JP2018185906A - 二次電池の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】水系溶媒を用いて正極を作製する場合においても低抵抗な二次電池を提供する。【解決手段】本発明により、導電助剤とLi5FeO4とをメカノケミカル処理で複合化して、複合粒子を造粒する工程(ステップS1)、正極活物質としてのリチウムマンガン含有複合酸化物と、上記複合粒子と、水系溶媒とを混合して、正極ペーストを調製する工程(ステップS2)、上記正極ペーストを正極集電体上に付与して、正極を作製する工程(ステップS3)、上記正極と、負極と、電解液とを電池ケースに収容して、電池組立体を構築する工程(ステップS4)、上記電池組立体を初期充電処理する工程(ステップS5)、を包含する、二次電池の製造方法が提供される。【選択図】図1

Description

本発明は、二次電池の製造方法に関する。
二次電池の電極は、典型的には、集電体と当該集電体上に固着された活物質層とを備えている。このような電極は、例えば、活物質と他の任意成分(例えば導電助剤や結着剤等)とを溶媒中で混合してペーストを調製し、当該ペーストを集電体上に付与した後、溶媒成分を乾燥除去することによって作製される。ペースト調製時の溶媒としては、かねてより非水系溶媒(有機溶媒、例えばN−メチル−2−ピロリドン)が汎用されているが、近年、コストや環境負荷を低減する観点から、水系溶媒(水を主体とする溶媒、典型的には水)を採用する要望が高まっている。
特開2016−122550号公報 特開2015−088268号公報 特開2014−157653号公報 特開2014−067629号公報
しかしながら、本発明者の検討によれば、水系溶媒を用いて作製された正極は、例えば非水系溶媒を用いて作製された正極に比べて、反応抵抗が高い傾向にある。
一例として、リチウムマンガン含有複合酸化物を正極活物質として使用する場合、当該正極活物質と水系溶媒の水分とが接触すると、正極活物質中のLiと水分中のHとの交換反応が生じる。このことにより、正極活物質の表面にHが吸着される。かかる状態で、例えば加熱乾燥等によって正極ペーストが高温に曝されると、正極活物質の表面のHと共に正極活物質中の酸素が脱離する。その結果、正極活物質が酸素欠損の状態となり、正極活物質中のMnの価数が電荷補償によって4+から3+に低下する。このため、水系溶媒を用いて作製された正極では高抵抗なMn3+の割合が増大して、反応抵抗が上昇してしまう。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、水系溶媒を用いて低抵抗な正極を作製すること、および、当該正極を備えた低抵抗な二次電池を提供することにある。
本発明により、導電助剤とLiFeOとをメカノケミカル処理で複合化して、複合粒子を造粒する工程;正極活物質としてのリチウムマンガン含有複合酸化物と、上記複合粒子と、水系溶媒とを混合して、正極ペーストを調製する工程;上記正極ペーストを正極集電体上に付与して、正極を作製する工程;上記正極と、負極と、電解液とを電池ケースに収容して、電池組立体を構築する工程;上記電池組立体を初期充電処理する工程;を包含する、二次電池の製造方法が提供される。
LiFeOは、充電時に、次の反応:2LiFeO=5LiO+Fe;を生じて、LiOを生成する。正極中にLiFeOを混在させることで、たとえ加熱乾燥等によって正極活物質中のMnの価数が3+に低下したとしても、充電時に、LiOを介して正極活物質へと積極的に酸素を供給することができる。その結果、Mn4+の再生が助長されて、高抵抗なMn3+の存在量を低減することができる。
また、導電助剤とLiFeOとを正極ペーストの調製よりも前に複合化することで、導電助剤の表面に予め親水性基が付与される。このことにより、正極ペースト中で導電助剤の分散性が向上して、導電助剤の凝集体(ダマ)が生じ難くなる。その結果、正極活物質の周囲に導電助剤をムラなく配置して、正極活物質の導電性を効果的に高めることができる。
これらの効果が相俟って、上記製造方法によれば、水系溶媒を用いて正極を作製する場合においても低抵抗な二次電池を実現することができる。
なお、水系溶媒を用いて正極を作製する従来技術としては、例えば特許文献1が挙げられる。特許文献1には、正極活物質としてのリチウムマンガン含有複合酸化物粒子と、導電助剤と、水系溶媒とを混合して正極ペーストを調製する際に、リン酸モノエステル及びリン酸ジエステルの少なくとも一方からなる分散剤を添加する技術が開示されている。
また、特許文献2〜4には、正極にLiFeOを含んだ二次電池が開示されている。しかしながら、これらの技術はいずれもLiFeOを使用する目的、用途、活物質との組合せが本発明とは異なっており、本発明と技術思想の共通性はない。
一実施形態に係る二次電池の製造方法を示すフローチャートである。 一実施形態に係る正極ペーストの調製方法を示すフローチャートである。 参考例に係る正極ペーストの調製方法を示すフローチャートである。 LiFeOの添加割合と反応抵抗比との関係を示すグラフである。
以下、ここで開示される製造方法の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
なお、本明細書において数値範囲をA〜B(ここでA,Bは任意の数値)と記載している場合は、A以上B以下を意味するものである。
図1は、二次電池の製造方法を示すフローチャートである。図2は、正極ペーストの調製方法を示すフローチャートである。本実施形態に係る二次電池の製造方法は、次の5つの工程:(ステップS1)複合粒子の造粒工程;(ステップS2)正極ペーストの調製工程;(ステップS3)正極の作製工程;(ステップS4)電池組立体の構築工程;(ステップS5)初期充電工程;を包含する。以下、各工程について詳細に説明する。
<(ステップS1)複合粒子の造粒工程>
本工程では、まず、導電助剤と、添加剤としてのLiFeOとを用意する。
導電助剤としては、例えば、カーボンブラック(典型的にはアセチレンブラック)、活性炭、黒鉛、炭素繊維等の炭素材料を好適に用いることができる。
LiFeOは、市販品を購入してもよく、従来公知の方法で合成することもできる。LiFeOは、酸化還元電位が4.0V(vs. Li/Li+)付近にあり、充電によって正極の電位が4.0V(vs. Li/Li+)となると、次の反応:2LiFeO=5LiO+Fe;を生じて、LiOを生成する。
本工程では、次に、導電助剤とLiFeOとを、メカノケミカル処理で複合化する。例えば、所定の比率で量りとった導電助剤とLiFeOとを混合装置に投入して、メカノケミカル処理を行う。混合装置としては特に限定されず、例えば、遊星ボールミル、ビーズミル、ジェットミル、ディスパ、プラネタリーミキサー、ホモジナイザー等を好適に用いることができる。なお、ここで「メカノケミカル処理」とは、粉末状の材料に圧縮力、剪断力、摩擦力等の機械的エネルギーを加えることによって、材料同士を物理的(機械的)に結合させる処理をいう。このことにより、導電助剤とLiFeOとが粒状に一体化される。そして、導電助剤の表面には親水性基が付与される。
導電助剤とLiFeOとの混合比率は特に限定されないが、典型的には導電助剤の質量がLiFeOの質量よりも多い。例えば、導電助剤の質量(A)に対するLiFeOの質量(B)の比(B/A)を、概ね0.04〜0.4、好ましくは0.1〜0.14とするとよい。このことにより、導電助剤の表面に親水性基をバランス良く付着させることができる。その結果、正極の抵抗をより良く低減することができる。
以上のように、複合粒子を造粒することができる。
<(ステップS2)正極ペーストの調製工程>
本工程では、まず、正極活物質と、上記ステップS1で造粒した複合粒子と、水系溶媒とを用意する。水系溶媒としては、水または水を主体とする混合溶媒が挙げられる。なかでも、イオン交換水や蒸留水の使用が好ましい。
正極活物質としては、少なくともリチウムマンガン含有複合酸化物を用意する。リチウムマンガン含有複合酸化物としては、例えば、スピネル構造のリチウムマンガン複合酸化物(LiMn)や、リチウムニッケルマンガン複合酸化物(LiNiMn2−x;xは、0<x<2。好ましくは0<x<1。)が好適である。高エネルギー密度の観点からは、金属リチウム基準で4.3V以上、好ましくは4.5V以上の作動電位を有する、所謂、5V級のリチウムマンガン含有複合酸化物が好適である。
正極活物質は、リチウムマンガン含有複合酸化物のみで構成されていてもよいし、リチウムマンガン含有複合酸化物に加えて、従来知られている種類の正極活物質を、例えばリチウムマンガン含有複合酸化物よりも少ない質量で、好ましくは正極活物質全体の10質量%以下の割合で、さらに含んでいてもよい。
正極活物質は、粒子状である。正極活物質の平均粒径(レーザー回折・光散乱法に基づく50体積%粒径(D50粒径))は、典型的には1〜20μm、例えば3〜10μm程度であるとよい。
なお、本工程では、上記した正極活物質と複合粒子と水系溶媒とに加え、必要に応じてさらに任意成分を用意してもよい。任意成分の一例としては、例えば、結着剤(バインダ)、増粘剤、酸消費剤、pH調整剤等が挙げられる。
結着剤としては、例えば、ポリアクリル酸(PAA)、ポリアクリル酸塩、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸塩、ポリメタクリル酸エステル等の、アクリル酸およびメタクリル酸のうちの少なくとも1つに由来する繰り返し単位を含むアクリル系ポリマーを好適に用いることができる。結着剤は、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂や、スチレンブタジエン共重合体等のゴム類であってもよい。増粘剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース類を好適に用いることができる。酸消費剤としては、例えば、リン酸リチウム(LPO)、ピロリン酸リチウム等を好適に用いることができる。pH調整剤としては、例えば、リン酸等の酸性物質を好適に用いることができる。
次に、本実施形態では、図2に示すフローチャートのように上記用意した各種成分を混合する。すなわち、まず、上記ステップS1で造粒された導電助剤とLiFeOとの複合粒子を、正極活物質と粉体のまま乾式混合して、混合粉末を調製する。また、これとは別に、水系溶媒に増粘剤を添加し混合して、均質な液状(ゲル状)に調製する。次に、上記混合粉末に上記液状の増粘剤を添加して、混合する。そこへ結着剤を添加して、さらに混合する。これにより、導電助剤の凝集体(ダマ)が少なく均質な正極ペーストを好適に調製することができる。
正極ペーストの固形分全体(100質量%)に占める正極活物質の割合は、概ね50〜95質量%、例えば80〜90質量%とするとよい。正極ペーストの固形分全体に占める導電助剤の割合は、概ね1〜10質量%、例えば3〜5質量%とするとよい。正極ペーストの固形分全体に占めるLiFeOの割合は、概ね0.1〜2質量%、例えば0.2〜1.5質量%、好ましくは0.5〜0.7質量%とするとよい。LiFeOの割合が所定値以上であると、Mn4+の再生がより良く助長されて、高抵抗なMn3+を一層好適に低減することができる。また、LiFeOの割合が所定値以下であると、LiFeOの分解生成物によって正極ペーストのpHが上昇することが抑制される。その結果、正極集電体が腐食され難くなり、正極の耐久性を向上することができる。また、任意成分として結着剤や増粘剤、酸消費剤等を含む場合、正極ペーストの固形分全体に占める割合は、それぞれ、概ね0.1〜5質量%、例えば1〜3質量%とするとよい。
正極ペーストの固形分率(NV)は特に限定されないが、水系溶媒の乾燥除去性を考慮して、典型的には70質量%以上、例えば70〜85質量%とするとよい。また、正極ペーストのpHは特に限定されないが、集電体の腐食を抑制する観点からは、中性域(例えば7〜11程度)とするとよい。また、正極ペーストの平均粒径は特に限定されないが、凝集が少なく均質な状態を実現する観点からは、概ね正極活物質の平均粒径と同等、典型的には(正極活物質の平均粒径×1.3)以下、例えば(正極活物質の平均粒径×1.25)以下とするとよい。
以上のように、正極ペーストを調製することができる。
<(ステップS3)正極の作製工程>
本工程では、まず、正極集電体を用意する。正極集電体としては、導電性の良好な金属(例えばアルミニウム)からなる導電性部材を好適に用いることができる。
次に、上記ステップS2で調製した正極ペーストを正極集電体上に付与する。なお、正極の作製方法については、従来と同様でよく特に限定されない。例えば、まず、適当な塗布装置を使用して、正極集電体の表面に正極ペーストを付与する。次に、正極ペーストの付着した正極集電体を乾燥処理して、正極ペースト中から水系溶媒を除去する。乾燥処理は、例えば、100℃以上での加熱乾燥や真空乾燥によって行うことができる。
以上のように、正極集電体上に正極活物質層を備えた正極を作製することができる。
<(ステップS4)電池組立体の構築工程>
本工程では、正極と、負極と、電解液とを電池ケースに収容して、電池組立体を構築する。例えば、まず、負極を用意する。負極は、従来と同様でよく特に限定されない。負極は、典型的には、負極集電体と、負極集電体上に固着された負極活物質層とを備えている。負極集電体としては、導電性の良好な金属(例えば銅)からなる導電性材料が好適である。負極活物質層は、負極活物質を含んでいる。負極活物質としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、非晶質コート黒鉛等の炭素材料が好適である。
次に、上記ステップS3で作製した正極と、上記用意した負極とを絶縁した状態で積層し、電極体を作製する。正極と負極との絶縁には、例えば、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等の樹脂製のセパレータを好適に用いることができる。
次に、電解液を用意する。電解液は、従来と同様でよく特に限定されない。電解液は、典型的には支持塩と非水溶媒とを含む非水電解液である。支持塩は、非水溶媒中で解離して電荷担体を生成する。支持塩としては、典型的にはリチウム塩、例えば、LiPF、LiBF等のフッ素化リチウム塩を好適に用いることができる。非水溶媒としては、例えば、非フッ素またはフッ素化のカーボネートを好適に用いることができる。一好適例として、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、モノフルオロエチレンカーボネート(FEC)等の環状カーボネートや、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、メチル−2,2,2−トリフルオロエチルカーボネート(MTFEC)等の鎖状カーボネートが挙げられる。
次に、上記作製した電極体と上記用意した電解液とを電池ケースに収容する。電池ケースの材質としては、比較的軽量な金属(例えば、アルミニウム)が好適である。
これにより、電池組立体を構築することができる。
<(ステップS5)初期充電工程>
本工程では、上記ステップS4で構築した電池組立体を初期充電処理する。例えば、所定の充電レート(例えば0.1〜1C)で、電池組立体を充電する。本工程は、正極の電位(vs. Li/Li+)が、LiFeOの酸化還元電位以上となるまで行うことが好ましい。一好適例では、正極の電位が4.0V(vs. Li/Li+)以上となるまで電池組立体を充電する。他の一好適例では、正負極間の電圧が、概ね4.1V以上、例えば4.3〜5.0Vとなるまで電池組立体を充電する。
なお、充電は1回でもよく、例えば放電を挟んで2回以上繰り返し行うこともできる。また、本工程では、充電状態を保ったまま所定の期間保持(エージング)することもできる。エージングでは、概ね40℃以上、例えば40〜60℃の高温域において、電池組立体を概ね1時間以上、典型的には10〜40時間、例えば20〜30時間保持することが好ましい。
これにより、電池組立体を初期充電処理することができる。
以上のように、本実施形態の製造方法では、ステップS1において、すなわち、正極ペーストの調製(ステップS2)よりも前に、導電助剤とLiFeOとを複合化する。このことにより、導電助剤の表面に親水性基が付与される。すると、正極ペースト中で導電助剤の分散性が向上して、導電助剤の凝集体が生じ難くなる。その結果、例えば別途に分散剤を使用せずとも、正極活物質の周囲に導電助剤がムラなく配置され、正極活物質の導電性が効果的に高められる。
また、本実施形態の製造方法では、ステップS5において、LiFeOからLiOが生成される。このことにより、LiFeO由来の酸素(典型的には酸化物イオンや過酸化物イオン等のイオン形態)が正極活物質に供給され、Mn4+の再生が助長される。その結果、正極活物質中のMn3+の存在量が低減される。
これらの効果が相俟って、ここに開示される製造方法によれば、水系溶媒を用いて正極を作製する場合においても低抵抗な二次電池を実現することができる。
以下、本発明に関する試験例を説明するが、本発明をかかる具体例に示すものに限定することを意図したものではない。
(実施例1〜7)
実施例では、LiFeOの添加量が異なる計7種類の正極ペーストを、図2のフローチャートにしたがって調製した。
すなわち、まず、遊星ボールミルに、導電助剤としてのアセチレンブラック(AB)と、LiFeOとを添加し、直径5mmのジルコニア製のボールを粉砕媒体として、回転速度300rpmで1時間メカノケミカル処理を行った。これにより、複合粒子を得た。
次に、正極活物質としての粉末状のLiNi0.5Mn1.5(スピネル構造のリチウムニッケルマンガン複合酸化物、平均粒径5μm)と、上記複合粒子と、酸消費剤としてのリン酸リチウム(LPO)とを、乳鉢で5分間乾式混合して、混合粉末を調製した。
また別途、イオン交換水に増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)を添加し、ディスパを使用して、回転速度4000rpmで30分間混合することにより、液状に調製した。
次に、上記混合粉末に、最終的な固形分率(NV)が70%以上となるよう上記液状の増粘剤を添加し、ディスパを使用して、回転速度4000rpmで30分間混合した。
そこへ、結着剤としてのポリアクリル酸(PAA:高架橋吸水性樹脂粒子、pH=10.5)を添加し、攪拌棒を用いて5分間さらに混合した。
最後に、リン酸を添加して、ペーストのpHを中性域(7〜11)に調整した。
なお、上記調製した正極ペーストの固形分は、LiFeOを除き、いずれも、質量比で、LiNi0.5Mn1.5:AB:PAA:LPO=90:5:2.2:2.8とした。一方、LiFeOの割合は、正極ペーストの固形分全体を100質量%としたときに、それぞれ、0.2質量%、0.4質量%、0.6質量%、0.8質量%、1.0質量%、1.5質量%、2.0質量%とした。
次に、コンマコータを用いて上記調製した正極ペーストをアルミニウム箔(正極集電体)の表面に塗布した後、140℃で30秒間加熱乾燥することにより、正極を作製した。
また、負極活物質としての天然黒鉛を含む負極(市販品)と、上記作製した正極とを、樹脂製のセパレータを介して積層し、電極体を作製した。また、非水電解液として、環状カーボネートと鎖状カーボネートとを含む混合溶媒中に、リチウム塩としてのLiPFを1mol/Lの濃度となるように溶解させたものを用意した。
そして、上記電極体と上記非水電解液とをラミネート製の電池ケースに収容し、計7種類のリチウムイオン二次電池組立体を構築した。
次に、上記リチウムイオン二次電池組立体に対し、25℃の温度環境下、電圧が0〜4.75Vの間で、充放電レートを0.3Cとして充放電を行った。次いで、上記リチウムイオン二次電池組立体をSOC100%の状態に調整し、60℃で20時間の高温エージングを行った。これにより、リチウムイオン二次電池(実施例1〜7)を作製した。
(参考例1〜7、比較例)
参考例では、LiFeOの添加量が異なる計7種類の正極ペーストを、図3のフローチャートにしたがって調製した。すなわち、導電助剤とLiFeOとを複合化することなく、正極活物質と導電助剤とLiFeOとを一気に乾式混合して、混合粉末を調製したこと以外は上記実施例1〜7と同様に、参考例1〜7の正極ペーストを調製した。そして、上記実施例1〜7と同様に、リチウムイオン二次電池(参考例1〜7)を作製した。
また、あわせて、比較用として、LiFeOを含まないリチウムイオン二次電池(比較例)を作製した。
<正極ペーストの粒度分布測定>
上記調製した正極ペーストのレーザー回折・光散乱法に基づく50体積%粒径(D50粒径)を測定した。結果を表1に示す。
<抵抗測定>
上記作製したリチウムイオン二次電池について、25℃で、交流インピーダンス測定を行った。得られたインピーダンスのナイキストプロットから半円の直径を読み取り、反応抵抗(Ω)とした。
そして、LiFeOを含まない比較例の反応抵抗を基準(1)とし、各例につき、基準に対する相対比(反応抵抗比)を算出した。結果を表1および図4に示す。
Figure 2018185906
表1に示すように、導電助剤とLiFeOとを複合化した実施例1〜7の正極ペーストでは、導電助剤とLiFeOとを複合化しなかった参考例4,6や、LiFeOを含まない比較例の正極ペーストに比べて、相対的に正極ペーストの平均粒径が小さかった。これは、導電助剤とLiFeOとを複合化してから正極ペーストとすることで、導電助剤の凝集が減少した効果と考えられる。
表1および図4に示すように、正極中にLiFeOを含む実施例1〜7および参考例2〜7では、比較例に比べて、相対的に反応抵抗が低減されていた。これは、初期充電時にLiFeO由来の酸素が正極活物質に供給されて、高抵抗なMn3+が低抵抗なMn4+へと回復された効果と考えられる。
また、導電助剤とLiFeOとを複合化した実施例1〜7では、導電助剤とLiFeOとを複合化しなかった参考例1〜7に比べて、相対的に反応抵抗が低減されていた。これは、上記導電助剤の凝集が減少した効果と考えられる。
さらに、本試験例では、正極ペースト中の固形分全体に占めるLiFeOの添加量を0.2〜2.0質量%とすることが好ましく、0.6±1質量%とすることが特に好ましいことが示唆された。
以上、本発明を詳細に説明したが、上記実施形態および実施例は例示にすぎず、ここに開示される発明には上述の具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
S1 複合粒子の造粒工程
S2 正極ペーストの調製工程
S3 正極の作製工程
S4 電池組立体の構築工程
S5 初期充電工程

Claims (1)

  1. 導電助剤とLiFeOとをメカノケミカル処理で複合化して、複合粒子を造粒する工程、
    正極活物質としてのリチウムマンガン含有複合酸化物と、前記複合粒子と、水系溶媒とを混合して、正極ペーストを調製する工程、
    前記正極ペーストを正極集電体上に付与して、正極を作製する工程、
    前記正極と、負極と、電解液とを電池ケースに収容して、電池組立体を構築する工程、
    前記電池組立体を初期充電処理する工程、
    を包含する、二次電池の製造方法。
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