JP2004220956A - リチウム二次電池の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】充電時にガスを発生させることなく、安定な性能を有するリチウム二次電池を製造する。
【解決手段】リチウム二次電池の製造方法は、正極活物質層2を正極集電体3に接合して構成された正極1と、負極活物質層5を負極集電体6に接合して構成された負極4とから、電池集電要素を組み立てる工程と、外装12を装着する工程と、正極と負極との間にリチウムイオンを有する電解液8を注入する工程と、電解液を含む電池集電要素を大気圧下で静置する第1次大気圧静置工程と、電解液を含む電池集電要素を大気圧より減圧して保持する工程と、電解液を含む電池集電要素を大気圧下で静置する第2次大気圧静置工程と、正極と負極との間に充電用電源を接続し、電圧を印加してリチウムイオンを負極活物質層に挿入する予備充電工程と、減圧環境下で前記外装の前記入口部を封口する工程とを含む。
【選択図】 図2
【解決手段】リチウム二次電池の製造方法は、正極活物質層2を正極集電体3に接合して構成された正極1と、負極活物質層5を負極集電体6に接合して構成された負極4とから、電池集電要素を組み立てる工程と、外装12を装着する工程と、正極と負極との間にリチウムイオンを有する電解液8を注入する工程と、電解液を含む電池集電要素を大気圧下で静置する第1次大気圧静置工程と、電解液を含む電池集電要素を大気圧より減圧して保持する工程と、電解液を含む電池集電要素を大気圧下で静置する第2次大気圧静置工程と、正極と負極との間に充電用電源を接続し、電圧を印加してリチウムイオンを負極活物質層に挿入する予備充電工程と、減圧環境下で前記外装の前記入口部を封口する工程とを含む。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リチウム二次電池の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
リチウム二次電池は、非水電解液の電池であり、高出力、高エネルギー密度が実現されることが期待されており、その改良が盛んに進められている。このリチウム二次電池は、主要な構成要素として正極、負極及び両電極間に挟まれるイオン伝導層を有する。実用化されているリチウム二次電池においては、正極にはリチウム−コバルト複合酸化物などの活物質粉末を電子導電体粉末とバインダー樹脂とで混合してアルミニウム集電体に塗布して板状にしたものが用いられ、負極には炭素系の活物質粉末をバインダー樹脂と混合し銅集電体に塗布して板状にしたものが用いられている。また、イオン伝導層にはポリエチレンやポリプロピレン等の多孔質フィルムにリチウムイオンを含む非水系の溶媒で満たしたものが使用されている。
【0003】
従来のリチウム二次電池の製造方法では、初期充電において負極と電解液の反応によりガスが発生する。このリチウム二次電池の反応系では、発生したガスを吸収することができないため、密閉された製品内でガスが発生した場合には電池容量や電圧の低下、ばらつき等を生じ、さらには電池の膨張等を生じる。そこで、密閉前にあらかじめガスを発生させておく予備充電工程が行われている。その後減圧封口工程を行って密閉することにより、以降の充放電を円滑に進行させ、電池容量の低下、ばらつき等を抑えている。例えば、リチウム二次電池の製造工程において、予備充電中又は予備充電後に減圧処理した後、電池ケースの開口部を封口している(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−90974号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記予備充電工程時において、電解液が電極活物質内に十分に浸透していない場合があり、負極と電解液が反応しない部分が残存する。この残存する未反応部分がその後の封口工程で封口されてしまう。その結果、検査段階又は電池完成後に、この電解液浸透の不十分な未反応部分から充電時にガスが発生して、電池容量・電池電圧が低下したり、ばらついたり、さらには電池の体積膨張が生じるといった問題点があった。
【0006】
そこで、本発明の目的は、充電時にガスを発生させることなく、安定な性能を有するリチウム二次電池を製造することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るリチウム二次電池の製造方法は、正極活物質層を正極集電体に接合して構成された正極と、前記正極活物質層と対向して設けられた負極活物質層を負極集電体に接合して構成された負極とから、電池集電要素を組み立てる電池集電要素組立て工程と、
前記電池集電要素を収納する外装を装着する外装装着工程と、
前記外装の入口部から前記正極と前記負極との間にリチウムイオンを有する電解液を注入する電解液注入工程と、
前記電解液注入工程の後に、前記電解液を含む前記電池集電要素を大気圧下で静置する第1次大気圧静置工程と、
前記第1次大気圧静置工程の後に、前記電解液を含む電池集電要素を大気圧より減圧して保持する減圧含浸工程と、
前記減圧含浸工程の後に、再度、前記電解液を含む前記電池集電要素を大気圧下で静置する第2次大気圧静置工程と、
前記正極と前記負極との間に充電用電源を接続し、前記正極と前記負極との間に電圧を印加して前記リチウムイオンを前記負極活物質層に挿入する予備充電工程と、
前記予備充電工程の後に、減圧環境下で前記外装の前記入口部を封口する減圧封口工程と
を含む。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係るリチウム二次電池の製造方法について、添付図面を用いて説明する。なお、図面においては実質的に同一の部材には同一の符号を付している。
【0009】
実施の形態1.
本発明の実施の形態1に係るリチウム二次電池の製造方法について説明する。まず、このリチウム二次電池の製造方法によって製造されるリチウム二次電池20の構成について、図1を用いて説明する。図1は、このリチウム二次電池の構成を示す概略断面図である。このリチウム二次電池は、正極活物質層2を正極集電体3に接合して構成された正極1と、正極活物質層2と対向した負極活物質層5を負極集電体6に接合して構成された負極4と、正極1と負極4との間に配置され、リチウムイオンを含む電解液を含浸するセパレータ7と、正極活物質層2と負極活物質層5との間に介在する電解質層8と、上記正極1、負極4、セパレータ7から組立てられている電池集電要素と電解質層8とを収納する外装のアルミラミネートフィルム12とを備えている。
【0010】
正極1の正極活物質層2には、例えば、リチウムとコバルト、ニッケル、またはマンガン等の遷移金属との複合酸化物、カルコゲン化合物、あるいはこれらの複合化合物や各種の添加元素を有するものを用いることができる。
【0011】
負極4の負極活物質層5には、電池動作の主体となるリチウムイオンを吸蔵放出できる物質であれば使用することができる。この負極活物質には、易黒鉛化炭素、難黒鉛化炭素、ポリアセン、ポリアセチレン等の炭素系化合物、ピレン、ペリレン等のアセン構造を含む芳香族炭化水素化合物を用いることが好ましい。また、これらの活物質は粒子状のものが用いられ、粒径としては0.3〜20μmの範囲で使用可能であり、好ましくは0.3〜5μmである。
【0012】
また、活物質を電極板化するために用いられるバインダー樹脂としては電解液に対して溶解せず負極4内部で電気化学反応を起こさないものであればよい。具体的にはフッ化ビニリデン、フッ化エチレンエチレンオキシドなどの単独重合体または共重合体等が使用可能である。
【0013】
集電体3,6には、電池内で安定な金属であれば使用可能である。特に、正極1を構成する正極集電体3にはアルミニウムが好ましく、負極4を構成する負極集電体6には銅が好ましい。
【0014】
また、集電体3,6と活物質層2,5との接着に用いられる接着性樹脂は、電解液に対して溶解せず電池内部で電気化学反応を起こさず、多孔質膜になるものが用いられる。具体的にはフッ化ビニリデン、4−フッ化エチレンなどのフッ素分子を分子構造内に有する重合体、あるいはポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリエチレン等との混合物を使用できる。
【0015】
また、セパレータ7は、正極1と負極4との間を離間させ、短絡を防止することができるものであれば用いることができる。特に、リチウムイオンを通過させる電子絶縁性の多孔質膜、網、不織布、を用いることができる。また、充分な強度を有するものが好ましい。さらに、その材質は特に限定しないが、接着性及び安全性の観点からポリエチレン、ポリプロピレンが望ましい。
【0016】
また、イオン伝導体である電解質層8を構成する、溶剤及び電解質塩としては、従来の電池に使用されている非水系の溶剤及びリチウムを含有する電解質塩を使用できる。具体的にはジメトキシエタン、ジエトキシエタン、ジエチルエーテル、ジメチルエーテルなどのエーテル系溶剤、炭酸プロピレン、炭酸エチレン、炭酸ジエチル、炭酸ジメチル等のエステル系溶剤から選ばれる一種類の溶剤、又は、上記の同一種類の溶剤あるいは異種の溶剤から選ばれる2種あるいは3種の混合液が使用可能である。
【0017】
また、電解液に用いられる電解質塩としては、LiPF6、LiAsF6、LiClO4、LiBF4、LiCF3SO3、LiN(CF3SO2)2、Li(CF3SO2)3等が使用可能である。
【0018】
次に、このリチウム二次電池の製造方法について図2のフローチャートを参照して説明する。この製造方法は以下の過程を含む。
(1)先ず、正極活物質層2を正極集電体3に接合して構成された正極1と、該正極活物質層2と対向して設けられた負極活物質層5を負極集電体6に接合して構成された負極4とから、電池集電要素を組み立てる(S1)。
(2)上記電池集電要素を収納する外装のアルミラミネートフィルム12を装着する(S2)。このとき、正極集電体3に接続した正極端子10は、アルミラミネートフィルム12から露出している。また、負極集電体6に接続した負極端子11もアルミニウムフィルム12から露出している。
(3)次に、外装のアルミラミネートフィルム12の入口部14から、正極1と負極4との間に電解質層8としてリチウムイオンを有する電解液を注入する(S3)。
(4)電解液注入後、正極活物質層2、負極活物質層5、セパレータ7に電解液が均一に浸透するようにするために、大気圧下で静置する(S4)。この過程が第1次大気圧静置過程である。図5は、この第1次大気圧静置工程(S4)の保持時間を0、2、5、10、20分と変化させたときの電極への電解液浸透度を示した図である。なお、この場合、その後の第2次大気圧静置工程(S6)では10分間静置している。また、それぞれ3点づつ測定を行っている。この図5から保持時間が0、2、5分と比較して10分以上になると電極への電解液浸透が向上することがわかる。そこで、この第1次大気圧静置工程(S4)における保持時間としては好ましくは10分間以上、さらに好ましくはほぼ10分間である。また、大気圧下で保持時間を30分より長くすると、電解液の揮発により安定な性能を発揮できる電解液の液量レベルを下回ってしまうので、保持時間を30分以内にする必要がある。
(5)その後、3分間の時間をかけて大気圧から80hPa(60mmHg)まで徐々に減圧した環境下で減圧含浸を行う(S5)。
(6)減圧含浸を行った後、再び大気圧下で静置する(S6)。この過程が第2次大気圧静置過程である。図5は、この第2次大気圧静置工程(S6)の保持時間を0、2、8、10、20分と変化させたときの電極への電解液浸透度を示した図である。なお、この場合、第1次大気圧静置工程(S4)ではいずれも10分間静置している。また、それぞれ3点づつ測定を行っている。この図5から保持時間が0、2、8分と比較して10分以上になると電極への電解液浸透の向上することがわかる。そこで、この第2次大気圧静置工程(S6)における保持時間としては好ましくは10分間以上、さらに好ましくはほぼ10分間である。また、大気圧下で保持時間を30分より長くすると、電解液の揮発により安定な性能を発揮できる電解液の液量レベルを下回ってしまうので、保持時間を30分以内にする必要がある。
(7)その後、正極端子10を予備充電電源(図示せず)のプラスに、負極端子11を予備充電電源のマイナスに接続して予備充電を行う(S7)。この予備充電時の充電電流は正極活物質層2の単位面積当たり1mAの定電流で30分間行われる。電極内に電解液が予め含浸されているので、この予備充電反応は均一に進められ、リチウムイオンが負極活物質層5に円滑に挿入される。なお、予備充電により生じたガスを外部に放出できるようにするために、予備充電は入口部14が開けられたままの状態で行われる。
(8)上記予備充電の終了後に、減圧処理を実施して、上記予備充電により生じたガスを外部に放出した後、減圧状態の環境下で入口部を封口する(S8)。
以上の各工程によってリチウム二次電池20が作製される。
上記予備充電工程(S7)の前段階(S4〜S6)で電極内に電解液を浸透させることにより予備充電反応をスムーズに進行させ、安定した性能を有する電池を製造することができる。
【0019】
次に、上述したようにして製造されたリチウム二次電池の品質検査工程(選別工程)について説明する。この品質検査工程は、次の各工程を含む。
(a)周辺環境の温度25℃で充電電流値1CAの定電流制御により電池電圧が4.2Vとなるまで定電流充電し、引き続いて4.2Vの定電圧制御にして総充電時間が3時間になるまで定電圧充電する。
(b)次に、放電電流値1CAの定電流放電を電池電圧が2.75Vになるまで実行する。
(c)この後、放電容量が設計容量の100±2%以内の範囲に収まっている電池を完成電池とする。なお、この許容範囲は上記2%に限られず、選別する程度に応じて選択できる。
【0020】
ここで、このリチウム二次電池の製造方法の上記予備充電工程(S7)の前における電極内への電解液浸透度の評価について説明する。電解液浸透度は、予備充電工程直後に電池を解体して電極を取り出し、測定された電解液が浸透している部分の面積の電極全体の面積に対する面積割合として評価する。図3は、このリチウム二次電池の製造方法における電解液浸透度と、従来の電池の製造方法における電解液浸透度とを示す図である。なお、ここで従来の電池の製造方法とは、上記図2に示すフローチャートのうち、第1次大気圧静置工程(S4)、減圧含浸工程(S5)、及び第2次大気圧静置工程(S6)を省いたものである。この図3から、上記実施の形態におけるリチウム二次電池の製造方法は、従来の電池の製造方法と比較して、電極内への電解液浸透度が向上していることがわかる。すなわち、第1次大気圧静置工程(S4)、減圧含浸工程(S5)、及び第2次大気圧静置工程(S6)を施すことにより、電解液浸透度に対して効果があることがわかる。
【0021】
実施の形態2.
本発明の実施の形態2に係るリチウム二次電池の製造方法について説明する。このリチウム二次電池の製造方法は、実施の形態1に係る製造方法と比較すると、正極活物質層2と負極活物質層5との間に、液状の電解質層8に代えて、電解液を含浸させた多孔性の接着性樹脂層を用いている点で相違する。この接着性樹脂としては、集電体3,6と活物質層2,5との接着に用いられる接着性樹脂同様、電解液に溶解せず電池内部で電気化学反応を起こさず、多孔質膜になるもの、フッ素系樹脂もしくはフッ素系樹脂を主成分とする混合物を用いることができる。具体的にはフッ化ビニリデン、4−フッ化エチレンなどのフッ素分子を分子構造内に有する重合体、あるいはポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリエチレン等との混合物を使用できる。特にフッ素系樹脂のポリフッ化ビニリデンが適当である。
【0022】
上記電池の製造方法について、実施の形態1と同様の工程処理を行った場合について、電極への電解液浸透度の評価について図4を用いて説明する。図4は、この電池の製造方法における電解液浸透度と、従来の電池の製造方法における電極への電解液浸透度とをそれぞれ示した図である。この電池の製造方法によれば、上記実施の形態1とほぼ同程度の電解液浸透を確保できることがわかる。なお、金属缶を用いないで、正極1、負極4及びセパレータ7の互いの位置を確保することができる。
【0023】
実施の形態3.
本発明の実施の形態3に係るリチウム2次電池の製造方法について説明する。この製造方法では、実施の形態1及び2に係る製造方法と比較すると、予備充電工程(S7)における充電条件について相違する。図7は、予備充電工程(S7)における予備充電条件を変えて製造したリチウム二次電池の放電容量についてそれぞれ示す図である。この予備充電条件としては、正極活物質層2の単位面積当たり0.5mAの定電流で30分間(予備充電方法1)と、正極活物質層2の単位面積当たり0.5mAの定電流で20分間(予備充電方法2)充電した場合である。なお、比較のために実施の形態1及び2の製造方法(予備充電条件:正極活物質層2の単位面積当たり1mAの定電流で30分間)による電池の放電容量も示す。図7から、予備充電工程(S7)において、充電電気量の小さい場合についても、容量選別工程で同等程度の放電容量値を示した。従って予備充電時の電気量を少なくしても規格を満たしたリチウム二次電池を製造することができる。
【0024】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、予備充電工程の前に、第1次大気圧静置工程、減圧含浸工程、第2次大気圧静置工程を行うことによって、電極内へ電解液が十分に浸透する。このため、これまでは電解液の浸透させることが困難である空孔率の小さな多孔質電極を用いた場合でも電池の充放電反応の反応分布を均一にすることができる。その結果、充電を行った場合にもガスを発生することなく、安定した性能を有する電池を製造が可能となる。また、多孔質電極の空孔率を小さくすることにより電極の高エネルギー密度化を図ることができるので、リチウム二次電池を高エネルギー密度化することができる。
【0025】
また、本発明に係るリチウム二次電池の製造方法によれば、電解質層は、正極活物質層および負極活物質層にそれぞれ接着する多孔性の接着性樹脂層であるので、正極と負極とは特別な保持手段を用いることなく保持される。そのため外装としてアルミ缶ではなくアルミラミネートフィルム等の材料を用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係るリチウム二次電池の構造を示す概略断面図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係るリチウム二次電池の製造工程のフローチャートである。
【図3】実施の形態1に係るリチウム二次電池の製造方法における封口前の電解液浸透度を示す図である。
【図4】実施の形態1及び2に係るリチウム二次電池の製造方法における封口前の電解液浸透度を示す図である。
【図5】実施の形態1に係るリチウム二次電池の製造方法における封口前の電解液浸透度についての第1次大気圧静置工程の保持時間依存性を示す図である。
【図6】実施の形態1に係るリチウム二次電池の製造方法における封口前の電解液浸透度についての第2次大気圧静置工程の保持時間依存性を示す図である。
【図7】実施の形態3のリチウム二次電池の容量選別時の放電容量を示す図である。
【符号の説明】
1 正極、2 正極活物質層、3 正極集電体、4 負極、5 負極活物質層、6 負極集電体、7 セパレータ、8 電解質層、9 集電要素、10 正極端子、11 負極端子、12 アルミラミネートフィルム(外装)
【発明の属する技術分野】
本発明は、リチウム二次電池の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
リチウム二次電池は、非水電解液の電池であり、高出力、高エネルギー密度が実現されることが期待されており、その改良が盛んに進められている。このリチウム二次電池は、主要な構成要素として正極、負極及び両電極間に挟まれるイオン伝導層を有する。実用化されているリチウム二次電池においては、正極にはリチウム−コバルト複合酸化物などの活物質粉末を電子導電体粉末とバインダー樹脂とで混合してアルミニウム集電体に塗布して板状にしたものが用いられ、負極には炭素系の活物質粉末をバインダー樹脂と混合し銅集電体に塗布して板状にしたものが用いられている。また、イオン伝導層にはポリエチレンやポリプロピレン等の多孔質フィルムにリチウムイオンを含む非水系の溶媒で満たしたものが使用されている。
【0003】
従来のリチウム二次電池の製造方法では、初期充電において負極と電解液の反応によりガスが発生する。このリチウム二次電池の反応系では、発生したガスを吸収することができないため、密閉された製品内でガスが発生した場合には電池容量や電圧の低下、ばらつき等を生じ、さらには電池の膨張等を生じる。そこで、密閉前にあらかじめガスを発生させておく予備充電工程が行われている。その後減圧封口工程を行って密閉することにより、以降の充放電を円滑に進行させ、電池容量の低下、ばらつき等を抑えている。例えば、リチウム二次電池の製造工程において、予備充電中又は予備充電後に減圧処理した後、電池ケースの開口部を封口している(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−90974号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記予備充電工程時において、電解液が電極活物質内に十分に浸透していない場合があり、負極と電解液が反応しない部分が残存する。この残存する未反応部分がその後の封口工程で封口されてしまう。その結果、検査段階又は電池完成後に、この電解液浸透の不十分な未反応部分から充電時にガスが発生して、電池容量・電池電圧が低下したり、ばらついたり、さらには電池の体積膨張が生じるといった問題点があった。
【0006】
そこで、本発明の目的は、充電時にガスを発生させることなく、安定な性能を有するリチウム二次電池を製造することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るリチウム二次電池の製造方法は、正極活物質層を正極集電体に接合して構成された正極と、前記正極活物質層と対向して設けられた負極活物質層を負極集電体に接合して構成された負極とから、電池集電要素を組み立てる電池集電要素組立て工程と、
前記電池集電要素を収納する外装を装着する外装装着工程と、
前記外装の入口部から前記正極と前記負極との間にリチウムイオンを有する電解液を注入する電解液注入工程と、
前記電解液注入工程の後に、前記電解液を含む前記電池集電要素を大気圧下で静置する第1次大気圧静置工程と、
前記第1次大気圧静置工程の後に、前記電解液を含む電池集電要素を大気圧より減圧して保持する減圧含浸工程と、
前記減圧含浸工程の後に、再度、前記電解液を含む前記電池集電要素を大気圧下で静置する第2次大気圧静置工程と、
前記正極と前記負極との間に充電用電源を接続し、前記正極と前記負極との間に電圧を印加して前記リチウムイオンを前記負極活物質層に挿入する予備充電工程と、
前記予備充電工程の後に、減圧環境下で前記外装の前記入口部を封口する減圧封口工程と
を含む。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係るリチウム二次電池の製造方法について、添付図面を用いて説明する。なお、図面においては実質的に同一の部材には同一の符号を付している。
【0009】
実施の形態1.
本発明の実施の形態1に係るリチウム二次電池の製造方法について説明する。まず、このリチウム二次電池の製造方法によって製造されるリチウム二次電池20の構成について、図1を用いて説明する。図1は、このリチウム二次電池の構成を示す概略断面図である。このリチウム二次電池は、正極活物質層2を正極集電体3に接合して構成された正極1と、正極活物質層2と対向した負極活物質層5を負極集電体6に接合して構成された負極4と、正極1と負極4との間に配置され、リチウムイオンを含む電解液を含浸するセパレータ7と、正極活物質層2と負極活物質層5との間に介在する電解質層8と、上記正極1、負極4、セパレータ7から組立てられている電池集電要素と電解質層8とを収納する外装のアルミラミネートフィルム12とを備えている。
【0010】
正極1の正極活物質層2には、例えば、リチウムとコバルト、ニッケル、またはマンガン等の遷移金属との複合酸化物、カルコゲン化合物、あるいはこれらの複合化合物や各種の添加元素を有するものを用いることができる。
【0011】
負極4の負極活物質層5には、電池動作の主体となるリチウムイオンを吸蔵放出できる物質であれば使用することができる。この負極活物質には、易黒鉛化炭素、難黒鉛化炭素、ポリアセン、ポリアセチレン等の炭素系化合物、ピレン、ペリレン等のアセン構造を含む芳香族炭化水素化合物を用いることが好ましい。また、これらの活物質は粒子状のものが用いられ、粒径としては0.3〜20μmの範囲で使用可能であり、好ましくは0.3〜5μmである。
【0012】
また、活物質を電極板化するために用いられるバインダー樹脂としては電解液に対して溶解せず負極4内部で電気化学反応を起こさないものであればよい。具体的にはフッ化ビニリデン、フッ化エチレンエチレンオキシドなどの単独重合体または共重合体等が使用可能である。
【0013】
集電体3,6には、電池内で安定な金属であれば使用可能である。特に、正極1を構成する正極集電体3にはアルミニウムが好ましく、負極4を構成する負極集電体6には銅が好ましい。
【0014】
また、集電体3,6と活物質層2,5との接着に用いられる接着性樹脂は、電解液に対して溶解せず電池内部で電気化学反応を起こさず、多孔質膜になるものが用いられる。具体的にはフッ化ビニリデン、4−フッ化エチレンなどのフッ素分子を分子構造内に有する重合体、あるいはポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリエチレン等との混合物を使用できる。
【0015】
また、セパレータ7は、正極1と負極4との間を離間させ、短絡を防止することができるものであれば用いることができる。特に、リチウムイオンを通過させる電子絶縁性の多孔質膜、網、不織布、を用いることができる。また、充分な強度を有するものが好ましい。さらに、その材質は特に限定しないが、接着性及び安全性の観点からポリエチレン、ポリプロピレンが望ましい。
【0016】
また、イオン伝導体である電解質層8を構成する、溶剤及び電解質塩としては、従来の電池に使用されている非水系の溶剤及びリチウムを含有する電解質塩を使用できる。具体的にはジメトキシエタン、ジエトキシエタン、ジエチルエーテル、ジメチルエーテルなどのエーテル系溶剤、炭酸プロピレン、炭酸エチレン、炭酸ジエチル、炭酸ジメチル等のエステル系溶剤から選ばれる一種類の溶剤、又は、上記の同一種類の溶剤あるいは異種の溶剤から選ばれる2種あるいは3種の混合液が使用可能である。
【0017】
また、電解液に用いられる電解質塩としては、LiPF6、LiAsF6、LiClO4、LiBF4、LiCF3SO3、LiN(CF3SO2)2、Li(CF3SO2)3等が使用可能である。
【0018】
次に、このリチウム二次電池の製造方法について図2のフローチャートを参照して説明する。この製造方法は以下の過程を含む。
(1)先ず、正極活物質層2を正極集電体3に接合して構成された正極1と、該正極活物質層2と対向して設けられた負極活物質層5を負極集電体6に接合して構成された負極4とから、電池集電要素を組み立てる(S1)。
(2)上記電池集電要素を収納する外装のアルミラミネートフィルム12を装着する(S2)。このとき、正極集電体3に接続した正極端子10は、アルミラミネートフィルム12から露出している。また、負極集電体6に接続した負極端子11もアルミニウムフィルム12から露出している。
(3)次に、外装のアルミラミネートフィルム12の入口部14から、正極1と負極4との間に電解質層8としてリチウムイオンを有する電解液を注入する(S3)。
(4)電解液注入後、正極活物質層2、負極活物質層5、セパレータ7に電解液が均一に浸透するようにするために、大気圧下で静置する(S4)。この過程が第1次大気圧静置過程である。図5は、この第1次大気圧静置工程(S4)の保持時間を0、2、5、10、20分と変化させたときの電極への電解液浸透度を示した図である。なお、この場合、その後の第2次大気圧静置工程(S6)では10分間静置している。また、それぞれ3点づつ測定を行っている。この図5から保持時間が0、2、5分と比較して10分以上になると電極への電解液浸透が向上することがわかる。そこで、この第1次大気圧静置工程(S4)における保持時間としては好ましくは10分間以上、さらに好ましくはほぼ10分間である。また、大気圧下で保持時間を30分より長くすると、電解液の揮発により安定な性能を発揮できる電解液の液量レベルを下回ってしまうので、保持時間を30分以内にする必要がある。
(5)その後、3分間の時間をかけて大気圧から80hPa(60mmHg)まで徐々に減圧した環境下で減圧含浸を行う(S5)。
(6)減圧含浸を行った後、再び大気圧下で静置する(S6)。この過程が第2次大気圧静置過程である。図5は、この第2次大気圧静置工程(S6)の保持時間を0、2、8、10、20分と変化させたときの電極への電解液浸透度を示した図である。なお、この場合、第1次大気圧静置工程(S4)ではいずれも10分間静置している。また、それぞれ3点づつ測定を行っている。この図5から保持時間が0、2、8分と比較して10分以上になると電極への電解液浸透の向上することがわかる。そこで、この第2次大気圧静置工程(S6)における保持時間としては好ましくは10分間以上、さらに好ましくはほぼ10分間である。また、大気圧下で保持時間を30分より長くすると、電解液の揮発により安定な性能を発揮できる電解液の液量レベルを下回ってしまうので、保持時間を30分以内にする必要がある。
(7)その後、正極端子10を予備充電電源(図示せず)のプラスに、負極端子11を予備充電電源のマイナスに接続して予備充電を行う(S7)。この予備充電時の充電電流は正極活物質層2の単位面積当たり1mAの定電流で30分間行われる。電極内に電解液が予め含浸されているので、この予備充電反応は均一に進められ、リチウムイオンが負極活物質層5に円滑に挿入される。なお、予備充電により生じたガスを外部に放出できるようにするために、予備充電は入口部14が開けられたままの状態で行われる。
(8)上記予備充電の終了後に、減圧処理を実施して、上記予備充電により生じたガスを外部に放出した後、減圧状態の環境下で入口部を封口する(S8)。
以上の各工程によってリチウム二次電池20が作製される。
上記予備充電工程(S7)の前段階(S4〜S6)で電極内に電解液を浸透させることにより予備充電反応をスムーズに進行させ、安定した性能を有する電池を製造することができる。
【0019】
次に、上述したようにして製造されたリチウム二次電池の品質検査工程(選別工程)について説明する。この品質検査工程は、次の各工程を含む。
(a)周辺環境の温度25℃で充電電流値1CAの定電流制御により電池電圧が4.2Vとなるまで定電流充電し、引き続いて4.2Vの定電圧制御にして総充電時間が3時間になるまで定電圧充電する。
(b)次に、放電電流値1CAの定電流放電を電池電圧が2.75Vになるまで実行する。
(c)この後、放電容量が設計容量の100±2%以内の範囲に収まっている電池を完成電池とする。なお、この許容範囲は上記2%に限られず、選別する程度に応じて選択できる。
【0020】
ここで、このリチウム二次電池の製造方法の上記予備充電工程(S7)の前における電極内への電解液浸透度の評価について説明する。電解液浸透度は、予備充電工程直後に電池を解体して電極を取り出し、測定された電解液が浸透している部分の面積の電極全体の面積に対する面積割合として評価する。図3は、このリチウム二次電池の製造方法における電解液浸透度と、従来の電池の製造方法における電解液浸透度とを示す図である。なお、ここで従来の電池の製造方法とは、上記図2に示すフローチャートのうち、第1次大気圧静置工程(S4)、減圧含浸工程(S5)、及び第2次大気圧静置工程(S6)を省いたものである。この図3から、上記実施の形態におけるリチウム二次電池の製造方法は、従来の電池の製造方法と比較して、電極内への電解液浸透度が向上していることがわかる。すなわち、第1次大気圧静置工程(S4)、減圧含浸工程(S5)、及び第2次大気圧静置工程(S6)を施すことにより、電解液浸透度に対して効果があることがわかる。
【0021】
実施の形態2.
本発明の実施の形態2に係るリチウム二次電池の製造方法について説明する。このリチウム二次電池の製造方法は、実施の形態1に係る製造方法と比較すると、正極活物質層2と負極活物質層5との間に、液状の電解質層8に代えて、電解液を含浸させた多孔性の接着性樹脂層を用いている点で相違する。この接着性樹脂としては、集電体3,6と活物質層2,5との接着に用いられる接着性樹脂同様、電解液に溶解せず電池内部で電気化学反応を起こさず、多孔質膜になるもの、フッ素系樹脂もしくはフッ素系樹脂を主成分とする混合物を用いることができる。具体的にはフッ化ビニリデン、4−フッ化エチレンなどのフッ素分子を分子構造内に有する重合体、あるいはポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリエチレン等との混合物を使用できる。特にフッ素系樹脂のポリフッ化ビニリデンが適当である。
【0022】
上記電池の製造方法について、実施の形態1と同様の工程処理を行った場合について、電極への電解液浸透度の評価について図4を用いて説明する。図4は、この電池の製造方法における電解液浸透度と、従来の電池の製造方法における電極への電解液浸透度とをそれぞれ示した図である。この電池の製造方法によれば、上記実施の形態1とほぼ同程度の電解液浸透を確保できることがわかる。なお、金属缶を用いないで、正極1、負極4及びセパレータ7の互いの位置を確保することができる。
【0023】
実施の形態3.
本発明の実施の形態3に係るリチウム2次電池の製造方法について説明する。この製造方法では、実施の形態1及び2に係る製造方法と比較すると、予備充電工程(S7)における充電条件について相違する。図7は、予備充電工程(S7)における予備充電条件を変えて製造したリチウム二次電池の放電容量についてそれぞれ示す図である。この予備充電条件としては、正極活物質層2の単位面積当たり0.5mAの定電流で30分間(予備充電方法1)と、正極活物質層2の単位面積当たり0.5mAの定電流で20分間(予備充電方法2)充電した場合である。なお、比較のために実施の形態1及び2の製造方法(予備充電条件:正極活物質層2の単位面積当たり1mAの定電流で30分間)による電池の放電容量も示す。図7から、予備充電工程(S7)において、充電電気量の小さい場合についても、容量選別工程で同等程度の放電容量値を示した。従って予備充電時の電気量を少なくしても規格を満たしたリチウム二次電池を製造することができる。
【0024】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、予備充電工程の前に、第1次大気圧静置工程、減圧含浸工程、第2次大気圧静置工程を行うことによって、電極内へ電解液が十分に浸透する。このため、これまでは電解液の浸透させることが困難である空孔率の小さな多孔質電極を用いた場合でも電池の充放電反応の反応分布を均一にすることができる。その結果、充電を行った場合にもガスを発生することなく、安定した性能を有する電池を製造が可能となる。また、多孔質電極の空孔率を小さくすることにより電極の高エネルギー密度化を図ることができるので、リチウム二次電池を高エネルギー密度化することができる。
【0025】
また、本発明に係るリチウム二次電池の製造方法によれば、電解質層は、正極活物質層および負極活物質層にそれぞれ接着する多孔性の接着性樹脂層であるので、正極と負極とは特別な保持手段を用いることなく保持される。そのため外装としてアルミ缶ではなくアルミラミネートフィルム等の材料を用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係るリチウム二次電池の構造を示す概略断面図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係るリチウム二次電池の製造工程のフローチャートである。
【図3】実施の形態1に係るリチウム二次電池の製造方法における封口前の電解液浸透度を示す図である。
【図4】実施の形態1及び2に係るリチウム二次電池の製造方法における封口前の電解液浸透度を示す図である。
【図5】実施の形態1に係るリチウム二次電池の製造方法における封口前の電解液浸透度についての第1次大気圧静置工程の保持時間依存性を示す図である。
【図6】実施の形態1に係るリチウム二次電池の製造方法における封口前の電解液浸透度についての第2次大気圧静置工程の保持時間依存性を示す図である。
【図7】実施の形態3のリチウム二次電池の容量選別時の放電容量を示す図である。
【符号の説明】
1 正極、2 正極活物質層、3 正極集電体、4 負極、5 負極活物質層、6 負極集電体、7 セパレータ、8 電解質層、9 集電要素、10 正極端子、11 負極端子、12 アルミラミネートフィルム(外装)
Claims (5)
- 正極活物質層を正極集電体に接合して構成された正極と、前記正極活物質層と対向して設けられた負極活物質層を負極集電体に接合して構成された負極とから、電池集電要素を組み立てる電池集電要素組立て工程と、
前記電池集電要素を収納する外装を装着する外装装着工程と、
前記外装の入口部から前記正極と前記負極との間にリチウムイオンを有する電解液を注入する電解液注入工程と、
前記電解液注入工程の後に、前記電解液を含む前記電池集電要素を大気圧下で静置する第1次大気圧静置工程と、
前記第1次大気圧静置工程の後に、前記電解液を含む電池集電要素を大気圧より減圧して保持する減圧含浸工程と、
前記減圧含浸工程の後に、再度、前記電解液を含む前記電池集電要素を大気圧下で静置する第2次大気圧静置工程と、
前記正極と前記負極との間に充電用電源を接続し、前記正極と前記負極との間に電圧を印加して前記リチウムイオンを前記負極活物質層に挿入する予備充電工程と、
前記予備充電工程の後に、減圧環境下で前記外装の前記入口部を封口する減圧封口工程と
を含む、リチウム二次電池の製造方法。 - 前記電解質層は、前記正極活物質層と前記負極活物質層とにそれぞれ接着する多孔性の接着性樹脂層である、請求項1に記載のリチウム二次電池の製造方法。
- 前記第1次大気圧静置工程において、大気圧中で前記電解液を含む前記電池集電要素を静置する時間は10分以上である、請求項1又は2に記載のリチウム二次電池の製造方法。
- 前記第2次大気圧静置工程において、大気圧中で前記電解液を含む前記電池集電要素を静置する時間は10分以上である、請求項1又は2に記載のリチウム二次電池の製造方法。
- 前記減圧封口工程の後に品質検査工程をさらに備え、該品質検査工程は、
(a)前記正極と前記負極との間に充電電源を接続し、一定値の充電電流を流して所定電圧になるまで定電流充電し、引き続いて一定値の充電電圧を印加して所定時間まで定電圧充電する充電工程と、
(b)一定値の電流を放電させ、所定電圧になるまで定電流放電する放電工程と、
(c)前記放電工程における放電容量が所定設計容量の所定範囲内に収まっているか否かを判断する容量判断工程と
を含む、請求項1に記載のリチウム二次電池の製造方法。
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-
2003
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