JP4622079B2 - セラミックシート製造用離型フィルム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリエステルフィルムを基材とする離型フィルムに関し、より詳細には、剥離力が小さくて且つ安定した剥離性能を有し、特に薄膜セラミックシート製造用として、ピンホールや柚肌などの欠陥のない均一なセラミックシートを与える離型フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルムを基材とし、その上に離型層を積層した離型フィルムは、粘着ラベル、粘着テープ等の台紙として広く使用されている。
【0003】
また最近では、携帯電話の急激な普及に伴って積層セラミックコンデンサーの需要が大幅に拡大してきている。積層セラミックコンデンサーは、一時的に電気を蓄える特性を利用し電流を安定させる目的で使用されるもので、電子回路には不可欠の部材であり、携帯電話には約250個の積層セラミックコンデンサーが使用されている。
【0004】
積層セラミックコンデンサー用のセラミックシートを製造する際に用いられるフィルムは、工程用キャリアフィルムとして、機械的強度、寸法安定性、耐熱性、価格などの観点から、二軸延伸ポリエステルフィルムが使用され、その少なくとも片面に、離型層としてシリコーン系樹脂皮膜を設けた離型フィルムの使用が一般化してきている。この様なシリコーン系樹脂皮膜を有する剥離フィルムとしては、特開昭60−141553号公報、特開平3−231812号公報、特公平4−59207号公報、同6−2393号公報などが知られている。
【0005】
前記セラミックシートは、チタン酸バリウム、アルミナ等のセラミック粉末を分散させた水系ないし有機系の溶剤に、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール等の高分子バインダーと可塑剤や分散剤を加えたものを高速ミキサーやボールミルなどによって混合分散し、得られるセラミックスラリーを、離型フィルムの離型層表面にドクターブレード法などで数百〜数十μm程度の厚さに塗付して乾燥させた後、離型フィルムから剥離して巻き取る方法により製造されている。
【0006】
一方、積層セラミックコンデンサーの小型・大容量化が進んでくるにつれて、セラミックシートは益々薄膜化していく傾向があり、現在使用されているセラミックシートの厚みは7〜10μm程度であるが、3〜5μm程度の厚みのものが開発されてきており、更に1〜2μm程度の厚みのものも検討されつつある。また数年後には、セラミックシートの薄膜化は1μm未満にまで進んでいくものと予測される。
【0007】
ところが、セラミックシートの厚みが薄くなるにつれて、セラミックシートを離型フィルムからの剥離する際の剥離力が大きくなり、剥離不良が多発するという新しい問題が生じてきた。それに伴って、離型フィルムとしてより剥離力の小さいものが求められている。例えばラベル用等として用いられる離型フィルムは、剥離力が小さいものであっても、薄膜セラミックシートの製造に適したものとはいえず、より剥離力の小さい離型フィルムが求められている。
【0008】
また、セラミックシートの離型層からの剥離性は、セラミックの種類によっても大きく変動するので、セラミックの種類に応じた最適の離型性を有する離型層を選択することは非常に難しい。
【0009】
例えば、ある特定組成のセラミックシートとの剥離力が小さい剥離フィルムを設計しても、セラミックシートの構成成分(セラミックの種類や粒径、バインダーの種類、それらの含有比率など)やセラミックシートの厚みが変わると、セラミックシートと離型フィルムの剥離層との剥離力が変化するため、再びその特定組成のセラミックシートに最適な離型フィルムの離型層組成を設計する必要があった。
【0010】
又、剥離力の小さい離型フィルムであればあるほど、離型層とベースフィルムとの密着性は悪化する傾向が強い。離型フィルムはセラミックシートの製造工程、特にセラミックスラリーを離型フィルムに塗工する前の駆動ロールや粘着ロールなどの剪断力や粘着力が付与される工程で、離型層とベースフィルムとの密着性が悪いと、離型フィルムの離型層が脱落し易くなり、ひいてはセラミックシートの剥離不良や平滑性不良等を招く原因になる。従って離型フィルムには、離型層とベースフィルムとの密着耐久性も重要な要求特性となる。
【0011】
更に、離型層表面に低分子量あるいは未反応のシリコーン樹脂が存在すると、特にドクターブレード法でセラミックスラリーを離型フィルムの離型面に塗付する際に、セラミックスラリー中の溶剤によって離型層中の低分子量あるいは未反応のシリコーン樹脂がセラミックスラリー中に溶出する。そのため長時間連続コートを行なうと、セラミックシート中の低分子量あるいは未反応のシリコーン樹脂の含有量が経時的に増大し、その結果として、セラミックシートを離型層表面にコートしたとき、離型層面に低分子量あるいは未反応のシリコーン樹脂が核となってスラリーが穴状にはじく(ピンホール)現象が経時的に増加したり、セラミックシート面にシリコーン樹脂が転移することがある。これは、ドクターブレード法によるコーティングの場合、塗付時に塗付液が滞留する構造であること、またブレードにより掻き落された過剰の塗付液が元の塗付液用タンクに循環・再利用されるためである。この様な現象が生じると、セラミックシートの剥離不良や、セラミックシートへの電極印刷の不良等、製品の品質や歩留りに少なからぬ悪影響を及ぼす。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の様な問題点に着目してなされたものであって、その目的は、特に薄膜セラミックシートを製造する際に、イ)セラミックシート剥離時の剥離力が小さく、ロ)離型層とベースフィルムとの密着性が良好で、ハ)離型層からの低分子量あるいは未反応のシリコーン樹脂の転移によるセラミックシートのピンホール欠陥等を生じることのない離型層を有する離型フィルムを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記の様な課題の解決を期して鋭意検討を重ねた結果、剥離界面のセラミックシートと離型フィルムの離型層とのダイナミック硬度差を特定範囲に制御すれば、セラミックシートの構成成分(セラミックの種類や粒径、バインダーの種類、それらの含有比率など)やセラミックシートの厚みに影響されることなく、セラミックシート製造時の剥離過程で優れた剥離性を示し、また特定値以下のラブオフ値を有する硬化型離型フィルムは、セラミックシート製造過程で離型層脱落による不具合を生じることがなく、更には、離型層の特定溶剤によるシリコーン樹脂の抽出量を特定量以下に抑えてやれば、セラミックスラリー塗工時のピンホール等の不具合も生じなくなることを見出し、本発明に到達したものである。
【0014】
即ち、本発明にかかるセラミックシート製造用離型フィルムとは、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、硬化型シリコーン樹脂を主たる構成成分とする離型層を設けたセラミックシート製造用の離型フィルムであって、前記離型層表面にセラミックシートを積層した際のセラミックシート層表面のダイナミック硬度(A)と前記離型層表面のダイナミック硬度(B)との差の絶対値が下記式(1)の関係を満足し、且つ、前記離型層のラブオフ値が10以下で、ヘキサンによるシリコーン抽出量が3mg/m2以下であるところに要旨を有している。
|A−B|≦20(gf/μm2)……(1)
[ここでラブオフ値とは、離型層表面に粘着剤層を設けた時の離型層と粘着剤層との剥離力を、離型フィルムの離型層表面を摩擦材で10往復摩擦させた後と摩擦前で測定し、摩擦後の剥離力(P10)と摩擦前の剥離力(P0)との比(P10/P0)を表わす]
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかるセラミックシート製造用離型フィルムの構成および作用効果について詳細に説明していく。
【0016】
本発明において、基材となるポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂の種類は特に限定されず、離型フィルム基材として一般に使用されるポリエステルをフィルム状に成形したものが全て使用可能であるが、中でも特に好ましいのは、芳香族ジカルボン酸成分とジオール成分からなる結晶性の線状飽和ポリエステルであり、具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリメチレンテレフタレート等が挙げられる。
【0017】
なお本発明のセラミックシート製造用離型フィルムは、離型層からセラミックシートを剥離した時点でキャリアフィルムとしての使命を終えて廃棄されるが、従来の離型フィルムのベースフィルム素材として用いられる上記ポリエチレンテレフタレートフィルムやポリエチレン−2,6−ナフタレートフィルムなどは生分解機能を有しておらず、焼却処分せざるを得ない。
【0018】
従ってベースフィルムの素材としては、自然界で分解する生分解性を有し、燃焼時にも熱量が少なくて焼却炉を傷めないなどの環境負荷が少なく、且つ透明性や機械的強度に優れた生分解性プラスチックフィルムを使用することが望ましい。
【0019】
この様な生分解性プラスチックフィルムとしては、例えば主たる繰返し単位が、一般式、−O−CHR−CO−(Rは水素または炭素数1〜3のアルキル基を表す)で示される単位からなる脂肪族系ポリエステルフィルムなどが挙げられる。前記繰返し単位を有する脂肪族系ポリエステルとしては、例えばポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ(2−オキシ酪酸)などを挙げることができ、これらの1種または2種以上を適宜選択して使用できる。2種以上を併用する場合は、混合物や共重合体として使用できる。また、ポリマー中に不斉炭素を有するものでは、L−体、DL−体、D−体といった光学異性体が存在するが、これらの何れでもよく、これら2種以上の異性体が混在するものであっても勿論構わない。
【0020】
前記脂肪族ポリエステルとしては、対応するα−オキシ酸の脱水環状エステル化合物を使用し、開環重合など公知の方法で製造することができる。これら脂肪族ポリエステルの中でも特に好ましいのはポリ乳酸である。
【0021】
上記ポリエステルには、フィルムの取扱い性(巻取り性、滑り性、耐ブロッキング性など)を良くするため、本発明の作用を阻害しない範囲で無機粒子や耐熱性高分子粒子が配合されたものであっても良い。但し、セラミックシート製造時のピンホールなどの欠陥検査のためには、フィルムの透明性を大きく害するような粒子の使用や多量使用は避けるべきであり、使用する場合の好ましい微粒子の平均粒子径は0.01〜10μmで、ポリエステル全体に対して0.005〜5質量%の範囲で含有させる。
【0022】
この様な微粒子としては、例えばシリカ、炭酸カルシウム、アルミナ−シリカ複合酸化物、ヒドロキシアパタイト等の微粒子が挙げられる。これら微粒子としては、凝集体シリカやガラスフィラーなどの如く、特にポリエステルとの屈折率差の小さいものが好ましく使用される。
【0023】
透明性を維持しながら取扱い性に優れたポリエステルフィルムを得るため、例えば平均粒径1〜3μmの凝集体シリカ微粒子を使用する場合は、ポリエステルフィルム中に100ppm以上、600ppm以下、特に200ppm以上、300ppm以下の範囲で含有させることが望ましい。また、ベースフィルムとして、中間層に不活性粒子を含有させずに、表面層のみに不活性粒子を含有させたフィルム積層体を使用することも有効である。この場合、ポリエステルフィルムには微粒子を含有させず、離型層とは反対面に微粒子含有層を共押出し法や塗付法などによって設ける方法を採用すればよい。
【0024】
ポリエステル樹脂に微粒子を含有させる方法は特に制限されず、公知の方法を採用できる。例えば、ポリエステルを製造する任意の段階で添加できるが、好ましいのは、エステル化の段階、もしくはエステル交換反応終了後、あるいは、重縮合反応開始前の段階でグリコール成分に分散させたスラリーとして添加して重縮合反応を進めてもよい。また、ベント付の混練押出機を使用し、グリコール成分や水などに分散させた微粒子のスラリーと、微粒子を含まない溶融ポリエステル樹脂にブレンドしてもよい。
【0025】
更に、上記ポリエステル樹脂には、各種の添加剤を含有させることも可能であり、添加剤としては、例えばアルカリ土類金属塩及び/又はアルカリ金属塩の如き静電密着性付与剤、リン酸やリン酸エステルなどのリン酸系化合物の如き熱安定化剤、帯電防止剤、UV吸収剤などが挙げられる。
【0026】
本発明で使用されるポリエステルフィルムは、キャリアフィルムとして要求される機械的強度や耐熱性、透明性などの観点から、二軸延伸ポリエステルフィルムが好ましく用いられる。しかし用途によっては、一軸延伸フィルムなどを使用することも可能である。
【0027】
上記ポリエステルフィルムの製法に格別の制限はなく、従来一般に実施されている方法を採用すればよい。例えば、押出機を用いて前述した様なポリエステル原料を溶融してフィルム状に押し出し、回転冷却ドラムで冷却することによって未延伸フィルムを得、該未延伸フィルムを一軸または二軸延伸することによって得ることができる。
【0028】
また、ポリエステルフィルムを延伸する際の延伸温度は、当該ポリエステルの二次転移点(Tg)以上とすることが好ましく、二軸延伸フィルムの場合は、縦・横各方向にそれぞれ1.2倍以上、8.0倍以下、特に2.0倍以上、6.0倍以下の延伸倍率とすることが、ベースフィルムとしての強度や透明性を高める上で特に好ましい。
【0029】
以下に、ポリエステルとしてポリエチレンテレフタレートを使用する場合の好ましい条件を例示すると、次の通りである。
【0030】
溶融押出しの際に、溶融ポリエステル樹脂が約280℃に保たれたメルトライン中で、ポリエステル樹脂中に含まれる異物を除去するための高精度濾過を行なうことが好ましい。該高精度濾過に用いられる濾材にも格別の制限はないが、ステンレス焼結体からなる濾材は、触媒や添加微粒子に由来する凝集物や高融点有機物の除去性能に優れているので特に好ましい。また、濾材として濾過粒子サイズ(初期濾過効率95%)が15μm以下のものを使用すれば、20μm以上のサイズの異物を効率よく除去できるので好ましい。
【0031】
得られた未延伸シートを、80〜120℃に加熱したロールで長手方向に2.5〜5.0倍に1段もしくは多段に分けて延伸して一軸配向ポリエステルフィルムを得る。その後、フィルムの両端をクリップで把持して80〜180℃に加熱された熱風ゾーンへ導き、幅方向に2.5〜5.0倍に延伸を行なう。引き続いて160〜240℃の熱処理ゾーンへ導き、1〜60秒間の熱固定処理を行なって結晶配向を完結させる。この熱固定処理工程中に、幅方向に1〜12%程度の弛緩処理を施してもよい。また、熱固定処理後のフィルム両端のクリップ把持部分をトリミングした後、長手方向に1〜12%程度の弛緩処理を施すこともある。
【0032】
二軸延伸を行なう場合は、上記の様な逐次二軸延伸法以外に、未延伸フィルムを縦方向と横方向に同時二軸延伸する方法を採用することもできる。同時二軸延伸は、リニアモーター駆動式のテンターを用いてもよい。
【0033】
上記ポリエステルフィルムの厚さは、その使用目的に応じて適宜設定すればよく特に限定されないが、好ましくは2μm以上、300μm以下、より好ましくは10μm以上、125μm以下、更に好ましくは12μm以上、100μm以下である。厚みが2μm未満では、セラミックシートを製造する際のキャリアフィルムとして要求される腰(スティフネス)が不十分となり、一方300μmを超えるとコスト高になるからである。
【0034】
本発明の離型フィルムは、上記ポリエステルフィルムの片面もしくは両面に硬化型シリコーン樹脂よりなる離型層を形成したもので、該シリコーン樹脂の種類も特に制限されないが、好ましくは、付加反応型、縮合反応型、紫外線もしくは電子線硬化型のシリコーン樹脂などが好ましく使用される。
【0035】
付加反応型のシリコーン樹脂としては、例えば、分子末端にビニル基を導入したポリジメチルシロキサンとハイドロジェンシロキサンとを白金触媒を用いて反応させ、3次元架橋構造を形成したもの等が好ましいものとして例示される。
【0036】
縮合反応型のシリコーン樹脂としては、例えば、分子末端に−OH基を有するポリジメチルシロキサンとハイドロジェンシロキサンとを白金触媒を用いて反応させ、3次元架橋構造を形成したもの等が例示される。
【0037】
紫外線硬化型のシリコーン樹脂としては、例えば、最も基本的なタイプとして、通常のシリコーンゴム架橋と同様のラジカル反応を利用するもの、不飽和基を導入して光硬化させるもの、ビニルシロキサンへのチオールの付加反応により架橋硬化するもの、紫外線でオニウム塩を分解して強酸を発生せしめこれでエポキシ基を開裂させて架橋するもの、等が例示される。電子線は紫外線よりもエネルギーが強いため、電子線硬化型のシリコーン樹脂は、紫外線硬化型のように開始剤を用いなくともラジカルによる架橋反応を起こして硬化する。
【0038】
上記硬化型シリコーン樹脂からなる離型層が形成された本発明の離型フィルムは、当該離型フィルムの離型層側表面上に形成されるセラミックシートのダイナミック硬度(A)と該離型層のダイナミック硬度(B)との差の絶対値が、下記式(1)を満たすことが必須となる。
|A−B|≦20(gf/μm2)……(1)
【0039】
上記ダイナミック硬度とは、後述するようなダイナミック超微小硬度計によって求められる硬度を言い、該硬度差の絶対値(|A−B|)が20gf/μm2を超えると、セラミックシートを離型フィルムから剥離してセラミックシートを製造する際の剥離性が低下し、特に薄膜セラミックシートの場合に、セラミックシートの破れや剥離不良が多発し、品質や歩留り低下を引き起こす。
【0040】
上記硬度差の絶対値の要件を満たす様に両硬度を調整することにより、セラミックシートからの離型フィルムの剥離が容易となり、セラミックシートの破損を防止することができる。
【0041】
セラミックシートと離型フィルムとの剥離は、セラミックシートの硬さにより剥離形態が変わるため、それに応じて離型フィルムの離型層間の硬さを変える必要がある。つまりセラミックシートが柔らかい場合は、セラミックシート層を剥離するとき、セラミック層の粘性の影響が生じると考えられるので、それに対応する離型層は、シリコーン樹脂層の化学的な剥離力(たとえば疎水基含有量が多いなど)が優れているものが適している。上記のような離型層の硬さは一般的に柔らかい。
【0042】
一方、セラミックシートが硬い場合、あるいはセラミックシートの厚みが薄い場合には、離型層からセラミックシートを剥離する際におけるセラミックシート層の粘性の影響はほとんど生じないと考えられ、それに対応する離型層は硬いものが適している。その理由は、セラミックシートと離型フィルムとの剥離は、粘着シートと離型フィルムとの剥離の如き界面剥離力ではなく、界面剪断力に影響すると考えられるからである。
【0043】
セラミックシートと離型フィルムとの界面の剥離挙動は、通常の粘着シートと離型フィルムとの界面剥離挙動とは異なる。即ち粘着シートの粘着剤層と離型フィルムの離型層との界面剥離の場合、界面の凝集エネルギーが支配的となる。一方、硬いセラミックシートと離型フィルムとの界面剥離の場合、離型層が硬い場合には剥離時における離型層の変形が小さく、結果として剥離力は小さくなる。また、離型層が柔らかい場合には、剥離時の離型層の変形が大きく、結果として剥離力は大きくなる。従って、硬いセラミックシートと硬い離型フィルムとの剥離挙動は、粘着シートと離型フィルムの剥離のような界面剥離ではなく、界面剪断力に支配されているものと考えられる。
【0044】
本発明において、前記ダイナミック硬度差の絶対値(|A−B|)を20gf/μm2以下とするためには、セラミックシートの硬さに応じて、離型フィルムの離型層の硬さを調整することが必要となる。たとえば、セラミックシートの硬度については、使用するバインダー成分(ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等)とセラミック原料(チタン酸バリウム、アルミナ等)の混合比(バインダー/セラミック原料比)で、バインダー混合比率が多い場合、あるいはセラミックシート層の厚みが厚い場合は、セラミックシートのダイナミック硬度は小さくなる(軟質となる)ので、この様なセラミックシートの製造に適用される離型層は、シリコーン樹脂中に導入する架橋基の含有量を少なくし、あるいは離型層の厚みを厚くし、若しくは線状構造のシリコーン樹脂を離型層構成材として使用する、等によって、離型層を軟質化すればよい。
【0045】
一方、製造されるセラミックシート中のセラミック原料混合比率が多い場合、あるいはセラミックシート層の厚みが薄い場合は、セラミックシートのダイナミック硬度は高くなる(硬質となる)ので、この様なセラミックシートを製造する際の離型層は、シリコーン樹脂中に導入する疎水基の含有量の調整は必要であるが、該樹脂中に導入する架橋反応性基の含有量を多くする、等の方法によってシリコーン樹脂層の架橋密度を大きくする、等の手段で離型層を硬質化すればよい。
【0046】
硬化型シリコーン樹脂において、樹脂厚みが離型層の面内において均一であるならば、一定の硬化エネルギーであっても離型層の厚みが小さいほど架橋密度は大きくなるので、厚みを可能な限り小さくすることで離型層のダイナミック硬度を高めることも有効である。
【0047】
また、離型層の硬さにはベースフィルム自体の硬度も影響するため、ベースフィルムの硬さも考慮してコントロールすることが望ましい。
【0048】
更に本発明における上記離型層は、離型フィルムの離型層側表面において、後述するラブオフ値が10以下であることが重要であり、好ましくは、8以下、更に好ましくは6以下とすることが望ましい。
【0049】
ラブオフ値が10を超えると、後述する如くセラミック加工過程でセラミックスラリーをコートする前に離型層の脱落が起こり、脱落部上にセラミックスラリーがコートされた時に、脱落部上のセラミック厚みが不均一になったり、脱落部上においてセラミックの剥離不良が多発し、品質や歩留り低下を引き起こす。
【0050】
なお上記ラブオフ値とは、離型層とベースフィルム間の密着耐久性に関連するパラメータであり、ラブオフ値が低いほど密着耐久性が良好と判断する。その測定は、離型フィルムの離型層表面に粘着剤層を設けた際の、離型層と粘着剤層との剥離力を、離型フィルムの離型層表面に2N/cm2の荷重下で摩擦材により10往復摩擦させた後と摩擦前とで測定し、摩擦後の剥離力(P10)と摩擦前の剥離力(P0)との比(P10/P0)によって求める。摩擦試験機としては学振式摩擦堅牢度試験機を使用し、摩擦材としては白色ポリプロピレンフィルムを使用し、また剥離力は、離型層表面に粘着テープを貼り、300mm/minの速度で剥離したときの測定値である。
【0051】
離型層の上記ラブオフ値を10以下とすれば、セラミック加工過程で離型層がポリエステルフィルムから脱落するのを防止できるので、セラミックスラリーをコートする際の塗付均一性が高められると共に、セラミックシートからの離型フィルムの剥離も容易となってセラミックシートの破損も可及的に低減できる。逆にラブオフ値が10を超えると、セラミックスラリーの塗工を行なう前に離型層がポリエステルフィルムから脱落し、脱落した部分にセラミックが浸入してその部分にセラミックの突起ができたり、剥離力も大きくなって剥離時に破れるといった不具合を生じる原因となる。
【0052】
上記好適ラブオフ値を得るための手段としては、離型層を構成するシリコーン樹脂の硬化反応あるいは架橋反応を可能な限り短時間で完結させることが望ましく、その為には、硬化に必要なエネルギーやシリコーン樹脂処方時における触媒の添加量などを、弊害の生じない範囲で適正に調整する方法等が採用される。また、シリコーン樹脂を塗工する前にアンカー処理等を施すことも、ラブオフ値の低減に有効となる。
【0053】
また該離型層は、離型フィルムの離型層側表面において、後述する如くヘキサンによるシリコーン抽出量が3mg/m2以下であることが必要であり、好ましくは、2mg/m2、更に好ましくは、1mg/m2以下である。ヘキサンによるシリコーン抽出量が3mg/m2を超えると、離型フィルムの離型層表面にセラミックスラリーを塗工したときにピンホール状のはじきが発生したり、柚肌状の塗工斑が発生し易くなるばかりでなく、セラミックスラリー乾燥後のセラミックシート剥離面に離型層を構成するシリコーン樹脂の一部が転移し、セラミックコンデンサー等とした時にショート不良や絶縁抵抗不良等の欠陥原因となる。
【0054】
離型層のヘキサンによるシリコーン抽出量が3mg/m2以下であれば、セラミックスラリー塗工時の均一性が保証され、焼成後のセラミックコンデンサー等としての歩留りが高められる。
【0055】
尚、ヘキサンによるシリコーン抽出量は未反応のシリコーン量に比例していると考えられ、未反応のシリコーンは、低分子量(オイル状)でヘキサン等の溶剤により離型層から溶出されると考えられる。
【0056】
ヘキサンによるシリコーン抽出量を3mg/m2以上とするためには、未反応シリコーンや低分子量シリコーンの生成を可及的に抑える必要がある。即ち、前記と同様の理由で可能な限りシリコーン樹脂層厚みを薄くしたり、可能な限りシリコーン架橋反応時の触媒量を増大して付加反応を促進させたり、可能な限りシリコーン架橋反応時に高エネルギーを与える、等の手段を採用すればよい。
【0057】
本発明の離型フィルムにおいて、離型層の厚みはその使用目的に応じて適宜に設定すべきもので特に限定されないが、好ましくは、硬化後の離型層の塗布量が0.02〜0.2g/m2の範囲が望ましい。離型層の厚みが上記範囲未満では剥離性能不足となる傾向があり、逆に上記範囲を超えると、ポリエステルフィルムへの密着に必要な硬化時間が長くなって生産性を害したり、或いは、ヘキサンによるシリコーン抽出量(未反応シリコーン量)が多くなって本発明の目的が果たせなくなる。
【0058】
離型層を構成する硬化型シリコーン樹脂液の塗布法としては、公知の任意の方法、例えばグラビアコート法やリバースコート法などのロールコート法;マイヤーバーなどのバーコート法;スプレーコート法;エアーナイフコート法等を採用できる。
【0059】
上記離型層の形成時には、溶媒未使用の硬化型シリコーン樹脂をポリエステルフィルムに塗布し、その後活性エネルギー線を照射したり熱硬化するか、あるいは、シリコーン樹脂を溶媒に溶解あるいは分散したものをポリエステルフィルムに塗布し、溶媒を乾燥除去した後に活性エネルギーを照射して硬化させ、もしくは熱硬化させる方法などを採用すればよい。硬化型シリコーン樹脂の活性エネルギー照射による反応硬化や熱硬化、あるいは溶媒乾燥除去の条件は、使用するシリコーン樹脂の種類や離型層の塗布量、離型フィルムのサイズ等に応じて適宜に選定すればよい。
【0060】
例えば、紫外線硬化型シリコーン樹脂を使用する場合の紫外線照射量は150mJ/cm2以上とし、溶媒乾燥条件は110℃程度以下とすることが望ましい。紫外線照射量が150mJ/cm2未満では、シリコーン樹脂の反応硬化が不完全になり易く、重剥離化(剥離力が重くなる)やラブオフ値の増大(フィルムとの密着性が悪くなる)が生じたり、シリコーン樹脂離型層のセラミックシート面側への転移の原因となる恐れが生じてくる。また溶媒乾燥条件が110℃を超えると、フィルムの平滑性が低下し、ひいてはセラミックシートの平滑性に悪影響を及ぼす恐れが生じてくる。
【0061】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。尚、下記実施例で採用した試験法は次に示す通りである。
【0062】
1)ダイナミック硬度の測定
島津製作所社製のダイナミック超微小硬度計「DUH−201−202」を使用し、荷重2gfの三角錐を試料面(セラミックシート面または離型層表面)に押し付け、2秒間保持した後のダイナミック硬度を下記(2)式よって求める。
ダイナミック硬度=α×P÷D……(2)
式中、Pは試験荷重(gf)、Dは圧子の試料への侵入量(μm)、αは圧子形状による定数(115°三角錐)37.838を表す。
【0063】
2)ラブオフ値測定
摩擦材である白色ポリプロピレンフィルム(東洋紡績社製「パールSS」、厚み35μm)と離型フィルムとを重ね合せ、学振式摩擦堅牢度試験機(山口科学産業社製)を使用し、2N/cm2の荷重下で10回往復摩擦させる。なお摩擦材は1往復摩擦が終了する毎に新しいものに取り替える。次に、摩擦前及び摩擦後の離型フィルムの離型層面に、粘着テープ(日東電工社製)「ニットー31B」)を貼り、5kgfの圧着ゴムローラで1往復させて密着させる。2時間経過後、「テンシロン」を用いて300mm/分の速度でT型剥離し、離型フィルムの離型層と粘着テープの粘着剤層との剥離力を測定し、摩擦後の剥離力(P10)と摩擦前の剥離力(P0)との比(P10/P0)で示し、ラブオフ値とする。得られたラブオフ値は下記の3つの基準で分類した。なお、評価がB以上であれば実用上使用可能である。
評価A:5.0以下
評価B:5.0超、10.0以下
評価C:10.0超
【0064】
3)セラミックシートの剥離性評価
溶剤(トルエン)100質量部中にセラミック粒子(平均一次粒子径が0.6μmのチタン酸バリウム(BaTiO3:富士チタン社製)100質量部を混合し、メディアである粒径1.5mmのジルコニアビーズ(充填量:スラリーに対し200質量%)と共にボールミルで24時間分散した。次いで、バインダー(ポリビニルブチラール:積水化学工業社製)10質量部および可塑剤(ポリエチレングリコール)をセラミック粉末とバインダーの総量に対し2質量%混合し、ボールミルで24時間分散し、更にフィルター(孔径3μm)で濾過処理を行ない、ペースト状のセラミックスラリーを得る。
【0065】
これを、前記離型フィルムの離型層表面にドクターブレード法により乾燥厚みが10μmとなる様に塗工し、次いで120℃×1分で乾燥してセラミックシートを得る。このセラミックシートを5cm巾にカットし、ピール法(剥離速度500mm/minでT型剥離)により剥離し、下記の基準で評価する。
評価A:セラミックシートが破れることなく剥離する
評価B:セラミックシートが一部破れる
評価C:セラミックシートが完全に破れ破損する。
【0066】
4)ヘキサンによるシリコーン抽出量測定
離型層の表面を下記の条件でヘキサンにより表面抽出し、抽出液を濃縮する。
濃縮液の溶液をIR測定し、溶媒との差スペクトルを用いて抽出成分を定量する。
【0067】
5)セラミックシートーのピンホール評価
前記3)のセラミックシートの剥離性評価に記載したのと同様の方法でペースト状のセラミックスラリーを得る。このセラミックスラリー200cc中に離型フィルム(10cm×10cm)を常温で20分間浸漬する。浸漬後の離型フィルムをセラミックスラリーから取り出して廃棄する。浸漬前の離型フィルムの離型層表面にドクターブレード法により、浸漬後の前記セラミックスラリーを乾燥厚みが30μmとなる様に塗工し、次いで120℃×1分で乾燥してセラミックシートを得る。該セラミックシートの裏から蛍光灯の光を当て、20cm×15cmの範囲内の明点数を数えて下記の基準で評価する。なお本評価法は、従来の技術に記載したピンホールの経時的な増加を短時間で確認するため、本発明者らが考案したモデル評価法である。本評価法で得られた結果は、ロングランテストを行なった際の結果とよく対応する。
評価A:1個以下、
評価B:5個以下、
評価C:5個超。
【0068】
実施例1
紫外線カチオン硬化型シリコーン樹脂(東芝シリコン株式会社製、商品名「UV9315」)を溶剤(ノルマルヘキサン)に分散し(2質量%濃度)、シリコーン樹脂100質量部に対し、1質量部のビス(アルキルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネートを硬化触媒として添加し、シリコーン樹脂塗布液を作成する。このシリコーン樹脂塗布液を、厚さ38μmのポリエステルフィルム上にワイヤーバーで塗布した後、100℃×30秒で乾燥し、次いで紫外線照射装置で紫外線照射(300mJ/cm2)することにより離型フィルム(シリコーン樹脂からなる離型層の乾燥後塗布量0.10g/m2)を得る。
【0069】
実施例2
実施例1のシリコーン樹脂塗布液に代えて、熱硬化型シリコーン樹脂(信越化学株式会社製、商品名「KS830」)を溶剤(トルエン)に分散し(3質量%濃度)、シリコーン樹脂100質量部に対し1質量部の白金触媒を添加してシリコーン樹脂塗布液を作成する。これを、ワイヤーバーにより厚さ38μmのポリエステルフィルム上に塗布し、次いで140℃×30秒で乾燥して離型フィルム(シリコーン樹脂よりなる離型層の乾燥後塗布量0.05g/m2)を得る。
【0070】
実施例3
紫外線照射量を500mJ/cm2に変更した以外は前記実施例1と同様にして、離型フィルムを得る。
【0071】
比較例1
紫外線照射量を100mJ/cm2に変更した以外は前記実施例1と同様にして、離型フィルムを得る。
【0072】
比較例2
シリコーン樹脂からなる離型層の乾燥後塗布量を0.5g/m2に変更した以外は、前記実施例2と同様にして離型フィルムを得る。
【0073】
実施例4
シリコーン樹脂よりなる離型層の乾燥後塗布量を0.12g/m2に変更した以外は前記実施例2と同様にして離型フィルムを得る。
【0074】
上記実施例1〜4および比較例1,2で得た各離型フィルムを、前述した各評価試験に供し、表1に示す結果を得た。
【0075】
【表1】
【0076】
表1において、実施例1〜4は何れも|A−B|≦20gf/μm2で、ラブオフ値も10以下であり、セラミックの剥離不良は認められず、簡単に剥がれた。また、ヘキサンによるシリコーン抽出量は3mg/m2以下であり、セラミックシートにピンホール等の欠点は見られなかった。
【0077】
これに対し、比較例1は|A−B|>20gf/μm2であるためセラミックと離型層の剥離力は重く、またラブオフ値が10より大きいため、シリコーン樹脂層とポリエステルフィルムとの密着性が弱く、セラミックスラリーの塗工前に、離型層が塗工部材の1部で擦すられて脱落し、剥離時にセラミックシートが完全に破れた。又、ヘキサンによるシリコーン抽出量が3mg/m2を超えているため、セラミックシートにピンホール等の明点が著しく多発した。比較例2は|A−B|>20gf/μm2であり、セラミックシートと離型層との剥離力が重く、またラブオフ値が10より大きいため剥離時にセラミックシートが完全に破れた。又、ヘキサンによるシリコーン抽出量が3mg/m2以下であり、セラミックシートのピンホール欠陥が数個発生した。尚、ピンホール数が数個レベルの場合には、使用可能レベルの限界と判断している。
【0078】
【発明の効果】
本発明の離型フィルムは、セラミックシート剥離時の剥離力が小さく、セラミックシート製造時の剥離過程で、剥離不良のない適度の力でセラミックシートから離型フィルムを剥離することができる。又、ポリエステルフィルムと離型層との密着性が良く、特にセラミックシート製造時の剥離過程で離型層の削れによる剥離不良がなくなる。更に、剥離層表面の未反応シリコーン及び低分子シリコーン等によるセラミックスラリーのはじき(ピンホール)等も起こらず、セラミックシートにシリコーン樹脂の転写等による電極印刷不良等の不具合も解消できるなど、特に薄膜セラミックシートの製造に好適に活用できる。
Claims (4)
- ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、紫外線硬化型シリコーン樹脂を主たる構成成分とする離型層を設けたセラミックシート製造用の離型フィルムであって、
前記離型層表面にセラミックシートを積層した際のセラミックシート層表面のダイナミック硬度(A)と前記離型層表面のダイナミック硬度(B)との差の絶対値が下記式(1)の関係を満足し、且つ、
前記離型層のラブオフ値が10以下で、ヘキサンによるシリコーン抽出量が1.52mg/m2以下であることを特徴とするセラミックシート製造用離型フィルム。
|A−B|≦15(gf/μm2)……(1)
[ここでラブオフ値とは、離型層表面に粘着剤層を設けた際の離型層と粘着剤層との剥離力を、離型フィルムの離型層表面を摩擦材で10往復摩擦させた後と摩擦前で測定し、摩擦後の剥離力(P10)と摩擦前の剥離力(P0)との比(P10/P0)を表わす] - 上記離型層が、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、紫外線硬化型シリコーン樹脂塗布液を塗布した後、110℃以下で溶媒を乾燥し、次いで、紫外線照射量150mJ/cm 2 以上で硬化させてなるものである請求項1記載のセラミックシート製造用離型フィルム。
- 上記紫外線硬化型シリコーン樹脂が、紫外線カチオン硬化型シリコーン樹脂である請求項1または2に記載のセラミックシート製造用離型フィルム。
- 上記紫外線硬化型シリコーン樹脂が、ビス(アルキルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネートを硬化触媒とするものである請求項1〜3のいずれかに記載のセラミックシート製造用離型フィルム。
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