JP2004296995A - セラミックコンデンサー用離型フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】セラミックシートの離型性に優れ、スタッカーで剥離すときのセラミックシートの破れ、シワおよび戻りなどのないセラミックコンデンサー用離型フィルムを提供すること。
【解決手段】細孔を有するポリエステルフィルムの少なくとも片面に、離型用シリコーン樹脂層が形成されてなることを特徴とするセラミックコンデンサー用離型フィルムであって、細孔の孔径は好ましくは10μm以上100μm以下であり、そして細孔の数は50個/cm2以上1000個/cm2以下の範囲である。また、離型用シリコーン樹脂層が形成される側のポリエステルフィルムの面における、高さ0.81μm以上の突起の個数が、3個/100cm2以下のフィルムを用いる。
【選択図】 なし
【解決手段】細孔を有するポリエステルフィルムの少なくとも片面に、離型用シリコーン樹脂層が形成されてなることを特徴とするセラミックコンデンサー用離型フィルムであって、細孔の孔径は好ましくは10μm以上100μm以下であり、そして細孔の数は50個/cm2以上1000個/cm2以下の範囲である。また、離型用シリコーン樹脂層が形成される側のポリエステルフィルムの面における、高さ0.81μm以上の突起の個数が、3個/100cm2以下のフィルムを用いる。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、微小な細孔を形成したポリエステルフィルムを基材とし、その少なくとも片面に離型層を設けたセラミックコンデンサー用離型フィルムであって、特に薄膜のセラミックコンデンサーを製造する際に、スタッカーと呼ばれる剥離装置でグリーンシートを剥離したときの剥離特性に優れ、グリーンシートの破れ、シワ、戻りなどのないセラミックコンデンサー用離型フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、プラスチックフィルムの表面に離型層を設けた離型フィルムは、粘着ラベル、粘着フィルム、液晶用偏光フィルムなどの剥離フィルム、またはセラミックシート、ポリ塩化ビニルシート成形などの工程用フィルムとして広く利用されている。
【0003】
積層セラミックコンデンサー製造用の離型フィルムとしては、機械的強度、耐熱性、熱寸法安定性および耐薬品性に優れ、且つ経済的であるポリエチレンテレフタレートフィルムの少なくとも片面に、剥離紙用シリコーン系樹脂層を設けたキャリアフィルムが一般的に使用されている。
【0004】
近年、積層セラミックコンデンサーは、小型と高容量化のために、セラミックシートの厚さをより薄膜化し、かつより多層化することが盛んに行われている。ちなみに、現在はセラミックシートの厚み5〜10μmのものが汎用的に用いられているが、薄膜化シートとしては3〜5μm程度の厚みのものが開発されており、さらには1〜3μm程度の厚みのものが検討されている。しかしながら、このようにセラミックシートの厚みが薄くなるにつれ、セラミックシートを離型フィルムから剥離するときの剥離力が大きくなり、また、セラミックシート自体の強度が弱くなるため、より剥離力の小さい離型フィルムが必要となってきた。
【0005】
ところが、従来の軽剥離と呼ばれる離型フィルム(特許文献1参照。)では、薄膜セラミックシートの製造には剥離不良が発生する問題があり、より剥離力が小さく、剥離欠陥の少ない離型フィルムが求められている。即ち、セラミックシートの厚みが10μm程度では、大きな問題とならなかった離型フィルム表面の粗大突起が、剥離不良やピンホールの原因となるため、使用するポリエステルフィルム表面の平面性及び粗大突起の制御が重要となってきている。
【0006】
しかしながら、表面を平滑にし平面性をあげることにより、離型フィルムとセラミックシートの吸着が起こりやすくなり剥離性に大きく影響する。そのため、離型フィルムとセラミックシートの間のエアー抜け性を向上させる必要がある。
【0007】
また、シリコーン樹脂を主成分とする離型層は誘電率が高く、セラミックシートを剥離するときの剥離帯電も大きい。そのため、離型フィルムを繰り出した際の剥離帯電により異物が付着し、セラミックシートを成形したときのピンホールの原因となる。さらには、いったん剥離したセラミックシートが、離型フィルム側に静電気で引っ張られて再付着する問題が生ずるため、剥離帯電の少ない、或いは帯電しても減衰の早い離型フィルムも求められている。
【0008】
【特許文献1】
特開平10−166532号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明の目的は、セラミックシートの離型性に優れ、スタッカーで剥離すときのセラミックシートの破れ、シワおよび戻りなどのないセラミックコンデンサー用離型フィルムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成せんとするものであり、本発明のセラミックコンデンサー用離型フィルムは、細孔を有するポリエステルフィルムの少なくとも片面に、離型用シリコーン樹脂層が形成されてなることを特徴とするセラミックコンデンサー用離型フィルムである。このように、ポリエステルフィルムに微小な細孔を設けて、これによりセラミックシートを離型フィルムから剥離するときのセラミックシートを離型フィルム間のエアー抜け性を改善させることで、セラミックシートを離型フィルムから剥離したときの破れ、シワおよび戻り等のない、優れた剥離特性を持つセラミックシート用離型フィルムを得ることができる。
【0011】
また、本発明のセラミックコンデンサー用離型フィルムの別の態様は、細孔を有するポリエステルフィルムの少なくとも片面に、帯電防止層を設け、その上に離型用シリコーン樹脂層が形成されてなることを特徴とするセラミックコンデンサー用離型フィルムである。このように、離型用シリコーン樹脂層の下に帯電防止層を設けることにより、セラミックシートを剥離したときの離型フィルム側の帯電減衰速度を向上させ、静電気によるセラミックシートの戻り現象を改善することができる。
【0012】
さらに、本発明においては、細孔の孔径が10μm以上150μm以下であり、かつ細孔の数が50個/cm2以上1,000個/cm2以下の範囲であること、および、離型用シリコーン樹脂層が形成される側のポリエステルフィルムの面における、高さ0.81μm以上の突起の個数が、3個/100cm2以下であることが好ましい態様として包含されている。このように、ポリエステルフィルムの離型処理面の高さが0.81μm以上ある粗大突起の個数を3個/100cm2以下に制御することにより、薄膜シートを剥離する際の剥離不良発生率を大幅に低減できるセラミックシート用離型フィルムが得られる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のセラミックシート用離型フィルムについて詳細に説明する。
【0014】
本発明のセラミックシート用離型フィルムは、ポリエステルフィルムと少なくともその片面に形成された離型用シリコーン樹脂層で基本的に構成されている。
【0015】
本発明で用いられるポリエステルフィルムとしては、芳香族ジカルボン酸を主たる酸成分としアルキレングリコールを主たるジオール成分とするポリエステルからなり、好適には2軸延伸したポリエステルフィルムが使用される。フィルムを構成する好ましいポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートなどが挙げられる。
【0016】
本発明で用いられるポリエステルフィルムの厚みは、機械的強度と生産性の面で10μm ̄100μmであることが好ましく、さらには25μm〜50μmであることがより好ましい。
【0017】
また、ポリエステルフィルムの少なくとも離型処理する表面、すなわち、離型用シリコーン樹脂層が形成される側の表面の0.81μm以上の粗大突起個数は好ましくは3個/100cm2以下であり、より好ましくは1個/100cm2以下であり、さらに好ましくは0個/100cm2である。突起個数が3個/100cm2を超えるとセラミックシートを離型フィルムから剥離したときに、セラミックシートが破れたり、ピンホールが発生したり、剥離しないなどの不具合が生ずることがある。
【0018】
0.81μm以上の突起を3個/100cm2 以下にするには、各工程のクリーン化が有効である。すなわち、1)離型フイルムの支持体となるポリエステル樹脂を重合する工程での異物及び凝集物の生成を低減、2)ポリエステルフィルム製造時に、原料ポリエステル樹脂中に含まれる異物及び凝集物の除去、3)シリコーン塗布加工時の塗液中の異物及び凝集物の除去、4)また、粒子を含有するポリエステル組成物の場合には、ポリエステル重合工程で、突起の原因となる粗大粒子や凝集粒子を低減させるため、ポリエステル重合反応系内にグリコールスラリーとして粒子を投入する際に事前に十分な分散処理、遠心分離処理、又は濾過処理を行う。
【0019】
突起の測定方法は、表面形状測定装置(菱化システム社製 マイクロマップ550)を用いて100cm2 当たりの高さ0.81μm以上の突起数を求めた。
【0020】
また、本発明で用いられるポリエステルフィルムにおいては、形成された細孔の孔径が好ましくは10μm以上150μm以下であり、かつ細孔の数が50個/cm2以上1,000個/cm2以下の範囲であることが好ましい。細孔の大きさが150μmを超えると、離型用シリコーン樹脂層を形成したとき、あるいはセラミックスラリーを塗布したときに、ポリエステルフィルムの裏側にシリコーン樹脂やセラミックスラリーが抜けて染み出てしまう場合があり、剥離不良や設備の汚れの原因となる。また、細孔の孔径が10μmより小さいとエア抜け性が不十分となりセラミックスシート剥離時の破れ、戻り、シワ等の問題が発生する。孔径の測定は、スケーリング機能が付与されている実体顕微鏡、または、イメージプロセッサ−を用いて実測する。
【0021】
本発明における細孔は、セラミックシートを離型フィルムから剥離するときのエアー抜け性を改善して剥離不良を軽減することにあるが、その数が50個/cm2未満であるとセラミックシートを剥離するときのエアー抜け性が十分でなく、逆に、1000個/cm2を超えると離型フィルムの機械的強度が低下し好ましくない。また、これらの微小な細孔は、離型処理をする面の方向から裏面(反対面)に向けて開いていることが好ましく、逆であると細孔を打ち抜いたときのバリが剥離面に出て剥離性に影響することがある。
【0022】
ポリエステルフィルムに細孔を形成する方法としては、特に限定はされないが、打ち抜き、エッチングあるいはレーザーカットなどを利用することができる。
【0023】
本発明において、細孔を形成は、ポリエステルフィルムに離型用シリコーン樹脂層を形成する前に行っても良く、離型用シリコーン樹脂層を設けてから行っても良い。
【0024】
また、本発明で用いられるポリエステルフィルムは、従来から知られている製造方法で製造することができる。ポリエステルを乾燥後、押出機にて溶融し、ダイ(Tダイ、Iダイ等)から回転冷却ドラム上に押出し、急冷して未延伸フィルムを製造し、ついで該未延伸フィルムを縦方向及び横方向に延伸し、必要に応じて熱固定することにより製造する。
【0025】
離型用シリコーン樹脂の密着性を向上させるために、ポリエステルフィルムの表面にコロナ処理をしてもよく、または易接着処理したものでもよい。
【0026】
本発明で使用される離型用シリコーン樹脂としては、付加反応型、縮重合反応型、紫外線硬化型、または電子線硬化型のシリコーン樹脂等を使用することが出来る。
【0027】
付加反応型シリコーン樹脂としては、末端ビニル基を含有するポリジメチルシロキサンとハイドロジェンシロキサンを白金触媒のもとに、加熱硬化させたものが挙げられる。具体例としては、信越化学工業(株)製のKS−774、KS843、KS847、KS847HおよびKS838(いずれも商品名)、東レダウコーニング(株)製SD7226、SD7223、SRX211、SRX345、SD7236およびSRX370(いずれも商品名)などが挙げられる。
【0028】
縮重合反応型シリコーン樹脂としては、末端に水酸基を含有するポリジメチルシロキサンとハイドロジェンシロキサンを有機錫触媒を用いて加熱硬化させたものが好ましく用いられる。具体例としては東レダウコーニング(株)製SRX290やSYLOFF23(いずれも商品名)が挙げられる。
【0029】
紫外線硬化型シリコーン樹脂としては、ビニルシロキサンを白金触媒の存在下でヒドロシリル化させる付加反応タイプ具体例としては、信越化学工業(株)製X62−5039やX62−5040(いずれも商品名)などが挙げられる。アルケニル基を含むシロキサンとメルカプト基を含むシロキサンを光重合触媒を用いて硬化させるラジカル付加タイプ(具体例としては、東レダウコーニング(株)製BY24−510HやBY24−544(いずれも商品名)などが挙げられる。)およびエポキシ基をオニウム塩開始剤にて光開環させて硬化させるカチオン重合タイプ(具体例としては、GE東芝シリコーン(株)製TPR6501、UV9300およびXS56−A2775(いずれも商品名)など)、(メタ)アクリル基含有シリコーンをラジカル重合させるタイプ(具体例としては、東洋インキ(株)製フルシェードU−311などが挙げられる。
【0030】
これらの離型用シリコーン樹脂を、ポリエステルフィルムに形成する方法としては、一般的なコーティング方式を利用することが出来る。例えば、グラビアコート、グラビアリバースコート、リップコート、ダイコート、マイクログラビアコート、マイヤーバーコートおよび多段リバースコートなどの塗布方式を使用することができる。
【0031】
離型用シリコーン樹脂層の塗布厚みは、乾燥後塗布厚で0.02〜0.5μmとすることが好ましく、さらには、0.05〜0.3μmとすることがより好ましい。塗布厚みが0.02μm未満では剥離性能が悪くバラツキも多く、また0.5μmを超えると乾燥性が悪くシリコーン移行性も低下することがある。
【0032】
また、離型用シリコーン樹脂層とポリエステルフィルムとの密着性を向上させるために、離型用シリコーン樹脂を塗布する前に、ポリエステルフィルム表面にコロナ処理、もしくは、アンカーコートを施してもよい。
【0033】
本発明の他の態様として、ポリエステルフィルム上に離型用シリコーン樹脂層を形成する前に、帯電防止層を形成することができる。本発明において帯電防止層に用いられる帯電防止剤としては、アニオン系帯電防止剤、カチオン系帯電防止剤およびノニオン系帯電防止剤などの界面活性剤タイプ(具体例として、大日精化(株)製SP−V、コルコート社製コルコートN121X、吉村油化学(株)製エリークPS−506(←いずれも商品名))のものや、ポリピロール、ポリアニリン、ポリアセチレンおよびポリチオフェンなどの導電性ポリマーや、ATOやITOなどの金属酸化物の導電性微粒子を分散させたタイプの帯電防止剤を使用することができる。
【0034】
本発明において、帯電防止層の表面抵抗値は、1012Ω/□以下であることが好ましく、より好ましくは1010Ω/□以下、さらに好ましくは108Ω/□以下である。表面抵抗値が1012Ω/□を超えると帯電減衰性に劣り、セラミックシートを剥離するときに、静電気で剥離したシートがフィルムに引き寄せられて戻るなどの剥離不良が多くなる傾向がある。
【0035】
帯電防止層の厚みは、上記表面抵抗値を満足しておればよいが、帯電防止効果と塗工性を考慮して、0.1μm〜1.0μmが好ましい。形成方法もグラビアコートなどの公知の塗布方法を利用すればよい。
【0036】
上記のように製造したセラミックスコンデンサー用離型フィルムは、セラミックススラリーをドクターブレード方式にてコートし乾燥後に剥離させセラミックスシートを作成するのに使用される。
【0037】
【実施例】
次に、実施例を用いて本発明のセラミックコンデンサー用離型フィルムを説明するが、本発明は何らこれらの実施例に限定されるものではない。なお、下記実施例及び比較例で得た離型フィルムの物性評価は、次の試験方法に従って行った。 〔剥離力〕
離型処理面に粘着テープ(日東電工(株)製、ポリエステルテープ商品名31B)を、5kgfのゴムローラーを1往復させて圧着し、20℃65%RH24時間放置後、引張り圧縮試験機を用いて300mm/分の速度でT字剥離したときの抵抗値を測定した。
【0038】
〔セラミックスラリーの剥離特性〕
チタン酸バリウム(富士チタン工業製商品名HPBT−1)100重量部、ポリビニルブチラール(積水化学株式会社製商品名BL−1)10重量部、フタル酸ジブチル5重量部とトルエン−エタノール(重量比30:30)60重量部に、粒径約2mmのガラスビーズを加え、ジェットミルにて20時間混合・分散させた後、濾過してペースト状のセラミックスラリーを調整した。得られたセラミックスラリーを、離型フィルムの上に乾燥後の厚みが10μmとなるように塗布し乾燥後、T字剥離したときの状況を観察し、下記基準により評価した。
○:10枚のセラミックシートを剥離した時に全てのシートで、破れ、ピンホール、シワなどの剥離不良が認められない場合
△:10枚のセラミックシートを剥離したとき、破れ、ピンホール、シワなどの剥離不良の発生したシートが2枚以下であった場合
×:10枚のセラミックシートを剥離したとき、破れ、ピンホール、シワなどの剥離不良が2枚を超えるシートで発生した場合。
【0039】
〔実施例1〕
厚さ38μmのポリエステルフィルム(東レ(株)製登録商標”ルミラー”T70D;0.81μm以上の表面粗大突起個数1〜2個/100cm2)に、エキシマレーザー製穴空け機で孔径100μmの細孔を1cm2当り100個打ち抜いたフィルムの片面に、付加反応型シリコーン(東レダウシリコーン(株)製商品名LTC750A)100重量部、白金触媒(東レダウシリコーン(株)製商品名SRX212)1重量部を固形分5%に調整した塗布液を、乾燥後の塗布厚みが0.1μmとなるようにワイヤーバー(No.5)を用いて塗布し、120℃で30秒乾燥硬化して離型フィルムを得た。得られた結果を表1に示した。
【0040】
〔実施例2〕
厚さ38μmのポリエステルフィルム(東レ(株)製登録商標”ルミラー”R58;0.81μm以上の表面粗大突起個数0個/100cm2)の片面に、シロキサン系帯電防止剤(コルコート社製商品名コルコートN103X)を乾燥塗布厚が0.2μmとなるようにグラビアコーターで塗布/乾燥し、その上に硬化型シリコーン樹脂(信越化学(株)製商品名KS847)100重量部、白金触媒(信越化学(株)製商品名PL50T)1重量部からなる塗布液を、乾燥後厚みが0.1μmとなるようにグラビアコートで塗布し、140℃で20秒乾燥硬化した後、このフィルムに、エキシマレーザー製穴空け機で孔径100μmの細孔を100個/cm2開けて細孔付き離型フィルムを得た。得られたフィルムの表面抵抗値は、5×109 Ω/□であった。ほかの得られた結果を表1に示した。
【0041】
〔実施例3〕
実施例1でエキシマレーザー製穴空け機で孔径100μmの細孔の数を900個/cm2としたこと以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを得た。得られた結果を表1に示した。
【0042】
〔実施例4〕
実施例1でエキシマレーザー製穴空け機で孔径50μmの細孔の数を100個/cm2 したこと以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを得た。得られた結果を表1に示した。
【0043】
〔比較例1〕
実施例1で細孔を開けずに、実施例1と同様にして離型フィルムを得た。得られた結果を表1に示した。
〔比較例2〕
実施例2で細孔を開けずに、実施例2と同様にして離型フィルムを得た。得られた結果を表1に示した。
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のセラミックコンデンサー用離型フィルムは、セラミックシートを離型フィルムから剥離するときのエアー抜け性を改善させることができ、またフィルムの表面粗大突起を限定することにより、セラミックシートを離型フィルムから剥離したときのシート破れ、ピンホール、シワなどを減少させることができる。さらには、離型層の下に帯電防止層を設けたことにより、セラミックシートを剥離したときの離型フィルムの帯電減衰速度を向上させることができ、静電気による剥離したセラミックシートの戻り現象を改善することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、微小な細孔を形成したポリエステルフィルムを基材とし、その少なくとも片面に離型層を設けたセラミックコンデンサー用離型フィルムであって、特に薄膜のセラミックコンデンサーを製造する際に、スタッカーと呼ばれる剥離装置でグリーンシートを剥離したときの剥離特性に優れ、グリーンシートの破れ、シワ、戻りなどのないセラミックコンデンサー用離型フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、プラスチックフィルムの表面に離型層を設けた離型フィルムは、粘着ラベル、粘着フィルム、液晶用偏光フィルムなどの剥離フィルム、またはセラミックシート、ポリ塩化ビニルシート成形などの工程用フィルムとして広く利用されている。
【0003】
積層セラミックコンデンサー製造用の離型フィルムとしては、機械的強度、耐熱性、熱寸法安定性および耐薬品性に優れ、且つ経済的であるポリエチレンテレフタレートフィルムの少なくとも片面に、剥離紙用シリコーン系樹脂層を設けたキャリアフィルムが一般的に使用されている。
【0004】
近年、積層セラミックコンデンサーは、小型と高容量化のために、セラミックシートの厚さをより薄膜化し、かつより多層化することが盛んに行われている。ちなみに、現在はセラミックシートの厚み5〜10μmのものが汎用的に用いられているが、薄膜化シートとしては3〜5μm程度の厚みのものが開発されており、さらには1〜3μm程度の厚みのものが検討されている。しかしながら、このようにセラミックシートの厚みが薄くなるにつれ、セラミックシートを離型フィルムから剥離するときの剥離力が大きくなり、また、セラミックシート自体の強度が弱くなるため、より剥離力の小さい離型フィルムが必要となってきた。
【0005】
ところが、従来の軽剥離と呼ばれる離型フィルム(特許文献1参照。)では、薄膜セラミックシートの製造には剥離不良が発生する問題があり、より剥離力が小さく、剥離欠陥の少ない離型フィルムが求められている。即ち、セラミックシートの厚みが10μm程度では、大きな問題とならなかった離型フィルム表面の粗大突起が、剥離不良やピンホールの原因となるため、使用するポリエステルフィルム表面の平面性及び粗大突起の制御が重要となってきている。
【0006】
しかしながら、表面を平滑にし平面性をあげることにより、離型フィルムとセラミックシートの吸着が起こりやすくなり剥離性に大きく影響する。そのため、離型フィルムとセラミックシートの間のエアー抜け性を向上させる必要がある。
【0007】
また、シリコーン樹脂を主成分とする離型層は誘電率が高く、セラミックシートを剥離するときの剥離帯電も大きい。そのため、離型フィルムを繰り出した際の剥離帯電により異物が付着し、セラミックシートを成形したときのピンホールの原因となる。さらには、いったん剥離したセラミックシートが、離型フィルム側に静電気で引っ張られて再付着する問題が生ずるため、剥離帯電の少ない、或いは帯電しても減衰の早い離型フィルムも求められている。
【0008】
【特許文献1】
特開平10−166532号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明の目的は、セラミックシートの離型性に優れ、スタッカーで剥離すときのセラミックシートの破れ、シワおよび戻りなどのないセラミックコンデンサー用離型フィルムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成せんとするものであり、本発明のセラミックコンデンサー用離型フィルムは、細孔を有するポリエステルフィルムの少なくとも片面に、離型用シリコーン樹脂層が形成されてなることを特徴とするセラミックコンデンサー用離型フィルムである。このように、ポリエステルフィルムに微小な細孔を設けて、これによりセラミックシートを離型フィルムから剥離するときのセラミックシートを離型フィルム間のエアー抜け性を改善させることで、セラミックシートを離型フィルムから剥離したときの破れ、シワおよび戻り等のない、優れた剥離特性を持つセラミックシート用離型フィルムを得ることができる。
【0011】
また、本発明のセラミックコンデンサー用離型フィルムの別の態様は、細孔を有するポリエステルフィルムの少なくとも片面に、帯電防止層を設け、その上に離型用シリコーン樹脂層が形成されてなることを特徴とするセラミックコンデンサー用離型フィルムである。このように、離型用シリコーン樹脂層の下に帯電防止層を設けることにより、セラミックシートを剥離したときの離型フィルム側の帯電減衰速度を向上させ、静電気によるセラミックシートの戻り現象を改善することができる。
【0012】
さらに、本発明においては、細孔の孔径が10μm以上150μm以下であり、かつ細孔の数が50個/cm2以上1,000個/cm2以下の範囲であること、および、離型用シリコーン樹脂層が形成される側のポリエステルフィルムの面における、高さ0.81μm以上の突起の個数が、3個/100cm2以下であることが好ましい態様として包含されている。このように、ポリエステルフィルムの離型処理面の高さが0.81μm以上ある粗大突起の個数を3個/100cm2以下に制御することにより、薄膜シートを剥離する際の剥離不良発生率を大幅に低減できるセラミックシート用離型フィルムが得られる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のセラミックシート用離型フィルムについて詳細に説明する。
【0014】
本発明のセラミックシート用離型フィルムは、ポリエステルフィルムと少なくともその片面に形成された離型用シリコーン樹脂層で基本的に構成されている。
【0015】
本発明で用いられるポリエステルフィルムとしては、芳香族ジカルボン酸を主たる酸成分としアルキレングリコールを主たるジオール成分とするポリエステルからなり、好適には2軸延伸したポリエステルフィルムが使用される。フィルムを構成する好ましいポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートなどが挙げられる。
【0016】
本発明で用いられるポリエステルフィルムの厚みは、機械的強度と生産性の面で10μm ̄100μmであることが好ましく、さらには25μm〜50μmであることがより好ましい。
【0017】
また、ポリエステルフィルムの少なくとも離型処理する表面、すなわち、離型用シリコーン樹脂層が形成される側の表面の0.81μm以上の粗大突起個数は好ましくは3個/100cm2以下であり、より好ましくは1個/100cm2以下であり、さらに好ましくは0個/100cm2である。突起個数が3個/100cm2を超えるとセラミックシートを離型フィルムから剥離したときに、セラミックシートが破れたり、ピンホールが発生したり、剥離しないなどの不具合が生ずることがある。
【0018】
0.81μm以上の突起を3個/100cm2 以下にするには、各工程のクリーン化が有効である。すなわち、1)離型フイルムの支持体となるポリエステル樹脂を重合する工程での異物及び凝集物の生成を低減、2)ポリエステルフィルム製造時に、原料ポリエステル樹脂中に含まれる異物及び凝集物の除去、3)シリコーン塗布加工時の塗液中の異物及び凝集物の除去、4)また、粒子を含有するポリエステル組成物の場合には、ポリエステル重合工程で、突起の原因となる粗大粒子や凝集粒子を低減させるため、ポリエステル重合反応系内にグリコールスラリーとして粒子を投入する際に事前に十分な分散処理、遠心分離処理、又は濾過処理を行う。
【0019】
突起の測定方法は、表面形状測定装置(菱化システム社製 マイクロマップ550)を用いて100cm2 当たりの高さ0.81μm以上の突起数を求めた。
【0020】
また、本発明で用いられるポリエステルフィルムにおいては、形成された細孔の孔径が好ましくは10μm以上150μm以下であり、かつ細孔の数が50個/cm2以上1,000個/cm2以下の範囲であることが好ましい。細孔の大きさが150μmを超えると、離型用シリコーン樹脂層を形成したとき、あるいはセラミックスラリーを塗布したときに、ポリエステルフィルムの裏側にシリコーン樹脂やセラミックスラリーが抜けて染み出てしまう場合があり、剥離不良や設備の汚れの原因となる。また、細孔の孔径が10μmより小さいとエア抜け性が不十分となりセラミックスシート剥離時の破れ、戻り、シワ等の問題が発生する。孔径の測定は、スケーリング機能が付与されている実体顕微鏡、または、イメージプロセッサ−を用いて実測する。
【0021】
本発明における細孔は、セラミックシートを離型フィルムから剥離するときのエアー抜け性を改善して剥離不良を軽減することにあるが、その数が50個/cm2未満であるとセラミックシートを剥離するときのエアー抜け性が十分でなく、逆に、1000個/cm2を超えると離型フィルムの機械的強度が低下し好ましくない。また、これらの微小な細孔は、離型処理をする面の方向から裏面(反対面)に向けて開いていることが好ましく、逆であると細孔を打ち抜いたときのバリが剥離面に出て剥離性に影響することがある。
【0022】
ポリエステルフィルムに細孔を形成する方法としては、特に限定はされないが、打ち抜き、エッチングあるいはレーザーカットなどを利用することができる。
【0023】
本発明において、細孔を形成は、ポリエステルフィルムに離型用シリコーン樹脂層を形成する前に行っても良く、離型用シリコーン樹脂層を設けてから行っても良い。
【0024】
また、本発明で用いられるポリエステルフィルムは、従来から知られている製造方法で製造することができる。ポリエステルを乾燥後、押出機にて溶融し、ダイ(Tダイ、Iダイ等)から回転冷却ドラム上に押出し、急冷して未延伸フィルムを製造し、ついで該未延伸フィルムを縦方向及び横方向に延伸し、必要に応じて熱固定することにより製造する。
【0025】
離型用シリコーン樹脂の密着性を向上させるために、ポリエステルフィルムの表面にコロナ処理をしてもよく、または易接着処理したものでもよい。
【0026】
本発明で使用される離型用シリコーン樹脂としては、付加反応型、縮重合反応型、紫外線硬化型、または電子線硬化型のシリコーン樹脂等を使用することが出来る。
【0027】
付加反応型シリコーン樹脂としては、末端ビニル基を含有するポリジメチルシロキサンとハイドロジェンシロキサンを白金触媒のもとに、加熱硬化させたものが挙げられる。具体例としては、信越化学工業(株)製のKS−774、KS843、KS847、KS847HおよびKS838(いずれも商品名)、東レダウコーニング(株)製SD7226、SD7223、SRX211、SRX345、SD7236およびSRX370(いずれも商品名)などが挙げられる。
【0028】
縮重合反応型シリコーン樹脂としては、末端に水酸基を含有するポリジメチルシロキサンとハイドロジェンシロキサンを有機錫触媒を用いて加熱硬化させたものが好ましく用いられる。具体例としては東レダウコーニング(株)製SRX290やSYLOFF23(いずれも商品名)が挙げられる。
【0029】
紫外線硬化型シリコーン樹脂としては、ビニルシロキサンを白金触媒の存在下でヒドロシリル化させる付加反応タイプ具体例としては、信越化学工業(株)製X62−5039やX62−5040(いずれも商品名)などが挙げられる。アルケニル基を含むシロキサンとメルカプト基を含むシロキサンを光重合触媒を用いて硬化させるラジカル付加タイプ(具体例としては、東レダウコーニング(株)製BY24−510HやBY24−544(いずれも商品名)などが挙げられる。)およびエポキシ基をオニウム塩開始剤にて光開環させて硬化させるカチオン重合タイプ(具体例としては、GE東芝シリコーン(株)製TPR6501、UV9300およびXS56−A2775(いずれも商品名)など)、(メタ)アクリル基含有シリコーンをラジカル重合させるタイプ(具体例としては、東洋インキ(株)製フルシェードU−311などが挙げられる。
【0030】
これらの離型用シリコーン樹脂を、ポリエステルフィルムに形成する方法としては、一般的なコーティング方式を利用することが出来る。例えば、グラビアコート、グラビアリバースコート、リップコート、ダイコート、マイクログラビアコート、マイヤーバーコートおよび多段リバースコートなどの塗布方式を使用することができる。
【0031】
離型用シリコーン樹脂層の塗布厚みは、乾燥後塗布厚で0.02〜0.5μmとすることが好ましく、さらには、0.05〜0.3μmとすることがより好ましい。塗布厚みが0.02μm未満では剥離性能が悪くバラツキも多く、また0.5μmを超えると乾燥性が悪くシリコーン移行性も低下することがある。
【0032】
また、離型用シリコーン樹脂層とポリエステルフィルムとの密着性を向上させるために、離型用シリコーン樹脂を塗布する前に、ポリエステルフィルム表面にコロナ処理、もしくは、アンカーコートを施してもよい。
【0033】
本発明の他の態様として、ポリエステルフィルム上に離型用シリコーン樹脂層を形成する前に、帯電防止層を形成することができる。本発明において帯電防止層に用いられる帯電防止剤としては、アニオン系帯電防止剤、カチオン系帯電防止剤およびノニオン系帯電防止剤などの界面活性剤タイプ(具体例として、大日精化(株)製SP−V、コルコート社製コルコートN121X、吉村油化学(株)製エリークPS−506(←いずれも商品名))のものや、ポリピロール、ポリアニリン、ポリアセチレンおよびポリチオフェンなどの導電性ポリマーや、ATOやITOなどの金属酸化物の導電性微粒子を分散させたタイプの帯電防止剤を使用することができる。
【0034】
本発明において、帯電防止層の表面抵抗値は、1012Ω/□以下であることが好ましく、より好ましくは1010Ω/□以下、さらに好ましくは108Ω/□以下である。表面抵抗値が1012Ω/□を超えると帯電減衰性に劣り、セラミックシートを剥離するときに、静電気で剥離したシートがフィルムに引き寄せられて戻るなどの剥離不良が多くなる傾向がある。
【0035】
帯電防止層の厚みは、上記表面抵抗値を満足しておればよいが、帯電防止効果と塗工性を考慮して、0.1μm〜1.0μmが好ましい。形成方法もグラビアコートなどの公知の塗布方法を利用すればよい。
【0036】
上記のように製造したセラミックスコンデンサー用離型フィルムは、セラミックススラリーをドクターブレード方式にてコートし乾燥後に剥離させセラミックスシートを作成するのに使用される。
【0037】
【実施例】
次に、実施例を用いて本発明のセラミックコンデンサー用離型フィルムを説明するが、本発明は何らこれらの実施例に限定されるものではない。なお、下記実施例及び比較例で得た離型フィルムの物性評価は、次の試験方法に従って行った。 〔剥離力〕
離型処理面に粘着テープ(日東電工(株)製、ポリエステルテープ商品名31B)を、5kgfのゴムローラーを1往復させて圧着し、20℃65%RH24時間放置後、引張り圧縮試験機を用いて300mm/分の速度でT字剥離したときの抵抗値を測定した。
【0038】
〔セラミックスラリーの剥離特性〕
チタン酸バリウム(富士チタン工業製商品名HPBT−1)100重量部、ポリビニルブチラール(積水化学株式会社製商品名BL−1)10重量部、フタル酸ジブチル5重量部とトルエン−エタノール(重量比30:30)60重量部に、粒径約2mmのガラスビーズを加え、ジェットミルにて20時間混合・分散させた後、濾過してペースト状のセラミックスラリーを調整した。得られたセラミックスラリーを、離型フィルムの上に乾燥後の厚みが10μmとなるように塗布し乾燥後、T字剥離したときの状況を観察し、下記基準により評価した。
○:10枚のセラミックシートを剥離した時に全てのシートで、破れ、ピンホール、シワなどの剥離不良が認められない場合
△:10枚のセラミックシートを剥離したとき、破れ、ピンホール、シワなどの剥離不良の発生したシートが2枚以下であった場合
×:10枚のセラミックシートを剥離したとき、破れ、ピンホール、シワなどの剥離不良が2枚を超えるシートで発生した場合。
【0039】
〔実施例1〕
厚さ38μmのポリエステルフィルム(東レ(株)製登録商標”ルミラー”T70D;0.81μm以上の表面粗大突起個数1〜2個/100cm2)に、エキシマレーザー製穴空け機で孔径100μmの細孔を1cm2当り100個打ち抜いたフィルムの片面に、付加反応型シリコーン(東レダウシリコーン(株)製商品名LTC750A)100重量部、白金触媒(東レダウシリコーン(株)製商品名SRX212)1重量部を固形分5%に調整した塗布液を、乾燥後の塗布厚みが0.1μmとなるようにワイヤーバー(No.5)を用いて塗布し、120℃で30秒乾燥硬化して離型フィルムを得た。得られた結果を表1に示した。
【0040】
〔実施例2〕
厚さ38μmのポリエステルフィルム(東レ(株)製登録商標”ルミラー”R58;0.81μm以上の表面粗大突起個数0個/100cm2)の片面に、シロキサン系帯電防止剤(コルコート社製商品名コルコートN103X)を乾燥塗布厚が0.2μmとなるようにグラビアコーターで塗布/乾燥し、その上に硬化型シリコーン樹脂(信越化学(株)製商品名KS847)100重量部、白金触媒(信越化学(株)製商品名PL50T)1重量部からなる塗布液を、乾燥後厚みが0.1μmとなるようにグラビアコートで塗布し、140℃で20秒乾燥硬化した後、このフィルムに、エキシマレーザー製穴空け機で孔径100μmの細孔を100個/cm2開けて細孔付き離型フィルムを得た。得られたフィルムの表面抵抗値は、5×109 Ω/□であった。ほかの得られた結果を表1に示した。
【0041】
〔実施例3〕
実施例1でエキシマレーザー製穴空け機で孔径100μmの細孔の数を900個/cm2としたこと以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを得た。得られた結果を表1に示した。
【0042】
〔実施例4〕
実施例1でエキシマレーザー製穴空け機で孔径50μmの細孔の数を100個/cm2 したこと以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを得た。得られた結果を表1に示した。
【0043】
〔比較例1〕
実施例1で細孔を開けずに、実施例1と同様にして離型フィルムを得た。得られた結果を表1に示した。
〔比較例2〕
実施例2で細孔を開けずに、実施例2と同様にして離型フィルムを得た。得られた結果を表1に示した。
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のセラミックコンデンサー用離型フィルムは、セラミックシートを離型フィルムから剥離するときのエアー抜け性を改善させることができ、またフィルムの表面粗大突起を限定することにより、セラミックシートを離型フィルムから剥離したときのシート破れ、ピンホール、シワなどを減少させることができる。さらには、離型層の下に帯電防止層を設けたことにより、セラミックシートを剥離したときの離型フィルムの帯電減衰速度を向上させることができ、静電気による剥離したセラミックシートの戻り現象を改善することができる。
Claims (4)
- 細孔を有するポリエステルフィルムの少なくとも片面に、離型用シリコーン樹脂層が形成されてなることを特徴とするセラミックコンデンサー用離型フィルム。
- 細孔を有するポリエステルフィルムの少なくとも片面に、帯電防止層を設け、その上に離型用シリコーン樹脂層が形成されてなることを特徴とするセラミックコンデンサー用離型フィルム。
- 細孔の孔径が10μm以上150μm以下であり、かつ細孔の数が50個/cm2以上1000個/cm2以下の範囲である請求項1または2記載のセラミックコンデンサー用離型フィルム。
- 離型用シリコーン樹脂層が形成される側のポリエステルフィルムの面における、高さ0.81μm以上の突起の個数が、3個/100cm2以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のセラミックコンデンサー用離型フィルム。
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JP2010143037A (ja) * | 2008-12-18 | 2010-07-01 | Toray Advanced Film Co Ltd | 離型フィルム |
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CN114478054A (zh) * | 2022-02-25 | 2022-05-13 | 郑州磨料磨具磨削研究所有限公司 | 一种多孔陶瓷及其制备方法 |
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2003
- 2003-03-28 JP JP2003090552A patent/JP2004296995A/ja active Pending
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