JP2002096311A - セラミックシート製造用フィルム積層体及びセラミックシートの製造方法 - Google Patents
セラミックシート製造用フィルム積層体及びセラミックシートの製造方法Info
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Abstract
さく、かつ剥離不良が起こらない、セラミックシート製
造用フィルム積層体を提供する。また、セラミックシー
トの剥離時にセラミックシートの破れや剥離不良がな
く、生産性の良好なセラミックシートの製造方法を提供
する。 【解決手段】 ポリエステルフィルムの少なくとも片面
に硬化型シリコーンを主たる構成成分とする離型層を設
けた離型フィルムを基材とし、前記基材の離型層面にセ
ラミックシート層を積層してなるフィルム積層体であっ
て、前記セラミックシート層表面のダイナミック硬度A
と前記離型フィルムの離型層側表面のダイナミック硬度
Bとの差の絶対値|A−B|が20gf/μm2であるこ
とを特徴とするセラミックシート製造用フィルム積層
体。さらに、前記フィルム積層体からセラミックシート
を剥離することを特徴とするセラミックシートの製造方
法。
Description
材とし、前記基材の離型層面にセラミックシート層を積
層したセラミックシート製造用フィルム積層体及びセラ
ミックシートの製造方法に関し、詳しくはセラミックシ
ートと離型フィルムとの剥離力が小さく、かつ安定した
剥離性能を有する、セラミックシート製造用フィルム積
層体及びセラミックシートの製造方法に関する。
レンナフタレート等のポリエステルフィルムを基材と
し、その上に離型層を積層した離型フィルムは、粘着ラ
ベル、粘着テープ等の台紙として一般的に広く使用され
ている。
積層セラミックコンデンサーの需要が拡大してきてい
る。積層セラミックコンデンサーは、一時的に電気を蓄
える特性を使い電流を安定させる目的で電子回路に不可
欠な部材であり、携帯電話には約250個の積層セラミ
ックコンデンサが使用されている。
シートを製造する際に、工程用キャリアフィルムとし
て、機械的強度、寸法安定性、耐熱性、価格等の点よ
り、二軸延伸ポリエステルフィルムの少なくとも片面
に、シリコーン系皮膜を設けた離型フィルムが一般的に
使用されてきている。このような、シリコーン系皮膜を
有する離型フィルムとしては、特開昭60−14155
3号公報、特開平3−231812号公報、特公平4−
59207号公報、特公平6−2393号公報が知られ
ている。
ム、アルミナ等のセラミック粉末を分散させた水系ない
し有機系溶媒に、ポリメチルメタクリレート、ポリビニ
ルアセタール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアル
コール等の高分子バインダーと可塑剤、分散剤とを加え
たものを高速ミキサーやボールミルにより混合分散し、
次いでセラミックスラリーを離型フィルムの離型層面に
ドクターブレード法により数百μm〜数十μmの厚さに
塗布・乾燥させた後、離型フィルムから剥離して巻き取
ることにより一般に製造されている。
高容量化のために、セラミックシート層の厚さをより薄
膜化し、かつ多層に積層することが要望されている。セ
ラミックシート層の厚みは、従来の7〜10μm程度か
ら、現在では3〜5μm程度まで薄くなってきており、
さらに1〜2μm程度の厚みのものも開発されてきてい
る。また、数年後には1μm未満の厚みにまで、セラミ
ックシートの薄膜化が進むと予想されている。
なるにつれ、セラミックシート層を離型フィルムの離型
層から剥離する際の剥離力が大きくなり、剥離不良が多
発するという新しい問題が生じてきた。そのため、従来
の離型フィルムよりも剥離力の小さい離型フィルムが必
要となってきた。従来のラベル用などに使用されてきた
汎用の離型フィルムは、その用途で剥離力が小さいもの
であっても、薄層セラミックシートの製造には剥離性の
点で不十分であり、より剥離力の小さい離型フィルムが
求められている。
との剥離力が小さい離型フィルムを設計しても、セラミ
ックシートの構成成分(セラミックの種類や平均粒径、
バインダーの種類、それらの含有量比率など)やセラミ
ックシートの厚みが変わると、剥離力が変化し、またそ
のセラミックシート組成に最適な離型フィルムの離型層
組成を再設計する必要があった。
る従来の問題点を解消し、特に薄層のセラミックシート
の製造において、セラミックシートを離型フィルムの離
型層面から剥離する際の剥離力が小さく、かつ剥離不良
が起こらない、適度の力で剥離が可能な剥離界面を有す
るセラミックシート製造用フィルム積層体、及びセラミ
ックシートの剥離時にセラミックシートの破れや剥離不
良がなく、生産性の良好なセラミックシートの製造方法
を提供することにある。
のような技術思想で解決したものである。本発明の技術
思想は、セラミックシートを製造する際の剥離工程にお
いて、剥離界面のセラミックシート層と基材の離型フィ
ルムの離型層とのダイナミック硬度差の絶対値を小さく
することにより、セラミックシートの構成成分(セラミ
ックの種類や平均粒径、バインダーの種類、それらの含
有量比率など)やセラミックシートの厚みに依存せず、
剥離力が小さくかつ適度な力で剥離することが可能とな
り、セラミックシートの破損や剥離不良がなくなるとい
うものである。このような剥離界面のセラミックシート
層と離型フィルムの離型層との物理的特性を関連づけた
技術思想は、従来技術からは予測のつかない新規なもの
である。
ステルフィルムの少なくとも片面に硬化型シリコーンを
主たる構成成分とする離型層を設けた離型フィルムを基
材とし、前記基材の離型層面にセラミックシート層を積
層してなるフィルム積層体であって、前記セラミックシ
ート層表面のダイナミック硬度Aと前記離型フィルムの
離型層側表面のダイナミック硬度Bとの差の絶対値が下
記式を満足することを特徴とするセラミックシート製造
用フィルム積層体である。 |A−B|≦20(gf/μm2)
ックシート製造用フィルム積層体からセラミックシート
を剥離することを特徴とするセラミックシートの製造方
法である。
発明のセラミックシート製造用フィルム積層体におい
て、基材の離型フィルムの支持体として用いるポリエス
テルフィルムは特に限定されず、公知の方法で製造した
ポリエステルフィルムを使用することができる。
テル樹脂は、芳香族ジカルボン酸成分とジオール成分か
らなる結晶性の線状飽和ポリエステル樹脂が好ましく、
例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−
2,6−ナフタレート、ポリメチレンテレフタレート等
が挙げられる。
ィルム積層体において、セラミック層を剥離しセラミッ
クシートを製造した後、キャリアフィルムとしての機能
を終えた離型フィルムは廃棄される。すなわち、セラミ
ックシート製造後には離型フィルムは不要なものとな
る。しかしながら、従来から離型フィルムの支持体とし
て使用されてきた前記ポリエチレンテレフタレートフィ
ルムやポリエチレン−2,6−ナフタレートフィルムな
どは生分解性の機能が無く、焼却処分せざるを得ない。
有し、燃焼時にも熱量が少なく焼却炉を痛めないなど環
境負荷が少なく、かつ透明性、機械的強度に優れた、生
分解性プラスチックフィルムを離型フィルムの支持体と
して使用することもできる。前記生分解性プラスチック
フィルムとしては、例えば主たる繰り返し単位が、一般
式、−O−CHR−CO−(Rは水素または炭素数1〜
3のアルキル基)で示される単位からなる脂肪族ポリエ
ステルフィルムなどが挙げられる。
テルとしては、例えば、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、
ポリ(2−オキシ酪酸)などを挙げることができるが、
これらの一種または二種以上が選択して用いられる。二
種以上を用いる場合は、混合物、共重合体でもよい。ま
た、ポリマー中に不斉炭素を有するものでは、L−体、
DL−体、D−体といった光学異性体が存在するが、こ
れらのいずれでもよく、また、二種以上の異性体が混在
したものであってもよい。前記脂肪族ポリエステルは、
対応するα−オキシ酸の脱水環状エステル化合物を用
い、開環重合などの公知の方法で製造することができ
る。これらの脂肪族ポリエステルの中でも、特に、ポリ
乳酸が最も好適である。
性、巻き性、ブロッキング性などのハンドリング性を良
くするために、本発明の効果を阻害しない範囲内で、無
機粒子や耐熱性高分子粒子などの不活性粒子を含有させ
ても良い。しかしながら、セラミックシート製造時のピ
ンホールなどの欠点検査のために、フィルムの透明性を
大きく阻害するような不活性粒子は好ましくない。
子、炭酸カルシウム粒子、アルミナ−シリカ複合酸化物
粒子、ヒドロキシアパタイト粒子等が挙げられる。特
に、ポリエステルと屈折率差の小さい粒子が好ましく、
例えば凝集体シリカ、ガラスフィラーなどが好適であ
る。また、前記不活性粒子は平均粒径が0.01〜2μ
mであることが好ましく、ポリエステルフィルムに対し
0.005〜0.5重量%の割合で含有させることが好
ましい。
れたポリエステルフィルムを得るためには、例えば平均
粒径2.5μmの凝集体シリカ粒子を使用する場合に
は、ポリエステルフィルム中に100〜600ppm、
特に200〜300ppm含有させることが好適であ
る。また、中間層に不活性粒子を含有させずに、表面層
にのみ不活性粒子を含有するフィルム積層体としてもよ
い。この場合、ポリエステルフィルムには不活性粒子を
含有させずに、離型層とは反対面に粒子含有層を共押出
し法または塗布法により設ける方法などが挙げられる。
る方法としては、特に限定されるものではなく、公知の
方法を採用し得る。例えば、ポリエステルを製造する任
意の段階において前記不活性粒子を反応缶へ添加するこ
とができる。好ましくは、加圧エステル化もしくはエス
テル交換反応終了後、重縮合反応開始前の段階でエチレ
ングリコール等に分散させたスラリーとして添加し、次
いで重縮合反応を進めてもよい。また、ベント付き混練
押出機を用い、エチレングリコールまたは水などに分散
させた不活性粒子スラリーを、不活性粒子を含有してい
ない溶融ポリエステル樹脂にブレンドしてもよい。
ほかに各種の添加剤を含有させても良い。添加剤として
は、例えば、アルカリ土類金属塩及び/またはアルカリ
金属塩などの静電密着性付与剤、リン酸又はリン酸塩な
どの熱安定剤、帯電防止剤、UV吸収剤等が挙げられ
る。
キャリアフィルムとして要求される機械的強度、耐熱
性、透明性などの点から、二軸延伸ポリエステルフィル
ムが好ましい。
積層体は、セラミックシート層表面のダイナミック硬度
Aと基材である離型フィルムの離型層側表面のダイナミ
ック硬度Bとの差の絶対値|A−B|は、20gf/μ
m2以下であることが必要である。
B|が20gf/μm2を越えると、セラミックシート
層を離型フィルムから剥離してセラミックシートを製造
する際に剥離性が低下し、特に薄層のセラミックシート
を連続生産する際に、剥離時にセラミックシートの破れ
や剥離不良が多発し、歩留まりが低下し生産性が悪化す
る等の問題が発生する。
ックシート層表面のダイナミック硬度Aと基材である離
型フィルムの離型層側表面のダイナミック硬度Bとの差
の絶対値を上記範囲とすることにより、セラミックシー
ト層を離型フィルムから剥離してセラミックシートを製
造する際の剥離力が小さいため剥離が容易になり、セラ
ミックシートの破損を低減することができる。
セラミックシートを製造する際、セラミックシートの硬
さにより剥離形態が変わるため、離型フィルムの離型層
面の硬さを変える必要がある。すなわち、セラミックシ
ートが柔らかい場合、セラミックシート層を剥離する際
に、セラミックシート層の粘性の影響がでてくるため、
それに対応して離型フィルムの離型層の構成成分である
硬化型シリコーン樹脂を柔らかくすることが好ましい。
はセラミックシートの厚みが薄い場合には、セラミック
シート層を剥離する際に、セラミックシート層の粘性の
影響はほとんど見られないため、離型フィルムの離型層
の構成成分である硬化型シリコーン樹脂を硬くすること
が好ましい。
の剥離挙動は、通常の粘着シートと離型フィルムとの界
面の剥離挙動とは異なる。すなわち、粘着シートの粘着
層と離型フィルムの離型層との界面の剥離の場合には、
界面の凝集エネルギーが支配的となる。一方、硬いセラ
ミックシートと離型フィルムとの界面の剥離の場合に
は、離型層が硬い場合には剥離時の離型層の変形が小さ
く、結果として剥離力が小さくなる。また、離型層が柔
らかい場合には剥離時の離型層の変形が大きく、結果と
して剥離力が大きくなる。
離型フィルムとの剥離挙動は、粘着シートと離型フィル
ムとの剥離のような、界面剥離力ではなく、界面せん断
力に支配されているものと考えられる。
|を20gf/μm2以下とするためには、セラミック
シート層の硬さに応じて、離型フィルムの離型層である
硬化型シリコーン樹脂層の硬さを設計することが極めて
重要である。
子(チタン酸バリウム、アルミナ、窒化アルミニウム
等)とバインダー(アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂等)
とから構成されるが、セラミック粒子に対するバインダ
ーの含有量比(重量比)が大きい場合、またはセラミッ
クシート層の厚みが厚い場合には、離型フィルムにセラ
ミックシート層を積層した際のセラミックシートの硬度
は小さくなる。
ク粒子の分散性もセラミックシート面の硬度に影響し、
セラミックスラリー調合時のセラミック粒子の分散性が
不十分であると、セラミックシート面の硬度は小さくな
る。
トを剥離する場合には、硬化型シリコーン樹脂を主成分
とする離型層の硬度を小さくすることが必要であり、例
えば1)シリコーン樹脂中の疎水基の含有量を可能な限
り多くする、2)シリコーン樹脂中に導入する架橋基の
含有量を少なくする、3)リニアーな分子構造を有する
シリコーン樹脂を使用する、ことなどによって達成する
ことができる。また、離型層の厚みを厚くすることも有
効である。
の含有量比(重量比)が小さい場合、またはセラミック
シート層の厚みが薄い場合には、離型フィルムにセラミ
ックシート層を積層した際のセラミックシートの硬度は
大きくなる。
トを剥離する場合には、硬化型シリコーン樹脂を主成分
とする離型層の硬度を大きくすることが必要であり、例
えばシリコーン樹脂中に導入する疎水基の含有量の調整
は必要であるが、シリコーン樹脂中に導入する架橋基の
含有量を多くするなどの方法で、シリコーン樹脂の架橋
密度を大きくすることにより達成することができる。
成分とする離型層の厚みが面内において均一であれば、
厚みが小さいほど一定の硬化エネルギーでも架橋密度を
高くすることができるため、厚みを可能なかぎり小さく
することにより、離型層の硬度を大きくすることもでき
る。さらに、基材のポリエステルフィルムの機械的強度
を高くすることで硬度を大きくしてもよい。
ィルム積層体の製造方法について、離型フィルムの支持
体としてポリエチレンテレフタレート(PETと記す)
フィルムを使用した例を説明するが、当然これに限定さ
れるものではない。
後、押出し機に供給し、約280℃の溶融PET樹脂を
Tダイよりシート状に溶融押出しし、冷却回転ロール上
で静電気を印加させながら冷却固化密着せしめて、未延
伸PETシートを得る。溶融押出しの際、溶融PET樹
脂が約280℃に保たれたメルトライン中で、樹脂中に
含まれる異物を除去するために高精度濾過を行うことが
好ましい。
特に限定はされないが、ステンレス焼結体の濾材の場
合、触媒や添加粒子起因の凝集物や高融点有機物の除去
性能に優れ好適である。
濾過効率95%)が15μm以下のものを使用すること
により、20μm以上の大きさの異物を効率良く除去す
ることができ好ましい。
加熱したロールで長手方向に2.5〜5.0倍に一段ま
たは多段に分け延伸して一軸配向ポリエステルフィルム
を得る。さらに、フィルムの端部をクリップで把持して
80〜180℃に加熱された熱風ゾーンに導き、幅方向
に2.5〜5.0倍に延伸する。引き続き160〜24
0℃の熱処理ゾーンに導き、1〜60秒間の熱固定処理
を行い、結晶配向を完了させる。さらに、熱寸法安定性
を向上させるために、この熱固定処理工程中で、幅方向
に1〜12%の弛緩処理を施してもよい。さらに、熱固
定処理後フィルム両端のクリップ把持部分をトリミング
し、次いで長手方向に1〜12%の弛緩処理を施しても
よい。得られた長尺のフィルムをロール状に巻き取り、
所望するサイズ(例えば、幅400〜600mmで、巻
長4000〜6000m)にスリットする。
記のような逐次二軸延伸法以外に、未延伸フィルムを縦
方向と横方向に同時二軸延伸する方法によっても得るこ
とができる。同時二軸延伸はリニアモーター駆動式のテ
ンターを用いても良い。
は12〜100μm、より好ましくは25〜50μmで
ある。 厚みが12μm未満では、セラミックシート製
造の際のキャリヤーフィルムとして要求される腰(ステ
ィッフネス)が不十分となる。一方、厚みが100μm
を超えるとコスト高となり好ましくない。
構成する硬化型シリコーン樹脂としては、特に限定はな
く、付加反応系、縮合反応系、紫外線または電子線硬化
系のシリコーン樹脂などを使用することができる。
えば、末端にビニル基を導入したポリジメチルシロキサ
ンとハイドロジエンシロキサンとを白金触媒を用いて反
応させ、3次元架橋構造を形成したものが挙げられる。
えば、末端に−OH基をもつポリジメチルシロキサンと
ハイドロジエンシロキサンとを白金触媒を用いて反応さ
せ、3次元架橋構造を形成したもの等が挙げられる。
例えば最も基本的なタイプとしては、1)通常のシリコ
ーンゴム架橋と同じラジカル反応を利用するもの、2)
不飽和基を導入して光硬化させるもの、3)ビニルシロ
キサンへのチオールの付加反応で架橋するもの、4)紫
外線でオニウム塩を分解して強酸を発生させ、これでエ
ポキシ基を開裂させて架橋するもの、などが挙げられ
る。
線は紫外線よりもエネルギーが強いため、紫外線硬化型
のように開始剤を用いなくてもラジカルによる架橋反応
が起こる。
用目的に応じて設定すれば良く、特に限定されないが、
乾燥後の離型層の塗布量を0.02〜0.2g/m2と
することが好ましい。離型層の塗布量が0.02g/m
2未満であると、剥離性能が低下しやすくなる。また、
0.2g/m2を超えると、離型層の硬度が小さくなる
ため、セラミックシートの硬度が高い場合に硬度差が大
きくなり、剥離性が悪化しやすくなる。また、ポリエス
テルとの密着性に影響する硬化時間が長くなり、加工速
度を増加できないなど生産性の点でも不都合となる。
する方法は、特に限定されないが、例えば、1)無溶剤
型の硬化型シリコーン樹脂を基材のポリエステルフィル
ムの少なくとも片面に塗布し、次いで活性エネルギー線
を照射して硬化させる、あるいは熱硬化させる方法、
2)硬化型シリコーン樹脂を溶媒に溶解あるいは分散し
たものを、基材のポリエステルフィルムに塗布し、溶媒
を乾燥除去した後、活性エネルギー線を照射して硬化さ
せる、あるいは熱硬化させる方法、などが挙げられる。
媒の乾燥条件は、使用するシリコーン樹脂の種類、離型
層の厚み、離型フィルムのサイズ等により、セラミック
シートの硬さに応じて、適時選択すれば良い。
公知の任意の塗布法が適用することができ、例えばグラ
ビアコート法やリバースコート法などのロールコート
法、マイヤーバーなどのバーコート法、スプレーコート
法、エアーナイフコート法など、公知の方法を適用する
ことができる。
密着性をさらに向上させるために、上記離型層用塗布液
をフィルムへ塗布するに先立ち、ポリエステルフィルム
表面に、アンカーコート等の前処理を行なっても良い。
説明をするが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。なお、本発明で使用する特性及
び物性評価は、下記の方法により測定した。
硬度計(島津製作所製、DUH−201−202)を用
いて、荷重2gfの三角すいを試料(セラミックシート
面あるいは離型層面)に押しつけ、2秒間保持した後の
ダイナミック硬度を下記式より求めた。なお、測定は1
0回行ない平均値を使用した。また、離型フィルムの離
型層面におけるダイナミック硬度の測定は、セラミック
シート層を設ける前の離型フィルムに対して行なっても
よいし、セラミックシート層を設けた後にセラミックシ
ート層を剥離した離型フィルムに対して行なってもよ
い。 ダイナミック硬度=α×P/D2 ここで、Pは荷重(gf)、Dは圧子の試料への侵入量
(μm)、αは圧子形状による定数(115°三角す
い)であり、37.838である。
ムの離型層面にセラミックシート層を積層したフィルム
積層体を5cm巾にカットし、セラミックシート層面に
ポリエステル粘着テープ(日東電工社製、ニットー31
B)を貼り、ピール法(剥離速度:500mm/分、T
型剥離)によりセラミックシート層を離型フィルムから
剥離して、剥離後のセラミックシートの全面を目視観察
した際のセラミックシートの欠点を下記基準により評価
した。なお、試験は5回行ない、○であれば合格とし
た。 ○:ピンホールや破れなどの破損が5回の試験で全くな
かった場合 △:5回の試験で1回でもセラミックシートの一部に破
損があった場合 ×:5回の試験で1回でもセラミックシートが完全に破
れ破損があった場合
式会社製、XS56−A1652)を樹脂固形分濃度が
2重量%となるように溶剤(ノルマルヘキサン)に分散
し、シリコーン樹脂100重量部に対し、1重量部のビ
ス(アルキルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロア
ンチモネートを硬化触媒として添加し、硬化型シリコー
ン樹脂塗布液を作成した。
(東洋紡績社製、E5151)の長尺のロールを巻き出
し、上記硬化型シリコーン樹脂塗布液を前記フィルムの
片面にワイヤーバーを用いて塗布し、100℃で30秒
間乾燥した後、紫外線照射装置で300mJ/cm2の
紫外線を照射し、乾燥後の塗布量が0.10g/m2の
硬化型シリコーン樹脂を主たる構成成分とする離型層を
設けた離型フィルムを製造し、ロール状に巻き取った。
/50:重量比)中にセラミック粒子(平均一次粒子径
が0.6μmのチタン酸バリウム(BaTiO3)、富士チタ
ン社製)100重量部を混合し、分散メディアである粒
径1.5mmのジルコニアビーズ(充填量:スラリーに
対し200重量%)とともにボールミルで24時間分散
した。次いで、バインダー(ポリビニルブチラール、積
水化学工業株式会社製)10重量部、及び可塑剤(ポリ
エチレングリコール)をセラミック粉末とバインダーの
総量に対し2重量%混合し、ボールミルで24時間分散
し、さらにフィルター(孔径3μm)で濾過処理を行な
い、ペースト状のセラミックスラリーを得た。
記セラミックスラリーを乾燥後の厚みが10μmになる
ようにドクターブレードを用いて、離型フィルムの離型
層面に塗布し、120℃で1分間乾燥してセラミックシ
ート層(セラミック粒子/バインダーの重量比:100
/10)を設け、得られたセラミックシート製造用フィ
ルム積層体をロール状に巻き取った。評価結果を表1に
示す。
30)を樹脂固形分濃度が3重量%となるように溶剤
(トルエン)に分散し、シリコーン樹脂100重量部に
対し、1重量部の白金触媒を添加し、硬化型シリコーン
樹脂塗布液を作成した。
(東洋紡績社製、E5151)の長尺のロールを巻出
し、上記硬化型シリコーン樹脂塗布液を前記フィルムの
片面に、ワイヤーバーを用いて塗布し、140℃で30
秒間乾燥し、乾燥後の塗布量が0.05g/m2の硬化
型シリコーン樹脂を主たる構成成分とする離型層を設け
た離型フィルムを製造し、ロール状に巻き取った。
/50:重量比)中にセラミック粒子(平均一次粒子径
が0.6μmのチタン酸バリウム(BaTiO3)、富士チタ
ン社製)100重量部を混合し、分散メディアである粒
径1.5mmのジルコニアビーズ(充填量:スラリーに
対し200重量%)とともにボールミルで24時間分散
した。次いで、バインダー(ポリビニルブチラール、積
水化学工業株式会社製)10重量部、及び可塑剤(ポリ
エチレングリコール)をセラミック粉末とバインダーの
総量に対し2重量%混合し、ボールミルで24時間分散
し、さらにフィルター(孔径3μm)で濾過処理を行な
い、ペースト状のセラミックスラリーを得た。
記セラミックスラリーを乾燥後の厚みが10μmになる
ようにドクターブレードを用いて、離型フィルムの離型
層面に塗布し、120℃で1分間乾燥してセラミックシ
ート層(セラミック粒子/バインダーの重量比:100
/10)を設け、得られたセラミックシート製造用フィ
ルム積層体をロール状に巻き取った。評価結果を表1に
示す。
布後の乾燥条件を170℃で60秒間、離型層の乾燥後
塗布量を0.5g/m2、さらにセラミックシート組成
をセラミック粒子/バインダー=100/50(重量
比)に変更した以外は、実施例2と同様にしてセラミッ
クシート製造用フィルム積層体を製造し、ロール状に巻
き取った。
ク粒子/バインダー=100/50(重量比)に変更し
た以外は、実施例2と同様にしてセラミックシート製造
用フィルム積層体を製造し、ロール状に巻き取った。
ク粒子/バインダー=100/10(重量比)に変更し
た以外は、実施例3と同様にしてセラミックシート製造
用フィルム積層体を製造し、ロール状に巻き取った。
2とした以外は、実施例1と同様にしてセラミックシー
ト製造用フィルム積層体を製造し、ロール状に巻き取っ
た。
布後の乾燥条件を100℃で30秒間にした以外は、実
施例2と同様にしてセラミックシート製造用フィルム積
層体を製造し、ロール状に巻き取った。
記のように変更する以外は、実施例2と同様にして、セ
ラミックシート製造用フィルム積層体を製造し、ロール
状に巻き取った。
(トルエン/エタノール=50/50:重量比)中にセ
ラミック粒子(平均一次粒子径が0.6μmのチタン酸
バリウム(BaTiO3)、富士チタン社製)100重量部、
バインダー(ポリビニルブチラール、積水化学工業株式
会社製)10重量部、及び可塑剤(ポリエチレングリコ
ール)をセラミック粉末とバインダーの総量に対し2重
量%混合し、分散メディアである粒径1.5mmのジル
コニアビーズ(充填量:スラリーに対し200重量%)
とともにボールミルで1時間分散し、ペースト状のセラ
ミックスラリーを得た。
施例1〜4は、ダイナミック硬度差の絶対値|A−B|
がすべて20gf/μm2以下であり、セラミックシー
トの剥離不良は見られなかった。それに対し、比較例1
〜3は、ダイナミック硬度差の絶対値|A−B|が20
gf/μm2を超え、セラミックシート剥離時に、剥離
不良が見られた。また、比較例4はセラミックスラリー
中でのセラミック粒子の分散性が不十分であったため、
セラミックシート面のダイナミック硬度が著しく小さく
なり、ダイナミック硬度差の絶対値|A−B|が20g
f/μm2を超え、セラミックシート剥離時に、剥離不
良が見られた。
ク製造用フィルム積層体は、セラミックシート層と離型
層とのダイナミック硬度差の絶対値を小さくしているた
め、セラミックシートを剥離する際の剥離力が小さく、
剥離不良が起こりにくい。その結果、セラミックシート
の剥離時にセラミックシートの破れや剥離不良がなく、
工業的規模で生産性の良好なセラミックシートを得るこ
とができる。また、本発明は、顧客の要望でセラミック
シートの組成や厚みを変更する場合にも、セラミック層
表面と離型層表面との硬度差の絶対値という尺度でそれ
に適応した離型フィルムを過度な実験を行なうことなく
短期間に設計することができるので極めて有用である。
Claims (2)
- 【請求項1】 ポリエステルフィルムの少なくとも片面
に硬化型シリコーンを主たる構成成分とする離型層を設
けた離型フィルムを基材とし、前記基材の離型層面にセ
ラミックシート層を積層してなるフィルム積層体であっ
て、前記セラミックシート層表面のダイナミック硬度A
と前記離型フィルムの離型層側表面のダイナミック硬度
Bとの差の絶対値が下記式を満足することを特徴とする
セラミックシート製造用フィルム積層体。 |A−B|≦20(gf/μm2) - 【請求項2】 請求項1記載のセラミックシート製造用
フィルム積層体からセラミックシートを剥離することを
特徴とするセラミックシートの製造方法。
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2001
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