JP2007027480A - 樹脂結合型磁石組成物、その製造方法及びそれを用いた樹脂結合型磁石 - Google Patents

樹脂結合型磁石組成物、その製造方法及びそれを用いた樹脂結合型磁石 Download PDF

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Abstract

【課題】低温溶融時の流動性及び成形性に優れる樹脂結合型磁石組成物であって、加熱成形して得られる磁石が機械的強度、磁気特性及びリサイクル性に優れる該組成物の提供。
【解決手段】異方性磁場(H)が4000kA/m(50kOe)以上の磁性粉末(A)、ポリアミド樹脂(B)、及び流動性を賦与するのに十分な量の高分子系滑剤(C)を含有する樹脂結合型磁石組成物であって、ポリアミド樹脂(B)は、数平均分子量が10000〜60000の重合脂肪酸系ポリアミドであり、一方、高分子系滑剤(C)は、オレフィンと(メタ)アクリル酸または酸無水物との共重合体、その共重合体アイオノマー、及びポリオレフィンへの(メタ)アクリル酸または酸無水物のグラフト重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種のポリマーであることを特徴とする樹脂結合型磁石組成物により提供。
【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂結合型磁石組成物、その製造方法及びそれを用いた樹脂結合型磁石に関し、さらに詳しくは、低温溶融時の流動性に優れ、成形性がよく磁気特性、剛性等の機械強度及びリサイクル性に優れた樹脂結合型磁石組成物、その製造方法及びそれを用いた樹脂結合型磁石に関する。
樹脂結合型磁石(ボンド磁石)は、磁性粉末、有機樹脂等のバインダー成分、及び滑剤等の添加剤を配合した組成物を、押出機等を用いて混練、次いでペレット状等に加工した後、射出成形、圧縮成形又は押出成形することにより製造される。特に、ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂をバインダーとし、さらに射出成形法を用いて製造される磁石は、寸法精度が高く、後加工の必要がないので、磁石の製造コストを低減できるという利点がある。
磁気特性に優れる磁石を得るには、当然のことながら磁性粉末の含有量を高くする必要がある。しかし、その含有量を上げると、得られる磁石の機械的強度が低下するという問題を生じる。また、磁性粉末の量が多くなるにしたがい、磁性粉末の分散性が低下して組成物の流動性の低下を招く。流動性が低下すると、磁性粒子の配向性も低下するので、磁性粉末の量に見合った磁気特性の磁石が得られない。また、流動性の悪化により、混練に要する動力負荷(混練トルク)が増大するだけでなく、組成物の成形性も悪化して所望の形状の磁石に成形できない場合もある。特に鉄を含有する磁性粉末を使用すると、その高い表面酸性度から表面の鉄が塩基性であるポリアミド樹脂に対して強い酸塩基相互作用による化学吸着を引き起こし、その結果、組成物の流動性が一層低下し、また、混練トルクも押出機で押し出し作業ができないほど上昇してしまう。
これらの問題に対して、ポリアミド樹脂を主体としたバインダー成分を用いる際に、流動性を改善するために、さらにジステアリル系尿素化合物を滑剤として配合する方法(例えば、特許文献1参照)、ステアリン酸カルシウムに代表される2鎖型の金属石鹸を滑剤として配合する方法(例えば、特許文献2参照)が提案されているが、このような滑剤を配合すると強度低下は避けられない。また、組成物の流動性を良くするために、混練温度、成形温度等を上げると、磁石が高温で酸化して、その磁気特性が劣化するという問題が生じる。
この流動性の問題を解決するために、末端カルボキシル基及び末端アミノ基の少なくとも1種が封止されたポリアミドを用いて磁性粉末との強い酸塩基相互作用を抑制する方法(例えば、特許文献3参照)、また、磁性粉粉末に緻密な珪酸皮膜を形成させた後、ポリアミドと親和性の高いカップリング剤処理を施し、単独重合ポリアミドに共重合ポリアミド、ポリアミド系またはPBT系エラストマーを混合する方法(例えば、特許文献4参照)等が提案されている。
ところが、前者の場合、反応性の高い末端極性基が封止されるため、磁性粉とポリアミドとの親和性が不十分であり、流動性は良好になるが、射出成形後の材料強度、特に、剛性を維持することが難しかった。また、後者の場合、確かに流動性と材料強度において良好な射出成形品が得られるが、それでも射出成形品が非常に大きな加工負荷を受けた場合、材料強度、特に、剛性は不十分となる場合があった。
また、ポリアミド樹脂を主体としたバインダー成分を用いた磁石部材のリサイクル時には、加熱混練及び加熱成形工程の繰り返しにより、高温で射出成形するとポリアミド樹脂が熱分解してしまう、また、磁性粉が酸化され易いという問題がある。熱分解して分子量の小さくなった樹脂および酸化した磁性粉を再使用すると、成形時に該樹脂と磁性粉末とが分離する、再生した磁石の機械強度が低下する、また、高温履歴により磁化特性が低下する、等の問題が現れる。また、滑剤成分がポリアミド樹脂から分離し、リサイクル時に機械強度がばらつくなどの不具合を生ずる。
さらに、磁性粉の充填量を多くしてもボンド磁石用組成物の良好な溶融流動性を維持することができ、溶融時の流動性低下に基づく成形加工性の低下を抑制するために、重合脂肪酸系ポリアミドブロック共重合体を含有させたボンド磁石用組成物が提案されている(例えば、特許文献5)。
これは、熱可塑性樹脂を主材樹脂として用い、重合脂肪酸系ポリアミドブロック共重合体を少量添加、混合したものを樹脂バインダーとしているが、これらの樹脂バインダーでは、ボンド磁石の温度環境下での使用安定性や機械的強度などに係る課題を解決することはできなかった。
ところで、希土類元素を含む鉄系磁石合金粉を、樹脂バインダーと混練して樹脂結合型磁石を製造する場合、該磁石合金粉を数μm程度に粉砕する必要がある。粉砕は不活性ガスまたは有機溶媒中で行うが、粉砕後の磁石合金粉は極めて活性であり、大気に触れると該磁石合金粉は急激に酸化が進み磁気特性を劣化させるので、微粉砕後に、僅かな酸素を不活性雰囲気に導入して徐酸化する方法が採られている。
こうした樹脂結合型磁石の中でも、特に、希土類元素を含む鉄系磁石合金粉を用いた樹脂結合型磁石は、塩水中で錆が発生しやすいため、例えば、成形体表面に熱硬化性樹脂等のコーティング膜を形成することで発錆を抑制したり、また、成形体表面にリン酸塩含有塗料による被覆処理を施すことで発錆を抑制することが検討されている。しかし、上記方法で作製された磁石合金粉でも、塩水中のような腐食性の厳しい環境下では、錆の抑制に対して十分に満足できるものではなかった。
このようなことから、低温溶融時の流動性に優れ、成形性がよく磁気特性、剛性等の機械強度及びリサイクル性に優れた樹脂結合型磁石組成物の出現が切望されていた。また、近年、家電機器用モーター、自動車用センサーやモーターにおいて、海外で部品を組み立てるため船などによる輸送が必要となり、その使用環境、輸送環境がさらに厳しくなり、また機器を小型化するため、これらの課題にも対応できる樹脂結合型磁石組成物が要求されていた。
特開2004−55885号公報 特開平4−83306号公報 特開平11−256015号公報 特開2001−85209号公報 特開2001−240740号公報
本発明の目的は、上記従来の問題点に鑑み、低温溶融時の流動性及び成形性に優れる樹脂結合型磁石組成物、及び剛性等の機械的強度、磁気特性及びリサイクル性に優れる樹脂結合型磁石を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、ポリアミド樹脂として、数平均分子量が10000〜60000の範囲にある重合脂肪酸系ポリアミドを選択し、かつ、従来使用されていたステアリン酸カルシウムなどの滑剤に代えて、特定の高分子系滑剤をポリアミド樹脂に配合することによって、低温溶融時の流動性及び成形性に優れる樹脂結合型磁石組成物が得られ、さらには、該樹脂結合型磁石組成物を用いて加熱成形することにより、剛性等の機械的強度、磁気特性及びリサイクル性に優れる樹脂結合型磁石が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明は、異方性磁場(H)が4000kA/m(50kOe)以上の磁性粉末(A)、ポリアミド樹脂(B)、及び流動性を賦与するのに十分な量の高分子系滑剤(C)を含有する樹脂結合型磁石組成物であって、ポリアミド樹脂(B)は、数平均分子量が10000〜60000の重合脂肪酸系ポリアミド、長鎖脂肪酸系ポリアミド、又はそれらのブロック共重合体から選ばれる1種以上であり、一方、高分子系滑剤(C)は、オレフィンと(メタ)アクリル酸または酸無水物との共重合体、その共重合体アイオノマー、及びポリオレフィンへの(メタ)アクリル酸または酸無水物のグラフト重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種のポリマーであることを特徴とする樹脂結合型磁石組成物が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、磁性粉末(A)の表面に、リン酸鉄と希土類金属リン酸塩を含む複合金属リン酸塩被膜(A−1)とシリケート被膜(A−2)が順次被覆形成されていることを特徴とする樹脂結合型磁石組成物が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第2の発明において、複合金属リン酸塩被膜(A−1)が、磁性粉末(A)の粉末重量当たり、0.1〜2mol/kgのリン酸を添加して形成されることを特徴とする樹脂結合型磁石組成物が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第2の発明において、複合金属リン酸塩被膜(A−1)が、Al、Zn、Mn、Cu、又はCaから選ばれる1種以上を金属成分とする金属リン酸塩をさらに含有することを特徴とする樹脂結合型磁石組成物が提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、第2の発明において、シリケート被膜(A−2)が、下記の一般式(1)で示されるポリアルコキシポリシロキサンを加水分解して得られることを特徴とする樹脂結合型磁石組成物が提供される。なお、式(1)中、Rは同一あるいは異なる炭素数1〜6のアルキル基、nは2〜100である。
Figure 2007027480
また、本発明の第6の発明によれば、第2又は5の発明において、シリケート被膜(A−2)が、さらにアルミニウムキレート化合物を添加して形成されることを特徴とする樹脂結合型磁石組成物が提供される。
また、本発明の第7の発明によれば、第2の発明において、シリケート被膜(A−2)が、100〜150℃で焼き付け乾燥されることを特徴とする樹脂結合型磁石組成物が提供される。
また、本発明の第8の発明によれば、第2又は5〜7のいずれかの発明において、シリケート被膜(A−2)の表面に、さらに、シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、またはアルミニウム系カップリング剤から選ばれるいずれかのカップリング剤を用いたカップリング剤処理被膜(A−3)を被覆形成することを特徴とする樹脂結合型磁石組成物が提供される。
また、本発明の第9の発明によれば、第7の発明において、カップリング剤が、シラン系カップリング剤であることを特徴とする樹脂結合型磁石組成物が提供される。
また、本発明の第10の発明によれば、第5又は8の発明において、ポリアルコキシポリシロキサン、又はカップリング剤の量が、磁性粉末(A)に対して、0.01〜5重量%であることを特徴とする樹脂結合型磁石組成物が提供される。
また、本発明の第11の発明によれば、第2又は8の発明において、被膜の厚さの合計が1〜100nmであることを特徴とする樹脂結合型磁石組成物が提供される。
また、本発明の第12の発明によれば、第1の発明において、磁性粉末(A)の含有量が、組成物全体に対して70〜97重量%であることを特徴とする樹脂結合型磁石組成物が提供される。
また、本発明の第13の発明によれば、第1の発明において、ポリアミド樹脂(B)は、数平均分子量が25000〜60000の重合脂肪酸系ポリアミドであることを特徴とするボンド磁石用組成物が提供される。
また、本発明の第14の発明によれば、第1の発明において、重合脂肪酸系ポリアミドは、炭素数6〜12の脂肪族ジアミンと、アゼライン酸および(または)セバシン酸と、炭素数20〜40のダイマー酸を含むモノマーを重合して得られるポリアミド樹脂であることを特徴とするボンド磁石用組成物が提供される。
また、本発明の第15の発明によれば、第1の発明において、重合脂肪酸系ポリアミドは、下記の一般式(2)で示される骨格を繰り返し単位とするブロック共重合体であることを特徴とするボンド磁石用組成物が提供される。
式中、R、Rは、同一か又は異なる炭素数6〜12の1種以上から選ばれる脂肪族ジアミン残基であり、Rは、炭素数9〜18の脂肪族ジカルボン酸の1種以上から選ばれるジカルボン酸残基、Rは、炭素数20〜40のダイマー酸から選ばれる重合脂肪酸残基を表し、mは1〜80の整数、nは1〜160の整数、xは1〜120の整数である。
一般式(2)
Figure 2007027480
また、本発明の第16の発明によれば、第1の発明において、高分子系滑剤(C)の融点が、150℃以下であることを特徴とする樹脂結合型磁石組成物が提供される。
さらに、本発明の第17の発明によれば、第1の発明において、高分子系滑剤(C)の含有量が、ポリアミド樹脂(B)100重量部に対して、0.1〜5重量部であることを特徴とする樹脂結合型磁石組成物が提供される。
一方、本発明の第18の発明によれば、第1〜17のいずれかの発明に係り、ポリアミド樹脂(B)と高分子系滑剤(C)とを、溶融混合する第1の工程と、次いで得られた混合物に磁性粉末(A)を配合し、混練する第2の工程とからなることを特徴とする樹脂結合型磁石組成物の製造方法が提供される。
また、本発明の第19の発明によれば、第18の発明において、第1の工程が、高分子系滑剤(C)の融点以上であって150℃以下の温度で行われることを特徴とする樹脂結合型磁石組成物の製造方法が提供される。
さらに、本発明の第20の発明によれば、第18の発明において、第2の工程が、180〜300℃の温度で行われることを特徴とする樹脂結合型磁石組成物の製造方法が提供される。
一方、本発明の第21の発明によれば、第1〜17のいずれかの発明に係る樹脂結合型磁石組成物を射出成形法、射出圧縮成形法、押出成形法又は射出プレス成形法から選ばれるいずれかの成形法により成形して得られる樹脂結合型磁石が提供される。
本発明の樹脂結合型磁石組成物は、数平均分子量が10000〜60000である重合脂肪酸系ポリアミドと、特定の高分子系滑剤を含有しているため、ポリアミドと高分子系滑剤の非極性部分の滑り効果により低温でも流動性及び成形性に優れている。したがって、流動性を確保するために該組成物を成形する際に高温にさらす必要がなく、高温酸化によって磁気特性が劣化する機会を排除することができる。
さらに、本発明の樹脂結合型磁石組成物を用いることにより、高分子系滑剤がポリアミドのアミド基部分に水素結合を介して強く吸着し、高分子系滑剤の極性成分による磁性粉への吸着・アンカー効果により、射出成形品の機械強度が高くなり、応力歪がかかる使用状況においても割れが発生しなくなる。また、得られた磁石の残材をリサイクルする際に、加熱混練、射出成形等を繰り返しても、特性は変わらないので本発明の樹脂結合型磁石は、リサイクル性にも優れたものとなる。
また、本発明の樹脂結合型磁石組成物においては、磁性粉末の表面に、特定の被膜を形成することで、耐食性を大幅に優れたものとすることができ、この磁性粉末を用いた樹脂結合型磁石組成物は、成形体の機械強度に優れ、かつ5%塩水中でも錆の発生がなくなり、耐食性に優れ機械強度の高い樹脂結合型磁石を製造することが可能となる。
以下、本発明の樹脂結合型磁石組成物、その製造方法、及びそれを用いて得られる樹脂結合型磁石について詳細に説明する。
1.樹脂結合型磁石組成物
本発明の樹脂結合型磁石組成物は、異方性磁場(H)が4000kA/m(50kOe)以上の磁性粉末(A)、特定のポリアミド樹脂(B)、及び特定の高分子系滑剤(C)を必須成分として含有する。
(A)磁性粉末
本発明において磁性粉末は、異方性磁場(H)が4000kA/m(50kOe)以上の磁性粉末である。
具体的には、SmCo系磁性粉末、NdFeB系磁性粉末、SmFeN系磁性粉末、並びにNdFeB系、SmFeN系等のFeの一部をCoで置換した磁性粉末等が挙げられる。異方性磁場(H)が4000kA/m(50kOe)よりも小さい磁性粉末では、高磁気特性の樹脂結合型磁石を得ることができない。これらの磁性粉末は、1種単独又は2種以上を使用条件に合わせて選択することができる。
上記磁性粉末の平均粒径は、特に限定されず、通常、0.1〜250μmの範囲にあればよい。ただし、小型薄物形状の磁石を得る場合には、組成物の流動性に優れ、かつ磁石の密度が上昇し磁気特性にも優れるようにするには、特に0.1〜40μmの範囲が好ましい。
本発明において、磁性粉末は、鉄と希土類元素の金属リン酸塩を含む複合金属リン酸塩被膜(A−1)で被覆され、その表面にシリケート被膜(A−2)が形成されていることが好ましい。また、このシリケート被膜(A−2)の表面上には、必要によりシラン系カップリング剤などによる処理被膜(A−3)を形成することが好ましい。
(A−1)複合金属リン酸塩被膜
本発明において、磁性粉末は、その表面が鉄と希土類元素を金属成分として含む金属リン酸塩(a−1)で均一に被覆され、また、アルミニウム、亜鉛、マンガン、銅又はカルシウムのいずれか1種以上を金属成分として含む金属リン酸塩(a−2)が複合化した被膜で均一に被覆されていることがより好ましい。ここで、均一に被覆されるとは、磁性粉末表面の80%以上、好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上が複合金属リン酸塩被膜で覆われていることをいう。
金属リン酸塩(a−1)は、リン酸サマリウム、リン酸鉄などであり、これは磁性粉末を構成する希土類や鉄にリン酸が反応して形成されたもので、これらが複合化した複合金属リン酸塩も含まれる。一方、金属リン酸塩(a−2)は、例えば、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、リン酸マンガン、リン酸銅、リン酸カルシウム、又はこれらが2種以上複合化した金属塩などである。金属成分としては、アルミニウム、亜鉛、マンガン、銅およびカルシウム以外にも、クロム、ニッケル、マグネシウムなどでもよく、これらの金属リン酸塩が複合金属リン酸塩被膜に含まれていてもかまわない。
金属リン酸塩(a−1)、又はこれと金属リン酸塩(a−2)とが複合化した金属リン酸塩は、樹脂バインダーとの結合力を高め、磁性粉末の耐食性を高める成分である。金属リン酸塩(a−1)だけでも充分な耐塩水性を得ることができるが、さらに耐塩水性を高めるためには、金属リン酸塩(a−2)の金属成分、すなわちアルミニウム、亜鉛、マンガン、銅又はカルシウムから選択された1種以上が、複合金属リン酸塩被膜(A−1)の金属成分全量に対して、30重量%以上、特に50重量%以上、より好ましくは80重量%以上含まれた複合金属リン酸塩とすることが好ましい。
(A−2)シリケート被膜
本発明において、磁性粉末は、上記複合金属リン酸被膜の表面上に、シリケート被膜が形成されているものが好ましい。
このシリケート被膜は、その材料によって限定されるものではなく、シリカ粉を機械的に付着する方法、アルコキシシリケートを加水分解して被覆する方法、エチルシリケートを原料とするゾルゲル反応、又はプラズマ化学蒸着法で被覆する方法などによって得ることができるが、アルコキシシリケートを加水分解して得る方法が好適である。
アルコキシシリケートとは、アルコキシ基を有するシリケート化合物であり、具体的には、下記一般式(1)で示されるポリアルコキシポリシロキサンである。式(1)中、Rは同一あるいは異なる炭素数1〜6のアルキル基、nは2〜100である。
Figure 2007027480
このうち、Rが炭素数1〜3のアルキル基であり、nが2〜50のポリアルコキシポリシロキサン、さらには、Rが炭素数1〜2のアルキル基であり、nが2〜20のポリアルコキシポリシロキサンが好ましい。
上記アルコキシシリケートとしては、商品名;MKシリケートMS51(シリカ換算濃度が52重量%であるメチルシリケートオリゴマー、三菱化学(株)製)、商品名:MKシリケートMS56S(シリカ換算濃度が59重量%であるメチルシリケートオリゴマー、三菱化学(株)製)、商品名:ES40(ヒュルスジャパン社製)のようなエチルシリケートの部分加水分解縮合物などを挙げることができる。
ここに例示したシリケートオリゴマーは、ケイ素にアルコキシ基の結合したアルコキシシランを部分加水分解し、更に縮合してなるアルコキシシランのオリゴマーである。原料のアルコキシシランとしては、テトラアルコキシシランなど、加水分解縮合可能な基を2以上有するケイ素化合物が挙げられる。テトラアルコキシシラン、中でもテトラメトキシシランを用いれば容易にシリカ換算濃度を高くすることができる。
オリゴマー(低縮合物)を得る部分加水分解・縮合反応の際に、適宜触媒を加えることができる。例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸、カルボン酸、スルホン酸等の有機酸等を触媒として用いることができる。また、部分加水分解・縮合反応では、溶媒を存在させることができる。溶媒には、例えば、アルコール、エーテル、ケトン等の水溶性の有機溶媒を用いることができる。溶媒の使用量は、テトラアルコキシシランに対して0.1〜10重量倍、好ましくは0.1〜1.5重量倍とする。テトラアルコキシシランの部分加水分解縮合反応は、所定量の水を必要に応じて適宜攪拌しながら加えるとよい。加熱昇温して、還流状態で加水分解縮合反応を進行させる。還流温度は、溶媒の沸点に近い温度で行う。還流の反応時間は、触媒の種類にもよるが、通常0.5〜10時間、好ましくは2〜5時間である。
次に、部分加水分解縮合反応により生成したアルコールを留出させる。この方法には各種の蒸留、蒸発操作が適用できる。すなわち、常圧又は減圧下でアルコールの沸点以上に加熱して留出させる方法、又は窒素、炭酸ガス、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを導入して留出させる方法などがある。工業的には、常圧で80〜200℃、好ましくは120〜180℃まで溶液で加熱、留去させる方法が適している。テトラアルコキシシランとしてテトラメトキシシランを用い、ポリメトキシポリシロキサンを得る場合は、この際の温度は80〜130℃、好ましくは100〜120℃である。留出時間は、特に制限はないが通常1〜5時間とする。工業的には、この範囲まで昇温した後、その温度を維持して0.5〜10時間、好ましくは1〜5時間保ち、反応を完結させればよく、これにより多量の均一な生成物を効率的に得ることができる。
この反応生成物は、通常、縮合度で2〜30程度の縮合物の混合物として得られる。その一部を分離し、あるいは分離せずにそのまま用いてもよい。なお、本発明においてシリケートオリゴマーのシリカ換算濃度は、特に限定されるものではないが、52重量%以上が好ましく、特に、アルコール換算OH濃度が0.5重量%以下、特に0.1重量%以下とした場合、液の保存安定性が極めて優れたものとなる。OHを0.5重量%以下とする方法も特に限定されるものではなく、例えば、シリケートオリゴマーのOHを縮合させるか、又はエステル交換反応によりアルコキシ基とする方法で調整できる。
また、この方法で得られるシリケートオリゴマーには、通常0.5〜10%程度の、テトラアルコキシシランのモノマーが残存しているので、このモノマーを留去するのが望ましい。テトラメトキシシランのモノマーは角膜等への刺激性等の毒性を有し作業環境上好ましくないだけでなく、オリゴマーの保存安定性に影響を及ぼすことがあるからである。1重量%以下、好ましくは0.2重量%以下にまでモノマーを除去すればよい。
また、シリケートオリゴマーには、これと縮合反応し得る官能基、及び/又は加水分解により縮合反応しうる基を有する反応性有機化合物を配合して、珪素含有組成物とすることができる。反応性有機化合物とは、シリケートオリゴマーの有するアルコキシ基と互いに縮合可能な基を有する有機化合物、及び/又は加水分解によりシリケートオリゴマーの有するアルコキシ基と互いに縮合可能な基を生じうる有機化合物である。このような反応性有機化合物としては、たとえば、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基等を有するものが挙げられ、その分子量は2000以下のものが好ましい。
(A−3)カップリング剤処理被膜
本発明においては、上記磁石粉末のシリケート被膜(A−2)の表面に、更に、樹脂バインダーに対して親和性のあるカップリング剤処理被膜(A−3)を形成することができる。
ここで、カップリング剤としては、磁性粉表面のシリケート被膜、更に詳しくは表面活性シラノール基(Si−OH)と縮合反応を起こすとともに樹脂と十分な親和性を有するものであれば使用でき、特に特定されるものではない。例えば、シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤のいずれかが挙げられ、このうちシラン系カップリング剤が好ましい。
本発明において、シラン系カップリング剤は、次の一般式(2)で示されるような、1〜3個の加水分解性基(アルコキシ基)と、1〜3個のアルキル基又は官能基を含有する有機シラン系化合物である。
(4−n)−Si−X(n) …(2)
式(2)中、Rは直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基、或いは含酸素、含窒素又は含硫黄置換基をもつ官能基のいずれかで、Xは加水分解性基を表し、nは4未満の整数である。
ここで、アルキル基としては、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜15であり、直鎖状、分岐鎖状のいずれであってもよい。シクロヘキシル環、ビニル基、フェニル基を含むものでもよい。官能基とは、含酸素、含窒素又は含硫黄置換基をもつメタクリロキシアルキル、エポキシアルキル、グリシドキシアルキル、アミノアルキル、メルカプトアルキルなどである。アルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシなど炭素数1〜5のアルコキシが挙げられる。
シラン系カップリング剤の具体例としては、ビニルトリエトキシシラン、アクリルブチルトリメトキシシラン、メタクリルプロピルトリメトキシシラン、p−[N−(2−アミノエチル)アミノメチル]フェネチルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)アミノメチル−3−アミノプロピルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)アミノメチル−3−アミノプロピルメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、N,N−ビス[(メチルジメトキシシリル)プロピル]アミン、N,N−ビス[3−(メチルジメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、N,N−ビス[3−(メチルジメトキシシリル)プロピル]メタクリルアミド、N,N−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アミン、N,N−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、N,N−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]メタクリルアミド、N,N‘−ビス(トリメチルシリル)尿素、ジエチルトリメチルシリルアミン、3−(N,N−ジグリシジル)アミノプロピルトリメトキシシラン、ジメチルトリメチルシリルアミン、ジフェニルシランジオール、N−グリシジル−N,N−ビス[3−(メチルジメトキシシリル)プロピル]アミン、N−グリシジル−N,N−ビス[3−(メトキシシリル)プロピル]アミン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルシクロトリシラザン、ヘキサメチルジシラザン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、ノナメチルトリシラザン、テトラメチルシクロテトラシラザン、テトラメチルジシラザン、N−[(3−トリメトキシシリル)プロピル]ジエチレントリアミン、N−[(3−トリメトキシシリル)プロピル]トリエチレンテトラミン、N−[(3−トリメトキシシリル)プロピル]−m−フェニレンジアミン、N−トリメチルシリルアセトアミド、トリメチルシリルアジド、トリメチルシリルシアナイド、トリメチルシリルイミダゾール、N−トリメチルシリルフェニル尿素等のシラン系カップリング剤が挙げられる。
上記シラン系カップリング剤の中で、好ましいのは、炭素数3〜10の直鎖状アルキル基、又は炭素数1〜10の官能基を有するトリアルコキシ系シランである。
また、チタン系カップリング剤としては、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリテシルホスファイト)チタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルホスフェート)チタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート等が挙げられ、アルミニウム系カップリング剤には、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等がある。
上記のように表面被覆された磁性粉末(A)の被膜の膜厚は、平均で1〜100nm、特に10〜80nmであることが好ましい。特に、複合金属リン酸塩被膜(A−1)及びシリケート被膜(A−2)の厚さの合計、あるいは、複合金属リン酸塩被膜(A−1)、シリケート被膜(A−2)、シラン系カップリング剤処理被膜(A−3)の厚さの合計は、平均で1〜100nmであることが好ましい。平均厚さが1nm未満であると十分な耐塩水性、機械強度が得られず、一方、100nmを越えると磁気特性が低下し、また樹脂結合型磁石を作製する際には混練性や成形性が低下する。複層処理被膜膜厚は、上記複層処理被膜で被覆された磁性粉末の断面の電子顕微鏡写真から確認することができる。
本発明においては、被膜の厚さの合計が上記の範囲内にあれば、複合金属リン酸塩被膜(A−1)、シリケート被膜(A−2)、又はシラン系カップリング剤処理被膜(A−3)の個々の厚さが制限されるものではないが、複合金属リン酸塩被膜(A−1)、及びシリケート被膜(A−2)がいずれも5〜40nmであることがさらに好ましい。
上記複層処理被膜で被覆された磁性粉末は、樹脂結合型磁石用樹脂組成物の原料として使用され、この樹脂結合型磁石用樹脂組成物を、射出成形法、射出圧縮成形法、押出成形法又は射出プレス成形法から選ばれるいずれかの成形法により成形することにより、樹脂結合型磁石を製造することができる。
2.磁性粉末の表面被覆方法
本発明において、磁性粉末は、次の方法によりその表面を処理して、(1)複合金属リン酸塩被膜、(2)シリケート被膜、(3)カップリング剤処理被膜などで被覆することができる。
(1)複合金属リン酸塩被膜の形成
溶解法あるいは還元拡散法等を用いて得られた希土類元素を含む鉄系磁石合金粗粉は、通常平均粒径20μmを超える粉末を含んでいる。該平均粒径20μmを超える粉末を含む希土類元素を含む鉄系磁石合金粗粉は、磁気特性が低いので、有機溶媒中で平均粒径8μm以下に粉砕する必要がある。この粉砕の際、又は粉砕後に、リン酸を添加した後、該溶液を攪拌することで複合金属リン酸塩被膜を形成する。この際、リン酸とともに、金属化合物として、アルミニウム、亜鉛、マンガン、銅又はカルシウムから選ばれた1種以上の金属の酸化物、複合酸化物、リン酸塩又はリン酸水素化合物を添加することができる。
先ず、平均粒径20μmを超える磁性粉末の粗粉末に、有機溶媒を加え、磁性粉末の粉砕前、あるいは粉砕中に、リン酸を添加して、攪拌を続ける。また、粉砕後の場合、なるべく粉砕から時間をおかずに添加することが望ましい。攪拌は、通常1〜180分間続行することが好ましい。リン酸を添加するのは、磁性粉末の平均粒径が8μm以下であれば、粉砕後であってもよい。
有機溶媒としては、特に制限はなく、2−メトキシエタノール、イソプロピルアルコール、エタノール、トルエン、メタノール、ヘキサン等のいずれか1種または2種以上の混合物を用いると良い。但し、メタノールは、リン酸と速やかに反応してエステル化し、良好な被膜が形成されるのを妨げる恐れがあるので取り扱いには注意を要する。
前記の金属成分が容易に金属イオンを生成し、磁性粉末の溶解を適度に調整するためには、N,N−ジメチルホルムアミド、ホルムアミド等の極性溶媒を混合することが望ましい。また、磁性粉末の溶解を促進するために、有機溶媒に水や酸を混合しても良い。
リン酸としては、金属化合物と反応して金属リン酸塩を生成するオルトリン酸をはじめ、亜リン酸、次亜リン酸、ピロリン酸、直鎖状のポリリン酸、環状のメタリン酸が使用できる。また、リン酸アンモニウム、リン酸アンモニウムマグネシウムなども使用できる。これら化合物は、単独でも複数種を組み合わせてもよく、通常、キレート剤、中和剤などと混合して処理剤とされる。
これらのうち、オルトリン酸が好ましい性能を発揮するが、その理由は、これが上記の金属化合物と反応しやすく、希土類系金属を成分とする磁性粉末の表面に保護膜を形成しやすいためと考えられる。
リン酸は、磁性粉末の粒径、表面積等に合わせて最適量を添加するが、通常は、粉砕する磁性粉末に対して0.1〜2mol/kg(粉末重量当たり)であり、好ましくは0.15〜1.5mol/kg、さらに好ましくは0.2〜0.4mol/kgである。リン酸の添加量が0.1mol/kg未満であると、磁性粉末の表面が十分に被覆されないために耐塩水性が改善されず、また大気中で乾燥させると酸化・発熱して磁気特性が極端に低下する。2mol/kgを超えると、磁性粉末との反応が激しく起こって磁性粉末が溶解する。リン酸の濃度は、特に制限されず、無水リン酸、50〜99%リン酸水溶液などが用いられる。
金属成分は、アルミニウム、亜鉛、マンガン、銅又はカルシウムなどのイオンの供給源であり、有機溶媒に溶け金属イオンを生成する酸化物、複合酸化物、リン酸塩又はリン酸水素化合物などの金属化合物である。これらの金属化合物は、溶媒中でイオン化し、磁性粉末の成分である希土類金属や鉄が溶媒へ溶け出すにともない、磁性粉末の表面で反応して金属リン酸塩(a−2)が複合した被膜を形成する。そのため、鉄と希土類元素の金属燐酸塩(a−1)単独の場合に比べて、シリケート被膜などとの結合力をさらに向上することが可能となる。
アルミニウム化合物としては、アルミニウムイオンの供給源となり、有機溶媒に溶ける化合物であれば、特に制限されず、例えば、酢酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、塩化アルミニウムアンモニウム、安息香酸アルミニウム、炭酸アルミニウム、エチルアセト酢酸アルミニウム、ぎ酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、硝酸アルミニウム、ナフテン酸アルミニウム、オレイン酸アルミニウム、しゅう酸アルミニウム、酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム、リン酸水素アルミニウム、塩化カリウムアルミニウム、ステアリン酸アルミニウム、硫化アルミニウム、フタロシアニンアルミニウム、又は酒石酸アルミニウムが例示される。特に好ましいのは、リン酸アルミニウム、あるいはリン酸水素アルミニウムである。
亜鉛化合物としては、亜鉛イオンの供給源となり、有機溶媒に溶ける化合物であれば、特に制限されず、例えば、酢酸亜鉛、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、塩化亜鉛アンモニウム、安息香酸亜鉛、炭酸亜鉛、エチルアセト酢酸亜鉛、ぎ酸亜鉛、水酸化亜鉛、硝酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、しゅう酸亜鉛、酸化亜鉛、リン酸亜鉛、リン酸亜鉛四水和物、リン酸水素亜鉛、リン酸亜鉛カルシウム、塩化カリウム亜鉛、ステアリン酸亜鉛、硫化亜鉛、フタロシアニン亜鉛、又は酒石酸亜鉛が例示される。特に好ましいのは、酸化亜鉛、リン酸亜鉛四水和物、或いはリン酸水素亜鉛である。
マンガン化合物としては、マンガンイオンの供給源となり、有機溶媒に溶ける化合物であれば、特に制限されず、例えば、酢酸マンガン、硫酸マンガン、塩化マンガン、塩化マンガンアンモニウム、安息香酸マンガン、炭酸マンガン、エチルアセト酢酸マンガン、ぎ酸マンガン、水酸化マンガン、硝酸マンガン、ナフテン酸マンガン、オレイン酸マンガン、しゅう酸マンガン、酸化マンガン、リン酸マンガン、リン酸水素マンガン、塩化カリウムマンガン、ステアリン酸マンガン、硫化マンガン、フタロシアニンマンガン、又は酒石酸マンガンが例示される。特に好ましいのは、酸化マンガン、或いはリン酸水素マンガンである。
また、銅化合物としては、銅イオンの供給源となり、有機溶媒に溶ける化合物であれば、特に制限されず、例えば、酢酸銅、硫酸銅、塩化銅、塩化銅アンモニウム、安息香酸銅、炭酸銅、エチルアセト酢酸銅、ぎ酸銅、水酸化銅、硝酸銅、ナフテン酸銅、オレイン酸銅、しゅう酸銅、酸化銅、リン酸銅、リン酸水素銅、塩化カリウム銅、ステアリン酸銅、硫化銅、フタロシアニン銅、または酒石酸銅などが用いられる。特に好ましいのは、酸化銅(I)、或いはリン酸水素銅である。
さらに、カルシウム化合物としては、カルシウムイオンの供給源となり、有機溶媒に溶ける化合物であれば、特に制限されず、例えば、酢酸カルシウム、硫酸カルシウム、塩化カルシウム、塩化カルシウムアンモニウム、安息香酸カルシウム、炭酸カルシウム、エチルアセト酢酸カルシウム、ぎ酸カルシウム、水酸化カルシウム、硝酸カルシウム、ナフテン酸カルシウム、オレイン酸カルシウム、しゅう酸カルシウム、酸化カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、塩化カリウムカルシウム、ステアリン酸カルシウム、硫化カルシウム、フタロシアニンカルシウム、又は酒石酸カルシウムが例示される。特に好ましいのは、酸化カルシウム、或いはリン酸水素カルシウムである。
金属成分であるアルミニウム、亜鉛、マンガン、銅又はカルシウムから選ばれた1種以上の金属の酸化物、複合酸化物、リン酸塩又はリン酸水素化合物は、磁性粉末の粒径、表面積等に合わせて最適量を添加するが、該磁性粉末に対して、例えば、0.01〜1mol/kg(粉末重量当たり)とする。添加量が0.01mol/kg未満であると、磁性粉末の表面が十分に被覆されないために耐塩水性が改善されず、1mol/kgを超えると磁化の低下が著しくなり、磁石としての性能が低下する。
金属成分を添加する場合、その添加時期は、いつでも良く、粉砕前に溶媒に溶かしておき、粉砕途中に一度に添加する方法、粉砕中、徐々に添加する方法などが用いられる。あるいは粉砕直後であってもよい。
これによって、溶液中に溶けだした希土類元素、鉄など磁石を構成する元素がリン酸塩を形成し、金属化合物と反応しあって、複合金属リン酸塩が磁性粉末を被覆する。この反応が完結し、充分な膜厚の被膜を形成するには、金属化合物の種類などにもよるが、1〜180分間、好ましくは3〜150分、さらに好ましくは5〜60分の攪拌(粉砕)、保持時間が必要である。
平均粒径が20μmを超える粉末を含む鉄系磁石合金粗粉は、平均粒径8μm以下、好ましくは1〜5μmまで粉砕されることが好ましい。
(2)シリケート被膜の形成
複合金属リン酸塩被膜で被覆された磁性粉末は、それが含まれたスラリーを一旦、減圧濾過した後、シリケート被膜の被覆形成処理を施される。シリケート被膜の被覆形成処理の方法は、特に限定されないが、予め脱水縮合反応により高分子化されたアルコキシシリケート溶液を混合、攪拌してシリケート層を定着させる方法が好ましい。
アルコキシシリケート溶液は、アルコキシ基を有するシリケート化合物を含む処理液であり、具体的には、前記一般式(1)で示されるポリアルコキシポリシロキサンである。アルコキシシリケート溶液は、濃度が磁性粉末に対して、0.01〜5重量%となるように添加・混合することが好ましい。0.01重量%未満では磁性粉末の表面を完全に被覆することができず、5重量%を超えると被膜が厚くなりすぎて脆くなってしまう。
また、アルコキシシリケートを加水分解してシリケート被膜を形成する際に、脱水縮合反応を促進する触媒として、アルミニウムキレート化合物を添加すると、被膜形成に要する時間が大幅に短縮できるだけでなく、樹脂結合型磁石を製造したとき磁気特性を高めるという効果がある。
磁性粉末の表面に、アルコキシシリケートを加水分解してシリケート被膜を形成した後は、乾燥せずに、引き続き、カップリング剤を投入し、攪拌して、カップリング剤処理被膜を形成する方法;シリケート被膜を形成した後、特定の温度で焼き付け乾燥を行ってから、その後、カップリング剤を投入し、攪拌して、カップリング剤処理被膜を形成する方法の二通りの方法がある。
このうち、シリケート被膜を形成した後、焼付け乾燥してからシラン系カップリング剤を投入して、カップリング剤処理被膜を形成する後者の方法のほうが、強固なシリケート被膜にシラン系カップリング剤のシロキサン構造を形成させることができるので、より好ましい。
被膜形成を完全に行うためには、常に磁性粉末のスラリーを攪拌し、また、被膜形成を十分に行えるように、焼付け乾燥温度は100〜150℃にすることが好ましい。処理温度は高いほど緻密で強固な被膜が得られるが、高過ぎると磁性粉の磁気特性、特に保磁力が低下するので注意が必要である。
アルコキシシリケートは、上記複合金属リン酸被膜で表面被覆された磁性粉末の表面上に、速やかに付着し、乾燥後はシリケート被膜として強固に結合する。磁性粉表面にシリケート被膜が直接結合したとしても、その結合酸化安定性は低いが、下地に酸化安定性の高い複合金属リン酸被膜があることによって、シリケート層の結合安定性は飛躍的に向上する。また、従来、複合金属リン酸被膜は完全に緻密とは言えず、そのため腐食性イオンの透過が避けられなかったが、シリケート被膜と組み合わせると複合金属リン酸被膜欠陥部分は完全に封穴され、バリアー効果が相乗的に向上する。そのため、従来は複合金属リン酸被膜が形成されても発生することがあった錆の問題をなくすことができる。
(3)カップリング剤処理被膜の形成
次いで、上記磁性粉末のシリケート被膜に、樹脂バインダーに対して親和性のあるカップリング剤処理被膜を形成する。その形成に用いられるカップリング剤としては、前記のとおり、シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤のいずれかが挙げられる。このうち特に好ましいのはシラン系カップリング剤である。
カップリング剤の添加量は、その成分の種類や濃度により異なるが、磁石粉末に対して0.01〜5重量%でよく、好ましくは0.1〜3重量%であり、0.5〜2重量%であることがより好ましい。添加量が0.01重量%未満の場合は、磁石粉末が十分に被覆されず、また5重量%を超えると密度の低下に伴う磁気特性の低下、機械強度の低下等のため、実用に耐えうる樹脂結合型磁石を得ることが困難になる。
また、有機溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、ホルムアミド、2−メトキシエタノール、エタノール、メタノール又はイソプロピルアルコールから選ばれた1種以上を用いることができる。
カップリング剤により磁石粉末を被覆するには、湿式処理法や乾式処理法などが採用でき、予め単独で被覆処理してもよく、樹脂バインダー等と磁石粉末との混合時に併せて添加、処理しても良い。このときメカノフュージョン法により予め単独で被覆処理を行えば、より安定した被覆磁石粉末を得ることができる。
上記複層被膜形成後、処理溶液と該磁性粉末は、100〜500℃の真空オーブン中で1〜30時間乾燥させることが好ましい。この時、加熱処理を不活性ガス中または真空中で行うことが好ましい。100℃未満で加熱処理を施すと、該磁性粉末の乾燥が十分進まずに、安定な表面被膜の形成が阻害される。また、500℃を超える温度で加熱処理を施すと、磁性粉末が熱的なダメージを受け、保磁力がかなり低くなるという問題がある。上記したように、この複層処理被膜の合計の膜厚は、平均で1〜100nmの厚さが好ましい。平均厚さが1nm未満であると十分な耐塩水性、機械強度が得られず、一方、100nmを越えると磁気特性が低下し、また樹脂結合型磁石を作製する際には混練性や成形性が低下してしまう。
(B)ポリアミド樹脂
本発明において、ポリアミド樹脂は、数平均分子量が10000〜60000の重合脂肪酸系ポリアミドである。
上記ポリアミド樹脂の数平均分子量は、10000〜60000の範囲内にあることが必要であり、25000〜60000の範囲が好ましく、特に45000〜60000の範囲にあるものが好ましい。数平均分子量が10000未満では、得られる磁石の機械的強度も低下する。一方、数平均分子量が60000を超えると、組成物の流動性が著しく低下して、射出成形も困難となる場合がある。また、流動性を上げるために高温で射出成形しようとすると、磁性粉末の酸化劣化のために磁気特性に優れた磁石が得られない。
本発明において、重合脂肪酸系ポリアミドは、モノマーの炭素数や構造などによって特に限定されるものではないが、溶融時の流動性を維持したまま高い機械強度を製品に与えるためには、アミン成分である炭素数6〜12の脂肪族ジアミンと、酸成分である炭素数20〜40のダイマー酸を含むモノマーを重合して得られるポリアミド樹脂であることが望ましい。ここで、酸成分として、さらに、炭素数9〜18のモノカルボン酸又はジカルボン酸を含有することができ、この場合、重合して得られるポリアミド樹脂は、重合脂肪酸系ポリアミドブロック共重合体となる。
脂肪族ジアミンとしては、その炭素数や構造などによって特に限定されるものではないが、炭素数が6〜12であるものが好ましい。具体的には、メチルペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン等が挙げられる。このうちで特に好ましいのはヘキサメチレンジアミンである。
ダイマー酸は、二量体化脂肪酸であり、その炭素数や構造などによって特に限定されるものではないが、炭素数が20〜40であるものが好ましい。ダイマー酸を主成分とし、他に原料の脂肪酸や三量体化以上の脂肪酸を含有する重合脂肪酸であってもよい。重合脂肪酸としては、ダイマー酸の含有量が70%以上、好ましくは95%以上であり、かつ水素添加して不飽和度を下げたものが望ましい。
ダイマー酸としては、例えば炭素数が10〜20の二重結合または三重結合を一個以上有する一塩基性脂肪酸を分子間重合して得た炭素数が20〜40の重合脂肪酸が挙げられる。具体的には、大豆油脂肪酸、トール油脂肪酸、菜種油脂肪酸等の天然の獣植物油脂肪酸及びこれらを精製したオレイン酸、リノール酸、エルカ酸等から重合した重合脂肪酸であり、これらのエステル誘導体であってもよい。
ジカルボン酸としては、その炭素数や構造などによって特に限定されるものではないが、炭素数9〜18の脂肪族ジカルボン酸が好ましい。例えば、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、ヘキサデカンジオン酸、エイコサンジオン酸、エイコサジエン酸、2,2,4−トリメチルアジピン酸が挙げられ、1種でも2種以上の混合物であっても良い。
特に、重合性、重合脂肪酸との共重合性及び得られるポリアミドの物性などの点から、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸又はこれらの混合物、特にアゼライン酸および(または)セバシン酸が好ましい。上記のように、重合脂肪酸系ポリアミドとして、炭素数6〜12の脂肪族ジアミンと、酸成分として、アゼライン酸及び/又はセバシン酸と、炭素数20〜40のダイマー酸を含むモノマーを重合して得られるポリアミド樹脂を使用することにより、高分子量にもかかわらず十分な流動性を付与することができる。
また、モノカルボン酸として、ノナン酸、デカン酸、ドデカン酸など炭素数9〜18の脂肪族モノカルボン酸が1種又は2種以上含まれていてもよい。このうち特に好ましいのはノナン酸である。
重合脂肪酸系ポリアミドブロック共重合体は、その骨格に重合脂肪酸のソフトな骨格が含まれている。すなわち、重合脂肪酸のソフトな骨格と、炭化水素鎖が比較的長いジカルボン酸の骨格とがブロック重合した特有の構造をしている。
重合脂肪酸系ポリアミドブロック共重合体の繰り返し単位は、一般式(2)で表される。
一般式(2)
Figure 2007027480
ただし、式中、R、Rは、同一か又は異なる炭素数6〜12の1種以上から選ばれる脂肪族ジアミン残基であり、Rは、炭素数9〜18の脂肪族ジカルボン酸の1種以上から選ばれるジカルボン酸残基、Rは、炭素数20〜40のダイマー酸から選ばれる重合脂肪酸残基を表し、mは1〜80の整数、nは1〜160の整数、xは1〜120の整数である。
なお、mは1〜70の整数、nは1〜130の整数、xは1〜100の整数であることが好ましい。
重合脂肪酸系ポリアミドは、特定の重合脂肪酸、およびジアミンを含む原料モノマーを混合し、重縮合して製造され、重合脂肪酸系ポリアミドブロック共重合体は、特定の重合脂肪酸、ジカルボン酸、およびジアミンを含む原料モノマーを混合し、重縮合して製造される。その詳細は、特開平5−320335号公報等に記載されている。
得られた重合脂肪酸系ポリアミド又は重合脂肪酸系ポリアミドブロック共重合体の数平均分子量が、10000〜60000の範囲から外れている場合は、蒸留やクロマト分離などにより、ポリマーの一部を分離したり、他の重合脂肪酸系ポリアミド又は重合脂肪酸系ポリアミドブロック共重合体を混合することで容易に調整することができる。
上記ポリアミド樹脂(重合脂肪酸系ポリアミド)は、例えば耐熱性、機械的強度、弾性、寸法安定性、耐油性、耐薬品性又は耐候性において、重合脂肪酸を用いないで合成されるナイロン12などのポリアミド樹脂よりも優れている。これに対して、ナイロン12など従来のポリアミド樹脂では、高い機械的強度を得るためには数平均分子量が80000を超えるものが必要となるため、樹脂バインダーが高粘度となり、流動性が低下し、射出成形が困難になる。
上記ポリアミド樹脂の量は、磁性粉末100重量部に対して、通常5〜100重量部配合することが好ましい。さらに、好ましい配合量は5〜50重量部である。上記ポリアミド樹脂の配合量が5重量部未満であると、組成物の混練抵抗(トルク)が大きくなったり、流動性が低下して磁石の成形が困難となったりし、一方、100重量部を超えると、所望の磁気特性が得られなくなってしまう。
ポリアミド樹脂の形状は、ペレット状、ビーズ状、パウダー状、ペースト状のいずれでもよく、均一な混合物を得る点で、パウダー状が好ましい。
上記ポリアミド樹脂には、必要に応じて他の熱可塑性樹脂を配合することもできる。例えば、直鎖型ポリフェニレンサルファイド樹脂、架橋型ポリフェニレンサルファイド樹脂、セミ架橋型ポリフェニレンサルファイド樹脂、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、超高分子量ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合樹脂、アイオノマー樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、メタクリル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリ三フッ化塩化エチレン樹脂、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合樹脂、エチレン−四フッ化エチレン共重合樹脂、四フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリアリルエーテルアリルスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリアリレート樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、酢酸セルロース樹脂、各種エラストマーやゴム類等が挙げられる。
また、これらの単独重合体や他種モノマーとのランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体、他の物質での末端基変性品なども使用できる。さらに、これら熱可塑性樹脂の2種類以上をブレンドした系も含まれる。
前記の特許文献5には、樹脂バインダー全体に対して重合脂肪酸ポリアミド系樹脂の混合比率を高くしすぎると、相対的に磁粉含有率が低下するために磁気特性が低下するので好ましくない旨記載されている。しかしながら、重合脂肪酸系ポリアミドは機械特性がよいので、本発明においては、その配合量は樹脂バインダーの50wt%以上とすることが望ましい。
(C)高分子系滑剤
本発明の樹脂結合型磁石組成物に用いられる高分子系滑剤は、オレフィンと(メタ)アクリル酸または酸無水物との共重合体、その共重合体アイオノマー、及びポリオレフィンへの(メタ)アクリル酸または酸無水物のグラフト重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種でなければならない。
オレフィンと(メタ)アクリル酸または酸無水物との共重合体は、α‐オレフィンと、アクリル酸、メタクリル酸または酸無水物とを公知の重合触媒を用いて重合して得られる共重合体である。α‐オレフィンとしては、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン等が挙げられる。
酸無水物としては、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、アリルコハク酸、グルタコン酸、ハイミック酸、テトラヒドロフタル酸、ノルボルネン−5,6−ジカルボン酸等の無水物が挙げられる。例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水アリルコハク酸、無水グルタコン酸、無水ハイミック酸、無水テトラヒドロフタル酸及びこれらの混合物などである。
このオレフィンと(メタ)アクリル酸または酸無水物との共重合体の具体例としては、エチレン・アクリル酸共重合体(製品名:Aclyn201、ハネウェル社製)などが挙げられる。
また、オレフィンと(メタ)アクリル酸または酸無水物との共重合体の共重合体アイオノマーとしては、例えば、エチレンとアクリル酸、メタクリル酸や酸無水物などとの共重合体の分子鎖間(分子鎖中のカルボキシル基間)を、ナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、亜鉛イオン等の金属イオンで架橋させたものである。また、その特性を損なわない限り、エチレン、アクリル酸、メタクリル酸以外の単量体が共重合したものであってもよい。具体的な共重合体アイオノマーとしては、ハネウェル社製のエチレン・アクリル酸共重合体アイオノマー(商品名:A−C504A)、デュポン社の熱可塑性樹脂(商品名:サーリン)、三井・デュポンポリケミカル社の熱可塑性樹脂(商品名:ハイミラン)等がある。
そして、ポリオレフィンへの(メタ)アクリル酸または酸無水物のグラフト重合体は、ポリオレフィンの分子鎖を幹として、これにアクリル酸、メタクリル酸または酸無水物のいずれかが枝となって結合した構造を有するグラフト重合体である。かかるグラフト重合体を構成するポリオレフィンは、特に限定されず、公知のポリオレフィンでよい。例えばα‐オレフィン(エチレンを含む)の単独重合体;2種以上のα‐オレフィンの共重合体(ランダム、ブロック、グラフト等いずれの共重合体も含み、これらの混合物であってもよい);またはオレフィン系エラストマーが挙げられる。
エチレン単独重合体としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)および線状低密度ポリエチレン(LLDPE)などを用いることができる。ポリプロピレンとしては、プロピレン単独重合体に限らず、プロピレンとエチレンとのブロック共重合体またはランダム共重合体を含む。共重合体の場合、エチレン含有量が20重量%以下のエチレン−プロピレン共重合体であり、上記したポリエチレンやポリプロピレンは、オレフィン系エラストマーを40重量%程度まで含んでいてもよい。
このようなグラフト重合体の具体例としては、ハネウェル社製の無水マレイン酸グラフトポリエチレン(商品名:A−C575A)などが挙げられる。
これらは、それぞれ非極性成分と極性成分の共重合体、およびそのアイオノマー、あるいは極性成分をグラフトしたポリオレフィンなど非極性成分と極性成分両方をポリマー鎖に含んでいるものである。
また、高分子系滑剤の融点は、樹脂バインダーとして使用されるポリアミド樹脂より低いことが望ましく、例えば150℃以下が好ましく、さらには120℃以下であることがより好ましい。高分子系滑剤の好ましい融点は、80〜110℃である。高分子系滑剤の融点が150℃を超えるものでは、ポリアミド樹脂への分散性が悪く、磁性粉末の流動性を改善できない場合がある。一方、高分子系滑剤の融点が80℃未満のものでは、組成物の機械的強度が低下する場合があるので好ましくない。
高分子系滑剤の数平均分子量は、使用されるポリアミド樹脂の数平均分子量よりも小さいことが望ましく、例えば数平均分子量で10000以下、特に8000以下が好ましく、さらには5000以下であることが好ましい。特に好ましい数平均分子量は、1000〜3000である。高分子系滑剤の数平均分子量が10000を超えるものでは、ポリアミド樹脂への分散性が悪く、磁性粉末の流動性を改善できない場合がある。一方、高分子系滑剤の数平均分子量が1000未満のものでは、組成物の機械的強度が低下する場合がある。
高分子系滑剤の含有量は、特に限定するわけではないが、上記ポリアミド100重量部に対して、0.1〜5重量部である。0.1重量部未満の場合には、流動性改善効果が不十分であるおそれがある。5重量部を超える場合には、高分子系滑剤の極性成分により吸水性が高くなり、樹脂結合型磁石としての耐候性、特に耐湿性が低下するおそれがある。更に好ましくは、上記高分子系滑剤の含有量は、上記ポリマー100重量部に対して、0.2〜1.0重量部である。これにより、射出成形時の流動性が向上し保磁力が更に向上、また成形体の機械強度を高分子系滑剤添加によって低下させることがない。
高分子系滑剤の形状は、塊状、粒状、粉体状のいずれも使用できるが、組成物の均一性を良くし、流動性を高めるためには、粉体状が好ましい。
本発明において、高分子系滑剤を特定のポリアミド樹脂に配合し、樹脂結合型磁石を作製すると、射出成形時の流動性を維持したまま機械強度の高い樹脂結合型磁石成形体が得られる理由は、以下のように考えられる。
すなわち、極性成分を含む高分子系滑剤は、極性の高い磁性粉表面に強く吸着し、ポリマーマトリックスと磁性粉の結合を強化する。一方で、高分子系滑剤中の非極性成分がポリマーマトリックス中でワックス(滑り)効果を発現する。つまり溶融中はマトリックス中で磁性粉は動きやすく、冷却固化後、高分子系滑剤の極性成分の磁性粉への強い吸着により、成形体として樹脂結合型磁石の機械強度が向上する。
このような高分子系滑剤を樹脂材料であるポリアミドに添加する方法は、添加する滑剤の量が少量であっても効果が得られるため、コスト的にも有望な樹脂材料の特性改良方法といえる。なお、高分子系滑剤の樹脂への相溶性が不十分な場合もあり、樹脂合成時の最終段階で高分子系滑剤を投入し、上記ポリアミド樹脂と十分相溶させ、十分な親和性を与えた状態で使用することが好ましい。
ところで、通常用いられる滑剤であるワックス類、脂肪酸及び脂肪酸誘導体、グリコール類並びにポリシロキサン類は、その添加によりナイロン樹脂溶融時の流動性は向上するが、成形体の機械強度が低下する。本発明の高分子系滑剤は、これら従来の滑剤の問題点を解決するものである。
(D)その他の添加剤
本発明の磁石組成物には、磁性粉末(A)、ポリアミド樹脂(B)及び高分子系滑剤(C)以外にも、必要に応じて以下に示す各種の添加剤(D)を、本発明の目的を阻害しない範囲で使用することができる。
例えば、ポリアミド樹脂及び磁性粉末の耐熱性を向上させる目的で、熱老化防止剤、酸化防止剤等の安定剤を添加することもできる。
このような安定剤には、例えば、ヒンダードアミン、ヒンダードフェノール等の一次酸化防止剤、イオウ系、リン系の二次酸化防止剤が挙げられ、特にリン系の二次酸化防止剤であるトリフェニルフォスファイト、例えば、トリスノニルフェニルホウファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトなどが好ましい。
安定剤は、混合工程、混練工程、成形工程のいずれの段階でも添加することができ、ポリアミド樹脂又は高分子系滑剤に予め添加してもよい。
本発明の樹脂結合型磁石組成物は、鉄を含有するためにポリアミド樹脂との反応性の高い磁性粉末に適用する場合、例えばSmFeN系磁性粉末を用いる場合に、流動性と成形品強度が両立できるため特に有効である。
3.樹脂結合型磁石用組成物の製造方法
本発明の樹脂結合型磁石用組成物を製造する方法は、特定のポリアミド樹脂(B)と特定の高分子系滑剤(C)とを溶融混合する第1の工程と、次いで得られた混合物に磁性粉末(A)を配合し、混練する第2の工程とからなる。すなわち、本発明の樹脂結合型磁石用組成物は、以下に示す混合工程(1)及び混練工程(2)を経て得ることができる。
(1)混合工程
この工程では、ポリアミド樹脂、及び高分子系滑剤を均一に混合する。上記成分のほかに溶媒を用いると、より均一な混合物が得られる場合もある。ポリアミド樹脂合成終了時に高分子系滑剤を投入すると、ポリアミド樹脂と高分子系滑剤の相溶性が向上し、高分子系滑剤成分の分離が抑制される。
上記したように、ポリアミド樹脂は、アミン成分と酸成分を含む原料モノマーの共重合体であり、重合脂肪酸系ポリアミド、又はそのブロック共重合体のいずれかから選ばれる。特に、そのアミン成分がヘキサメチレンジアミンであり、酸成分がダイマー酸である重合脂肪酸系ポリアミド、あるいは酸成分として、さらに前記モノマーにアゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸のいずれか1種以上を含み、必要によりノナン酸を含有させて重合して得られる重合脂肪酸系ポリアミドブロック共重合体が好ましい。
これらを用いることにより、溶融時の流動性を維持したまま高い機械強度を製品に与えることができる。上記ポリアミド樹脂は、例えば耐熱性、機械的強度、弾性、寸法安定性、耐油性、耐薬品性又は耐候性において優れている。また、このポリアミド樹脂の数平均分子量は、10000〜60000であることが必要である。
ポリアミド樹脂は、磁性粉の種類、得られるボンド磁石組成物の溶融流動性、磁性粉の配向性等を考慮して上記の重合脂肪酸系ポリアミド(ブロック共重合体)の中から適宜選択すれば良い。
また、上記したように、ポリアミド樹脂の配合量は、上記異方性磁場(H)が4000kA/m(50kOe)以上の磁性粉末100重量部に対して、通常5〜100重量部が好ましい。さらに、好ましい配合量は5〜50重量部である。上記ポリアミド樹脂の配合量が5重量部未満であると、組成物の混練抵抗(トルク)が大きくなったり、流動性が低下して磁石の成形が困難となったりし、一方、100重量部を超えると、所望の磁気特性が得られなくなってしまう。
また、高分子系滑剤の配合量は、上記ポリアミド樹脂100重量部に対して、0.1〜5重量部であることが好ましい。0.1重量部未満の場合には、流動性改善効果が不十分となるおそれがある。5重量部を超える場合には、高分子系滑剤の極性成分により吸水性が高くなり、樹脂結合型磁石としてのリサイクル性、耐候性特に耐湿性が低下するおそれがある。更に好ましくは、上記高分子系滑剤の配合量は、上記ポリマ−100重量部に対して、0.2〜1.0重量部である。これにより、射出成形時の流動性が向上し保磁力が更に向上、また成形体の機械強度が高分子系滑剤添加により低下しなくなる。
混合温度は、高分子系滑剤の融点以上、かつ150℃以下であればよい。混合温度が高分子系滑剤の融点未満では、ポリアミド樹脂への分散が不十分であり、また150℃を超えると高分子系滑剤が分解して特性が発揮されないことがあり好ましくない。例えば80〜150℃、特に100〜120℃の範囲が好ましい。
本発明の樹脂結合型磁石用組成物を調製する際に用いられる混合機としては、特に制限がなく、リボンミキサー、V型ミキサー、ロータリーミキサー、ヘンシェルミキサー、フラッシュミキサー、ナウターミキサー、タンブラー等が挙げられる。また、回転ボールミル、振動ボールミル、遊星ボールミル、ウェットミル、ジェットミル、ハンマーミル、カッターミル等を用いることができる。各成分を粉砕しながら混合する方法も有効である。
高分子系滑剤をポリアミド樹脂と併用することにより、高分子系滑剤が極性の高い磁性粉表面へ優先吸着する官能基を有するため、高分子系滑剤がいち早く磁性粉周囲を取り囲み、ポリアミド樹脂より低分子であるため溶融し易く、かつ、流動し易いため、磁性粉の混練時の分散と磁場配向を容易にする。一方で、該高分子系滑剤は機械強度を低下させない程度に十分な分子量を有しているため、射出成形後の成形体の機械強度を低下させない。これらのことから、磁気特性と機械強度に優れた樹脂結合型磁石を得ることができるのである。
(2)混練工程
高分子系滑剤をポリアミド樹脂と混合した後、得られた混合物に磁性粉末を混合する。本発明において、磁性粉末の配合量は、組成物全体に対して70〜97重量%であり、好ましくは80〜95重量%である。この配合量が70重量%未満であると、得られる磁石の磁気特性が低下する。逆に、97重量%を超えると、組成物の流動性が極端に低下して成形が困難になったり、たとえ流動性を保ち成形できても、磁性粒子の配向性が悪くなり、磁性粉末の含有率に見合った磁気特性が得られなくなったりする。また、バインダー成分が少なすぎて、磁石の機械的強度が低下し、部品として使用できなくなる。
混練工程では、こうして得られた混合物を、ブラベンダー等のバッチ式ニーダー、バンバリーミキサー、ヘンシェルミキサー、ヘリカルローター、ロール、一軸押出機、二軸押出機等を用いて加熱溶融しながら混練する。混練温度は、ポリアミド樹脂の融点以上であればよく、好ましくは180〜300℃の範囲であり、磁性粉末の高温酸化を防ぐためには、180〜250℃の範囲が特に好ましい。
本発明の樹脂結合型磁石用組成物は、上記で得られた混練物を、ストランド状又はシート状に押し出した後、カッティングしたもの、また、前記混練物をホットカット又はコールドカットしてブロック状とした後、冷却固化し、さらに粉砕してペレット状等としたものとして得ることができる。このようにして得られる樹脂結合型磁石組成物は、低温流動性及び射出成形性に優れるものとなる。
4.樹脂結合型磁石
本発明の樹脂結合型磁石は、前記の組成物を樹脂の融点以上、好ましくは200〜250℃の範囲の温度で加熱溶融した後、射出成形法、押出成形法、圧縮成形法等を用いて該溶融物を磁場中で成形することにより、成形体として得ることができる。
特に、射出成形法は、成形体の形状の自由度が大きく、しかも得られる磁石の表面性状及び磁気特性が優れ、そのまま電子部品の部品として組み込める点で好ましい。
得られた成形体は、使用前に着磁することが望ましい。着磁には、静磁場を発生する電磁石、パルス磁場を発生するコンデンサー着磁機等が用いられる。着磁磁場、すなわち磁場強度は、1200kA/m(15kOe)以上が好ましく、さらには2400kA/m(30kOe)以上が好ましい。
得られる樹脂結合型磁石は、磁気特性に優れ、かつ剛性等の機械的強度に優れる。例えば電子機器用モーター部品等の小型で偏平な複雑形状品に用いられ、大量生産が可能、後加工が不要、インサート成形可能等の特長を有しており、特に、金属材料との一体成形部品に好適である。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、これら実施例によって限定されるものではない。
以下の実施例及び比較例において、ポリアミド樹脂、樹脂結合型磁石組成物及び樹脂結合型磁石の各特性評価は、以下の様にして行った。
・表面処理被膜の膜厚
被膜の膜厚又は複層処理被膜の合計膜厚は、被覆された希土類元素を含む鉄系磁石合金粉の断面の電子顕微鏡写真から測定した。
・流動性(メルトインデックス MI法)
流動性は、東洋精機(株)製メルトインデクサーを用いて測定した。測定温度:250℃、荷重:21.6kg、ダイスウェル:直径2.1mm×厚さ8mmとした。
・リサイクル性
樹脂結合型磁石用組成物を、東洋精機(株)製ラボプラストミルを用いて混練(混練温度:230℃、回転数:50rpm時間:30分)し、次いで(株)ホソカワミクロン製ロートプレックス粉砕器を用いて、粉砕工程を5回繰り返した後のペレット、及び10回繰り返した後のペレットについて、流動性を上記と同様にして測定した。
これらの測定値が、10×10−3cc/s以上で有れば、射出成形可能であり、リサイクル性が良好であることが確認されている。
・磁気特性
射出成形法により直径20mm×厚さ15mmの円柱形磁石を成形し、パルス着磁機で5600kA/m(70kOe)の外部磁場を掛けて着磁した。その後、東英工業(株)製チオフィー型自記磁束計を用いて、磁石の残留磁化Br(T(kG))、保磁力iHc(kA/m(kOe))及び最大エネルギー積(BH)max(kJ/m(MGOe))を測定した。
・機械的強度
寸法(幅W:15mm×長さL:8mm×厚みH:2mm)の板状試験片を支点間距離(Lv)7.5mmで支え、その中心に加重を加え、破断した時の加重(P)から次式で計算される曲げ強さ(σ)を機械強度とした。この値が大きいほど機械強度は高い。
曲げ強さの計算は以下の式による:
σ=3P/(2Wh) (式1)
.耐塩水性(耐食性)
得られた磁石成形体を5%NaCl水溶液中に成形体の半分までつかるようにして浸漬後、室温にて24時間放置し、錆の発生の有無を目視観察した。
(実施例1)
まず、数平均分子量50000の重合脂肪酸系ポリアミドブロック共重合体(富士化成工業製 アミン成分がヘキサメチレンジアミン、酸成分が重合脂肪酸、セバシン酸、融点196℃)を8重量部と、前記ポリアミド樹脂重量に対して、高分子系滑剤としてエチレン・アクリル酸共重合体(製品名:Aclyn201、ハネウェル社製、融点102℃)を0.09重量%V型ブレンダーに投入し、110℃で15分間混合した。
ポリアミド中に高分子系滑剤が均一に分散した後、この樹脂バインダーに磁性粉末SmFe14(平均粒径4μm)を配合し、合わせて100重量部とした。次いで、この混合物を東洋精機(株)製ラボプラストミルにて、200℃、50rpm、30分の条件で混練し、冷却した後、ホソカワミクロン製ロートプレックス粉砕器で粉砕し、ペレット状の樹脂結合型磁石用組成物を製造した。
この樹脂結合型磁石用組成物の流動性を、上記評価方法に従って測定した。その結果を表1に示す。
上記樹脂結合型磁石用組成物を、タナベ工業(株)製磁場中射出成形機(TK50MGS2型)に投入し、配向磁場(印加磁界640kA/m(8kOe))、電流値30A、射出圧98MPa、射出温度230℃、金型温度110℃の条件で、上記円柱状及び板状形状の磁石成形体をそれぞれ成形した。得られた磁石成形体を用いて磁気特性、機械的強度、耐塩水性を測定した。その結果を表1に併せて示す。
(実施例2)
ポリアミド樹脂重量に対する高分子系滑剤の配合量を0.10重量%とした以外は実施例1と同じとして、ペレット状の樹脂結合型磁石用組成物を作製した。
この樹脂結合型磁石用組成物の流動性を、上記評価方法に従って測定した。その結果を表1に示す。上記樹脂結合型磁石用組成物を、実施例1と同様の条件で、円柱状及び板状形状の磁石成形体をそれぞれ成形し、磁気特性、機械的強度を測定した。その結果を表1に併せて示す。
(実施例3)
ポリアミド樹脂重量に対する高分子系滑剤の配合量を5.0重量%とした以外は実施例1と同じとして、ペレット状の樹脂結合型磁石用組成物を作製した。
この樹脂結合型磁石用組成物の流動性を、上記評価方法に従って測定した。その結果を表1に示す。上記樹脂結合型磁石用組成物を、実施例1と同様の条件で、円柱状及び板状形状の磁石成形体をそれぞれ成形し、磁気特性、機械的強度を測定した。その結果を表1に併せて示す。
(実施例4)
ポリアミド樹脂重量に対する高分子系滑剤の配合量を6.0重量%とした以外は実施例1と同じとして、ペレット状の樹脂結合型磁石用組成物を作製した。
この樹脂結合型磁石用組成物の流動性を、上記評価方法に従って測定した。その結果を表1に示す。上記樹脂結合型磁石用組成物を、実施例1と同様の条件で、円柱状及び板状形状の磁石成形体をそれぞれ成形し、磁気特性、機械的強度を測定した。その結果を表1に併せて示す。
(実施例5)
高分子系滑剤としてエチレン・アクリル酸共重合体アイオノマー(製品名:ハネウェル社製 A−C504A、融点105℃)を用いた以外は実施例1と同じとして、ペレット状の樹脂結合型磁石用組成物を作製した。
この樹脂結合型磁石用組成物の流動性を、上記評価方法に従って測定した。その結果を表1に示す。上記樹脂結合型磁石用組成物を、実施例1と同様の条件で、円柱状及び板状形状の磁石成形体をそれぞれ成形し、磁気特性、機械的強度、耐塩水性を測定した。その結果を表1に併せて示す。
(実施例6)
ポリアミド樹脂重量に対する高分子系滑剤の配合量を0.1重量%とした以外は実施例5と同じとして、ペレット状の樹脂結合型磁石用組成物を作製した。
この樹脂結合型磁石用組成物の流動性を、上記評価方法に従って測定した。その結果を表1に示す。上記樹脂結合型磁石用組成物を、実施例1と同様の条件で、円柱状及び板状形状の磁石成形体をそれぞれ成形し、磁気特性、機械的強度を測定した。その結果を表1に併せて示す。
(実施例7)
ポリアミド樹脂重量に対する高分子系滑剤の配合量を5.0重量%とした以外は実施例5と同じとして、ペレット状の樹脂結合型磁石用組成物を作製した。
この樹脂結合型磁石用組成物の流動性を、上記評価方法に従って測定した。その結果を表1に示す。上記樹脂結合型磁石用組成物を、実施例1と同様の条件で、円柱状及び板状形状の磁石成形体をそれぞれ成形し、磁気特性、機械的強度を測定した。その結果を表1に併せて示す。
(実施例8)
ポリアミド樹脂重量に対する高分子系滑剤の配合量を6.0重量%とした以外は実施例5と同じとして、ペレット状の樹脂結合型磁石用組成物を作製した。
この樹脂結合型磁石用組成物の流動性を、上記評価方法に従って測定した。その結果を表1に示す。上記樹脂結合型磁石用組成物を、実施例1と同様の条件で、円柱状及び板状形状の磁石成形体をそれぞれ成形し、磁気特性、機械的強度を測定した。その結果を表1に併せて示す。
(実施例9)
高分子系滑剤として無水マレイン酸グラフトポリエチレン(製品名:ハネウェル社製 A−C575A、融点105℃)を用いた以外は実施例1と同じとして、ペレット状の樹脂結合型磁石用組成物を作製した。
この樹脂結合型磁石用組成物の流動性を、上記評価方法に従って測定した。その結果を表1に示す。上記樹脂結合型磁石用組成物を、実施例1と同様の条件で、円柱状及び板状形状の磁石成形体をそれぞれ成形し、磁気特性、機械的強度、耐塩水性を測定した。その結果を表1に併せて示す。
(実施例10)
ポリアミド樹脂重量に対する高分子系滑剤の配合量を0.10重量%とした以外は実施例9と同じとして、ペレット状の樹脂結合型磁石用組成物を作製した。
この樹脂結合型磁石用組成物の流動性を、上記評価方法に従って測定した。その結果を表1に示す。上記樹脂結合型磁石用組成物を、実施例1と同様の条件で、円柱状及び板状形状の磁石成形体をそれぞれ成形し、磁気特性、機械的強度を測定した。その結果を表1に併せて示す。
(実施例11)
ポリアミド樹脂重量に対する高分子系滑剤の配合量を5.0重量%とした以外は実施例9と同じとして、ペレット状の樹脂結合型磁石用組成物を作製した。
この樹脂結合型磁石用組成物の流動性を、上記評価方法に従って測定した。その結果を表1に示す。上記樹脂結合型磁石用組成物を、実施例1と同様の条件で、円柱状及び板状形状の磁石成形体をそれぞれ成形し、磁気特性、機械的強度を測定した。その結果を表1に併せて示す。
(実施例12)
ポリアミド樹脂重量に対する高分子系滑剤の配合量を6.0重量%とした以外は実施例9と同じとして、ペレット状の樹脂結合型磁石用組成物を作製した。
この樹脂結合型磁石用組成物の流動性を、上記評価方法に従って測定した。その結果を表1に示す。上記樹脂結合型磁石用組成物を、実施例1と同様の条件で、円柱状及び板状形状の磁石成形体をそれぞれ成形し、磁気特性、機械的強度を測定した。その結果を表1に併せて示す。
(実施例13)
数平均分子量45000の重合脂肪酸系ポリアミドブロック共重合体(富士化成工業製 アミン成分がヘキサメチレンジアミン、酸成分が、重合脂肪酸、セバシン酸、融点190℃)を8重量部と、前記ポリアミド樹脂重量に対して、高分子系滑剤としてエチレン・アクリル酸共重合体(製品名:ハネウェル社製 Aclyn201、融点102℃)を0.1重量%、及び磁性粉末SmFe14(平均粒径4μm)を残部とし、合わせて100重量部とし、V型ブレンダーに投入し15分間混合した。
次いで、この混合物の混錬、粉砕、ペレット状の樹脂結合型磁石用組成物製造については、ラボプラストミルによる混練温度を220℃に変更した以外実施例1と同様にした。
この樹脂結合型磁石用組成物の流動性を、上記評価方法に従って測定した。その結果を表1に示す。
上記樹脂結合型磁石用組成物を、タナベ工業(株)製磁場中射出成形機(TK50MGS2型)に投入し、配向磁場(印加磁界640kA/m(8kOe))、電流値30A、射出圧98MPa、射出温度230℃、金型温度110℃の条件で、上記円柱状及び板状形状の磁石成形体をそれぞれ成形した。得られた磁石成形体を用いて磁気特性、機械的強度を測定した。その結果を表1に併せて示す。
(実施例14)
数平均分子量50000の重合脂肪酸系ポリアミドブロック共重合体(富士化成工業製 アミン成分がヘキサメチレンジアミン、酸成分が重合脂肪酸、セバシン酸、融点199℃)を7重量部とし、前記ポリアミド樹脂重量に対して、高分子系滑剤としてエチレン・アクリル酸共重合体(製品名:ハネウェル社製Aclyn201、融点102℃)を0.2重量%、及び磁性粉末SmFe14(平均粒径4μm)を残部とし、合わせて100重量部とし、V型ブレンダーに投入し15分間混合した。
次いで、この混合物の混錬、粉砕、ペレット状の樹脂結合型磁石用組成物製造については実施例1と同様にした。
この樹脂結合型磁石用組成物の流動性を、上記評価方法に従って測定した。その結果を表1に示す。
上記樹脂結合型磁石用組成物を、タナベ工業(株)製磁場中射出成形機(TK50MGS2型)に投入し、配向磁場(印加磁界640kA/m(8kOe))、電流値30A、射出圧98MPa、射出温度230℃、金型温度110℃の条件で、上記円柱状及び板状形状の磁石成形体をそれぞれ成形した。得られた磁石成形体を用いて磁気特性、機械的強度を測定した。その結果を表1に併せて示す。
(実施例15)
数平均分子量50000の重合脂肪酸系ポリアミドブロック共重合体を用い、その配合量を30重量部とした以外は、実施例13と同様にした。この樹脂結合型磁石用組成物の流動性を、上記評価方法に従って測定した。その結果を表1に示す。
上記樹脂結合型磁石用組成物を、タナベ工業(株)製磁場中射出成形機(TK50MGS2型)に投入し、配向磁場(印加磁界640kA/m(8kOe))、電流値30A、射出圧98MPa、射出温度230℃、金型温度110℃の条件で、上記円柱状及び板状形状の磁石成形体をそれぞれ成形した。得られた磁石成形体を用いて磁気特性、機械的強度を測定した。その結果を表1に併せて示す。
(実施例16)
磁性粉末として、表面に複合金属リン酸塩被膜を形成したものを用いた以外は実施例1と同様にして、ペレット状の樹脂結合型磁石用組成物を作製した。なお、複合金属リン酸塩被膜は、85%オルトリン酸水溶液(商品名:りん酸、関東化学(株)製)を磁性粉末に0.3mol/kg添加、攪拌してスラリー化した後、そのスラリーをろ過し、ろ過物を真空中150℃に保持して2時間乾燥させて形成した。複合金属リン酸塩被膜の膜厚は1nmであった。
この樹脂結合型磁石用組成物の流動性を、上記評価方法に従って測定した。その結果を表1に示す。上記樹脂結合型磁石用組成物を、実施例1と同様の条件で、円柱状及び板状形状の磁石成形体をそれぞれ成形し、磁気特性、機械的強度、耐塩水性を測定した。その結果を表1に併せて示す。
(実施例17)
磁性粉末として、表面にシリケート被膜を形成したものを用いた以外は実施例1と同様にして、ペレット状の樹脂結合型磁石用組成物を作製した。なお、シリケート被膜は磁性粉末にシリケート溶液(MKシリケートMS51(商品名、シリカ換算濃度が52重量%であるメチルシリケートオリゴマー、三菱化学(株)製))を添加、攪拌しながら真空中150℃に保持して2時間乾燥させて形成させた。アルコキシシリケートを含む溶液は、磁性粉末に対して、0.5重量%の割合になるように添加した。シリケート被膜の膜厚は15nmであった。
この樹脂結合型磁石用組成物の流動性を、上記評価方法に従って測定した。その結果を表1に示す。上記樹脂結合型磁石用組成物を、実施例1と同様の条件で、円柱状及び板状形状の磁石成形体をそれぞれ成形し、磁気特性、機械的強度、耐塩水性を測定した。その結果を表1に併せて示す。
(実施例18)
磁性粉末として、表面に複合金属リン酸塩被膜とシリケート被膜とを順次形成したものを用いた以外は実施例1と同様にして、ペレット状の樹脂結合型磁石用組成物を作製した。なお、複合金属リン酸塩被膜は、85%オルトリン酸水溶液(商品名:りん酸、関東化学(株)製)を磁性粉末に0.3mol/kg添加、攪拌してスラリー化した後、そのスラリーをろ過し、ろ過物を真空中150℃に保持して2時間乾燥させて形成した。
また、シリケート被膜は、複合金属リン酸塩被膜が形成された磁性粉末にシリケート溶液(MKシリケートMS51(商品名、シリカ換算濃度が52重量%であるメチルシリケートオリゴマー、三菱化学(株)製))を添加、攪拌しながら真空中150℃に保持して2時間乾燥させて形成した。アルコキシシリケートを含む溶液は、磁性粉末に対して、0.5重量%の割合になるように添加した。複合金属リン酸塩被膜及びシリケート被膜の膜厚は合計で25nmであった。
この樹脂結合型磁石用組成物の流動性を、上記評価方法に従って測定した。その結果を表1に示す。上記樹脂結合型磁石用組成物を、実施例1と同様の条件で、円柱状及び板状形状の磁石成形体をそれぞれ成形し、磁気特性、機械的強度、耐塩水性を測定した。その結果を表1に併せて示す。
(実施例19)
磁性粉末として、表面に複合金属リン酸塩被膜、シリケート被膜、カップリング剤処理被膜を順次形成したものを用いた以外は実施例1と同様にして、ペレット状の樹脂結合型磁石用組成物を作製した。なお、複合金属リン酸塩被膜、シリケート被膜は、実施例18と同様にして形成した。
このシリケート被膜が形成された磁石合金粉を、室温まで冷却後、更にシラン系カップリング剤(3−アミノプロピルトリエトキシシラン:日本ユニカーA−1100)のイソプロピルアルコール溶液を添加し、攪拌しながら真空中130℃で保持して2時間乾燥させ、カップリング剤処理被膜を形成した。シラン系カップリング剤を含む溶液は、希土類元素を含む鉄系磁石合金粉に対して、0.5重量%の割合になるように添加した。複合金属リン酸塩被膜、シリケート被膜及びカップリング剤処理被膜の膜厚は合計で30nmであった。
この樹脂結合型磁石用組成物の流動性を、上記評価方法に従って測定した。その結果を表1に示す。上記樹脂結合型磁石用組成物を、実施例1と同様の条件で、円柱状及び板状形状の磁石成形体をそれぞれ成形し、磁気特性、機械的強度、耐塩水性を測定した。その結果を表1に併せて示す。
(比較例1)
数平均分子量14000のポリアミド(ナイロン12)樹脂(宇部興産製3014U樹脂)を8重量部、滑剤としてステアリン酸カルシウム(商品名:ノプコ1097−AH、サンノプコ(株)社製)を0.1重量%、及び磁性粉末SmFe14(平均粒径4μm)を残部とし、合わせて100重量部とし、V型ブレンダーに投入し15分間混合し、樹脂結合型磁石用組成物を製造した。
次いで、この混合物の混錬、粉砕、ペレット状の樹脂結合型磁石用組成物製造については比較例1と同様にした。
この樹脂結合型磁石用組成物の流動性を、上記評価方法に従って測定した。その結果を表2に示す。
上記樹脂結合型磁石用組成物を、タナベ工業(株)製磁場中射出成形機(TK50MGS2型)に投入し、配向磁場(印加磁界640kA/m(8kOe))、電流値30A、射出圧98MPa、射出温度230℃、金型温度110℃の条件で、上記円柱状及び板状形状の磁石成形体をそれぞれ成形した。得られた磁石成形体を用いて磁気特性、機械的強度を測定した。その結果を表2に併せて示す。
(比較例2)
滑剤としてポリエチレンワックス(商品名:AC−7、ハネウェル社製)を用いた以外は比較例1と同様にして、樹脂結合型磁石用組成物を製造した。
この樹脂結合型磁石用組成物の流動性を、上記評価方法に従って測定した。その結果を表2に示す。
上記樹脂結合型磁石用組成物を、タナベ工業(株)製磁場中射出成形機(TK50MGS2型)に投入し、配向磁場(印加磁界640kA/m(8kOe))、電流値30A、射出圧98MPa、射出温度230℃、金型温度110℃の条件で、上記円柱状及び板状形状の磁石成形体をそれぞれ成形した。得られた磁石成形体を用いて磁気特性、機械的強度を測定した。その結果を表2に併せて示す。
(比較例3)
数平均分子量65000の重合脂肪酸系ポリアミドブロック共重合体(富士化成工業製 アミン成分がヘキサメチレンジアミン、酸成分が重合脂肪酸、セバシン酸、融点178℃)を8重量部と、前記ポリアミド樹脂重量に対して、高分子系滑剤としてエチレン・アクリル酸共重合体(製品名:ハネウェル社製Aclyn201、融点102℃)を0.1重量%、及び磁性粉末SmFe14(平均粒径4μm)を残部とし、合わせて100重量部とし、V型ブレンダーに投入し15分間混合した。
次いで、この混合物の混錬、粉砕、ペレット状の樹脂結合型磁石用組成物製造については実施例1と同様にした。
この樹脂結合型磁石用組成物の流動性を、上記評価方法に従って測定した。その結果を表2に示す。
上記樹脂結合型磁石用組成物を、タナベ工業(株)製磁場中射出成形機(TK50MGS2型)に投入し、配向磁場(印加磁界640kA/m(8kOe))、電流値30A、射出圧98MPa、射出温度230℃、金型温度110℃の条件で、上記円柱状及び板状形状の磁石成形体をそれぞれ成形した。得られた磁石成形体を用いて磁気特性、機械的強度を測定した。その結果を表2に併せて示す。
(比較例4)
数平均分子量50000の重合脂肪酸系ポリアミドブロック共重合体(富士化成工業製 アミン成分がヘキサメチレンジアミン、酸成分が重合脂肪酸、セバシン酸、融点180℃)を用意し、この高分子量部分を分画し除去して、数平均分子量8000の低分子量部分からなる重合脂肪酸系ポリアミドを調製した。
得られた重合脂肪酸系ポリアミドを8重量部と、前記ポリアミド樹脂重量に対して、高分子系滑剤としてエチレン・アクリル酸共重合体(製品名:ハネウェル社製Aclyn201、融点102℃)を0.1重量%、及び磁性粉末SmFe14(平均粒径4μm)を残部とし、合わせて100重量部とし、V型ブレンダーに投入し15分間混合した。
次いで、この混合物の混錬、粉砕、ペレット状の樹脂結合型磁石用組成物製造については実施例1と同様にした。
この樹脂結合型磁石用組成物の流動性を、上記評価方法に従って測定した。その結果を表2に示す。
上記樹脂結合型磁石用組成物を、タナベ工業(株)製磁場中射出成形機(TK50MGS2型)に投入し、配向磁場(印加磁界640kA/m(8kOe))、電流値30A、射出圧98MPa、射出温度230℃、金型温度110℃の条件で、上記円柱状及び板状形状の磁石成形体をそれぞれ成形した。得られた磁石成形体を用いて磁気特性、機械的強度を測定した。その結果を表2に併せて示す。
(比較例5)
数平均分子量50000の重合脂肪酸系ポリアミドブロック共重合体(富士化成工業製 アミン成分がヘキサメチレンジアミン、酸成分が重合脂肪酸、セバシン酸、融点170℃)と、数平均分子量65000の重合脂肪酸系ポリアミドブロック共重合体(富士化成工業製 アミン成分がヘキサメチレンジアミン、酸成分が重合脂肪酸、セバシン酸、融点178℃)とを用意し、両者を所定量混合することにより、数平均分子量62000の重合脂肪酸系ポリアミドを調製した。
得られた重合脂肪酸系ポリアミド8重量部と、ポリアミド樹脂重量に対して、高分子系滑剤としてエチレン・アクリル酸共重合体(製品名:ハネウェル社製Aclyn201、融点102℃)を0.1重量%、及び磁性粉末SmFe14(平均粒径4μm)を残部とし、合わせて100重量部とし、V型ブレンダーに投入し15分間混合した。
次いで、この混合物の混錬、粉砕、ペレット状の樹脂結合型磁石用組成物製造については実施例1と同様にした。
この樹脂結合型磁石用組成物の流動性を、上記評価方法に従って測定した。その結果を表2に示す。
上記樹脂結合型磁石用組成物を、タナベ工業(株)製磁場中射出成形機(TK50MGS2型)に投入し、配向磁場(印加磁界640kA/m(8kOe))、電流値30A、射出圧98MPa、射出温度230℃、金型温度110℃の条件で、上記円柱状及び板状形状の磁石成形体をそれぞれ成形した。得られた磁石成形体を用いて磁気特性、機械的強度を測定した。その結果を表2に併せて示す。
(比較例6)
数平均分子量50000の重合脂肪酸系ポリアミドブロック共重合体(富士化成工業製 アミン成分がヘキサメチレンジアミン、酸成分が重合脂肪酸、セバシン酸、融点196℃)を8重量部、及び磁性粉末SmFe14(平均粒径4μm)を残部とし、高分子系滑剤を用いず、合わせて100重量部とし、V型ブレンダーに投入し15分間混合した。
次いで、この混合物の混錬、粉砕、ペレット状の樹脂結合型磁石用組成物製造については実施例1と同様にした。
この樹脂結合型磁石用組成物の流動性を、上記評価方法に従って測定した。その結果を表2に示す。
上記樹脂結合型磁石用組成物を、タナベ工業(株)製磁場中射出成形機(TK50MGS2型)に投入し、配向磁場(印加磁界640kA/m(8kOe))、電流値30A、射出圧98MPa、射出温度230℃、金型温度110℃の条件で、上記円柱状及び板状形状の磁石成形体をそれぞれ成形した。得られた磁石成形体を用いて磁気特性、機械的強度を測定した。その結果を表2に併せて示す。
(比較例7)
ポリアミド樹脂として、数平均分子量2000のナイロン12(宇部興産製)を用いた以外は実施例1と同様にして樹脂結合型磁石用組成物を製造した。この樹脂結合型磁石用組成物の流動性を、上記評価方法に従って測定した。その結果を表2に示す。
上記樹脂結合型磁石用組成物を、タナベ工業(株)製磁場中射出成形機(TK50MGS2型)に投入し、配向磁場(印加磁界640kA/m(8kOe))、電流値30A、射出圧98MPa、射出温度230℃、金型温度110℃の条件で、上記円柱状及び板状形状の磁石成形体をそれぞれ成形した。得られた磁石成形体を用いて磁気特性、機械的強度を測定した。その結果を表2に併せて示す。
(参考例1)
数平均分子量50000の重合脂肪酸系ポリアミドブロック共重合体(富士化成工業製 アミン成分がヘキサメチレンジアミン、酸成分が重合脂肪酸、セバシン酸、融点196℃)を8重量部、前記ポリアミド樹脂重量に対して、高分子系滑剤としてエチレン・アクリル酸共重合体(製品名:ハネウェル社製Aclyn201、融点102℃)を0.05重量%、及び表面被覆処理を行っていない磁性粉末SmFe14(平均粒径4μm)を残部とし、合わせて100重量部とし、V型ブレンダーに投入し15分間混合した。
次いで、この混合物の混錬、粉砕、ペレット状の樹脂結合型磁石用組成物製造については実施例1と同様にした。
この樹脂結合型磁石用組成物の流動性を、上記評価方法に従って測定した。その結果を表2に示す。
上記樹脂結合型磁石用組成物を、タナベ工業(株)製磁場中射出成形機(TK50MGS2型)に投入し、配向磁場(印加磁界640kA/m(8kOe))、電流値30A、射出圧98MPa、射出温度230℃、金型温度110℃の条件で、上記円柱状及び板状形状の磁石成形体をそれぞれ成形した。得られた磁石成形体を用いて磁気特性、機械的強度、耐塩水性を測定した。その結果を表2に併せて示す。
(参考例2)
高分子系滑剤の量を7.0重量%とした以外は実施例1と同様にした。この樹脂結合型磁石用組成物の流動性を、上記評価方法に従って測定した。その結果を表2に示す。
上記樹脂結合型磁石用組成物を、タナベ工業(株)製磁場中射出成形機(TK50MGS2型)に投入し、配向磁場(印加磁界640kA/m(8kOe))、電流値30A、射出圧98MPa、射出温度230℃、金型温度110℃の条件で、上記円柱状及び板状形状の磁石成形体をそれぞれ成形した。得られた磁石成形体を用いて磁気特性、機械的強度を測定した。その結果を表2に併せて示す。
Figure 2007027480
Figure 2007027480
「評価」
実施例1〜19に見られるとおり、本発明に係る特定のポリアミド樹脂を用い、各種高分子系滑剤を配合することにより流動性、保磁力そして機械強度に優れる成形体が得られている。この高い保磁力は、本発明に係るポリアミド樹脂を用いることにより、溶融時の流動性を維持でき、高分子系滑剤の滑り効果により、磁性粉の混練時の摩擦による熱負荷が低減されたためであると考えられる。また、本発明に係るポリアミド樹脂を用いるとき、その数平均分子量が、10000〜60000で好適であり、溶融時の流動性を維持したまま、上記構成、範囲において、高い機械強度を製品に与えることができることがわかる。特に、高分子系滑剤をポリアミド樹脂100重量部に対して、0.1〜5重量部配合した場合においては、機械強度がより優れた値となる傾向が見られた。
また、実施例16〜19によって、予め磁性粉末の表面に複合金属リン酸塩被膜及びシリケート被膜を形成しておくことで錆の発生が著しく低減し、さらにカップリング剤処理被膜を形成することで、錆の発生を皆無とすることができた。
上記実施例に対して、本発明からはずれる従来例のポリアミド樹脂(ナイロン12)を用いた比較例1、2及び7では、十分な機械的強度が得られておらず、また、本発明からはずれる数平均分子量を有するポリアミド樹脂(重合脂肪酸系ポリアミド)を用いた場合、数平均分子量が大きい比較例3、5では流動性の低下が顕著であり、数平均分子量が小さい比較例4では、機械的強度の低下が著しい。また、高分子系滑剤を添加しない比較例6の場合、流動性が不十分で高い保磁力が得られていない。
また、高分子系滑剤の添加量が適性領域から外れて、添加量が少ない参考例1の場合、流動性が不十分で高い保磁力が得られなかった。また、添加量が多すぎる参考例2の場合、流動性、磁気特性は維持されるが、機械強度の低下が著しかった。

Claims (21)

  1. 異方性磁場(H)が4000kA/m(50kOe)以上の磁性粉末(A)、ポリアミド樹脂(B)、及び流動性を賦与するのに十分な量の高分子系滑剤(C)を含有する樹脂結合型磁石組成物であって、
    ポリアミド樹脂(B)は、数平均分子量が10000〜60000の重合脂肪酸系ポリアミドであり、一方、高分子系滑剤(C)は、オレフィンと(メタ)アクリル酸または酸無水物との共重合体、その共重合体アイオノマー、及びポリオレフィンへの(メタ)アクリル酸または酸無水物のグラフト重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種のポリマーであることを特徴とする樹脂結合型磁石組成物。
  2. 磁性粉末(A)の表面に、リン酸鉄と希土類金属リン酸塩を含む複合金属リン酸塩被膜(A−1)とシリケート被膜(A−2)が順次被覆形成されていることを特徴とする請求項1に記載の樹脂結合型磁石組成物。
  3. 複合金属リン酸塩被膜(A−1)が、磁性粉末(A)の粉末重量当たり、0.1〜2mol/kgのリン酸を添加して形成されることを特徴とする請求項2に記載の樹脂結合型磁石組成物。
  4. 複合金属リン酸塩被膜(A−1)が、Al、Zn、Mn、Cu、又はCaから選ばれる1種以上を金属成分とする金属リン酸塩をさらに含有することを特徴とする請求項2に記載の樹脂結合型磁石組成物。
  5. シリケート被膜(A−2)が、下記の一般式(1)で示されるポリアルコキシポリシロキサンを加水分解して得られることを特徴とする請求項2に記載の樹脂結合型磁石組成物。
    Figure 2007027480
    (式中、Rは同一あるいは異なる炭素数1〜6のアルキル基、nは2〜100である)
  6. シリケート被膜(A−2)が、さらにアルミニウムキレート化合物を添加して形成されることを特徴とする請求項2又は5に記載の樹脂結合型磁石組成物。
  7. シリケート被膜(A−2)が、100〜150℃で焼き付け乾燥されることを特徴とする請求項2に記載の樹脂結合型磁石組成物。
  8. シリケート被膜(A−2)の表面に、さらに、シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、またはアルミニウム系カップリング剤から選ばれるいずれかのカップリング剤を用いたカップリング剤処理被膜(A−3)を被覆形成することを特徴とする請求項2又は5〜7のいずれかに記載の樹脂結合型磁石組成物。
  9. カップリング剤が、シラン系カップリング剤であることを特徴とする請求項7に記載の樹脂結合型磁石組成物。
  10. ポリアルコキシポリシロキサン又はカップリング剤の量が、磁性粉末(A)に対して、0.01〜5重量%であることを特徴とする請求項5又は8に記載の樹脂結合型磁石組成物。
  11. 被膜の厚さの合計が1〜100nmであることを特徴とする請求項2又は8に記載の樹脂結合型磁石組成物。
  12. 磁性粉末(A)の含有量が、組成物全体に対して70〜97重量%であることを特徴とする請求項1記載の樹脂結合型磁石組成物。
  13. ポリアミド樹脂(B)は、数平均分子量が25000〜60000の重合脂肪酸系ポリアミドであることを特徴とする請求項1に記載のボンド磁石用組成物。
  14. 重合脂肪酸系ポリアミドは、炭素数6〜12の脂肪族ジアミンと、アゼライン酸および(または)セバシン酸と、炭素数20〜40のダイマー酸を含むモノマーを重合して得られるポリアミド樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のボンド磁石用組成物。
  15. 重合脂肪酸系ポリアミドは、下記の一般式(2)で示される骨格を繰り返し単位とするブロック共重合体であることを特徴とする請求項1に記載のボンド磁石用組成物。
    一般式(2)
    Figure 2007027480
    (式中、R、Rは、同一か又は異なる炭素数6〜12の1種以上から選ばれる脂肪族ジアミン残基であり、Rは、炭素数9〜18の脂肪族ジカルボン酸の1種以上から選ばれるジカルボン酸残基、Rは、炭素数20〜40のダイマー酸から選ばれる重合脂肪酸残基を表し、mは1〜80の整数、nは1〜160の整数、xは1〜120の整数である。)
  16. 高分子系滑剤(C)の融点が、150℃以下であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂結合型磁石組成物。
  17. 高分子系滑剤(C)の含有量が、ポリアミド樹脂(B)100重量部に対して、0.1〜5重量部であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂結合型磁石組成物。
  18. ポリアミド樹脂(B)と高分子系滑剤(C)とを、溶融混合する第1の工程と、次いで得られた混合物に磁性粉末(A)を配合し、混練する第2の工程とからなることを特徴とする請求項1〜17のいずれかに記載の樹脂結合型磁石組成物の製造方法。
  19. 第1の工程が、高分子系滑剤(C)の融点以上であって150℃以下の温度で行われることを特徴とする請求項18に記載の樹脂結合型磁石組成物の製造方法。
  20. 第2の工程が、180〜300℃の温度で行われることを特徴とする請求項18に記載の樹脂結合型磁石組成物の製造方法。
  21. 請求項1〜17のいずれかに記載の樹脂結合型磁石組成物を射出成形法、射出圧縮成形法、押出成形法又は射出プレス成形法から選ばれるいずれかの成形法により成形して得られる樹脂結合型磁石。
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