JP2006181993A - 薄層セラミックシート製造用離型フィルムロールの製造方法 - Google Patents

薄層セラミックシート製造用離型フィルムロールの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2006181993A
JP2006181993A JP2004381398A JP2004381398A JP2006181993A JP 2006181993 A JP2006181993 A JP 2006181993A JP 2004381398 A JP2004381398 A JP 2004381398A JP 2004381398 A JP2004381398 A JP 2004381398A JP 2006181993 A JP2006181993 A JP 2006181993A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
thickness
release
ceramic sheet
release film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004381398A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsushi Hoshio
淳 星尾
Shunichiro Baba
俊一郎 馬場
Koji Yamada
浩二 山田
Koichiro Nakamura
鋼一郎 中村
Toshiaki Doi
俊明 土井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyobo Co Ltd filed Critical Toyobo Co Ltd
Priority to JP2004381398A priority Critical patent/JP2006181993A/ja
Publication of JP2006181993A publication Critical patent/JP2006181993A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

【課題】表面が均一で、混入異物が少ない、セラミックシートに欠陥を発生させない、薄層セラミックシート製造用離型フィルムロールの製造方法を提供する。
【解決手段】 ポリエステルフィルムの、離型層側の平均表面粗さRa1が0.02μm以下、反離型層側の平均表面粗さRa2が0.005μmを超え0.04μm未満、一方の面と他方の面との高荷重静摩擦係数μSが0.6未満、かつ、下記式(1)で定義する厚みの標準偏差Sが0.16μm未満であるポリエステルフィルムの一方の面に、主として硬化型シリコーン樹脂から構成される塗布液を塗布して離型層を形成し、該離型層を形成した離型フィルムを巻き取る際の離型フィルム走行中の巻き取りロールの帯電の絶対値を0.5kV以下にして巻き取る。 厚みの標準偏差S=Σ((流れ方向の厚みの平均値)2/幅方向の厚み測定数) −(幅方向の厚みの平均値)2 ・・・(1)
【選択図】なし

Description

本発明は、薄層セラミックシート製造用離型フィルムロールの製造方法に関し、さらに詳しくは、表面が均一で、混入異物の少ない薄層セラミックシート製造用のキャリアフィルムとして好適な薄層セラミックシート製造用離型フィルムロールの製造方法に関する。
従来、セラミックコンデンサーなどの部品として用いられるセラミックシートは、キャリアフィルム上にセラミックラリーを一定厚みに塗工、乾燥させた後、離型フィルムから剥離して製造される。このようなセラミックシートの製造に使用されるキャリアフィルムとしては、剥離をスムーズに行うため、離型層を設けた離型フィルムが用いられることが多い。
近年、セラミックコンデンサーの大容量化、小型化にともない、セラミックシートの薄膜化が進んでいる。セラミックシートの薄膜化が進むと、離型フィルムの表面突起低減が要求される。なぜなら、セラミックシートを薄膜化すればするほど、離型フィルムの剥離面の突起形状がセラミックシートに転写され、セラミックシートに窪みが発生し、厚み変動アップにつながり、セラミックコンデンサー製品の性能低下につながる。
また、離型フィルムロール中の離型層側に付着した混入異物は、離型フィルムの離型層上にセラミックラリーをコートしたときのセラミックシートのピンホールの原因になる場合や、異物がセラミックコートダイスと離型フィルムの間に挟まり、セラミックコート筋の原因になる場合がある。これらのピンホールやコート筋は、いずれもセラミックシートの欠陥となりやすい。このようなセラミックシートの欠陥は、セラミックシートの厚さが薄くなればなるほど、顕著になる。
本発明の目的は、上記従来の問題点に鑑み、表面が均一で、混入異物が少ない、セラミックシートに欠陥を発生させない、薄層セラミックシート製造用離型フィルムロールの製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の薄層セラミックシート製造用離型フィルムロールの製造方法は、ポリエステルフィルムの一方の面に、主として硬化型シリコーン樹脂からなる離型層を設けてなる薄層セラミックシート製造用離型フィルムロールの製造方法であって、離型層側の平均表面粗さRa1が0.02μm以下、反離型層側の平均表面粗さRa2が0.005μmを超え0.04μm未満、一方の面と他方の面との高荷重静摩擦係数μSが0.6未満、かつ、下記式(1)で定義する厚みの標準偏差Sが0.16μm未満であるポリエステルフィルムの一方の面に、主として硬化型シリコーン樹脂から構成される塗布液を塗布して離型層を形成し、該離型層を形成した離型フィルムを巻き取る際の離型フィルム走行中の巻き取りロールの帯電の絶対値を0.5kV以下にして巻き取ることを特徴とする。
厚みの標準偏差S=Σ((流れ方向の厚みの平均値)2/幅方向の厚み測定数)
−(幅方向の厚みの平均値)2 ・・・(1)
前記の薄層セラミックシート製造用離型フィルムロールの製造方法において、薄層セラミックシートの厚みが5μm以下であることが好ましい。
本発明の薄層セラミックシート製造用離型フィルムロールの製造方法によれば、セラミックスラリーを塗布時、離型フィルムの蛇行や、セラミックシートのピンホール、セラミックコート筋などの不具合が発生せず、セラミックコンデンサーにしたときにショート不良、耐圧不良や性能低下などの不具合が発生せず、表面が均一な薄層セラミックシート製造用離型フィルムロールを製造することができる。
また、本発明の薄層セラミックシート製造用離型フィルムロールの製造方法によれば、厚みが5μm以下の薄層セラミックシートの製造、特に、厚みが3μm以下の特に厚みの薄い薄層セラミックシートの製造の際に極めて好適である。
以下、本発明の薄層セラミックシート製造用離型フィルムロールの製造方法の実施の形態を、詳細に説明する。
本発明の薄層セラミックシート製造用離型フィルムロールの製造方法において、離型層は、主として硬化型シリコーン樹脂から構成される。硬化型シリコーン樹脂は、加熱によって反応する熱付加硬化タイプのものや、紫外線によって反応する紫外線硬化タイプのものがあるが、離型層形成後のポリエステルフィルムの平面性を阻害しないようにするため、低温で硬化する熱付加タイプのものや、熱付加+紫外線硬化タイプのものや、紫外線硬化タイプのものが好ましい。
また、本発明において、離型層の厚みは、シリコーン樹脂の種類により最適な厚みに設定すればよいが、好ましくは、硬化後の離型層の塗布量が0.02〜0.15g/m2となる範囲が好ましい。フィルムの表面突起にもよるが、離型層の厚みが上記範囲より小さいと剥離性能が低下しやすくなる。また、上記範囲より大きければ、ポリエステルの密着性に必要な、硬化時間が長くなり、生産上不都合となりやすい。
本発明の薄層セラミックシート製造用離型フィルムロールの製造方法における離型層の形成方法は、特に限定されず、例えば硬化型シリコーン樹脂を溶媒に溶解あるいは分散させた塗布液を、ポリエステルフィルムの表面に塗布し、溶媒を乾燥除去した後加熱及び紫外線照射し、樹脂を硬化反応させる方法が好適である。樹脂の熱硬化及び溶媒の乾燥除去の条件は、使用する樹脂の種類、離型層の厚み、薄層セラミックシート製造用離型フィルム(以下、単に離型フィルムと略称することがある)のサイズに応じて、速やかに反応するように、適時選択すればよい。
本発明の離型フィルムロールの製造方法における、主として硬化型シリコーン樹脂から構成される塗布液の塗布方法としては、例えばグラビアコート法やリバースコート法などのロールコート法、マイヤーバーなどのバーコート法、スプレーコート法、エアーナイフコート法などの公知の塗布方法を用いることができる。
本発明の離型フィルムロールの製造方法に用いるポリエステルフィルムを形成するポリエステルは、ホモポリエステルでも共重合ポリエステルでもよい。例えば、酸成分/グリコール成分は、テレフタル酸/エチレングリコール、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸/エチレングリコール、テレフタル酸/テトラメチレングリコール等のホモポリエステル或いはこれらにイソフタル酸、フタル酸、ジフェニル−4,4−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、ナフタレン−1,5−ジカルボン酸、ジフェノキシエタン−4,4−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4,4−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−4,4−ジカルボン酸、マロン酸、1,1−ジメチルマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバチン酸、デカメチレンジカルボン酸等の酸成分やエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、ハイドロキノン、ビスフェノールA等のグリコール成分やポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールやそれらの共重合体等を共重合した共重合ポリエステルでもよい。また、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ(2−オキシ酪酸)等の脂肪族ポリエステルを用いることもできる。
また、本発明の離型フィルムロールの製造方法おいて、離型フィルムとして離型層を形成する側のポリエステルは、実質的に粒子を含有させないことが好ましい。また、離型層と反対側のポリエステルにおいては、滑り性、巻き性、耐ブロッキング性などのハンドリング性を改善するために、ポリエステルフィルム中に無機粒子、有機塩粒子や架橋高分子粒子などの不活性粒子を含有させることができる。
上記の無機粒子としては、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、リン酸リチウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ジルコニウム、フッ化リチウム、ソジュウムカルシウムアルミシリケート等が挙げられる。
また、上記の有機塩粒子としては、蓚酸カルシウムやカルシウム、バリウム、亜鉛、マンガン、マグネシウム等のテレフタル酸塩等が挙げられる。
さらに、上記の架橋高分子粒子としては、ジビニルベンゼン、スチレン、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸又はメタクリル酸のビニル系モノマーの単独又は共重合体が挙げられる。その他に、ポリテトラフルオロエチレン、ベンゾグアナミン樹脂、熱硬化エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、熱硬化性尿素樹脂、熱硬化性フェノール樹脂などの有機粒子を用いてもよい。
本発明に用いるポリエステルフィルムを形成するポリエステル中に不活性粒子を含有させる方法は、特に限定されないが、(a)ポリエステル構成成分であるジオール中で不活性粒子をスラリー状に分散処理し、該不活性粒子スラリーをポリエステルの重合反応系へ添加する方法、(b)ポリエステルフィルムの溶融押出し工程でベント式二軸押出し機で、溶融ポリエステル樹脂に分散処理した不活性粒子の水スラリーを添加する方法、(c)ポリエステル樹脂と不活性粒子を溶融状態で混練する方法などが例示される。
上記方法において、重合反応系に添加する方法の場合、不活性粒子のジオールスラリーを、エステル化反応又はエステル交換反応前から重縮合反応開始前の溶融粘度の低い反応系に添加することが好ましい。また、不活性粒子のジオールスラリーを調整する際には、高圧分散機、ビーズミル、超音波分散などの物理的な分散処理を行うとことが好ましい。さらに、分散処理したスラリーを安定化させるために、使用する粒子の種類に応じて適切な化学的な分散安定化処理を併用することが好ましい。
上記の分散安定化処理としては、例えば無機酸化物粒子や粒子表面にカルボキシル基を有する架橋高分子粒子などを用いる場合には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ化合物をスラリーに添加し、電気的な反発により粒子間の再凝集を抑制することができる。また、炭酸カルシウム粒子、ヒドロキシアパタイト粒子などの場合にはトリポリリン酸ナトリウムやトリポリリン酸カリウムをスラリー中に添加することが好ましい。
また、不活性粒子のジオールスラリーをポリエステルの重合反応系へ添加する際には、スラリーをジオールの沸点近くまで加熱処理することも、重合反応系へ添加した際のヒートショック(スラリーと重合反応系との温度差)を小さくすることができるため、粒子の分散性の点で好ましい。
本発明における、薄層セラミックシート製造用離型フィルムを形成するポリエステルフィルムの、離型層側の平均表面粗さRa1は、0.02μm以下にすることが重要である。好ましくは、0.01μm以下である。前記Ra1が0.02μmよりも大きい場合は、離型層側に形成される表面突起が、セラミックシートを剥がした際にセラミックシート側に凹部となって転写され、セラミックシートの平滑性を阻害し、セラミックコンデンサーにしたときにショート不良や、耐圧不良などの不具合を発生しやすくする。
また、本発明における、薄層セラミックシート製造用離型フィルムを形成するポリエステルフィルムの、反離型層側の平均表面粗さRa2は、0.005μmよりも大きく、0.04μmよりも小さくすることが重要である。なぜなら、ポリエステルフィルムに硬化型シリコーン樹脂をコートしたあと離型フィルムを巻き取る際、反離型層側の平均表面粗さRa2を0.005μm以下にすると、離型フィルムを巻き取る際、離型層と反離型層間の空気の巻き込み量が少なくなることと、離型層と反離型層の滑り性が悪化することにより、離型フィルムが蛇行しだすと、制御しきれなくなり、離型フィルムの端面は、凹凸が大きくなり、セラミックシートを加工する際に離型フィルムが蛇行しやすくなる。
逆に、反離型層側の平均表面粗さRa2を0.04μm以上にすると、離型フィルムロールとしたときに反離型層側の突起が離型層側に圧着され、離型フィルムが変形する不具合が生じる。また、セラミックシートを離型層上に形成し、離型フィルムごと巻き取った際に、反離型層側の突起がセラミックシートと圧着され、セラミックシートを傷つける不具合が発生する。これは、セラミックシートの厚みが薄くなればなるほど悪影響を及ぼす。
また、Ra2を0.04μm以上にすると、離型層と反離型層の滑り性が良くなりすぎることにより、フィルムの厚み斑が影響し、離型フィルムが蛇行し始める瞬間、大きくフィルムがフィルムロール端面に飛び出し、またもとに戻る、あるいはそのままの状態で巻かれることによる、フィルム突き出し現象(以下、端面不揃いと表現する場合がある。)が発生する。フィルムが突き出した状態の離型フィルムロールでセラミックシートを加工すると離型フィルムが蛇行しやすくなることにより、セラミックシートが所定のフィルム位置にコートできなくなる場合や、セラミックシートの厚みが変動する不具合が発生する場合がある。
本発明の、ポリエステルフィルムの一方の面と他方の面との高荷重静摩擦係数μSは、0.6よりも小さくすることが重要である。一方の面と他方の面との高荷重静摩擦係数が0.6以上になると、ポリエステルフィルムに離型層を設けた後、ロール状に巻き取るときにロール端面が不揃いになる場合や、巻きずれが発生する場合がある。なぜなら、高荷重静摩擦係数が高くなるということは、離型フィルムをロール状に巻いたときにフィルム間の空気巻き込み率が少なくなり、離型フィルム間の滑りが悪くなるということで、フィルムの厚み斑の影響で、離型フィルムが蛇行し始めると、なかなか元にもどらず、端面不揃いは、大きくなる。
本発明の、ポリエステルフィルムの一方の面と他方の面との高荷重静摩擦係数μS及び平均表面粗さRa1、Ra2は、フィルムの製膜条件及び不活性粒子によってコントロールすることができる。不活性粒子の種類及び含有量は、高荷重静摩擦係数μS及び平均表面粗さRa1、Ra2が前記の範囲を満足すれば特に限定されるものではない。
本発明において用いる不活性粒子の平均粒子径は、0.1μm以上2.0μm以下が好ましく、0.2μm以上1.0μm以下が特に好ましい。不活性粒子の平均粒子径が0.1μm未満では、高荷重摩擦係数を0.6より小さくすることが難しく、離型層が設けられた反対側のフィルム表面の平均表面粗さRa2を0.005μmより大にすることが困難となる。また、平均粒子径が2.0μmより大きいと離型層が設けられたフィルム表面の平均表面粗さRa1を0.02以下にすることが難しく、離型層が設けられた反対側のフィルム表面の平均表面粗さRa2を0.04μmより小さくすることが困難となる。
本発明において用いる不活性粒子の含有量はポリエステルに対して0.02質量%以上0.8質量%以下が好ましく、特に好ましくは0.1質量%以上0.5質量%以下である。不活性粒子の含有量が0.02質量%未満では、高荷重摩擦係数を0.6より小さくすることが難しく、離型層が設けられた反対側のフィルム表面の平均表面粗さRa2を0.005μmより大にすることが困難となる。また、0.8質量%より多いと離型層が設けられたフィルム表面の平均表面粗さRa1を0.02以下にすることが難しく、離型層が設けられた反対側のフィルム表面の平均表面粗さRa2を0.04μmより小さくすることが困難となる。
また、本発明で使用するポリエステルフィルムに含有させる不活性粒子は平均粒子径の異なる2種以上の粒子を併用することができる。平均粒径の小さな不活性粒子としては、無機酸化物粒子が好ましく、なかでも平均粒子径が0.01〜0.3μmのγ、δ、θ型のアルミナ微粒子、球状単分散シリカ微粒子、乾式法シリカ微粒子、酸化チタン微粒子が特に好ましい。また、フィルム中の含有量は0.1〜0.5質量%とすることが好ましい。
また、平均粒子径の大きな不活性粒子としては、カルサイト型、バテライト型の合成炭酸カルシウムや前記に記載の架橋高分子粒子などが好ましく、かつ平均粒子径は0.4〜1.0μmの範囲のものが好ましい。また、フィルム中の含有量は0.01〜0.5質量%とすることが好ましい。
さらに、不活性粒子は球形に近く、粒子径が均一なものが好ましく、具体的には不活性粒子は、外接円に対する面積率が60%以上であり、かつ粒子径のばらつき度が30%以下であることが好ましい。不活性粒子の外接円に対する面積率が60%未満であると、製造時や加工工程においてフィルム表面の耐摩耗性が不十分となり、削れやすくなる。また、粒子径のばらつき度が30%より大きいと、セラミックグリーンシートに離型層が設けられたフィルム表面の突起に起因するピンホールが発生しやすくなり、離型層が設けられた反対側のフィルム表面の突起に起因する凹みがセラミックグリーンシートや離型層に発生しやすくなる。
本発明に用いるポリエステルフィルムは、公知のフィルム製膜法によって形成することができる。フィルム製膜法としては、未延伸フィルムを縦方向又は横方向に延伸する一軸延伸法やインフレーション法、同時二軸延伸法、逐次二軸延伸法などの二軸延伸法を行い、ついで熱固定処理する方法が用い得る。例えば、逐次二軸延伸法としては、縦延伸及び横延伸又は横延伸及び縦延伸を順に行う方法のほか、横−縦−縦延伸法、縦−横−縦延伸法、縦−縦−横延伸法などの延伸方法を採用することができる。また、同時二軸延伸法としては、従来の同時二軸延伸法でもよいが、リニアモーター方式により駆動される新規の同時二軸延伸法が好ましい。なお、多段階に分けて同時二軸延伸してもよい。また、熱収縮率をさらに低減するために、必要に応じて、縦弛緩処理、横弛緩処理などを施してもよい。
本発明に用いるポリエステルフィルムの厚みは、フィルムとして製膜できる厚さであれば特に限定されるわけでないが、通常10〜50μm、好ましくは12〜38μmの範囲が使用上好適である。
延伸条件については、フィルム中に含有させた不活性粒子によって適宜調整し、それらの組合せによって、平均表面粗さRa1、Ra2が本発明の請求項記載の範囲内となるようにすれば、特に限定されるものではない。
縦方向に1段以上延伸した後に横方向に延伸する逐次二軸延伸法の場合、縦方向の延伸が終了した後の縦方向の配向(ΔNx)を0.10以下にしておくことが好ましい。ΔNxが0.10を超えると、不活性粒子の含有量に対する表面突起の形成が不十分となりやすい。
また、本発明で用いるポリエステルフィルムは、2層以上のポリエステルフィルム層からなる積層フィルムとするのが好ましく、離型層を塗布する面をA層、その反対面をB層、これら以外の層をC層とすると、厚み方向の層構成はA/B、あるいはA/C/B等の構成が挙げられる。これらの積層フィルムは公知の方法を用いて製造される。例えば、フィルムA層を通常の押出し法などにより調製し、これとは別にフィルムB層を形成しこれらを圧着する方法、フィルムA層に不活性粒子を含有するポリエステル溶液を塗布し、乾燥させてフィルムB層を形成させる方法、フィルムA層を形成するポリエステル層とフィルムB層を形成するポリエステル層とを別々の押出し機を用いて可塑化したものを一組の共通ダイに導き積層してキャストする共押出し法などが用いられ得るが、経済的には、共押出し法が好ましい。また、離型層が設けられている面がその反対側の層に含まれる粒子の影響を受けないためにも、離型層が設けられる側の層比率は40%以上であることが好ましい。
本発明で用いるポリエステルフィルムは離型層との接着性を改良する目的で、易接着層を設けてもよい。特に好ましくは、フィルムの製膜時において最終の延伸をする工程の前に易接着層を設ける。また、ポリエステルフィルムと離型層との接着性を改良するために、コロナ放電処理、火炎処理、電子線照射等による表面処理を行ってもよい。
本発明で用いるポリエステルフィルムの厚みの標準偏差Sは、0.16μmより小さいことが重要である。厚みの標準偏差Sが0.16μmより小さい場合は、フィルムロール端面は、均一に巻ける。さらに好ましくは、厚みの標準偏差Sが0.06μmより小さくするとよい。厚みの標準偏差Sが小さければ小さいほど、フィルムロール端面は、均一に巻ける。また、セラミックシートをコートする前のフィルム巻き出し後のフィルムは、変形もないため、セラミックシート厚み変動も小さくなる。
一方、厚みの標準偏差Sが0.16μm以上の場合は、ポリエステルフィルムにシリコーンコートした後の離型フィルムを巻き取る際、離型フィルムロールの端面が不揃いになり、セラミックシートを加工する際に離型フィルムが蛇行しやすくなる。フィルムが蛇行することにより、セラミックシートが所定のフィルム位置にコートできなくなったり、セラミックシートの厚みが変動する不具合が発生する。なぜなら、離型フィルムをロール状に巻くと、フィルムの厚みの大きいヵ所が、盛り上がり(以下フィルムの偏肉と表現する場合がある。)、フィルムの厚みの小さいところが、引っ込むようになり(以下フィルムの偏肉と表現する場合がある。)、均一な張力で巻けなくなり、フィルム同士でスリップするため、巻き取りロールの端面不揃いになる。
本発明で用いるポリエステルフィルムの厚みの標準偏差Sを小さくするには,ポリエステルフィルムを製膜する際に、例えば、逐次二軸延伸法を例にとると、逐次二軸延伸後のフィルムの厚みを厚み計で幅方向に測定し、自動的にキャストフィルムを吐出しているダイスの吐出ギャップを制御する方法がある。この方法は、製膜時間が長くなればなるほど、厚みの標準偏差Sを小さく制御できる。
本発明において離型フィルムを巻き取る際の離型フィルム走行中の巻き取りロールの帯電の絶対値は、0.5kV以下にすることが重要である。0.5kVよりも大きい値であると、離型フィルムロール中の混入異物が多くなる。なぜなら、雰囲気中の浮遊異物や、床面から舞い上がった浮遊異物が離型フィルムロールの帯電により、離型フィルムロールに吸い寄せられるからである。この値が0.5kV以下であると、離型フィルムロール中の混入異物は少なくなるし、離型フィルムをロールから引き出す際の巻き出し帯電も小さくなる。
フィルムを巻き取る際の離型フィルム走行中の巻き取りロールの帯電の絶対値を0.5kV以下にするには、加工現場のクリーン度を上げるため、床や加工機台の防塵塗装や、クリーンエアー設備の取り付け等や、離型フィルムの混入異物を除去するために、粘着ロール、超音波クリーナーなどの設備対応等をすることは、言うまでもないが、一番重要なことは、離型フィルムをロールとして巻き取る際、加工機台のタッチロールから剥離した直後に除電器を設置し、離型フィルムの走行中に除電することである。なぜなら、タッチロールから剥離した離型フィルムは、剥離帯電により離型フィルムが帯電するからである。帯電した離型フィルムは、ロール巻きにすることにより、巻き長が増加すれば増加するほど、つまりロールの巻き径が大きくなればなるほど、離型フィルムのロール帯電は、大きくなる。また、フィルムに帯電防止剤を付与して、ロール帯電をさげてもよい。
以下に実施例を用いてさらに詳細に本発明の説明をするが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。なお、本発明で使用する特性及び物性は、下記の方法により評価した。
(1)平均表面粗さRaの測定
Ra(Ra1、Ra2)は、JIS B0601に準じ、東京精密製平均表面粗さ計(サーフコム300B)で、カットオフ0.08mm、チャートスピード6mm/秒、試長0.8mm、拡大倍率5万倍、使用針No.1の条件で測定した。
(2)高荷重静摩擦係数μSの測定
20℃、65%RHの環境下、東洋BALDWIN製テンシロン(RTM−100)を用いて、荷重下(面積:35cm2、荷重:4.5kgf、荷重材質:東洋紡績製ペルプレン(PEL70Bホワイト))、引っ張りスピード200mm/minの条件下で、ポリエステルフィルムの表裏を接触させた状態で静摩擦係数μSを測定した。
(3)厚みの標準偏差Sの測定
離型コートする前のフィルムを製膜する際、逐次2軸延伸し熱固定後のフィルムの厚みをβ線厚み計で幅方向10ヵ所と、それぞれの幅方向10ヵ所の流れ方向1ヵ所/1000mごとにフィルムの厚みを流れ方向に6000m測定し、以下のように計算した。
S=Σ((流れ方向の厚みの平均値)2/10)−(幅方向の厚みの平均値)2
(4)セラミックシートの凹部測定
トルエン、エタノール各15質量部、チタン酸バリウム:富士チタン製50質量部、ポリビニルブチラール:積水化学製(BMS)10質量部を混合し、ペースト状にした後、ボールミルにて、2日間分散し、セラミックスラリーを得た。離型フィルムの離型層の表面にドクターブレード法にて、上記セラミックスラリーを乾燥厚みが5μmとなるようにコートし、100℃、5分で乾燥してセラミックシートを得た。得られたセラミックシートと反離型面を合わせ、プレス機(RIKEN SEIKI製、モデル NO P−16B−028)にて、1500N/cm2の圧力下で10分間圧着させた。セラミックシートを反離型面から剥離し、剥離したセラミックシート面を非接触式3次元平均表面粗さ計(菱化システム製、マイクロマップ)でセラミックシートの凹部の深さを測定した。深さが1μm以上の場合、×とした。
(5)離型フィルムロールの帯電圧測定
スリットする前の離型フィルムロールの幅は830mmで、巻き長を6000mとした。このフィルムロールを、スリットスピード100m/minで、幅400mm、巻き長6000mで、2本にスリットした。スリット巻き条件は、巻き取り張力70N/m、巻きはじめの面圧300N/m、巻き終わりの面圧350N/mにした。除電器は、キーエンス製除電器(SJ−B020)を使用した。除電器の取り付け距離は、フィルムロールから100mm離したところに設置した。除電器の取り付け位置は、フィルム走行中,フィルムがタッチロールから剥離した後フィルム巻き取り進行方法へ100mm離れた位置に設置したときをa,フィルム走行中、フィルムがタッチロールから剥離する前のフィルム巻き取り進行方向から反対方向に50mm離れた位置に設置したときをb、除電器の電源をオフにしたときをcとした。フィルムロールの帯電圧は、春日電機製(KSD−0102)を除電器からフィルム巻き取り進行方向へ100mm離れた位置でフィルム上100mmの高さで測定し、帯電圧の絶対値に基づき下記の基準で評価した。
○:0.5kV以下
△:0.5kVを超え、2kV以下
×:2kVを超え、10kV以下
(6)混入異物数の測定
幅400mm、巻き長6000mの離型フィルムロールを目視で1円周分観察し、フィルムロールの中に存在する混入異物を採取した。1円周分観察終了したら、カッター刃で表層から10枚分フィルムをカットした。カット終了後上記と同様にして、混入異物を採取し、巻き芯のフィルムがなくなるまで繰り返し、実施した。採取した異物をマイクロマップで長径100μm以上の異物数をカウントし、下記の基準で評価した。
○:5個未満
×:5個以上
(7)不活性粒子の外接円に対する面積率
不活性粒子を走査型電子顕微鏡(日立製作所製、S−510型)で観察し、写真撮影したものを拡大コピーし、さらにトレースを行ってランダムに200個の粒子を黒く塗りつぶした。このトレース像より任意に20個の粒子を選び、それぞれの粒子について投影断面積を画像解析装置(ニレコ株式会社、ルーゼックスIID)で測定した。また、各粒子に
外接する円の面積を算出することにより下式を用いて面積率を求めた。
外接円に対する面積率(%)=(粒子の投影断面積/粒子に外接する円の面積)×100
(8)不活性粒子の平均粒子径及び粒子径のばらつき度
不活性粒子を走査型電子顕微鏡(日立製作所製、S−510型)で観察し、写真撮影したものを拡大コピーし、さらにトレースを行ってランダムに200個の粒子を黒く塗りつぶした。この像を画像解析装置(ニレコ株式会社、ルーゼックスIID)を用いて、水平方
向のフェレ径を測定し、その平均値を下式で使用する平均粒子径とした。また、粒子径のばらつき度は下式により算出した。
ばらつき度(%)=(粒子径の標準偏差/平均粒子径)×100
平均粒子径(μm)=各粒子の水平方向におけるフェレ径の和/測定した粒子数
<フィルム原料用ポリエステルの製造>
(製造例1−ポリエステル1)
エステル化反応缶を昇温し200℃に到達した時点で、テレフタル酸を86.4質量部及びエチレングリコール64.6質量部を仕込み、撹拌しながら触媒として三酸化アンチモンを0.017質量部、酢酸マグネシウム4水和物を0.064質量部、トリエチルアミン0.16質量部を仕込んだ。ついで、加圧昇温を行いゲージ圧0.34MPa、240℃の条件で加圧エステル化反応を行った後、エステル化反応缶を常圧にもどし、リン酸トリメチル0.014質量部を添加した。さらに、15分かけて260℃に昇温し、リン酸トリメチル0.012質量部を添加した。ついで15分後に、高圧分散機で分散処理を行い、さらにトリポリリン酸ナトリウム水溶液を炭酸カルシウム粒子に対しナトリウム原子として0.1質量%含有させ、遠心分離処理により粗粒部を35%カットし、かつ目開き5μmの金属フィルターでろ過処理を行った平均粒子径0.60μmのカルサイト型合成炭酸カルシウム粒子のエチレングリコールスラリーを粒子含有量として0.2質量部添加した。15分後、得られたエステル化反応生成物を重縮合反応缶に移送し、280℃で減圧下重縮合反応を行い、固有粘度0.62dl/gのポリエチレンテレフタレート樹脂(1)を得た。(以後、PET(1)と略す。)
(製造例2−ポリエステル2)
上記製造例1の製造法において、炭酸カルシウム粒子の含有量を0.5質量部添加した以外は同様の方法で行い、固有粘度0.62dl/gのポリエチレンテレフタレート樹脂(2)を得た。(以後、PET(2)と略す。)
(製造例3−ポリエステル3)
上記製造例1の製造法において、炭酸カルシウムの平均粒径を0.6μmから0.8μに変更し、粒子含有量として0.2質量部添加した以外は同様の方法で行い、固有粘度0.62dl/gのポリエチレンテレフタレート樹脂(2)を得た。(以後、PET(3)と略す。)
(製造例4−ポリエステル4)
上記製造例1の製造法において、炭酸カルシウム粒子の代わりに、平均粒径2.5μmのシリカ粒子を用い、粒子含有量として0.05質量部添加し、ポリエステル重合後に使用するフィルターの目開きを10μmとした以外は、同様の方法で行い、固有粘度0.62dl/gのポリエチレンテレフタレート樹脂(3)を得た。(以後、PET(4)と略す。)
(製造例5−ポリエステル5)
一方、上記PET(1)の製造において、炭酸カルシウム、シリカ等の粒子を全く含有しない固有粘度0.62dl/gのポリエチレンテレフタレート樹脂(4)を得た。(以後、PET(5)と略す。)
<ポリエステルフィルムの製造>
(製造例6−ポリエステルフィルムA)
PET(4)、(5)を真空乾燥し、別個の溶融押出し機により、290℃で溶融し、4μmの粒子が95%除去できるフィルターを用いて溶融PETをろ過し、フィードブロック内で合流して積層し、Tダイから押し出し、静電荷により表面温度が30℃のキャスティングドラムに密着させ、未延伸フィルムを得た。層比率は各押出し機の吐出量計算でPET(4):(5)=50%:50%となるように、また、PET(5)が離型層側になるように調整した。
この未延伸PETシートを、加熱されたロール群とIRヒーターで100℃に加熱し長手方向に3.5倍に延伸し、ついで、この一軸延伸フィルムの端部をクリップで把持して130℃で加熱された熱風ゾーンに導き、幅方向に4.0倍延伸した。さらに、210℃にて5秒間熱処理して、厚み31μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。なお、前記製膜工程において、キャスティング工程はクラス1000以下、延伸工程はクラス5000以下のクリーンな環境下で行った。
(製造例7−ポリエステルフィルムB)
製造例6において、PET(4)の代わりにPET(3)を用いた以外は同様に行った。
(製造例8−ポリエステルフィルムC)
製造例6において、PET(4)の代わりにPET(3)を用い、PET(5)の代わりにPET(3)を用いた以外は同様に行った。
(製造例9−ポリエステルフィルムD)
製造例6において、層比率を各押出し機の吐出量計算でPET(4):(5)=5%:95%となるように調整した以外は同様に行った。
(製造例10−ポリエステルフィルムE)
製造例6において、PET(4)の代わりにPET(1)を用い、PET(5)の代わりにPET(1)を用いた以外は同様に行った。
(製造例11−ポリエステルフィルムF)
製造例6において、PET(5)の代わりにPET(4)を用いた以外は同様に行った。
(製造例12−ポリエステルフィルムG)
製造例6において、PET(4)の代わりにPET(5)を用いた以外は同様に行った。
<離型層の塗布>
熱硬化型シリコーン樹脂A(東芝シリコーン製、TPR6712)を、固形分濃度が1.0質量%となるように、溶剤(トルエン/MEK=50/50;質量比)に混合分散させ、さらに、前記シリコーン樹脂A100質量部に対し、硬化触媒として白金触媒1質量部を添加して、離型層用塗布液を調製した。
ついで、前記の二軸延伸ポリエステルフィルムに、塗布液循環装置を用いて得た前記塗布液をグラビアロールにて、乾燥後の離型層の塗布量が0.10g/m2となるように塗布し、140℃で30秒間加熱して乾燥、熱硬化させ、幅830mm、巻き長6000mの離型フィルムロールを得た。
前記離型フィルムロールをスリットスピード100m/min、巻き張力=70N/m、巻きはじめ時の面圧力300N/m、巻き終わり時の面圧力320N/mで、幅400mm、巻き長6000mのサイズで2本のロールにスリットした。スリットは、クラス5000の雰囲気下で実施した。
実施例1
厚みの標準偏差Sが0.12μmのポリエステルフィルムAを使用し、離型フィルムロールを作成し、除電器の位置aでスリットした。
実施例2
厚みの標準偏差Sが0.12μmのポリエステルフィルムBを使用し、離型フィルムロールを作成し、除電器の位置aでスリットした。
実施例3
厚みの標準偏差Sが0.11μmのポリエステルフィルムCを使用し、離型フィルムロールを作成し、除電器の位置aでスリットした。
実施例4
厚みの標準偏差Sが0.06μmのポリエステルフィルムDを使用し、離型フィルムロールを作成し、除電器の位置aでスリットした。
比較例1
実施例1で得られた離型フィルムを使用し、除電器の位置bでスリットした。
比較例2
実施例1で得られた離型フィルムを使用し、除電器の位置cでスリットした。
比較例3
厚みの標準偏差Sが0.12μmのポリエステルフィルムEを使用し、離型フィルムロールを作成し、除電器の位置aでスリットした。
比較例4
厚みの標準偏差Sが0.16μmのポリエステルフィルムBを使用し、離型フィルムロールを作成し、除電器の位置aでスリットした。
比較例5
厚みの標準偏差Sが0.12μmのポリエステルフィルムFを使用し、離型フィルムロールを作成し、除電器の位置aでスリットした。
比較例6
厚みの標準偏差Sが0.12μmのポリエステルフィルムGを使用し、離型フィルムロールを作成し、除電器の位置aでスリットした。
各実施例及び比較例で得られたフィルムの評価結果を表1に示す。表1より、実施例1〜4でスリットした離型フィルムロールは、ロール帯電圧は、低く、混入異物数も少なく、巻き姿は良好であり、セラミックシート製造時離型フィルムの蛇行による不具合は発生せず、また、セラミックシートに与える不具合も小さかった。それに対し、比較例1〜2でスリットした離型フィルムロールは、ロール帯電圧は高く、混入異物数も多く、薄層セラミックシート用離型フィルムとして提供できないものばかりであった。また、比較例3〜6でスリットした離型フィルムロールは、巻き姿に対する不具合が発生したり、セラミックシートに与える不具合の大きいものもあり、薄層セラミックシート用離型フィルムとして提供できないものばかりであった。
Figure 2006181993
以上、本発明の薄層セラミックシート製造用離型フィルムロールの製造方法について、複数の実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、各実施例に記載した構成を適宜組み合わせる等、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
本発明の薄層セラミックシート製造用離型フィルムロールの製造方法は、ポリエステルフィルムに、特定の表面突起と、特定の厚み精度を持つフィルムを使用することと、得られた離型フィルムを巻き取る際、特定の除電をすることにより、薄層セラミックシート製造時の塗布工程において、セラミックシートの欠陥を発生させないという特性を有していることから、高品質の薄層セラミックシート、特に、厚みの薄い、高品質の薄層セラミックシートを製造する用途に好適に用いることができる。

Claims (2)

  1. ポリエステルフィルムの一方の面に、主として硬化型シリコーン樹脂からなる離型層を設けてなる薄層セラミックシート製造用離型フィルムロールの製造方法であって、離型層側の平均表面粗さRa1が0.02μm以下、反離型層側の平均表面粗さRa2が0.005μmを超え0.04μm未満、一方の面と他方の面との高荷重静摩擦係数μSが0.6未満、かつ、下記式(1)で定義する厚みの標準偏差Sが0.16μm未満であるポリエステルフィルムの一方の面に、主として硬化型シリコーン樹脂から構成される塗布液を塗布して離型層を形成し、該離型層を形成した離型フィルムを巻き取る際の離型フィルム走行中の巻き取りロールの帯電の絶対値を0.5kV以下にして巻き取ることを特徴とする薄層セラミックシート製造用離型フィルムロールの製造方法。
    厚みの標準偏差S=Σ((流れ方向の厚みの平均値)2/幅方向の厚み測定数)
    −(幅方向の厚みの平均値)2 ・・・(1)
  2. 薄層セラミックシートの厚みが5μm以下であることを特徴とする請求項1記載の薄層セラミックシート製造用離型フィルムロールの製造方法。
JP2004381398A 2004-12-28 2004-12-28 薄層セラミックシート製造用離型フィルムロールの製造方法 Pending JP2006181993A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004381398A JP2006181993A (ja) 2004-12-28 2004-12-28 薄層セラミックシート製造用離型フィルムロールの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004381398A JP2006181993A (ja) 2004-12-28 2004-12-28 薄層セラミックシート製造用離型フィルムロールの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006181993A true JP2006181993A (ja) 2006-07-13

Family

ID=36735436

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004381398A Pending JP2006181993A (ja) 2004-12-28 2004-12-28 薄層セラミックシート製造用離型フィルムロールの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006181993A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006181994A (ja) * 2004-12-28 2006-07-13 Toyobo Co Ltd 薄層セラミックシート製造用離型フィルムロールの製造方法
JP2009231031A (ja) * 2008-03-22 2009-10-08 Mitsubishi Plastics Inc 燃料電池用両面離型フィルム
JP2009231030A (ja) * 2008-03-22 2009-10-08 Mitsubishi Plastics Inc 燃料電池用両面離型フィルム
JP2009231047A (ja) * 2008-03-24 2009-10-08 Mitsubishi Plastics Inc 燃料電池用両面離型フィルム
WO2011092989A1 (ja) * 2010-01-29 2011-08-04 東レ株式会社 ポリ乳酸系樹脂シート
JP2014012372A (ja) * 2012-07-05 2014-01-23 Mitsubishi Plastics Inc 積層ポリエステルフィルム
JP2015174356A (ja) * 2014-03-17 2015-10-05 三菱樹脂株式会社 基材レス両面粘着シート用離型フィルム

Citations (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05289040A (ja) * 1992-04-10 1993-11-05 Idemitsu Kosan Co Ltd 基板の洗浄方法
JPH0966591A (ja) * 1995-09-01 1997-03-11 Teijin Ltd 積層フイルム
JPH11188790A (ja) * 1997-12-26 1999-07-13 Tokuyama Corp 二軸延伸ポリプロピレンフィルム及びその製造方法
JP2000117900A (ja) * 1998-10-20 2000-04-25 Toyobo Co Ltd 離型フィルム
JP2001072471A (ja) * 1999-09-01 2001-03-21 Toyobo Co Ltd セラミックシート製造用離型フィルム及びその製造方法
JP2001081211A (ja) * 1999-09-09 2001-03-27 Du Pont Toray Co Ltd ポリイミドフィルムとその製造方法およびポリイミドフィルムロール
JP2002040249A (ja) * 2000-07-25 2002-02-06 Toray Ind Inc 偏光フィルム貼り合わせ用ポリエステルフィルム
JP2002121075A (ja) * 2000-10-06 2002-04-23 Murata Mfg Co Ltd セラミックグリーンシート及び積層セラミック電子部品の製造方法
JP2002178454A (ja) * 2000-12-11 2002-06-26 Toyobo Co Ltd 離型フィルム
JP2003145685A (ja) * 2001-11-07 2003-05-20 Toyobo Co Ltd 薄膜セラミックシート製造用離型フィルムロール
JP2003300283A (ja) * 2002-04-09 2003-10-21 Mitsubishi Polyester Film Copp 離型フィルム
JP2003305806A (ja) * 2002-04-17 2003-10-28 Toyobo Co Ltd セラミック離型用ポリエステルフィルム
JP2004058371A (ja) * 2002-07-26 2004-02-26 Toray Ind Inc 離型用二軸延伸ポリエステルフィルム
JP2004142179A (ja) * 2002-10-23 2004-05-20 Teijin Dupont Films Japan Ltd 離型用二軸配向ポリエステルフィルム

Patent Citations (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05289040A (ja) * 1992-04-10 1993-11-05 Idemitsu Kosan Co Ltd 基板の洗浄方法
JPH0966591A (ja) * 1995-09-01 1997-03-11 Teijin Ltd 積層フイルム
JPH11188790A (ja) * 1997-12-26 1999-07-13 Tokuyama Corp 二軸延伸ポリプロピレンフィルム及びその製造方法
JP2000117900A (ja) * 1998-10-20 2000-04-25 Toyobo Co Ltd 離型フィルム
JP2001072471A (ja) * 1999-09-01 2001-03-21 Toyobo Co Ltd セラミックシート製造用離型フィルム及びその製造方法
JP2001081211A (ja) * 1999-09-09 2001-03-27 Du Pont Toray Co Ltd ポリイミドフィルムとその製造方法およびポリイミドフィルムロール
JP2002040249A (ja) * 2000-07-25 2002-02-06 Toray Ind Inc 偏光フィルム貼り合わせ用ポリエステルフィルム
JP2002121075A (ja) * 2000-10-06 2002-04-23 Murata Mfg Co Ltd セラミックグリーンシート及び積層セラミック電子部品の製造方法
JP2002178454A (ja) * 2000-12-11 2002-06-26 Toyobo Co Ltd 離型フィルム
JP2003145685A (ja) * 2001-11-07 2003-05-20 Toyobo Co Ltd 薄膜セラミックシート製造用離型フィルムロール
JP2003300283A (ja) * 2002-04-09 2003-10-21 Mitsubishi Polyester Film Copp 離型フィルム
JP2003305806A (ja) * 2002-04-17 2003-10-28 Toyobo Co Ltd セラミック離型用ポリエステルフィルム
JP2004058371A (ja) * 2002-07-26 2004-02-26 Toray Ind Inc 離型用二軸延伸ポリエステルフィルム
JP2004142179A (ja) * 2002-10-23 2004-05-20 Teijin Dupont Films Japan Ltd 離型用二軸配向ポリエステルフィルム

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006181994A (ja) * 2004-12-28 2006-07-13 Toyobo Co Ltd 薄層セラミックシート製造用離型フィルムロールの製造方法
JP2009231031A (ja) * 2008-03-22 2009-10-08 Mitsubishi Plastics Inc 燃料電池用両面離型フィルム
JP2009231030A (ja) * 2008-03-22 2009-10-08 Mitsubishi Plastics Inc 燃料電池用両面離型フィルム
JP2009231047A (ja) * 2008-03-24 2009-10-08 Mitsubishi Plastics Inc 燃料電池用両面離型フィルム
JP5104996B2 (ja) * 2010-01-29 2012-12-19 東レ株式会社 ポリ乳酸系樹脂シート
CN102712769A (zh) * 2010-01-29 2012-10-03 东丽株式会社 聚乳酸系树脂片
WO2011092989A1 (ja) * 2010-01-29 2011-08-04 東レ株式会社 ポリ乳酸系樹脂シート
AU2010344596B2 (en) * 2010-01-29 2013-08-01 Toray Industries, Inc. Polylactic acid-based resin sheet
US8685524B2 (en) 2010-01-29 2014-04-01 Toray Industries, Inc. Polylactic acid-based resin sheet
CN102712769B (zh) * 2010-01-29 2014-12-03 东丽株式会社 聚乳酸系树脂片
KR101762467B1 (ko) 2010-01-29 2017-07-27 도레이 카부시키가이샤 폴리락트산계 수지 시트
JP2014012372A (ja) * 2012-07-05 2014-01-23 Mitsubishi Plastics Inc 積層ポリエステルフィルム
JP2015174356A (ja) * 2014-03-17 2015-10-05 三菱樹脂株式会社 基材レス両面粘着シート用離型フィルム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6171937B2 (ja) 離型用二軸配向ポリエステルフィルム
JP6380104B2 (ja) 離型用二軸配向積層ポリエステルフィルム
JP6273717B2 (ja) セラミックシート成形用離型フィルム
JP2009233919A (ja) 帯電防止性離型用積層ポリエステルフィルム
JP2007062179A (ja) 離型用積層ポリエチレンテレフタレートフィルムロール
JP4649702B2 (ja) 離型ポリエステルフィルム
JP2018090803A (ja) ポリエステルフィルムロール
JP2014133373A (ja) 離型用二軸配向ポリエステルフィルムおよびその製造方法
JP4961667B2 (ja) 薄層セラミックシート製造用離型フィルムロールの製造方法
JP2017217901A (ja) 離型用二軸配向ポリエステルフィルムおよびその製造方法
JP2006181993A (ja) 薄層セラミックシート製造用離型フィルムロールの製造方法
JP2015174357A (ja) 積層ポリエステルフィルム
JP3948333B2 (ja) セラミック離型用ポリエステルフィルム
JP2008221560A (ja) 積層フィルム
JP2004142179A (ja) 離型用二軸配向ポリエステルフィルム
JP6277798B2 (ja) 基材レス両面粘着シート用離型フィルム
JP4311007B2 (ja) ポリエステルフィルムロール
JP7139745B2 (ja) 離型用二軸配向ポリエステルフィルム
JP4313614B2 (ja) 離形フィルム
JP7129018B2 (ja) 離型用ポリエステルフィルム
JP2005187779A (ja) ポリエステルフィルムロール及びその製造方法
JP3643441B2 (ja) 複合化離型フィルム
JP2003301052A (ja) 離型フィルム用ポリエステルフィルム
JP2002093673A (ja) セラミックシート製造用フィルム積層体
JP4899314B2 (ja) 薄膜セラミックシート製造用離型フィルムロールの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20071114

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100405

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100907

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101013

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110301

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110303

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110810

A521 Written amendment

Effective date: 20111006

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20111006

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120131