JP2007287446A - リチウムイオン二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】リチウムイオン二次電池において、負極活物質の初期充放電ロスに起因する正極活物質の容量損失を抑制し、電池全体の容量特性の低下を防止しうる手段を提供する。
【解決手段】充放電でリチウムイオンを放出及び吸蔵できる正極と、充放電でリチウムイオンを吸蔵及び放出できる負極をセパレータ層を介して対向させ、それらの空隙部分に電解質を充填したリチウムイオン二次電池において、前記正極が、リチウムを含む遷移金属複合酸化物で、遷移金属イオンに酸素が4配位した構造の正極活物質を含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池。
【選択図】図5

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池および組電池、並びにこれらを搭載する車両に関する。特に本発明によれば、リチウムイオン二次電池の容量特性のより一層の改善が図られる。
近年、大気汚染や地球温暖化に対処するため、二酸化炭素量の低減が切に望まれている。自動車業界では、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)の導入による二酸化炭素排出量の低減に期待が集まっており、これらの実用化の鍵を握るモータ駆動用二次電池の開発が盛んに行われている。
モータ駆動用二次電池としては、全ての電池の中で最も高い理論エネルギーを有するリチウムイオン二次電池が注目を集めており、現在急速に開発が進められている。リチウムイオン二次電池は、一般に、バインダを用いて正極活物質等を正極集電体の両面に塗布した正極と、バインダを用いて負極活物質等を負極集電体の両面に塗布した負極とが、電解質層を介して接続され、電池ケースに収納される構成を有している。
リチウムイオン二次電池の容量特性および出力特性などの特性の向上には、各活物質層を構成する活物質の選定が極めて重要な意味を持つ。
ここで、従来、リチウムイオン電池の負極活物質の1つの候補として、アモルファスカーボンが知られている(例えば、特許文献1を参照)。特に、アモルファスカーボンの1種であるハードカーボンは、単位質量あたりの電気容量が大きいことに加えて、充放電時の膨張収縮も小さく耐久性にも優れることから、負極活物質の候補として有望である。
特開2001−143666号公報
しかしながら、ハードカーボンなどのアモルファスカーボンを負極活物質として採用すると、不可逆容量が大きく、初期充放電ロスが発生するという問題がある。すなわち、アモルファスカーボンを負極活物質として用いると、本来発揮しうる理論容量に対して一定割合(例えば、20%程度)が充放電に利用できず、ロスとなってしまうのである。かような初期容量ロスが発生する原因は完全に明らかとはなっていないが、充電時に負極活物質中に吸蔵されたリチウムイオンの一部がそのまま内部にトラップされてしまうというメカニズムが推定されている。
ところで、二次電池の正極及び負極の両電極活物質層を構成する正極及び負極の両活物質間で、満充電後の放電時に利用される電気容量は等しい。従って、正極及び負極の両活物質を、理論容量が等しくなる量で用いた場合であっても、負極活物質において上述したような初期充放電ロスが発生すると、満充電後の放電時には、相手方である正極活物質の理論容量が完全に利用されず、負極活物質の初期充放電ロスに対応する分の容量が無駄になってしまう。現在用いられているLiCoO、LiNiO、LiMn等の正極活物質のエネルギー密度は負極活物質(アモルファスカーボン)と比較して小さいことから、正極活物質が消費されてしまい、電池のエネルギー密度が低下するという問題がある。
そこで本発明は、リチウムイオン二次電池において、負極活物質の初期充放電ロスに起因する正極活物質の容量損失を抑制し、電池全体の容量特性の低下を防止しうる手段を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の問題を解決すべく、鋭意研究を行った。その結果、少なくとも、正極活物質の一部として、2つ以上の酸化還元段階を示しうる構造の化合物を使用し、基本性能がよいにもかかわらず、初期充放電ロスが大きい負極活物質と組合せることにしたものである。かかる構成とすることで、少なくともこの初期充放電ロスを大きな充電量でキャンセルでき、上記の問題が改善されうることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、充放電でリチウムイオンを放出及び吸蔵できる正極と、充放電でリチウムイオンを吸蔵及び放出できる負極をセパレータ層を介して対向させ、それらの空隙部分に電解質を充填したリチウムイオン二次電池において、
前記正極が、リチウムを含む遷移金属複合酸化物で、遷移金属イオンに酸素が4配位した構造の正極活物質を含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池である。
本発明のリチウムイオン二次電池によれば、正極活物質として可逆容量は大きくないが、初期充電量が非常に大きな遷移金属イオンに酸素が4配位した構造の遷移金属リチウム複合酸化物を正極に混合することにより、ハードカーボンのような負極活物質の大きな初期容量ロスをキャンセルすることができる。その結果、電池全体の容量特性の低下が効果的に防止され、高エネルギー密度の電池を構成できる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明は、充放電でリチウムイオンを放出及び吸蔵できる正極と、充放電でリチウムイオンを吸蔵及び放出できる負極をセパレータ層を介して対向させ、それらの空隙部分に電解質を充填したリチウムイオン二次電池において、
前記正極が、リチウムを含む遷移金属複合酸化物で、遷移金属イオンに酸素が4配位した構造の正極活物質を含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明するが、本発明の技術的範囲は特許請求の範囲の記載に基づいて定められるべきであり、以下の形態のみには制限されない。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
(第1実施形態)
(構成)
図1は、バイポーラ型リチウムイオン二次電池(以下、「バイポーラ電池」とも称する)である、本実施形態の二次電池の概要を示す断面図である。なお、本明細書においては、バイポーラ電池を例に挙げて詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はかような形態のみに制限されない。
図1に示す本実施形態のバイポーラ電池10は、実際に充放電反応が進行する略矩形の電池要素21が、外装であるラミネートシート29の内部に封止された構造を有する。
図1に示すように、本実施形態のバイポーラ電池10の電池要素21は、集電体11の一方の面に正極活物質層13が形成され他方の面に負極活物質層15が形成された複数のバイポーラ電極を有する。各バイポーラ電極は、電解質層17を介して積層されて電池要素21を形成する。この際、一のバイポーラ電極の正極活物質層13と前記一のバイポーラ電極に隣接する他のバイポーラ電極の負極活物質層15とが電解質層17を介して向き合うように、各バイポーラ電極および電解質層17が積層されている。
隣接する正極活物質層13、電解質層17、および負極活物質層15は、一つの単電池層19を構成する。従って、バイポーラ電池10は、単電池層19が積層されてなる構成を有するともいえる。また、単電池層19の外周には、隣接する集電体11間を絶縁するための絶縁層31が設けられている。なお、電池要素21の最外層に位置する集電体(最外層集電体)(11a、11b)には、片面のみに、正極活物質層13(正極側最外層集電体11a)または負極活物質層15(負極側最外層集電体11b)のいずれか一方が形成されている。
さらに、図1に示すバイポーラ電池10では、正極側最外層集電体11aが延長されて正極タブ25とされ、外装であるラミネートシート29から導出している。一方、負極側最外層集電体11bが延長されて負極タブ27とされ、同様にラミネートシート29から導出している。
以下、本実施形態の特徴的な構成について、詳細に説明する。図2は、遷移金属イオン(Mn+)に酸素アニオンが4配位した構造と、遷移金属イオン(Mn+)に酸素アニオンが6配位した構造を模式的に表した図面である。図3Aは、リチウムを含む遷移金属複合酸化物で、遷移金属イオンに酸素が4配位した構造の正極活物質(以下、遷移金属イオンに酸素が4配位した構造を含む遷移金属リチウム複合酸化物ともいう)であるLiFe(II)Oの結晶構造モデルを表した図面である。図3Bは、リチウムを含む遷移金属複合酸化物で、遷移金属イオンに酸素が6配位した構造の正極活物質であるLiCoO、LiNiOなどの層状構造を持つ結晶構造モデルを表した図面である。図4は、正極がリチウムを含む遷移金属複合酸化物で、遷移金属イオンに酸素が4配位した構造を含む遷移金属リチウム複合酸化物であるLiFe(II)Oの初期充放電曲線を表すグラフである。
本実施形態のバイポーラ電池10は、正極がリチウムを含む遷移金属複合酸化物で、遷移金属イオンに酸素が4配位した構造の正極活物質を含むことを特徴とするものである。
従来のリチウムイオン二次電池の正極活物質材料は、LiCoO、LiNiO、LiMn等すべて、遷移金属イオンに酸素アニオンが6配位したものである(図2、図3B参照)。正極活物質材料の高容量化が求められるが、これらの6配位系では通常の条件での利用できる酸化還元段階は1段に過ぎない。そのため、理論容量(LiMO(M=遷移金属イオン)でも300mAh/g)は超えられない。これを超えるためには、2つ以上の酸化還元段階を示しうる化合物系が期待される。従来とは異なる遷移金属イオンに酸素アニオンが4つ配位した構造の化合物は、例えばLiFeOなど、その組成式内に含まれるリチウム原子数が多いものがあり、2段階以上の酸化還元段階(遷移金属イオンの価数が2つ以上変化する)を持つことが考えられる(図2、図3A参照)。このような化合物は、まだほとんど開発がなされていないが、この系統の化合物を少なくとも正極の一部として使用すれば、ハードカーボンのように基本性能がよいにもかかわらず、初期の充放電ロスが大きい負極と組み合わせることで、少なくともこの初期充放電ロスを、大きな充電量でキャンセルできる。
さらに、自動車用電池でできるだけ高エネルギー密度のものを構成するには、構成した電池の電圧が高くしかも電気容量が大きくなるような正負極の活物質を組み合わせる必要がある。リチウムイオン電池の負極活物質候補の中には電気容量の大きなものがあるが、正極活物質候補は、安全性等の観点から非常に限られ、それらは負極に比べて電気容量が小さい。負極として大きな電気容量があり耐久性のよいハードカーボンなどを用いると、電池構成後初期の充放電時に何らかの原因により使用できなくなる容量があり、これを初期充放電ロスというが、このロスが大きく、このロスにより相手側の正極の容量の一部が電池の充放電容量として寄与できなくなる。ここで、正極活物質材料として現実性の高いLiMnなどは電気容量が相対的に小さいので、このロスは電池のエネルギー密度的にはとり除きたい因子である。さらに電池構成後においても含まれる水分により負極で失われる電気容量分もあるので、電池容量の観点からはできるだけ高容量の正極活物質を使用したいが現実的な条件を満たすLiMnは、元素の部分置換などにより特性を改善すると結果として100mAh/g程度になってしまう。この少ない電気容量を負極の初期充放電ロスで失うのは、電池のエネルギー密度の観点からはぜひとも改善したいことであった。即ち、負極活物質に電気容量の大きなもの(ハードカーボンなど)を用いたリチウムイオン自動車用電池で実際に充放電できる容量は、正極の容量からハードカーボンの初期容量ロス分を除いた分となり、活物質容量の少ない正極の一部が充放電に使用できなくなる。そのため容量密度が小さい正極を大量に消費してしまい電池の容量が低減する。本発明では、これを改善するため、図4に示すように、正極として可逆容量は大きくないが、初期充電量が非常に大きな遷移金属イオンに酸素が4配位した構造からなる遷移金属リチウム複合酸化物を正極に混合することにより、このハードカーボンの大きな初期容量ロスをキャンセルするようにできるので電池を高エネルギー化できる。なお、図4では、遷移金属イオンに酸素が4配位した構造からなる遷移金属リチウム複合酸化物の1種であるLiFeOの初期充放電曲線から、初期充電電気量(1回目充電量)が300mAh/g以上と非常に大きい反面、初期放電電気量は100mAh/g程度であり、可逆容量が大きくないことが分かる。
上記のような構成とすることで、負極活物質に非晶質カーボン(特に、ハードカーボン)などの初期ロス容量の大きい負極活物質を用いた場合であっても、負極における初期充放電ロスに起因する正極活物質の容量ロスがキャンセルされ、電池全体の容量特性の低下が防止されうる。以下、かような特有の効果が得られるメカニズムを図面を参照しながら説明する。
図5〜7は、本発明の効果が得られるメカニズムを説明するための模式図である。図5〜7のいずれも、負極活物質として、非晶質カーボン(特に、ハードカーボン)などの初期ロス容量(例えば、20%程度)の大きい材料を用いた例を示す。また図5は、正極活物質として、遷移金属イオンに酸素が6配位した構造からなる遷移金属リチウム複合酸化物などの遷移金属イオンに酸素が4配位した構造以外の既存の正極活物質材料(既存の正極活物質材料という)と、該既存の正極活物質材料よりも低い電位の遷移金属イオンに酸素が4配位した構造からなる遷移金属リチウム複合酸化物(4配位系遷移金属リチウム複合酸化物という)とを用いた場合を例にとり説明した模式図である。図6は、正極活物質として、既存の正極活物質材料と、該既存の正極活物質材料とほぼ同じ電位の4配位系遷移金属リチウム複合酸化物とを用いた場合を例にとり説明した模式図である。図7は、正極活物質として、既存の正極活物質材料と、該既存の正極活物質材料よりも高い電位の4配位系遷移金属リチウム複合酸化物とを用いた場合を例にとり説明した模式図である。図5〜7の各図は、本実施形態の電池の、充放電の各時点における状態を示す図である。また、縦軸は各活物質の容量密度(dQ/dE)を示し、横軸は電位を示す。さらに、直線Pは正極の電位を示し、直線Nは負極の電位を示す。よって、直線Pと直線Nとの距離は電池電圧を示す。また、斜線部は放電可能な充電容量(可逆容量)を示し、網掛け部は放電不可能な充電容量(不可逆容量)を示す。
図5(a)は、電池作製直後の状態を示す図である。電池作製直後、初期充電前においては、電池電圧は約1V程度である。電池作製直後の充電前において電極に電位が生じ、一定の電池電圧が発生する理由は完全に明らかとはなっていないが、極微量の不純物などが関与しているものと考えられる。図中の符号51のブロックは、電位の高い既存の正極活物質材料の理論容量の大きさを示す。符号52のブロックは、正極の電位の低い4配位系遷移金属リチウム複合酸化物の理論容量の大きさを示す。符号53のブロックは、ハードカーボンなど初期ロス容量の大きい負極活物質材料の理論容量の大きさを示す。
図5(b)は、電位の低い4配位系遷移金属リチウム複合酸化物の初期充電が完了した直後の状態を示す図である。初期充電を開始すると、正極においては、より低い電位にて充放電可能な4配位系遷移金属リチウム複合酸化物からなる正極活物質が先に充電される。この際、負極活物質の充電も進行するが、その一定割合は不可逆容量となっている。
図5(c)は、初期充電が完了した状態(満充電状態)を示す図である。さらに初期充電を続けると、正極においては、より高い充放電電位を有する、既存の正極活物質材料の充電が進行する。一方、負極においても同様に充電が進行する。実際には負極の可逆容量を少し多めにするが、わかりやすくするために模式的に可逆容量が釣り合うようにして示している。他の場合にも同様にして説明する。正負極双方の活物質が完全に充電されると、初期充電は完了する。
図5(d)は、本実施形態の電池における初期放電が完了した状態を示す図である。次に初期充電が完了した電池の初期放電を開始すると、負極においては、可逆容量に対応する分のみの放電が進行し、負極活物質の初期ロス容量に対応する正極側の初期ロス容量対応容量分の放電は行われない。
このように、本実施形態においては、4配位系遷移金属リチウム複合酸化物が、正極活物質層に含まれている。これにより、図5(d)に示すように、負極活物質の初期ロス容量に対応する正極側の初期ロス容量対応容量を4配位系遷移金属リチウム複合酸化物が引き受けることができる。従って、図5(d)示すように、容量密度は比較的小さいが安全性等に優れるため正極活物質のいわば主剤として用いられる既存の正極活物質材料の放電が完全に行われうる。即ち、正極として可逆容量は大きくないが、初期充電量が非常に大きな4配位系遷移金属リチウム複合酸化物を正極に混合することにより、このハードカーボンの大きな初期容量ロスをキャンセルすることができる。そのため、2回目以降の充放電では、図5(d)に示すように、負極活物質にハードカーボンを用いたリチウムイオン電池で実際に充放電できる容量は、正極の容量からハードカーボンの初期容量ロス分を除いた分となるが、活物質容量の少ない既存の正極活物質材料に関しては容量損失することなく、2回以降の充放電に使用できる。即ち、4配位系遷移金属リチウム複合酸化物は容量密度が非常に大きいため、負極活物質の初期ロス容量に対応する正極側の初期ロス容量対応容量を賄うのに、従来の容量密度の小さい既存の正極活物質材料に比してごく少量でよく、既存の正極活物質材料は消費されることなくその後の充放電に使用できるため、電池の容量の低減を大幅に抑え、高エネルギー密度の電池を提供することができる。その結果、自動車用電池などに好適に利用することができる。
なお、本実施形態では、図4に示すような、正極として可逆容量は大きくないが、初期充電量が非常に大きな4配位系遷移金属リチウム複合酸化物を用いた例を示したが、正極として可逆容量も相対的に大きな4配位系遷移金属リチウム複合酸化物を用いることで、電池の容量を図ることができる点で優れている。
また、本実施形態では、既存の正極活物質材料の放電が完全に行われる形態のみに、本発明の技術的範囲が限定されるわけではない。
意図的に負極(活物質層)の容量(理論容量)と正極(活物質層)の容量(理論容量)が異なるように設計することもあり、そうした場合には、より大きな容量とされた電極側では一部未充電状態とされる場合もある。
図5に示すように、4配位系遷移金属リチウム複合酸化物よりも高い既存の正極活物質材料を組み合わせて用いた場合には、後述する図6〜7の場合に比して、電池の反応が使用状態で4配位系遷移金属リチウム複合酸化物の反応性に影響しないため電池の応答性が相対的に単純になるので制御しやすという点で優れている。そのため、自動車用等の用途に有効に利用することができる。
一方、図8は、4配位系遷移金属リチウム複合酸化物を含まない既存の正極活物質材料を用いた従来の電池における初期充放電が完了した状態を示す図である。このように、従来の正極では、負極活物質の初期容量ロス分と同量の容量が、初期ロス容量対応容量として正極活物質側に生じる。既存の正極活物質のエネルギー密度は、アモルファスカーボン(特に、ハードカーボン)などの電気容量の大きな負極活物質と比較して小さいことから、図示するような初期ロス容量対応容量対応容量が既存の容量密度が小さい正極活物質を大量に消費してしまい電池の容量が低減する。
次に、図6に関しても、4配位系遷移金属リチウム複合酸化物の働きは基本的には図5と同様である。
図6(a)は、電池作製直後の状態を示す図である。電池作製直後、初期充電前においては、電池電圧は約1V程度である。図中の符号61のブロックは、既存の正極活物質材料の理論容量の大きさを示す。符号62のブロックは、4配位系遷移金属リチウム複合酸化物の理論容量の大きさを示す。符号63のブロックは、ハードカーボンなど初期ロス容量の大きい負極活物質材料の理論容量の大きさを示す。
図6(b)は、初期充電状態(充電途中)を示す図である。図6(a)の状態から初期充電を開始すると、正極においては、電位が同じであるため、既存の正極活物質材料と4配位系遷移金属リチウム複合酸化物が平行して充電される。この際、負極活物質の充電も進行するが、その一定割合は初期ロス容量成分(図中の網掛け参照)となっている。
図6(c)は、初期充電が完了した状態(満充電状態)を示す図である。図6(b)の状態からさらに初期充電を続けると、正極においては、既存の正極活物質材料と4配位系遷移金属リチウム複合酸化物の充電が進行する。一方、負極においても同様に充電が進行する。正負極双方の活物質が完全に充電されると、初期充電は完了する。
図6(d)は、本実施形態の電池における初期放電が完了した状態を示す図である。図6(c)の初期充電が完了した電池の初期放電を開始すると、負極においては、可逆容量に対応する分のみの放電が進行し、負極活物質の初期ロス容量に対応する正極側の初期ロス容量対応容量分の放電は行われない。
本実施形態においては、4配位系遷移金属リチウム複合酸化物が、正極活物質層に含まれている。そのため、上記図5(d)を用いて説明したと同様に、負極活物質の初期ロス容量に対応する正極側の初期ロス容量対応容量を4配位系遷移金属リチウム複合酸化物が引き受けることができる。従って、図6(d)示すように、容量密度は比較的小さいが安全性等に優れるため正極活物質のいわば主剤として用いられる既存の正極活物質材料の放電が完全に行われうる。即ち、正極として可逆容量は大きくないが、初期充電量が非常に大きな4配位系遷移金属リチウム複合酸化物を正極に混合することにより、このハードカーボンの大きな初期容量ロスをキャンセルすることができる。そのため、2回目以降の充放電では、図6(d)に示すように、負極活物質にハードカーボンを用いたリチウムイオン電池で実際に充放電できる容量は、正極の容量からハードカーボンの初期容量ロス分を除いた分となるが、活物質容量の少ないが安全性の高い既存の正極活物質材料に関しては容量損失することなく、2回以降の充放電に使用できる。
図6に示すように、電位がほぼ同じ4配位系遷移金属リチウム複合酸化物と既存の正極活物質材料を組み合わせて用いた場合には、上述した図5や後述する図7の場合に比して、初期充電時に大きな容量を無理に高電圧にせずに利用できる点で優れている。
次に、図7に関しても、4配位系遷移金属リチウム複合酸化物の働きは基本的には図5と同様である。
図7(a)は、電池作製直後の状態を示す図である。電池作製直後、初期充電前においては、電池電圧は約1V程度である。図中の符号71のブロックは、電位の低い既存の正極活物質材料の理論容量の大きさを示す。符号72のブロックは、正極側の電位の高い4配位系遷移金属リチウム複合酸化物の理論容量の大きさを示す。符号73のブロックは、ハードカーボンなど初期ロス容量の大きい負極活物質材料の理論容量の大きさを示す。
図7(b)は、電位の低い既存の正極活物質材料の初期充電が完了した直後の状態を示す図である。初期充電を開始すると、正極においては、より低い電位にて充放電可能な既存の正極活物質材料が先に充電される。この際、負極活物質の充電も進行するが、その一定割合は初期ロス容量成分となっている。
図7(c)は、初期充電が完了した状態(満充電状態)を示す図である。図7(b)の状態からさらに初期充電を続けると、正極においては、4配位系遷移金属リチウム複合酸化物の充電が進行する。一方、負極においても同様に充電が進行する。正負極双方の活物質が完全に充電されると、初期充電は完了する。
図7(d)は、本実施形態の電池における初期放電が完了した状態を示す図である。図7(c)の初期充電が完了した電池の初期放電を開始すると、負極においては、可逆容量に対応する分のみの放電が進行し、負極活物質の初期ロス容量に対応する正極側の初期ロス容量対応容量分の放電は行われない。
本実施形態においては、4配位系遷移金属リチウム複合酸化物が、正極活物質層に含まれている。そのため、上記図5(d)を用いて説明したと同様に、負極活物質の初期ロス容量に対応する正極側の初期ロス容量対応容量を4配位系遷移金属リチウム複合酸化物が引き受けることができる。従って、図7(d)示すように、容量密度は比較的小さいが安全性等に優れるため正極活物質のいわば主剤として用いられる既存の正極活物質材料の放電が完全に行われうる。即ち、正極として可逆容量は大きくないが、初期充電量が非常に大きな4配位系遷移金属リチウム複合酸化物を正極に混合することにより、このハードカーボンの大きな初期容量ロスをキャンセルすることができる。
図7(e)は、本実施形態の電池における2回目以降の充電が完了した状態を示す図である。2回目以降の充放電では、図7(e)に示すように、負極活物質にハードカーボンを用いたリチウムイオン電池で実際に充放電できる容量は、正極の容量からハードカーボンの初期容量ロス分を除いた分となるが、活物質容量の少ないが安全性の高い既存の正極活物質材料に関しては容量損失することなく、2回以降の充放電に使用できる。即ち、図7(e)に示すように、2回目以降の充電完了状態での電位は、既存の正極活物質材料が満充電状態となるまで行えばよく、これ以上の電位になるまで充電させる必要はない。この点は、先の図5、6と同様である。
以上のように、本実施形態の電池によれば、正極活物質における放電容量の低下や、これに起因する電池全体の容量特性の低下といった問題が解決されうる。なお、上記のメカニズムはあくまでも推測に過ぎず、他のメカニズムにより電池の容量特性の向上が図られていたとしても、本発明の技術的範囲は何ら影響を受けることはない。
以下、本実施形態のバイポーラ電池10を構成する部材について簡単に説明するが、下記の形態のみに制限されることはなく、従来公知の形態が同様に採用されうる。
[集電体(最外層集電体を含む)](図1参照のこと)
集電体11および最外層集電体(11a、11b)は、アルミニウム箔、銅箔、ステンレス(SUS)箔など、導電性の材料から構成される。集電体の一般的な厚さは、1〜30μmである。ただし、この範囲を外れる厚さの集電体を用いてもよい。
集電体11の大きさは、バイポーラ電池10の使用用途に応じて決定される。大型の電池に用いられる大型の電極を作製するのであれば、面積の大きな集電体が用いられる。小型の電極を作製するのであれば、面積の小さな集電体が用いられる。
[正極及び負極活物質層]
正極活物質層及び負極活物質層は、充放電でリチウムイオンを放出及び吸蔵できる正極と、充放電でリチウムイオンを吸蔵及び放出できる負極とからなるものであり、さらにこれらの電極内の空隙部分に電解質が充填されたものである。この正極活物質層及び負極活物質層は、いずれも活物質、電解質を含み、必要に応じてその他の添加剤をさらに含む。
このうち正極活物質層13は、上記したようにリチウムを含む遷移金属複合酸化物で、遷移金属イオンに酸素が4配位した構造のものを含む。かかるリチウムを含む遷移金属複合酸化物で、遷移金属イオンに酸素が4配位した構造のものとしては、特に制限されるものではない。当該4配位系遷移金属複合酸化物は、その構造上、初期充電量が非常に大きなものとなるため、これを正極に混合することにより、このハードカーボンの大きな初期容量ロスをキャンセルするようにできるので電池を高エネルギー化できるためである。
当該4配位系遷移金属複合酸化物における遷移金属としては、特に制限されるものではないが、より原子量の大きい遷移元素では電池のエネルギー密度が低下しすぎることから、第一遷移元素から選ばれてなる1種類以上のものであることが望ましい。より好ましくは、コスト及び環境適合性に優れていることから、鉄である。これにより、環境適合性がよく低コストの高エネルギー密度の電池を構成できる。
当該4配位系遷移金属複合酸化物としては、例えば、Li1−z(A:アルカリ金属あるいはアルカリ土類金属から選ばれるものであり、1≦x+y≦6、MとNは遷移金属で、0≦z<1)や、これらの元素の一部を他の元素で置換したものなどが挙げられる。更に具体的にはLiFeOが挙げられるが、これらに制限されるものではない。
また、本発明では、図5〜7で説明したように、上記4配位系遷移金属複合酸化物以外の正極活物質材料を適宜組み合わせて用いることができる。上記4配位系遷移金属複合酸化物以外の正極活物質材料の具体的な種類は特に制限されず、従来公知の正極活物質が適宜選択されうる。ただし、上記4配位系遷移金属複合酸化物以外の正極活物質材料については、本発明の上記4配位系遷移金属複合酸化物以外の正極活物質の特性に悪影響を及ぼさないものであることが好ましい。
充放電電位および単位質量あたりの電気容量の値(0.1Cでの値)とともに、上記4配位系遷移金属複合酸化物以外の正極活物質材料の一例を挙げると、例えば、スピネル型マンガン酸リチウム(3.9〜4.2V、100mAh/g)、ニッケルコバルト酸リチウム(3.5〜4.2V、170mAh/g)、コバルト酸リチウム(3.9〜4.2V、145mAh/g)、燐酸鉄リチウム(3.4〜3.5V、160mAh/g)、Li(3.2〜3.5V、145mAh/g)、Li1/4MnO(2.9〜3.6V、160mAh/g)などが挙げられる。さらに、これら正極活物質材料の元素一部を他の元素で部分置換するなどして、電池特性を改良してなるものなども利用可能である。本発明の効果を充分に発揮させるためには、電池の信頼性および耐久性という観点からは、スピネル型マンガン酸リチウムが好ましく用いられうる。また、電気容量が大きく安定性にも優れるという観点からは、燐酸鉄リチウムが好ましく用いられうる。これら上記4配位系遷移金属複合酸化物及び4配位系遷移金属複合酸化物以外の正極活物質材料は、いずれも、1種のみの活物質が単独で用いられてもよいし、2種以上の活物質が併用されてもよい。
上記4配位系遷移金属複合酸化物および該4配位系遷移金属複合酸化物以外の正極活物質におけるリチウムの吸蔵放出反応の速度についても特に制限はない。ただし、該4配位系遷移金属複合酸化物以外の正極活物質は、正極活物質の主剤(主要成分)として用いられるため、当該速度は速いほど好ましい。これに対し、上記4配位系遷移金属複合酸化物の役割は初期充放電時に、負極活物質に負極として大きな電気容量があり耐久性のよいハードカーボンなどを用いた場合に、当該ハードカーボンの大きな初期容量ロスをキャンセルすることである。従って、上記4配位系遷移金属複合酸化物のリチウム吸蔵放出速度は、該4配位系遷移金属複合酸化物以外の正極活物質ほど速い必要はない。
負極活物質層15は、負極活物質を含む。負極活物質としては、特に制限されるものではなく、上記のリチウム遷移金属−複合酸化物、リチウム合金、リチウムと合金形成する物質、カーボン(炭素系材料)が挙げられる。このうちカーボンとしては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛等の黒鉛系炭素材料、アモルファスカーボン等が挙げられる。
本発明では、上記負極活物質のなかでも、アモルファスカーボンを含むものが望ましい。ソフトカーボン、ハードカーボンなどのアモルファスカーボンを負極に用いる電池には初期ロスをキャンセルして電池を高容量化するのに適しているためである。これにより、上記正極と組み合わせることで、高エネルギー密度の電池を構成できる。
更に、アモルファスカーボンのなかでも、ハードカーボンが負極活物質として好ましく用いられる。これは、アモルファスカーボンのなかでも、1000℃前後で焼成したハードカーボンは、初期容量ロスも大きいが可逆容量が大きいので、高エネルギー電池を構成するのに適しているためである。これにより、上記正極と組み合わせることで、より高エネルギー密度の電池を構成できる点で優れている。
また本発明では、上記負極活物質のうち、リチウムと合金形成する物質を含むものも好ましく利用することができる。これは、可逆容量が大きいにもかかわらず、前述の初期充放電ロスが大きい負極として用いることができるためである。これによっても、上記正極と組み合わせることで、高エネルギー密度の電池を構成できる。かかるリチウムと合金形成する物質としては、特に制限されるものではなく、例えば、Si、Sn、Ge、Pbなどを用いることができる。
なお、負極活物質としては、1種のみの活物質が単独で用いられてもよいし、2種以上の活物質が併用されてもよい。
上記負極(活物質層)は、初期の充放電電気容量損失(前述の初期充放電ロス)が可逆電気容量の5%以上、好ましくは15〜40%あることが効果的であり望ましい。これは、ハードカーボンのように基本性能がよいにもかかわらず、初期の充放電ロスが大きい負極を上記正極活物質と組み合わせることで、少なくともこの初期充放電ロスを、大きな充電量でキャンセルできる点で優れているためである。こうした初期充放電ロスが可逆電気容量の5%以上ある負極(活物質層)に用いることのできる負極活物質としては、特に制限されるものではないが、上記したアモルファスカーボン(特にハードカーボン)やリチウムと合金形成する物質などが好適に利用可能である。
正極及び負極活物質層13、15に含まれるそれぞれの活物質の平均粒子径は、特に制限されず、従来公知の知見を参照して適宜調節されうる。好ましくは、活物質の平均粒子径は、1〜30μm程度である。ただし、この範囲を外れる粒子径を有する活物質を用いても、勿論よい。
正極及び負極活物質層13、15には、必要であれば、その他の物質が含まれてもよい。例えば、バインダ、導電助剤、電解質(例えば、リチウム塩(支持電解質)、イオン伝導性ポリマー等)が含まれうる。また、イオン伝導性ポリマーが含まれる場合には、前記ポリマーを重合させるための重合開始剤が含まれてもよい。
バインダとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、合成ゴム系バインダ等が挙げられる。
導電助剤とは、正極及び負極活物質層13、15の導電性を向上させるために配合される添加物をいう。導電助剤としては、アセチレンブラック等が挙げられる。
リチウム塩(支持電解質)としては、LiBETI(リチウムビス(パーフルオロエチレンスルホニルイミド);Li(CSON)、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiCFSO等が挙げられる。
イオン伝導性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンオキシド(PEO)系およびポリプロピレンオキシド(PPO)系のポリマーが挙げられる。ここで、前記イオン伝導性ポリマーは、バイポーラ電池10の電解質層17において電解質として用いられるイオン伝導性ポリマーと同じであってもよく、異なっていてもよいが、同じであることが好ましい。
重合開始剤は、イオン伝導性ポリマーの架橋性基に作用して、架橋反応を進行させるために配合される。開始剤として作用させるための外的要因に応じて、光重合開始剤、熱重合開始剤などに分類される。重合開始剤としては、例えば、熱重合開始剤であるアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)や、光重合開始剤であるベンジルジメチルケタール(BDK)等が挙げられる。
正極及び負極活物質層13、15に含まれる各成分の配合比は、特に限定されない。配合比は、リチウムイオン二次電池についての公知の知見を適宜参照することにより、調整されうる。ただし、正極活物質の1種として用いられる上記4配位系遷移金属リチウム複合酸化物の配合量は、当該活物質が引き受けるべき負極活物質の初期充放電ロス容量(不可逆容量)の大きさを考慮して、設定されることが好ましい。
好ましい形態においては、正極活物質層に含まれる上記4配位系遷移金属リチウム複合酸化物の電気容量(理論容量)の、負極活物質の初期充放電ロス容量(不可逆容量)に対する百分率(以下、「初期ロス置換率」とも称する)が、50〜100%となるように、正極活物質層における上記4配位系遷移金属リチウム複合酸化物の配合量を決定すればよい。上記4配位系遷移金属リチウム複合酸化物の配合量が少なすぎると、負極活物質の初期充放電ロス容量を充分にキャンセルすることができず、本発明の効果が充分に得られない虞がある。
[電解質層]
本発明の電解質層17は、正極と負極をセパレータ層を介して対向させ、該セパレータ層の空隙部分に電解質を充填したものである。ただし、本発明では、セパレータ層に、セパレータを用いることなく、固体高分子電解質やゲル電解質により、当該セパレータの機能を代替させてなるものも含むものとする。
上記電解質層17を構成する電解質としては、一般に、液体電解質またはポリマー電解質が挙げられる。本発明においては、好ましくはポリマー電解質が用いられる。ポリマー電解質を用いることにより、電解質などの液漏れが防止され、バイポーラ電池10の安全性が向上しうる。
ポリマー電解質は、イオン伝導性ポリマーから構成され、イオン伝導性を示すのであれば材料は限定されない。優れた機械的強度を発現させることが可能である点で、重合性のイオン伝導性ポリマーが、熱重合、紫外線重合、放射線重合、電子線重合などにより架橋されてなるものが好適に用いられる。かかる架橋ポリマーを用いることで電池の信頼性が向上し、かつ簡易な構成で出力特性に優れたバイポーラ電池10が作製される。
ポリマー電解質としては、真性ポリマー電解質、およびゲルポリマー電解質が挙げられる。
真性ポリマー電解質としては、特に限定されないが、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、およびこれらの共重合体等が挙げられる。かようなポリアルキレンオキシド系高分子には、リチウム塩などの電解質塩がよく溶解しうる。また、これらの高分子は、架橋構造を形成することによって、優れた機械的強度を発現しうる。
また、ゲルポリマー電解質とは、一般的に、イオン伝導性を有する全固体高分子電解質に、電解液を保持させたものをいう。なお、本願では、リチウムイオン伝導性を有しない高分子の骨格中に、同様の電解液を保持させたものも、ゲルポリマー電解質に含まれるものとする。用いられる電解液(電解質塩および可塑剤)の種類は特に制限されない。電解質塩としては、例えば、LiBETI、LiBF、LiPF、LiN(SOCF、LiN(SO等のリチウム塩が例示される。また、可塑剤としては、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネートなどのカーボネート類などが例示される。
電解質層がゲルポリマー電解質を含む場合、電解質層は、ゲルポリマー原料溶液を不織布などのセパレータに含浸させた後、上記の種々の方法を用いて重合することにより形成されたものであってもよい。セパレータを用いることにより、電解液の充填量を高めることができるとともに、電池内部の熱伝導性が確保されうる。
上記セパレータとしては、特に制限されるべきものではなく、従来公知のものを用いることができる。例えば、上記電解質(特に電解液)を吸収保持ないし担持するポリマーからなる多孔性シートセパレータ、不織布セパレータなどを用いることができる。多孔性シートセパレータとしては、例えば、ポリオレフィン系微多孔質セパレータのようなポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、PP/PE/PPの3層構造をした積層体、ポリイミドなどが挙げられる。不織布セパレータの材質としては、例えば、綿、レーヨン、アセテート、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン、ポリイミド、アラミドなど従来公知のものを用いることができる。
[絶縁層]
バイポーラ電池10においては、通常、各単電池層19の周囲に絶縁層31が設けられる。この絶縁層31は、電池内で隣り合う集電体11同士が接触したり、電池要素21における単電池層19の端部の僅かな不揃いなどに起因する短絡が起こったりするのを防止する目的で設けられる。かような絶縁層31の設置により、長期間の信頼性および安全性が確保され、高品質のバイポーラ電池10が提供されうる。
絶縁層31を構成する材料としては、絶縁性、固体電解質の脱落に対するシール性や外部からの水分の透湿に対するシール性(密封性)、電池動作温度下での耐熱性などを有するものであればよく、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリイミド樹脂、ゴムなどが用いられうる。なかでも、耐蝕性、耐薬品性、作り易さ(製膜性)、経済性などの観点から、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂が、絶縁層31の構成材料として好ましく用いられる。
[タブ]
バイポーラ電池10においては、電池外部に電流を取り出す目的で、最外層集電体(11a、11b)に電気的に接続されたタブ(正極タブ25および負極タブ27)が外装であるラミネートシート29の外部に取り出される。具体的には、正極側最外層集電体11aに電気的に接続された正極タブ25と、負極側最外層集電体11bに電気的に接続された負極タブ27とが、外装の外部に取り出される。
タブ(正極タブ25および負極タブ27)を構成する材料は特に制限されず、バイポーラ電池用のタブとして従来用いられている公知の材料が用いられうる。タブの構成材料としては、例えば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、ステンレス鋼(SUS)、これらの合金等が例示される。なお、正極端子25と負極端子27とでは、同一の材質が用いられてもよいし、異なる材質が用いられてもよい。また、本実施形態のように、最外層集電体(11a、11b)を延長することによりタブ(25、27)としてもよいし、別途準備したタブを最外層集電体に接続してもよい。
[外装]
バイポーラ電池10においては、使用時の外部からの衝撃や環境劣化を防止するために、電池要素21は、ラミネートシート29などの外装内に収容されることが好ましい。外装としては特に制限されず、従来公知の外装が用いられうる。自動車の熱源から効率よく熱を伝え、電池内部を迅速に電池動作温度まで加熱しうる点で、好ましくは、熱伝導性に優れた高分子−金属複合ラミネートシート等が用いられうる。
(製造方法)
本実施形態のバイポーラ電池10の製造方法については特に制限はなく、電池の製造分野において従来公知の知見を参照して、製造されうる。以下、本実施形態のバイポーラ電池10の製造方法を、簡単に説明する。
まず、活物質を含むスラリーを集電体に塗布し、乾燥させて、バイポーラ電極を作製する。ここで、正極活物質を含むスラリーを調製する際には、上記の4配位系遷移金属リチウム複合酸化物およびこれら以外のLiCoO、LiNiO、LiMn等の既存の正極活物質を、当該スラリー中に添加する。
次いで、上記で作製したバイポーラ電極と電解質層とを積層して、電池要素を作製する。電解質層の作製方法も特に制限されず、従来公知の手法により作製が可能である。
続いて、得られた電池要素の最外層に、リードが接続されたタブを接合し、当該リードが外部に露出するように、電池要素をラミネートシート中に入れ、真空に封止する。なお、電解質層が電解液を含む場合、すなわち、電解質層が液体電解質またはゲル電解質を含む場合には、ラミネートシートの封止前に、電解液を注液すればよい。
以上の工程により、複数の単電池層を有する本実施形態のバイポーラ電池10が構成する。この段階で電池を完成したものとしてもよいが、本発明では、以下の操作を更に行って電池完成とするのが望ましい。
即ち、本発明の製造方法では、上記により電池10を構成後、更に初期充電あるいは充放電を行ったあと、減圧ガス抜き後減圧下にて密閉シールすることが望ましい。
初期容量ロスが大きい負極と、4配位遷移金属リチウム複合酸化物を含む正極との組み合わせの電池は、電池構成後初期充放電して減圧下ガス脱気してから最終シールをすると、充放電反応がスムーズになる。このことは、初期容量ロスが大きい負極と4配位遷移金属リチウム複合酸化物を含む正極の組み合わせの電池では、初期充電ないし初期充放電時に、何らかの原因で電池内部でガスが発生しやすいためと考えられる。そのため、これにより、高性能の高エネルギー密度の電池を構成できる。
(第2実施形態)
第2実施形態のバイポーラ電池は、上記の第1実施形態と比較して、正極活物質層の構成が異なるのみであり、その他の構成は上記の第1実施形態と同様である。従って、第1実施形態と同一の部材には同一の参照番号を付し、第1実施形態と同様の構成については詳細な説明を省略する。
図9は、本実施形態(第2実施形態)のバイポーラ電池10を構成する単電池層19の1つを拡大した拡大断面図である。
図9に示すように、本実施形態のバイポーラ電池10において正極活物質層13は、2層構造を有する。具体的には、正極活物質層13は、電解質層17側に位置する、主として4配位遷移金属リチウム複合酸化物以外の正極活物質材料で構成される第1正極活物質層(図9に示す13a)と、集電体11側に位置する、主として4配位遷移金属リチウム複合酸化物を含む正極活物質材料で構成される第2正極活物質層13bとからなる。そして、第1正極活物質層13aは、上記の第1実施形態の欄において説明した4配位遷移金属リチウム複合酸化物以外の正極活物質材料を主剤として含み、4配位遷移金属リチウム複合酸化物を含まない。また、第2正極活物質層13bは、4配位遷移金属リチウム複合酸化物を主剤として含み、4配位遷移金属リチウム複合酸化物以外の正極活物質材料を含まない。なお、図9には、正極活物質層13および負極活物質層15がそれぞれ形成される集電体11、並びに単電池層19の周囲に配置される絶縁層31をも示す。
ここで、より高出力条件下において充放電を行う場合、より電解質層17に近い側に存在する活物質は、充放電反応に充分に寄与しうる。これに対し、より電解質層17から遠い側(すなわち、集電体11に近い側)に存在する活物質は、充放電反応に充分に寄与することができない場合がある。これは、電極の電解質層17から遠い側ではイオン輸送が起こりにくくなることによるものと推測される。
本実施形態(第2実施形態)のバイポーラ電池10によれば、高出力条件下での充放電により適した電池が提供されうる。すなわち、本実施形態のバイポーラ電池10の正極活物質層13においては、正極活物質の主剤である、4配位遷移金属リチウム複合酸化物以外の正極活物質材料を含む第1正極活物質層13aが、電解質層17側に配置されている。このため、反応性およびサイクル耐久性に優れる上記正極活物質を第1正極活物質層13aに含ませることで、電池の容量特性の向上のみならず、電池の出力特性の向上も図られる。なお、第2正極活物質層13bに含まれる4配位遷移金属リチウム複合酸化物は、初期の充放電時以降の充放電反応に関与することを意図して添加されているわけではない。このため、電解質層17から遠い側(集電体11に近い側)に配置されていたとしても、電池の出力特性を低下させることはない。また、4配位遷移金属リチウム複合酸化物は、初期の充放電時において、負極活物質の不可逆容量をキャンセルすることができれば充分であり、その目的は、電解質層17から遠い側(集電体11に近い側)に配置されていたとしても、充分に達成されうる。
本実施形態において、正極活物質層13を構成する各層13a、13bの厚さの比は特に制限されず、層13aの4配位遷移金属リチウム複合酸化物以外の正極活物質材料および層13bの4配位遷移金属リチウム複合酸化物のそれぞれの使用量に応じて、適宜調節されうる。
以上、第2実施形態として、正極活物質層13が2層からなる形態を説明したが、場合によっては、正極活物質層13を3層以上の層から構成してもよい。かような形態としては、例えば、活物質として4配位遷移金属リチウム複合酸化物以外の正極活物質材料のみを含む第1正極活物質層と、4配位遷移金属リチウム複合酸化物及びこれ以外の正極活物質材料の双方を含む第2正極活物質層と、4配位遷移金属リチウム複合酸化物のみを含む第3正極活物質層とが、電解質層17側から集電体11側に向かってこの順に積層されてなる形態が例示されうる。
さらに、上記には正極活物質層13が2層ないし多層構造の例を示したが、本実施形態では、正極中の4配位遷移金属リチウム複合酸化物の含有量(濃度)が、電解質層17側から集電体11側に向けて厚さ方向で変化(増加または減少)する(いわば機能傾斜材料の)ようにしてもよい。
(第3実施形態)
第3実施形態では、上記の第1実施形態および/または第2実施形態のバイポーラ電池を複数個、並列および/または直列に接続して、組電池を構成する。
図10は、本実施形態の組電池を示す斜視図である。
図10に示すように、組電池40は、上記の第1実施形態に記載のバイポーラ電池が複数個接続されることにより構成される。各バイポーラ電池10の正極タブ25および負極タブ27がバスバーを用いて接続されることにより、各バイポーラ電池10が接続されている。組電池40の一の側面には、組電池40全体の電極として、電極ターミナル(42、43)が設けられている。
組電池40を構成する複数個のバイポーラ電池10を接続する際の接続方法は特に制限されず、従来公知の手法が適宜採用されうる。例えば、超音波溶接、スポット溶接などの溶接を用いる手法や、リベット、カシメなどを用いて固定する手法が採用されうる。かような接続方法によれば、組電池40の長期信頼性が向上しうる。
本実施形態の組電池40によれば、上記の第1実施形態および/または第2実施形態のバイポーラ電池10を用いて組電池化することで、容量特性に優れる組電池が提供されうる。
なお、組電池40を構成するバイポーラ電池10の接続は、複数個全て並列に接続してもよく、また、複数個全て直列に接続してもよく、さらに、直列接続と並列接続とを組み合わせてもよい。
(第4実施形態)
第4実施形態では、上記の第1実施形態および/または第2実施形態のバイポーラ電池10、および/または第3実施形態の組電池40をモータ駆動用電源として搭載して、車両を構成する。バイポーラ電池10または組電池40をモータ用電源として用いる車両としては、例えば、ガソリンを用いない完全電気自動車、シリーズハイブリッド自動車やパラレルハイブリッド自動車などのハイブリッド自動車、および燃料電池自動車などの、車輪をモータによって駆動する自動車が挙げられる。
参考までに、図11に、組電池40を搭載する自動車50の概略図を示す。自動車50に搭載される組電池40は、上記で説明したような特性を有する。このため、自動車50に組電池40を搭載することで、自動車50の出力特性が向上し、さらには、自動車50のより一層の軽量化および小型化が可能となる。
以上のように、本発明の幾つかの好適な実施形態について示したが、本発明は、以上の実施形態に限られるものではなく、当業者によって種々の変更、省略、および追加が可能である。例えば、以上の説明ではバイポーラ型のリチウムイオン二次電池(バイポーラ電池)を例に挙げて説明したが、本発明の電池の技術的範囲がバイポーラ電池のみに制限されることはなく、例えば、バイポーラ型でないリチウムイオン二次電池であってもよい。
(第5実施形態)
(構成)
図12は、バイポーラでないリチウムイオン二次電池である、本実施形態の二次電池の概要を示す断面図である。
図12に示すように、本実施形態のバイポーラ型でないリチウムイオン二次電池60では、電池の外装であるラミネートシート29に高分子−金属複合ラミネートフィルムを用いて、その周辺部の全部を熱融着にて接合することにより、電池要素(発電要素)21を収納し密封した構成を有している。ここで、電池要素21は、正極集電体33の両面(電池要素21の最下層および最上層用は片面)に、正極活物質層13が形成された正極板、電解質層17、および負極集電体35の両面に負極活物質層15が形成された負極板を複数積層した構成を有している。この際、一の正極板片面の正極活物質層13と前記一の正極板に隣接する一の負極板片面の負極活物質層15とが電解質層17を介して向き合うようにして、正極板、電解質層、負極板の順に複数積層されている。
これにより、隣接する正極活物質層13、電解質層17、および負極活物質層15は、一つの単電池層19を構成する。従って、バイポーラ型でないリチウムイオン二次電池60は、単電池層19が複数積層されることで、電気的に並列接続されてなる構成を有するともいえる。また、単電池層19の外周には、隣接する集電体33、35間を絶縁するための絶縁層(図示せず;図1参照のこと)が設けられていてもよい。なお、電池要素21の両最外層に位置する最外層負極集電体35aには、いずれも片面のみに負極活物質層15が形成されている。なお、図12と正極板と負極板の配置を変えることで、電池要素21の両最外層に最外層負極集電体(図示せず)が位置するようにし、該最外層負極集電体の場合にも片面のみに正極活物質層が形成されているようにしてもよい。
さらに、各電極板の正極集電体33および負極集電体35が延長されて、上記の各電極板(正極板及び負極板)と導通されるように正極タブ25および負極タブ27に超音波溶接や抵抗溶接等により取り付けられ、ラミネートシート29の熱融着部に挟まれている。また正極タブ25および負極タブ27の一部はラミネートシート29から外部に導出される構造を有している。
上記リチウムイオン二次電池を形態・構造で区別した場合には、積層型(扁平型)電池、巻回型(円筒型)電池など、従来公知のいずれの形態・構造にも適用し得るものである。また、リチウムイオン二次電池内の電気的な接続形態(電極構造)で見た場合、上述したバイポーラ型ではない(内部並列接続タイプ)電池およびバイポーラ型(内部直列接続タイプ)電池のいずれにも適用し得るものである。リチウムイオン二次電池内の電解質(層)の種類で区別した場合には、電解質(層)に非水系の電解液等の溶液電解質を用いた溶液電解質型電池、電解質(層)に高分子電解質を用いたポリマー電池(該ポリマー電池は、更に高分子ゲル電解質(単にゲル電解質ともいう)を用いたゲル電解質型電池、高分子固体電解質(単にポリマー電解質ともいう)を用いた固体高分子(全固体)型電池に分けられる)など、従来公知のいずれの電解質(層)にも適用し得るものである。このうち、ポリマー電池、なかでも固体高分子(全固体)型電池は液漏れが生じないので、液絡の問題が無く信頼性が高く、かつ簡易な構成で出力特性に優れた電池を形成することができる点では有利である。また、積層型(扁平型)電池構造を採用することで簡単な熱圧着などのシール技術により長期信頼性を確保でき、コスト面や作業性の点では有利である。
上記した通り、本実施形態のバイポーラ型でないリチウムイオン二次電池60の各構成要件および製造方法に関しては、リチウムイオン二次電池内の電気的な接続形態(電極構造)が異なる以外は第1実施形態のバイポーラ型リチウムイオン二次電池10と同様であり、既に説明した第1実施形態での各構成要件での説明と同様のものを用いて、既に説明した第1実施形態と同様の製造方法を適用して構成することができる。
また、本実施形態のバイポーラ型でないリチウムイオン二次電池60を用いて、上記第2の実施形態のような正極活物質層の構成とすることもできるし、第3実施形態のような組電池や第4実施形態の車両を構成することもできる。さらに、バイポーラ型でないリチウムイオン二次電池60とバイポーラ型リチウムイオン二次電池10とを組み合わせて第3実施形態のような組電池やこれを用いた車両を構成してもよい。
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。
実施例1
負極活物質には、充放電可逆容量が500mAh/gで、初期充放電時の不可逆容量が150mAh/gnで平均粒子径25μmのハードカーボン(表1では、単にHCと略記する)を用いた。
正極活物質には充放電容量が100mAh/gの平均粒子径20μmのスピネルマンガン酸リチウム(LiMn)を用いて、これに酸素アニオンが4配位した遷移金属リチウム複合酸化物として低温型のLiFeO(LT−LiFeO)を用いた。
このLT−LiFeOは、文献(Solid State Ionics, 122 (1999) 59.)の方法に従い合成した、原料としては、LiO、α−Feを用いて、窒素雰囲気下で、900℃にて12時間反応させてから徐冷した。XRDとICPによって同定した。電池活物質とするためボールミルで粉砕した。粉砕後の平均粒子径は約15μmであった。
<正極の作製>
正極の作製は、正極活物質のスピネルマンガン酸リチウムとLT−LiFeOを95:5(質量比)で混合し、この混合正極活物質総質量90質量部に対して、導電助材としてのアセチレンブラックを5質量部、バインダーのPVdFを5質量部の割合で、これに溶媒としてN−メチルー2−ピロリドンを用いて正極スラリーを調製した。この正極スラリーを塗布量を制御しながらコーターにてアルミ箔集電体の両面に塗布して乾燥した。このときの正極活物質層(アルミ箔集電体の片面の正極活物質層)の厚さは、90μmであった。この電極を電極層がある部分が100mm×50mmのサイズになるように切り出してプレスをかけた。
<負極の作製>
次に、ハードカーボン負極の作製は、以下のように行った。
上記ハードカーボン90質量部に対してPVdFバインダー10質量部を混ぜ合わせて、溶媒としてN−メチルー2−ピロリドンを用いてスラリーを調製した。コーターの条件を調節して負極の単位面積当たりの可逆容量が上記の正極のスピネルマンガン酸リチウムの可逆容量が表1に示した値になるようにして厚さ15μmの銅箔集電体の両側に塗布して乾燥した。この電極をプレスしてから、負極活物質層がある部分が105mm×55mmのサイズになるように切り出した。
<試験用セルの作製>
上記で切り出した正極(10枚)及び負極(11枚)を厚さ25μmのポリプロピレンの微孔膜セパレーターを挟んで、10セル分積層して、正極にはアルミニウムのリードを溶接して、負極にはニッケルのリードを溶接して、アルミラミネートフィルムの袋に入れてリードを取り出して、真空乾燥機にて1日真空乾燥して、1M LiPFのPC+DMC(体積比1:1)の電解液を注入して真空パックして電池とした。
この電池を、正極のスピネルマンガン酸リチウムの仕込み量について0.2Cで4.2Vまで定電流−定電圧充電を合計10時間行って、0.2Cにて2.7Vまで放電して、電池の密閉シールを開放後、減圧下ガスガス抜きして、再度減圧下密閉シールして評価用の電池とした。
比較例1
実施例1で混合正極活物質のかわりに、スピネルマンガン酸リチウムのみを用いて、後は実施例1と同様にして評価用の電池を構成した。
実施例2
実施例1で混合正極活物質の組成割合をスピネルマンガン酸リチウムとLT−LiFeOを95:5から90:10(いずれも質量比)に変更した以外は実施例1と同様にして評価用の電池を構成した。
実施例3
実施例1で混合正極活物質の組成割合をスピネルマンガン酸リチウムとLT−LiFeOを95:5から80:20(いずれも質量比)に変更した以外は実施例1と同様にして評価用の電池を構成した。
<電池の評価試験>
上記で作製した電池を、まず初期充放電として正極の理論容量に対して0.2C相当の電流で、定電流充電後、4.2Vの定電圧充電を合計10時間行い、その後0.2Cの放電電流にて2.7Vまで定電流放電を行い、そのときの充放電曲線から電池のエネルギーを算出し、電池質量で除して電池のエネルギー密度を算出した。比較のため、電池のエネルギー密度比は、比較例1の評価用の電池のエネルギー密度を基準にして表1にまとめた。
表1中の4配位正極活物質とは、4配位系遷移金属リチウム複合酸化物をいい、4配位以外の正極活物質とは、4配位系遷移金属リチウム複合酸化物以外の正極活物質材料をいう。また、表1中の負極対正極可逆容量割合(%)は、負極の単位面積当たりの可逆容量が上記の4配位以外の正極活物質であるスピネルマンガン酸リチウム(LiMn)の可逆容量に対する割合(%)である。
表1からわかるように、4配位正極活物質であるLT−LiFeOを正極に混合することで、負極活物質の初期容量ロスを少ない質量で補えるので、電池のエネルギー密度が向上することが確認できた。
バイポーラ電池である、第1実施形態の電池の概要を示す断面図である。 遷移金属イオン(Mn+)に酸素アニオンが4配位した構造と、遷移金属イオン(Mn+)に酸素アニオンが6配位した構造を模式的に表した図面である。 リチウムを含む遷移金属複合酸化物で、遷移金属イオンに酸素が4配位した構造の正極活物質(以下、遷移金属イオンに酸素が4配位した構造を含む遷移金属リチウム複合酸化物ともいう)であるLiFe(II)Oの結晶構造モデルを表した図面である。 リチウムを含む遷移金属複合酸化物で、遷移金属イオンに酸素が6配位した構造の正極活物質であるLiCoO、LiNiOなどの層状構造を持つ結晶構造モデルを表した図面である。 正極がリチウムを含む遷移金属複合酸化物で、遷移金属イオンに酸素が4配位した構造を含む遷移金属リチウム複合酸化物であるLiFe(II)Oの初期充放電曲線を表すグラフである。 本発明の効果が得られるメカニズムを説明するための模式図であって、正極活物質として、既存の正極活物質材料と、該既存の正極活物質材料よりも低い電位の4配位系遷移金属リチウム複合酸化物とを用いた場合を例にとり説明した模式図である。 本発明の効果が得られるメカニズムを説明するための模式図であって、正極活物質として、既存の正極活物質材料と、該既存の正極活物質材料とほぼ同じ電位の4配位系遷移金属リチウム複合酸化物とを用いた場合を例にとり説明した模式図である。 本発明の効果が得られるメカニズムを説明するための模式図であって、正極活物質として、既存の正極活物質材料と、該既存の正極活物質材料よりも高い電位の4配位系遷移金属リチウム複合酸化物とを用いた場合を例にとり説明した模式図である。 第2正極活物質を含まない従来の電池における放電が完了した状態を示す図である。 第2実施形態のバイポーラ電池を構成する単電池層の1つを拡大した拡大断面図である。 第3実施形態の組電池を示す斜視図である。 第3実施形態の組電池を搭載する第4実施形態の自動車の概略図である。 バイポーラ型でないリチウムイオン二次電池の概要を示す断面図である。
符号の説明
10 バイポーラ電池、
11 集電体、
11a 正極側最外層集電体、
11b 負極側最外層集電体、
13 正極活物質層、
13a 第1正極活物質層、
13b 第2正極活物質層、
15 負極活物質層、
17 電解質層、
19 単電池層、
21 電池要素、
25 正極タブ、
27 負極タブ、
29 ラミネートシート、
31 絶縁層、
33 正極集電体、
35 負極集電体、
35a 最外層負極集電体、
40 組電池、
50 自動車、
51 電位の高い既存の正極活物質材料の理論容量の大きさ、
52 電位の低い4配位系遷移金属リチウム複合酸化物の理論容量の大きさ、
53 初期ロス容量の大きい負極活物質材料の理論容量の大きさ、
60 バイポーラ型でないリチウムイオン二次電池、
61 既存の正極活物質材料の理論容量の大きさ、
62 4配位系遷移金属リチウム複合酸化物の理論容量の大きさ、
63 初期ロス容量の大きい負極活物質材料の理論容量の大きさ、
71 電位の低い既存の正極活物質材料の理論容量の大きさ、
72 電位の高い4配位系遷移金属リチウム複合酸化物の理論容量の大きさ、
73 初期ロス容量の大きい負極活物質材料の理論容量の大きさ。

Claims (9)

  1. 充放電でリチウムイオンを放出及び吸蔵できる正極と、充放電でリチウムイオンを吸蔵及び放出できる負極をセパレータ層を介して対向させ、それらの空隙部分に電解質を充填したリチウムイオン二次電池において、
    前記正極が、リチウムを含む遷移金属複合酸化物で、遷移金属イオンに酸素が4配位した構造の正極活物質を含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池。
  2. 前記負極が、初期の充放電電気容量損失が可逆電気容量の5%以上あることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン二次電池。
  3. 前記負極が、負極活物質として主にアモルファスカーボンを含むことを特徴とする請求項1または2に記載のリチウムイオン二次電池。
  4. 前記アモルファスカーボンが、ハードカーボンであることを特徴とする請求項3に記載のリチウムイオン二次電池。
  5. 前記遷移金属が、第一遷移元素から選ばれてなる1種類以上のものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のリチウムイオン電池。
  6. 前記遷移金属が、鉄であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のリチウムイオン電池。
  7. 請求項1〜6に記載のリチウムイオン二次電池の製造方法において、
    初期充電あるいは充放電を行ったあと、減圧ガス抜き後減圧下にて密閉シールすることを特徴とするリチウムイオン二次電池の製造方法。
  8. 請求項1〜6に記載のリチウムイオン二次電池および/または請求項7に記載の製造方法により得られたリチウムイオン二次電池を複数用いて構成されていることを特徴とする組電池。
  9. 請求項1〜7に記載のリチウムイオン二次電池および/または請求項8に記載の組電池を搭載する車両。
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