JPH05111958A - 積層フイルム - Google Patents

積層フイルム

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JPH05111958A
JPH05111958A JP3277902A JP27790291A JPH05111958A JP H05111958 A JPH05111958 A JP H05111958A JP 3277902 A JP3277902 A JP 3277902A JP 27790291 A JP27790291 A JP 27790291A JP H05111958 A JPH05111958 A JP H05111958A
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幸男 野口
Kenji Kida
健次 喜田
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 基層となるPPSより低い特定の溶融粘度、
かつ特定のTmcを持つPPSを熱処理工程前に積層
し、熱処理して得られるPPSの積層フイルム。 【効果】 表面突起が極めて均一で滑り性が良く、外部
粒子を含まないため絶縁耐圧、絶縁欠陥が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、2軸配向ポリ−p−フ
ェニレンスルフィドフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリ−p−フェニレンスルフ
ィドを主成分とする樹脂組成物を2軸延伸、熱処理した
2軸配向フィルムが、特開昭55−111235、56
−62121等で提案されている。上記のフィルムは、
耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性、誘電特性に優れている
ため、電気絶縁材料、コンデンサの誘電体、離型シート
をはじめ種々の用途に使用されている。
【0003】従来より、2軸配向ポリ−p−フェニレン
スルフィドフィルムの滑り性を改良する目的で、不活性
微粒子を添加し表面に突起を形成する方法が知られてお
り、特開昭63−245442、再公表公報平2ー80
8677などにその方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これら従来の
ポリ−p−フェニレンスルフィドフィルムは、フイルム
中に粒子を添加する方法であり、ポリマと添加粒子との
親和性が低いために製膜の延伸応力により粒子周りにボ
イド(空隙)が発生したり、フイルムとした後に粒子が
脱落したりするため、絶縁耐圧(以下BDVという)の
低下や絶縁欠陥が増加するなどの欠陥があった。また、
粒子の添加前または/および添加後に粒子が2次凝集し
やすく粗粒が発生する。このためフイルム表面の突起高
さが不揃いになったり、粗大突起ができる欠点があっ
た。このため、例えば、10μm以下の薄いフイルムを
コンデンサーの誘電体とした場合には、絶縁耐圧が低い
ため使用電圧の高いコンデンサーができない欠点や、絶
縁欠陥のため製造中の不良率が高いなどの欠点があり、
フロッピーディスクなどの磁気記録媒体ベースとした場
合には、記録抜けいわゆるドロップアウトが多く発生す
るなどの欠点があった。
【0005】本発明の目的は、かかる欠点を解決し、表
面突起高さが均一で滑り性に優れた、かつ絶縁耐圧が高
く絶縁欠陥の少ない2軸配向ポリ−p−フェニレンスル
フィドフィルムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するため、300℃、剪断速度200sec-1におけ
る溶融粘度が1000ポイズ〜50000ポイズの範囲
のポリ−p−フェニレンスルフィドを主成分とする樹脂
組成物AからなるA層と、A層の少なくとも一方の面に
積層され、溶融粘度が該樹脂組成物Aの溶融粘度の1/
2〜1/20の範囲であって、降温結晶化温度(Tm
c)が150〜250℃の範囲のポリ−p−フェニレン
スルフィドを主成分とする樹脂組成物BからなるB層と
からなる2軸配向ポリ−p−フェニレンスルフィド積層
フィルム、としたものである。
【0007】本発明において、ポリ−p−フェニレンス
ルフィド(以下、PPSと言う)とは、繰り返し単位の
70モル%以上、好ましくは85モル%以上が構造式
【0008】
【化1】
【0009】で示される構成単位からなる重合体をい
う。係る成分が70モル%未満ではポリマの結晶性、熱
転移温度等が低くなりPPSを主成分とする樹脂組成物
からなるフィルムの特長である耐熱性、寸法安定性、機
械的特性等を損なう。
【0010】繰り返し単位の30モル%未満、好ましく
は15モル%未満であれば共重合可能なスルフィド結合
を含有する単位が含まれていても差し支えない。繰り返
し単位の30モル%未満、好ましくは15モル%未満の
繰り返し単位としては、例えば、3官能単位、エーテル
単位、スルホン単位、ケトン単位、メタ結合単位、アル
キル基等の置換基を有するアリール単位、ビフェニル単
位、ターフェニレン単位、ビニレン単位、カーボネート
単位などが具体例としてあげられ、このうち1つまたは
2つ以上共存させて構成することができる。この場合、
該構成単位は、ランダム共重合、ブロック共重合いずれ
の形態でも差し支えない。また、ポリマの末端または末
端近くに該ポリマの主要構成単位
【0011】
【化2】
【0012】以外の構成単位が存在することはなんら差
し支えない。該組成物中の残りの30重量%未満はPP
S以外のポリマ、着色剤、紫外線吸収剤などの添加物を
含むことも差し支えない。
【0013】本発明において、樹脂組成物Aとは、本発
明においてベ−ス層を構成するものであり、温度300
℃、剪断速度200sec-1における溶融粘度が100
0ポイズ〜50000ポイズの範囲のPPSを主成分と
する樹脂組成物である。かかる溶融粘度が1000ポイ
ズ未満では、フイルムとしたときの機械的特性、耐熱性
に劣りPPSフイルムの特徴が発揮出来ない。また、溶
融粘度は高い方がフイルムの熱的、機械的特性が良好に
なるが、高過ぎると押出機に高負荷がかかることや、瀘
過装置などに大きな圧力がかかることなどから設備が大
型となり好ましくない。さらに高粘度になると流動性が
悪くなり実用的な成形が困難となる。溶融押出成形に好
ましい樹脂組成物Aの溶融粘度は1000ポイズ〜20
000ポイズの範囲であり、さらに好ましくは1500
ポイズ〜10000ポイズの範囲である。また、この溶
融粘度は押出成形によって変化しない。
【0014】樹脂組成物Bとは、溶融粘度が該樹脂組成
物Aの溶融粘度の1/2〜1/20の範囲、かつ降温結
晶化温度(以下Tmcと言う)が150℃〜250℃の
範囲のPPSを主成分とする樹脂組成物である。かかる
溶融粘度が1/2を超えると樹脂組成物Aとの配向結晶
性が近づくため本発明の効果が得られず、逆に1/20
未満では積層製膜時にポリマの溶融流れ性が悪化し均質
なフイルムが得られない。好ましい溶融粘度は樹脂組成
物Aの1/3〜1/10の範囲、さらに好ましくは1/
4〜1/8の範囲である。また、この溶融粘度は押出成
形によって変化しない。また、かかるTmcが150℃
未満では、結晶化が遅いため本発明の効果が得られず滑
り性の悪いフイルムとなる。逆に、250℃を超えると
結晶化が早いため表面粗さの均一性が損なわれる。該T
mcの好ましい範囲は、180℃〜230℃である。
【0015】また、本発明において、フィルムの表面突
起を整える目的などのために、A層または/およびB層
に不活性微粒子を含有させることは差し支えない。
【0016】次に本発明の2軸配向ポリ−p−フェニレ
ンスルフィド積層フイルム(以下PPS積層フィルムと
言う)の製造法について説明する。
【0017】まず、本発明に使用するPPSの重合方法
としては、例えば、特開平2−1130号などと同様
に、硫化アルカリとp−ジハロベンゼンを極性溶媒中で
高温高圧下に反応させる方法を用いる。特に、硫化ナト
リウムとパラ−ジクロロベンゼン(以下DCBと言う)
をN−メチル−2−ピロリドン(以下NMPと言う)等
のアミド系極性溶媒中で反応させるのが好ましい。この
場合、重合度を調整するために、苛性アルカリ、カルボ
ン酸アルカリ金属塩等のいわゆる重合助剤を添加して2
30〜280℃で反応させるのが最も好ましい。重合系
内の圧力および重合時間は、使用する助剤の種類や量お
よび所望する重合度などによって適宜変更する。重合終
了後、系を徐冷してポリマを析出させた後、水中に投入
してできるスラリーをフィルターで瀘別して粒状ポリマ
を得る。得られた粒状ポリマは、必要に応じて、さら
に、酸および/またはアルカリ金属の酢酸塩等の水溶液
中で撹拌処理後、イオン交換水にて数回洗浄を繰り返
す。さらに、必要に応じて、オリゴマ等の低分子量成分
を除去する目的で、不活性雰囲気下でNMP洗浄した
後、イオン交換水にて数回洗浄を繰り返し、乾燥する。
【0018】次に、このようにして得られたPPSポリ
マから300℃、剪断速度200sec-1における溶融
粘度1000ポイズ〜50000ポイズの範囲の粉末を
溶融押出してペレット(樹脂組成物A)とする。同様
に、重合助剤の量、重合時間、および水溶液中での処理
条件を変更して得た、樹脂組成物Aの溶融粘度の1/2
〜1/20、かつTmcが150℃〜250℃の範囲の
粉末を溶融押出してペレット(樹脂組成物B)とする。
ここで、必要に応じて、その他のポリマ、無機粒子、安
定剤などを添加することは差し支えない。
【0019】次に、PPS積層フイルムの製法は、例え
ば、特公昭63−12772などと同様の周知の方法で
製造できる。すなわち、上述の樹脂組成物Aを溶融押
出、2軸延伸、熱処理する工程の、熱処理より前の任意
の段階で樹脂組成物Bを積層した後、熱処理を施すこと
によって得られる。ここで、積層方法は、(1)別々の
押出機で溶融した樹脂組成物A,Bを、押出機と口金の
間の流路内で溶融状態で積層させる複合押出法、(2)
樹脂組成物Aの未延伸または/および延伸シート上に樹
脂組成物Bを押出積層するエクストル−ジョンラミネ−
ト法、(3)樹脂組成物Aの未延伸または/および延伸
シート上に樹脂組成物Bの溶液を塗布するコ−ティング
法、などが適用できるが、フイルムの表面粗さや積層厚
みの制御性、層間の接着性などの点から(1)の複合押
出法が好ましい。例えば、樹脂組成物A、Bのペレット
を別々の押出機で融点以上、350℃以下の温度で溶融
押出し、口金上部のポリマ流路内に設けた合流装置で積
層した後、口金から冷却ドラム上に吐出して無配向の積
層シ−トとする。ここで、樹脂組成物の異物、添加物の
粗大粒子などを除去するため、押出機と合流装置の間で
瀘過することは好ましい方法である。
【0020】次に、該シ−トを95℃〜115℃の温度
で縦、横に同時、もしくは逐次で樹脂組成物Aが充分配
向する倍率、通常2.5倍〜5.0倍に2軸延伸し、さ
らに200℃以上、樹脂組成物Aの融点以下の温度で1
〜120秒間定長熱処理し、さらに、必要に応じて、2
00℃以上、樹脂組成物Aの融点以下の温度でリラック
スを加えてPPS積層フイルムとする。ここで、上述の
積層は熱処理より前に行ない、積層後に熱処理する必要
がある。また、2軸延伸後のこの積層フイルムのB層の
厚みは、表面粗さのコントロ−ルなどの点から0.01
μm〜10μmの範囲が好ましく、0.05μm〜5μ
mの範囲がより好ましい。
【0021】次に、本発明の記述に用いたポリマ、フィ
ルム等の特性値の測定・評価法について説明する。
【0022】(1)溶融粘度 高化式フロ−テスタ(島津製作所製)を用いて、下記条
件で測定した。 測定温度 :300℃ オリフィス :1.0mm径、10mm長
【0023】(2)Tmc 示差走査型熱量計(DSC)を用いて、下記条件で測定
し、降温中に現われる発熱のピ−ク温度をTmcとし
た。 昇温速度 : 20℃/分 溶融保持温度 :340℃ 溶融保持時間 : 5分 降温速度 :−20℃/分
【0024】(3)表面粗さ JIS B0601法に準じて、下記条件で測定した。 針径 : 2mm 荷重 : 70mg 測定基準長 :0.25mm カットオフ :0.08mm
【0025】(3)摩擦係数 ASTM D−1894Bに準じて、フイルム表裏間を
測定した。
【0026】(4)強度、伸度 JIS C2318に準じて測定した。
【0027】(5)絶縁耐圧 JIS C2318に準じて測定した。
【0028】(6)絶縁欠陥 真鋳製の電極(150mmx200mm、表面粗度2
S)と、アルミニウム蒸着ポリエステルフイルムのアル
ミ面(表面抵抗2Ω/□以下)との間に、測定フイルム
(200mmx250mm)を挟み、厚み当たり250
V/μmの直流電圧を90秒間印加した際の絶縁破壊個
数を数え、単位面積当たりに換算して絶縁欠陥とした。
【0029】
【実施例】次に、本発明の実施例を挙げて、さらに詳細
に説明する。
【0030】実施例1 (1)PPSポリマの作製 a)樹脂組成物A 50Lオートクレーブ(SUS316製)に水硫化ナト
リウム(NaSH)56.25モル、水酸化ナトリウム
54.8モル、酢酸ナトリウム16モル、およびNMP
170モルを仕込む。次に、窒素ガス気流下に撹拌しな
がら内温を220℃まで昇温させ脱水を行なった。脱水
終了後、系を170℃まで冷却した後、55モルのDC
Bと0.055モルの1,2,4,−トリクロロベンゼ
ン(TCB)を2.5LのNMPとともに添加し、窒素
気流下に系を2.0kg/cm2 まで加圧封入した。2
35℃にて1時間、さらに270℃にて3時間撹拌下に
て加熱後、系を室温まで冷却、得られたポリマのスラリ
ーを水200モル中に投入し、70℃で30分間撹拌
後、ポリマを瀘別する。このポリマをさらに約70℃の
イオン交換水(ポリマ重量の9倍)で撹拌しながら5回
洗浄後、約70℃の酢酸リチウムの5重量%水溶液にて
窒素気流下にて約1時間撹拌した。さらに、約70℃の
イオン交換水で3回洗浄後、瀘別し、120℃、1to
rrの窒素雰囲気下で20時間乾燥して白色のPPS粉
末を得た。次に、このPPS粉末を市販の窒素ガス雰囲
気下90℃のNMPにて20分間撹拌処理し、さらに約
70℃のイオン交換水で4回洗浄した後瀘別し、上記と
同様に乾燥して白色粉末を得た。このPPS粉末の溶融
粘度は4000ポイズであった。この粉末を60mmφ
の押出機でガット状に溶融押出し、切断してペレットと
した。
【0031】b)樹脂組成物B 50Lオートクレーブ(SUS316製)に水硫化ナト
リウム(NaSH)56.25モル、水酸化ナトリウム
54.8モル、酢酸ナトリウム16モル、およびNMP
170モルを仕込む。次に、窒素ガス気流下に撹拌しな
がら内温を220℃まで昇温させ脱水を行なった。脱水
終了後、系を170℃まで冷却した後、55モルのDC
Bと0.055モルの1,2,4,−トリクロロベンゼ
ン(TCB)を2.5LのNMPとともに添加し、窒素
気流下に系を2.0kg/cm2 まで加圧封入した。2
35℃にて1時間、さらに270℃にて1時間撹拌下に
て加熱後、系を室温まで冷却、得られたポリマのスラリ
ーを水200モル中に投入し、70℃で30分間撹拌
後、ポリマを瀘別した。このポリマをさらに約70℃の
イオン交換水(ポリマ重量の9倍)で撹拌しながら5回
洗浄後、約70℃の酢酸の3重量%水溶液にて窒素気流
下で約1時間撹拌した。さらに、約70℃のイオン交換
水にて3回洗浄後、瀘別し、120℃、1torrの窒
素雰囲気下で20時間乾燥して白色の粉末を得た。この
PPS粉末の溶融粘度は800ポイズ、Tmcは220
℃であった。このPPS粉末を60mmφの押出機でガ
ット状に溶融押出し、切断してペレットとした。
【0032】(2)PPS積層フイルムの作製 上記のように作製した樹脂組成物Aのペレットを90m
mの押出機に、樹脂組成物Bのペレットを30mmの押
出機に供給し、310℃で押出した。各々の押出機のヘ
ッド部に設けた95%カット孔径10μφの金属繊維製
フィルターで瀘過した後、各々の溶融ポリマを口金の上
部に設けた合流装置に送り込み、溶融状態で積層したの
ちTダイ型口金から表面温度30℃の冷却ドラム上に吐
出させ、未配向の積層シ−トとした。このシ−トのA層
の厚みは110μm,B層の厚みは10μmであった。
【0033】次に、この積層シ−トを、表面温度95℃
の回転ロール群に巻き付けて加熱し、引き続いて配置さ
れた表面温度25℃のロールとの間で3.5倍にフイル
ムの流れ方向(MD)に延伸した。次いで、テンタ−で
100℃の熱風が循環する室内でフイルムの流れと直交
方向(TD)に3.5倍延伸し、引き続いて240℃の
熱風が循環する室内で10秒間定長熱処理して、厚さ1
0μmのPPS積層フイルムを得た。
【0034】このフイルムは表面突起高さが均一で滑り
性が良く、絶縁耐圧、絶縁欠陥にも優れていた。表1に
このフィルムの評価結果を示す。
【0035】比較例1 実施例1(1)a)で得たPPSペレットを、実施例1
(2)と同様の方法で該ペレットのみ(無粒子)のシ−
トとし、延伸、熱処理して厚さ10μmのPPSフイル
ムを得た。
【0036】このフイルムは、滑り性がないため製膜中
の走行性が悪く、ロ−ル状に巻取ることが困難で表面に
多くの傷が発生した。表1にこのフィルムの評価結果を
示す。
【0037】比較例2 実施例1(1)a)で得たPPS粉末に、平均粒径1.
2μmの炭酸カルシウムをヘンシェルミキサで混合した
後、強練りタイプの2軸押出機で混練し炭酸カルシウム
を0.5重量%含むペレットに溶融押出した。次いで比
較例1と同様の方法で、炭酸カルシウムを0.5重量%
含有する厚さ10μmのPPSフイルムを得た。
【0038】このフイルムは、実施例1のフイルムに比
べると表面突起高さが不均一であり、滑り性、絶縁耐
圧、絶縁欠陥に劣るものであった。表1にこのフィルム
の評価結果を示す。
【0039】実施例2 実施例1(1)と同法で得た溶融粘度8000ポイズの
樹脂組成物Aと、溶融粘度600ポイズ、Tmc190
℃の樹脂組成物Bを溶融押出し、積層シ−トとした。次
いで、MD延伸比を3.2倍とした以外は実施例1
(2)と同一の方法で厚さ10μmのPPS積層フイル
ムを得た。
【0040】このフイルムは表面突起高さが均一で滑り
性が良く、絶縁耐圧、絶縁欠陥にも優れていた。表1に
このフィルムの評価結果を示す。
【0041】実施例3 実施例1(1)と同法で得た溶融粘度1800ポイズの
樹脂組成物Aと、溶融粘度600ポイズ、Tmc230
℃の樹脂組成物Bを溶融押出し、積層シ−トとした。次
いで、MD延伸比を3.9倍とした以外は実施例1
(2)と同一の方法で厚さ10μmのPPS積層フイル
ムを得た。
【0042】このフイルムは表面突起高さが均一で滑り
性が良く、絶縁耐圧、絶縁欠陥にも優れていた。表1に
このフィルムの評価結果を示す。
【0043】
【表1】
【0044】比較例3〜6 樹脂組成物Bの溶融粘度、Tmcを変更した以外は、実
施例1と同一の方法で種々のPPS積層フイルムを得
た。
【0045】これらのフイルムの評価結果を表2にまと
めて示した。
【0046】
【表2】
【0047】
【発明の効果】本発明により、従来のPPSフイルムの
特性を損なうことなく、表面突起が極めて均一で滑り性
が良く、絶縁耐圧、絶縁欠陥が向上したPPS積層フイ
ルムが得られる。
【0048】該PPS積層フィルムは、機械特性、耐熱
性、耐湿性、誘電特性などに優れ、かつ、高さが極めて
均一な突起を形成した表面となり、優れた滑り性を持
つ。また、このフイルムはPPSのみで構成されている
ため層間の接着性に優れており、さらに、フイルム中に
外部粒子を必須としないため、ボイドや粒子の脱落によ
る絶縁耐圧の低下、絶縁欠陥の発生が極めて少ないフイ
ルムとなる。このため、特にフロッビ−ディスクベ−
ス、離型シ−ト、コンデンサ−誘電体などの用途に優れ
ている。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 300℃、剪断速度200sec-1にお
    ける溶融粘度が1000ポイズ〜50000ポイズの範
    囲のポリ−p−フェニレンスルフィドを主成分とする樹
    脂組成物AからなるA層と、A層の少なくとも一方の面
    に積層され、溶融粘度が該樹脂組成物Aの溶融粘度の1
    /2〜1/20の範囲であって、降温結晶化温度(Tm
    c)が150〜250℃の範囲のポリ−p−フェニレン
    スルフィドを主成分とする樹脂組成物BからなるB層と
    からなる2軸配向ポリ−p−フェニレンスルフィド積層
    フィルム。
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JP2005319776A (ja) * 2004-04-05 2005-11-17 Toray Ind Inc 成型用フィルム
JP2007152761A (ja) * 2005-12-06 2007-06-21 Toray Ind Inc ポリフェニレンサルファイド複合フィルム

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