JP2014133373A - 離型用二軸配向ポリエステルフィルムおよびその製造方法 - Google Patents

離型用二軸配向ポリエステルフィルムおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
使用後の離型フィルムを再利用させた、離型フィルム用二軸配向ポリエステルフィルムを効率よく製造する。
【解決手段】
3層からなり表層(A層)、中間層(B層)、表層(C層)を有し、A層は、体積平均粒子径(dA)が0.1μm以上1.0μm以下であるモース硬度が7以下の無機粒子及び/又は有機粒子をA層の重量に対し0.05重量%以上1.0重量%以下含有し、厚みが3.0μm以上8.0μm以下の層であって、B層は、ケイ素元素を含有し、
C層は、体積平均粒子径(dC)0.2μm以上1.0μm以下の無機粒子及び/又は有機粒子をC層の重量に対し0.03重量%以上1.0重量%未満含有する、厚み0.5μm以上2.0μm以下の層であり、かつ、層全体の厚みが20μm以上40μm以下であることを特徴とする離型用二軸配向ポリエステルフィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は二軸延伸ポリエステルフィルムをベースとする、離型用ベースフィルムに関する。
積層セラミックスコンデンサーは、携帯電話、スマートフォン、カーナビ他、多種多様なIT(Information Technology)機器に搭載されており、需要は非常に高い。また、2000年当初のIT革命から極めて高く需要が伸びて以降も、順調に需要が伸びており、近年では、昨今のスマートフォンの普及に伴い、さらなる需要の伸びが予想されている。一方で、環境問題への取り組みとして、二軸延伸ポリエステルフィルムからなる離型フィルムを使用後に再チップ化したものを、ポリエステルフィルムに再利用する検討が、かつてよりなされてきた。特許文献1に示すように、使用済み磁気カードを再度、磁気カード用フィルムへリサイクルする例が開示されており、また、特許文献2に示すように、一度押出使用されたポリエステル系樹脂を産業廃棄物として排気、燃焼させること無くフィルムに回収し、該回収原料を用いて十分に実用に供することのできる複合フィルムを提供することが提案された。しかしながら、一般的には、使用済みのフィルム加工品をリサイクル原料として、フィルムにリサイクルさせることは、品質、品位において、使用上問題になることもある。特に特許文献2に関しては、ポリエステルフィルム上に、離型剤として設けるシリコーン層は、回収時にかかる熱や、ポリエステルフィルム製造時の溶融・押出時に、分解し、異臭を発生し、又、粘度を著しく低下させ、製膜性が悪化する。一方で、離型フィルムの表面に積層させた離型層を、容易に剥離できるような構成のポリエステルフィルムを離型フィルムとして用い、使用後に離型層を剥離させる方法や(特許文献3)、離型層であるシリコーンコート層を不要としたセラミックシート製造用剥離フィルム、及び使用後のセラミックスシート製造用剥離フィルムを有効にリサイクル原料として再利用できるリサイクル方法(特許文献4)、離型フィルムがポリエステルフィルムの片面に硬化型シリコーン樹脂を含む水系塗布液を塗布し、該離型フィルムの回収原料を、該離型フィルムにリサイクルする方法(特許文献5)などが開示されている。しかしながら、これらの方法ではポリエステルフィルムの製造工程が複雑になり、生産性が低下し、コスト高になる。
特開平8−85193号公報 特開2000−141573号公報 特開2002−265665号公報 特開2011―104986号公報 特開2010−17932号公報
本発明の目的は、使用後の離型フィルムをリサイクル原料に再生して使用し、再度離型用フィルムを製造するのに好適な、離型用二軸配向ポリエステルフィルムを提供することにある。
本発明者らは、上記実情に鑑み鋭意検討した結果、フィルムの層構成を、リサイクル原料の種類に応じ最適化することで、使用後の離型フィルムをリサイクル原料に用いたポリエステルフィルムに、離型用フィルムとして好ましい特性であるシリコーン密着性を発現させることを見いだし、本発明に至った。
すなわち、
3層からなるポリエステルフィルムであって表層(A層)、中間層(B層)、表層(C層)を有し、
A層は、体積平均粒子径(dA)が0.1μm以上1.0μm以下であるモース硬度が7以下の無機粒子及び/又は有機粒子をA層の重量に対し0.05重量%以上1.0重量%以下含有し、厚みが3.0μm以上8.0μm以下の層であって、
B層は、ケイ素元素を含有し、
C層は、体積平均粒子径(dC)0.2μm以上1.0μm以下の無機粒子及び/又は有機粒子をC層の重量に対し0.03重量%以上1.0重量%未満含有する、厚み0.5μm以上2.0μm以下の層であり、かつ、層全体の厚みが20μm以上40μm以下であることを特徴とする離型用二軸配向ポリエステルフィルム。
本発明によれば、シリコーン密着性を発現させるに好適な、離型ポリエステルフィルムを安価で提供することができる。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明の離型用二軸配向ポリエステルフィルムにおける、離型用とは、ポリエステルフィルム基材を用い、部材を成型し、成型後の部材から剥離する用途を指す。部材は、多層セラミックスコンデンサーにおけるグリーンシートや、多層回路基板における、層間絶縁樹脂、光学関連部材におけるポリカーボネートなどが挙げられる。
本発明の離型用二軸配向ポリエステルフィルムにおいては、特に、多層セラミックスコンデンサーの製造工程において用いられる離型用フィルムに好適に用いられる。
本発明の離型用二軸配向ポリエステルフィルムにおける、二軸配向とは、広角X線回折で二軸配向のパターンを示すものである。また、未延伸(未配向)フィルムを、常法により、二次元方向に延伸された状態を指す。延伸は、逐次二軸延伸または同時二軸延伸のいずれの方法も採ることができる。逐次二軸延伸は、長手方向(縦)および幅方向(横)に延伸する工程を、縦−横の1回ずつ実施することもできるし、縦−横−縦−横など、2回ずつ実施することもできる。
本発明の離型用二軸配向ポリエステルフィルムにおける、ポリエステルとは、二塩基酸とグリコールを構成成分とするポリエステルであり、芳香族二塩基酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸、ナトリウムスルホイソフタル酸、ジブロモテレフタル酸などを用いることができる。脂環族二塩基酸としては、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸などを用いることができる。グリコールとしては、脂肪族ジオールとして、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコールなどを用いることができ、芳香族ジオールとして、ナフタレンジオール、2,2ビス(4−ヒドロキシジフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ハイドロキノンなどを用いることができ、脂環族ジオールとしては、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオールなどを用いることができる。
上記ポリエステルは公知の方法で製造することができ、固有粘度は下限0.5、上限 0.8が好ましい。さらに好ましくは下限0.55、上限0.70である。
本発明の離型用二軸配向ポリエステルフィルムは、ポリエステルA層およびポリエステルB層およびポリエステルC層の3層からなる積層フィルム(離型用二軸配向ポリエステルフィルム)である。
A層は、離型層を設けた後に、セラミックススラリーを塗布する面を構成するのに好適な層であり、C層は離型層の反対面を構成するのに好適な層であり、B層は、A層とC層の中間に位置する層である。
この際、B層には、内層部に、リサイクル原料を混合して使用することで、コストメリットを得ることが可能である。本発明において、リサイクル原料とは、、フィルムを製造した後のフィルムを回収し、ペレット化したものでも良く、また、離型層を設けた、離型フィルムを回収して、ペレット化したものでも良く、また、離型フィルムとして用いられた後のフィルムを回収して再チップ化したものでも良い。リサイクル原料として、離型フィルムとして用いられた後のフィルムを回収して再チップ化した原料を用いると、離型用フィルムとして好ましい特性であるシリコーン密着性やハンドリング性を向上させることが可能であるため好ましい。
また、ポリエステルA層とポリエステルC層を構成するポリエステルには、フィルム層表面の突起高さや表面粗さを適正化させることを目的として、また、セラミックススラリーの塗工性を向上させることを目的として、またB層に入れたリサイクル原料中のシリコーン凝集物を、A層にブリードアウトさせずに、C層に選択的に析出させることを目的として、ポリエステルA層においてはモース硬度が7以下の有機粒子及び/又は無機粒子、及び/又は有機粒子を含有し、かつ、ポリエステルC層においては、無機粒子及び/又は有機粒子を含有することが必要である。
また、A層に含有させる、モース硬度が7以下の有機粒子及び/又は無機粒子は、C層に含有する有機粒子及び/又は無機粒子と同種のものでも異種のものでも良い。
モース硬度が7以下の無機粒子の種類としては、球状シリカ、ケイ酸アルミニウム、二酸化チタン、炭酸カルシウムが好ましい。有機系高分子粒子としては、架橋ポリスチレン樹脂粒子、架橋シリコーン樹脂粒子、架橋アクリル樹脂粒子、架橋スチレン−アクリル樹脂粒子、架橋ポリエステル粒子、ポリイミド粒子、メラミン樹脂粒子等が好ましい。本発明の離型用二軸配向ポリエステルフィルムのA層に、B層に入れたリサイクル原料中のシリコーン凝集物に対する耐ブリードアウト性を与えるためには、これらの粒子を用いることが好ましい。
セラミックススラリーの塗工性とは、セラミックスコンデンサーの誘電体を、本発明の離型用二軸配向ポリエステルフィルムからなる離型フィルム上に塗布後、乾燥させた後に得られる成形体であるセラミックスシート(いわゆるグリーンシート)のピンホールの有無や、シート表面および端部の表面状態を示す。
本発明の離型用二軸配向ポリエステルフィルムの厚みは、下限は20μmであり、上限は40μmである。厚みが20μmを下回ると、本発明の離型用二軸配向ポリエステルフィルムを積層セラミックスコンデンサーを製造する工程においてグリーンシート成形の支持に用いた際に、セラミックススラリーを保持するための腰がなくなり、セラミックススラリーの塗布において、セラミックススラリーを支えられなくなり、後工程で均一な乾燥ができなくなる。厚みが40μmを超えると、二軸延伸フィルムを製造することが大変困難になり生産性が悪くなるため好ましくない。
本発明におけるA層の積層厚みは3.0μm以上8.0μm以下である。積層厚みが3.0μm未満では、B層に含有する離型層中の成分が、離型層面に析出するのを防止するに十分な厚みでは無く、8.0μmを超えると、含有粒子で突起が形成されないことがあり、好ましくない。
本発明におけるB層の厚みは、10.0μm以上35.0μm以下であることが好ましい。B層を構成するポリエステルは、離型フィルムを回収してなるリサイクル原料を含有することが好ましい。3層構成においてこの層の厚み比率を定めることは、回収可能なリサイクル原料の量を、該原料に含まれる、一定量のシリコーン凝集物が析出する事を抑制するうえで重要である。B層の厚み比率がA層およびC層より高すぎると、B層に含まれる、一定量のシリコーン凝集物が多量に保持され、保管時や加工時に、シリコーン凝集物が多量に析出される。その結果、離型層のコーティング時に塗布抜けが発生する。一方で、厚み比率が低すぎると、リサイクル原料を回収できる量が限られるので好ましくない。すなわち、B層が35μmを超えると、シリコーン凝集物が過度に析出されやすくなり、B層が10μm未満だと、リサイクル原料の使用量が限られ好ましくない。また、B層を構成するポリエステルは、リサイクル原料を5重量%以上75重量%以下含有すると、シリコーン凝集物の析出量が適度な範囲となり、シリコーン密着性が良好な離型用フィルムとなる。より好ましくは10重量%以上65重量%以下であり、特に好ましくは25重量%以上60重量%以下である。
本発明におけるB層の積層厚みは、全層厚み、A層の厚み、C層の厚みについて前述の範囲内において定め、総厚みを前述の範囲内で定めることによって決まる。
また、本発明におけるC層の積層厚みは0.5μm以上2.0μm以下である。積層厚さが0.5μm未満では、積層部に含有した粒子が脱落する場合があり、一方、積層厚さが2.0μmを越えると、粒子による突起形成の均一性が損なわれることがあり、好ましくない。
B層は、使用後離型フィルムを回収してなるリサイクル原料を入れることに加え、ポリエステルフィルムの製造工程で発生した屑よりなる回収原料をリサイクル原料として用いることが好ましい。本発明におけるリサイクル原料は、積層セラミックスコンデンサー用離型フィルムや、積層セラミックスコンデンサー用離型フィルムを、セラミックスグリーンシート成形に使用し、剥離した後に、グリーンシートの残渣を洗浄した後に残るフィルムを、粉砕、乾燥、溶融・押出し、チップ化したものであることが好ましい。
本発明の離型用二軸配向ポリエステルフィルムにおいて、A層には体積平均粒子径が0.1μm以上1.0μmのモース硬度が7以下の無機粒子及び/又は有機粒子を、A層の重量に対し0.05〜1.0重量%含有させる必要がある。B層には、体積平均粒子径が0.05μm以上1.5μm以下のモース硬度が7以下の無機粒子及び/又は有機粒子を含有し、モース硬度が7以下の無機粒子は、B層の重量に対し0.6〜6重量%含有し、有機粒子は、B層の重量に対し0.05〜5重量%含有することが好ましい。C層には体積平均粒子径が0.2μm以上1.0μmの無機粒子及び/又は有機粒子をC層の重量に対し0.03〜1.0重量%含有させる必要がある。
本発明における、回収原料中のに含まれる、ケイ素を含むシリコーン樹脂は、選択的にC層側の面に析出されることにより、原反の巻き取り性や、本発明のフィルむからなる離型フィルム上に、セラミックスグリーンシートを積層し巻き取った後の工程において、背面とのブロッキングを抑制することができる。
本発明に用いる粒子は、フィルム表面の平滑性を適性にしつつ、延伸時に粒子周りに発生するボイドを抑制し、ケイ素を含むシリコーン樹脂の抽出量を規制するために選択されるものであり、好ましくは粒子の弾性が高い有機粒子を用いる。有機粒子は、前述の有機粒子の内、架橋ポリスチレン樹脂粒子、架橋シリコーン樹脂粒子、架橋アクリル樹脂粒子、架橋スチレン− アクリル樹脂粒子、架橋ポリエステル粒子より選ばれる有機粒子が特に好ましい。無機粒子においては、有機粒子と同様に好ましく使用するためには、モース硬度が7以下であることが必要である。
すなわちモース硬度が7以下の無機粒子は、前述のモース硬度が7以下の無機粒子種の内、球状シリカ、ケイ酸アルミニウムが特に好ましい。
粒子の形状・粒子径分布については均一なものが好ましく、とくに粒子形状は球形に近いものが好ましい。体積形状係数は好ましくはf=0.3〜π/6であり、より好ましくはf=0.4〜π/6である。体積形状係数fは、次式で表される。
f=V/Dm
ここでVは粒子体積(μm),Dmは粒子の投影面における最大径(μm)である。
なお、体積形状係数fは粒子が球のとき、最大のπ/6(=0.52)をとる。また、必要に応じて濾過などを行うことにより、凝集粒子や粗大粒子などを除去することが好ましい。中でも、乳化重合法で等で合成された、架橋ポリスチレン樹脂粒子、架橋シリコーン樹脂粒子、架橋アクリル樹脂粒子が好適に使用できるが、とくに架橋ポリスチレン粒子、架橋シリコーン、さらに球状シリカなどは体積形状係数が真球に近く、粒径分布が極めて均一であり、均一にフィルム表面突起を形成する観点で好ましい。
また、C層表面の突起は、巻き取られたグリーンシートを巻き出す際に、グリーンシート表面に引っかかり、グリーンシートを削ることがある。この引っかかりも、C層表面の平坦な面に形成された突起の高さが、均一であることで防止できる。
またこの突起は、グリーンシートとC層表面がブロッキングを起こすことも防止している。
さらに、これらの粒子については界面活性剤などによる表面処理を施すことにより、ポリエステルとの親和性の改善を図ることが可能であり、脱落の少ない突起を形成することが可能で好ましい。
本発明の離型用二軸配向ポリエステルフィルムにおいて、A層表面の中心線粗さSRa(A)は、3nm以上10nm以下であることが好ましく、C層表面の中心線粗さSRa(C)は10nm以上30nm以下であることが好ましい。また、A層表面の十点平均粗さSRz(A)は300nm以下であることが好ましく、C層表面の十点平均粗さSRz(C)は600nm以下であることが、厚みが2μm以下のグリーンシートを成形する上での適切な平滑性を得られるので好ましい。A層表面の中心線粗さSRa(A)が3nmを下回る場合、離型層塗布後のフィルムロールの保管中にブロッキングを起こしやすくなることがあり、30nmを超えると、セラミックススラリーの塗布が不均一となることがあり、グリーンシートにピンホール等の欠陥が生じやすくなることがあり、好ましくない。A層表面の十点平均粗さSRz(A)が300nmを超えると、A層の表面形態が、A層と接する面のグリーンシートの表面形態を悪化させ、セラミックスコンデンサーの静電容量のばらつきを生じやすくなり、好ましくない。また、C層表面は、本発明の離型用二軸配向ポリエステルフィルムを加工する際、離型層塗布工程やセラミックススラリー塗布工程において、加工面の反対面になるため、ハンドリング性が良好である事が必要である。また、スラリーを塗布し乾燥後に得るグリーンシートは、本発明の離型用二軸配向ポリエステルフィルムに離型層を塗布してなる離型フィルム上に保持し、巻き取られるため、先述の通りC層表面の形状は、巻き取られた後のグリーンシートの表面形態に影響を及ぼす。C層表面の中心線粗さSRa(C)が10nmを下回ると、離型層塗布工程やスラリー塗布工程にてハンドリング性が悪化し、塗布が不安定となり、塗布斑が発生することや、塗布後の巻き取り時に、噛み込んだ空気が抜けにくくなることによる、巻きズレを起こすことがあるため、好ましくない。また、C層表面の中心線粗さSRa(C)が30nmを超える場合は、表面に形成された凹凸がグリーンシート表面に転写される影響が大きくなり、セラミックスコンデンサーの静電容量にばらつきが生じやすくなり、好ましくない。C層表面の十点平均粗さSRz(C)が600nmを超えると巻き取られたグリーンシートの表面に凹みやピンホールを生じさせる要因となり、セラミックスコンデンサーの耐圧不良になることもあり、好ましくない。これらは、A層およびC層に特定の有機粒子あるいは無機粒子を特定量含有させることによって達成出来る。
本発明の離型用二軸配向ポリエステルフィルムは、長手方向および横方向の破断強度の和が500MPa以上600MPa以下であることが好ましく、さらに好ましくは520MPa以上590MPa以下である。また、幅方向の破断強度が長手向の破断強度と同等以上が好ましく、その差は、0MPa以上90MPa以下であり、さらに、その差が40MPa以上80MPa以下の場合がさらに好ましい。長手方向および横方向の破断強度の和が500MPaを下回ると、延伸工程に粒子周りのポリマーが粒子より剥離してなるボイド(空隙)構造が発現しづらくなり、所望の表面粗さや、クッション性が発現しないため好ましくない。600MPaより上回る状態を達成する為には長手方向や幅方向への延伸を過度に実施する必要があり、延伸中に破断することがあるため好ましくない。
また、破断伸度は80%以上220%以下、好ましくは90%以上210%以下が好ましく、さらに、長手方向の破断伸度が幅方向の破断伸度の同等以上が好ましく、その差が0%以上100%以下の場合がさらに好ましく、さらに、長手方向の破断伸度が170%以上190%以下、幅方向の破断伸度が90%以上110%以下で、長手方向の破断伸度が幅方向の破断伸度より70%以上90%以下大きい場合がさらに好ましい。破断伸度が80%を下回ると、セラミックススラリー塗布時に工程内での張力を受けた際、張力変動を吸収できず、塗布斑となることもあり好ましくない。破断伸度が220%を超えると、離型層塗布後の保管時に平面性が悪くなり、また、セラミックススラリー塗布後の保管時に、グリーンシートの平面性を損ねることもあり、好ましくない。破断伸度を先述の範囲にコントロールすることにより、加工工程で受ける張力により、フィルムが伸縮する現象や、巻き取り後にも残留応力が回復する挙動をコントロールすることができ、最終的には薄膜のグリーンシートの平面性を良好に保つことができる。長手方向の破断伸度が、幅方向の破断伸度と同等以上である必要性は、離型層を塗布する工程および巻き取り工程において、長手方向に張力がかかることと、該張力は巻き取られた後にもフィルム内の応力として残ることと、長手方向に張力がかかった際に、ポワソン変形により幅方向のフィルムに寸法変化が発生するため、離型層を塗布したロールを巻き出す際に平面性不良が発生することがある。これら長手・幅方向の寸法変化を抑制するために、長手方向と幅方向の破断伸度差を上記の範囲にすることが好ましい。
また、本発明における離型用二軸配向ポリエステルフィルムは、ヘイズが7%以下であることが好ましく、6%以下がさらに好ましい。積層セラミックスコンデンサーの離型用途としては、回収原料を3層複合層の中間層に入れることは可能であるが、ヘイズが7%を超えてしまうと、グリーンシートの成型状態、特に端部の状態を確認するのが難しくなるため、好ましくない。
さらに、フィルムの長手方向に15m測定し、記録されたフィルム厚さチャートから求めた、最大厚みと最小厚みの差である厚み斑は2μm以下が好ましく、さらに、好ましくは1.4μm以下である。従来から、フィルムの厚み斑を少なくすることはフィルムを製造する上での課題であったが、本発明の離型用フィルム、特に薄膜セラミックスコンデンサー製造に適用される離型フィルムへ適用するには長手方向の厚み斑を前記範囲とすることが、グリーンシートの厚さを薄くする際にコンデンサーの静電容量にばらつきを生じさせないため、好ましい。
本発明におけるポリエステルフィルムは、フィルム表面に存在する高さ0.27μm以上の粗大突起が5個/100cm以下であることが好ましい。さらに0.54μm以上の粗大突起が実質的に存在せず、1個/100cm以下であることが好ましい。粗大突起数が上記の値を超えると、離型剤を塗布時、塗布ムラ、ピンホール状の塗布抜け欠点を生じる場合があり、また、グリーンシートの厚さを薄くする際に、先述の離型剤塗布抜けにより、グリーンシートの剥離斑が生じることや、粗大突起が原因となりグリーンシートに凹みやピンホールを生じさせることがあるため好ましくない。
フィルム表面の粗大突起において上記の好ましい形態を達成するためには、粒子種および体積平均粒子径を上記の範囲にすることや、原料供給のための設備で、特に原料貯蔵設備(サイロ)、原料搬送のための配管を、本発明で使用する粒子を含むマスターペレットのみのために使用することが望ましい。また、原料を搬送するためには、ブロワーを用い空気により搬送を行うか、自由落下により搬送を行うが、空気により搬送を行う際は、空気を取り込む際に0.3μm以上の塵埃を95%カットできるフィルターを用い、空気を濾過することが好ましい。また、本発明の製造時に用いるフィルターを、後述の高精度なフィルターとすることにより達成することができる。
本発明におけるポリエステルフィルムにおいては、寸法変化率を適性にコントロールすることが、後加工、特に離型層を塗布した後の平面性を良好に保つ上で好ましく、製膜条件における弛緩処理等の公知の方法により適宜調整することにより達成出来る。150℃における寸法変化率は長手方向で2%以下、幅方向で2.5%以下が好ましく、長手方向で0.5%以上1.7%以下、幅方向で1%以上2%以下がさらに好ましい。また、100℃における寸法変化率は長手方向、幅方向ともに1%以下が好ましく、0.2%以上0.8%以下の範囲であるとさらに好ましい。該寸法変化率において上記範囲の下限を下回ると、離型層を塗布する際にタルミによる平面性不良が発生し、上限を上回ると、離型層を塗布する際に収縮によりトタン状に収縮斑が発生し平面性不良となり、いずれの場合も薄膜グリーンシートの塗布厚みに斑を生じさせることがあるため、好ましくない。
本発明におけるポリエステルフィルムのB層に用いるリサイクル原料は、上述のとおり、離型フィルムや、離型フィルムとして用いられた後のフィルムを用いることが好ましいが、特にポリエステルフィルム上に離型層を付与した離型フィルムを、セラミックスグリーンシートの成形に用いられた後に剥離され、巻き取られた状態のロールから、ポリエステルフィルム用チップとして再利用される原料であることが好ましい。
ここで言う離型層とは、グリーンシート積層、電極付与後、離型フィルムとグリーンシートを剥離させる工程において、剥離が容易にに行われるために必要な層である。シリコーン系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂等が挙げられる。
グリーンシートは、セラミックスコンデンサーにおける、誘電体層であり、本発明の一実施形態によるセラミックス組成物は、誘電体セラミックス粉末、有機バインダ及び特定化学式で表される帯電防止剤を含む。上記誘電体セラミックス粉末は高い誘電率を有するものであり、積層セラミックスキャパシタに用いられるものであれば特に制限されない。これに制限されるものではないが、例えば、ABOで表されるペロブスカイト型化合物を用いることができ、例えば、チタン酸バリウム(BaTiO)系材料またはチタン酸ストロンチウム(SrTiO)系材料などを用いることができる。上記ペロブスカイト系材料は、A−サイト(site)またはB−サイト(site)の一部が置換されることができ、上記チタン酸バリウム系材料は、Baの一部がCaまたはSrに置換され、Tiの一部がZrまたはHfに置換されたものを用いることができる。これに制限されるものではないが、例えば、BaTiO、BaCaTiO、BaTiZrO、BaCaTiZrOなどを用いることができる。上記誘電体セラミックス粉末の平均粒径は、0.1〜0.5μmであることができる。上記有機バインダは、当業界で通常的に用いられるものであれば特に制限されない。これに制限されるものではないが、例えば、セルロース系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、アリル樹脂、アクリル樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、アルキド樹脂、ロジンエステル樹脂などの有機バインダを用いることができる。上記セルロース系樹脂はエチルセルロースであることができる。
上記方法にて積層されたグリーンシート上には、内部電極を設ける。内部電極層は、パラジウム、銀、銅、ニッケルが好ましく用いられ、これらを含有するペーストを、スクリーン印刷することで、内部電極がパターンとして形成された積層体が得られる。
上記方法にて得られた、内部電極がパターンとして形成された積層体は、離型フィルムから剥離させた後積層される。積層後に剥離しても良い。剥離後の離型フィルムは、巻き取られる。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムのB層に入れるリサイクル原料は、ケイ素元素を含有することが特徴である。ケイ素は、離型フィルムの離型層にて用いられているシリコーン樹脂に含まれる成分である。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムにおける、リサイクル原料の作成方法は以下(1)〜(7)の工程をその順に有する方法によって得られることが好ましい。
(1)ポリエステルフィルムの表面を洗浄する工程。
(2)切断装置と排気装置を有する外装より構成されたクラッシャーを用いて、前記洗浄後のポリエステルフィルムからフレークを作成する工程。
(3)前記にて得られたフレークを、真空引き容器内で攪拌しながら乾燥させる工程。
(4)前記乾燥後のフレークを、ベント口から真空引きされたスクリューを有する押出機にて溶融し、ポリエステルを押出する工程。
(5)前記押出されたポリマーを、ポリマーフィルターにて濾過する工程。
(6)前記ポリマーフィルターにより濾過したポリエステルを、口金から吐出する工程。
(7)口金から吐出されたポリエステルを冷却後、切断しリサイクル原料を作成する工程。
以下に説明する。
(1)ポリエステルフィルムの表面を洗浄する工程。
リサイクル原料を作成するためには先ず、離型層上に積層されたグリーンシートおよび内部電極層を掻き落とすことが好ましい。掻き落としは、繰り出した使用後の離型フィルムを、水洗層中で行う。掻き落とした後水槽から出して、水を拭き取り、吸引させた後に、オーブンで乾燥させ、洗浄後フィルムを巻き取る。これら一連の作業は、巻き出しから巻き取りまでの工程で一貫して行う(いわゆるRoll to Roll)。水洗層内の水は循環させ、途中で濾過を行い、フィルムから掻き落としたグリーンシートの残渣を、フィルターにて捕捉する。
(2)切断装置と排気装置を有する外装より構成されたクラッシャーを用いて、前記洗浄後のポリエステルフィルムからフレークを作成する工程。
次に、巻き取ったフィルムを引き取りロールにて繰り出し、切断装置と排気装置を有する外装より構成されたクラッシャー(粉砕刃)を用いて、前記洗浄後のポリエステルフィルムフィルムを粉砕後、フレークを作成し、フレーク貯蔵ホッパーに貯蔵する。
(3)前記にて得られたフレークを、真空引き容器内で攪拌しながら乾燥させる工程。
フレーク貯蔵ホッパーに貯蔵した、粉砕後のフィルムは、適時貯蔵用サイロに移送した後、チップ化するための装置上に設けた、フレーク貯蔵ホッパーへ移送する。チップ化するための装置は、乾燥ドラム、押出機、口金、冷却層、粉砕刃より構成される。乾燥ドラムには、回収原料用のフレーク貯蔵ホッパーとは別に、添加剤を投入するための貯蔵ホッパーを有する事が、回収原料の溶融に際し機能を補完することができるため、好ましい。乾燥ドラムは、回収原料用のフレークを、乾燥ドラム下部に設置された攪拌翼にて水平方向に回転させ、フレークを攪拌しながら、フレークと、フレーク、攪拌翼、回転ドラム内との擦過により発生させた熱を利用して、フレーク内外の水分を揮発させる。この際、発熱により、離型層中のバインダーが分解・気化し、異臭の元となるため、揮発した水分とともに、ドラム外に排出する必要がある。ドラム外の排出はファンを用い強制的に行い、バグフィルターおよびスクラバー(排ガス洗浄装置)を介して大気に放出させる。
原料を乾燥ドラムに投入する際は、同時に鎖延長剤をともに投入させると、回収後のIV低下を抑制でき好ましい。鎖延長剤は、ポリエステル再利用品(再生品)の粘度を上昇させるものであり、エポキシ官能基系、オキサゾリン又はカプロラクタム系のものが挙げられる。エポキシ官能基系鎖延長剤は、「Joncryl」の商品名でBASF社(ドイツ)より市販されており、オキサゾリン又はカプロラクタム系鎖延長剤は、「Allinco」の商品名でDSM社(オランダ)より市販されている。乾燥させた原料は、押出機フィード部に供給する。供給時の回収原料は、二軸延伸ポリエステルフィルムからなるフレークが、押出機への噛み込みを十分に行うために原料を収縮・減容化させる指標として、180℃以上210℃未満の範囲まで昇温されていることが好ましい。
(4)前記乾燥後のフレークを、ベント口から真空引きされたスクリューを有する押出機にて溶融し、ポリエステルを押出する工程。
前記乾燥後のフレークを、ベント口から真空引きされたスクリューを有する押出機にて溶融し、ポリエステルを押し出しする。押出機は、回収原料を溶融させ、吐出させるが、押出機内の滞留時間を少なくし、回収原料の熱分解を抑制するために、押出機スクリューの有効長(L/D)は、20以上35未満であることが好ましい。
(5)前記押出されたポリマーを、ポリマーフィルターにて濾過する工程。
押出機から吐出された回収原料からなる溶融ポリマーは、ポリマーフィルターにて濾過する。ポリマーフィルターにはスクリーンメッシュフィルター、リーフフィフィルター、キャンドルフィルターなど、公知のものを用いることができるが、回収原料に含まれる離型層の除去を、効果的かつ経済的に実施する為には、スクリーンメッシュフィルターを用いることが好ましい。なお、ポリマーフィルターの材質は、耐熱性、耐圧性、耐腐食性、経済性に優れたステンレスを用いることが好ましい。
ポリマーフィルターは、捕捉すべき異物の大きさ、押出機への背圧や、フィルター交換周期のバランスを考慮して選定すべきである。発明者らは鋭意検討の結果、ポリマーフィルターは目開き20〜300μmのものを3種類以上重ねたもので濾過する事が有効である事を見いだした。該ポリマーフィルターは2系列以上の流路を設けポリマーフィルターを設置できるようにし、連続運転を可能にすることが望ましい。
(6)前記ポリマーフィルターにより濾過したポリエステルを、口金から吐出する工程。
ポリマーフィルターにて異物を濾過した溶融ポリマーは、口金から吐出させ、ガットを成形した後に、冷却する。口金の大きさおよび数は、吐出量、ガットをチップ化する処理速度、冷却効率を考慮して決定する。この工程において、ポリマーフィルターにより濾過した後、口金から吐出するまでのポリエステルの滞留時間が3分以内であると回収原料の熱分解を抑制できるため好ましい。
(7)口金から吐出されたポリエステルを冷却後、切断しリサイクル原料を作成する工程。
その後、口金から吐出されたポリエステルを冷却後、切断しリサイクル原料を作成する。ガットの冷却は公知の方法を用いることができる。水槽中にガットを通過させる方法や、冷却水をスプレー式にガットに吹き付け、ガットを冷却する方法より選択できる。冷却されたガットは、回転刃により切断され、水分を除去し、乾燥させることで、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムにおける、B層に用いるリサイクル原料として、用いることができる。この工程において、口金から吐出されたポリエステルを50℃/sec以上150℃/sec以下の冷却速度にて冷却後、切断すると回収原料の熱分解を抑制できるため好ましい。
次に本発明の二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法について説明する。ポリエステルに不活性粒子を含有せしめる方法としては、例えばジオール成分であるエチレングリコールに不活性粒子を所定割合にてスラリーの形で分散せしめ、このエチレングリコールスラリーをポリエステル重合完結前の任意段階で添加する。ここで、粒子を添加する際には、例えば、粒子を合成時に得られる水ゾルやアルコールゾルを一旦乾燥させることなく添加すると粒子の分散性が良好であり、粗大突起の発生を抑制でき好ましい。また粒子の水スラリーを直接、所定のポリエステルペレットと混合し、ベント方式の2軸混練押出機に供給しポリエステルに練り込む方法も本発明の製造に有効である。
このようにして、各層のために準備した、粒子含有マスターペレットと粒子などを実質的に含有しないペレットを所定の割合で混合し、乾燥したのち、公知の溶融積層用押出機に供給する。本発明の離型用二軸配向ポリエステルフィルムの製造における押出機は、1軸、2軸の押出機を用いることができる。また、ペレットの乾燥工程を省くために、押出機に真空引きラインを設けた、ベント式押出機を用いることもできる。また、最も押出量が多くなるB層には、ペレットを溶融する機能と、溶融したペレットを一定温度に保つ機能をそれぞれの押出機で分担する、いわゆるタンデム押出機を用いることができる。本発明の離型用二軸配向ポリエステルフィルムにおけるA層およびC層は、二軸式ベント式押出機を用いることが、粒子の分散性を良好に保てるので好ましい。
押出機で溶融して押出したポリマーは、フィルターにより濾過する。ごく小さな異物もフィルム中に入ると粗大突起欠陥となるため、フィルターには例えば3μm以上の異物を95%以上捕集する高精度のものを用いることが有効である。続いてスリット状のスリットダイからシート状に押し出し、キャスティングロール上で冷却固化せしめて未延伸フィルムを作る。すなわち、3台の押出機、3層のマニホールドまたは合流ブロック(例えば矩形合流部を有する合流ブロック)を用いて3層に積層し、口金からシートを押し出し、キャスティングロールで冷却して未延伸フィルムを作る。この場合、背圧の安定化および厚み変動の抑制の観点からポリマー流路にスタティックミキサー、ギヤポンプを設置する方法は有効である。
延伸方法は同時二軸延伸であっても逐次二軸延伸であってもよい。特に、同時二軸延伸においてはロールによる延伸を伴わないため、フィルム表面の局所的な加熱ムラを抑制し、均一な品質が得られると共に、延伸時にロール延伸に伴うフィルムとロールとの接触場所での速度差、ロールの微少傷の転写などによる傷の発生を抑制でき好ましい。
同時二軸延伸においては未延伸フィルムを、まず長手および幅方向に延伸温度を80℃以上130℃以下、好ましくは85℃以上110℃以下として同時に延伸する。延伸温度が80℃よりも低くなるとフィルムが破断しやすく、延伸温度が130℃よりも高くなると十分な強度が得られないため好ましくない。また、延伸ムラを防止する観点から、長手方向・幅方向の合計延伸倍率は4倍以上20倍以下、好ましくは6倍以上15倍以下である。合計延伸倍率が4倍よりも小さいと十分な強度が得られにくい。一方、倍率が20倍よりも大きくなると、フィルム破断が起こりやすく、安定したフィルムの製造が難しい。必要な強度を得るためには、温度140℃以上200℃以下、好ましくは160℃以上190℃以下で長手方向及び/又は幅方向に1.02倍以上1.5倍以下、好ましくは1.05倍以上1.2倍以下で再度延伸を行うことが好ましく、合計延伸倍率が、長手方向で3倍以上4.5倍以下、好ましくは3.5倍以上4.2倍以下、幅方向に3.2倍以上5倍以下、好ましくは3.6倍以上4.3倍以下である。目標とするフィルムの破断強度を達成するため、適時倍率を選択できるが、幅方向の破断強度を高くするため、幅方向の延伸倍率を長手方向よりも高めに設定することがさらに好ましい。その後、205℃以上240℃以下 好ましくは220℃以上240℃以下で0.5秒以上20秒以下、好ましくは1秒以上15秒以下熱固定を行う。熱固定温度が205℃よりも低いとフィルムの熱結晶化が進まないため目標とする寸法変化率などが安定しにくいため好ましくない。また、フィルム物性を安定させるため、フィルム上下の温度差が20℃以下、好ましくは10℃以下、更に好ましくは5℃以下である。フィルム上下での温度差が20℃よりも大きいと、熱処理時に微小な平面性の悪化を引き起こしやすいため好ましくない。その後、長手及び/又は幅方向に0.5%以上7.0%以下の弛緩処理を施す。
同時二軸延伸では後述する逐次二軸延伸とは異なり、高温空気によってフィルムが加熱される。そのため、フィルム表面のみ局所的に加熱されて粘着が発生することはなく、延伸方式として逐次延伸より好ましい。
一方、本発明のポリエステルフィルムは、逐次延伸を用いて製造することもできる。
最初の長手方向の延伸は、傷の発生を抑制する上で重要であり、延伸温度は90℃以上130℃以下、好ましくは100℃以上120℃以下である。延伸温度が90℃よりも低くなるとフィルムが破断しやすく、延伸温度が130℃よりも高くなるとフィルム表面が熱ダメージを受けやすくなるため好ましくない。また、延伸ムラ、及びキズを防止する観点からは延伸は2段階以上に分けて行うことが好ましく、トータル倍率は長さ方向に3倍以上4.5倍以下、好ましくは3.5倍以上4.2倍以下であり、幅方向に3.2倍以上5倍以下、好ましくは3.6倍以上4.3倍以下である。目標とするフィルムの破断強度を達成するため、適時倍率を選択できるが、幅方向の破断強度を高くするため、幅方向の延伸倍率を長手方向よりも高めに設定することがさらに好ましい。かかる温度、倍率範囲をはずれると延伸ムラあるいはフィルム破断などの問題を引き起こし、本発明の特徴とするフィルムが得られにくいため好ましくない。再縦または横延伸した後、205℃以上240℃以下、好ましくは210℃以上230℃以下で0.5秒以上20秒以下、好ましくは1秒以上15秒以下熱固定を行う。特に熱固定温度が205℃よりも低くなるとフィルムの結晶化が進まないために構造が安定せず、目標とする寸法変化率などの特性が得られず好ましくない。
逐次延伸において、長手方向の延伸過程は、フィルムとロールの接触し、ロールの周速とフィルムの速度差による傷が発生しやすい工程につき、ロール周速がロール毎に個別に設定できる駆動方式が好ましい。長手方向の延伸過程において、搬送ロールの材質は、延伸前に未延伸フィルムをガラス転移点以上に加熱するか、ガラス転移点未満の温度に保った状態で延伸ゾーンまで搬送し、延伸時に一挙に加熱するかにより選択されるが、延伸前に未延伸フィルムをガラス転移点以上まで加熱する際は、加熱による粘着を防止するうえで、非粘着性シリコーンロール、セラミックス、テフロン(登録商標)から選択できる。また、延伸ロールは最もフィルムに負荷がかかり、該プロセスで傷や延伸斑が発生しやすい工程につき、延伸ロールの表面粗さRaは、0.005μm以上1.0μm以下、好ましくは0.1μm以上0.6μm以下である。Raが1.0μmよりも大きいと延伸時ロール表面の凸凹がフィルム表面に転写するため好ましくなく、一方0.005μmよりも小さいとロールとフィルム地肌が粘着し、フィルムが熱ダメージを受けやすくなるため好ましくない。表面粗さを制御するためには研磨剤の粒度、研磨回数などを適宜調整することが有効である。未延伸フィルムをガラス転移点未満の温度に保った状態で延伸ゾーンまで搬送し、延伸時に一挙に加熱する際、予熱ゾーンの搬送ロールは、ハードクロムやタングステンカーバイドで表面処理を行った、表面粗さRaが0.2μm以上0.6μm以下の金属ロールを使用するのが好ましい。
本発明の離型用二軸配向ポリエステルフィルムは、かかる長手方向に延伸された一軸延伸フィルムを、横延伸機にて80℃以上120℃未満に加熱した後、3倍以上6倍未満で幅方向に延伸し、二軸延伸(二軸配向)フィルムとする。
本発明の離型用二軸配向ポリエステルフィルムは、さらに、再延伸を各方向に対して1回以上行なってもよいし、同時2軸にて再延伸しても良い。更に、二軸延伸の後にフィルムの熱処理を行なうが、この熱処理はオーブン中、加熱されたロール上等、従来公知の任意の方法で行なうことができる。熱処理温度は通常150℃以上245℃未満の任意の温度とすることができ、熱処理時間は、通常1秒間以上60秒間以下行なうことが好ましい。熱処理は、フィルムをその長手方向および/または幅方向に弛緩させつつ行なってもよい。また、熱処理後は熱処理温度より0℃以上150℃以下低い温度で幅方向に0%以上10%以下で弛緩させる。
熱処理後のフィルムは、例えば中間冷却ゾーンや除冷ゾーンを設け、寸法変化率や平面性を調整することができる。また特に、特定の熱収縮性を付与するために、熱処理時あるいはその後の中間冷却ゾーンや除冷ゾーンにおいて、縦方向および/または横方向に弛緩してもよい。
二軸延伸後のフィルムは、搬送工程にて冷却させた後、エッジを切断後巻取り、中間製品を得る。この搬送工程にて、フィルムの厚みを測定し、該データをフィードバックして用いてダイ厚みなどの調整によってフィルム厚みの調整を行い、また、欠点検出器による異物検知を行う。
エッジの切断時には、切粉の発生を抑制することが、本発明の離型用二軸配向ポリエステルフィルムにおいて必要である。エッジの切断は丸刃、シェアー刃、ストレート刃を使用して行うが、ストレート刃を用いる場合は、刃がフィルムに当たる箇所を、常に同じ箇所にさせないことが、刃の摩耗を抑制できるため好ましい形態である。このため刃を上限いオシレーションする機構を有することが好ましい。また、フィルム切断箇所に吸引装置を設けて、発生した切り粉や、切断後のフィルム端部同士が削れて発生する削れ粉を吸引することが好ましい。
中間製品はスリット工程により適切な幅・長さにスリットして巻き取り、本発明の本発明の離型用二軸配向ポリエステルフィルムのロールが得られる。スリット工程におけるフィルムの切断時も、先述のエッジの切断と同様な切断の方式から選定できる。
中間製品を所望の幅にスリットを行い、本発明の離型用二軸配向ポリエステルフィルムを得る。
以下、実施例で本発明を詳細に説明する。
本発明に関する測定方法、評価方法は次の通りである。
(1)製膜性
本発明の離型用二軸配向ポリエステルフィルムを製膜する際、横延伸工程において破れの発生しやすさを以下の基準にて判定する。なお製膜は、24時間連続操業とする。
○:破れ無く製膜できる。操業可能。
△:破れが1日に1〜3回発生するが、操業可能。
×:破れが1日に4回を超える、あるいは横延伸で破れが多発する。操業不可能。
(2)SEM−EDXによる元素マッピング
フィルムを切断し、その切断面を走査型電子顕微鏡(SEM;株式会社日立製作所製S−4000型)にて5000倍で観察し、エネルギー分散型X線分析装置(堀場製作所製EMAX−7000)にて元素分析および元素のマッピングデータを採取する。該マッピングにて、フィルム中に凝縮しているSi(ケイ素)を観察する。シリコーン由来のSi(ケイ素)は、凝縮した後、ポリマー内に分散するため、原料の粒子とは違う、不定形な形態となるため、形態により判別される。該観察を、任意の10視野にて実施し、5視野以上Siの凝集体が認められたら、ケイ素を含有していると判断する。
(3)粒子の体積平均粒径および粒度分布のピーク判定
フィルムからポリマーをプラズマ低温灰化処理法で除去し、粒子を露出させる。処理条件は、ポリマーは灰化されるが粒子は極力ダメージを受けない条件を選択する。その粒子を走査型電子顕微鏡(SEM;株式会社日立製作所製 S−4000型)で観察し、粒子画像をイメージアナライザ(株式会社ニレコ製 LUZEX_AP)で処理する。SEMの倍率は粒径により、およそ5000〜20000倍から適宜選択する。観察箇所をかえて粒子数5000個以上で粒径とその体積分率から、次式で体積平均径dを得る。粒径の異なる2種類以上の粒子を含有している場合には、それぞれの粒子について形状で粒子種を分類して区別し、同様に測定を行い、粒径を求める。
d=Σ(di・Nvi)
ここで、diは粒径、Nviはその体積分率である。
体積分率を求める際の仮定は、粒子を球と見立てた際、画像より得た粒子の面積を、その図形と等しい面積と仮定した際に得られる円相当径より求める。
粒子がプラズマ低温灰化処理法で大幅にダメージを受ける場合には、フィルム断面を透過型電子顕微鏡(TEM;株式会社日立製作所製H−600型)を用いて、粒径により、3000〜20000倍で観察する。TEMの切片厚さは約100nmとし、場所を変えて500視野以上測定し、上記式から体積平均径dを求める。
なお、粒子の体積平均粒径を測定する際に、SEMおよびTEMで観察した際に5000倍で10視野確認しても、粒子が認められなかった場合には、粒子を実質的に含有しないと判断する。
粒度分布のピーク判定は、イメージアナライザで処理した画像から、体積平均径が0.2μm刻みで粒子の個数をカウントした際、全体の20%以上の個数があれば、1つのピークとみなす。このピークをカウントしピーク判定する。
(4)粒子の体積形状係数
走査型電子顕微鏡で、粒子の写真を例えば5000倍で10視野撮影した上、画像解析処理装置を用いて、投影面最大径および粒子の平均体積を算出し、下記式により体積形状係数を得る。
f = V/ Dm
ここで、Vは粒子の平均体積(μm) 、Dm は投影面の最大径(μm)である。
(5)モース硬度
フィルムに添加する粒子と同じ組成、構造をもった試験片、または、粒子に粉砕する前の鉱物を試験片とし、モース硬度測定用の標準鉱物と互いに引っかいて、引っかきが行われるかどうかで測定した。標準鉱物は以下の通りである。モース硬度1:滑石、モース硬度2:石膏、モース硬度3:方解石(カルサイト)、モース硬度4:蛍石(フローライト)、モース硬度5:燐灰石(アパタイト)、モース硬度6:正長石(ムーンストーン)、モース硬度7:石英(クォーツ)、モース硬度8:トパーズ、モース硬度9:コランダム、モース硬度10:ダイヤモンド。
(6)固有粘度
オルトクロロフェノール中、25℃ で測定した溶液粘度から、下式で計算した値を用いる。すなわち、
ηsp/C=[η]+ K[η] ・C
ここで、ηsp=(溶液粘度/溶媒粘度)−1であり、Cは、溶媒100ml あたりの溶解ポリマー重量(g/100ml、通常1.2)、Kはハギンス定数(0.343 とする)である。また、溶液粘度、溶媒粘度はオストワルド粘度計を用いて測定した。単位は[dl/g]で示す。
(7)フィルム積層厚み
透過型電子顕微鏡(TEM;日立(株)製H−600型)を用いて、加速電圧100kVで、フィルムの断面を、超薄切片(RuO染色)で観察する。その断面全体から全厚みを求め、積層厚みについては、その界面に観察される粒子の最も深い地点から表面からの深さ、つまり積層されている厚みを求める。倍率は測定するフィルムの全厚み、層厚みによって適宜倍率を設定すればよいが、一般的には全厚み測定には1000倍、積層厚み測定には1万〜10万倍が適当である。
粒子が少ない場合など、積層界面を判別するためにどのような倍率で粒子像を得るべきかを事前に想定するために、断面のSEM−XMAによって断面における元素の分布(マッピング)から想定される積層厚みの概算を行い、TEMでの設定倍率を定めると効率的である。
(8)破断伸度および破断強度
JIS C2151−1990に準じ、インストロンタイプの引張試験機(オリエンテック(株)製フィルム強伸度自動測定装置“ テンシロン” 万能試験機RTC−1210)を用いて測定した。幅10mmの試料フィルムを、試長間100mm、引張り速度200mm/分の条件で引っ張り試験を行い、フィルムが破断した時の応力を求めて破断強度とし、フィルムが破断した時の歪み(伸び率)を求めて破断伸度した。測定は23 ℃ 、湿度65%RHで行う。
(9)寸法変化率
フィルム表面に、幅10mm、測定長約100mmとなるように2本のラインを引き、この2本のライン間の距離を23℃で正確に測定しこれをL0とする。このフィルムサンプルを100℃ 又は150℃のオーブン中に30分間、1.5gの荷重下で放置した後、再び2本のライン間の距離を23℃で測定しこれをL1とし、下式によりそれぞれの温度での寸法変化率を求める。
寸法変化率(%)={(L0−L1)/L0]×100。
(10)フィルム表面粗さ(SRa、SRz値)
三次元微細表面形状測定器( 小坂製作所製ET−350K)を用いて測定し、得られた表面のプロファイル曲線より、JIS・B0601に準じ、算術平均粗さSRa値、十点平均面粗さSRz値を求める。測定条件は下記のとおり。
X 方向測定長さ: 0.5mm、X方向送り速度: 0.1mm/ 秒。
Y 方向送りピッチ: 5μm、Y方向ライン数: 40本。
カットオフ: 0.25mm。
触針圧: 0.02mN。
高さ(Z方向) 拡大倍率: 5万倍。
(11)粗大突起数
粗大突起数は10cm四方の大きさのフィルムを測定する面同士を2枚重ね合わせて、印可電圧をかけて静電気力で密着し、フィルム表面の粗大突起により発生する干渉縞から高さを推定する。干渉縞が1重環で0.270μmであり、2重環0.540μmおよび3重環0.810μm以上の粗大突起個数を測定する。光源としては、ハロゲンランプに564n mのバンドパルスフィルターをかけたものを用いる。
(12)長手方向の厚み斑
安立電気製フィルム厚み連続測定器を用いて、長手方向に15m測定し、記録されたフィルム厚さチャートから、最大厚みと最小厚みの差を厚み斑(μm)として測定する。測定条件は下記のとおり。なお、本装置に制限されるものでなく、他のフィルム厚み測定装置でも可能であり、少なくとも長手方向15mのフィルム厚みの最大値と最小値の差を厚み斑とすることによって得られる。
構成: K−306C 広範囲電子マイクロメータ、K−310Cレコーダー、フィルム送り装置。
フィルム幅: 45mm、測定長: 15m、フィルム送り速度: 3m/分
検出器: 3R ルビー端子、測定力: 15 ± 5g。
(13)フィルムのヘイズ
JIS K7105−1981に準じ、フィルム幅方向の中央部から、長手4.0×幅3.5cmの寸法に切り出したものをサンプルとし、ヘイズを、ヘイズメータ(スガ試験機製HGM−2DP(C光源用))を用いて測定する。
(14)フィルムの巻き取り特性
スリッターで巻き取られたロールの端部を観察し、耳のずれ方をJIS1級金尺を用いて測定する。
◎:1mm以下あるいは、ずれが確認できない
○:1mmを超え3mm以下のずれ
×:3mmを超えるずれ。
(15)グリーンシートの塗布状態評価
巻き取られたグリーンシートを、繰り出し、離型フィルムから剥がさない状態にて目視で観察し、ピンホールの有無や、シート表面および端部の塗布状態を確認する。なお観察する面積は幅300mm、長さ500mmである。
a.ピンホール、凹みの有無
離型フィルムの上に成型されたグリーンシートについて、背面から1000ルクスのバックライトユニットで照らしながら、塗布抜けによるピンホールあるいは、離型フィルム背面の表面転写による凹み状態を観察する。
○:ピンホールも凹みも無い。
△:ピンホールは無く、凹みが3個以内認められる
×:ピンホールが有り、また凹みが4個以上認められる。
b.シート表面・端部の塗布状態
離型フィルムの上に成型されたグリーンシートについて、シートの表面および端部を目視で観察する。
○:シート表面および端部に塗布斑が認められない。
△:シート表面に塗布斑が無いが、端部には塗布斑が有る。
×:シート表面、端部に塗布斑が認められる。
(16)セラミックスシートの巻き取り性
セラミックススラリーを塗布し、乾燥させた後に、巻き取りを行う。その後セラミックスシートを積層させるために、巻き出しを行った際、全くブロッキング無く繰り出しが行われた物を◎、ブロッキングしている箇所もあり、やや帯電していたが繰り出しには全く問題が無かったものを○、巻き出しの際に剥離帯電が酷く、かつスラリーがもぎ取られていたものを×とする。
[実施例1]
(1)ポリエステルペレットの作成
(ポリエステルAの作成)
テレフタル酸86.5重量部とエチレングリコール37.1重量部を255℃で、水を留出しながらエステル化反応を行う。エステル化反応終了後、トリメチルリン酸0.02重量部、酢酸マグネシウム0.06重量部、酢酸リチウム0.01重量部、三酸化アンチモン0.0085重量部を添加し、引き続いて、真空下、290℃まで加熱、昇温して重縮合反応を行い、固有粘度0.63のポリエステルペレットを得た。
(ポリエステルBおよびポリエステルCの作成)
上記と同様にポリエステルを製造するにあたり、エステル交換後、体積平均粒径0.2μm、体積形状係数f=0.51、体積平均粒径0.06μm、体積形状係数f=0.51、モース硬度7の球状シリカをそれぞれ添加し、重縮合反応を行い、粒子をポリエステルに対し1重量%含有するシリカ含有マスターペレットを得た(ポリエステルB)、(ポリエステルC)。
なお、ポリエステルBおよびポリエステルCで用いる球状シリカは、エタノールとエチルシリケートとの混合溶液を攪拌しながら、この混合溶液に、エタノール、純水、および塩基性触媒としてアンモニア水からなる混合溶液を添加し、得られた反応液を攪拌して、エチルシリケートの加水分解反応およびこの加水分解生成物の重縮合反応を行なった後に、反応後の攪拌を行い、単分散シリカ粒子を得た。
(ポリエステルD、EおよびポリエステルFの作成)
さらに別に、モノマーを吸着させる方法によって得た体積平均粒径0.3μm、体積形状係数f=0.51のジビニルベンゼン/スチレン共重合架橋粒子の水スラリーを、上記の実質的に粒子を含有しないホモポリエステルペレットに、ベント式二軸混練機を用いて含有させ、体積平均粒径0.3μ mのジビニルベンゼン/スチレン共重合架橋粒子をポリエステルに対し1 重量% 含有するマスターペレットを得る(ポリエステルD)。
体積平均粒径0.8μm、0.1μmのジビニルベンゼン/スチレン共重合架橋粒子含有マスターペレットは、ポリエステルに対しそれぞれ1重量%含有するマスターペレットを同様にして得た(それぞれポリエステルE、ポリエステルF)。
(ポリエステルGの作成)
また、ポリエステルAを製造するにあたりエステル交換後、炭酸ガス法にて作成した体積平均粒径1.1μm、モース硬度3の炭酸カルシウムをポリエステルに対し1重量%添加し炭酸カルシウム含有マスターペレットを得た。:
一方で、下記処方のフィルムを製造した後のフィルムを回収し、ペレット化したものをリサイクル原料Aとした。なお以下に記載する比率は、フィルム全体の重量に対する重量比(重量%)で表す。
ポリエステルA 93.4
ポリエステルD: 0.6
ポリエステルG: 6.0。
(リサイクル原料Bの作成)
上記リサイクル原料Aの処方にて、後述する実施例1の製法にて製膜したポリエステルフィルムを用い、後述する実施例1の工程にて離型層を付与し、グリーンシートを作成、使用後に巻き取ったフィルムを用い、リサイクル原料Bを作成する。
まず上記の巻き取ったフィルムを繰り出し、Roll to Rollの装置にて水洗を行う。水洗層中で、回転式の金属製のブラシを用いて、グリーンシートの残渣を掻き落とす。掻き落とし後のフィルムは、吸引器にて水を除去した後、120℃に加熱したオーブンを通過させ水を蒸発させた後に巻き取り、洗浄後のロールを得る。
洗浄後のロールを繰り出し、回転刃を有するクラッシャーにて断裁後、スクリーンを通した後に、フレーク貯蔵サイロに貯蔵する。
貯蔵サイロ内のフレークを、回収装置上に設置した貯蔵ホッパーに風送する。フレークは、ドラム内に、攪拌翼を有する回転式の円盤上に定量投入し、水平方向に回転させる。円盤はドラム下部に設置した温度計により、フレークの温度が200℃になった時点で押出機のスクリューを起動させる。押出機は単軸であり、スクリューL/Dは35である。シリンダー温度は260℃である。シリンダーに付したベントラインにて真空引きを行い、真空度は1kPa以下とする。溶融したポリマーはスクリーンメッシュからなる目開き300μm、20μm、150μmのフィルターを3枚重ねしたものを使用して、連続的に異物を取り除く。該フィルターは2対有し、異物が詰まった際に切替可能とする。フィルターで濾過したポリマーを口金から吐出し、冷却水をスプレーさせながら、120℃/secの冷却速度にてポリマーを冷却させ、ガットを成形する。ガットを、回転刃を有する切断装置にて切断し、チップ化した後に、脱水後、貯蔵サイロに風送する。ここで得たチップを、リサイクル原料Bとする。
(2)リサイクル原料の調合
A層、B層、C層それぞれの層の押出機に供給するポリエステルペレットは、以下の比率にて調合する。なお以下に記載する比率は、おのおのの層を構成するポリエステルペレットに対する重量比(単位:重量%)である。
A層
ポリエステルA:87.5
ポリエステルB:12.5
B層
ポリエステルA :40.0
リサイクル原料A :10.0
リサイクル原料B:50.0
C層
ポリエステルA:65.0
ポリエステルC:30.0
ポリエステルD: 5.0。
(3)二軸配向ポリエステルフィルムの製造
先述の、各層について調合した原料を、ブレンダー内で攪拌した後、A層およびC層の原料は、攪拌後の原料を、A層およびC層用のベント付き二軸押出機に供給し、B層の原料は160℃で8時間減圧乾燥し、B層用の一軸押出機に供給した。275℃で溶融押出し、3μm以上の異物を95% 以上捕集する高精度なフィルターにて濾過した後、矩形の異種3層用合流ブロックで合流積層し、層A、層B、層Cからなる3層積層とした。その後、285℃に保ったスリットダイを介し冷却ロール上に静電印可キャスト法を用いて表面温度25℃のキャスティングドラムに巻き付け冷却固化して未延伸積層フィルムを得た。
この未延伸積層フィルムに逐次延伸(長手方向、幅方向)を実施した。まず長手方向の延伸を実施し、105℃でテフロン(登録商標)ロールにて搬送した後に、長手方向に120℃で4.0倍延伸して一軸延伸フィルムとした。
この一軸延伸フィルムをステンター内で横方向に115℃で4倍延伸し、続いて230℃で熱固定し、その際幅方向に5%弛緩し搬送工程にて冷却させた後、エッジを切断後に巻き取り、厚さ38μmの二軸延伸フィルムの中間製品を得た。なお3日間の24時間連続操業において、破れは発生していない。評価を○とした。この中間製品をスリッターにてスリットし、厚さ38μmの二軸延伸フィルムのロールを得た。ロールの端部を端部を観察し、耳のずれ方をJIS1級金尺を用いて測定した結果、1mmであり、評価結果◎とした。この二軸延伸フィルムの積層厚みを測定した結果、A層:6.5μm、B層:30.5μm、C層:1.0μmであった。
(4)離型層の塗布
次にこの二軸延伸フィルムのロールに、架橋プライマー層(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製商品名BY24−846)を固形分1%に調整した塗布液を塗布/乾燥し、乾燥後の塗布厚みが0.1μmとなるようにグラビアコーターで塗布し、100℃で20秒乾燥硬化した。その後1時間以内に付加反応型シリコーン樹脂(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製商品名LTC750A)100重量部、白金触媒(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製商品名SRX212)2重量部を固形分5%に調整した塗布液を、乾燥後の塗布厚みが0.1μmとなるようにグラビアコートで塗布し、120℃で30秒乾燥硬化した後に巻き取り、離型フィルムを得た。
(5)グリーンシートの成型(セラミックススラリーの塗布)
チタン酸バリウム(富士チタン工業(株)製商品名HPBT−1)100重量部、ポリビニルブチラール(積水化学(株)製商品名BL−1)10重量部、フタル酸ジブチル5重量部とトルエン−エタノール(重量比30:30)60重量部に、数平均粒径2mmのガラスビーズを加え、ジェットミルにて20時間混合・分散させた後、濾過してペースト状のセラミックスラリーを調整した。得られたセラミックスラリーを、離型フィルムの上に乾燥後の厚みが2μmとなるように、ダイコーターにて塗布し乾燥させ、巻き取り、グリーンシートを得た。
(8)内部電極のパターンの形成
Ni粒子44.6重量部と、テルピネオール52重量部と、エチルセルロース3重量部と、ベンゾトリアゾール0.4重量部とを、混練し、スラリー化して内部電極層用塗料を得る。内部電極層用塗料を、グリーンシートの上に、スクリーン印刷法によって所定パターンで塗布し、内部電極パターンを有するセラミックグリーンシートを得た。乾燥温度は90℃、乾燥時間は5分である。
(9)グリーンシート積層・剥離
上記の方法により積層したグリーンシートを、積層、剥離し巻き取る。
[実施例2〜4]
A層、C層に入れる粒子種を変更した以外は実施例1と同じ製法にて厚さ38μmの二軸延伸フィルムのロールを得た。フィルムの巻き取り、離型層の塗布、グリーンシートの成型(セラミックススラリーの塗布)、グリーンシートの巻き取り性についても、実施例1と同様の方法で実施・評価した(以降、実施例、比較例とも同様な加工工程にて実施・評価する)。
製膜は破れ無く○、巻き取りもずれ無く◎、スラリー塗布特性、グリーンシート打ち抜き性ともに○、グリーンシート巻き取り性◎で、良好であった。
[実施例5〜8]
実施例1の実施形態にて、A層およびC層各層の厚みを各々変更し、これに合わせ粒子の種類及び添加量を調整して、実施例1と同じ製法にて厚さ38μmの二軸延伸フィルムのロールを得た。製膜は破れ無く○、巻き取りも、ずれ無く◎。スラリー塗布特性、グリーンシート打ち抜き性ともに○、グリーンシート巻き取り性は◎で、良好であった。
[実施例9]
実施例4の実施形態にて、全厚みを25μmに調整し二軸延伸フィルムのロールを得た。製膜は破れ無く○、巻き取りも、ずれ無く◎。スラリー塗布特性、グリーンシート打ち抜き性ともに○、グリーンシート巻き取り性は◎で、良好であった。
[実施例10]
実施例1の実施形態にて、C層に、無機粒子を有するポリエステルBを用い、全厚み38μmの。二軸延伸フィルムのロールを得た。製膜は破れ無く○、巻き取りも、ずれ無く◎。スラリー塗布特性、グリーンシート打ち抜き性ともに○、グリーンシート巻き取り性は◎で、良好であった。
[比較例1]
実施例1の実施形態にて、B層に添加するリサイクル原料を表に記載のとおりに変更したところ、製膜性が悪化した。またフィルム巻き取り性、スラリー塗布性も悪化した。
[比較例2]
実施例1の実施形態にて、A層には実質的に粒子を含有しない処方にて、実施例1と同じ製法にて厚さ38μmの二軸延伸フィルムのロールを得た。
製膜性は良好であったが、スリッターで巻き取り中に、ロール端面が揃わない巻き状態が続き、ずれが3mmを超える箇所が多く確認され、フィルム巻き取り性は悪化した。またセラミックススラリーを塗布する工程にて蛇行が多発し、シート表面と端部に塗布斑が認められ、スラリー塗布性も悪かった。
[比較例3]
実施例1の実施形態にて、C層には実質的に粒子を含有しない処方にて、実施例1と同じ製法にて厚さ38μmの二軸延伸フィルムのロールを得た。
セラミックススラリーを塗布後、ピンホールが多発していることが確認され、また、シート表面と端部に塗布斑が認められ、スラリー塗布性は悪化した。
[比較例4]
実施例1の実施形態にて、A層の厚みを12.0μmとし、粗さを調整すべく粒子量を調整した。C層の厚みは1.0μmとし、B層の厚みを吐出量を変え調整し、実施例1と同じ製法にて厚さ38μmの二軸延伸フィルムのロールを得た。
スリッターで巻き取り中に、ロール端面が揃わない巻き状態が続き、ずれが3mmを超える箇所が多く確認され、フィルム巻き取り性は悪化した。またセラミックススラリーを塗布する工程にて蛇行が多発し、シート表面と端部に塗布斑が認められ、スラリー塗布性は悪化した。
[比較例5]
実施例1の実施形態にて、C層の厚みを3.0μmとし、粗さを調整すべく粒子量を調整した。A層の厚みは6.5μmとし、B層の厚みを吐出量を変え調整し、実施例1と同じ製法にて厚さ38μmの二軸延伸フィルムのロールを得た。
セラミックススラリーを塗布後、ピンホールが多発していることが確認され、また、シート表面と端部に塗布斑が認められ、スラリー塗布性は悪化した。
[比較例6]
実施例1の実施形態にて、C層の厚みを0.3μmとし、粗さを調整すべく粒子量を調整した。A層の厚みは6.5μmとし、B層の厚みを吐出量を変え調整し、実施例1と同じ製法にて厚さ38μmの二軸延伸フィルムのロールを得た。
スリッターで巻き取り中に、ロール端面が揃わない巻き状態が続き、ずれが3mmを超える箇所が多く確認され、フィルム巻き取り性は悪化した。またセラミックススラリーを塗布する工程にて蛇行が多発し、シート表面と端部に塗布斑が認められ、スラリー塗布性は悪化した。
[比較例7]
実施例1の実施形態にて、A層に入れる粒子マスターペレットを、ポリエステルGとして、厚さ38μmの二軸延伸フィルムのロールを得た。
セラミックススラリーを塗布後、ピンホールが多発していることが確認され、また、シート表面と端部に塗布斑が認められ、スラリー塗布性は悪化した。
[比較例8]
実施例1の実施形態にて、C層に入れる粒子マスターペレットを、ポリエステルGとして、厚さ38μmの二軸延伸フィルムのロールを得た。
スリッターで巻き取り中に、ロール端面が揃わない巻き状態が続き、ずれが3mmを超える箇所が多く確認され、フィルム巻き取り性は悪化した。またセラミックススラリーを塗布する工程にて蛇行が多発し、シート表面と端部に塗布斑が認められ、スラリー塗布性は悪化した。
Figure 2014133373
Figure 2014133373
本発明は二軸延伸ポリエステルフィルムをベースとする、離型用ベースフィルム、特に、セラミックスコンデンサー用途において、使用後フィルムの回収と再利用が進められる。

Claims (7)

  1. 3層からなるポリエステルフィルムであって表層(A層)、中間層(B層)、表層(C層)を有し、
    A層は、体積平均粒子径(dA)が0.1μm以上1.0μm以下であるモース硬度が7以下の無機粒子及び/又は有機粒子をA層の重量に対し0.05重量%以上1.0重量%以下含有し、厚みが3.0μm以上8.0μm以下の層であって、
    B層は、ケイ素元素を含有し、
    C層は、体積平均粒子径(dC)0.2μm以上1.0μm以下の無機粒子及び/又は有機粒子をC層の重量に対し0.03重量%以上1.0重量%未満含有する、厚み0.5μm以上2.0μm以下の層であり、かつ、層全体の厚みが20μm以上40μm以下であることを特徴とする離型用二軸配向ポリエステルフィルム。
  2. B層を構成するポリエステルが、リサイクル原料を5重量%以上75重量%含有することを特徴とする請求項1に記載の離型用二軸配向ポリエステルフィルム。
  3. 前記リサイクル原料が、ポリエステルフィルムを出発原料として、(1)〜(7)の工程をその順に有する方法によって得られることを特徴とする請求項2に記載の離型用二軸配向ポリエステルフィルム。
    (1)ポリエステルフィルムの表面を洗浄する工程。
    (2)切断装置と排気装置を有する外装より構成されたクラッシャーを用いて、前記洗浄後のポリエステルフィルムからフレークを作成する工程。
    (3)前記にて得られたフレークを、真空引き容器内で攪拌しながら乾燥させる工程。
    (4)前記乾燥後のフレークを、ベント口から真空引きされたスクリューを有する押出機にて溶融し、ポリエステルを押出する工程。
    (5)前記押出されたポリマーを、ポリマーフィルターにて濾過する工程。
    (6)前記ポリマーフィルターにより濾過したポリエステルを、口金から吐出する工程。
    (7)口金から吐出されたポリエステルを冷却後、切断しリサイクル原料を作成する工程。
  4. 前記出発原料として用いるポリエステルフィルムが、積層セラミックスコンデンサーを製造する工程においてグリーンシート成形の支持に用いられた後のポリエステルフィルムであることを特徴とする請求項3に記載の離型用二軸配向ポリエステルフィルム。
  5. (4)、(5)、(6)、(7)の工程が、さらに(4−1)、(5−1)、(6−1)、(7−1)の工程であることを特徴とする請求項3または4に記載の離型用二軸配向ポリエステルフィルム。
    (4−1)(4)の工程において、押出機のL/Dが20以上35以下であること。
    (5−1)(5)の工程において、ポリマーフィルターにて濾過する工程が、目開き20〜300μmのポリマーフィルターを3種類以上重ねたもので濾過すること。
    (6−1)(6)の工程において、ポリマーフィルターにより濾過した後、口金から吐出するまでのポリエステルの滞留時間が3分以内であること。
    (7−1)(7)の工程において、口金から吐出されたポリエステルを50℃/sec以上150℃/sec以下の冷却速度にて冷却後、切断すること。
  6. AおよびC層表面の中心線粗さSRa(A)が3nm以上50nm以下であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の離型用二軸配向ポリエステルフィルム。
  7. 積層セラミックスコンデンサーを製造する工程においてグリーンシート成形の支持に用いられることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の離型用二軸配向ポリエステルフィルム。
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