JP7139745B2 - 離型用二軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents

離型用二軸配向ポリエステルフィルム Download PDF

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Description

本発明は二軸配向ポリエステルフィルムをベースとする、離型用フィルムに関する。
ポリエステルフィルムは、機械特性や熱特性、コシの強さやコストの観点から、工業材料用途として多様な用途にて用いられている。中でも、昨今のスマートデバイス、電気自動車、自動運転、コネクテッドカーの普及、モノのインターネット化により、ポスト・スマートフォン時代においても、電子部材関連の需要は旺盛になることが予想される。特に、積層セラミックコンデンサ(MLCC)は、小型、高容量化が進んでいる一方で、車載用途のような厳しい環境や安全性に関わる要求が高まっている。そのため、積層セラミックコンデンサの製造に用いる離型フィルムは、平滑性が高く、薄膜グリーンシート成形時の、セラミックススラリーの塗工に適した、フィルム表面および内部に欠陥の無いポリエステルフィルムの要求があり、この要求は日に日に高まっている。
極めて平滑な離型用途ポリエステルフィルムに関しては、セラミックススラリーを形成する表面を形成する層に、粒子を実質的に含有させない構成が開示されている。特許文献1では、優れたセラミックグリーンシート圧着性を有し、積層セラミックコンデンサの大容量化の要求にこたえることができる旨のポリエステルフィルムが開示されており、実質的に粒子を含有しないポリエステル層、内部に空洞を含有するポリエステル層の構成が開示されている。特許文献2には、積層ポリエステルフィルムに関し、実質的に粒子を含有しない層の中に有機系結晶核剤を含有させることで、微細な表面形状を有するフィルム設計を可能とすることが開示されている。特許文献3では、積層ポリエステルフィルムに関し、粒子を実質的に含有しない表面層の表面上に離型層を、表面層の裏面に平滑化塗布層を設けることで、超薄膜のセラミックシート成形用に適した構成となる旨が開示されている。特許文献4においては、実質的に粒子を含有しない層と、層厚みと粒子径との関係を規定した層により、薄膜のセラミックシートを欠陥が無いように形成する構成が開示されている。また、特許文献5でも層に粒子を添加/無添加する構成と、粒子を添加する層には粒子径の規定、粒子を添加しない層には層厚みを規定することにより、高密度での記録が可能となる大容量磁気記録テープ用ポリエステルフィルムが開示されている。
近年、積層セラミックコンデンサには高い精度が要求されているため、離型層を構成する層には、その表面を限りなく平滑にするために実質的に粒子を含有しない層にすることが好ましい旨の開示があるが、平滑な面にはハンドリング性を向上させるための最適な凹凸形態が必要であり、これにより巻き取り時のエア抜けや、セラミックススラリー塗布時のピンホールを抑制する必要がある。
特開2017-177563号公報 特開2017-30362号公報 特開2016-60158号公報 特開2015-33811号公報 特開2013-24847号公報
本発明の目的は、積層セラミックコンデンサを製造する際、極めて薄膜であるグリーンシート成形時の、セラミックスラリーの塗工性および、グリーンシート剥離特性のバランスを適正化した、離型用二軸配向ポリエステルフィルムを提供することにある。
本発明者らは、上記実情に鑑み鋭意検討した結果、フィルムの積層構成を適正化し、添加する粒子種や量を限定することで、薄膜グリーンシート成形に好適である高平滑な離型ポリエステルフィルムを見いだし、本発明に至った。
すなわち、本発明は、表層(A層)、中間層(B層)、表層(C層)の3層からなり、A層は実質的に粒子を含有しておらず、積層厚みが0.5um以上2.5μm以下の層であり、B層は体積平均粒子径(dB)が0.05μm以上2.0μm以下の粒子を0.05質量%以上0.5質量%以下含有し、積層厚みが12.0μmを超える層である離型用二軸配向ポリエステルフィルムに関する。
本発明によれば、積層セラミックコンデンサを製造する際、極めて薄膜であるグリーンシート成形時の、セラミックスラリーの塗工性および、グリーンシート剥離特性のバランスが適正化される効果を奏する。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明の離型用二軸配向ポリエステルフィルムにおける離型用とは、ポリエステルフィルム基材を用い、部材を成型し、成型後の部材からポリエステルフィルム基材を剥離する用途を指す。部材は、多層セラミックコンデンサにおけるグリーンシートや、多層回路基板における、層間絶縁樹脂(電気絶縁樹脂)、光学関連部材におけるポリカーボネート(この際は溶液製膜において使用される)などが挙げられる。
本発明の離型用二軸配向ポリエステルフィルムにおいては、特に、多層セラミックコンデンサを製造する際の離型用に好適であり、薄膜グリーンシート成形時のセラミックススラリーの塗工性および、グリーンシート打ち抜き性およびグリーンシート積層特性が良好である。ここで二軸配向とは、未延伸(未配向)フィルムを、常法により、二次元方向に延伸された状態を指し、広角X線回折で二軸配向のパターンを示すものを意味する。延伸は、逐次二軸延伸または同時二軸延伸のいずれの方法も採ることができる。逐次二軸延伸は、長手方向(縦)および幅方向(横)に延伸する工程を、縦-横の1回ずつ実施することもできるし、縦-横-縦-横など、2回ずつ実施することもできる。
本発明の離型用二軸配向ポリエステルフィルムは、表層(A層)、中間層(B層)、表層(C層)の3層からなる積層フィルム(離型用二軸配向ポリエステルフィルム)である。ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。ポリエチレンテレフタレートは、機械強度や寸法安定性などの物理的な性質に優れ、かつ生産性に優れていることや、積層セラミックコンデンサの製造に用いる離型フィルムとして使用する際には、その経済性や、スリット加工の行いやすさ、グリーンシート打ち抜き時に、支持体として必要な剛性を付与することができる点などにおいて好ましく用いられる。
上記ポリチレンテレフタレートは公知の方法で製造することができ、固有粘度は0.5dl/g以上、0.8dl/g以下が好ましい。さらに好ましくは0.55dl/g以上、0.70以下である。各層を構成するポリエチレンテレフタレートは、その特性を失わない限り、共重合成分を含んでいてもよい。共重合成分としては、芳香族二塩基酸としては、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸、ナトリウムスルホイソフタル酸、ジブロモテレフタル酸などを用いることができる。脂環族二塩基酸としては、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸などを用いることができる。グリコールとしては、脂肪族ジオールとして、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコールなどを用いることができ、芳香族ジオールとして、ナフタレンジオール、2,2ビス(4-ヒドロキシジフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホン、ハイドロキノンなどを用いることができ、脂環族ジオールとしては、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオールなどを用いることができる。
本発明の離型用二軸配向ポリエステルフィルムにおけるA層は、実質的に粒子を含有しておらず、積層厚みが0.5μm以上2.5μm以下の層である。
実質的に粒子を含有しておらず、とは、粒子の体積平均粒子径を測定する際に、SEMおよびTEMで観察した際に5,000倍で10視野確認しても、粒子の存在が認められなかった場合に、粒子を実質的に含有しないと判断する。
また、A層の積層厚みは、B層の粒子による突き上げ効果にて面の形態を発現させる要素となるため、本発明の離型用二軸配向ポリエステルフィルムは、A層は実質的に粒子を含有しておらず、積層厚みが0.5μm以上2.5μm以下の層であることが重要である。積層厚みが0.5μmを下回る場合は、B層に含有させる粒子や、B層の回収原料内に存在することのある異物やゲル化物がA層の表面形態に悪影響を及ぼすことがある。また、積層厚みが2.5μmを超える場合には、B層の粒子によるA層の表面形成が行うことができ無くなることがある。A層の積層厚みは、より好ましくは0.6μm以上2.0μm以下である。
本発明の離型用二軸配向ポリエステルフィルムのB層は、体積平均粒子径(dB)が0.05μm以上2.0μm以下の粒子を0.05質量%以上0.5質量%以下含有しており、積層厚みが12.0μmを超える層である。
B層は、含有させる粒子によりA層、およびC層の表面に凹凸を形成せしめる層である。高平滑な表面を形成するにあたり、B層に含有させる粒子により、A層およびC層に対して突き上げる機能を発現させ、表面に凹凸形状を付与せしめることができる。この際凹凸が急峻な突起により形成されると、その上に形成される薄膜グリーンシートの凹凸にも急峻な表面形態が現れ、これによりスラリーの厚みばらつきが局所的に悪化する。通常、極めて膜膜なグリーンシートの成形において、面内の局所的な厚みばらつきは影響が大きく、例えば急峻な凸形態は、グリーンシートに転写した結果、陥没構造凹形状となり、積層後セラミックコンデンサの耐電圧を下げる要因になる。一方で凹凸形状は高平滑なフィルムの安定した巻き取り性や、安定した剥離特性を達成するためには必要なものである。
この突き上げ機能を発現させるにあたり、B層に含有させる粒子の体積平均粒子径(dB)は、0.05μm以上2.0μm以下であることが重要である。粒子の体積平均粒子径(dB)は、0.05μmを下回ると、A層、およびC層に表面凹凸が形成されにくくなり、2.0μmを超えると突き上げ機能が過剰となりスラリー塗布時に抜けが生じることがある。B層に含有させる粒子の体積平均粒子径(dB)の好ましい範囲は、0.3μm以上1.5μm以下である。また、同粒子の含有量は、0.05質量%以上0.5質量%以下であることが重要である。粒子含有量が0.05質量%未満であると、突き上げ効果が不十分であり、粒子含有量が0.5質量%を超えると、平滑性が維持されにくくなる。
またB層は、突き上げ効果を発現させるため、その積層厚みは12μmを超えることが重要である。12.0μm以下の厚みであると、B層に含有した粒子による突き上げ効果が不十分となることがある。B層の厚みは20.0μmを超えることが好ましい。
本発明の離型用二軸配向ポリエステルフィルムは、A層表面の中心線粗さSRa(A)が1nm以上9nm以下、SRpが100nm以下、C層表面の中心線粗さSRa(C)が10nm以上30nm以下、SRpが300nm以下であることが好ましい。
中心線粗さはグリーンシートの薄膜化において、スラリー塗布時の平坦さを担保する指標であり、A層表面の中心線粗さを所望の値にすることは特に重要である。C層においては、スラリーを塗布し、乾燥させたグリーンシートを巻き取った後に、C層表面の中心線粗さが荒すぎると、背面の性状がグリーンシートにも転写して、陥没構造を形成する。また平滑過ぎるとブロッキングを起こす。SRpはスラリーの確率的な欠陥に寄与する特性であり、A層表面のSRpが100nmを超えると、グリーンシートの欠陥を生じさせる可能性が高くなり、C層表面のSRpが300nmを超えると、乾燥させたグリーンシートを巻き取った後に、グリーンシートにダメージを与えることがある。A層表面の中心線粗さSRa(A)は2nm以上4nm以下がさらに好ましく、SRpが50nm以下がさらに好ましい。C層表面の中心線粗さSRa(C)は12nm以上20nm以下がさらに好ましく、SRpは200nm以下がさらに好ましい範囲である。
本発明の離型用二軸配向ポリエステルフィルムは、B層に体積形状係数0.3以上の粒子を含有することが好ましい。
粒子の形状・粒子径分布については均一なものが好ましく、とくに粒子形状は球形に近いものが好ましい。体積形状係数は好ましくはf=0.3~π/6であり、より好ましくはf=0.4~π/6である。体積形状係数fは、次式で表される。
f=V/Dm
ここでVは粒子体積(μm),Dmは粒子の投影面における最大径(μm)である。
なお、体積形状係数fは粒子が球のとき、最大のπ/6(=0.52)をとる。また、必要に応じて濾過などを行うことにより、凝集粒子や粗大粒子などを除去することが好ましい。有機粒子の中でも、乳化重合法で等で合成された、架橋ポリスチレン樹脂粒子、架橋シリコーン樹脂粒子、架橋アクリル樹脂粒子が好適に使用できるが、とくに架橋ポリスチレン粒子、架橋シリコーン、さらに球状シリカなどは体積形状係数が真球に近く、粒径分布が極めて均一であり、均一にフィルム表面突起を形成する観点で好ましい。
本発明の離型用二軸配向ポリエステルフィルムは、C層は実質的に粒子を含有していないか、または体積形状係数0.3以上の粒子を含有することが好ましい。
C層は実質的に粒子を含有していないと、巻取り時のグリーンシートへのダメージを抑制する効果があるものの、巻き取り特性を悪化させることもあるため、体積形状係数0.3以上の粒子を含有することで、グリーンシートのダメージと巻き取り特性を両立する上で好ましい形態である。
本発明の離型用二軸配向ポリエステルフィルムは、B層が、ポリエステルフィルム製造工程において発生する二軸延伸後の発生屑を回収原料として含有することが好ましい。
なおB層に入れ得る回収原料は、本発明のポリエステルフィルム製造工程において発生する二軸延伸後の発生屑のみとすることが好ましい。ただし、回収原料の形状や、かさ密度によっては、原料乾燥の効率が悪くなることや、押出工程での吐出が不安定になることもあるため、B層に入れる回収原料の、B層全体の原料に対する混率は、これらの乾燥や押出工程の適性に合わせ、また、後述するヘイズを好ましい値にコントロールするように、所望の量に調整を行う。
また、B層に入れる回収原料は、中間製品の巻き取り後の工程で発生した屑のみを入れることが、さらに好ましい。また、回収原料は、回収原料を得るまでの熱履歴を均質化させることが好ましい。例えば、未配向フィルムと二軸延伸後のフィルムを混在させて回収させると、結晶性が異なるために溶融粘度が安定せず、グリーンシートの打ち抜き性にばらつきが生じることがある。また、再溶融時に融点の違いが生じ、未溶融異物あるいは熱劣化異物の生成に繋がると、該異物が粗大突起となる場合がある。この粗大突起がA層あるいはC層の層厚みよりも大きな場合、A層あるいはC層の表面の粗大突起が形成されることがある。この際、特にA層側へ表面突起が形成された場合、グリーンシートのピンホールが発生することがある。
次に本発明の二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法について説明する。ポリエステルに不活性粒子を含有せしめる方法としては、例えばジオール成分であるエチレングリコールに不活性粒子を所定割合にてスラリーの形で分散せしめ、このエチレングリコールスラリーをポリエステル重合完結前の任意段階で添加する。ここで、粒子を添加する際には、例えば、粒子を合成時に得られる水ゾルやアルコールゾルを一旦乾燥させることなく添加すると粒子の分散性が良好であり、粗大突起の発生を抑制でき好ましい。また粒子の水スラリーを直接、所定のポリエステルペレットと混合し、ベント方式の2軸混練押出機に供給しポリエステルに練り込む方法も本発明の製造に有効である。
このようにして、各層のために準備した、粒子含有マスターペレットと粒子などを実質的に含有しないペレットを所定の割合で混合し、乾燥したのち、公知の溶融積層用押出機に供給する。本発明の離型用二軸配向ポリエステルフィルムの製造における押出機は、1軸、2軸の押出機を用いることができる。また、ペレットの乾燥工程を省くために、押出機に真空引きラインを設けた、ベント式押出機を用いることもできる。また、最も押出量が多くなるB層には、ペレットを溶融する機能と、溶融したペレットを一定温度に保つ機能をそれぞれの押出機で分担する、いわゆるタンデム押出機を用いることができる。
押出機で溶融して押出したポリマーは、フィルターにより濾過する。ごく小さな異物もフィルム中に入ると粗大突起欠陥となるため、フィルターには例えば3μm以上の異物を95%以上捕集する高精度のものを用いることが有効である。続いてスリット状のスリットダイからシート状に押し出し、キャスティングロール上で冷却固化せしめて未延伸フィルムを作る。すなわち、3台の押出機、3層のマニホールドまたは合流ブロック(例えば矩形合流部を有する合流ブロック)を用いて3層に積層し、口金からシートを押し出し、キャスティングロールで冷却して未延伸フィルムを作る。この場合、背圧の安定化および厚み変動の抑制の観点からポリマー流路にスタティックミキサー、ギヤポンプを設置する方法は有効である。
延伸方法は同時二軸延伸であっても逐次二軸延伸であってもよい。特に、同時二軸延伸においてはロールによる延伸を伴わないため、フィルム表面の局所的な加熱ムラを抑制し、均一な品質が得られると共に、延伸時にロール延伸に伴うフィルムとロールとの接触場所での速度差、ロールの微小傷の転写などによる傷の発生を抑制でき好ましい。
同時二軸延伸においては未延伸フィルムを、まず長手および幅方向に延伸温度を80℃以上130℃以下、好ましくは85℃以上110℃以下として同時に延伸する。延伸温度が80℃よりも低くなるとフィルムが破断しやすく、延伸温度が130℃よりも高くなると十分な強度が得られないことがある。また、延伸ムラを防止する観点から、長手方向・幅方向の合計延伸倍率は4倍以上20倍以下、好ましくは6倍以上15倍以下である。合計延伸倍率が4倍よりも小さいと十分な強度が得られにくい。一方、倍率が20倍よりも大きくなると、フィルム破断が起こりやすく、安定したフィルムの製造が難しい。必要な強度を得るためには、温度140℃以上200℃以下、好ましくは160℃以上190℃以下で長手方向及び/又は幅方向に1.02倍以上1.5倍以下、好ましくは1.05倍以上1.2倍以下で再度延伸を行うことが好ましく、合計延伸倍率が、長手方向で3倍以上4.5倍以下、好ましくは3.5倍以上4.2倍以下、幅方向に3.2倍以上5倍以下、好ましくは3.6倍以上4.3倍以下である。目標とするフィルムの破断強度を達成するため、適時倍率を選択できるが、幅方向の破断強度を高くするため、幅方向の延伸倍率を長手方向よりも高めに設定することがさらに好ましい。
その後、205℃以上240℃以下好ましくは220℃以上240℃以下で0.5秒以上20秒以下、好ましくは1秒以上15秒以下熱固定を行う。熱固定温度が205℃よりも低いとフィルムの熱結晶化が進まないため目標とする寸法変化率などが安定しにくい。また、フィルム物性を安定させるため、フィルム上下の温度差が20℃以下、好ましくは10℃以下、更に好ましくは5℃以下である。フィルム上下での温度差が20℃よりも大きいと、熱処理時に微小な平面性の悪化を引き起こしやすい。
その後、長手及び/又は幅方向に0.5%以上7.0%以下の弛緩処理を施す。
同時二軸延伸では後述する逐次二軸延伸とは異なり、高温空気によってフィルムが加熱される。そのため、フィルム表面のみ局所的に加熱されて粘着が発生することはなく、延伸方式として逐次延伸より好ましい。
一方、本発明の離型用二軸配向ポリエステルフィルムは、逐次延伸を用いて製造することもできる。
最初の長手方向の延伸は、傷の発生を抑制する上で重要であり、延伸温度は90℃以上130℃以下、好ましくは100℃以上120℃以下である。延伸温度が90℃よりも低くなるとフィルムが破断しやすく、延伸温度が130℃よりも高くなるとフィルム表面が熱ダメージを受けやすくなる。また、延伸ムラ、及びキズを防止する観点からは延伸は2段階以上に分けて行うことが好ましく、トータル倍率は長さ方向に3倍以上4.5倍以下、好ましくは3.5倍以上4.2倍以下であり、幅方向に3.2倍以上5倍以下、好ましくは3.6倍以上4.3倍以下である。目標とするフィルムの破断強度を達成するため、適時倍率を選択できるが、幅方向の破断強度を高くするため、幅方向の延伸倍率を長手方向よりも高めに設定することがさらに好ましい。かかる温度、倍率範囲をはずれると延伸ムラあるいはフィルム破断などの問題を引き起こし、本発明のフィルムが得られにくい。
再縦または横延伸した後、205℃以上240℃以下、好ましくは210℃以上230℃以下で0.5秒以上20秒以下、好ましくは1秒以上15秒以下熱固定を行う。特に熱固定温度が205℃よりも低くなるとフィルムの結晶化が進まないために構造が安定せず、目標とする寸法変化率などの特性が得られにくくなる。
逐次延伸において、長手方向の延伸過程は、フィルムとロールの接触し、ロールの周速とフィルムの速度差による傷が発生しやすい工程につき、ロール周速がロール毎に個別に設定できる駆動方式が好ましい。長手方向の延伸過程において、搬送ロールの材質は、延伸前に未延伸フィルムをガラス転移点以上に加熱するか、ガラス転移点未満の温度に保った状態で延伸ゾーンまで搬送し、延伸時に一挙に加熱するかにより選択されるが、延伸前に未延伸フィルムをガラス転移点以上まで加熱する際は、加熱による粘着を防止するうえで、非粘着性シリコーンロール、セラミックス、テフロン(登録商標)から選択できる。また、延伸ロールは最もフィルムに負荷がかかり、該プロセスで傷や延伸斑が発生しやすい工程につき、延伸ロールの表面粗さRaは、0.005μm以上1.0μm以下、好ましくは0.1μm以上0.6μm以下である。Raが1.0μmよりも大きいと延伸時ロール表面の凸凹がフィルム表面に転写することがあり、一方0.005μmよりも小さいとロールとフィルム地肌が粘着し、フィルムが熱ダメージを受けやすくなる。表面粗さを制御するためには研磨剤の粒度、研磨回数などを適宜調整することが有効である。未延伸フィルムをガラス転移点未満の温度に保った状態で延伸ゾーンまで搬送し、延伸時に一挙に加熱する際、予熱ゾーンの搬送ロールは、ハードクロムやタングステンカーバイドで表面処理を行った、表面粗さRaが0.2μm以上0.6μm以下の金属ロールを使用するのが好ましい。
次いで、かかる長手方向に延伸された一軸延伸フィルムを、横延伸機にて80℃以上120℃未満に加熱した後、3倍以上6倍未満で幅方向に延伸し、二軸延伸(二軸配向)フィルムとする。
また、さらに、再延伸を各方向に対して1回以上行なってもよいし、同時2軸にて再延伸してもよい。更に、二軸延伸の後にフィルムの熱処理を行なうが、この熱処理はオーブン中、加熱されたロール上等、従来公知の任意の方法で行なうことができる。熱処理温度は通常150℃以上245℃未満の任意の温度とすることができ、熱処理時間は、通常1秒間以上60秒間以下行なうことが好ましい。熱処理は、フィルムをその長手方向および/または幅方向に弛緩させつつ行なってもよい。また、熱処理後は熱処理温度より0℃以上150℃以下の低い温度で幅方向に0%以上10%以下で弛緩させる。
熱処理後のフィルムは、例えば中間冷却ゾーンや除冷ゾーンを設け、寸法変化率や平面性を調整することができる。また特に、特定の熱収縮性を付与するために、熱処理時あるいはその後の中間冷却ゾーンや除冷ゾーンにおいて、縦方向および/または横方向に弛緩してもよい。
二軸延伸後のフィルムは、搬送工程にて冷却させた後、エッジを切断後巻取り、中間製品を得る。この搬送工程にて、フィルムの厚みを測定し、該データをフィードバックして用いてダイ厚みなどの調整によってフィルム厚みの調整を行い、また、欠点検出器による異物検知を行う。
エッジの切断時には、切粉の発生を抑制することが、本発明の離型用二軸配向ポリエステルフィルムを得るに際し好ましい。エッジの切断は丸刃、シェアー刃、ストレート刃を使用して行うが、ストレート刃を用いる場合は、刃がフィルムに当たる箇所を、常に同じ箇所にさせないことが、刃の摩耗を抑制できるため好ましい形態である。このため刃を上下にオシレーションする機構を有することが好ましい。また、フィルム切断箇所に吸引装置を設けて、発生した切り粉や、切断後のフィルム端部同士が削れて発生する削れ粉を吸引することが好ましい。
中間製品はスリット工程により適切な幅・長さにスリットして巻き取り、本発明の本発明の離型用二軸配向ポリエステルフィルムのロールが得られる。スリット工程におけるフィルムの切断時も、先述のエッジの切断と同様な切断の方式から選定できる。
中間製品を所望の幅にスリットを行い、本発明の離型用二軸配向ポリエステルフィルムを得る。
以下、実施例で本発明を詳細に説明する。なお、実施例中、A層、B層、C層とあるものは、本発明のA層、B層、C層をさすものとする。
本発明に関する測定方法、評価方法は次の通りである。
(1)粒子の体積平均粒子径
フィルムからサンプリングしたポリマーをプラズマ低温灰化処理法で除去し、粒子を露出させる。処理条件は、ポリマーは灰化されるが粒子は極力ダメージを受けない条件を選択する。その粒子を走査型電子顕微鏡(SEM;株式会社日立製作所製 S-4000型)で観察し、粒子画像をイメージアナライザ(株式会社ニレコ製 LUZEX_AP)に取り込み、等価円相当径を測定し、粒子の体積平均粒子径を求める。SEMの倍率は粒径により、5,000~20,000倍から適宜選択する。任意に観察箇所をかえて、少なくとも5,000個の粒子ので粒径の等価円相当径を測定し、その平均値から体積平均粒子径を求める。
粒子がプラズマ低温灰化処理法で大幅にダメージを受ける場合には、フィルム断面を透過型電子顕微鏡(TEM;株式会社日立製作所製H-600型)を用いて、粒径により、3,000~20,000倍で観察する。TEMの切片厚さは約100nmとし、場所を変えて少なくとも100個以上の粒子の等価円相当径を測定し、その平均値から体積平均粒子径を求める。
なお、粒子の体積平均粒子径を測定する際に、SEMおよびTEMで観察した際に5,000倍で10視野確認しても、粒子の存在が認められなかった場合には、粒子を実質的に含有しないと判断した。
(2)粒子の体積形状係数
走査型電子顕微鏡で、粒子の写真を例えば5,000倍で10視野撮影した上、画像解析処理装置を用いて、投影面最大径および粒子の平均体積を算出し、下記式により体積形状係数を得る。
f = V/ Dm
ここで、Vは粒子の平均体積(μm)、Dmは投影面の最大径(μm)である。
(3)フィルム積層厚み
透過型電子顕微鏡(TEM;日立(株)製H-600型)を用いて、加速電圧100kVで、フィルムの断面を、超薄切片(RuO染色)で観察する。その断面全体から全厚みを求め、積層厚みについては、その界面に観察される粒子の最も深い地点から表面からの深さ、つまり積層されている厚みを求める。倍率は測定するフィルムの全厚み、層厚みによって適宜倍率を設定すればよいが、一般的には全厚み測定には1,000倍、積層厚み測定には1万~10万倍が適当である。
粒子が少ない場合など、積層界面を判別するためにどのような倍率で粒子像を得るべきかを事前に想定するために、断面のSEM-XMAによって断面における元素の分布(マッピング)から想定される積層厚みの概算を行い、TEMでの設定倍率を定めると効率的である。
(4)フィルム表面の中心線粗さ(SRa、SRp値)
三次元微細表面形状測定器(小坂製作所製ET-350K)を用いて測定し、得られた表面のプロファイル曲線より、JIS・B0601(1994年)に準じ、算術平均粗さSRa値、十点平均面粗さSRp値を求める。測定条件は下記のとおり。
X方向測定長さ:0.5mm、X方向送り速度:0.1mm/秒。
Y方向送りピッチ:5μm、Y方向ライン数:40本。
カットオフ:0.25mm。
触針圧:0.02mN。
高さ(Z方向)拡大倍率:5万倍。
[実施例1]
(1)ポリエステルペレットの作成
(ポリエステルAの作成)
テレフタル酸86.5質量部とエチレングリコール37.1質量部を255℃で、水を留出しながらエステル化反応を行う。エステル化反応終了後、トリメチルリン酸0.02質量部、酢酸マグネシウム0.06質量部、酢酸リチウム0.01質量部、三酸化アンチモン0.0085質量部を添加し、引き続いて、減圧下、290℃まで加熱、昇温して重縮合反応を行い、固有粘度0.63dl/gのポリエステルペレットAを得た。
(ポリエステルBの作成)
上記と同様にポリエステルを製造するにあたり、エステル交換後、球状シリカを添加し、重縮合反応を行い、粒子をポリエステルに対し1質量%含有するシリカ含有マスターペレットを得た(ポリエステルB)。
なお、ポリエステルBで用いる球状シリカは、エタノールとエチルシリケートとの混合溶液を攪拌しながら、この混合溶液に、エタノール、純水、および塩基性触媒としてアンモニア水からなる混合溶液を添加し、得られた反応液を攪拌して、エチルシリケートの加水分解反応およびこの加水分解生成物の重縮合反応を行なった後に、反応後の攪拌を行い、単分散シリカ粒子を得た。
(ポリエステルC、Dの作成)
さらに別に、シード法によるジビニルベンゼン80質量%、エチルビニルベンゼン15質量%、スチレン5質量%からなるジビニルベンゼン/スチレン共重合架橋粒子(架橋度80%)の水スラリーを、上記の実質的に粒子を含有しないホモポリエステルペレットに、ベント式二軸混練機を用いて含有させ、体積平均粒子径0.3μmのジビニルベンゼン/スチレン共重合架橋粒子をポリエステルに対し1質量%含有するマスターペレットを得た(ポリエステルC)。また粒径の異なるジビニルベンゼン/スチレン共重合架橋粒子をポリエステルに対し1質量%含有マスターペレット(ポリエステルD)を同様にして得た。
(ポリエステルE、Fの作成)
炭酸カルシウム粒子10質量部とエチレングリコール90質量部を湿式粉砕し、炭酸カルシウム/エチレングリコール分散スラリー(A)を得た。他方、ジメチルテレフタレート100質量部、エチレングリコール64質量部に触媒として酢酸マンガン0.04質量部、三酸化アンチモン0.03質量部を加えエステル交換反応を行い、その後反応生成物に、リン化合物としてトリメチルホスフェート0.04質量部を加え、さらにその後、先に調整したスラリー(A)1質量部を加えて重縮合反応を行い、ポリエステルに対し1質量%炭酸カルシウム含有するマスターペレット(ポリエステルE、F)を得た。
一方で、下記処方のフィルムを製造した後のフィルムを回収し、ペレット化したものを回収原料Aとした。なお以下に記載する比率は、フィルム全体の質量に対する質量比(質量%)で表す。
ポリエステルA: 93.4
ポリエステルC: 6.0
ポリエステルD: 0.6。
(2)ポリエステルペレットの調合
A層、B層、C層それぞれの層の押出機に供給するポリエステルペレットは、以下の比率にて調合した。なお以下に記載する比率は、おのおのの層を構成するポリエステルペレットに対する質量比(単位:質量%)である。
A層
ポリエステルA:100.0
B層
ポリエステルA:40.0
回収原料A :60.0
C層
ポリエステルA:88.0
ポリエステルB:12.0。
(3)二軸配向ポリエステルフィルムの製造
先述の、各層について調合した原料を、ブレンダー内で攪拌した後、A層およびC層の原料は、攪拌後の原料を、A層およびC層用のベント付き二軸押出機に供給し、B層の原料は160℃で8時間減圧乾燥し、B層用の一軸押出機に供給した。275℃で溶融押出し、3μm以上の異物を95%以上捕集する高精度なフィルターにて濾過した後、矩形の異種3層用合流ブロックで合流積層し、A層、B層、C層からなる3層積層とした。その後、285℃に保ったスリットダイを介し冷却ロール上に静電印加キャスト法を用いて表面温度25℃のキャスティングドラムに巻き付け冷却固化して未延伸積層フィルムを得た。
この未延伸積層フィルムに逐次延伸(長手方向、幅方向)を実施した。まず長手方向の延伸を実施し、次に幅方向の延伸を実施した。長手方向の延伸は、105℃でテフロン(登録商標)ロールにて搬送した後に、ロールの周速差をにて120℃で4.0倍延伸して一軸延伸フィルムとした。
この一軸延伸フィルムをステンター内で横方向に115℃で4倍延伸し、続いて230℃で熱固定し、その際幅方向に5%弛緩し搬送工程にて冷却させた後、エッジを切断後に巻き取り、厚さ31μmの二軸延伸フィルムの中間製品を得た。この中間製品をスリッターにてスリットし、厚さ31μmの二軸延伸フィルムのロールを得た。この二軸延伸フィルムの積層厚みを測定した結果、A層:1.0μm、B層:23.5μm、C層:6.5μmであった。
この二軸延伸フィルムより、任意の場所にてカットシートサンプルを採取し、A層における粒子の体積平均粒子径を測定した結果、粒子の存在が認められなかったため、粒子を実質的に含有しないと判断した。B層について体積平均粒子径、体積形状係数を測定した。
(4)離型層の塗布
次にこの二軸延伸フィルムのロールに、架橋プライマー層(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製商品名BY24-846)を固形分1質量%に調整した塗布液を塗布/乾燥し、乾燥後の塗布厚みが0.1μmとなるようにグラビアコーターで塗布し、100℃で20秒乾燥硬化した。その後1時間以内に付加反応型シリコーン樹脂(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製商品名LTC750A)100質量部、白金触媒(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製商品名SRX212)2質量部を固形分5質量%に調整した塗布液を、乾燥後の塗布厚みが0.1μmとなるようにグラビアコートで塗布し、120℃で30秒乾燥硬化した後に巻き取り、離型フィルムを得た。
(5)グリーンシートの塗布状態の評価(セラミックススラリーの塗布性)
チタン酸バリウム(富士チタン工業(株)製商品名HPBT-1)100質量部、ポリビニルブチラール(積水化学(株)製商品名BL-1)10質量部、フタル酸ジブチル5質量部とトルエン-エタノール(質量比30:30)60質量部に、数平均粒径2mmのガラスビーズを加え、ジェットミルにて20時間混合・分散させた後、濾過してペースト状のセラミックスラリーを調整した。得られたセラミックスラリーを、離型フィルムの上に乾燥後の厚みが0.8μmとなるように、ダイコーターにて塗布し乾燥させ、巻き取り、グリーンシートを得た。
上記で巻き取られたグリーンシートを、繰り出し、離型フィルムから剥がさない状態にて目視で観察し、ピンホールや凹みの有無を以下の要領にて確認した。なお観察する面積は幅300mm、長さ500mmである。
a.ピンホール、凹みの有無評価
離型フィルムの上に成型されたグリーンシートについて、背面から1,000ルクスのバックライトユニットで照らしながら、塗布抜けによるピンホールあるいは、離型フィルム背面の表面転写による凹み状態を観察する。
A:ピンホールも凹みも無い。
B:ピンホールは無く、凹みが3個以内認められる
C:ピンホールが有り、また凹みが4個以上認められる。
実施例1においてグリーンシートのピンホールや凹みの有無を確認した結果、ピンホールも凹みも無いため評価はAであった。
[実施例2~6]
A層、C層に入れる粒子種を変更した以外は実施例1と同じ製法にて厚さ31μm(実施例2~5)、20μm(実施例6)の二軸延伸フィルムのロールを得た。離型層の塗布、グリーンシートの成型(セラミックススラリーの塗布)についても、実施例1と同様の方法で実施・評価した(以降、実施例、比較例とも同様な加工工程にて実施・評価した)。
ピンホール、凹みの有無評価結果はAで、良好であった。
[比較例1~5]
実施例1の実施形態にて、A層の厚みやB層に入れる粒子種や厚み等を変更した以外は実施例1と同じ製法にて二軸延伸フィルムのロールを得た。
Figure 0007139745000001
Figure 0007139745000002

Claims (5)

  1. 表層(A層)、中間層(B層)、表層(C層)の3層からなり、成型後の部材が剥離される表層であるA層は実質的に粒子を含有しておらず、積層厚みが0.5μm以上2.5μm以下の層であり、B層は体積平均粒子径(dB)が0.05μm以上2.0μm以下の粒子を0.05質量%以上0.5質量%以下含有し、積層厚みが12.0μmを超える層である離型用二軸配向ポリエステルフィルム。
  2. A層の表面について、中心線粗さSRa(A)が1nm以上9nm以下、SRpが100nm以下であり、C層の表面について、中心線粗さSRa(C)が10nm以上30nm以下、SRpが300nm以下である、請求項1に記載の離型用二軸配向ポリエステルフィルム。
  3. B層が体積形状係数0.3以上の粒子を含有する、請求項1または2に記載の離型用二軸配向ポリエステルフィルム。
  4. C層が体積形状係数0.3以上の粒子を含有する、請求項1~3のいずれかに記載の離型用二軸配向ポリエステルフィルム。
  5. B層が、ポリエステルフィルム製造工程において発生する二軸延伸後の発生屑を回収原料として含む、請求項1~4のいずれかに記載の離型用二軸配向ポリエステルフィルム。
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