JP2022044605A - Ngsライブラリー濃度の正規化 - Google Patents

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Abstract

【課題】NGSライブラリー濃度の正規化の提供。【解決手段】次世代配列決定(NGS)ワークフローのボトルネックは、配列決定機器フローセルまたはチップを正確にプールおよびローディングするためのライブラリーの定量化である。本明細書では、既存の方法と比較して、性能を向上させ、時間を低減する方法が開示される。本開示は、ライブラリーインサートサイズに依存しないNGSライブラリー濃度のモル正規化のための新規手順を提供する。本方法は、ライブラリー濃度の手作業調整が後に行われるライブラリー定量化(図1A)に対する単純な代替法を提供する。開示されているライブラリー正規化は、単一ステップまたはいくつかのステップのいずれかで生じ、等モルのNGSライブラリー分量を有する複数の試料を産生する。【選択図】なし

Description

関連出願への相互参照
本出願は、2016年9月6日に出願された米国仮出願番号第62/384,118号に基づく優先権を主張しており、この仮出願の全体は、参考として本明細書中に援用される。
背景
高品質の次世代配列決定(NGS)データを最大化するためには、正確な分量のライブラリーDNAを配列決定機器にローディングすることが必要不可欠である。不十分な分量のライブラリーDNAがローディングされると、低クラスター密度(Illumina)/低鋳型陽性ISP(low template-positive ISP)(Ion Torrent)およ
び配列決定出力低減がもたらされ、その一方、ライブラリーDNAが過剰に存在すると、キメラクラスター(Illumina)/ポリクローナルISP(Ion Torrent)がもたらされ、品質が低い、低減されたデータが得られることになる。ライブラリーが多重配列決定のためにプールされる場合、不正確な定量化は、不均衡な配列データに結び付き、過少に定量化されたライブラリーは過剰に配列決定され、過剰に定量化されたライブラリーは過少に配列決定される。これらの理由で、配列決定可能なライブラリー分子の数の正確な定量化は、NGSワークフローの重要なステップである。ハイブリダイゼーション捕捉のための多重プールを生成するためにライブラリーをプールする場合も、正確なライブラリー定量化が必要である。ライブラリー定量化のための現行方法としては、チップ電気泳動法(例えば、Agilent Bioanalyzer)、dsDNAの蛍光定量法(例えば、Qubit)、およびqPCR(種々の市販キット)が挙げられる。チップ電気泳動法および蛍光定量法は両方とも、完全に適合するライブラリー分子が濃縮されたPCR増幅ライブラリーを正確に定量化することができるに過ぎない。それは、これらの方法では、PCRフリーライブラリー調製物中に存在する、機能的分子(両NGSアダプターを含有する断片)と、非機能的分子(1つのみのNGSアダプターを含有するかまたはNGSアダプターを含有しない断片)とを区別することができないためである。qPCRは、機能的ライブラリー分子の正確な定量化を可能にするため、NGSワークフローで広く使用されているが、このプロトコールは、複数のピペットステップを含み、相当量の時間がかかる。各ライブラリーを系列希釈し、標準曲線に沿ってqPCRアッセイを三重反復で実行し、その後、qPCRデータ分析をしなければならない。qPCR定量化手順には、ほぼ2時間かかり、手動取扱い時間は少なくとも45分間である。最後に、これらの方法のすべては、試料をプールする際に、各NGSライブラリーの手作業濃度調整を必要とする。加えて、すべての現行のライブラリー定量化法は、ライブラリーインサートサイズに依存して、質量をモル濃度に変換しており、ライブラリーが幅広いサイズ分布または不画定のサイズを有する場合、モル定量化は正確には決定されない。
要旨
本開示は、ライブラリーインサートサイズに依存しないNGSライブラリー濃度のモル正規化のための新規手順を提供する。本方法は、ライブラリー濃度の手作業調整が後に行われるライブラリー定量化(図1A)に対する単純な代替法を提供する。開示されているライブラリー正規化は、単一ステップまたはいくつかのステップのいずれかで生じ、等モルのNGSライブラリー分量を有する複数の試料を産生する。
単一ステップを必要とする方法は、PCRに基づく正規化(N-PCR)であり、各NGSライブラリーの増幅が、加速アニーリング動力学を示す限定された濃度の正規化プライマー(N-PCRプライマー)、およびPCR反応中にプライマーが完全に利用され、したがって各NGSライブラリーの指定モル分量が提供される増幅条件を使用して実施される。
いくつかのステップを必要とする方法は、酵素に基づく正規化であり、以下を要する:
a.PCR中またはPCR後の酵素消化中のいずれかにおいて、一方または両方の末端に5’または3’突出をもたらすプレ正規化プライマー(プレNプライマー)を使用する、過剰分量の各NGSライブラリーのPCR増幅、およびその後の精製ステップ、
b.各増幅されたライブラリーを、限定的な指定モル分量の正規化プローブ(N-プローブ)および一部の実施形態ではDNAリガーゼとのインキュベーションであって、5’または3’突出とのプローブアニーリングおよびライゲーションにより、N-プローブと等モルのライブラリー画分が選択される、インキュベーション、ならびに
c.一部の実施形態では、プローブ選択画分の単離を、非選択ライブラリー画分の酵素消化により、または固相固定化からのプローブ選択画分の酵素媒介性放出により実施する。
酵素に基づく正規化法の例示的なワークフローは、図1Bに示されている。見ての通り、本プロセスは、図1Aに示されているqPCR定量化および手作業調整よりも短い手動取扱い時間および短い合計時間を伴い得る。
したがって、正規化PCRプライマー濃度を限定すること、またはN-プローブ濃度を限定することのいずれかにより、ライブラリー正規化が達成される(例えば、ライブラリー正規化のシミュレーションについては図2を参照。点線は、正規化プローブの分量を表す)。図2に示されているように、本開示の方法を使用すると、過剰分量のライブラリーが排除され、等モルのライブラリー濃度がもたらされ得るように、ライブラリーを正規化することができる。開示されているNGSライブラリー正規化は迅速であり、系列希釈または手作業濃度調整を必要としないため、qPCR定量化と比較して、手動取扱い時間が最大1時間および合計調製時間が最大2時間削減される。本方法は、配列決定機器にローディングする前にNGSライブラリーのモル濃度を調整するために、またはハイブリダイゼーション捕捉前にプールを行うために使用することができる(それぞれ、図3Aおよび3B)。これは、Illumina、Ion Torrent、またはPCR増幅DNAライブラリーを配列決定する他のプラットフォームを使用するあらゆるNGSライブラリー(DNAまたはRNA)と適合性である。開示されている選択肢では、非常に過剰なライブラリー入力を必要とせず、モル濃度の出力範囲の変動に結び付く回収率の不良な一貫性をもたらす限定されたストレプトアビジンビーズ結合ステップは利用されない。また、開示されている方法の単純なインキュベーションは、ピペットステップをほとんど有しておらず、容易に自動化することができる。
開示されている方法は、PCRによるライブラリー増幅を必要とし、PCRフリーライブラリープロトコールでは直接使用することができないが、PCRフリーNGSライブラリーで機能するように調整することができる。また、酵素に基づく正規化の場合、指定モル閾値未満のPCR後収量を有するライブラリーは、正規化手順後に低減されたモル分量を維持することになり、それにより、配列またはハイブリダイゼーション捕捉ワークフローでのデータ出力低減を示す過少評価(under-represented)ライブラリーがもたらされる(図2、試料3)。そのため、過少評価試料を回避するために、より少ないモル分量のN-プローブに対して過剰モル分量の各ライブラリーを産生することが推奨される。
開示されている正規化法の一部は、正規化された増幅ライブラリーをもたらすか(N-PCRの場合)、または一方もしくは両方のアダプター末端に5’もしくは3’突出をもたらすか(酵素に基づく正規化の場合)のいずれかであるPCR増幅ステップを必要とする。一部の場合では、突出は、必ずしも必要ではない。突出は、PCR中またはPCR後の酵素消化中のいずれかにおいて生成され、N-プローブとdsDNA基質とのアニーリングを可能にする。酵素正規化法は、一部の場合では、二本鎖NGSライブラリーの5’または3’突出により、当量のモル分量のNGSライブラリー分子とアニーリングする限定的な指定モル分量のN-プローブを有する。一部の場合では、突出は必要ではなく、プローブは、例として、限定ではないが、平滑末端ライゲーション、TAライゲーション、および付着末端ライゲーションなどの方法により、増幅されたライブラリーのライブラリー分子とライゲートさせてもよい。したがって、正確なN-プローブ分量により、酵素に基づく正規化プロセス中に回収されることになるライブラリー分子の数が選択される。PCRに基づく正規化法は、当量のモル分量のNGSライブラリーを増幅する限定的な指定モル分量のN-PCRプライマーを有する。したがって、正確なN-PCRプライマー分量により、N-PCRプロセス中に生成されることになるライブラリー分子の数が選択される。
PCRに基づく正規化
プライマー濃度を限定することによりPCR産物の量を制御しようとするために従来の試薬を使用する場合、いくつかの要因により、そのような方法の有用性が低減される。第1に、従来のPCRプライマー濃度は、200nMから1uMよりも高い範囲であり、そのような高濃度のプライマーの完全な利用は10~50pmolのPCR産物をもたらすことになり、そのため高いDNAポリメラーゼ濃度が必要とされ、試料の著しい過剰増幅がもたらされることになる。複製エラーおよび塩基組成バイアスが導入される場合があり、NGSライブラリーを増幅する場合は特に重要なことだがこのような試料の著しい過剰増幅は望ましくない。代わりに、低減された20~40nMのプライマー濃度でPCRを実施して、1~2pmolの増幅された産物を得ることはできるが、その場合、NGSライブラリーなどの高複雑性鋳型の効率的なプライマーアニーリング、伸長、および非バイアス増幅を保証するためには、それに応じてプライマーアニーリング時間を10倍増加させる必要があるだろう。その場合、過度の熱サイクルインキュベーション時間は、DNA損傷を誘発し、NGSライブラリー品質を低減し得るため、これも望ましくないだろう。本開示のある特定の実施形態では、これらの問題に対処する新規の正規化PCRプライマー組成物(N-PCRプライマー)が導入される。正規化PCRプライマー組成物は、プライマーアニーリングハイブリダイゼーション速度を増加させ、アニーリング時間を低減し、従来のアニーリング時間による増幅サイクルを使用して、PCRプライマーの効率的で完全な利用を可能にし、したがって、PCRプライマー濃度を限定することにより、指定モル分量のNGSライブラリーの複製可能な生成を提供する。
プライマーハイブリダイゼーション速度を増加させるために、低複雑性配列を含む5’尾部を、対の各N-PCRプライマーに導入し、各プライマーの3’部分を、ライブラリー鋳型に既に存在するNGSアダプター配列にアニーリングさせる。一部の実施形態では、フォワードおよびリバースN-PCRプライマーは、異なる5’尾部配列を有する。他の実施形態では、フォワードおよびリバースN-PCRプライマーは、同じ5’尾部配列を有する。低複雑性5’尾部は、(A)n、(T)n、(G)n、もしくは(C)nなどのホモポリマー反復配列、(AG)n、(AC)n、(GT)n、(CT)n、(AT)n、もしくは(GC)nなどのジヌクレオチド反復配列、トリヌクレオチド、テトラヌクレオチド、ペンタヌクレオチド、またはさらに大きな反復配列エレメントで構成されていてもよい。N-PCRプライマーの5’尾部は、追加の修飾を有するまたは有していないデオキシヌクレオチドもしくはリボヌクレオチドまたはそれらの混合物で構成されている8~50塩基またはそれよりも大きい長さであり得る。一部の実施形態では、N-PCRプライマーの3’部分は、各末端に固有のアダプター配列を含むNGSライブラリーの増幅中に、フォワードおよびリバースプライマーで異なるアダプター配列にアニーリングするが、他の実施形態では、フォワードおよびリバースN-PCRプライマーは、両ライブラリー末端に同じアダプターを有するNGSライブラリーの増幅中に、同じアダプター配列にアニーリングする。
最初の2回のサイクル中に、限定された濃度のN-PCRプライマーを使用する場合、鋳型とのプライマーアニーリングは、NGSアダプターに相補的なN-PCRプライマーの3’部分でのみ生じる。そのため、低プライマー濃度の場合、最初のサイクルのアニーリング時間は、すべてのライブラリー分子のプライミングおよび伸長を保証するように長さを延長させるべきである。低複雑性/反復性尾部配列のリバース相補体がアンプリコンに組み込まれたら、N-PCRプライマーの5’および3’部分は両方とも、鋳型とのアニーリングに参加することができ、低複雑性組成のため、アニーリングが著しく加速され、その結果として、従来のアニーリング時間をその後のサイクルに使用することができ、したがって、ライブラリーの効率的なPCR増幅が可能になる。加速されたプライマーハイブリダイゼーションは、低複雑性/反復性の5’尾部配列の迅速なアニーリング、その後の高複雑性3’アダプター配列のアニーリングにより生じる。N-PCRプライマーの利用が完了した時点で、指定モル分量のNGSライブラリーが生成されている。得られた増幅ライブラリーは、限定的なプライマー濃度のため、主に一本鎖であり得るが、アダプター配列の再アニーリングが生じて、部分的に二本鎖のヘテロ二重鎖分子が産生される場合がある。任意選択で、低複雑性尾部配列は、所望の場合、配列決定前にライブラリーから切断することができる。代わりに、各N-PCRプライマーの5’尾部に相補的な低複雑性配列を、NGSアダプターの末端に配列を組み込むことにより、アダプターライゲーションステップ中に、ライブラリー調製物に導入してもよい。この実施形態では、低複雑性配列が、完成したNGSライブラリー基質にPCR前に既に存在するため、N-PCR増幅のすべてのサイクル中に、従来のアニーリング時間を実施することができる。
酵素に基づく正規化
この方法では、プレ正規化プライマー(プレNプライマー)を使用したPCR増幅を、ライブラリーの画分を選択するために利用されることになる正規化プローブ(N-プローブ)の量に対して過剰なモル分量を産生するために使用する。N-プローブは、複数の方法で利用することができる(図4は例示的な方法を示す)。一実施形態では、プレN PCRプライマーは、ビオチン基および少なくとも1つのRNA塩基を有し、ビオチン標識NGSライブラリーは、その全体がストレプトアビジンビーズを使用して捕捉され、N-プローブがアニーリングされた選択モル画分のみが、RNA塩基とオーバーラップし、RNaseH酵素切断の基質を生成するため、ビーズ固定化から放出される(方法1;制御された放出)。他の実施形態では、選択されたライブラリー画分とのN-プローブのアニーリングおよびライゲーションは、このライブラリー画分の酵素消化に対するヌクレアーゼ耐性を付与する(方法2;制御された保護)。これらの選択肢では、N-プローブは、酵素消化に対する耐性を付与する塩基、基、または立体構造を含有する。他の実施形態では、選択されたライブラリー画分とのN-プローブのアニーリングおよびライゲーションは、酵素消化および特定の機能的ライブラリー配列の除去後に生じ、N-プローブライゲーションは、選択されたライブラリー画分のライブラリー機能性の回復をもたらす(方法3;制御された修復)。さらに別の実施形態では、N-プローブライゲーションは、ライブラリー合成を完了させ、指定のプローブライゲートされたモル画分のみが、機能的ライブラリー分子を産生する(方法4;制御された合成)。方法1は、3つの正規化ステップを必要とし、方法2は、2つのステップを必要とし、方法3および4は、単一のステップを有する。これらはすべて、PCR後である。限定ではないが、これらの異なる方法の態様を、それらの任意の組合せで使用して、NGSライブラリーのモル正規化を達成することができることが理解される。
dsDNAライブラリー基質とのN-プローブアニーリングを可能にするために、正規化ステップのための5’突出を生成することができる少なくとも3つの方法が存在する。一部の実施形態では、一方または両方のライブラリー末端の5’突出は、N-プローブアニーリングのための5’尾部を有するプレ正規化プライマー(プレNプライマー)および尾部とアダプター配列との間に位置する複製不能なスペーサーを使用してPCR中に生成され、複製不能な基としては、これらに限定されないが、dU塩基(古細菌(archael)
DNAポリメラーゼの場合)、dSpacer、rSpacer、スペーサーC3、C6、またはC12、ヘキサンジオール、トリエチレングリコールスペーサー9、およびヘキサエチレングリコールスペーサー18などの安定脱塩基部位が挙げられる。他の実施形態では、一方または両方のライブラリー末端の5’突出は、3’エキソヌクレアーゼプルーフリーディング活性を有する熱安定性DNAポリメラーゼ、およびN-プローブアニーリングのための5’尾部を有するプレNプライマー、ならびに3つまたはそれよりも多くのリボUまたはリボA塩基の連続伸張を含み、尾部およびアダプター配列の間に位置する新規の複製不能なスペーサーを使用してPCR中に生成され、高フィデリティーDNAポリメラーゼは、(リボU)または(リボA)鋳型を越えて伸長することができず、式中、n=3またはそれよりも大きい。本明細書で開示される(リボU)/(リボA)複製ブロックは、Taq DNAポリメラーゼなどの非プルーフリーディングポリメラーゼにより複製することができ、また、ライゲート不能接合部位を生成する他の複製ブロッキング基とは異なり、5’尾部およびポリ(rU)またはポリ(rA)伸張に相補的なプローブオリゴヌクレオチドのライゲーションを可能にするという点で独特である。さらなる他の実施形態では、一方または両方のライブラリー末端の5’突出は、T4 DNAポリメラーゼを使用して、PCR後に生成される。この場合、プレN PCRプライマーには、5’尾部および3’隣接緩衝領域が組み込まれている。尾部領域は、10~20塩基であり、ホモポリマー、ジ-またはトリ-ヌクレオチド組成を含み、その後に5’尾部領域から除外されるヌクレオチド組成を含有する5~10塩基緩衝領域が後続する。そのような配列を含むNGSライブラリーを、T4 DNAポリメラーゼ、および緩衝領域に相補的であるが、尾部領域には相補的でない塩基のみに制限されたヌクレオチドミックスと共にインキュベートすると、T4 DNAポリメラーゼの3’エキソヌクレアーゼプルーフリーディング活性は、緩衝領域に到達するまで3’相補的尾部領域を不可逆的にトリミングすることになり、緩衝領域では、ヌクレオチドを可逆的に除去および置換し、したがって緩衝領域により画定される5’突出を生成することができる。
代わりに、N-プローブアニーリングのための3’突出を生成することができる少なくとも2つの異なる方法が存在する。一部の実施形態では、一方または両方のライブラリー末端の3’突出は、RNaseH、UDGおよび脱塩基部位エンドヌクレアーゼまたはエンドヌクレアーゼVのミックスなどの酵素と共にインキュベートし、そのような切断可能な塩基を含む修飾されたプレN PCRプライマーにより組み込まれたRNA、デオキシウラシル、またはデオキシイノシン塩基を切断することにより、PCR後に生成される。他の実施形態では、一方または両方のライブラリー末端の3’突出は、T7エキソヌクレアーゼまたはラムダエキソヌクレアーゼなどの5’エキソヌクレアーゼと共にインキュベートすることにより、PCR後に生成される。これらの実施形態における3’突出の長さは、プレN PCRプライマーおよびプライマー全体の長さ以内の切断可能/ヌクレアーゼ耐性の塩基または連結の位置により制御される。
一部の実施形態では、N-プローブは、NGSライブラリーの3’または5’末端にライゲーションされ、この場合、DNAリガーゼは、T4 DNAリガーゼ、T3 DNAリガーゼ、T7 DNAリガーゼ、またはE.coli DNAリガーゼ、Taqリガーゼ、Ampligase、9°N DNAリガーゼ、もしくはPfu DNAリガーゼなどの熱安定性DNAリガーゼである。他の実施形態では、N-プローブライゲーションは実施されない。さらに他の実施形態では、プローブライゲーションは、RNaseHによる切断後に残された残存5’RNA塩基、またはUDGおよび脱塩基部位エンドヌクレアーゼもしくはエンドヌクレアーゼVのミックスによる不完全な消化に由来する残存デオキシウラシルもしくはデオキシイノシン修飾塩基、またはT7エキソヌクレアーゼもしくはラムダエキソヌクレアーゼ消化後に残されたヌクレアーゼ耐性塩基を置換および切断することを含んでいてもよい。この場合、ライゲーション反応は、限定されたニックトランスレーション反応を可能にするために、Taq DNAポリメラーゼまたはDNAポリメラーゼIおよび必要に応じて制限ヌクレオチドミックスで補完することができる。
一部の実施形態は、N-プローブライゲーション後にプローブ選択ライブラリー単離の追加ステップを必要とする。方法1の場合、プローブ選択ライブラリー切断(固定化からの放出)に使用される酵素としては、E.coli RNaseHIおよびRNaseH2、または熱安定性RNaseHを含むRNaseH酵素が挙げられる。他の実施形態(方法2)では、非プローブ選択ライブラリー消化に使用される酵素としては、エキソヌクレアーゼIII、T4 DNAポリメラーゼ、エキソヌクレアーゼIなどの3’エキソヌクレアーゼ、ならびにエキソヌクレアーゼT7またはラムダエキソヌクレアーゼなどの5’エキソヌクレアーゼが挙げられる。限定ではないが、5’および3’突出生成、N-プローブライゲーション、およびライブラリー画分の濃縮または枯渇のための異なる方法の態様を、それらの任意の組合せで使用して、NGSライブラリーのモル正規化を達成することができることが理解される。
上記の概要、ならびに実例的な実施形態の以下の詳細な記載は、添付の図面と併せて読むとより良好に理解される。本開示を説明する目的で、本開示の例示的な構築物作製が図面に示されている。しかしながら、本開示は、本明細書で開示されている特定の方法および手段に限定されない。
以下の図では、P5およびP7は、それぞれP5 NGSアダプターおよびP7 NGSアダプターを指すために使用される。
図1Aおよび1Bは、qPCRライブラリー定量化(図1A)を、本開示の酵素処理による正規化反応(図1B)と比較する。
図1Aおよび1Bは、qPCRライブラリー定量化(図1A)を、本開示の酵素処理による正規化反応(図1B)と比較する。
図2は、個々の試料容積の手作業調整を行わずに等モル濃度の各試料を産生する本開示の正規化法の結果を示す。
図3Aは、本開示の正規化法の例示的なワークフローを示し、このワークフローでは、ライブラリー調製後、ライブラリーをPCRにかけ、その後SPRIにより精製し、正規化して、NGSの正規化された試料を得る。
図3Bは、正規化プロセスを組み込む例示的な多重ワークフローを示す。
図4は、正規化のための本開示の4つの例示的な方法を示し、第1のステップは、NGSライブラリーのPCR、ならびに増幅されたNGSライブラリーのSPRIによる精製、その後の正規化プローブアニーリングおよび任意選択のライゲーション、その後プローブ選択画分の濃縮を含む。
図5は、方法1(制御された放出)による酵素に基づく正規化の例示的な方法を示す。「B」はビオチンを表す。
図6は、方法1(制御された放出)による酵素に基づく正規化の例示的な方法を示す。「B」はビオチンを表す。赤色バーは、RNA塩基の一部分を示す。黒色バーは、複製不能なDNAスペーサーの位置を示す。
図7Aは、方法2(a)(制御された保護)および方法2(b)(制御された保護)による、酵素に基づく正規化の例示的な方法を示す。
図7Bは、方法2(c)(制御された保護)による、酵素に基づく正規化の例示的な方法を示す。
図8Aは、1つのプレN PCRプライマーを使用して1つのライブラリー鎖を標的とする方法2(a)による、酵素に基づく正規化の例示的な方法を示す。
図8Bは、1つのライブラリー鎖を標的として一本鎖DNAライブラリーをもたらす方法2(a)による、酵素に基づく正規化の例示的な方法を示す。
図8Cは、2つのプレN PCRプライマーを使用して両ライブラリー鎖を標的とする方法2(a)による、酵素に基づく正規化の例示的な方法を示す。
図8Dは、ライブラリー内に一本鎖DNAおよび二本鎖DNAを両方とももたらす、1つのプレN PCRプライマーを使用して両ライブラリー鎖を標的とする方法2(a)による、酵素に基づく正規化の例示的な方法を示す。
図9Aは、プレN PCRプライマーおよび従来のプライマーを使用して1つのライブラリー鎖を標的とする方法2(a)のためのPCR増幅の例示的な方法を示す。
図9Bは、インデックス化プライマーを使用して短縮アダプターを有するNGSライブラリーを完成させる前PCRステップによる、プレN PCRプライマーおよび従来のプライマーを使用して1つのライブラリー鎖を標的とする方法2(a)のためのPCR増幅の例示的な方法を示す。
図10Aは、2つのプレN PCRプライマーを使用して両ライブラリー鎖を標的とする方法2(a)のためのPCR増幅の例示的な方法を示す。
図10Bは、インデックス付与プライマーを使用して短縮アダプターを有するNGSライブラリーを完成させる前PCRステップによる、2つのプレN PCRプライマーを使用して両ライブラリー鎖を標的とする方法2(a)のためのPCR増幅の例示的な方法を示す。
図11は、方法2(b)(制御された保護)によりT4 DNAポリメラーゼを使用して5’突出を生成し、その後NGSライブラリーを正規化するための消化を行う例示的な方法を示す。
図12は、方法2(c)(制御された保護)のために、3’突出を生成し、5’エキソヌクレアーゼを使用するための例示的な方法を示す。
図13は、方法3(a)、3(b)、および3(c)による制御されたNGSアダプター修復による、酵素に基づく正規化の例示的な方法を示す。
図14は、方法3a(制御された修復)による、RNaseH、リガーゼ、およびエキソヌクレアーゼIを使用する正規化の例示的な方法を示す。
図15は、方法3b(制御された修復)による、RNaseHおよびリガーゼを使用する正規化の例示的な方法を示す。
図16は、方法3c(制御された修復)による、5’エキソヌクレアーゼおよびリガーゼを使用する正規化の例示的な方法を示す。
図17は、方法5(a)および5(b)(制御された合成)による、制御されたPCR後ライブラリー合成による正規化の例示的な方法を示す。
図18は、方法4(制御された合成)を使用して1つのNGSライブラリー鎖を標的とする合成による正規化の例示的な方法を示す。
図19は、方法4(制御された合成)を使用して両NGSライブラリー鎖を標的とする合成による正規化の例示的な方法を示す。
図20Aは、P5末端正規化、単一インデックス付与(インデックス化プローブによる二重インデックス付与)を使用して、1つのライブラリー鎖を標的とする方法4による正規化のためのPCR増幅の例示的な方法を示す。図20Bは、P7末端正規化、二重インデックス付与を使用して、1つのライブラリー鎖を標的とする方法4による正規化のためのPCR増幅の例示的な方法を示す。
図21Aは、両ライブラリー鎖を標的とする方法4(制御された合成)による正規化のためのPCR増幅の例示的な方法を示す。
図21Bは、方法4(制御された合成)の正規化プローブを使用して、単一インデックス付与または二重インデックス付与するための例示的な方法を示す。
図22は、制御された増幅による正規化のために、加速されたアニーリング速度を示すN-PCRプライマーを使用するための例示的な方法を示す。
図23Aは、N-PCRプライマーのジヌクレオチド反復5’尾部領域を使用する制御された増幅によるPCRに基づく正規化の例示的な方法を示す。
図23Bは、N-PCRプライマーのホモポリマー反復5’尾部領域を使用する制御された増幅によるPCRに基づく正規化の例示的な方法を示す。
図24Aは、N-PCR中のN-PCRプライマーおよびライブラリー濃度のグラフを示す。
図24Bは、N-PCR中のN-PCRプライマーおよびライブラリー濃度のグラフを示す。図24Cは、N-PCR中のN-PCRプライマーおよびライブラリー濃度のグラフを示す。
図24Dは、N-PCR中のN-PCRプライマーおよびライブラリー濃度のグラフを示す。
図25は、ホモポリマー尾部、ジヌクレオチド尾部、またはトリヌクレオチド尾部のいずれかを有する例示的なN-PCRプライマーを示す。
図26は、N-PCRプライマーのアニーリング加速の提唱機序を示す。
図27は、N-PCRプライマーを使用する、NGSライブラリーの増幅および正規化のための例示的な方法を示す。
図28は、PCR産物の予測収量のためにN-PCRプライマーを使用するPCRの例示的な方法を示す。
図29Aは、両N-PCRプライマーが同じ尾部配列を共有する場合の、二次構造形成の提唱機序を示す。
図29Bは、N-PCRプライマーが相補的尾部配列を有する場合の、N-PCRプライマー間の干渉の提唱機序を示す。
図29Cは、非ワトソン-クリック二次構造の形成により非相補的ホモポリマー尾部を有するN-PCRプライマーを使用する場合の、複製失敗の提唱機序を示す。
図29Dは、ジヌクレオチド反復尾部を有する例示的なN-PCRプライマーを示す。
図30は、PCR後のNGSライブラリーモル濃度定量化のための例示的な方法を示す。
図31Aは、リボヌクレオチド複製ブロッカーを含有するDNA鋳型でのプライマー伸長反応の概略図を示す。
図31Bは、図31Aのプライマー伸長反応の予想ゲル電気泳動結果を示す。
図32は、実施例2における伸長反応の産物を、SYBR Goldで染色した15%TBE-尿素ゲルで示す。「」は鋳型を示し、「**」は、完全に伸長されたプライマーを示し、「***」は、部分的に伸長されたプライマーを示す。
図33Aは、TaqおよびQ5 dU迂回を用いた実施例3における伸長反応の産物を、SYBR Goldで染色した15%TBE-尿素ゲルで示す。「」は鋳型を示し、「**」は、完全に伸長されたプライマーを示し、「***」は、部分的に伸長されたプライマーを示す。
図33Bは、Kappa HiFiまたはPRIMESTAR(登録商標)GXLを用いた実施例3における伸長反応の産物を、SYBR Goldで染色した15%TBE-尿素ゲルで示す。「」は鋳型を示し、「**」は、完全に伸長されたプライマーを示し、「***」は、部分的に伸長されたプライマーを示す。
図33Cは、Q5ポリメラーゼを用いた実施例3における伸長反応の産物を、SYBR Goldで染色した15%TBE-尿素ゲルで示す。「」は鋳型を示し、「**」は、完全に伸長されたプライマーを示し、「***」は、部分的に伸長されたプライマーを示す。
図34Aは、通常の増幅プライマー、ならびに複製ブロッカーおよび5’末端非相補的尾部を含有するプライマーを用いた増幅実験の概略図を示す。
図34Bは、TaqおよびPRIMESTAR(登録商標)GXLを用いた実施例5における伸長反応の産物を、SYBR Goldで染色した15%TBE-尿素ゲルで示す。「**」は全長増幅産物を示し、「***」は、短縮増幅産物を示す。
図35Aは、蛍光標識プローブとクエンチャーオリゴヌクレオチドとの結合の概略図を示す。図35Bは、クエンチャーを有する過剰量の相補的基質オリゴヌクレオチド(点線)に対する25nMの蛍光性複雑配列プローブの結合、およびクエンチャーを有するその相補的基質(実線)に対する25nM蛍光ホモポリマー性配列プローブの結合の、時間に対する蛍光強度を示す。
図36Aは、実施例7におけるライブラリー#1~7の正規化前の濃度を示す。
図36Bは、実施例7におけるライブラリー#1~7の正規化後の終濃度を示す。
図37Aは、クエンチャーを有する過剰の2つの異なる基質オリゴヌクレオチドに対する蛍光プローブの結合の、時間に対する蛍光強度を示す。
図37Bは、クエンチャーを有する従来の鋳型との蛍光プローブ結合の概略図を示す。図37Cは、クエンチャーを有するGR尾部付き鋳型との蛍光プローブ結合の概略図を示す。
図38Aは、従来のプライマーで使用するための、実施例9におけるライブラリー#1~7のライブラリー入力濃度を示す。
図38Bは、実施例9における、従来のプライマーを使用したPCR後のライブラリー#1~7の収量を示す。
図38Cは、N-PCRプライマーで使用するための、実施例9におけるライブラリー#1~7のライブラリー入力濃度を示す。
図38Dは、N-PCRプライマーを使用したN-PCR後のライブラリー#1~7の収量を示す。
図39Aは、実施例10におけるライブラリー#1~8のライブラリー入力濃度を示す。
図39Bは、N-PCRプライマーを使用したN-PCR後のライブラリー#1~8の収量を示す。
図39Cは、N-PCR正規化ライブラリーを使用した次世代配列決定からのライブラリー#1~8についてのフローセルで形成されたクラスターの%を示す。
図40Aは、実施例11におけるライブラリー#1~16のライブラリー入力濃度を示す。
図40Bは、実施例11におけるライブラリー#1~16の正規化ライブラリー濃度を示す。
図40Cは、実施例11においてクエンチャーを添加する前の相対的ライブラリー濃度を示す。
図40Dは、実施例11においてクエンチャーを添加した後の相対的ライブラリー濃度を示す。
図41Aは、本開示の例示的な正規化法の概略図を示す。
図41Bは、本開示の例示的な正規化法の概略図を示す。
図41Cは、本開示の例示的な正規化法の概略図を示す。
図41Dは、本開示の例示的な正規化法の概略図を示す。
図41Eは、本開示の例示的な正規化法の概略図を示す。
図42Aは、本開示の例示的な正規化法の概略図を示す。
図42Bは、本開示の例示的な正規化法の概略図を示す。
図42Cは、本開示の例示的な正規化法の概略図を示す。
図42Dは、本開示の例示的な正規化法の概略図を示す。
図42Eは、本開示の例示的な正規化法の概略図を示す。
図42Fは、本開示の例示的な正規化法の概略図を示す。
図42Gは、本開示の例示的な正規化法の概略図を示す。
図42Hは、本開示の例示的な正規化法の概略図を示す。
図42Iは、本開示の例示的な正規化法の概略図を示す。
図43Aは、実施例12を示す。
図43Bは、実施例12を示す。
図43Cは、実施例12を示す。
図43Dは、実施例12を示す。
図44は、実施例13を示す。
図45Aは、実施例14を示す。
図45Bは、実施例14を示す。
図45Cは、実施例14を示す。
図46Aは、実施例14を示す。
図46Bは、実施例14を示す。
図47Aは、実施例14を示す。
図47Bは、実施例14を示す。
図48Aは、実施例15を示す。
図48Bは、実施例15を示す。
図48Cは、実施例15を示す。
図48Dは、実施例15を示す。
図48Eは、実施例15を示す。
図49Aは、実施例16を示す。
図49Bは、実施例16を示す。
図49Cは、実施例16を示す。
図50Aは、実施例17を示す。
図50Bは、実施例17を示す。
説明
本開示は、特定の実施形態を、ある特定の図面を参照して記載しているが、本主題は、それらに限定されない。記載されている図面は、概略に過ぎず、非限定的である。図面では、要素の一部の大きさは、誇張されるかまたは歪められている場合があり、説明のために縮尺通りに描かれていない場合がある。本開示の要素は、別様に具体的に述べられていない限り、初出時には「a」または「an」で指定され、2回目または以降の出現時には「the」または「said」で指定される。
本開示は、添付の図面に対する説明を提供することになるが、図面には、本開示の主題のすべての実施形態ではなく一部の実施形態が示されている。実際、本主題は、多数の異なる形態で具現化することができ、本明細書で示される実施形態に限定されると解釈されるべきでない。むしろ、これらの実施形態は、本開示がすべての法的要件を満たすように提供されている。
ある用語法は、以下の記載では便宜的に使用されているに過ぎず、限定ではない。本明細書で使用されるある単語は、参照されている図面での方向を指定する。本明細書で具体的に示されていない限り、用語「a」、「an」、および「the」は、1つの要素に限定されず、その代り、「少なくとも1つ」を意味すると解釈されるべきである。本明細書で使用される場合、「別の」は、少なくとも第2のまたはそれよりも多くのを意味する。用語法は、上記で示された単語、それらの派生語、および同様の意味の単語を含む。
特許請求の範囲における用語「または」の使用は、代替物のみを指すと明示的に指示されていない限り、または代替物が互いに排他的でない限り、「および/または」を意味するために使用される。
用語「約」の使用は、数値と共に使用される場合、+/-10%を含むことが意図される。例えば、アミノ酸の数が、約200個と特定されている場合、これは、180~220個(プラスまたはマイナス10%)を含むことになる。
別様に定義されていない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、当業者により一般的に理解されるものと同じ意味を有する。
酵素に基づくライブラリー正規化法
方法1:固定化からの制御された放出による酵素に基づくライブラリー正規化
この方法は、指定モル分量のライブラリーを磁気ビーズ固定化から酵素的に放出することを利用する。この方法は、少なくとも3つのステップ:プレN PCRステップとその後の精製、次いで捕捉ステップ、および制御された溶出ステップを有する。限定ではないが、この方法の態様および代替的実施形態を、それらの任意の組合せで使用して、NGSライブラリーのモル正規化を達成することができることが理解される。図5は、以下のステップを含む、方法の例示的な4ステップ型を示す:(1)複製不能なスペーサーを有するプライマーを使用してPCR増幅を行って、5’末端にビオチンを有する5’突出、およびNGSアダプター末端の一方にRNA切断部位を導入し、SPRI精製を行うステップ;(2)5’突出に指定分量の正規化プローブをアニーリングさせることにより、指定数のライブラリー分子を選択するステップ;(3)ライブラリー全体をビーズ捕捉するステップ(ステップ2および3は同じ反応で実施してもよく、または2の後に3もしくは3の後に2のいずれの順序で実施してもよい);ならびに(4)RNaseH(RNA塩基において切断する)と共にインキュベートすることにより、正規化プローブを含有する指定モル画分のライブラリーをビーズ放出するステップ。
この方法は、使用されることになるN-プローブの分量に対してモル過剰なNGSライブラリーのPCR増幅を必要とする。PCRでは、プレNプライマーは、増幅されたNGSライブラリーの一方の末端に5’または3’突出を導入し、一部の実施形態では、3’エキソヌクレアーゼプルーフリーディング活性を有する熱安定性DNAポリメラーゼが使用される。5’または3’突出は、開示されている方法のいずれかを使用して生成することができる(複製ブロックは、図6で使用されるプライマーに示されている)。この方法の場合、プレNプライマーは、好ましくは、得られる5’または3’突出の中間に配置されるビオチン基および少なくとも1つのRNA塩基も必要とする。増幅後、精製ステップを実施し、次いで、増幅されたライブラリー全体のストレプトアビジン磁気ビーズ捕捉を実施し、同じ捕捉反応には、5’または3’突出に相補的であり、好ましくはホモポリマー配列を含み、当量のモル分量の固定化ライブラリーにアニーリングする限定的指定モル分量のN-プローブが含まれており、ホモポリマー配列は、複雑な配列組成を有するプローブに比べ、著しくモル過剰なプローブまたは基質のいずれかの非存在下でのアニーリングを促進する。最終ステップでは、指定モル分量のdsDNAライブラリーの溶出を、RNaseHを使用する酵素的切断により実施し、この場合、プローブは、RNA塩基を含む突出にハイブリダイズするため、選択されたN-プローブ結合画分のみが、RNaseH切断の基質であり、固相固定化から放出される。
方法2:エキソヌクレアーゼ消化からの制御された保護による、酵素に基づくライブラリー正規化
図7A~7Bには、方法2を実施するための3つの例示的な選択肢が概説されており、プレN PCR増幅後、方法2aは、ライゲーションステップおよび消化ステップを有し、方法2bおよびcは、切断/ライゲーションステップおよび消化ステップを有する。方法2aおよびbでは、5’突出が生成されるが、方法2cでは、3’突出が生成され、突出は、開示されている方法のいずれかを使用して生成される。3つの正規化選択肢はすべて、使用されることになるN-プローブのモル量と比較してモル過剰なNGSライブラリーのPCR増幅を必要とする。プレNプライマーは、1つのプレNプライマーを従来のプライマーと共に使用する場合は、dsDNAライブラリーの一方の末端に、または2つのプレNプライマーを使用する場合は、dsDNAライブラリーの両末端に、5’または3’突出を導入する。方法2aでは、5’突出は、複製をブロックする3つまたはそれよりも多くのリボUまたはリボA塩基の連続伸張を含むプレNプライマーを使用して、3’エキソヌクレアーゼプルーフリーディング活性を有する熱安定性DNAポリメラーゼにより、PCR中に生成される。方法2bでは、5’突出は、正規化反応におけるプレNプライマーの特定のヌクレオチド組成およびdNTP組成に基づき、T4 DNAポリメラーゼ3’エキソヌクレアーゼ活性により、PCR後に生成される。方法2cでは、組み込まれたプライマー配列の酵素的切断によりPCR後に生成され、ここで、3’突出は、プレNプライマーが切断可能な塩基をPCR産物に導入する。3つの方法すべての場合で、PCR増幅後に、精製ステップが実施され、第1の酵素に基づく正規化ステップでは、限定的な指定モル分量のN-プローブが、リガーゼと共に添加され、方法2bおよびcでは、この反応に切断酵素も添加される。N-プローブは、ヌクレアーゼ耐性修飾を含み、好ましくはホモポリマーなどの低複雑性配列を含む5’または3’突出に相補的であり、当量のモル分量の増幅されたライブラリーにアニーリングおよびライゲートする。ホモポリマー配列は、複雑な配列組成を有するプローブに比べ、著しくモル過剰なプローブまたは基質のいずれかの非存在下でのアニーリングを促進する。第2の酵素に基づく正規化ステップでは、プローブライゲーションを欠如する過剰なライブラリー画分の酵素消化が実施され、この場合、N-プローブにより指定されるモル分量のライブラリーは、ヌクレアーゼ耐性のままであり、消化から保護される。方法2aおよびbの場合、3’エキソヌクレアーゼが使用されるが、方法2cの場合は、5’エキソヌクレアーゼが使用される。
5’または3’突出の形成は、N-プローブライゲーションの必要条件ではないが、突出は、低濃度のプローブおよびライブラリーのライゲーションを著しく促進する。一実施形態では、単一のT塩基3’突出を有する二本鎖正規化プローブのライゲーションには、Taq DNAポリメラーゼによるPCR中に生成される単一A塩基3’突出を有するライブラリーが必要である。別の実施形態では、二本鎖正規化プローブは平滑末端を有し、高フィデリティーDNAポリメラーゼを使用して増幅された平滑末端ライブラリーにライゲートされる。ライブラリーの短縮アダプター末端との、限定された量の平滑末端または単一T塩基3’突出正規化プローブのライゲーションは、PCR中に生成される高ライブラリー濃度により促進することができる。NGSライブラリーの反対側末端でのアダプターとのプローブライゲーションの防止は、アダプター末端の5’ホスフェート基の欠如、または適合性の平滑末端もしくは単一A塩基突出の欠如、または5’ホスフェートおよびプローブライゲーションに適合性の末端の両方の欠如により制御することができる。
具体的には、図7Aでは、方法2(a)および2(b)は、4つのステップを含む:(1)PCR中に5’突出を生成する複製不能な塩基もしくは塩基の組合せ(方法2a)またはT4 DNAポリメラーゼにより5’突出を可能にする特殊な塩基組成(方法2b)のいずれかを含有するPCRプライマーを用いてPCR増幅を行って、一方または両方のアダプター末端にプローブ結合配列を導入し、その後、SPRI精製を行うステップ;(2)T4 DNAポリメラーゼ媒介性3’-5’エキソヌクレアーゼ消化により5’突出を生成するステップ(方法2bのみ);(3)5’突出に指定分量の正規化プローブをアニーリングおよびライゲーションさせることにより、指定数のライブラリー分子を保護するステップ;ならびに(4)非プローブ保護ライブラリー画分を3’エキソヌクレアーゼ消化するステップ。
具体的には、図7Bでは、方法2(c)は、4つのステップを含む:(1)酵素的切断による3’突出生成を可能にする切断可能な塩基を含有するPCRプライマーを用いてPCR増幅を行って、一方または両方のアダプター末端にプローブ結合配列を導入し、その後SPRI精製を行うステップ;(2)切断可能な塩基を含有する組み込まれたPCRプライマー部分の酵素的切断により3’突出を生成するステップ;(3)3’突出に指定分量の正規化プローブをアニーリングおよびライゲーションさせることにより、指定数のライブラリー分子を保護するステップ;および(4)非プローブ保護ライブラリー画分を5’エキソヌクレアーゼ消化するステップ。
方法2a
方法2aのさらなる詳細は、図8A~8D、9A~9B、および10A~10Bに見出される。図8Aは、単一5’突出を使用した反応を示しており、相補的プローブ配列は、複雑な配列S(任意の2つ、3つ、または4つの塩基組成を含む。図示せず)、または低複雑性ホモポリマー配列、例として、限定ではないが、図8Aに示されているような(dT)12のいずれかである。この例では、1つのプレNプライマーのみが、従来のリバースプライマーと共に使用されており、2つのNGSライブラリー鎖の一方のみに対する正規化反応が標的とされる。DNAリガーゼに加えて限定的指定モル分量のN-プローブが添加される第1の正規化ステップには、過剰分量のNGSライブラリーが含まれる。アニーリングは、低複雑性ホモポリマー配列の場合、高複雑性配列Sと比較してより迅速に生じるだろう。リボU塩基の連続伸張を複製ブロックとして使用するため、5’突出は、好ましくはポリ(T)ホモポリマーであり、N-プローブは、好ましくは、TおよびリボU塩基の両方に相補的なポリ(A)ホモポリマーである。複製ブロックがリボA塩基で構成される他の実施形態では、5’突出は、好ましいポリ(A)であり、N-プローブは、好ましいポリ(T)ホモポリマーである。N-プローブは、ライブラリー末端とのプローブアニーリングおよびライゲーション後に、エキソヌクレアーゼIII消化に対する耐性を提供するために、C3炭素スペーサーなどの任意選択の3’末端ブロックに加えて、その3’末端のプローブ配列内に、内部的に、またはその5’末端付近に連続して配置することができるホスホロチオエート連結などの1つまたは複数のヌクレアーゼ耐性修飾をさらに含む。任意選択で、N-プローブは、二本鎖DNA特異的活性を有するエキソヌクレアーゼIII消化に対するさらなる耐性を付与するために、NGSライブラリーとのライゲーション後に一本鎖3’突出を生成するように5’突出よりも長さが長い。
限定的な指定モル分量のN-プローブのアニーリングおよびライゲーション後、過剰な非プローブ保護ライブラリー画分を消化するためにエキソヌクレアーゼIIIが添加される第2の正規化ステップが実施される。そのdsDNA特異的な3’から5’へのエキソヌクレアーゼ活性のため、完全に非保護のライブラリー分子は、反対側の鎖の消化と遭遇するまで3’末端から消化され、非機能的であり、増幅または配列決定することができない2つの一本鎖部分的ライブラリー断片がもたらされる。NGSライブラリーの一本鎖保護画分の場合、非保護鎖は、完全に消化され、プローブ保護鎖は、ヌクレアーゼ耐性である。その結果、2倍のモル分量のssDNA N-プローブが、対応する指定モル分量のdsDNAライブラリーを保護するのに必要であり、得られるライブラリーは、一本鎖であり、アダプター配列に対して方向性である(図8B)。図8Bでは、例として、8nMの正規化プローブは、4nMの二本鎖DNA NGSライブラリーに相当する8nMの一本鎖DNA NGSライブラリーを産出するだろう。
代わりに、両NGSライブラリー末端に5’突出を生成する2つのプレNプライマーを使用して方法2aを実施し、正規化後に両鎖の回収をもたらしてもよい(図8Cおよび8D)。この例では、N-プローブモル濃度に対して過剰分量のライブラリーから、所望分量のdsDNAライブラリーを回収するには、2倍のモル濃度のssDNA N-プローブの使用も必要とされる。また、対応するdsDNAライブラリー分量が回収されるが、正規化されたライブラリーは、N-プローブが入力NGSライブラリーに比べて限定的であるため、各二重鎖の一方の鎖が保護されていたかまたは両方の鎖が保護されていたかに応じて、ssDNAおよびdsDNAライブラリー分子を両方とも含む。例えば、図8Cでは、4nMのdsDNA NGSライブラリー分量を産生するには、8nMの一本鎖プローブおよび4nMよりも多くのPCR増幅dsDNAライブラリーが必要とされるだろう。
方法2aの場合、プレNプライマーを使用するPCR増幅は、2つまたは4つのプライマーを使用して実施してもよい(それぞれ、図9Aおよび10、ならびに9Bおよび10B)。1つのみのNGSライブラリー鎖を標的として、dsDNAライブラリー1分子当たり単一の5’突出を生成する場合、この2本プライマーPCRでは、単一のプレNプライマーが、5’尾部配列を有していない従来のリバースプライマーと共に使用される。図9A~9Bは、プライマー対を示しており、このプライマー対では、両プライマーは、インデックス付与配列が組み込まれている長鎖5’尾部を含み、短縮NGSアダプターがライゲートされたライブラリーを鋳型として使用すると(およびプレNプライマーが、N-プローブアニーリング尾部領域を組み込んでいる追加の5’尾部領域を導入する場合)アダプターを完成させるが、この2つのプライマーは、完成された全長インデックス化ライブラリーを増幅するように設計することもでき、その場合、プライマーは、ライブラリー増幅に使用される末端アダプター配列のみにアニーリングし、プレNプライマーのみが、N-プローブアニーリング尾部領域を含む5’尾部配列を含むが、従来のプライマーは、5’尾部を有しない(図示せず)。
4本プライマーPCR増幅(図9B)は、鋳型としては、短縮NGSアダプターがライゲートされたライブラリーに限定され、長鎖5’尾部をプレNプライマーおよび従来のプライマーに組み込んで、NGSアダプター配列を完成させ、同時にN-プローブアニーリングのための尾部領域を導入する代わりに、配列組み込みを順次実施し、第1のインデックス付与プライマー対を使用してNGSアダプターを完成させる場合、両プライマーは、NGSアダプターを完成させる5’尾部を含み、次いで第2のプレNプライマー対が、第1のプライマー対の増幅産物にN-プローブアニーリングのための尾部領域を導入し、この場合、プレNプライマーを、従来のプライマーと共に使用して、NGSライブラリーの一方の鎖が標的とされる。4本プライマー反応では、インデックス付与プライマー対は、それらの消費に結び付くより低い濃度で使用してもよく、プレNプライマー対は、完成ライブラリー産物と第1のプライマー対とがプライミングする可能性(それにより、N-プローブアニーリングの尾部領域が除去されるだろう)を低減するために、より高い濃度でライブラリー増幅に使用される。
図9A~9Bは、第1のNGSアダプターの配向性のみを使用して、一本鎖を標的とするための5’突出が生成することを示しているが、代わりに、反対側の第2のNGSアダプターを使用して、5’突出を生成してもよく、その場合は、次いで従来のプライマーを、第1のNGSアダプター(図示せず)に対して使用する。
図10A~10Bに示されているように、方法2aが、NGSライブラリーの両DNA鎖を標的とするように設計されている場合、2つのプライマーが使用されるかまたは4つのプライマーが使用されるかに関わらず、いずれの場合でも、プレNプライマー対および従来のプライマー対が使用されるのではなく、2つのプレNプライマーが存在し、それらは両方とも、2つのプライマーの各々が、第1または第2のNGSアダプター配列のいずれかに特異的にアニーリングし、任意選択で、アダプター配列の末端部分を組み込み、両ライブラリー末端に対称性の5’突出を生成すること以外、同一組成を有する5’末端尾部領域を導入する。
図9Bおよび10Bでは、PCR反応は、インデックス付与プライマーを用いて開始し、インデックス付与プライマーが消費されたら正規化プライマーを用いて継続する(例えば、図9Bおよび10Bに示されているように、10nM濃度のNGSライブラリーで)。
方法2b
5’突出がT4 DNAポリメラーゼにより生成される方法2bのさらなる詳細は、図11に見出される。この図は、5’緩衝領域を有する従来のリバースプライマーと共に単一のプレNプライマーを使用した、一方のライブラリー鎖のエキソヌクレアーゼ保護を示しているが、2つのプレNプライマーを使用すれば、両ライブラリー鎖のエキソヌクレアーゼ保護が可能である(図示せず)。図11では、5’末端尾部領域および3’隣接緩衝領域を含有する1つのプレNプライマーのみが、第1の緩衝領域と塩基組成が同一である5’末端緩衝領域を含有するリバースプライマーと共に、PCR増幅ステップで使用される。緩衝領域の塩基組成は、尾部領域から除外されるヌクレオチドに制限される。使用されるN-プローブの分量に対して過剰モル分量のライブラリーを生成した後の精製ステップ後、T4 DNAポリメラーゼ、緩衝領域に相補的であるが、尾部領域には相補的でないヌクレオチドミックス、およびDNAリガーゼに加えて、尾部領域に相補的な限定的モル分量のN-プローブを添加することにより、第1の正規化ステップを実施する。相補的突出との低複雑性プローブアニーリングは、高複雑性配列と比較して、より迅速に生じるため、ホモポリマー、ジ-またはトリ-ヌクレオチド配列などの、低複雑性N-プローブ配列の使用が好ましい。N-プローブは、ライブラリー末端とのN-プローブアニーリングおよびライゲーション後にエキソヌクレアーゼIII消化に対する耐性を提供するために、その3’末端のプローブ配列内に、内部的に、またはその5’末端付近に連続して配置することができるホスホロチオエート連結などの1つまたは複数のヌクレアーゼ耐性修飾をさらに含む。また、N-プローブは、3’ホスフェートなどの保護基、または3’自己相補的ヘアピンおよび複製ブロックの組合せなどの二次構造、またはT4 DNAポリメラーゼ3’エキソヌクレアーゼ活性に対するN-プローブの耐性を付与する任意の他の修飾を含む。
この第1の酵素に基づく正規化反応内では、T4 DNAポリメラーゼは、以前のdsDNA尾部領域に5’突出を生成して、増幅されたライブラリーとのN-プローブアニーリングを可能にし、適切な反応条件下では、T4 DNAポリメラーゼは、そのdNTPが反応に存在しない3’塩基を相補的尾部領域から不可逆的に除去するが、緩衝領域に相補的なdNTPが存在するため、3’隣接緩衝領域の塩基を可逆的に除去および置換する。増幅されたライブラリーの反対側の末端は、第1の緩衝領域と同じヌクレオチド組成を有する第2の緩衝領域が存在するため二本鎖のままであり、塩基は、適切なヌクレオチドミックスが存在するため、T4 DNAポリメラーゼにより可逆的に除去および置換される。それにより、第1の末端にある緩衝領域の5’突出の境界が画定され、反対側の末端では、第2の緩衝領域は、突出の形成を防止する。
限定的N-プローブ分量のアニーリングおよびライゲーションの後、エキソヌクレアーゼIIIを添加して、過剰な非プローブ保護ライブラリー画分を消化することにより、第2の酵素に基づく正規化ステップを実施する。そのdsDNA特異的な3’から5’へのエキソヌクレアーゼ活性のため、完全に非保護のライブラリー分子は、反対側の鎖の消化と遭遇するまで3’末端から消化され、非機能的であり、増幅または配列決定することができない2つの一本鎖部分的ライブラリー断片がもたらされる。NGSライブラリーの一本鎖保護画分の場合、非保護鎖は、完全に消化され、プローブ保護鎖は、ヌクレアーゼ耐性である。その結果、2倍のモル濃度のssDNA N-プローブ分量が、対応するdsDNAライブラリー分量を保護するのに必要であり、得られるライブラリーは、一本鎖であり、アダプター配列に対して方向性である(図11)。この方法の代替的な実施形態では、エキソヌクレアーゼIIIを添加して非プローブ選択画分を消化する代わりに、アピラーゼジホスファターゼ酵素を添加して、反応中に存在するdNTP混合物に由来するホスフェートを加水分解する。これは、次いで、切除された塩基を置換するための任意の機能的dNTPの非存在下におけるT4 DNAポリメラーゼの制御されない3’から5’へのエキソヌクレアーゼ活性に結び付くことになり、したがって、非プローブ選択ライブラリー画分は消化されて、配列決定不能になり、N-プローブ選択画分は、依然としてヌクレアーゼ耐性であり、配列決定可能である。
他の態様では、両方とも尾部および緩衝領域を含有する2つのプレNプライマーを使用して、方法2bを実施し、両NGSライブラリー末端に5’突出を生成して、N-プローブライゲーションおよびライブラリー消化後に両NGSライブラリー鎖の回収をもたらすことができる。一実施形態では、ホモポリマー尾部領域を、ジヌクレオチド緩衝領域と共に使用するが、緩衝領域の塩基組成が尾部領域から除外される限り、任意の低複雑性配列を、尾部領域に使用することができる。その3’末端に、内部的に、もしくはその5’末端付近にヌクレアーゼ耐性修飾を含む線形N-プローブを使用してもよく、または3’自己相補的ヘアピンおよび複製不能なスペーサーを有する任意選択のN-プローブを使用して、T4 DNAポリメラーゼ3’エキソヌクレアーゼ活性およびエキソヌクレアーゼIIIに対するさらなる耐性を付与してもよい。いずれの場合でも、プローブは、3’エキソヌクレアーゼ消化に対する耐性を付与する。これら2つの酵素に基づく正規化ステップ後、N-プローブに対して過剰モル濃度のライブラリー入力から、所望のモル分量のdsDNAライブラリーが回収されるが、2倍のモル濃度の一本鎖DNA N-プローブが使用される。また、dsDNAモルライブラリー分量が回収されるが、正規化ライブラリーは、N-プローブが限定的であるため、各二重鎖の一方の鎖が保護されているかまたは両方の鎖が保護されているかに応じて、ssDNAおよびdsDNAライブラリー分子を両方とも含む。
方法2c
代わりにN-プローブライゲーションのための3’突出が、切断酵素によりPCR後に生成されるこの方法は、図12に見出すことができる。この図は、1つのみの切断可能なプレNプライマーを使用して、一方のNGSライブラリー鎖に単一の3’突出を生成することが示されているが、PCRプライマーが両方とも切断可能な塩基を含有する場合、3’突出は、両ライブラリー末端に生成され、ヌクレアーゼ耐性N-プローブのアニーリングおよびライゲーション後、両NGSライブラリー鎖が、5’エキソヌクレアーゼ消化から保護される。プレNプライマーに組み込まれる切断可能な塩基は、RNA、デオキシウラシル、またはデオキシイノシンであってもよく、組み込まれたプライマー配列は、それぞれ、RNAseH、ウラシルDNAグリコシラーゼ、および脱プリン部位エンドヌクレアーゼ、またはエンドヌクレアーゼVでの切断により、得られたアンプリコンから切断することができる。
使用されるN-プローブモル分量に対して過剰モル分量のNGSライブラリーを生成した後の精製ステップ後、切断酵素およびDNAリガーゼに加えて指定モル分量のN-プローブを添加することにより、第1の正規化反応を実施する。低複雑性プローブアニーリングは、高複雑性配列と比較してより迅速に生じることになるため、3’突出に相補的な、ホモポリマー、ジ-またはトリ-ヌクレオチド配列などの低複雑性プローブ配列の使用が好ましい。N-プローブは、ライブラリー末端とのプローブアニーリングおよびライゲーション後に5’エキソヌクレアーゼ消化に対する耐性を提供するために、その5’末端のプローブ配列内に、内部的に、またはその3’末端付近に連続して配置することができるホスホロチオエート連結などの1つまたは複数のヌクレアーゼ耐性修飾をさらに含む。この反応内では、プレNプライマーの長さおよび位置の両方ならびに切断可能な塩基の数が、酵素的切断により生成される3’突出の長さを画定する。したがって、切断酵素は、3’突出を生成して、限定的指定プローブ分量から過剰分量の3’突出のプローブアニーリングおよびライゲーションを可能にし、それにより、選択されたライブラリー画分に5’エキソヌクレアーゼ耐性が付与される。第2の正規化ステップでは、次いでラムダまたはT7エキソヌクレアーゼを添加して、非プローブ保護ライブラリー画分を消化する。それらのdsDNA特異的な5’から3’へのエキソヌクレアーゼ活性のため、完全に非保護のライブラリー分子は、反対側の鎖の消化と遭遇するまで5’末端から消化され、非機能的であり、増幅または配列決定することができない2つの一本鎖部分的ライブラリー断片がもたらされる。NGSライブラリーの一本鎖保護画分の場合、非保護鎖は、完全に消化され、プローブ保護鎖は、ヌクレアーゼ耐性である。その結果、2倍のssDNA プローブモル分量が、対応する所望のdsDNAライブラリーモル分量を保護するのに必要であり、得られるライブラリーは、一本鎖であり、アダプター配列に対して方向性である。
また、図41A~41Eは、エキソヌクレアーゼ消化からの制御された保護の異なる例示的な実施形態を示している。一部の場合では、突出は必要ではない(例えば、図41Aを参照)。一部の場合では、ライゲーションは、例として、限定ではないが、平滑末端(図41A)、TAライゲーション(図41B)、または付着末端ライゲーションであってもよい。図41A~41Eに示されている方法のすべてでは、限定および指定された量のヌクレアーゼ耐性塩基保持N-プローブを、3’もしくは5’のいずれかまたは両DNA末端とライゲーションすることができ、したがって、エキソヌクレアーゼ分解から指定のライブラリー画分が保護される。ライブラリー分子は、本開示に記載されており、当業者に公知の方法により産生することができる。突出がPCRにより生成される場合、本開示の方法を使用して、そのような突出を生成することができる。
図41Aでは、NGSライブラリーを、高フィデリティーDNAポリメラーゼおよび従来のプライマーを用いて増幅して平滑末端断片を産出し、次いで、平滑末端断片を、エキソヌクレアーゼによる消化に対する耐性を提供する修飾を有する指定量の二本鎖(または一本鎖、図示せず)プローブと平滑末端ライゲートさせ、次いでエキソヌクレアーゼに曝露させて、正規化されたNGSライブラリーを産出することができる。プローブアニーリングおよびライゲーションを加速させる低複雑性配列が存在しないため、非常に高いライブラリー濃度およびDNAリガーゼ濃度で反応を進行させて、効率化を図ってもよい。
図41Bでは、ライブラリーを、Taqまたは3’プルーフリーディング活性を欠如する任意の他の熱安定性DNAポリメラーゼおよび従来のプライマーを用いて増幅して、末端にA尾部を有する断片を得、次いでそれを、TAライゲーションにより、T尾部を有する正規化プローブとライゲートさせることができる。図41に示されているように、プローブアニーリングおよびライゲーションを加速させる低複雑性配列が存在しないため、非常に高いライブラリー濃度およびDNAリガーゼ濃度で反応を進行させて、効率化を図ってもよい。
図41Cでは、プレN PCRプライマーを使用してライブラリーを増幅し、5’尾部領域および3’隣接緩衝領域を組み込む。尾部領域は、6~20塩基であり、ホモポリマー、ジ-またはトリ-ヌクレオチド組成を含み、その後に5’尾部領域から除外されるヌクレオチド組成を含有する5~10塩基緩衝領域が後続する。そのような配列を含むNGSライブラリーを、T4 DNAポリメラーゼ、および緩衝領域に相補的であるが、尾部領域には相補的でない塩基のみに制限されたヌクレオチドミックスと共にインキュベートすると、T4 DNAポリメラーゼの3’エキソヌクレアーゼプルーフリーディング活性は、緩衝領域に到達するまで3’相補的尾部領域を不可逆的にトリミングすることになり、緩衝領域では、ヌクレオチドを可逆的に除去および置換し、したがって緩衝領域により画定される5’突出を生成することができる。5’突出の生成、および相補的5’突出配列を有するN-プローブのライゲーションは、T4 DNAポリメラーゼを除去もしくは熱不活化した後で逐次的に実施してもよく、またはN-プローブが、5’尾部に3’隣接する同じ塩基組成を有する緩衝領域を含有する場合、単一のインキュベーション反応内に組み合わせてもよい。プレN PCRプライマーおよびN-プローブ相補的尾部配列は、プローブアニーリングおよびライゲーションを加速させて、低プローブ濃度での効率的なライゲーションを可能にする、ポリAおよびポリTなどのホモポリマー反復配列である。
図41Dでは、ライブラリーは、5’尾部を有するプレN PCRプライマーを使用して増幅され、尾部とアダプター配列との間には、dU塩基(古細菌DNAポリメラーゼの場合)を含む複製不能な基、または3つもしくはそれよりも多くのリボUもしくはリボA塩基の連続伸張を含む複製不能なスペーサーが位置し、高フィデリティーDNAポリメラーゼは、(リボU)または(リボA)鋳型を越えて伸長することができない。式中、n=3またはそれよりも大きい。リボUおよびリボA塩基が、それぞれポリ(dT)およびポリ(dA)6~20塩基尾部配列によりフランキングされている場合、PCRは、ホモポリマーN-プローブライゲーションのための、対応するホモポリマー5’突出を有するライブラリー分子をもたらす。ポリAおよびポリTなどの反復配列は、プローブアニーリングおよびライゲーションを加速させて、低プローブ濃度での効率的なライゲーションを可能にする。
図41Eでは、ライブラリーは、切断可能な塩基またはヌクレアーゼ耐性の塩基のいずれかを含む修飾塩基を有するプレN PCRプライマーを使用して増幅される。切断可能な塩基は、5’尾部内、またはアダプター配列の5’部分内に均等に位置していてもよく、dU塩基、RNA、およびデオキシイノシンを含むがが、それらに限定されない。ホスホロチオエート塩基などのヌクレアーゼ耐性塩基は、5’尾部の3’部分内、または尾部が存在しない場合(図示せず)は、アダプター配列内に位置していてもよい。UDG/脱塩基部位エンドヌクレアーゼミックス、RNaseHまたはエンドヌクレアーゼV(切断可能な塩基の場合)、およびT7エキソヌクレアーゼ、ラムダエキソヌクレアーゼ、またはエキソヌクレアーゼVなどの5’エキソヌクレアーゼ(ヌクレアーゼ耐性塩基の場合)と共にインキュベートすることにより、プレN PCRプライマー内の切断可能な/ヌクレアーゼ耐性の塩基または連結の位置によりその長さが制御される3’突出がもたらされるだろう。尾部配列は、複雑な配列またはホモポリマー低複雑性配列のいずれであってもよい。
方法3:制御された修復による酵素に基づくライブラリー正規化
3つの制御された修復方法が、図13~16に概説されており、プレNプライマーPCR増幅後に、方法3aは、2つの正規化ステップ:切断/ライゲーションステップ、その後のエキソヌクレアーゼステップを有し、方法3bおよびcは、単一の切断/ライゲーションステップのみを有する。方法2cと同様に、方法3aおよびbでは、切断可能な塩基を含むプレN PCRプライマーを利用して、PCR後に、過剰モル分量のNGSライブラリーに3’突出を生成するが、方法3cでは、ヌクレアーゼ耐性修飾を含むプレNプライマーを有する5’エキソヌクレアーゼを使用して3’突出を生成する。方法3aでは、単一のプレNプライマーを従来のプライマーと共に使用して、生成される単一の3’突出は、NGSアダプターの機能的部分を含み、その結果、組み込まれたプライマー配列の切断は、ライブラリー分子の50%の部分的なライブラリー不活化をもたらし、アダプターの5’部分が無いため、切断されたライブラリー鎖は、Illumina配列決定プラットフォームでのクラスター形成、またはIon instrumentsでのサポートエマルジョンPCR(supporting emulsion PCR)が不可能にされているが、第2のNG
S鎖は、依然として完全性および機能性を保つ。1つではなく2つのプレNプライマーが使用される場合(方法3b)、両ライブラリー鎖またはライブラリー分子の100%が、切断反応により不活化される。いずれの方法でも、RNA、デオキシウラシル(dexoyuracil)、またはデオキシイノシン切断可能な塩基が、RNaseH、UDGおよび脱プリ
ン部位エンドヌクレアーゼ、またはエンドヌクレアーゼV切断と組み合わせて、正規化プライマーに含まれている。3’突出の長さは、プライマー内の切断可能な塩基の位置ならびにプライマー全体の長さにより制御される。他の実施形態(方法3c)では、一方または両方のライブラリー末端の3’突出は、PCR後に、T7またはラムダエキソヌクレアーゼなどの5’エキソヌクレアーゼと共にインキュベートすることにより生成され、5’エキソヌクレアーゼは、ホスホロチオエート結合または他の修飾などのヌクレアーゼ耐性連結と内部的に遭遇するまで、増幅されたライブラリー分子の5’末端を消化することになる。3’突出の長さは、プレN PCRプライマー内のヌクレアーゼ耐性塩基または連結に対する消化可能な塩基の位置ならびにプライマー全体の長さにより制御される。
また、酵素に基づく正規化ステップでは、限定的モル分量のN-プローブおよびリガーゼが存在する。任意選択で、置換または切断されなければN-プローブの完全なアニーリングおよびライゲーションを妨げることになる、不完全なプライマー消化反応に由来するあらゆる残存する切断可能な塩基を置換または切断するために、Taq DNAポリメラーゼまたはflapエンドヌクレアーゼなどの酵素も含まれる。このステップ内では、一方の(方法3a)または両方の(方法3b、c)5’末端のいずれかを酵素的に除去して、一方または両方のライブラリー鎖を不活化した後、過剰モル分量のライブラリーの選択された画分を、切断により除去されたNGSアダプター配列に対応する限定的モル分量のN-プローブとライゲートさせ、したがって、機能的NGSアダプターおよび配列決定されるその能力を回復させる。回復された機能性を有する選択されたライブラリー画分は、限定的モル分量のN-プローブに対応するモル分量であるため、これにより、方法4bおよびcの酵素に基づく正規化プロセスが完了する。方法3aは、追加の正規化ステップを必要とし、追加の正規化ステップでは、エキソヌクレアーゼIなどの一本鎖特異的3’-5’エキソヌクレアーゼを使用して、完全なままで残されていたが、その相補鎖がN-プローブにライゲートしなかったライブラリー鎖の3’突出を消化し、したがって、N-プローブとライゲートしたライブラリー鎖を除くすべてのライブラリー鎖を不活化し、それによりNGSライブラリーのモル濃度を、N-プローブモル分量に相当するように正規化する。
具体的には、図13では、上記3つの方法を説明する4つのステップが存在する:(1)PCR増幅を行って、切断可能な塩基(方法3aまたは3b)またはヌクレアーゼ耐性の塩基(方法3c)を、一方(方法3a)または両方の(方法3bまたは3c)アダプター末端に有するNGSライブラリーを生成し、その後SPRI精製を行うステップ;(2)一方のNGSアダプターの5’部分の消化による部分的ライブラリー不活化(方法3a)、または両NGSアダプターの5’部分の酵素的消化(方法3b)もしくは5’エキソヌクレアーゼ消化(方法3c)による完全ライブラリー不活化を行って、3’突出を生成するステップ;(3)3’突出に指定分量の正規化プローブをアニーリングおよびライゲーションさせることにより、指定数のライブラリー分子を回復させるステップ;ならびに(4)エキソヌクレアーゼIなどの一本鎖特異的エキソヌクレアーゼを使用して3’突出を消化することにより、非修復ライブラリー画分の完全な不活化を行うステップ(方法3aのみ)。
方法4:制御された合成による酵素に基づくライブラリー正規化
酵素に基づくライブラリー正規化のための2つの制御された合成方法が、図17に概説されており、方法は、短縮されたまたは不完全な非機能的アダプター配列を一方または両方の末端に有するNGSライブラリーを構築および増幅し、その後、ライブラリーの選択されたモル画分の機能的ライブラリー構築を完成させる限定されたN-プローブ分量をライゲーションさせるステップを含む。方法4aでは、5’突出が、プレNプライマーの複製不能な部分を使用してPCR中に生成され、または方法4bでは、5’突出が、T4 DNAポリメラーゼにより、以前に記載されているようにPCR後に生成される(プレN
PCRプライマーの緩衝領域から除外される、尾部の限定された塩基組成、その後の、相補的尾部領域から除外されているが、相補的緩衝領域に含まれている、PCR後の3’-5’エキソヌクレアーゼ反応での限定されたdNTP組成)。他の態様では、5’突出は、本明細書の他の開示されている方法により生成することができる。代わりに、方法2cで開示されているN-プローブアニーリングおよびライゲーションのための開示されている方法のいずれかにより3’突出の生成を行った後、制御された合成正規化を実施してもよい(図示せず)。5’または3’突出を形成した後、一実施形態(方法4a)では、一本鎖N-プローブを使用して、それがライゲートする鎖のみにライブラリー機能性を付与する。別の実施形態(方法4b)では、部分的に二本鎖のN-プローブを使用して、それがライゲートする両鎖にライブラリー機能性を付与する。
5’または3’突出の形成は、N-プローブライゲーションの必要条件ではないが、突出は、低濃度でのプローブおよびライブラリーライゲーションを著しく促進する。一実施形態では、単一のT塩基3’突出を有する二本鎖正規化プローブのライゲーションは、Taq DNAポリメラーゼによりPCR中に生成される単一のA塩基3’突出を有するライブラリーを必要とする(図42B)。別の実施形態では、二本鎖正規化プローブは平滑末端を有し、高フィデリティーDNAポリメラーゼを使用して増幅されたライブラリーにライゲートされる(図42A)。短縮アダプター末端との、限定された量の平滑末端または単一T塩基3’突出正規化プローブのライゲーションは、PCR中に生成される高ライブラリー濃度により促進することができる。NGSライブラリーの反対側の末端にあるアダプターとのプローブライゲーションの防止は、5’ホスフェート基の欠如、または適合性の平滑末端もしくは単一A塩基3’突出の欠如、または5’ホスフェートおよび適合性の末端の両方の欠如により制御することができる。
具体的には、図17では、示されている2つのステップは、(1)複製不能な塩基もしくは塩基の組合せを含有するか(方法4)、またはT4 DNAポリメラーゼによる5’突出生成を可能にする特殊な塩基組成を両末端に有する(方法4)PCRプライマーを使用してPCR増幅を行って、短縮アダプター末端に5’突出を有する非機能的ライブラリー分子を生成し、その後SPRI精製を行うステップならびに(2)指定量の正規化合成プローブを5’突出とアニーリングおよびライゲーションすることにより(方法4)、または第1に、限定されたヌクレオチド組成の存在下でT4 DNAポリメラーゼにより短縮アダプター末端に5’突出を産生し、第2に、指定分量の二本鎖正規化合成プローブを5’突出とアニーリングおよびライゲーションすることにより(方法4)、指定数の機能的ライブラリー分子を合成するステップを含む。
図18~42Iは、制御された合成に基づく正規化のために、1つまたは2つのライブラリー鎖が標的とされる場合の詳細を示している。図18、20、および42Dは、短縮された第1のNGSアダプターを維持するが、平滑末端を産生する従来のリバースプライマーと組み合わせると、5’突出として低複雑性(ホモポリマーを含むが、それに限定されない)プローブアニーリング部位を導入し、Illumina配列決定に必要とされるような試料インデックス付与を導入することができる、単一のプレNプライマーを用いて、1つのライブラリー鎖を標的とする場合の選択肢を示している。PCR後、N-プローブおよびDNAリガーゼと共にPCR産物をインキュベートする前に、精製ステップを実施する。この場合、N-プローブは、低複雑性配列に相補的な配列を含み、ライゲーションすると、短縮NGSアダプターの欠失部分を導入し、機能的NGSライブラリーを付与する。得られたライブラリーは、内部低複雑性挿入を有する完全に機能的なアダプターを含む。代替的な実施形態(図42E~42H)では、低複雑性配列を導入して迅速なアニーリングを促進する代わりに、5’突出プローブアニーリング領域が、機能的アダプター配列に対応する。この場合、5’突出の生成は、アダプター配列内のいくつかのヌクレオチドをリボヌクレオチドに置換することによりもたらすことができる。1つのそのような実施形態では、プレN-プライマー内の3つの連続チミン塩基を、3つの連続リボウリジン塩基に置換する(図42Eおよび図43B~43)。この場合、N-プローブライゲーション後、低複雑性配列が組み込まれていない機能的NGSライブラリーが生成される。さらに別の実施形態では、アダプター配列を含む一本鎖N-プローブのライゲーションは、相互に相補的な低複雑性配列、例えばポリAおよびポリTを、それぞれ、プレN-プライマーおよびN-プローブの5’および3’末端に付加することにより、加速させることができる(図42Gおよび43C)。この場合、N-プローブライゲーション後、低複雑性配列がアダプター内に組み込まれる代わりに、アダプターの末端に組み込まれている機能的NGSライブラリーが生成される。得られた5’突出を、限定的モル分量の一本鎖または二本鎖のN-プローブとライゲーションさせた後、N-プローブのモル濃度に相当する一本鎖機能的ライブラリーが生成される。指定モル濃度のdsDNAライブラリー当量の分量を生成するには、2倍高いssDNAプローブ濃度が必要であることが理解される。
図19および図21Aは、2つのプレN-プライマーを用いて両ライブラリー鎖を標的とする場合の選択肢を示している。この場合、1つのプレN-プライマーは、短縮された第1のNGSアダプターを維持するが、T4 DNAポリメラーゼ媒介性5’突出生成を促進する追加の配列を導入し、第2のプレN-プライマーは、第2のNGSアダプターの末端にインデックス配列および緩衝領域を導入し、T4 DNAポリメラーゼ3’エキソヌクレアーゼ活性に対する耐性を付与して平滑末端を維持する。プレN-プライマーを用いてPCR増幅し、その後、未使用のプライマーを除去し緩衝液交換を実施する精製ステップを行った後、精製したPCR産物を、T4 DNAポリメラーゼ、および緩衝配列に相補的であるが、尾部配列には相補的でない限定されたデオキシヌクレオチド組成物と共にインキュベートし、それにより、短縮された第1のアダプター末端に5’突出、および完全な第2のアダプター末端に平滑末端を有する産物を生成する。T4 DNAポリメラーゼの熱不活化後、低複雑性尾部配列に相補的な配列および機能性の付与に必要なNGSアダプターの欠失部分を含む限定的モル分量のN-プローブを、5’突出にライゲートさせる。代替的な実施形態では、N-プローブは、T4 DNAポリメラーゼを使用した5’突出生成およびライゲーションを同時に可能にするために、その3’末端に3’エキソヌクレアーゼ耐性のための緩衝領域をさらに含む。
図20A~20Bは、単一のプレNプライマーを使用する場合(方法4a)、いずれかのアダプター末端を使用して、N-プローブアニーリングおよびライゲーションのための5’突出を導入することができ、加えて、第1のアダプター末端に対する正規化を標的とするかまたは第2のアダプター末端に対する正規化を標的とするかに関わらず、単一または二重インデックス付与のいずれかを、いずれかの実施形態に組み込むことができることを示している。図21Aでは、PCR増幅NGSライブラリーは、インデックス化全長P7アダプターおよび短縮P5アダプターを含み、P5は、末端プローブアニーリングおよび緩衝配列を有し、P7は、緩衝配列を有する(緩衝配列は、適切なdNTP組成物を用いて、T4 DNAポリメラーゼエキソヌクレアーゼ消化をブロックする)。図21Bでは、完全に合成されたNGSライブラリーは、P7インデックスおよび任意選択のP5二重インデックスを有し、P5アダプターは、内部正規化プローブ配列を含む。
代替的な実施形態では、制御された合成による正規化には、短縮アダプターライブラリーの産生は必要ではない。これは、リボヌクレオチドが配列決定ワークフローと非適合性であるため、リボヌクレオチド塩基をアダプター配列に挿入することにより、ライブラリーを非機能的にすることができるからである。したがって、全長アダプターは、内部リボヌクレオチドを含む場合、非機能的であり得る。図42Hにより示されているように、リボ塩基を有するプレN-プライマーは、完全なサイズのアダプター配列を有し得るが、PCRの産物は、少なくともIllumina配列決定プラットフォームに関しては依然として非機能的であり得る。これは、PCR産物の一方の鎖(下方)は、短縮され、非機能的であり、他方(上方)の鎖は、Illuminaフローセルでのクラスター形成に使用される高フィデリティーDNAポリメラーゼにより完全には複製可能でなく、したがってこの鎖も非機能的であるためである。N-プローブとPCR産物のボトム鎖とのその後のライゲーションは、機能的ライブラリーを産生し、このライブラリーの量は、正規化プローブの量により制御される。
一態様では、PCRに基づくNGSライブラリー正規化または酵素に基づくNGSライブラリー正規化のためのキットは、本明細書で開示される方法または方法の組合せおよびそれらの実施形態を実施するのに必要な成分を含む。別の態様では、酵素に基づくNGSライブラリー正規化のためのキットは、プレNプライマー、ポリメラーゼ、N-プローブ、リガーゼ、およびヌクレアーゼを含む、方法2aに必要な成分を含む。代替的な実施形態では、PCRに基づくライブラリー正規化のためのキットは、N-PCRプライマー対およびポリメラーゼを含む。
制御された合成のための代替的な方法は、一方の末端に短縮アダプターを有する短縮NGSライブラリーが、様々な方法のいずれかにより産生され、プローブが、アダプターの欠失部分を提供して、NGSのためのNGSライブラリーの機能性を回復させる実施形態を含む図42A~42Hに示されている。
図42Aでは、ライブラリーを、高フィデリティーDNAポリメラーゼおよび従来のプライマーで増幅して、平滑末端断片を産生し、次いで、平滑末端N-プローブとライゲートさせる。効率化を図るために、そのような反応は、非常に高いライブラリーおよびDNAリガーゼ濃度で進行させて、低複雑性配列の非存在下における低プローブ濃度でのライゲーションを可能にするべきである。非欠損末端は、対応するPCRプライマーの5’末端にかさ高いスペーサーを配置することにより、そのようなライゲーションを回避することができる。増幅されたライブラリーは、欠損アダプター末端を有するため最初は短縮されており、これは、アダプターの欠失部分を含むプローブとライゲートされると、機能的な正規化されたNGSライブラリーが産出される。
図42Bでは、ライブラリーを、Taqまたは3’プルーフリーディング活性を欠如する任意の他の熱安定性DNAポリメラーゼおよび従来のプライマーを用いて増幅して、末端にA尾部を有する断片を産生させ、次いで、T尾部を有するN-プローブとライゲートさせる。Aの場合と同様に、そのような反応は、非常に高いライブラリーおよびDNAリガーゼ濃度で進行させて、低複雑性配列の非存在下における低プローブ濃度でのライゲーションを可能にするべきである。非欠損末端は、対応するPCRプライマーの5’末端にかさ高いスペーサーを配置することにより、そのようなライゲーションを回避することができる。増幅されたライブラリーは、欠損アダプター末端を有するため、最初は短縮されており、これは、アダプターの欠失部分を含むプローブとライゲートされると、機能的な正規化されたNGSライブラリーが産出される。
図42Cでは、プレN PCRプライマーを使用してライブラリーを増幅し、NGSライブラリーの短縮アダプター末端に5’尾部および3’隣接緩衝領域を組み込む。尾部領域は、6~20塩基であり、ホモポリマーまたはジ-ヌクレオチド組成を含み、その後に5’尾部領域から除外されるヌクレオチド組成を含有する5~10塩基緩衝領域が後続する。そのような配列を含むNGSライブラリーを、T4 DNAポリメラーゼ、および緩衝領域に相補的であるが、尾部領域には相補的でない塩基のみに制限されたヌクレオチドミックスと共にインキュベートすると、T4 DNAポリメラーゼの3’エキソヌクレアーゼプルーフリーディング活性は、緩衝領域に到達するまで3’相補的尾部領域を不可逆的にトリミングすることになり、緩衝領域では、ヌクレオチドを可逆的に除去および置換し、したがって緩衝領域により画定される5’突出を生成することができる。5’突出の生成、および相補的5’突出配列を有するN-プローブのライゲーションは、T4 DNAポリメラーゼを除去もしくは熱不活化した後で逐次的に実施してもよく、またはN-プローブが、その5’尾部に3’隣接する、同じ塩基組成を有する緩衝領域を含有する場合、単一のインキュベーション反応内に組み合わせてもよい。最良のシナリオでは、プレN
PCRプライマーおよびN-プローブ相補的尾部配列は、低プローブ濃度でのプローブアニーリングおよびライゲーションを加速させる、ポリAおよびポリTなどのホモ-ヌクレオチド反復配列である。増幅されたライブラリーは、欠損アダプター末端を有するため、最初は短縮されており、これは、アダプターの欠失部分を含むプローブとライゲートされると、機能的な正規化されたNGSライブラリーが産出される。
図42Dでは、ライブラリーは、5’尾部を有するプレN PCRプライマーを使用して増幅され、尾部と、アダプター配列、つまりdU塩基(古細菌DNAポリメラーゼの場合)を含む複製不能な基、または3つもしくはそれよりも多くのリボUもしくはリボA塩基の連続伸張を含む複製不能なスペーサーとの間に位置し、高フィデリティーDNAポリメラーゼは、(リボU)または(リボA)鋳型を越えて伸長することができない。式中、n=3またはそれよりも大きい。リボUおよびリボA塩基が、それぞれポリ(dT)およびポリ(dA)6~20塩基尾部配列によりフランキングされている場合、PCRは、Nプローブとホモポリマー5’尾部とのライゲーションのための、対応するホモポリマー5’突出を有するライブラリー分子をもたらす。ポリAおよびポリTなどの反復配列は、プローブアニーリングおよびライゲーションを加速させて、低プローブ濃度での効率的なライゲーションを可能にする。増幅されたライブラリーは、欠損アダプター末端を有するため、最初は短縮されており、これは、アダプターの欠失部分を含むプローブとライゲートされると、機能的な正規化されたNGSライブラリーが産出される。
図42Eでは、ライブラリーは、元のNGSアダプター配列内のデオキシリボヌクレオチドを置換する3つまたはそれよりも多くのリボ塩基の連続伸張を有するプレN PCRプライマーを使用して増幅される。N-プローブは二本鎖である。増幅されたライブラリーは、欠損アダプター末端を有するため、最初は短縮されており、これは、アダプターの欠失部分を含むプローブとライゲートされると、機能的な正規化されたNGSライブラリーが産出される。この方法は、3’プルーフリーディング活性のないポリメラーゼを、短縮アダプター配列に追加の配列を付加せずに使用する場合、5’突出を有する短縮ライブラリーの生成を可能にする。
図42Fでは、ライブラリーは、元のNGSアダプター配列内のデオキシリボヌクレオチドを置換する3つまたはそれよりも多くのリボ塩基の連続伸張を有するプレN PCRプライマーを使用して増幅される。N-プローブは、一本鎖である。増幅されたライブラリーは、欠損アダプター末端を有するため、最初は短縮されており、これは、アダプターの欠失部分を含むプローブとライゲートされると、機能的な正規化されたNGSライブラリーが産出される。
図42Gでは、ライブラリーは、元のNGSアダプター配列内のデオキシリボヌクレオチドを置換する3つまたはそれよりも多くのリボ塩基の連続伸張、および5’末端にホモ-、ジ-、トリ-ヌクレオチド反復配列を有するプレN PCRプライマーを使用して増幅される。N-プローブは、低プローブ濃度でのプローブアニーリングおよびライゲーションを加速させる相補的反復配列を5’末端に有する一本鎖である。増幅されたライブラリーは、欠損アダプター末端を有するため、最初は短縮されており、これは、アダプターの欠失部分を含むプローブとライゲートされると、機能的な正規化されたNGSライブラリーが産出される。N-プローブは、その3’末端に10~20個のポリAまたはポリT塩基を有していてもよい。したがって、一部の実施形態では、短縮NGSライブラリーは、突出、しばしば5’突出を含んでいてもよく、ライブラリー増幅のためのアニーリングの加速を促進することができる一方で、プローブが短縮NGSライブラリーにライゲートされた場合にループ中に存在する欠失アダプター部分のプローブによる再組み込みを可能する、本開示に記載されている低複雑性配列も含む。これは、プローブにライゲートされたライブラリー分子の短縮NGSライブラリーの機能性を回復することができるが、低複雑性配列とプローブの相補的配列との結合のため、より速くより効率的な速度で実施することができる。
図42Hでは、ライブラリーは、切断可能な塩基またはヌクレアーゼ耐性塩基のいずれかを含む修飾塩基を有するプレN PCRプライマーを使用して増幅される。切断可能な塩基は、アダプター配列の5’部分内に均等に位置し、dU塩基、RNA、およびデオキシイノシンを含むが、それらに限定されない。ホスホロチオエート塩基などのヌクレアーゼ耐性塩基は、5’尾部の3’部分内、または尾部が存在しない場合は、アダプター配列内に位置していてもよい。UDG/脱塩基部位エンドヌクレアーゼミックス、RNaseH、またはエンドヌクレアーゼV(切断可能な塩基の場合)、およびT7エキソヌクレアーゼ、ラムダエキソヌクレアーゼ、またはエキソヌクレアーゼVなどの5’エキソヌクレアーゼ(ヌクレアーゼ耐性塩基の場合)と共にインキュベートすると、プレN PCRプライマー内の切断可能な/ヌクレアーゼ耐性の塩基または連結の位置によりその長さが制御される3’突出がもたらされるだろう。5’突出の生成、および相補的5’突出配列を有するN-プローブのライゲーションは、切断酵素を除去もしくは熱不活化した後で逐次的に実施してもよく、または単一のインキュベーション反応内に組み合わせてもよい。エキソヌクレアーゼ消化の場合、N-プローブは、3’突出の遠位にある末端部分内にヌクレアーゼ耐性塩基を有する保護領域を含有する。増幅されたライブラリーは、欠損アダプター末端を有するため、最初は短縮されており、これは、アダプターの欠失部分を含むプローブとライゲートされると、機能的な正規化されたNGSライブラリーが産出される。
N-PCR:PCRに基づくNGSライブラリー正規化法
PCRによるNGSライブラリー濃度の正規化(N-PCR)は、増幅中にすべてのPCRプライマーを利用して、NGSライブラリーへと変換することができ、したがって、N-PCRプライマーのモル分量と等しいモル分量のNGSライブラリーを産生することができるという仮定に依存する。NGSライブラリーの効率的な増幅を保証し、その複雑性を保存するため、従来のPCR反応中のプライマー濃度は、通常は、200nMから>1,000nMまで様々である。このプライマー濃度では、50ulの反応容積で実施されるPCR増幅反応は、PCRプライマーの完全な利用を仮定すると、30~50pmolのNGSライブラリーをもたらすはずである。この分量のライブラリーの産生には、実用的でない追加量のDNAポリメラーゼが必要とされることになるが、この場合でさえ、反応は、後期PCRサイクルでは依然として、大分量のDNAによる阻害を被ることになるだろう。また、それは、すべてのプライマーをライブラリーへと変換するために、より多くのPCRサイクルを必要とし、PCR複製物の大幅な増加、ならびにDNAを損傷するおよび熱誘発性突然変異を誘導するリスクを伴う熱へのDNAの追加の曝露をもたらすだろう。
問題は、プライマー濃度を低下させることにより対処することができる可能性があるが、標準的アニーリングおよび伸長時間を使用する場合、低減されたプライマー濃度では、プライミング効率およびライブラリー複雑性が低下する場合があり、代わりに、アニーリングおよび伸長時間を増加させて、プライマー濃度の低減を補償するとすれば、PCR反応は、数時間に及ぶだろう。
PCRに基づくライブラリー正規化は、低プライマー濃度での効率的なプライマーアニーリングに結び付く本明細書で開示される新規なプライマー設計を使用して、従来のアニーリング時間の使用を可能にすることにより達成することができる。これらの修飾N-PCRプライマーは、プライミング効率またはNGSライブラリー複雑性を低減させずに、低減された濃度および従来のアニーリング時間で性能を発揮することができる。加速されたアニーリングプロセスの概略図は、図22に示されている。
アニーリング時間の加速を示す修飾N-PCRプライマーは、2つのドメイン:ライブラリー増幅のためのNGSアダプター配列にアニーリングする3’ドメイン、およびそのアニーリング速度を増加させ、アニーリング時間を低減するために、そうでなければ従来のライブラリー増幅プライマーに追加された追加の特徴である5’ドメインを有する。5’ドメインは、モノ-、ジ-、トリ、テトラ-ヌクレオチド反復などの、低配列複雑性を有するDNA配列を含む。DNA基質が、プライマーの5’ドメインの反復配列に相補的であり複雑性が低減された反復配列(および加えて、プライマーの3’部分に相補的な配列)を有する場合、その5’反復ドメインにより、鋳型の相補的な反復性対応部分とのプライマーアニーリングが迅速に生じ、この係留は、プライマーが、その3’ドメインにより、より高複雑性の配列にアニーリングすることを可能にする。5’ドメインの係留は、高い局所的プライマー濃度を生成し、プライマーの3’ドメインの迅速なアニーリングおよび伸長をもたらす。
アニーリング速度の増加を示すN-PCRプライマーの5’ドメインに使用されるいくつかの単純な反復配列が存在するが、それらのすべてが有用であるとは限らない。N-PCRプライマー間の交差相互作用を回避するため、5’ドメイン配列は、2つの非相補的反復、例えば、ホモポリマー配列の場合、ポリAおよびポリCまたはポリTおよびポリGから選択されるべきである。ジヌクレオチド反復の場合、プライマー対の5’ドメイン配列は、ポリGTおよびポリGA、ポリGTおよびポリCT、ポリAGおよびポリCA、またはポリCTおよびポリCAなどの、2つの非相補的配列から選択される。ポリAおよびポリTまたはポリGTおよびポリCAなどの相補的尾部配列の選択は、プライマーの5’ドメインのアニーリングおよび加速効果の低減に結び付くことになるため、望ましくない。また、5’ドメイン配列は、5’ドメイン間の相補性を回避するために、同じ原理を用いて、トリ-ヌクレオチド、テトラ-ヌクレオチド、ペンタ-ヌクレオチド、およびヘキサ-ヌクレオチド反復組合せから選択することができる。5’末端にポリA、ポリGT、ポリACGなどの同じ反復配列を有するN-PCRプライマーは、自己相補的ステム-ループ構造へとフォールディングするアンプリコン鎖の生成に、および同じ反復結合部位に対する2つのPCRプライマー間の競合にも結び付くことになる。したがって、N-PCRプライマーの5’ドメインは、そのような部分が別の機能に必要である場合、非反復部分も含有してよい。図23Aは、限定されたプライマー濃度による制御された増幅をもたらすN-PCRプライマーの5’末端にポリ(GA)およびポリ(GT)尾部を使用する例示的な方法を示している。図23Bは、同じ目的のために、ポリ(A)およびポリ(T)尾部を使用する例示的な方法を示している。図24Aは、プライマーおよびライブラリーのモル濃度の、時間の関数としての仮想グラフを示している。図24Bは、3つの異なるライブラリー入力濃度に関する同じタイプのグラフを示している。図25は、ホモポリマー尾部、ジヌクレオチド尾部、およびトリヌクレオチド尾部を有するN-PCRプライマーの例を提供している。
N-PCRプライマーの低複雑性5’ドメインに加えて、対応するDNA鋳型は、N-PCRプライマーと鋳型との迅速なアニーリングを可能にするために、プライマーの5’末端の反復配列に相補的な反復配列を有するべきである。これらの配列は、反復配列を含有するNGSアダプターをライゲートさせることにより、ライブラリー合成中にNGSライブラリーの末端に付加することができる。この手法は、最初の2回のサイクルで長いアニーリング時間を実施することなくライブラリー増幅を可能にし、PCRにより低複雑性尾部を組み込むため、好ましい。代わりに、ライブラリーがアダプター末端に低複雑性配列を有していない場合、反復配列を含有するプライマーを使用して、ライブラリー増幅中に反復配列を導入してもよい。後者の場合、少なくとも2回の最初のPCRサイクルは、DNA鋳型に相補的反復配列が存在しない場合、プライマーの完全なアニーリング(および伸長)を保証するために、延長されたアニーリング時間を有するべきである。2回のPCRサイクル後、両末端に反復配列を含有するライブラリーアンプリコンが生成されることになり、低減された従来のアニーリング時間を使用してPCRサイクルを継続することができる。図26は、N-PCRプライマーのアニーリング加速の提唱機序を示している。図27および28は、N-PCRプライマーを使用する増幅および正規化のための例示的な方法を示している。図29Aは、ホモポリマー尾部(最低複雑性)を有するN-PCRプライマーは、最大のアニーリング加速をもたらすことができるが、そのような尾部を使用するとある問題、つまり同じホモポリマー尾部を有するフォワードおよびリバースプライマーが、ステム-ループ構造を有するアンプリコンを生成し、その場合、相互に相補的な5’および3’尾部がステム領域を形成し、プライミングのための接近が容易に可能でなくなってしまうという問題が生じ得ることを示している。それらがアンプリコンに結合可能である場合でさえ、そのような二次構造は、リバースプライマーのホモポリマー尾部に、フォワードプライマーの結合との競合を引き起こさせ、その逆も同様である。図29Bは、相補的なホモポリマー尾部を有するフォワードおよびリバースN-PCRプライマーは、二次構造を形成しないアンプリコンを生成するが、プライマー自体が、自身の尾部により相互作用することがあり、結合のために接近することができなくなることを示している。図29Cは、ポリ(T)およびポリ(G)、ポリ(T)およびポリ(C)、ポリ(A)およびポリ(G)、またはポリ(A)およびポリ(C)などの非相補的ホモポリマー尾部を有するN-PCRプライマーは、5’末端または3’末端のいずれかが、プライマーおよび/または複製に耐性であるワトソン-クリック型の二次構造を形成することが可能なポリG配列(G-四重配列のような)を有するアンプリコンを生成することを示している。図29Dは、好ましいものであり、使用することができる、N-PCRプライマーのジヌクレオチド反復尾部を示している。しかしながら(TA)および(GC)は、それらの相補性のため、使用されるべきでない。
一部の実施形態では、N-PCRプライマーは、他の応用、例えば、ウイルス性および細菌性DNAおよびRNA鋳型のPCR増幅の加速の診断に使用することができる。非常に低いコピー数のウイルス核酸の増幅が、30回のPCRサイクルを必要とし、約45分以内に生じる場合(1サイクル当たり1.5分であると仮定して)、本開示に記載されているプライマーを用いた同じプロセスは、ほとんど6.5倍より迅速に、わずか7分以内に達成することができる。
正規化反応の成功、およびN-PCR後のNGSライブラリーのモル濃度は両方とも、5’末端にフルオロフォアを含有する少なくとも1つのN-PCRプライマーを用いて増幅したライブラリーの蛍光強度を測定することにより容易に決定することができる。そのような測定は、フルオロフォア含有N-PCRプライマーまたはその5’部分に相補的であり、3’末端にクエンチャー発色団を含有する過剰モル分量のクエンチングオリゴヌクレオチド(両プライマーがフルオロフォアを有する場合は、2つのクエンチングオリゴヌクレオチド)を添加する前後に実施される。蛍光性インターカレーター色素を使用する従来の濃度測定に対するこの方法の1つの利点は、この方法では、モル濃度の算出がインサートサイズに依存せず、したがって、幅広いまたは未知のインサートサイズ範囲を有する基質でも、モル分量を正確に測定することができるということである。別の利点は、この定量化法は、組み込まれたプライマー濃度と遊離プライマー濃度とを区別することができるため、測定前にPCRプライマーの除去を必要としないということである。クエンチングオリゴヌクレオチドの添加前に第1の蛍光測定を実施し、それにより、PCR中にライブラリーに組み込まれたプライマーおよび溶液中に依然として存在するプライマーを含むすべてのプライマーにより生成される合計蛍光シグナルFを確立する。クエンチングオリゴヌクレオチドを添加した後に第2の蛍光測定を実施して、ライブラリーに組み込まれたプライマーに由来する蛍光シグナルFを決定する。これら2つの測定値に基づき、ライブラリー画分および未利用プライマー画分は両方とも、それぞれF/Fおよび(F-F)/Fとして決定することができる。増幅されたNGSライブラリーの対応するモル濃度[ライブラリー]および未組込みプライマーのモル濃度[プライマー]は、それぞれ、[ライブラリー]=F/F×[P]および[P]=(F-F)/F×[P]として算出することができ、式中、[P]は、PCR反応の開始時のモルプライマー濃度である。図30は、そのような方法および計算を適用して、NGSライブラリーのモル濃度を決定するための例示的な方法を示している。
上記の式は、2つの仮定に基づく:a)フルオロフォアの量子収量が、未組込みおよび組込みプライマーの両方で同じであること、ならびにb)クエンチングオリゴヌクレオチドと溶液中に残留するプライマーとのアニーリングが、それらの蛍光を完全に抑制すること。第1の仮定を、相補的オリゴヌクレオチドの非存在下および存在下で、PCRプライマーの蛍光強度を実験的に測定することにより試験および確認した。第2の仮定に関しては、クエンチャー発色団によるフルオロフォア蛍光の抑制は、強力であるが、完全ではない場合があり、実際のフルオロフォア-クエンチャー対の場合、クエンチャーオリゴヌクレオチドのアニーリング時に、蛍光強度の約30~100分の1の低減に寄与することが周知である。この低減は、より良好なフルオロフォア-クエンチャー対の選択により、および3’末端に複数のクエンチャー基を有するクエンチングオリゴヌクレオチドを使用することにより、2~3倍増加させることができる可能性がある。しかしながら、現行の低減係数でさえ、正規化反応の成功に関する非常に正確な評価を提供することができ、未組込みプライマーを除去する必要のないNGSライブラリー濃度の正確な測定をもたらすことができる(実施例11を参照)。
表1.プライマー伸長反応オリゴヌクレオチド
Figure 2022044605000001
表2.増幅オリゴヌクレオチド
Figure 2022044605000002
表3.オリゴヌクレオチド結合動力学
Figure 2022044605000003
表4.酵素に基づくライブラリー正規化オリゴヌクレオチド
Figure 2022044605000004
表5.再会合動力学オリゴヌクレオチド
Figure 2022044605000005
表6.PCRに基づく正規化PCRプライマー
Figure 2022044605000006
表7.標識正規化PCRプライマーおよびクエンチャー
Figure 2022044605000007
表中、rU-リボU、dU-デオキシリボU、rA-リボA、rC-リボC、rG-リボG、-ホスホロチオエート結合、/3SpC3/-3’末端C3スペーサー、/5IABkFQ/-5’末端Iowa Black(登録商標)FQクエンチャー、/36-FAM/-3’末端フルオレセイン、および表中、/3IABkFQ/-3’末端Iowa Black(登録商標)FQクエンチャー、/56-FAM/-5’末端フルオレセイン
表8 合成法によるライブラリー正規化用のオリゴヌクレオチド
Figure 2022044605000008
Figure 2022044605000009
表9 PacBioアンプリコンライブラリー合成用のオリゴヌクレオチド
Figure 2022044605000010
表中、/5Phos/-5’ホスフェート基、rU-リボウリジン
表10:NGSアダプター配列
Figure 2022044605000011
表中、XXXXXXは、インデックス配列である。
表11 実施例17のオリゴヌクレオチド
Figure 2022044605000012
Figure 2022044605000013
(実施例1)
リボヌクレオチド複製ブロッカーを含有するDNA鋳型に対するプライマー伸長反応の概略図
プライマー伸長反応は、内部RNA複製ブロッカーを含有し、またプライマーの5’末端での鋳型伸長を防止するために3’末端が保護されている鋳型DNAオリゴヌクレオチドからなる。反応の別の成分は、5’非相補的末端を有する伸長プライマーである(図31A~31B)。プライマー伸長反応では、3つのタイプの産物を形成することができる。ポリメラーゼの処理能力が完全に阻害されている場合、伸長は観察されず、非伸長プライマーは、25bサイズに移動することになる(産物1)。プライマー伸長反応が、複製ブロッカーの開始部または内部で停止する場合、伸長プライマーよりも上だが鋳型よりも下に移動する1つまたは複数の伸長産物を観察することができる(産物2)。ポリメラーゼが複製ブロッカーを迂回することができる場合、鋳型よりも上に移動する産物の形成がもたらされる(産物3)(図31B)。
(実施例2)
DNA鋳型に組み込まれているリボウリジン伸張は、プルーフリーディングDNAポリメラーゼQ5によるプライマー伸長をブロックする
物質
10μΜ rU鋳型オリゴヌクレオチド(オリゴヌクレオチド1)
10μΜ r(U)鋳型オリゴヌクレオチド(オリゴヌクレオチド2)
10μΜ r(U)鋳型オリゴヌクレオチド(オリゴヌクレオチド3)
10μΜ r(U)鋳型オリゴヌクレオチド(オリゴヌクレオチド4)
10μΜ r(U)鋳型オリゴヌクレオチド(オリゴヌクレオチド5)
10μΜ dU鋳型オリゴヌクレオチド(オリゴヌクレオチド6)
10μΜ伸長プライマー(オリゴヌクレオチド10)
Q5(登録商標)Hot Start High-Fidelity 2X Master Mix(NEB、カタログ#M0494S)
低TE緩衝液(Teknova カタログ#TO227)
25bpラダーDNAサイズマーカー(Invitrogen、カタログ#10488-022)
15%TBE-尿素ゲル(invitrogen、カタログ#EC68852BOX)
SYBR Gold染色剤(Invitrogen、カタログ#S11494)
方法
伸長反応を、15μlの2×Q5(登録商標)Hot Start High-Fidelity Master Mix、2μlの鋳型オリゴヌクレオチド、1μlの伸長プライマー、および12μlの低TE緩衝液を含有する30μlの反応容積中で実施した。反応を、98℃で45秒間加熱して酵素を活性化させ、その後60℃で3分間の伸長を行った。試料を、ホルムアミドローディング緩衝液中で煮沸し、200ボルトの15%TBE-尿素ゲルで分離した。ゲルを、SYBR Gold染色剤で染色し、Dark Readerライトボックス(Clare Chemical Reseach)上で視覚化し、デジタルカメラを使用して写真を撮った。
結果
様々な数のリボウリジンまたはデオキシウリジンを複製ブロッカーとして含有する鋳型でのQ5(登録商標)Hot Start High-Fidelity酵素による伸長反応の産物の電気泳動分析が図32に示されている。レーン2は伸長プライマーの移動を示し、レーン3~5は、rU、r(U)、およびr(U)鋳型の移動を示す。レーン6は、単一のリボウリジンを含有する鋳型でのプライマーの完全伸長を示し、レーン7は、2つのリボウリジンを含有する鋳型での部分的なおよび完全な伸長産物を示し、レーン8~10は、2つよりも多くの(3~6つの)リボウリジンを含有する鋳型での部分的伸長産物のみを示す。レーン11は、単一のデオキシウリジンを含有する鋳型での、完全にブロックされた、Q5酵素によるプライマー伸長を示す。レーン6から見て取ることができるように、Q5ポリメラーゼは、鋳型に組み込まれている単一のリボウリジンを完全に迂回し、鋳型の上に移動し、2つの星印により示されている完全な伸長産物を生成することができる。1つよりも多くのリボウリジンがDNA鋳型に組み込まれていた場合、Q5酵素によるプライマー伸長に対する顕著な影響が観察された。特に、2つのリボウリジンが伸長鋳型に組み込まれている場合(レーン7)、非常に少ない完全伸長を観察することができる。2つよりも多くのリボウリジンが鋳型オリゴヌクレオチドに組み込まれている場合、Q5ポリメラーゼは、複製ブロッカーを迂回することができず、ゲルでは3つの星印で示されている部分的伸長産物のみが生成される(レーン8~10)。レーン11に示されているように、鋳型に組み込まれたデオキシウリジンは、Q5ポリメラーゼ処理能力を完全にブロックすることができる。
結論
DNA鋳型に組み込まれたリボウリジンは、プルーフリーディングポリメラーゼQ5によるプライマー伸長を阻害することができる。プライマー伸長の効率的な阻止を達成するために、複製ブロックは、3つまたはそれよりも多くのリボウリジンを含有するべきである。
(実施例3)
4つの異なるリボヌクレオチドで構成される複製ブロッカーを含有するDNA鋳型での異なる熱安定性DNAポリメラーゼを使用したプライマー伸長反応。
物質
10μΜ r(U)鋳型オリゴヌクレオチド(オリゴヌクレオチド3)
10μΜ r(A)鋳型オリゴヌクレオチド(オリゴヌクレオチド7)
10μΜ r(C)鋳型オリゴヌクレオチド(オリゴヌクレオチド8)
10μΜ r(G)鋳型オリゴヌクレオチド(オリゴヌクレオチド9)
10μΜ伸長プライマー(オリゴヌクレオチド10)
Taq 2X Master Mix(NEB、カタログ#M0270L)
2×Q5 dUバイパスポリメラーゼ(NEB、カタログ#不明)
Kapa HiFi HotStart Ready Mix(Kapa biosystems、カタログ#KK2601)
PrimeSTAR(登録商標)GXL DNA Polymerase(Clontech、カタログ#R050A)
Q5(登録商標)Hot Start High-Fidelity 2X Master Mix(NEB、カタログ#M0494S)
低TE緩衝液(Teknova カタログ#TO227)
25bpラダーDNAサイズマーカー(Invitrogen、カタログ#10488-022)
15%TBE-尿素ゲル(invitrogen、カタログ#EC68852BOX)
SYBR Gold染色剤(Invitrogen、カタログ#S11494)
方法
2×Taq、2×Q5 dUバイパスポリメラーゼ、またはQ5(登録商標)Hot Start High-Fidelity 2X Master Mixを用いたプライマー伸長反応を、15μlのMaster Mix、2μlの鋳型オリゴヌクレオチド、1μlの伸長プライマー、および12μlの低TE緩衝液を含有する30μlの反応容積中で実施した。PrimeSTAR(登録商標)GXL DNA Polymeraseを用いたプライマー伸長を、6μlの5×PrimeSTAR GXL Buffer、2.5μlのdNTP混合物(各2.5mM)、2μlの鋳型オリゴヌクレオチド、1μlの伸長プライマー、1μlのPrimeSTAR GXL DNA Polymerase、および17.5μlの低TE緩衝液を含有する30μl反応容積中で実施した。2×Taqポリメラーゼの場合、反応を、95℃で3分間加熱して酵素を活性化させ、その後60℃で3分間の伸長を行った。2×Q5 dUバイパスポリメラーゼの場合、Q5(登録商標)Hot Start High-Fidelity 2X Master MixまたはPrimeSTAR(登録商標)GXL DNA Polymerase反応を、98℃で45秒間加熱して酵素を活性化させ、その後60℃で3分間の伸長を行った。試料を、ホルムアミドローディング緩衝液中で煮沸し、20μlの各反応を、200ボルトの15%TBE-尿素ゲルで分離した。ゲルを、SYBR Gold染色剤で染色し、Dark Readerライトボックス(Clare Chemical Reseach)上で視覚化し、デジタルカメラを使用して写真撮影した。
結果
様々なリボヌクレオチドを複製ブロッカーとして含有する鋳型でのTaqおよびQ5 dUバイパス酵素による伸長反応の産物の電気泳動分析が図33Aに示されている。レーン2およびレーン7は、伸長プライマーの移動を示し、レーン3~6は、r(U)、r(A)、r(C)、およびr(G)伸張を含有する鋳型でのTaqポリメラーゼによるプライマー伸長反応の産物を示す。レーン3~6に示されているように、Taqポリメラーゼは、3つのリボウリジン、リボアデノシン、またはリボシトシンで構成される複製ブロッカーを部分的に迂回することができる。プライマー伸長は、完全に伸長されたプライマー(**)、ならびに複製が複製ブロッカーの開始部または内部で停止する場合に鋳型の下に移動する部分的に伸長されたプライマー(***)に対応する個別のバンドをもたらす。対照的に、リボグアノシン複製ブロッカーは、鋳型の5’末端に対する伸長をほぼ完全に防止する能力を有し、部分的に伸長した産物のみが形成される。レーン8~11は、それぞれr(U)、r(A)、r(C)、およびr(G)伸張を含有する鋳型でのQ5 dUバイパスポリメラーゼによるプライマー伸長反応の産物を示す。この酵素は、Taqポリメラーゼと比較して、リボシトシンおよびリボグアノシン複製ブロッカーを迂回する能力がより大きいが(レーン10および11)、リボウリジンおよびリボアデノシンブロッカーを含有する鋳型での伸長は、ほとんどが、部分的なプライマー伸長に結び付く(レーン8および9)。
様々なリボヌクレオチドを複製ブロッカーとして含有する鋳型でのKapa HiFiおよびGXL PrimeSTAR酵素による伸長反応の産物の電気泳動分析が図33Bに示されている。レーン2およびレーン7は、伸長プライマーの移動を示し、レーン3~6は、r(U)、r(A)、r(C)、およびr(G)伸張を含有する鋳型でのKapa HiFiポリメラーゼによるプライマー伸長反応の産物を示す。レーン3および4に見ることができるように、Kapa HiFi酵素は、3つのリボウリジンおよびリボアデノシンで構成される複製ブロッカーを部分的に迂回することができ、全長ならびに短縮プライマー伸長産物を生成する。プライマー伸長反応は、完全に伸長されたプライマー(**)、ならびに複製が複製ブロッカーの開始部または内部で停止する場合に鋳型の下に移動する部分的に伸長されたプライマー(***)に対応する個別のバンドをもたらす。対照的に、Kapa HiFi酵素は、リボシトシンおよびリボグアノシン複製ブロッカーを完全に迂回することができ、全長伸長産物のみを形成する。レーン8~11は、それぞれr(U)、r(A)、r(C)、およびr(G)伸張を含有する鋳型でのGXL PrimeSTARポリメラーゼによるプライマー伸長反応の産物を示す。この酵素の処理能力は、4つすべての複製ブロッカーによりほぼ完全に阻害される。
様々なリボヌクレオチドを複製ブロッカーとして含有する鋳型でのQ5酵素による伸長反応の産物の電気泳動分析が図33Cに示されている。レーン2は、伸長プライマーの移動を示し、レーン3~6は、r(U)、r(A)、r(C)、およびr(G)伸張を含有する鋳型でのQ5ポリメラーゼによるプライマー伸長反応の産物を示す。レーン3および4に見られるように、Q5酵素は、3つのリボウリジンまたはリボアデノシンで構成される複製ブロッカーを迂回することができず、短縮プライマー伸長産物のみを生成する。対照的に、Q5ポリメラーゼは、リボシトシンおよびリボグアノシン複製ブロッカーを完全に迂回することができ、全長伸長産物のみを形成する(レーン5および6)。
結論
異なる熱安定性DNAポリメラーゼは、3つのリボウリジン、リボアデノシン、リボシトシン、またはリボグアノシンで構成される複製ブロッカーを迂回する能力が異なる。例えば、Q5 DNAポリメラーゼは、r(C)およびr(G)複製ブロッカーを容易に迂回することができるが、r(U)、r(A)配列で完全に停止する。対照的に、Kapa HiFi酵素は、Q5酵素と比較して、リボウリジンおよびリボアデノシン複製ブロッカーを越えて複製する能力がより大きい。非プルーフリーディングTaq DNAポリメラーゼ以外のすべてのDNAポリメラーゼは、リボウリジンで構成される複製ブロッカーを越える複製が効率的でないという共通の特性を共有しているため、この組成は、試験した4つの複製ブロッカーのうちで最もユニバーサルで有望なブロッカー組成である。同時に、Taq DNAポリメラーゼは、3つの連続リボG塩基を越える複製に問題があることを示す。
(実施例4)
通常の増幅プライマー、ならびに複製ブロッカーおよび5’末端非相補的尾部を含有するプライマーを用いた増幅実験の概略
図34Aから見て取ることができるように、通常の相補的プライマー1、ならびに内部複製ブロッカーおよび非相補的尾部を含有するプライマー2を用いたPCR反応は、2つの異なるシナリオをもたらすことができる。DNAポリメラーゼが複製ブロッカーを迂回することができる場合、鋳型分子の3’末端は、プライマー2の5’末端へと伸長し、同じサイズの2つのDNA鎖を生成することになる。DNAポリメラーゼが複製ブロッカーを越えて複製することができない場合、これは異なるサイズの2つのDNA鎖を生成し、それらは、変性ゲルで視覚化することができる。
(実施例5)
通常のプライマー、ならびに複製ブロッカーおよび5’末端非相補的尾部を含有するプライマーを用いて、TaqおよびPrimeSTAR GXL DNAポリメラーゼを使用した合成DNA鋳型の増幅
物質
10nΜの鋳型オリゴヌクレオチド(オリゴヌクレオチド11)
r(U)複製ブロッカーおよび5’末端非相補的尾部を有する600nMのフォワードプライマー(オリゴヌクレオチド12)
600nMのリバースプライマー(オリゴヌクレオチド13)
Taq 2X Master Mix(NEB、カタログ#M0270L)
PrimeSTAR(登録商標)GXL DNA Polymerase(Clontech、カタログ#R050A)
低TE緩衝液(Teknova カタログ#TO227)
25bpラダーDNAサイズマーカー(Invitrogen、カタログ#10488-022)
15%TBE-尿素ゲル(invitrogen、カタログ#EC68852BOX)
SYBR Gold染色剤(Invitrogen、カタログ#S11494)
方法
2x Taq master mixによる増幅反応を、25μlのMaster Mix、2μlの鋳型オリゴヌクレオチド、2.5μlの各増幅プライマー、および18μlの低TE緩衝液を含有する50μlの反応容積中で実施した。反応は、以下のサイクルパラメーターで実施した:95℃で3分間の初回酵素活性化、次いで95℃で20秒間、60℃で30秒間、および66℃で30秒間からなる10サイクル。また、PrimeSTAR(登録商標)GXL DNA Polymeraseによる増幅を、10μlの5×PrimeSTAR GXL Buffer、4μlのdNTP混合物(各2.5mM)、2μlの鋳型オリゴヌクレオチド、2.5μlの各プライマー、1μlのPrimeSTAR GXL DNA Polymerase、および28μlの低TE緩衝液を含有する50μlの反応容積中で実施した。増幅は、以下のサイクルパラメーターで実施した:98℃で30秒間の初回酵素活性化、次いで98℃で10秒間、60℃で30秒間、および68℃で30秒間からなる10サイクル。試料を、ホルムアミドローディング緩衝液中で煮沸し、20μlの各反応を、200ボルトの15%TBE-尿素ゲルで分離した。次いで、ゲルを、SYBR Gold染色剤で染色し、Dark Readerライトボックス(Clare Chemical Reseach)上で視覚化し、デジタルカメラを使用して写真撮影した。
結果
通常のプライマーならびにr(U)複製ブロッカーおよび5’末端非相補的尾部を含有するプライマーを用いた、合成鋳型でのTaqおよびPrimeSTAR(登録商標)GXL DNA Polymeraseによる増幅反応の産物の電気泳動分析が図34に示されている。レーン2は、合成オリゴヌクレオチド鋳型の移動を示し、レーン3は、プライマーの移動を示し、レーン4は、Taq DNAポリメラーゼによる増幅反応の結果を示し、上部バンドは全長増幅産物を表し、単一の星印で標識されているわずかな底部バンドは、3’末端短縮産物を示す。対照的に、PrimeSTAR(登録商標)GXL DNA Polymeraseで増幅反応を実施した場合、完全なサイズならびに短縮DNAに対応する等強度の2つのバンドを見ることができる。
結論
図34B、レーン5から見て取ることができるように、リボウリジン伸張は、PrimeSTAR(登録商標)GXL DNA Polymerase(およびQ5 DNAポリメラーゼなどのいくつかの他のもの、データ示さず)の効率的な複製ブロッカーとしての役目を果たすことができる。この現象は、PCR反応中の、二本鎖DNAの一方または両方の末端からの所定の5’突出の生成を可能にする。リボウリジンを複製ブロッカーとして使用する利点は、従来の複製ブロッカーとは異なり、産生される接合部位が、その後のライゲーション反応での基質としての役目を果たすことができるということである。
(実施例6)
複雑な配列およびホモポリマー性配列に対するオリゴヌクレオチド結合動力学的分析
物質
500nMの複雑な基質(オリゴヌクレオチド17)
500nMの複雑なプローブ(オリゴヌクレオチド18)
500nMのホモポリマー性基質(オリゴヌクレオチド19)
500nMのホモポリマー性プローブ(オリゴヌクレオチド20)
2×ハイブリダイゼーション緩衝液:TRIS pH=7.5 20mM、MgCl
10mM、NaCl 100mM
Qubit2.0蛍光計(Invitrogen カタログ#Q32866)
方法
ハイブリダイゼーション反応を、100μlの2×ハイブリダイゼーション緩衝液、20μlの基質オリゴヌクレオチド(50nM終濃度)、および10μlの蛍光プローブ(25nM終濃度)を含有する200μlの容積中で実施した。測定は、青色励起(430~495nm)フィルターおよび緑色(510~580nm)発光フィルターを使用して1分ごとに行った。
結果
図35Aは、クエンチャーを含有する過剰量の対応する基質オリゴヌクレオチドに対する蛍光プローブの結合速度の、時間の関数としての概略図を示す。基質オリゴヌクレオチドに対する蛍光プローブの結合は、フルオロフォアをクエンチャーに近接近させる。これは、蛍光シグナルの減衰に結び付き、蛍光計により測定することができる。点線は、過剰量の相補的基質オリゴヌクレオチドに対する25nMの複雑な配列プローブの結合動力学を示し、実線は、その相補的基質に対する25nMのホモポリマー性配列プローブの結合を示す(図35B)。
結論
基質に対する結合速度は、ホモポリマー性オリゴヌクレオチドプローブの場合、複雑な配列プローブと比較して劇的に増加することが明らかである。従来の研究からわかるように、2つのオリゴヌクレオチドのアニーリングは、部分的に対をなす領域の形成およびそれらの拡張を含む。2つの複雑な配列オリゴヌクレオチドがハイブリダイゼーション中に互いに接近する場合、初期複合体においてヌクレオチドが相補的である可能性は非常に低い。対照的に、2つの相補的ホモポリマー性オリゴヌクレオチドが互いに遭遇する場合、即時の核生成および二重鎖形成がもたらされる。これは、複雑な配列プローブと比較して、ホモポリマー性プローブの著しくより迅速な結合動力学を説明し、正規化反応における、対応する正規化プローブまたはプライマーとNGSライブラリーとの非常により短いインキュベーションを可能にする。
(実施例7)
ヌクレアーゼ耐性を含むホモポリマー性プローブのライゲーションを使用し、その後エキソヌクレアーゼIIIを使用して酵素的正規化を行う酵素に基づくNGSライブラリー正規化。
物質
HapMap DNA NA12878(Coriell)
Accel-NGS(登録商標)2S PCR-Free DNA Library Kit(Swift Biosciences カタログ#DL-IL2PF-48、SI-ILM2S-48A)
600nMのP5プレNプライマー(オリゴヌクレオチド14)
600nMのP7プレNプライマー(オリゴヌクレオチド15)
Q5(登録商標)Hot Start High-Fidelity 2X Master Mix(NEB、カタログ#M0494S)
SPRI select DNAサイズ選択ビーズ(BECKMAN COULTER
カタログ#B23318)
低TE緩衝液(Teknova カタログ#TO227)
480nMのホモポリマー性正規化N-プローブ(オリゴヌクレオチド16)
正規化緩衝液N1:TRIS pH=7.5 62.5mM、MgCl 31.25mM、ATP 6.25mM、DTT 62.5mM
NaCl 312.5mM
正規化緩衝液N2:TRIS pH=7.5 10mM、MgCl 1mM
T4DNAリガーゼ(Enzymatics カタログ#L6030-LC-L)
エキソヌクレアーゼIII(Enzymatics カタログ#X8020F)
0.5M EDTA pH=8.0(SIGMA-ALDRICH カタログ#E9884)
KAPA Library Quantification Kit(Kapa Biosystems カタログ#KK4824)
方法
NGSライブラリーを、1ngのCoriell DNA NA12878から、Swift Biosciences製のAccel-NGS(登録商標)2S PCR-Free DNA Library Kitを使用して構築した。ライブラリーを、20μlの低TE緩衝液で溶出し、Q5 Hot Start High-Fidelity 2X Master MixならびにP5およびP7プレNプライマーを用いた10サイクルの増幅にかけた。ライブラリーを、SPRI select DNAサイズ選択ビーズで、1.0のライブラリー対ビーズ比を使用して精製し、50μlの低TE DNA再懸濁緩衝液で溶出した。増幅されたライブラリーを、KAPA Library Quantification Kitを使用して定量化し、1セットの指定されている濃度のライブラリー希釈物を調製した(図36)。ライブラリー希釈物を4nM終濃度に正規化するために、20μlのライブラリーを、4μlのN1正規化緩衝液、0.5μlの正規化N-プローブ、および0.5μlのT4 DNAリガーゼと混合し、30℃で20分間インキュベートした。次いで、4.5μlのN2緩衝液で希釈した0.5μlのエキソヌクレアーゼIIIを各チューブに添加し、30℃でさらに20分間インキュベートした。インキュベーションの終わりに、1μlの0.5M EDTAを各チューブに添加し、次いで、酵素を不活化するために、試料を95℃で3分間加熱した。qPCRに基づくKAPA Library Quantification Kitを製造業者の説明書に従って使用して、最終ライブラリー濃度を定量化した。
結果
正規化前後の配列決定ライブラリーの定量化結果は、図36A~36Bに示されている。Q5酵素で増幅したライブラリーを定量化し、低TE緩衝液で希釈して、2~100nMの指定されている濃度の20μlのアリコートを生成した。次いで、各アリコートを、上記に記載のライブラリー正規化手順にかけた。正規化反応の結果は、図36A~36Bに見ることができる。10nMおよびそれよりも高い開始濃度を有するすべてのライブラリーを、4nM終濃度に0.21の標準偏差で正規化することに成功した。予想通り、不十分な量の出発物質を有する第1のライブラリーは、0.91nM濃度を有するライブラリーを産生する4nM終濃度に正規化することができない。
結論
異なる開始濃度を有するNGSライブラリーの正規化反応は、ホモポリマー性正規化プローブの限定されたモル分量のため、同様の濃度を有するライブラリーをもたらし、配列決定前のNGSライブラリー正規化の単純でロバストな方法であることを示す。
(実施例8)
フルオロセイン色素およびクエンチャー基を有するオリゴヌクレオチドを使用した再会合動力学は、反復性尾部を有するプライマーが、約10倍迅速にアニーリングすることを示す。
物質
500nMの従来の鋳型(オリゴヌクレオチド21)
500nMのGT尾部付き鋳型(オリゴヌクレオチド22)
500nMのAC尾部付きプライマー(オリゴヌクレオチド23)
2×ハイブリダイゼーション緩衝液:TRIS pH=7.5 20mM、MgCl
10mM、NaCl 100mM
Synergy HTXマルチモードリーダー(BioTek)
方法
ハイブリダイゼーション反応を、50μlの2×ハイブリダイゼーション緩衝液、10μlの基質オリゴヌクレオチド(50nM終濃度)、および5μlの蛍光プローブ(25nM終濃度)を含有する100μlの容積中で実施した。測定は、青色励起フィルターおよび緑色発光フィルターを使用して1分ごとに行った。
結果
図37Aは、過剰量の2つの異なる基質オリゴヌクレオチドに対する蛍光プローブの結合速度を、時間の関数として示す。基質オリゴヌクレオチドに対する蛍光プローブの結合は、フルオロフォアをクエンチャーに近接近させる。これは、蛍光シグナルの減衰に結び付き、蛍光計により測定することができる。図37。点線レーンは、25nMのプローブと過剰量の従来の鋳型オリゴとの結合動力学を示し、実線レーンは、プローブと、GT反復を含有する鋳型オリゴヌクレオチドとの結合を示す(プローブおよびオリゴ対の概略図は、図37B~37Cを参照)。
結論
基質に対する結合速度は、GT反復を含有する鋳型の場合、従来の複雑な鋳型と比較して劇的に増加することは明白である。2つのオリゴヌクレオチドのアニーリングは、部分的に対をなす領域の形成およびそれらの拡張を含むことが以前に示されている。2つの複雑な配列オリゴヌクレオチドがハイブリダイゼーション中に互いに接近する場合、初期複合体においてヌクレオチドが一致する可能性は非常に低い。対照的に、一致するGTおよびAC反復を含有する2つのオリゴヌクレオチドが互いに遭遇する場合、非常により迅速な核生成および二重鎖形成がもたらされる。これは、従来の鋳型と比較して、プローブとGT反復を含有する鋳型とのより迅速な結合動力学を説明し、正規化PCR反応における正規化プライマーおよびNGSライブラリーの非常により短いアニーリング時間を可能にする。
(実施例9)
PCRに基づく正規化(N-PCRプライマー)を使用した8つのAccel-NGS 2Sライブラリーの正規化。
物質
400nMの従来のPCRプライマー1(オリゴヌクレオチド24)
400nMの従来のPCRプライマー2(オリゴヌクレオチド25)
400nMのN-PCRプライマー1(オリゴヌクレオチド26)
400nMのN-PCRプライマー2(オリゴヌクレオチド27)
HapMap DNA NA12878(Coriell)
Accel-NGS(登録商標)2S PCR-Free DNA Library Kit(Swift Biosciences カタログ#DL-IL2PF-48、SI-ILM2S-48A)
Q5(登録商標)Hot Start High-Fidelity 2X Master Mix(NEB、カタログ#M0494S)
低TE緩衝液(Teknova カタログ#TO227)
KAPA Library Quantification Kit(Kapa Biosystems カタログ#KK4824)
方法
配列決定ライブラリーを、100ngのCoriell DNA NA12878から、Swift BiosciencesのAccel-NGS(登録商標)2S PCR-Free DNA Library Kitを使用して構築した。ライブラリーを、20μlの低TE緩衝液で溶出し、KAPA Library Quantification Kitを使用して定量化し、次いで、1セットの指定されている濃度のライブラリー希釈物を調製した(図38A~38B)。ライブラリー希釈物を40nM終濃度に正規化するために、ライブラリーを、15μlのライブラリー希釈物、25μlのQ5(登録商標)Hot Start High-Fidelity 2X Master Mix、および5μlの各従来のプライマーまたはN-PCRプライマー(40nMのプライマー濃度)を含有する正規化PCR反応にかけた。ライブラリーは、以下のサイクルパラメーターで増幅した:98℃で45秒間の初回酵素活性化、次いで、98℃で10秒間、60℃で5分間、72℃で1分間からなる4サイクル、その後、98℃で10秒間、60℃で1分間、72℃で1分間からなる18サイクル。KAPA Library Quantification Kitを使用して、増幅されたライブラリーを定量化した。
結果
正規化前後の配列決定ライブラリーの定量化結果は、図38A~38Dに示されている。NGS DNAライブラリーを定量化し、低TE緩衝液で希釈して、1000~7.8pMの指定されている濃度の15μlのアリコートを生成した。次いで、各アリコートを、上記に記載のライブラリー正規化PCRにかけた。N-PCRプライマーで増幅されたすべてのライブラリーは、およそ同じ濃度への正規化に成功した。対照的に、従来のプライマーによる同じ試料の正規化増幅は、ほぼ100%のばらつきを示す。
結論
N-PCRプライマーを使用した8つのAccel-NGS 2Sライブラリーの正規化は、100倍を超えて変動する2Sライブラリー入力で、約10%の相対偏差を示す。同じ試料で、従来のプライマーは、ほとんど100%のばらつきを示し、PCRプライマー濃度が反応でのPCR産物収量を限定する場合、指定分量のPCR産物を増幅するためには、従来のプライマーよりもN-PCRプライマーを使用した方が有利であることを示す。
(実施例10)
PCRに基づく正規化(N-PCRプライマーを使用)によりNGSライブラリーを標的としたAccel-アンプリコンの正規化。
物質
400nMのN-PCRプライマー1(オリゴヌクレオチド26)
400nMのN-PCRプライマー2(オリゴヌクレオチド27)
HapMap DNA NA12878(Coriell)
Accel-アンプリコン56Gオンコロジーパネル+試料ID(Swift Biosciences カタログ#AL-56248)
Q5(登録商標)Hot Start High-Fidelity 2X Master Mix(NEB、カタログ#M0494S)
低TE緩衝液(Teknova カタログ#TO227)
KAPA Library Quantification Kit(Kapa Biosystems カタログ#KK4824)
方法
アンプリコンライブラリーを、Swift BiosciencesのAccel-アンプリコン56Gオンコロジーパネルキットを製造業者の説明書に従って使用して、10ngのCoriell DNA NA12878から構築した。ライブラリーを、20μlの低TE緩衝液で溶出し、KAPA Library Quantification
Kitを使用して定量化し、次いで、1セットの指定されている濃度のライブラリー希釈物を調製した(図39)。ライブラリー希釈物を40nM終濃度に正規化するために、ライブラリーを、15μlのライブラリー希釈物、25μlのQ5(登録商標)Hot Start High-Fidelity 2X Master Mix、および5μlの各N-PCRプライマー(40nMのプライマー濃度)を含有する正規化PCR反応にかけた。ライブラリーは、以下のサイクルパラメーターで増幅した:98℃で45秒間の初回酵素活性化、次いで、98℃で10秒間、60℃で5分間、72℃で1分間からなる4サイクル、その後、98℃で10秒間、60℃で1分間、72℃で1分間からなる16サイクル。KAPA Library Quantification Kitを使用して、増幅されたライブラリーを定量化した。次いで、ライブラリーを10倍希釈し、一緒にプールし、MiSeq試薬ナノキットV2を使用して、20pMのローディング濃度でMiSeqシーケンサー(Illumina)で配列決定した。プールに存在する各ライブラリーについて、フローセルで形成される達成可能なクラスター%をIllumina配列決定分析ビュワーソフトウェアを使用して算出した。
結果
56Gアンプリコンライブラリーを、キットプロトコールに従って構築し、定量化し、低TE緩衝液で180、60、30、および18倍希釈した。次いで、ライブラリーを、上記に記載されているように、正規化PCR、定量化、および配列決定にかけた。図39A~39Cに見ることができるように、8つすべてのライブラリーは、予想40nM濃度への正規化に成功した。また、配列決定結果は、各ライブラリーのフローセルで形成され、およそ12.5%に等しい、クラスターの予測%を示す。
結論
PCRに基づくNGSライブラリー正規化は、シーケンサーにローディングするためのライブラリーを調製する際のワークフローを簡素化するための、標準的方法の単純な代替法である。各ライブラリーで達成されたライブラリー収量は、N-PCRプライマー濃度に比例し、Illuminaフローセルに等しくローディングされたことを示したライブラリーのプールが生成された。
(実施例11)
N-PCRプライマーを使用した16個のIlluminaライブラリーの正規化は、qPCRに基づくおよび蛍光に基づく定量化法を使用した相対的定量化が正確であることを示す。
物質
400nMの蛍光標識N-PCRプライマー1(オリゴヌクレオチド28)
400nMのN-PCRプライマー2(オリゴヌクレオチド29)
200nMのクエンチャーオリゴ(オリゴヌクレオチド30)
共同研究者らにより提供された16個のIlluminaライブラリー
Q5(登録商標)Hot Start High-Fidelity 2X Master Mix(NEB、カタログ#M0494S)
低TE緩衝液(Teknova カタログ#TO227)
KAPA Library Quantification Kit(Kapa Biosystems カタログ#KK4824)
Synergy HTXマルチモードリーダー(BioTek)
方法
Illuminaライブラリーを、KAPA Library Quantification Kitを使用して定量化し、20倍希釈した。ライブラリー希釈物を40nM終濃度に正規化するために、ライブラリーを、2μlのライブラリー希釈物、25μlのQ5(登録商標)Hot Start High-Fidelity 2X Master Mix、および5μlの各プライマー(40nMの終濃度)、および13μlの低TE緩衝液を含有する正規化PCR反応にかけた。ライブラリーは、以下のサイクルパラメーターで増幅した:98℃で45秒間の初回酵素活性化、次いで、98℃で10秒間、60℃で5分間、72℃で1分間からなる4サイクル、その後、98℃で10秒間、60℃で1分間、72℃で1分間からなる7サイクル。KAPA Library Quantification KitまたはSynergy HTXマルチモードリーダーを使用して、増幅されたライブラリーを定量化した。
結果
qPCRによる正規化されたライブラリーの定量化結果は、実施例11の結果に示されている(図40A~40D)。この図に示されているように、N-PCRプライマーで増幅されたすべてのライブラリーは、およそ同じ濃度への正規化に成功した。より一貫した相対的定量化は、Synergy HTXマルチモードリーダーでの蛍光定量的アッセイにより達成された。全体的な蛍光レベルは、クエンチングオリゴヌクレオチドを添加したところ、およそ10%低下した。この観察は、正規化プライマーのすべてが正規化PCR反応で利用された訳ではなかったという事実を反映し、10%低下は、約10%の未組込み標識プライマーに相当する。
結論
上記に示されているデータは、蛍光標識プライマーをクエンチングオリゴヌクレオチドと共に利用する蛍光定量的アッセイは、未利用のプライマーからのライブラリーの精製を実施する必要がなく、ライブラリーインサートサイズが未知であるかまたは幅広いインサートサイズ分布を有する場合、モル濃度を計算するためにライブラリーインサートサイズに関する情報を必要としない、ライブラリー定量化のための迅速で信頼性の高い方法であり得ることを示す。
(実施例12)
正規化アダプター-プローブと短縮アダプター配列を有するライブラリーとのライゲーションを含む、合成によるIllumina NGSライブラリーの正規化
この実施例は、図42Eおよび42Gに一般的な用語で記載されている合成方法によるNGSライブラリー正規化の実現可能性を示し、ライブラリー正規化は、指定モル量の二本鎖または一本鎖正規化プローブと、DNAライブラリー(T-ライブラリー)の一方の末端にある短縮NGSアダプターとをライゲーションさせて、当量の機能的NGSライブラリーを産生することによる単一の酵素的ステップで達成することができることを示す。
物質
Swift Biosciences Accel-NGS(登録商標)2S PCR-Free DNA Library Kit、カタログ#20024
6uMのプライマーP7(オリゴヌクレオチド31)
6uMのプライマーPT1(オリゴヌクレオチド32)
100nΜの二本鎖プローブNT1(オリゴヌクレオチド33および34のアニーリングにより形成される)
6uMのプライマーPT2(オリゴヌクレオチド35)
100nΜの一本鎖プローブNT2(オリゴヌクレオチド36)
Q5(登録商標)Hot Start High-Fidelity 2X Master Mix(NEB、カタログ#M0494S)
T4 DNAリガーゼ、120,000U/ml(Enzymatics カタログ#L6030-LC-L)
10×T4 DNAリガーゼ緩衝液(Enzymatics カタログ#B6030L)
低TE緩衝液(Teknova カタログ#TO227)
HapMapヒトDNA(Coriell Biorepository カタログ#NA12878)
Invitrogen Qubit2.0蛍光計、カタログ#Q32866
Qubit dsDNA BRアッセイキット、カタログ#Q32853
KAPAライブラリー Quant Illuminaキット、カタログ#KK4824 SPRI select DNAサイズ選択ビーズ(BECKMAN COULTER
カタログ#B23318)
方法
NGSライブラリーを、ヒトCoriell NA12878 DNAから、Swift Biosciences Accel-NGS(登録商標)2S PCR-Free
DNA Library Kitを使用して調製した。ライブラリーは、プライマーP7およびプライマーPT1またはプライマーPT2を使用したPCRにより、図43aおよび43bに示されているように増幅した。PCR反応は、25ulのQ5 2x High-Fidelity master mix、5ulのオリゴヌクレオチド31(600nM)、5ulのオリゴヌクレオチド32(600nM)、1:500希釈した5ulの2S NGSライブラリー、および10ulの低TE(10mM Tris、0.1mM EDTA)を含有する50ulの容積中で実施した。増幅条件は、98℃-45秒間、その後98℃で10秒間および66℃で1分間の30サイクルであった。PCR反応の終了後、ライブラリーを、1.0のDNA:ビーズ比を使用してSPRIビーズで精製し、50μlの低TE DNA緩衝液で溶出し、Invitrogen Qubit2.0蛍光計およびQubit dsDNA BRアッセイ相補キットを使用して定量化した。200nM、150nM、100nM、50nM、および25nM濃度の希釈された短縮ライブラリー(T-ライブラリー)を、120単位のT4 DNAリガーゼおよび10nMの正規化N-プローブと共にT4 DNAリガーゼ緩衝液中で30℃にて1時間インキュベートした。プライマーPT1を用いて増幅したT-ライブラリーを、二本鎖正規化プローブNT1と共にインキュベートし、プライマーPT2を用いて増幅したT-ライブラリーを、一本鎖プローブNT2と共にインキュベートした。産生された機能的NGSライブラリーのモル濃度を測定するために、ライゲーション産物を、KAPA qPCRに基づくライブラリーQuant Illuminaキットで定量化した。
結果
実験ワークフローは、図43aに示されており、正規化プロセス、ならびに対応するプライマー、アダプター、およびプローブ配列は、図43bおよび43cに提示されている。10nMの二本鎖正規化プローブNT1のライゲーション(図43b)または10nMの一本鎖プローブNT2のライゲーション(図43c)は、完全サイズのライブラリーを産生し、その場合、短縮アダプター(P5)はその全長に回復され、機能的NGSライブラリーになる。ライブラリー合成および正規化の完全性を、qPCR定量化により評価した。図43dに示されているように、産生されたライブラリーのモル濃度は、T-ライブラリーの入力量が200から25nMまで様々であったという事実にも関わらず、使用した定量化法の精度内(約20%)の予想10nM値である。この研究で使用した元のライブラリーは、完全サイズのNGSライブラリーであったが、それを500倍希釈し、次いでプライマーPT1またはPT2を用いて増幅して、短縮T-ライブラリーを生成した。したがって、qPCR定量化に対する元のライブラリーの予想寄与は無視できる程度である。
結論
提示されているデータは、制御された合成によるNGSライブラリー正規化が、単純でロバストであり、配列決定前のライブラリー調製に使用することができ、時間および労力のかかるライブラリー定量化および濃度調整に取って代わるという証拠を提供する。
(実施例13)
二本鎖DNA画分に特異的な蛍光色素を使用した、合成により正規化されたNGSライブラリーの定量化
本開示の実施例12および他所に提示されている合成によるライブラリー正規化法は、二本鎖であり、原理的に、二本鎖DNAに特異的な蛍光色素で染色することができる機能的NGSライブラリーを産生する。残念ながら、残りの非機能的ライブラリー画分も二本鎖であり、それも染色される場合があり、結果として、完全で機能的なライブラリー画分の定量化を不明確にし得る。
この問題は、定量化の前に、ライブラリーをエキソヌクレアーゼIIIと共にインキュベートすることにより解決することができる。この手順の詳細な説明は、図44に提示されている。提示されている方法では、一方のアダプター末端が短縮されているNGSライブラリーを、本開示の他の部分に記載されているように、ポリrUまたはポリrA複製ブロックを含有するPCRプライマーで増幅する。特に、一方のプライマーは、実施例12のPT1プライマーの場合と同じ短縮アダプター配列を含み、P7プライマーは、ポリ(rU)またはポリ(rA)塩基を有する追加の5’尾部を有する。Q5、PrimeSTAR GXL、またはKAPA HiFiなどの高フィデリティーDNAポリメラーゼによるPCR増幅は、両アダプター末端に5’突出を有するライブラリー分子をもたらす。短縮P5アダプター末端の突出配列は、P5アダプター配列により決定付けられるが、完全なサイズのP7アダプター末端の突出配列は、正規化プローブにアニーリングするための相補性を有しないように選択することができる。その3’末端に1つまたは複数のヌクレアーゼ耐性塩基(ライゲーション反応に関与しない)も有する正規化プローブに加えて、正規化反応ミックスは、保護キャップ分子も含有する。保護キャップ分子は、P7アダプター末端に存在する5’突出に相補的な5’突出を有し(PCR中に生成される)、ヌクレアーゼ耐性であり、モル過剰で存在し、すべてのP7アダプター末端にエキソヌクレアーゼIIIに対する保護を提供するように設計されている。キャップは、小型であり、Illumina機器でのクラスター形成および/または配列決定プロセス中に、ライブラリー性能に影響を及ぼす可能性は少ない。
両3’末端にヌクレアーゼ耐性塩基を含有する正規化されたライブラリー画分は、エキソヌクレアーゼIII処理に耐性であり、二本鎖のままである。その一方で、一方のアダプター末端のみにヌクレアーゼ耐性塩基を有するすべての短縮ライブラリー分子は、SYBRまたはQubitのような二本鎖特異的色素で検出できない一本鎖形態へと変換される。この場合、正規化された画分を含むすべてのライブラリー分子は、染色不能な一本鎖形態へと変換されることになるため、提示されているプロトコールは、保護キャップ分子の非存在下では実現可能ではない。
(実施例14)
単一分子配列決定のためのロングレンジアンプリコンライブラリーの合成
単一分子配列決定は、非常に長いDNA分子の配列分析を可能にする、非常に有望で急速に成長しているNGS分野である。IlluminaおよびIon Torrent配列決定プラットフォームの場合と同様に、単一分子配列決定も、DNA断片を、一方または両方の末端に特殊なアダプター配列を保持するプラットフォーム特異的NGSライブラリーへと変換することを必要とする。Pacific Biosciencesプラットフォームの場合、アダプターは、両末端が単一のステム-ループであるが、Oxford
Nanoporeプラットフォームの場合、アダプターは、タンパク質分子が共有結合で付着されているY形状のDNA構造である。多くの場合、配列決定プロセスは、多重化DNA試料を含み、アダプターとインサートDNA配列との間に挿入される追加の試料ID配列(インデックスまたはバーコード)を使用する。アダプターおよび試料インデックス付与の現行方法は、時間がかかるか、および/または非付着アダプター分子を除去するためのいくつかのラウンドのSPRIビーズ精製を必要とするかいずれかである。ここで、本発明者らは、配列決定前にニックシーリングまたはギャップフィリング反応しか必要としないように、PCR中にステム-ループアダプター配列の付着を可能にする単純なプロトコールを提案する(図45~47)。また、ギャップフィリング反応を使用して、多重化応用のためのインデックス付与配列を挿入することができる。ステム-ループアダプターは、修飾特異的エンドヌクレアーゼによりループを切断することによりY形状アダプターへと容易に変換することができる。
物質
6uMのプライマー(オリゴヌクレオチド37)
6uMのプライマー(オリゴヌクレオチド38)
10uMの線形ユニバーサルプライマー(オリゴヌクレオチド39)
10uMのステム-ループユニバーサルプライマー(オリゴヌクレオチド40)
1uMのステム-ループアダプター(オリゴヌクレオチド41)
1uMのインデックス付与リンカー(オリゴヌクレオチド42)
E.Coli MigulaゲノムDNA(ATCC、カタログ#MG1655)
SPRI select DNAサイズ選択ビーズ(BECKMAN COULTER、カタログ#B23318)
T4 DNAリガーゼ、120,000U/ml(Enzymatics カタログ#L6030-LC-L)
10×T4 DNAリガーゼ緩衝液(Enzymatics カタログ#B6030L)
低TE緩衝液(Teknova カタログ#TO227)
エキソヌクレアーゼIII、100,000U/ml(Enzymatics、カタログ#X8020F)
エキソヌクレアーゼVII、10,000U/ml(NEB カタログ#MO263S)
Q5(登録商標)Hot Start High-Fidelity 2X Master Mix(NEB、カタログ#M0494S)
2100 BioAnalyzer(Agilent、カタログ#G2939BA)
高感度DNAチップ(Agilent、カタログ#5067-4626)
方法
一次E.coliアンプリコンを、尾部付きプライマー(オリゴヌクレオチド37および38を使用した、25ulのQ5 2x High-Fidelity master
mix、5ulのオリゴ37、5ulのオリゴ38、5ulのE.coli DNAストック、および10ulの低TE緩衝液を含有する50ulの容積中でのPCR反応により産生した。増幅条件は、98℃-45秒間、その後98℃で10秒間および66℃で1分間の26サイクルであった。PCR反応の終了後、ライブラリーを、1.2のDNA:ビーズ比を使用してSPRIビーズで精製し、50μlの低TE緩衝液で溶出した。
一次アンプリコン産物を、ユニバーサル線形プライマー(オリゴヌクレオチド39)またはユニバーサルステム-ループプライマー(オリゴヌクレオチド40)のいずれかを用いて以下の条件で再増幅した:100倍希釈した第1のPCR反応に由来する5ulのアンプリコンDNA、25ulのQ5 2x High-Fidelity master
mix、5ulのユニバーサルプライマー、および15ulの低TE緩衝液、最終容積は50ul。増幅条件は、98℃-45秒間、その後98℃で10秒間および66℃で1分間の30サイクルであった。PCR産物を、1.2のDNA:ビーズ比を使用してSPRIビーズで精製し、20μlの低TE緩衝液で溶出した。
アダプター付着およびギャップフィリング反応(線形ユニバーサルプライマー、図45a)またはギャップフィリング反応のみ(ステム-ループユニバーサルプライマー、図45b)を、線形ユニバーサルプライマーのPCR産物を、ステム-ループアダプター(オリゴヌクレオチド41)およびインデックス付与リンカーオリゴヌクレオチド(オリゴヌクレオチド42)と共に、ならびにステム-ループユニバーサルプライマーのPCR産物をインデックス付与リンカーオリゴヌクレオチド(オリゴヌクレオチド42)と共に、T4 DNAリガーゼを用いて、以下の条件でインキュベートすることにより実施した:総反応容積40ul中、3ulのPCR産物、5ulのオリゴヌクレオチド41、10ulのオリゴヌクレオチド42、4ulの10×T4ライゲーション緩衝液、2ulのT4リガーゼ、および低TE緩衝液。ライゲーション反応を30℃で30分間実施し、次いで、反応の半分をさらに15分間、エキソヌクレアーゼIII/エキソヌクレアーゼVIIミックスで処理した。エキソヌクレアーゼ処理の後、反応を、1.2のライブラリー:ビーズ比を使用してSPRIビーズで精製し、高感度DNAチップを使用して、Agilent 2100 Bioanalyzerで分離した。
結果
第2のPCR反応中に、(リボU)複製ブロックを含有する線形(図45a)またはステム-ループ(図45b)ユニバーサルプライマーを使用することにより、配列(GT)(T)22(rU)を含有する一本鎖5’突出(図45a)または配列(T)22(rU)を含有するステム-ループ突出および一本鎖ギャップ領域(図45b)のいずれかを有するDNA分子が生成される。第1の場合の一本鎖尾部および第2の場合の一本鎖ギャップは、ステム-ループアダプターのアニーリングおよびライゲーションのための鋳型ならびにインデックス付与リンカー(第1の場合)またはインデックス付与リンカーのみ(第2の場合)になる。
Bioanalyzerデータは、図45cに提示されており、線形プライマーを用いたPCR後のアダプター/リンカーライゲーションの産物(レーン5)、およびステム-ループプライマーを用いたPCR後のリンカーライゲーションの産物(レーン7)は両方とも、エキソヌクレアーゼIII/エキソヌクレアーゼ(exonyclease)VIIの併用処
理に対する耐性を有する(それぞれ、レーン6および8)ことを示す。これは、ライブラリー末端に予想されるダンベル構造を示す。データは、PCRアンプリコンの50%よりも多くが、エキソヌクレアーゼ耐性分子に変換されたことを示す。レーン1、2、3、および4は、それぞれ、DNAラダー、第1のPCR反応の産物、および上記に記載されている第2のPCR反応の2つの産物を示す。
結論
提示されているデータは、両末端にステム-ループアダプターを有するアンプリコンライブラリーを調製するための新しい非常に効率的な方法を記載している。また、方法は、長いバーコード化アダプターオリゴヌクレオチドの合成を必要としないように、ID配列をリンカーオリゴヌクレオチドに含めることにより試料ID配列を組み込む効率的な方法を含む。ステム-ループプライマー法は、限定なしに、修飾された切断可能な塩基(dU、RNA、デオキシイノシン、メチル化シトシンなど)をPCRプライマーのループ領域に導入し、修飾特異的エンドヌクレアーゼ(USER酵素ミックス、RNase、エンドヌクレアーゼV、メチル化特異的エンドヌクレアーゼなど)により塩基を切断することにより、末端にY形状アダプターを有するアンプリコンライブラリーを生成することに適用することができる。そのような切断を、インデックス付与/バーコード付与リンカーライゲーションステップと組み合わせて、プロセス全体を単一のインキュベーション反応に限定してもよい。
図46aおよび46bに示されているように、実施例14に提示されている方法は、共有結合で閉環されたDNA構造を作製するためのリンカーオリゴヌクレオチドライゲーションに限定されない。方法は、これに限定されないが、図47aに示されているように、ホモポリマーまたは/およびジヌクレオチド反復配列を5’突出に使用して、ステム-ループまたはY形状アダプター付着を達成することが好ましい。図中、5’突出配列Xは、任意のDNA配列であってもよい。本開示で提示されているデータによると、高フィデリティーDNAポリメラーゼと組み合わせて使用する場合、3つまたはそれよりも多くの塩基のrUおよびrA伸張が最良の複製終結を提供する。その一方で、Taq DNAポリメラーゼの場合、3つまたはそれよりも多くのrG塩基が複製の終結を提供する。
また、図47bに示されているように、ステム-ループアダプター付着には、T4 DNAポリメラーゼにより生成される5’突出を利用することができる。この場合、PCRプライマーは、アンプリコンを産生し、2つの異なるDNA配列:低減複雑性配列X、およびX領域に存在しない塩基を含有する緩衝配列Bを含有する尾部を組み込む。例えば、配列Xは、ホモポリマーAAA...AAAであり、配列Bは、GおよびC塩基のみを含有する。T4 DNAポリメラーゼ、および緩衝ヌクレオチド(例えば、dGTPおよびdCTP)を含有するが、領域Xに相補的な塩基(dTTP)を含有しない制限ヌクレオチドミックスの存在下では、PCRアンプリコンの末端がトリミングされて、X突出(ポリA尾部)が産生されるだろう。尾部配列Xに相補的な配列X’を有するステム-ループアダプターは、T4 DNAリガーゼの熱不活性化後にライゲートすることができる。代わりに、ステム-ループアダプターが、類似の塩基組成を有するが、必ずしも同じ配列ではない緩衝配列Bを有する場合、ライゲーション反応は、T4 DNAポリメラーゼトリミング反応と組み合わせてもよい。緩衝領域は、アンプリコン末端で作用するのと同じ方法で、ステム-ループアダプターを、T4 DNAポリメラーゼ媒介性エキソヌクレアーゼ消化から保護する。
(実施例15)
より効率的な単一分子(Pacific BiosciencesおよびOxford Nanopore)配列決定のためのロングレンジアンプリコンのオリゴマー化
固定化されたPhi29 DNAポリメラーゼにより触媒されるプライマー伸長反応中にDNAに組み込まれる蛍光性塩基の連続検出を使用するPacific Biosciences法、またはDNAをナノ細孔に通す際の配列特異的電流変動を検出するOxford Nanopore法などの、単一分子配列決定のために開発された方法は、最大50(PacBio)キロベースまたはさらに800(ONT)キロベースの非常に長いDNA配列を配列決定することができる。実質的により短いDNA分子を、そのような機器により分析する場合、それらの利用効率は著しく低下する。この問題を克服するため、DNA分子をより長いコンカテマー構造へとライゲートすることができる。また、DNAオリゴマー化は、PacBio機器で顕著なチップローディングのサイズバイアスを克服するために使用することができる。短いおよび長いDNA分子でローディング効率が異なることにより、サイズ分布が1から10kbまで変動する(約2kbにピークを有する)cDNA分子の発現分析では、同時配列決定する場合、著しいサイズバイアスがもたらされる。
本出願に記載されている5’突出を効率的に生成するための方法を使用して、コンカテマーアンプリコン分子を生成することができる。本発明者らは、アンプリコンオリゴマー化のためのいくつかの戦略を起想する。1つの戦略では、図48a、48c、および48dに示されている、PCR単独(リボU含有プライマーを用いる。図48a、48c)またはPCRおよびその後のT4 DNAポリメラーゼとのインキュベーション(図48a、48d)は、実施例14に記載されているステム-ループアダプターライゲーションのためのそのような突出の生成と同様に、相補的5’突出AおよびA’を有するDNA分子を生成する。相補的突出を有するDNA分子は、DNAリガーゼの存在下で、末端に相補的12塩基突出を有する完全なバクテリオファージラムダDNAのオリゴマー化と同様に、長い共有結合コンカテマーを生成するだろう。図48bに示されている別の戦略では、PCR単独(リボU含有プライマーを用いた)またはPCRおよびその後のT4 DNAポリメラーゼとのインキュベーションは、非相補的5’突出AおよびBを有するDNA分子を生成する。この場合、DNAオリゴマー化は、アンプリコンを、突出A’およびB’を含有する化学量論的に等モル量の二本鎖リンカーDNAと混合することにより達成される。さらに別の戦略では、リボU含有プライマーを用いたPCR増幅は、図48eに示されているように、部分的に相補的な突出を有するアンプリコンを生成する。この場合、2つの5’突出の5’部分のみが、相互に相補的であり、GTGTGTGTGTGTおよびACACACACACAC配列を有する。アンプリコンのアニーリングは、rU塩基に隣接するホモポリマーポリT配列を含有する一本鎖ギャップ領域を有する、非共有結合的に会合したオリゴマーを生成する。ポリAホモポリマー配列を含有するリンカーオリゴヌクレオチドの付加およびライゲーションは、共有結合オリゴマーの形成をもたらす。リンカーオリゴヌクレオチドは、アンプリコンオリゴマーの形成を完成させるためだけでなく、試料多重化のためのインデックス付与配列を組み込むためにも使用することができる。
(実施例16)
ハイブリダイゼーション捕捉により標的を濃縮するための再増幅可能な一本鎖プローブの生成。
PCR増幅DNAから選択された鎖のみを含有する一本鎖分子の調製には高い需要が存在する。二本鎖PCR産物からの一本鎖DNAの調製は、指数関数的な濃縮によるリガンドの系統的進化(SELEX)(Systematic Evolution of Ligands by Exponential enrichment)によるアプタマーの特定に必須のステップである。また、それは、遺伝
子型決定およびDNAに基づく診断アッセイにおいてに頻繁に使用される。一部の方法では、ラムダ5’エキソヌクレアーゼを利用して、非リン酸化鎖を保存しつつ、5’ホスフェート基を含有するDNA鎖を消化する。残念ながら、リン酸化DNA末端に対するラムダエキソヌクレアーゼの特異性は、絶対的ではなく、非リン酸化DNA鎖の非特異的分解がもたらされる。他の方法は、ビオチン含有PCR産物の、ストレプトアビジン磁気ビーズでの固定化を使用し、目的の鎖をNaOH処理によりビーズから選択的に放出し、その後酸中和する。この手法は、ビオチン化DNAの調製または任意の大規模一本鎖DNA調製に好適ではない。
ここで、本発明者らは、PCR産物から、一本鎖DNA分子および特にビオチン化一本鎖分子を大規模生成するための新規な方法を提案する。提案される方法は、高度に効率的であり、生産コストが低く、大容積およびプローブ数に大規模化可能であり、その結果として、NGS分析のためにDNAおよびRNAを標的濃縮するためのハイブリダイゼーション捕捉プローブの調製に理想的に好適である。また、それは他のリガンドまたは発色団で標識された一本鎖DNAの産生に使用することができる。方法は、鎖特異的であり、両DNA鎖に対するプローブの調製を可能にする。
方法は、いくつかのステップを含む(図49a)。第1に、ユニバーサル配列AおよびBを含有するプライマーならびに熱安定性DNAポリメラーゼを使用するPCRにより、ゲノムまたはベクターDNAから選択領域を増幅すること。第2に、PCR産物を希釈し、ユニバーサルプライマーAおよびB、ならびにQ5、PrimeSTAR GXL、またはKapa HiFiなどの高フィデリティーDNAポリメラーゼを用いて再増幅し、その場合、プライマーAがビオチン基を有し、プライマーBが、(rU)複製ブロック、それに続き5’末端に10~16dT塩基の伸張を有すること。PCRは、一方の末端に5’突出を有する二本鎖DNA分子を産生する。また、5’突出を有する標的DNA分子の産生は、それらの5’末端にビオチンおよび(rU)(dT)12~16配列を有する標的特異的プライマーを使用して、1つのPCRステップで達成することができる。複製終結のためのリボヌクレオチド塩基の選択は、rU塩基のみに限定されず、ポリ(rA)であってもよく、または増幅のために選択したDNAポリメラーゼの効率的な重合停止を提供し、ヌクレアーゼ耐性オリゴヌクレオチドのアニーリングおよびライゲーションに十分な5’突出を生成する任意の他のリボヌクレオチド配列であってもよい。第3に、10~20個のA塩基、5’ホスフェート基、および少なくとも1つのホスホロチオエート結合を5’末端付近に含有するヌクレアーゼ耐性オリゴヌクレオチドをアニーリングおよびライゲーションすること。好ましくは、エキソヌクレアーゼに対するより良好な保護のために、少なくとも4つのホスホロチオエート結合が存在する。プライマーBの5’尾部配列およびヌクレアーゼ耐性オリゴヌクレオチドCの相補的配列は、ポリTおよびポリA配列に限定されず、任意の他の相互に相補的な配列により置換することができる。ポリTおよびポリA配列の選択は、実施例6に示されたように、迅速なアニーリングおよびライゲーション時間により正当化される。第4に、AMPure XPビーズによる精製を実施して、組み込まれなかったPCRプライマーおよび保護オリゴヌクレオチドを除去する。オリゴヌクレオチドCの量は、PCR反応により産生されるすべてのDNA分子を保護するために過剰であってもよく、または指定量の一本鎖プローブのみを産生することが目標である場合は、限定され、指定モル濃度で存在していてもよい。第5に、エキソヌクレアーゼIIIによる消化を実施して、非保護DNA鎖を除去する。および、最後に、エキソヌクレアーゼIII熱不活性化、またはスピンカラムもしくは任意の他の利用可能な方法によるプローブ精製を実施する。
記載されている方法は、鎖特異性がユニバーサルプライマーにおけるビオチン基および(rU)(dT)12~16配列の位置により決定付けられるビオチン化一本鎖DNA捕捉プローブを産生する。ビオチン基をプライマーBへと、および(rU)(dT)12~16配列をプライマーAへと、それぞれ移動させることにより、第2のDNA鎖に相補的な捕捉プローブを生成することが可能である(図49b)。
ビオチン化鎖特異的プローブをプールして、変性NGSライブラリーとのハイブリダイゼーションにより複数の標的領域を単離するためのパネルを形成することができる。プローブが等濃度で存在することを保証するために、標準的方法を使用してそれらの量を定量化し、希釈により濃度を調整するべきである。複数のプローブのプール化は、プローブの量が、ヌクレアーゼ耐性プローブCの制御されたライゲーションにより正規化されれば、単純化され得る。この場合、プールする前のプローブ濃度測定および調整を省略することができる。
記載されている方法は、プローブ生成のための無限の供給源を提供する。それは、図49cに示されているように、プールされたDNAプローブを、2つのユニバーサルプライマーを用いてPCRにより繰り返し増幅し、ヌクレアーゼ耐性オリゴヌクレオチドとライゲートさせ、エキソヌクレアーゼIIIで消化して、一本鎖の鎖特異的なビオチン含有DNA捕捉プローブを生成することができるからである。
(実施例17)
T4 DNAポリメラーゼ媒介性突出生成のための緩衝領域の必要条件
この実施例で提示されているデータは、最も安定なGおよびC塩基で構成される緩衝DNA領域は、T4 DNAポリメラーゼによる不可逆的DNA末端トリミングを防止するために、少なくとも4塩基長であるべきであることを示す。
物質
オリゴヌクレオチド48
オリゴヌクレオチド49
オリゴヌクレオチド50
オリゴヌクレオチド51
オリゴヌクレオチド52
オリゴヌクレオチド53
オリゴヌクレオチド54
オリゴヌクレオチド55
10×T4 DNAリガーゼ緩衝液(Enzymatics カタログ#B6030L)
低TE緩衝液(Teknova カタログ#TO227)
T4 DNAポリメラーゼ(NEB、30000u/ml、カタログ#M0203L)
dGTP、100mM(カタログ#55084)
dCTP、100mM(カタログ#55084)
15%TBE-尿素ゲル(Invitrogen、カタログ#EC68852BOX)
SYBR Gold染色剤(Invitrogen、カタログ#S11494)
方法
図50に示されている、一方のDNA末端に8塩基長緩衝GC領域、中間に可変長緩衝GC領域、および他方のDNA末端にポリT/ポリA配列を有する二本鎖オリゴヌクレオチド構築物a、b、c、およびdを、5□Mオリゴ48を5□Mオリゴ49と、5□Mオリゴ50を5□Mオリゴ51と、5□Mオリゴ52を5□Mオリゴ53と、および5□Mオリゴ54を5□Mオリゴ55と、50mM NaCl中で30分間25℃にてアニーリングすることにより調製した。試料を、ホルムアミドローディング緩衝液中で煮沸し、200ボルトの15%TBE-尿素ゲルで分離した。ゲルを、SYBR Gold染色剤で染色し、Dark Readerライトボックス(Clare Chemical Reseach)上で視覚化し、デジタルカメラを使用して写真撮影した。
結果
オリゴヌクレオチド構築物、およびT4 DNAポリメラーゼとのインキュベーション前後の変性ゲル分析の結果が、図50a~bに示されている。最初の4つのレーンは、T4 DNAポリメラーゼと共にインキュベートする前の、構築物a~bを構成するオリゴヌクレオチド(オリゴヌクレオチド48~55)の移動度を示す。相補的オリゴヌクレオチドは、類似のサイズを有していたため、単一のバンドとして移動した。dGTPおよびdCTPヌクレオチドの存在下でのT4 DNAポリメラーゼによる処理の後、T4 DNAポリメラーゼによりトリミングされたポリA配列に対応する、新しいより速く移動するバンドが出現した。第2の鎖は、9塩基のGGCGGCGGC緩衝配列が構築物の反対側の末端にあるため、完全なままであった。それぞれ緩衝領域GGCGGCおよびGGCGを含有する構築物aおよびbは、緩衝領域での顕著なポリメラーゼ停止を示す鋭い電気泳動バンドをもたらした。2塩基緩衝領域GGを含有する構築物cは、T4 DNAポリメラーゼを予想位置で停止せず、GG部位の下流に位置する第2の3塩基緩衝配列GCGに対応する、より短いぼやけた電気泳動バンドをもたらした。興味深いことには、単一G塩基を緩衝領域として含有する構築物dは、T4 DNAポリメラーゼを、内部3塩基配列GCGで停止しなかった。この結果は、構築物cの観察されたぼやけたバンドが、T4
DNAポリメラーゼとの15分間のインキュベーション後に検出された、GGジヌクレオチドにより提供された上流トリミングブロックの存在による一時的な中間状態を表していることを示唆する。
結論
この実施例で提示されているデータは、4つのG/C塩基が、DNAポリメラーゼによる緩衝領域を越えたトリミングを防止するための、緩衝領域の最小サイズであることを示す。3つのG/C塩基は十分でなく、T4 DNAポリメラーゼの3’エキソヌクレアーゼ活性に対する一時的ブロックのみ提供した。この結論は、緩衝部がG/C組成の場合に当てはまり、TおよびA塩基を緩衝領域として使用する場合、より長いサイズを必要とする可能性がある。より高い温度でのトリミングは、T4 DNAポリメラーゼのエキソヌクレアーゼ活性がより高いため、より長い緩衝領域を必要とする可能性が高い。この必要条件は、T4 DNAポリメラーゼおよび制限ヌクレオチドミックスを使用して5’突出を生成するために、典型的には単一のシトシン塩基が使用される、T4 DNAポリメラーゼを用いたライゲーション非依存性クローニングの当技術分野で公知であった必要条件とは実質的に異なる。本発明者らのデータは、正確な5’突出の長さおよび配列が必要とされる応用の場合、5つまたはそれよりも多くの緩衝G/C塩基、および恐らくは6つまたはそれよりも多くのA/T塩基を使用して、予測可能なDNA突出末端構造の生成を保証することが得策であることを示す。
したがって、本発明は、言及されている目的および利点ならびにそれらに備わるものを達成するのに良好に適応されている。当業者であれば多数の変更をなすことができるが、そのような変更は、部分的には添付の特許請求の範囲により示されている本発明の趣旨内に包含される。
本開示の具体的な実施形態の上述の記載は、例示および説明のために提示されている。例示的な実施形態は、本開示の原理およびその実用的な応用を最もよく説明するために選択および記載されており、それにより当業者であれば、本主題を最も良好に利用することができ、種々の改変を有する種々の実施形態が、企図される特定の使用に好適である。本開示内の種々の実施形態の異なる特徴および開示は、本開示の範囲内で組み合わせることができる。
特定の実施形態では、例えば以下の項目が提供される。
(項目1)
配列決定アッセイにおいて後に使用するために、標的分量の処理された核酸分子を、開始分量から得る方法であって、
前記開始分量の処理された核酸分子を含む試料を提供するステップであって、前記開始分量が、前記標的分量よりも大きい、ステップと、
リガーゼおよびプローブを前記試料に添加して、第1の反応混合物を得るステップであって、前記プローブが、前記標的分量と等しい量で添加される、ステップと、
前記第1の反応混合物を、前記プローブと前記処理された核酸分子の一部分とのライゲーションを可能にするのに十分な条件下でインキュベートするステップであって、プローブにライゲートされた前記処理された核酸分子の前記一部分が、前記標的分量の処理された核酸分子である、ステップと
を含む方法。
(項目2)
前記開始分量の処理された核酸分子を含む前記試料を提供する前に、
(i)複数の少なくとも部分的に二本鎖の核酸分子であって、各少なくとも部分的に二本鎖の核酸分子が第1の鎖および第2の鎖を含む核酸分子、
(ii)前記複数の核酸分子の各核酸分子の前記第1の鎖の標的部分に配列が相補的である第1の部分を含む第1のプライマー、
(iii)前記複数の核酸分子の各核酸分子の前記第2の鎖の標的部分に相補的な配列を含む第2のプライマー、
(iv)デオキシヌクレオチド、ならびに
(v)DNAポリメラーゼ
を含むPCR混合物を提供するステップと、
前記PCR混合物を、前記DNAポリメラーゼが前記第1のプライマーおよび第2のプライマーの伸長を可能にし、それにより前記処理された核酸分子を産出するのに十分な条件下でインキュベートするステップと、
前記PCR混合物を精製して、未使用の第1のプライマーおよび第2のプライマーを除去し、それにより、前記開始分量の処理された核酸分子を含む前記試料を得るステップとをさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記DNAポリメラーゼが、平滑末端PCR産物をもたらす3’エキソヌクレアーゼ活性を有する熱安定性DNAポリメラーゼである、項目2に記載の方法。
(項目4)
前記DNAポリメラーゼが、単一塩基突出を有するPCR産物をもたらす3’アデニル化活性を有する熱安定性DNAポリメラーゼである、項目2に記載の方法。
(項目5)
前記第1のプライマーが、前記プライマーの3’末端に位置する、前記複数の核酸分子の各核酸分子の前記第1の鎖の標的部分に配列が相補的である第1の部分、前記第1の部分に5’隣接して位置する、3つまたはそれよりも多くの連続リボヌクレオチド塩基を含む第2の部分、および前記第2の部分に5’隣接して位置し、2つまたはそれよりも多くのデオキシヌクレオチドを含む第3の部分を含み、前記DNAポリメラーゼが、3’エキソヌクレアーゼプルーフリーディング活性を有し、前記PCR混合物をインキュベートした後で産出される前記処理された核酸分子が各々、前記第1のプライマーの前記第3の部分および前記3つまたはそれよりも多くの連続リボヌクレオチド塩基の少なくとも1つを含む5’突出を含む、項目2に記載の方法。
(項目6)
前記3つまたはそれよりも多くの連続リボヌクレオチド塩基が、rUまたはrA塩基を含む、項目5に記載の方法。
(項目7)
前記DNAポリメラーゼが、DNAポリメラーゼQ5である、項目5に記載の方法。
(項目8)
前記DNAポリメラーゼが、PRIMESTAR(登録商標)GXL DNA Polymeraseである、項目5に記載の方法。
(項目9)
前記第1プライマーが、前記プライマーの3’末端に位置する、前記複数の核酸分子の各核酸分子の前記第1の鎖の標的部分に配列が相補的な第1の部分、前記第1の部分に5’隣接して位置する、緩衝配列を含む第2の部分、および前記第2の部分に5’隣接して位置する、前記緩衝配列のヌクレオチドとは異なるヌクレオチドからなる尾部配列を含む第3の部分を含み、前記第2のプライマーが、前記プライマーの3’末端に位置する、前記複数の核酸分子の各核酸分子の前記第2の鎖の前記標的部分に配列が相補的な第4の部分、および前記第4の部分に5’隣接して位置する、前記緩衝配列と同じヌクレオチド組成を有する配列を含む第5の部分を含む、項目2に記載の方法。
(項目10)
前記PCR混合物を精製して、未使用の第1のプライマーおよび第2のプライマーを除去した後に、
前記開始分量の処理された核酸分子を含む前記試料に、T4 DNAポリメラーゼ、および前記緩衝配列の前記ヌクレオチドに相補的であるが、前記尾部配列の前記ヌクレオチドには相補的でないデオキシヌクレオチドを添加するステップ、
前記開始分量の処理された核酸分子、T4 DNAポリメラーゼ、および前記緩衝配列の前記ヌクレオチドに相補的であるが、前記尾部配列の前記ヌクレオチドには相補的でないデオキシヌクレオチドを含む前記試料を、T4 DNAポリメラーゼ3’エキソヌクレアーゼ活性が、前記尾部配列をトリミングし、前記緩衝配列の位置に5’突出を産生することを可能にするのに十分な条件下でインキュベートするステップであって、前記T4 DNAポリメラーゼが、そのポリメラーゼ活性および前記相補的デオキシヌクレオチドの存在のため、前記緩衝配列を越える3’エキソヌクレアーゼ消化を防止する、ステップ
をさらに含む、項目9に記載の方法。
(項目11)
前記第1の反応混合物をインキュベートするステップが、前記開始分量の処理された核酸分子、T4 DNAポリメラーゼ、および前記緩衝配列の前記ヌクレオチドに相補的であるが、前記尾部配列の前記ヌクレオチドには相補的でないデオキシヌクレオチドを含む前記試料をインキュベートするステップと同時に実施され、それにより、前記処理された核酸分子の5’突出の生成、および前記プローブと前記処理された核酸分子とのライゲーションを可能にする、項目10に記載の方法。
(項目12)
前記プローブが、前記緩衝配列と同じデオキシヌクレオチドからなる3’末端緩衝配列を含み、それにより前記プローブに、前記T4 DNAポリメラーゼの3’エキソヌクレアーゼ活性に対する耐性を提供する、項目11に記載の方法。
(項目13)
前記緩衝配列が、ホモポリマー、ジヌクレオチド、またはトリヌクレオチド反復配列を含む、項目9に記載の方法。
(項目14)
前記緩衝配列および前記第2のプライマーの前記第5の部分が、5~10塩基の長さである、項目9に記載の方法。
(項目15)
前記尾部配列が、10~20塩基の長さである、項目9に記載の方法。
(項目16)
前記PCR混合物をインキュベートした後に、
前記開始分量の処理された核酸分子を含む前記試料にヌクレアーゼを添加するステップと、
前記ヌクレアーゼおよび前記開始分量の処理された核酸分子を含む前記試料を、前記ヌクレアーゼが、前記処理された核酸分子の塩基を切断して3’突出を産出するのに十分な条件下でインキュベートするステップと
をさらに含み、
前記第1のプライマーが、切断可能な塩基をさらに含む、項目2に記載の方法。
(項目17)
前記切断可能な塩基が、デオキシウリジン、リボヌクレオチド、イノシン、およびそれらの組合せからなる群から選択され、前記ヌクレアーゼが、ウラシルDNAグリコシラーゼ、RNase、およびエンドヌクレアーゼVからなる群から選択される、項目16に記載の方法。
(項目18)
前記PCR混合物をインキュベートした後に、
前記開始分量の処理された核酸分子を含む前記試料に5’エキソヌクレアーゼを添加するステップと、
前記5’エキソヌクレアーゼおよび前記開始分量の処理された核酸分子を含む前記試料を、各処理された核酸分子の一部分を消化して3’突出を産出するのに十分な条件下でインキュベートするステップと
をさらに含み、
前記第1のプライマーが、5’エキソヌクレアーゼ耐性修飾をさらに含む、項目2に記載の方法。
(項目19)
前記処理された核酸分子が、次世代配列決定(NGS)ライブラリーである、項目1~18のいずれか一項に記載の方法。
(項目20)
前記処理された核酸分子の各々が、前記分子の第1の末端に第1のアダプター配列、および前記第1の末端の反対側の第2の末端に第2のアダプター配列を含み、前記第1のアダプター配列および前記第2のアダプター配列が、同じであるかまたは異なる、項目19に記載の方法。
(項目21)
前記第1のアダプター配列が、第1の次世代配列決定アダプターであり、第2のアダプターが、第2の次世代配列決定アダプターである、項目20に記載の方法。
(項目22)
前記プローブが、エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素による消化に対する耐性を提供する修飾を含む、項目1~18のいずれか一項に記載の方法。
(項目23)
前記エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素による消化に対する耐性を提供する修飾が、3つまたはそれよりも多くの連続ホスホロチオエート連結を含む、項目22に記載の方法。
(項目24)
前記第1の反応混合物をインキュベートした後に、
エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素を前記第1の反応混合物に添加して、第2の反応混合物を得るステップと、
前記第2の反応混合物を、前記プローブにライゲートされていない前記処理された核酸分子の消化を可能にし、それにより、選択された標的分量の処理された核酸分子を単離するのに十分な条件下でインキュベートするステップと
をさらに含む、項目22に記載の方法。
(項目25)
前記処理された核酸分子が、完全なNGSアダプター配列の一部分を欠如する非機能的次世代配列決定(NGS)アダプターを含み、前記プローブが、前記NGSアダプターが機能的であるために必要な、前記NGSアダプター配列の前記一部分を含むポリヌクレオチド配列を含む、項目1~18のいずれか一項に記載の方法。
(項目26)
前記処理された核酸分子とのプローブライゲーションが、平滑末端ライゲーションであり、前記処理された核酸分子の各々が平滑末端を含み、前記プローブが、前記処理された核酸分子の各々の前記平滑末端と適合性の平滑末端を含む、項目1~3のいずれか一項に記載の方法。
(項目27)
各処理された核酸分子が5’突出を含み、前記処理された核酸分子とのプローブライゲーションが、付着末端ライゲーションである、項目1~2および5~15のいずれか一項に記載の方法。
(項目28)
各処理された核酸分子が3’突出を含み、前記処理された核酸分子とのプローブライゲーションが、付着末端ライゲーションである、項目1~2および16~18のいずれか一項に記載の方法。
(項目29)
各処理された核酸分子が、低複雑性配列を含み、前記プローブが、前記低複雑性配列に相補的な配列を含み、複雑なヌクレオチド配列のハイブリダイゼーション速度と比較して、低プローブ濃度での、前記処理された核酸分子との前記プローブのハイブリダイゼーション速度の増加を提供する、項目1~2および5~18のいずれか一項に記載の方法。
(項目30)
前記低複雑性配列が、ポリ(A)、ポリ(T)、ポリ(G)、ポリ(C)、ポリ(AG)、ポリ(AC)、ポリ(GT)、ポリ(CT)、ポリ(AT)、ポリ(GC)、トリヌクレオチド、テトラヌクレオチド、およびペンタヌクレオチドからなる群から選択される配列を含み、低複雑性ヌクレオチド配列が、前記突出の末端位置にある、項目29に記載の方法。
(項目31)
前記低複雑性配列が、前記処理された核酸分子の内部に位置するか、または前記処理された核酸分子の末端に位置する、項目30に記載の方法。
(項目32)
前記プローブが、一本鎖または二本鎖ポリヌクレオチドである、項目1~18のいずれか一項に記載の方法。
(項目33)
前記PCR混合物を精製して、未使用の第1のプライマーおよび第2のプライマーを除去するステップが、固相可逆的固定化により実施される、項目1~18のいずれか一項に記載の方法。
(項目34)
前記リガーゼが、T4 DNAリガーゼ、T3 DNAリガーゼ、T7 DNAリガーゼ、Eserichia coli DNAリガーゼ、Taqリガーゼ、Ampligase、9°Nリガーゼ、およびPfu DNAリガーゼからなる群から選択される、項目1~18のいずれか一項に記載の方法。
(項目35)
前記プローブが、一本鎖DNAを含む、項目1~18のいずれか一項に記載の方法。
(項目36)
前記プローブが、一本鎖DNAを含み、ヘアピン構造を形成する、項目1~18のいずれか一項に記載の方法。
(項目37)
前記プローブが、少なくとも部分的に二本鎖のDNAを含む、項目1~18のいずれか一項に記載の方法。
(項目38)
前記プローブが、5’ホスフェート、3’ヒドロキシル基、または5’ホスフェートおよび3’ヒドロキシル基の両方を含む、項目1~18のいずれか一項に記載の方法。
(項目39)
前記プローブが、3’末端にC3スペーサーまたは3’ホスフェートをさらに含む、項目1~18のいずれか一項に記載の方法。
(項目40)
各処理された核酸分子が、5’突出を含み、前記5’突出が、8~50塩基を含む、項目1~2および5~15のいずれか一項に記載の方法。
(項目41)
各処理された核酸分子が、3’突出を含み、前記3’突出が、8~50塩基を含む、項目1~2および16~18のいずれか一項に記載の方法。
(項目42)
各処理された核酸分子が、5’突出を含み、前記プローブの少なくとも一部分が、前記5’突出の少なくとも一部分に相補的である、項目1~2および5~15のいずれか一項に記載の方法。
(項目43)
各処理された核酸分子が、3’突出を含み、前記プローブの少なくとも一部分が、前記3’突出の少なくとも一部分に相補的である、項目1~2および16~18のいずれか一項に記載の方法。
(項目44)
配列決定アッセイでその後使用するために、標的分量の機能的NGSライブラリーを、開始分量の非機能的NGSライブラリーから得る方法であって、
前記開始分量の前記非機能的NGSライブラリーを含む試料を提供するステップであって、前記非機能的NGSライブラリーが核酸ライブラリー分子を含み、各核酸ライブラリー分子が、少なくとも部分的に二本鎖であり、NGSアダプターが機能的であるために必要な、完全なNGSアダプター配列の一部分を欠如する短縮NGSアダプター配列を含む、ステップ、
リガーゼおよびプローブを前記試料に添加して第1の反応混合物を得るステップであって、前記プローブが、前記標的分量と等しい量で添加され、前記プローブが、前記NGSアダプターが機能的であるために必要な、前記NGSアダプター配列の前記一部分を含むポリヌクレオチド配列を含む、ステップ、
前記第1の反応混合物を、前記プローブと前記非機能的NGSライブラリーの一部分とのライゲーションを可能にするのに十分な条件下でインキュベートするステップであって、前記プローブとライゲートした前記非機能的NGSライブラリーの前記一部分が前記標的分量であり、それにより前記標的分量の前記機能的NGSライブラリーを産出する、ステップ
を含む方法。
(項目45)
開始分量の処理された核酸分子を含む試料を提供する前に、
(i)複数の少なくとも部分的に二本鎖の核酸分子であって、各少なくとも部分的に二本鎖の核酸分子が第1の鎖および第2の鎖を含む核酸分子、
(ii)前記複数の核酸分子の各核酸分子の前記第1の鎖の標的部分に配列が相補的である第1の部分を含む第1のプライマー、
(iii)前記複数の核酸分子の各核酸分子の前記第2の鎖の標的部分に相補的な配列を含む第2のプライマー、
(iv)デオキシヌクレオチド、および
(v)DNAポリメラーゼ
を含むPCR混合物を提供するステップと、
前記PCR混合物を、前記DNAポリメラーゼが前記第1のプライマーおよび前記第2のプライマーの伸長を可能にし、それにより前記非機能的NGSライブラリーを産出するのに十分な条件下でインキュベートするステップと、
前記PCR混合物を精製して、未使用の第1のプライマーおよび第2のプライマーを除去し、それにより、前記開始分量の前記非機能的NGSライブラリーを含む試料を得るステップと
をさらに含み、
前記第1のプライマーが、前記NGSアダプターが機能的であるために必要な、前記完全なNGSアダプター配列の一部分を欠如する前記短縮NGSアダプター配列を含む、項目44に記載の方法
(項目46)
前記DNAポリメラーゼが、平滑末端PCR産物をもたらす3’エキソヌクレアーゼ活性を有する熱安定性DNAポリメラーゼである、項目45に記載の方法。
(項目47)
前記DNAポリメラーゼが、単一塩基突出を有するPCR産物をもたらす3’アデニル化活性を有する熱安定性DNAポリメラーゼである、項目45に記載の方法。
(項目48)
前記第1のプライマーが、前記プライマーの3’末端に位置する、前記複数の核酸分子の各核酸分子の前記第1の鎖の標的部分に配列が相補的である第1の部分、前記第1の部分に5’隣接して位置する、3つまたはそれよりも多くの連続リボヌクレオチド塩基を含む第2の部分、および前記第2の部分に5’隣接して位置し、2つまたはそれよりも多くのデオキシヌクレオチドを含む第3の部分を含み、前記DNAポリメラーゼが、3’エキソヌクレアーゼプルーフリーディング活性を有し、前記PCR混合物をインキュベートした後で産出される前記処理された核酸分子が各々、前記第1のプライマーの前記第3の部分および前記3つまたはそれよりも多くの連続リボヌクレオチド塩基の少なくとも1つを含む5’突出を含む、項目45に記載の方法。
(項目49)
前記3つまたはそれよりも多くの連続リボヌクレオチド塩基が、rUまたはrA塩基を含む、項目48に記載の方法。
(項目50)
前記DNAポリメラーゼが、DNAポリメラーゼQ5である、項目48に記載の方法。(項目51)
前記DNAポリメラーゼが、PRIMESTAR(登録商標)GXL DNA Polymeraseである、項目48に記載の方法。
(項目52)
前記第1プライマーが、前記プライマーの3’末端に位置する、前記複数の核酸分子の各核酸分子の前記第1の鎖の標的部分に配列が相補的な第1の部分、前記第1の部分に5’隣接して位置する、緩衝配列を含む第2の部分、および前記第2の部分に5’隣接して位置する、前記緩衝配列のヌクレオチドとは異なるヌクレオチドからなる尾部配列を含む第3の部分を含み、前記第2のプライマーが、前記プライマーの3’末端に位置する、前記複数の核酸分子の各核酸分子の前記第2の鎖の前記標的部分に配列が相補的な第4の部分、および前記第4の部分に5’隣接して位置する、前記緩衝配列と同じヌクレオチド組成を有する配列を含む第5の部分を含む、項目45に記載の方法。
(項目53)
前記PCR混合物を精製して、未使用の第1のプライマーおよび第2のプライマーを除去した後に、
前記開始分量の処理された核酸分子を含む試料に、T4 DNAポリメラーゼ、および前記緩衝配列の前記ヌクレオチドに相補的であるが、前記尾部配列の前記ヌクレオチドには相補的でないデオキシヌクレオチドを添加するステップと、
前記開始分量の処理された核酸分子、T4 DNAポリメラーゼ、および前記緩衝配列の前記ヌクレオチドに相補的であるが、前記尾部配列の前記ヌクレオチドには相補的でないデオキシヌクレオチドを含む前記試料を、T4 DNAポリメラーゼ3’エキソヌクレアーゼ活性が、前記尾部配列をトリミングし、前記緩衝配列の位置に5’突出を産生することを可能にするのに十分な条件下でインキュベートするステップであって、前記T4 DNAポリメラーゼが、そのポリメラーゼ活性および前記相補的デオキシヌクレオチドの存在のため、前記緩衝配列を越える3’エキソヌクレアーゼ消化を防止する、ステップとをさらに含む、項目52に記載の方法。
(項目54)
前記第1の反応混合物をインキュベートするステップが、前記開始分量の処理された核酸分子、T4 DNAポリメラーゼ、および前記緩衝配列の前記ヌクレオチドに相補的であるが、前記尾部配列の前記ヌクレオチドには相補的でないデオキシヌクレオチドを含む前記試料をインキュベートするステップと同時に実施され、それにより、前記処理された核酸分子の5’突出の生成、および前記プローブと前記処理された核酸分子とのライゲーションを可能にする、項目53に記載の方法。
(項目55)
前記プローブが、前記緩衝配列と同じデオキシヌクレオチドからなる3’末端緩衝配列を含み、それにより前記プローブに、前記T4 DNAポリメラーゼの3’エキソヌクレアーゼ活性に対する耐性を提供する、項目54に記載の方法。
(項目56)
前記緩衝配列が、ホモポリマー、ジヌクレオチド、またはトリヌクレオチド反復配列を含む、項目52に記載の方法。
(項目57)
前記緩衝配列および前記第2のプライマーの前記第5の部分が、5~10塩基の長さである、項目52に記載の方法。
(項目58)
前記尾部配列が、10~20塩基の長さである、項目52に記載の方法。
(項目59)
前記PCR混合物をインキュベートした後に、
ヌクレアーゼを前記PCR混合物に添加するステップと、
前記ヌクレアーゼおよび前記PCR混合物を、前記ヌクレアーゼが、前記処理された核酸分子の塩基を切断して3’突出を産出するのに十分な条件下でインキュベートするステップと
をさらに含み、
前記第1のプライマーが、切断可能な塩基をさらに含む、項目45に記載の方法。
(項目60)
前記切断可能な塩基が、デオキシウリジン、リボヌクレオチド、イノシン、およびそれらの組合せからなる群から選択され、前記ヌクレアーゼが、ウラシルDNAグリコシラーゼ、RNase、およびエンドヌクレアーゼVからなる群から選択される、項目59に記載の方法。
(項目61)
前記PCR混合物をインキュベートした後に、
5’エキソヌクレアーゼを前記PCR混合物に添加するステップと、
前記5’エキソヌクレアーゼおよび前記PCR混合物を、各処理された核酸分子の一部分を消化して3’突出を産出するのに十分な条件下でインキュベートするステップと
をさらに含み、
前記第1のプライマーが、5’エキソヌクレアーゼ耐性修飾をさらに含む、項目45に記載の方法。
(項目62)
各核酸ライブラリー分子が、第2の末端の反対側の第1の末端に完全なNGSアダプター配列をさらに含み、前記短縮NGSアダプター配列が、前記第2の末端に位置する、項目44~61のいずれか一項に記載の方法。
(項目63)
前記プローブが、エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素による消化に対する耐性を提供する修飾を含む、項目44~61のいずれか一項に記載の方法。
(項目64)
前記処理された核酸分子とのプローブライゲーションが、平滑末端ライゲーションであり、前記処理された核酸分子の各々が平滑末端を含み、前記プローブが、前記処理された核酸分子の各々の前記平滑末端と適合性の平滑末端を含む、項目44~46のいずれか一項に記載の方法。
(項目65)
各処理された核酸分子が5’突出を含み、前記処理された核酸分子とのプローブライゲーションが、付着末端ライゲーションである、項目44~45および48~58のいずれか一項に記載の方法。
(項目66)
各処理された核酸分子が3’突出を含み、前記処理された核酸分子とのプローブライゲーションが、付着末端ライゲーションである、項目44~45および59~61のいずれか一項に記載の方法。
(項目67)
各処理された核酸分子が、低複雑性配列を含み、前記プローブが、前記低複雑性配列に相補的な配列を含み、複雑なヌクレオチド配列のハイブリダイゼーション速度と比較して、低プローブ濃度での、前記処理された核酸分子との前記プローブのハイブリダイゼーション速度の増加を提供する、項目44~45および48~61のいずれか一項に記載の方法。
(項目68)
前記低複雑性配列が、ポリ(A)、ポリ(T)、ポリ(G)、ポリ(C)、ポリ(AG)、ポリ(AC)、ポリ(GT)、ポリ(CT)、ポリ(AT)、ポリ(GC)、トリヌクレオチド、テトラヌクレオチド、およびペンタヌクレオチドからなる群から選択される配列を含み、低複雑性ヌクレオチド配列が、前記突出の末端位置にある、項目67に記載の方法。
(項目69)
前記低複雑性配列が、前記処理された核酸分子の内部に位置するか、または前記処理された核酸分子の末端に位置する、項目68に記載の方法。
(項目70)
前記プローブが、一本鎖または二本鎖ポリヌクレオチドである、項目44~61のいずれか一項に記載の方法。
(項目71)
前記PCR混合物を精製して、未使用の第1のプライマーおよび第2のプライマーを除去するステップが、固相可逆的固定化により実施される、項目44~61のいずれか一項に記載の方法。
(項目72)
前記リガーゼが、T4 DNAリガーゼ、T3 DNAリガーゼ、T7 DNAリガーゼ、Eserichia coli DNAリガーゼ、Taqリガーゼ、Ampligase、9°Nリガーゼ、およびPfu DNAリガーゼからなる群から選択される、項目44~61のいずれか一項に記載の方法。
(項目73)
前記プローブが、一本鎖DNAを含む、項目44~61のいずれか一項に記載の方法。(項目74)
前記プローブが、一本鎖DNAを含み、ヘアピン構造を形成する、項目44~61のいずれか一項に記載の方法。
(項目75)
前記プローブが、少なくとも部分的に二本鎖のDNAを含む、項目44~61のいずれか一項に記載の方法。
(項目76)
前記プローブが、5’ホスフェート、3’ヒドロキシル基、または5’ホスフェートおよび3’ヒドロキシル基の両方を含む、項目44~61のいずれか一項に記載の方法。
(項目77)
前記プローブが、3’末端にC3スペーサーまたは3’ホスフェートをさらに含む、項目44~61のいずれか一項に記載の方法。
(項目78)
各処理された核酸分子が、5’突出を含み、前記5’突出が、8~50塩基を含む、項目44~45および48~61のいずれか一項に記載の方法。
(項目79)
各処理された核酸分子が、3’突出を含み、前記3’突出が、8~50塩基を含む、項目44~45および59~61のいずれか一項に記載の方法。
(項目80)
各処理された核酸分子が、5’突出を含み、前記プローブの少なくとも一部分が、前記5’突出の少なくとも一部分に相補的である、項目44~45および48~61のいずれか一項に記載の方法。
(項目81)
各処理された核酸分子が、3’突出を含み、前記プローブの少なくとも一部分が、前記3’突出の少なくとも一部分に相補的である、項目44~45および59~61のいずれか一項に記載の方法。
(項目82)
配列決定アッセイでその後使用するために、標的分量の機能的NGSライブラリーを、開始分量の非機能的NGSライブラリーから得る方法であって、
前記開始分量の前記非機能的NGSライブラリーを含む試料を提供するステップであって、前記非機能的NGSライブラリーが核酸分子を含み、各核酸ライブラリー分子が、少なくとも部分的に二本鎖であり、NGSアダプターが機能的であるために必要な、完全なNGSアダプター配列の一部分を欠如する短縮NGSアダプター配列を含み、前記短縮NGSアダプター配列の3つまたはそれよりも多くの連続塩基が、対応するリボヌクレオチド塩基により置換され、前記3つまたはそれよりも多くの連続塩基が、前記短縮NGSアダプター配列の5’末端にない、ステップ、
リガーゼおよびプローブを前記試料に添加して第1の反応混合物を得るステップであって、前記プローブが、前記標的分量と等しい量で添加され、前記プローブが、前記NGSアダプターが機能的であるために必要な、前記NGSアダプター配列の前記一部分を含むポリヌクレオチド配列を含む、ステップ、
前記第1の反応混合物を、前記プローブと前記非機能的NGSライブラリーの一部分とのライゲーションを可能にするのに十分な条件下でインキュベートするステップであって、前記非機能的NGSライブラリーの前記一部分が前記標的分量であり、それにより前記標的分量の前記機能的NGSライブラリーを産出する、ステップ
を含む方法。
(項目83)
3つまたはそれよりも多くの連続リボヌクレオチド塩基が、rUまたはrA塩基を含む、項目82に記載の方法。
(項目84)
前記核酸ライブラリー分子が、少なくとも1つの突出を含み、前記第1の反応混合物をインキュベートするステップが、前記プローブの少なくとも一部分と前記突出とのアニーリングを可能にするのに十分な条件下で実施される、項目82~84のいずれか一項に記載の方法。
(項目85)
前記突出が5’突出である、項目84に記載の方法。
(項目86)
前記突出が3’突出である、項目84に記載の方法。
(項目87)
前記突出が、ポリ(A)、ポリ(T)、ポリ(G)、ポリ(C)、ポリ(AG)、ポリ(AC)、ポリ(GT)、ポリ(CT)、ポリ(AT)、ポリ(GC)、トリヌクレオチド、テトラヌクレオチド、およびペンタヌクレオチドからなる群から選択される低複雑性ヌクレオチド配列をさらに含み、前記低複雑性ヌクレオチド配列が、前記突出の末端位置にある、項目82に記載の方法。
(項目88)
前記突出が5’突出である、項目87に記載の方法。
(項目89)
前記突出が3’突出である、項目87に記載の方法。
(項目90)
前記プローブが、前記NGSアダプターが機能的であるために必要な、前記NGSアダプター配列の前記一部分の3’に位置する、前記低複雑性ヌクレオチド配列の少なくとも一部分に相補的な配列をさらに含む、項目88に記載の方法。
(項目91)
前記プローブが、前記NGSアダプターが機能的であるために必要な、前記NGSアダプター配列の前記一部分の3’に位置する、前記低複雑性ヌクレオチド配列に相補的な配列を含む、項目90に記載の方法。
(項目92)
前記プローブが、前記NGSアダプターが機能的であるために必要な、前記NGSアダプター配列の前記一部分の5’に位置する、前記低複雑性ヌクレオチド配列の少なくとも一部分に相補的な配列をさらに含む、項目89に記載の方法。
(項目93)
前記プローブが、前記NGSアダプターが機能的であるために必要な、前記NGSアダプター配列の前記一部分の5’に位置する、前記低複雑性ヌクレオチド配列に相補的な配列を含む、項目92に記載の方法。
(項目94)
低複雑性配列が、ポリ(A)を含む、項目87~93のいずれか一項に記載の方法。
(項目95)
低複雑性配列が、ポリ(T)を含む、項目87~93のいずれか一項に記載の方法。
(項目96)
前記突出が、8~50塩基を含む、項目84~95のいずれか一項に記載の方法。
(項目97)
前記リガーゼが、T4 DNAリガーゼ、T3 DNAリガーゼ、T7 DNAリガーゼ、Eserichia coli DNAリガーゼ、Taqリガーゼ、Ampligase、9°Nリガーゼ、およびPfu DNAリガーゼからなる群から選択される、項目82~96のいずれか一項に記載の方法。
(項目98)
前記プローブが、一本鎖DNAを含む、項目82~97のいずれか一項に記載の方法。(項目99)
前記プローブが、ヘアピン構造を形成する、項目82~98のいずれか一項に記載の方法。
(項目100)
前記プローブが、突出を含む二本鎖DNAを含む、項目82~97のいずれか一項に記載の方法。
(項目101)
前記プローブが、5’ホスフェート、3’ヒドロキシル基、または5’ホスフェートおよび3’ヒドロキシル基の両方を含む、項目82~100のいずれか一項に記載の方法。
(項目102)
前記プローブが、3’末端にC3スペーサーまたは3’ホスフェートをさらに含む、項目82~101のいずれか一項に記載の方法。
(項目103)
前記プローブが、前記核酸ライブラリー分子の前記突出よりも長い、項目84~102のいずれか一項に記載の方法。
(項目104)
配列決定アッセイで後に使用するために、標的分量の処理された核酸分子を開始分量から得る方法であって、
前記開始分量の処理された核酸分子を含む試料を提供するステップであって、前記処理された核酸分子の各々が、少なくとも部分的に二本鎖であり、前記開始分量が、前記標的分量よりも大きい、ステップ、
リガーゼおよびプローブを前記試料に添加して、第1の反応混合物を得、前記プローブが、前記標的分量と等しい量で添加され、前記プローブが、突出配列の少なくとも一部分とハイブリダイズするのに十分に相補的であるポリヌクレオチド配列を含み、前記プローブが、エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素による消化に対する耐性を提供する修飾を含む、ステップ、
前記第1の反応混合物を、前記プローブと前記突出配列とのアニーリングを可能にして、前記プローブと前記処理された核酸分子の一部分とのライゲーションを可能にするのに十分な条件下でインキュベートするステップであって、プローブにライゲートされた前記処理された核酸分子の前記一部分が、前記標的分量の処理された核酸分子である、ステップ、
前記反応混合物を前記プローブおよび前記リガーゼと共にインキュベートした後、エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素を、前記第1の反応混合物に添加して第2の反応混合物を得るステップ、
前記第2の反応混合物を、前記プローブにライゲートされていない前記処理された核酸分子の消化を可能にし、それにより前記標的分量の処理された核酸分子を産出するのに十分な条件下でインキュベートするステップ
を含む方法。
(項目105)
前記開始分量の処理された核酸分子を含む前記試料を提供する前に、
(i)複数の少なくとも部分的に二本鎖の核酸分子であって、各少なくとも部分的に二本鎖の核酸分子が第1の鎖および第2の鎖を含む核酸分子、
(ii)前記複数の核酸分子の各核酸分子の前記第1の鎖の標的部分に配列が相補的である第1の部分を含む第1のプライマー、
(iii)前記複数の核酸分子の各核酸分子の前記第2の鎖の標的部分に相補的な配列を含む第2のプライマー、
(iv)デオキシヌクレオチド、ならびに
(v)DNAポリメラーゼ
を含むPCR混合物を提供するステップと、
前記PCR混合物を、前記DNAポリメラーゼが前記第1のプライマーおよび前記第2のプライマーの伸長を可能にし、それにより前記処理された核酸分子を産出するのに十分な条件下でインキュベートするステップと、
前記PCR混合物を精製して、未使用の第1のプライマーおよび第2のプライマーを除去し、それにより、前記開始分量の処理された核酸分子を含む試料を得るステップと
をさらに含む、項目104に記載の方法。
(項目106)
前記DNAポリメラーゼが、平滑末端PCR産物をもたらす3’エキソヌクレアーゼ活性を有する熱安定性DNAポリメラーゼである、項目105に記載の方法。
(項目107)
前記DNAポリメラーゼが、単一塩基突出を有するPCR産物をもたらす3’アデニル化活性を有する熱安定性DNAポリメラーゼである、項目105に記載の方法。
(項目108)
前記第1のプライマーが、前記プライマーの3’末端に位置する、前記複数の核酸分子の各核酸分子の前記第1の鎖の標的部分に配列が相補的である第1の部分、前記第1の部分に5’隣接して位置する、3つまたはそれよりも多くの連続リボヌクレオチド塩基を含む第2の部分、および前記第2の部分に5’隣接して位置し、2つまたはそれよりも多くのデオキシヌクレオチドを含む第3の部分を含み、前記DNAポリメラーゼが、3’エキソヌクレアーゼプルーフリーディング活性を有し、前記PCR混合物をインキュベートした後で産出される前記処理された核酸分子が各々、前記第1のプライマーの前記第3の部分および前記3つまたはそれよりも多くの連続リボヌクレオチド塩基の少なくとも1つを含む5’突出を含む、項目105に記載の方法。
(項目109)
前記3つまたはそれよりも多くの連続リボヌクレオチド塩基が、rUまたはrA塩基を含む、項目108に記載の方法。
(項目110)
前記DNAポリメラーゼが、DNAポリメラーゼQ5である、項目108に記載の方法。
(項目111)
前記DNAポリメラーゼが、PRIMESTAR(登録商標)GXL DNA Polymeraseである、項目108に記載の方法。
(項目112)
前記第1プライマーが、前記プライマーの3’末端に位置する、前記複数の核酸分子の各核酸分子の前記第1の鎖の標的部分に配列が相補的な第1の部分、前記第1の部分に5’隣接して位置する、緩衝配列を含む第2の部分、および前記第2の部分に5’隣接して位置する、前記緩衝配列のヌクレオチドとは異なるヌクレオチドからなる尾部配列を含む第3の部分を含み、前記第2のプライマーが、前記プライマーの3’末端に位置する、前記複数の核酸分子の各核酸分子の前記第2の鎖の前記標的部分に配列が相補的な第4の部分、および前記第4の部分に5’隣接して位置する、前記緩衝配列と同じヌクレオチド組成を有する配列を含む第5の部分を含む、項目105に記載の方法。
(項目113)
前記PCR混合物を精製して、未使用の第1のプライマーおよび第2のプライマーを除去した後に、
前記開始分量の処理された核酸分子を含む前記試料に、T4 DNAポリメラーゼ、および前記緩衝配列の前記ヌクレオチドに相補的であるが、前記尾部配列の前記ヌクレオチドには相補的でないデオキシヌクレオチドを添加するステップ、
前記開始分量の処理された核酸分子、T4 DNAポリメラーゼ、および前記緩衝配列の前記ヌクレオチドに相補的であるが、前記尾部配列の前記ヌクレオチドには相補的でないデオキシヌクレオチドを含む前記試料を、T4 DNAポリメラーゼ3’エキソヌクレアーゼ活性が、前記尾部配列をトリミングし、前記緩衝配列の位置に5’突出を産生することを可能にするのに十分な条件下でインキュベートするステップであって、前記T4 DNAポリメラーゼが、そのポリメラーゼ活性および前記相補的デオキシヌクレオチドの存在のため、前記緩衝配列を越える3’エキソヌクレアーゼ消化を防止するステップ
をさらに含む、項目112に記載の方法。
(項目114)
前記第1の反応混合物をインキュベートするステップが、前記開始分量の処理された核酸分子、T4 DNAポリメラーゼ、および前記緩衝配列の前記ヌクレオチドに相補的であるが、前記尾部配列の前記ヌクレオチドには相補的でないデオキシヌクレオチドを含む前記試料をインキュベートするステップと同時に実施され、それにより、前記処理された核酸分子の5’突出の生成、および前記プローブと前記処理された核酸分子とのライゲーションを可能にする、項目113に記載の方法。
(項目115)
前記プローブが、前記緩衝配列と同じデオキシヌクレオチドからなる3’末端緩衝配列を含み、それにより前記プローブに、前記T4 DNAポリメラーゼの3’エキソヌクレアーゼ活性に対する耐性を提供する、項目114に記載の方法。
(項目116)
前記緩衝配列が、ホモポリマー、ジヌクレオチド、またはトリヌクレオチド反復配列を含む、項目112に記載の方法。
(項目117)
前記緩衝配列および前記第2のプライマーの前記第5の部分が、5~10塩基の長さである、項目112に記載の方法。
(項目118)
前記尾部配列が、10~20塩基の長さである、項目112に記載の方法。
(項目119)
前記PCR混合物をインキュベートした後に、
ヌクレアーゼを前記PCR混合物に添加するステップと、
前記ヌクレアーゼおよび前記PCR混合物を、前記ヌクレアーゼが、前記処理された核酸分子の塩基を切断して3’突出を産出するのに十分な条件下でインキュベートするステップと
をさらに含み、
前記第1のプライマーが、切断可能な塩基をさらに含む、項目105に記載の方法。
(項目120)
前記切断可能な塩基が、デオキシウリジン、リボヌクレオチド、イノシン、およびそれらの組合せからなる群から選択され、前記ヌクレアーゼが、ウラシルDNAグリコシラーゼ、RNase、およびエンドヌクレアーゼVからなる群から選択される、項目119に記載の方法。
(項目121)
前記PCR混合物をインキュベートした後に、
5’エキソヌクレアーゼを前記PCR混合物に添加するステップと、
前記5’ヌクレアーゼおよび前記PCR混合物を、各処理された核酸分子の一部分を消化して3’突出を産出するのに十分な条件下でインキュベートするステップと
をさらに含み、
前記第1のプライマーが、5’エキソヌクレアーゼ耐性修飾をさらに含む、項目105に記載の方法。
(項目122)
前記処理された核酸分子が、次世代配列決定(NGS)ライブラリーである、項目104~121のいずれか一項に記載の方法。
(項目123)
前記処理された核酸分子の各々が、前記分子の第1の末端に第1のアダプター配列、および前記第1の末端の反対側の第2の末端に第2のアダプター配列を含み、前記第1のアダプター配列および前記第2のアダプター配列が、同じであるかまたは異なる、項目122に記載の方法。
(項目124)
前記第1のアダプター配列が、第1の次世代配列決定アダプターであり、第2のアダプターが、第2の次世代配列決定アダプターである、項目123に記載の方法。
(項目125)
前記プローブが、エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素による消化に対する耐性を提供する修飾を含む、項目104~121のいずれか一項に記載の方法。
(項目126)
前記エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素による消化に対する耐性を提供する修飾が、3つまたはそれよりも多くの連続ホスホロチオエート連結を含む、項目125に記載の方法。
(項目127)
前記第1の反応混合物をインキュベートした後に、
エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素を前記第1の反応混合物に添加して、第2の反応混合物を得るステップと、
前記第2の反応混合物を、前記プローブにライゲートされていない前記処理された核酸分子の消化を可能にし、それにより、選択された標的分量の処理された核酸分子を単離するのに十分な条件下でインキュベートするステップと
をさらに含む、項目125に記載の方法。
(項目128)
前記処理された核酸分子とのプローブライゲーションが、平滑末端ライゲーションであり、前記処理された核酸分子の各々が平滑末端を含み、前記プローブが、前記処理された核酸分子の各々の前記平滑末端と適合性の平滑末端を含む、項目104~106のいずれか一項に記載の方法。
(項目129)
各処理された核酸分子が5’突出を含み、前記処理された核酸分子とのプローブライゲーションが、付着末端ライゲーションである、項目104~105および108~118のいずれか一項に記載の方法。
(項目130)
各処理された核酸分子が3’突出を含み、前記処理された核酸分子とのプローブライゲーションが、付着末端ライゲーションである、項目104~105および119~121のいずれか一項に記載の方法。
(項目131)
各処理された核酸分子が、低複雑性配列を含み、前記プローブが、前記低複雑性配列に相補的な配列を含み、複雑なヌクレオチド配列のハイブリダイゼーション速度と比較して、低プローブ濃度での、前記処理された核酸分子との前記プローブのハイブリダイゼーション速度の増加を提供する、項目104~105および118~121のいずれか一項に記載の方法。
(項目132)
前記低複雑性配列が、ポリ(A)、ポリ(T)、ポリ(G)、ポリ(C)、ポリ(AG)、ポリ(AC)、ポリ(GT)、ポリ(CT)、ポリ(AT)、ポリ(GC)、トリヌクレオチド、テトラヌクレオチド、およびペンタヌクレオチドからなる群から選択される配列を含み、低複雑性ヌクレオチド配列が、前記突出の末端位置にある、項目131に記載の方法。
(項目133)
前記低複雑性配列が、前記処理された核酸分子の内部に位置するか、または前記処理された核酸分子の末端に位置する、項目132に記載の方法。
(項目134)
前記プローブが、一本鎖または二本鎖ポリヌクレオチドである、項目104~121のいずれか一項に記載の方法。
(項目135)
前記PCR混合物を精製して、未使用の第1のプライマーおよび第2のプライマーを除去するステップが、固相可逆的固定化により実施される、項目104~121のいずれか一項に記載の方法。
(項目136)
前記リガーゼが、T4 DNAリガーゼ、T3 DNAリガーゼ、T7 DNAリガーゼ、Eserichia coli DNAリガーゼ、Taqリガーゼ、Ampligase、9°Nリガーゼ、およびPfu DNAリガーゼからなる群から選択される、項目104~121のいずれか一項に記載の方法。
(項目137)
前記プローブが、一本鎖DNAを含む、項目104~121のいずれか一項に記載の方法。
(項目138)
前記プローブが、一本鎖DNAを含み、ヘアピン構造を形成する、項目104~121のいずれか一項に記載の方法。
(項目139)
前記プローブが、少なくとも部分的に二本鎖のDNAを含む、項目104~121のいずれか一項に記載の方法。
(項目140)
前記プローブが、5’ホスフェート、3’ヒドロキシル基、または5’ホスフェートおよび3’ヒドロキシル基の両方を含む、項目104~121のいずれか一項に記載の方法。
(項目141)
前記プローブが、3’末端にC3スペーサーまたは3’ホスフェートをさらに含む、項目104~121のいずれか一項に記載の方法。
(項目142)
各処理された核酸分子が、5’突出を含み、前記5’突出が、8~50塩基を含む、項目104~105および108~118のいずれか一項に記載の方法。
(項目143)
各処理された核酸分子が、3’突出を含み、前記3’突出が、8~50塩基を含む、項目104~105および119~121のいずれか一項に記載の方法。
(項目144)
各処理された核酸分子が、5’突出を含み、前記プローブの少なくとも一部分が、前記5’突出の少なくとも一部分に相補的である、項目104~105および108~118のいずれか一項に記載の方法。
(項目145)
各処理された核酸分子が、3’突出を含み、前記プローブの少なくとも一部分が、前記3’突出の少なくとも一部分に相補的である、項目104~105および119~121のいずれか一項に記載の方法。
(項目146)
前記エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素による消化に対する耐性を提供する修飾が、前記プローブの5’末端に位置する、項目104~145のいずれか一項に記載の方法。(項目147)
前記エキソヌクレアーゼが、エキソヌクレアーゼIII、T4 DNAポリメラーゼ、およびエキソヌクレアーゼIからなる群から選択される、項目104~146のいずれか一項に記載の方法。
(項目148)
前記反応混合物を前記プローブおよび前記リガーゼと共にインキュベートした後、アピラーゼジホスファターゼを、前記エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素と共に前記第1の反応混合物に添加して第2の反応混合物を得るステップをさらに含み、前記エキソヌクレアーゼが、T4 DNAポリメラーゼである、項目147に記載の方法。
(項目149)
前記プローブが、前記突出よりも長い、項目104~148のいずれか一項に記載の方法。
(項目150)
標的分量の増幅された核酸分子を産生する方法であって、
(i)標的分量の増幅された核酸分子を選択するステップ、
(ii)複数の核酸分子を含む試料を提供するステップであって、前記複数の核酸分子の各核酸分子が、前記核酸分子の第1の末端に第1のアダプター配列、および前記第1の末端の反対側に位置する前記核酸分子の第2の末端に第2のアダプター配列を含む、ステップ、
(iii)デオキシヌクレオチド、DNAポリメラーゼ、標的分量の第1のプライマーおよび標的分量の第2のプライマーを前記試料に添加して、第1のPCR反応混合物を得るステップであって、前記第1のプライマーが、前記第1のアダプター配列の少なくとも第1の部分に相補的な第1の低複雑性ヌクレオチド配列を含む第1の5’末端ドメイン、および前記第1の部分の5’に位置する、前記第1のアダプター配列の少なくとも第2の部分に相補的な第1の3’末端ドメインを含み、前記第2のプライマーが、前記第2のアダプター配列の少なくとも第3の部分に相補的な第2の低複雑性ヌクレオチド配列を含む第2の5’末端ドメイン、および前記第3の部分の5’に位置する、前記第2のアダプター配列の少なくとも第4の部分に相補的な第2の3’末端ドメインを含み、前記第1の低複雑性ヌクレオチド配列および前記第2の低複雑性ヌクレオチド配列が、同じではなく、相補的でない、ステップ、
(iv)前記第1のPCR反応混合物を、前記DNAポリメラーゼが前記第1のプライマーおよび前記第2のプライマーの伸長を可能にし、それにより前記標的分量の増幅された核酸分子を産出するのに十分な条件下で、前記プライマーが利用されるまでインキュベートするステップ
を含み、
前記低複雑性ヌクレオチド配列が、ホモポリマー配列、ジヌクレオチド配列、反復ジヌクレオチドエレメント、トリヌクレオチド配列、反復トリヌクレオチドエレメント、テトラヌクレオチド反復配列エレメント、およびペンタヌクレオチド反復配列エレメントからなる群から選択される、方法。
(項目151)
前記第1の5’末端ドメインおよび前記第2の5’末端ドメインが、約8から100ヌクレオチドまでの長さである、項目150に記載の方法。
(項目152)
前記第1の5’末端ドメインおよび前記第2の5’末端ドメインが、約8から90ヌクレオチドまでの長さである、項目151に記載の方法。
(項目153)
前記第1の5’末端ドメインおよび前記第2の5’末端ドメインが、約8から80ヌクレオチドまでの長さである、項目152に記載の方法。
(項目154)
前記第1の5’末端ドメインおよび前記第2の5’末端ドメインが、約8から70ヌクレオチドまでの長さである、項目153に記載の方法。
(項目155)
前記第1の5’末端ドメインおよび前記第2の5’末端ドメインが、約8から60ヌクレオチドまでの長さである、項目154に記載の方法。
(項目156)
前記第1の5’末端ドメインおよび前記第2の5’末端ドメインが、約8から50ヌクレオチドまでの長さである、項目155に記載の方法。
(項目157)
前記第1の5’末端ドメインおよび前記第2の5’末端ドメインが、約8から40ヌクレオチドまでの長さである、項目156に記載の方法。
(項目158)
前記第1の5’末端ドメインおよび前記第2の5’末端ドメインが、約8から30ヌクレオチドまでの長さである、項目157に記載の方法。
(項目159)
前記第1の5’末端ドメインおよび前記第2の5’末端ドメインが、約8から20ヌクレオチドまでの長さである、項目158に記載の方法。
(項目160)
前記第1の5’末端ドメインおよび/または前記第2の5’末端ドメインが、デオキシヌクレオチド、リボヌクレオチド、ロックド核酸、またはそれらの組合せを含む、項目150~159のいずれか一項に記載の方法。
(項目161)
前記第1のアダプター配列が、P5配列を含むIlluminaアダプターである、項目150~160のいずれか一項に記載の方法。
(項目162)
前記第2のアダプター配列が、P7配列を含むIlluminaアダプターである、項目150~161のいずれか一項に記載の方法。
(項目163)
前記第1のプライマーが、前記第1のプライマーの5’末端に第1のフルオロフォアを含む、項目150~162のいずれか一項に記載の方法。
(項目164)
前記第1の反応混合物をインキュベートした後に、
(v)前記第1のフルオロフォアに対応する波長で、前記インキュベートされた第1の反応混合物の蛍光強度を測定して、第1の蛍光シグナル(F1)を得るステップ、
(vi)前記第1のプライマーの少なくとも一部分に相補的な過剰分量のクエンチングオリゴヌクレオチドを、前記インキュベートされた第1の反応混合物に添加して、クエンチされた混合物を得るステップ、
(vii)前記第1のフルオロフォアに対応する前記波長で、前記クエンチされた混合物の蛍光強度を測定して、第2の蛍光シグナル(F2)を得るステップ
をさらに含み、
F2がF1未満である場合、ステップ(iv)を繰り返す、項目163に記載の方法。(項目165)
前記第2のプライマーが、前記第2のプライマーの5’末端に前記第1のフルオロフォアを含む、項目164に記載の方法。
(項目166)
前記DNAポリメラーゼが前記第1のプライマーおよび前記第2のプライマーを伸長するのを可能にし、それにより前記標的分量の増幅された核酸分子を産出するのに十分な条件が、その後のPCRサイクルでのアニーリング期間よりも長い、最初の2回のPCRサイクルでのアニーリング期間を含む、項目150~165のいずれか一項に記載の方法。(項目167)
前記最初の2回のPCRサイクルでのアニーリング期間が、1分よりも長く、前記その後のPCRサイクルでのアニーリング期間が1分またはそれ未満である、項目150~166のいずれか一項に記載の方法。
(項目168)
前記プライマーが、100%利用される、項目150~167のいずれか一項に記載の方法。
(項目169)
前記プライマーが、90%利用される、項目150~167のいずれか一項に記載の方法。
(項目170)
前記プライマーが、80%利用される、項目150~167のいずれか一項に記載の方法。
(項目171)
前記プライマーが、70%利用される、項目150~167のいずれか一項に記載の方法。
(項目172)
前記プライマーが、60%利用される、項目150~167のいずれか一項に記載の方法。
(項目173)
前記プライマーが、50%利用される、項目150~167のいずれか一項に記載の方法。
(項目174)
(i)第1のNGSアダプターが機能的であるために必要な、第1の次世代配列決定(NGS)アダプター配列の一部分を含むポリヌクレオチド配列を含むプローブ、
(ii)前記プローブの前記第1のNGSアダプター配列の前記一部分ではない、前記第1のNGSアダプター配列の一部分を含む第1のプライマー、
(iii)第2のNGSアダプター配列を含む第2のプライマー、
(iv)ポリメラーゼ、
(v)デオキシヌクレオチド、および
(vi)リガーゼを含み、
前記第1のNGSアダプター配列および前記第2のNGSアダプター配列が、同じであるかまたは異なる、キット。
(項目175)
第2のデオキシヌクレオチド混合物をさらに含み、前記第1のプライマーが、尾部配列および緩衝配列をさらに含み、前記尾部配列のヌクレオチド組成および前記緩衝配列のヌクレオチド組成が異なり、前記第2のデオキシヌクレオチド混合物が、前記緩衝配列に相補的なヌクレオチドのみを含み、前記ポリメラーゼが、T4 DNAポリメラーゼであり、前記プローブが、前記尾部配列の少なくとも一部分に相補的な配列をさらに含む、項目174に記載のキット。
(項目176)
前記第1のプライマーが、前記第1のプライマーの5’末端にない3つまたはそれよりも多くの連続リボヌクレオチド塩基をさらに含む、項目174に記載のキット。
(項目177)
RNase、ウラシルDNAグリコシラーゼ、またはエンドヌクレアーゼVをさらに含み、前記第1のプライマーが、リボヌクレオチド、ウラシル、またはイノシンを含む切断可能な塩基をさらに含む、項目174に記載のキット。
(項目178)
5’エキソヌクレアーゼをさらに含み、前記第1のプライマーが、1つまたは複数のホスホロチオエート連結を含む、内部に配置されているヌクレアーゼ耐性修飾をさらに含む、項目174に記載のキット。
(項目179)
前記ポリメラーゼが、3’エキソヌクレアーゼプルーフリーディング活性を有する熱安定性高フィデリティーポリメラーゼまたはTaqポリメラーゼである、項目174に記載のキット。
(項目180)
(i)第1のNGSアダプターが機能的であるために必要な、第1の次世代配列決定(NGS)アダプター配列の一部分を含むポリヌクレオチド配列を含むプローブ、
(ii)前記プローブの前記第1のNGSアダプター配列の前記一部分ではない前記第1のNGSアダプター配列の一部分を含み、前記第1のNGSアダプター配列の前記一部分の3つまたはそれよりも多くの連続塩基が、対応するリボヌクレオチド塩基により置換されている、第1のプライマー、
(iii)第2のNGSアダプター配列を含む第2のプライマー、
(iv)3’エキソヌクレアーゼ活性を有する熱安定性高フィデリティーポリメラーゼ、
(v)デオキシヌクレオチド、および
(vi)リガーゼを含み、
前記第1のNGSアダプター配列および前記第2のNGSアダプター配列が、同じであるかまたは異なる、キット。
(項目181)
前記第1のプライマーが、前記対応するリボヌクレオチド塩基により置換されている前記第1のNGSアダプター配列の前記一部分の前記3つまたはそれよりも多くの連続塩基に対して5’に尾部配列をさらに含み、前記プローブが、前記尾部配列の少なくとも一部分に相補的な配列をさらに含む、項目180に記載のキット。
(項目182)
前記第1のプライマーが、ポリ(A)、ポリ(T)、ポリ(G)、ポリ(C)、ポリ(AG)、ポリ(AC)、ポリ(GT)、ポリ(CT)、ポリ(AT)、ポリ(GC)、トリヌクレオチド、テトラヌクレオチド、およびペンタヌクレオチドからなる群から選択される低複雑性配列をさらに含み、前記プローブが、前記低複雑性ヌクレオチド配列に相補的な配列を含む、項目174および176~181のいずれか一項に記載のキット。
(項目183)
前記低複雑性配列が、前記NGSアダプター配列の前記一部分の5’に位置し、第1のNGSアダプターが機能的であるために必要な、第1の次世代配列決定(NGS)アダプター配列の前記一部分が、前記低複雑性配列に相補的な前記配列の5’に位置する、項目182に記載のキット。
(項目184)
前記プローブが、8~50塩基を含む、項目174~183のいずれか一項に記載のキット。
(項目185)
前記リガーゼが、T4 DNAリガーゼ、T3 DNAリガーゼ、T7 DNAリガーゼ、Eserichia coli DNAリガーゼ、Taqリガーゼ、Ampligase、9°Nリガーゼ、およびPfu DNAリガーゼからなる群から選択される、項目174~184のいずれか一項に記載のキット。
(項目186)
前記プローブが、5’ホスフェート、3’ヒドロキシル基、または5’ホスフェートおよび3’ヒドロキシル基の両方をさらに含む、項目174~185のいずれか一項に記載のキット。
(項目187)
前記プローブが、一本鎖DNAを含む、項目174~186のいずれか一項に記載のキット。
(項目188)
前記プローブが、ヘアピン構造を形成する、項目174~187のいずれか一項に記載のキット。
(項目189)
前記プローブが、少なくとも部分的に二本鎖である、項目174~186のいずれか一項に記載のキット。
(項目190)
前記プローブが、5’突出をさらに含む、項目189に記載のキット。
(項目191)
(i)3’末端に第1の部分、前記第1の部分の5’に位置し、3つまたはそれよりも多くの連続リボヌクレオチドを含む第2の部分、および前記第2の部分の5’に位置し、2つまたはそれよりも多くのデオキシヌクレオチドを含む第3の部分を含む第1のプライマー、
(ii)デオキシヌクレオチド、
(iii)3’エキソヌクレアーゼプルーフリーディング活性を有するDNAポリメラーゼ、
(iv)前記第1の部分ではない前記第1のプライマーの少なくとも一部分に相補的なポリヌクレオチド配列、および3’エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素による消化に対する耐性を提供する修飾を含むプローブ、
(v)リガーゼ、
(vi)3’エキソヌクレアーゼ、ならびに任意選択で
(vii)エキソヌクレアーゼIまたは固相可逆的固定化ビーズを含むキット。
(項目192)
前記DNAポリメラーゼが、DNAポリメラーゼQ5である、項目191に記載のキット。
(項目193)
前記DNAポリメラーゼが、PRIMESTAR(登録商標)GXL DNA Polymeraseである、項目191に記載のキット。
(項目194)
前記3つまたはそれよりも多くの連続リボヌクレオチドが、rUまたはrA塩基を含む、項目191~193のいずれか一項に記載のキット。
(項目195)
前記第1のプライマーの少なくとも一部分に相補的な前記ポリヌクレオチド配列が、ポリ(A)、ポリ(T)、ポリ(G)、ポリ(C)、ポリ(AG)、ポリ(AC)、ポリ(GT)、ポリ(CT)、ポリ(AT)、ポリ(GC)、トリヌクレオチド、テトラヌクレオチド、およびペンタヌクレオチドからなる群から選択される低複雑性配列である、項目191~194のいずれか一項に記載のキット。
(項目196)
前記プローブが、8~50塩基を含む、項目191~195のいずれか一項に記載のキット。
(項目197)
前記第1のプライマーの前記第2の部分および前記第3の部分が合わせて8~50塩基を含む、項目191~196のいずれか一項に記載のキット。
(項目198)
前記リガーゼが、T4 DNAリガーゼ、T3 DNAリガーゼ、T7 DNAリガーゼ、Eserichia coli DNAリガーゼ、Taqリガーゼ、Ampligase、9°Nリガーゼ、およびPfu DNAリガーゼからなる群から選択される、項目191~197のいずれか一項に記載のキット。
(項目199)
前記プローブが、5’ホスフェート、3’ヒドロキシル基、または5’ホスフェートおよび3’ヒドロキシル基の両方をさらに含む、項目191~198のいずれか一項に記載のキット。
(項目200)
前記3’エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素による消化に対する耐性を提供する修飾が、3つまたはそれよりも多くのヌクレアーゼ耐性修飾を含む、項目191~199のいずれか一項に記載のキット。
(項目201)
前記3’エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素による消化に対する耐性を提供する修飾が、3つまたはそれよりも多くのホスホロチオエート連結を含む、項目200に記載のキット。
(項目202)
前記3’エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素による消化に対する耐性を提供する修飾が、前記プローブの3’末端に位置する、項目191~201のいずれか一項に記載のキット。
(項目203)
前記3’エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素による消化に対する耐性を提供する修飾が、前記プローブの5’末端、前記プローブの3’末端または内部部分に位置する、項目191~201のいずれか一項に記載のキット。
(項目204)
前記エキソヌクレアーゼが、エキソヌクレアーゼIII、T4 DNAポリメラーゼ、およびエキソヌクレアーゼIからなる群から選択される、項目191~203のいずれか一項に記載のキット。
(項目205)
前記プローブが、一本鎖DNAを含む、項目191~204のいずれか一項に記載のキット。
(項目206)
前記プローブが、ヘアピン構造を形成する、項目191~205のいずれか一項に記載のキット。
(項目207)
前記プローブが、少なくとも部分的に二本鎖である、項目191~204のいずれか一項に記載のキット。
(項目208)
前記プローブが、5’突出をさらに含む、項目207に記載のキット。
(項目209)
第2のプライマーをさらに含む、項目191~208のいずれか一項に記載のキット。(項目210)
前記第2のプライマーが、第4の部分、前記第1のプライマーの前記第2の部分と同一である、前記第4の部分の5’に位置する第5の部分、および前記第1のプライマーの前記第3の部分と同一である、前記第5の部分の5’に位置する第6の部分を含む、項目209に記載のキット。
(項目211)
(i)3’末端に第1の部分、前記第1の部分の5’に位置し、緩衝配列を含む第2の部分、および前記第2の部分の5’に位置し、前記緩衝配列のヌクレオチドとは異なるヌクレオチドからなる尾部配列を含む第3の部分を含む第1のプライマー、
(ii)前記緩衝配列の前記ヌクレオチドに相補的であり、前記尾部配列の前記ヌクレオチドには相補的でないデオキシヌクレオチド、
(iii)T4 DNAポリメラーゼ、
(iv)前記第1の部分ではない前記第1のプライマーの少なくとも一部分に相補的なポリヌクレオチド配列、および3’エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素による消化に対する耐性を提供する修飾を含むプローブ、
(v)リガーゼ、
(vi)3’エキソヌクレアーゼ、
(vii)3’エキソヌクレアーゼプルーフリーディング活性を有する熱安定性高フィデリティーポリメラーゼ、
(viii)デオキシヌクレオチド、ならびに任意選択で
(vii)エキソヌクレアーゼIまたは固相可逆的固定化ビーズを含むキット。
(項目212)
前記尾部配列が、ポリ(A)、ポリ(T)、ポリ(G)、ポリ(C)、ポリ(AG)、ポリ(AC)、ポリ(GT)、ポリ(CT)、ポリ(AT)、ポリ(GC)、トリヌクレオチド、テトラヌクレオチド、およびペンタヌクレオチドからなる群から選択される低複雑性配列である、項目211に記載のキット。
(項目213)
前記緩衝配列が、ホモポリマー、ジヌクレオチド、またはトリヌクレオチド組成を含む、項目211~212のいずれか一項に記載のキット。
(項目214)
前記尾部配列が、10~20塩基の長さである、項目211~213のいずれか一項に記載のキット。
(項目215)
前記緩衝配列が、5~10塩基の長さである、項目211~214のいずれか一項に記載のキット。
(項目216)
前記プローブが、8~50塩基を含む、項目211~215のいずれか一項に記載のキット。
(項目217)
前記第1のプライマーの前記第2の部分および前記第3の部分が合わせて8~50塩基を含む、項目211~216のいずれか一項に記載のキット。
(項目218)
前記リガーゼが、T4 DNAリガーゼ、T3 DNAリガーゼ、T7 DNAリガーゼ、Eserichia coli DNAリガーゼ、Taqリガーゼ、Ampligase、9°Nリガーゼ、およびPfu DNAリガーゼからなる群から選択される、項目211~217のいずれか一項に記載のキット。
(項目219)
前記プローブが、5’ホスフェート、3’ヒドロキシル基、または5’ホスフェートおよび3’ヒドロキシル基の両方をさらに含む、項目211~218のいずれか一項に記載のキット。
(項目220)
前記3’エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素による消化に対する耐性を提供する修飾が、3つまたはそれよりも多くのヌクレアーゼ耐性修飾を含む、項目211~219のいずれか一項に記載のキット。
(項目221)
前記3’エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素による消化に対する耐性を提供する修飾が、3つまたはそれよりも多くのホスホロチオエート連結を含む、項目220に記載のキット。
(項目222)
前記3’エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素による消化に対する耐性を提供する修飾が、前記プローブの3’末端、前記プローブの5’末端または内部部分に位置する、項目211~221のいずれか一項に記載のキット。
(項目223)
前記エキソヌクレアーゼが、エキソヌクレアーゼIII、T4 DNAポリメラーゼ、およびエキソヌクレアーゼIからなる群から選択される、項目211~222のいずれか一項に記載のキット。
(項目224)
前記プローブが、一本鎖DNAを含む、項目211~223のいずれか一項に記載のキット。
(項目225)
前記プローブが、ヘアピン構造を形成する、項目211~224のいずれか一項に記載のキット。
(項目226)
前記プローブが、少なくとも部分的に二本鎖である、項目211~223のいずれか一項に記載のキット。
(項目227)
前記プローブが、5’突出をさらに含む、項目226に記載のキット。
(項目228)
第4の部分、前記第4の部分の5’に位置し、前記第1のプライマーの前記緩衝配列と同じヌクレオチド組成を有する配列を含む第5の部分を含む第2のプライマーをさらに含む、項目211~227のいずれか一項に記載のキット。
(項目229)
前記第2のプライマーが、前記第5の部分の5’に位置し、前記尾部配列と同一の配列を含む第6の部分をさらに含む、項目228に記載のキット。
(項目230)
前記第2のプライマーの前記第5の部分が、5~10塩基の長さである、項目228~229のいずれか一項に記載のキット。
(項目231)
切断酵素をさらに含む、項目211~230のいずれか一項に記載のキット。
(項目232)
配列決定アッセイで後に使用するために、標的分量の処理された核酸分子を開始分量から得る方法であって、
前記開始分量の処理された核酸分子を含む試料を提供するステップであって、前記処理された核酸分子の各々が、少なくとも部分的に二本鎖であり、5’配列を含む5’突出を含み、前記開始分量が、前記標的分量よりも大きい、ステップ、
リガーゼおよびプローブを前記試料に添加して、第1の反応混合物を得るステップであって、前記プローブが、前記標的分量と等しい量で添加され、前記プローブが、前記5’配列の少なくとも一部分とハイブリダイズするのに十分に相補的であるポリヌクレオチド配列を含み、前記プローブが、3’エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素による消化に対する耐性を提供する修飾を含む、ステップ、
前記第1の反応混合物を、前記プローブと前記5’配列とのアニーリングを可能にして、前記プローブと前記処理された核酸分子の一部分とのライゲーションを可能にするのに十分な条件下でインキュベートするステップであって、前記処理された核酸分子の前記一部分が、前記標的分量の処理された核酸分子である、ステップ、
前記反応混合物を前記プローブおよび前記リガーゼと共にインキュベートした後、3’エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素を、前記第1の反応混合物に添加して第2の反応混合物を得るステップ、
前記第2の反応混合物を、前記プローブにライゲートされていない前記処理された核酸分子の消化を可能にし、それにより前記標的分量の処理された核酸分子を産出するのに十分な条件下でインキュベートするステップ
を含む方法。
(項目233)
前記開始分量の処理された核酸分子を含む前記試料を提供する前に、
(i)複数の少なくとも部分的に二本鎖の核酸分子であって、各少なくとも部分的に二本鎖の核酸分子が第1の鎖および第2の鎖を含む核酸分子、
(ii)第1のプライマーであって、前記プライマーの3’末端に位置する、前記複数の核酸分子の各核酸分子の第1の鎖の標的部分に配列が相補的な第1の部分、前記第1の部分に5’隣接して位置する、3つまたはそれよりも多くの連続リボヌクレオチド塩基を含む第2の部分、および前記第2の部分に5’隣接して位置し、2つまたはそれよりも多くのデオキシヌクレオチドを含む第3の部分を含む第1のプライマー、
(iii)前記複数の核酸分子の各核酸分子の前記第2の鎖の標的部分に相補的な配列を含む第2のプライマー、
(iv)デオキシヌクレオチド、ならびに
(v)3’エキソヌクレアーゼプルーフリーディング活性を有するDNAポリメラーゼ、
を含むPCR混合物を提供するステップ、
前記PCR混合物を、前記DNAポリメラーゼが前記第1のプライマーおよび第2のプライマーの伸長を可能にし、それにより前記処理された核酸分子を産出するのに十分な条件下でインキュベートするステップ、;
前記PCR混合物を精製して、未使用の第1のプライマーおよび第2のプライマーを除去し、それにより、前記開始分量の処理された核酸分子を含む前記試料を得るステップ
をさらに含む、項目232に記載の方法。
(項目234)
前記開始分量の処理された核酸分子を含む前記試料を提供する前に、
(i)複数の少なくとも部分的に二本鎖の核酸分子であって、各少なくとも部分的に二本鎖の核酸分子が第1の鎖および第2の鎖を含む核酸分子、
(ii)第1のプライマーであって、前記プライマーの3’末端に位置する、前記複数の核酸分子の各核酸分子の第1の鎖の標的部分に配列が相補的な第1の部分、前記第1の部分に5’隣接して位置する、緩衝配列を含む第2の部分、および前記第2の部分に5’隣接して位置する、前記緩衝配列のヌクレオチドと異なるヌクレオチドからなる尾部配列を含む第3の部分を含む第1のプライマー、
(iii)第2のプライマーであって、前記プライマーの3’末端に位置する、前記複数の核酸分子の各核酸分子の前記第2の鎖の標的部分に配列が相補的な第4の部分、および前記第4の部分に5’隣接して位置する、前記緩衝配列と同じヌクレオチド組成を有する配列を含む第5の部分を含む第2のプライマー、
(iv)デオキシヌクレオチド、ならびに
(v)DNAポリメラーゼ
を含むPCR混合物を提供するステップと、
前記PCR混合物を、前記DNAポリメラーゼが前記第1のプライマーおよび第2のプライマーの伸長を可能にし、それにより前記処理された核酸分子を産出するのに十分な条件下でインキュベートするステップと、
前記PCR混合物を精製して、未使用の第1のプライマーおよび第2のプライマーを除去し、それにより、前記開始分量の処理された核酸分子を含む前記試料を得るステップと、
前記開始分量の処理された核酸分子を含む前記試料に、T4 DNAポリメラーゼ、および前記緩衝配列の前記ヌクレオチドに相補的であるが、前記尾部配列の前記ヌクレオチドには相補的でないデオキシヌクレオチドを添加するステップと、
前記PCR混合物、T4 DNAポリメラーゼ、および前記緩衝配列の前記ヌクレオチドに相補的であるが、前記尾部配列の前記ヌクレオチドには相補的でないデオキシヌクレオチドを、T4 DNAポリメラーゼ3’エキソヌクレアーゼ活性が、前記尾部配列をトリミングし、前記緩衝配列の位置に5’突出を産生することを可能にするのに十分な条件下でインキュベートするステップであって、前記T4 DNAポリメラーゼが、そのポリメラーゼ活性および前記相補的デオキシヌクレオチドの存在のため、前記緩衝配列を越える3’エキソヌクレアーゼ消化を防止する、ステップと
をさらに含む、項目232に記載の方法。
(項目235)
前記DNAポリメラーゼが、DNAポリメラーゼQ5である、項目233に記載の方法。
(項目236)
前記DNAポリメラーゼが、PRIMESTAR(登録商標)GXL DNA Polymeraseである、項目233に記載の方法。
(項目237)
前記PCR混合物を精製して、未使用の第1のプライマーおよび第2のプライマーを除去するステップが、固相可逆的固定化(SPRI)により実施される、項目233に記載の方法。
(項目238)
前記PCR混合物を精製して、未使用の第1のプライマーおよび第2のプライマーを除去するステップが、固相可逆的固定化(SPRI)により実施される、項目234に記載の方法。
(項目239)
前記緩衝配列が、ホモポリマー、ジヌクレオチド、またはトリヌクレオチド組成を含む、項目234に記載の方法。
(項目240)
前記緩衝配列および前記第2のプライマーの前記第5の部分が、5~10塩基の長さである、項目238に記載の方法。
(項目241)
前記尾部配列が、10~20塩基の長さである、項目234および238~240のいずれか一項に記載の方法。
(項目242)
前記処理された核酸分子が、次世代配列決定(NGS)ライブラリーである、項目232~241のいずれか一項に記載の方法。
(項目243)
前記処理された核酸分子の各々が、前記分子の第1の末端に第1のアダプター配列、および前記第1の末端の反対側の第2の末端に第2のアダプター配列を含み、前記第1のアダプター配列および前記第2のアダプター配列が、同じであるかまたは異なる、項目242に記載の方法。
(項目244)
前記5’突出が、前記5’突出の5’末端に位置していない3つまたはそれよりも多くの連続リボヌクレオチド塩基を含む、項目232~233および235~237のいずれか一項に記載の方法。
(項目245)
前記処理された核酸分子が、次世代配列決定(NGS)ライブラリーである、項目244に記載の方法。
(項目246)
前記処理された核酸分子の各々が、前記分子の第1の末端に第1のアダプター配列、および前記第1の末端の反対側の第2の末端に第2のアダプター配列を含み、前記第1のアダプター配列および前記第2のアダプター配列が、同じであるかまたは異なる、項目245に記載の方法。
(項目247)
前記3つまたはそれよりも多くの連続リボヌクレオチド塩基が、rUまたはrA塩基を含む、項目244~246のいずれか一項に記載の方法。
(項目248)
前記5’配列が、ポリ(A)、ポリ(T)、ポリ(G)、ポリ(C)、ポリ(AG)、ポリ(AC)、ポリ(GT)、ポリ(CT)、ポリ(AT)、ポリ(GC)、トリヌクレオチド、テトラヌクレオチド、およびペンタヌクレオチドからなる群から選択される低複雑性配列をさらに含む、項目232~247のいずれか一項に記載の方法。
(項目249)
前記5’配列が、8~50塩基を含む、項目232~248のいずれか一項に記載の方法。
(項目250)
前記リガーゼが、T4 DNAリガーゼ、T3 DNAリガーゼ、T7 DNAリガーゼ、Eserichia coli DNAリガーゼ、Taqリガーゼ、Ampligase、9°Nリガーゼ、およびPfu DNAリガーゼからなる群から選択される、項目232~249のいずれか一項に記載の方法。
(項目251)
前記プローブが、一本鎖DNAを含む、項目232~250のいずれか一項に記載の方法。
(項目252)
前記プローブが、ヘアピン構造を形成する、項目232~251のいずれか一項に記載の方法。
(項目253)
前記プローブが、5’突出を含む二本鎖DNAを含む、項目232~252のいずれか一項に記載の方法。
(項目254)
前記プローブの前記5’突出が、前記5’配列の少なくとも一部分に相補的である、項目253に記載の方法。
(項目255)
前記プローブが、5’ホスフェート、3’ヒドロキシル基、または5’ホスフェートおよび3’ヒドロキシル基の両方を含む、項目232~254のいずれか一項に記載の方法。
(項目256)
前記3’エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素による消化に対する耐性を提供する修飾が、3つまたはそれよりも多くのヌクレアーゼ耐性修飾を含む、項目232~255のいずれか一項に記載の方法。
(項目257)
前記3’エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素による消化に対する耐性を提供する修飾が、3つまたはそれよりも多くのホスホロチオエート連結を含む、項目256に記載の方法。
(項目258)
前記3’エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素による消化に対する耐性を提供する修飾が、前記プローブの3’末端に位置する、項目232~257のいずれか一項に記載の方法。
(項目259)
前記3’エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素による消化に対する耐性を提供する修飾が、前記プローブの5’末端に位置する、項目232~257のいずれか一項に記載の方法。
(項目260)
前記エキソヌクレアーゼが、エキソヌクレアーゼIII、T4 DNAポリメラーゼ、およびエキソヌクレアーゼIからなる群から選択される、項目232~259のいずれか一項に記載の方法。
(項目261)
前記反応混合物を前記プローブおよび前記リガーゼと共にインキュベートした後、アピラーゼジホスファターゼを、前記3’エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素と共に前記第1の反応混合物に添加して第2の反応混合物を得るステップをさらに含み、前記エキソヌクレアーゼが、T4 DNAポリメラーゼである、項目260に記載の方法。
(項目262)
前記プローブが、部分的に二本鎖である、項目232~250および253~260のいずれか一項に記載の方法。
(項目263)
前記プローブが、一本鎖であり、前記5’配列の3’部分に少なくとも部分的に相補的な、前記5’末端に位置する第1の部分、前記5’配列に相補的でない、前記第1の部分に3’隣接して位置する第2の部分、および前記5’配列の前記3’部分の5’に位置する前記5’配列の一部分に少なくとも部分的に相補的な、前記第2の部分に3’隣接して位置する第3の部分を含む、項目232~253および255~261のいずれか一項に記載の方法。
(項目264)
前記プローブが、前記3’末端にC3スペーサーまたは3’ホスフェートをさらに含む、項目232~263のいずれか一項に記載の方法。
(項目265)
前記プローブが、前記5’突出よりも長い、項目232~264のいずれか一項に記載の方法。
(項目266)
配列決定アッセイで後に使用するために、標的分量の処理された核酸分子を開始分量から産生する方法であって、
前記開始分量の処理された核酸分子を含む試料を提供するステップであって、前記処理された核酸分子の各々が、少なくとも部分的に二本鎖であり、5’配列を含む第1の5’突出および前記5’配列を含む第2の5’突出を含み、前記開始分量が、前記標的分量よりも大きい、ステップ、
リガーゼおよびプローブを前記試料に添加して、第1の反応混合物を得るステップであって、前記プローブが、前記標的分量の2倍の量で添加され、前記プローブが、前記5’配列の少なくとも一部分とハイブリダイズするのに十分相補的であるポリヌクレオチド配列を含み、前記プローブが、3’エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素による消化に対する耐性を提供する修飾を含む、ステップ、
前記第1の反応混合物を、前記プローブと前記第1および/または第2の5’突出の前記5’配列とのアニーリングを可能にして、前記プローブと前記処理された核酸分子の一部分とのライゲーションを可能にするのに十分な条件下でインキュベートするステップであって、プローブにライゲートされた前記処理された核酸分子の前記一部分が、前記標的分量の処理された核酸分子である、ステップ、
前記反応混合物を前記プローブおよび前記リガーゼと共にインキュベートした後、3’エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素を、前記第1の反応混合物に添加して第2の反応混合物を得るステップ、
前記第2の反応混合物を、前記プローブにライゲートされていない核酸分子の消化を可能にし、それにより前記標的分量の処理された核酸分子を産出するのに十分な条件下でインキュベートするステップ
を含む方法。
(項目267)
前記開始分量の処理された核酸分子を含む前記試料を提供する前に、
(i)複数の少なくとも部分的に二本鎖の核酸分子であって、各少なくとも部分的に二本鎖の核酸分子が第1の鎖および第2の鎖を含む核酸分子、
(ii)第1のプライマーであって、前記プライマーの3’末端に位置する、前記複数の核酸分子の各核酸分子の第1の鎖の標的部分に配列が相補的な第1の部分、前記第1の部分に5’隣接して位置する、3つまたはそれよりも多くの連続リボヌクレオチド塩基を含む第2の部分、および前記第2の部分に5’隣接して位置し、2つまたはそれよりも多くのデオキシヌクレオチドを含む第3の部分を含む第1のプライマー、
(iii)第2のプライマーであって、前記プライマーの3’末端に位置する、前記複数の核酸分子の各核酸分子の前記第2の鎖の標的部分に配列が相補的な第4の部分、前記第4の部分に5’隣接して位置する、前記第1のプライマーの前記第2の部分と同一の配列を有する第5の部分、および前記第5の部分に5’隣接して位置する、前記第1のプライマーの前記第3の部分と同一の配列を有する第6の部分を含む第2のプライマー、
(iv)デオキシヌクレオチド、ならびに
(v)3’エキソヌクレアーゼプルーフリーディング活性を有するDNAポリメラーゼ
を含むPCR混合物を提供するステップ、
前記PCR混合物を、前記DNAポリメラーゼが前記第1のプライマーおよび第2のプライマーの伸長を可能にし、それにより前記処理された核酸分子を産出するのに十分な条件下でインキュベートするステップ、
前記PCR混合物を精製して、未使用の第1のプライマーおよび第2のプライマーを除去し、それにより、前記開始分量の処理された核酸分子を含む前記試料を得るステップをさらに含む、項目266に記載の方法。
(項目268)
前記開始分量の処理された核酸分子を含む前記試料を提供する前に、
(i)複数の少なくとも部分的に二本鎖の核酸分子であって、各少なくとも部分的に二本鎖の核酸分子が第1の鎖および第2の鎖を含む核酸分子、
(ii)第1のプライマーであって、前記プライマーの3’末端に位置する、前記複数の核酸分子の各核酸分子の第1の鎖の標的部分に配列が相補的な第1の部分、前記第1の部分に5’隣接して位置する、緩衝配列を含む第2の部分、および前記第2の部分に5’隣接して位置する、前記緩衝配列のヌクレオチドと異なるヌクレオチドからなる尾部配列を含む第3の部分を含む第1のプライマー、
(iii)第2のプライマーであって、前記プライマーの3’末端に位置する、前記複数の核酸分子の各核酸分子の前記第2の鎖の標的部分に配列が相補的な第4の部分、前記第4の部分に5’隣接して位置する、前記第1のプライマーの前記緩衝配列を有する第5の部分、および前記第1のプライマーの前記尾部配列を有する第6の部分を含む第2のプライマー、
(iv)デオキシヌクレオチド、ならびに
(v)DNAポリメラーゼ
を含むPCR混合物を提供するステップと、
前記PCR混合物を、前記DNAポリメラーゼが前記第1のプライマーおよび第2のプライマーの伸長を可能にし、それにより前記処理された核酸分子を産出するのに十分な条件下でインキュベートするステップと、
前記PCR混合物を精製して、未使用の第1のプライマーおよび第2のプライマーを除去し、それにより、前記開始分量の処理された核酸分子を含む前記試料を得るステップと、
前記開始分量の処理された核酸分子を含む前記試料に、T4 DNAポリメラーゼ、および前記緩衝配列の前記ヌクレオチドに相補的であるが、前記尾部配列の前記ヌクレオチドには相補的でないデオキシヌクレオチドを添加するステップと、
前記PCR混合物、T4 DNAポリメラーゼ、および前記緩衝配列の前記ヌクレオチドに相補的であるが、前記尾部配列の前記ヌクレオチドには相補的でないデオキシヌクレオチドを、T4 DNAポリメラーゼ3’エキソヌクレアーゼ活性が、前記尾部配列をトリミングし、前記緩衝配列の位置に5’突出を産生することを可能にするのに十分な条件下でインキュベートするステップであって、前記T4 DNAポリメラーゼが、そのポリメラーゼ活性および前記相補的デオキシヌクレオチドの存在のため、前記緩衝配列を越える3’エキソヌクレアーゼ消化を防止する、ステップと
をさらに含む、項目266に記載の方法。
(項目269)
前記DNAポリメラーゼが、DNAポリメラーゼQ5である、項目267に記載の方法。
(項目270)
前記DNAポリメラーゼが、PRIMESTAR(登録商標)GXL DNA Polymeraseである、項目267に記載の方法。
(項目271)
前記PCR混合物を精製して、未使用の第1のプライマーおよび第2のプライマーを除去するステップが、固相可逆的固定化(SPRI)により実施される、項目267または項目268に記載の方法。
(項目272)
前記緩衝配列が、ホモポリマー、ジヌクレオチド、またはトリヌクレオチド組成を含む、項目268に記載の方法。
(項目273)
前記緩衝配列および前記第2のプライマーの前記第5の部分が、5~10塩基の長さである、項目272に記載の方法。
(項目274)
前記尾部配列が、10~20塩基の長さである、項目268および272~273のいずれか一項に記載の方法。
(項目275)
前記処理された核酸分子が、次世代配列決定(NGS)ライブラリーである、項目266~274のいずれか一項に記載の方法。
(項目276)
前記処理された核酸分子の各々が、前記分子の第1の末端に第1のアダプター配列、および前記第1の末端の反対側の第2の末端に第2のアダプター配列を含み、前記第1のアダプター配列および前記第2のアダプター配列が、同じであるかまたは異なる、項目275に記載の方法。
(項目277)
前記第1の5’突出および前記第2の5’突出が、前記第1または第2の5’突出の5’末端に位置していない3つまたはそれよりも多くの連続リボヌクレオチド塩基を含む、項目266~267および269~271のいずれか一項に記載の方法。
(項目278)
前記処理された核酸分子が、次世代配列決定(NGS)ライブラリーである、項目277に記載の方法。
(項目279)
前記処理された核酸分子の各々が、前記分子の第1の末端に第1のアダプター配列、および前記第1の末端の反対側の第2の末端に第2のアダプター配列を含み、前記第1のアダプター配列および前記第2のアダプター配列が、同じであるかまたは異なる、項目278に記載の方法。
(項目280)
前記3つまたはそれよりも多くの連続リボヌクレオチド塩基が、rUまたはrA塩基を含む、項目277~279のいずれか一項に記載の方法。
(項目281)
前記5’配列が、ポリ(A)、ポリ(T)、ポリ(G)、ポリ(C)、ポリ(AG)、ポリ(AC)、ポリ(GT)、ポリ(CT)、ポリ(AT)、ポリ(GC)、トリヌクレオチド、テトラヌクレオチド、およびペンタヌクレオチドからなる群から選択される低複雑性配列をさらに含む、項目266~280のいずれか一項に記載の方法。
(項目282)
前記5’配列が、8~50塩基を含む、項目266~281のいずれか一項に記載の方法。
(項目283)
前記リガーゼが、T4 DNAリガーゼ、T3 DNAリガーゼ、T7 DNAリガーゼ、Eserichia coli DNAリガーゼ、Taqリガーゼ、Ampligase、9°Nリガーゼ、およびPfu DNAリガーゼからなる群から選択される、項目266~282のいずれか一項に記載の方法。
(項目284)
前記プローブが、一本鎖DNAを含む、項目266~283のいずれか一項に記載の方法。
(項目285)
前記プローブが、ヘアピン構造を形成する、項目266~284のいずれか一項に記載の方法。
(項目286)
前記プローブが、5’突出を含む二本鎖DNAを含む、項目266~285のいずれか一項に記載の方法。
(項目287)
前記プローブの前記5’突出が、前記5’配列の少なくとも一部分に相補的である、項目286に記載の方法。
(項目288)
前記プローブが、5’ホスフェート、3’ヒドロキシル基、または5’ホスフェートおよび3’ヒドロキシル基の両方を含む、項目266~287のいずれか一項に記載の方法。
(項目289)
前記3’エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素による消化に対する耐性を提供する修飾が、3つまたはそれよりも多くのヌクレアーゼ耐性修飾を含む、項目266~288のいずれか一項に記載の方法。
(項目290)
前記3’エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素による消化に対する耐性を提供する修飾が、3つまたはそれよりも多くのホスホロチオエート連結を含む、項目289に記載の方法。
(項目291)
前記3’エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素による消化に対する耐性を提供する修飾が、前記プローブの3’末端に位置する、項目266~290のいずれか一項に記載の方法。
(項目292)
前記3’エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素による消化に対する耐性を提供する修飾が、前記プローブの5’末端に位置する、項目266~290のいずれか一項に記載の方法。
(項目293)
前記エキソヌクレアーゼが、エキソヌクレアーゼIII、T4 DNAポリメラーゼ、およびエキソヌクレアーゼIからなる群から選択される、項目266~292のいずれか一項に記載の方法。
(項目294)
前記反応混合物を前記プローブおよび前記リガーゼと共にインキュベートした後、アピラーゼジホスファターゼを、前記3’エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素と共に前記第1の反応混合物に添加して第2の反応混合物を得るステップをさらに含み、前記エキソヌクレアーゼが、T4 DNAポリメラーゼである、項目293に記載の方法。
(項目295)
前記プローブが、部分的に二本鎖である、項目266~283および286~294のいずれか一項に記載の方法。
(項目296)
前記プローブが、一本鎖であり、前記5’配列の3’部分に少なくとも部分的に相補的な、前記5’末端に位置する第1の部分、前記5’配列に相補的でない、前記第1の部分に3’隣接して位置する第2の部分、および前記5’配列の前記3’部分の5’に位置する前記5’配列の一部分に少なくとも部分的に相補的な、前記第2の部分に3’隣接して位置する第3の部分を含む、項目266~285および288~294のいずれか一項に記載の方法。
(項目297)
前記プローブが、前記3’末端にC3スペーサーまたは3’ホスフェートをさらに含む、項目266~296のいずれか一項に記載の方法。
(項目298)
前記プローブが、前記第1の5’突出および/または前記第2の5’突出よりも長い、項目266~297のいずれか一項に記載の方法。
(項目299)
配列決定アッセイで後に使用するために、標的分量の処理された核酸分子を開始分量から産生する方法であって、
前記開始分量の処理された核酸分子を含む試料を提供するステップであって、前記処理された核酸分子の各々が、少なくとも部分的に二本鎖であり、5’配列を含む第1の5’突出および前記5’配列を含む第2の5’突出を含み、前記開始分量が、前記標的分量よりも大きい、ステップ、
リガーゼおよびプローブを前記試料に添加して、第1の反応混合物を得るステップであって、前記プローブが、前記標的分量の2倍の量で添加され、前記プローブが、前記5’配列の少なくとも一部分とハイブリダイズするのに十分相補的であるポリヌクレオチド配列を含み、前記プローブが、3’エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素による消化に対する耐性を提供する修飾を含む、ステップ、
前記第1の反応混合物を、前記プローブと前記第1および/または第2の5’突出の前記5’配列とのアニーリングを可能にして、前記プローブと前記処理された核酸分子の一部分とのライゲーションを可能にするのに十分な条件下でインキュベートするステップであって、プローブにライゲートされた前記処理された核酸分子の前記一部分が、前記標的分量の処理された核酸分子である、ステップ、
前記反応混合物を前記プローブおよび前記リガーゼと共にインキュベートした後、3’エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素を、前記第1の反応混合物に添加して第2の反応混合物を得るステップ、
前記第2の反応混合物を、前記プローブにライゲートされていない核酸分子の消化を可能にし、それにより前記標的分量の処理された核酸分子を産出するのに十分な条件下でインキュベートするステップ
を含む方法。
(項目300)
前記開始分量の処理された核酸分子を含む前記試料を提供する前に、
(i)複数の少なくとも部分的に二本鎖の核酸分子であって、各少なくとも部分的に二本鎖の核酸分子が第1の鎖および第2の鎖を含む核酸分子、
(ii)プライマーであって、前記プライマーの3’末端に位置する、前記複数の核酸分子の各核酸分子の第1の鎖の標的部分に配列が相補的な第1の部分、前記第1の部分に5’隣接して位置する、3つまたはそれよりも多くの連続リボヌクレオチド塩基を含む第2の部分、および前記第2の部分に5’隣接して位置し、2つまたはそれよりも多くのデオキシヌクレオチドを含む第3の部分を含むプライマー、
(iii)デオキシヌクレオチド、ならびに
(iv)3’エキソヌクレアーゼプルーフリーディング活性を有するDNAポリメラーゼ
を含むPCR混合物を提供するステップ、
前記PCR混合物を、前記DNAポリメラーゼが前記第1のプライマーの伸長を可能にし、それにより前記処理された核酸分子を産出するのに十分な条件下でインキュベートするステップ、
前記PCR混合物を精製して、未使用の第1のプライマーおよび第2のプライマーを除去し、それにより、前記開始分量の処理された核酸分子を含む前記試料を得るステップ
をさらに含む、項目299に記載の方法。
(項目301)
前記開始分量の処理された核酸分子を含む前記試料を提供する前に、
(i)複数の少なくとも部分的に二本鎖の核酸分子であって、各少なくとも部分的に二本鎖の核酸分子が第1の鎖および第2の鎖を含む核酸分子、
(ii)プライマーであって、前記プライマーの3’末端に位置する、前記複数の核酸分子の各核酸分子の第1の鎖の標的部分に配列が相補的な第1の部分、前記第1の部分に5’隣接して位置する、緩衝配列を含む第2の部分、および前記第2の部分に5’隣接して位置する、前記緩衝配列のヌクレオチドと異なるヌクレオチドからなる尾部配列を含む第3の部分を含むプライマー、
(iii)前記緩衝配列の前記ヌクレオチドに相補的であり、前記尾部配列の前記ヌクレオチドには相補的でないデオキシヌクレオチド、ならびに
(iv)DNAポリメラーゼ
を含むPCR混合物を提供するステップと、
前記PCR混合物を、前記DNAポリメラーゼが前記第1のプライマーの伸長を可能にし、それにより前記処理された核酸分子を産出するのに十分な条件下でインキュベートするステップと、
前記PCR混合物を精製して、未使用の第1のプライマーおよび第2のプライマーを除去し、それにより、前記開始分量の処理された核酸分子を含む前記試料を得るステップと、
前記開始分量の処理された核酸分子を含む前記試料に、T4 DNAポリメラーゼ、および前記緩衝配列の前記ヌクレオチドに相補的であるが、前記尾部配列の前記ヌクレオチドには相補的でないデオキシヌクレオチドを添加するステップと、
前記PCR混合物、T4 DNAポリメラーゼ、および前記緩衝配列の前記ヌクレオチドに相補的であるが、前記尾部配列の前記ヌクレオチドには相補的でないデオキシヌクレオチドを、T4 DNAポリメラーゼ3’エキソヌクレアーゼ活性が、前記尾部配列をトリミングし、前記緩衝配列の位置に5’突出を産生することを可能にするのに十分な条件下でインキュベートするステップであって、前記T4 DNAポリメラーゼが、そのポリメラーゼ活性および前記相補的デオキシヌクレオチドの存在のため、前記緩衝配列を越える3’エキソヌクレアーゼ消化を防止する、ステップと
をさらに含む、項目299に記載の方法。
(項目302)
前記DNAポリメラーゼが、DNAポリメラーゼQ5である、項目300に記載の方法。
(項目303)
前記DNAポリメラーゼが、PRIMESTAR(登録商標)GXL DNA Polymeraseである、項目300に記載の方法。
(項目304)
前記PCR混合物を精製して、未使用のプライマーを除去するステップが、固相可逆的固定化(SPRI)により実施される、項目300または項目301に記載の方法。
(項目305)
前記緩衝配列が、ホモポリマー、ジヌクレオチド、またはトリヌクレオチド組成を含む、項目301に記載の方法。
(項目306)
前記尾部配列が、10~20塩基の長さである、項目299~305のいずれか一項に記載の方法。
(項目307)
前記処理された核酸分子が、次世代配列決定(NGS)ライブラリーである、項目299~306のいずれか一項に記載の方法。
(項目308)
前記処理された核酸分子の各々が、前記分子の第1の末端に第1のアダプター配列、および前記第1の末端の反対側の第2の末端に第2のアダプター配列を含み、前記第1のアダプター配列および前記第2のアダプター配列が、同じである、項目307に記載の方法。
(項目309)
前記第1の5’突出および前記第2の5’突出が、前記第1または第2の5’突出の5’末端に位置していない3つまたはそれよりも多くの連続リボヌクレオチド塩基を含む、項目299~300および302~304のいずれか一項に記載の方法。
(項目310)
前記3つまたはそれよりも多くの連続リボヌクレオチド塩基が、rUまたはrA塩基を含む、項目309に記載の方法。
(項目311)
前記5’配列が、ポリ(A)、ポリ(T)、ポリ(G)、ポリ(C)、ポリ(AG)、ポリ(AC)、ポリ(GT)、ポリ(CT)、ポリ(AT)、ポリ(GC)、トリヌクレオチド、テトラヌクレオチド、およびペンタヌクレオチドからなる群から選択される低複雑性配列をさらに含む、項目299~310のいずれか一項に記載の方法。
(項目312)
前記5’配列が、8~50塩基を含む、項目299~311のいずれか一項に記載の方法。
(項目313)
前記リガーゼが、T4 DNAリガーゼ、T3 DNAリガーゼ、T7 DNAリガーゼ、Eserichia coli DNAリガーゼ、Taqリガーゼ、Ampligase、9°Nリガーゼ、およびPfu DNAリガーゼからなる群から選択される、項目299~312のいずれか一項に記載の方法。
(項目314)
前記プローブが、一本鎖DNAを含む、項目299~313のいずれか一項に記載の方法。
(項目315)
前記プローブが、ヘアピン構造を形成する、項目299~314のいずれか一項に記載の方法。
(項目316)
前記プローブが、5’突出を含む二本鎖DNAを含む、項目299~315のいずれか一項に記載の方法。
(項目317)
前記プローブの前記5’突出が、前記5’配列の少なくとも一部分に相補的である、項目316に記載の方法。
(項目318)
前記プローブが、5’ホスフェート、3’ヒドロキシル基、または5’ホスフェートおよび3’ヒドロキシル基の両方を含む、項目299~317のいずれか一項に記載の方法。
(項目319)
前記3’エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素による消化に対する耐性を提供する修飾が、3つまたはそれよりも多くのヌクレアーゼ耐性修飾を含む、項目299~318のいずれか一項に記載の方法。
(項目320)
前記3’エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素による消化に対する耐性を提供する修飾が、3つまたはそれよりも多くのホスホロチオエート連結を含む、項目319に記載の方法。
(項目321)
前記3’エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素による消化に対する耐性を提供する修飾が、前記プローブの3’末端に位置する、項目299~320のいずれか一項に記載の方法。
(項目322)
前記3’エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素による消化に対する耐性を提供する修飾が、前記プローブの5’末端に位置する、項目299~320のいずれか一項に記載の方法。
(項目323)
前記エキソヌクレアーゼが、エキソヌクレアーゼIII、T4 DNAポリメラーゼ、およびエキソヌクレアーゼIからなる群から選択される、項目299~322のいずれか一項に記載の方法。
(項目324)
前記反応混合物を前記プローブおよび前記リガーゼと共にインキュベートした後、アピラーゼジホスファターゼを、前記3’エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素と共に前記第1の反応混合物に添加して第2の反応混合物を得るステップをさらに含み、前記エキソヌクレアーゼが、T4 DNAポリメラーゼである、項目323に記載の方法。
(項目325)
前記プローブが、部分的に二本鎖である、項目299~313および316~324のいずれか一項に記載の方法。
(項目326)
前記プローブが、一本鎖であり、前記5’配列の3’部分に少なくとも部分的に相補的な、前記5’末端に位置する第1の部分、前記5’配列に相補的でない、前記第1の部分に3’隣接して位置する第2の部分、および前記5’配列の前記3’部分の5’に位置する前記5’配列の一部分に少なくとも部分的に相補的な、前記第2の部分に3’隣接して位置する第3の部分を含む、項目299~315および317~324のいずれか一項に記載の方法。
(項目327)
前記プローブが、前記3’末端にC3スペーサーまたは3’ホスフェートをさらに含む、項目299~326のいずれか一項に記載の方法。
(項目328)
前記プローブが、前記第1の5’突出および/または第2の5’突出よりも長い、項目299~327のいずれか一項に記載の方法。
(項目329)
配列決定アッセイで後に使用するために、標的分量の処理された核酸分子を開始分量から産生する方法であって、
前記開始分量の処理された核酸分子を含む試料を提供するステップであって、前記処理された核酸分子の各々が、少なくとも部分的に二本鎖であり、第1の5’配列を含む第1の5’突出および第2の5’配列を含む第2の5’突出を含み、前記開始分量が、前記標的分量よりも大きい、ステップ、
リガーゼ、標的分量の第1のプローブ、および標的分量の第2のプローブを前記試料に添加して、第1の反応混合物を得るステップであって、前記第1のプローブが、前記第1の5’配列の少なくとも一部分とハイブリダイズするのに十分に相補的なポリヌクレオチド配列を含み、前記プローブが、3’エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素による消化に対する耐性を提供する修飾を含み、前記第2のプローブが、前記第2の5’配列の少なくとも一部分とハイブリダイズするのに十分に相補的なポリヌクレオチド配列を含み、前記第2のプローブが、3’エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素による消化に対する耐性を提供する修飾を含む、ステップ、
前記第1の反応混合物を、前記第1のプローブと前記第1の5’配列とのアニーリングおよび前記第2のプローブと前記第2の5’配列とのアニーリングを可能にして、前記プローブと前記処理された核酸分子の一部分とのライゲーションを可能にするのに十分な条件下でインキュベートするステップであって、プローブにライゲートされた前記処理された核酸分子の前記一部分が、前記標的分量の処理された核酸分子である、ステップ、
前記反応混合物を前記第1のプローブ、第2のプローブ、および前記リガーゼと共にインキュベートした後、3’エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素を、前記第1の反応混合物に添加して第2の反応混合物を得るステップ、
前記第2の反応混合物を、前記第1のプローブおよび第2のプローブにライゲートされていない核酸分子の消化を可能にし、それにより前記標的分量の処理された核酸分子を産出するのに十分な条件下でインキュベートするステップ
を含む方法。
(項目330)
前記開始分量の処理された核酸分子を含む前記試料を提供する前に、
(i)複数の少なくとも部分的に二本鎖の核酸分子であって、各少なくとも部分的に二本鎖の核酸分子が第1の鎖および第2の鎖を含む核酸分子、
(ii)第1のプライマーであって、前記プライマーの3’末端に位置する、前記複数の核酸分子の各核酸分子の第1の鎖の標的部分に配列が相補的な第1の部分、前記第1の部分に5’隣接して位置する、3つまたはそれよりも多くの連続リボヌクレオチド塩基を含む第2の部分、および前記第2の部分に5’隣接して位置し、2つまたはそれよりも多くのデオキシヌクレオチドを含む第3の部分を含む第1のプライマー、
(iii)第2のプライマーであって、前記プライマーの3’末端に位置する、前記複数の核酸分子の各核酸分子の前記第2の鎖の標的部分に配列が相補的な第4の部分、前記第4の部分に5’隣接して位置する、3つまたはそれよりも多くの連続リボヌクレオチド塩基を含む第5の部分、および2つまたはそれよりも多くのデオキシヌクレオチドを含む第6の部分を含む第2のプライマー、
(iv)デオキシヌクレオチド、ならびに
(v)3’エキソヌクレアーゼプルーフリーディング活性を有するDNAポリメラーゼ
を含むPCR混合物を提供するステップ、
前記PCR混合物を、前記DNAポリメラーゼが前記第1のプライマーおよび第2のプライマーの伸長を可能にし、それにより前記処理された核酸分子を産出するのに十分な条件下でインキュベートするステップ、
前記PCR混合物を精製して、未使用の第1のプライマーおよび第2のプライマーを除去し、それにより、開始分量の処理された核酸分子を含む前記試料を得るステップ
をさらに含む、項目329に記載の方法。
(項目331)
前記開始分量の処理された核酸分子を含む前記試料を提供する前に、
(i)複数の少なくとも部分的に二本鎖の核酸分子であって、各少なくとも部分的に二本鎖の核酸分子が第1の鎖および第2の鎖を含む核酸分子、
(ii)第1のプライマーであって、前記プライマーの3’末端に位置する、前記複数の核酸分子の各核酸分子の第1の鎖の標的部分に配列が相補的な第1の部分、前記第1の部分に5’隣接して位置する、緩衝配列を含む第2の部分、および前記第2の部分に5’隣接して位置する、前記緩衝配列のヌクレオチドと異なるヌクレオチドからなる第1の尾部配列を含む第3の部分を含む第1のプライマー、
(iii)第2のプライマーであって、前記プライマーの3’末端に位置する、前記複数の核酸分子の各核酸分子の前記第2の鎖の標的部分に配列が相補的な第4の部分、前記第4の部分に5’隣接して位置する、前記第1のプライマーの前記緩衝配列の同じヌクレオチド組成を含有する配列を有する第5の部分、および第2の尾部配列を有する第6の部分を含む第2のプライマー、
(iv)デオキシヌクレオチド、ならびに
(v)DNAポリメラーゼ
を含むPCR混合物を提供するステップと、
前記PCR混合物を、前記DNAポリメラーゼが前記第1のプライマーおよび第2のプライマーの伸長を可能にし、それにより前記処理された核酸分子を産出するのに十分な条件下でインキュベートするステップと、
前記PCR混合物を精製して、未使用の第1のプライマーおよび第2のプライマーを除去し、それにより、前記開始分量の処理された核酸分子を含む前記試料を得るステップと、
前記開始分量の処理された核酸分子を含む試料に、T4 DNAポリメラーゼ、および前記緩衝配列の前記ヌクレオチドに相補的であるが、前記尾部配列の前記ヌクレオチドには相補的でないデオキシヌクレオチドを添加するステップと、
前記PCR混合物、T4 DNAポリメラーゼ、および前記緩衝配列の前記ヌクレオチドに相補的であるが、前記尾部配列の前記ヌクレオチドには相補的でないデオキシヌクレオチドを、T4 DNAポリメラーゼ3’エキソヌクレアーゼ活性が、前記尾部配列をトリミングし、前記緩衝配列の位置に5’突出を産生することを可能にするのに十分な条件下でインキュベートするステップであって、前記T4 DNAポリメラーゼが、そのポリメラーゼ活性および前記相補的デオキシヌクレオチドの存在のため、前記緩衝配列を越える3’エキソヌクレアーゼ消化を防止する、ステップと
をさらに含む、項目329に記載の方法。
(項目332)
前記DNAポリメラーゼが、DNAポリメラーゼQ5である、項目330に記載の方法。
(項目333)
前記DNAポリメラーゼが、PRIMESTAR(登録商標)GXL DNA Polymeraseである、項目330に記載の方法。
(項目334)
前記PCR混合物を精製して、未使用の第1のプライマーおよび第2のプライマーを除去するステップが、固相可逆的固定化(SPRI)により実施される、項目330または項目331に記載の方法。
(項目335)
前記緩衝配列および前記第2のプライマーの前記第5の部分が、独立してホモポリマー、ジヌクレオチド、またはトリヌクレオチド組成を含む、項目331に記載の方法。
(項目336)
前記緩衝配列および前記第2のプライマーの前記第5の部分が、5~10塩基の長さである、項目335に記載の方法。
(項目337)
前記第1の尾部配列および前記第2の尾部配列が、10~20塩基の長さである、項目331および335~336のいずれか一項に記載の方法。
(項目338)
前記処理された核酸分子が、次世代配列決定(NGS)ライブラリーである、項目329~337のいずれか一項に記載の方法。
(項目339)
前記処理された核酸分子の各々が、前記分子の第1の末端に第1のアダプター配列、および前記第1の末端の反対側の第2の末端に第2のアダプター配列を含み、前記第1のアダプター配列および前記第2のアダプター配列が、同じであるかまたは異なる、項目338に記載の方法。
(項目340)
前記第1の5’突出および前記第2の5’突出が、前記第1または第2の5’突出の5’末端に位置していない3つまたはそれよりも多くの連続リボヌクレオチド塩基を含む、項目329~330および332~334のいずれか一項に記載の方法。
(項目341)
前記処理された核酸分子が、次世代配列決定(NGS)ライブラリーである、項目340に記載の方法。
(項目342)
前記処理された核酸分子の各々が、前記分子の第1の末端に第1のアダプター配列、および前記第1の末端の反対側の第2の末端に第2のアダプター配列を含み、前記第1のアダプター配列および前記第2のアダプター配列が、同じであるかまたは異なる、項目341に記載の方法。
(項目343)
前記緩衝配列および前記第2のプライマーの前記第5の部分の前記3つまたはそれよりも多くの連続リボヌクレオチド塩基が、rUまたはrA塩基を含む、項目340~342のいずれか一項に記載の方法。
(項目344)
前記5’配列が、ポリ(A)、ポリ(T)、ポリ(G)、ポリ(C)、ポリ(AG)、ポリ(AC)、ポリ(GT)、ポリ(CT)、ポリ(AT)、ポリ(GC)、トリヌクレオチド、テトラヌクレオチド、およびペンタヌクレオチドからなる群から選択される低複雑性配列をさらに含む、項目329~343のいずれか一項に記載の方法。
(項目345)
前記第1の5’配列および前記第2の5’配列が、8~50塩基を含む、項目329~344のいずれか一項に記載の方法。
(項目346)
前記リガーゼが、T4 DNAリガーゼ、T3 DNAリガーゼ、T7 DNAリガーゼ、Eserichia coli DNAリガーゼ、Taqリガーゼ、Ampligase、9°Nリガーゼ、およびPfu DNAリガーゼからなる群から選択される、項目329~345のいずれか一項に記載の方法。
(項目347)
前記第1のプローブおよび/または第2のプローブが、一本鎖DNAを含む、項目329~346のいずれか一項に記載の方法。
(項目348)
前記第1のプローブおよび/または第2のプローブが、ヘアピン構造を形成する、項目329~347のいずれか一項に記載の方法。
(項目349)
前記第1のプローブおよび/または第2のプローブが、5’突出を含む二本鎖DNAを含む、項目329~348のいずれか一項に記載の方法。
(項目350)
前記第1のプローブおよび/または第2のプローブの前記5’突出が、前記5’配列の少なくとも一部分に相補的である、項目349に記載の方法。
(項目351)
前記第1のプローブおよび/または第2のプローブが、5’ホスフェート、3’ヒドロキシル基、または5’ホスフェートおよび3’ヒドロキシル基の両方を含む、項目329~350のいずれか一項に記載の方法。
(項目352)
前記第1のプローブおよび/または前記第2のプローブの前記3’エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素による消化に対する耐性を提供する修飾が、3つまたはそれよりも多くのヌクレアーゼ耐性修飾を含む、項目329~351のいずれか一項に記載の方法。
(項目353)
前記第1のプローブおよび/または前記第2のプローブの前記3’エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素による消化に対する耐性を提供する修飾が、3つまたはそれよりも多くのホスホロチオエート連結を含む、項目352に記載の方法。
(項目354)
前記3’エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素による消化に対する耐性を提供する修飾が、前記第1のプローブおよび/または第2のプローブの3’末端に位置する、項目329~353のいずれか一項に記載の方法。
(項目355)
前記第1のプローブおよび/または前記第2のプローブの前記3’エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素による消化に対する耐性を提供する修飾が、前記プローブの5’末端に位置する、項目329~353のいずれか一項に記載の方法。
(項目356)
前記エキソヌクレアーゼが、エキソヌクレアーゼIII、T4 DNAポリメラーゼ、およびエキソヌクレアーゼIからなる群から選択される、項目329~355のいずれか一項に記載の方法。
(項目357)
前記反応混合物を、前記プローブおよび前記リガーゼと共にインキュベートした後、アピラーゼジホスファターゼを、前記3’エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素と共に前記第1の反応混合物に添加して第2の反応混合物を得るステップをさらに含み、前記エキソヌクレアーゼが、T4 DNAポリメラーゼである、項目356に記載の方法。
(項目358)
前記第1のプローブおよび/または前記第2のプローブが、部分的に二本鎖である、項目329~346および349~357のいずれか一項に記載の方法。
(項目359)
前記第1のプローブが、一本鎖であり、前記第1の5’配列の3’部分に少なくとも部分的に相補的な、前記5’末端に位置する第1の部分、前記第1の5’配列に相補的でない、前記第1の部分に3’隣接して位置する第2の部分、および前記5’配列の前記3’部分の5’に位置する前記第1の5’配列の一部分に少なくとも部分的に相補的な、前記第2の部分に3’隣接して位置する第3の部分を含む、項目329~348および351~357のいずれか一項に記載の方法。
(項目360)
前記第2のプローブが、一本鎖であり、前記第2の5’配列の3’部分に少なくとも部分的に相補的な、前記5’末端に位置する第1の部分、前記第2の5’配列に相補的でない、前記第1の部分に3’隣接して位置する第2の部分、および前記第2の5’配列の前記3’部分の5’に位置する前記5’配列の一部分に少なくとも部分的に相補的な、前記第2の部分に3’隣接して位置する第3の部分を含む、項目359に記載の方法。
(項目361)
前記第1のプローブおよび/または第2のプローブが、前記3’末端にC3スペーサーまたは3’ホスフェートをさらに含む、項目329~360のいずれか一項に記載の方法。
(項目362)
前記第1のプローブが、前記第1の5’突出よりも長い、項目329~361のいずれか一項に記載の方法。
(項目363)
前記第2のプローブが、前記第2の5’突出よりも長い、項目329~362のいずれか一項に記載の方法。
(項目364)
配列決定アッセイで後に使用するために、標的分量の処理された核酸分子を開始分量から得る方法であって、
前記開始分量の処理された核酸分子を含む試料を提供するステップであって、前記処理された核酸分子の各々が、少なくとも部分的に二本鎖であり、突出配列を含む突出を含み、前記開始分量が、前記標的分量よりも大きい、ステップ、
リガーゼおよびプローブを前記試料に添加して、第1の反応混合物を得るステップであって、前記プローブが、前記標的分量と等しい量で添加され、前記プローブが、前記突出配列の少なくとも一部分とハイブリダイズするのに十分に相補的であるポリヌクレオチド配列を含み、前記プローブが、エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素による消化に対する耐性を提供する修飾を含む、ステップ、
前記第1の反応混合物を、前記プローブと前記突出配列とのアニーリングを可能にして、前記プローブと前記処理された核酸分子の一部分とのライゲーションを可能にするのに十分な条件下でインキュベートするステップであって、プローブにライゲートされた前記処理された核酸分子の前記一部分が、前記標的分量の処理された核酸分子である、ステップ、
前記反応混合物を前記プローブおよび前記リガーゼと共にインキュベートした後、エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素を、前記第1の反応混合物に添加して第2の反応混合物を得るステップ、
前記第2の反応混合物を、前記プローブにライゲートされていない前記処理された核酸分子の消化を可能にし、それにより前記標的分量の処理された核酸分子を産出するのに十分な条件下でインキュベートするステップを含む方法。
(項目365)
前記開始分量の処理された核酸分子を含む前記試料を提供する前に、
(i)複数の少なくとも部分的に二本鎖の核酸分子であって、各少なくとも部分的に二本鎖の核酸分子が第1の鎖および第2の鎖を含む核酸分子、
(ii)第1のプライマーであって、前記プライマーの3’末端に位置する、前記複数の核酸分子の各核酸分子の第1の鎖の標的部分に配列が相補的な第1の部分、前記第1の部分に5’隣接して位置する、3つまたはそれよりも多くの連続リボヌクレオチド塩基を含む第2の部分、および前記第2の部分に5’隣接して位置し、2つまたはそれよりも多くのデオキシヌクレオチドを含む第3の部分を含む第1のプライマー、
(iii)前記複数の核酸分子の各核酸分子の前記第2の鎖の標的部分に相補的な配列を含む第2のプライマー、
(iv)デオキシヌクレオチド、ならびに
(v)3’エキソヌクレアーゼプルーフリーディング活性を有するDNAポリメラーゼ
を含むPCR混合物を提供するステップ、
前記PCR混合物を、前記DNAポリメラーゼが前記第1のプライマーおよび第2のプライマーの伸長を可能にし、それにより前記処理された核酸分子を産出するのに十分な条件下でインキュベートするステップ、
前記PCR混合物を精製して、未使用の第1のプライマーおよび第2のプライマーを除去し、それにより、前記開始分量の処理された核酸分子を含む試料を得るステップ
をさらに含む、項目364に記載の方法。
(項目366)
前記開始分量の処理された核酸分子を含む前記試料を提供する前に、
(i)複数の少なくとも部分的に二本鎖の核酸分子であって、各少なくとも部分的に二本鎖の核酸分子が第1の鎖および第2の鎖を含む核酸分子、
(ii)第1のプライマーであって、前記プライマーの3’末端に位置する、前記複数の核酸分子の各核酸分子の第1の鎖の標的部分に配列が相補的な第1の部分、前記第1の部分に5’隣接して位置する、緩衝配列を含む第2の部分、および前記第2の部分に5’隣接して位置する、前記緩衝配列のヌクレオチドと異なるヌクレオチドからなる尾部配列を含む第3の部分を含む第1のプライマー、
(iii)第2のプライマーであって、前記プライマーの3’末端に位置する、前記複数の核酸分子の各核酸分子の前記第2の鎖の標的部分に配列が相補的な第4の部分、および前記第4の部分に5’隣接して位置する、前記緩衝配列と同じヌクレオチド組成を有する配列を含む第5の部分を含む第2のプライマー、
(iv)デオキシヌクレオチド、ならびに
(v)DNAポリメラーゼ
を含むPCR混合物を提供するステップと、
前記PCR混合物を、前記DNAポリメラーゼが前記第1のプライマーおよび第2のプライマーの伸長を可能にし、それにより前記処理された核酸分子を産出するのに十分な条件下でインキュベートするステップと、
前記PCR混合物を精製して、未使用の第1のプライマーおよび第2のプライマーを除去し、それにより、前記開始分量の処理された核酸分子を含む前記試料を得るステップと、
前記開始分量の処理された核酸分子を含む前記試料に、T4 DNAポリメラーゼ、および前記緩衝配列の前記ヌクレオチドに相補的であるが、前記尾部配列の前記ヌクレオチドには相補的でないデオキシヌクレオチドを添加するステップと、
前記PCR混合物、T4 DNAポリメラーゼ、および前記緩衝配列の前記ヌクレオチドに相補的であるが、前記尾部配列の前記ヌクレオチドには相補的でないデオキシヌクレオチドを、T4 DNAポリメラーゼ3’エキソヌクレアーゼ活性が、前記尾部配列をトリミングし、前記緩衝配列の位置に5’突出を産生することを可能にするのに十分な条件下でインキュベートするステップであって、前記T4 DNAポリメラーゼが、そのポリメラーゼ活性および前記相補的デオキシヌクレオチドの存在のため、前記緩衝配列を越える3’エキソヌクレアーゼ消化を防止する、ステップと
をさらに含む、項目364に記載の方法。
(項目367)
前記DNAポリメラーゼが、DNAポリメラーゼQ5である、項目365に記載の方法。
(項目368)
前記DNAポリメラーゼが、PRIMESTAR(登録商標)GXL DNA Polymeraseである、項目365に記載の方法。
(項目369)
前記PCR混合物を精製して、未使用の第1のプライマーおよび第2のプライマーを除去するステップが、固相可逆的固定化(SPRI)により実施される、項目365または項目366に記載の方法。
(項目370)
前記緩衝配列が、ホモポリマー、ジヌクレオチド、またはトリヌクレオチド組成を含む、項目366に記載の方法。
(項目371)
前記緩衝配列および前記第2のプライマーの前記第5の部分が、5~10塩基の長さである、項目370に記載の方法。
(項目372)
前記尾部配列が、10~20塩基の長さである、項目366および370~371のいずれか一項に記載の方法。
(項目373)
前記突出が3’突出である、項目364に記載の方法。
(項目374)
前記突出が、プライマーを介して切断可能な塩基をPCRで組み込み、その後切断して3’突出を産出することにより得られる3’突出である、項目373に記載の方法。
(項目375)
前記突出が、プライマーを介してヌクレアーゼ耐性塩基をPCRで組み込み、その後エキソヌクレアーゼ消化して3’突出を産出することにより得られる3’突出である、項目373に記載の方法。
(項目376)
前記処理された核酸分子が、次世代配列決定(NGS)ライブラリーである、項目364~375のいずれか一項に記載の方法。
(項目377)
前記処理された核酸分子の各々が、前記分子の第1の末端に第1のアダプター配列、および前記第1の末端の反対側の第2の末端に第2のアダプター配列を含み、前記第1のアダプター配列および前記第2のアダプター配列が、同じであるかまたは異なる、項目376に記載の方法。
(項目378)
前記突出が、前記突出の末端に位置していない3つまたはそれよりも多くの連続リボヌクレオチド塩基を含む、項目364~365および367~369のいずれか一項に記載の方法。
(項目379)
前記処理された核酸分子が、次世代配列決定(NGS)ライブラリーである、項目378に記載の方法。
(項目380)
前記処理された核酸分子の各々が、前記分子の第1の末端に第1のアダプター配列、および前記第1の末端の反対側の第2の末端に第2のアダプター配列を含み、前記第1のアダプター配列および前記第2のアダプター配列が、同じであるかまたは異なる、項目379に記載の方法。
(項目381)
前記3つまたはそれよりも多くの連続リボヌクレオチド塩基が、rUまたはrA塩基を含む、項目378~380のいずれか一項に記載の方法。
(項目382)
前記突出配列が、ポリ(A)、ポリ(T)、ポリ(G)、ポリ(C)、ポリ(AG)、ポリ(AC)、ポリ(GT)、ポリ(CT)、ポリ(AT)、ポリ(GC)、トリヌクレオチド、テトラヌクレオチド、およびペンタヌクレオチドからなる群から選択される低複雑性配列をさらに含む、項目364~381のいずれか一項に記載の方法。
(項目383)
前記突出配列が、8~50塩基を含む、項目364~382のいずれか一項に記載の方法。
(項目384)
前記リガーゼが、T4 DNAリガーゼ、T3 DNAリガーゼ、T7 DNAリガーゼ、Eserichia coli DNAリガーゼ、Taqリガーゼ、Ampligase、9°Nリガーゼ、およびPfu DNAリガーゼからなる群から選択される、項目364~383のいずれか一項に記載の方法。
(項目385)
前記プローブが、一本鎖DNAを含む、項目364~384のいずれか一項に記載の方法。
(項目386)
前記プローブが、ヘアピン構造を形成する、項目364~385のいずれか一項に記載の方法。
(項目387)
前記プローブが、前記処理された核酸分子の前記突出に相補的な突出を含む二本鎖DNAを含む、項目364~386のいずれか一項に記載の方法。
(項目388)
前記プローブの前記突出が、前記突出配列の少なくとも一部分に相補的である、項目387に記載の方法。
(項目389)
前記プローブが、5’ホスフェート、3’ヒドロキシル基、または5’ホスフェートおよび3’ヒドロキシル基の両方を含む、項目364~388のいずれか一項に記載の方法。
(項目390)
前記エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素による消化に対する耐性を提供する修飾が、3つまたはそれよりも多くのヌクレアーゼ耐性修飾を含む、項目364~389のいずれか一項に記載の方法。
(項目391)
前記エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素による消化に対する耐性を提供する修飾が、3つまたはそれよりも多くのホスホロチオエート連結を含む、項目390に記載の方法。(項目392)
前記エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素による消化に対する耐性を提供する修飾が、前記プローブの3’末端に位置する、項目364~391のいずれか一項に記載の方法。(項目393)
前記エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素による消化に対する耐性を提供する修飾が、前記プローブの5’末端に位置する、項目364~392のいずれか一項に記載の方法。(項目394)
前記エキソヌクレアーゼが、エキソヌクレアーゼIII、T4 DNAポリメラーゼ、およびエキソヌクレアーゼIからなる群から選択される、項目364~393のいずれか一項に記載の方法。
(項目395)
前記反応混合物を前記プローブおよび前記リガーゼと共にインキュベートした後で、アピラーゼジホスファターゼを、前記エキソヌクレアーゼ活性を有する酵素と共に前記第1の反応混合物に添加して第2の反応混合物を得るステップをさらに含み、前記エキソヌクレアーゼが、T4 DNAポリメラーゼである、項目394に記載の方法。
(項目396)
前記プローブが、部分的に二本鎖である、項目364~384および389~395のいずれか一項に記載の方法。
(項目397)
前記プローブが、一本鎖であり、前記5’配列の3’部分に少なくとも部分的に相補的な、前記5’末端に位置する第1の部分、前記5’配列に相補的でない、前記第1の部分に3’隣接して位置する第2の部分、および前記5’配列の前記3’部分の5’に位置する前記5’配列の一部分に少なくとも部分的に相補的な、前記第2の部分に3’隣接して位置する第3の部分を含む、項目364~386および389~395のいずれか一項に記載の方法。
(項目398)
前記プローブが、前記3’末端にC3スペーサーまたは3’ホスフェートをさらに含む、項目364~397のいずれか一項に記載の方法。
(項目399)
前記プローブが、前記突出よりも長い、項目364~398のいずれか一項に記載の方法。
(項目400)
指定モル分量の次世代配列決定(NGS)ライブラリーを作製する方法であって、
第1のプライマーおよび第2のプライマーを、それぞれそれらの5’および3’末端に第1のアダプター配列および第2のアダプター配列を保持する核酸分子のプールを含む前記NGSライブラリーに添加することによりPCR反応混合物を調製するステップであって、前記第1および第2のプライマーが各々、低複雑性ヌクレオチド配列を含む5’末端ドメイン、ならびにそれぞれ前記第1および第2のアダプター配列に十分に相補的であり、それらにハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む3’末端ドメインを有し、前記第1のプライマーの前記低複雑性ヌクレオチド配列が、前記第2のプライマーの前記低複雑性ヌクレオチド配列とは異なり、それに相補的でなく、前記第1および第2のプライマーが、前記指定モル分量の前記NGSライブラリーと等しい濃度で添加される、ステップと、
前記PCR反応混合物を、前記指定モル分量の前記NGSライブラリーを生成するのに十分な条件下で、DNAポリメラーゼと共にインキュベートするステップと
を含む方法。
(項目401)
前記低複雑性ヌクレオチド配列が、ホモポリマー配列である、項目400に記載の方法。
(項目402)
前記低複雑性ヌクレオチド配列が、ジヌクレオチド配列である、項目400に記載の方法。
(項目403)
前記ジヌクレオチド配列が、反復ジヌクレオチドエレメントである、項目402に記載の方法。
(項目404)
低複雑性配列が、トリヌクレオチド配列である、項目400に記載の方法。
(項目405)
前記トリヌクレオチド配列が、反復エレメントを含む、項目404に記載の方法。
(項目406)
低複雑性配列が、テトラヌクレオチドまたはペンタヌクレオチド反復配列エレメントである、項目400に記載の方法。
(項目407)
前記5’末端ドメインが、約8から約100、または約8から約90、または約8から約80、または約8から約70、または約8から約60、または約8から約50、または約8から約40、または約8から約30、または約8から約20ヌクレオチドの長さである、項目400~406のいずれか一項に記載の方法。
(項目408)
前記5’末端ドメインが、デオキシヌクレオチド、リボヌクレオチド、ロックド核酸、またはそれらの組合せを含む、項目400~407のいずれか一項に記載の方法。
(項目409)
前記第1のアダプター配列がP5アダプター配列であり、前記第2のアダプター配列がP7アダプター配列である、項目400~408のいずれか一項に記載の方法。
(項目410)
前記十分な条件が、その後のPCRサイクルでのアニーリング期間よりも長い、最初の2回のPCRサイクルでのアニーリング期間を含む、項目400に記載の方法。
(項目411)
前記最初の2回のPCRサイクルでのアニーリング期間が、1分よりも長く、前記その後のPCRサイクルでのアニーリング期間が1分またはそれ未満である、項目410に記載の方法。
(項目412)
指定モル分量の次世代配列決定(NGS)ライブラリーを作製する方法であって、
第1のプライマーおよび第2のプライマーを、それぞれそれらの5’および3’末端に第1のアダプターおよび第2のアダプターを保持する核酸分子のプールを含む前記NGSライブラリーに添加して、PCR反応混合物を得るステップであって、前記第1および第2のアダプターが、それぞれそれらの5’末端および3’末端にアダプター配列および低複雑性ヌクレオチド配列を含み、前記第1および第2のプライマーが各々、それぞれ、前記アダプター配列の少なくとも一部分に、ならびに前記第1および第2のアダプターの低複雑性配列にハイブリダイズするのに十分に相補的なヌクレオチド配列を含み、前記第1のアダプターの前記低複雑性ヌクレオチド配列が、前記第2のアダプターの前記低複雑性ヌクレオチド配列とは異なり、それに相補的でなく、前記第1および第2のプライマーが、前記指定モル分量の前記NGSライブラリーと等しい濃度で添加される、ステップと、
前記PCR反応混合物を、前記指定モル分量の前記NGSライブラリーを生成するのに十分な条件下で、DNAポリメラーゼと共にインキュベートするステップと
を含む方法。
(項目413)
前記十分な条件が、すべてのPCRサイクルで同じであるアニーリング期間を含む、項目412に記載の方法。
(項目414)
各処理された核酸分子が、3’突出を含む、項目1に記載の方法。
(項目415)
前記3’突出が、プライマーを介して塩基をPCRで組み込み、その後切断して前記3’突出を産出することにより得られる、項目414に記載の方法。
(項目416)
切断可能な塩基が、デオキシウリジン、リボヌクレオチド、およびイノシンからなる群から選択される、項目415に記載の方法。
(項目417)
前記3’突出が、プライマーを介してヌクレアーゼ耐性修飾をPCRで組み込み、その後前記組み込まれたプライマーを前記ヌクレアーゼ耐性修飾へと5’エキソヌクレアーゼ消化して3’突出を産出することにより得られる、項目414に記載の方法。
関連出願への相互参照
本出願は、2016年9月6日に出願された米国仮出願番号第62/384,118号に基づく優先権を主張しており、この仮出願の全体は、参考として本明細書中に援用される。
[0001.1]
本願は、ASCII形式で電子的に提出された配列表を含み、その全体が、参照によって本明細書に組み込まれる。上記ASCIIコピーは、2017年9月22日に作成され、16-21029-WO SL.txtの名称であり、サイズが31,221バイトである。

図6は、方法1(制御された放出)による酵素に基づく正規化の例示的な方法を示す。「B」はビオチンを表す。赤色バーは、RNA塩基の一部分を示す。黒色バーは、複製不能なDNAスペーサーの位置を示す。第1のインキュベーションにおいて、正規化プローブおよびストレプトアビジンビーズが添加される。ステップ1:指定分量の正規化切断プローブを、等モル分量の5’突出にアニーリングする。ステップ2:すべてのNGSライブラリー分子をストレプトアビジン磁気ビーズに結合させる。ステップ3:RNaseH洗浄ビーズを添加し、RNaseH切断によって、プローブ指定NGSライブラリー画分を放出する。
図8Aは、1つのプレN PCRプライマーを使用して1つのライブラリー鎖を標的とする方法2(a)による、酵素に基づく正規化の例示的な方法を示す。ステップ1:単一の正規化プライマーを、従来のプライマーと共に使用する場合に、一方の末端に5’突出を有するインデックス化全長NGSライブラリーを産出するためのPCR。ステップ2:エキソヌクレアーゼI(任意選択の未使用のプライマー消化)。ステップ3:SPRI。ステップ4:指定分量のヌクレアーゼ耐性正規化プローブに共有結合で付着されたT4 DNAリガーゼ。ステップ5:エキソヌクレアーゼIIIが、ヌクレアーゼ耐性プローブを欠如する3’末端を消化する。図面は、配列番号67として「(dT) 12 (rU) 」を、配列番号68として「(dA) 12 (dA) 」を、配列番号56として「(dT) 12 」を開示する。
図8Bは、1つのライブラリー鎖を標的として一本鎖DNAライブラリーをもたらす方法2(a)による、酵素に基づく正規化の例示的な方法を示す。図面は、配列番号67として「(dT) 12 (rU) 」を、配列番号68として「(dA) 12 (dA) 」を開示する。
図8Cは、2つのプレN PCRプライマーを使用して両ライブラリー鎖を標的とする方法2(a)による、酵素に基づく正規化の例示的な方法を示す。ステップ1:2つの正規化プライマーが使用される場合に、2つの同一の5’突出を有するインデックス化全長NGSライブラリーを産出するためのPCR。ステップ2:エキソヌクレアーゼI(任意選択の未使用のプライマー消化)。ステップ3:SPRI。ステップ4:T4 DNAリガーゼ。ステップ5:エキソヌクレアーゼIII。図面は、配列番号67として「(dT) 12 (rU) 」を、配列番号68として「(dA) 12 (dA) 」を開示する。
図8Dは、ライブラリー内に一本鎖DNAおよび二本鎖DNAを両方とももたらす、1つのプレN PCRプライマーを使用して両ライブラリー鎖を標的とする方法2(a)による、酵素に基づく正規化の例示的な方法を示す。図面は、配列番号67として「(dT) 12 (rU) 」を、配列番号68として「(dA) 12 (dA) 」を開示する。
図9Aは、プレN PCRプライマーおよび従来のプライマーを使用して1つのライブラリー鎖を標的とする方法2(a)のためのPCR増幅の例示的な方法を示す。図面は、配列番号67として「(dT) 12 (rU) 」を開示する。
図9Bは、インデックス化プライマーを使用して短縮アダプターを有するNGSライブラリーを完成させる前PCRステップによる、プレN PCRプライマーおよび従来のプライマーを使用して1つのライブラリー鎖を標的とする方法2(a)のためのPCR増幅の例示的な方法を示す。図面は、配列番号67として「(dT) 12 (rU) 」を開示する。
図10Aは、2つのプレN PCRプライマーを使用して両ライブラリー鎖を標的とする方法2(a)のためのPCR増幅の例示的な方法を示す。図面は、配列番号67として「(dT) 12 (rU) 」を開示する。
図10Bは、インデックス付与プライマーを使用して短縮アダプターを有するNGSライブラリーを完成させる前PCRステップによる、2つのプレN PCRプライマーを使用して両ライブラリー鎖を標的とする方法2(a)のためのPCR増幅の例示的な方法を示す。図面は、配列番号67として「(dT) 12 (rU) 」を開示する。
図11は、方法2(b)(制御された保護)によりT4 DNAポリメラーゼを使用して5’突出を生成し、その後NGSライブラリーを正規化するための消化を行う例示的な方法を示す。プレ正規化プライマーおよびプルーフリーディングDNAポリメラーゼによるPCR。第1のインキュベーションにおいて、正規化プローブ、T4 DNAポリメラーゼ、緩衝領域に相補的なヌクレオチドミックスおよびT4 DNAリガーゼが添加される。ステップ1:T4 DNAポリメラーゼとのインキュベーションは、P5アダプターに5’突出を生成する;これは、尾部領域から3’塩基を除去するが、緩衝領域においては停止する。反対側末端は、3’末端における緩衝領域のため、平滑のままである。ステップ2:指定分量の正規化プローブの、T4 DNAリガーゼによって生成された5’突出へのアニーリング。ステップ3:T4 DNAリガーゼによる、正規化プローブの、NGSライブラリーの3’末端へのライゲーション。ステップ4:エキソヌクレアーゼIIIまたはアピラーゼを添加する;エキソヌクレアーゼIIIによる、またはアピラーゼによるヌクレオチド分解後のT4 DNA Polによる、非保護NGSライブラリー画分の分解。
図12は、方法2(c)(制御された保護)のために、3’突出を生成し、5’エキソヌクレアーゼを使用するための例示的な方法を示す。プレ正規化プライマーおよびプルーフリーディングDNAポリメラーゼによるPCR。プレ正規化プライマーは、RNase Hを使用してPCR産物から切断することができるRNA塩基を含む。第1のインキュベーションにおいて、正規化プローブ、プライマー消化酵素(RNase H)およびDNAリガーゼが添加される。ステップ1:RNase Hとのインキュベーションは、一方または両方のアダプター末端に3’突出を生成する。ステップ2:指定分量の正規化プローブの、RNase H処理により生成された3’突出へのアニーリング。ステップ3:T4 DNAリガーゼによる、正規化プローブの、NGSライブラリーの5’末端へのライゲーション。ステップ4:T7エキソヌクレアーゼまたはラムダエキソヌクレアーゼを添加する;T7またはラムダエキソヌクレアーゼによる非保護NGSライブラリー末端の分解。
図14は、方法3a(制御された修復)による、RNaseH、リガーゼ、およびエキソヌクレアーゼIを使用する正規化の例示的な方法を示す。プレ正規化プライマーおよびプルーフリーディングDNAポリメラーゼによるPCR。矢印はRNase Hを使用してPCR産物から切断することができるRNA塩基の位置を示す。第1のインキュベーションにおいて、正規化プローブ、RNase HおよびT4 DNAリガーゼ(Taq DNAポリメラーゼは任意選択である)が添加される。ステップ1:RNase Hとのインキュベーションは、ライブラリーの50%を不活性化し、一方のアダプター末端に3’突出を生成する。ステップ2:指定分量の正規化プローブの3’突出へのアニーリングおよびライゲーションは、dsDNA末端をエキソヌクレアーゼIによる消化から保護し、プローブを欠如するライブラリー画分は、エキソヌクレアーゼIに感受性である。ステップ3:エキソヌクレアーゼIを添加する;エキソヌクレアーゼIによる非プローブ保護一本鎖NGSライブラリー末端の分解。
図15は、方法3b(制御された修復)による、RNaseHおよびリガーゼを使用する正規化の例示的な方法を示す。プレ正規化プライマーおよびプルーフリーディングDNAポリメラーゼによるPCR。矢印はRNase Hを使用してPCR産物から切断することができるRNA塩基の位置を示す。単一のインキュベーションにおいて、正規化プローブ、RNase HおよびT4 DNAリガーゼ(Taq DNAポリメラーゼは任意選択である)が添加される。ステップ1:RNase Hとのインキュベーションは、ライブラリーを不活性化し、両方のアダプター末端に3’突出を生成する。ステップ2:指定分量の正規化プローブのP5 3’突出のみへのアニーリング。ステップ3:正規化プローブのP5アダプター5’末端へのライゲーションによる、指定分量のNGSライブラリーの回収(必要であれば、Taq DNA polの5’-flapエンドヌクレアーゼ活性による残存RNA塩基の置換および切断を伴う)。
図16は、方法3c(制御された修復)による、5’エキソヌクレアーゼおよびリガーゼを使用する正規化の例示的な方法を示す。プレ正規化プライマーおよびプルーフリーディングDNAポリメラーゼによるPCR。矢印はヌクレアーゼ耐性塩基または連結(6つ以上)の位置を示す。単一のインキュベーションにおいて、正規化プローブ、T7エキソヌクレアーゼ(5’)およびT4 DNAリガーゼ(Taq DNA Polは任意選択である)が添加される。ステップ1:T7エキソヌクレアーゼとのインキュベーションは、ライブラリーを不活性化し、両方のアダプター末端に3’突出を生成する。PCR増幅中に導入されるヌクレアーゼ耐性塩基において、消化が停止する。ステップ2:指定分量の正規化プローブの、5’エキソヌクレアーゼ消化により生成される3’突出へのアニーリング。ステップ3:正規化プローブのライゲーションによる、指定分量のNGSライブラリーの回収。
図18は、方法4(制御された合成)を使用して1つのNGSライブラリー鎖を標的とする合成による正規化の例示的な方法を示す。図面は、配列番号67として「(dT) 12 (rU) 」を、配列番号68として「(dA) 12 (dA) 」を開示する。
図19は、方法4(制御された合成)を使用して両NGSライブラリー鎖を標的とする合成による正規化の例示的な方法を示す。図面は、配列番号69として「(T) 12 (S) 」を、配列番号70として「(S) (A) 12 」を、配列番号71として「(S) (T) 12 (S) 」を、配列番号72として「(S) (A) 12 (S) 」を開示する。
図20Aは、P5末端正規化、単一インデックス付与(インデックス化プローブによる二重インデックス付与)を使用して、1つのライブラリー鎖を標的とする方法4による正規化のためのPCR増幅の例示的な方法を示す。図面は、配列番号67として「(dT) 12 (rU) 」を開示する。図20Bは、P7末端正規化、二重インデックス付与を使用して、1つのライブラリー鎖を標的とする方法4による正規化のためのPCR増幅の例示的な方法を示す。
図21Aは、両ライブラリー鎖を標的とする方法4(制御された合成)による正規化のためのPCR増幅の例示的な方法を示す。図面は、出現順に、それぞれ配列番号73、73および74を開示する。
図21Bは、方法4(制御された合成)の正規化プローブを使用して、単一インデックス付与または二重インデックス付与するための例示的な方法を示す。図面は、出現順に、それぞれ配列番号73、74、75、73、75、76および77を開示する。
図23Aは、N-PCRプライマーのジヌクレオチド反復5’尾部領域を使用する制御された増幅によるPCRに基づく正規化の例示的な方法を示す。図面は、出現順に、それぞれ配列番号78、79、78、80、81および79を開示する。
図23Bは、N-PCRプライマーのホモポリマー反復5’尾部領域を使用する制御された増幅によるPCRに基づく正規化の例示的な方法を示す。図面は、出現順に、それぞれ配列番号82、83、82、82、83および83を開示する。
図25は、ホモポリマー尾部、ジヌクレオチド尾部、またはトリヌクレオチド尾部のいずれかを有する例示的なN-PCRプライマーを示す。図面は、出現順に、それぞれ配列番号84~95を開示する。
図26は、N-PCRプライマーのアニーリング加速の提唱機序を示す。ステップ1:N-PCRプライマーが、標的鋳型の反復5’部分によって標的鋳型に係留される。ステップ2:N-PCRプライマーが、その3’部分によってアニーリングする。ステップ3:N-PCRプライマーが、DNAポリメラーゼによって伸長される。図面は、出現順に、それぞれ配列番号88、91、88、91、96、91、96および91を開示する。
図27は、N-PCRプライマーを使用する、NGSライブラリーの増幅および正規化のための例示的な方法を示す。ステップ1:第1の長期間アニーリング/伸長サイクルは、NGSライブラリーの片側に反復尾部を付加する。ステップ2:第2の長期間アニーリング/伸長サイクルは、NGSライブラリーの両側に反復尾部を付加する。ステップ3:その後の迅速なアニーリング-伸長サイクルは、すべてのN-PCRプライマーを利用して、N-PCRプライマーのモル量に等しいモル量のPCR増幅NGSライブラリーを生成する。図面は、配列番号79として「GTGTGTGTGTGTGTGTGTGT」を、配列番号80として「ACACACACACACACACACAC」を、配列番号97として「GAGAGAGAGAGAGAGAGAGA」を、配列番号98として「TCTCTCTCTCTCTCTCTCTC」を開示する。
図28は、PCR産物の予測収量のためにN-PCRプライマーを使用するPCRの例示的な方法を示す。ステップ1:第1の長期間アニーリング/伸長サイクルは、片側のDNAアンプリコンを生成する。ステップ2:第2の長期間アニーリング/伸長サイクルは、両側のDNAアンプリコンを生成する。ステップ3:その後の迅速なアニーリング-伸長サイクルは、すべてのN-PCRプライマーを利用して、N-PCRプライマーのモル量に等しいモル量のPCR増幅標的DNAを生成する。図面は、配列番号79として「GTGTGTGTGTGTGTGTGTGT」を、配列番号80として「ACACACACACACACACACAC」を、配列番号97として「GAGAGAGAGAGAGAGAGAGA」を、配列番号98として「TCTCTCTCTCTCTCTCTCTC」を開示する。
図29Aは、両N-PCRプライマーが同じ尾部配列を共有する場合の、二次構造形成の提唱機序を示す。図面は、配列番号99として「TTTTTTTTTTTTTTTTTTTT」を、配列番号85として「AAAAAAAAAAAAAAAAAAAA」を開示する。
図29Bは、N-PCRプライマーが相補的尾部配列を有する場合の、N-PCRプライマー間の干渉の提唱機序を示す。図面は、配列番号99として「TTTTTTTTTTTTTTTTTTTT」を、配列番号85として「AAAAAAAAAAAAAAAAAAAA」を開示する。
図29Cは、非ワトソン-クリック二次構造の形成により非相補的ホモポリマー尾部を有するN-PCRプライマーを使用する場合の、複製失敗の提唱機序を示す。図面は、配列番号99として「TTTTTTTTTTTTTTTTTTTT」を、配列番号100として「GGGGGGGGGGGGGGGGGG」を、配列番号85として「AAAAAAAAAAAAAAAAAAAA」を、配列番号101として「CCCCCCCCCCCCCCCCCCCC」開示する。
図29Dは、ジヌクレオチド反復尾部を有する例示的なN-PCRプライマーを示す。図面は、出現順に、それぞれ配列番号88~91を開示する。
図30は、PCR後のNGSライブラリーモル濃度定量化のための例示的な方法を示す。ステップ1:フルオロフォア含むプライマーによるPCR→蛍光読み取りF1。ステップ2:クエンチャーオリゴヌクレオチドを(プライマー濃度に対して過剰に)添加する→蛍光読み取りF2。ステップ3:式[NGSライブラリー]=F2/F1 x [P ](式中、[P ]は、PCR反応の開始における、フルオロフォアを含むプライマーの濃度である)を使用して、NGSライブラリーのモル濃度を決定する。
図37Bは、クエンチャーを有する従来の鋳型との蛍光プローブ結合の概略図を示す。図面は、配列番号91として「CACACACACACACACACACA」を、配列番号88として「TGTGTGTGTGTGTGTGTGTG」を開示する。図37Cは、クエンチャーを有するGR尾部付き鋳型との蛍光プローブ結合の概略図を示す。
図43Bは、実施例12を示す。図面は、出現順に、それぞれ配列番号 32、43、102、32、103、33、34、104および102を開示する。
図43Cは、実施例12を示す。図面は、出現順に、それぞれ配列番号 105、43、102、105、103、36、105、106および107を開示する。
図44は、実施例13を示す。ステップ1:rU複製ブロックを両方に含 むプライマーによるPCR増幅。ステップ2:アダプター末端を完成させるための、凹んだ過剰量の保護キャップへの指定分量のN-プローブのライゲーション。ステップ3:非保護DNA鎖を消化するための、エキソヌクレアーゼIIIとのインキュベーション。
図45Aは、実施例14を示す。ステップ1:第1のPCR(多重)。 ステップ2:高フィデリティーDNAポリメラーゼ、および非複製ポリ(rU)リンカーを含むユニバーサルプライマーによる第2のPCRは、両端に5’突出を有するDNA分子を生成する(一方の末端のみが示される)。ステップ3:SPRIは、非組み込みプライマーを除去する。ステップ4:ステム-ループアダプターはアニーリングし、DNAの5’末端にライゲーションされる。ステップ5:両端にインデックス化配列IDおよびポリA尾部を含むリンカー分子は、両方のDNA鎖上のギャップ領域にアニーリングし、ライゲーションされる。図面は、出現順に、それぞれ配列番号61、61、108、61、108、109、109、61、110および109を開示する。
図45Bは、実施例14を示す。ステップ1:第1のPCR(多重)。 ステップ2:高フィデリティーDNAポリメラーゼ、および非複製ポリ(rU)リンカーを含むユニバーサルステム-ループプライマーによる第2のPCRは、一本鎖ギャップ領域を有するダンベルDNA構造を生成する。ステップ3:SPRIは、非組み込みプライマーを除去する。ステップ4:両端にインデックス化配列IDおよびポリA尾部を含むリンカー分子は、両方のDNA鎖上のギャップ領域にアニーリングする。ステップ5:T4 DNAリガーゼが、ニックをシールする。ステップ6:エンドヌクレアーゼが、ループを切断する(任意選択で、Qxford Nanopore配列決定プラットフォーム上で使用するため)。
図46Aは、実施例14を示す。ステップ1:高フィデリティーDNA ポリメラーゼ、および非複製ポリ(rU)リンカーを介して標的特異的部分に連結したポリT5’尾部を含むプライマーを用いたPCR。ステップ2:SPRIは、非組み込みプライマーを除去する。ステップ3:ステム-ループアダプターは、DNAの5’末端にアニーリングする。ステップ4:T4 DNAリガーゼが、ニックをシールする。
図46Bは、実施例14を示す。ステップ1::高フィデリティーDN Aポリメラーゼ、および非複製ポリ(rU)リンカーを含むステム-ループプライマーを用いたPCRは、2つのニックを有するダンベルDNA構造を生成する。ステップ2:SPRIは、非組み込みプライマーを除去する。ステップ3:T4 DNAリガーゼが、ニックをシールする。
図47Aは、実施例14を示す。ステップ1:PCRなし、または標的 特異的尾部付きプライマーを用いた第1のPCR;標的特異的プライマーを用いた第1のPCR、または3つもしくはそれよりも多くのrU塩基を含む非複製リンカーを介して、標的特異的もしくはユニバーサル部分に連結される5’尾部Xを含むユニバーサルプライマーを用いた第2のPCR。ステップ2:SPRIは、非組み込みプライマーを除去する。ステップ3:5’末端に、プライマーの尾部Xに相補的な尾部X’を有するステム-ループアダプターのアニーリング。ステップ4:T4 DNAリガーゼによるライゲーション。
図47Bは、実施例14を示す。ステップ1:尾部に存在しない塩基を 含む隣接する緩衝領域Bを有する、低複雑性尾部配列Xを含むプライマーを用いたPCR。ステップ2:SPRI精製は、非組み込みプライマー、ヌクレオチドおよびポリメラーゼを除去する。ステップ3:3’アンプリコン尾部配列には存在しないが、隣接する緩衝配列には存在するアダプター、T4 DNAリガーゼ、反応緩衝液およびヌクレオチドトリリン酸を添加する。緩衝領域に存在するが、尾部領域に存在しないヌクレオチドの存在下で、T4 DNAポリメラーゼは、PCRアンプリコンの末端に5’突出Xを生成する。ステップ4:ステム領域内に同様の緩衝領域Bが存在することにより、アダプターの完全性は、T4 DNAポリメラーゼに影響を受けないままである。アダプターは、一本鎖5’末端(配列X’)によって、T4 DNAポリメラーゼによってPCRアンプリコンの末端に生じる相補的な突出(配列X)にアニーリングする。ステップ5:T4 DNAリガーゼが、ニックをシールする。
図48Aは、実施例15を示す。ステップ1A:(rU) および/ま たは(rA) 複製ブロック(示さず)を有する尾部配列AおよびBを含むプライマーによるPCR。ステップ1B:低複雑性、ならびに尾部に存在しない塩基(示さず)を含む隣接する緩衝領域を有する相補的尾部配列AおよびA’を含むプライマーによるPCR。ステップ2:緩衝領域に存在するが、尾部領域には存在しないヌクレオチドの存在下での、T4 DNAポリメラーゼとのインキュベーション。ステップ3:ライゲーション反応。
図48Bは、実施例15を示す。ステップ1A:(rU) 複製ブロッ ク(示さず)を有する尾部配列AおよびBを含むプライマーによるPCR。ステップ1B:尾部に存在しない塩基(示さず)を含む隣接する緩衝領域を有する低複雑性尾部配列AおよびBを含むプライマーによるPCR。ステップ2:緩衝領域に存在するが、尾部領域には存在しないヌクレオチドの存在下でのT4 DNAポリメラーゼ。リンカーも両端に緩衝領域を有し、T4 DNAポリメラーゼによる分解を防止する(示さず)。ステップ3:ライゲーション反応は、等モル濃度のアンプリコンおよびリンカーにおいて生じる。
図48Cは、実施例15を示す。ステップ1:隣接する(リボU) よびポリ(リボA) 複製ブロックを有する尾部配列(T) および(A) を含むプライマーによるPCR。ステップ2:SPRI精製は、非組み込みプライマーを除去する。ステップ3:高アンプリコン濃度において、アンプリコン末端は互いにアニーリングし、DNAリガーゼによって共有結合での連結となるオリゴマーを形成する。
図48Dは、実施例15を示す。ステップ1:少なくとも6つのGおよ びC塩基(AおよびTではない)を含む隣接する緩衝領域を有する尾部配列(T) および(A) を含むプライマーによるPCR。ステップ2:SPRI精製は、非組み込みプライマーを除去する。ステップ3:dGTPおよびdCTPヌクレオチドの存在下のT4 DNAポリメラーゼは、PCRアンプリコンの一方に突出(T) を、別の末端に突出(T) を生成する。ステップ4:高アンプリコン濃度において、アンプリコン末端は互いにアニーリングし、DNAリガーゼによって共有結合での連結となるオリゴマーを形成する。
図48Eは、実施例15を示す。ステップ3:分子間オリゴマー化のた めにDNAを濃縮し、分子間環状化のためにDNAを希釈する。図面は、出現の順に、それぞれ配列番号61、111、61、111、109、109、61、111、110、110、109、112、113および109を開示する。
図49Aは、実施例16を示す。ステップ1:標的特異的プライマーに よるPCR。ステップ2:希釈後の、5’末端にビオチンおよび(rU) (dT) 12 配列をそれぞれ含むユニバーサルプライマーAおよびプライマーBによる第2のPCR。ステップ3:AMPure XPビーズ精製。ステップ4:PCR産物の3’末端へのヌクレアーゼ耐性ポリA配列Cのアニーリングおよびライゲーション。ステップ5:エキソヌクレアーゼIIIとのインキュベーションおよび5’末端におけるビオチンとの一本鎖プローブの生成。図面は、配列番号114として「(rU) (dT) 12 」を開示する。
図49Bは、実施例16を示す。ステップ1::標的特異的プライマー によるPCR。ステップ2:希釈後の、5’末端に(rU) (dT) 12 配列およびビオチンをそれぞれ含むユニバーサルプライマーAおよびプライマーBによる第2のPCR。ステップ3:AMPure XPビーズ精製。ステップ4:PCR産物の3’末端へのヌクレアーゼ耐性ポリA配列Cのアニーリングおよびライゲーション。ステップ5:エキソヌクレアーゼIIIとのインキュベーションおよび5’末端におけるビオチンとの一本鎖プローブの生成。図面は、配列番号114として「(rU) (dT) 12 」を開示する。
図49Cは、実施例16を示す。ステップ1:Nプローブを含むプール を生成する。ステップ2:ユニバーサルプライマーAおよびBを使用したPCRによって、プールを増幅する。ステップ3:5’末端の付近に5’リン酸およびホスホロチオエート連結を含むヌクレアーゼ耐性オリゴCをアニーリングし、ライゲーションし、AMPure XPビーズにより精製する。ステップ4:非ビオチン鎖をエキソヌクレアーゼIIIにより分解し、95℃で加熱することによってexo IIIを阻害する、または精製する。
図50Aは、実施例17を示す。図面は、出現の順に、それぞれ配列番 号48、48、49、115、50、50、51、116、52、52、53、117、54、54および55を開示する。
方法2a
方法2aのさらなる詳細は、図8A~8D、9A~9B、および10A~10Bに見出される。図8Aは、単一5’突出を使用した反応を示しており、相補的プローブ配列は、複雑な配列S(任意の2つ、3つ、または4つの塩基組成を含む。図示せず)、または低複雑性ホモポリマー配列、例として、限定ではないが、図8Aに示されているような(dT)12 (配列番号56)のいずれかである。この例では、1つのプレNプライマーのみが、従来のリバースプライマーと共に使用されており、2つのNGSライブラリー鎖の一方のみに対する正規化反応が標的とされる。DNAリガーゼに加えて限定的指定モル分量のN-プローブが添加される第1の正規化ステップには、過剰分量のNGSライブラリーが含まれる。アニーリングは、低複雑性ホモポリマー配列の場合、高複雑性配列Sと比較してより迅速に生じるだろう。リボU塩基の連続伸張を複製ブロックとして使用するため、5’突出は、好ましくはポリ(T)ホモポリマーであり、N-プローブは、好ましくは、TおよびリボU塩基の両方に相補的なポリ(A)ホモポリマーである。複製ブロックがリボA塩基で構成される他の実施形態では、5’突出は、好ましいポリ(A)であり、N-プローブは、好ましいポリ(T)ホモポリマーである。N-プローブは、ライブラリー末端とのプローブアニーリングおよびライゲーション後に、エキソヌクレアーゼIII消化に対する耐性を提供するために、C3炭素スペーサーなどの任意選択の3’末端ブロックに加えて、その3’末端のプローブ配列内に、内部的に、またはその5’末端付近に連続して配置することができるホスホロチオエート連結などの1つまたは複数のヌクレアーゼ耐性修飾をさらに含む。任意選択で、N-プローブは、二本鎖DNA特異的活性を有するエキソヌクレアーゼIII消化に対するさらなる耐性を付与するために、NGSライブラリーとのライゲーション後に一本鎖3’突出を生成するように5’突出よりも長さが長い。

方法2aの場合、プレNプライマーを使用するPCR増幅は、2つまたは4つのプライマーを使用して実施してもよい(それぞれ、図9Aおよび10、ならびに9Bおよび10B)。1つのみのNGSライブラリー鎖を標的として、dsDNAライブラリー1分子当たり単一の5’突出を生成する場合、この2本プライマーPCRでは、単一のプレNプライマーが、5’尾部配列を有していない従来のリバースプライマーと共に使用される。図9A~9Bは、プライマー対を示しており、このプライマー対では、両プライマーは、インデックス付与配列が組み込まれている長鎖5’尾部を含み、短縮NGSアダプターがライゲートされたライブラリーを鋳型として使用すると(およびプレNプライマーが、N-プローブアニーリング尾部領域を組み込んでいる追加の5’尾部領域を導入する場合)アダプターを完成させるが、この2つのプライマーは、完成された全長インデックス化ライブラリーを増幅するように設計することもでき、その場合、プライマーは、ライブラリー増幅に使用される末端アダプター配列のみにアニーリングし、プレNプライマーのみが、N-プローブアニーリング尾部領域を含む5’尾部配列を含むが、従来のプライマーは、5’尾部を有しない(図示せず)。

図41Dでは、ライブラリーは、5’尾部を有するプレN PCRプライマーを使用して増幅され、尾部とアダプター配列との間には、dU塩基(古細菌DNAポリメラーゼの場合)を含む複製不能な基、または3つもしくはそれよりも多くのリボUもしくはリボA塩基の連続伸張を含む複製不能なスペーサーが位置し、高フィデリティーDNAポリメラーゼは、(リボU)または(リボA)鋳型を越えて伸長することができない。式中、n=3またはそれよりも大きい。リボUおよびリボA塩基が、それぞれポリ(dT)およびポリ(dA)6~20塩基尾部配列(それぞれ配列番号57および58)によりフランキングされている場合、PCRは、ホモポリマーN-プローブライゲーションのための、対応するホモポリマー5’突出を有するライブラリー分子をもたらす。ポリAおよびポリTなどの反復配列は、プローブアニーリングおよびライゲーションを加速させて、低プローブ濃度での効率的なライゲーションを可能にする。

図42Dでは、ライブラリーは、5’尾部を有するプレN PCRプライマーを使用して増幅され、尾部と、アダプター配列、つまりdU塩基(古細菌DNAポリメラーゼの場合)を含む複製不能な基、または3つもしくはそれよりも多くのリボUもしくはリボA塩基の連続伸張を含む複製不能なスペーサーとの間に位置し、高フィデリティーDNAポリメラーゼは、(リボU)または(リボA)鋳型を越えて伸長することができない。式中、n=3またはそれよりも大きい。リボUおよびリボA塩基が、それぞれポリ(dT)およびポリ(dA)6~20塩基尾部配列(それぞれ配列番号57および58)によりフランキングされている場合、PCRは、Nプローブとホモポリマー5’尾部とのライゲーションのための、対応するホモポリマー5’突出を有するライブラリー分子をもたらす。ポリAおよびポリTなどの反復配列は、プローブアニーリングおよびライゲーションを加速させて、低プローブ濃度での効率的なライゲーションを可能にする。増幅されたライブラリーは、欠損アダプター末端を有するため、最初は短縮されており、これは、アダプターの欠失部分を含むプローブとライゲートされると、機能的な正規化されたNGSライブラリーが産出される。

図42Gでは、ライブラリーは、元のNGSアダプター配列内のデオキシリボヌクレオチドを置換する3つまたはそれよりも多くのリボ塩基の連続伸張、および5’末端にホモ-、ジ-、トリ-ヌクレオチド反復配列を有するプレN PCRプライマーを使用して増幅される。N-プローブは、低プローブ濃度でのプローブアニーリングおよびライゲーションを加速させる相補的反復配列を5’末端に有する一本鎖である。増幅されたライブラリーは、欠損アダプター末端を有するため、最初は短縮されており、これは、アダプターの欠失部分を含むプローブとライゲートされると、機能的な正規化されたNGSライブラリーが産出される。N-プローブは、その3’末端に10~20個のポリAまたはポリT塩基(それぞれ配列番号59および60)を有していてもよい。したがって、一部の実施形態では、短縮NGSライブラリーは、突出、しばしば5’突出を含んでいてもよく、ライブラリー増幅のためのアニーリングの加速を促進することができる一方で、プローブが短縮NGSライブラリーにライゲートされた場合にループ中に存在する欠失アダプター部分のプローブによる再組み込みを可能する、本開示に記載されている低複雑性配列も含む。これは、プローブにライゲートされたライブラリー分子の短縮NGSライブラリーの機能性を回復することができるが、低複雑性配列とプローブの相補的配列との結合のため、より速くより効率的な速度で実施することができる。

結果
第2のPCR反応中に、(リボU)複製ブロックを含有する線形(図45a)またはステム-ループ(図45b)ユニバーサルプライマーを使用することにより、配列(GT)(T)22(rU) (配列番号61)を含有する一本鎖5’突出(図45a)または配列(T)22(rU) (配列番号62)を含有するステム-ループ突出および一本鎖ギャップ領域(図45b)のいずれかを有するDNA分子が生成される。第1の場合の一本鎖尾部および第2の場合の一本鎖ギャップは、ステム-ループアダプターのアニーリングおよびライゲーションのための鋳型ならびにインデックス付与リンカー(第1の場合)またはインデックス付与リンカーのみ(第2の場合)になる。

本出願に記載されている5’突出を効率的に生成するための方法を使用して、コンカテマーアンプリコン分子を生成することができる。本発明者らは、アンプリコンオリゴマー化のためのいくつかの戦略を起想する。1つの戦略では、図48a、48c、および48dに示されている、PCR単独(リボU含有プライマーを用いる。図48a、48c)またはPCRおよびその後のT4 DNAポリメラーゼとのインキュベーション(図48a、48d)は、実施例14に記載されているステム-ループアダプターライゲーションのためのそのような突出の生成と同様に、相補的5’突出AおよびA’を有するDNA分子を生成する。相補的突出を有するDNA分子は、DNAリガーゼの存在下で、末端に相補的12塩基突出を有する完全なバクテリオファージラムダDNAのオリゴマー化と同様に、長い共有結合コンカテマーを生成するだろう。図48bに示されている別の戦略では、PCR単独(リボU含有プライマーを用いた)またはPCRおよびその後のT4 DNAポリメラーゼとのインキュベーションは、非相補的5’突出AおよびBを有するDNA分子を生成する。この場合、DNAオリゴマー化は、アンプリコンを、突出A’およびB’を含有する化学量論的に等モル量の二本鎖リンカーDNAと混合することにより達成される。さらに別の戦略では、リボU含有プライマーを用いたPCR増幅は、図48eに示されているように、部分的に相補的な突出を有するアンプリコンを生成する。この場合、2つの5’突出の5’部分のみが、相互に相補的であり、GTGTGTGTGTGT(配列番号63)およびACACACACACAC(配列番号64)配列を有する。アンプリコンのアニーリングは、rU塩基に隣接するホモポリマーポリT配列を含有する一本鎖ギャップ領域を有する、非共有結合的に会合したオリゴマーを生成する。ポリAホモポリマー配列を含有するリンカーオリゴヌクレオチドの付加およびライゲーションは、共有結合オリゴマーの形成をもたらす。リンカーオリゴヌクレオチドは、アンプリコンオリゴマーの形成を完成させるためだけでなく、試料多重化のためのインデックス付与配列を組み込むためにも使用することができる。

方法は、いくつかのステップを含む(図49a)。第1に、ユニバーサル配列AおよびBを含有するプライマーならびに熱安定性DNAポリメラーゼを使用するPCRにより、ゲノムまたはベクターDNAから選択領域を増幅すること。第2に、PCR産物を希釈し、ユニバーサルプライマーAおよびB、ならびにQ5、PrimeSTAR GXL、またはKapa HiFiなどの高フィデリティーDNAポリメラーゼを用いて再増幅し、その場合、プライマーAがビオチン基を有し、プライマーBが、(rU)複製ブロック、それに続き5’末端に10~16dT塩基(配列番号65)の伸張を有すること。PCRは、一方の末端に5’突出を有する二本鎖DNA分子を産生する。また、5’突出を有する標的DNA分子の産生は、それらの5’末端にビオチンおよび(rU)(dT)12~16配列(配列番号66)を有する標的特異的プライマーを使用して、1つのPCRステップで達成することができる。複製終結のためのリボヌクレオチド塩基の選択は、rU塩基のみに限定されず、ポリ(rA)であってもよく、または増幅のために選択したDNAポリメラーゼの効率的な重合停止を提供し、ヌクレアーゼ耐性オリゴヌクレオチドのアニーリングおよびライゲーションに十分な5’突出を生成する任意の他のリボヌクレオチド配列であってもよい。第3に、10~20個のA塩基(配列番号59)、5’ホスフェート基、および少なくとも1つのホスホロチオエート結合を5’末端付近に含有するヌクレアーゼ耐性オリゴヌクレオチドをアニーリングおよびライゲーションすること。好ましくは、エキソヌクレアーゼに対するより良好な保護のために、少なくとも4つのホスホロチオエート結合が存在する。プライマーBの5’尾部配列およびヌクレアーゼ耐性オリゴヌクレオチドCの相補的配列は、ポリTおよびポリA配列に限定されず、任意の他の相互に相補的な配列により置換することができる。ポリTおよびポリA配列の選択は、実施例6に示されたように、迅速なアニーリングおよびライゲーション時間により正当化される。第4に、AMPure XPビーズによる精製を実施して、組み込まれなかったPCRプライマーおよび保護オリゴヌクレオチドを除去する。オリゴヌクレオチドCの量は、PCR反応により産生されるすべてのDNA分子を保護するために過剰であってもよく、または指定量の一本鎖プローブのみを産生することが目標である場合は、限定され、指定モル濃度で存在していてもよい。第5に、エキソヌクレアーゼIIIによる消化を実施して、非保護DNA鎖を除去する。および、最後に、エキソヌクレアーゼIII熱不活性化、またはスピンカラムもしくは任意の他の利用可能な方法によるプローブ精製を実施する。

記載されている方法は、鎖特異性がユニバーサルプライマーにおけるビオチン基および(rU)(dT)12~16配列(配列番号66)の位置により決定付けられるビオチン化一本鎖DNA捕捉プローブを産生する。ビオチン基をプライマーBへと、および(rU)(dT)12~16配列(配列番号66)をプライマーAへと、それぞれ移動させることにより、第2のDNA鎖に相補的な捕捉プローブを生成することが可能である(図49b)。

Claims (1)

  1. 明細書に記載の発明。
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