JP2639269B2 - 積層フィルム - Google Patents

積層フィルム

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JP2639269B2
JP2639269B2 JP3343384A JP34338491A JP2639269B2 JP 2639269 B2 JP2639269 B2 JP 2639269B2 JP 3343384 A JP3343384 A JP 3343384A JP 34338491 A JP34338491 A JP 34338491A JP 2639269 B2 JP2639269 B2 JP 2639269B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、2軸配向ポリ―p−フ
ェニレンスルフィドフィルムを用いた積層フィルムに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のフィルムとして、(A)2軸配向
ポリ―p−フェニレンスルフィドフィルムを電気絶縁材
料として用いることが特開昭55−35459号公報等
で知られている。また、(B)ポリエステルフィルム、
(C)ポリイミドフィルム等を同様の用途に用いること
も知られている。
【0003】また、これらのフィルムに、導電性塗料、
抵抗塗料、金属箔等からなる電気回路を形成したプリン
ト配線基板も知られている。
【0004】また、積層フィルムとしては、(D)2軸
配向ポリ―p−フェニレンスルフィドフィルムを中心層
とし、その両側に、ポリエチレンテレフタレ―ト、ポリ
エチレン2.6ナフタレ―トなどからなる2軸配向ポリ
エステルフィルムや、全芳香族ポリアミドフィルム、全
芳香族ポリイミドフィルムなどを、各々の厚みが中心層
の厚みの50%以下の範囲で積層したものを、磁気記録
媒体のベ―スフィルムとして用いることが、特開昭60
−80125号公報において提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これら従来の
フィルムは、下記の問題点を有している。
【0006】2軸配向ポリ―p−フェニレンスルフィド
フィルムは、耐衝撃性に欠け、例えば、モ―タ―のスロ
ットライナ―やウェッジとして用いる場合、フィルム内
部で2層以上に剥離(デラミネ―シヨン)してしまった
り、裂けてしまったりし易い。ポリエステルフィルム
は、耐熱性に乏しい。ポリイミドフィルムは、耐熱性に
富むが、吸水率が大きく、使用時の水分管理を要する、
あるいは、125μmを越えるような厚いフィルムの製
造が困難で、スロットライナ―やウェッジの自動挿入が
難しいといった欠点がある。
【0007】2軸配向ポリ―p−フェニレンスルフィド
フィルムを中心層とし、その両側に2軸配向ポリエステ
ルフィルムを積層した積層フィルムは、表面層を2軸配
向ポリエステルフィルムとすることで、多少の耐衝撃性
の改良がみられるが充分ではない。
【0008】本発明は、かかる問題点を解決し、耐熱性
と耐衝撃性のともに優れたフィルムを提供することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、2軸配向ポリ
―p−フェニレンスルフィドフィルムと、2軸配向ポリ
エステルフィルムとが接着剤を介して積層された積層フ
ィルムであって、該接着剤層の硬度指数が1〜3000
の範囲にあり、該2軸配向ポリ―p−フェニレンスルフ
ィドフィルムの厚みAと該2軸配向ポリエステルフィル
ムの厚みBが、式 0.1≦A/B≦1.8 を満足する積層フィルムに関するものである。
【0010】本発明において、2軸配向ポリ―p−フェ
ニレンスルフィドフィルム(以下、PPS−BOと略称
することがある)とは、ポリ―p−フェニレンスルフィ
ドを主成分とする樹脂組成物を、溶融成形してシ―ト状
とし、2軸延伸、熱処理してなるフィルムである。
【0011】該フィルムの配向度は、広角X線回析で2
θ=20〜21度の結晶ピ―クについて求めた配向度O
FがEnd方向及びEdge方向で0.07〜0.5
0、Through方向で0.60〜1.00の範囲に
あることが好ましい。
【0012】また、該フィルムの厚さは、3〜200ミ
クロンの範囲が好ましい。
【0013】本発明においてポリ―p−フェニレンスル
フィドを主成分とする樹脂組成物(以下、PPS系組成
物と略称することがある)とは、ポリ―p−フェニレン
スルフィドを90重量%以上含む組成物を言う。
【0014】PPSの含有量が90重量%未満では、組
成物としての結晶性、熱転移度等が低くなり、該組成物
からなるフィルムの特長である耐熱性、寸法安定性、機
械的特性等を損なう。
【0015】該組成物中の残りの10重量%未満はPP
S以外のポリマ、無機または有機のフィラ―、滑剤、着
色剤、紫外線吸収剤などの添加物を含むことも、本発明
の目的を害しない範囲なら差し支えない。
【0016】該樹脂組成物の溶融粘度は、温度300
℃、せん断速度200 1/secのもとで、 500〜 12000ポ
イズ(より好ましくは 700〜10000 ポイズ)の範囲がフ
ィルムの成形性の点で好ましい。
【0017】該樹脂組成物の溶融粘度は、最終的に得ら
れる2軸配向ポリ―p−フェニレンスルフィドフィルム
の、溶融粘度に等しい。
【0018】本発明においてポリ―p−フェニレンスル
フィド(以下、PPSと略称することがある)とは、繰
り返し単位の70モル%以上(好ましくは85モル%以
上)が構造式
【化1】 で示される構成単位からなる重合体をいう。係る成分が
70モル%未満ではポリマの結晶性、熱転移温度等が低
くなりPPSを主成分とする樹脂組成物からなるフィル
ムの特長である耐熱性、寸法安定性、機械的特性等を損
なう。
【0019】繰り返し単位の30モル%未満、好ましく
は15モル%未満であれば共重合可能なスルフィド結合
を含有する単位が含まれていても差し支えない。
【0020】本発明において、2軸配向ポリエステルフ
ィルムとは、ポリエステルを2軸延伸、熱処理したフィ
ルムをいう。
【0021】該フイルムの厚さは、3〜250ミクロン
の範囲が好ましい。
【0022】ここに、ポリエステルとは、芳香族ジカル
ボン酸を主たる酸成分とし、アルキレングリコ―ルを主
たるグリコ―ル成分とするポリエステルをいう。ポリエ
チレンテレフタレ―ト、ポリエチレン2.6ナフタレ―
トなどを主成分とするものが好ましい。
【0023】該ポリエステルに、無機または有機のフィ
ラ―、滑剤、安定剤、難燃剤などの添加物や、他種のポ
リマ―等が、小量含まれていることは差し支えない。
【0024】本発明の積層フィルムは、上記のPPS−
BO(厚さをAミクロンとする)と2軸配向ポリエステ
ルフィルム(厚さをBミクロンとする)とを、接着剤を
介して積層したフィルムである。
【0025】該積層フィルムを構成する各層の厚さの関
係は、0.1≦A/B≦1.8である必要がある。好ま
しくは0.2≦A/B≦1.5である。A/Bが小さい
と、耐熱性が低下し、逆に大きいと、耐衝撃性が低下す
る傾向にある。
【0026】本発明の積層フィルムの全体の厚さは、1
0〜500ミクロンの範囲が好ましい。
【0027】本発明の積層フィルムを構成する接着剤層
の硬度指数は、1〜3000の範囲になければならな
い。好ましくは、5〜2000である。硬度指数が1未
満でも、3000を越えても、積層フィルムの耐衝撃性
が低下する。
【0028】ここに、硬度指数とは、積層フィルムを1
80℃に保ち、接着剤の両側の層に80g/cmの剥離力
を加えたときの、60秒当りの剥離長さをミリメ―トル
単位で表わしたもので、接着剤の硬さの尺度となるもの
である。言うまでもなく、硬度指数が大きいほど接着剤
が柔かく、小さいほど硬くなる。
【0029】本発明の積層フィルムを構成する接着剤層
の組成は特に限定されないが、ポリウレタン系、エポキ
シ系、ポリエステル系、シリコ−ン系等の例を挙げるこ
とができる。
【0030】接着剤層の厚みは、1μm〜30μmが好
ましい。また接着層の厚みが積層フィルム全体の厚みに
占める割合は、3〜10%の範囲が好ましい。
【0031】次に本発明の積層フィルムの製造方法につ
いて述べる。
【0032】本発明に用いるPPSは、硫化アルカリと
パラジハロベンゼンとを極性溶媒中で高温高圧下に反応
させて得られる。特に、硫化ナトリウムとパラジクロル
ベンゼンをN−メチルピロリドン等のアミド系高沸点極
性溶媒中で反応させるのが好ましい。この場合、重合度
を調整するために、カ性アルカリ、カルボン酸アルカリ
金属塩等のいわゆる重合助剤を添加して、230〜28
0℃で反応させるのが最も好ましい。重合系内の圧力お
よび重合時間は使用する助剤の種類や量および所望する
重合度等によって適宣決定する。得られた粉状または粒
状のポリマを、水または/および溶媒で洗浄して、副生
塩、重合助剤、未反応モノマ―等を分離する。
【0033】このポリマを2軸配向フィルムに成形する
には、押出機により溶融された該樹脂を口金から定量的
に金属ドラムの上にキャスティングし、急速冷却するこ
とによって無配向、非晶状態のシ―トを得て、該シ―ト
を周知の方法で2軸延伸、熱処理する。延伸は長手方
向、幅方向とも90〜110℃で3.0〜4.5倍の範
囲でおこなう。熱処理は240℃〜融点の範囲で、定長
または15%以下の制限収縮下に1〜60秒間おこな
う。さらに、該フィルムの熱的寸法安定性を向上させる
ために、一方向もしくは二方向にリラックスしてもよ
い。
【0034】本発明に用いる2軸配向ポリエステルフィ
ルムとしては、2軸配向ポリエチレンテレフタレ―トフ
ィルム、2軸配向ポリエチレン2.6ナフタレ―トなど
の市販もしくは周知のフィルムを用いることができる。
【0035】次に本発明に用いる接着剤の製造方法につ
いて述べる。
【0036】無溶剤系、溶剤系とも用い得るが、接着剤
の耐熱性や接着剤を積層する作業性から考えて硬化型の
溶媒系の接着剤が好ましい。
【0037】その一例としてポリウレタン系の接着剤に
ついて述べる。
【0038】通常市販されているポリウレタン系の接着
剤を用いてもよいが耐熱性の点からあらかじめイソシア
ネ―ト(好ましくは芳香族イソシアネ―ト)とポリプロ
ピレングリコ―ルやポリエステルなどとを反応させたイ
ソシアネ―トのプレポリマを作成し、該プレポリマとポ
リプロピレングリコ―ル、ポリエステル、ポリオ―ルな
どとからなるポリウレタン系の接着剤が好ましい。
【0039】該プレポリマとポリプロピレングリコ―
ル、ポリエステル、ポリオ―ルなどは、酢酸エチル、酢
酸ブチルなどの有機溶媒中に均一混合され接着剤溶液と
なる。また該接着剤に難燃剤などの無機又は有機添加剤
を接着性を損なわない程度に添加することはさしつかえ
ない。
【0040】次にPPS−BOと2軸配向ポリエステル
フィルムとを該接着剤を介して積層する。
【0041】積層にさきがけて、PPS−BOは片面
に、2軸配向ポリエステルフィルムには両面にそれぞれ
コロナ放電処理、プラズマ処理、プライマ―コ―ト処理
などの単独又は組み合せた表面処理を行うのが好まし
い。
【0042】積層する方法としては、PPS−BO(又
は2軸配向ポリエステルフィルム)の片面に所定の組成
に調整された接着剤を塗布し、乾燥した後加熱ロ―ル又
は加熱プレスで2軸配向ポリエステルフィルム(又はP
PS−BO)を貼り合せる。また塗布の方法としては、
グラビアロ―ル法、リバ―スロ―ルコ―タ法等がある。
塗布後の溶剤の乾燥は、用いる溶剤の種類により異な
り、通常は溶剤の沸点付近の温度で残存溶剤が完全にな
くなりかつ接着剤の硬化が促進しない条件が選ばれる。
また貼り合せの条件は、温度50℃〜150℃、線圧1
〜50kg/cmの範囲で行うのがよい。
【0043】次に接着剤の硬化であるが、接着剤の種類
や組成、厚みによって異なるが常温〜170℃の温度で
0.5時間〜100時間の範囲内が好ましい。
【0044】
【実施例】本発明の特性値は次の測定法による。
【0045】(1)硬度指数 10mm幅の積層フィルムを180℃に保ち、接着剤層
の両側のフィルム層に80g/cmの剥離荷重を加えたと
きの1分間当りの剥離長さ(mm/min)を硬度指数
とした。積層フィルムを180℃に保つ装置は、熱風式
オ―ブンを用いた。
【0046】(2)耐衝撃性 スコット型モミ試験機(東洋ボ―ルドウイン社製)を用
いて測定した。試料を装置に取り付け圧着させた状態で
往復運動をあたえ、フィルムが層剥離を発生するまでの
揉回数で表わす。なお、試料は積層フィルムの長手方向
を測定し、圧着荷重は0.5kgとした。
【0047】(3)耐熱性 試料を180℃のオ―ブン中に曝露し、240時間ごと
に試料を取り出し、引張り伸び率を測定し、初期値の1/
2 の値になるまでの時間で示した。なお、引張り伸び率
の測定は、ASTM D882−61Tにより測定し
た。
【0048】(4)PPS−BOの配向度 各試料の延伸方向をそろえて厚み1mm、幅1mm、長
さ10mmの短冊状に成型(成型時の各フィルムの固定
はコロジオンの5%酢酸アミル溶液を用いた)し、フィ
ルムの膜面に沿ってX線を入射(Edge及びEnd方
向)してプレ―ト写真を撮影した。X線発生装置は理学
電機製、D−3F型装置を用い、40KV−20mAで
Niフィルタ―を通したCu−Kα線をX線源とした。
【0049】試料−フィルム間距離は41mmでコダッ
クノンスクリ―ンタイプフィルムを用い多重露出(15
分及び30分)法を採用した。次にプレ―ト写真上の
(200)ピ―クの強度をφ=O゜(赤道線上)10
゜、20゜、30゜の位置で写真の中心から半径方向に
デンシトメ―タを走査し黒化度Iを読みとり各試料の配
向度(OF)を OF=I(φ=30゜)/I(φ=O゜) と定義した。
【0050】ここで、I(φ=30゜)は30゜の走査
の最大強度、I(φ=0゜)赤道線走査の最大強度であ
る。なお、I(φ=O゜)はφ=O゜とφ=180゜、
I(φ=30゜)はφ=30゜とφ=150゜の強度の
平均値を用いた。デンシトメ―タ―の測定条件は次の様
である。
【0051】装置は小西六写真工業製サクラマイクロデ
ンシトメ―タ―モデルPDM−5タイプAを使用し、測
定濃度範囲は0.0〜4.0D(最小測定面積4μ2
算)、光学系倍率100倍でスリット幅1μ、高さ10
μを使用し、フィルム移動速度50μ/秒でチャ―ト速
度は1mm/秒である。
【0052】本発明を実施例により説明する。
【0053】実施例1 (1)本発明に用いるPPS−BO調整 (a)PPSポリマの準備 オ―トクレ―ブに硫化ナトリウム32.6kg(250モ
ル、結晶水40重量%を含む)、水酸化ナトリウム10
0g、安息香酸ナトリウム36.1kg(250モル)、
及びN−メチル−2−ピロリドン(以下NMPと略称す
る。)79.2kgを仕込み撹拌しながら徐々に205℃
まで昇温し、水6.9kgを含む留出液7.0リットルを
除去した。残留混合物に1.4−ジクロルベンゼン3
7.5kg(255モル)、及びNMP20.0kgを加
え、265℃で4時間加熱した。反応生成物を熱湯で8
回洗浄し、μ:2900ポイズ、N:1.17、Tg:
91℃、Tm:285℃を有する高重合度PPS21.
1kg(収率78%)を得た。
【0054】(b)溶融成形 上記(a)で得られた組成物を180℃で2時間、減圧
下で乾燥した後、該組成物に滑剤として、ステアリン酸
カルシウム粉末を0.1重量%添加し、ミキサで撹拌し
混合した後、40mmφのエクストル―ダのホッパに投
入する。310℃で溶融された該組成物を長さ250m
m、間隙1.5mmの直線状のリップを有する口金から
押出し、表面温度を30℃に保った金属ドラム上にキャ
ストして冷却固化した。
【0055】得られたフィルムは、幅が230mm、厚
さ700μm、密度1.315の未延伸フィルムであっ
た。
【0056】(c)2軸延伸、熱処理 上記(b)で得られたフィルムをロ―ル群から成る縦延
伸装置によって、フィルムの長手方向に延伸温度98℃
で3.9倍延伸し、続いてフィルムをテンタに供給し延
伸温度98℃で幅方向に3.7倍延伸し、さらに同一テ
ンタ内に後続する熱処理室で270℃10秒間の熱処理
をして、2軸配向フィルムを得た。さらに該フイルムを
フリ―状態で250℃2分間強制収縮させた。さらに該
フィルムの片面に6000J/m2 のコロナ放電処理を
施し、このフィルムをPPS−BO−1(厚さ50μ
m)とする。
【0057】(2)本発明に用いる2軸配向ポリエステ
ルフィルムの調整 テレフタル酸ジメチルとエチレングリコ―ルから重合し
てなる固有粘度0.62のポリエチレンテレフタレ―ト
(以下PETと略称することがある。)樹脂の原料チッ
プを減圧下で乾燥後、シリカ粉末(“サイロイド―15
0”(富士デビソン社製))を0.1重量%を添加し、
ミキサで撹拌し混合した後、40mmφのエクストル―
ダのホッパに投入する。290℃に溶融された該組成物
を長さ250mm、間隙1.0mmの直線状のリップを
有する口金から押出し、表面温度を50℃に保った金属
ドラム上にキャストし冷却固化し、未延伸フィルムを得
た。該フィルムをロ―ル群から成る縦延伸装置によって
90℃の温度で長手方向に3.3倍延伸し、続いてフィ
ルムをテンタに供給し、延伸温度95℃で幅方向に3.
5倍延伸し、さらに同一テンタ内に後続する熱処理室で
240℃で10秒間熱処理して2軸配向PETフィルム
を得た。さらに該フィルムを200℃で2分間自由収縮
させた。さらに該フィルムの両面に6000J/m2
コロナ放電処理を施して2軸配向ポリエステルフィルム
厚さ50μmを得た。(このフィルムをPET−BO−
1とする)。
【0058】(3)接着剤の調整 市販されている下記の耐熱性ポリウレタン接着剤を用い
た。
【0059】東洋モ―トン社製“アドコ―ト”76P1
(この接着剤を接着剤−1とする)。 上記の接着剤の
主剤と硬化剤の混合比を主剤/硬化剤=100/8とし
酢酸エチルを溶剤として固形分濃度が32重量%になる
ように調整した。
【0060】(4)積層フィルム調整 PPS−BO−1のコロナ処理面にグラビアロ―ル法で
先に調整した接着剤をコ―ティングした。溶剤の乾燥条
件は80℃で3分間であり、接着剤の厚みは硬化後で7
μmになるよう調整した。続いて後続するロ―ルラミネ
―タでPET−BO−1と貼り合せた。貼り合せ条件は
温度80℃、線圧3kg/cmとした。得られた積層フィル
ムは60℃で50時間で硬化し、さらに150℃で10
時間硬化させた(積層フィルム−1とする)。
【0061】(5)評価 上記で作成した積層フィルムの耐衝撃性及び耐熱性を測
定した。結果を第1表に示す。この結果から該積層フイ
ルムは、PPS−BOがもつ優れた耐熱性をほとんど低
下させることなく耐衝撃性が格段に改良されているのが
よくわかる。
【0062】実施例2〜4、比較例1〜3 (1)積層フィルムの作成 実施例−1と同様にして厚みの異ったPPS−BOを作
成した。該フィルムの厚みは、8μm、15μm、38
μm、50μm、75μm、100μmの6種類であ
る。一方PET−BOも同様にして38μm、50μ
m、75μm、100μm、の4種類の厚みのものを作
成した。
【0063】これらのPPS−BOおよびPET−BO
を用いて厚み構成比の異った6種類の2層フィルム(A
/B)を作成した。(積層フィルム2〜7) 積層の条件は実施例1と同様とし、接着剤層の厚さは積
層フィルム全厚の7%とした。各積層フィルムの接着剤
層の硬度指数は各々400〜700の間にあった。
【0064】(2)評価 第1表に作成した積層フィルムの評価結果を示す。
【0065】
【表1】 実施例5〜12および比較例4〜6 (1)積層フイルムの作成 PPS−BOおよびPET−BOは実施例1に使用した
フィルムを用いた。また積層に使用した接着剤は、実施
例1に用いた接着剤−1(東洋モートン社製“アドコー
ト”76P1)とヘンケル白水社製“リオフォール”3
600/6200(この接着剤を接着剤−2とする。)
の2種類を用いた。
【0066】接着剤−1は、主剤と硬化剤の混合比の異
ったものを8種類作成した。なお他の条件は実施例1と
同条件である。一方接着剤−2についても主剤と硬化剤
の混合比の異ったものを3種類作成した。また溶剤はメ
チル−エチル−ケトンとし固形分濃度を45重量%とし
た。
【0067】積層する条件は、実施例1と同条件で行な
い11種類の積層フィルムを作成した(積層フィルム8
〜18)。
【0068】(2)評価 第2表に作成した11種類の積層フィルムの評価結果を
示す。
【0069】この結果より本発明の積層フィルムに使用
できる接着剤の硬度指数は、1〜3000mm/min
の範囲にあることがわかる。すなわち、該硬度指数が1
mm/min未満でも3000mm/minを越えても
耐衝撃性を改良する効果がない。
【0070】
【表2】
【0071】
【発明の効果】本発明は、PPS−BOに2軸配向ポリ
エステルフィルムまたは/及びPPS−BOを特定の硬
度の接着剤を介して積層した積層フィルムとしたため、
耐熱性と耐衝撃性のともに優れたフィルムとすることが
できた。
【0072】本発明の積層フィルムは、一般的な電気絶
縁材料として用いる他、プリント配線基板、シ―トキ―
ボ―ド基板、音響振動板などに適している。特に、モ―
タ―のスロットライナ、ウェッジなど耐熱性と耐衝撃性
の高次元でのバランスを要求される用途に適している。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2軸配向ポリ―p−フェニレンスルフィ
    ドフィルムと、2軸配向ポリエステルフィルムとが接着
    剤を介して積層された積層フィルムであって、該接着剤
    層の硬度指数が1〜3000の範囲にあり、該2軸配向
    ポリ―p−フェニレンスルフィドフィルムの厚みAと該
    2軸配向ポリエステルフィルムの厚みBが、式 0.1≦A/B≦1.8 を満足する積層フィルム。
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