JP2006519621A - Dna重合プロセスにより生成される全ゲノムおよび全トランスクリプトームライブラリーの増幅および分析 - Google Patents

Dna重合プロセスにより生成される全ゲノムおよび全トランスクリプトームライブラリーの増幅および分析 Download PDF

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Abstract

本発明は、全ゲノムまたは全トランスクリプトームの増幅のための、種々の方法および組成物に関する。本発明の特定の実施形態において、ゲノムライブラリを増幅する方法が存在し、この方法は、ゲノムライブラリー作製工程後に、ライブラリー増幅工程を包含する。特定の実施形態において、そのライブラリー生成工程は、特定のプライマー混合物およびDNAポリメラーゼを利用する。ここで、その特定のプライマー混合物は、自己に対するハイブリダイゼーション、およびその混合物中の他のプライマーに対するハイブリダイゼーションを行う能力が取り除かれるが、効率的かつ頻繁に核酸テンプレートをプライミングするように設計されている。

Description

本出願は、2003年3月7日に出願された米国仮特許出願第60/453,060号への優先権を主張し、この出願は、その全体が本明細書中に参考として援用される。
(発明の分野)
本発明は、遺伝学、分子生物学、遺伝子型決定、および発現プロフィール形成の分野に関する。いくつかの実施形態では、本発明は、当初のゲノムまたは転写された配列の偏りのない表現である産物を生じるDNAまたはcDNAの増幅のための方法に関し、ここで、これらの方法は、プライマーダイマーを実質的に形成し得ないプライマーを利用する。
(発明の背景)
遺伝学研究のために、DNAサンプルの質および量は重要である。高スループット遺伝子分析は、試験のために大量のテンプレートを必要とする。しかし、例えば、個々の患者サンプルから抽出されるDNAの量は限られている。DNAサンプルサイズはまた、法医学および古生物学の作業を制限する。従って、完全ゲノムを増幅するための-方法を開発することで一致した努力が存在している。全ゲノム増幅(WGA)の目的は、種々の手順、ならびに将来の作業および患者サンプルの記録保管のための長期間貯蔵に十分な量のゲノム配列を提供することである。自動化可能で、頑丈な、表示様式で、完全ゲノムを増幅することの明らかな必要性が存在している。全ゲノム増幅は、歴史的には、3の技法:ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、鎖置換、または細胞不死化の1つを用いて達成されている。
(PCRTM
PCRTMは、DNAを増幅するための強力な技法である(Saiki、1985)。このインビトロ技法は、熱変性、プライマーアニーリングおよびポリメラーゼ伸長を繰り返すことによってDNAを増幅し、それによって、単一の標的DNA分子を検出可能な量に増幅する。PCRTMは、ヒトでは長さが約10塩基である完全染色体のような長いDNA分子の増幅には受け入れられない。PCR反応で一般に用いられるポリメラーゼは、Taqポリメラーゼであり、これは、約5000塩基より大きなDNAの領域を増幅することはできない。さらに、増幅標的に隣接する正確なヌクレオチド配列の知識が、このPCR反応に用いられるプライマーを設計するために必要である。
(全ゲノムPCRTM
全ゲノムPCRTMは、DNAの完全プールまたは特異的プライマー結合部位間の未知の介在配列のいずれかの増幅を生じる。公知の増幅(Luedeckeら、1989)または一般の増幅(Teleniusら、1992)と称される、DNAの完全プールの増幅は、異なる手段よって達成され得る。すべてのアプローチに共通するのは、PCRTMシステムが、特定のDNA配列に対する優先度なしに、反応混合物中のDNAフラグメントを一致して増幅する能力である。全ゲノムPCRTMのために用いられるプライマーの構造は、全体として縮重(すなわち、すべてのヌクレオチドがN、N=A、T、G、Cと称されている)、部分的に縮重(すなわち、いくつかのヌクレオチドがNと称されている)または非縮重(すなわち、すべての位置が規定されたヌクレオチドを示す)と記載されている。
全ゲノムPCRTMは、総ゲノムDNAを、PCRによって増幅され得る形態への変換を含む(KinzlerおよびVogelstein、1989)。この技法では、総ゲノムDNAは、せん断、または、例えば、MobIのような制限酵素を用いる酵素的消化を経由して平均サイズ200〜300塩基対にフラグメント化される。これらのDNAの末端は、DNAポリメラーゼのKlenowフラグメントとのインキュベーションにより平滑とされる。これらDNAフラグメントは、インビトロで合成された20塩基対DNAフラグメントからなる捕獲リンカーに連結される。これらの捕獲リンカーは、2つのリン酸化オリゴマー:5’−GAGTAGAATTCTAATATCTA−3’(配列番号1)および5’−GAGATATTAGAATTCTACTC−3’(配列番号2)からなる。自己連結された「捕獲」リンカーに対して選択するために、この連結産物はXhoIで切断される。各捕獲リンカーは、その末端にXhoI部位の半分を有し;従って、XhoIは、それら自身に連結した捕獲リンカーを切断するが、大部分のゲノムDNAフラグメントに連結した捕獲リンカーを切断しない。この連結されたDNAは、プライマーとして捕獲オリゴマーを用いてPCRTMによって増幅され得る形態にある。目的のDNAは、次に、特異的タンパク質または核酸への結合を介して選択され、および回収され得る。特異的に結合された小量のDNAフラグメントは、PCRTMを用いて増幅され得る。選択および増幅のステップは、所望の純度を達成するために必要な頻度で繰り返され得る。0.5ngの出発DNAは5000倍に増幅されたが、KinzlerおよびVogelstein(1989)は、より小さなフラグメントの増幅に向かう偏りを報告した。
(非縮重プライマーを用いる全ゲノムPCRTM
(孤立リンカーPCRTM
2つの相補的プライマーの自己ハイブリダイゼーションに起因する従来の捕獲リンカーの非効率性のため、プライマーの非対称リンカーが設計された(Koら、1990)。捕獲リンカーオリゴヌクレオチドの配列(KinzlerおよびVogelstein、1989)の配列が、1つの鎖の3’−末端から欠失した3塩基の配列を除いて用いられた。この「孤立リンカー(lone linker)」は、非パリンドローム突出末端および平滑末端の両方を有し、それ故、リンカーのマルチマー化を防ぐ。さらに、リンカーの配向が規定されたとき、単一のプライマーが増幅ために十分であった。4塩基切断酵素を用いた消化後、これら孤立リンカーが連結された。孤立リンカーPCRTM(LL−PCRTM)は、同様の効率で増幅されることが報告された100塩基から約2kbの範囲のフラグメントを生成する。
(散在反復配列PCR)
DNAの一般増幅のために用いられるとき、散在反復配列PCRTM(IRS−PCRTM)は、ゲノム内の繰り返し配列に基づく非縮重プライマーを用いる。これは、適切に配置された繰り返し間のセグメントの増幅を可能にし、そしてヒトの染色体特異的ライブラリーおよび領域特異的ライブラリーを生成するために用いられている(Nelsonら、1989)。IRS−PCRTMはまた、Alu要素媒介−PCRTM(ALU−PCRTM)と呼ばれ、これは、Alu繰り返しファミリーの最も保存された領域に基づくプライマーを用い、そしてこれら配列によって隣接されるフラグメントの増幅を可能にする(Nelsonら、1989)。IRS−PCRTMの主要な欠点は、Aluファミリーのような豊富な繰り返し配列が、ヒトゲノムの全体に均一に分布されておらず、特定領域(例えば、ヒト染色体の軽鎖)に優勢に見出されていることである(KorenbergおよびRykowski、1988)。従って、IRS−PCRTMは、これらの領域に向かう偏り、およびその他のより少なく現れる領域の増幅の欠如を生じる。さらに、この技法は、目的のゲノム中の豊富な繰り返しファミリーの存在の知識に依存している。
(リンカーアダプターPCRTM
IRS−PCRTMの制限は、リンカーアダプター技法(LA−PCRTM)を用いてある程度和らげられる(Luedeckeら、1989;Saundersら、1989;KaoおよびYu、1991)。この技法は、未知の制限酵素DNAフラグメントを、連結された二重鎖オリゴヌクレオチド(リンカーアダプター)の支援により増幅する。DNAは、RsaIのような頻繁に切断する制限酵素で一般に消化され、長さ平均500bpであるフラグメントを生じる。連結後、PCRTMが、アダプターの配列に相補的なプライマーを用いて実施され得る。温度条件は、相補的DNA配列のアニーリングを特異的に高めるように選択され、これは、これらアダプター間に位置する未知配列の増幅に至る。増幅後、これらフラグメントはクローン化される。LA−PCRTMでは、制限酵素部位間の距離の偏りに基づく以外の配列選択の偏りはほとんどない。LA−PCRTMの方法は、IRS−PCRTMに共通の領域偏りおよび種依存性のハードルを克服する。しかし、LA−PCRTMは、その他の全ゲノム増幅(WGA)法より技術的にはより困難である。
ヒト、マウス、および植物の染色体の多数のバンド特異的顕微解剖ライブラリーが、LA−PCRTMを用いて確立されている(Changら、1992;Wesleyら、1990;Saundersら、1989;Vooijsら、1993;Hadanoら、1991;Miyashitaら、1994)。染色体の顕微解剖領域のPCRTM増幅は、制限酵素(例えば、Sau3A、MboI)を用いる消化により実施され、多くの短いフラグメントを生成し、これらは、PCRTM増幅のためのプライミング部位を提供するリンカー−アダプターオリゴヌクレオチドに連結される(Saundersら、1989)。T4ポリヌクレオチドキナーゼでリン酸化され、そして制限酵素によって生成された末端に相補的である5’−オーバーハングを生成した2つのオリゴヌクレオチドである20マーおよび24マーは、等モル量で混合され、そしてアニールされた。この増幅の後、1μg程度のDNAが、多糸染色体から解剖された1つのバンド程度の小量から増幅され得る(Saundersら、1989;Johnson、1990)。リンカー−アダプターの染色体制限酵素フラグメントの各末端への連結は、インビトロ半保存的DNA複製のために必要なプライマー結合部位を提供する。この技術のその他の適用は、1つのフローソートされたマウス染色体11の増幅および得られるDNAライブラリーの染色体ペインティングにおけるプローブとしての使用(Miyashitaら、1994)、および単一のフローソートされた染色体のDNAの増幅(VanDeanterら、1994)を含む。
PCRTMで用いられる異なるアダプターは、Vectoretteである(Rileyら、1990)。この技法は、酵母人工染色体(YAC)からの末端配列の単離に主として用いられている(Kleynら、1993;Naylorら、1993;Valdesら、1994)。Vectoretteは、制限酵素によって生成されたオーバーハングに相補的なオーバーハングを含む合成オリゴヌクレオチド二重鎖である。この二重鎖は、プライマー結合部位として非相補性の領域を含む。消化されたYACとVectorette単位との連結の後、Vectoretteと同一であるプライマーと、酵母ベクターから由来するプライマーとの間で増幅が実施される。産物は、最初のPCRTMサイクルにおいて、合成が上記酵母ベクタープライマーから起こり、それ故、YAC挿入物の末端からの産物を合成する場合にのみ生成される。
(プライミング許可ランダムミスマッチ(Priming Authorizing Random Mismatches)PCRTM
非縮重プライマーを用いる別の全ゲノムPCRTMは、プライミング許可ランダムミスマッチPCRTM(PARM−PCRTM)であり、これは、特異的プライマーおよび非特異的アニーニング条件を用い、プライマーのランダムハイブリダイゼーションを生じ、ユニバーサル増幅に至る(Milanら、1993)。アニーリング温度は、最初の2サイクルについて30℃まで減少され、そして引き続くサイクルで60℃に高められ、生成されたDNAフラグメントを特異的に増幅する。この方法は、蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)による同定のためにフローソートされたブタ染色体を汎用増幅するために用いられている(Milanら、1993)。類似の技法は、顕微解剖されたDNAから染色体DNAクローンを生成するために用いられた(Hadanoら、1991)。この方法では、任意の標的DNAをランダムにプライムし、かつ増幅する配列中に特有の22マーが利用される。プライマーは、3つの制限酵素に対する認識部位を含んでいた。熱サイクリングは、3つのステージで行われ:ステージ1は、120分間、22℃のアニーリング温度を有し、そしてステージ2および3は、ストリンジェントなアニーリング条件下で実施された。
(単一細胞比較ゲノムハイブリダイゼーション)
単一細胞レベルで、完全ゲノムの総合的な分析を可能にする方法が開発され、単一細胞総合的ゲノムハイブリダイゼーション(SCOMP)と称されている(Kleinら、1999;WO00/17390)。単一細胞からのゲノムDNAは、MseIのような4塩基カッターでフラグメント化され、この4塩基が均一に分布されているという前提に基づき、256bp(4)の期待される平均を与える。連結仲介PCRTMを利用して、この消化された制限酵素フラグメントを増幅した。要約すれば、2つのプライマー((5’−AGTGGGATTCCGCATGCTAGT−3’;配列番号3);および(5’−TAACTAGCATGC−3’;配列番号4));を互いにアニールし、2つの5’オーバーハングをもつアダプターを生成する。より短いオリゴから生じる5’オーバーハングは、MseI切断によって生成されるDNAフラグメントの末端に相補的である。このアダプターを、T4DNAリガーゼを用いて上記消化されたフラグメントに連結した。より長いプライマーのみがこのDNAフラグメントに連結された。なぜなら、より短いプライマーは、連結に必要な5’リン酸を有さなかったからである。連結後、第2のプライマーは変性により除去され、そして第1のプライマーは、上記消化されたDNAフラグメントに連結されたままであった。得られる5’オーバーハングは、DNAポリメラーゼの添加によりフィルインされた。得られる混合物を、次いで、上記より長いプライマーを用いてPCRTMによって増幅した。
この方法は、制限酵素消化に依存してゲノムDNAをフラグメント化するので、DNA中の制限酵素部位の分布に依存している。非常に小さい制限酵素フラグメントおよび非常に長い制限フラグメントは、効率的に増幅されず、偏った増幅を生じる。MseI切断によって生成された256の平均フラグメント長さは、増幅するには短か過ぎる多数のフラグメントを生じる。
(縮重プライマーを用いる全ゲノムPCRTM
ユニバーサル増幅のために非縮重プライマーを用いる多くの技法にともなう困難性を克服するために、部分的または全体的縮重プライマーを用いる技法が、微小量のDNAのユニバーサル増幅のために開発された。
(縮重オリゴヌクレオチドプライムPCRTM
縮重オリゴヌクレオチドプライムPCRTM(DOP−PCRTM)が、部分的縮重プライマーを用いて開発され、それ故、IRS−PCRより一般的な増幅技法を提供する(Wesleyら、1990;Telenius、1992)。システムは、非特異的プライマー(5’−TTGCGGCCGCATTNNNNTTC−3’(配列番号5);3’末端から位置4、5、6および7で完全縮重を示す)を用いて記載された(Wesleyら、1990)。3’末端における3つの特異的塩基は、64(4)塩基毎にハイブリダイズすることが統計学的に予期され、従って、最後の7つの塩基が、上記プライマーの部分的縮重に起因して一致する。増幅の最初のサイクルは、低アニーリング温度(30℃)で行われ、テンプレートに沿って頻繁な間隔でDNA合成を開始するために十分なプライミングを可能にする。このプライマーの3’末端にある規定された配列は、開始部位を分離する傾向にあり、それ故、産物のサイズを増加する。このPCR産物分子はすべて、共通の特異的5’配列を含むので、最初の8サイクルの後、アニーリング温度は56℃に高められる。このシステムは、Drosophilaから顕微解剖された染色体DNAを非特異的に増幅するために開発され、上記のLuedeckeら(1989)のマイクロクローニングシステムを置換した。
用語DOP−PCRTMは、フローソートされた染色体を用いるゲノムマッピング研究のための方法を開発したTeleniusらによって導入された(1992)。単一のプライマーが、DOP−PCRTMが、Wesley(1990)らによって用いられたように用いられる。このプライマー(5’−CCGACTCGACNNNNNNATGTGG−3’(配列番号6);は、3’−末端上の6つの特異的塩基、中央にある6塩基の縮重部分および5’−末端にある稀な制限酵素部位をもつ特異的領域を示す。増幅は、2つのステージで起こる。ステージ1は、低温サイクルを包含する。最初のサイクルにおいて、プライマーの3’−末端は、低アニーリング温度によって開始された標的DNAの複数部位にハイブリダイズする。第2のサイクルでは、相補的配列が、上記プライマーの配列に従って生成される。ステージ2では、プライマーアニーリングは、すべての非特異的ハイブリダイゼーションを制限する温度で実施される。10までの低温度サイクルが実施されて十分なプライマー結合部位を生成する。40までの高温サイクルが付加されて優勢な標的フラグメントを特異的に増幅する。
DOP−PCRTMは、PCRTMプロトコールの開始の低アニーリング温度の間に用いられた部分的縮重オリゴヌクレオチドの3’−末端によって特定される短い配列からプライミングする原理に基づく。これらの短い配列は頻繁に存在するので、標的DNAの増幅は、複数の遺伝子座で同時に進行する。DOP−PCRTMは、高レベルの単一コピー配列を含むライブラリーの生成に適用可能であり、相当量の提供された非汚染DNAが得られ得る(例えば、フローソートされた染色体)。この方法は、1ナノグラムより少ない出発ゲノムDNAに適用された(CheungおよびNelson、1996)。
全体が縮重するプライマーのシステムと比較したDOP−PCRTMの利点は、より高い効率の増幅、非特異的プライマー−プライマー結合の減少した機会、および、さらなる分子操作のための5’末端における制限酵素部位の利用可能性である。しかし、DOP−PCRTMは、標的DNAをその全体で複製することを必要としない(CheungおよびNelson、1996)。さらに、比較的短い産物が生成されるので、長さが約500bpまでのフラグメントの特異的増幅が生成される(Teleniusら、1992;CheungおよびNelson、1996;Wellsら、1999;Sanchez−Cespedesら、1998;Cheungら、1998)。
これらの制限を考慮して、サイズが0.5〜7kbの範囲の長いDOP−PCRTM産物を生成する方法が記載され、引き続くPCRで長い配列標的の増幅を可能にしている(Buchananら、2000)。しかし、長いDOP−PCRは、200ngのゲノムDNAを利用し、これは、大部分の適用が入手可能であるより多いDNAである。引き続き、低DNA量DOP−PCRTM(LL−DOP−PCRTM)と称される、ピコグラム量のゲノムDNAから長い増幅産物を生成する方法が記載された(Kittlerら、2002)。この方法は、これを、より長い産物を生成するために必要なステップである、DNAポリメラーゼPwoの3’−5’エキソヌクレアーゼプルーフリーディング活性、およびDOP−PCRTMの間の増加したアニーリングおよび伸長時間によって達成する。成功率における改良が、その他のDOP−PCRTM法と比較して示されたが、この方法は、失敗の大部分が完全遺伝子座のドロップアウト、そして残りの遺伝子型失敗が散発性遺伝子座ドロップアウトおよび対立遺伝子座ドロップアウトであることに起因して15.3%の失敗率を有していた。遺伝子座を横切る失敗の発生に対するランダムな期待値からの有意な偏差が存在し、それ故、全ゲノム適用範囲に対する遺伝子座依存性の効果を示した。
(配列独立PCRTM
縮重プライマーを用いる別のアプローチが、Bohlanderら(1992)によって記載され、配列独立DNA増幅(SIA)と呼ばれている。DOP−PCRTMと対照的に、SIAは、ネストされたDOP−プライマーシステムを取り込む。第1のプライマー(5’−TGGTAGCTCTTGATCANNNNN−3’(配列番号7);は、5塩基のランダム3’−セグメント、および制限酵素部位を含む5’末端の特異的16塩基セグメントから構成された。PCRTMのステージ1は、変性のための97℃で開始し、4℃への冷却が続き、プライマーを複数のランダム部位にアニールさせ、そして次に37℃に加熱する。T7DNAポリメラーゼが用いられる。第2の低温度サイクルでは、プライマーは、この第1ラウンドの産物にアニールする。PCRTMの第2のステージでは、プライマー(5’−AGAGTTGGTAGCTCTTGATC−3’(配列番号8);が用いられ、これは、3’末端に、プライマーAの15の5’塩基を含む。5サイクルが、このプライマーを用い、42℃の中間のアニーリング温度で実施される。さらなる33サイクルが、56℃の特異的アニーリング温度で実施される。SIAの産物は、200bp〜800bpの範囲である。
(プライマー伸長予備増幅)
プライマー伸長予備増幅(PEP)は、ゲノムのユニバーサル増幅を達成するために全体縮重プライマーを用いる方法である(Zhangら、1992)。PEPは、プライマーとして、15塩基の完全に縮重したオリゴヌクレオチドのランダム混合物を用い、従って、各位置で4つの可能な塩基のいずれか1つが存在し得る。理論的には、このプライマーは、4×10の異なるオリゴヌクレオチド配列の混合物から構成される。これは、ランダムに分布した部位からのDNA配列の増幅に至る。50サイクルの各々において、テンプレートは、最初、92℃で変性される。引き続き、プライマーが、低温度(37℃)でアニールされ、これは、次に、55℃に連続的に増加され、そしてポリメラーゼ伸長のためにさらに4分間保持される。
改良されたPEP(I−PEP)の方法が、主に慣用的な病理学で用いられる組織切片からの腫瘍の調査のために、PEPの効率を増加するよう開発され、複数マイクロサテライト調査および単一または数個の細胞での配列決定調査を信頼性良く実施した(Dietmaierら、1999)。I−PEPは、PEP(Zhangら、1992)とは、細胞溶解アプローチ、改良された熱サイクル条件、およびより高い忠実度のポリメラーゼの添加において異なっている。詳細には、細胞溶解は、EL緩衝液中で実施され、Taqポリメラーゼが、プルーフリーディングPwoポリメラーゼと混合され、そして94℃での変性ステップの前に、68℃で30秒間のさらなる伸長工程が付加される。この方法は、1細胞〜5細胞からのDNAの増幅でPEPおよびDOP−PCRTMより効率的であった。
DOP−PCRTMおよびPEPの両方は、種々の遺伝子試験およびアッセイへの前駆体として首尾良く用いられている。これらの技法は、DNA量が限られる法医学および遺伝子病診断の分野に統合されている。しかし、いずれの技法も、DNAをその全体で複製することをしない(CheungおよびNelson、1996)か、または特定遺伝子座の完全な適用範囲を提供することをしない(Paunioら、1996)。これらの技法は、遺伝子型決定またはマーカー識別のための増幅された供給源を生成する。これら方法により生産される産物は一致して短く(<3kb)、そしてそれ故、多くの適用で用いることはできない(Teleniusら、1992)。さらに、多くの試験は、2〜3のマーカーまたは遺伝子座を調査することを必要とする。
(タグ化PCRTM
タグ化PCRTM(T−PCRTM)は、400bp〜1.6kbの範囲のサイズの小量のDNAサンプルから効率的に増幅するため、PEPの増幅効率を増加するよう開発された(Grothuesら、1993)。T−PCRTMは、2ステージ戦略であり、これは、最初の2〜3の低ストリンジェントサイクルのために、5’末端に一定17塩基対をもつプライマー、および3’末端に9〜15のランダム塩基を含むタグ化ランダムプライマーを用いる。最初のPCRTMステップでは、このタグ化されたランダムプライマーを用いて、両末端にタグ化プライマー配列をもつ産物を生成し、これは、低アニーリング温度を用いることにより達成される。取り込まれなかったプライマーは、次いで除去され、そして増幅が、第1のプライマーの一定5’配列のみを含む第2のプライマーを用いて高ストリンジェンシー条件下で実施され、指数的増幅を可能にする。この方法は、取り込まれなかった縮重プライマーの除去を必要とすることに起因して、その他の方法より労働集約的であり、これはまた、サンプル材料の損失を引き起こし得る。これは、ナノグラム以下の量のDNAテンプレートを用いるとき、重要である。この精製ステップの間のテンプレートの避けられない損失は、T−PCRTMの適用範囲に影響し得る。さらに、12以上のランダム塩基をもつタグ化プライマーは、プライマー−プライマー伸長または濾過ステップの間にこれらより長いプライマーを除去する効率がより低いことから生じる非特異的産物を生成し得る。
(タグ化ランダムヘキサマー増幅)
T−PCRTMに関連する問題を基に、タグ化ランダムヘキサマー増幅(TRHA)が、より短いランダム塩基をもつタグ化ランダムプライマーを用いることが有利であろうことを前提に開発された(Wongら、1996)。TRHAでは、最初のステップは、pNL1プラスミドからサイズが分布したDNA分子の集団を生成することである。これは、Klenowフラグメント、および5’−末端にT7プライマーでタグ化されたランダムヘキサマー(T7−dN、5’−GTAATACGACTCACTATAGGGCNNNNNN−3’(配列番号9);を用いるランダム合成反応を経由して実施された。Klenowで合成された分子(サイズ範囲28bp〜<23kb)は、次いで、T7プライマー(5’−GTAATACGACTCACTATAGGGC−3’(配列番号10)で増幅された。偏りの調査は、当初のDNAテンプレートの76%のみが優勢に増幅され、そしてTRHA産物で代表されたことを示した。
(鎖置換)
ローリングサークル増幅(RCA)は、プラスミドおよび細菌ファージDNAのような大きな環状DNAテンプレートを増幅するために開発された(Deanら、2001)。長さ70kbのDNA鎖を合成するφ29DNAポリメラーゼを用い、ランダムエキソヌクレアーゼ耐性ヘキサマープライマーを用い、DNAを30℃の等温反応中で増幅した。第2のプライミング事象は、置換された産物DNA鎖上で生じ、鎖置換を経由する増幅を生じる。
この技法では、2つのセットのプライマーが用いられる。右のセットのプライマーの各々は、標的ヌクレオチド配列の1つの側面に隣接するヌクレオチド配列に相補的な部分を有し、そして左のセットのプライマー中のプライマーの各々は、標的ヌクレオチド配列の他方の側面に隣接するヌクレオチド配列に相補的な部分を有する。この右のセット中のプライマーは、標的ヌクレオチド配列を含む核酸分子の1つの鎖に相補的であり、そして左セット中のプライマーは、反対の鎖に相補的である。両方のセット中のプライマーの5’末端は、これらプライマーが上記核酸分子中の隣接配列にハイブリダイズするとき、目的の核酸配列の遠位方向にある。理想的には、各セットの各メンバーは、上記標的ヌクレオチド配列に隣接する別個かつ非重複ヌクレオチド配列に相補的な部分を有する。増幅は、各プライマーで開始され、そして標的核酸配列を通って継続することによって進行する。この方法の鍵となる特徴は、複製の間に介在するプライマーの置換である。一旦、右のセットのプライマーから伸長された核酸鎖が、左のセットのプライマーがハイブリダイズする核酸分子の領域に到達すると、そして逆の場合も同様であるが、別のラウンドのプライミングおよび複製が始まる。これは、合成されるべき標的核酸配列のネストされたセットの複数コピーを可能にする。
(複数置換増幅)
RCAの原理は、複数置換増幅(MDA)と呼ばれる技法のおいて、WGAに拡張された(Deanら、2002;US 6,280,949B1)。この技法では、プライマーのランダムセットを用いてゲノムDNAのサンプルをプライムする。ランダムまたは部分的にランダムな配列のプライマーの十分に大きなセットを選択することにより、このセット中のプライマーは、集合的に、そしてランダムに、サンプル中の核酸の全体に分布して核酸配列に相補的である。増幅は、高度に所有欲の強いポリメラーゼφ29DNAポリメラーゼを用いる複製によって進行し、各プライマーで開始し、そして自然終結まで継続する。このポリメラーゼによる複製の間の介在プライマーの置換は、全体ゲノムの複数の重複コピーが合成されることを可能にする。
ゲノムDNAを汎用的に増幅するためのランダムプライマーの使用は、ランダムプライマーが全体ゲノムの上を等しくプライムするという仮定に基づき、それ故、代表的増幅を可能にする。これらプライマーそれら自身はランダムであるけれども、ゲノム中のプラマイーハイブリダイゼーションの位置はランダムではない。なぜなら、異なるプライマーは特有の配列、そしてそれ故、(異なる融解温度のような)異なる特徴を有しているからである。ランダムプライマーは、全体ゲノム上のすべての場所を等しくプライムしないので、増幅は、出発物質の完全な代表ではない。このようなプロトコールは、特定の遺伝子座を調査することでは有用であるが、ランダム−プライム増幅産物の結果は、出発物質(例えば、全体ゲノム)の代表ではない。
(細胞不死化)
通常のヒト体細胞は、限られた寿命を有し、そして限られた数の細胞分裂後に老年期に入る(HayflickおよびMoorhead,1961;Hayflick 1965;Martinら、1970)。老年期では、細胞は生存するが、もはや分裂しない。細胞増殖に関するこの制限は、通常のヒト細胞の調査に対する障害を表し、細胞が複数の実験室間で共有されているか、または、生化学的分析のため、遺伝子操作のため、または遺伝子スクリーニングのために必要な大量の細胞を生産されることのように、特に、細胞分裂の多くのラウンドが用いられているからである。この制限は、稀な遺伝ヒト疾患の調査について特に重要である。なぜなら、収集された生物学的サンプル(生体組織または血液)の容量は通常少なく、そして限られた数の細胞を含むからである。
永久的細胞株の確立が、重要材料のこの欠如を回避するための1つの方法である。いくつかの腫瘍細胞は、制限のない成長能力をもつ培養を生じ、そして発癌遺伝子または発癌物質でのインビトロ形質転換は、永久的線維芽細胞およびリンパ芽球細胞株を確立するための首尾良い手段であることが証明されている。このような細胞株は、哺乳動物生化学の分析および疾患関連遺伝子の同定において価値がある。しかし、このような形質転換細胞は、代表的には、生理学的および生物学的性質で有意な改変を示す。最も注目すべきことには、これら細胞は、異数性、自然過剰変異能力、接触阻害の損失および細胞周期チェックポイントに関連する生化学的機能における改変をともなう。それらの通常の相当物とは異なるこれらの細胞性質は、多くの細胞機能、特に、ゲノム一体性に関連する特定の機能の分析、およびヒト染色体不安定性症候群の研究に顕著な制限を課している。
最近の進展は、複製の老齢期の開始が、通常のヒト細胞が分裂する各回に起こるテロメアの短縮化によって制御されることが示された(Allsoppら、1992;Allsoppら;1995;Bodnarら、1998;VaziriおよびBenchimol,1998)。テロメアDNAのこの損失は、線状DNA分子の末端を完全に複製できないDNAポリメラーゼαの能力の結果である(Watson、1972;Olovnikov、1973)。老齢期が、最も短い1つ以上のテロメアがテロメア結合性タンパク質によってもはや保護され得ず、そしてそれ故、二本鎖(ds)DNA破壊として認識されるとき誘導されることが提案された。機能的なチェックポイントをもつ細胞では、dsDNAの導入は、p53およびp16/pRBチェックポイントの活性化、ならびに老齢期を模倣する成長静止状態に至る(VaziriおよびBenchimol、1996;Di Leonardoら、1994;RoblesおよびAdami、1998)。老齢期細胞における細胞周期進行はまた、同じ2つの機構によってブロックされる(Bondら、1996;Haraら、1996;Shayら、1991)。このブロックは、p53およびpRBを不活性化し得るSV40ラージT抗原のようなウイルス発癌遺伝子によって克服され得る。SV40ラージT抗原を発現する細胞は、老齢期を逃れるが、それらの延長された寿命の間テロメア反復を失い続ける。これらの細胞はなお不死であり、そして末端テロメア短縮化は、最終的に、細胞を、「危機」と称される第2の非増殖ステージに到達させる(Counterら、1992;WrightおよびShay;1992)。危機から逃れることは、通常テロメラーゼの再活性化がともない、非常に稀な事象(10に1つ)である(Shayら、1993)。
テロメラーゼは、新たなテロメアDNAを合成することによりテロメアの侵食を補償し得る特有の細胞逆転写酵素である。テロメラーゼの活性は、特定の生殖系列細胞中に存在するが、皮膚、腸および血液中の幹細胞のような幹細胞の増殖性子孫を除き、大部分の体細胞組織における発生の間に抑制される(UlanerおよびGiudice、1997;Wrightら、1996;Yuiら、1998;Ramirezら、1997;Hiyamaら、1996)。この酵素テロメラーゼは、少なくとも2つのサブユニット;テロメア反復(hTR)の合成のテンプレートとして供される一体のRNA、および逆転写酵素活性を有するタンパク質(hTERT)から構成されるリボ核タンパク質である。このRNA成分(hTR)は、ヒト細胞中に遍在するが、hTERTをコードするmRNAの存在は、テロメラーゼ活性をもつ細胞に限定されている。通常ヒト細胞における外来性hTERTの強制発現は、これら細胞でテロメラーゼ活性を生成するに十分であり、そしてテロメアの侵食を防ぎ、かつ老齢期および危機の両方の誘導を回避する(Bodnarら、1998;VaziriおよびBenchimol、1998)。最近の研究は、テロメラーゼが種々の細胞型を不死化し得ることを示した。hTERTで不死化された細胞は、通常細胞周期制御、機能的p53およびpRBチェックポイントを有し、接触阻害され、足場依存性であり、増殖に成長因子を必要とし、そして通常の核型を所有する(Moralesら、1999;Jiangら、1999)。
従って、関連技術は、全ゲノム増幅のための種々の技法を提供する。しかし、偏りのない高スループットライブラリー生成および/またはDNA分子の調製に従順な方法および組成物に対する当該技術分野における必要性が残っている。例えば、日本国特許第JP8173164A2号は、クローニング不在下のソーティングアウトPCRTM増幅、2本鎖DNAのフラグメント化、切断末端への既知配列オリゴマーの連結、および得られるDNAフラグメントをこのオリゴマーに相補的なソーティングアウト配列を有するプライマーを用いて増幅することによるDNAを調製する方法を記載している。このソーティングアウト配列は、蛍光標識および5’および3’末端における1〜4塩基からなり、DNAフラグメントの多数のコピーを増幅する。
米国特許第6,107,023号は、2つのフラグメント混合物の1つに特有である二重鎖DNAフラグメント、すなわち、陽性供給源由来の二重鎖DNAフラグメントの混合物中に存在するが、陰性供給源由来のフラグメント混合物からは存在しないフラグメントを単離する方法を記載している。この方法を実施する際、2本鎖リンカーがこれらフラグメント混合物の各々に付着され、そして各混合物中の多くのフラグメントは、以下のステップ(i)単一フラグメントの鎖を生成するためにこれらフラグメントを変性すること;(ii)この単一の鎖を、その配列が各鎖の1つの末端でこのリンカー領域に相補的であるプライマーとイブリダイズし、鎖/プライマー複合体を形成すること;および(iii)この鎖/プライマー複合体をポリメラーゼおよびデオキシヌクレオチドの存在下で2本鎖フラグメントに変換することを連続的に繰り返すことにより増幅される。所望のフラグメント増幅が達成された後、この2つのフラグメント混合物は変性され、次いで、この2つの混合物と関連するリンカー領域がハイブリダイズしない条件下でハイブリダイズされる。陽性供給源混合物に特有のDNA種、すなわち、陰性供給源混合物からのDNAフラグメント鎖とハイブリダイズしない種が、次いで、選択的に単離される。
特許WO/016545A1は、フィンガープリント法としての使用のために、単一プライマーを用いてDNAまたはRNAを増幅するための方法を詳述する。このプロトコールは、動物および植物のような、なおより複雑なゲノムを含む生物から得られるサンプル内に存在する微生物、細菌およびその他の複雑なゲノムの分析のために設計された。標的とする領域を増幅するためのこの手順の利点は、プライマーの構造および配列である。詳細には、このプライマーは、高い融解温度を生じる非常に高いシトシンおよび非常に低いグアニン含量を有するよう設計されている。さらに、このプライマーは、無視し得る二次構造形成能力を有するような様式で設計されている。これは、プライマー−ダイマーのアーチファクトの制限された生成をもたらし、そしてこれら領域の先験的知識なくして目的の領域の増幅を改良する。本発明とは対照的に、この方法は、単一のプライミング配列の利用に起因して、ゲノム内の領域のサブセットをプライムし得るのみである。さらに、このプライマーの構造は、本発明における一定増幅領域および可変プライミング領域に対して、一定プライミング領域のみを含む。従って、非縮重配列からなる単一プライマーは、ゲノム内の限られた数の領域のプライミングを生じ、全ゲノムの増幅を妨げる。
米国特許第6,114,149号は、RNA転写から形成され得るか、またはゲノムの一本鎖または2本鎖DNAフラグメントに由来する、異なる配列のDNAフラグメントの混合物を増幅する方法に関する。これらフラグメントは、末端デオキシヌクレオチド転移酵素および選択されたデオキシヌクレオチドとともに処理され、アンチセンス鎖の3’末端にホモポリマーテイルを形成し、そしてセンス鎖は、共通の3’末端を有して提供される。これらフラグメントは、上記アンチセンス鎖のホモポリマーテイルに相同であるホモポリマープライマー、および上記センス鎖共通3’末端配列に相同である規定された配列のプライマーと混合され、フラグメント変性、アニーリング、および重合の繰り返しサイクルで、これらフラグメントを増幅する。1つの実施形態では、上記規定された配列およびホモポリマープライマーは同じであり、すなわち、1つのプライマーのみが用いられる。これらプライマーは、選択された制限酵素部位配列を含み得、増幅されたフラグメントの末端で方向性の制限酵素部位を提供する。
米国特許第6,124,120号および同第6,280,949号は、複数の鎖置換増幅(MSDA)に基づく核酸配列の増幅のための組成物および方法を記載する。増幅は、サイクル中ではなく、連続的な等温複製において起こる。2セットのプライマー(すなわち、標的ヌクレオチド配列に隣接するヌクレオチド配列に相補的な右側のセットおよび左側のセット)が使用される。各プライマーにおいて開始される複製、および複製の間にプライマーに介入する置換を介してその標的核酸配列を通して連続することにより、増幅が進行する。このことは、その標的核酸配列のネスト化されたセットの複数のコピーが短期間に合成されることを可能にする。この方法の別の形態(全ゲノム鎖置換増幅(WGSDA)といわれる)において、ランダムなセットのプライマーが、ゲノム核酸のサンプルをランダムにプライムするために使用される。コンカテマー化(concatenated)DNA(MSDA−CD)の多重鎖置換増幅といわれる、代替的な実施形態において、DNAのフラグメントは、まず、リンカーと一緒に連結される。コンカテマー化DNAは、次いで、適切なプライマーを用いる鎖置換合成によって増幅される。ランダムなセットのプライマーは、全ゲノム増幅に類似の様式でDNAコンカテマーの合成をランダムにプライムするために使用され得る。リンカー配列に相補的なプライマーは、そのコンカテマーを増幅するために使用され得る。合成は、そのリンカーからそのコンカテマー化DNAのセクションを通じて次のリンカーへと進み、さらに続く。そのリンカー領域が複製されると、DNA合成についての新たなプライミング部位が作り出される。このようにして、コンカテマー化DNAサンプル全体の複数の重複コピーが、短時間に合成され得る。
米国特許第6,365,375号は、予備増幅反応においては相補的なランダムプライマー、2つの熱安定性DNAポリメラーゼ(そのうちの1つが3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を有する)を使用する第2の増幅反応においては遺伝子座特異的プライマーでの、DNAのプライマー伸長予備増幅のための方法を記載する。予備増幅は、20〜60回のサーマルサイクルによって行われる。この方法は、アニーリング段階と伸長段階との間で、ゆっくりしたトランジションを利用する。2つの伸長工程が行われる:1つは、低温で、2つめのものは、高温で。このアプローチを使用すると、特に長いアンプリコンの集団が請求される。第2の増幅反応において使用される特異的プライマーは、標的核酸の配列またはその相補配列と同一である。潜在的な第3の増幅反応においてネスト化PCRを行うために使用される特異的プライマーは、第2の増幅反応において使用されるプライマーと同じ基準に従って選択される。その方法の請求される利点は、わずか1種の熱安定性DNAポリメラーゼ(すなわち、Taqポリメラーゼ)を使用する方法と比較して、数個の細胞のレベルに対するその改善された感度およびその増幅の増大した信頼性(これは、3’−5’エキソヌクレアーゼ活性のプルーフリーディングの存在に起因する)である。
Bohlanderら(1992)は、小さく分解した(microdissected)材料が、3’末端にランダムな5塩基の配列および5’末端に規定された配列を有するプライマーを使用して、T7 DNAポリメラーゼで最初の2回のDNA合成において増幅され得る方法を開発した。予備増幅された材料は、次いで、その第1のプライマーの不変の5’配列に等価な第2のプライマーを使用するPCRによってさらに増幅される。
Bohlanderの手順の改変およびDOP−PCR(Guanら(1993))を使用すると、シークエナーゼバージョン2(各変性工程の後に、新鮮な酵素が補給される)を用いた予備増幅反応、続いて、TaqポリメラーゼでのPCR増幅のサイクリングにおいて、DOP−PCRプライマーを使用して、小さく分割した染色体の増幅の感度を増大させることができた。
本来のBohlanderの方法の別の改変は、ワールドワイドウェブ上で、University of California(San Francisco)のDepartment of Biochemistry and Biophysicsによって、マイクロアレイ分析におけるDNA調製のためのプロトコル集において発表されている。このプロトコルは、1ng未満のDNAのゲノム代表を増幅するために使用されていた。このプロトコルは、3セットの酵素反応からなる。ラウンドAにおいて、シークエナーゼは、3’末端に完全にランダムな配列および5’末端に規定された配列を含むプライマーを伸長して、その後のPCRのためのテンプレートを生成するために使用される。ラウンドBの間、その特異的プライマーBは、既に生成されたテンプレートを増幅するために使用される。最後に、ラウンドCは、アミノアリルdUTPまたはシアニン改変ヌクレオチドのいずれかを組み込むさらなるPCRサイクルからなる。
Zheleznaya(1999)は、ランダムDNAフラグメントを調製する方法を開発した。この方法において、2回のサイクルが、DNAポリメラーゼIのクレノウフラグメント、ならびにランダム3’−配列と5’−不変部分(制限部位を含む)を有するプライマーを用いて行われる。1回目のサイクルの後、そのDNAは変性され、新たなクレノウフラグメントが添加される。次いで、慣用的なPCR増幅が、不変プライマーを利用して行われる。
当該分野における他の方法とは対照的に、本発明は、DNAテンプレートを、特に全ゲノム増幅のための、優先的に、ネイティブゲノムに代表的な様式で調製する、種々の新しい方法を提供する。
(RNA発現分析)
DNA内でコードされる遺伝子および調節転写物の発現は、細胞内代謝を調節する主な機構である。RNAの転写およびその転写後プロセシングは、細胞機能の全ての相についてのフレームワークを設定する。本質的な細胞機能(例えば、複製および分化)を制御するタンパク質について、RNA発現およびタンパク質合成のレベルは、緊密に相関されている。細胞または組織の環境内での変化は、しばしば、細胞機能における必然的な改変を生じる。例えば、細胞は、環境的要因(例えば、リガンドおよび代謝産物により刺激されるシグナル伝達)に応じて、遺伝子発現のパターンを変化させ得る。さらに、RNAおよびタンパク質の細胞性発現は、いくつかの治療薬剤の使用と同様に、故意に変化され得る。遺伝子発現におけるこれらの変化は、これらの薬物の有益な効果および毒性効果の両方に起因し得る。正常状態または病的状態の両方での遺伝子発現における変化は、潜在性のある処置の作用の有効性および機構を決定するために利用され得る。発癌性形質転換の場合、細胞は、癌の進行の間に、発現においてわずかな変化を示し得る。細胞形質転換に関与する重要なタンパク質の遺伝子発現における変化は、腫瘍形成の推定マーカーとして使用される潜在性を有する。ヒトゲノムの配列決定およびマッピングは、潜在的に発現される遺伝子のデータベースにおいて生じた。高密度マイクロアレイを含むいくつかのツールは、潜在的なスプライス改変対を含むこれらの遺伝子の各々の発現を測定するために開発された。
細胞または組織の寿命の中の特定の時機に転写された遺伝子は、細胞機能に関与する調節性応答およびタンパク質コード応答を示す。いくつかの実施形態において、本発明は、RNAプロフィールに代表的な配列の不偏性に関連する。位置決めされた組織、細胞の小さな群または1個の細胞から発現された遺伝子の高信頼性の増幅は、遺伝子発現におけるわずかな変化の分析を可能にする。限定されたサンプル材料から潜在的に発現される広い範囲のRNA分子プロファイリングの必要性は、その開始材料を代表し続ける増幅方法を要する。本明細書中に記載される発明は、直接的処理には不十分な、臨床的適用および診断的適用において代表的に回収される一定量のRNAから大量のcDNAを生成する方法を提供する。全トランスクリプトーム増幅は、ある程度線形的な増幅および指数関数的増幅に主に基づいた方法とともに、比較的歴史が短い。
RNA配列の増幅のための転写ベースの方法およびPCRベースの方法は、ともに、RNA依存性DNAポリメラーゼ(例えば、ウイルス起源の種々の逆転写酵素)の活性に依存する。プライミングおよび増幅のストラテジーに拘わらず、逆転写についての配列特異的偏りは、避けられないことであることが論じられ得る。同様に増幅されたコントロールサンプルと試験サンプルとの間の比較を示すことによって、遺伝子プロファイリング実験において、この偏りの源が扱われる。
線形的な転写ベースの方法および単一プライマー増幅(SPA)ベースの方法は、ランダムプライミングまたはポリ−Tプライミングのいずれかを使用する最初の逆転写工程を要する。得られたcDNAの増幅を容易にするために、逆転写のために利用されるプライマーは、特定の遍在的配列を導入する非相補的テールを含み得る。インビトロ転写(IVT)ベースの増幅方法の場合、特定の結合部位および開始部位は、ファージRNAポリメラーゼのプライミング部位および認識部位のうちの1つに対応する5’オリゴ伸長として導入される(PhillipsおよびEberwine,1996;US005514545A)。逆転写または第1鎖cDNA合成から生じるRNA/DNA二重鎖は、RNaseHによるRNA鎖の分解の後に、第2鎖cDNA合成のためのテンプレートとして働く。第2鎖cDNA生成物は、テールをつけられた(tailed)プライマーにRNAポリメラーゼ認識部位をランダムにまたは最終的に組み込むようにプライムされ得、それによって、線形的な増幅のための基質が生成され得る。プロトコルに対する種々の改変は、第1鎖cDNA生成物を伸長して、グアニンの短いストレッチを導入するための末端転位酵素(WangおよびChung;US005932451A)を利用し、そしてモロニーマウス白血病ウイルス逆転写酵素(これは、3〜5個のシトシンリボヌクレオチドを伸長産物の3’末端に付加する傾向を有する)のネイティブの末端転位酵素活性を利用する、第2鎖プライミングを包含する。この活性は、GinsbergおよびChe(US20030186237A1)による第2鎖プライミングについて、および「SMART」adaptation(Clontech)において使用されてきた。ここで伸長されたポリ−Cテールをプライムし得る、3’末端において一連のグアニン残基を有する鎖スイッチアダプターが使用される(Schmidtら,1999)。
RNAポリメラーゼによる線形的増幅の代わりは、「単一プライマー増幅」(SPA)である。これによって、その最初の逆転写酵素を組み込んだプライマー配列は、Taqポリメラーゼでのプライマー伸長の一連のラウンドにおけるプライマーアニーリングのための結合部位を表す(Smithら,2003)。SPAの特異化された変形例において、その反応は、等温条件下で行われ、それによってそのプライマーは、部分的にDNAおよび部分的にRNAからなる。鎖置換ポリメラーゼ活性およびRNaseH活性の存在下で、各プライマー伸長生成物は、そのプライマーの5’RNA成分内のRNase Hについての基質を生成する。伸長生成物の切断は、連続プライミング部位を生成し、その反応は、線形的鎖置換等温様式でサイクルする(NuGEN Technologies Inc.;WO02/72772;US2003/0017591 A1;US2003/0017591A1)。転写および逆転写の一連のラウンドは、百万倍程度の増幅を生じ得る。
RNAのPCRベースの増幅は、逆転写および第2鎖合成の同じ最初の工程を包含する。当業者は、指数関数的増殖に際して偏りが導入される可能性があることを認識しているが、いくつかの方法は、その増幅産物が、最小のゆがみを有し、本来のRNA転写物を非常によく代表することを実証した。その標準的な方法は、典型的な第1鎖合成および第2鎖合成によって生成される二本鎖cDNAを使用する。簡潔には、逆転写酵素は、オリゴdTおよびランダムプライマーから開始して、第1鎖合成を促進し、続いてDNAポリメラーゼI、RNase HおよびDNAリガーゼのカクテルは第2鎖合成および修復を促進する。既知の配列を含むユニバーサルアダプターは、次いで、その後の増幅のために、第2鎖cDNA分子に連結され得る。このプロセスは、逆転写酵素非テンプレート指向性のシトシン残基の付加の使用を介して、連結媒介性アダプター連結の用件を回避することによって、実質的に改善され得る。ユニバーサル配列は、次に、鎖スイッチング媒介性第2鎖cDNA合成のためのプライマーとして導入される(Schmidtら,1999)。
サンプル間に導入される偏りの中和を補助するさらなる改善は、ユニバーサルプライミング部位および独特のプライミング部位の両方を含む、改変されたプライマーを使用して、実証された。Makrigiorgosら(2002)は、共通の遠位プライマー配列を共有する複数のサンプルを同時に増幅するために、2つに分かれたプライマー構築物を使用する「平衡化PCR(balanced PCR)」の有用性を実証した。サンプルの混合物は、同時に増幅され得、増幅に影響を及ぼすいかなる不純物も他の要因も最小にされる。そのプールされたサンプルは、続いて、個々の配列タグに基づいて、二次的な低サイクル増幅またはプライマー伸長標識反応のいずれかにおいて、それらそれぞれの近位プライマー配列から分けられる。
指数関数的な増幅は、転写物間の比較的豊富な関係性を低下させるという評判があるが、その偏りのほとんどは、増幅因子(amplimer)を生成するにあたって必要とされる種々の工程に原因があり得るとされる。任意の所定の転写物の特異的配列は、逆転写の効率に影響を及ぼし得、これらの効果は、転写物の長さが増えるにつれて、悪化し得る。IVTベースの増幅およびPCRベースの増幅を組み合わせて使用する方法は、感度の高いアプローチおよび特定のアプローチの両方を提供するが、それらは、第1鎖および第2鎖の中間的な段階的cDNA合成を維持する。(Rosetta Inpharmatics,Inc.US006271002B1;Roche Diagnostics Co. US20030113754A1)。
本発明は、一工程で、均一なサイズ分布を有する増幅因子の形態で転写物を捕捉することによって、偏りの導入を最小にする。WTA生成物は、RNA分子の完全性、RNA分子全体の逆転写を完了する能力、第2鎖合成の間のテンプレートスイッチのための要件、およびアダプターの連結とは無関係に合成される。ユニバーサル非自己相補性プライマーを使用する生成物のその後の増幅は、全ての適用(例えば、下流の発現研究)に適した、偏りのない代表を生じる。
(発明の要旨)
本発明は、全ゲノムまたは全トランスクリプトームの増幅に関し、本発明は、その目的を達成するための種々の方法および組成物を包含する。特定の実施形態において、全ゲノムは、単一の細胞から増幅されるが、他方、別の実施形態において、その全ゲノムは、複数の細胞から増幅される。特定の実施形態において、その全トランスクリプトソームは、ポリA+RNAから増幅され、または、別の実施形態において、全トランスクリプトソームは、総RNAから増幅される。
本発明の特定の局面において、本発明は、特定の部位の表示の損失を伴うことなく、実質的に全てのゲノムまたは実質的に全てのトランスクリプトームの増幅を行うための方法(本明細書中で、「全ゲノム増幅」および「全トランスクリプトーム増幅」として、それぞれ、定義される)に関する。特定の実施形態において、全ゲノム増幅は、ゲノムライブラリーの実質的に全てのフラグメントの同時増幅を包含する。さらに特定の実施形態において、「実質的に全体の」または「実質的に全ての」とは、ゲノムにおける全ての配列における。約80%、約85%、約90%、約95%、約97%、または約99%について言及する。当業者は、全ゲノムの増幅は、いくつかの実施形態において、このような増幅における相対的な差異は考慮されていないが、他のものと比べて特定の配列の非均等配列増幅を包含することを認識する。
特定の実施形態において、本発明は、テンプレートDNAの代表的な増幅可能コピーを含むライブラリーの生成した後にDNAを恒久化すること(immortalization)に関する。このライブラリー生成工程は、特別な自己不活性縮合プライマー(self−inert degenerate primer)を利用し、それらのプライマーは、それらがプライマー−ダイマーおよび鎖置換活性を備えるポリメラーゼを形成する能力を取り除くように設計されている。
本発明の1つの特定の局面において、本質的には自己非相補的ヌクレオチドを含む自己不活性縮重プライマーを使用して、DNAまたはRNAを一様に増幅するための方法が存在する。特定の実施形態において、その縮合オリゴヌクレオチドは、互いに、ワトソン−クリック塩基対を形成しない。このプライマー相補的がないことによって、ランダムプライマーによるDNA増幅に関与する技術分野において既知の殆どの問題(例えば、過剰なプライマーダイマー形成、完全なもしくは散在性の対立遺伝子ドロップアウト、非常に短い増幅産物の生成、および、いくつかの場合において、一本鎖であるか、短いか、または断片化している、DNA分子およびRNA分子の増幅が不能であること)が克服される。
特定の実施形態において、本発明は、例えば、ハイスループット様式で、単一の試験管またはマイクロタイタープレート中で実施され得る2工程手順を提供する。第1の工程(これは、「ライブラリー合成工程」と呼称される)は、高い縮合性のプライマーおよび、鎖置換活性を保持する少なくとも1つの酵素を使用して、アンプリコンの両端で既知配列の取り込み処理を包含する。得られた分枝プロセスによって、自己相補的末端を有する分子が作製される。これらの得られた分子ライブラリーは、例えば、Taqポリメラーゼおよび既知配列に対応するプライマーを使用するPCRTMによって、第2工程として増幅される。それによって、顕著な偏りを生じずに、その全ゲノムまたはトランスクプトームを数千倍に増幅する。この増幅の生成物は、さらなる時間で、再増幅され得る。その結果、例えば、数百万倍を超える増幅が得られる。
したがって、本発明の1つの特定の局面において、核酸分子を調製する方法が存在する。この方法は、少なくとも1つの1本鎖核酸分子を得る工程;その一本鎖核酸分子を複数のプライマーに供して、1本鎖核酸分子/プライマー混合物を形成する工程であって、ここで、そのプライマーは、実質的に自己非相補的であり、かつ、その複数のもののうちの他のプライマーに対して非相補的である核酸配列を含み、ここで、その配列は、5’→3’の方向に、定常領域および可変領域を含む、工程;およびこの一本鎖核酸分子/プライマー混合物を一本鎖置換ポリメラーゼにある条件下で供する工程であって、この条件は、この供する工程によって、各々末端に、既知核酸配列の全部または一部分を含む複数の分子を生成する条件である、工程を包含する。
本方法は、プライマーを設計する工程であって、それらのプライマーが、目的にどおりに実質的に自己非相補的であり、かつ複数のもののうちの他のプイラマーに対して実質的に非相補的であるように設計される、工程をさらに包含する。この方法はまた、既知核酸配列を含む複数の分子を増幅して、分子の増幅を生じる工程をさらに包含する。このような増幅は、ポリメラーゼ連鎖反応を含み得、その連鎖反応は、例えば、その既知核酸配列に相補的であるプライマーを利用する連鎖反応である。
それらのプライマーは、定常領域および可変領域を含み得て、それらの両方は、実質的に自己非相補的であるか、そして、その複数のもののうちの他のプライマーに対して実質的に非相補的である核酸配列を含む。特定の実施形態において、特定のプライマーに対する、定常領域および可変領域は、同じ2つのヌクレオチドから構成されるが、その2つの領域の配列は、通常は、異なっている。この定常領域は、好ましくは、既知であり、増幅方法におけるプライマーのための標的化配列であり得る。この可変領域は、既知であっても、既知でなくとも良いが、好ましい実施形態においては、既知である。上述の可変領域は、無作為に選択されてよく、または、供給源DNA(例えば、ゲノムDNA)において現れる頻度に比例して意図的に選択されてもよい。特定の実施形態において、その可変領域のヌクレオチドは、DNA供給源(例えば、対応するワトソン−クリック塩基対形成パートナーを含む、ゲノムDNA)における標的部位でプライムする。特定の実施形態において、この可変領域は、縮合していると考えられる。
一本鎖核酸分子は、いくつかの実施形態において、DNAであってもよく、そして、代替的な実施形態において、その一本鎖核酸分子は、RNAであるか、またはDNA−RNAキメラである。
本発明の他の局面において、タグは、増幅された分子の末端に取り込まれ、好ましくは、ここで、その既知配列が、その増幅された分子の各末端のタグに隣接する。このタグは、ホモポリマー性配列であり得、特定の実施形態においては、プリンである。ホモポリマー性配列は、一本鎖(例えば、一本鎖のポリGまたはポリC)であり得る。また、このホモポリマー性配列は、二本鎖DNAの領域(ここで、ホモポリマー性配列のうちの1本鎖は、例えば、ポリCのような全て同じヌクレオチドであり、そして、それに対して相補的な領域の二本鎖領域の反対の鎖は、適切なポリGを含む)についても言及する。
そのホモダイマー配列の取り込みは、当該分野において既知の種々の様式で存在し得る。例えば、その取り込みは、末端のデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ活性を含み得る。ここでは、ホモポリマー性テイルが、末端のデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ酵素を介して加えられる。類似の活性を有するほかの酵素もまた、使用され得る。そのホモポリマー性配列の取り込みは、増幅される分子の末端に、そのホモポリマー性配列を含むアダプターを連結することを包含し得る。そのホモポリマー性配列の取り込みのさらなる例では、5’→3’方向に、そのホモポリマー性配列および既知配列を含むプライマーを利用することによって、DNAポリメラーゼを用いてその増幅される分子を複製する。
本発明のさらなる実施形態において、そのホモポリマー性配列を含む増幅される分子は、既知配列に相補的なプライマーおよびそのホモポリマー性配列に相補的なプライマーを使用して、さらに増幅される。本発明者らは、それらの分子がグアニンホモポリマー性配列を含むと、例えば、驚くべきことに、単にホモシトシンプライマーを用いて分子増幅することが、抑制され、特定の配列(例えば、その既知配列)に相補的なプライマーおよびそのホモシトシンプライマーを用いる分子の増幅が好まれる傾向にあることを実証した。これらの実施形態は、例えば、少量のDNAがプロセッシングに利用可能であり、それらが、ライブラリーに変換され、ユニバーサルプライマーを使用して増幅され、次いで、それと同じユニバーサル配列を3’末端に有し、さらに、ホモポリマー性(例えば、ポリC)を5’末端に有する新たなユニバーサルプライマーを用いて、再増幅または複製がなされるという筋書きで利用され得る。次いで、これは、例えば、特定の実施形態において、標的化増幅/配列決定のための非限定的な資源として使用され得る。
本発明の特定の実施形態において、上述の取得工程は、少なくとも1つの二本鎖DNA分子を得る工程、およびその二本鎖DNA分子を加熱して、少なくとも1つの一本鎖DNA分子を産生する工程を包含するとしてさらに規定され得る。
本明細書において記載される方法によって処理される核酸は、DNA、RNAまたはDNA−RNAキメラであり得、そして、これらは、任意の有用な供給源(例えば、ヒトサンプル)から取得され得る。特定の実施形態において、二本鎖DNA分子は、ゲノム(例えば、ヒトのサンプルから得られたゲノム)を包含するとしてさらに規定される。このサンプルは、ヒト(例えば、血液、血清、血漿、脳髄液、頬擦過標本、乳頭吸引物、生検材料、精液(これらは、射精液としても記載され得る)、尿、糞、毛包、唾液、汗、免疫沈降されたかまたは物理的に単離されたクロマチン、などから得られる任意のサンプルであり得る。特定の実施形態において、上述のサンプルは、単一の細胞を包含する。
本発明の特定の実施形態において、それらのサンプルから調製された核酸分子は、診断情報または予防情報を提供する。例えば、そのサンプルから調製された核酸分子は、ゲノムコピー数情報および/またはゲノム配列情報、対立遺伝子バリエーション情報、癌診断、出生前診断、父性情報、疾患診断、検出、モニタリングおよび/または処置情報、配列情報などを提供し得る。
本発明の特定の局面において、それらのプライマーは、さらに、定常性の第1領域および可変性の第2領域を有するとして規定される。これらの領域の各々は、2つの非相補的ヌクレオチドから構成される。この第1領域および第2の領域は、各々が、グアニン、アデニンまたはそれらの両方から構成されてもよく;シトシン、チミジンまたはそれらの両方から構成されてもよく;アデニン、シトシン、またはそれらの両方から構成されておもよく;あるいは、グアニン、チミジンまたはそれらの両方から構成されてもよい。その第1の領域は、約6〜約100ヌクレオチドを含み得る。この第2の領域は、約4〜約20のヌクレオチドを含み得る。このポリヌクレオチド(プライマー)は、さらに、その遠位の3’末端の0〜約3のランダムな塩基から構成され得る。特定の実施形態において、そのヌクレオチドは、塩基または骨格アナログである。
特定の実施形態において、第1の領域および第2の領域は、各々、グアニンおよびチミジンから構成され、そして、そのポリヌクレオチド(プライマー)は、約1、約2または約3つのランダムな塩基を、その3’末端に含むが、それは、その3’末端に、ランダムな塩基を0個含み得る。
その既知の核酸配列は、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応を用いるようなその後の増幅に、使用され得る。
いくつかの実施形態において、本発明の方法は、鎖置換ポリメラーゼ(例えば、Φ29ポリメラーゼ、Bstポリメラーゼ、Ventポリメラーゼ、9°Nmポリメラーゼ、DNA ポリメラーゼIのクレノウ(Klenow)フラグメント、MMLV逆転写酵素、AMV逆転写酵素、HIV逆転写酵素、3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を欠くT7ファージDNAポリメラーゼの変異形態、またはそれらの混合物)を利用する。特定の実施形態において、上述の鎖置換ポリメラーゼは、クレノウであるか、3’→5’エキソヌクレアーゼ活性を欠くT7ファージDNAポリメラーゼの変異形態である。
本明細書において利用される方法は、一本鎖の核酸分子/プライマー混合物をポリメラーゼ連続移動性(processivity)増強化合物(例えば、1本鎖DNA結合タンパク質またはヘリカーゼ)に供する工程をさらに包含し得る。
本発明のいくつかの実施形態において、少なくとも1つのRNA分子を増幅する方法が存在し、この方法は、RNA分子を得る工程;そのRNA分子を複数のプライマーに供して、RNA分子/プライマー混合物を形成する工程であって、ここで、そのプライマーが実質的に自己非相補的でありかつ、その複数の中の他のプライマーに対して実質的に非相補的である核酸配列を含み、ここで、その配列が5’→3’方向に定常領域および可変領域を含む、工程;そのRNA分子/プライマー混合物をポリメラーゼに供する工程であって、その供する工程が各々の末端に定常領域を含む複数のDNA分子を生成する条件下である、工程;ならびに、ポリメラーゼ連鎖反応を介してその複数のDNA分子を増幅する工程であって、その反応が該定常領域に対して相補的なプライマーを利用する、工程を包含する。
そのRNA分子は、サンプル(例えば、細胞総RNA、トランスクリプトーム、または両方を含むサンプル)から取得され得る。そのサンプルは、1以上のウイルスから取得され得、1以上の細菌からも取得され得;また、例えば、動物細胞、細菌、および/またはウイルスの混合物から取得され得る。そのサンプルは、mRNA(例えば、親和性捕捉法によって取得されるmRNA)を含み得る。
本発明の別の局面において、ゲノム、トランスクリプトーム、またはその両方を増幅する方法が存在し、この方法は、ゲノムDNA、RNA(例えば、mRNA)、または両方を得る工程;このゲノムDNA、RNAまたは両方を改変して少なくとも1つの一本鎖の核酸分子を生成する工程;その一本鎖の核酸分子を複数のプライマーに供して、核酸/プライマー混合物を形成する工程であって、ここで、そのプライマーが実質的に自己非相補的でありかつ、その複数の中の他のプライマーに対して実質的に非相補的である核酸配列を含み、ここで、その配列が5’→3’方向に定常領域および可変領域を含む、工程;その核酸/プライマー混合物を鎖置換ポリメラーゼに供する工程であって、その供する工程が各々の末端に定常領域を含む複数のDNA分子を生成する条件下である、工程;ならびに、ポリメラーゼ連鎖反応を介してその複数のDNA分子を増幅する工程であって、その反応がその定常核酸配列に対して相補的なプライマーを利用する、工程を包含する。
本方法は、以下の工程をさらに包含する:二本鎖DNA分子を改変して、一本鎖分子を生成する工程であって、この一本鎖分子は、既知核酸配列を、その5’末端および3’末端の両方に含む、工程;その一本鎖のDNA分子のうちの少なくとも1つのある領域を支持体に固定されたオリゴヌクレオチドの3’末端の相補的領域にハイブリダイズさせて、一本鎖DNA/オリゴヌクレオチドハイブリッドを生成する工程;および上述のオリゴヌクレオチドの3’末端を伸長して、伸長ポリヌクレオチドを生成する工程。特定の実施形態において、その方法は、上述の一本鎖DNA/オリゴヌクレオチドハイブリッドからその一本鎖DNA分子を取り出す工程をさらに包含する。
本発明の1つの局面において、DNAおよびRNAの混合物を含むサンプルから総核酸を得る方法が存在し、その方法は、以下の工程を包含する:DNAおよびRNAの混合物を提供する工程;その混合物を、二本鎖核酸を変性させる温度まで必要に応じて加熱する工程;および、その混合物を、一本鎖DNAおよびRNAの両方を複製するポリメラーゼに供する工程。いくつかの実施形態において、上述の方法は、本質的に、上述の提供する工程、必要に応じた加熱工程、および供する工程からなる。この供する工程は、その混合物を複数のプライマーに供して、核酸/プライマー混合物を形成する工程であって、ここで、そのプライマーが実質的に自己非相補的でありかつ、その複数の中の他のプライマーに対して実質的に非相補的である核酸配列を含み、ここで、その配列が5’→3’方向に定常領域および可変領域を含む、工程;その核酸/プライマー混合物を、DNAおよびRNAの両方を効率的に複製するポリメラーゼに供する工程であって、その供する工程が各々の末端に定常核酸配列を含む複数のDNA分子を生成する条件下である、工程;ならびに、ポリメラーゼ連鎖反応を介してその各々の末端に定常領域を含む複数のDNA分子を増幅する工程であって、その反応がその既知核酸配列に対して相補的なプライマーを利用する、工程として、さらに規定され得る。
本発明の別の局面において、総トランスクリプトームを増幅する方法が存在する。この方法は、以下の工程を包含する:総RNAを得る工程;そのRNA分子を複数のプライマーに供して、RNA分子/プライマー混合物を形成する工程であって、ここで、それらのプライマーが実質的に自己非相補的でありかつ、その複数の中の他のプライマーに対して実質的に非相補的である核酸配列を含み、ここで、その配列が5’→3’方向に定常領域および可変領域を含む、工程;そのRNA分子/プライマー混合物を、逆転写酵素に供する工程であって、その供する工程が各々の末端に定常領域を含む複数のDNA分子を生成する条件下である、工程;ならびに、ポリメラーゼ連鎖反応を介してその複数のDNA分子を増幅する工程であって、その反応がその定常領域に対して相補的なプライマーを利用する、工程。
本発明の別の局面において、タンパク質をコードするトランスクリプトームを増幅する方法が存在する。この方法は、以下の工程を包含する:mRNAを得る工程;そのmRNA分子を複数のプライマーに供して、mRNA/プライマー混合物を形成する工程であって、ここで、それらのプライマーが実質的に自己非相補的でありかつ、その複数の中の他のプライマーに対して実質的に非相補的である核酸配列を含み、ここで、その配列が5’→3’方向に定常領域および可変領域を含む、工程;そのmRNA/プライマー混合物を、逆転写酵素に供する工程であって、その供する工程が各々の末端に定常領域を含む複数のDNA分子を生成する条件下である、工程;ならびに、ポリメラーゼ連鎖反応を介してその複数のDNA分子を増幅する工程であって、その反応がその定常領域に対して相補的なプライマーを利用する、工程。
本発明の他の局面において、少なくとも1つのmRNA分子から生成されたDNA分子を増幅する方法が存在し、その方法は、以下の工程を包含する:そのmRNA分子からcDNA分子を得る工程;cDNA分子を改変して、少なくとも1つのssDNA分子を生成する工程;そのssDNA分子を複数のプライマーに供してssDNA分子/プライマー混合物を形成する工程であって、ここでそのプライマーが実質的に自己非相補的でありそしてその複数の中の他のプライマーに対して実質的に非相補的である核酸配列を含み、ここでその配列が5’→3’方向に定常領域および可変領域を含む、工程;そのssDNA分子/プライマー混合物を鎖置換ポリメラーゼに供する工程であって、その供する工程が各々の末端にその定常領域を含む複数のDNA分子を生成する条件下である、工程;ならびにポリメラーゼ連鎖反応を介して各々の末端にその定常領域を含む複数のDNA分子を増幅する工程であって、その反応がその定常領域に対して相補的なプライマーを利用する、工程。
上述の取得工程は、逆転写酵素(例えば、Tth DNAポリメラーゼ、HIV逆転写酵素、AMV逆転写酵素、MMLV逆転写酵素またはそれらの混合物)を用いてそのmRNA分子を逆転写することによってそのcDNA分子を生成する工程をさらに包含しるとして規定され得る。
本発明の別の局面において、複数のポリヌクレオチドを備えるキットが存在し、ここで、そのポリヌクレオチドは、実質的に自己非相補的でありかつ、その複数の中の他のポリヌクレオチドに対して実質的に非相補的である核酸配列を含み、ここで、その複数のものが、適切な容器中に分散されている。そのキットは、さらに、鎖置換ポリメラーゼのようなポリメラーゼを備え得、このポリメラーゼとしては、例えば、Φ29ポリメラーゼ、Bstポリメラーゼ、Ventポリメラーゼ、9°Nmポリメラーゼ、DNA ポリメラーゼIのクレノウフラグメント、MMLV逆転写酵素、3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を欠くT7ファージDNAポリメラーゼの変異形態、またはそれらの混合物が挙げられる。
本発明のさらなる局面において、DNA分子の複数の集団に含まれるDNA分子の集団を増幅する方法が存在し、この方法は、以下の工程を包含する:DNA分子の複数の集団を得る工程であって、ここで、上述の複数あるうちの少なくとも1つの集団は、5’→3’方向に、その集団に特異的な既知の同定配列、および既知のプライマー増幅配列を有するDNA分子を含む、工程;および、ポリメラーゼ連鎖反応によって上述のDNA分子の集団を増幅する工程であって、その反応では、その同定配列のためにプライマーを利用する、工程。
上述の取得工程は、既知プライマー増幅配列を含むDNA分子の集団を得る工程;5’→3’方向に、既知の同定配列および既知のプライマー増幅配列を有するプライマーを用いて上述のDNA分子を増幅する工程;およびDNA分子の他の集団のうち少なくとも1つと上述の集団を混合する工程として、さらに、規定され得る。特定の実施形態において、DNA分子のその集団は、ゲノムDNAを含むか、ゲノムであるか、または、トランスクリプトームである。
本発明の別の局面において、DNA分子の複数の集団に含まれるDNA分子の集団を増幅する方法が存在し、ここで、この方法は、以下の工程による:DNA分子の複数の集団を得る工程であって、複数のうちの少なくとも1つの集団が、DNA分子を含み、ここで、そのDNA分子の5’末端は、5’→3’方向に、その集団に特異的な既知の同定配列を有する一本鎖領域、および既知のプライマー増幅配列を含む工程;複数のDNA分子の一本鎖既知同定配列の少なくとも一部分の、表面に対する結合を介して、その集団を単離する工程:および、プライマー増幅配列に相補的なプライマーを利用するポリメラーゼ連鎖反応によってその単離されたDNA分子を増幅する工程。
上述の取得工程は、以下のようにさらに規定され得る:既知プライマー増幅配列を含むDNA分子の集団を得る工程;5’→3’方向で、既知同定配列、非複製リンカー;およびその既知プライマー増幅配列を含むプライマーを用いて上述のDNA分子を増幅する工程;ならびに、DNA分子の他の集団の少なくとも1つと上述の集団を混合する工程。さらに、その単離工程は、上述の既知同定配列に相補的である領域を含む固定されたオリゴヌクレオチドに対して上述の一本鎖既知同定配列の少なくとも一部分を結合させる工程として、さらに規定され得る。
本発明の他の局面において、複数のポリヌクレオチドが存在し、ここで、その複数であるポリヌクレオチドは、実質的に自己非相補的でありかつ、その複数の中の他のポリヌクレオチドに対して実質的に非相補的である核酸配列を含む。その核酸は、以下のうちの少なくとも1つが実質的に不能であるポリヌクレオチドを与えるものとしてさらに規定され得る:自己ハイブリダイゼーション:自己プライミング;その複数のものうちの別のポリヌクレオチドに対するハイブリダイゼーション;および複数の重合反応の開始。この複数のポリヌクレオチドは、5’→3’方向に、第2可変領域の5’側に第1の定常領域を含むことでさらに規定され得る。特定の実施形態において、その定常領域は、その後の増幅ためであり、そして/または、その可変領域は、ランダムアニーリング、ランダムプライミング、またはその両方のためである。
上述のポリヌクレオチドの第1領域および第2領域はそれぞれ、2つの非相補的ヌクレオチド(例えば、グアニン、アデニンまたはそれらの両方;アデニン、シトシンまたはそれらの両方;シトシン、チミジンまたはそれらの両方;あるいは、グアニン、チミジンまたはそれらの両方)から構成され得る。その第1の領域は、約6〜約100ヌクレオチドを含み得、そして/または、その第2の領域は、約4〜約20のヌクレオチドを含み得る。さらに、上述のポリヌクレオチドは、さらに、その遠位の3’末端の約0〜約3のランダムな塩基から構成され得る。その核酸配列は、いくつかの実施形態において、塩基、または骨格アナログ、またはその両方から構成され得る。
特定の実施形態において、第1の領域および第2の領域は、各々、グアニンおよびチミジンから構成され、そのポリヌクレオチドは、その3’末端に、0、1、2、または3のランダムな塩基を含む。
いくつかの実施形態において、dsDNAおよびRNAを含むサンプルからRNAを区別して得る方法であって、この方法は、以下の工程を包含する:そのdsDNAおよびRNAの混合物を提供する工程;dsDNAの変性を防ぐように、その混合物を、約75℃を超えない温度まで必要に応じて加熱する工程;およびその混合物を、一本鎖RNAテンプレートのみを複製するポリメラーゼに供する工程。特定の実施形態において、その方法は、本質的に、上述の提供工程および供する工程からなるか、または、提供工程、必要に応じた加熱工程、および供する工程からなる。この供する工程は、以下でさらに規定される:ssRNA/dsDNA/プライマー混合物を形成するための複数のプライマーに、上述の混合物を供する工程であって、ここで、それらのプライマーは、実質的に自己非相補的であり、かつ、その複数の中の他のプライマーに対して実質的に非相補的である核酸配列を含み、ここで、その配列は、5’→3’方向に、定常領域および可変領域を含む、工程;およびssRNA/dsDNA/プライマー混合物を、一本鎖RNAのみをプライミングし、複製するポリメラーゼに供する工程であって、この供する工程が、各々の末端に、定常核酸配列を含む複数のDNA分子を生成する条件である、工程;およびポリメラーゼ連鎖反応を介してその定常領域を末端に含む複数のDNA分子を増幅する工程であって、その反応が、その定常領域に対して相補的なプライマーを利用する、工程。
本発明の別の局面において、増幅したゲノム、トランスクリプトーム、またはその両方を固定する方法が存在し、これは、増幅したゲノム、トランスクリプトームまたはその両方を得る工程であって、ここで、そのゲノム、トランスクリプトームまたはその両方に由来する複数の分子が、既知プライマー増幅配列を、その分子の5’末端および3’末端の両方に含む、工程;および複数のその分子を支持体に結合させる工程による。この結合工程は、複数の分子を、上述の既知プライマー増幅配列を介して、支持体に共有結合する工程を包含するとして規定され得る。
特定の実施形態において、その共有結合させる工程は、以下のようにさらに規定される:少なくとも1つの一本鎖分子の領域を上述の支持体に固定したオリゴヌクレオチドの3’末端にある相補的領域にハイブリダイズさせる工程;そのオリゴヌクレオチドの3’末端を伸長させて、一本鎖分子/伸長ポリヌクレオチドハイブリッドを生成する工程。この方法はまた、上述の一本鎖分子/伸長ポリヌクレオチドハイブリッドから上述の一本鎖分子を取り除いて、伸長ポリヌクレオチドを生成する工程を包含する。この方法はまた、上述の伸長ポリヌクレオチドを複製する工程をさらに包含する。この複製工程は、以下のようにさらに規定され得る:上述の伸長ポリヌクレオチドに、ポリメラーゼおよび上述の既知プライマー増幅配列に相補的なプライマーを提供する工程;そのプライマーの3’末端を伸長して、伸長プライマー分子を形成する工程:ならびにその伸長プライマー分子を放出する工程。
本発明の別の特定の局面において、増幅したゲノムを固定する方法が存在して、この方法は、増幅したゲノムを得る工程であって、ここで、そのゲノムに由来する複数のDNA分子は、その分子の5’末端および3’末端の両方に増幅配列を含む、工程;および複数のそのDNA分子を支持体に結合させる工程。特定の実施形態において、この結合工程は、上述のタグを通して、上述の支持体に上記複数のDNA分子を結合させる工程としてさらに規定され得る。このタグは、ビオチンであり得、そして、その支持体は、ストレプトアビジンを含み得る。特定の実施形態において、このタグは、アミノ基またはカルボキシル基を含むが、例えば、当該分野で有用な他のタグが、企図される。
しかし、本発明の特定の局面において、上述のタグは、一本鎖領域を含み、そして、その支持体は、そのタグの領域に相補的である配列を含むオリゴヌクレオチドを含む。このタグは、同定配列としてさらに規定される一本鎖を含み得る。さらに、このDNA分子は、上述の同定配列の3’側にあり、かつ、既知のプライマー増幅配列の5’側にある非複製可能リンカーを含むとしてさらに規定され得る。特定の実施形態において、この方法は、上述の固定したゲノムから夾雑物を取り除く工程をさらに包含する。
増幅した分子を有する方法は、以下の工程をさらに包含する:二本鎖分子としてさらに規定される、増幅した分子を改変して、改変したヌクレオチド塩基を取り込み、それによって、標識分子を生成する工程;その標識した分子から一本鎖分子を生成する工程であって、この一本鎖分子は、基質上の既知位置に、配置される相補的配列にハイブリダイズすることができる、工程;ならびに少なくとも1つのハイブリダイゼーションシグナルを分析する工程。この改変する工程は、例えば、放射性であるかまたは蛍光発光性ある改変ヌクレオチド塩基の、化学的、酵素的、または物理的な取り込みを包含し得る。特定の実施形態において、その生成工程は、その二本鎖分子の変性を包含する。この基質は、マイクロアレイ基材を含み得る。さらに、この分析工程は、少なくとも1つのハイブリダイゼーションシグナルのバックグラウンドを差し引いた強度を測定し、そして/またはその増幅した分子の、コピー数、代表物、またはその両方を測定する工程を包含し得る。
本発明のさらなる実施形態において、DNAおよびRNAの混合物を含むサンプルからDNAまたはRNAをそれぞれ区別して得る方法が存在し、この方法は、以下の工程を包含する:そのDNAおよびRNAの混合物を提供する工程;DNAまたはRNAに選択的に影響する温度に、その混合物を加熱する工程;ならびに、それぞれDNAまたはRNAを選択的に複製するポリメラーゼにその混合物を供する工程。上記提供する工程が、以下にようにさらに規定され得る:上記混合物を複数のプライマーに供してssDNA/RNA/プライマー混合物を形成する工程であって、ここでそのプライマーが実質的に自己非相補的でありそしてその複数の中の他のプライマーに対して実質的に非相補的である核酸配列を含み、ここでその配列が5’から3’方向に定常領域および可変領域を含む、工程;そのssDNA/RNA/プライマー混合物を、それぞれDNAまたはRNAを選択的に複製するポリメラーゼに供する工程であって、その供する工程が各々の末端にその定常領域を含む複数のDNA分子を生成する条件下である、工程;ならびにポリメラーゼ連鎖反応を介して各々の末端にその定常領域を含む複数のDNA分子を増幅する工程であって、その反応がその定常領域に対して相補的なプライマーを利用する、工程。
特定の局面において、DNAおよびRNAを含むサンプルからDNAを区別して得る方法が存在し、この方法は、以下の工程を包含する:DNAおよびRNAの混合物を提供する工程;少なくとも約94℃〜約100℃の温度に該混合物を加熱して、一本鎖核酸を生成する工程;ならびにDNAテンプレート(鋳型)のみを複製するポリメラーゼに該混合物を供する工程。この方法は、以下の工程をさらに包含し得る:上述の混合物を複数のプライマーに供してssDNA/RNA/プライマー混合物を形成する工程であって、ここで、それらのプライマーが実質的に自己非相補的でありそしてその複数の中の他のプライマーに対して実質的に非相補的である核酸配列を含み、ここでその配列が5’→3’方向に定常領域および可変領域を含む、工程;ならびに上述のssDNA/RNA/プライマー混合物をDNAを選択的に複製するポリメラーゼに供する工程であって、その供する工程が各々の末端に既知の核酸配列を含む複数のDNA分子を生成する条件下である、工程。この方法は、ポリメラーゼ連鎖反応を介して複数のDNA分子を増幅する工程であって、その反応が定常領域に対して相補的なプライマーを利用する、工程をさらに包含し得る。これらのポリメラーゼは、DNA依存性DNAポリメラーゼであり得、特定の実施形態において、例えば、φ29ポリメラーゼ、Bstポリメラーゼ、Ventポリメラーゼ、9°Nmポリメラーゼ、DNAポリメラーゼIのクレノウExoフラグメント、3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を欠損した変異型T7ファージDNAポリメラーゼ、またはこれらの混合物であり得る。このDNA依存性DNAポリメラーゼは、好ましくは、DNAポリメラーゼIのクレノウExoフラグメントである。
本発明の別の局面において、DNAおよびRNAの混合物を含むサンプルからRNAを区別して得る方法が存在する。この方法は、以下の工程を包含する:DNAおよびRNAの混合物を提供する工程;dsDNAの変性を防ぐように、上述の混合物を、約75℃を超えない温度まで加熱する工程;およびその混合物を、一本鎖RNAテンプレートのみを複製するポリメラーゼに供する工程を包含する、方法。この方法は、以下の工程をさらに包含する:上記の混合物を複数のプライマーに供して、ssRNA/dsDNA/プライマー混合物を形成する工程であって、ここで、それらのプライマーは、実質的に自己非相補的であり、かつ、その複数のもののうちの他のプライマーに対して実質的に非相補的である核酸配列を含み、かつ、ここで、それらのプライマーは、既知核酸配列を含む、工程;ならびに上述のssRNA/dsDNA/プライマー混合物を一本鎖RNAのみをプライムしそして複製するポリメラーゼ(例えば、M−MuLV逆転写酵素)にある条件下で供する工程であって、この条件は、その供する工程が、各末端に既知核酸配列を含む複数のDNA分子を生成する条件である、工程。
特定の実施形態において、本方法は、複数のDNA分子を、ポリメラーゼ連鎖反応を介して増幅する工程をさらに包含し、この反応は、上述の既知核酸配列に相補的であるプライマーを利用する。
本発明のいくつかの実施形態において、ゲノムDNAを含む複数のdsDNA分子が存在する。ここで、それらの分子が、変性して第1の鎖分子および第2の鎖分子を生じる場合、これらの各々は、第1の鎖分子および第2の鎖分子のそれぞれの末端における第1の末端領域および第2の末端領域を含み、その第1の分子の第1の末端領域および第2の末端領域のそれぞれは、第1の分子の第1の末端領域および第2の末端領域における配列に対して実質的に自己非相補的である核酸配列を含み、かつ、その第2の分子の第1の末端領域および第2の末端領域の各々は、第2の分子の第1の末端領域および第2の末端領域における配列に対して実質的に非自己相補的である核酸配列を含む。いくつかの実施形態において、上述の第1の鎖分子の第1の末端領域および第2の末端領域の各々は、複数のもののうちの第1の鎖の他の分子の第1の領域および第2の領域における配列に対して非相補的である核酸配列を含み、かつ、その第2の分子の第1の領域および第2の領域は、複数のもののうちの他の分子の第2の鎖の第1の領域および第2の領域における配列に対して非相補的である核酸配列を含む。これらのDNA分子はその第1の末端領域および第2の末端領域で、ホモポリマータグをさらに含み得、ここで、その末端領域は、その分子上のそのホモポリマー性タグの前にある。特定の実施形態において、その増幅した分子は、ゲノムライブラリーとしてさらに規定され得る。
本発明のさらなる実施形態において、物質の限定された供給源からゲノムの配列決定を行う方法が存在し、その方法は、以下の工程を包含する:物質の限定された供給源から少なくとも1つの二本鎖DNA分子または一本鎖DNA分子を得る工程;その二本鎖DNA分子を熱に供して、少なくとも1つの一本鎖DNA分子を生成する工程;その一本鎖DNA分子を複数のプライマーに供して、DNA分子/プライマー混合物を形成する工程であって、ここで、そのプライマーは、実質的に自己非相補的であり、かつ、その複数あるうちの他のプライマーに対して、実質的に非相補的である核酸配列を含み、ここで、その配列は、5’→3’方向で、定常領域および可変領域を含む、工程;その供する工程によって、その定常領域を各々末端に含む複数のDNA分子を生成する条件の下、そのDNA分子/プライマー混合物を、ポリメラーゼに供する工程;ならびにポリメラーゼ連鎖反応を介して、各末端の定常領域を含むその複数のDNA分子を増幅する工程であって、その反応は、その定常領域に相補的なプライマーを利用する、工程;その複数の増幅した分子から、増幅したDNA分子の第1のサンプルおよび第2のサンプルを提供する工程;その第1のサンプルからのその増幅したDNA分子の少なくともいくつかの配列決定を行い、少なくとも1つの特異的DNA配列を得る工程;ホモポリマー性のポリC/ポリG配列を、その第2のサンプルからの増幅したDNA分子の末端に取り込み、ホモポリマー性増幅分子を生成する工程;ホモポリマー性増幅分子のうち少なくともいくつかを、ポリCプライマーおよびその特異的DNA配列に相補的なプライマー用いて第2のサンプルから増幅する工程;およびさらなる特異的配列に関連して、その配列決定工程および増幅工程を反復して、それによって、そのゲノムの実質的に完全なコンティグを生じる工程。
いくつかの実施形態において、ホモポリマー性配列を取り込む工程は、以下の工程のうちの1つを包含する:dGTPの存在下で、末端デオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼによって、上述の増幅したDNAフラグメントの3’末端を伸長する工程;上述のホモポリマー性ポリC/ポリG配列を含むアダプターを、上記の増幅したDNAフラグメントの末端に連結させる工程;または、その5’末端にホモポリマー性ポリC配列およびその3’末端に定常領域を含むプライマーを用いてその増幅したDNAフラグメントを複製する工程を包含する。上記の配列決定工程は、ベクターに、上記第1のサンプルからの増幅されたDNAフラグメントをクローニングする工程;およびそのクローニングされたフラグメントのうちの少なくともいくつかを配列決定する工程として、さらに規定され得る。
上述の増幅分子の特異的配列は、第1のサンプルを配列決定する工程によって得られ、そして、ここで、1以上のさらなる特異的配列は、第2のサンプルから増幅した分子を配列決定する工程によって得られる。物質の限定された供給源は、例えば、培養工程に対して実質的に耐性である微生物、または絶滅種であり得る。特定の実施形態において、ゲノムを配列決定する工程は、最小の冗長性をもって達成される。
本発明の他の目的、特徴、および利点は、以下の詳細な説明から明確である。しかし、この詳細な説明および具体的な実施例は、本発明の好ましい実施形態を示しつつも、例示するのみのためのものであることが理解される。なぜならば、本発明の精神および範囲のうちにある種々の変更および改変が、上述の詳細な説明から、当業者にとっては明らかであるからである。
(発明の詳細な説明)
長期間にわたる特許法上の慣習と一致して、用語「a」および「an」は、用語「含む(comprising)」と合わせて本明細書(特許請求の範囲を含む)において使用される場合、「1つ以上」を示す。
本発明の実施は、他のように示さない限り、当業者の範囲内にある分子生物学、微生物学、組換えDNAなどの従来技術を使用する。そのような技術は、文献中に完全に説明されている。例えば、Sambrook,FritschおよびManiatis,MOLECULAR CLONING:A LABORATORY MANUAL,第2版(1989),OLIGONUCLEOTIDES SYNTHESIS(M.J.Gait編、1984)、ANIMAL CELL CULTURE(R.I.Freshney編、1987),シリーズMETHODS IN ENZYMOLOGY(Academic Press,Inc.);GENE TRANSFER VECTORS FOR MAMMALIAN CELLS(J.M.MillerおよびM.P.Calos編、1987),HANDBOOK OF EXPERIMENTAL IMMUNOLOGY(D.M.WeirおよびC.C.Blackwell編),CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY(F.M.Ausubel,R.Brent,R.E.Kingston,D.D.Moore,J.G.Siedman,J.A.SmithおよびK.Stuhl編、1987)、CURRENT PROTOCOLOS IN IMMUNOLOGY(J.E.Coligan,A.M.Kruisbeek,D.H.Margulies,E.M.ShevachおよびW.Strober編、1991);ANNUAL REVIEW OF IMMUNOLOGY;ならびに雑誌(例えば、ADVANCES IN IMMUNOLOGY)中の研究論文を参照のこと。本明細書中で言及される(上記および下記の両方)すべての特許、特許出願、および刊行物は、本明細書中で参考として援用される。
2003年3月7日出願の米国特許仮出願番号60/453,071は、その全体が参考として本明細書中で援用される。本明細書と同時に出願された米国特許非仮出願(番号は未知であるが、米国特許仮出願番号60/453,071に対する優先権を主張している)もまた、その全体が本明細書中に参考として援用される。米国特許出願20030143599もまた、その全体が本明細書中に参考として援用される。
(I.定義)
用語「塩基アナログ」とは、本明細書中で使用される場合、4種のDNA塩基(アデニン、シトシン、グアニン、およびチミン)のうちの1種と類似するが異なる組成を有し、その結果、異なる対形成特性を有する、化合物を指す。例えば、5−ブロモウラシルは、チミンのアナログであるが、時には、グアニンと対形成し、2−アミノプリンは、アデニンのアナログであるが、時には、シトシンと対形成する。
用語「骨格アナログ」とは、本明細書中で使用される場合、DNAのデオキシリボースリン酸骨格が改変されている化合物を指す。その改変は、その改変型DNAのヌクレアーゼ安定性または細胞膜透過性を変化させるように多数の方法でなされ得る。例えば、ペプチド核酸(PNA)は、デオキシリボースリン酸骨格の代わりにアミド骨格を有する、新規なDNA誘導体である。当該分野における他の例としては、メチルホスホネートが挙げられる。
用語「ブロックされた3’末端」とは、本明細書中で使用される場合、ヒドロキシル基を欠くDNAの3’末端として定義される。
用語「平滑末端」とは、本明細書中で使用される場合、5’末端と3’末端とを有する二本鎖DNA分子の末端であって、その5’末端および3’末端が同じ位置で終端している末端を指す。従って、その平滑末端は、5’突出も3’突出も含まない。
用語「相補性」とは、本明細書中で使用される場合、特異的水素結合を介してワトソン−クリック塩基対を形成する能力を指す。
用語「コンティグ(contig)」とは、本明細書中で使用される場合、重複する配列から構築されている、連続的な(contiguous)(連続する(continuous))DNA配列を指す。
用語「縮重」とは、本明細書中で使用される場合、ヌクレオチドまたは一連のヌクレオチドであって、規定された配列とは対照的に、その同一性が、種々のヌクレオチド選択肢から選択され得るヌクレオチドまたは一連のヌクレオチドを指す。具体的実施形態において、2つ以上の異なるヌクレオチドからの選択肢が存在し得る。さらなる具体的実施形態において、1つの特定の位置におけるあるヌクレオチドの選択は、プリンのみからの選択、ピリミジンのみからの選択、または対形成しないプリンおよびピリミジンからの選択を含む。
用語「自己不活性(self−inert)」とは、本明細書中で使用される場合、DNAポリメラーゼとdNTPとの存在下であるが他のDNAテンプレートの非存在下において、プライマーまたはプライマー混合物が自己プライミングしてDNA合成を開始することができないことを指す。この用語はまた、細胞内におけるmRNAの集合的まとまりを指し得る。
用語「DNA恒久化(immortalization)」とは、本明細書中で使用される場合、DNA分子の混合物が、発現量(representation)を損失することも、かつ/またはサイズを減少することもなく、反復的な無制限増幅を可能にする形態へと変換することを指す。具体的な実施形態において、DNA分子の混合物は、1コピーより多くの特定のDNA配列を含む。別の具体的実施形態において、DNA分子の混合物は、ゲノムを含む。
用語「ゲノム」とは、本明細書中で使用される場合、個体により、細胞により、または細胞小器官によって保有される、集合的遺伝子の組として定義される。
用語「ゲノムDNA」とは、本明細書中で使用される場合、個体により、細胞により、または細胞小器官によって保有される部分的または完全な集合的遺伝子の組を含む、DNA物質として定義される。
用語「トランスクリプトーム」とは、本明細書中で使用される場合、細胞中で発現される集合的RNAの組として定義される。
用語「ハイブリダイゼーション」とは、本明細書中で使用される場合、1つ、2つ、または多くの相補的一本鎖DNA分子間で二本鎖DNA領域を形成するプロセスを指す。しかし、いくつかの実施形態においては、三本鎖DNA領域が、ハイブリダイゼーションを介して生成される。
用語「最小重複性」とは、本明細書中で使用される場合、コンティグを生成する、最少数の配列決定されたDNAフラグメントを指す。当業者は、これが、全てのギャップを埋めるために高い重複性を必要とする「ショットガン」配列決定とは対照的であることを認識する。代表的には、「ショットガン」配列決定の重複性は、約10〜15(重複性=(配列決定されたDNAの総量)/(そのゲノムのサイズ))であり、一方、最小重複性を有する場合、その重複性は、1と約2との間であり得る。
用語「非正準(non−canonical)塩基対または非ワトソン−クリック塩基対」とは、本明細書中で使用される場合、標準的な(ワトソン−クリック)A−T対形成およびG−C対形成を含まない、塩基間で可能な全ての相互作用を指す。具体的な実施形態において、その非正準塩基対は、アデニン核酸塩基とグアニン核酸塩基、アデニン核酸塩基とシトシン核酸塩基、シトシン核酸塩基とチミジン核酸塩基、グアニン核酸塩基とチミジン核酸塩基、アデニン核酸塩基とアデニン核酸塩基、グアニン核酸塩基とグアニン核酸塩基、シトシン核酸塩基とシトシン核酸塩基、またはチミジン核酸塩基とチミジン核酸塩基を包含する。
用語「非相補的」とは、特異的水素結合を介して少なくとも1つのワトソン−クリック塩基対を分子間に形成する能力を欠く、核酸配列を指す。
用語「非自己相補的」とは、特異的水素結合を介して少なくとも1つのワトソン−クリック塩基対を分子内に形成する能力を欠く、核酸配列を指す。
用語「非鎖置換ポリメラーゼ」とは、本明細書中で使用される場合、例えば、下流プライマーの存在によって停止されるまで伸長するポリメラーゼとして定義される。具体的実施形態において、そのポリメラーゼは、5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を欠く。
用語「ランダムにフラグメント化する」とは、本明細書中で使用される場合、順序立っていない様式で(例えば、配列同一性とも、中断を含むヌクレオチドおよび/または中断を取り囲むヌクレオチドの位置とも無関係に)、DNA分子をフラグメント化することを指す。具体的な実施形態において、そのランダムなフラグメント化は、当該分野における周知の方法により、機械的、化学的、または酵素的である。
用語「RNA恒久化(immortalization)」とは、本明細書中で使用される場合、RNA分子の混合物(例えば、トランスクリプトーム)が、発現量(representation)を損失することも、かつ/またはサイズを減少することもなく、反復的な無制限増幅を可能にする形態へと変換することを指す。具体的な実施形態において、トランスクリプトームは、細胞由来、個体由来、または細胞小器官由来の、転写されたmRNA分子の集合として定義される。
用語「一本鎖核酸分子/プライマー混合物」とは、本明細書中で使用される場合、少なくとも1つの一本鎖核酸分子を含む混合物であって、本明細書中で記載されるような少なくとも1つのプライマーが、その一本鎖核酸分子中の一領域にハイブリダイズされる、混合物を指す。具体的実施形態において、複数の縮重プライマーが、その一本鎖核酸分子の少なくともいくらかの部分に対して相補的な配列を含む。さらなる具体的な実施形態において、その混合物は、複数の一本鎖核酸分子を含み、それらの分子は、それらにハイブリダイズしている複数の縮重プライマーを有する。さらなる具体的な実施形態において、その一本鎖核酸分子は、DNAまたはRNAである。
用語「鎖置換ポリメラーゼ」とは、本明細書中で使用される場合、伸長する場合に下流フラグメントを置換するポリメラーゼとして定義される。具体的な実施形態において、そのポリメラーゼは、5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を含む。
用語「実質的に不可能である」とは、本明細書中で使用される場合、当該分野で公知である標準的条件に供した場合に大多数のポリヌクレオチドが活性を有すことができないことを指す。具体的な実施形態において、その活性は、自己ハイブリダイゼーション、自己プライミング、複数における別のポリヌクレオチドへのハイブリダイゼーション、その複数における重合の開始、またはそれらの組み合わせを包含する。具体的な実施形態において、この用語は、プライマー分子のうちの少なくとも約70%が、2つの非相補的かつ非自己相補的なヌクレオチドから構成されており、より好ましくは、プライマー分子の少なくとも75%、より好ましくは少なくとも約80%、より好ましくは少なくとも約85%、より好ましくは少なくとも約90%、より好ましくは少なくとも約95%、より好ましくは少なくとも約97%、より好ましくは少なくとも約99%、最も好ましくは100%が、2つの非相補的かつ非自己相補的なヌクレオチドから構成されていることを指す。
用語「実質的に非自己相補的かつ実質的に非相補的」とは、本明細書中で使用される場合、特異的水素結合を介してワトソン−クリック塩基対を分子間および分子内に形成する能力を欠く、複数のプライマーを指す。具体的な実施形態において、プライマー分子の少なくとも約70%がその複数において、2つの非相補的かつ非自己相補的なヌクレオチドから構成されており、より好ましくは、プライマー分子の少なくとも約75%、より好ましくは少なくとも約80%、より好ましくは少なくとも約85%、より好ましくは少なくとも約90%、より好ましくは少なくとも約95%、より好ましくは少なくとも約97%、より好ましくは少なくとも約99%、最も好ましくは100%が、その複数において、2つの非相補的かつ非自己相補的なヌクレオチドから構成されている。
用語「好熱性DNAポリメラーゼ」とは、本明細書中で使用される場合、熱安定性DNAポリメラーゼを指す。
当業者は、特定のヌクレオチド部位についてのヌクレオチドの選択を示すために、当該分野において慣用的な一文字コードが存在することを認識する。例えば、Rは、AまたはGを指し;Yは、CまたはTを指し;Mは、AまたはCを指し;Kは、GまたはTを指し;Sは、CまたはGを指し;Wは、AまたはTを指し;Hは、AまたはCまたはTを指し;Bは、CまたはGまたはTを指し;Vは、AまたはCまたはGを指し;Dは、AまたはGまたはTを指し;そしてNは、AまたはCまたはGまたはTを指す。従って、YNプライマーは、少なくとも1つ(好ましくはそれ以上)の一連のジヌクレオチドの組を含み、その各々は、1番目の位置にCまたはTを含み、二番目の位置にA、C、GまたはTを含む。これらのジヌクレオチドの組は、プライマー(および/またはアダプター)中で反復され得る。
(II.自己不活性縮重プライマーを使用して既知のユニバーサル配列を組み込むことによる、全ゲノムおよび全トランスクリプトームを増幅するためのDNAライブラリーの調製)
本発明の実施形態において、ゲノム全体またはトランスクリプトーム全体の増幅が存在し、この増幅は、既知のユニバーサル配列を組み込むこと、その後に、その既知のユニバーサル配列の少なくとも一部に対して相補的な既知のユニバーサルプライマーを使用してPCR増幅工程を行うことを包含する。具体的な実施形態において、その既知のユニバーサル配列を組み込むためのプライマーは、縮重領域を含み、さらなる具体的な実施形態においては、その既知のユニバーサル配列およびその縮重領域は、非自己相補的核酸配列を含む。従って、非自己相補的配列を欠くプライマーと比較して、自己ハイブリダイゼーションおよび分子間プライマーハイブリダイゼーションが有意に減少する。
プライマーダイマーの形成は、ランダムプライマーを使用するDNA増幅またはRNA増幅のための既存の方法において共通する問題である。個々の配列各々についての効率的なプライミングを達成するために、ランダムプライマーは、非常に高濃度で適用されなければならない。特定の標的DNAテンプレートもしくは標的RNAテンプレートまたはテンプレート分子の集団全体に対するアニーリングの効率は、効率的なプライミングのために必要な高プライマー濃度から生じるプライマーダイマーの形成によって、大いに減少される。
DNAを増幅するためにランダムプライマーを使用する場合の当該分野で公知の他の問題としては、座の脱落(喪失)に起因してそのゲノム全体を増幅できないこと、短い増幅生成物の生成、およびいくつかの場合には、分解したDNAまたは人工的にフラグメント化したDNAを増幅することができないことが、挙げられる。
本発明は、新規な型のオリゴヌクレオチドプライマーを利用し、そのプライマーは、その配列のうちの少なくとも大部分として、互いとの安定なワトソン−クリック対形成には関与せず、従って自己プライミングしない、2種類だけのヌクレオチド塩基を含む。そのプライマーは、その5’末端に定常既知配列を含み、その定常既知配列に対して3’側に位置する可変縮重ヌクレオチド配列を含む。ワトソン−クリック塩基対形成に関与しないことが公知である、4つの可能な2塩基組み合わせが存在し、C−T、G−A、A−C、およびG−Tである。これらは、1つのワトソン−クリック塩基対を形成しないはずであり、DNAポリメラーゼとdNTPとの存在下でプライマー−ダイマーの生成をもたらし得る、4つの異なる型の縮重プライマーを示唆する。これらのプライマーが、図2Aに示されており、縮重ヌクレオチドについての一般的命名法(Y=CまたはT、R=GまたはA、M=AまたはC、およびK=GまたはT)に従って、それぞれ、プライマーY、プライマーR、プライマーMおよびプライマーKと呼ばれる。
例えば、Yプライマーは、C塩基とT塩基とから構成される5’既知配列Yを有し、3’末端に、例えば10個のランダムに選択されたピリミジン塩基CおよびTを含む縮重領域(Y)10を有する。Rプライマーは、G塩基とA塩基とから構成される5’既知配列Rを有し、3’末端に、例えば10個のランダムに選択されたプリン塩基GおよびAを含む縮重領域(R)10を有する。Mプライマーは、A塩基とC塩基とから構成される5’既知配列Mを有し、3’末端に、例えば10個のランダムに選択された塩基AおよびCを含む縮重領域(M)10を有する。最後に、Kプライマーは、G塩基とT塩基とから構成される5’既知配列Kを有し、3’末端に、例えば10個のランダムに選択された塩基GおよびTを含む縮重領域(K)10を有する。記載された設計のプライマーは、自己プライミングせず、従って、プライマーダイマーを形成しない。この理由のために、用語「自己不活性プライマー」が、本明細書中で使用される。しかし、これらは、完全にランダムなプライマーと比較して減少した全体的頻度ではあるが、対応するワトソン−クリック塩基パートナーを含む標的部位でプライミングする。具体的実施形態において、これらのプライマーは、特定の条件下でプライマーダイマーを形成可能ではあるが、そのような構造を欠くプライマーと比較して大いに減少したレベルで形成する。
いくつかの実施形態において、これらのプライマーは、その3’末端に、完全にランダムな(すなわち、4種の塩基のいずれかを含む)短いヌクレオチド配列を補充される。そのようなプライマーは、図2に示されており、YN、RN、MN、およびKNと標識されている。限定数の完全にランダムな塩基が、このYプライマー、Rプライマー、Mプライマー、またはKプライマーの3’末端に存在する場合、それは、そのプライミング頻度を増加し、限定された自己プライミング能力をなお維持する。この縮重Yプライマー、縮重Rプライマー、縮重Mプライマー、または縮重Kプライマーの3’末端に異なる数の完全にランダムな塩基を使用することにより、そしてその反応条件を注意深く最適化することによって、最小限のプライマーダイマー形成しか伴わない望ましいDNA生成物を選ぶように、この重合反応の結果を正確に制御し得る。
従って、ライブラリー合成の第一工程において、記載された設計の合成プライマーは、少なくとも限定された鎖置換活性を保有するDNAポリメラーゼを用いる伸長/重合反応にランダムに組み込まれる。生じた分枝プロセスによって、その末端に既知の(ユニバーサルな)自己相補的配列を有するDNA分子が生成される。「増幅」工程と呼ばれる第二工程において、これらの分子は、Taqポリメラーゼ(または他の耐熱性DNAポリメラーゼ)と、上記のランダムプライマーの既知の5’テールの少なくとも一部に対応する1つのプライマーとを使用するポリメラーゼ連鎖反応によって、指数関数的に増幅される。図1は、本発明の模式的概要を示す。本発明は、以前に記載されたランダムプライマーによるDNA増幅およびRNA増幅について当該分野で公知である主要な問題を克服する。
(1.核酸供給源)
任意の供給源もしくは複雑度の一本鎖核酸もしくは二本鎖核酸、またはそれらのフラグメントが、供給材料として使用され得、本発明において記載される方法によって増幅され得る。すなわち、いくつかの実施形態において、一本鎖DNAが、本明細書中に記載される方法に従って得られて処理され、他の実施形態においては、二本鎖DNAが得られ、ssDNAを生じるように操作され、このssDNAは、本明細書中に記載される方法に供される。具体的実施形態において、dsDNAが、熱、化学処理(例えば、アルカリ性pH)、機械的操作、放射線、またはこれらの組み合わせで変性される。別の具体的実施形態において、実質的に一本鎖のRNAが、本明細書中に記載される方法に従って得られて処理される。具体的実施形態において、全核酸は、二本鎖DNA分子と一本鎖RNA分子との混合物として得られ、その後、DNA画分のみもしくはRNA画分のみまたはそれら両方を別個に、またはそれら両方を混合して、選択的に増幅するように処理される。
(2.縮重プライマーの設計)
図2は、本発明のこの局面において利用される縮重プライマーの設計を示す。原理上、本発明は、オリゴヌクレオチドプライマーの適用を使用する。このプライマーは、その5’末端に定常既知配列(これは、ユニバーサル配列と呼ばれ得る)を含み、その3’末端に可変縮重ヌクレオチド配列を含み、このプライマーは、各々、ワトソン−クリック塩基対形成に関与しないことが公知である少なくとも4つの可能な塩基組み合わせのうちのいずれかから構成される。その可能なプライマー組成としては、ピリミジンのみ(CおよびT)、プリンのみ(AおよびG)、または対形成しないプリンとピリミジン(AとC、またはGとT)が挙げられる。この最後の組み合わせ(GとT)は、非正準ワトソン−クリック塩基対形成を許容することが当該分野で公知である。好ましい実施形態において、このGとTとの対が、本発明において利用される。具体的な実施形態において、上記プライマーは、その5’末端に、C塩基とT塩基、G塩基とA塩基、A塩基とC塩基、またはG塩基とT塩基とから構成される約18塩基配列の定常部分を含み、その後に、約10塩基のランダムなY塩基、R塩基、M塩基、またはK塩基をそれぞれ含み、そしてその3’末端に、0塩基と約6塩基との間の個数の完全にランダムな塩基Nを含む(図2、表III、プライマー1〜7)。実施例1および2は、YプライマーおよびYNプライマーが、限定量のプライマーダイマーだけしか形成しないことを示し、これは、その3’末端にある完全にランダムな塩基Nの数に比例する。対照的に、類似する設計であるがワトソン−クリック塩基対形成に関与し得る塩基から構成されるプライマーは、過剰量のプライマーダイマーを生じ、これにより、DNA増幅またはRNA増幅の効率が大いに減少される(実施例2参照)。
プライマーの選択は、塩基組成、複雑度、ならびに標的DNAまたは標的RNA中の反復エレメントの存在および量に依存する。個々の増幅反応産物を、異なる非ワトソン−クリック対を含むがその末端に同じ既知配列を有する縮重プライマーと組み合わせることによって、可能な最高レベルの発現的(representative)かつ均一なDNA増幅を達成し得る。当業者は、望ましい結果を達成するための最適なプライマーと反応条件とを選択する方法を認識している。
実施例2は、ピリミジンのみの種々のプライマーを、DNAポリメラーゼIのクレノウフラグメントを用いるヒト全ゲノム増幅反応においてプライマーダイマーを形成する能力、増幅効率、および均一性(ランダムに選択されたゲノムマーカーの発現量(representation))において比較したことを記載する。試験したピリミジンのみのプライマーすべてのうち、2つのランダム3’塩基(Y(N))を含むプライマーが、最も均一な全ゲノム増幅をもたらし、同時に、検出不能な量のプライマーダイマーしか生じなかった。従って、好ましい実施形態において、約1塩基と約3塩基との間の個数の完全にランダムな塩基を3’末端に含む縮重プライマーが、利用される。
(3.DNAポリメラーゼの選択)
好ましい実施形態において、鎖置換活性を保有するDNAポリメラーゼが、利用される。好ましい鎖置換DNAポリメラーゼは、E.coli DNAポリメラーゼIのクレノウフラグメント、T7ファミリーのエキソDNAポリメラーゼ(すなわち、宿主チオレドキシンサブユニットを補因子として必要とするポリメラーゼ(例えば、T7、T3、fI、fII、W31、H、Y、gh−1、SP6、またはAll22(Studier(1979)))、エキソBstラージフラグメント、Bca DNAポリメラーゼ、9oNmポリメラーゼ、MMLV逆転写酵素、AMV逆転写酵素、HIV逆転写酵素、ファージf29ポリメラーゼ、ファージM2ポリメラーゼ、ファージfPRD1ポリメラーゼ、エキソVENTポリメラーゼ、およびファージT5エキソDNAポリメラーゼである。
DNAポリメラーゼIのクレノウエキソフラグメント、3’→5’エキソヌクレアーゼ活性が減少または除去されているファージT7 DNAポリメラーゼ、およびMMLV逆転写酵素は、本発明において最も好ましい。従って、好ましい実施形態において、DNAポリメラーゼIのクレノウエキソフラグメント、またはSequenaseバージョン2が、全ゲノム増幅のためのポリメラーゼとして使用される(実施例2)。MMLV逆転写酵素が、全トランスクリプトーム増幅のためのポリメラーゼとして使用される(実施例14)。
(4.反応条件)
一般に、プライミング効率を増加する要因(例えば、温度低下または塩濃度増加および/もしくはMg2+イオン濃度増加)は、DNAポリメラーゼの鎖置換活性および速度を阻害し、温度上昇および低Mg2+イオン濃度または低塩濃度は、重合/鎖置換の効率を増加するが、プライミング効率を減少する。一方、効率的なプライミングを促進する要因はまた、プライマーダイマー形成の機会も増加する。鎖置換活性は、いくつかのタンパク質因子によって促進され得る。そのような鎖置換増強因子または連続移動性(processivity)増強因子の存在下または非存在下で鎖置換複製を実施し得るどのポリメラーゼも、そのポリメラーゼがそのような因子の非存在下で鎖置換複製を実施しない場合でさえ、開示される発明における使用のために適切である。鎖置換複製において有用な因子は、(i)細菌起源、ウイルス起源、または真核生物起源の多数の一本鎖DNA結合タンパク質(SSBタンパク質)(例えば、E.coliのSSBタンパク質、ファージT4遺伝子32産物、ファージT7遺伝子2.5タンパク質、ファージPf3 SSB、複製タンパク質A RPA32サブユニットおよびRPA14サブユニット(Wold,1997))のいずれか;(ii)他のDNA結合タンパク質(例えば、アデノウイルスDNA結合タンパク質、単純ヘルペスタンパク質ICP8、BMRF1ポリメラーゼ補助サブユニット、ヘルペスウイルスUL29 SSB様タンパク質;(iii)DNA複製に関与することが公知である多数の複製複合体タンパク質(例えば、ファージT7ヘリカーゼ/プライマーゼ、ファージT4遺伝子41へリカーゼ、E.coli Repヘリカーゼ、E.coli recBCDヘリカーゼ、E.coliトポイソメラーゼおよび真核生物トポイソメラーゼ(Champoux,2001))のいずれかである。
上記重合反応の正確なパラメーターは、ポリメラーゼおよび縮重プライマーの選択に依存する。当業者は、そのようなパラメーターを改変する方法を、本明細書中に提供される教示に基づいて認識する。上記縮重プライマーの3’末端にあるランダムな塩基の数を変化させることにより、そしてその反応条件を注意深く最適化することにより、プライマーダイマーの形成は、最小限に維持され得、同時に、その増幅効率および発現量(representation)は、最大にされ得る。
DNAのランダムなフラグメント化および必要な場合にはRNAのランダムなフラグメント化は、記載されるような機械的処理、化学的処理、または酵素処理によって、実施され得る。好ましい実施形態において、DNAは、低塩緩衝液(例えば、TE(10mM Tris−HCl、1mM EDTA、pH7.5〜8.5)またはTE−L(10mM Tris−HCl、0.1mM EDTA、pH7.5〜8.5))中で約95℃にて、約1分間〜約10分間加熱することによって、フラグメント化される(例えば、その全体が参考として援用される、2002年11月13日出願の米国特許出願番号10/293,048参照)。
本発明の例示的なライブラリー合成反応は、約10μl〜約25μlの範囲の容量を有する混合物中で実施される。その反応混合物は、好ましくは、熱的または機械的にフラグメント化された約0.5ng〜約100ngのDNA(あるいは好ましい実施形態においては、約0.5ng未満のDNA)、約0.5μM〜約30μMの自己不活性縮重プライマー、約0nM〜約200nMの既知配列プライマー(すなわち、個々の縮重プライマーの既知の5’末端に対応するプライマー)、約2単位〜約10単位のKlenow Exo(New England Biolabs)またはSequenase version2(USB Corporation)、0ng〜約360ngのSSBタンパク質、約5mM〜約10mM MgCl、および0mM〜約100mM NaClを含む。この反応緩衝液は、好ましくは、約6.5と約9との生理的pHで作動する緩衝能を有する。好ましくは、その反応のインキュベーション時間は、約10分間と約180分間との間であり、そのインキュベーション温度は、約12℃と約37℃との間である。インキュベーションは、約12℃と約37℃との間を、1サイクル当たり合計3〜5分間サイクリングすることによって、または好ましくは、約12℃と約30℃との間での単一等温工程もしくは約12℃と約37℃との間の連続等温工程によって、実施される。その反応は、Mg2+をキレート化するために充分な量のEDTAを添加することによって、または好ましくは、上記ポリメラーゼの熱不活化によって、あるいはその両方によって、終結される。
本発明の好ましい実施形態において、上記ライブラリー合成反応は、容量約15μlにて実施される。その反応混合物は、熱的または機械的にフラグメント化された約5ng以下のDNA、例えば、既知領域と縮重領域とにG塩基およびT塩基を含み2つの完全にランダムな3’塩基を含む約2μMの自己不活性縮重プライマーK(N)(表III、プライマー番号14)、約2単位と約4単位と間のSequence version 2 DNAポリメラーゼ(USB Corporation)、約5mMと約10mMとの間のMgCl、約100mM NaCl、pH約7.5を有する約10mM Tris−HCl緩衝液、および約7.5mMジチオスレイトールを含む。好ましくは、その反応のインキュベーション時間は、約60分間と約120分間との間であり、そのインキュベーション温度は、等温モードにて約24℃、または別の好ましい実施形態において、約16℃と約37℃との間での連続的等温工程による。
本発明の別の好ましい実施形態において、そのライブラリー合成反応は、容量約20μlにて実施される。その反応混合物は、熱的にフラグメント化されているかまたはフラグメント化されていない約25ng以下のRNA、例えば、既知領域と縮重領域とにG塩基およびT塩基を含み2つの完全にランダムな3’塩基を含む約1μMの自己不活性縮重プライマーK(N)(表III、プライマー番号14)、5’に既知のG塩基およびT塩基を含み、3’末端にポリT塩基を含む約200nMのプライマーK(T)20(表III,プライマー番号19)、約50単位〜約200単位のMMLV逆転写酵素(Epicentre Corporation)、約3mM〜約10mM MgCl、約75mM KCl、pH約8.3の約50mM Tris−HCl緩衝液、および約10mMジチオスレイトールを含む。好ましくは、その反応のインキュベーション時間は、約30分間〜約120分間であり、そのインキュベーション温度は、等温モードで約42℃であり、または別の好ましい実施形態においては、約24℃と約42℃との間での連続的等温工程による。
既知配列プライマーを用いる代表的な増幅工程は、約1ng〜約10ngのライブラリー合成産物および約0.3μM〜約2μMの既知配列プライマーを、当該分野で周知の標準的PCR反応において、熱安定性DNAポリメラーゼ(例えば、Taq DNAポリメラーゼ、Pfuポリメラーゼ、またはそれらの誘導体および混合物)にとって最適な条件下で含む。増幅するのが困難であることが公知である配列(例えば、他の方法ではPCR最適化の努力(例えば、変性工程および重合工程の温度および時間)から利益を受けないことが公知であるG/C含量が高い配列)について、反応添加物(例えば、DMSOおよび/または7−デアザdGTP)はまた、本発明の方法によって構築されるライブラリーにおける発現量(representation)を改善し得る。
(III.核酸)
用語「核酸」または「ポリヌクレオチド」は、少なくとも1つの核酸塩基(例えば、DNA中に見出される天然に存在するプリン塩基もしくはピリミジン塩基(例えば、アデニン「A」、グアニン「G」、チミン「T」およびシトシン「C」)またはRNA中に見出される天然に存在するプリン塩基もしくはピリミジン塩基(例えば、A、G、ウラシル「U」、およびC))を含む、少なくとも1分子または一本のDNA、RNA、DNA−RNAキメラ、またはそれらの誘導体もしくはアナログを一般的には指す。用語「核酸」は、用語「オリゴヌクレオチド」および「ポリヌクレオチド」を包含する。用語「オリゴヌクレオチド」とは、長さが約3核酸塩基と約100核酸塩基との間である、少なくとも1つの分子を指す。用語「ポリヌクレオチド」とは、長さが約100核酸塩基よりも長い少なくとも1つの分子を指す。これらの定義は、一般的には、少なくとも1つの一本鎖分子を指すが、具体的実施形態においては、少なくとも1つの一本鎖分子に対して部分的、実質的、または完全に相補的である、少なくとも1つのさらなる鎖もまた包含する。従って、核酸は、少なくとも1つの二本鎖分子または少なくとも1つの三本鎖分子であって、その分子の鎖を含む特定の配列の1つ以上の相補鎖もしくは「相補体」を含む、分子を包含し得る。本明細書中で使用される場合、一本鎖核酸は、接頭語「ss」により示され得、二本鎖核酸は、接頭語「ds」により示され得、三本鎖核酸は、接頭語「ts」により示され得る。
「相補的」である核酸、または「相補体」とは、標準的なワトソン−クリック結合相補性法則、フーグスティーン結合相補性法則、または逆フーグスティーン結合相補性法則に従って、塩基対形成することが可能である核酸である。しかし、具体的な実施形態において、本発明のプライマーは、標準的なワトソン−クリック塩基対を、特に同じプライマー内の他のヌクレオチドと形成することが不可能な大多数のヌクレオチドを含む。
本明細書中で使用される場合、用語「相補性」または「相補体」とは、上記に示された同じヌクレオチド比較によって評価され得る場合に、実質的に相補的である核酸を指し得る。用語「実質的に相補的」とは、連続的な核酸塩基または1つ以上の核酸塩基部分がその分子中に存在しない場合には半連続的な核酸塩基の、少なくとも1つの配列を含む核酸を指し得、たとえすべてには満たない核酸塩基が対応する核酸塩基と塩基対形成しない場合でさえ、少なくとも1つの核酸鎖または二重鎖に対してハイブリダイズ可能である。特定の実施形態において、「実質的に相補的な」核酸は、その核酸塩基配列のうちの約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、から約100%まで、およびこれらの内の任意の範囲が、ハイブリダイゼーションの間に少なくとも1つの一本鎖核酸分子または二本鎖核酸分子と塩基対形成することが可能である、少なくとも1つの配列を含む。特定の実施形態において、用語「実質的に相補的」とは、ストリンジェントな条件下で少なくとも1つの核酸鎖または二重鎖にハイブリダイズし得る少なくとも1つの核酸を指す。特定の実施形態において、「部分的に相補的」な核酸は、低ストリンジェンシー条件下で少なくとも1つの一本鎖核酸もしくは二本鎖核酸にハイブリダイズし得る少なくとも1つの配列を含むか、またはその核酸塩基配列のうちの約70%未満が、ハイブリダイゼーションの間に少なくとも1つの一本鎖核酸分子または二本鎖核酸分子と塩基対形成することが可能である少なくとも1つの配列を含む。
本明細書中で使用される場合、「ハイブリダイゼーション」、「ハイブリダイズする」または「ハイブリダイズ可能である」とは、二本鎖分子または三本鎖分子、あるいは部分的に二本鎖または三本鎖の性質を有する分子を形成することを意味することが理解される。用語「ハイブリダイゼーション」、「ハイブリダイズする」または「ハイブリダイズ可能である」とは、用語「ストリンジェントな条件」または「高ストリンジェンシー」、および用語「低ストリンジェンシー」または「低ストリンジェント条件」を包含する。
本明細書中で使用される場合、「ストリンジェントな条件」または「高ストリンジェンシー」とは、相補的配列を含む1つ以上の核酸鎖の間またはその核酸鎖の内でのハイブリダイゼーションを可能にするが、ランダムな配列のハイブリダイゼーションを排除するものである。ストリンジェントな条件は、核酸と標的鎖との間のミスマッチを、(もし許容するにしても)ほとんど許容しない。そのような条件は、当業者にとって周知であり、高い選択性を必要とする適用のために好ましい。非限定的適用としては、少なくとも1つの核酸(例えば、遺伝子またはその核酸セグメント)の単離、または少なくとも1つの特定のmRNA転写物またはその核酸セグメントの検出などが、挙げられる。
ストリンジェントな条件は、低塩条件および/または高温度条件(例えば、約50℃〜約70℃の温度における約0.02M〜約0.15M NaClにより提供される)を含み得る。望ましいストリンジェンシーの温度およびイオン強度は、特定の核酸の長さ、標的配列の長さおよび核酸塩基含量、その核酸の電荷組成、ハイブリダイゼーション混合物中のホルムアミド、塩化テトラメチルアンモニウムまたは他の溶媒の存在によって、部分的に決定されることが理解される。条件は、よりストリンジェントにされ得る(例えば、漸増量のホルムアミドの添加)ことが一般的に認識される。
これらの範囲、ハイブリダイゼーションの組成および条件は、非限定的な例として言及されたに過ぎないこと、そして特定のハイブリダイゼーション反応にとって望ましいストリンジェンシーは、しばしば、1つ以上のポジティブコントロールもしくはネガティブコントロールに対する比較によって経験的に決定されることもまた理解される。想定される適用に依存して、標的配列に対する核酸の種々の程度の選択性を達成するために、種々のハイブリダイゼーション条件を使用することが好ましい。非限定的例において、ストリンジェントな条件下で核酸にハイブリダイズしない関連標的核酸の同定または単離は、低温度および/または高イオン強度でのハイブリダイゼーションによって達成され得る。そのような条件は、「低ストリンジェンシー」または「低ストリンジェンシー条件」と呼ばれ、低ストリンジェンシーの非限定的例としては、約20℃〜約50℃の範囲で、約0.15M〜約0.9M NaClにて実施されるハイブリダイゼーションが挙げられる。当然、特定の適用に適合するようにその低ストリンジェンシー条件または高ストリンジェンシー条件をさらに改変することは、当業者の範囲内にある。
本明細書中で使用される場合、「核酸塩基」とは、少なくとも1つの天然に存在する核酸(すなわち、DNAおよびRNA)において見出される天然に存在する複素環式塩基(例えば、A、T、G、C、またはU(「天然に存在する核酸塩基」)、ならびにそれらの天然または非天然のキメラ、誘導体、およびアナログを指す。核酸塩基の非限定的例としては、プリンおよびピリミジン、ならびにそれらの誘導体およびアナログが挙げられ、それらは、天然に存在する核酸塩基対形成を置換し得る様式で、少なくとも1つの天然に存在する核酸塩基と1つ以上の水素結合(例えば、AとT、GとC、およびAとUとの間での水素結合形成)を一般的に形成(「アニール」または「ハイブリダイズ」)し得る。
本明細書中で使用される場合、「ヌクレオチド」とは、1つ以上のヌクレオチドを別の分子にかまたは互いに対して共有結合させて1つ以上の核酸を形成するために一般的に使用される「骨格部分」をさらに含む、ヌクレオシドを指す。天然に存在するヌクレオチド中の「骨格部分」は、代表的には、リン部分を含み、このリン部分は、五炭糖に共有結合されている。その骨格部分の結合は、代表的には、その五炭糖の3’位置または5’位置のいずれかで生じる。しかし、他の結合型が、特に、天然に存在する五炭糖またはリン部分の誘導体もしくは模倣物をそのヌクレオチドが含む場合には、当該分野で公知であり、非限定的例が、本明細書中に記載される。
(IV.核酸の増幅)
増幅のためのテンプレートとして有用である核酸は、本明細書中に記載される方法により作製される。特定の実施形態において、この方法が作製する、増幅のための核酸の由来となるDNA分子は、細胞、組織または他のサンプルから標準的な方法に従って単離され得る(Sambrookら、1989)。
用語「プライマー」は、本明細書中で使用される場合、テンプレート依存性プロセスにおいて新生核酸の合成を開始し得る任意の核酸を含むことを意味する。代表的に、プライマーは、10〜20および/または30塩基対長のオリゴヌクレオチドであるが、より長い配列も用いられ得る。プライマーは、二本鎖および/または一本鎖の形態で提供され得るが、一本鎖形態が好ましい。
核酸に選択的にハイブリダイズするように設計されたプライマーの対は、選択的ハイブリダイゼーションを可能とする条件下で、テンプレート核酸と接触する。所望の用途に依存して、プライマーに完全に相補的である配列にのみハイブリダイゼーションを可能にする高ストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件が選択され得る。他の実施形態において、ハイブリダイゼーションは、プライマー配列との一つ以上のミスマッチを含む核酸の増幅を可能にする低いストリンジェンシー下で生じ得る。一旦ハイブリダイズすると、テンプレート−プライマー複合体は、テンプレート依存性核酸合成を促進する一種以上の酵素と接触する。複数ラウンドの増幅は、「サイクル」とも言われ、十分な量の増幅産物が産生されるまで行なわれる。
増幅産物は、検出され得るか、または定量され得る。特定の適用において、検出は、視覚的手段により行なわれ得る。あるいは、検出は、化学発光、組み込まれた放射標識もしくは蛍光標識の放射活性のシンチグラフィー、またはさらに電子的インパルスシグナルおよび/もしくは熱的インパルスシグナルを用いる系(Affymax技術)による産物の間接的同定を包含し得る。
所定のテンプレートサンプル中に存在するオリゴヌクレオチド配列を増幅するために、多数のテンプレート依存性プロセスが利用可能である。最もよく知られている増幅方法の一つは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCRTMと称される)であって、これは、米国特許第4,683,195号、同第4,683,202号および同第4,800,159号、ならびにInnisら、1990(これらのそれぞれは、本明細書中にその全体が参考として援用される)に詳細に記載される。手短に述べると、二つの合成オリゴヌクレオチドプライマー(これらは、増幅されるテンプレートDNAの二つの領域(各鎖に対して一箇所)に相補的である)が、過剰なデオキシヌクレオチド(dNTP)、熱安定性のポリメラーゼ(例えば、Taq(Thermus aquaticus)DNAポリメラーゼ)の存在下でテンプレートDNA(純粋である必要はない)に添加される。一連の温度サイクル(代表的には、30〜35ラウンド)の中で、標的DNAが繰り返し縮重され(約95℃)、プライマーにアニーリングされ(代表的には、50〜60℃)、そして、娘鎖がプライマーから伸長する(72℃)。娘鎖が作製されると、それらは、後のサイクルでテンプレートの役割を果たす。従って、二つのプライマーの間のテンプレート領域が、線形的というよりは、むしろ指数関数的に増加する。
逆転写酵素PCRTM増幅手順は、増幅したmRNAの量を定量するために行なわれ得る。RNAからcDNAへの逆転写の方法は周知であり、Sambrookら、1989に記載される。逆転写の代替的な方法は、熱安定性のDNAポリメラーゼを使用する。これらの方法は、WO 90/07641に記載される。ポリメラーゼ鎖反応方法は、当該分野で周知である。RT−PCRTMの代表的な方法は、米国特許第5,882,864号に記載される。
(A.LCR)
増幅のための別の方法は、欧州特許出願第320,308号(これは、本明細書中に参考として援用される)に開示されるリガーゼ連鎖反応(「LCR」)である。LCRでは、二つの相補的なプローブ対が調製され、そして、標的配列の存在下で、各対は、これらの対が隣接する標的の反対側の相補鎖に結合する。リガーゼの存在下で、二つのプローブ対は、連結して単一の単位を形成する。PCRTMにおけるのと同様の温度サイクルによって、結合してライゲーションした単位は、標的から解離し、次いで、過剰なプローブ対のライゲーションのための「標的配列」としての役目を果たす。米国特許第4,883,750号(これは、本明細書中に参考として援用される)は、プローブ対を標的配列に結合するためのLCRに類似する方法を記載する。
(B.Qβレプリカーゼ)
Qβレプリカーゼ(PCT特許出願番号PCT/US87/00880に記載される)はまた、本発明におけるなお別の増幅方法として使用され得る。この方法では、標的の領域に対して相補的である領域を有するRNAの複製配列が、RNAポリメラーゼの存在下でサンプルに添加される。そのポリメラーゼは、複製配列を複製し、次いで、それらは、検出され得、そして定量され得る。
(C.等温増幅)
制限部位の一本鎖にヌクレオチド三リン酸を含む標的分子の増幅を達成するために、制限エンドヌクレアーゼおよびリガーゼが使用される等温増幅方法は、本発明における核酸の増幅に有用であり得る。このような増幅方法は、Walkerら、1992によって記載され、これは、本明細書中に参考として援用される。
(D.鎖置換増幅)
鎖置換増幅(SDA)は、鎖置換および合成の複数のラウンド(すなわち、ニック翻訳)を含む核酸の定温増幅を行なう別の方法である。修復連鎖反応(RCR)と称される類似する方法は、増幅のための標的化領域にわたるいくつかのプローブをアニーリングし、その後、4つの塩基の内2つのみが存在する修復反応を行なう工程を包含する。他の二つの塩基は、容易に検出するためのビオチン化誘導体として添加され得る。類似のアプローチが、SDAに用いられる。
(E.環状プローブ反応)
標的特異的配列はまた、環状プローブ反応(CPR)を用いて検出され得る。CPRでは、非特異的DNAの3’配列および5’配列ならびに特異的RNAの中央の配列を有するプローブを、サンプル中に存在するDNAにハイブリダイズさせる。ハイブリダイゼーションの際に、その反応をRNase Hで処理し、そのプローブの産物を、消化の後に放出される特有の産物として同定する。もとのテンプレートを別の環状プローブにアニーリングさせ、その反応を繰り返す。
(F.転写に基づいた増幅)
他の核酸増幅手順としては、核酸配列に基づいた増幅(NASBA)および3SR(Kwohら、1989;PCT特許出願WO88/10315(それぞれ、本明細書中で参考として援用される))を含む転写ベースの増幅システム(TAS)が挙げられる。
NASBAにおいて、増幅のための核酸は、標準的なフェノール/クロロホルム抽出、臨床サンプルの熱変性、溶解緩衝液による処理ならびにDNAおよびRNAの単離のためのミニスピンカラム、またはRNAの塩化グアニジニウム抽出によって調製され得る。これらの増幅技術は、標的特異的配列を有するプライマーをアニーリングさせる工程を包含する。重合の後、DNA/RNAハイブリッドを、RNase Hで消化する一方で、二本鎖DNA分子を再度熱変性する。いずれにしても、二番目の標的特異的プライマーを添加し、重合させることにより、一本鎖DNAを完全に二本鎖にする。次いで、二本鎖DNA分子をRNAポリメラーゼ(例えば、T7またはSP6)により、転写増幅する。定温環状反応では、RNAを二本鎖DNAに逆転写し、そして、RNAポリメラーゼ(例えば、T7またはSP6)により再度転写する。生じた産物は、短縮型であれ、完全なものであれ、標的特異的配列を示す。
(G.ローリングサークル増幅)
ローリングサークル増幅(米国特許第5,648,245号)は、環状テンプレートを使用することにより、鎖置換反応の有効性を増加させる方法である。5’エキソヌクレアーゼ活性を有さないポリメラーゼは、テンプレートの周囲で複数の連続的なサイクルを行なう間に、環状テンプレートの情報の複数のコピーを作製する。産物の長さは、非常に長く、代表的には、直接配列決定できないほど長い。テンプレートとして第一の鎖置換産物を使用する反応に、第二の鎖置換プライマーが添加される場合、さらなる増幅が達成される。
(H.他の増幅方法)
他の増幅方法(英国特許出願GB2,202,328号およびPCT特許出願番号PCT/US89/01025(これらは、それぞれ本明細書中に参考として援用される)に記載される)は、本発明に従って用いられ得る。前者の出願において、「改変」プライマーは、PCRTM様のテンプレートおよび酵素依存性合成に使用される。プライマーは、捕獲部分(例えば、ビオチン)および/または検出部分(例えば、酵素)で標識することにより改変され得る。後者の出願では、過剰の標識プローブがサンプルに添加される。標的配列の存在下で、そのプローブは結合し、そして、触媒的に切断される。切断後、標的配列はインタクトなまま遊離され、過剰のプローブに結合される。標識プローブの切断は、標識配列の存在を示す。
MillerらのPCT特許出願WO89/06700(本明細書中に参考として援用される)は、一本鎖DNA(「ssDNA」)を標的化するためのプロモーター/プライマー配列のハイブリダイゼーション、その後のその配列の多数のRNAコピーの転写に基づく核酸配列増幅スキームを開示する。このスキームは、周期的ではない(すなわち、新しいテンプレートは、生じたRNA転写物から産生されない)。
他の適した増幅方法としては、「RACE」および「one−sided PCRTM」(Frohman、1990;Oharaら、1989、それぞれは、本明細書中に参考として援用される)が挙げられる。生じる「ジオリゴヌクレオチド」の配列(それにより増幅する)ジオリゴヌクレオチドの配列を有する核酸の存在下での二つ(またはそれより多く)のオリゴヌクレオチドのライゲーションに基づいた方法(Wuら、1989、これは、本明細書中に参考として援用される)はまた、本発明の増幅工程において用いられ得る。
(V.酵素)
本発明と関連して使用され得る酵素としては、以下の表に列挙される核酸修飾酵素が挙げられる。
(表I:ポリメラーゼおよび逆転写酵素)
(熱安定DNAポリメラーゼ:)
OmniBaseTMシークエナーゼ
Pfu DNAポリメラーゼ
Taq DNAポリメラーゼ
Taq DNAポリメラーゼ、配列決定等級
TaqBeadTMホットスタートポリメラーゼ
AmpliTaqゴールド
Tfl DNAポリメラーゼ
Tli DNAポリメラーゼ
Tth DNAポリメラーゼ
(DNAポリメラーゼ:)
DNAポリメラーゼI、クレノウフラグメント、エキソヌクレアーゼマイナス
DNAポリメラーゼI
DNAポリメラーゼIラージ(クレノウ)フラグメント
末端デオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ
T4 DNAポリメラーゼ
(逆転写酵素:)
AMV逆転写酵素
MMLV逆転写酵素
HIV逆転写酵素
(表II:DNA/RNA改変酵素)
(リガーゼ:)
T4 DNAリガーゼ
(キナーゼ)
T4ポリヌクレオチドキナーゼ
(VI.DNAポリメラーゼ)
好ましい実施形態において、DNAポリメラーゼは、本発明の方法に使用される。いくつかの実施形態において、本発明の方法は、一つ以上の酵素を用いて実施され得、5’−3’エキソヌクレアーゼ活性を保持する単一のDNAポリメラーゼ分子の機能を達成するために複数の酵素が併用されることが想定される。5’−3’エキソヌクレアーゼ活性を保持する効果的なポリメラーゼとしては、例えば、E.coli DNAポリメラーゼI、Taq DNAポリメラーゼ、S.pneumoniae DNAポリメラーゼI、Tfl DNAポリメラーゼ、D.radiodurans DNA ポリメラーゼI、Tth DNAポリメラーゼ、Tth XL DNAポリメラーゼ、M.tuberculosis DNAポリメラーゼI、M.thermoautotrophicum DNAポリメラーゼI、単純ヘルペスI DNAポリメラーゼ、E.coli DNAポリメラーゼIクレノウフラグメント、Vent DNAポリメラーゼ、熱シークエナーゼ(thermosequenase)および野生型T7 DNAポリメラーゼまたは改変T7 DNAポリメラーゼが挙げられる。好ましい実施形態において、効果的なポリメラーゼは、E.coli DNAポリメラーゼI、クレノウもしくはTaq DNAポリメラーゼ、またはMMLV逆転写酵素である。
実質的に二本鎖核酸テンプレートにおける切断が、3’ヒドロキシル基を含むか、または3’ヒドロキシル基を含むように反応する少なくとも一塩基長または一ヌクレオチド長の間隙である場合、使用され得る効果的なポリメラーゼの範囲は、さらに広くなる。このような局面において、効果的なポリメラーゼは、例えば、E.coli DNAポリメラーゼI、Taq DNAポリメラーゼ、S.pneumoniae DNAポリメラーゼI、Tfl DNAポリメラーゼ、D.radiodurans DNA ポリメラーゼI、Tth DNAポリメラーゼ、Tth XL DNAポリメラーゼ、M.tuberculosis DNAポリメラーゼI、M.thermoautotrophicum DNAポリメラーゼI、単純ヘルペスI DNAポリメラーゼ、E.coli DNAポリメラーゼIクレノウフラグメント、T4 DNAポリメラーゼ、Vent DNAポリメラーゼ、熱シークエナーゼまたは改変T7 DNAポリメラーゼであり得る。好ましい局面において、効果的なポリメラーゼは、E.coli DNAポリメラーゼI、M.tuberculosis DNAポリメラーゼI、Taq DNAポリメラーゼまたはT4 DNAポリメラーゼである。
(VII.ハイブリダイゼーション)
想定される適用に依存して、標的配列(例えば、アダプター内における)に対するプローブまたはプライマーの選択性の程度の変動を達成するために、変動するハイブリダイゼーション条件を用いることが所望される。高選択性を必要とする適用については、代表的に、ハイブリッドを形成するために、比較的高ストリンジェンシー条件を用いることが所望される。例えば、比較的低い塩条件および/または比較的高温条件は、約50℃〜約70℃の温度での約0.02M〜約0.10MのNaClにより提供される。このような高ストリンジェンシー条件は、プローブまたはプライマー間のミスマッチとテンプレートまたは標的鎖との間のミスマッチを、もしあったとしてもほとんど許容せず、特定の遺伝子の単離または特定のmRNA転写物の検出に特に適している。ホルムアミドの添加量の増加によって条件がより高ストリンジェンシーになり得ることが一般に理解される。
塩濃度を増加し、そして/または温度を下げることにより、条件は、より低ストリンジェンシーになり得る。例えば、中程度のストリンジェンシー条件は、約37℃〜約55℃の温度で、約0.1〜0.25MのNaClにより提供され得るのに対して、低ストリンジェンシー条件は、約20℃〜約55℃の範囲の温度で、約0.15M〜約0.9Mの塩により提供され得る。ハイブリダイゼーション条件は、所望の結果に依存して容易に操作され得る。
他の実施形態において、ハイブリダイゼーションは、例えば、以下、約20℃〜約37℃の間の温度で、50mM Tris−HCl(pH 8.3)、75mM KCl、35mM MgCl、1.0mM ジチオスレイトールの条件下で達成され得る。用いられる他のハイブリダイゼーション条件としては、約40℃〜約72℃の範囲の温度で、約10mM Tris−HCl(pH 8.3)、50mM KCl、1.5mM MgClが挙げられる。
以下の実施例は、本発明の好ましい実施形態を示すために含まれる。代表的な技術に続く実施例に開示される技術が、本発明者らによって、本発明の実施において良好に機能することが発見され、従ってその実施のための好ましい様式を構成すると考えられ得ることを当業者は理解すべきである。しかし、当業者は、多くの変化が開示される特定の実施形態においてなされ得、なお本発明の精神および範囲から逸脱することなく、同様なまたは類似した結果を得ることができることを本発明の開示の観点から理解するべきである。
(実施例1:縮重ピリミジンプライマーの設計ならびに自己プライミングおよび伸長の分析)
一定の18塩基配列、続く10のランダムなピリミジンおよび3’末端の0〜6個の完全にランダムな塩基を含むピリミジンプライマー(表III、プライマー1〜7)を、自己プライミング能力およびモデルテンプレートオリゴヌクレオチドを伸長する能力について比較する。
モデルテンプレートオリゴヌクレオチド(表III、オリゴヌクレオチド9)は、T7プロモーター配列、3’末端の続く10のランダムプリン塩基からなっていた。反応混合物は、25μlの最終体積中に、1×ThermoPol反応緩衝液(NEB)、4ユニットのBst DNAポリメラーゼラージフラグメント(NEB)、200μM dNTP、350nM テンプレートオリゴ9、3.5μMまたは35μMの縮重ピリミジンプライマーYおよびYN(表III、プライマー1〜7)を含有した。dNTPを含有しないコントロールはまた、それぞれYプライマーまたはYNプライマーに関して含まれる。サンプルを45℃で、5分間または15分間インキュベートし、2μlの0.5M EDTAを添加することにより停止させた。その反応物のアリコートを、SybrGold色素(Molecular Probes)で染色した後、10%TB−尿素変性ポリアクリルアミドゲル(Invitrogen)で分析した。図3は、比較実験の結果を示す。45℃で、BstポリメラーゼおよびdNTPとの5分間のインキュベーションの後に、35μMの濃度で適用した場合、3個までのランダムな塩基をその3’末端に有するプライマーには、自己プライミングの証拠は検出されなかった(図3A)。対照的に、テンプレートオリゴヌクレオチドを含むサンプルでは、伸長産物に対応する新規バンドが、35μMおよび3.5μMの両方のプライマー濃度で観察された(図3B)。別の実験において、その3’末端に6個までのランダムな塩基を有する縮重ピリミジンプライマーを、自己プライミング能力について分析した(図3C)。Bstポリメラーゼとの15分間のインキュベーションの後、3個以下のランダムな塩基を有するプライマーを含むサンプルでは、伸長産物は観察されなかった(図3C、レーン1〜3)のに対して、より高い複雑性を有するプライマー(N3および上記)は、伸長産物の量が徐々に増加することを示した(図3C、レーン4〜6)。dNTPなしで、Bstポリメラーゼとインキュベートしたコントロールサンプルは、伸長産物を示さなかった(図3C、レーン7〜12)。
(実施例2:DNAポリメラーゼIのクレノウエキソフラグメントを含むライブラリー合成に使用される種々の縮重ピリミジンプライマーの比較およびその後の全ゲノム増幅)
標準的な手順により単離したヒトリンパ球ゲノムDNAを、TE緩衝液中でHydroShearTMデバイス(Gene Machines;Palo Alto、CA)を用いて平均1.5Kbの大きさにランダムに断片化した。反応混合物は、25μlの最終体積中に、1×EcoPol緩衝液(NEB)中の50ngの断片化DNA、200μMの各dNTP、360ngの一本鎖DNA結合タンパク質(USB)、500nMの既知のYプライマー(表III、プライマー8)、および1μMの、3’末端に0〜6個のランダムな塩基を有する縮重ピリミジンプライマー(表III、プライマー1〜7)または1μMの、3’末端に6個のランダムN塩基を有するT7プライマー(表III、T7(N)プライマー16)を含有していた。95℃で、2分間の縮重工程の後、そのサンプルを16℃まで冷却し、3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を欠如するクレノウ酵素(NEB)を5ユニット添加することによりその反応を開始した。WGAライブラリー合成を、16℃で10分間、24℃で10分間、そして37℃で15分間の3工程プロトコルで実施した。反応を、1μlの250mM EDTA(pH8.0)で停止させ、サンプルを95℃で3分間加熱した。アリコートをEtBrで染色後、1%アガロースゲル上で分析した(図4)。図4は、アッセイに用いられた条件下で、3個以上の完全にランダムな3’塩基を有するYNプライマーを使用する場合のみプライマーダイマーが形成したことを示す。ダイマーの量は、ランダムな塩基の数の増加につれて徐々に増加した(図4、レーン4〜7)。対照的に、2個までの完全にランダムな3’塩基を有するプライマーを使用する場合には、プライマーダイマーは形成しなかった(図4、レーン1〜3)。一定のT7プロモーター配列(プリンおよびピリミジンの両方を含む)ならびにその3’末端に完全にランダムなヘキサマーを含むプライマー(表III、プライマー16)を使用した場合、過剰量のダイマーが生じた(図4、レーン8)。
5ngの投入DNA(input DNA)に対応するライブラリー反応のアリコートを、リアルタイムPCRによりさらに増幅した。PCR反応混合物は、以下を含有した:50μlの最終体積中に、1×チタンTaq反応緩衝液(Clontech)、200μMの各dNTP、フルオレセインおよびSybrGold I(Molecular Probes)の100,000希釈物、1μMの既知のYプライマー(または縮重T7(N)プライマーの場合には、既知のプライマーT7(表III、プライマー17))、5ユニットのチタンTaqポリメラーゼ(Clontech)、およびクレノウライブラリー合成反応物の3μlのアリコート(約5ngの入力ゲノムDNA)。反応を、I−CyclerTMリアルタイムPCR機器(Bio−Rad)で、94℃15秒間、65℃2分間で18サイクル反応を行なった。図5は、リアルタイムPCRのクロマトグラムを示す。全ての縮重ピリミジンプライマーは、約9サイクルで集中した最大の50%に対応するシグナルを有する同様の増幅効率を示したのに対して、3’末端にランダムヘキサマーを含むT7配列(表III、プライマー16)は、過剰なプライマーダイマーの形成に起因して一桁以上効率が低かった(4サイクル右にシフトしていた)(図5、レーン8を参照のこと)。
0〜6個のランダムな3’塩基を有するピリミジンプライマーにより調製したサンプルの代表分析を、30個のヒトゲノムSTSマーカーの一群(表IV、STSマーカー1〜6、8〜10、12、14、16、19、20、23、26、29〜31、35、36、38、40、41、43、44、46、47および49)を使用して行った。
省略した配列番号は、定量的RT−PCRにおいて良好に増幅しなかった脱落したSTS配列を示す。
**STSマーカー配列の固有の名称は、National Center for Biotechnology Information UniSTSデータベースに由来する。STS領域の配列ならびに定量的リアルタイムPCRに使用されるフォワードプライマーおよびリバースプライマーは、National Center for Biotechnology InformationのウェブサイトのUniSTSデータベースに見出され得る。
既知のYプライマーを用いるPCRによって増幅された物質を、Qiaquickフィルター(Qiagen)を用いて精製し、その後10ngのアリコートをリアルタイムPCRで分析した。反応を、I−Cycler(Bio−Rad)で、上記のように25μlの体積で、94℃15秒間、68℃1分間で45サイクル行なった。10ngの断片化DNA、1ngの断片化DNAおよび0.2ngの断片化DNAに相当する標準を各STSに使用し、各STSに対して標準曲線を適合することにより量を計算し(I−Cyclerソフトウェア、Bio−Rad)、そして、頻度ヒストグラムとしてプロッティングした(図6)。試験した全てのピリミジンプライマーの内で、Y(N)は、DNAポリメラーゼIのクレノウフラグメントでのほぼ均一な全ゲノム増幅を補助した(図6A)が、なお、限られた量のプライマーダイマーしか産生しなかった(図3および図4)。Y(N)プライマーを用いた全ゲノム増幅の後に分析したSTSマーカーの内83%は、平均の2倍の範囲内であり、90%は、平均の3倍の範囲内であるのに対して、これらの数の平均は、分析した全ての他のYNプライマーに対してそれぞれ63〜70%の範囲および73〜80%の範囲であった。
(実施例3:DNAポリメラーゼIまたはシークエナーゼバージョン2のクレノウエキソフラグメントおよび縮重プライマーY(N)を用いて増幅可能DNAライブラリーへ変換される、熱的に断片化したゲノムDNAの全ゲノム増幅)
標準的な手順により単離したヒトリンパ球ゲノムDNAを、TE−L緩衝液(10mM Tris、0.1mM EDTA、pH7.5)中で、95℃で5分間加熱することにより、ランダムに断片化した。この反応混合物は、25μlの最終体積中に、1×EcoPol緩衝液(NEB)または1×シークエナーゼ緩衝液(USB)中の100ngの熱的に断片化したDNA、200μMの各dNTP、360ngの一本鎖DNA結合タンパク質(USB)、200nMの既知のYプライマー(表III、プライマー8)、および500nMの縮重Y(N)プライマー(表III、プライマー3)を含有していた。95℃で、2分間の縮重工程の後、そのサンプルを16℃まで冷却し、2.5ユニットのクレノウエキソポリメラーゼ(NEB)または6.5ユニットのシークエナーゼバージョン2(USB)をそれぞれ添加することにより、その反応を開始した。WGAライブラリー合成を、16℃で10分間、24℃で10分間、そして37℃で12分間の3工程プロトコルで実施した。反応を、1μlの500mM EDTA(pH8.0)で停止させ、サンプルを75℃で3分間加熱した。5ngの入力DNAに相当するライブラリー合成反応のアリコートを、リアルタイムPCRによりさらに増幅した。PCR反応混合物は、以下を含有していた:50μlの最終体積中に、1×チタンTaq反応緩衝液(Clontech)、200μMの各dNTP、フルオレセインおよびSybrGreen I(Molecular Probes)の100,000×希釈物、1μMの既知のYプライマー(またはランダムT7(N)プライマーの場合には、既知のT7(プライマー18))、5ユニットのチタンTaqポリメラーゼ(Clontech)、および5ng入力ゲノムDNAに相当する体積のライブラリー合成反応物)。反応を、I−CyclerTMリアルタイムPCR機器(Bio−Rad)で、94℃15秒間、65℃2分間で17サイクル行なった。図7は、リアルタイムPCRのクロマトグラムを示す。シークエナーゼバージョン2は、試験した両方の濃度でのクレノウエキソポリメラーゼと比較して、一桁高い効率を示した。PCR増幅反応のアリコートを、EtBrを用いて染色した後、1%アガロースゲル上で分析した。シークエナーゼ合成は、クレノウエキソポリメラーゼと比較してより大きい平均サイズのアンプリコンを産生した(図8)。シークエナーゼまたはクレノウエキソポリメラーゼを用いて作製したPCR増幅ライブラリーの代表分析を、一群の33個のヒトゲノムSTSマーカー(表IV、STSマーカー1、5、6、14、19、22、26、38、43、46、47、52、53、54、58、60、62、63、69、72、74、80、81、82、85、89、91、94、96、99、104、107、108)を用いて行なった。
既知のYプライマーをもちいたPCRにより増幅した物質を、Qiaquickフィルター(Qiagen)を用いて精製し、10ngのアリコートをリアルタイムPCRで分析した。反応を、I−Cycler(Bio−Rad)で、上記のように25μlの体積で、94℃15秒間、68℃1分間で45サイクル行なった。10ngの断片化ゲノムDNA、1ngの断片化ゲノムDNAおよび0.2ngの断片化ゲノムDNAに相当する標準を各STSに使用した。各STSに対して標準曲線を適合することにより量を計算し(I−Cyclerソフトウェア、Bio−Rad)、そして、頻度ヒストグラムとしてプロッティングした(図9)。シークエナーゼライブラリー調製物は、より小さい異常値を有するクレノウエキソと比較してより代表的な増幅を生じた。シークエナーゼで調製したライブラリーの増幅の後、分析したSTSマーカーのうち80%〜85%は、平均値の2倍の範囲内であるのに対して、DNAポリメラーゼIのクレノウフラグメントで調製したライブラリーの増幅後に分析したSTSマーカーは、平均67%であった。
(実施例4.非相補的な塩基を二つのみ含む縮重プライマーY(N)、R(N)、M(N)およびK(N)と3’末端に真にランダムな塩基を二つ含むプライマーの、ヒト全ゲノムライブラリー調製および増幅の効率の比較)
標準的な手順により単離したヒトリンパ球ゲノムDNAを、TE−L緩衝液中で、95℃で4分間加熱することにより、ランダムに断片化した。この反応混合物(各縮重プライマーに対して一つ)は、24μlの最終体積中に、1×EcoPol緩衝液(NEB)中の100ngの熱的に断片化したDNA、200μMの各dNTP、および1μMの縮重Y(N)プライマー、縮重R(N)プライマー、縮重M(N)プライマーまたは縮重K(N)プライマー(表III、プライマー3、10、12および14)を含有していた。95℃で、2分間の縮重工程の後、そのサンプルを16℃まで冷却し、1μl(3ユニット)のシークエナーゼバージョン2(USB Corporation)を添加することにより、そのライブラリー合成反応を開始した。その反応を、16℃で15分間、24℃で15分間、そして37℃で15分間の3工程プロトコルで実施した。反応を、1μlの250mM EDTA(pH8.0)を添加することにより停止させ、サンプルを75℃で5分間加熱した。5ngの入力DNAに相当するライブラリー反応物のアリコートを、定量的リアルタイムPCRによりさらに増幅した。PCR反応混合物は、50μlの最終体積中に、以下を含有していた:1×チタンTaq反応緩衝液(Clontech)、200μMの各dNTP、フルオレセインおよびSybrGreen I(Molecular Probes)の100,000×希釈物、1μMの既知のYプライマー、Rプライマー、Mプライマー、またはKプライマーであって、その配列が、それぞれの縮重プライマーの5’の既知の部分と同一であるプライマー(表III、プライマー8、11、13および16)、5ユニットのチタンTaqポリメラーゼ(Clontech)、およびライブラリー合成反応の5ngの入力ゲノムDNA等価物。増幅を、I−CyclerTMリアルタイムPCR機器(Bio−Rad)で、94℃15秒間、65℃2分間で16サイクル行なった。図10は、グアニンおよびチミジンを含む縮重プライマー(K(N)プライマー)が、試験した全てのプライマーの内で最も効率よくプライミングすることを示している。また、ともにグアニンを含む縮重プライマー(R(N)およびK(N))は、シトシン含有プライマー(M(N)およびY(N))と比較してより有効である。これらの知見は、グアニンおよびチミジンが、他の二つの塩基と比較してより迅速に非標準的な塩基対合に関与し得るという事実により説明され得る。概してK(N)プライマーは、Y(N)プライマーと比較して約1桁大きく効果的であった(図10)。シークエナーゼを用いて作製されたPCR増幅ライブラリーの代表分析を、一群の35個のヒトゲノムSTSマーカー(表IV、STSマーカー40〜44、46、47、49、52、54、55、58、60、62、63、66〜70、72、74、76、77、79、80、81〜86、88および89)を用いて行なった。既知のプライマーを用いたPCRによって増幅した物質をQiaquickフィルター(Qiagen)を用いて精製し、10ngのアリコートをリアルタイムPCRにて分析した。さらに、各個々の増幅反応物を2.5ng含む合わせたサンプルを、並行に行なった。反応は、25μlの体積で、I−Cycler(Bio−Rad)で、94℃15秒間、68℃1分間の45サイクルで行なった。10ng、1ngおよび0.2ngの断片化ゲノムDNAに相当する標準を各STSに対して使用した。量は、各STS(I−Cyclerソフトウェア、Bio−Rad)に対して標準曲線を適合させることにより得て、頻度ヒストグラムとしてプロッティングした。図11に示されるように、K(N)プライマーの使用により、最も均一かつ代表的なDNA増幅を生じた。この研究において、K(N)プライマーを用いて増幅した後に分析したSTSマーカーの91%は、平均値の2倍以内であったが、Y(N)プライマー、M(N)プライマーおよびR(N)プライマーについては、それぞれ63%、74%および83%であった。
(実施例5.シークエナーゼバージョン2およびY(N)縮重プライマーを含む全ゲノムライブラリーの調製の間の異なる様式のインキュベーション、ならびにその後のヒトDNAの代表的な増幅の比較)
標準的な手順により単離したヒトリンパ球ゲノムDNAを、TE−L緩衝液中で、95℃で4分間加熱することにより、ランダムに断片化した。この反応混合物は、25μlの最終体積中に、1×EcoPol緩衝液(NEB)中の100ngの熱的に断片化したDNA、200μMの各dNTP、および1μMの縮重Y(N)プライマー(表III、プライマー3)を含有していた。95℃で、2分間の縮重工程の後、そのサンプルを16℃または24℃まで冷却し、3ユニットのシークエナーゼバージョン2(USB)を添加することにより、WGAライブラリー合成反応を開始した。その反応を、以下の3つの異なるプロトコルで実施した:(i)等温24℃で1時間、(ii)各1分間で、16℃、24℃および37℃の間のサイクルで、計19サイクル(合計所要時間は、1時間)、ならびに(iii)16℃で20分間、24℃で20分間、37℃で20分間の3工程インキュベーションプロトコル。反応を、1μlの250mM EDTA(pH8.0)により停止させ、サンプルを75℃で5分間加熱した。5ngの入力DNAに相当するライブラリー合成反応物のアリコートを、リアルタイムPCRによりさらに増幅した。PCR反応混合物は、50μlの最終体積中に、以下を含有していた:1×チタンTaq反応緩衝液(Clontech)、200μMの各dNTP、フルオレセインおよびSybrGreen I(Molecular Probes)の100,000×希釈物、1μMの既知のYプライマー(または表III、プライマー8)、5ユニットのチタンTaqポリメラーゼ(Clontech)、および合成反応の5ngの入力ゲノムDNA。反応を、I−CyclerTMリアルタイムPCR機器(Bio−Rad)で、94℃15秒間、65℃2分間で17サイクル行なった。図12は、リアルタイムPCRのクロマトグラムを示す。24℃で1時間の等温インキュベーションは、最も高い増幅効率を生じ、その後3工程インキュベーションプロトコルを行なった。周期的インキュベーションは、等温インキュベーションと比較して、2周期の反応速度の遅れを生じた(図12)。シークエナーゼを用いたライブラリー調製後のPCRにより増幅したサンプルの代表分析を、一群の31個のヒトゲノムSTSマーカー(表IV、STSマーカー40、42〜44、46、47、49、52、54、58、60、62、66、67、68、71、72、74、77、79、80〜86、88および89)を用いて行なった。既知のYプライマーを用いたPCRによって増幅した物質を、Qiaquickフィルター(Qiagen)を用いて精製し、10ngのアリコートをリアルタイムPCRにて分析した。反応は、上記のように25μlの体積で、I−Cycler(Bio−Rad)で、94℃15秒間、68℃1分間の45サイクルで行なった。10ng、1ngおよび0.2ngの断片化ゲノムDNAに相当する標準を、各STSに対して使用した。量は、各STS(I−Cyclerソフトウェア、Bio−Rad)に対して標準曲線を適合させることによって得て、頻度ヒストグラムとしてプロッティングした(図13)。示されるように、等温増幅は、他の二つのインキュベーションプロトコルと比較して、わずかに良好な発現量(representation)を生じた。
(実施例6.ヒト全ゲノム増幅プロトコールにおける、Sequenaseを用いた自己不活性型変性プライマーK(N)濃度の滴定)
標準的手順によって単離されたヒトリンパ球ゲノムDNAを、TE−L緩衝液中で95℃で4分間加熱することによって、ランダムにフラグメント化した。この反応混合物(25μl)は、1×EcoPol緩衝液(NEB)中の100ngの熱でフラグメント化したDNA、200μMの各dNTP、および500nM、1μM、2μM、10μM、もしくは33μMの、その3’末端に塩基Gおよび塩基Tならびに2つの完全にランダムな塩基を含有する自己不活性型変性プライマーK(N)(表III、プライマー14)を含んだ。95℃、2分の変性工程の後、サンプルを、24℃に冷却し、そして3単位のSequenase version 2 DNAポリメラーゼ(USB)を添加することによって、ライブラリ合成反応を開始した。WGAライブラリ合成を、24℃で45分間、等温で行った。1μlの250mMのEDTA(pH8.0)によって反応を停止し、そしてサンプルを、75℃で5分間加熱した。5ngの投入DNAに対応するライブラリ合成反応のアリコートを、リアルタイムPCRによってさらに増幅した。このPCR反応混合物は、50μlの最終容量中に、以下を含有した:1×Titanium Taq反応緩衝液(Clontech)、200μMの各dNTP、フルオレセインおよびSybrGreen I(Molecular Probes)の100,000×希釈液、1μMの既知のKプライマー(表III、プライマー16)、5単位のTitanium Taqポリメラーゼ(Clontech)、ならびに5ngの投入ゲノムDNAに対応する容量のライブラリ合成反応液。I−CyclerリアルタイムPCR装置(Bio−Rad)上で、94℃で15秒間および65℃で2分間の15サイクルの間、反応を実行した。図14は、リアルタイムPCRのクロマトグラムを示す。増幅の効率は、0.5μMと2μMとの間の自己不活性型変性プライマーK(N)の濃度において、同様であった。10μMおよび33μMにおいて、増幅は阻害された(図14)。PCRによって増幅されたサンプルの発現量分析は、17のヒトSTSマーカーのパネル(表IV、STSマーカー:40〜44、46、47、49、52、54、55、58、60、62、63、66、および67)を用いて行った。既知のKプライマーを用いてPCRによって増幅された物質を、Qiaquickフィルター(Qiagen)を用いて精製し、10ngのアリコートをリアルタイムPCRで分析した。I−Cycler(Bio−Rad)上で、25μlの容量で、94℃で15秒間および68℃で1分間の45サイクルの間、反応を実行した。10ng、1ngおよび0.2ngのフラグメント化ゲノムDNAに対応する標準を、各STSについて使用した。量を、各STSについての標準カーブフィッティングによって計算し(I−Cyclerソフトウェア、Bio−Rad)、そして分布図としてプロットした(図15)。示されるように、STSマーカーの発現量は、プライマーK(N)濃度が0.5μMから2μMへと上昇することによって、有意に向上した。10μMまたは33μMのプライマーK(N)を適用した場合、ゲノムマーカーの発現量の障害が生じた(図15;33μMについてはデータを示さず)。0.5μMと2μMとの間のプライマー濃度により、平均91%のSTSマーカーが、平均値の2倍の係数の範囲内であった。一方、10μMプライマーでは、パーセンテージは82であった。
(実施例7.変性プライマーK(N)およびSequenaseを用いたヒト全ゲノム増幅におけるDNA投入量の滴定)
標準的手順によって単離されたヒトリンパ球ゲノムDNAを、TE−L緩衝液中で95℃で4分間加熱することによって、ランダムにフラグメント化した。この反応混合物は、全容量15μl中に、1×EcoPol緩衝液(NEB)中の100ng、25ng、10ngもしくは5ngの熱でフラグメント化したDNA(または陰性コントロールとしてTE−L緩衝液のみ)、200μMの各dNTP、および1μMの変性プライマーK(N)(表III、プライマー14)を含んだ。95℃、2分の変性工程の後、サンプルを、16℃に冷却し、そして1.85単位のSequenase version 2DNAポリメラーゼ(USB)を添加することによって、反応を開始した。ライブラリ合成を、16℃で20分間、24℃で20分間、および37℃で20分間行った。1μLの83mMのEDTA(pH8.0)によって反応を停止し、そしてサンプルを、75℃で5分間加熱した。5ngの投入DNAに対応する合成反応のアリコート(または5ng DNAの場合、反応混合液全体)を、リアルタイムPCRによってさらに増幅した。このPCR反応混合物は、75μlの最終容量中に、以下を含有した:1×Titanium Taq反応緩衝液(Clontech)、200μMの各dNTP、フルオレセインおよびSybrGreen I(Molecular Probes)の100,000×希釈液、1μMの既知のKプライマー(表III、プライマー16)、5単位のTitanium Taqポリメラーゼ(Clontech)、ならびに5ngの投入ゲノムDNAのライブラリ合成反応液。I−CyclerリアルタイムPCR装置(Bio−Rad)上で、94℃で15秒間および65℃で2分間の14サイクルの間、反応を実行した。図16は、リアルタイムPCRのクロマトグラムを示す。PCRによって増幅されたサンプルの発現量分析は、20個のヒトSTSマーカーのパネル(表IV、STSマーカー:40、42〜44、46、47、49、52、54、55、58、60、62、63、66〜69、および74)を用いて行った。既知のKプライマーを用いてPCRによって増幅された物質を、Qiaquickフィルター(Qiagen)を用いて精製し、10ngのアリコートをリアルタイムPCRで分析した。I−Cycler(Bio−Rad)上で、25μlの容量で、94℃で15秒間および68℃で1分間の45サイクルの間、反応を実行した。10ng、1ngおよび0.2ngのフラグメント化ゲノムDNAに対応する標準を、各STSについて使用した。定量化を、各STSについての標準カーブフィッティングによって行い(I−Cyclerソフトウェア、Bio−Rad)、そして量を分布図としてプロットした(図17)。示されるように、STSマーカーの発現量は、100ng未満のDNAを用いて合成する場合、より良好であった(図17)。25ngまたは5ngのゲノムDNAから増幅したサンプルの100%が、平均値の2倍の係数の範囲内であった。一方、100ngまたは10ngから増幅されたサンプルは、平均で95%であった。本実施例において、評価されたSTSマーカーについての最大のメジアン値は、5ngの投入テンプレートを用いて達成された(図17)。
本明細書において記載されるゲノムライブラリは、高度に発現される全ゲノム増幅のための非常に有効な資源を提供する。大きさ(200〜2,000bp)および既知のプライミング(既知の配列)部位はまた、DNA保管、保存、回収および最増幅のような適用に関して、それらを非常に魅力的なものとしている。複数のライブラリが、マイクロアレイとして固定化および保存され得る。チューブの底、マイクロプレートまたは磁気ビーズに一端を共有結合されたライブラリは、固定されたアンプリコンを複製し、すぐ使用するために複製された分子を分離し、そして保存を継続するために本来固定されていたWGAライブラリに戻すことによって、何回も使用され得る。
WGAアンプリコンの構造はまた、DNAの不正な増幅および使用を防止するために、すべてのゲノムサンプルに対する個人識別(ID)DNAタグを導入するため、容易に改変され得る。このIDタグの配列を知る者のみが、遺伝物質を増幅および分析し得る。このタグは、多くの臨床DNAサンプルを扱う場合、遺伝的交差汚染を防止するために有用であり得る。
大きな細菌クローン(BAC、PAC、コスミドなど)から作製されたWGAライブラリは、ゲノムマイクロアレイを作製するために増幅および使用され得る。
以下に示される実施例は、WGAライブラリの概説された用途を増強し得るプロセスを記載する。
(実施例8.全ゲノム増幅による個体識別DNAタグの組み込み;いくつかのWGAライブラリの混合物からの個々のWGAライブラリの回収)
この実施例は、後に続く他のWGAライブラリを含む混合物からのこのライブラリの回収の目的のため、DNA識別配列(ID)を用いて個々のWGAライブラリをタグ化する2つのプロセスを記載する。このような状況は、意図的または不可避的に生じ得る(例えば、非常に多数のWGA DNAサンプルを操作もしくは保存する場合)、または意図的に生じ得る(例えば、保存されたライブラリ中の遺伝情報への不正なアクセスを防止する必要がある場合)。
どちらのプロセスも、3’末端に既知の配列Uおよび5’末端に個人ID配列タグを有する既知のプライマーに関する(図18)。第一の場合では、この既知のプライマーは、定型的な塩基(A、T、GおよびC)からなり、そして複製され得る(図18A)。第二の場合では、この既知のプライマーは、非ヌクレオチドリンカーL(例えば、ヘキサエチレングリコール、HEG)を有し、複製され得ない(図18Bおよび18C)。
複製可能な既知のプライマーを用いた3つの異なるWGAライブラリのタグ化、混合、および回収のプロセスは、図19に示される。これは、4つの工程を包含する:1)3つのゲノムDNAサンプルは、本特許出願において上述される方法を用いて、3つのWGAライブラリに転換される;2)3つのWGAライブラリは、その5’末端に対応するID DNAタグT、TおよびTを有する3つの個別の複製可能な既知のプライマー、TU、TUおよびTUを用いて増幅される(図18A);3)3つのライブラリ全ては、一緒に混合される。混合物を増幅および遺伝子型決定するためのあらゆる試みは、混合されたパターンをもたらす;そして、4)このWGAライブラリは、個別のIDプライマータグT、TおよびTを用いたPCRによって分離される。
複製不可能な既知のプライマーを用いた3つの異なるWGAライブラリのタグ化、混合、および回収のプロセスは、図20に示される。これは、5つの工程を包含する:1.)3つのゲノムDNAサンプルは、本特許出願において上述される方法を用いて、3つのWGAライブラリに転換される;2.)3つのWGAライブラリは、その5’末端に対応するID DNAタグT、TおよびTを有する3つの個別の複製不可能な既知のプライマー、TU、TUおよびTUを用いて増幅される(図18Bおよび18C)。得られた生成物は、プライマーのID領域によって形成される5つの一本鎖テイルを有する;3.)3つのライブラリ全ては、一緒に混合される。混合物を増幅および遺伝子型決定するためのあらゆる試みは、混合されたパターンをもたらす;4.)このWGAライブラリは、固体支持体に固定されたそれらの5’テイルの相補オリゴヌクレオチドT 、T およびT へのハイブリダイゼーションによって、分離される;そして、5.)この分離されたライブラリは、既知のプライマーUを用いたPCRによって増幅される。
ゲノムライブラリに関する上記のタグ化および回収のプロセスは、個別の全トランスクリプトームライブラリに同様に適用され得る。
(実施例9.標的化DNA/RNA増幅のためのWGA/WTAライブラリへのポリ−C機能性タグの組み込み)
本発明において記載されたライブラリ合成法によって調製されたWGA(またはWTA)ライブラリは、改変またはタグ化されて、特定の配列を組み込み得る。このタグ化反応は、機能性タグを組み込み得る。例えば、ポリシトシンからなる機能性5’タグは、プライマーとして末端のC10配列を用いて、ライブラリ増幅を抑制するために働き得る。末端の相補性同種重合体のG配列は、ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼによって(図21A)か、ポリ−C配列を含有するアダプターのライゲーションによって(図21B)か、または5’非相補性ポリ−Cテイルを有するユニバーサル近位配列Uに相補的なプライマーを用いたDNA重合によって(図21C)、増幅されたWGAライブラリの3’末端に付加され得る。C−テイルは、8〜30塩基長であり得る。好ましい実施形態において、C−テイルの長さは、10〜12塩基である。
米国特許出願20030143599(本明細書においてその全体が参考として援用される)に記載されるように、G/C塩基対二本鎖DNAまたはポリ−G一本鎖3−伸長部分からなる同種重合体テイルに隣接されるゲノムDNAライブラリは、ポリ−Cプライマーによるその増幅能が抑制される。この抑制は、この配列における代替的な四つ組G様の二次構造の形成による、ポリG領域におけるプライミング効率の減少によって引き起こされ、そして周知の「抑制PCR」と対照的に、DNAアンプリコンの大きさに依存しない。「抑制PCR」は、自己相補的アダプターによって形成される「皿状の(pan−like)」二本鎖構造から生じ、結果としてDNAフラグメントの大きさに強く依存し、短いアンプリコンでより顕著であった(Siebertら、1995;US005759822A)。この抑制効果は、標的化部位を第二の部位特異的プライマーで均衡させる場合、その標的化部位に対して減少する。これによって、固有のプライミング部位およびユニバーサルな末端配列を含む複数のフラグメントの増幅は、特異的プライマーおよびポリ−Cプライマー(例えば、プライマーC10)を用いて選択的に増幅される。当業者は、ゲノムの複雑性が、単一種のDNAを増幅して複雑なWGAライブラリから精製するための連続的または正味の(nested)増幅に対する必要条件を決定付け得ることを認識する。
(実施例10.マイクロアレイ形式におけるWGAライブラリ)
目的を達成するため、例えば、個々のWGAライブラリは、例えばマイクロアレイ上などにおいて、固定化され得る。マイクロアレイ形式は、数万の不死化DNAサンプルまたは数十万の不死化DNAサンプルでさえ、小さなマイクロチップ上に保存することを可能にし、そしてそれらに対する高速自動化アクセス手段を有する。WGAライブラリがマイクロアレイ表面に固定化され得る2つの基本的な方法(共有結合および非共有結合)が存在する。図22は、共有結合固定化のプロセスを示す。これは、3つの工程を包含する:工程1.固体支持体に共有結合された既知のプライマー−オリゴヌクレオチドUへの一本鎖(変性)WGAアンプリコンのハイブリダイゼーション。工程2.DNAポリメラーゼによるプライマーUの伸長およびハイブリダイズしたアンプリコンの複製。工程3.100mMの水酸化ナトリウム溶液およびTE緩衝液による洗浄。非共有結合固定化は、親和性タグ(ビオチンのようなタグ)またはアンプリコンの5’末端におけるDNA配列タグを有するWGAライブラリを用いて達成され得る。ビオチンは、既知のプライマーUの5’末端に配置され得る。一本鎖5’親和性タグおよび/またはIDタグは、複製不可能なプライマーを用いることによって導入され得る(図18および図20)。ビオチン化ライブラリは、マイクロアレイの表面に共有結合されたストレプトアビジンを通じて固定化され得る。5’オーバーハングの形態のDNA配列タグを有するWGAライブラリは、マイクロアレイの表面に共有結合された相補的オリゴヌクレオチドにハイブリダイズされ得る。共有結合性に整列化されたライブラリおよび非共有結合性に整列化されたライブラリの両方の例は、図23に示される。
(実施例11.固定化されたWAGライブラリの繰り返しの使用)
共有結合性に固定化されたWGAライブラリ(またはビオチン−ストレプトアビジン相互作用を通じて固定化されたライブラリ)は、全ゲノム増幅のためのレプリカライブラリを作製するために繰り返し使用され得る(図24)。その模範的な場合において、そのプロセスは4つの工程を包含する:1)長期保存からの固定化されたライブラリの回収;2)DNAポリメラーゼおよび既知のプライマーUを用いた固定化されたライブラリの複製;3)水酸化ナトリウムによるレプリカ分子の分離、中和、および増幅;そして、4)中和および長期保存のための固相ライブラリの回復。
(実施例12.複製不可能なプライマー親和性タグを用いたWGA生成物の精製およびハイブリダイゼーションによるDNA固定化)
多くの用途に関して、増幅されたDNAの精製は重要である。5’オーバーハングを有するWGAライブラリは、磁気ビーズ、チューブまたはマイクロプレートの表面に共有結合された相補的オリゴヌクレオチドに対してハイブリダイズされ得、TE緩衝液または水で洗浄されて過剰のdNTP、緩衝液およびDNAポリメラーゼを除去され得、次いで、少量のTE緩衝液中で加熱することによって遊離され得る。この目的のため、一本鎖5’−親和性タグは、複製不可能なプライマーを用いることによって導入され得る(図25)。
(実施例13.自己不活性型プライマーを有するDNAポリメラーゼ Iのクレノウエキソフラグメントによって調製されたライブラリの全ゲノム増幅とDOP−PCR増幅との比較)
本実施例は、本発明において記載される全ゲノム増幅とDOP−PCR増幅のための市販のキットとの間の並行比較を記載する。
ヒトリンパ球ゲノムDNAを、フェノール−クロロホルム抽出を用いた標準的手順によって単離した。
DNAポリメラーゼ Iのクレノウフラグメントによる全ゲノム増幅のため、10μlのTE−L緩衝液中に5ngまたは20pgを含むサンプルを、95℃で4分間加熱することによってランダムにフラグメント化した。サンプルに、14μlの全容量中に、最終濃度で、1×EcoPol緩衝液(NEB)、200μMの各dNTP、1μMの変性したK(N)プライマー(表III、プライマー14)、および15ng/μlのSSBタンパク質(USB)を含有する反応緩衝液を補充した。95℃、2分の変性工程の後、サンプルを、24℃に冷却し、そして5単位(1μl)のクレノウエキソ−DNAポリメラーゼ(NEB)を添加することによって、ライブラリ合成反応を開始した。
24℃で60分間のインキュベーションの後、75℃で5分間加熱することによって、反応を停止した。この合成反応物を、リアルタイムPCRによって増幅した。このPCR反応混合物は、75μlの最終容量中に、以下を含有した:1×Titanium Taq反応緩衝液(Clontech)、200μMの各dNTP、フルオレセインおよびSybrGreen I(Molecular Probes)の100,000×希釈液、1μMのユニバーサルKプライマー(表III、プライマー16)、5単位のTitanium Taqポリメラーゼ(Clontech)、全部で15μlのライブラリ合成反応液。I−CyclerリアルタイムPCR装置(Bio−Rad)上で、94℃で15秒間および65℃で2分間、反応を実行した。
DOP−PCRによる増幅は、Roche Molecular Biochemicals(カタログ番号;1644963)から購入したDOP PCR MasterTM Kitを用いて行った。増幅反応は、製造者の説明書のプロトコール2に従って実行した。簡単に言うと、フルオレセインおよびSybrGreen I(Molecular Probes)の100,000×希釈液を補充された、50μlの標準的なDOP PCR反応混合液中に5ngまたは20pgのDNAを含むサンプル(またはDNAを含まないコントロールサンプル)を、I−CyclerリアルタイムPCR装置(Bio−Rad)上で、95℃で5分間の変性工程後、94℃で30秒間、30℃で30秒間(30℃から72℃まで30秒間で上昇(1.4℃/秒))および72℃で1.5分間で5回サイクルさせ、続いて94℃で30秒間、62℃で30秒間および72℃で1.5分間で45回サイクルさせ、そして72℃で7分間最終伸長させることによって、増幅した。
図26Aは、クレノウエキソPCRおよびDOP−PCRによる全ゲノム増幅のリアルタイムPCR曲線を示す。示されるように、いずれの投入DNA量(すなわち5ngおよび20pg)においても、DNAポリメラーゼ−Iのクレノウラグメントおよび変性K(N)プライマーによって調製されたライブラリの全ゲノム増幅は、約25PCRサイクルで、DOP−PCRでの増幅よりも有効となった。この結果は、本発明の方法が、DOP−PCR技術よりも数桁感受性が高いことを示す。
発現量分析を、16個のランダムなヒトゲノムSTSマーカーのパネル(表IV、STSマーカー:40、4〜44、46、47、49、52、54、55、58、60、62、63、および66)を用いて行った。ユニバーサルKプライマーを用いてPCRによって増幅された物質を、Qiaquickフィルター(Qiagen)を用いて精製し、そして10ngのアリコートをリアルタイムPCRで分析した。I−Cycler(Bio−Rad)上で、25μlの容量で、94℃で15秒間および68℃で1分間の45サイクルの間、反応を実行した。10ng、1ngおよび0.2ngのフラグメント化ゲノムDNAに対応する標準を、各STSについて使用した。定量化を、各STSについての標準カーブフィッティングによって行った。
図26Bは、リアルタイムPCR標準カーブフィッティングに由来する、分析されたSTSマーカーの対数分布プロットを示す。全16個のゲノムマーカーの分布は、DOP−PCR生成物と比較して、DNAポリメラーゼ Iのクレノウフラグメントおよび変性K(N)プライマーにより調製されたPCR増幅全ゲノムライブラリにおいて、より密接しておりかつ発現量のバイアスが有意に減少していた。また、20pgのゲノムDNA(ほぼ3個の二倍体ゲノムに相当する)から増幅されたライブラリにおける提唱される方法によるSTSマーカーの平均量は、5ngのDNA(ほぼ1000個の二倍体ゲノムに相当する)からDOP−PCRにより調製されたDNA生成物と比較して、およそ一桁多い。
まとめると、これらの結果は、ゲノム配列の発現量の感度および正確性の両方に関して、DOP−PCR技術(Teleniusら、1992)に対する本発明の方法の優位性を示す。
(実施例14:血清から単離されたDNAのライブラリ作製および全ゲノム増幅)
この実施例は、血清分離管(SST)から回収された血清から単離されたゲノムDNAの増幅を記載する。血液を、8mlのバキュテイナーSST管へ集めた。この血清管を、室温で30分間静置させた。この管を、加速およびブレーキを最小にして、1,000×Gで10分間遠心した。その後、この血清を清潔な管に移した。単離された血清サンプルは、直ちにDNA抽出使用することもでき、また使用前に−20℃で保存することもできる。
1mlの血清からのDNAを、DRI ChargeSwitch Blood Isolation kitを用いて、製造者のプロトコールに従って精製した。得られたDNAを、pellet paint DNA precipitation kit(Novagen)を用いて、製造者の使用説明書に従って沈殿させ、そしてこのサンプルをTE−Lo中に再懸濁し、血清で最終容量を30mlとした。サンプル中に存在するDNAの量および濃度を、Yb8 Aluプライマー対;Yb8F 5’−CGAGGCGGGTGGATCATGAGGT−3’(配列番号120)、およびYb8R 5’−TCTGTCGCCCAGGCCGGACT−3’(配列番号121)を用いて、リアルタイムPCRによって定量化した。簡単に言うと、25mlの反応液を、94℃で15秒間および74℃で1分間で、40サイクルの間増幅した。10ng、1ng、0.1ng、0.01ng、および0.001ngのゲノムDNAに対応する標準を使用し、そして血清DNAの量および濃度を、標準カーブフィッティング(I−Cyclerソフトウェア、Bio−Rad)によって計算した。
血清から単離されたDNAを、TE−L緩衝液中で95℃で4分間加熱することによって、ランダムにフラグメント化した。この反応混合物は、15μlの最終容量中に、1×EcoPol緩衝液(NEB)中の10ngの熱でフラグメント化したDNA、200μMの各dNTP、および1μMの変性K(N)プライマー(表III、プライマー14)を含有した。95℃、2分の変性工程の後、このサンプルを、4℃に冷却し、そして5単位のクレノウエキソ(NEB)を添加することによって、反応を開始した。16℃で20分間、24℃で20分間、および37℃で20分間の3工程インキュベーションプロトコールによって、WGAライブラリ合成を実行した。75℃で15分間加熱することによって、反応を停止し、そしてその後4℃で冷却した。ライブラリ反応物全体を、リアルタイムPCRによってさらに増幅した。このPCR反応混合物は、75μlの最終容量中に、以下を含有した:1×Titanium Taq反応緩衝液(Clontech)、200μMの各dNTP、フルオレセインおよびSybrGold I(Molecular Probes)の10,000×希釈液、1μMの既知のKプライマー(表III、プライマー15)、0.5×Titanium Taqポリメラーゼ(Clontech)、およびライブラリ反応の投入ゲノムDNA 10ng。I−CyclerリアルタイムPCR装置(Bio−Rad)上で、94℃で15秒間および65℃で2分間で17サイクルの間、反応を実行した。この増幅曲線は、図27に図示される。
増幅された物質を、Millipore Multiscreen PCRプレートによって精製し、そして光学濃度によって定量した。増幅生成物のゲル分析は、最初の血清DNAと同様のサイズ分布(200bp〜1.6kb)を示した(図28A)。さらに、増幅されたDNAは、ヒトゲノムSTSマーカーのパネルを用いて、リアルタイム定量PCRを用いて分析された。このパネルを形成するマーカーは、表IVに列挙される。定量リアルタイムPCRは、製造者の指示に従って、I−Cycler Real−Time Detection System(Bio−Rad)を用いて行われた。簡単に言うと、25μlの反応液を、94℃で15秒間および65℃で1分間で40サイクルの間増幅した。10ng、1ngおよび0.2ngのフラグメント化ゲノムDNAに対応する標準を、各STSについて使用し、量を、各STSについての標準カーブフィッティングによって計算して(I−Cyclerソフトウェア、Bio−Rad)、分布としてプロットした。血清からのWGA生成物の定量リアルタイムPCRは、示した。試験した全8マーカーが、平均増幅の5の係数の範囲内であった。これらの結果は、最初の血清DNAの発現量が、その後のWGAに維持されていることを示す。図28Bは、増幅されたDNAにおけるヒトゲノムSTSマーカーの発現量の散布図である。
(実施例15.自己不活性型変性プライマーKおよびDNAポリメラーゼ Iのクレノウエキソフラグメントを用いて調製されたライブラリからの単一ヒト細胞および個々の毛包の全ゲノム増幅)
本実施例は、単一ヒト血液細胞、単一精子細胞、および個々の毛包からの全DNAの全ゲノム増幅を記載する。
健康な女性の提供者からの3マイクロリットルの新鮮な吸引血液を、10mM Tris−HCl(pH7.5)、100mM NaClおよび0.5mM EDTAからなる希釈緩衝液27μlを含むPCRチューブ中で、1細胞/μl、0.5細胞/μl、または0.2細胞/μlのレベルへと、指数関数的に希釈した。平均血液数を、5×10有核細胞/血液1mlと仮定した。同様に、健康な提供者からの射精物3μlを同じレベルで希釈し、平均精子数を、20,000/射精物1μlと仮定した。健康な女性の提供者からの単一の毛包を、以下に記載されるように溶解し、次いで、溶解緩衝液で指数関数的に希釈した。
それぞれの細胞希釈液1マイクロリットルを、10mM Tris−HCl(pH7.5)、0.5mM EDTA、20mM NaCl、0.007%(w/v)ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、および0.12mg/mlのプロテイナーゼK(USB)を含む、9μlの新たに調製した溶解緩衝液と混合した。毛包の場合、この毛包を、10μlの溶解緩衝液に懸濁した。このサンプルを、1時間、50℃でインキュベートし、細胞を溶解した。この毛包サンプルをさらに、溶解緩衝液で10〜10倍に連続的に希釈し、そして各希釈液を、WGAライブラリ調製に供した。
サンプルを99℃で4分間加熱して、プロテイナーゼKを不活化し、核タンパク質を分解し、そしてDNAを熱でフラグメント化した。ライブラリ合成工程を、14μlの全容量中に、1×EcoPol緩衝液(NEB)、200mMの各dNTP、1μMの変性プライマーK(表III、配列番号15)、および15ng/μlのSSB(USB)を含む反応混合物中で行った。95℃、2分の変性工程の後、サンプルを、24℃に冷却し、そして5単位(1μl)のクレノウエキソDNAポリメラーゼ(NEB)を添加することによって、反応を開始した。24℃で60分間のインキュベーションの後、75℃で5分間加熱することによって、反応を停止した。この合成されたライブラリを、リアルタイムPCRによって増幅した。このPCR反応混合物は、75μlの最終容量中に、以下を含有した:1×Titanium Taq反応緩衝液(Clontech)、200μMの各dNTP、フルオレセインおよびSybrGreen I(Molecular Probes)の100,000×希釈液、1μMのユニバーサルKプライマー(表III、プライマー16)、5単位のTitanium Taqポリメラーゼ(Clontech)、全部で15μlのライブラリ合成反応液。毛包希釈液の場合、DNAを有さないブランクコントロールを含んだ。異なる希釈での余分な単一細胞サンプルを増幅した。これは、自己コントロールとして働く(すなわち、最高希釈において、1細胞が増幅されたか、または細胞が増幅されなかった)。I−CyclerリアルタイムPCR装置(Bio−Rad)上で、94℃で15秒間および65℃で2分間、反応を実行した。
図29は、単一有核血球の増幅を示す。およそ8サイクルが、単一細胞と細胞なしとの間で、得られた増幅プロフィールを分離する。これは、単一血球の存在下と非存在下との間の明らかな区別を可能にする。
PCRで増幅された5つの単一細胞サンプルの発現量分析を、16個のヒトSTSマーカーのパネル(表IV、STS マーカー:40、4〜44、46、47、49、52、54、55、58、60、62、63、および66)を用いて行った。ユニバーサルKプライマーを用いてPCRによって増幅された物質を、Qiaquickフィルター(Qiagen)を用いて精製し、そして10ngのアリコートをリアルタイムPCRで分析した。I−Cycler(Bio−Rad)上で、25μlの容量で、94℃で15秒間および68℃で1分間の45サイクルの間、反応を実行した。10ng、1ngおよび0.2ngのフラグメント化ゲノムDNAに対応する標準を、各STSについて使用した。定量化を、各STSについての標準カーブフィッティングによって行った。増幅バイアスに対するコピー数の影響を評価するため、各単一細胞増幅反応液の容量の1/6を合わせて、プールサンプルとした。このプールサンプルを、上記のように、STSマーカー発現量について分析した。0.2ng未満の標準テンプレートのレベルで増幅されたマーカーを、脱落とみなした。表Vは、プールサンプルと比較した、3つの個別の単一細胞増幅についての脱落マーカーの数を示す。
(表V.全ゲノム増幅した単一血球および6つの個別の増幅した単一細胞のプールからのSTSマーカー増幅)
ゲノムマーカー脱落物の大部分は、個別の単一細胞増幅反応物において、ランダムであった。個別の増幅した単一細胞のプールの後、脱落数は、およそ半分に減少した(表V)。
図30は、単一精子細胞の増幅を示す。この場合では、単一細胞を有するサンプルと細胞を有さないサンプルとの間の距離は、わずか約2サイクルであった(血液有核細胞と比較して一倍体ゲノムについて予想されたおよそ6サイクルではない)。特定の実施形態において、この違いは、不十分な溶解または精子細胞中の増幅のインヒビターの存在に帰せられる。それにもかかわらず、2サイクルの違いによってでさえも、単一細胞と細胞なしとの間の区別が可能である。
図31に示されるように、溶解した毛包の指数関数的希釈は、予期されたように、約3.5〜4サイクルの連続的な移行を示した。1:1,000,000の最高希釈は、ブランクコントロールより約2サイクル早く増幅した。これは、精製されたゲノムDNAと比較した場合、およそ2pgのDNAに相当する。これは、法医学適用途についてのこの方法の可能性を示す。
(実施例16.変性K(N)プライマーおよびDNAポリメラーゼ−Iのクレノウエキソフラグメントによる単一ヒト染色体の増幅)
本実施例は、単一コピーのヒト染色体からの全DNAの増幅を記載する。
96ウェルマイクロタイタープレートにおいて5μlの水中に分けられた、転座(11;12)(q21;pl3.33)を有するリンパ芽球細胞株由来の単一コピーの誘導染色体を、Wellcome Trust Sanger Instituteから入手した。各転座誘導染色体の14個の個別サンプルを、10μlの最終容量中に10mM Tris−HCl(pH7.5)、0.5mM EDTA、20mM NaCl、0.007%(w/v)ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、および0.12mg/mlのプロテイナーゼK(USB)を含む、新たに調製した溶解緩衝液中において、50℃で1時間溶解した。
サンプルを99℃で4分間加熱して、プロテイナーゼKを不活化し、核タンパク質を分解し、そしてDNAを熱でフラグメント化した。ライブラリ合成工程を、14μlの全容量中に、1×EcoPol緩衝液(NEB)、200μMの各dNTP、1mMの変性K(N)プライマー(表III、配列番号15)、および15ng/μlのSSB(USB)を含む反応混合物中で行った。95℃、2分の変性工程の後、サンプルを、24℃に冷却し、そして5単位(1μl)のクレノウエキソDNAポリメラーゼ(NEB)を添加することによって、反応を開始した。24℃で60分間のインキュベーションの後、75℃で5分間加熱することによって、反応を停止した。このライブラリ合成反応を、以下を含む混合物中で、リアルタイムPCRによって増幅した:75μlの最終容量中、1×Titanium Taq反応緩衝液(Clontech)、200μMの各dNTP、フルオレセインおよびSybrGreen I(Molecular Probes)の100,000×希釈液、1μMのユニバーサルKプライマー(表III、プライマー16)、5単位のTitanium Taqポリメラーゼ(Clontech)、全部で15μlのライブラリ合成反応液。DNAを有さないブランクコントロールもまた含んだ。I−CyclerリアルタイムPCR装置(Bio−Rad)上で、94℃で15秒間および65℃で2分間、反応を実行した。
図32は、単一コピーヒト染色体の増幅を示す。単一染色体とDNAのないブランクコントロールとの間のおよそ4サイクルの距離が、観察された。
(実施例17.異常細胞の検出および分析のための単一細胞WGAの増幅)
WGA増幅した単一細胞DNAは、ゲノムレベルで組織細胞の異種性を分析するために使用され得る。癌診断の場合、これは、血液および/または生検中に存在する癌細胞の異種性の検出および統計学的分析を促進する。出生前診断の場合、これは、血液および/または子宮頸管スミアから単離された胎仔細胞の同定および遺伝的分析に基づいた、非侵襲性アプローチの開発を可能にする。個々の細胞内のDNAの分析はまた、細胞集団の複雑性および異種性によって通常隠されている新しい細胞マーカー、特徴または性質の発見を促進し得る。
増幅された単一細胞DNAの分析は、2つの方法で行われ得る。図33に示された伝統的アプローチにおいては、増幅されたDNAサンプルは、ゲノムマイクロアレイへのハイブリダイゼーション、または他の任意の分析手段(例えば、PCR、シークエンシング、SNPゲノタイピング、マイクロサテライトゲノタイピング等)を用いて一つ一つ分析される。この方法は、以下を包含する:1.)組織の個々の細胞への分離;2.)個別の(単一細胞)WGAライブラリの調製および増幅;3.)従来の方法による、個々の単一細胞ゲノムDNAの分析。このアプローチは、個々の細胞のゲノム全体に渡る評価が必要である場合の状況において、有用である。
図34に示された第二のアプローチにおいては、増幅されたDNAサンプルは、膜、ガラス、または任意の他の固体支持体上にスポットされ、次いで核酸プローブによってハイブリダイズされて、特定のゲノム領域のコピー数が検出される。この方法は、以下を包含する:1.)目的の組織の個々の細胞への分離;2.)個別の(単一細胞)WGAライブラリの調製および増幅;3.)個別の(単一細胞)WGA DNAのマイクロアレイの調製;4.)単一細胞DNAマイクロアレイの、遺伝子座特異的プローブとのハイブリダイゼーション;5.)そして、細胞異種性の定量分析。このアプローチは、大きな細胞集団において、ゲノム領域の限られた数のみが分析されるべきである場合の状況において、特に役立ち得る。
(実施例18.遺伝子コピー数の検出および分析のための全ゲノム増幅の適用)
WGA増幅されたDNAは、ライブラリー合成および増幅の間、配列およびコピー数の完全性の両方を保持する。ライブラリーのこの特徴は、発癌性形質転換において観察されるような遺伝子増幅事象を受けていると疑われる細胞または組織の潜在的な評価を容易にする。遺伝子増幅事象の早期の検出は、少しの疑わしい細胞または生検材料における事象を調べる能力を必要とする。この適用は、この実施例に記載されるように、X染色体における公知の染色体異数体の患者由来のモデルサンプルのセットを用いて最も良く示される。
XO、XX、およびXXXを有する患者由来のDNAは、WGAラブラリー合成のためのテンプレートとして役立った(University of MichiganのDr.Arul Chinnaiyanによって好意により提供された)。標準的手順によって単離されたDNAを、4分間、95℃で加熱することによってTE−L緩衝液中でランダムにフラグメント化した。反応混合物は、1×EcoPol緩衝液(NEB)中の25ngの熱フラグメント化DNA(またはネガティブコントロールとしてただのTE−L緩衝液)、200μMの各dNTP、および1μMの変性K(N)プライマー(表III、プライマー14)、15ng/μl SSB(USB)を14μlの合計容量で含んだ。2分間、95℃の変性工程の後、サンプルを16℃に冷却し、そして反応を、5単位(1μl)のKlenow exo−DNAポリメラーゼ(USB)を添加することによって開始した。WGAライブラリー合成を、16℃で20分間、24℃で20分間、そして37℃で20分間行った。反応を1μlの83mM EDTA(pH8.0)で停止させ、そしてサンプルを75℃で5分間加熱した。5ngの投入DNAに対応する反応物のアリコートを、リアルタイムPCRによって増幅した。PCR反応混合物は、以下を含む:1×Titanium Taq反応緩衝液(Clontech)、各200μMのdNTP、フルオレセインおよびSybrGreen I(Molecular Probes)の100,000×希釈液、1μM既知Kプライマー(表III、プライマー16)、5単位のTitanium Taqポリメラーゼ(Clontech)、およびライブラリー合成反応物の5ng投入ゲノムDNA(75μlの最終容量)。反応を、I−CyclerリアルタイムPCR機器(Bio−Rad)において、94℃で15秒間、および65℃で2分間で、14サイクルで実行した。
分析のために、ライブラリーの個々の5ngのアリコートを、X染色体STSプライマー対(152および154、表IV)を使用して、全体で25ngの投入テンプレートを再構成する組み合わせ混合物と比較した。ユニバーサルKプライマーを用いるPCRによって増幅される材料を、Qiaquickフィルター(Qiagen)を用いて精製し、そして10ngのアリコートをリアルタイムPCRで分析した。反応を、94℃で15秒、および68℃で1分間、の40サイクルを、I−Cycler(Bio−Rad)において、25μl容量で行った。
図35は、各セットのプライマーについての正規化STSリアルタイムPCR曲線を示す。パネルAおよびCは、1×染色体コピー、2×染色体コピー、および3×染色体コピーを有するサンプルについて、単一の25ng WGAライブラリーから増幅した個々の5ngアリコートのクラスタリングを示す。各場合において、変動は、およそ+/−0.5サイクルである。図35のパネルBおよびDは、個々の増幅の再構成において変動がどのように平均化されるかを示す。各場合において、再構成された混合物を3連で試験し、1×と2×との間のテンプレートの倍加における全サイクルシフト、および第3コピー(3×)がX染色体についてトリソミーの場合に加えられる場合の予測される約半サイクルを示す。
WGA増幅ライブリーについて本明細書中に示される正確なコピー数測定は、遺伝子増幅事象における臨床的適用についての可能性を例示する。少ない量のテンプレートからのライブラリーを作製する能力と組み合わせて、本発明は、DNAサンプルがしばしば非常に制限される、癌および胎児期の診断に使用され得る。
(実施例19.MMLV逆転写酵素および自己不活性変性プライマーによって、ポリA+RNAから調製されたライブラリーを使用する、全トランスクリプトーム増幅)
この実施例は、本明細書中において、「全トランスクリプトーム増幅」(WTA)と呼ばれる細胞または細胞集団内での転写されたRNAの発現パターンを忠実に表す増幅可能なライブラリーの作製のための本発明の応用を記載する。
EBV形質転換ヒトBリンパ細胞、Raji細胞(Clontech)由来の精製ポリA+RNAは、WTAライブラリー調製のための投入テンプレートとして役立った。WGAプロトコールの場合のように、WTAを2工程(ライブラリー合成およびライブラリー増幅)で行う。ライブラリー合成は、類似の自己不活性変性プライマー(プライマーK)、異なるDNAポリメラーゼ(特に、MMLV逆転写酵素)を含む。これは、WGAに類似する伸長/鎖置換反応を介して進行するが、RNAテンプレートのフラグメント化を必要としない(しかし、フラグメント化は、所望の場合、平均アンプリコンサイズを減少するために適用され得る)。mRNA分子の3’末端の提示を改善するために、ポリAテールに相補的なプライマーK(T)20(表IIIプライマー19)もまた添加された。ライブラリー合成反応物を構築するために、プライマーを、ポリA+RNAテンプレートにアニールした。アニーリングは、100ngまたは10ngのポリA+RNA、プライマーK(N)[1μM](表IIIプライマー14)およびK(T)20[200nM](表IIIプライマー19)(組み合わせてまたはK(N)[1μM]単独で)、dNTPミックス[1μM ea.]および17μlまでのRNaseを含まない水の混合物を、70℃で5分間、簡単に加熱し、続いて、氷へとすぐに移すことによって促進した。2μlの10×MMLV緩衝液を、最終濃度の75mM KCL、50mM Tris−HCl、3mM MgCl、10mMジチオトレイトール(pH8.3)および1μl(200単位)MMLV逆転写酵素(NEB)に添加することによって、ポリメラーゼ反応を開始した。反応物を混合し、そして1時間42℃でインキュベートした。酵素活性を、95℃で5分間の熱不活性化によって保持した。
10ngの投入RNA(または10ngサンプルの場合、全反応混合物)に対応するWTAライブラリー合成反応物のアリコートを、リアルタイムPCRによってさらに増幅した。PCR反応混合物は、以下を含んだ:1×Titanium Taq反応緩衝液(Clontech)、各200nM dNTP、フルオレセインおよびSyberGreen I(Molecular Probes)の100,000×希釈物、1μM Kプライマー(表IIIプライマー16)、5単位のTitanium Taqポリメラーゼ(Clontech)およびライブリー合成反応物からの投入ポリA+RNAの10ng当量を表す容量(75μlの最終容量)。反応を、リアルタイムPCR I−CyclerTM(Bio−Rad)において、17サイクル(94℃、20秒および65℃、2分)を実行した。投入テンプレートの効果およびPCR増幅に移される引き続く反応容量を、図36に示す。全10ngのライブラリー合成産物は、100ngライブラリー合成反応から取られた10ngと比較して、遅延したリアルタイムPCR反応速度を示す。増幅プロフィール(単回サイクルシフトのみ)のライブラリー調製工程においてRNAの量の適度の効果は、これらのRNA量について入手可能なテンプレートの小さな差異のみを示唆する。
全トランスクリプトーム増殖の1つの特定の適用は、少量のRNA由来のマイクロアレイ発現分析を可能にすることである。伝統的なRNA増幅法は、転写物のmRNAプール内に存在するポリAテールのプライミングを使用する。結果として、今日まで、マイクロアレイ研究は、mRNAの3’末端に偏っていた。本発明と既存のマイクロアレイ標的バイアスとの適合性を増大するために、K(T)20プライマーを使用した。この追加されるプライミングの効果を示すために、各プライマーの存在下および非存在下において増幅を試験した。図37は、10ng ポリA+RNAがライブラリー合成工程のテンプレートとして働く場合のK(T)20の非存在下での2サイクルシフト、およびK(N2)の非存在下での6サイクルシフトを示す。これらのプライマーの合わせた効果は、mRNA分子にわたる均一なプライミングを容易にし、全メッセージにわたる投入RNAのより均一な提示を示す。
得られる増幅ライブラリー産物のアガロースゲル電気泳動分析は、より高い投入テンプレートおよびポリAテール特異的プライミングでの観察されるリアルタイム改善を支持する。図38は、種々のプライマー条件でのこれらのライブラリーの各々から増幅された産物の分子量範囲を示す。ポリAテールおよびランダム内部部位の両方のプライミングの組み合わせは、より大きな産物サイズ範囲にわたるよりしっかりした増幅を生じる。K(T)20プライミングの非存在は、K(N)プライマーの非存在下よりも、性能に対する効果がかなり少なく、これは、各アンプリコンについての第2のユニバーサルプライミング部位を作製しないことによって、増幅に適切な産物を本質的に排除する。100ng投入テンプレートライブラリーは、あまり頻繁でないプライミングまたは単純により多い開始量のより大きなRNA分子を示唆するアンプリマーのより幅広いサイズの分布を示す。
特定のmRNA分子の提示は、種々のレベルの発現におけるRNAサンプルに提示される公知の遺伝子に存在する11個の特異的ヒトSTSマーカー(表IV、STSマーカー:20、31,47、51、86、103、106、110、119、134、140)についてのリアルタイムPCR分析によって評価された。ユニバーサルKプライマーでのPCRによって増幅される材料を、Qiaquickフィルター(Qiagen)を用いて精製し、そして10ngアリコートをリアルタイムPCRで分析した。反応を、25μl容量でI−Cycler(Bio−Rad)で94℃で15秒間および68℃で1分間45サイクルで行った。10ng、1ngおよび0.2ngのフラグメント化ゲノムDNAに対応する標準を、各STSについて使用した。定量化を、各STSについて標準曲線当てはめによった。図39は、これらのSTS部位の提示を示す。選択されるSTS部位の各々は、K(N)プライマーおよびK(T)20プライマーが組み合わされ、100ng投入ライブラリーについての平均性能を幾分改善する場合に観察される認識可能な改善で各条件について表された。
本発明の別の独特の特徴は、特定のmRNA遺伝子座にわたるWTAライブラリー提示に関する。組み合わされた末端および半ランダム内部プライミングが、3’末端に向かう偏り無しで、全RNA分子集団にわたるアンプリコンを生成することを期待し得る。この陳述を立証するために、3つの大きな転写物を、3’末端から種々の距離のSTSプライマー対(表IV STS 42、42a、42b、85、85a、85b、119、119a、119b)を使用して試験した。図40は、これらの遺伝子座についてのWTA増幅のリアルタイムPCR分析を示す。結果は、K(T20)プライマーの含有に起因する3’提示が改善した全ての部位の提示を示す。特定部位増幅における相対的な差異は、特定の配列の増幅の種々のプライミングおよび効率に起因する。これらの結果は、3つのランダムに選択された大きな転写物についての3’末端からの異なる距離での相対的に均一なライブラリー提示を示す。提示は、幅広い範囲のRNA投入テンプレート(100ng〜10ng)から作製されたライブラリー間で一致する。STS 42aの3’末端から1795bpで観察された増幅の、その隣接するより近位の配列およびより遠位の配列(42および42b、表IV)と比較して低いレベルは、特定の領域のWTA増幅が、目的の特定の部位の周りのヌクレオチド配列に大いに依存し得ることを示唆する。ライブラリー間の特定のマーカーの増幅の再現性は、2つのサンプル(すなわち、癌組織対正常組織)間の特定の部位の発現レベルを直接比較する能力を示唆する。
(実施例20.全トランスクリプトーム増幅:投入テンプレートおよびMgCl濃度の滴定)
組織(例えば、生検組織)の体系的なサンプリングおよびレーザー顕微解剖由来のRNAのWTA増幅、またはサンプルが独特のコホート由来のまれな収集物の場合として制限される増幅は、少ない投入テンプレート量由来のしっかりした増幅の必要性を示す。投入テンプレートの許容範囲および最適MgCl濃度を評価するために、正常にプールされた前立腺(CPP,Clontech)からの全RNAを、3mMおよび10mMのMgClにおいて、0.25ng〜10ngで調べた。アニーリングは、10ng、1ng、0.5ngまたは0.25ngのCPP全RNA(Clontech)、プライマーK(N)[1μM](表IIIプライマー14)およびK(T20)[200nM](表III;プラマー19)、dNTPミックス[1μM ea.]およびRNaseを含まない水(17μlまで)の混合物を70℃で5分間簡単に加熱し、続いて、氷にすぐに移すことによって促進した。ライブラリー合成反応は、最終濃度の75mM KCL、50mM Tris−HCl、3mMまたは10mM MgCl、10mMジチオスレイトール(pH8.3)および1μl(200単位)MMLV逆転写酵素(NEB)または1μl(50単位)MMLV逆転写酵素(Epicentre)への2μlの10×MMLV緩衝液の添加によって開始した。反応物を混合し、そして1時間42℃でインキュベートした。酵素活性を、5分間、95℃での熱不活化によって保持した。
ライブラリー合成反応物を、以下を含む反応混合物におけるリアルタイムPCRによって増幅した:1×Titanium Taq反応緩衝液(Clontech)、各200nMのdNTP、フルオレセインおよびSyberGreenI(Molecular Probes)の100,000×希釈物、1μM Kプライマー(表IIIプライマー16)、5単位のTitanium Taqポリメラーゼ(Clontech)および5ng、0.5ng、0.25ngおよび0.125ngの開始テンプレートを表す50%のライブラリー合成反応物(12.5μl)(75μlの最終容量)。反応を、リアルタイムPCR I−CyclerTM(Bio−Rad)で、17〜33サイクル(94℃で20秒、および65℃で2分)で行った。図41は、予期されるテンプレート依存性滴定でのリアルタイム増幅プロフィールを示す。テンプレートの倍加は、1サイクルシフトとして見られる予期される2倍の増加を生じる一方、0.5ng〜5ngの10倍の増加は、予期される10倍(3.4サイクル)シフトよりもすこし多くを与えた。性能における目立つ差異は、2つの緩衝液酵素の組み合わせで観察される。
投入テンプレート濃度および緩衝液条件にわたる提示の変動を評価するために、10ngおよび0.25ngの投入テンプレート量からのサンプルをSTS分析によって評価した。特定のmRNA分子の提示は、種々のレベルの発現におけるRNAサンプルに提示される公知の遺伝子に存在する11個の特異的ヒトSTSマーカー(表IV、STSマーカー:20、31,47、51、86、103、106、110、119、134、140)についてのリアルタイムPCR分析によって評価された。ユニバーサルKプライマーでのPCRによって増幅される材料を、Qiaquickフィルター(Qiagen)を用いて精製し、そして10ngアリコートをリアルタイムPCRで分析した。反応を、25μl容量でI−Cycler(Bio−Rad)で94℃で15秒間および68℃で1分間45サイクルで行った。10ng、1ngおよび0.2ngのフラグメント化ゲノムDNAに対応する標準を、各STSについて使用した。定量化を、各STSについて標準曲線当てはめによった。図42は、アッセイされた遺伝子それぞれの相対量を示す。低い(3mM、NEB)MgCl条件下で0.25ngへ投入物を減らすことは、信頼レベル以下のまれなメッセージの提示を減少する。提示は、リアルタイム増幅反応速度によって予測されるように、増加した(10mM、Epicentre)MgCl2条件で、顕著に増加する。
緩衝系間の差異をさらに調べるために、MgCl濃度の滴定を調べた。正常なプールされた前立腺(CPP,Clontech)10ngから全RNAを、3〜12mMの範囲のMgClにわたって増幅した。アニーリングは、10ngのCPP全RNA(Clontech)、プライマーK(N)[1μM](表IIIプライマー14)およびK(T)20[200nM](表III;プラマー19)、dNTPミックス[1μM ea.]およびRNaseを含まない水(17μlまで)の混合物を70℃で5分間簡単に加熱し、続いて、氷にすぐに移すことによって促進した。ライブラリー合成反応は、最終濃度の75mM KCL、50mM Tris−HCl、3mMまたは1mM増分への補充〜12mM MgCl、10mMジチオスレイトール(pH8.3)および1μl(50単位)MMLV逆転写酵素(Epicentre)への2μlの10×MMLV緩衝液の添加によって開始した。反応物を混合し、そして1時間42℃でインキュベートした。酵素活性を、5分間、95℃での熱不活化によって保持した。ライブラリー合成反応物を、以下を含む反応混合物におけるリアルタイムPCRによってさらに増幅した:1×Titanium Taq反応緩衝液(Clontech)、各200nMのdNTP、フルオレセインおよびSyberGreen I(Molecular Probes)の100,000×希釈物、1μM Kプライマー(表III、プライマー16)、5単位のTitanium Taqポリメラーゼ(Clontech)、および5ngの開始テンプレートを提示する50%の各ライブラリー合成反応物(10μl)(75μlの最終容量)。反応を、リアルタイムPCR I−CyclerTM(Bio−Rad)において、19サイクル(94℃で20秒間、および65℃で2分間で)で実行した。図43は、WTAライブラリー作製に対するMgClの効果を詳細に示すリアルタイムPCR曲線を示す。ライブラリー調製工程の間、6mM〜約12mMのMgCl以上の条件は、最適な反応速度を生じる。MgClは、本発明のWTA適用におけるプライマー結合および鎖置換のレベルをそれ自身で現れ得る塩基対形成に影響することが公知である。当業者は、本発明の特定の適用のための最適な濃度(例えば、テンプレートサイズおよび複雑性のようなパラメーターを含む)を決定し得る。
(実施例21.WTA方法を使用する単鎖核酸テンプレートの優先的増幅)
残留DNAが臨床サンプル中に存在し得る適用において、または全核酸が単離される適用において、同じサンプルからDNAまたはRNAを選択的に増幅する能力は、有利にし得る。この実施例において、WTAプロトコールは、フラグメント化および変性を伴うおよび伴わない、全RNAまたはゲノムDNAのサンプルに適用する。
DNA投入テンプレートおよびRNA投入テンプレートからのWTAライブラリー形成を評価するために、ゲノムDNA(Coriell CEPHゲノムDNA(#7057)または全RNA(Clontech,CPP)の10ngサンプルを、水中6.5μlの最終容量に希釈した。フラグメント化および変性は、95℃で4分間加熱し、氷(4℃)に急に(snap)冷却し、1.5μlの10×MMLV緩衝液(Epicentre)を、最終濃度の75mM KCL、50mM Tris−HCl、10mM MgCl、10mMジチオスレイトール(pH8.3)、プライマーK(N)[1μM](表IIIプライマー14)およびK(T)20[200nM](表III、プライマー19)、dNTPミックス[1μM ea.]およびRNaseを含まない水(14μlまで)に添加し、続いて、95℃まで簡単に2分間加熱し、氷で冷却してプライマーをアニールすることによって行った。フラグメント化も変性もされていないサンプルを、5分間、標準的な70℃処理を受けさせ、続いて、氷(4℃)に急に冷却し、1.5μlの10×MMLV緩衝液(Epicentre)を、最終濃度の75mM KCL、50mM Tris−HCl、10mM MgCl、10mMジチオスレイトール(pH8.3)、プライマーK(N)[1μM](表IIIプライマー14)およびK(T)20[200nM](表III、プライマー19)、dNTPミックス[1μM ea.]およびRNaseを含まない水(14μlまで)に添加した。ポリメラーゼ反応は、1μl(50単位)MMLV逆転写酵素(Epicentre)の添加によって開始した。反応物を混合し、そして23℃で15分間インキュベートし、1時間42℃でインキュベートした。酵素活性を、95℃で5分間の熱不活化によって保持した。
ライブラリー反応物を、以下を含む反応混合物におけるリアルタイムPCRによって増幅した:1×Titanium Taq反応緩衝液(Clontech)、各200nM dNTP、フルオレセインおよびSyberGreen I(Molecular Probes)の100,000×希釈物、1μM Kプライマー(表IIIプライマー16)、5単位のTitanium Taqポリメラーゼ(Clontech)および75μlの最終容量中の全10ngの開始テンプレートを提示する100%のライブラリー反応物(15μl)。反応を、リアルタイムPCR I−CyclerTM(Bio−Rad)において、13〜17サイクル(94℃、20秒および65℃2分)を実行した。図44Aは、各テンプレートからのリアルタイム増幅プロフィールを示す。フラグメント化および変性後にDNAから増幅したライブラリーは、本発明のWGA実施形態に類似のプロフィールを示す。特許請求されるように、MMLVポリメラーゼ活性は、WGAライブリー合成における他のポリメラーゼを効率的に置換し得る。フラグメント化および変性の非存在下において、DNAは、かなり阻害され、増幅において約6サイクルの遅延、または反応に関与するおよそ1%のテンプレートを示す。RNAテンプレートのみが、直接的なアニーリングおよび伸長と比較して、フラグメント化および変性条件の最小の効果のみを示す。これらの反応およびテンプレートの無いコントロール反応のそれぞれにおいて増幅された産物の分子量の差を図44Bに示す。各反応をプラトーに進行させ、そしてアガロースゲル電気泳動によって評価した。DNAテンプレートからのライブラリーフラグメントの分布は、WGA産物について観察された分布と一致する。RNAの熱処理は、ライブラリーフラグメントのサイズ分布を、50〜100塩基対短く移動し、アンプリコンサイズを仕立てる能力を示す。28サイクルの増幅後、200bpを超えるアンプリコンを作製しないテンプレートはなかった。
フラグメント化および変性に基づいてDNAテンプレートとRNAテンプレートとの間を区別する能力は、テンプレートの制御された差示的アクセスを示す。RNA調製物中のDNAの残留微量物を、非変性条件下で、RNAテンプレートに関して約1%効率で増幅する。本明細書中で詳細には示さないが、当該分野で公知なように、Klenow exo−は、テンプレートとしてRNAを利用せず、それによって、複雑な混合物から各核酸集団を選択的に増幅するための方法を提供する。
(実施例22.制限アーカイブされたサンプルまたは臨床サンプルからのDNAライブラリーおよびRNAライブラリーの合成のための全核酸差示的増幅プラットフォーム)
いくつかの遺伝子プロファイリング研究において、ゲノム(DNA)情報および発現(RNA)情報の両方が、評価される組織または細胞の完全な分析を提供するために必要とされる。遺伝子配列、コピー数、および転写配列の効率的な発現における変化が一緒にされる場合のみ、サンプルの完全な分析が達成され得る。多くの場合において、臨床単離物またはアーカイブサンプルは、制限され、そして1つの単離スキームにだけ十分であり得る。ゲノムライブラリーおよび発現ライブラリーの増幅は、本発明を使用する全増幅プラットフォームを介して合理化され得る。
図45は、DNAポメラーゼIのKlenow Exo−フラグメントおよび熱変性核酸(WGA)またはMMLV逆転写酵素および非変性核酸(WTA)と組み合わせて、自己不活性変性プライマーを使用して、全核酸単離物からのDNAおよびRNAの選択的増幅を示す。デバイスを、全核酸調製物からの選択的増幅によって、DNAおよびRNAの分離について図で示す。例えば、この様式で適用されるかまたはミクロ流体プラットフォームにおいて適用される本発明は、DNAおよびRNAの選択的分解または選択的単離よりも選択的増幅を使用し、制限サンプルから核酸の調製と関連するサンプルの損失のような問題を排除する。
(実施例23.標的化されたDNA増幅のためのホモポリマーG/Cタグ化WGAライブラリーの適用)
標的化された増幅は、制限配列情報が利用可能であるか、または既知の領域に隣接する再配列または配列が問題であるゲノムに適用され得る。例えば、トランスジェニック構築物は、ランダム一体化事象によって慣用的に作製される。一体化部位を決定するために、挿入物に存在することが公知の配列からの有向の配列決定またはプライマーウォーキングを適用し得る。本明細書中に記載される発明は、公知領域およびユニバーサルプライマーに特異的なプライマーを使用して、有向の増幅様式で使用され得る。ユニバーサルプライマーは、全体的ライブラーを増幅するその能力において増強され、それによって、特定のプライマーとユニバーサルプライマーとの間で産物の増幅を実質的に支持し、そして全ゲノムライブラリーの増幅を実質的に阻害する。
標的増幅についてのWGAライブラリーの変換は、ホモポリマー末端タグの組み込みを含む。Cテールユニバーサルプライマーでのライブラリーの増幅は、プライマーの5’ポリC伸長成分の長さの依存性を示す。本発明に記載される方法によって調製されるWGAライブラリーは、ポリC伸長プライマーを使用してPCR再増幅による標的増幅のために変換され得る。図46Aは、リアルタイムPCRのポリCの増加する長さで増強される増幅を示す。C15UおよびC20Uについての曲線の減少した傾きは、遅延した反応速度を示し、プライミング効率の減少したテンプレート利用可能性または抑制を示唆する。
ポリCタグ化によって課せられるライブラリーの増幅の抑制を示すために、Qiaquick PCR精製カラム(Qiagen)を使用してライブラリーを精製し、そしてそれぞれのタグの長さに対応するポリCプライマーを用いてPCR増幅に供した。図46Bは、全ゲノム増幅の抑制を反映するリアルタイムPCR結果を示す。短いC10タグ化ライブラリーのみが、適度な増幅能力を保持する一方、C15タグおよびC20タグは、PCRの40サイクル後に完全に抑制されたままである。
(実施例24.多重標的化DNA増幅のためのホモポリマーG/Cタグ化WGAライブラリーの増幅)
タグ化増幅のためのG/Cタグ化ライブラリーの適用は、複数のライブラリーアンプリマーを増幅するために、単一の特定のプライマーを使用する。標的ライブラリーの複雑性は、各特定のプライマーについての富化の相対的レベルを示す。低い複雑性の細菌ゲノムにおいて、単回の選択は、配列決定またはクローニングの目的で本質的に純粋な産物を増幅するために十分であるが、高い複雑性のゲノムにおいて、二次の内部に「ネスト化」標的事象は、最も高いレベルの純度を達成するのに必要であり得る。
CテールユニバーサルUプライマーでの再増幅によって組み込まれるC10タグ化末端でのヒトWGAライブリーを使用して、特定の部位をタグ化し、そして相対的な富化をリアルタイムPCRで評価した。図47Aは、ユニバーサルタグ特異的プライマーC10と組み合わせてまたはC10単独で、連続した一次1°標的化プライマーおよび二次2°標的化プライマーについてリアルタイムPCR増幅からのクロマトグラムを示す。一次増幅において達成されるこの特定の標的化アンプリコンについての富化は、約10,000倍である。ネスト化プライマーでの二次増幅は、開始テンプレートの1,000,000倍の全富化のさらなる2桁の純度近くで富化する。富化レベルがプライマー特異性とともに変動し得る一方、連続的標的化増幅反応に適用される高い特異性のプライマーは、一般的に近い純度に産物を富化するために組み合わせることが当業者に理解される。
多重様式における標的化増幅を適用するために、特定のプライマー濃度を、個々の部位の富化の有意な減少無しに、5分の1(200nMから40nM)に減少した(図47B)。このプライマー濃度の減少によって、45種のプライマーおよびユニバーサルC10プライマーの組合せが、反応許容範囲内の合計プライマー濃度[2μM]を維持し得る。
多重標的化増幅の有用性を評価するために、Oligo Version6.53プライマー分析ソフトウェア(Molecular Biology Insights,Inc.:Cascade CO)を使用して、STS部位(表IV)に隣接する一組のプライマーを設計した。プライマーは、18〜25塩基長であり、高い内部安定性、低い3’末端安定性、および57〜62℃の融点(50mM塩および2mM MgCl)を有する。全ての標準基準(例えば、低いプライマー−ダイマーおよびヘアピン形成)を満たすプライマーを設計し、ヒトゲノムデータベース6−マー頻度表に対してフィルターした。G/Cタグ化WGAライブラリーの一次多重化標的化増幅を、10〜50ngのタグ化WGAライブラリー、それぞれ10〜40nMの45種の特定のプライマー(表VII)、200nM C10プライマー、dNTPミックス、1×PCR緩衝液および1×Titanium Taqポリメラーゼ(Clontech)を使用して実行し、FCD(1:100,000)およびSGI(1:100,000)色素(Molecular Probes)を、I−Cycler(Bio−Rad)を使用して、リアルタイムPCR検出のために添加した。増幅を、サンプルを95℃で3分30秒間、続いて、94℃で20秒、68℃で2分の18〜24サイクルに加熱することによって実行した。反応プラトーへのサイクル数は、絶対的なテンプレート濃度およびプライマー濃度に依存する。増幅される材料を、Qiaquickスピンカラム(Qiagen)によって精製し、そして分光光度計によって定量した。
各部位の富化を、リアルタイムPCRを使用して評価した。定量的リアルタイムPCRを、製造業者の指示に従って、I−Cycler Real−Time Detection System(Bio−Rad)を使用して評価した。簡単に述べると、25μlの反応物を94℃で15秒間、および68℃で1分間の40サイクルで増幅した。10ng、1ngおよび0.2ngのフラグメント化DNAに対応する標準を各STSに使用し、各STSについて標準曲線当てはめ(I−Cyclerソフトウェア、Bio−Rad)によって量を計算し、そして分布としてプロットした。図48Aは、各標的化部位についての相対倍数増幅を示す。部位1および29の一次増幅は、多重反応において増幅せず、一重反応における遅延反応速度を示した(図示せず)。同じデータの分布プロットは、3000倍の平均富化を示す(図48B)。高度に過剰増幅される部位のような富化レベルの差異は、テンプレート上のどこかの偽プライミングから生じるようである。このような変動は、富化されたテンプレートのネスト化増幅の使用で補償される。
二次標的化増幅を、ユニバーサルC10プライマーと組み合わせて、テンプレートとしての一次標的化産物および二次ネスト化プライマー(表VII)を使用して実行した。反応剤濃度および増幅パラメーターは、上記一次増幅と同一であった。多重化二次増幅を、Qiaquickスピンカラム(Qiagen)によって精製し、分光光度計によって定量化した。特定の部位の富化を、製造業者の指示に従って、I−Cycler Real−Time Detection System(Bio−Rad)を使用して、リアルタイムPCRで評価した。簡単に述べると、25μlの反応物を94℃で15秒間、および68℃で1分間の40サイクルで増幅した。10ng、1ngおよび0.2ngのフラグメント化DNAに対応する標準を各STSに使用し、各STSについて標準曲線当てはめ(I−Cyclerソフトウェア、Bio−Rad)によって量を計算し、そして分布としてプロットした。図49Aは、ネスト化増幅後の各標的化部位についての相対存在度を示し、そして図49Bは、頻度に対するデータをプロットする。
この様式で適用される標的化増幅は、多重化PCRに必要とされるプライマーの複雑性減少する。得られるアンプリマーのプールを、配列決定プラットフォームまたは遺伝子型決定プラットフォームで評価し得る。
(実施例25.全ゲノムおよび標的化増幅によって促進される培養不可能または制限種の非冗長ゲノム配列決定)
全ゲノムおよび標的化増幅は、増殖が困難である微生物または既に絶滅した種のゲノムの配列決定のために唯一の機会を提供する。このような仮定DNA配列決定プロジェクトを示す図を、図50に示す。最初に、目的の生物についてのDNAの制限量(図50A)を、上記の任意の方法を使用するかまたは2003年3月7日に出願された米国特許出願60/453,071および同じものに対して優先権を主張しこれと同時に出願された米国非仮特許出願に記載されるように、WGAライブラリーに変換し、そして増幅する(図50B)。第2に、増幅されたWGA DNAの画分を、細菌ベクター(図50C)にクローニングする一方で、増幅されたWGA DNAの別の画分を、Cタグ化WGAライブラリーに変換した(図50D)。第3に、クローン化したDNAを、最小の冗長性で配列決定し(図50E)、標的化配列決定および「ウォーキング」を開始するための十分な配列情報を作製し(図50F)、これは、非冗長配列決定および配列決定プロジェクトの仕上げ後に残る全てのギャップの配列決定を最終的に生じる(図50G)。この概説された戦略は、制限された種の配列決定だけでなく、費用がかかり冗漫で高度に冗長な「ショットガン」法を置換することにより任意の大きなDNA配列決定プロジェクトにおいても使用され得る。
(実施例26.新規核酸増幅方法の汎用性ならびにDNAおよびRNAの異なる供給源とのその適合性、ならびに増幅される材料の分析の異なる方法)
図51に提示される図は、核酸増幅の提案される方法と適合性であるDNAおよびRNAサンプルの多様性、この増幅技術の汎用性、ならびに可能な適用の多様性を示す。
核酸供給源としては、全ての動物(ヒトを含む)、植物、真菌、培養可能および培養不可能な細菌およびウイルス、ならびに琥珀および石内に見出される絶滅種が挙げられるが、これらに限定されない。これらは、任意の新鮮、凍結、またはパラフィン包埋されホルマリン固定された、組織、体液、法医学サンプル、細胞培養物、単一細胞、単一染色体などから単離され得る。
ライブラリー調製工程は、テンプレートとして全核酸を使用し得(図の中心部分に示されるプロトコル、矢印A)、そしてDNAおよびRNAの両方の増幅を生じ得るか、または精製されたDNAを使用し、そして全ゲノムの増幅を生じ得るか(図の左部分に示されるプロトコル、矢印B)、または精製されたRNAを使用し、そして全トランスクリプトームの増幅を生じ得るか(図の右部分に示されるプロトコル、矢印C)、または全核酸および対応する選択方法を使用し、そして全ゲノムの増幅を生じ得るか(図の左部分に示されるプロトコル、矢印D)、または全トランスクリプトームの増幅を生じ得る(図の右部分に示されるプロトコル、矢印E)。
全核酸、DNA、またはRNAから調製および増幅されるライブラリーは、ユニバーサル定常配列の5’末端でポリC領域を組み込むように改変され得る(矢印FおよびG)。Cテールライブラリーは、標的化増幅および特定のゲノム領域またはRNA転写物の分析のために使用され得る。
全核酸、DNA、またはRNAから調製および増幅されるライブラリーは、他のタグを組み込むために改変され得(図19〜25を参照のこと)、そしてID同定、固体支持体またはマイクロアレイ上への固定、あるいは多重使用のために使用され得る(図51に示されない)。
提案される核酸増幅技術の適用としては、小さなDNA/RNAサンプルの遺伝子型決定、遺伝子発現分析、培養不可能または絶滅生物の配列決定、種々の疾患の分子診断、出生前診断、ウイルス/細菌診断、法医学などが挙げられるが、これらに限定されない。
(参考文献)
本明細書中に言及される全ての特許および刊行物は、本発明が関係する当業者の水準を示す。全ての特許および刊行物は、各々の個々の刊行物が具体的に個々に参考として援用されて示されるかのように、同じ程度までその全体が本明細書中で参考として援用される。
(特許)
(刊行物)
本発明およびその利点が詳細に記載されているが、種々の変更、置換および変化が、添付の特許請求の範囲によって規定される発明の精神および範囲から逸脱することなく、ここでなされ得ることが理解されるべきである。さらに、本出願の範囲が、本明細書中に記載されるプロセス、製造、組成物、手段、方法および工程の特定の実施形態に制限されることは意図されない。当業者は、本発明の開示から、本明細書中に記載される対応する実施形態と実質的に同じ機能を実施するかまたは実質的に同じ結果を達成する、現在存在するかまたは後に開発されるプロセス、製造、組成物、手段、方法および工程が、本発明に従って利用され得ることを理解する。従って、添付の特許請求の範囲は、このようなプロセス、機械、製造、組成物、手段、方法または工程を、これらの範囲内で含むことを意図する。
以下の図面は、本明細書の一部を形成し、本発明の特定の局面をさらに示すために含められる。本発明は、本明細書中に示される特定の実施形態の詳細な記載とともに、これらの1以上の図面を参照することによって、よりよく理解され得る。
図1は、自己不活性縮重プライマーを有する既知の配列を組み込み、続いてPCR増幅を行うことによる、全ゲノムおよび全トランスクリプトーム増幅の模式図を示す。破線は、新たに合成される鎖を示す。実線は、既知の配列を示す。 図2は、プライマー−ダイマーを形成するそれらの能力を排除するように設計された例示的自己不活性縮重プライマーの設計の模式図である。 図3A〜3Cは、縮重YN−プライマー(0〜約6個の完全にランダムな塩基(N)を3’末端に、ならびに10個の縮重ピリミジン塩基Yおよび既知のピリミジン配列YUを5’末端に含むプライマー(図2))の自己プライミングおよび伸長の分析を提供する。図3Aにおいて、0個、1個、2個または3個のランダムN塩基を含むYNプライマーを、dNTPありまたはなしで使用した。図3Bにおいて、0、1、2または3個のランダムN塩基を含むYNプライマーおよびモデルテンプレートオリゴヌクレオチド(表III、プライマー9)を使用した。図3Cにおいて、YN−プライマーの自己プライミングを試験した。注:ピリミジン塩基は、Sybr Goldで有効に染色されない。YN−プライマーの完全にランダムな部分(N)内のプリン塩基の存在は、これらのオリゴヌクレオチドの染色の有効性を大きく増大させる。 図4は、0〜6個の完全にランダムな塩基をその3’末端に有する縮重YNプライマーまたはT7プロモーター配列をその5’領域におよび6個の完全にランダムな塩基をその3’末端に含むプライマー(表III、プライマー17)による、DNAポリメラーゼIのクレノウエキソ−フラグメントを用いたヒト全ゲノム増幅におけるプライマー−ダイマー形成についてのアッセイを示す。完全にランダムな塩基(N)の数は、各プライマーの略語の最後に示される。 図5は、DNAポリメラーゼIのクレノウエキソ−フラグメントおよび図4に記載される自己不活性縮重プライマーで合成した全ゲノムライブラリーの5ngのアリコートのリアルタイムPCR増幅を示す。 図6Aおよび6Bは、図4の記載において特定された例示的縮重ピリミジンYNプライマーおよびDNAポリメラーゼIのクレノウエキソ−フラグメントでの全ゲノム増幅後の、30個の例示的なヒトSTSマーカーの代表分析を示す。10ngの増幅DNAを含むアリコートを、STSマーカーのPCR分析のために使用した。図6Aにおいて、0〜3個のランダム3’塩基を有するピリミジンプライマーを、ライブラリー合成工程のために使用し、図6Bにおいて、4〜6個のランダム3’塩基を有するピリミジンプライマーを使用した。完全にランダムな塩基(N)の数は、各プライマーの略語の最後に示される。 図6Aおよび6Bは、図4の記載において特定された例示的縮重ピリミジンYNプライマーおよびDNAポリメラーゼIのクレノウエキソ−フラグメントでの全ゲノム増幅後の、30個の例示的なヒトSTSマーカーの代表分析を示す。10ngの増幅DNAを含むアリコートを、STSマーカーのPCR分析のために使用した。図6Aにおいて、0〜3個のランダム3’塩基を有するピリミジンプライマーを、ライブラリー合成工程のために使用し、図6Bにおいて、4〜6個のランダム3’塩基を有するピリミジンプライマーを使用した。完全にランダムな塩基(N)の数は、各プライマーの略語の最後に示される。 図7は、3’末端にて2つのランダム塩基を有する自己不活性縮重ピリミジンプライマーY(N)を使用する、DNAポリメラーゼIのクレノウエキソ(Klenow Exo)−フラグメントまたはシークエナーゼ(Sequenase)バージョン2で熱によりフラグメント化したヒトゲノムDNAの全ゲノム予備増幅サンプル(5ngアリコート)のリアルタイムPCR増幅を示す。 図8は、図7に関する説明において特定されるような自己不活性縮重ピリミジンプライマーY(N)を使用する、DNAポリメラーゼIのクレノウエキソ−フラグメントまたはシークエナーゼバージョン2で熱によりフラグメント化したヒトゲノムDNAの増幅産物のゲル分析を示す。 図9は、例示的な自己不活性縮重ピリミジンプライマーY(N)およびDNAポリメラーゼIのクレノウエキソ−フラグメントまたはシークエナーゼバージョン2を用いた、全ゲノム増幅後の33個の例示的ヒトSTSマーカーの代表分析を示す。10ngの増幅DNAに対応するアリコートを、STSマーカーのPCR分析に使用した。 図10は、ワトソン−クリック塩基対合に関与しないことが既知の、4つのあり得る塩基対組み合わせを含み、シークエナーゼバージョン2 DNAポリメラーゼを用いたライブラリー合成反応においてそれらの3’末端に2つの完全にランダムな塩基を含む4種の自己不活性縮重プライマーの間の比較を示す。そのライブラリー合成反応の5ngの投入DNAに対応するアリコートの定量リアルタイムPCR増幅が示される。略語は、その自己不活性縮重プライマーの塩基組成を示す。 図11A〜11Eは、図10に対する説明において特定された自己不活性縮重プライマーおよびシークエナーゼバージョン2 DNAポリメラーゼまたは組み合わせサンプル(このサンプル中、別個の縮重プライマーを用いた各等量の4つの個々の反応物を、そのSTSマーカーのPCR増幅前に合わせた)を用いた全ゲノム増幅後の、35個の例示的ヒトSTSマーカーの代表分析を示す。増幅DNAの10ngに対応するアリコートを、STSマーカーのPCR分析に使用した。略語は、その自己不活性縮重プライマーの塩基組成を示す。 図12は、シークエナーゼバージョン2 DNAポリメラーゼおよび自己不活性縮重プライマーY(N)を用いたヒトDNAの全ゲノム増幅における、24℃で60分間の等温インキュベーション、16℃、24℃、および37℃で各20分間の3工程インキュベーション、ならびに16℃、24℃、および37℃で各1分間を19サイクルのサイクリングインキュベーションの間の比較を示す。WGAライブラリー合成反応の投入DNAの5ngに対応するアリコートを、定量リアルタイムPCRにより増幅した。 図13は、図12に対する記載において詳述されるように、自己不活性縮重プライマーY(N)およびシークエナーゼバージョン2 DNAポリメラーゼを用いた全ゲノム増幅後の17個のヒトSTSマーカーの代表分析を示す。増幅DNAの10ngに対応するアリコートを、STSマーカーのPCR分析に使用した。 図14は、シークエナーゼバージョン2 DNAポリメラーゼを用いた、ヒトWGAにおける0.5μM〜33μMの自己不活性縮重プライマーK(N)の滴定を示す。WGAライブラリー合成反応の5ngの投入DNAに対応するアリコートを、定量リアルタイムPCRによって増幅した。 図15は、図14に対する説明において特定されるように、0.5〜10μMの濃度で適用される例示的な自己不活性縮重プラマーK(N)およびシークエナーゼバージョン2 DNAポリメラーゼを用いる全ゲノム増幅後の、17個の例示的ヒトSTSマーカーの代表分析を示す。10ngの増幅DNAに対応するアリコートを、STSマーカーのPCR分析に使用した。定量リアルタイムPCRから得られるDNA量の分布プロットが示される。水平バーは、メジアン値を表す。 図16は、自己不活性縮重プライマーK(N)およびシークエナーゼバージョン2 DNAポリメラーゼを用いたWGA反応における5ng〜100ngの熱によりフラグメント化したゲノムDNAからの滴定を示す。WGAライブラリー合成反応の5ngの投入DNAに対応するアリコートを、定量リアルタイムPCRによって合成した。 図17は、図16に対する説明において特定されるように、自己不活性縮重プライマーK(N)およびシークエナーゼバージョン2 DNAポリメラーゼを用いた5ng〜100ngの間の熱によりフラグメント化したDNAの全ゲノム増幅の後の20個の例示的なヒトSTSマーカーの代表分析を示す。10ngの増幅DNAに対応するアリコートを、STSマーカーのPCR分析に使用した。定量リアルタイムPCRから得られたDNA量の分布プロットが示される。水平バーは、メジアン値を示す。 図18A〜18Cは、IDタグを有する既知のプライマーの構造を示す。図18Aは、3’末端にその既知のプライマー配列Uおよび5’末端に個々のID配列タグTを有する複製可能な既知のプライマーを示す。図18Bは、3’末端に既知のプライマー配列U、5’末端に個々のID配列タグT、およびそれらの末端の間に複製不能な有機リンカーLを有する複製不能な既知のプライマーを示す。図18Cは、複製不能な既知のプライマーで増幅した後のWGAライブラリーにおけるDNAフラグメントの末端の5’突出構造を示す。 図19は、いくつかのライブラリーを混合し、ID特異的PCRによる個々のライブラリーを回収することによる、複製可能な同定(ID)タグを有するWGAライブラリーの合成のプロセスおよびそれらの使用(例えば、安全性および/または秘密保持目的のため)を示す。 図20は、いくつかのライブラリーを混合し、ID特異的ハイブリダイゼーション捕捉による個々のライブラリーを回収することによる、複製不能IDタグを有するWGAライブラリーの合成のプロセスおよびそれらの使用(例えば、安全性および/または秘密保持目的のため)を示す。 図21は、ユニバーサルプライマーC10および独特のプライマーPを使用して、1または複数の特定のゲノム部位の標的化した増幅のためのこれらの改変WGAライブラリーのその後の使用に伴う、そのユニバーサルな既知のプライマー配列Uのそれぞれ、3’末端または5’末端に位置する増幅したWGAライブラリーをさらなるGもしくはC10配列タグを有するライブラリーに変換するプロセスを示す。図21A−TdT酵素を使用する(dG)テールの組み込みによるライブラリータグ化;図21B−長いオリゴヌクレオチドの5’末端にC10配列を有するアダプターの連結によるライブラリータグ化;図21C−その5’末端にC10配列を有する既知のプライマーを使用する、WGAライブラリーの二次的複製によるライブラリータグ化。 図22は、固体支持体上のWGAライブラリーの共有結合による固定化のためのプロセスを示す。 図23A〜23Bは、マイクロ−アレイフォーマットにおけるWGAライブラリーを示す。図22Aは、固体支持体上にそのライブラリーを共有結合することを利用した実施形態を示す。図22Bは、固体支持体にライブラリーを非共有結合することを利用した実施形態を示す。 図24は、その固定化WGAライブラリーが繰り返し使用され得る実施形態を示す。 図25は、複製不能な既知のプライマーおよび磁性ビーズアフィニティー捕捉を利用する、WGA生成物精製の方法を記載する。 図26Aおよび26Bは、本発明において記載される全ゲノム増幅と、DOP−PCR増幅のための市販のキットとの間の比較を示す。ゲノムDNAの5ngおよび20pgのアリコートを、DNAポリメラーゼIのクレノウエキソ−フラグメントおよび1Mの自己不活性縮重プライマーK(N)2、またはDOP PCR MasterTMキット(Roche Molecular Biochemicals)で増幅した。(A)5ng gDNA、20pg gDNA、またはブランクコントロールからのライブラリーについてのリアルタイムPCR増幅曲線。(B)図25Aにおいて増幅された全ゲノムライブラリーから増幅した16個のゲノムSTSマーカーの対数分布プロット。DNAポリメラーゼIのクレノウエキソ−フラグメントおよび自己不活性縮重プライマーK(N)での増幅は、DOP PCRと比較して、感度およびゲノムマーカーの表示(representation)の両方において優れていた。 図27は、血清分離チューブに収集された血清から単離されたDNAから生成されたライブラリーの増幅曲線を示す。その増幅を、17サイクルにわたって行った。 図28Aおよび28Bは、血清DNAからの増幅生成物の分析を示す。図28Aは、血清DNA(右)および増幅生成物(左)両方のゲル分析である。出発血清DNAおよび増幅材料の両方は、200bp〜1.6kbのサイズ範囲を示し、これは、その増幅材料が、血清から単離されたDNAと同じサイズ分布を維持していることを示す。図28Bは、血清DNAからの増幅生成物における8個のSTS部位のリアルタイムSTS分析である。そのグラフ全体を横切る実線は、光学密度に基づくSTSアッセイに付加されるDNA量、および8個のSTS部位の平均値の両方を示す。短い線は、リアルタイムPCR分析により得られた8個のSTS部位のメジアン値を示す。全ての8個の部位は、その平均増幅の5倍以内で示された。 図29は、本発明の方法による単一の血液有核細胞の増幅を示す。 図30は、本発明の方法による単一の精子細胞の増幅を示す。 図31は、本明細書に記載される方法の例示的な法医学的適用のための毛包サンプルの希釈物を示す。 図32は、単一のコピー染色体の増幅を示す。 図33は、全ゲノム増幅によって生成された、単一細胞DNAに由来するその増幅されたDNAのマイクロアレイハイブリダイゼーション分析を示す。 図34は、細胞(例えば、癌細胞)を検出および分析するための単一細胞DNAアレイを例示する。 図35は、XO、XX、およびXXXの既知の異数体の患者DNAから合成されたWGAライブラリーにおける遺伝子座コピー数値を評価するために、2つのX染色体特異的プライマー対を使用するリアルタイムPCR増幅を示す。パネルAおよびCは、5個の個々の増幅の各々からの曲線を示す。パネルBおよびDは、三連で試験した5つのライブラリーの混合物を示し、これは、WGAライブラリーにおけるコピー数情報の維持を示す。 図36は、自己不活性縮重プライマーK(N)およびMMLV逆転写酵素を使用する、ヒトBリンパ球RNAからの10ngおよび100ngから調製されたWTAライブラリーのリアルタイムPCR増幅を示す。増幅プロフィールは、100ngの投入テンプレートと10ngの投入テンプレートとの間の1サイクル差について示す。 図37は、2つの異なる自己不活性プライマーK(N)およびK(T20)ならびにこれらの組み合わせで調製したWTAライブラリーのリアルタイムPCR増幅を示す。有意な改善は、K(N)およびK(T20)の組み合わせが使用される場合に観察された。 図38は、増幅WTAライブラリーのゲル電気泳動分析を示す。蛍光トランスイルミネーション(fluorescence transilumination)(Fluor−S,Bio−Rad)により可視化されたエチジウムブロミド染色の観察されたパターンは、ライブラリー合成において投入RNAの量を変化させることから、および利用されるプライマーの組み合わせを変化させることから生じるフラグメントサイズおよび強度の範囲を示す。100ngの投入RNAは、プライマーK(T20)の有意な影響なく、より大きな生成物を生じる。10ngの投入RNAからのライブラリーは、一般に、より小さな増幅生成物を生じ、K(T20)プライマーの添加による有意な改善を示す。 図39は、増幅WTAライブラリーの定量リアルタイムPCR分析を提供する。そのプロットは、ヒトSTSマーカーに対応する11個の部位の分析を示す。各カラムにおける長い棒は、平均値を示す一方で、短い棒は、メジアン値を示す。10ngにおける線は、各アッセイにおいて添加された、分光光度分析による増幅DNAの量を示す。11個の部位全てが、各サンプル中で検出され、このことは、全ての部位が、全てのサンプル中で効率的に増幅されたことを示す。これら11個のマーカーの代表は、K(N2)の100ngライブラリーとK(N2)+K(T20)の100ngライブラリーとの間で類似である。その分布は、100ngライブラリーよりも10ngライブラリーでより広く、10ngのK(N2)ライブラリーの分布は、10ngのK(N2)+K(T20)のライブラリーよりもわずかに広い。 図40は、ヒトSTSマーカーを使用して、3’末端から3つの異なる距離における3つの例示的に発現されたmRNA遺伝子座のリアルタイムPCR分析の結果を例示する。各STSについてのmRNAに長さは、STS42については6,642bpであり、STS85については3,100bpであり、STS119については9,301bpである。STS42遺伝子座の3’末端からの距離は、1,087bp、1,795bp、および5,835bpである。STS85遺伝子座についての3’末端からの距離は、77bp、1,331bp、および1,827bpである。STS119遺伝子座についての3’末端からの距離は、1,834bp、3,746bp、および5,805bpである。結果は、K(N)ライブラリー合成プライマーまたはK(N)+K(T20)ライブラリー合成プライマーのいずれかを有する、100ngおよび10ngの投入ライブラリーについて示される。特定の転写物に沿った異なる長さでのWTAライブラリーについてのマーカー配列の代表は、異なる量のRNAから作製されたライブラリーの間で一致した結果を示し、K(T20)の付加とともに、3’提示におけるわずかな改善のみを示す。 図41は、投入テンプレートのリアルタイムPCR分析の結果、ならびにRNA依存性DNAポリメラーゼ、逆転写酵素とともに代表的に使用される2種の主要なMgCl濃度を例示する。 図42は、図41において記載されるサンプルのサブセット内のそれらの相対量についてのリアルタイムPCRによって分析される特定の部位の得られる代表を示す(10ngおよび0.25ngの投入テンプレート;3mMおよび10mMのMgCl濃度)。このような実験の代表であるように、より強く増幅するサンプルはまた、特定の部位のより良好な代表を示す。 図43は、総RNAのWTA増幅に対するMgCl濃度の効果を示す。一定の10ngテンプレートRNAを使用すると、そのMgCl濃度は、3mM〜12mMの範囲にわたって変化した。これらの反応条件下でのWTA実行において、明らかな依存性が認められ、最適な増幅性能は、6mM〜10mMの間で起こる。 図44は、変性ありまたは変性なしのDNAまたはRNAのいずれかを使用する、WTAライブラリー合成における一本鎖テンプレートの選択的増幅を示す。パネルAは、これらのライブラリーの増幅のリアルタイムPCR曲線を示す。パネルBは、エチジウムブロミド染色した、0.8%アガロースゲルで泳動させた得られた生成物を示す。わずか約1%のDNAサンプルが、変性なしのライブラリー増幅因子(amplimer)に変換され得るが、変性は、RNAテンプレートに対して影響をほとんど及ぼさない。 図45は、DNAポリメラーゼIのクレノウエキソ−フラグメントと熱変性核酸(WGA)またはMMLV逆転写酵素と非変性核酸(WTA)、ならびに総核酸調製物からの選択的増幅によるDNAおよびRNAの単離のための推測デバイス(hypothetical device)を組み合わせて、自己不活性縮重プライマーを使用する総核酸単離物からのDNAおよびRNAの選択的増幅の原理を例示する。 図46Aおよび46Bは、合成されたWGAライブラリーの増幅に対するポリCタグの阻害効果を示す。図46Aは、重合により組み込まれる異なる長さのポリCタグのリアルタイムPCR増幅クロマトグラムを示す。図46Bは、対応するポリCプライマーで増幅されたCタグ化ライブラリーの増幅の遅延した反応速度論または抑制を示す。 図47Aおよび47Bは、特定のプライマーおよびユニバーサルC10タグプライマーを使用する標的化増幅のリアルタイムPCRを示す。パネルAは、上記の投入テンプレート濃度の組み合わせ富化による一次的な特定のプライマーおよび二次的な特定のプライマーでの逐次的なシフトを示す。図47Bは、選択的増幅に対する特異的プライマー濃度の効果を示す。リアルタイムPCR曲線は、プライマー濃度に対する特定の富化の勾配を示す。 図48Aおよび48Bは、多重化した標的化増幅における各独特の一次オリゴヌクレオチドについての個々の特異的部位富化を詳細に示す。図48Aは、等量の出発テンプレートに対する各部位についての富化の値を示す一方で、図48Bは、増幅の頻度のヒストグラムと同じデータを示す。 図49Aは、45個の複数の特異的プライマーについての二次的な「ネスト化」リアルタイムPCRの結果の分析を示す。富化は、出発テンプレートに対する、倍数増幅として表され、100,000倍〜1,000,000倍を超える範囲である。図49Bは、45個全ての多重部位に対する分布頻度を示す。 図50は、限定された出発物質から合成されたタグ化ライブラリーを用いた全ゲノム配列決定プロジェクトの模式図を示す。ライブラリーは、クローニングアプローチのための基質として、かつギャップ充填およびプライマーウォーキング(primer walking)のための指向性配列決定テンプレートのCタグ化フォーマットへの変換を介して機能し得る増幅可能なフォーマットにおいて貴重なまたは稀なサンプルを回収する手段を提供する。 図51は、本発明の核酸増幅方法の普遍性ならびにDNAまたはRNAの異なる供給源および増幅材料のためのあり得る適用の多様性との適合性を例示するダイアグラムである。

Claims (242)

  1. 核酸分子を調製する方法であって、以下:
    少なくとも1つの核酸分子を取得する工程;
    複数のプライマーに対して該核酸分子を供して核酸分子/プライマー混合物を形成する工程であって、ここで該プライマーが、実質的に自己非相補的でありそして該複数の中のプライマーに対して実質的に非相補的である核酸配列を含み、ここで該配列が5’から3’方向に定常領域および可変領域を含む、工程;ならびに
    該核酸分子/プライマー混合物をポリメラーゼに供する工程であって、該供する工程が各々の末端に定常領域の全てまたは一部を含む複数の分子を生成する条件下である、工程、
    を包含する、方法。
  2. 前記核酸分子が一本鎖核酸分子である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記一本鎖核酸分子がDNA、RNA、またはDNA−RNAキメラである、請求項2に記載の方法。
  4. 前記核酸分子が二本鎖核酸分子である、請求項1に記載の方法。
  5. 前記二本鎖核酸分子がDNA、RNA、またはDNA−RNAキメラである、請求項4に記載の方法。
  6. 前記核酸分子が一本鎖核酸分子および二本鎖核酸分子の混合物である、請求項1に記載の方法。
  7. 前記一本鎖核酸分子がRNAでありそして前記二本鎖核酸分子がDNAである、請求項6に記載の方法。
  8. 複数のプライマーが実質的に自己非相補的でありそして該複数の中の他のプライマーに対して実質的に非相補的であることを意図して、該複数のプライマーを設計する工程をさらに包含する、請求項1に記載の方法。
  9. 前記方法が、定常領域の全てまたは一部を含む複数の分子を増幅して、増幅された分子を生成する工程をさらに包含する、請求項1に記載の方法。
  10. 前記増幅する工程がポリメラーゼ連鎖反応を包含する、請求項9に記載の方法。
  11. 前記定常領域および可変領域がそれぞれ、同一の2つの非相補的なヌクレオチドからなる、請求項1に記載の方法。
  12. 前記定常領域および可変領域がそれぞれ、グアニン、アデニンまたはその両方からなる、請求項11に記載の方法。
  13. 前記定常領域および可変領域がそれぞれ、シトシン、チミジンまたはその両方からなる、請求項11に記載の方法。
  14. 前記定常領域および可変領域がそれぞれ、アデニン、シトシンまたはその両方からなる、請求項11に記載の方法。
  15. 前記定常領域および可変領域がそれぞれ、グアニン、チミジンまたはその両方からなる、請求項11に記載の方法。
  16. 前記定常領域が約6〜約100ヌクレオチドを含む、請求項11に記載の方法。
  17. 前記可変領域が約4ヌクレオチド〜約20ヌクレオチドを含む、請求項11に記載の方法。
  18. 前記プライマーがさらに、その遠位3’末端の0〜約3個のランダムな塩基からなる、請求項11に記載の方法。
  19. 前記定常領域および可変領域がそれぞれ、グアニンおよびチミジンからなり、そして前記ポリヌクレオチドが遠位3’末端に0個、1個、2個または3個のランダムな塩基を含む、請求項11に記載の方法。
  20. 前記ヌクレオチドが塩基アナログまたは骨格アナログである、請求項11に記載の方法。
  21. 前記ポリメラーゼが鎖交換性ポリメラーゼである、請求項1に記載の方法。
  22. 請求項21に記載の方法であって、ここで、前記鎖交換性ポリメラーゼが、φ29ポリメラーゼ、Bstポリメラーゼ、Ventポリメラーゼ、9°Nmポリメラーゼ、DNAポリメラーゼIのクレノウフラグメント、MMLV逆転写酵素、AMV逆転写酵素、Tth DNAポリメラーゼ、ヒトHIV逆転写酵素、3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を欠損した変異型T7ファージDNAポリメラーゼ、またはこれらの混合物である、方法。
  23. 前記鎖交換性ポリメラーゼがクレノウ Exoである、請求項22に記載の方法。
  24. 前記鎖交換性ポリメラーゼが3’−−>5’エキソヌクレアーゼ活性を欠損した変異型T7ファージDNAポリメラーゼである、請求項22に記載の方法。
  25. 前記鎖交換性ポリメラーゼがMMLV逆転写酵素である、請求項22に記載の方法。
  26. 前記方法が、前記核酸分子/プライマー混合物を、ポリメラーゼ連続移動性増強化合物に供する工程をさらに包含する、請求項1に記載の方法。
  27. 前記化合物が一本鎖化DNA結合性タンパク質またはヘリカーゼである、請求項26に記載の方法。
  28. 前記混合物をポリメラーゼに供する工程が、GC−リッチなDNAおよび/またはRNAを介した重合反応を促進する1つ以上の薬剤の存在下で起こる、請求項1に記載の方法。
  29. 前記薬剤がジメチルスルホキシド(DMSO)、7−デアザ−dGTP、またはそれらの混合物を含む、請求項28に記載の方法。
  30. 前記増幅する工程が、GC−リッチなDNAを介した重合反応を促進する1つ以上の薬剤の存在下で起こる、請求項9に記載の方法。
  31. 前記薬剤がDMSO、7−デアザ−dGTP、ベタイン、またはそれらの混合物を含む、請求項30に記載の方法。
  32. 前記複数のプライマーの各々が同一の定常領域を含む、請求項1に記載の方法。
  33. 2つ以上の定常領域が複数のプライマーの混合物中に示される、請求項1に記載の方法。
  34. 請求項9に記載の方法であって、ここで前記方法が以下の工程:
    増幅された分子を修飾して修飾ヌクレオチド塩基を組み込み、これによって標識化分子を生成する工程であって、該増幅された分子がさらに一本鎖DNA分子、二本鎖DNA分子、またはそれらの混合物として規定される、工程;
    該標識化分子から一本鎖分子を生成する工程であって、該一本鎖分子が基材上の既知の位置に整列された相補的配列にハイブリダイズし得る、工程;および
    少なくとも1つのハイブリダイゼーション信号を分析する工程、
    をさらに包含する、方法。
  35. 前記修飾する工程が修飾ヌクレオチド塩基の化学的組み込み、酵素的組み込みまたは物理的組み込みを包含する、請求項34に記載の方法。
  36. 前記修飾塩基が放射性または蛍光性である、請求項34に記載の方法。
  37. 前記生成する工程が、前記二本鎖分子の変性を含む、請求項34に記載の方法。
  38. 前記基材がマイクロアレイ基材を含む、請求項34に記載の方法。
  39. 前記分析する工程が、少なくとも1つのハイブリダイゼーション信号のバックグラウンドを差し引いた強度を測定する工程を包含する、請求項34に記載の方法。
  40. 前記分析する工程が、増幅されたライブラリーのコピー数、代表物またはその両方の測定を含む、請求項34に記載の方法。
  41. 前記増幅された分子の末端にタグが取り込まれ、そして該増幅された分子の各々の末端の該タグに対して前記定常領域が末端から2番目である、請求項9に記載の方法。
  42. 前記タグがホモポリマー性配列である、請求項41に記載の方法。
  43. 前記ホモポリマー性配列がポリシステイン(ポリC)またはポリグアニン(ポリG)を含む、請求項42に記載の方法。
  44. ホモポリマー性ポリGの組み込みが末端デオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ活性を含む、請求項43に記載の方法。
  45. ホモポリマー性のポリGまたはポリCの組み込みが、前記増幅された分子の末端に対する、該ホモポリマー性のポリGまたはポリCを含むアダプターのライゲーションを含む、請求項43に記載の方法。
  46. ホモポリマー性ポリCの組み込みがDNAポリメラーゼを用いて増幅された分子を複製する工程を包含し、該複製する工程が5’から3’方向において:
    ホモポリマー性ポリC;および
    定常領域
    を含むプライマーを利用する、請求項43に記載の方法。
  47. ホモポリマー性ポリCを含む増幅された分子が、核酸分子中の所望の配列およびポリCに対して相補的なプライマーを使用してさらに増幅される、請求項43に記載の方法。
  48. 少なくともいくつかの増幅されたDNAが、配列決定、ハイブリダイゼーションまたはその両方にさらに供される、請求項47に記載の方法。
  49. ホモポリマー性配列ポリCを含む増幅された分子が、核酸分子中の異なる所望の配列およびポリCプライマーに対して相補的であるプライマーの混合物を用いてさらに増幅される、請求項43に記載の方法。
  50. いくつかの増幅された所望のDNA分子の混合物が、配列決定、ハイブリダイゼーションまたはその両方にさらに供される、請求項49に記載の方法。
  51. DNA分子を増幅する方法であって、以下:
    少なくとも1つの二本鎖DNA分子または一本鎖DNA分子を取得する工程;
    該二本鎖DNA分子を加熱に供して、少なくとも1つの一本鎖DNA分子を生成する工程;
    該一本鎖DNA分子を複数のプライマーに供してDNA分子/プライマー混合物を形成する工程であって、ここで該プライマーが実質的に自己非相補的でありそして該複数の中の他のプライマーに対して実質的に非相補的である核酸配列を含み、ここで該配列が5’から3’方向に定常領域および可変領域を含む、工程;
    該DNA分子/プライマー混合物をポリメラーゼに供する工程であって、該供する工程が各々の末端に該定常領域を含む複数のDNA分子を生成する条件下である、工程;ならびに
    ポリメラーゼ連鎖反応を介して該複数のDNA分子を増幅する工程であって、該反応が該定常領域に対して相補的なプライマーを利用する、工程
    を包含する、方法。
  52. 前記DNA分子がゲノムDNAを含むようにさらに規定される、請求項51に記載の方法。
  53. 前記DNA分子がヒトサンプルから取得される、請求項51に記載の方法。
  54. 前記サンプルが血液、血清または血漿を含む、請求項53に記載の方法。
  55. 前記サンプルが生検材料を含む、請求項53に記載の方法。
  56. 前記サンプルが1つの細胞を含む、請求項53に記載の方法。
  57. 前記サンプルが、毛包、乳頭吸引物、精液、脳脊髄液、尿、痰、唾液、気管洗浄物、子宮洗浄物、便、汗、頬擦過標本、免疫沈降されたクロマチン、物理的に単離されたクロマチン、またはホルマリン固定化組織を含む、請求項53に記載の方法。
  58. 前記ポリメラーゼが鎖交換性ポリメラーゼである、請求項51に記載の方法。
  59. 請求項58に記載の方法であって、ここで、前記鎖交換性ポリメラーゼが、φ29ポリメラーゼ、Bstポリメラーゼ、Ventポリメラーゼ、9oNmポリメラーゼ、DNAポリメラーゼIのクレノウフラグメント、MMLV逆転写酵素、AMV逆転写酵素、Tth DNAポリメラーゼ、ヒトHIV逆転写酵素、3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を欠損した変異型T7ファージDNAポリメラーゼ、またはこれらの混合物である、方法。
  60. 前記鎖交換性ポリメラーゼがクレノウ Exoである、請求項59に記載の方法。
  61. 前記鎖交換性ポリメラーゼが3’−−>5’エキソヌクレアーゼ活性を欠損した変異型T7ファージDNAポリメラーゼである、請求項59に記載の方法。
  62. 前記鎖交換性ポリメラーゼがMMLV逆転写酵素である、請求項59に記載の方法。
  63. 前記方法が、前記核酸分子/プライマー混合物を、ポリメラーゼ連続移動性増強化合物に供する工程をさらに包含する、請求項51に記載の方法。
  64. 前記化合物が一本鎖DNA分子結合タンパク質またはヘリカーゼである、請求項63に記載の方法。
  65. 前記ポリメラーゼに供する工程が、GC−リッチなDNAを介した重合反応を促進することが公知の添加物の存在下で起こる、請求項51に記載の方法。
  66. 前記添加物がDMSO、7−デアザ−dGTP、またはそれらの混合物を含む、請求項65に記載の方法。
  67. 前記増幅する工程が、GC−リッチなDNAを介した重合反応を促進する1つ以上の薬剤の存在下で起こる、請求項51に記載の方法。
  68. 前記薬剤がDMSO、7−デアザ−dGTP、ベタイン、またはそれらの混合物を含む、請求項67に記載の方法。
  69. 前記サンプルから調製された核酸分子がゲノムのコピー数情報を提供する、請求項53に記載の方法。
  70. 前記サンプルから調製された核酸分子がゲノム配列情報を提供する、請求項53に記載の方法。
  71. 前記サンプルから調製された核酸分子が対立遺伝子の多様性の情報を提供する、請求項53に記載の方法。
  72. 前記サンプルから調製された核酸分子が、疾患の検出、モニタリングおよび/または処置のための情報を提供する、請求項53に記載の方法。
  73. 前記サンプルから調製された核酸分子が、癌の検出、モニタリングおよび/または処置のための情報を提供する、請求項53に記載の方法。
  74. RNA分子を増幅する方法であって、以下:
    少なくとも1つのRNA分子を取得する工程;
    必要に応じて、分子を加熱して、少なくとも1つの一本鎖RNA分子を生成する工程;
    一本鎖RNA分子を複数のプライマーに供して、RNA分子/プライマー混合物を形成する工程であって、ここで該プライマーが実質的に自己非相補的でありそして該複数の中の他のプライマーに対して実質的に非相補的である核酸配列を含み、ここで該配列が5’から3’方向に定常領域および可変領域を含む、工程;
    該RNA分子/プライマー混合物をポリメラーゼに供する工程であって、該供する工程が各々の末端に該定常領域を含む複数のDNA分子を生成する条件下である、工程;ならびに
    ポリメラーゼ連鎖反応を介して該複数のDNA分子を増幅する工程であって、該反応が該定常領域に対して相補的なプライマーを利用する、工程
    を包含する、方法。
  75. 前記RNA分子がサンプルから取得される、請求項74に記載の方法。
  76. 前記サンプルが全細胞内RNA、トランスクリプトームまたはその両方を含む、請求項75に記載の方法。
  77. 前記サンプルが1つ以上のウイルスから取得される、請求項75に記載の方法。
  78. 前記サンプルが1つ以上の細菌から取得される、請求項75に記載の方法。
  79. 前記サンプルが動物細胞、細菌および/またはウイルスの混合物から取得される、請求項75に記載の方法。
  80. 前記サンプルがヒトから取得される、請求項75に記載の方法。
  81. 前記サンプルが血液、血清または血漿を含む、請求項80に記載の方法。
  82. 前記サンプルが、毛包、乳頭吸引物、精液、脳脊髄液、尿、痰、唾液、気管洗浄物、子宮洗浄物、便、汗、頬擦過標本、免疫沈降されたクロマチン、物理的に単離されたクロマチン、またはホルマリン固定化組織を含む、請求項80に記載の方法。
  83. 前記サンプルが1つの細胞を含む、請求項80に記載の方法。
  84. 前記サンプルがmRNAを含む、請求項80に記載の方法。
  85. 前記mRNAが親和性捕捉によって取得される、請求項84に記載の方法。
  86. 前記ポリメラーゼが逆転写酵素である、請求項74に記載の方法。
  87. 前記逆転写酵素が、Tth DNAポリメラーゼ、AMV逆転写酵素、MMLV逆転写酵素、HIV逆転写酵素、またはこれらの混合物である、請求項86に記載の方法。
  88. 前記逆転写酵素がMMLV逆転写酵素である、請求項86に記載の方法。
  89. 前記方法が、前記核酸分子/プライマー混合物をポリメラーゼ連続移動性増強化合物に供する工程をさらに包含する、請求項74に記載の方法。
  90. 前記化合物が一本鎖DNA結合性タンパク質もしくは一本鎖化RNA分子結合性タンパク質またはヘリカーゼである、請求項89に記載の方法。
  91. 前記ポリメラーゼに混合物を供する工程が、GC−リッチなRNAを介した重合反応を促進する1つ以上の薬剤の存在下で起こる、請求項74に記載の方法。
  92. 前記薬剤がDMSO、7−デアザ−dGTP、またはそれらの混合物を含む、請求項91に記載の方法。
  93. 前記増幅する工程が、GC−リッチなDNAを介した重合反応を促進する1つ以上の薬剤の存在下で起こる、請求項74に記載の方法。
  94. 前記薬剤がDMSO、7−デアザ−dGTP、ベタイン、またはそれらの混合物を含む、請求項93に記載の方法。
  95. 前記サンプルから調製された核酸分子が遺伝子発現情報を提供する、請求項80に記載の方法。
  96. 前記サンプルから調製された核酸分子が遺伝子配列情報を提供する、請求項80に記載の方法。
  97. 前記サンプルから調製された核酸分子がエクソン対立遺伝子の多様性の情報を提供する、請求項80に記載の方法。
  98. 前記サンプルから調製された核酸分子が、疾患の検出、モニタリングおよび/または処置のための情報を提供する、請求項80に記載の方法。
  99. 前記サンプルから調製された核酸分子が、癌の検出、モニタリングおよび/または処置のための情報を提供する、請求項80に記載の方法。
  100. 少なくとも1つのmRNA分子から生成されたDNA分子を増幅する方法であって、以下:
    該mRNA分子からcDNA分子を取得する工程;
    cDNA分子を改変して、少なくとも1つのssDNA分子を生成する工程;
    該ssDNA分子を複数のプライマーに供してssDNA分子/プライマー混合物を形成する工程であって、ここで該プライマーが実質的に自己非相補的でありそして該複数の中の他のプライマーに対して実質的に非相補的である核酸配列を含み、ここで該配列が5’から3’方向に定常領域および可変領域を含む、工程;
    該ssDNA分子/プライマー混合物をポリメラーゼに供する工程であって、該供する工程が各々の末端に該定常領域を含む複数のDNA分子を生成する条件下である、工程;ならびに
    ポリメラーゼ連鎖反応を介して各々の末端に該定常領域を含む複数のDNA分子を増幅する工程であって、該反応が該定常領域に対して相補的なプライマーを利用する、工程
    を包含する、方法。
  101. 前記mRNAがヒトサンプルから取得される、請求項100に記載の方法。
  102. 前記ヒトサンプルが生検材料を含む、請求項101に記載の方法。
  103. 前記サンプルが1つの細胞を含む、請求項101に記載の方法。
  104. 前記サンプルが、毛包、乳頭吸引物、精液、脳脊髄液、尿、痰、唾液、気管洗浄物、子宮洗浄物、便、汗、頬擦過標本、免疫沈降されたクロマチン、物理的に単離されたクロマチン、またはホルマリン固定化組織を含む、請求項101に記載の方法。
  105. 前記取得する工程が、逆転写酵素を用いてmRNA分子を逆転写することによるcDNA分子の生成を含むようさらに規定される、請求項100に記載の方法。
  106. 前記逆転写酵素が、Tth DNAポリメラーゼ、AMV逆転写酵素、MMLV逆転写酵素、ヒトHIV逆転写酵素、またはこれらの混合物である、請求項105に記載の方法。
  107. 前記方法が、前記核酸分子/プライマー混合物をポリメラーゼ連続移動性増強化合物に供する工程をさらに包含する、請求項100に記載の方法。
  108. 前記化合物が一本鎖DNA分子結合タンパク質、ヘリカーゼまたはそれらの混合物である、請求項107に記載の方法。
  109. 前記ポリメラーゼに混合物を供する工程が、GC−リッチなDNAを介した重合反応を促進する1つ以上の薬剤の存在下で起こる、請求項100に記載の方法。
  110. 前記薬剤がDMSO、7−デアザ−dGTP、またはそれらの混合物を含む、請求項109に記載の方法。
  111. 前記増幅する工程が、GC−リッチなDNAを介した重合反応を促進する薬剤の存在下で起こる、請求項100に記載の方法。
  112. 前記薬剤がDMSO、7−デアザ−dGTP、ベタイン、またはそれらの混合物を含む、請求項111に記載の方法。
  113. 前記サンプルから調製された核酸分子が遺伝子発現情報を提供する、請求項101に記載の方法。
  114. 前記サンプルから調製された核酸分子が遺伝子配列情報を提供する、請求項101に記載の方法。
  115. 前記サンプルから調製された核酸分子がエクソン対立遺伝子の多様性の情報を提供する、請求項101に記載の方法。
  116. 前記サンプルから調製された核酸分子が、疾患の検出、モニタリングおよび/または処置のための情報を提供する、請求項101に記載の方法。
  117. 前記サンプルから調製された核酸分子が、癌の検出、モニタリングおよび/または処置のための情報を提供する、請求項101に記載の方法。
  118. DNAおよびRNAの混合物を含むサンプルから総ての核酸を取得する方法であって、以下:
    DNAおよびRNAの混合物を提供する工程;
    必要に応じて、二本鎖核酸を変性させる温度に該混合物を加熱する工程;ならびに
    一本鎖DNAおよび一本鎖RNAの両方を複製するポリメラーゼに該混合物を供する工程
    を包含する、方法。
  119. 前記方法が本質的に、前記提供する工程、必要に応じて加熱する工程、および供する工程からなる、請求項118に記載の方法。
  120. 請求項118に記載の方法であって、ここで前記供する工程が、以下:
    前記混合物を複数のプライマーに供して核酸/プライマー混合物を形成する工程であって、ここで該プライマーが実質的に自己非相補的でありそして該複数の中の他のプライマーに対して実質的に非相補的である核酸配列を含み、ここで該配列が5’から3’方向に定常領域および可変領域を含む、工程;
    該核酸/プライマー混合物をDNAおよびRNAの両方を効率的に複製するポリメラーゼに供する工程であって、該供する工程が各々の末端に一定の核酸配列を含む複数のDNA分子を生成する条件下である、工程;ならびに
    ポリメラーゼ連鎖反応を介して各々の末端に該定常領域を含む複数のDNA分子を増幅する工程であって、該反応が該定常領域に対して相補的なプライマーを利用する、工程
    としてさらに規定される、方法。
  121. 前記ポリメラーゼが逆転写酵素である、請求項118に記載の方法。
  122. 前記逆転写酵素が、Tth DNAポリメラーゼ、AMV逆転写酵素、MMLV逆転写酵素、HIV逆転写酵素、またはこれらの混合物である、請求項121に記載の方法。
  123. 前記逆転写酵素がMMLV逆転写酵素である、請求項122に記載の方法。
  124. 前記サンプルがヒト由来である、請求項118に記載の方法。
  125. 前記サンプルが血液、血清または血漿を含む、請求項124に記載の方法。
  126. 前記サンプルが、毛包、乳頭吸引物、精液、脳脊髄液、尿、痰、唾液、気管洗浄物、子宮洗浄物、便、汗、頬擦過標本、免疫沈降されたクロマチン、物理的に単離されたクロマチン、またはホルマリン固定化組織を含む、請求項124に記載の方法。
  127. 前記サンプルが1つの細胞を含む、請求項124に記載の方法。
  128. 前記方法が、前記核酸分子/プライマー混合物をポリメラーゼ連続移動性増強化合物に供する工程をさらに包含する、請求項118に記載の方法。
  129. 前記化合物が一本鎖DNA分子結合タンパク質またはRNA結合性タンパク質またはヘリカーゼである、請求項128に記載の方法。
  130. 前記ポリメラーゼに混合物を供する工程が、GC−リッチなDNAまたはRNAを介した重合反応を促進する1つ以上の薬剤の存在下で起こる、請求項120に記載の方法。
  131. 前記薬剤がDMSO、7−デアザ−dGTP、またはそれらの混合物を含む、請求項130に記載の方法。
  132. 前記増幅する工程が、GC−リッチなDNAを介した重合反応を促進する1つ以上の薬剤の存在下で起こる、請求項120に記載の方法。
  133. 前記薬剤がDMSO、7−デアザ−dGTP、ベタイン、またはそれらの混合物を含む、請求項132に記載の方法。
  134. 前記サンプルから調製された核酸分子が核酸配列情報を提供する、請求項124に記載の方法。
  135. 前記サンプルから調製された核酸分子が対立遺伝子の多様性の情報を提供する、請求項124に記載の方法。
  136. 前記サンプルから調製された核酸分子が、疾患の検出、モニタリングおよび/または処置のための情報を提供する、請求項124に記載の方法。
  137. 前記サンプルから調製された核酸分子が、癌の検出、モニタリングおよび/または処置のための情報を提供する、請求項124に記載の方法。
  138. DNAおよびRNAの混合物を含むサンプルからDNAまたはRNAをそれぞれ区別して取得する方法であって、以下:
    該DNAおよびRNAの混合物を提供する工程;
    DNAまたはRNAに選択的に影響する温度に、該混合物を加熱する工程;ならびに
    それぞれDNAまたはRNAを選択的に複製するポリメラーゼに該混合物を供する工程
    を包含する、方法。
  139. 請求項138に記載の方法であって、前記提供する工程が、以下:
    前記混合物を複数のプライマーに供して核酸/プライマー混合物を形成する工程であって、ここで該プライマーが実質的に自己非相補的でありそして該複数の中の他のプライマーに対して実質的に非相補的である核酸配列を含み、ここで該配列が5’から3’方向に定常領域および可変領域を含む、工程;
    該核酸/プライマー混合物を、それぞれDNAまたはRNAを選択的に複製するポリメラーゼに供する工程であって、該供する工程が各々の末端に既知の核酸配列を含む複数のDNA分子を生成する条件下である、工程;ならびに
    ポリメラーゼ連鎖反応を介して各々の末端に該定常領域を含む複数のDNA分子を増幅する工程であって、該反応が該定常領域に対して相補的なプライマーを利用する、工程
    としてさらに規定される、方法。
  140. 前記サンプルがヒト由来である、請求項138に記載の方法。
  141. 前記サンプルが血液、血清または血漿を含む、請求項138に記載の方法。
  142. 前記サンプルが、毛包、乳頭吸引物、精液、脳脊髄液、尿、痰、唾液、気管洗浄物、子宮洗浄物、便、汗、頬擦過標本、免疫沈降されたクロマチン、物理的に単離されたクロマチン、またはホルマリン固定化組織を含む、請求項138に記載の方法。
  143. 前記サンプルが1つの細胞を含む、請求項138に記載の方法。
  144. DNAおよびRNAを含むサンプルからDNAを区別して取得する方法であって、以下:
    DNAおよびRNAの混合物を提供する工程;
    少なくとも約94℃〜約100℃の温度に該混合物を加熱して、一本鎖核酸を生成する工程;ならびに
    DNAテンプレートのみを複製するポリメラーゼに該混合物を供する工程
    を包含する、方法。
  145. 請求項144に記載の方法であって、以下の工程:
    前記混合物を複数のプライマーに供して核酸/プライマー混合物を形成する工程であって、ここで該プライマーが実質的に自己非相補的でありそして該複数の中の他のプライマーに対して実質的に非相補的である核酸配列を含み、ここで該配列が5’から3’方向に定常領域および可変領域を含む、工程;
    該核酸/プライマー混合物を、選択的にDNAを複製するポリメラーゼに供する工程であって、該供する工程が各々の末端に一定の核酸配列を含む複数のDNA分子を生成する条件下である、工程;ならびに
    ポリメラーゼ連鎖反応を介して各々の末端に該一定の核酸配列を含む複数のDNA分子を増幅する工程であって、該反応が該一定の核酸配列に対して相補的なプライマーを利用する、工程
    をさらに包含する、方法。
  146. 前記ポリメラーゼがDNA依存性DNAポリメラーゼである、請求項145に記載の方法。
  147. 請求項146に記載の方法であって、ここで、前記DNA依存性DNAポリメラーゼが、φ29ポリメラーゼ、Bstポリメラーゼ、Ventポリメラーゼ、9°Nmポリメラーゼ、DNAポリメラーゼIのクレノウ Exoフラグメント、3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を欠損した変異型T7ファージDNAポリメラーゼ、またはこれらの混合物である、方法。
  148. 前記ポリメラーゼがDNAポリメラーゼIのクレノウ Exoフラグメントである、請求項147に記載の方法。
  149. 前記方法が、前記核酸分子/プライマー混合物をポリメラーゼ連続移動性増強化合物に供する工程をさらに包含する、請求項145に記載の方法。
  150. 前記化合物が一本鎖DNA分子結合タンパク質またはヘリカーゼである、請求項149に記載の方法。
  151. 前記ポリメラーゼに混合物を供する工程が、GC−リッチなDNAを介した重合反応を促進する1つ以上の薬剤の存在下で起こる、請求項145に記載の方法。
  152. 前記薬剤がDMSO、7−デアザ−dGTP、またはこれらの混合物を含む、請求項151に記載の方法。
  153. 前記増幅する工程が、GC−リッチなDNAを介した重合反応を促進する1つ以上の薬剤の存在下で起こる、請求項145に記載の方法。
  154. 前記薬剤がDMSO、7−デアザ−dGTP、ベタイン、またはこれらの混合物を含む、請求項153に記載の方法。
  155. 前記サンプルがヒト由来である、請求項144に記載の方法。
  156. 前記サンプルが血液、血清または血漿を含む、請求項155に記載の方法。
  157. 前記サンプルが、毛包、乳頭吸引物、精液、脳脊髄液、尿、痰、唾液、気管洗浄物、子宮洗浄物、便、汗、頬擦過標本、免疫沈降されたクロマチン、物理的に単離されたクロマチン、またはホルマリン固定化組織を含む、請求項155に記載の方法。
  158. 前記サンプルが1つの細胞を含む、請求項155に記載の方法。
  159. 前記サンプルから調製された核酸分子がゲノムのコピー数情報を提供する、請求項155に記載の方法。
  160. 前記サンプルから調製された核酸分子がゲノム配列情報を提供する、請求項155に記載の方法。
  161. 前記サンプルから調製された核酸分子が対立遺伝子の多様性の情報を提供する、請求項155に記載の方法。
  162. 前記サンプルから調製された核酸分子が、疾患の検出、モニタリングおよび/または処置のための情報を提供する、請求項155に記載の方法。
  163. 前記サンプルから調製された核酸分子が、癌の検出、モニタリングおよび/または処置のための情報を提供する、請求項155に記載の方法。
  164. dsDNAおよびRNAを含むサンプルからRNAを区別して得る方法であって、該方法は、以下:
    該dsDNAおよびRNAの混合物を提供する工程;
    dsDNAの変性を防ぐように、該混合物を、約75℃を超えない温度まで必要に応じて加熱する工程;および
    該混合物を、一本鎖RNAテンプレートのみを複製するポリメラーゼに供する工程
    を包含する、方法。
  165. 請求項164に記載の方法であって、ここで、前記供する工程が、以下:
    前記混合物を複数のプライマーに供して核酸/プライマー混合物を形成する工程であって、該プライマーは、実質的に非自己相補的であり、かつ、該複数あるうちの他のプライマーに対して、実質的に非相補的である核酸配列を含み、ここで、該配列は、5’→3’方向で、定常領域および可変領域を含む、工程;
    該供する工程によって、該定常核酸配列を各々末端に含む複数のDNA分子が生成される条件の下、該核酸/プライマー混合物を、一本鎖RNAのみをプライミングし、かつ、複製するポリメラーゼに供する工程;ならびに
    ポリメラーゼ連鎖反応を介して、各末端の該定常領域を含む該複数のDNA分子を増幅する工程であって、該反応は、該定常領域に相補的なプライマーを利用する、工程
    として、さらに規定される、方法。
  166. 請求項165に記載の方法であって、ここで、前記ポリメラーゼが、逆転写酵素である、方法。
  167. 請求項166に記載の方法であって、ここで、前記逆転写酵素は、Tth DNAポリメラーゼ、AMV逆転写酵素、MMLV逆転写酵素、HIV逆転写酵素、またはそれらの混合物である、方法。
  168. 請求項166に記載の方法であって、前記逆転写酵素が、MMLV逆転写酵素である、方法。.
  169. 請求項165に記載の方法であって、ここで、該方法は、
    前記核酸分子/プライマー混合物をポリメラーゼ連続移動性増強化合物に供する工程をさらに包含する、方法。
  170. 請求項169に記載の方法であって、ここで、前記化合物が、一本鎖DNA結合タンパク質もしくは一本鎖RNA結合タンパク質、またはヘリカーゼである、方法。
  171. 請求項165に記載の方法であって、ここで、前記ポリヌクレアーゼに供する工程が、GCリッチなRNAを介する重合を促進する1以上の薬剤の存在下で生じる、方法。
  172. 請求項171に記載の方法であって、ここで、前記薬剤は、DMSO、7−デアザ−dGTP、またはこれらの混合物を含む、方法。
  173. 請求項165に記載の方法であって、ここで、前記増幅する工程が、GC−リッチDNAを介した重合反応を促進する1つ以上の薬剤の存在下で起こる、方法。
  174. 請求項173に記載の方法であって、前記薬剤がDMSO、7−デアザ−dGTP、ベタイン、またはこれらの混合物を含む、方法。
  175. 請求項164に記載の方法であって、前記サンプルがヒト由来である、方法。
  176. 請求項175に記載の方法であって、前記サンプルが血液、血清または血漿を含む、方法。
  177. 請求項175に記載の方法であって、前記サンプルが、毛包、乳頭吸引物、精液、脳脊髄液、尿、痰、唾液、気管洗浄物、子宮洗浄物、便、汗、頬擦過標本、免疫沈降されたクロマチン、物理的に単離されたクロマチン、またはホルマリン固定化組織を含む、方法。
  178. 請求項175に記載の方法であって、前記サンプルが1つの細胞を含む、方法。
  179. 請求項175に記載の方法であって、前記サンプルから調製された核酸分子が遺伝子発現情報を提供する、方法。
  180. 請求項175に記載の方法であって、前記サンプルから調製された核酸分子が遺伝子配列情報を提供する、方法。
  181. 請求項175に記載の方法であって、前記サンプルから調製された核酸分子がエキソン対立遺伝子バリエーション情報を提供する、方法。
  182. 請求項175に記載の方法であって、前記サンプルから調製された核酸分子が、疾患の検出、モニタリングおよび/または処置のための情報を提供する、方法。
  183. 請求項175に記載の方法であって、前記サンプルから調製された核酸分子が、癌の検出、モニタリングおよび/または処置のための情報を提供する、方法。
  184. 複数のポリヌクレオチドであって、ここで、該複数であるポリヌクレオチドは、実質的に非自己相補的であり、かつ、該複数のもののうち他のポリヌクレオチドに対して実質的に非相補的である、核酸配列を含む、ポリヌクレオチド。
  185. 請求項184に記載の複数のものであって、ここで、前記核酸配列が、前記ポリヌクレオチドを、以下:自己ハイブリダイゼーション:自己プライミング;該複数のものうちの別のポリヌクレオチドに対するハイブリダイゼーション;複数の重合反応の開始
    のうちの少なくとも1つが実質的に不可能であるものとする
    としてさらに定義される、複数のもの。
  186. 請求項184に記載の複数のものであって、ここで、前記ポリヌクレオチドが、5’→3’の方向を有し、可変領域に対して5’側にある定常領域を含むとしてさらに規定される、複数のもの。
  187. 請求項186に記載の複数のものであって、ここで、前記定常領域は、その後の増幅のためのものである、複数のもの。
  188. 請求項186に記載の複数のものであって、ここで、前記可変領域が、ランダムアニーリング、ランダムプライミングまたはそれらの両方のためのものである、複数のもの。
  189. 請求項186に記載の複数のものであって、ここで、前記定常領域および可変領域は、各々、2つの非相補的ヌクレオチドから構成される、複数のもの。
  190. 請求項186に記載の複数のものであって、ここで、前記定常領域および可変領域は、各々、グアニン、アデニン、または両方から構成される、複数のもの。
  191. 請求項186に記載の複数のものであって、ここで、前記定常領域および可変領域は、各々、シトシン、チミジン、または両方から構成される、複数のもの。
  192. 請求項186に記載の複数のものであって、ここで、前記定常領域および可変領域は、各々、アデニン、シトシンまたは両方から構成される、複数のもの。
  193. 請求項186に記載の複数のものであって、ここで、前記定常領域および可変領域は、各々、グアニン、チミジンまたはその両方から構成される、複数のもの。
  194. 請求項186に記載の複数のものであって、ここで、前記定常領域が、約6〜約100のヌクレオチドを含む、複数のもの。
  195. 請求項186に記載の複数のものであって、ここで、前記第2の領域は、約4ヌクレオチド〜約20ヌクレオチドを含む、複数のもの。
  196. 請求項186に記載の複数のものであって、前記ポリヌクレオチドが、その遠位の3’末端の約0個〜約3個のランダムな塩基からさらに構成される、複数のもの。
  197. 請求項186に記載の複数のものであって、第1の領域および第2の領域は、各々、グアニンおよびチミジンから構成され、該ポリヌクレオチドは、その3’末端に、0、1、2、または3のランダムな塩基を含む、複数のもの。
  198. 請求項184に記載の複数のものであって、前記核酸配列が、塩基または骨格アナログでから構成される、複数のもの。
  199. 請求項184に記載の複数のものであって、ここで、前記複数のプライマーのうちのポリヌクレオチドの各々の濃度が、所定の核酸の最適なプライミングについて調節された、複数のもの。
  200. 請求項199に記載の複数のものであって、ここで、前記複数のもののうちの全てのポリヌクレオチドの濃度が、等モル濃度である、複数のもの。
  201. 請求項199に記載の複数のものであって、ここで、前記所定の核酸が、ゲノムの一部分または全てを含む、複数のもの。
  202. 請求項199に記載の複数のものであって、前記所定の核酸が、トランススクリプトームの一部分または全てを含む、複数のもの。
  203. ゲノム、トランスクリプトーム、またはその両方を増幅する方法であって、該方法は、以下:
    ゲノムDNA、RNA、または両方を取得する工程;
    該ゲノムDNA、RNA、または両方を改変して、少なくとも1つの一本鎖核酸分子を生成する工程;
    該一本鎖核酸分子を複数のプライマーに供して、核酸/プライマー混合物を形成する工程であって、ここで、該プライマーは、実質的に自己非相補的でありかつその複数の中の他のプライマーに対して実質的に非相補的である核酸配列を含み、ここで、該配列は、5’→3’方向に定常領域および可変領域を含む、工程;
    該核酸/プライマー混合物をポリメラーゼに供する工程であって、その供する工程が各々の末端に該定常領域を含む複数のDNA分子を生成する条件下である、工程;ならびに、ポリメラーゼ連鎖反応を介してその複数のDNA分子を増幅する工程であって、その反応は、該定常領域に対して相補的なプライマーを利用する、工程
    を包含する、方法。
  204. 請求項203に記載の方法であって、ここで、該方法は、以下の工程:
    増幅したDNA分子を改変して、一本鎖分子を生成する工程であって、該一本鎖分子は、その5’末端および3’末端に該定常領域を含み、ここで、該DNAが、一本鎖DNA、二本鎖DNA、またはそれらの混合物としてさらに規定される、工程;
    該一本鎖DNA分子のうちの少なくとも1つの領域を、支持体に固定されたオリゴヌクレオチドの3’末端にある相補的領域にハイブリダイズさせて、一本鎖DNA/オリゴヌクレオチドハイブリッドを生成する工程;および
    該オリゴヌクレオチドの3’末端を伸長させて、伸長ポリヌクレオチドを生成する工程
    を包含する、方法。
  205. 請求項203に記載の方法であって、該方法は、前記一本鎖DNA/オリゴヌクレオチドハイブリッドから前記一本鎖DNAを取り出す工程をさらに包含する、方法。
  206. 複数のポリヌクレオチドを備えるキットであって、ここで、該ポリヌクレオチドは、実質的に自己非相補的でありかつ、該複数の中の他のポリヌクレオチドに対して実質的に非相補的である核酸配列を含み、ここで、その複数のものが、適切な容器中に分散されている、キット。
  207. ポリメラーゼをさらに備える、請求項206に記載のキット。
  208. 前記ポリメラーゼが、鎖置換ポリメラーゼである、請求項207に記載のキット。
  209. 請求項208に記載のキットであって、ここで、前記鎖置換ポリメラーゼが、φ29ポリメラーゼ、Bstポリメラーゼ、Ventポリメラーゼ、9°Nmポリメラーゼ、DNA ポリメラーゼIのクレノウフラグメント、MMLV逆転写酵素、AMV逆転写酵素、ヒトHIV逆転写酵素、3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を欠くT7ファージDNAポリメラーゼの変異形態、またはそれらの混合物である、キット。
  210. DNA分子の複数の集団に含まれるあるDNA集団を増幅する方法であって、該方法は、以下の工程:
    DNA分子の複数の集団を取得する工程であって、ここで、該複数あるうちの少なくとも1つの集団は、5’→3’方向に、以下:該集団に特異的な既知の同定配列および既知のプライマー増幅配列を含む、工程;ならびに、
    ポリメラーゼ連鎖反応によって該DNA分子の集団を増幅する工程であって、該反応では、該同定配列についてのプライマーを利用する、工程
    を包含する、方法。
  211. 請求項210に記載の方法であって、前記取得工程は、
    既知プライマー増幅配列を含むDNA分子の集団を得る工程;
    5’→3’方向に、既知の同定配列と該既知のプライマー増幅配列とを有するプライマーを用いて該DNA分子を増幅する工程;および
    該集団を、少なくとも1つの他のDNA分子の集団を混合する工程
    として、さらに、規定される、方法。
  212. 請求項210に記載の方法であって、ここで、DNA分子の前記集団が、ゲノムDNAを含む、方法。
  213. 請求項210に記載の方法であって、ここで、DNA分子の前記集団が、ゲノムを含む、方法。
  214. 請求項210に記載の方法であって、ここで、DNA分子の前記集団は、トランスクリプトームを含む、方法。
  215. DNA分子の複数の集団に含まれるあるDNA集団を増幅する方法であって、
    該方法は、以下の工程:
    DNA分子の複数の集団を取得する工程であって、該複数のうちの少なくとも1つの集団は、DNA分子を含み、ここで、該DNA分子のうちの5’末端が、5’→3’方向に、
    以下:
    該集団に特異的な既知の同定配列を含む一本鎖領域;および
    既知のプライマー増幅配列
    を含む、工程;
    複数の該DNA分子の一本鎖既知同定配列の少なくとも一部分が表面に対して結合することを介して、該集団を単離する工程;および
    該プライマー増幅配列についてのプライマーを利用するポリメラーゼ連鎖反応によって該単離されたDNA分子を増幅する工程
    を包含する、方法。
  216. 請求項215に記載の方法であって、ここで前記得る工程は、以下:
    DNA分子の集団を得る工程であって、該分子は、既知のプライマー増幅配列を含む、工程;
    該DNA分子を、5’→3’方向で、以下を含むプライマー:
    既知の同定配列;
    複製不能リンカー;および
    該既知のプライマー増幅配列;
    で増幅する工程;ならびに
    該集団を、DNA分子の少なくとも1つの他の集団と混合する工程、
    としてさらに規定される、方法。
  217. 請求項216に記載の方法であって、ここで前記単離する工程は、前記一本鎖の既知の同定配列の少なくとも一部を、該既知の同定配列に相補的な領域を含む固定化オリゴヌクレオチドに結合する工程としてさらに規定される、方法。
  218. 増幅されたゲノム、増幅されたトランスクリプトーム、またはその両方を固定化する方法であって:
    増幅したゲノム、増幅されたトランスクリプトーム、またはその両方を得る工程であって、ここで該ゲノム、トランスクリプトームまたはその両方に由来する複数の分子は、既知のプライマー増幅配列を、該分子の5’末端および3’末端の両方に含む、工程;ならびに
    該複数の分子を支持体に結合する工程、
    を包含する、方法。
  219. 請求項218に記載の方法であって、ここで前記結合する工程は、前記複数の分子を前記支持体に、前記既知のプライマー増幅配列を介して共有結合する工程を包含するとさらに規定される、方法。
  220. 請求項219に記載の方法であって、ここで前記共有結合する工程は、以下:
    少なくとも一本鎖分子の領域を、前記支持体に固定化されたオリゴヌクレオチドの3’末端における相補的領域にハイブリダイズさせる工程;ならびに
    該オリゴヌクレオチドの3’末端を伸長して、一本鎖分子/伸長したポリヌクレオチドハイブリッドを生成する工程、
    としてさらに規定される、方法。
  221. 請求項220に記載の方法であって、ここで該方法は、前記一本鎖DNA分子を、前記一本鎖分子/伸長したポリヌクレオチドのハイブリッドから除去して、伸長したポリヌクレオチドを生成する工程をさらに包含する、方法。
  222. 請求項220に記載の方法であって、該方法は、前記伸長したポリヌクレオチドを複製する工程をさらに包含する、方法。
  223. 請求項222に記載の方法であって、ここで前記複製する工程は、以下:
    前記伸長したポリヌクレオチドに、ポリメラーゼと、前記既知のプライマー増幅配列に相補的なプライマーとを提供する工程;
    該プライマーの3’末端を伸長させて、伸長したプライマー分子を形成する工程;ならびに
    該伸長したプライマー分子を遊離させる工程、
    としてさらに規定される、方法。
  224. 増幅したゲノムを固定化する方法であって:
    増幅したゲノムを得る工程であって、ここで該ゲノムに由来する複数のDNA分子は、以下:
    タグ;ならびに
    該分子の5’末端および3’末端の両方に既知のプライマー増幅配列、
    を含む、工程;ならびに
    複数の該DNA分子を支持体に結合する工程、
    を包含する、方法。
  225. 請求項224に記載の方法であって、ここで前記結合する工程は、前記複数のDNA分子を、前記タグを介して前記固体支持体に結合する工程を包含するとしてさらに規定される、方法。
  226. 請求項224に記載の方法であって、ここで前記タグはビオチンを含み、前記支持体はストレプトアビジンを含む、方法。
  227. 請求項224に記載の方法であって、ここで前記タグは、アミノ基またはカルボキシ基を含む、方法。
  228. 請求項224に記載の方法であって、ここで前記タグは一本鎖領域を含み、前記支持体は、該タグの一領域に対する配列を含むオリゴヌクレオチドを含む、方法。
  229. 請求項228に記載の方法であって、ここで前記一本鎖領域は、同定配列を含むとさらに規定される、方法。
  230. 請求項229に記載の方法であって、ここで前記DNA分子は、前記同定配列に対して3’側にある複製不能リンカーと、前記既知のプライマー増幅配列に対して5’側にある複製不能リンカーとを含むとさらに規定される、方法。
  231. 請求項224に記載の方法であって、ここで前記方法は、前記固定化されたゲノムから夾雑物を除去する工程をさらに包含する、方法。
  232. ゲノムDNAを含む複数のdsDNA分子であって、ここで該分子が変性されて、第1鎖および第2鎖の分子を生成するとき、該第1鎖および該第2鎖の分子の各々は、該第1鎖および該第2鎖の分子のそれぞれの末端で第1の末端領域および第2の末端領域を含み、該第1の分子の第1の末端領域および第2の末端領域の各々は、該第1の分子における該第1の末端領域および該第2の末端領域における配列に対して実質的に非自己相補的である核酸領域を含み、そして該第2の分子の該第1の末端領域および該第2の末端領域の各々は、該第2の分子における該第1の末端領域および該第2の末端領域における配列に対して実質的に非自己相補的である核酸配列を含む、dsDNA分子。
  233. 請求項232に記載の複数のものであって、ここで前記第1鎖の分子の前記第1の末端領域および前記第2の末端領域の各々は、該複数のものにおける他の分子の第1鎖の第1の末端領域および第2の末端領域に対して実質的に非自己相補的であり、そして前記第2鎖分子の第1の末端領域および第2の末端領域の各々は、該複数のものにおける他の分子の該第2鎖の第1末端領域および第2末端領域に対して実質的に非自己相補的である、複数のもの。
  234. 請求項232に記載の複数のものであって、ここで前記DNA分子は、前記第1の末端領域および前記第2の末端領域においてホモポリマータグをさらに含み、そして該末端領域は、該分子上の最後から2番目から該ホモポリマータグまでである、複数のもの。
  235. 請求項232に記載の複数のものであって、ゲノムライブラリーとしてさらに規定される、複数のもの。
  236. 物質の限定された供給源からゲノムの配列決定を行う方法であって、該方法は、以下の工程:
    物質の限定された供給源から少なくとも1つの二本鎖DNA分子または一本鎖DNA分子を得る工程;
    該二本鎖DNA分子を熱に供して、少なくとも1つの一本鎖DNA分子を生成する工程;
    該一本鎖DNA分子を複数のプライマーに供して、DNA分子/プライマー混合物を形成する工程であって、ここで、該プライマーは、非自己相補的でありかつ該複数あるうちの他のプライマーに対して実質的に非相補的である、核酸配列を含み、ここで、該配列は、5’→3’方向で、定常領域および可変領域を含む、工程;
    ポリメラーゼに供する工程によって、該定常核酸配列を各々末端に含む複数のDNA分子を生成される条件の下、該DNA分子/プライマー混合物を、該供する工程;ならびに
    ポリメラーゼ連鎖反応を介して、該複数のDNA分子を増幅する工程であって、該反応は、該定常領域に相補的なプライマーを利用する、工程;
    該複数の増幅した分子から、増幅したDNA分子の第1のサンプルおよび第2のサンプルを提供する工程;
    該第1のサンプルからの該増幅した少なくともいくらかのDNA分子の配列決定を行い、少なくとも1つの特定のDNA配列を得る工程;
    ホモポリマー性のポリC/ポリG配列を、該第2のサンプルからの増幅したDNA分子の末端に組み込み、ホモポリマー性増幅分子を生成する工程;
    ホモポリマー性増幅分子のうち少なくともいくつかを、ポリCプライマーおよび該特定のDNA配列に相補的なプライマー用いて該第2のサンプルから増幅する工程;および
    さらなる特定配列に関連して、該配列決定工程および増幅工程を反復して、それによって、該ゲノムの実質的に完全なコンティグを生じる工程
    を包含する、方法。
  237. 請求項236に記載の方法であって、ここで、前記ホモポリマー性配列を取り込む工程は、以下:
    dGTPの存在下で、末端デオキシヌクレオチドトランスフェラーゼによって、 前記増幅したDNAフラグメントの3’末端を伸長する工程;
    前記ホモポリマー性ポリC/ポリG配列を含むアダプターを、前記増幅したDNAフラグメントの末端に連結させる工程;または、
    該増幅したDNAフラグメントと、その5’末端にホモポリマー性ポリC配列を含みかつ該3’末端に定常領域を含むプライマーとを用いて、該増幅したDNAフラグメントを複製する工程
    のうち1つを包含する、方法。
  238. 請求項236に記載の方法であって、ここで、前記配列決定工程は、
    ベクターに、前記第1のサンプルからの増幅されたDNAフラグメントをクローニングする工程;および該クローニングされたフラグメントのうちの少なくともいくつかを配列決定する工程として、
    さらに規定される、方法。
  239. 請求項236に記載の方法であって、ここで、前記増幅分子のうちの特異的配列が、前記第1のサンプルの配列決定工程によって、得られ、かつ、前記さらなる特定配列うちの1以上が、前記第2のサンプルからの増幅された分子の配列決定工程によって得られる、方法。
  240. 請求項236に記載の方法であって、ここで、物質の前記限定された供給源が、培養工程に対して実質的に耐性である微生物である、方法。
  241. 請求項236に記載の方法であって、ここで、物質の前記限定された供給源が、絶滅種である、方法。
  242. 請求項236に記載の方法であって、ここで、前記ゲノムの配列決定工程は、最小の冗長性をもって達成される、方法。
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