JP2006260864A - リチウム二次電池の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 リチウム二次電池を製造する方法であって、上記電池缶と上記電池蓋とから構成された外装体の内部に正極、負極およびセパレータを備えた電極体が装填されている電池前駆体の内部に、電池缶または電池蓋に設けられた電解液注入口から非水電解液を注入する電解液注入工程を有し、電解液注入工程の後に、電解液注入口を封止する工程を有し、且つ電解液注入工程後、電解液注入口の封止工程より前に、少なくとも1回の充電工程を有することを特徴とするリチウム二次電池の製造方法である。
Description
まず、有底角筒状の電池缶内に、正極、負極およびセパレータを備えた電極体(上述の巻回電極体や積層電極体など)を装填し、正負極のリード体の溶接を行った後、電池蓋を用いて電池缶の開口部を封口し、電池外装体内に電極体が装填された電池前駆体とする。
次に、電極体が装填されている電池前駆体の内部に、電池缶または電池蓋に設けられた電解液注入口から、非水電解液を注入すると共に、充電を行う。電解液の注入は、少なくとも2回(例えば、2回、3回、4回など)に分けて注入することが好ましい。電池前駆体への非水電解液の注入方法は特に制限は無く、外装体内を減圧して行う方法や、ガスの圧力を利用する方法など、従来公知の各種方法が採用できる。なお、電池の生産性向上の観点からは、電解液注入工程の回数は、より少ないことが好ましく、2回であることが特に好ましい。
電解液注入工程および上記充電工程の全てが完了した後に、電解液注入口を封止する。電解液注入口の封止方法は、特に制限は無く、例えば、封止栓などの封止部材を挿入してレーザー溶接などの溶接手段により封止する方法など、従来公知の封止方法が採用できる。電解液注入口の封止後には、必要に応じてエ−ジングや予備充電を行って、製品(角形リチウム二次電池)とする。
<正極の作製>
正極活物質であるLiCoO2(比表面積:0.5m2/g、平均粒径:10μm):96質量部と、導電助剤であるカーボンブラック(粒径:3μm):2質量部と、バインダーであるポリフッ化ビニリデン:2質量部との割合で、N−メチル−2−ピロリド(NMP)の存在下で混合してスラリー状の正極合剤含有ぺーストを調製した。得られた正極合剤含有ぺーストを、厚みが15μmのアルミニウム箔からなる正極集電体の両面に塗布し、乾燥して正極合剤層を形成し、ローラーで正極合剤層を所定の厚みになるまで加圧成形した後、所定の幅および長さになるように切断して正極を作製した。得られた正極の正極合剤層密度は、3.60g/cm3であった。
負極活物質として、黒鉛A〔(002)面の面間隔(d002):0.3365nm、平均粒径20μm、c軸方向の結晶子サイズ(Lc:100nm)〕を用いた。また、バインダーには、CMCとSBRとを、CMC/SBR=1/0.5(質量比)の割合で用いた。この負極活物質:98.5質量部とバインダー:1.5質量部を、水の存在下で混合してスラリー状の負極合剤含有ぺーストを調製した。得られた負極合剤含有ぺーストを、厚みが8μmの銅箔からなる負極集電体の両面に塗布し、乾燥して負極合剤層を形成し、ローラーで負極合剤層が所定の厚みになるまで加圧成形した後、所定の幅および長さになるようにして切断して負極を作製した。得られた負極の負極合剤層密度は、1.60g/cm3であった。
低電解質塩濃度の非水電解液として、ECとMECとの体積比1:2の混合溶媒に、LiPF6を0.7mol/lの濃度となるように溶解させ、更に添加剤として、VCを、3質量%の濃度となるように添加し溶解させて調製したものを用意した。また、高電解質塩濃度の非水電解液として、ECとMECとの体積比1:2の混合溶媒に、LiPF6を1.67mol/lの濃度となるように溶解させ、更に添加剤として、VCを3質量%の濃度となるように添加し溶解させて調製したものを用意した。
上記の正極および負極に集電用のリード体を溶接した。この正極と負極とを、厚みが20μmの微孔性ポリエチレンフィルム(セパレータ)を介して積層し、渦巻状に捲回して巻回電極体を作製した。この巻回電極体をアルミニウム合金製角形電池缶に挿入し、正負極のリード体の溶接と、電池缶の開口端部への電池蓋のレーザー溶接を行って、非水電解液を除く発電要素が内填された電池前駆体を得た。
低電解質塩濃度の非水電解液として、ECとMECとの体積比1:2の混合溶媒に、LiPF6を0.8mol/lの濃度となるように溶解させ、更に添加剤として、VCを3質量%の濃度となるように添加し溶解させて調製したものを用意した。また、高電解質塩濃度の非水電解液として、ECとMECとの体積比1:2の混合溶媒に、LiPF6を1.4mol/lの濃度となるように溶解させ、更に添加剤として、3質量%の濃度となるように添加し溶解させて調製したものを用意した。
<正極の作製>
正極活物質であるLiCoO2(比表面積:0.5m2/g、平均粒径:10μm):97質量部と、導電助剤であるカーボンブラック(粒径:3μm):1.5質量部と、バインダーであるポリフッ化ビニリデン:1.5質量部との割合で、NMPの存在下で混合してスラリー状の正極合剤含有ぺーストを調製した。得られた正極合剤含有ぺーストを、厚みが15μmのアルミニウム箔からなる正極集電体の両面に塗布し、乾燥して正極合剤層を形成し、ローラーで正極合剤層を所定の厚みになるまで加圧成形した後、所定の幅および長さになるように切断して、高密度の正極合剤層を有する正極を作製した。得られた正極の正極合剤層密度は、3.90g/cm3であった。
負極活物質として、黒鉛A〔(002)面の面間隔(d002):0.3365nm、平均粒径20μm、c軸方向の結晶子サイズ(Lc:100nm)〕を用いた。また、バインダーには、CMCとSBRとを、CMC/SBR=1/0.5(質量比)の割合で用いた。この負極活物質:98.5質量部とバインダー:1.5質量部を、水の存在下で混合してスラリー状の負極合剤含有ぺーストを調製した。得られた負極合剤含有ぺーストを、厚みが8μmの銅箔からなる負極集電体の両面に塗布し、乾燥して負極合剤層を形成し、ローラーで負極合剤層が所定の厚みになるまで加圧成形した後、所定の幅および長さになるようにして切断して、高密度の負極合剤層を有する負極を作製した。得られた負極の負極合剤層密度は、1.75g/cm3であった。
1回目の電解液注入工程における低電解質塩濃度の非水電解液の注入量を1.2mlとし、2回目(最終)の電解液注入工程における高電解質塩濃度の非水電解液の注入量を0.6mlとした他は、実施例3と同様にして角形リチウム二次電池を作製した。なお、1回目の電解液注入工程によって電池前駆体内に注入した非水電解液量は、電池内空隙の67%に相当する。
1回目の電解液注入工程の後の充電工程における条件を、460mA(0.5C)、15分に変更した他は、実施例3と同様にして角形リチウム二次電池を作製した。なお、上記充電工程における充電容量は、最終的に得られる電池の容量の12.5%に相当する。
電解質塩をLiPF6に代えてLiN(SO2C4F9)2とした他は、実施例1と同様にして低電解質塩濃度の非水電解液および高電解質塩濃度の非水電解液を調製し、実施例1と同様にして角形リチウム二次電池を作製した。
非水電解液として、ECとMECとの体積比1:2の混合溶媒に、LiPF6を1.0mol/lの濃度となるように溶解させ、更に添加剤として、VCを3質量%の濃度となるように添加し溶解させて調製したものを用意した。実施例1と同様にして非水電解液を除く発電要素が内填された電池前駆体を作製し、これに、上記の非水電解液(LiPF6濃度が1.0mol/lのもの)1.92mlを、1度の電解液注入工程で全量注入し、その後に、168mA(0.2C)で、30分充電を行い、その後に電解液注入工程を設けずに、電解液注入口の封止を行った他は、実施例1と同様にして角形のリチウム二次電池を作製した。
1回目と2回目の電解液の濃度を1.0mol/lとした他は、実施例1と同様にして角形のリチウム二次電池を作製した。
1回目の電解液注入工程における電解質塩濃度を1.0mol/l、注液量を1.0mlとし、2回目の電解液注入工程における電解質塩濃度を1.0mol/l、注液量を
0.6mlとした他は、実施例1と同様にして角形のリチウム二次電池を作製した。
電解液注入口の封止前に充電工程を設けなかった他は、実施例7と同様にして角形のリチウム二次電池を作製した。
実施例1〜9および比較例1のリチウム二次電池について、それぞれ1C相当の電流で、電池電圧が4.2Vになるまで充電した後、それぞれ0.2C相当の電流で3.0Vになるまで放電し、放電容量を求めた。
実施例1〜9および比較例1のリチウム二次電池について、それぞれ1C相当の電流で、電池電圧が4.2Vになるまで充電した後、それぞれ2C相当の電流で3.0Vになるまで放電し、放電容量を求めた。この2Cでの放電容量を、上記の放電容量評価で求めた0.2Cでの放電容量で除して、負荷特性を評価した。
実施例1〜9および比較例1リチウム二次電池について、それぞれ1C相当の電流レートで充電し、続いてそれぞれ1C相当の電流で3.0Vまでの放電を1サイクルとする試験を400サイクル行った。この400サイクル時での放電容量を、1サイクル目での放電容量で除して、容量維持率とした。
実施例1〜9および比較例1のリチウム二次電池について、それぞれ1C相当の電流で、電池電圧が4.2Vになるまで充電した後、電池厚みの測定を行った。
2 負極
3 セパレータ
4 電池缶
5 絶縁体
6 電極積層体
7 正極リード体
8 負極リード体
9 電池蓋
10 絶縁パッキング
11 端子
12 絶縁体
13 リード板
14 電解液注入口
15 防爆ベント
Claims (4)
- リチウム二次電池を製造する方法であって、
上記電池缶と上記電池蓋とから構成された外装体の内部に正極、負極およびセパレータを備えた電極体が装填されている電池前駆体の内部に、電池缶または電池蓋に設けられた電解液注入口から非水電解液を注入する電解液注入工程を有し、
電解液注入工程の後に、電解液注入口を封止する工程を有し、且つ
電解液注入工程後、電解液注入口の封止工程より前に、少なくとも1回の充電工程を有することを特徴とするリチウム二次電池の製造方法。 - 上記電解液注入工程を少なくとも2回有しており、上記充電工程を、最終の電解液注入工程より前に有する請求項1に記載の製造方法。
- 上記充電工程を、少なくとも、初回の電解液注入工程と、2回目の電解液注入工程との間に有する請求項2に記載の製造方法。
- 少なくとも2回の電解液注入工程のうち、初回の電解液注入工程で注入する非水電解液は、それ以外の電解液注入工程で注入する非水電解液よりも、電解質塩濃度が低い請求項2または3に記載のリチウム二次電池の製造方法。
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