JP4946022B2 - ポリフェニレンサルファイド複合フィルム - Google Patents

ポリフェニレンサルファイド複合フィルム Download PDF

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Description

本発明はポリフェニレンサルファイド複合フィルムに関するものである。さらに詳しくは、表面平滑性、加工性に優れ、表面欠陥の少ない、離型用に適したポリフェニレンサルファイド複合フィルムに関するものである。
電子機器、情報機器の急激な発展に伴い、液晶膜や高機能高分子膜、セラミックグリーンシートの要求レベルも向上し、膜厚の極薄化、均質性、表面性(異物、傷、凹凸が少ないこと)、平面性等などの要求特性が厳しくなっている。これらの機能膜は単独で製造することが困難であり、別の高分子シートやフィルム、金属板やガラス板上に該機能膜樹脂を塗布し、固化した後に別の高分子シートやフィルム、金属板、ガラス板等から剥離して製造されるケースが多い。
特に電子機器や情報機器に使用される場合は他の機材と張り合わせしたり、該機能膜上に別の樹脂を塗布したりする加工が入り、しかも連続加工される場合が多いため、その離型材として高分子シートやフィルムが使用されるケースが多い。
従って、離型用途に用いられるシートやフィルムにも要求品質が厳しくなってきている。該機能膜(以下被離型膜という場合がある)の品質を阻害しないために、表面性や平面性に優れることはもちろんのこと、加工時の作業性をよくするために、耐熱性、熱寸法安定性、耐薬品性、離型性、機械特性、耐汚染性(離型時にフィルムの削れ粉が転写してしまうことや、フィルム表面に別の離型塗料が塗布されていると離型時に該塗料等が被離型膜に転写してしまうことがあり、その恐れがないこと)等を兼ね備えている必要がある。
従来この分野に用いられていたフィルムやシートとしては下記のものを挙げることができる。
(1)ポリエチレンフィルム、シート
(2)ポリプロピレンフィルム、シート
(3)ポリエステルフィルム
(4)ポリイミドフィルム
(5)弗素系フィルム
しかし、上記のフィルムやシートは次の問題点を有していた。(1)、(2)のフィルムやシートは離型性や耐薬品性に富むが耐熱性に問題がある。(3)のフィルムは耐熱性や耐薬品性、離型性の点で問題がある。該フィルムを離型分野に用いる場合はフィルム表面に離型塗料を塗布するケースが多く、汚染性が問題となる。また耐熱的には200℃が限度で、それ以上の温度にさらされると急激に熱収縮してしまう。また(4)のフィルムは耐熱性に富むが耐薬品性(特にアルカリに弱い)や離型性およびフィルムの均質性の問題があった。さらに(5)のフィルムは離型性に富むが機械特性に問題があり、加工時に高張力がかかるとフィルムが変形してしまう。
ポリフェニレンサルファイドフィルムは耐熱性、熱寸法安定性、耐薬品性、機械特性、離型性に優れており、高機能膜等の離型フィルムとしては最適である。
ポリフェニレンサルファイドフィルムも特許文献1、2等で提案されており、特許文献3でポリフェニレンサルファイドフィルムを液晶膜の離型基材に用いることが提案されている。
しかし、ポリフェニレンサルファイドは高温加熱下において分子が熱架橋あるいは酸化架橋しやすいポリマーであるがために製膜の溶融押出工程において分子の架橋によるゲル化物が発生し、微少な欠点となっていた。
このためフィルムの表面の粗大突起やフィルムの平面性、さらには離型時にフィルム表面の削れ等による汚染性に難があり、該利用分野での使用が制限されていた。
特許文献4、特許文献5等で表面欠陥を改良するために該フィルムの表面の粗大突起を防止する方法が提案されているが依然としてゲル化物による欠点(粗大突起)や粒子脱落による長径200μm以下の微少な欠点については改善されてなく、表面均一性に乏しいために微少なキズも多かった。
特許文献6には長径200μm以上のフィッシュアイが50個/1000cm以下の
離型用二軸配向ポリフェニレンスルフィドフィルムが開示されているが、微少な突起については依然として十分ではなかった。
特開昭55−34967号公報 特開昭56−62121号公報 特開平9−278912号公報 特開昭55−34968号公報 特開昭59−195319号公報 特開2000−34356号公報
本発明の目的は上記の問題点を解決すること。さらに詳しくは、表面平滑性、加工性優れ、表面欠点が少なく、生産性に優れた離型用に適したポリフェニレンサルファイド複合フィルムを提供することである。
上記課題を解決するため本発明の二軸配向ポリフェニレンサルファイドフィルムは主として次の構成を有する。すなわち、
(1)ポリ−p−フェニレンサルファイドを90重量%以上含む樹脂組成物を用いてなるA層およびB層を有し、A層が少なくとも片方の表層であり、前記表層のA層厚み方向1μm中の層断面中の単一微粒子あるいは混合微粒子の占有面積比が0.5%以上であり、前記表層の最大粗さ(SRmax)が585nm以上、1000nm以下、前記表層のA層の厚み方向断面の前記単一微粒子あるいは混合微粒子の平均粒子径と該単一微粒子あるいは混合微粒子に隣接して存在するボイド径との差が0.11μm以上、0.66μm以下であり、総厚みが30μm以上、200μm以下であるA層が離型層である離型用ポリフェニレンサルファイド複合フィルム、
A層:厚みがμm以上、20μm以下、
平均粒径0.3μm以上、1.5μm以下の単一微粒子あるいは混合微粒子を層全体に対して合計0.5重量%以上、2.0重量%以下含有する層、
B層:平均粒径5.0μm以下の単一微粒子あるいは混合微粒子を層全体に対して合計0〜5.0重量%含有する層
(2)前記表層のA層表面の突起数(SPc)が150以上である(1)記載の離型用ポリフェニレンサルファイド複合フィルム、
(3)前記表層のA層の表面平均中心線粗さ(SRa)が10以上、40nm以下、長径50μm以上あるいは高さ0.5μm以上の粗大突起が5個/100cm以下である(1)または(2)に記載の離型用ポリフェニレンサルファイド複合フィルム、である。
本発明は、以上の構成としたため、表面平滑性、加工性優れ、表面欠陥の少ない、離型用ポリフェニレンサルファイド複合フィルムを提供することができる。
本発明において、ポリフェニレンサルファイドとは、繰り返し単位の80モル%(好ましくは90モル%以上が[化1]で示される構成単位からなる重合体をいう。
Figure 0004946022
かかる成分が20モル%未満ではポリマーの結晶性、軟化点等が低くなり、得られるフィルムの耐熱性、寸法安定性および機械的特性などを損なう。繰り返し単位の20モル%未満(好ましくは10モル%未満)であれば、共重合可能なスルフィド結合を含有する単位が含まれていても差し支えない。該重合体の共重合の仕方はランダム、ブロックを問わない。
本発明においてポリフェニレンサルファイド樹脂組成物とは上記ポリフェニレンサルファイド(好ましくはポリ−p−フェニレンサルファイド)を90重量%以上含む樹脂組成物をいう。樹脂組成物中の残りの10重量%未満は、ポリフェニレンサルファイド以外のポリマーおよび/または充填剤、滑剤、着色剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、酸化防止剤等の添加剤であってもかまわない。また、本発明のポリフェニレンサルファイド樹脂組成物の溶融粘度は温度300℃、せん断速度200sec−1のもとで100〜50000ポイズ、さらには500〜12000ポイズの範囲が製膜性の面で好ましい。
本発明における複合フィルムとはA層およびB層を有し、A層が少なくとも片方の表層である2層以上の構造からなる複合フィルムであり、離型用フィルムとする場合、離型面としてはA層を使用面とすることが好ましい。加熱収縮率や配向の差によるフィルムのカールを抑止するためにA/B/Aの3層複合であることが特に好ましい。また複合方法としてはA層、B層のフィルムを別々につくり、ラミネート等の手法により複合フィルムとすることもできるが、生産性の観点から口金で溶融ポリマーを合流させる共押出による方法が好ましい。また、易接着性等を持たせる目的で、コロナ処理、プラズマ処理、プライマー処理を単体または複合の表面処理が施されてもよい。
またA層の厚みはμm以上、20μm以下である必要がある。A層の厚みがμm未満であると、A層、B層間の層間の歪みの影響やB層の内部欠点がフィルム表面(A層表面)に影響し、欠陥を発生させる。一方、A層の厚みが20μmを越えると、フィルム表面の突起形成が不均一であり、製膜工程、加工工程等で局所的に応力が集中することで、キズの多発につながり、得られる被離型膜の欠陥も多くなる。またA層を成形する際の押出量が多くなるため、溶融押出での発熱量が高いためにポリフェニレンサルファイド分子間での熱架橋・酸化架橋が促進され、架橋によるゲル化物起因の欠点が多発する。一方で押出量を下げる、あるいはA層とB層を別々に製膜してラミネート等の手法により後工程で貼り合わせ等をした場合は著しく生産性を損なったり、コストが高くなることがある。
本発明において微粒子とは二酸化珪素、炭酸カルシウム、酸化チタン等の無機化合物からなる粒子、鉱物粉末、フッ素化合物、架橋高分子粒子等の不活性粒子が挙げられる。粒子の形状は特に制限されず、球状、直方体状、単分散状、凝集状などの粒子を用いることができるが粒子の均一性、ポリフェニレンサルファイドと親和性の高さ、易滑性寄与の効果の観点からコロイダルシリカが特に好ましい。
ここでA層に使用する微粒子の平均粒径は0.3μm以上、1.5μm以下であることが必要である。平均粒径が0.3μm未満であると表面のすべり性が悪いため、フィルムの搬送時や加工時にキズが生じやすく、被離型膜にも欠点として転写される。また粒子の2次凝集も発生しやすいため、結果として表層の粗大突起が増加する。一方、平均粒径が
1.5μm以上であると粒子自体が形成する突起自体が粗大突起となるために、被離型膜の欠陥も増加する。さらに好ましくは0.5μm以上、1.3μm以下である。該粒径範囲であれば単一粒子でも複数の粒子の混合系でもかまわない。
A層に含有される微粒子の量は層全体に対して0.5重量%以上、2.0重量%以下である必要がある。含有量が0.5重量%以下であると表面の滑り性が悪く、突起数も少なくなるためにキズの発生や影響を受けやすく、被離型膜の欠点が増加する。一方、微粒子の含有量が2.0重量%を越えると、粒子の二次凝集による粗粒が多くなり、粗大突起の原因となる。
B層には無粒子あるいは平均粒径5.0μm以下の単一微粒子あるいは混合微粒子を合計5.0重量%以下とする必要がある。平均粒径が5.0μmを越えるたり粒子の合計含有量が5.0重量%を越えると、粒子自体の大きさや2次凝集により発生した粗粒子がA層にまで影響を及ぼし、A層表面に歪みを形成してしまう。
ここでいう単一微粒子とは二酸化珪素、炭酸カルシウム、酸化チタン等の無機化合物からなる粒子、鉱物粉末、フッ素化合物、架橋高分子粒子等の不活性粒子の中から平均粒径および粒子種が特定された1種のみの微粒子から構成されるものであり、混合微粒子とは粒子種が異なる2種以上の微粒子から構成されるものである。
本発明では表層のA層表面(フィルム表面)の長径50μm以上あるいは高さ0.5μm以上の粗大突起が5個/100cm以下であることが好ましい。最終的な目標としては表面欠陥の少ない高機能膜を得ることであるが、離型フィルムの表面欠陥の転写という点では、欠陥の高さと大きさが重要である。
ここでいう表面欠陥とはフィルム表面の微少な凹凸であり、例えばフィルム中に含まれる内部異物(ポリマーの熱劣化物、コンタミ等)によるフィルム表面の歪み、微粒子の凝集体による粗大突起、スリキズによる凹み等が上げられる。
粗大欠陥は以下の方法で測定することができる。暗室にてフィルム表層(A層表層)に1mの距離での照度4000LUXの蛍光灯で光を照射し、反射検査でフィルム突起部をチェックした。該突起をZYGO社製 Newview200システム表面形状測定器を用い、突起幅および突起高さを測定し、長径50μm以上、高さ0.5μm以上の突起を粗大突起としてカウントする。
特に液晶表示板の部材として使用される高機能膜に関しては、液晶表示板の通常の使用状態で、その欠陥が視認されるか否かが問題である。この点を検討の結果、離型フィルムの表面の長径50μm以上、高さ0.5μm以上の粗大突起が5個/100cm以下である場合には、これを用いて作成した高機能膜が視認される欠陥について実用上問題のないことが判った。
離型フィルムの表面の長径50μm以上、高さ0.5μm以上の粗大突起は高機能膜へ転写され、高機能膜の欠陥となる。
特に液晶表示板用の高機能膜として使用された場合には高機能膜の欠陥が視野角拡大膜などを介して拡大されるためにディスプレイとして表示した際に色斑やドット落ちなどの欠点となってしまうために該欠陥がある部分は使用が制限される。このために離型フィルムの表面の長径50μm以上、高さ0.5μm以上の粗大突起が5個/100cmを越えると高機能膜の欠陥が多発し、品質が低下するとともに、使用歩留まりについても著しく低下する。
粗大突起を上記範囲とするには微粒子の含有量を少なくすること、微粒子の平均粒径の選択や粒子に表面処理を施す等により微粒子の2次凝集を抑止するとともに、本発明で記述する厚み構成にて複合フィルムとすることで表面A層の押出ポリマーの吐出量を低く抑えることが可能となり、押出時の発熱によるポリフェニレンサルファイド分子間での熱架橋・酸化架橋によるゲル化物起因の表面欠陥を低減できる。
一方で、単独の押出で厚み30μm以上の単層膜を製膜した場合は上記ゲル化物が多発し、押出ポリマーの吐出量を低く抑えた製膜では著しく生産性を損なうことやコストが高くなる。
本発明における表層のA層厚み方向1μm中の層断面中の単一微粒子あるいは混合微粒子の占有面積比とはミクロトームを用いて断面切削したフィルムのスライス片を作成し、走査型電子顕微鏡の試料台に固定したスライス片を、スパッタリング装置を用いて真空度10−3Torr、電圧0.25KV、電流12.5mAの条件にて10分間、イオンエッチング処理を施した後、同装置にて該表面に金スパッタを施し、走査型電子顕微鏡にて2000倍の写真を撮影し、測定視野中のA層表層厚み方向1μmまでに占める粒子について円相当径から粒子合計の占有面積を算出し、測定視野中のA層表層厚み方向1μmまでの面積との比をパーセント表示したものである。
該占有面積比が0.5%未満であると、フィルム表面の突起形成が不均一であり、製膜工程や加工工程でのキズの発生が多くなり、被離型膜の欠点も多くなる。
該占有面積比を0.5%以上とするにはA層の微粒子の含有量を増やすあるいはA層の厚みを薄くする等で調整できるが、A層中の微粒子の含有量が本願発明の2.0重量%を越えると、粒子の二次凝集による粗粒が多くなり、粗大突起の原因となり、A層の厚みが2μm未満であると、A層、B層間の層間の歪みの影響やB層の内部欠点がフィルム表面(A層表面)に影響し、欠陥を発生させる。
本発明において表層のA層表面の表面平均中心線粗さ(SRa)とは触針曲率半径2μmの触針式の3次元粗さ計にて、カットオフ値を0.25mmとし、測定長0.5mm、該測定方向に対して、直交する方向に5μm間隔で40回測定したときの中心線平均粗さである。また最大高さ(SRmax)とは該測定における最大高さである。
本発明において表層のA層の表面平均中心線粗さ(SRa)が10nm以上、40nm未満であることが好ましい。より好ましくは15nm以上、35nm未満である。該範囲にないと加工性が悪く、被離型膜の表面に欠陥が発生しやすくなり、本発明の目的が達成できない。すなわち該平均中心線粗さが5nm未満では該フィルムを巻き取ったときやフィルムの製造時または加工時に搬送ロールを通した時にフィルム表面に擦り傷が入り、該傷が離型後の被離型膜に転写してしまうし、加工時の作業性も低下する。さらには被離型膜との密着性が高くなるため剥離時の応力でフィルム表面が削れ、該削れ粉が被離型膜の欠陥となる。一方で該平均中心線粗さが40nmを越えると、該フィルム表面に粗大突起を形成し、被離型膜に欠陥を発生させてしまう。
本発明では表層A層の最大粗さ(SRmax)が585nm以上、1000nm以下である(より好ましくは850nm以下)。該最大粗さが1000nmを越える粗大突起が多く、被離型膜にも欠陥を発生させてしまう。
表面平均中心線粗さ(SRa)および最大高さ(SRmax)を上記範囲とするには微粒子の含有量、微粒子の平均粒径、製膜時の延伸温度・熱処理温度等により適宜調整できる。さらに詳しくは微粒子の含有量を増やす、あるいは平均粒径を大きくすることで表面平均中心線粗さ(SRa)および最大高さ(SRmax)の値が大きくなり、微粒子の含有量を減らす、あるいは平均粒径を小さくすることで該値が小さくすることができる。
本発明における摩擦係数とはASTM−D−1894に準じて、スリップテスターにて表層のA層表面のすべり抵抗を測定した値である。
本発明では摩擦係数が0.7以下であることが好ましい。該摩擦係数が0.7を越えるとフイルムの滑り性が十分でなく、該範囲にないと加工性が悪く、被離型膜の表面に欠陥が発生しやすくなり、本発明の目的が達成できない。好ましい摩擦係数は0.65以下であり、さらに好ましくは0.6以下である。なお、摩擦係数の好適な数値範囲について、特に下限値はないが、材料の限界等を考慮すると0.1以上である。
摩擦係数を上記範囲とするには微粒子の含有量を増やす、微粒子の平均粒径を大きくする、シリカやアルミナ等、表面硬度が高く易滑性の寄与が大きい粒子を選択することや、製膜時の延伸温度・熱処理温度等により適宜調整できるが、微粒子の含有量が本願発明の2.0重量%を越えたり、平均粒径が1.5μmを越えると、粗大突起が多くなる。またコロナ処理、プライマー処理、プラズマ等による表面処理によっても摩擦係数は変化するが、滑り性を損なう場合が多い。
本発明において表層のA層表面の突起数(SPc)とは触針曲率半径2μmの触針式の3次元粗さ計にて、カットオフ値を0.25mmとし、測定長0.5mm、該測定方向に対して、直交する方向に5μm間隔で40回測定したときに求まる平均粗さ(SRa)を中心面としたときに、該中心面から±12.5nmの中心面と平行な面を設定し、該2つの面を越える振幅をもつものを突起とし、該突起の総数が突起数である。
本発明では表層のA層表面の突起数(SPc)が150以上であることが好ましい。該突起数が150未満であると突起密度が小さいために、製膜工程や加工工程でのキズの影響を受けやすく、被離型膜にも欠陥が発生しやすくなり、本発明の目的が達成できない。好ましくは突起数は170以上であり、さらに好ましくは200以上である。なお、突起数の好適な数値範囲について、特に上限値はないが、材料の限界等を考慮すると500以下である。
表層のA層の突起数(SPc)を上記範囲とするには微粒子の含有量を増やす、微粒子の平均粒径を大きくすること、製膜の延伸温度・熱処理温度等により適宜調整できるが、粒子の含有量が本願発明の2.0重量%を越えたり、平均粒径が1.5μm以上を越えると、粗大突起が多くなる。
本発明におけるボイドとは、添加した粒子が二軸延伸製膜時にポリマーに追従できないために生じる、粒子に隣接して存在する空隙のことであり、本発明においては、表層のA層の厚み方向断面の単一微粒子あるいは混合微粒子の平均粒子径と該単一微粒子あるいは混合微粒子に隣接して存在するボイド径の差が0.11μm以上、0.66μm以下である。
ここで平均粒子径と粒子に隣接して存在するボイド径の差は以下のとおり算出する。
ミクロトームを用いて断面切削したフィルムのスライス片を作成し、走査型電子顕微鏡の試料台に固定したスライス片を、スパッタリング装置を用いて真空度10−3Torr、電圧0.25KV、電流12.5mAの条件にて10分間、イオンエッチング処理を施す。次に、同装置にて該表面に金スパッタを施し、走査型電子顕微鏡にて10000〜30000倍の表層のA層部分の厚み方向断面写真を撮影し、平均粒径(D)は、上記写真から10個以上n個の粒子の面積円相当径(Di)を求め、下記式(式1)により求める。
ここで面積円相当径(Di)は個々の外接円の直径である。
Figure 0004946022
同様に該写真からボイド径を求めるが、ここで粒子とポリマーの空隙(ボイド)の最大径(Db)の10個以上n個の平均値をそのフィルムのボイド径とし、平均粒子径とボイド径との差は上述で求めた平均粒径から下記式(式2)により求めた。
Figure 0004946022
該平均粒子径と粒子に隣接して存在するボイド径の差が0.66μmを越えると、粒子とポリマーとの親和性が悪いために製膜工程や加工工程中に粒子の脱落が発生し、該粒子によりフィルム表面にキズをつけることや、塵埃として被離型膜に転写し欠陥となる。粒子に隣接して存在するボイド半径はさらに好ましくは0.6μm以下である。
表層のA層の厚み方向断面の単一微粒子あるいは混合微粒子の平均粒子径とボイド径との差を上記範囲とするにはA層にポリマーと親和性の高い微粒子を使用することや微粒子の粒径を選択することで適宜調整できるが、平均粒径が0.3μm未満であると表面のすべり性が悪いため、フィルムの搬送時や加工時にキズが生じやすく、被離型膜にも欠点として転写される。また粒子の2次凝集も発生しやすいため、結果として表層の粗大突起が増加し、2次凝集部分のボイド径も大きくなる。一方で平均粒径が1.5μmを越えると、粗大突起が多くなり、ボイド径も拡大するために本願目的を達成できない。また微粒子に表面処理を施し、ポリマーとの親和性を高めるのも好ましい。このときポリフェニレンサルファイドとの相性を考慮すると表面処理剤としてはポリメタクリル酸塩、ポリアクリル酸塩に代表される有機塩化合物やシランカップリング剤などが特に好ましい。
本発明における離型とは、目的とする樹脂や樹脂組成物の層(あるいは膜、シート)を別の基材に一旦塗布やラミネートなどの方法で設けた後、少なくとも一度剥離工程を設けて、目的とする被離型膜を該基材から剥離分離して得ることをいい、このような用途に用いられる基材フィルムを離型用フィルムという。本発明のポリフェニレンサルファイド複合フィルムは離型フィルムとして用いることができるという観点から総厚みが30μm以上、200μm以下である必要がある。すなわち、該フィルムの厚みが30μm未満ではフィルムの腰が弱すぎて加工後の剥離工程で被離型膜を剥離しにくくなる。また逆に厚みが200μmを越えると、フィルムの腰が強すぎて加工工程で被離型膜が剥離してしまうことがあり作業性が低下する。より好ましくは35μm以上、125μm以下である。
次に本発明のポリフェニレンサルファイド複合フィルムの好ましい製造方法の例を説明する。但し、本発明の製造方法はこの方法に限定されるものではない。
(1)ポリフェニレンサルファイドの重合方法
例えば、特開平2−91130号などと同様に作製することができる。すなわち、硫化アルカリとp−ジハロベンゼンを極性溶媒中で高温高圧下に反応させる方法を用いる。特に、硫化ナトリウムとジクロロベンゼン(好ましくはp−ジクロロベンゼン)をN−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと称することがある)等のアミド系極性溶媒中で反応させるのが好ましい。この場合、重合度を調節するために、苛性アルカリ、カルボン酸アルカリ金属塩等のいわゆる重合助剤を添加して230〜280℃で反応させるのが最も好ましい。重合系内の圧力および重合時間は、使用する助剤の種類や量および所望する重合度などによって適宜決定される。重合終了後、系を徐冷して析出させたポリマーを水中または有機溶媒中に投入してできるスラリーをフィルターで瀘別してポリマーケークを得る。得られたポリマーケークは、イオン交換水または有機溶媒にて洗浄を繰り返した後、必要に応じてさらに酢酸塩等の水溶液中で30〜100℃の温度で10〜60分間撹拌処理後、イオン交換水にて30〜80℃の温度にて数回洗浄を繰り返した後乾燥し、ポリフェニレンサルファイド粉末とする。
(2)微粒子分散ペレットの製法
上述のようにして得られたポリフェニレンサルファイド粉末と液体中に微粒子を分散させたスラリーとを混合し、該混合物をベント押出機に供給して溶融混練と同時に該液体を除去し、ポリフェニレンサルファイド中に微粒子を分散させる。好ましい分散方法は、まず微粒子を沸点が90℃〜290℃の液体中に微分散させスラリ−とする(以下微粒子スラリ−と称することがある)。ここで必要に応じて瀘過やデカンター等により、粗大粒子や微小粒子を除去することは好ましい。ここで、微粒子の粒径が小さいほどスラリ−中で2次凝集が起こりやすく、スラリー中における微粒子の2次凝集を防ぐ観点から微粒子の平均粒径は0.01μm以上であることが好ましく、0.1μm以上がさらに好ましい。また、本発明のフィルムとするには、該微粒子の平均粒径はスラリー中においても0.3μm〜2.0μmの範囲が好ましく、かつ微粒子の濃度は2次凝集を防ぐ観点から80重量%以下が好ましい。該液体は、例えば水、エチレングリコ−ル、トリエチレングリコ−ル、NMP、ジフェニルエ−テルなどが挙げられるが、該液体の沸点以上でポリフェニレンサルファイドを溶解しない前3者が特に好ましい。ここで、該スラリ−中および/またはポリマ−中における微粒子の2次凝集を防止し、ポリマーとの親和性を上げ、フィルム製膜時に発生するボイド径を小さくする目的で、該微粒子を有機塩等の表面処理剤で表面処理する、スラリ−中への界面活性剤の添加をしてもよい。
次いで、上述の微粒子スラリ−をポリフェニレンサルファイド粉末に混合後ベント孔を有する押出機に供給する方法、またはポリフェニレンサルファイド粉末をベント孔を有する押出機に供給し該ポリマが溶融前または/および溶融中に該微粒子スラリ−を強制的に注入する方法等により、微粒子スラリ−が溶融状態のポリフェニレンサルファイドに混練されると同時にベント孔より該液体成分を除去することにより、ポリフェニレンサルファイド中に微粒子を微分散させる。ここで、PPS粉末に対する該液体成分の割合は、分散性、液体成分の除去効率の点から30重量%以下が好ましく、20重量%以下がさらに好ましい。押出機から吐出されたガット状の該ポリマーは、常法により水浴中などで冷却後、切断してポリマー中に微粒子が分散したペレット(以下粒子ペレットと称することがある)となる。また、ここで押出機に成形用の口金を設けて、直接シ−ト状にキャストすることも可能である。さらに、押出機と口金の間に瀘過装置を設け、該混練ポリマー中の粗粒を除去することも好ましい方法である。
また、(1)で得たポリフェニレンサルファイド粉末のみを(2)と同様の方法で不活性微粒子を含まないペレット(以下、無粒子ペレットと称することがある)とし、フィルム製造の際に上記粒子ペレットと混合して使用することができる。
(3)ポリフェニレンサルファイド複合フィルムの製法
上述のようにして得られた粒子ペレットおよび/または無粒子ペレットを減圧下で乾燥した後、フィルムに溶融成形して未延伸フィルムを得る。PPS樹脂組成物を、公知の積層用押出機に供給し、スリット状のダイからシート状に押出し、キャスティングロール上で冷却固化せしめて未延伸フィルムを作る。すなわち、2つの押出機、2層〜3層のマニホールドまたは合流ブロック(例えば角型合流部を有する合流ブロック)を用いて積層し、口金から2層以上のシートを押し出し、キャスティングロールで冷却して未延伸フィルムを作る。ここでA層を押出する際にポリマーの温度が320℃以上、360℃以下になることが好ましく、より好ましくは320℃以上、340℃以下である。ポリマー温度が320℃未満であると溶融しきれないポリマーがフィルムの表面欠陥となり、一方で360℃を越えるとポリマーの熱架橋および酸化架橋が促進しゲル化物による表面欠陥が多発する。
ここで塵埃または添加物の凝集物など粗大異物を除去する目的で押出機と口金のあいだに瀘過装置を設けることは欠点の少ないフィルムを得るうえで好ましい。成形法は常法が適用でき、例えばTダイからポリマを吐出させ、表面温度25℃のドラム上に静電印加法で密着させて急冷し非晶シ−トとすることができる。次いで、この非晶シ−トを表面温度が90℃以上120℃未満の同周速のロール群に巻き付け、表面温度が90℃以下の周速の異なるロールとの間で長手方向(MD)に3〜5倍に延伸し一軸延伸フィルムとする。次に90℃〜130℃のテンター内で長手直交方向(TD)に2〜4倍延伸して二軸配向フィルムとする。熱処理は引き続きテンター内で265℃以上、融点以下(より好ましくは270℃以上、融点以下)の温度範囲で10%以下の制限収縮下に2〜60秒間定長熱処理することが平面性および表面結晶化度を離型用として好適範囲に制御する上で好ましい。
また熱処理後の制限収縮率は180〜280℃の温度で1〜5%の範囲(より好ましくは1.5〜4.5%)で行うことが好ましい。
[特性の評価方法]
本発明の記述に用いた、特性の評価方法および評価の基準を述べる。
(1)フィルム中の微粒子の形状
日本ミクロトーム研究所製電動ミクロトームST−201を用いて断面切削したフィルムのスライス片を作成した。走査型電子顕微鏡の試料台に固定したスライス片を、スパッタリング装置を用いて真空度10−3Torr、電圧0.25KV、電流12.5mAの条件にて10分間、イオンエッチング処理を施す。次に、同装置にて該表面に金スパッタを施し、走査型電子顕微鏡にて10000〜30000倍の各層の写真を撮影する。
各層の平均粒径(D)は、上記写真から10個以上n個の粒子の面積円相当径(Di)を求め、下記式(式1)により求める。ここで面積円相当径(Di)は個々の外接円の直径である。
Figure 0004946022
(2)表層のA層厚み方向1μm中の層断面中の単一微粒子あるいは混合微粒子の占有面積比
日本ミクロトーム研究所製電動ミクロトームST−201を用いて断面切削したフィルムのスライス片を作成した。走査型電子顕微鏡の試料台に固定したスライス片を、スパッタリング装置を用いて真空度10−3Torr、電圧0.25KV、電流12.5mAの条件にて10分間、イオンエッチング処理を施す。次に、同装置にて該表面に金スパッタを施し、走査型電子顕微鏡にて2000倍の写真を撮影し、測定視野中のA層表層までの1μm中に占める粒子について円相当径から粒子合計の占有面積を算出し、測定視野中の表層1μmまでの面積との比をパーセント表示したものをA層表層1μm中の粒子占有面積比として算出した。
(3)表層のA層の厚み方向断面の単一微粒子あるいは混合微粒子の平均粒子径と該単一微粒子あるいは混合微粒子に隣接して存在するボイド径との差
日本ミクロトーム研究所製電動ミクロトームST−201を用いて断面切削したフィルムのスライス片を作成した。走査型電子顕微鏡の試料台に固定したスライス片を、スパッタリング装置を用いて真空度10−3Torr、電圧0.25KV、電流12.5mAの条件にて10分間、イオンエッチング処理を施す。次に、同装置にて該表面に金スパッタを施し、走査型電子顕微鏡にて10000〜30000倍の表層のA層部分の厚み方向の断面写真を撮影した。
ここで表層のA層の厚み方向断面の粒子とポリマーの空隙(ボイド)の最大径(Db)の10個以上、n個の平均値をそのフィルムのボイド径とし、平均粒子径とボイド径との差は上述(1)で求めた平均粒径から下記式(式2)により求めた。
Figure 0004946022
(4)粗大突起
暗室にてフィルム表層(A層表層)に1mの距離での照度4000LUXの蛍光灯で光を照射し、反射検査でフィルム突起部をチェックした。該突起をZYGO社製 Newview200システム表面形状測定器を用い、突起幅および突起高さを測定し、長径50μm以上、高さ0.5μm以上の突起を粗大突起としてカウントした。
(5)積層厚み
日本ミクロトーム研究所製電動ミクロトームST−201を用いて断面切削したフィルムのスライス片を透過光顕微鏡で観察し、各層の厚みを測定した。
(6)表層のA層表面の表面平均中心線粗さ(SRa)、最大粗さ(SRmax)
小坂研究所製 Surfcorder ET30HKを用い、下記条件にて表層のA層表面の平均中心線粗さ(SRa)、最大粗さ(SRmax)を求めた。
触針曲率半径 : 2μm
カットオフ : 0.25mm
測定長 : 0.5mm
測定間隔 : 5μm
測定回数 : 40回。
(7)表層のA層表面の突起数(SPc)
小坂研究所製 Surfcorder ET30HKを用い、下記条件にての表層のA層表面の突起数(SPc)を求めた。このとき、平均中心線粗さ(SRa)を中心面としたときに、該中心面から±12.5nmの中心面と平行な面を設定し、該2つの面を越える振幅をもつものを突起としカウントし、該カウント数を突起数とした。
触針曲率半径 : 2μm
カットオフ : 0.25mm
測定長 : 0.5mm
測定間隔 : 5μm
測定回数 : 40回。
(8)摩擦係数
試料調湿として、23℃、65%RHで24時間フィルムをエージングし、ASTM−D−1894に準じて、下記条件にてスリップテスターを用いて表層のA層表面の摩擦係数を測定した。
試料サイズ : 75mm(幅)×100mm(長さ)
すべり速度 : 150mm/分
加重 : 200g。
(9)被離型膜の欠陥の評価
フィルム表面をレーヨン布でラビング処理し、ポリエステル系液晶ポリマーを塗布して乾燥(100℃−5分間)、熱処理(220℃−30分間)した後、該膜をフィルムから剥離してガラス板に挟み、偏光板からの距離が10cmで測定した照度が2000LUXの偏光をかけて膜の色むらを確認した。評価は下記の基準で行い、以上を合格範囲とした。なお評価サンプルサイズは300mm×200mmとした。
◎:被離型膜に100μm以上の欠陥がない。
○:被離型膜の最大幅100μm以上の欠陥が2箇所以下であり、200μm以上の欠陥がない。
△:被離型膜の最大幅100μm以上の欠陥が3〜5箇所あり、200μm以上の欠陥が1個以下である。
×:被離型膜の最大幅100μm以上の欠陥が6箇所以上、200μm以上の欠陥が2個以上ある。
××:被離型膜の欠陥がほぼ全面にある。

次に本発明を実施例を挙げて詳細に説明する。
(実施例1)
(1)ポリフェニレンサルファイドの作製
50Lオートクレーブ(SUS316製)に水硫化ナトリウム(NaSH)56.25モル、水酸化ナトリウム54.8モル、酢酸ナトリウム16モル、およびN−メチルピロリドン(NMP)170モルを仕込む。次に、窒素ガス気流下に撹拌しながら内温を220℃まで昇温させ脱水を行なった。脱水終了後、系を170℃まで冷却した後、55モルのp−ジクロロベンゼン(p−DCB)と0.055モルの1,2,4,−トリクロロベンゼン(TCB)を2.5LのNMPとともに添加し、窒素気流下に系を2.0kg/cm まで加圧封入した。235℃にて1時間、さらに270℃にて5時間撹拌下にて加熱後、系を室温まで冷却、得られたポリマーのスラリーを水200モル中に投入し、70℃で30分間撹拌後、ポリマを分離する。このポリマをさらに約70℃のイオン交換水(ポリマー重量の9倍)で撹拌しながら5回洗浄後、約70℃の酢酸リチウムの5重量%水溶液にて窒素気流下にて約1時間撹拌した。さらに、約70℃のイオン交換水で3回洗浄後、分離し、120℃、1torrの雰囲気下で20時間乾燥することによって白色のポリフェニレンサルファイド粉末が得られた。
次に、このポリフェニレンサルファイド粉末を市販の窒素ガス雰囲気下90℃のNMP(ポリフェニレンサルファイドポリマー重量の3倍量)にて0.5時間の撹拌処理を2回行なった。このポリフェニレンサルファイド粉末をさらに約70℃のイオン交換水で4回洗浄した後分離し、上記のようにして乾燥することによって白色のポリフェニレンサルファイド粉末を得た。このポリフェニレンサルファイド粉末の300℃における溶融粘度は5000ポイズであった。
(2)ペレットの作製
平均粒径0.5μmの球形シリカをエチレングリコール中に20重量%微分散させたスラリーを調製した後、このスラリーを1μmカットフィルターで濾過した後上述のポリフェニレンサルファイド粉末にヘンシェルミキサを用いて球形シリカが3.0重量%となるよう混合した。次いで、2個所のベント孔を有する2軸押出機に供給し、溶融混練と同時にベント孔よりエチレングリコールを除去し、ガット状に押出し、水中で冷却後切断して粒子ペレットとした。
また、ポリフェニレンサルファイド粉末のみを上記同様に溶融押出し、無粒子ペレットとした。
(3)ポリフェニレンサルファイド複合フィルムの作製
上述の粒子ペレットおよび無粒子ペレットを球形シリカが1.0重量%となるよう混合し、回転式真空乾燥機で150℃、3mmHgの減圧下で3時間処理して結晶化ペレットとした(PPS−1)。また無粒子ペレットを回転式真空乾燥機で150℃、3mmHgの減圧下で3時間処理して結晶化ペレットとした(PPS−2)。次いで、このPPS−1を65mmφの単軸押出機(押出機−1)に、PPS−2を90mmφ単軸押出機(押出機−2)にPPS−1とPPS−2の吐出比が1:1になるよう供給した。該PPSの溶融温度を330℃とし、瀘過精度10μmのフィルターを通過させて、角形ブロック式合流部を経て、PPS−1が両表層であるA層に、PPS−2が中央部であるB層になるようにし、リップ幅400mm、スリット間隙1.5mmのステンレス製Tダイから吐出させ、表面を30℃に保った金属ドラム上で冷却固化して、厚さ620μmのA/B/Aの3層複合非晶シ−トとした。次いで、この非晶シ−トを表面温度95℃の回転ロール群に巻き付けて加熱し、引き続いて配置された表面温度25℃のロールとの間で3.5倍にフィルムの長手方向(MD)に延伸した。次いで、テンタ−で100℃の熱風が循環する室内でフイルムの長手と直行方向(TD)に3.5倍延伸し、引き続いて270℃の熱風が循環する室内で10秒間定長熱処理して厚さ50μmのポリフェニレンサルファイド複合フィルムを得た。
該複合フィルムのA層表層の粗大突起は2個/100cm、平均粗さは29nm、最大粗さは585nm、突起数は280であった。また摩擦係数は0.38であった。
また該複合フィルムを薄くスライスし、断面をプラズマエッチングし走査型電子顕微鏡を用いて断面観察した。A/B/Aの厚み構成は5μm/40μm/5μmであり、A層表層1μm中の粒子占有面積比を算出したところ、0.89%であった。
また該複合フィルムの表面をプラズマエッチングし走査型電子顕微鏡を用いてフィルム中の粒子を観察した。結果はスラリ−中での形状と変化がなく平均粒径0.5μmであった。また平均粒子半径とボイド半径の差は0.06μmであった。
この複合フィルムは粗大突起が少なく、また滑り性が良好で搬送工程でのキズの発生が極めて少なく、粒子とポリマーとの親和性が高いために平均粒径に対するボイド径も小さかった。また得られた被離型膜の欠陥も非常に少なかった。評価結果を表1および表2にまとめて示した。
比較例8、実施例2)
PPS−1に使用する球形シリカ微粒子の平均粒径を0.3μm、フィルム中への含有量を0.3%(比較例8)および平均粒径を1.3μm、含有量を2.0重量%(実施例)に調整する以外は実施例1と同様に厚さ50μmのポリフェニレンサルファイド複合フィルムを得た。比較例8の複合フィルムは粗大突起も少なく、平均粒径に対するボイド径も小さく、加工工程で若干のキズの発生は認められたが、得られた被離型膜の欠陥も少なかった。実施例の複合フィルムは若干の粗大突起の発生による、被離型膜の欠陥が発生したが、使用に問題ないレベルであった。評価結果を表1および表2にまとめて示した。
比較例9
実施例1と同様な方法でポリフェニレンサルファイド粉末を作成した。次に平均粒径0.5μmの炭酸カルシウムをエチレングリコール中に20重量%微分散させたスラリーを調製した後、表面処理剤としてポリメタクリル酸アンモニウム塩を1重量%添加した。このスラリーを1μmカットフィルターで濾過した後上述のポリフェニレンサルファイド粉末にヘンシェルミキサを用いて炭酸カルシウムが5.0重量%となるよう混合した。次いで、2個所のベント孔を有する2軸押出機に供給し、溶融混練と同時にベント孔より水を除去し、ガット状に押出し、水中で冷却後切断して粒子ペレットとした。
上述の粒子ペレットおよび無粒子ペレットを炭酸カルシウムが1.0重量%となるよう混合しPPS−1とした以外は実施例1と同様な方法で製膜し、厚み50μmのポリフェニレンサルファイド複合フィルムを得た。
この複合フィルムは粗大突起も少なく、加工性も良好で、得られた被離型膜の欠陥も少なかった。評価結果を表1および表2にまとめて示した。
(実施例
平均粒径4.0μmの炭酸カルシウムの含有量を3.0重量%となるようにPPS−2を調整した以外は実施例1と同様に厚さ50μmのポリフェニレンサルファイド複合フイルムを得た。粗大突起も少なく、加工性も良好で、平均粒径に対するボイド径も小さく、得られたれた被離型膜の欠陥も少なかった。評価結果を表1および表2にまとめて示した。
(実施例
PPS−1およびPPS−2の吐出量および吐出量比を調整した以外は実施例1と同様にポリフェニレンサルファイド複合フィルムを得た。得られたポリフェニレンサルファイド複合フィルムの厚みは100μm、A/B/Aの構成は15μm/70μm/15μmであった。この複合フィルムは粗大突起も少なく、加工性も良好で、平均粒径に対するボイド径も小さく、得られた被離型膜の欠陥も少なかった。評価結果を表1および表2にまとめて示した。
比較例10
PPS−1およびPPS−2の吐出量および吐出量比を調整した以外は実施例1と同様にポリフェニレンサルファイド複合フイルムを得た。得られたポリフェニレンサルファイド複合フィルムの厚みは35μm、A/B/Aの構成は2μm/31μm/2μmであった。この複合フィルムは粗大突起も少なく、加工性も良好で、平均粒径に対するボイド径も小さく、得られた被離型膜の欠陥も少なかった。評価結果を表1および表2にまとめて示した。
(比較例1)
PPS−1の球形シリカの平均粒径を0.1μm、フィルム中への含有量を0.2%となるよう調整する以外は実施例1と同様に厚さ50μmのポリフェニレンサルファイド複合フィルムを得た。2次凝集による粗粒が多く、フィルム表面に粗大突起が多く、すべり性も悪いためキズも多発した。このため得られた被離型膜もほぼ全面にわたり欠陥が多発した。評価結果を表1および表2にまとめて示した。
(比較例2)
平均粒径1.8μmの凝集シリカ粒子の含有量を3.0重量%となるようにPPS−1を調整した以外は実施例1と同様に厚さ50μmのポリフェニレンサルファイド複合フイルムを得た。フィルム表面に粗大突起が多く、このため得られた被離型膜も欠陥が多発した。評価結果を表1および表2にまとめて示した。
(比較例3)
平均粒径6.0μmの炭酸カルシウム粒子の含有量を6.0重量%となるようにPPS−2を調整した以外は実施例1と同様に厚さ50μmのポリフェニレンサルファイド複合フイルムを得た。フィルム表面に粗大突起が多く、このため得られた被離型膜も欠陥が多発した。評価結果を表1および表2にまとめて示した。
(比較例4)
PPS−1およびPPS−2の吐出量および吐出量比を調整した以外は実施例1と同様にポリフェニレンサルファイド複合フイルムを得た。得られたポリフェニレンサルファイド複合フィルムの厚みは50μm、A/B/Aの構成は1μm/48μm/1μmであった。この複合フィルムは表面欠陥が多く、得られた被離型膜の欠陥も多かった。評価結果を表1および表2にまとめて示した。
(比較例5)
PPS−1およびPPS−2の吐出量および吐出量比を調整した以外は実施例1と同様にポリフェニレンサルファイド複合フイルムを得た。得られたポリフェニレンサルファイド複合フィルムの厚みは50μm、A/B/Aの構成は23μm/4μm/23μmであった。この複合フィルムは製膜工程および被離型膜を作成する際の工程でフィルム表面にキズが多発し、フィルム表面に粗大突起も多く、得られた被離型膜の欠陥も多かった。評価結果を表1および表2にまとめて示した。
(比較例6)
平均粒径1.0μmのシリカ粒子の含有量を1.0重量%となるようにし、特開平9−278912号公報の実施例2と同様に厚み70μmのポリフェニレンサルファイド単層フィルムを得た。フィルム表面に粗大突起も多く、このため得られた被離型膜も欠陥が多発した。評価結果を表1および表2にまとめて示した。
(比較例7)
特開2000−34356号公報の実施例1と同様に原料の調整および乾燥を行い押出機へ供給し、瀘過精度10μmのフィルターを通過させて、リップ幅400mm、スリット間隙1.5mmのステンレス製Tダイから吐出させ、表面を30℃に保った金属ドラム上で冷却固化して、厚さ420μmの非晶シ−トとした。このときの溶融ポリマーの温度を測定したところ365℃であった。次に実施例1と同様に延伸、熱処理を行い厚み30μmのポリフェニレンサルファイド単層フィルムを得た。このフィルムは製膜工程および被離型膜を作成する際の工程でフィルム表面にキズが多発し、粒子の脱落やフィルム表面に粗大突起も多く、このため得られた被離型膜も欠陥が多発した。評価結果を表1および表2にまとめて示した。
Figure 0004946022
Figure 0004946022
本発明は、以上の構成としたため、表面平滑性、加工性優れ、表面欠陥の少ない、離型用に適したポリフェニレンサルファイド複合フィルムを提供することができたが、その応用範囲が、これらに限られるものではない。

Claims (3)

  1. ポリ−p−フェニレンサルファイドを90重量%以上含む樹脂組成物を用いてなるA層およびB層を有し、A層が少なくとも片方の表層であり、前記表層のA層厚み方向1μm中の層断面中の単一微粒子あるいは混合微粒子の占有面積比が0.5%以上であり、前記表層の最大粗さ(SRmax)が585nm以上、1000nm以下、前記表層のA層の厚み方向断面の前記単一微粒子あるいは混合微粒子の平均粒子径と該単一微粒子あるいは混合微粒子に隣接して存在するボイド径との差が0.11μm以上、0.66μm以下であり、総厚みが30μm以上、200μm以下であるA層が離型層である離型用ポリフェニレンサルファイド複合フィルム。
    A層:厚みがμm以上、20μm以下、
    平均粒径0.3μm以上、1.5μm以下の単一微粒子あるいは混合微粒子を層全体に対して合計0.5重量%以上、2.0重量%以下含有する層
    B層:平均粒径5.0μm以下の単一微粒子あるいは混合微粒子を層全体に対して合計0〜5.0重量%含有する層
  2. 前記表層のA層表面の突起数(SPc)が150以上である請求項1記載の離型用ポリフェニレンサルファイド複合フィルム。
  3. 記表層のA層の表面平均中心線粗さ(SRa)が10以上、40nm以下、長径50μm以上あるいは高さ0.5μm以上の粗大突起が5個/100cm以下である請求項1または2に記載の離型用ポリフェニレンサルファイド複合フィルム。
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