断時伸び率(%)は下
記式(1)を満足する必要がある。
【0016】
【数5】 100≦EBβ+EBγ≦200 ………(1)
【0017】(上記式中、EBβおよびEBγはそれぞ
れフィルムのβ軸およびγ軸方向の破断時伸び率(%)
を表す) 本発明における複合化離型フィルムにおいて、β軸およ
びγ軸方向の破断時伸び率の合計が100%未満の場
合、フィルム自体が脆く、スルーホール打ち抜き時にフ
ィルムが破れやすくなる。一方、200%を超える場合
には、スルーホール打ち抜き時にバリが発生しやすくな
る。
【0018】また、上記(1)式を満足した上で、さら
に追加的条件としてγ軸方向とβ軸方向の破断時伸び率
の絶対値の差が0〜40%の範囲にあることが用途上好
ましい。本発明において離型層を設けた面の中心線平均
粗さ(Ra)は下記式(2)を満足する必要がある。
【0019】
【数6】0.03≦Ra≦0.1 ………(2)
【0020】特にグリーンシート製造用として本発明の
複合化離型フィルムを使用する場合、離型層を設けた面
の中心線平均粗さRaが0.03μm未満では、フィル
ムの製膜性が非常に難しく、安定性に欠ける。一方、上
記Raが0.1μmを超えると、でき上ったグリーンシ
ート表面の平滑性が十分ではない。本発明において、上
記(2)式を満足することにより、でき上がったグリー
ンシート表面が平滑になり、集積回路の高密度化に伴
い、将来的にさらなる薄膜化・多層化が要求されても対
応可能なグリーンシートを製造することができる。
【0021】なお、離型層を一方の面にのみ設ける場合
には、離型層を設けない面のRaは0.1μmを超えて
いてもよく、また両面に離型層を設ける場合、それぞれ
の面のRaは上記(2)式を満足すれば、同一である必
要はない。本発明の複合化離型フィルムは、フィルムと
して製膜できる厚さであればよく、総厚みで25〜35
0μm、さらには50〜188μmの範囲が良い。ま
た、複合化された離型フィルムの離型層を設ける側の層
の厚みとしては、フィルム総厚みの50%以下、さらに
は30%以下、特に10%以下が用途上、好適である。
50%を超える場合には、離型層を設けた側の層自体の
粒子含有量が少ないために、得られる複合化離型フィル
ム自体の破断時伸び率が大きくなり、スルーホール打ち
抜き時にバリが発生しやすくなる傾向がある。
【0022】次に本発明における積層二軸延伸ポリエス
テルフィルムの製造方法について具体的に説明するが、
本発明のフィルムは以下の製造例に何ら限定されるもの
ではない。すなわち、先に述べたポリエステル原料を使
用し、複数台の押出機、複数層のマルチマニホールドダ
イまたはフィードブロックを用い、それぞれのポリエス
テルを積層して口金から複数層の溶融シートを押出し、
冷却ロールで冷却固化して未延伸シートを得る方法が好
ましい。この場合、シートの平面性を向上させるためシ
ートと回転冷却ドラムとの密着性を高めることが好まし
く、静電印加密着法および/または液体塗布密着法が好
ましく採用される。
【0023】次いで、得られた未延伸フィルムは二軸方
向に延伸して二軸配向される。すなわち、まず、前記の
未延伸シートを一方向にロールまたは、テンター方式の
延伸機により延伸する。延伸温度は、通常70〜120
℃、好ましくは80〜110℃であり、延伸倍率は、通
常2.5〜7倍、好ましくは3.0〜6倍である。次い
で、一段目の延伸方向と直交する方向に延伸を行う。延
伸温度は、通常70〜120℃、好ましくは80〜11
5℃であり、延伸倍率は、通常3.0〜7倍、好ましく
は3.5〜6倍である。そして、引き続き、130〜2
50℃の範囲の温度で30%以内の弛緩下で熱処理を行
い、二軸延伸フィルムを得る。該延伸工程中にフィルム
表面を処理する、いわゆるインラインコ−ティングを施
すことができる。それは、以下に限定するものではない
が、例えば、1段目の延伸が終了して、2段目の延伸前
に、帯電防止性、滑り性、接着性等の改良、二次加工性
改良等の目的で、水溶液、水系エマルジョン、水系スラ
リー等のコ−ティング処理を施すことができる。
【0024】上記の延伸においては、一方向の延伸を2
段階以上で行う方法を用いることもできる。その場合、
最終的に二方向の延伸倍率がそれぞれ上記範囲となるよ
うに行うのが好ましい。また、前記の未延伸シートを面
積倍率が10〜40倍になるように同時二軸延伸を行う
ことも可能である。さらに、必要に応じて熱処理を行う
前または後に再度縦および/または横方向に延伸しても
よい。
【0025】また、ポリエステルフィルムには、各種安
定剤、紫外線吸収剤、滑剤、顔料、酸化防止剤および可
塑剤などが添加されてもよい。本発明において離型層に
用いる樹脂は、硬化性シリコーン樹脂を主成分とするも
のが好ましく、その種類は溶剤付加型・溶剤縮合型・溶
剤紫外線硬化型、無溶剤付加型、無溶剤縮合型、無溶剤
紫外線硬化型、無溶剤電子線硬化型等いずれの硬化反応
タイプでも用いることができる。
【0026】本発明に用いるシリコーン硬化性樹脂の具
体例を挙げると、信越化学工業社製KS−774、KS
−775、KS−778、KS−779H、KS−85
6、X−62−2422、X−62−2461、KNS
−305、KNS−3000、X−62−1256、ダ
ウ・コーニング・アジア社製DKQ3−202、DKQ
3−203、DKQ3−204、DKQ3−205、D
KQ3−210、東芝シリコーン社製YSR−302
2、TPR−6700、TPR−6720、TPR−6
721等が挙げられる。
【0027】本発明において、積層ポリエステルフィル
ムに硬化シリコーン樹脂塗膜を設ける方法として、バー
コート、リバースロールコート、グラビアコート、ロッ
ドコート、エアドクターコート、ドクターブレードコー
ト等、従来公知の塗工方式を用いることができる。硬化
性シリコーン樹脂を主成分とする離型層の厚みは塗工性
の面より0.01〜5μmが好ましい。離型層の厚みが
0.01μm未満になると、安定性に欠け、均一な塗膜
を得られないことがあり、一方、5μmを超えて厚塗り
にすると、実用上問題が生じる場合がある。
【0028】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。なお、実施例および比較例中「部」とあるのは固型
分としての「重量部」を示す。また、本発明で用いた評
価方法は次のとおりである。 (1)平均粒径(d50)測定方法 フィルム小片をエポキシ樹脂にて固定成形した後、ミク
ロトームで切断し、フィルムの長手方向の断面を透過型
電子顕微鏡にて観察した。フィルム中に存在する粒子に
つき、フィルム表面と平行に引いた線でその最大径を求
めてDmax とし、その線と直交する最大径をDminと
し、下記式にて粒子毎にその粒径(直径)を算出した。
【0029】
【数7】粒径(直径)=(Dmax +Dmin )/2 粒子群の平均粒径は、上記の粒径を少なくとも100個
の粒子について求め、かかる粒径の等価球換算値の体積
分率50%の点で平均粒径とした。
【0030】(2)セラミックスラリー塗工性評価 セラミックスラリーを離型フィルムに塗工した直後の状
態を目視にて観察し、下記判断基準により評価した。 《判定基準》 〇・・・塗工性良好 △・・・塗工ムラ発生(実用上、問題にならないレベ
ル) ×・・・塗工ムラ発生(実用上、問題になるレベル)
【0031】(3)スルーホール打ち抜き性評価 ライオン事務機社製「2HOLE PUNCH No.3
5」を使用し、試料フィルムを打ち抜き、打ち抜かれた
部分をキーエンス社製デジタルマイクロスコープ「VH
−6200」にて200倍で難察し、下記3段階評価に
て判定した。 《判定基準》 〇・・・バリが殆ど観察されない △・・・バリが観察される(実用上、問題にならないレ
ベル) ×・・・バリが観察される(実用上、問題になるレベ
ル)
【0032】(4)試料フィルムのγ軸とβ軸の決定 野村商事社製「SONIC SHEET TESTER
SSTー250 型」を使用し、ターンテーブル上に試
料フィルムを載せ、面方向の伝播速度を回転させながら
測定した。測定結果より、伝播速度が最大値を示す方向
をγ軸とし、それに直交する方向をβ軸とした。
【0033】(5)破断時伸び率評価方法 引張試験機(インテスコ社製「インテスコモデル200
1型」)を使用し、温度23度、湿度50%RH雰囲気
下において、チャック間距離50mm、幅10mmの試
料フィルムを500mm/分の速度で引張り、応力ー歪
み曲線より下記式にて引張破断伸度を求めた。
【0034】
【数8】 引張破断伸度(%)=[(L−L0 )/L0 ]×100 (上記式中、Lは破断時のチャック間距離、L0 はチャ
ック間距離を示す)
【0035】(6)表面粗さ(Ra)評価方法 離型層を設けた面の中心線平均粗さRa(μm)を持っ
て表面粗さとした。小坂研究所社製表面粗さ測定機(S
E−3F)を用い、JIS−B−0601−1982に
準じて測定した。ただし、カットオフ値80μm、測定
長2.5mmとした。 (7)剥離性(FA )評価方法 測定試料のシリコーン層に両面粘着テープ(日東電工社
製「No.502」)の片面を貼り付けた後、50mm
×300mmのサイズにカットした後、1時間放置後の
剥離力を測定した。剥離力は、引張試験機(インテスコ
社製「インテスコモデル2001型」)を使用し、引張
速度300mm/分の条件下で行った。
【0036】(原料ポリエステルの製造) 製造例1(ポリエステルA) ジメチルテレフタレート100部、エチレングリコール
60部および酢酸マグネシウム・4水塩0.09部を反
応器にとり、加熱昇温すると共にメタノールを留去し、
エステル交換反応を行い、反応開始から4時間を要して
230℃に昇温し、実質的にエステル交換反応を終了し
た。次いで、平均粒径1.5μmのシリカ粒子3部、燐
酸0.04部、三酸化アンチモン0.04部を添加した
後、100分で温度を280℃、圧力を15mmHgと
し、以後も徐々に圧力を減じ、最終的に0.05mmH
gとした。4時間後、系内を常圧に戻して、ポリエステ
ルAを得た。ポリエステルAのシリカ粒子含有量は3重
量%であった。
【0037】製造例2(ポリエステルB) 製造例1において、平均粒径1.5μmのシリカ粒子3
部を添加しない以外は製造例1と同様にしてポリエステ
ルBを得た。 製造例3(ポリエステルB1) 製造例1において、平均粒径1.5μmのシリカ粒子の
添加量を10部とする以外は製造例1と同様にしてポリ
エステルB1を得た。ポリエステルB1のシリカ粒子含
有量は10重量%であった。
【0038】製造例4(ポリエステルC) 製造例1において、平均粒径1.5μmのシリカ粒子を
添加する代わりに、平均粒径0.3μmの酸化チタン粒
子を0.5部添加する以外は製造例1と同様にしてポリ
エステルCを得た。ポリエステルCの酸化チタン粒子の
含有量は0.5重量%であった。
【0039】製造例5(ポリエステルD) 製造例2において得られたポリエステルB70部と平均
粒径1.0μmの酸化チタン粒子30部とをドライブレ
ンドし、二軸混練押出機を使用して押出し、ポリエステ
ルDを得た。ポリエステルDの酸化チタン粒子の含有量
は30重量%であった。
【0040】製造例6(ポリエステルE) 製造例2において得られたポリエステルB95部と平均
粒径0.5μmの炭酸カルシウム粒子5部とをドライブ
レンドし、二軸混練押出機を使用して押出し、ポリエス
テルEを得た。ポリエステルEの炭酸カルシウム粒子の
含有量は5重量%であった。
【0041】製造例7(ポリエステルF) 製造例2において得られたポリエステルB80部と平均
粒径0.5μmの炭酸カルシウム粒子10部とをドライ
ブレンドし、二軸混練押出機を使用して押出しポリエス
テルFを得た。ポリエステルFの炭酸カルシウム粒子の
含有量は10重量%であった。
【0042】製造例8(ポリエステルG) 製造例2において得られたポリエステルB80部と平均
粒径0.3μmの酸化チタン粒子10部とをドライブレ
ンドし、二軸混練押出機を使用して押出し、ポリエステ
ルGを得た。ポリエステルGの酸化チタン粒子の含有量
は10重量%であった。
【0043】〈ポリエステルフィルムの製造〉 製造例9(ポリエステルフィルムF1) ポリエステルBとポリエステルAを別々に配合した後、
180℃で4時間不活性ガス雰囲気中で乾燥し、別個の
溶融押出機により290℃で溶融押出し、これらのポリ
マーをフィードブロック内で合流して積層し、静電印加
密着法を用いて表面温度を40℃に設定した冷却ロール
上で冷却固化して積層未延伸シートを得た。得られたシ
ートを85℃で3.8倍縦方向に延伸した。次いで、フ
ィルムをテンターに導き、125℃で3.6倍横方向に
延伸した後、230℃にて熱固定を行い、積層ポリエス
テルフィルム75μmを得た。層構成はB/Aであり、
各層の厚さは15/60(μm)であった。
【0044】製造例10(ポリエステルフィルムF2) 製造例9において、ポリエステルAの代わりにポリエス
テルCを使用した以外は製造例9と同様にして製造し、
積層ポリエステルフィルム75μmを得た。層構成はB
/Cであり、各層の厚さは5/70(μm)であった。 製造例11(ポリエステルフィルムF3) 製造例9において、ポリエステルAおよびBの代わりに
ポリエステルB1およびDを使用した以外は製造例9と
同様にして製造し、積層ポリエステルフィルム75μm
を得た。層構成はB1/Dであり、各層の厚さは50/
25(μm)であった。
【0045】製造例12(ポリエステルフィルムF4) 製造例9において、ポリエステルAの代わりにポリエス
テルEを使用した以外は製造例9と同様にして製造し、
積層ポリエステルフィルム75μmを得た。層構成はB
/Eであり、各層の厚さは5/70(μm)であった。 製造例13(ポリエステルフィルムF5) 製造例9において、ポリエステルAの代わりにポリエス
テルFを使用した以外は製造例9と同様にして製造し、
積層ポリエステルフィルム75μmを得た。層構成はB
/Fであり、各層の厚さは35/40(μm)であっ
た。
【0046】製造例14(ポリエステルフィルムF6) 製造例9において、ポリエステルAの代わりにポリエス
テルGを使用した以外は製造例9と同様にして製造し、
積層ポリエステルフィルム75μmを得た。層構成はB
/Gであり、各層の厚さは35/40(μm)であっ
た。 製造例15(ポリエステルフィルムF7) 製造例9において、ポリエステルAの代わりにポリエス
テルDを使用した以外は製造例9と同様にして製造し、
積層ポリエステルフィルム75μmを得た。層構成はB
/Dであり、各層の厚さは10/65(μm)であっ
た。
【0047】実施例1 製造例12で得られたポリエステルフィルムF4(75
μm)に下記組成からなる離型剤をB層の上に設けてな
る複合化離型フィルムを得た。このフィルムの特性を下
記表1に示す。
【0048】
【表1】 《離型剤組成》 ─────────────────────────────── 硬化性シリコーン樹脂(信越化学製:KS−779H) 100部 硬化剤(信越化学製:CAT−PL−8) 1部 MEK・トルエン系 2000部 ───────────────────────────────
【0049】実施例2 製造例13で得られたポリエステルフィルムF5(75
μm)を用いる以外は実施例1と同様にB層の上に離型
層を設けて、複合化離型フィルムを得た。このフィルム
特性を表1に示す。 実施例3 製造例14で得られたポリエステルフィルムF6(75
μm)を用いる以外は実施例1と同様にB層の上に離型
層を設けて、複合化離型フィルムを得た。このフィルム
特性を表1に示す。
【0050】比較例1 製造例9で得られたポリエステルフィルムF1(75μ
m)を用いる以外は実施例1と同様にB層の上に離型層
を設けて、複合化離型フィルムを得た。このフィルム特
性を表1に示す。
【0051】比較例2 製造例10で得られたポリエステルフィルムF2(75
μm)を用いる以外は実施例1と同様にB層の上に離型
層を設けて、複合化離型フィルムを得た。このフィルム
特性を表1に示す。 比較例3 製造例11で得られたポリエステルフィルムF3(75
μm)を用いる以外は実施例1と同様にB層の上に離型
層を設けて、複合化離型フィルムを得た。このフィルム
特性を表1に示す。
【0052】比較例4 製造例15で得られたポリエステルフィルムF7(75
μm)を用いる以外は実施例1と同様にB層の上に離型
層を設けて、複合化離型フィルムを得た。このフィルム
特性を表1に示す。
【0053】
【表2】 表 1 ──────────────────────────────────── 実施例 比較例 ────────────────────────── 1 2 3 1 2 3 4 ────────────────────────── ポリエステルの種類 B/E B/F B/G B/A B/C B1/D E ──────────────────────────────────── フィルム厚み(μm) 75 75 75 75 75 75 75 厚み構成(μm) 5/70 35/40 35/40 20/55 5/70 50/25 10/65 スラリー塗工性 〇 〇 〇 〇 〇 × △ スルーホール打ち抜き性 〇 〇 〇 △ × △ 〇 破断時伸び率(%) β軸方向 120 120 110 110 130 110 50 γ軸方向 75 75 85 80 120 80 45 β+γ 195 195 195 190 250 190 95 Ra(μm) 0.05 0.05 0.05 0.02 0.06 0.11 0.09 離型層厚み(g/m2) 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 剥離力FA (gf/50mm) 7 7 7 7 7 7 7 ────────────────────────────────────
【0054】
【発明の効果】本発明は、セラミックシート製造分野に
おいて、特にセラミック基板用にグリーンシート製造工
程中のスルーホール打ち抜き時にバリ等の発生がなく、
打ち抜き性良好でかつ平滑な表面を有するグリーンシー
トを製造できる複合化離型フィルムを提供する。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも2層からなる共押出により積
    層されたポリエステルフィルムの少なくとも片面に離型
    層を設けてなる複合化離型フィルムであって、下記式
    (1)および(2)を同時に満足することを特徴とする
    複合化離型フィルム。 【数1】 100≦EBβ+EBγ≦200 ………(1) 0.03≦Ra≦0.1 ………(2) (上記式中、EBβおよびEBγはそれぞれフィルムの
    β軸およびγ軸方向の破断時伸び率(%)、Raは離型
    層表面の中心線平均粗さ(μm)を表す)
  2. 【請求項2】 積層されたポリエステルフィルムの一つ
    の層に含有する粒子の粒径および粒子添加量が下記式
    (3)および(4)を同時に満足することを特徴とする
    請求項1記載の複合化離型フィルム。 【数2】0.1≦d50≦1 ………(3) 5≦WA≦20 ………(4) (上記式中、d50は粒子の平均粒径(μm)、WAは粒
    子の添加量(重量%)を表す)
  3. 【請求項3】 離型層を設けた側のポリエステル層に含
    有する粒子添加量が1重量%未満である請求項1または
    2記載の複合化離型フィルム。
  4. 【請求項4】 離型層が硬化性シリコーン樹脂を主成分
    とした離型層である請求項1〜3のいずれかに記載の複
    合化離型フィルム。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のグリー
    ンシート製造用複合化離型フィルム。
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