JP2018059083A - ポリエステルフィルム - Google Patents
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Abstract
Description
少なくとも1つの面の粗さ曲線の最大山高さSRpが150〜300nmであり、テレフタル酸の含有量がフィルム全体に対して10〜25ppmであるポリエステルフィルム。
Mn + Sb < 300ppm ・・・ [I]
5 < Sb/Mn < 10 ・・・ [II]
式[I]についてはより好ましくはMn+Sbが270ppm以下、より好ましくは250ppm以下である。Mn+Sbが300ppmより小さくすることで溶融製膜時の熱分解およびオリゴマーの発生を抑制できる。一方、重合活性保持の観点から、Mn+Sbは、150ppm以上であることが好ましい。
フィルムからポリマーをプラズマ低温炭化処理法で除去し、粒子を露出させる。処理条件は、ポリマーは炭化されるが、粒子は極力ダメージを受けない条件を選択する。処理後の試料を走査型電子顕微鏡(SEM;株式会社日立製作所製 S4000型)で観察し、粒子画像をイメージアナライザ(株式会社ニレコ製 LUZEX_AP)に取り込み、等価円相当径を測定し、粒子の体積平均粒径を求める。SEMの倍率は粒径により、5000〜20000倍から適宜選択する。任意に観察箇所を変えて、少なくとも5000個の粒子の等価円相当径を測定し、その平均値から平均粒径を求めた。
三次元微細表面形状測定器(小坂製作所製ET−350K)を用いて測定し、得られた表面のプロファイル曲線より、JIS・B0601−1994に準じ、算術平均粗さSRa、十点平均粗さSRz、粗さ曲線の最大山高さSRpを求めた。条件は以下に示す通り測定を行った。
X方向測定長さ:0.5mm、X方向送り速度:0.1mm/秒。
Y方向送りピッチ:5μm、Y方向ライン数:40本。
カットオフ:0.25mm。
触針圧:0.02mN。
高さ(Z方向)拡大倍率:5万倍。
フィルムサンプルを全幅にわたって採取し、これを10枚重ね合わせて(株)ミツトヨ製のマイクロメーターを用いて測定し、10で割って1枚あたりの厚みを出す。サンプリング箇所は幅方向に均等に10カ所とし、この平均値をとって平均厚みとした。
P、Mn、Mg、CaおよびSbの含有量についてはポリエステルフィルムを溶融プレス機で円柱状に成型し、理学電機(株)製蛍光X線分析装置(型番:3270)を用いて測定した。
K、Naの含有量については原子吸光分析法(日立製作所製:偏光ゼーマン原子吸光光度計180−80。フレーム:アセチレン−空気)にて定量を行った。
ポリエステル組成物のオリゴマー量:ポリマー又はフィルム 100mgをオルトクロロフェノール5mlに溶解し、液体クロマトグラフィー(モデル8500 Varian社製)で測定し、ポリマーに対する割合(重量%)で示した。
フィルムを0.1g凍結粉砕し、160℃、6時間減圧乾燥を行った後、N2雰囲気下のアンプルに封入した。その後290℃にて20分間加熱を行いLC20A(島津製作所製)で線状オリゴマーとしてテレフタル酸、モノ−2−ヒドロキシエチルテレフタレート、ビス−2−ヒドロキシエチルテレフタレートの量を測定し、その合計量を線状オリゴマー発生量とした。
横浜システム研究所社製、高速静止摩擦係数測定器(SFT−700H)を用いて、MD長手方向にて10往復させた。(サンプル形状:幅0.5インチ、長さ30センチ測長:10センチ)、荷重100g)処理後のサンプルをベルジャー蒸着機にてサンプル面蒸着を行い、実体顕微鏡にて最もキズが見える角度でのキズをカウントした。キズの数が10以下であれば加工工程でのPETの粉の発生が少なく、より離型フィルムとして工程汚染が少なく、好ましい。
(ポリエステルA)
テレフタル酸とエチレングリコールのスラリー(エチレングリコール/テレフタル酸のモル比が1.05〜1,30)を255℃で、水を留出しながらエステル化反応を行う。エステル化反応終了後、ポリエステル組成物に対し、三酸化二アンチモンを0.0207質量%(0.693mol/t相当)、酢酸マンガンを0.014質量%(0.281mol/t相当)、リン酸を0.014質量%(1.428mol/t相当)、水酸化カリウム水溶液を0.0005質量%(0.09mol/t)となるように添加し、引き続いて、真空下、290℃まで加熱、昇温して重縮合反応を行い、固有粘度0.70のポリエステルペレットを得た。
添加する金属量をポリエステルAに対して三酸化二アンチモンを0.0173質量%(0.578mol/t相当)、酢酸マンガンを0.007質量%(0.140mol/t相当)へ変更した以外はポリエステルAと同様の方法で重合を行い、固有粘度0.70のポリエステルBを得た。
添加する金属量をポリエステルAに対して酢酸マンガンを0.017質量%(0.337mol/t相当)へ変更した以外はポリエステルAと同様の方法で重合を行い、固有粘度0.70のポリエステルCを得た。
添加する金属量をポリエステルAに対して三酸化二アンチモンを0.0276質量%(0.831mol/t相当)へ変更した以外はポリエステルAと同様の方法で重合を行い、固有粘度0.70のポリエステルDを得た。
添加する金属として、ポリエステルAに添加する金属に加えて、酢酸マグネシウムを0.0276質量%(1.284mol/t相当)を添加した以外はポリエステルAと同様の方法で重合を行い、固有粘度0.70のポリエステルEを得た。
ポリエステルAを製造する際の金属化合物を添加する前に平均粒径が0.03μmの酸化アルミナをポリエステルに対して2質量%となるように添加し、その後ポリエステルAと同様に重合を行い、固有粘度0.70のアルミナ含有のポリエステルを得た。
ポリエステルAを製造する際の金属化合物を添加する前に平均粒径がそれぞれ0.01μm、0.1μmのコロイダルシリカをポリエステルに対して2質量%となるように添加し、その後ポリエステルAと同様に重合を行い、固有粘度0.70のシリカ含有のポリエステルを得た。
さらに別にモノマーを吸着させる方法によって得た平均粒径が0.52μm、0.40μm、0.60μmのジビニルベンゼン/スチレン共重合架橋粒子の水スラリーをポリエステルAにベント式二軸混練機を用いて含有させ、それぞれの粒径のジビニルベンゼン/スチレン共重合架橋粒子をポリエステルに対し2質量%含有するポリエステルI,J、Kを得た。
ポリエステルB、C、D、Eを製造する際の金属化合物を添加する前に平均粒径が0.03μmの酸化アルミナをポリエステルに対して2質量%となるように添加し、その後ポリエステルAと同様に重合を行い、固有粘度0.70のアルミナ含有のポリエステルL,N,P、Rを得た。
平均粒径が0.52μmのジビニルベンゼン/スチレン共重合架橋粒子の水スラリーをポリエステルB、C、D、Eにベント式二軸混練機を用いて含有させ、それぞれの粒径のジビニルベンゼン/スチレン共重合架橋粒子をポリエステルに対し2質量%含有するポリエステルM,O,Q、Sを得た。
ポリエステルAと同様の添加物を添加し、同様の方法で重合を行い、重合終了を判定する最終的な攪拌機のトルクを調整することで固有粘度がそれぞれ0.80、0.50であるポリエステルT,Uを得た。
テレフタル酸ジメチルとエチレングリコールをモル比(エチレングリコール/テレフタル酸ジメチルのモル比が1.5〜2.0)にポリエステル組成物に対し、三酸化二アンチモンを0.0207質量%(0.693mol/t相当)、酢酸マンガンを0.014質量%(0.281mol/t相当)、となるように添加した後、145〜230℃で3.5時間要して徐々に昇温し、メタノールを留出させ、エステル交換反応を完結させた。その後、該反応生成物に、リン酸を0.014質量%(1.428mol/t相当)、水酸化カリウム水溶液を0.0005質量%(0.09mol/t)を添加し、常法によって3.0時間重縮合反応を行い、固有粘度0.70のポリエステルペレットVを得た。
ポリエステルVを製造する際のリン化合物を添加した後に平均粒径が0.03μmの酸化アルミナをポリエステルに対して2質量%となるように添加し、その後ポリエステルVと同様に重合を行い、固有粘度0.70のアルミナ含有のポリエステルを得た。
さらに別にモノマーを吸着させる方法によって得た平均粒径が0.52μmのジビニルベンゼン/スチレン共重合架橋粒子の水スラリーをポリエステルVにベント式二軸混練機を用いて含有させ、それぞれの粒径のジビニルベンゼン/スチレン共重合架橋粒子をポリエステルに対し2質量%含有するポリエステルXを得た。
ポリエステルVと同様の添加物を添加し、同様の方法で重合を行い、重合終了を判定する最終的な攪拌機のトルクを調整することで固有粘度がそれぞれ0.80であるポリエステルYを得た。
ポリエステルAを製造する際の金属化合物を添加した後にリン酸二水素ナトリウムをポリエステルに対して0.0308質量%となるように添加し、その後ポリエステルAと同様に重合を行い、ポリエステルZを得た。
一方で、下記処方のフィルムを製造した後のフィルムを回収し、ペレット化したものを回収原料Aとした。なお、以下に記載する比率は、フィルム全体に対する重量比(単位:質量%)で表す。
ポリエステルA: 50.0
ポリエステルF: 30.0
ポリエステルI: 20.0
また、下記処方のフィルムを製造した後のフィルムを回収し、ペレット化したものを回収原料Bとした。
ポリエステルV: 50.0
ポリエステルW: 30.0
ポリエステルX: 20.0
(3)ポリエステルペレットの調合
層の数が1層のフィルムについてはA層、層の数が2層の場合はA層、B層、層の数が3層の場合は表層からA層、B層、C層とする。A層、B層、C層それぞれの層に供給するポリエステルペレットはそれぞれの配合比率にて調合を行い、ポリエステルフィルムを得た。なお、これ以下層の構成において記載する比率は、おのおのの層を構成するポリエステルペレットに対する質量比(単位:質量%)である。
[実施例1]
A層、B層、C層にそれぞれの層の押し出し機に供給するポリエステルペレットは以下の通りとした。
A層
ポリエステルA: 50.0
ポリエステルF: 40.0
ポリエステルI: 10.0
B層
ポリエステルT: 50.0
回収原料A: 50.0
C層
ポリエステルA: 50.0
ポリエステルF: 40.0
ポリエステルI: 10.0
各層について調合した原料を、ブレンダー内で攪拌した後、A層およびC層の原料は、攪拌後の原料を、A層およびC層用のベント付き二軸押出機に供給し、B層の原料は160℃で8時間減圧乾燥し、B層用の一軸押出機に供給した。275℃で溶融押出し、3μm以上の異物を95%以上捕集する高精度なフィルターにて濾過した後、矩形の異種3層用合流ブロックで合流積層し、層A、層B、層Cからなる3層積層とした。その後、285℃に保ったスリットダイを介し冷却ロール上に静電印可キャスト法を用いて表面温度25℃のキャスティングドラムに巻き付け冷却固化して未延伸積層フィルムを得た。
離型フィルムの上に成型されたグリーンシートについて、背面から1000ルクスのバックライトユニットで照らしながら、塗布抜けによるピンホールあるいは、離型フィルム背面の表面転写による凹み状態を観察する。以下のような評価値とし、評価4以上を合格とした。
離型フィルムの上に成型されたグリーンシートについて、シートの表面および端部を目視で観察する。以下のような評価値とし、評価4以上を合格とした。
A層、C層のそれぞれの押し出し機に供給するポリエステルペレットを以下のようにした以外は実施例1と同じ製法にてポリエステルフィルムを得、離型層の塗布およびグリーンシートの成型を行った。
実施例2
A層
ポリエステルA: 50.0
ポリエステルF: 40.0
ポリエステルJ: 10.0
B層
ポリエステルT: 50.0
回収原料A: 50.0
C層
ポリエステルA: 50.0
ポリエステルF: 40.0
ポリエステルJ: 10.0
実施例3
A層
ポリエステルA: 57.5
ポリエステルF: 40.0
ポリエステルI: 2.5
C層
ポリエステルA: 57.5
ポリエステルF: 40.0
ポリエステルI: 2.5
実施例4
A層
ポリエステルA: 37.5
ポリエステルF: 40.0
ポリエステルI: 22.5
C層
ポリエステルA: 37.5
ポリエステルF: 40.0
ポリエステルI: 22.5
実施例5
A層
ポリエステルA: 50.0
ポリエステルF: 40.0
ポリエステルK: 10.0
C層
ポリエステルA: 50.0
ポリエステルF: 40.0
ポリエステルK: 10.0
実施例2、3、4については実施例1と変わらず、ピンホールや凹みを確認されず評価を5とし、また、シート表面も端部も塗布斑が無いため、評価を5とした。実施例5についてはSRpが上昇した結果、グリーンシートにピンホールは確認されなかったが、凹みについては1個確認されたため、評価を4とした。塗布斑については表面も端部も確認されなかったため、評価は5とした。
A層、B層、C層のそれぞれの押し出し機に供給するポリエステルの組成を以下の通りとする以外は実施例1と同様の製法にてポリエステルフィルムを得、離型層の塗布およびグリーンシートの成型を行った。
実施例6
A層
ポリエステルB: 50.0
ポリエステルL: 40.0
ポリエステルM: 10.0
B層
ポリエステルB: 100.0
C層
ポリエステルB: 50.0
ポリエステルL: 40.0
ポリエステルM: 10.0
実施例7
A層
ポリエステルC: 50.0
ポリエステルN: 40.0
ポリエステルO: 10.0
B層
ポリエステルB: 100.0
C層
ポリエステルC: 50.0
ポリエステルN: 40.0
ポリエステルO: 10.0
実施例6についてはフィルム含有のテレフタル酸の量が少ないことから、グリーンシートにピンホールはなかったが、凹みは2個確認され、評価を4とし、塗布斑についてはシート表面と端部に確認されず評価を5とした。実施例7についてはフィルムに含有するテレフタル酸の量は若干上昇したが、グリーンシートの表面性および塗布斑についての評価は実施例1と同様に評価5、評価5とした。
B層の押し出し機へ供給するポリエステルを以下のような組成にする以外は実施例1と同様の製法にてポリエステルフィルムを得、離型層の塗布およびグリーンシートの成型を行った。
実施例8
B層
ポリエステルA: 60.0
ポリエステルU: 40.0
実施例9
B層
ポリエステルA: 60.0
ポリエステルT: 40.0
実施例10
B層
ポリエステルA: 20.0
ポリエステルU: 80.0
実施例11
B層
ポリエステルA: 20.0
ポリエステルT: 80.0
実施例8、実施例9についてフィルムの固有粘度は0.60および0.70となったが、延伸状態には変化はなく、グリーンシートの状態は実施例1と同様に良い結果となった。実施例10についてはフィルムの固有粘度が0.55となったことから、フィルムのこしが弱くなったことにより、グリーンシートに凹みが発生し、評価4となり、さらにシート端部の厚み斑により塗布斑が確認できたため、塗布斑についても評価は4となった。実施例11についてはフィルムの固有粘度が0.70となったため、グリーンシートのピンホール、凹みについては発生がなく、評価は5となったが、厚み斑が発生し、塗布斑については弱い斑が発生したことにより塗布斑の評価は4となった。
A層、B層、C層のそれぞれの押し出し機に供給する以下の通りとする以外は実施例1と同様の製法にてポリエステルフィルムを得、離型層の塗布およびグリーンシートの成型を行った。
実施例12
A層
ポリエステルD: 50.0
ポリエステルP: 40.0
ポリエステルQ: 10.0
B層
ポリエステルD: 100.0
C層
ポリエステルD: 50.0
ポリエステルP: 40.0
ポリエステルQ: 10.0
実施例13
A層
ポリエステルE: 50.0
ポリエステルR: 40.0
ポリエステルS: 10.0
B層
ポリエステルE: 100.0
C層
ポリエステルE: 50.0
ポリエステルR: 40.0
ポリエステルS: 10.0
実施例12、13については触媒量が増加したことでフィルムに含有するテレフタル酸の量が増加したが、ピンホール、凹みは確認されず評価5となったが、端部に弱い塗布斑が確認され評価は4となった。
ポリエステルの組成を以下のA層の単層とした以外は実施例1と同じ製法にてポリエステルフィルムを得、離型層の塗布およびグリーンシートの成型を行った。
A層
ポリエステルA: 57.5
ポリエステルF: 40.0
ポリエステルI: 2.5
単層となったことでSRpが若干低くなったが、ピンホールや凹みは確認されず、評価を5とし、塗布斑等もなく評価を5とした。
ポリエステルの組成を以下のA層、B層の2層とした以外は実施例1と同じ製法にてポリエステルフィルムを得、離型層の塗布およびグリーンシートの成型を行った。
A層
ポリエステルA: 57.5
ポリエステルF: 40.0
ポリエステルI: 2.5
B層
ポリエステルA: 57.5
ポリエステルF: 40.0
ポリエステルI: 2.5
2層であっても単層と差は無く、実施例15と同様の評価結果となった。
A層、C層のそれぞれの押し出し機に供給するポリエステルペレットを以下のようにした以外は実施例1と同じ製法にてポリエステルフィルムを得、離型層の塗布およびグリーンシートの成型を行った。
実施例16
A層
ポリエステルA: 50.0
ポリエステルG: 40.0
ポリエステルI: 10.0
C層
ポリエステルA: 50.0
ポリエステルG: 40.0
ポリエステルI: 10.0
実施例17
A層
ポリエステルA: 50.0
ポリエステルH: 40.0
ポリエステルI: 10.0
C層
ポリエステルA: 50.0
ポリエステルH: 40.0
ポリエステルI: 10.0
実施例17については粒子の粒径が小さくなったことで実施例1に比べてキズの数が増えたが、グリーンシートの表面性、塗布性は問題なかった。実施例18は粒子の粒径が大きくなり、実施例17以上にキズが増え、さらにSRpは増加したがグリーンシートの表面性、塗布性には影響はなかった。
A層、C層のそれぞれの押し出し機に供給するポリエステルペレットを以下のようにした以外は実施例1と同じ製法にてポリエステルフィルムを得、離型層の塗布およびグリーンシートの成型を行った。
実施例18
A層
ポリエステルA: 67.5
ポリエステルF: 22.5
ポリエステルI: 10.0
C層
ポリエステルA: 67.5
ポリエステルF: 22.5
ポリエステルI: 10.0
実施例19
A層
ポリエステルA: 37.5
ポリエステルF: 52.5
ポリエステルI: 10.0
C層
ポリエステルA: 37.5
ポリエステルF: 52.5
ポリエステルI: 10.0
実施例18は濃度を下げたため、キズの数が増加したが、グリーンシートの評価は実施例1と同等であった。実施例19は粒子濃度を増加させたため、グリーンシートを塗布する際にフィルム端部に塗布斑が確認でき、評価は4となったが、それ以外の特性については良好であった。
最外層の厚みをそれぞれ0.80μm、2.00μmとした以外は実施例1と同じ製法にてポリエステルフィルムを得、離型層の塗布およびグリーンシートの成型を行った。表層の厚みを変更したことで、SRpは変化したが、キズの付き方、グリーンシートの表面性、塗布性には影響はなかった。
A層、B層、C層のそれぞれの押し出し機に供給するポリエステルペレットを以下の通りとし、フィルム中のテレフタル酸の含有量が5ppmとなるように溶融製膜時にテレフタル酸を添加した以外は実施例1と同様の製法にてポリエステルフィルムを得、離型層の塗布およびグリーンシートの成型を行った。
A層
ポリエステルV: 50.0
ポリエステルW: 40.0
ポリエステルX: 10.0
B層
ポリエステルY: 50.0
回収原料B: 50.0
C層
ポリエステルV: 50.0
ポリエステルW: 40.0
ポリエステルX: 10.0
[実施例23]
溶融製膜時にテレフタル酸をフィルム中のテレフタル酸の含有量が100ppmとなるように添加した以外は実施例1と同様の製法でポリエステルフィルムを得、離型層の塗布およびグリーンシートの成型を行った。テレフタル酸含有量が増加したことで塗布ムラが一部見られたが、塗布状態は評価4となり、凹みいついては1個見られたため、評価を4とした。
A層、B層、C層のそれぞれの押し出し機に供給するポリエステルの組成を以下の通りとする以外は実施例1と同様の製法にてポリエステルフィルムを得、離型層の塗布およびグリーンシートの成型を行った。
実施例24
A層
ポリエステルA: 50.0
ポリエステルF: 40.0
ポリエステルJ: 10.0
B層
ポリエステルT: 50.0
回収原料A: 50.0
C層
ポリエステルZ: 50.0
ポリエステルF: 40.0
ポリエステルJ: 10.0
実施例25
A層
ポリエステルA: 50.0
ポリエステルF: 40.0
ポリエステルJ: 10.0
B層
ポリエステルT: 50.0
回収原料A: 50.0
C層
ポリエステルZ: 5.0
ポリエステルF: 40.0
ポリエステルJ: 10.0
ポリエステルA: 45.0
実施例26
A層
ポリエステルA: 50.0
ポリエステルF: 40.0
ポリエステルJ: 10.0
B層
ポリエステルT: 50.0
回収原料A: 50.0
C層
ポリエステルZ: 10.0
ポリエステルF: 40.0
ポリエステルJ: 10.0
ポリエステルA: 40.0
実施例27
A層
ポリエステルA: 50.0
ポリエステルF: 40.0
ポリエステルJ: 10.0
B層
ポリエステルT: 50.0
回収原料A: 50.0
C層
ポリエステルZ: 25.0
ポリエステルF: 40.0
ポリエステルJ: 10.0
ポリエステルA: 25.0
実施例24、25、26、27については、ピンホール、凹みの有無評価は、ピンホール、凹みとも無いため、評価を5とした。また、シート表面も端部も塗布斑が無いため、評価を5とした。また、線状オリゴマーの発生量はリン酸アルカリ金属塩を最外層に添加したため、実施例1のフィルムに比べて低い結果となった。
A層、B層、C層のそれぞれの押し出し機に供給するポリエステルの組成を以下の通りとする以外は実施例1と同様の製法にてポリエステルフィルムを得、離型層の塗布およびグリーンシートの成型を行った。
A層
ポリエステルA: 50.0
ポリエステルF: 40.0
ポリエステルJ: 2.5
B層
ポリエステルT: 50.0
回収原料A: 50.0
C層
ポリエステルA: 50.0
ポリエステルF: 40.0
ポリエステルJ: 2.5
SRpが100となり、製膜性、生産性についても低下が見られた。また、ピークの山高さが低くなったことにより、テレフタル酸が選択的に谷部分に集まることができず、グリーンシートを塗布する際に塗布斑が表面、端部ともに発生し、評価が3となった。
A層、B層、C層のそれぞれの押し出し機に供給するポリエステルの組成を以下の通りとする以外は実施例1と同様の製法にてポリエステルフィルムを得、離型層の塗布およびグリーンシートの成型を行った。
A層
ポリエステルA: 50.0
ポリエステルF: 40.0
ポリエステルK: 22.5
B層
ポリエステルT: 50.0
回収原料A: 50.0
C層
ポリエステルA: 50.0
ポリエステルF: 40.0
ポリエステルK: 22.5
SRpが350となったことで、製膜性等は問題ないが、グリーンシートを塗布した際に背面転写が発生し、ピンホールや凹みが数カ所見られ、評価は3となった。
押し出し機にポリエステルチップを供給する際に、最終的なテレフタル酸の濃度が150ppmとなるように粉末のテレフタル酸を押し出し機へ添加した以外は実施例1と同様の製法でポリエステルフィルムを得、離型層の塗布およびグリーンシートの成型を行った。テレフタル酸が多いことから、テレフタル酸に由来する欠点が発生し、グリーンシートに凹みおよびピンホールが確認され、評価は2となり、さらに塗布斑も全面的に発生し、評価は2となった。
実施例22と同様の配合でポリエステルペレットを押し出し機に供給し、テレフタル酸を添加せずに溶融製膜を行った以外については実施例1と同様の製法にてポリエステルフィルムを得、離型層の塗布およびグリーンシートの成型を行った。テレフタル酸の含有量が少ないことから、見かけの山高さをおさえることができず、背面転写が発生し、凹みやピンホールが発生してしまい、評価は1となった。また、塗布状態については端部に弱いムラが確認できる状態であったので、評価を4とした。
Claims (8)
- 少なくとも1つの面の粗さ曲線の最大山高さSRpが150〜300nmであり、テレフタル酸の含有量がフィルム全体に対して5〜100ppmであるポリエステルフィルム。
- アンチモン元素とマンガン元素を含み、フィルム全体に対するマンガン元素含有率をMn(ppm)、アンチモン元素含有率をSb(ppm)としたとき、以下の式を満たす請求項1に記載のポリエステルフィルム。
Mn + Sb < 300ppm
5 < Sb/Mn < 10 - フィルムのIVが0.60〜0.70である請求項1または2に記載のポリエステルフィルム。
- 2層以上の層を持つポリエステルフィルムであり、両最外層が平均粒径0.01〜0.10μmの不活性粒子を両最外層に対して0.45〜1.05質量%含有する請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
- 両最外層が平均粒径0.40〜0.60μmの不活性粒子を両最外層に対して0.05〜0.45質量%含有する請求項4に記載のポリエステルフィルム。
- 前記粗さ曲線の最大山高さSRpが150〜300nmである面を有する最外層の厚みが0.8〜2.0μmである請求項4または5に記載のポリエステルフィルム。
- 離型用途に用いられる請求項1〜6のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
- 3層以上の層を持つポリエステルフィルムであり、少なくとも1つの最外層にリン酸アルカリ金属塩をアルカリ金属として5〜50ppm含有する、請求項1〜7のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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