JP2007004102A - 帯電部材、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 帯電部材の表面層が、フッ化アルキル基およびオキシアルキレン基を有するポリシロキサンを含有する。
【選択図】 なし
Description
接触帯電方式は、電子写真感光体に接触配置された帯電部材に電圧を印加し、該帯電部材と該電子写真感光体との間の当接部近傍で微少な放電をさせることによって、該電子写真感光体の表面を帯電する方式である。
また、弾性層(導電性弾性層)は、低分子量成分を比較的多量に含むことが多いため、この低分子量成分がブリードアウトし、電子写真感光体の表面を汚染することを抑制するために、導電性弾性層上には、これとは別の、導電性弾性層に比べて弾性率の小さい表面層を設けることもよく行われている。
また、帯電部材の形状としては、ローラー形状が一般的である。以下、ローラー形状の帯電部材を「帯電ローラー」ともいう。
AC+DC接触帯電方式は、交流電圧を用いることにより、帯電均一性の高い安定した帯電を行える方式であるが、交流電圧源を使用する分、直流電圧のみの電圧を帯電部材に印加する方式(以下「DC接触帯電方式」ともいう。)に比べて、帯電装置、電子写真装置の大型化、コストアップを招いてしまう。
すなわち、DC接触帯電方式は、AC+DC接触帯電方式に比べて、帯電装置、電子写真装置の小型化、コストダウンの点で優れた帯電方式である。
特に、DC接触帯電方式の場合、繰り返し使用により帯電部材の表面にトナーやトナーに用いられる外添剤などが不均一に強く付着(固着)すると、高温高湿(30℃/80%RH)環境下、ハーフトーン画像を出力した際に、その固着部分が過帯電や帯電不良を引き起こすことがある。
また、本発明は、支持体、該支持体上に形成された導電性弾性層、および、該導電性弾性層上に形成された表面層を有する帯電部材において、該表面層が、下記工程(VII)および(VIII)を経て形成された層であることを特徴とする帯電部材である(以下「本発明の第2の帯電部材」ともいう。)。
(i)6<表面自由エネルギー(γ2 Total)≦35[mJ/m2]
(ii)0.1≦表面の動摩擦係数(μ)≦0.3
(iii)1.0×10−6≧静電容量(C)≧5.0×10−9[F]
本発明の帯電部材は、支持体、該支持体上に形成された導電性弾性層、および、該導電性弾性層上に形成された表面層を有するものである。この「表面層」とは、帯電部材が有する層のうち、帯電部材の最表面に位置する層を意味する。
本発明の帯電部材の最も簡単な構成は、該支持体上に導電性弾性層および表面層の2層を設けた構成であるが、支持体と導電性弾性層との間や導電性弾性層と表面層との間に別の層を1つまたは2つ以上設けてもよい。
また、導電性弾性層や表面層は、それぞれ導電性弾性層用の材料および表面層用の材料を用いて形成された層であってもよいし(以下「積層形態1」ともいう。)、または、導電性弾性層用の材料を用いて層を形成した後、該層の表面領域(表面およびその近傍)を改質し、改質後の領域を表面層とすることによって、導電性弾性層および表面層との積層構成としてもよい(以下「積層形態2」ともいう。)。
ゴムとしては、例えば、ウレタンゴム、シリコーンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、ポリノルボルネンゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンゴム、アクリロニトリルゴム、エピクロルヒドリンゴムおよびアルキルエーテルゴムなどが挙げられる。
熱可塑性エラストマーとしては、例えば、スチレン系エラストマーおよびオレフィン系エラストマーなどが挙げられる。スチレン系エラストマーの市販品としては、例えば、三菱化学(株)製「ラバロン」、クラレ(株)製「セプトンコンパウンド」などが挙げられる。オレフィン系エラストマーの市販品としては、例えば、三菱化学(株)製の「サーモラン」、三井石油化学工業(株)社製の「ミラストマー」、住友化学工業(株)社製の「住友TPE」およびアドバンストエラストマーシステムズ社製の「サントプレーン」などが挙げられる。
導電性弾性層に用いられる導電剤としては、例えば、陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、両性イオン界面活性剤、帯電防止剤、電解質などが挙げられる。
本発明において、アスカーC硬度の測定は、測定対象の表面にアスカーC型硬度計(高分子計器(株)製)の押針を当接し、1000g加重の条件で行った。
本発明の第1の帯電部材は、上記のとおり、支持体、該支持体上に形成された導電性弾性層、および、該導電性弾性層上に形成された表面層を有する帯電部材において、該表面層が、フッ化アルキル基およびオキシアルキレン基を有するポリシロキサンを含有することを特徴とする帯電部材である。
上記式(2)中のdが2の場合、2個のR21は同一であってもよく、異なっていてもよい。
上記式(2)中のeが2または3の場合、2個または3個のR22は同一であってもよく、異なっていてもよい。
(2−1):グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
(2−2):グリシドキシプロピルトリエトキシシラン
(2−3):エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン
(2−4):エポキシシクロヘキシルエチルトリエトキシシラン
上記式(3)中のfが2の場合、2個のR31は同一であってもよく、異なっていてもよい。
上記式(3)中のgが2または3の場合、2個または3個のR32は同一であってもよく、異なっていてもよい。
(3−1):CF3−(CH2)2−Si−(OR)3
(3−2):F(CF2)2−(CH2)2−Si−(OR)3
(3−3):F(CF2)4−(CH2)2−Si−(OR)3
(3−4):F(CF2)6−(CH2)2−Si−(OR)3
(3−5):F(CF2)8−(CH2)2−Si−(OR)3
(3−6):F(CF2)10−(CH2)2−Si−(OR)3
上記(3−1)〜(3−6)中のRはメチル基またはエチル基を示す。
上記(3−1)〜(3−6)の中でも、(3−4)〜(3−6)が好ましい。
上記式(1)中のbが2、3または4の場合、2個、3個または4個のR12は同一であってもよく、異なっていてもよい。
(1−1):テトラメトキシシラン
(1−2):テトラエトキシシラン
(1−3):テトラプロポキシシラン
(1−4):メチルトリメトキシシラン
(1−5):メチルトリエトキシシラン
(1−6):メチルトリプロポキシシラン
(1−7):エチルトリメトキシシラン
(1−8):エチルトリエトキシシラン
(1−9):エチルトリプロポキシシラン
(1−10):プロピルトリメトキシシラン
(1−11):プロピルトリエトキシシラン
(1−12):プロピルトリプロポキシシラン
(1−13):ヘキシルトリメトキシシラン
(1−14):ヘキシルトリエトキシシラン
(1−15):ヘキシルトリプロポキシシラン
(1−16):デシルトリメトキシシラン
(1−17):デシルトリエトキシシラン
(1−18):デシルトリプロポキシシラン
(1−19):フェニルトリメトキシシラン
(1−20):フェニルトリエトキシシラン
(1−21):フェニルトリプロポキシシラン
(1−22):ジフェニルジメトキシシラン
(1−23):ジフェニルジエトキシシラン
加水分解反応の際、温度やpHなどを制御することで、所望の縮合度の加水分解性縮合物を得ることができる。
また、加水分解反応の際、加水分解反応の触媒として金属アルコキシドなどを利用し、縮合度を制御してもよい。金属アルコキシドとしては、例えば、アルミニウムアルコキシド、チタニウムアルコキシドおよびジルコニアアルコキシドなど、ならびに、これらの錯体(アセチルアセトン錯体など)が挙げられる。
表面層用塗布液を調製する際には、塗布性向上のために、加水分解性縮合物以外に、適当な溶剤を用いてもよい。適当な溶剤としては、例えば、エタノールおよび2−ブタノールなどのアルコールや、酢酸エチルや、メチルエチルケトンなど、あるいは、これらを混合したものが挙げられる。また、表面層用塗布液を導電性弾性部材上に塗布する際には、ロールコーターを用いた塗布、浸漬塗布、リング塗布などを採用することができる。
活性エネルギー線としては、紫外線が好ましい。
また、架橋反応を紫外線によって行えば、熱履歴による導電性弾性層の劣化を抑制することができるため、導電性弾性層の電気的特性の低下を抑制することもできる。
紫外線積算光量[mJ/cm2]=紫外線強度[mW/cm2]×照射時間[s]
低圧水銀ランプを用いる場合、紫外線の積算光量は、ウシオ電機(株)製の紫外線積算光量計UIT−150−AやUVD−S254を用いて測定することができ、エキシマUVランプを用いる場合、紫外線の積算光量は、ウシオ電機(株)製の紫外線積算光量計UIT−150−AやVUV−S172を用いて測定することができる。
各種カチオン重合触媒の中でも、感度、安定性および反応性の観点から、芳香族スルホニウム塩や芳香族ヨードニウム塩が好ましく、特には、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム塩や、下記式で示される構造を有する化合物(商品名:アデカオプトマ−SP150、旭電化工業(株)製)や、
カチオン重合触媒の使用量は、加水分解性縮合物に対して1〜3質量%であることが好ましい。
本発明の第2の帯電部材は、上記のとおり、支持体、該支持体上に形成された導電性弾性層、および、該導電性弾性層上に形成された表面層を有する帯電部材において、該表面層が、下記工程(VII)および(VIII)を経て形成された層であることを特徴とする帯電部材である。
上記式(4)中のh個のZ41は同一であってもよく、異なっていてもよい。
上記式(4)中のk−hが2以上の場合、k−h個のRh41は同一であってもよく、異なっていてもよい。
まず、末端にイソシアネート基を有するシロキサンと、ポリエステル成分およびポリスチレン成分の少なくとも一方との共重合体を得る。このとき、末端にイソシアネート基を有するシロキサンの質量(mI)とポリエステル成分およびポリスチレン成分の合計質量(mp)との比(mI:mp)は、100:0〜60:40であることが好ましく、特には80:20〜70:30であることがより好ましい。末端にイソシアネート基を有するシロキサンの量が多いほど、繰り返し使用による帯電部材の表面へのトナーや外添剤の固着の程度が小さくなる傾向にある。
処理剤を導電性弾性層の表面領域に含浸させると、導電性弾性層内部の水分により、イソシアネートと加水分解性化合物とがウレタン反応を起こし、ウレタン結合ができる。この部分が硬化(紫外線硬化)における架橋点となり、処理剤の成分と導電性弾性層とが強固に固定されることになる。
なお、紫外線の積算光量の定義は、上述のとおりである。
本発明者らは、本発明の第1および第2の帯電部材を基に、帯電部材の各種特性のうち、どの特性が上述の課題の解決に作用しているのかを検討した結果、主として、帯電部材の表面層(表面)の化学的特性および物理的特性、さらには電気的特性が上述の課題の解決に作用していることを見いだし、本発明の第3の帯電部材に係る発明を完成するに至った。
(i)6<表面自由エネルギー(γ2 Total)≦35[mJ/m2]
(ii)0.1≦表面の動摩擦係数(μ)≦0.3
(iii)1.0×10−6≧静電容量(C)≧5.0×10−9[F]
本発明の第3の帯電部材の表面自由エネルギー(γ2 Total)は、6mJ/m2を超えて35mJ/m2以下である。表面自由エネルギーが小さいほど、帯電部材の表面にトナーや外添剤が固着しにくくなる傾向にある。一方、本発明者らは、表面自由エネルギーの低減にはトリフッ化メチル基(−CF3)が最も効果があると考えている。このトリフッ化メチル基が帯電部材の表面全域を占めた場合、帯電部材の表面自由エネルギーは、理論的に6mJ/m2となる。
帯電部材の表面自由エネルギーや導電性弾性層の表面自由エネルギーは、表1に示す表面自由エネルギー3成分が既知のプローブ液体を使用して測定した。
測定:液滴法(真円フィッティング)
液量:1μl
着滴認識:自動
画像処理:アルゴリズム−無反射
イメージモード:フレーム
スレッシホールドレベル:自動
本発明の第3の帯電部材の表面の動摩擦係数(μ)は、0.1以上0.3以下である。帯電部材が電子写真感光体に従動して回転する場合、動摩擦係数が大きすぎると、回転の際に帯電部材が回転方向に弓状に撓みやすくなり、帯電部材が弓状に撓むと、帯電部材の表面に部分的にトナーや外添剤が固着したり、トナーや外添剤の固着領域が増大したりすることがある。また、帯電部材が電子写真感光体に従動して回転する場合、動摩擦係数が小さすぎると、帯電部材が回転しにくくなることがある。
本発明において、帯電部材の表面の動摩擦係数(μ)は、次のようにして測定される値を意味する。この測定方法は、オイラーのベルト式に準拠している。
図2において、201は測定対象である帯電部材であり、202は帯電部材に所定の角度θで接触させたベルト(厚さ100μm、幅30mm、長さ180mm、ポリエチレンテレフタレート(PET)製(商品名:ルミラーS10 #100、東レ(株)製))であり、203はベルト202の一端に繋がれた重りであり、204はベルト202の他端に繋がれた荷重計であり、205は荷重計204に接続された記録計である。
摩擦係数=(1/θ)ln(F/W)
帯電部材を回転させた直後の値が回転を開始するのに必要な力であり、それ以降が回転を継続するのに必要な力であるから、回転開始点(すなわちt=0[秒]の時点)の摩擦係数が静摩擦係数であり、t>0[秒]の任意の時間における摩擦係数が任意の時間における動摩擦係数である。本発明では、回転開始点から10秒後に得られる摩擦係数をもって、上記の動摩擦係数(μ)とした。
本発明においては、W=100[g重]とし、帯電部材の回転速度を115rpmとし、測定環境を23℃/53%RHとした。
本発明の第3の帯電部材の表面層の静電容量(C)は、5.0×10−9F以上1.0×10−6F以下である。静電容量が大きいほど、帯電部材の表面の静電的な反発力が大きくなり、帯電部材の表面にトナーや外添剤が固着しにくくなるが、大きすぎると、ゴースト現象が生じる場合がある。
まず、測定対象の帯電部材を30℃/80%RH環境下に24時間放置した。
次に、図4に示す構成の測定装置に帯電部材を装着し、印加電圧3V、測定周波数0.1Hz〜1MHzの条件で誘電率を測定した。測定の結果、例えば、図5に示すようなインピーダンス特性が得られる。
次に、図6に示すように前記帯電部材を導電性弾性層/表面層/表面層と円筒電極との界面におけるRC並列の等価回路を想定し、導電性弾性層の抵抗をR1、静電容量をC1とし、表面層の抵抗をR2、静電容量をC2とし、表面層と円筒電極との界面の抵抗をR3、静電容量をC3として、C2の値を算出した。
図8において、1は円筒状の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。電子写真感光体としては、支持体および支持体上に形成された無機感光層もしくは有機感光層を有するものが一般的である。また、電子写真感光体は表面層として電荷注入層を有するものであってもよい。
また、転写ローラーとしては、支持体上に中抵抗に調整された弾性樹脂層を被覆してなるものが例示される。
エピクロルヒドリンゴム(商品名:エピクロマーCG105、ダイソー(株)製)100部、充填剤としてのMTカーボン(商品名:N990、Thermax社製)35部、表面処理焼成カオリン(商品名:ST−KE、ハーゲスピグメント(株)製)5部、酸化亜鉛5部およびステアリン酸1部を、オープンロールで30分間混練した。この30分間混練したものに、加硫促進剤としてのジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド(商品名:ノクセラーDM−P、大内新興化学(株)製)1部、加硫促進剤としてのテトラメチルチウラムモノスルフィド(商品名:ノクセラーTS、大内新興化学(株)製)0.5部および加硫剤としてのイオウ1.2部を加え、オープンロールでさらに15分間混練することによって、混練物Iを得た。
次に、混練物Iを、ゴム押し出し機で、外径9.5mm、内径5.4mmの円筒形に押し出し、250mmの長さに裁断し、加硫缶で160℃の水蒸気で30分間1次加硫することによって、導電性弾性層用1次加硫チューブIを得た。
この円柱面に熱硬化性接着剤を塗布し乾燥させた支持体を、導電性弾性層用1次加硫チューブIの中に挿入し、その後、導電性弾性層用1次加硫チューブIを1時間160℃で加熱した。この加熱によって、導電性弾性層用1次加硫チューブIが2次加硫され、また、熱硬化性接着剤が硬化した。このようにして、表面研磨前の導電性弾性ローラーIを得た。
振れの測定は、ミツトヨ(株)製高精度レーザー測定機LSM−430vを用いて行った。詳しくは、該測定機を用いて外径を測定し、最大外径値と最小外径値の差を外径差振れとし、この測定を5点で行い、5点の外径差振れの平均値を被測定物の振れとした。
得られた導電性弾性ローラー(表面研磨後の導電性弾性ローラー)Iの硬度は74度(アスカーC)であり、表面自由エネルギーは39.8mJ/m2であった。
・末端にイソシアネート基を有するシロキサン
HO(CH2)3O[SiO(CH3)2]n(CH2)3NCO
(nの平均:400)
・ポリエステル成分
テレフタル酸成分:8.2モル%
イソフタル酸成分:26.2モル%
セバシン酸成分:13.1モル%
エチレングリコール成分:16.4モル%
ネオペンチルグリコール成分:36.1モル%
ならびに、上記式(4)で示される構造を有する加水分解性化合物としての3−(メタクリロキシ)プロピルトリメトキシシラン1部を、酢酸エチル/トルエン(質量比25/1)の混合溶剤に添加し、固形分2質量%の処理剤Iを調製した。
作製した帯電ローラーIの表面自由エネルギー(γ2 Total)は29.1mJ/m2であり、表面の動摩擦係数(μ)は0.23であり、表面層の静電容量(C)は1.65×10−8Fであった。
・評価1
作製した帯電ローラーIを用いて、以下に示すブリードアウト試験および評価を行った。
まず、作製した帯電ローラーIと電子写真感光体とを、これらを一体に支持するプロセスカートリッジに組み込み、このプロセスカートリッジを、40℃/95%RHの高温高湿槽に1週間放置した。
なお、帯電ローラーIとともにプロセスカートリッジに組み込んだ電子写真感光体は、支持体上に層厚14μmの有機感光層を形成してなる有機電子写真感光体である。また、この有機感光層は、支持体側から電荷発生層と変性ポリカーボネート(結着樹脂)を含有する電荷輸送層とを積層してなる積層型感光層であり、この電荷輸送層は電子写真感光体の表面層となっている。
評価基準は以下のとおりである。
A:ブリード物が付着していない。
C:ブリード物が付着している。
上記と同様にして作製した帯電ローラーIを用いて、以下に示す出力画像評価を行った。
作製した帯電ローラーIと電子写真感光体とを、これらを一体に支持するプロセスカートリッジに組み込み、このプロセスカートリッジをA4紙縦出力用のレーザービームプリンターに装着した。このレーザービームプリンターの現像方式は反転現像方式であり、転写材の出力スピードは47mm/sであり、画像解像度は600dpiである。
なお、帯電ローラーIとともにプロセスカートリッジに組み込んだ電子写真感光体は、上記と同様のものである。
出力画像の評価は、1000枚ごとに出力画像を目視することによって行った。
評価基準は以下のとおりである。
AA:帯電ローラーの表面にトナーや外添剤が固着することによる帯電ムラが出力画像上確認できないもの。
A:帯電ローラーの表面にトナーや外添剤が固着することによる帯電ムラが出力画像上ほとんど確認できないもの。
B:帯電ローラーの表面にトナーや外添剤が固着することによる帯電ムラが出力画像上確認できるもの。
C:帯電ローラーの表面にトナーや外添剤が固着することによる帯電ムラが出力画像上確認でき、その帯電ムラの程度が大きいもの。具体的には、白い縦スジ状の帯電ムラ。
以上の評価結果を表5に示す。
実施例1において、混練物Iを以下の混練物IIに変更した以外は、実施例1と同様にして導電性弾性ローラー(表面研磨後の導電性弾性ローラー)IIを得た。
混練物IIは以下のようにして得た。
すなわち、エピクロルヒドリンゴム(商品名:エピクロマーCG105、ダイソー(株)製)75部、ニトリルブタジエンゴム(NBR)(商品名:N230S、JSR(株)製)25部、充填剤としてのMTカーボン(商品名:HTC#20、新日化カーボン(株)製)35部、酸化亜鉛5部およびステアリン酸1部を、オープンロールで30分間混練した。この30分間混練したものに、加硫促進剤としてのジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド(商品名:ノクセラーDM−P、大内新興化学(株)製)1部、加硫促進剤としてのテトラブチルチウラムジスルフィド(商品名:ノクセラーTBT、大内新興化学(株)製)2.5部および加硫剤としてのイオウ0.8部を加え、オープンロールでさらに15分間混練することによって、混練物IIを得た。
得られた導電性弾性ローラー(表面研磨後の導電性弾性ローラー)IIの硬度は71度(アスカーC)であり、表面自由エネルギーは39.4mJ/m2であった。
次に、処理剤Iが含浸された導電性弾性層の表面領域に、254nmの波長の紫外線を積算光量が4350mJ/cm2になるように照射することによって、該表面領域を改質させた。紫外線の照射には、ハリソン東芝ライティング(株)製の低圧水銀ランプを用いた。
作製した帯電ローラーIIの表面自由エネルギー(γ2 Total)は29.1mJ/m2であり、表面の動摩擦係数(μ)は0.18であり、表面層の静電容量(C)は1.02×10−8Fであった。
帯電ローラーIIの評価を実施例1の帯電ローラーIの評価と同様にして行った。評価結果を表5に示す。
実施例1において、混練物Iを以下の混練物IIIに変更した以外は、実施例1と同様にして表面研磨前の導電性弾性ローラーIIIを得た。
混練物IIIは以下のようにして得た。
すなわち、エピクロルヒドリンゴム(商品名:エピクロマーCG102、ダイソー(株)製)100部、充填剤としてのMTカーボン(商品名:HTC#20、新日化カーボン(株)製)35部、ベントナイト(商品名:ベンゲルSH、ホージュン(株)製)5部、酸化亜鉛5部およびステアリン酸1部を、オープンロールで30分間混練した。この30分間混練したものに、加硫促進剤としてのジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド(商品名:ノクセラーDM−P、大内新興化学(株)製)1部、加硫促進剤としてのテトラメチルチウラムモノスルフィド(商品名:ノクセラーTS、大内新興化学(株)製)1部および加硫剤としてのイオウ1.2部を加え、オープンロールでさらに15分間混練することによって、混練物IIIを得た。
得られた導電性弾性ローラー(表面研磨後の導電性弾性ローラー)IIIの硬度は72度(アスカーC)であり、表面自由エネルギーは36.4mJ/m2であった。
・末端にイソシアネート基を有するシロキサン
HO(CH2)3O[SiO(CH3)2]n(CH2)3NCO
(nの平均:400)
・ポリスチレン成分
ポリスチレン(狭義のポリスチレン)
ならびに、上記式(4)で示される構造を有する加水分解性化合物としてのメチルトリス(メチルエチルケトオキシム)2部を、酢酸エチル/トルエン(質量比25/1)の混合溶剤に添加し、固形分5質量%の処理剤IIIを調製した。
この処理剤IIIを導電性弾性ローラー(表面研磨後の導電性弾性ローラー)III上にリング塗布することによって、処理剤IIIを導電性弾性ローラーIIIの導電性弾性層の表面領域に含浸させた。
作製した帯電ローラーIIIの表面自由エネルギー(γ2 Total)は25.5mJ/m2であり、表面の動摩擦係数(μ)は0.26であり、表面層の静電容量(C)は1.84×10−8Fであった。
帯電ローラーIIIの評価を実施例1の帯電ローラーIの評価と同様にして行った。評価結果を表5に示す。
実施例3において、紫外線の照射の際の254nmの波長の紫外線の積算光量を4350mJ/cm2から8700mJ/cm2に変更した以外は、実施例3と同様にして、帯電ローラーを作製した。この帯電ローラーを帯電ローラーIVとする。
作製した帯電ローラーIVの表面自由エネルギー(γ2 Total)は24.9mJ/m2であり、表面の動摩擦係数(μ)は0.22であり、表面層の静電容量(C)は9.51×10−9Fであった。
帯電ローラーIVの評価を実施例1の帯電ローラーIの評価と同様にして行った。評価結果を表5に示す。
実施例3と同様にして、導電性弾性ローラー(表面研磨後の導電性弾性ローラー)IIIを作製した。
次に、加水分解性シラン化合物としてのグリシドキシプロピルトリエトキシシラン(GPTES)27.84g(0.1mol)、メチルトリエトキシシラン(MTES)17.83g(0.1mol)およびトリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチルトリエトキシシラン(FTS、パーフルオロアルキル基の炭素数6)6.6g(0.0151mol(加水分解性シラン化合物総量に対して7mol%相当))と、水17.43gおよびエタノール37.88gとを混合した後、室温で攪拌し、次いで24時間加熱還流を行うことによって、加水分解性シラン化合物の縮合物Vを得た。
この縮合物含有アルコール溶液V1100gに対して0.35gの光カチオン重合開始剤としての芳香族スルホニウム塩(商品名:アデカオプトマーSP−150、旭電化工業(株)製)を、縮合物含有アルコール溶液Vに添加することによって、表面層用塗布液Vを調製した。
紫外線の照射によってグリシドキシプロピルトリエトキシシランのグリシドキシ基が開裂し、縮合物Vの架橋反応が生じたと考えられる。
作製した帯電ローラーVの表面自由エネルギー(γ2 Total)は18.4mJ/m2であり、表面の動摩擦係数(μ)は0.26であり、表面層の静電容量(C)は1.43×10−8Fであった。
帯電ローラーVの評価を実施例1の帯電ローラーIの評価と同様にして行った。評価結果を表5に示す。
10〜1000倍の光学顕微鏡下、光学顕微鏡に設置した3次元粗微動マイクロマニピュレーター((株)ナリシゲ製)を用い、上記と同様にして作製した帯電ローラーVの表面層から1mg程度の試料を採取した。
採取した試料を、TG−MS法(TG装置にMS装置を直結)により、加熱時に発生する気体の質量数ごとの濃度変化を、重量変化と同時に、温度の関数として追跡した。測定の条件を表2に示す。
ここで、400℃〜500℃で発生する気体について、質量数(m/z)31、43、58、59のオキシアルキレン基(グリシドキシプロピルトリエトキシシランのグリシドキシ基由来)が確認でき、その重量減少率から、ポリシロキサン中のオキシアルキレン基の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して37.36質量%であることがわかった。
また、500℃〜600℃で発生する気体について、質量数(m/z)51、69、119、131のフッ化アルキル基(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチルトリエトキシシランのフッ化アルキル基由来)が確認でき、その重量減少率から、ポリシロキサン中のフッ化アルキル基の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して19.20質量%であることがわかった。
残渣はポリシロキサン中のシロキサン部分であると考えられ、よってポリシロキサン中のシロキサン部分の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して100.00−(37.36+19.20)=43.44質量%である。
実施例5において、表面層用塗布液Vを以下の表面層用塗布液VIに変更した以外は、実施例5と同様にして、帯電ローラーを作製した。この帯電ローラーを帯電ローラーVIとする。
すなわち、加水分解性シラン化合物としてのグリシドキシプロピルトリエトキシシラン(GPTES)27.84g(0.1mol)、メチルトリエトキシシラン(MTES)17.83g(0.1mol)およびトリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチルトリエトキシシラン(FTS、パーフルオロアルキル基の炭素数10)3.34g(0.0047mol(加水分解性シラン化合物総量に対して2.3mol%相当))と、水16.6gおよびエタノール31.7gとを混合した後、室温で攪拌し、次いで24時間加熱還流を行うことによって、加水分解性シラン化合物の縮合物VIを得た。
この縮合物VIを2−ブタノール/エタノールの混合溶剤に添加することによって、固形分7質量%の縮合物含有アルコール溶液VIを調製した。
作製した帯電ローラーVIの表面自由エネルギー(γ2 Total)は22.1mJ/m2であり、表面の動摩擦係数(μ)は0.26であり、表面層の静電容量(C)は4.78×10−8Fであった。
帯電ローラーVIの評価を実施例1の帯電ローラーIの評価と同様にして行った。評価結果を表5に示す。
実施例5において、表面層用塗布液Vを以下の表面層用塗布液VIIに変更した以外は、実施例5と同様にして、帯電ローラーを作製した。この帯電ローラーを帯電ローラーVIIとする。
すなわち、加水分解性シラン化合物としてのグリシドキシプロピルトリエトキシシラン(GPTES)27.84g(0.1mol)、フェニルトリエトキシシラン(PhTES)24.04g(0.1mol)およびトリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチルトリエトキシシラン(FTS、パーフルオロアルキル基の炭素数6)7.68g(0.0151mol(加水分解性シラン化合物総量に対して7mol%相当))と、水17.43gおよびエタノール53.82gとを混合した後、室温で攪拌し、次いで24時間加熱還流を行うことによって、加水分解性シラン化合物の縮合物VIIを得た。 この縮合物VIIを2−ブタノール/エタノールの混合溶剤に添加することによって、固形分7質量%の縮合物含有アルコール溶液VIIを調製した。
この縮合物含有アルコール溶液VII5100gに対して0.35gの光カチオン重合開始剤としての芳香族スルホニウム塩(商品名:アデカオプトマーSP−150、旭電化工業(株)製)を、縮合物含有アルコール溶液VIIに添加することによって、表面層用塗布液VIIを調製した。
帯電ローラーVIIの評価を実施例1の帯電ローラーIの評価と同様にして行った。評価結果を表5に示す。
実施例5において、表面層用塗布液Vを以下の表面層用塗布液VIIIに変更した以外は、実施例5と同様にして、帯電ローラーを作製した。この帯電ローラーを帯電ローラーVIIIとする。
すなわち、加水分解性シラン化合物としてのグリシドキシプロピルトリエトキシシラン(GPTES)41.43g(0.149mol)、ヘキシルトリメトキシシラン(HeTMS)30.71g(0.149mol)およびトリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチルトリエトキシシラン(FTS、パーフルオロアルキル基の炭素数6)11.42g(0.0224mol(加水分解性シラン化合物総量に対して7mol%相当))と、水25.93gおよびエタノール83.14gとを混合した後、室温で攪拌し、次いで24時間加熱還流を行うことによって、加水分解性シラン化合物の縮合物VIIIを得た。
この縮合物VIIIを2−ブタノール/エタノールの混合溶剤に添加することによって、固形分7質量%の縮合物含有アルコール溶液VIIIを調製した。
この縮合物含有アルコール溶液VIII7100gに対して0.35gの光カチオン重合開始剤としての芳香族スルホニウム塩(商品名:アデカオプトマーSP−150、旭電化工業(株)製)を、縮合物含有アルコール溶液VIIIに添加することによって、表面層用塗布液VIIIを調製した。
帯電ローラーVIIIの評価を実施例1の帯電ローラーIの評価と同様にして行った。評価結果を表5に示す。
実施例5において、表面層用塗布液Vを以下の表面層用塗布液IXに変更した以外は、実施例5と同様にして、帯電ローラーを作製した。この帯電ローラーを帯電ローラーIXとする。
すなわち、加水分解性シラン化合物としてのグリシドキシプロピルトリエトキシシラン(GPTES)32.52g(0.117mol)、フェニルトリエトキシシラン(PhTES)28.08g(0.117mol)、ヘキシルトリメトキシシラン(HeTMS)13.21g(0.064mol)およびトリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチルトリエトキシシラン(FTS、パーフルオロアルキル基の炭素数6)11.42g(0.022mol(加水分解性シラン化合物総量に対して7mol%相当))と、水25.93gおよびエタノール77.12gとを混合した後、室温で攪拌し、次いで24時間加熱還流を行うことによって、加水分解性シラン化合物の縮合物IXを得た。
この縮合物IXを2−ブタノール/エタノールの混合溶剤に添加することによって、固形分7質量%の縮合物含有アルコール溶液IXを調製した。
この縮合物含有アルコール溶液IX5100gに対して0.35gの光カチオン重合開始剤としての芳香族スルホニウム塩(商品名:アデカオプトマーSP−150、旭電化工業(株)製)を、縮合物含有アルコール溶液IXに添加することによって、表面層用塗布液IXを調製した。
帯電ローラーIXの評価を実施例1の帯電ローラーIの評価と同様にして行った。評価結果を表5に示す。
実施例1において、処理剤Iの導電性弾性層の表面領域への含浸を行わず、紫外線の照射を処理剤Iが含浸されていない導電性弾性層の表面領域に対して行った以外は、実施例1と同様にして帯電ローラーを作製した。この帯電ローラーを帯電ローラーCIとする。
作製した帯電ローラーCIの表面自由エネルギー(γ2 Total)は58.2mJ/m2であり、表面の動摩擦係数(μ)は0.22であり、表面層の静電容量(C)は6.10×10−9Fであった。
帯電ローラーCIの評価を実施例1の帯電ローラーIの評価と同様にして行った。評価結果を表5に示す。
実施例3において、紫外線の照射の代わりに、1時間の熱処理(160℃)を処理剤IIIが含浸された導電性弾性層の表面領域に対して行った以外は、実施例3と同様にして帯電ローラーを作製した。この帯電ローラーを帯電ローラーCIIとする。
作製した帯電ローラーCIIの表面自由エネルギー(γ2 Total)は25.5mJ/m2であり、表面の動摩擦係数(μ)は1.96であり、表面層の静電容量(C)は1.51×10−8Fであった。
帯電ローラーCIIの評価を実施例1の帯電ローラーIの評価と同様にして行った。評価結果を表5に示す。
エラストマー用ポリエステルポリオール(商品名:ニッポラン4042(水酸基価56KOHmg/g)、日本ポリウレタン工業(株)製)100部および導電性カーボン(商品名:トーカブラック#3845、東海カーボン(株)製)1部を、3本ロールで混練することによって、混練物CIIIを得た。
次に、混練物CIIIを100℃に昇温させ、3mmHgの減圧下で3時間脱水処理を行った。
次に、脱水処理後の混練物CIIIに、NCO/OH比が1.05となるように2,6−トリレンジイソシアナート(商品名:コスモネートT−80、三井化学(株)製)19.1gを加え、これらを2〜3分間激しく混合することによって、導電性弾性層用組成物を得た。
得られた導電性弾性ローラーCIIIの表面自由エネルギーは25.5mJ/m2であった。
この表面層用塗布液CIIIを導電性弾性ローラーCIIIの導電性弾性層上に浸漬塗布し、30分間100℃で乾燥させることによって、層厚が15μmの表面層を形成した。
このようにして、支持体、該支持体上に形成された導電性弾性層および該導電性弾性層上に形成された表面層を有する帯電ローラーを作製した。この帯電ローラーを、帯電ローラーCIIIとする。
作製した帯電ローラーCIIIの表面自由エネルギー(γ2 Total)は30.0mJ/m2であり、表面の動摩擦係数(μ)は0.32であり、表面層の静電容量(C)は1.83×10−9Fであった。
帯電ローラーCIIIの評価を実施例1の帯電ローラーIの評価と同様にして行った。評価結果を表5に示す。
実施例1において、混練物Iを以下の混練物CIVに変更した以外は、実施例1と同様にして導電性弾性ローラー(表面研磨後の導電性弾性ローラー)CIVを得た。
すなわち、エピクロルヒドリンゴム(商品名:エピクロマーCG102、ダイソー(株)製)100部、充填剤としてのMTカーボン(商品名:HTC#20、新日化カーボン(株)製)5部、酸化亜鉛5部、ステアリン酸1部、可塑剤としてのアジピン酸ビス(2−エチルヘキシル)(商品名:DOA、(株)ジェイ・プラス製)5部およびイオン導電剤としての過塩素酸第四級アンモニウム塩1部を、オープンロールで30分間混練した。この30分間混練したものに、加硫促進剤としてのジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド(商品名:ノクセラーDM−P、大内新興化学(株)製)1部、加硫促進剤としてのテトラメチルチウラムモノスルフィド(商品名:ノクセラーTS、大内新興化学(株)製)1.0部および加硫剤としてのイオウ1.2部を加え、オープンロールでさらに15分間混練することによって、混練物CIVを得た。
このようにして、支持体、該支持体上に形成された導電性弾性層および該導電性弾性層上に形成された表面層を有する帯電ローラーを作製した。この帯電ローラーを、帯電ローラーCIVとする。
作製した帯電ローラーCIVの表面自由エネルギー(γ2 Total)は37.5mJ/m2であり、表面の動摩擦係数(μ)は0.24であり、表面層の静電容量(C)は2.06×10−9Fであった。
帯電ローラーCIVの評価を実施例1の帯電ローラーIの評価と同様にして行った。評価結果を表5に示す。
実施例5において、表面層用塗布液Vを以下の表面層用塗布液CVに変更した以外は、実施例5と同様にして、帯電ローラーを作製した。この帯電ローラーを帯電ローラーCVとする。
すなわち、加水分解性シラン化合物としてのグリシドキシプロピルトリエトキシシラン(GPTES)35.04g(0.128mol)、フェニルトリエトキシシラン(PhTES)30.77g(0.128mol)およびヘキシルトリメトキシシラン(HeTMS)13.21g(0.064mol)と、水25.93gおよびエタノール63.07gとを混合した後、室温で攪拌し、次いで24時間加熱還流を行うことによって、加水分解性シラン化合物の縮合物CVを得た。
この縮合物CVを2−ブタノール/エタノールの混合溶剤に添加することによって、固形分7質量%の縮合物含有アルコール溶液CVを調製した。
この縮合物含有アルコール溶液CV5100gに対して0.35gの光カチオン重合開始剤としての芳香族スルホニウム塩(商品名:アデカオプトマーSP−150、旭電化工業(株)製)を、縮合物含有アルコール溶液CVに添加することによって、表面層用塗布液CVを調製した。
帯電ローラーCVの評価を実施例1の帯電ローラーIの評価と同様にして行った。評価結果を表5に示す。
実施例5において、表面層用塗布液Vを以下の表面層用塗布液CVIに変更した以外は、実施例5と同様にして、帯電ローラーを作製した。この帯電ローラーを帯電ローラーCVIとする。
すなわち、加水分解性シラン化合物としてのフェニルトリエトキシシラン(PhTES)56.16g(0.234mol)、ヘキシルトリメトキシシラン(HeTMS)13.21g(0.064mol)およびトリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチルトリエトキシシラン(FTS、パーフルオロアルキル基の炭素数6)11.42g(0.022mol(加水分解性シラン化合物総量に対して7mol%相当))と、水25.93gおよびエタノール61.50gとを混合した後、室温で攪拌し、次いで24時間加熱還流を行うことによって、加水分解性シラン化合物の縮合物CVIを得た。
この縮合物CVIを2−ブタノール/エタノールの混合溶剤に添加することによって、固形分7質量%の縮合物含有アルコール溶液CVIを調製した。
この縮合物含有アルコール溶液CVI5100gに対して0.35gの光カチオン重合開始剤としての芳香族スルホニウム塩(商品名:アデカオプトマーSP−150、旭電化工業(株)製)を、縮合物含有アルコール溶液CVIに添加することによって、表面層用塗布液CVIを調製した。
帯電ローラーCVIの評価を実施例1の帯電ローラーIの評価と同様にして行った。評価結果を表5に示す。
102 導電性弾性層
103 表面層
201 帯電部材
202 ベルト
203 重り
204 荷重計
205 記録計
401 帯電部材
402 円筒電極
403 誘電率測定システム
R1 導電性弾性層の抵抗
C1 導電性弾性層の静電容量
R2 界面の抵抗
C2 界面の静電容量
R3 表面層の抵抗
C3 静電容量
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電部材
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 クリーニング手段
8 定着手段
9 プロセスカートリッジ
10 案内手段
P 転写材
Claims (23)
- 支持体、該支持体上に形成された導電性弾性層、および、該導電性弾性層上に形成された表面層を有する帯電部材において、該表面層が、フッ化アルキル基およびオキシアルキレン基を有するポリシロキサンを含有することを特徴とする帯電部材。
- 前記ポリシロキサン中のフッ化アルキル基の含有量が前記ポリシロキサン全質量に対して5.0〜50.0質量%であり、前記ポリシロキサン中のオキシアルキレン基の含有量が前記ポリシロキサン全質量に対して5.0〜70.0質量%であり、前記ポリシロキサン中のシロキサン部分の含有量が前記ポリシロキサン全質量に対して20.0〜90.0質量%である請求項1に記載の帯電部材。
- 前記ポリシロキサンがさらにアルキル基およびフェニル基を有し、前記ポリシロキサン中のフッ化アルキル基の含有量が前記ポリシロキサン全質量に対して5.0〜50.0質量%であり、前記ポリシロキサン中のオキシアルキレン基の含有量が前記ポリシロキサン全質量に対して5.0〜30.0質量%であり、前記ポリシロキサン中のアルキル基の含有量が前記ポリシロキサン全質量に対して5.0〜30.0質量%であり、前記ポリシロキサン中のフェニル基の含有量が前記ポリシロキサン全質量に対して5.0〜30.0質量%であり、前記ポリシロキサン中のシロキサン部分の含有量が前記ポリシロキサン全質量に対して20.0〜80.0質量%である請求項2に記載の帯電部材。
- 前記ポリシロキサンが、下記工程(I)および(II)を経て得られるポリシロキサンである請求項1〜3のいずれかに記載の帯電部材。
(I)カチオン重合可能な基を有する加水分解性シラン化合物と、フッ化アルキル基を有する加水分解性シラン化合物とを加水分解によって縮合させる縮合工程
(II)該カチオン重合可能な基を開裂させることにより、工程(I)により得られた加水分解性縮合物を架橋させる架橋工程 - 前記ポリシロキサンが、下記工程(III)および(IV)を経て得られるポリシロキサンである請求項1〜3のいずれかに記載の帯電部材。
(III)カチオン重合可能な基を有する加水分解性シラン化合物と、フッ化アルキル基を有する加水分解性シラン化合物と、下記式(1)で示される構造を有する加水分解性シラン化合物とを加水分解によって縮合させる縮合工程
(IV)該カチオン重合可能な基を開裂させることにより、工程(III)により得られた加水分解性縮合物を架橋させる架橋工程 - 前記式(1)中のaが1〜3の整数であり、bが1〜3の整数であり、a個のR11のうちの1個のR11が炭素数1〜21の直鎖状のアルキル基である請求項5に記載の帯電部材。
- 前記ポリシロキサンが、下記工程(V)および(VI)を経て得られるポリシロキサンである請求項1〜3のいずれかに記載の帯電部材。
(V)カチオン重合可能な基を有する加水分解性シラン化合物と、フッ化アルキル基を有する加水分解性シラン化合物と、アルキル基を有する加水分解性シラン化合物と、フェニル基を有する加水分解性シラン化合物とを加水分解によって縮合させる縮合工程
(VI)該カチオン重合可能な基を開裂させることにより、工程(V)により得られた加水分解性縮合物を架橋させる架橋工程 - 前記式(3)中のRf31が炭素数6〜31の直鎖状のパーフルオロアルキル基である請求項9に記載の帯電部材。
- 前記縮合工程の際、前記フッ化アルキル基を有する加水分解性シラン化合物として、前記式(3)で示される構造を有しかつRf31が炭素数nA(nAは6〜31の整数)の直鎖状のパーフルオロアルキル基であるシラン化合物Aと、前記式(3)で示される構造を有しかつRf31が炭素数nB(nBは6〜31の整数かつnB≠nA)の直鎖状のパーフルオロアルキル基であるシラン化合物Bとが併用される請求項9に記載の帯電部材。
- 支持体、該支持体上に形成された導電性弾性層、および、該導電性弾性層上に形成された表面層を有する帯電部材において、該表面層が、下記工程(VII)および(VIII)を経て形成された層であることを特徴とする帯電部材。
(VII)末端にイソシアネート基を有するシロキサンと、ポリエステル成分およびポリスチレン成分の少なくとも一方との共重合体、ならびに、下記式(4)で示される構造を有する加水分解性化合物を含む処理剤を、導電性弾性層の表面領域に含浸させる含浸工程
(VIII)該処理剤が含浸された導電性弾性層の表面領域に紫外線を照射する照射工程 - 前記式(4)中のMが、Si、Ti、Al、SnおよびZrから選択されるいずれかの元素である請求項12に記載の帯電部材。
- 前記式(4)中のMがSiであり、hが1であり、kが4である請求項12または13に記載の帯電部材。
- 前記表面層が、下記(i)〜(iii)で示す物性を有している請求項1〜14のいずれかに記載の帯電部材。
(i)6<表面自由エネルギー(γ2 Total)≦35[mJ/m2]
(ii)0.1≦表面の動摩擦係数(μ)≦0.3
(iii)1.0×10−6≧静電容量(C)≧5.0×10−9[F] - 前記導電性弾性層の表面の表面自由エネルギー(γ1 Total)が40mJ/m2以下であり、かつ、該γ1 Totalと前記γ2 Totalとが下記(iv)で示す関係を有している請求項15に記載の帯電部材。
(iv)│γ1 Total−γ2 Total│≧10[mJ/m2] - 支持体、該支持体上に形成された導電性弾性層、および、該導電性弾性層上に形成された表面層を有する帯電部材において、該表面層が、下記(i)〜(iii)で示す物性を有していることを特徴とする帯電部材。
(i)6<表面自由エネルギー(γ2 Total)≦35[mJ/m2]
(ii)0.1≦表面の動摩擦係数(μ)≦0.3
(iii)1.0×10−6≧静電容量(C)≧5.0×10−9[F] - 前記導電性弾性層の表面自由エネルギー(γ1 Total)が40mJ/m2以下であり、かつ、該γ1 Totalと前記γ2 Totalとが下記(iv)で示す関係を有している請求項17に記載の帯電部材。
(iv)│γ1 Total−γ2 Total│≧10[mJ/m2] - 電子写真感光体と、該電子写真感光体の表面を帯電するための帯電部材とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジにおいて、該帯電部材が請求項1〜18のいずれかに記載の帯電部材であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 前記帯電部材が前記電子写真感光体に接触配置されている請求項19に記載のプロセスカートリッジ。
- 電子写真感光体と、該電子写真感光体の表面を帯電するための帯電部材とを有する電子写真装置において、該帯電部材が請求項1〜18のいずれかに記載の帯電部材であることを特徴とする電子写真装置。
- 前記帯電部材が前記電子写真感光体に接触配置されている請求項21に記載の電子写真装置。
- 前記帯電部材に直流電圧のみの電圧を印加するための電圧印加手段を有する請求項21または22に記載の電子写真装置。
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