JP2803422B2 - 積層フィルム - Google Patents
積層フィルムInfo
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- H05K1/00—Printed circuits
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- H05K1/03—Use of materials for the substrate
- H05K1/0313—Organic insulating material
- H05K1/0353—Organic insulating material consisting of two or more materials, e.g. two or more polymers, polymer + filler, + reinforcement
- H05K1/036—Multilayers with layers of different types
Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
- Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、2軸配向ポリ―p−フ
ェニレンスルフィドフィルムを用いた積層フィルムに関
するものである。 【0002】 【従来の技術】従来のフィルムとして、(A)2軸配向
ポリ―p−フェニレンスルフィドフィルムを電気絶縁材
料として用いることが特開昭55−35459号公報等
で知られている。また、(B)ポリエステルフィルム、
(C)ポリイミドフィルム等を同様の用途に用いること
も知られている。 【0003】また、これらのフィルムに、導電性塗料、
抵抗塗料、金属箔等からなる電気回路を形成したプリン
ト配線基板も知られている。 【0004】また、積層フィルムとしては、(D)2軸
配向ポリ―p−フェニレンスルフィドフィルムを中心層
とし、その両側に、ポリエチレンテレフタレ―ト、ポリ
エチレン2.6ナフタレ―トなどからなる2軸配向ポリ
エステルフィルムや、全芳香族ポリアミドフィルム、全
芳香族ポリイミドフィルムなどを、各々の厚みが中心層
の厚みの50%以下の範囲で積層したものを、磁気記録
媒体のベ―スフィルムとして用いることが、特開昭60
−80125号公報において提案されている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかし、これら従来の
フィルムは、下記の問題点を有している。 【0006】2軸配向ポリ―p−フェニレンスルフィド
フィルムは、耐衝撃性に欠け、例えば、モ―タ―のスロ
ットライナ―やウェッジとして用いる場合、フィルム内
部で2層以上に剥離(デラミネ―シヨン)してしまった
り、裂けてしまったりし易い。 ポリエステルフィルム
は、耐熱性に乏しい。 【0007】ポリイミドフィルムは、耐熱性に富むが、
吸水率が大きく、使用時の水分管理を要する、あるい
は、125μmを越えるような厚いフィルムの製造が困
難で、スロットライナ―やウェッジの自動挿入が難しい
といった欠点がある。 【0008】2軸配向ポリ―p−フェニレンスルフィド
フィルムを中心層とし、その両側に、ポリエステルフィ
ルムを設けた積層フィルムは、表面層を2軸配向ポリエ
ステルフィルムとすることで、多少の耐衝撃性の改良が
みられるが充分ではないばかりか2軸配向ポリ―p−フ
ェニレンスルフィドフィルムの耐熱性が損なわれてしま
う。 【0009】本発明は、かかる問題点を解決し、耐熱性
と耐衝撃性のともに優れたフィルムを提供することを目
的とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】本発明は、2軸配向ポリ
−p−フェニレンスルフィドフィルム同士を接着剤を介
して積層したフィルムであって、該接着剤層の硬度指数
が1〜3000の範囲にあることを特徴とする積層フィ
ルムである。 【0011】本発明において、2軸配向ポリ―p−フェ
ニレンスルフィドフィルム(以下、PPS−BOと略称
することがある)とは、ポリ―p−フェニレンスルフィ
ドを主成分とする樹脂組成物を、溶融成形してシ―ト状
とし、2軸延伸、熱処理してなるフィルムである。該フ
ィルムの配向度は、広角X線回析で2θ=20〜21度
の結晶ピ―クについて求めた配向度OFがEnd方向及
びEdge方向で0.07〜0.50、Through
方向で0.60〜1.00の範囲にあることが好まし
い。また、該フィルムの厚さは、3〜200ミクロンの
範囲が好ましい。 【0012】本発明においてポリ―p−フェニレンスル
フィドを主成分とする樹脂組成物(以下、PPS系組成
物と略称することがある)とは、ポリ―p−フェニレン
スルフィドを90重量%以上含む組成物を言う。PPS
の含有量が90重量%未満では、組成物としての結晶
性、熱転移温度等が低くなり、該組成物からなるフィル
ムの特長である耐熱性、寸法安定性、機械的特性等を損
なう。該組成物中の残りの10重量%未満はPPS以外
のポリマ、無機または有機のフィラ―、滑剤、着色剤、
紫外線吸収剤などの添加物を含むことも、本発明の目的
を害しない範囲なら差し支えない。該樹脂組成物の溶融
粘度は、温度300℃、せん断速度2001/secのもと
で、 500〜 12000ポイズ(より好ましくは 700〜10000
ポイズ)の範囲がフィルムの成形性の点で好ましい。ま
た、該樹脂組成物の溶融粘度は、最終的に得られる2軸
配向ポリ―p−フェニレンスルフィドフィルムの、溶融
粘度に等しい。 【0013】本発明においてポリ―p−フェニレンスル
フィド(以下、PPSと略称することがある)とは、繰
り返し単位の70モル%以上(好ましくは85モル%以
上)が構造式 【化1】 で示される構成単位からなる重合体をいう。係る成分が
70モル%未満ではポリマの結晶性、熱転移温度等が低
くなりPPSを主成分とする樹脂組成物からなるフィル
ムの特長である耐熱性、寸法安定性、機械的特性等を損
なう。繰り返し単位の30モル%未満、好ましくは15
モル%未満であれば共重合可能なスルフィド結合を含有
する単位が含まれていても差し支えない。 【0014】本発明の積層フィルムは、PPS−BO
(厚さをAミクロンとする)と、別のPPS−BO(厚
さをA´ミクロンとする)とを、接着剤を介して積層し
たフィルムである。該積層フィルムを構成する各層の厚
さの比A/A´は、1/3 〜3の範囲が好ましい。また、
該積層フィルム全体の厚さは、100〜400ミクロン
の範囲が好ましい。 【0015】本発明の積層フィルムを構成する接着剤層
の硬度指数は、1〜3000の範囲になければならな
い。好ましくは5〜2000である。硬度指数が1未満
でも、3000を越えても、積層フィルムの耐衝撃性が
低下する。 【0016】ここに、硬度指数とは、積層フィルムを1
80℃に保ち、接着剤の両側の層に80g/cmの剥離力
を加えたときの、60秒当りの剥離長さをミリメ―トル
単位で表わしたもので、接着剤の硬さの尺度となるもの
である。言うまでもなく、硬度指数が大きいほど接着剤
が柔かく、小さいほど硬くなる。 【0017】本発明の積層フィルムを構成する接着剤層
の組成は特に限定されないが、ポリウレタン系、エポキ
シ系、ポリエステル系、シリコ−ン系等の例を挙げるこ
とができる。 【0018】接着剤層の厚みは、1μm〜30μmが好
ましい。また接着層の合計厚みが積層フィルム全体の厚
みに占める割合は、3〜10%の範囲が好ましい。 【0019】次に本発明の積層フィルムの製造方法につ
いて述べる。 【0020】本発明に用いるPPSは、硫化アルカリと
パラジハロベンゼンとを極性溶媒中で高温高圧下に反応
させて得られる。特に、硫化ナトリウムとパラジクロル
ベンゼンをN−メチルピロリドン等のアミド系高沸点極
性溶媒中で反応させるのが好ましい。この場合、重合度
を調整するために、カ性アルカリ、カルボン酸アルカリ
金属塩等のいわゆる重合助剤を添加して、230〜28
0℃で反応させるのが最も好ましい。重合系内の圧力お
よび重合時間は使用する助剤の種類や量および所望する
重合度等によって適宣決定する。得られた粉状または粒
状のポリマを、水または/および溶媒で洗浄して、副生
塩、重合助剤、未反応モノマ―等を分離する。 【0021】このポリマを2軸配向フィルムに成形する
には、押出機により溶融された該樹脂を口金から定量的
に金属ドラムの上にキャスティングし、急速冷却するこ
とによって無配向、非晶状態のシ―トを得て、該シ―ト
を周知の方法で2軸延伸、熱処理する。延伸は長手方
向、幅方向とも90〜110℃で3.0〜4.5倍の範
囲でおこなう。熱処理は240℃〜融点の範囲で、定長
または15%以下の制限収縮下に1〜60秒間おこな
う。さらに、該フィルムの熱的寸法安定性を向上させる
ために、一方向もしくは二方向にリラックスしてもよ
い。 【0022】次に本発明に用いる接着剤の製造方法につ
いて述べる。 【0023】無溶剤系、溶剤系とも用い得るが、接着剤
の耐熱性や接着剤を積層する作業性から考えて硬化型の
溶媒系の接着剤が好ましい。 【0024】その一例としてポリウレタン系の接着剤に
ついて述べる。 【0025】通常市販されているポリウレタン系の接着
剤を用いてもよいが耐熱性の点からあらかじめイソシア
ネ―ト(好ましくは芳香族イソシアネ―ト)とポリプロ
ピレングリコ―ルやポリエステルなどとを反応させたイ
ソシアネ―トのプレポリマを作成し、該プレポリマとポ
リプロピレングリコ―ル、ポリエステル、ポリオ―ルな
どとからなるポリウレタン系の接着剤が好ましい。該プ
レポリマとポリプロピレングリコ―ル、ポリエステル、
ポリオ―ルなどは、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの有機
溶媒中に均一混合され接着剤溶液となる。また、該接着
剤に難燃剤などの無機又は有機添加剤を接着性を損なわ
ない程度に添加することはさしつかえない。 【0026】次にPPS−BO同志を該接着剤を介して
積層する。 【0027】積層にさきがけて、PPS−BOは片面
に、コロナ放電処理、プラズマ処理、プライマ―コ―ト
処理などの単独又は組み合せた表面処理を行うのが好ま
しい。 【0028】積層する方法としては、PPS−BOの片
面に所定の組成に調整された接着剤を塗布し、乾燥した
後加熱ロ―ル又は加熱プレスでPPS−BOを貼り合せ
る。また、接着剤の塗布の方法としては、グラビアロ―
ル法、リバ―スロ―ルコ―タ法等がある。塗布後の溶剤
の乾燥は、用いる溶剤の種類により異なり、通常は溶剤
の沸点付近の温度で残存溶剤が完全になくなりかつ接着
剤の硬化が促進しない条件が選ばれる。また貼り合せの
条件は、温度50℃〜150℃、線圧1〜50kg/cmの
範囲で行うのがよい。次に接着剤の硬化であるが、接着
剤の種類や組成、厚みによって異なるが常温〜170℃
の温度で0.5時間〜100時間の範囲内が好ましい。 【0029】次に本発明の記述において使用した、特性
の測定方法および評価の基準を述べる。 【0030】 【実施例】本発明の特性値は次の測定法による。 【0031】(1)硬度指数 10mm幅の積層フィルムを180℃に保ち、接着剤層
の両側のフィルム層に80g/cmの剥離荷重を加えたと
きの1分間当りの剥離長さ(mm/min)を硬度指数
とした。積層フィルムを180℃に保つ装置は、熱風式
オ―ブンを用いた。 【0032】(2)耐衝撃性 スコット型モミ試験機(東洋ボ―ルドウイン社製)を用
いて測定した。試料を装置に取り付け圧着させた状態で
往復運動をあたえ、フィルムが層剥離を発生するまでの
揉回数で表わす。なお、試料は積層フィルムの長手方向
を測定し、圧着荷重は0.5kgとした。 【0033】(3)耐熱性 試料を180℃のオ―ブン中に曝露し、240時間ごと
に試料を取り出し、引張り伸び率を測定し、初期値の1/
2 の値になるまでの時間で示した。なお、引張り伸び率
の測定は、ASTM D882−61Tにより測定し
た。 【0034】(4)PPS−BOの配向度 各試料の延伸方向をそろえて厚み1mm、幅1mm、長
さ10mmの短冊状に成型(成型時の各フィルムの固定
はコロジオンの5%酢酸アミル溶液を用いた)し、フィ
ルムの膜面に沿ってX線を入射(Edge及びEnd方
向)してプレ―ト写真を撮影した。X線発生装置は理学
電機製、D−3F型装置を用い、40KV−20mAで
Niフィルタ―を通したCu−Kα線をX線源とした。 【0035】試料−フィルム間距離は41mmでコダッ
クノンスクリ―ンタイプフィルムを用い多重露出(15
分及び30分)法を採用した。次にプレ―ト写真上の
(200)ピ―クの強度をφ=O゜(赤道線上)10
゜、20゜、30゜の位置で写真の中心から半径方向に
デンシトメ―タを走査し黒化度Iを読みとり各試料の配
向度(OF)を OF=I(φ=30゜)/I(φ=O゜) と定義した。 【0036】ここで、I(φ=30゜)は30゜の走査
の最大強度、I(φ=0゜)赤道線走査の最大強度であ
る。なお、I(φ=O゜)はφ=O゜とφ=180゜、
I(φ=30゜)はφ=30゜とφ=150゜の強度の
平均値を用いた。デンシトメ―タ―の測定条件は次の様
である。 【0037】装置は小西六写真工業製サクラマイクロデ
ンシトメ―タ―モデルPDM−5タイプAを使用し、測
定濃度範囲は0.0〜4.0D(最小測定面積4μ2 換
算)、光学系倍率100倍でスリット幅1μ、高さ10
μを使用し、フィルム移動速度50μ/秒でチャ―ト速
度は1mm/秒である。 【0038】本発明を実施例により説明する。 【0039】実施例1、比較例1および2 (1)本発明に用いるPPS−BO調整 (a)PPSポリマの準備 オ―トクレ―ブに硫化ナトリウム32.6kg(250
モル、結晶水40重量%を含む)、水酸化ナトリウム1
00g、安息香酸ナトリウム36.1kg(250モ
ル)、及びN−メチル−2−ピロリドン(以下NMPと
略称する。)79.2kgを仕込み撹拌しながら徐々に
205℃まで昇温し、水6.9kgを含む留出液7.0
リットルを除去した。残留混合物に1.4−ジクロルベ
ンゼン37.5kg(255モル)、及びNMP20.
0kgを加え、265℃で4時間加熱した。反応生成物
を熱湯で8回洗浄し、μ:2900ポイズ、N:1.1
7、Tg:91℃、Tm:285℃を有する高重合度P
PS21.1kg(収率78%)を得た。 【0040】(b)溶融成形 上記(a)で得られた組成物を180℃で2時間、減圧
下で乾燥した後、該組成物に滑剤として、ステアリン酸
カルシウム粉末を0.1重量%添加し、ミキサで撹拌し
混合した後、40mmφのエクストル―ダのホッパに投
入する。310℃で溶融された該組成物を長さ250m
m、間隙1.5mmの直線状のリップを有する口金から
押出し、表面温度を30℃に保った金属ドラム上にキャ
ストして冷却固化した。 【0041】得られたフィルムは、幅が230mm、厚
さ1050μm、密度1.315の未延伸フィルムであ
った。 【0042】(c)2軸延伸、熱処理 上記(b)で得られたフィルムをロ―ル群から成る縦延
伸装置によって、フィルムの長手方向に延伸温度98℃
で3.9倍延伸し、続いてフィルムをテンタに供給し延
伸温度98℃で幅方向に3.7倍延伸し、さらに同一テ
ンタ内に後続する熱処理室で270℃10秒間の熱処理
をして、2軸配向フィルムを得た。さらに該フイルムを
フリ―状態で250℃2分間強制収縮させた。さらに該
フィルムの片面に6000J/m2 のコロナ放電処理を
施し、このフィルムをPPS−BO−1(厚さ75μ
m)とする。 【0043】また、比較のために厚みの異なる125μ
m、150μmのPPS−BOも作成した(PPS−B
O−2およびPPS−BO−3)。 【0044】(2)接着剤の調整 市販されている下記の耐熱性ポリウレタン接着剤を用い
た。 【0045】東洋モ―トン社製“アドコ―ト”76P1
(この接着剤を接着剤−1とする)。 【0046】上記の接着剤の主剤と硬化剤の混合比を主
剤/硬化剤=100/8とし酢酸エチルを溶剤として固
形分濃度が32重量%になるように調整した。 【0047】(3)積層フィルム調整 PPS−BO−1のコロナ処理面にグラビアロ―ル法で
先に調整した接着剤をコ―ティングした。溶剤の乾燥条
件は80℃で3分間であり、接着剤の厚みは硬化後で
7.5μmになるよう調整した。続いて後続するロ―ル
ラミネ―タでもう一層のPPS−BO−1をコロナ処理
面が前記接着剤層に接するように貼り合せた。貼り合せ
条件は温度80℃、線圧3kg/cmとした。得られた積
層フィルムは60℃で50時間で硬化し、さらに150
℃で10時間硬化させた(積層フィルム−1とする)。 【0048】(4)評価 上記で作成した積層フィルムの耐衝撃性及び耐熱性を測
定した。また、比較のため125μm、150μmのP
PS−BOも同様の評価を行った。結果を第1表に示
す。この結果から該積層フイルムは、PPS−BOがも
つ優れた耐熱性をほとんど低下させることなく耐衝撃性
が格段に改良されているのがよくわかる。 【0049】実施例2〜4 実施例1、比較例1および2で作成した厚みがそれぞれ
75μm、125μm、150μmのPPS−BO−1
〜3を組み合わせて、第1表に示す3種類の積層フィル
ム(積層フィルム2〜4)を作成した。積層の条件は、
実施例1と同じで、接着剤層の厚さは、積層全厚みの5
%となるようにした。また、接着剤層の硬度指数は、4
50〜600の間にあった。 【0050】第1表から、耐衝撃性と耐熱性のともに優
れた積層フィルムであることが判る。耐衝撃性の点で
は、ほぼ同じ厚みのPPS−BOより大幅に優れている
ことはもちろん、積層フィルムを構成するより薄いPP
S−BO単層よりも優れている。 【0051】 【表1】実施例5〜12、比較例3〜5 (1)積層フイルムの作成 実施例1のPPS−BO−1を用いて積層フィルムを作
成した。また積層に使用した接着剤は、実施例1に用い
た接着剤−1(東洋モートン社製“アドコート”76P
1)とヘンケル白水社製“リオフォール”3600/6
200(この接着剤を接着剤−2とする。)の2種類を
用いた。 【0052】接着剤−1は、主剤と硬化剤の混合比の異
ったものを8種類作成した。なお他の条件は実施例1と
同条件である。一方、接着剤−2についても主剤と硬化
剤の混合比の異ったものを3種類作成した。また溶剤は
メチル−エチル−ケトンとし固形分濃度を45重量%と
した。 【0053】積層する条件は、実施例1と同条件で行な
い11種類の積層フィルムを作成した(積層フィルム−
5〜15)。 【0054】(2)評価 第2表に作成した11種類の積層フィルムの評価結果を
示す。 【0055】この結果より本発明の積層フィルムに使用
できる接着剤の硬度指数は、1〜3000mm/min
の範囲にあることがわかる。すなわち、該硬度指数が1
mm/min未満でも3000mm/minを越えても
耐衝撃性を改良する効果がない。 【0056】 【表2】【0057】 【発明の効果】本発明は、2軸配向ポリ−p−フェニレ
ンスルフィドフィルムに2軸配向ポリ−p−フェニレン
スルフィドフィルムを特定の硬度の接着剤を介して積層
した積層フィルムとしたため、耐熱性と耐衝撃性のとも
に優れたフィルムとすることができた。 【0058】本発明の積層フィルムは、一般的な電気絶
縁材料として用いる他、プリント配線基板、シ―トキ―
ボ―ド基板、音響振動板などに適している。特に、モ―
タ―のスロットライナ、ウェッジなど耐熱性と耐衝撃性
の高次元でのバランスを要求される用途に適している。
ェニレンスルフィドフィルムを用いた積層フィルムに関
するものである。 【0002】 【従来の技術】従来のフィルムとして、(A)2軸配向
ポリ―p−フェニレンスルフィドフィルムを電気絶縁材
料として用いることが特開昭55−35459号公報等
で知られている。また、(B)ポリエステルフィルム、
(C)ポリイミドフィルム等を同様の用途に用いること
も知られている。 【0003】また、これらのフィルムに、導電性塗料、
抵抗塗料、金属箔等からなる電気回路を形成したプリン
ト配線基板も知られている。 【0004】また、積層フィルムとしては、(D)2軸
配向ポリ―p−フェニレンスルフィドフィルムを中心層
とし、その両側に、ポリエチレンテレフタレ―ト、ポリ
エチレン2.6ナフタレ―トなどからなる2軸配向ポリ
エステルフィルムや、全芳香族ポリアミドフィルム、全
芳香族ポリイミドフィルムなどを、各々の厚みが中心層
の厚みの50%以下の範囲で積層したものを、磁気記録
媒体のベ―スフィルムとして用いることが、特開昭60
−80125号公報において提案されている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかし、これら従来の
フィルムは、下記の問題点を有している。 【0006】2軸配向ポリ―p−フェニレンスルフィド
フィルムは、耐衝撃性に欠け、例えば、モ―タ―のスロ
ットライナ―やウェッジとして用いる場合、フィルム内
部で2層以上に剥離(デラミネ―シヨン)してしまった
り、裂けてしまったりし易い。 ポリエステルフィルム
は、耐熱性に乏しい。 【0007】ポリイミドフィルムは、耐熱性に富むが、
吸水率が大きく、使用時の水分管理を要する、あるい
は、125μmを越えるような厚いフィルムの製造が困
難で、スロットライナ―やウェッジの自動挿入が難しい
といった欠点がある。 【0008】2軸配向ポリ―p−フェニレンスルフィド
フィルムを中心層とし、その両側に、ポリエステルフィ
ルムを設けた積層フィルムは、表面層を2軸配向ポリエ
ステルフィルムとすることで、多少の耐衝撃性の改良が
みられるが充分ではないばかりか2軸配向ポリ―p−フ
ェニレンスルフィドフィルムの耐熱性が損なわれてしま
う。 【0009】本発明は、かかる問題点を解決し、耐熱性
と耐衝撃性のともに優れたフィルムを提供することを目
的とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】本発明は、2軸配向ポリ
−p−フェニレンスルフィドフィルム同士を接着剤を介
して積層したフィルムであって、該接着剤層の硬度指数
が1〜3000の範囲にあることを特徴とする積層フィ
ルムである。 【0011】本発明において、2軸配向ポリ―p−フェ
ニレンスルフィドフィルム(以下、PPS−BOと略称
することがある)とは、ポリ―p−フェニレンスルフィ
ドを主成分とする樹脂組成物を、溶融成形してシ―ト状
とし、2軸延伸、熱処理してなるフィルムである。該フ
ィルムの配向度は、広角X線回析で2θ=20〜21度
の結晶ピ―クについて求めた配向度OFがEnd方向及
びEdge方向で0.07〜0.50、Through
方向で0.60〜1.00の範囲にあることが好まし
い。また、該フィルムの厚さは、3〜200ミクロンの
範囲が好ましい。 【0012】本発明においてポリ―p−フェニレンスル
フィドを主成分とする樹脂組成物(以下、PPS系組成
物と略称することがある)とは、ポリ―p−フェニレン
スルフィドを90重量%以上含む組成物を言う。PPS
の含有量が90重量%未満では、組成物としての結晶
性、熱転移温度等が低くなり、該組成物からなるフィル
ムの特長である耐熱性、寸法安定性、機械的特性等を損
なう。該組成物中の残りの10重量%未満はPPS以外
のポリマ、無機または有機のフィラ―、滑剤、着色剤、
紫外線吸収剤などの添加物を含むことも、本発明の目的
を害しない範囲なら差し支えない。該樹脂組成物の溶融
粘度は、温度300℃、せん断速度2001/secのもと
で、 500〜 12000ポイズ(より好ましくは 700〜10000
ポイズ)の範囲がフィルムの成形性の点で好ましい。ま
た、該樹脂組成物の溶融粘度は、最終的に得られる2軸
配向ポリ―p−フェニレンスルフィドフィルムの、溶融
粘度に等しい。 【0013】本発明においてポリ―p−フェニレンスル
フィド(以下、PPSと略称することがある)とは、繰
り返し単位の70モル%以上(好ましくは85モル%以
上)が構造式 【化1】 で示される構成単位からなる重合体をいう。係る成分が
70モル%未満ではポリマの結晶性、熱転移温度等が低
くなりPPSを主成分とする樹脂組成物からなるフィル
ムの特長である耐熱性、寸法安定性、機械的特性等を損
なう。繰り返し単位の30モル%未満、好ましくは15
モル%未満であれば共重合可能なスルフィド結合を含有
する単位が含まれていても差し支えない。 【0014】本発明の積層フィルムは、PPS−BO
(厚さをAミクロンとする)と、別のPPS−BO(厚
さをA´ミクロンとする)とを、接着剤を介して積層し
たフィルムである。該積層フィルムを構成する各層の厚
さの比A/A´は、1/3 〜3の範囲が好ましい。また、
該積層フィルム全体の厚さは、100〜400ミクロン
の範囲が好ましい。 【0015】本発明の積層フィルムを構成する接着剤層
の硬度指数は、1〜3000の範囲になければならな
い。好ましくは5〜2000である。硬度指数が1未満
でも、3000を越えても、積層フィルムの耐衝撃性が
低下する。 【0016】ここに、硬度指数とは、積層フィルムを1
80℃に保ち、接着剤の両側の層に80g/cmの剥離力
を加えたときの、60秒当りの剥離長さをミリメ―トル
単位で表わしたもので、接着剤の硬さの尺度となるもの
である。言うまでもなく、硬度指数が大きいほど接着剤
が柔かく、小さいほど硬くなる。 【0017】本発明の積層フィルムを構成する接着剤層
の組成は特に限定されないが、ポリウレタン系、エポキ
シ系、ポリエステル系、シリコ−ン系等の例を挙げるこ
とができる。 【0018】接着剤層の厚みは、1μm〜30μmが好
ましい。また接着層の合計厚みが積層フィルム全体の厚
みに占める割合は、3〜10%の範囲が好ましい。 【0019】次に本発明の積層フィルムの製造方法につ
いて述べる。 【0020】本発明に用いるPPSは、硫化アルカリと
パラジハロベンゼンとを極性溶媒中で高温高圧下に反応
させて得られる。特に、硫化ナトリウムとパラジクロル
ベンゼンをN−メチルピロリドン等のアミド系高沸点極
性溶媒中で反応させるのが好ましい。この場合、重合度
を調整するために、カ性アルカリ、カルボン酸アルカリ
金属塩等のいわゆる重合助剤を添加して、230〜28
0℃で反応させるのが最も好ましい。重合系内の圧力お
よび重合時間は使用する助剤の種類や量および所望する
重合度等によって適宣決定する。得られた粉状または粒
状のポリマを、水または/および溶媒で洗浄して、副生
塩、重合助剤、未反応モノマ―等を分離する。 【0021】このポリマを2軸配向フィルムに成形する
には、押出機により溶融された該樹脂を口金から定量的
に金属ドラムの上にキャスティングし、急速冷却するこ
とによって無配向、非晶状態のシ―トを得て、該シ―ト
を周知の方法で2軸延伸、熱処理する。延伸は長手方
向、幅方向とも90〜110℃で3.0〜4.5倍の範
囲でおこなう。熱処理は240℃〜融点の範囲で、定長
または15%以下の制限収縮下に1〜60秒間おこな
う。さらに、該フィルムの熱的寸法安定性を向上させる
ために、一方向もしくは二方向にリラックスしてもよ
い。 【0022】次に本発明に用いる接着剤の製造方法につ
いて述べる。 【0023】無溶剤系、溶剤系とも用い得るが、接着剤
の耐熱性や接着剤を積層する作業性から考えて硬化型の
溶媒系の接着剤が好ましい。 【0024】その一例としてポリウレタン系の接着剤に
ついて述べる。 【0025】通常市販されているポリウレタン系の接着
剤を用いてもよいが耐熱性の点からあらかじめイソシア
ネ―ト(好ましくは芳香族イソシアネ―ト)とポリプロ
ピレングリコ―ルやポリエステルなどとを反応させたイ
ソシアネ―トのプレポリマを作成し、該プレポリマとポ
リプロピレングリコ―ル、ポリエステル、ポリオ―ルな
どとからなるポリウレタン系の接着剤が好ましい。該プ
レポリマとポリプロピレングリコ―ル、ポリエステル、
ポリオ―ルなどは、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの有機
溶媒中に均一混合され接着剤溶液となる。また、該接着
剤に難燃剤などの無機又は有機添加剤を接着性を損なわ
ない程度に添加することはさしつかえない。 【0026】次にPPS−BO同志を該接着剤を介して
積層する。 【0027】積層にさきがけて、PPS−BOは片面
に、コロナ放電処理、プラズマ処理、プライマ―コ―ト
処理などの単独又は組み合せた表面処理を行うのが好ま
しい。 【0028】積層する方法としては、PPS−BOの片
面に所定の組成に調整された接着剤を塗布し、乾燥した
後加熱ロ―ル又は加熱プレスでPPS−BOを貼り合せ
る。また、接着剤の塗布の方法としては、グラビアロ―
ル法、リバ―スロ―ルコ―タ法等がある。塗布後の溶剤
の乾燥は、用いる溶剤の種類により異なり、通常は溶剤
の沸点付近の温度で残存溶剤が完全になくなりかつ接着
剤の硬化が促進しない条件が選ばれる。また貼り合せの
条件は、温度50℃〜150℃、線圧1〜50kg/cmの
範囲で行うのがよい。次に接着剤の硬化であるが、接着
剤の種類や組成、厚みによって異なるが常温〜170℃
の温度で0.5時間〜100時間の範囲内が好ましい。 【0029】次に本発明の記述において使用した、特性
の測定方法および評価の基準を述べる。 【0030】 【実施例】本発明の特性値は次の測定法による。 【0031】(1)硬度指数 10mm幅の積層フィルムを180℃に保ち、接着剤層
の両側のフィルム層に80g/cmの剥離荷重を加えたと
きの1分間当りの剥離長さ(mm/min)を硬度指数
とした。積層フィルムを180℃に保つ装置は、熱風式
オ―ブンを用いた。 【0032】(2)耐衝撃性 スコット型モミ試験機(東洋ボ―ルドウイン社製)を用
いて測定した。試料を装置に取り付け圧着させた状態で
往復運動をあたえ、フィルムが層剥離を発生するまでの
揉回数で表わす。なお、試料は積層フィルムの長手方向
を測定し、圧着荷重は0.5kgとした。 【0033】(3)耐熱性 試料を180℃のオ―ブン中に曝露し、240時間ごと
に試料を取り出し、引張り伸び率を測定し、初期値の1/
2 の値になるまでの時間で示した。なお、引張り伸び率
の測定は、ASTM D882−61Tにより測定し
た。 【0034】(4)PPS−BOの配向度 各試料の延伸方向をそろえて厚み1mm、幅1mm、長
さ10mmの短冊状に成型(成型時の各フィルムの固定
はコロジオンの5%酢酸アミル溶液を用いた)し、フィ
ルムの膜面に沿ってX線を入射(Edge及びEnd方
向)してプレ―ト写真を撮影した。X線発生装置は理学
電機製、D−3F型装置を用い、40KV−20mAで
Niフィルタ―を通したCu−Kα線をX線源とした。 【0035】試料−フィルム間距離は41mmでコダッ
クノンスクリ―ンタイプフィルムを用い多重露出(15
分及び30分)法を採用した。次にプレ―ト写真上の
(200)ピ―クの強度をφ=O゜(赤道線上)10
゜、20゜、30゜の位置で写真の中心から半径方向に
デンシトメ―タを走査し黒化度Iを読みとり各試料の配
向度(OF)を OF=I(φ=30゜)/I(φ=O゜) と定義した。 【0036】ここで、I(φ=30゜)は30゜の走査
の最大強度、I(φ=0゜)赤道線走査の最大強度であ
る。なお、I(φ=O゜)はφ=O゜とφ=180゜、
I(φ=30゜)はφ=30゜とφ=150゜の強度の
平均値を用いた。デンシトメ―タ―の測定条件は次の様
である。 【0037】装置は小西六写真工業製サクラマイクロデ
ンシトメ―タ―モデルPDM−5タイプAを使用し、測
定濃度範囲は0.0〜4.0D(最小測定面積4μ2 換
算)、光学系倍率100倍でスリット幅1μ、高さ10
μを使用し、フィルム移動速度50μ/秒でチャ―ト速
度は1mm/秒である。 【0038】本発明を実施例により説明する。 【0039】実施例1、比較例1および2 (1)本発明に用いるPPS−BO調整 (a)PPSポリマの準備 オ―トクレ―ブに硫化ナトリウム32.6kg(250
モル、結晶水40重量%を含む)、水酸化ナトリウム1
00g、安息香酸ナトリウム36.1kg(250モ
ル)、及びN−メチル−2−ピロリドン(以下NMPと
略称する。)79.2kgを仕込み撹拌しながら徐々に
205℃まで昇温し、水6.9kgを含む留出液7.0
リットルを除去した。残留混合物に1.4−ジクロルベ
ンゼン37.5kg(255モル)、及びNMP20.
0kgを加え、265℃で4時間加熱した。反応生成物
を熱湯で8回洗浄し、μ:2900ポイズ、N:1.1
7、Tg:91℃、Tm:285℃を有する高重合度P
PS21.1kg(収率78%)を得た。 【0040】(b)溶融成形 上記(a)で得られた組成物を180℃で2時間、減圧
下で乾燥した後、該組成物に滑剤として、ステアリン酸
カルシウム粉末を0.1重量%添加し、ミキサで撹拌し
混合した後、40mmφのエクストル―ダのホッパに投
入する。310℃で溶融された該組成物を長さ250m
m、間隙1.5mmの直線状のリップを有する口金から
押出し、表面温度を30℃に保った金属ドラム上にキャ
ストして冷却固化した。 【0041】得られたフィルムは、幅が230mm、厚
さ1050μm、密度1.315の未延伸フィルムであ
った。 【0042】(c)2軸延伸、熱処理 上記(b)で得られたフィルムをロ―ル群から成る縦延
伸装置によって、フィルムの長手方向に延伸温度98℃
で3.9倍延伸し、続いてフィルムをテンタに供給し延
伸温度98℃で幅方向に3.7倍延伸し、さらに同一テ
ンタ内に後続する熱処理室で270℃10秒間の熱処理
をして、2軸配向フィルムを得た。さらに該フイルムを
フリ―状態で250℃2分間強制収縮させた。さらに該
フィルムの片面に6000J/m2 のコロナ放電処理を
施し、このフィルムをPPS−BO−1(厚さ75μ
m)とする。 【0043】また、比較のために厚みの異なる125μ
m、150μmのPPS−BOも作成した(PPS−B
O−2およびPPS−BO−3)。 【0044】(2)接着剤の調整 市販されている下記の耐熱性ポリウレタン接着剤を用い
た。 【0045】東洋モ―トン社製“アドコ―ト”76P1
(この接着剤を接着剤−1とする)。 【0046】上記の接着剤の主剤と硬化剤の混合比を主
剤/硬化剤=100/8とし酢酸エチルを溶剤として固
形分濃度が32重量%になるように調整した。 【0047】(3)積層フィルム調整 PPS−BO−1のコロナ処理面にグラビアロ―ル法で
先に調整した接着剤をコ―ティングした。溶剤の乾燥条
件は80℃で3分間であり、接着剤の厚みは硬化後で
7.5μmになるよう調整した。続いて後続するロ―ル
ラミネ―タでもう一層のPPS−BO−1をコロナ処理
面が前記接着剤層に接するように貼り合せた。貼り合せ
条件は温度80℃、線圧3kg/cmとした。得られた積
層フィルムは60℃で50時間で硬化し、さらに150
℃で10時間硬化させた(積層フィルム−1とする)。 【0048】(4)評価 上記で作成した積層フィルムの耐衝撃性及び耐熱性を測
定した。また、比較のため125μm、150μmのP
PS−BOも同様の評価を行った。結果を第1表に示
す。この結果から該積層フイルムは、PPS−BOがも
つ優れた耐熱性をほとんど低下させることなく耐衝撃性
が格段に改良されているのがよくわかる。 【0049】実施例2〜4 実施例1、比較例1および2で作成した厚みがそれぞれ
75μm、125μm、150μmのPPS−BO−1
〜3を組み合わせて、第1表に示す3種類の積層フィル
ム(積層フィルム2〜4)を作成した。積層の条件は、
実施例1と同じで、接着剤層の厚さは、積層全厚みの5
%となるようにした。また、接着剤層の硬度指数は、4
50〜600の間にあった。 【0050】第1表から、耐衝撃性と耐熱性のともに優
れた積層フィルムであることが判る。耐衝撃性の点で
は、ほぼ同じ厚みのPPS−BOより大幅に優れている
ことはもちろん、積層フィルムを構成するより薄いPP
S−BO単層よりも優れている。 【0051】 【表1】実施例5〜12、比較例3〜5 (1)積層フイルムの作成 実施例1のPPS−BO−1を用いて積層フィルムを作
成した。また積層に使用した接着剤は、実施例1に用い
た接着剤−1(東洋モートン社製“アドコート”76P
1)とヘンケル白水社製“リオフォール”3600/6
200(この接着剤を接着剤−2とする。)の2種類を
用いた。 【0052】接着剤−1は、主剤と硬化剤の混合比の異
ったものを8種類作成した。なお他の条件は実施例1と
同条件である。一方、接着剤−2についても主剤と硬化
剤の混合比の異ったものを3種類作成した。また溶剤は
メチル−エチル−ケトンとし固形分濃度を45重量%と
した。 【0053】積層する条件は、実施例1と同条件で行な
い11種類の積層フィルムを作成した(積層フィルム−
5〜15)。 【0054】(2)評価 第2表に作成した11種類の積層フィルムの評価結果を
示す。 【0055】この結果より本発明の積層フィルムに使用
できる接着剤の硬度指数は、1〜3000mm/min
の範囲にあることがわかる。すなわち、該硬度指数が1
mm/min未満でも3000mm/minを越えても
耐衝撃性を改良する効果がない。 【0056】 【表2】【0057】 【発明の効果】本発明は、2軸配向ポリ−p−フェニレ
ンスルフィドフィルムに2軸配向ポリ−p−フェニレン
スルフィドフィルムを特定の硬度の接着剤を介して積層
した積層フィルムとしたため、耐熱性と耐衝撃性のとも
に優れたフィルムとすることができた。 【0058】本発明の積層フィルムは、一般的な電気絶
縁材料として用いる他、プリント配線基板、シ―トキ―
ボ―ド基板、音響振動板などに適している。特に、モ―
タ―のスロットライナ、ウェッジなど耐熱性と耐衝撃性
の高次元でのバランスを要求される用途に適している。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.2軸配向ポリ−p−フェニレンスルフィドフィルム
同士を接着剤を介して積層したフィルムであって、該接
着剤層の硬度指数が1〜3000の範囲にあることをを
特徴とする積層フィルム。
Priority Applications (2)
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---|---|---|---|
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---|---|---|---|
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---|---|---|---|
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-
1991
- 1991-12-25 JP JP3343385A patent/JP2803422B2/ja not_active Expired - Fee Related
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