JP2007152761A - ポリフェニレンサルファイド複合フィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリフェニレンサルファイドを用いてなるA層およびB層を有し、A層が少なくとも片方の表層であり、総厚みが30μm以上、200μm以下であるポリフェニレンサルファイド複合フィルム。
A層:厚みが2μm以上、20μm以下、
平均粒径0.3μm以上、1.5μm以下の単一微粒子あるいは混合微粒子を層全体に対して合計0.5重量%以上、2.0重量%以下含有する層
B層:平均粒径5.0μm以下の単一微粒子あるいは混合微粒子を層全体に対して合計0〜5.0重量%含有する層
【選択図】 なし
Description
(2)ポリプロピレンフィルム、シート
(3)ポリエステルフィルム
(4)ポリイミドフィルム
(5)弗素系フィルム
しかし、上記のフィルムやシートは次の問題点を有していた。(1)、(2)のフィルムやシートは離型性や耐薬品性に富むが耐熱性に問題がある。(3)のフィルムは耐熱性や耐薬品性、離型性の点で問題がある。該フィルムを離型分野に用いる場合はフィルム表面に離型塗料を塗布するケースが多く、汚染性が問題となる。また耐熱的には200℃が限度で、それ以上の温度にさらされると急激に熱収縮してしまう。また(4)のフィルムは耐熱性に富むが耐薬品性(特にアルカリに弱い)や離型性およびフィルムの均質性の問題があった。さらに(5)のフィルムは離型性に富むが機械特性に問題があり、加工時に高張力がかかるとフィルムが変形してしまう。
離型用二軸配向ポリフェニレンスルフィドフィルムが開示されているが、微少な突起については依然として十分ではなかった。
(1)ポリフェニレンサルファイドを用いてなるA層およびB層を有し、A層が少なくとも片方の表層であり、総厚みが30μm以上、200μm以下であるポリフェニレンサルファイド複合フィルム、
A層:厚みが2μm以上、20μm以下、
平均粒径0.3μm以上、1.5μm以下の単一微粒子あるいは混合微粒子を層全体に対して合計0.5重量%以上、2.0重量%以下含有する層、
B層:平均粒径5.0μm以下の単一微粒子あるいは混合微粒子を層全体に対して合計0〜5.0重量%含有する層
(2)前記表層のA層表面の突起数(SPc)が150以上である(1)記載のポリフェニレンサルファイド複合フィルム、
(3)前記表層のA層厚み方向1μm中の層断面中の単一微粒子あるいは混合微粒子の占有面積比が0.5%以上である(1)または(2)記載のポリフェニレンサルファイド複合フィルム、
(4)前記表層のA層の表面平均中心線粗さ(SRa)が10以上、40nm以下、最大粗さ(SRmax)が1000nm以下、長径50μm以上あるいは高さ0.5μm以上の粗大突起が5個/100cm2以下であり、摩擦係数が0.7以下である(1)〜(3)のいずれかに記載のポリフェニレンサルファイド複合フィルム、
(5)前記表層のA層の厚み方向断面の前記単一微粒子あるいは混合微粒子の平均粒子径と該単一微粒子あるいは混合微粒子に隣接して存在するボイド径との差が1.0μm以下である(1)〜(4)のいずれかに記載のポリフェニレンサルファイド複合フィルム、
である。
1.5μm以上であると粒子自体が形成する突起自体が粗大突起となるために、被離型膜の欠陥も増加する。さらに好ましくは0.5μm以上、1.3μm以下である。該粒径範囲であれば単一粒子でも複数の粒子の混合系でもかまわない。
ミクロトームを用いて断面切削したフィルムのスライス片を作成し、走査型電子顕微鏡の試料台に固定したスライス片を、スパッタリング装置を用いて真空度10−3Torr、電圧0.25KV、電流12.5mAの条件にて10分間、イオンエッチング処理を施す。次に、同装置にて該表面に金スパッタを施し、走査型電子顕微鏡にて10000〜30000倍の表層のA層部分の厚み方向断面写真を撮影し、平均粒径(D)は、上記写真から10個以上n個の粒子の面積円相当径(Di)を求め、下記式(式1)により求める。
例えば、特開平2−91130号などと同様に作製することができる。すなわち、硫化アルカリとp−ジハロベンゼンを極性溶媒中で高温高圧下に反応させる方法を用いる。特に、硫化ナトリウムとジクロロベンゼン(好ましくはp−ジクロロベンゼン)をN−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと称することがある)等のアミド系極性溶媒中で反応させるのが好ましい。この場合、重合度を調節するために、苛性アルカリ、カルボン酸アルカリ金属塩等のいわゆる重合助剤を添加して230〜280℃で反応させるのが最も好ましい。重合系内の圧力および重合時間は、使用する助剤の種類や量および所望する重合度などによって適宜決定される。重合終了後、系を徐冷して析出させたポリマーを水中または有機溶媒中に投入してできるスラリーをフィルターで瀘別してポリマーケークを得る。得られたポリマーケークは、イオン交換水または有機溶媒にて洗浄を繰り返した後、必要に応じてさらに酢酸塩等の水溶液中で30〜100℃の温度で10〜60分間撹拌処理後、イオン交換水にて30〜80℃の温度にて数回洗浄を繰り返した後乾燥し、ポリフェニレンサルファイド粉末とする。
上述のようにして得られたポリフェニレンサルファイド粉末と液体中に微粒子を分散させたスラリーとを混合し、該混合物をベント押出機に供給して溶融混練と同時に該液体を除去し、ポリフェニレンサルファイド中に微粒子を分散させる。好ましい分散方法は、まず微粒子を沸点が90℃〜290℃の液体中に微分散させスラリ−とする(以下微粒子スラリ−と称することがある)。ここで必要に応じて瀘過やデカンター等により、粗大粒子や微小粒子を除去することは好ましい。ここで、微粒子の粒径が小さいほどスラリ−中で2次凝集が起こりやすく、スラリー中における微粒子の2次凝集を防ぐ観点から微粒子の平均粒径は0.01μm以上であることが好ましく、0.1μm以上がさらに好ましい。また、本発明のフィルムとするには、該微粒子の平均粒径はスラリー中においても0.3μm〜2.0μmの範囲が好ましく、かつ微粒子の濃度は2次凝集を防ぐ観点から80重量%以下が好ましい。該液体は、例えば水、エチレングリコ−ル、トリエチレングリコ−ル、NMP、ジフェニルエ−テルなどが挙げられるが、該液体の沸点以上でポリフェニレンサルファイドを溶解しない前3者が特に好ましい。ここで、該スラリ−中および/またはポリマ−中における微粒子の2次凝集を防止し、ポリマーとの親和性を上げ、フィルム製膜時に発生するボイド径を小さくする目的で、該微粒子を有機塩等の表面処理剤で表面処理する、スラリ−中への界面活性剤の添加をしてもよい。
上述のようにして得られた粒子ペレットおよび/または無粒子ペレットを減圧下で乾燥した後、フィルムに溶融成形して未延伸フィルムを得る。PPS樹脂組成物を、公知の積層用押出機に供給し、スリット状のダイからシート状に押出し、キャスティングロール上で冷却固化せしめて未延伸フィルムを作る。すなわち、2つの押出機、2層〜3層のマニホールドまたは合流ブロック(例えば角型合流部を有する合流ブロック)を用いて積層し、口金から2層以上のシートを押し出し、キャスティングロールで冷却して未延伸フィルムを作る。ここでA層を押出する際にポリマーの温度が320℃以上、360℃以下になることが好ましく、より好ましくは320℃以上、340℃以下である。ポリマー温度が320℃未満であると溶融しきれないポリマーがフィルムの表面欠陥となり、一方で360℃を越えるとポリマーの熱架橋および酸化架橋が促進しゲル化物による表面欠陥が多発する。
[特性の評価方法]
本発明の記述に用いた、特性の評価方法および評価の基準を述べる。
日本ミクロトーム研究所製電動ミクロトームST−201を用いて断面切削したフィルムのスライス片を作成した。走査型電子顕微鏡の試料台に固定したスライス片を、スパッタリング装置を用いて真空度10−3Torr、電圧0.25KV、電流12.5mAの条件にて10分間、イオンエッチング処理を施す。次に、同装置にて該表面に金スパッタを施し、走査型電子顕微鏡にて10000〜30000倍の各層の写真を撮影する。
日本ミクロトーム研究所製電動ミクロトームST−201を用いて断面切削したフィルムのスライス片を作成した。走査型電子顕微鏡の試料台に固定したスライス片を、スパッタリング装置を用いて真空度10−3Torr、電圧0.25KV、電流12.5mAの条件にて10分間、イオンエッチング処理を施す。次に、同装置にて該表面に金スパッタを施し、走査型電子顕微鏡にて2000倍の写真を撮影し、測定視野中のA層表層までの1μm中に占める粒子について円相当径から粒子合計の占有面積を算出し、測定視野中の表層1μmまでの面積との比をパーセント表示したものをA層表層1μm中の粒子占有面積比として算出した。
日本ミクロトーム研究所製電動ミクロトームST−201を用いて断面切削したフィルムのスライス片を作成した。走査型電子顕微鏡の試料台に固定したスライス片を、スパッタリング装置を用いて真空度10−3Torr、電圧0.25KV、電流12.5mAの条件にて10分間、イオンエッチング処理を施す。次に、同装置にて該表面に金スパッタを施し、走査型電子顕微鏡にて10000〜30000倍の表層のA層部分の厚み方向の断面写真を撮影した。
ここで表層のA層の厚み方向断面の粒子とポリマーの空隙(ボイド)の最大径(Db)の10個以上、n個の平均値をそのフィルムのボイド径とし、平均粒子径とボイド径との差は上述(1)で求めた平均粒径から下記式(式2)により求めた。
暗室にてフィルム表層(A層表層)に1mの距離での照度4000LUXの蛍光灯で光を照射し、反射検査でフィルム突起部をチェックした。該突起をZYGO社製 Newview200システム表面形状測定器を用い、突起幅および突起高さを測定し、長径50μm以上、高さ0.5μm以上の突起を粗大突起としてカウントした。
日本ミクロトーム研究所製電動ミクロトームST−201を用いて断面切削したフィルムのスライス片を透過光顕微鏡で観察し、各層の厚みを測定した。
小坂研究所製 Surfcorder ET30HKを用い、下記条件にて表層のA層表面の平均中心線粗さ(SRa)、最大粗さ(SRmax)を求めた。
カットオフ : 0.25mm
測定長 : 0.5mm
測定間隔 : 5μm
測定回数 : 40回。
小坂研究所製 Surfcorder ET30HKを用い、下記条件にての表層のA層表面の突起数(SPc)を求めた。このとき、平均中心線粗さ(SRa)を中心面としたときに、該中心面から±12.5nmの中心面と平行な面を設定し、該2つの面を越える振幅をもつものを突起としカウントし、該カウント数を突起数とした。
カットオフ : 0.25mm
測定長 : 0.5mm
測定間隔 : 5μm
測定回数 : 40回。
試料調湿として、23℃、65%RHで24時間フィルムをエージングし、ASTM−D−1894に準じて、下記条件にてスリップテスターを用いて表層のA層表面の摩擦係数を測定した。
すべり速度 : 150mm/分
加重 : 200g。
フィルム表面をレーヨン布でラビング処理し、ポリエステル系液晶ポリマーを塗布して乾燥(100℃−5分間)、熱処理(220℃−30分間)した後、該膜をフィルムから剥離してガラス板に挟み、偏光板からの距離が10cmで測定した照度が2000LUXの偏光をかけて膜の色むらを確認した。評価は下記の基準で行い、△以上を合格範囲とした。なお評価サンプルサイズは300mm×200mmとした。
◎:被離型膜に100μm以上の欠陥がない。
○:被離型膜の最大幅100μm以上の欠陥が2箇所以下であり、200μm以上の欠陥がない。
△:被離型膜の最大幅100μm以上の欠陥が3〜5箇所あり、200μm以上の欠陥が1個以下である。
×:被離型膜の最大幅100μm以上の欠陥が6箇所以上、200μm以上の欠陥が2個以上ある。
××:被離型膜の欠陥がほぼ全面にある。
次に本発明を実施例を挙げて詳細に説明する。
(1)ポリフェニレンサルファイドの作製
50Lオートクレーブ(SUS316製)に水硫化ナトリウム(NaSH)56.25モル、水酸化ナトリウム54.8モル、酢酸ナトリウム16モル、およびN−メチルピロリドン(NMP)170モルを仕込む。次に、窒素ガス気流下に撹拌しながら内温を220℃まで昇温させ脱水を行なった。脱水終了後、系を170℃まで冷却した後、55モルのp−ジクロロベンゼン(p−DCB)と0.055モルの1,2,4,−トリクロロベンゼン(TCB)を2.5LのNMPとともに添加し、窒素気流下に系を2.0kg/cm2 まで加圧封入した。235℃にて1時間、さらに270℃にて5時間撹拌下にて加熱後、系を室温まで冷却、得られたポリマーのスラリーを水200モル中に投入し、70℃で30分間撹拌後、ポリマを分離する。このポリマをさらに約70℃のイオン交換水(ポリマー重量の9倍)で撹拌しながら5回洗浄後、約70℃の酢酸リチウムの5重量%水溶液にて窒素気流下にて約1時間撹拌した。さらに、約70℃のイオン交換水で3回洗浄後、分離し、120℃、1torrの雰囲気下で20時間乾燥することによって白色のポリフェニレンサルファイド粉末が得られた。
平均粒径0.5μmの球形シリカをエチレングリコール中に20重量%微分散させたスラリーを調製した後、このスラリーを1μmカットフィルターで濾過した後上述のポリフェニレンサルファイド粉末にヘンシェルミキサを用いて球形シリカが3.0重量%となるよう混合した。次いで、2個所のベント孔を有する2軸押出機に供給し、溶融混練と同時にベント孔よりエチレングリコールを除去し、ガット状に押出し、水中で冷却後切断して粒子ペレットとした。
上述の粒子ペレットおよび無粒子ペレットを球形シリカが1.0重量%となるよう混合し、回転式真空乾燥機で150℃、3mmHgの減圧下で3時間処理して結晶化ペレットとした(PPS−1)。また無粒子ペレットを回転式真空乾燥機で150℃、3mmHgの減圧下で3時間処理して結晶化ペレットとした(PPS−2)。次いで、このPPS−1を65mmφの単軸押出機(押出機−1)に、PPS−2を90mmφ単軸押出機(押出機−2)にPPS−1とPPS−2の吐出比が1:1になるよう供給した。該PPSの溶融温度を330℃とし、瀘過精度10μmのフィルターを通過させて、角形ブロック式合流部を経て、PPS−1が両表層であるA層に、PPS−2が中央部であるB層になるようにし、リップ幅400mm、スリット間隙1.5mmのステンレス製Tダイから吐出させ、表面を30℃に保った金属ドラム上で冷却固化して、厚さ620μmのA/B/Aの3層複合非晶シ−トとした。次いで、この非晶シ−トを表面温度95℃の回転ロール群に巻き付けて加熱し、引き続いて配置された表面温度25℃のロールとの間で3.5倍にフィルムの長手方向(MD)に延伸した。次いで、テンタ−で100℃の熱風が循環する室内でフイルムの長手と直行方向(TD)に3.5倍延伸し、引き続いて270℃の熱風が循環する室内で10秒間定長熱処理して厚さ50μmのポリフェニレンサルファイド複合フィルムを得た。
PPS−1に使用する球形シリカ微粒子の平均粒径を0.3μm、フィルム中への含有量を0.3%(実施例2)および平均粒径を1.3μm、含有量を2.0重量%(実施例3)に調整する以外は実施例1と同様に厚さ50μmのポリフェニレンサルファイド複合フィルムを得た。実施例2の複合フィルムは粗大突起も少なく、平均粒径に対するボイド径も小さく、加工工程で若干のキズの発生は認められたが、得られた被離型膜の欠陥も少なかった。実施例3の複合フィルムは若干の粗大突起の発生による、被離型膜の欠陥が発生したが、使用に問題ないレベルであった。評価結果を表1および表2にまとめて示した。
実施例1と同様な方法でポリフェニレンサルファイド粉末を作成した。次に平均粒径0.5μmの炭酸カルシウムをエチレングリコール中に20重量%微分散させたスラリーを調製した後、表面処理剤としてポリメタクリル酸アンモニウム塩を1重量%添加した。このスラリーを1μmカットフィルターで濾過した後上述のポリフェニレンサルファイド粉末にヘンシェルミキサを用いて炭酸カルシウムが5.0重量%となるよう混合した。次いで、2個所のベント孔を有する2軸押出機に供給し、溶融混練と同時にベント孔より水を除去し、ガット状に押出し、水中で冷却後切断して粒子ペレットとした。
平均粒径4.0μmの炭酸カルシウムの含有量を3.0重量%となるようにPPS−2を調整した以外は実施例1と同様に厚さ50μmのポリフェニレンサルファイド複合フイルムを得た。粗大突起も少なく、加工性も良好で、平均粒径に対するボイド径も小さく、得られたれた被離型膜の欠陥も少なかった。評価結果を表1および表2にまとめて示した。
PPS−1およびPPS−2の吐出量および吐出量比を調整した以外は実施例1と同様にポリフェニレンサルファイド複合フィルムを得た。得られたポリフェニレンサルファイド複合フィルムの厚みは100μm、A/B/Aの構成は15μm/70μm/15μmであった。この複合フィルムは粗大突起も少なく、加工性も良好で、平均粒径に対するボイド径も小さく、得られた被離型膜の欠陥も少なかった。評価結果を表1および表2にまとめて示した。
PPS−1およびPPS−2の吐出量および吐出量比を調整した以外は実施例1と同様にポリフェニレンサルファイド複合フイルムを得た。得られたポリフェニレンサルファイド複合フィルムの厚みは35μm、A/B/Aの構成は2μm/31μm/2μmであった。この複合フィルムは粗大突起も少なく、加工性も良好で、平均粒径に対するボイド径も小さく、得られた被離型膜の欠陥も少なかった。評価結果を表1および表2にまとめて示した。
PPS−1の球形シリカの平均粒径を0.1μm、フィルム中への含有量を0.2%となるよう調整する以外は実施例1と同様に厚さ50μmのポリフェニレンサルファイド複合フィルムを得た。2次凝集による粗粒が多く、フィルム表面に粗大突起が多く、すべり性も悪いためキズも多発した。このため得られた被離型膜もほぼ全面にわたり欠陥が多発した。評価結果を表1および表2にまとめて示した。
平均粒径1.8μmの凝集シリカ粒子の含有量を3.0重量%となるようにPPS−1を調整した以外は実施例1と同様に厚さ50μmのポリフェニレンサルファイド複合フイルムを得た。フィルム表面に粗大突起が多く、このため得られた被離型膜も欠陥が多発した。評価結果を表1および表2にまとめて示した。
平均粒径6.0μmの炭酸カルシウム粒子の含有量を6.0重量%となるようにPPS−2を調整した以外は実施例1と同様に厚さ50μmのポリフェニレンサルファイド複合フイルムを得た。フィルム表面に粗大突起が多く、このため得られた被離型膜も欠陥が多発した。評価結果を表1および表2にまとめて示した。
PPS−1およびPPS−2の吐出量および吐出量比を調整した以外は実施例1と同様にポリフェニレンサルファイド複合フイルムを得た。得られたポリフェニレンサルファイド複合フィルムの厚みは50μm、A/B/Aの構成は1μm/48μm/1μmであった。この複合フィルムは表面欠陥が多く、得られた被離型膜の欠陥も多かった。評価結果を表1および表2にまとめて示した。
PPS−1およびPPS−2の吐出量および吐出量比を調整した以外は実施例1と同様にポリフェニレンサルファイド複合フイルムを得た。得られたポリフェニレンサルファイド複合フィルムの厚みは50μm、A/B/Aの構成は23μm/4μm/23μmであった。この複合フィルムは製膜工程および被離型膜を作成する際の工程でフィルム表面にキズが多発し、フィルム表面に粗大突起も多く、得られた被離型膜の欠陥も多かった。評価結果を表1および表2にまとめて示した。
平均粒径1.0μmのシリカ粒子の含有量を1.0重量%となるようにし、特開平9−278912号公報の実施例2と同様に厚み70μmのポリフェニレンサルファイド単層フィルムを得た。フィルム表面に粗大突起も多く、このため得られた被離型膜も欠陥が多発した。評価結果を表1および表2にまとめて示した。
特開2000−34356号公報の実施例1と同様に原料の調整および乾燥を行い押出機へ供給し、瀘過精度10μmのフィルターを通過させて、リップ幅400mm、スリット間隙1.5mmのステンレス製Tダイから吐出させ、表面を30℃に保った金属ドラム上で冷却固化して、厚さ420μmの非晶シ−トとした。このときの溶融ポリマーの温度を測定したところ365℃であった。次に実施例1と同様に延伸、熱処理を行い厚み30μmのポリフェニレンサルファイド単層フィルムを得た。このフィルムは製膜工程および被離型膜を作成する際の工程でフィルム表面にキズが多発し、粒子の脱落やフィルム表面に粗大突起も多く、このため得られた被離型膜も欠陥が多発した。評価結果を表1および表2にまとめて示した。
Claims (6)
- ポリフェニレンサルファイドを用いてなるA層およびB層を有し、A層が少なくとも片方の表層であり、総厚みが30μm以上、200μm以下であるポリフェニレンサルファイド複合フィルム。
A層:厚みが2μm以上、20μm以下、
平均粒径0.3μm以上、1.5μm以下の単一微粒子あるいは混合微粒子を層全体に対して合計0.5重量%以上、2.0重量%以下含有する層
B層:平均粒径5.0μm以下の単一微粒子あるいは混合微粒子を層全体に対して合計0〜5.0重量%含有する層 - 前記表層のA層表面の突起数(SPc)が150以上である請求項1記載のポリフェニレンサルファイド複合フィルム。
- 前記表層のA層厚み方向1μm中の層断面中の単一微粒子あるいは混合微粒子の占有面積比が0.5%以上である請求項1または2記載のポリフェニレンサルファイド複合フィルム。
- 前記表層のA層の表面平均中心線粗さ(SRa)が10以上、40nm以下、最大粗さ(SRmax)が1000nm以下、長径50μm以上あるいは高さ0.5μm以上の粗大突起が5個/100cm2以下であり、摩擦係数が0.7以下である請求項1〜3いずれかに記載のポリフェニレンサルファイド複合フィルム。
- 前記表層のA層の厚み方向断面の前記単一微粒子あるいは混合微粒子の平均粒子径と該単一微粒子あるいは混合微粒子に隣接して存在するボイド径との差が1.0μm以下である請求項1〜4いずれかに記載のポリフェニレンサルファイド複合フイルム。
- A層が離型層であり離型用基材フィルムである請求項1〜5いずれかに記載のポリフェニレンサルファイド複合フィルム。
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