JP2005310588A - バイポーラ電池、バイポーラ電池の製造方法、組電池およびこれらを搭載した車両 - Google Patents

バイポーラ電池、バイポーラ電池の製造方法、組電池およびこれらを搭載した車両 Download PDF

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Abstract

【課題】 電池内部への電解質の材料の注入および/または電池内部からのガスの排気が効果的に実行でき、複数層の単電池層分の封止を同時できるバイポーラ電池を提供する。
【解決手段】 隣接する正極活物質層130、セパレータ層150、および負極活物質層140を含んで構成される単電池層160の周囲を囲むように、隣り合う集電体120の間に配置される絶縁シール部材190を有し、各層の絶縁シール部材190には、各単電池層を収容する空間に連通する封止可能な連通路194が形成される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、バイポーラ電池、バイポーラ電池を複数接続した組電池、および、バイポーラ電池または組電池を搭載した車両に関する。
バイポーラ電池は、他の種類の電池に比較して高い電圧を得やすいこと、堅固な構造のものを製作できること、および小型化しやすいことなど数々の特徴を備えている。
バイポーラ電池は、集電体の一方の面に正極活物質が形成され他方の面に負極活物質が形成された複数のバイポーラ電極を電解質を介して積層させて構成される。この場合、隣接する正極活物質層、電解質、および負極活物質が単電池層として作用する。
電解質には、固体電解質を用いることもできるが、液体電解質またはゲル電解質を含浸させたセパレータ層を用いることもできる。電解質として液体電解質またはゲル電解質を用いる場合、電解質が自由に移動するのでは、バイポーラ電池内で液絡(短絡)が起こってしまう。したがって、短絡を防ぐために、各単電池層ごとに周囲を絶縁シール部材で覆って封止する必要がある(たとえば、特許文献1の図2、段落番号「0012」など参照)。
特開平8−7926号公報
しかしながら、従来は、多層積層バイポーラ電池を現実に構成する上で解決しなければならない以下のような問題があった。
すなわち、積層数が多い場合、単電池層の複数層分を同時に封止することが難しかった。特に、絶縁シール部材としてラミネートフィルムを用い、ラミネートフィルムを熱融着させることによって封止するヒートシール法を用いる場合、積層数が多くなると、金属箔で構成される集電体による熱伝導によって熱が逃げてしまい、熱源から遠い中間層のラミネートフィルムについては十分に熱融着することが難しかった。したがって、単電池層の複数層分を同時に封止することが難しかった。
また、従来のバイポーラ電池の構成では、単電池単位で周囲を絶縁シール部材で覆ってしまうため、複数層のバイポーラ電極を積層してバイポーラ電池を組み立てた後に、電解質を電池内へ注入してセパレータ層に含浸させることが難しかった。
さらに、バイポーラ電池の種類によっては、バイポーラ電池を組み立てた後に初期の充電を行うと、電池内部で反応が起こり、多くの水素等のガスが発生する。このような水素等のガスを電池内部に放置すると、電池が膨らみ、または電池内圧が上昇して、積層構造に影響を与え、電池特性低下を引き起こすおそれがある。しかしながら、従来のバイポーラ電池の構成では、単電池単位で周囲を絶縁シール部材で覆ってしまうため、初期の充電の際に発生した水素等のガスを排気することが難しかった。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものである。したがって、本発明の目的は、多層積層バイポーラ電池を実現するための現実的な構造および製造方法を提供することである。特に、複数層のバイポーラ電極を積層し、各層の単電池の周囲を囲むように絶縁シール部材で封止する際に、複数層の単電池層分の封止を同時に行うことが可能な構造を持ったバイポーラ電池およびその製造方法を提供することである。
また、本発明の他の目的は、電池内部への電解質の材料の注入を効果的に実行可能な構造を持ったバイポーラ電池およびその製造方法を提供することである。
さらに、本発明のさらに他の目的は、初期の充電の際に発生したガスの排気を効果的に実行可能な構造を持ったバイポーラ電池およびその製造方法を提供することである。
さらに、本発明の他の目的は、これらのバイポーラ電池を用いて長期信頼性を高めた組電池、およびバイポーラ電池または組電池を搭載した車両を提供することである。
(1)本発明のバイポーラ電池は、集電体の一方の面に正極活物質層が形成され他方の面に負極活物質層が形成された複数のバイポーラ電極と、電解質を保持可能な複数のセパレータ層とを、正極活物質層と負極活物質層とがセパレータ層を介して向き合うように積層してなるバイポーラ電池であって、隣接する前記正極活物質層、前記セパレータ層、および前記負極活物質層を含んで構成される単電池層の周囲を囲むように、隣り合う前記集電体の間に配置される絶縁シール部材を有し、各層の絶縁シール部材には、各単電池層を収容する空間に連通する封止可能な連通路が形成されることを特徴とする。
(2)本発明のバイポーラ電池の製造方法は、集電体の一方の面に正極活物質層を設け他方の面に負極活物質層を設けてバイポーラ電極を複数形成する工程と、電解質を保持可能なセパレータ層を一のバイポーラ電極に重ねる工程と、前記セパレータ層が正極活物質層および負極活物質層間に挟まれるような向きで、他のバイポーラ電極を前記セパレータ層上に積層する工程と、隣接する前記正極活物質層、前記セパレータ層、および前記負極活物質層を含んで構成される単電池層を収容する空間に連通する少なくとも一つの連通路を残しつつ、隣り合う前記集電体の間の前記単電池層の周囲を絶縁シール部材で囲む工程と、前記連通路を通じて電解質の材料を注入し、前記セパレータ層に含浸させる工程と、前記電解質の材料を注入した後に前記連通路を封止する第1封止工程と、を有することを特徴とする。
(3)本発明の組電池は、上記(1)のバイポーラ電池、または、上記(2)の製造方法により製造されたバイポーラ電池を複数個接続してなる。
(4)本発明の車両は、上記(1)のバイポーラ電池、上記(2)の製造方法により製造されたバイポーラ電池、あるいは上記(3)の組電池を駆動用電源として搭載してなる。
本発明のバイポーラ電池によれば、集電体の間に配置される絶縁シール部材に、単電池層を収容する空間に連通する封止可能な連通路が形成されているので、多層積層バイポーラ電池を構成するための現実的な構造を提供することができる。すなわち、連通路を通じて、電池内部への電解質の材料の注入および/または電池内部からのガスの排気が効果的に実行できる。また、異なる層の絶縁シール部材において連通路の形成部分が、互いに階段状に位置がずれて設置されることによって、複数層の単電池層分の連通路を同時に封止することができる。
本発明のバイポーラ電池の製造方法によれば、単電池層を収容する空間に連通する少なくとも一つの連通路を残しつつ、隣り合う前記集電体の間の前記単電池層の周囲を絶縁シール部材で囲み、連通路を通じて電解質の材料を注入し、セパレータ層に含浸させ、電解質の材料を注入した後に連通路を封止するので、高性能な多層積層バイポーラ電池を構成するための現実的な製造方法を提供することができる。
本発明の組電池によれば、バイポーラ電池を複数接続することによって、高容量、高出力と得ることができ、しかも一つひとつのバイポーラ電池の信頼性が高いため、組電池としての長期的信頼性を向上させることができる。
本発明の車両によれば、上述したバイポーラ電池や組電池を車両用電源として用いることによって、車両の信頼性を高め高性能化が可能となる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、以下の図面では、説明の明確のために各構成要素を誇張して表現している。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態のバイポーラ電池は、隣接する正極活物質層、セパレータ層、および負極活物質層を含んで構成される単電池層の周囲を囲むように、隣り合う前記集電体の間に配置される絶縁シール部材を有する。各層の絶縁シール部材には、一つの連通路が形成される。各層の絶縁シール部材において連通路が形成される部分(連通路形成部分)は、互いに階段状に位置がずれて配置される。この連通路が形成される部分が最終的に熱融着、すなわちヒートシールされるので、本実施形態のバイポーラ電池は、最終的にシールされる部分を階段状に形成したバイポーラ電池であるといえる。以下、図面を参照しつつ、本実施形態のバイポーラ電池について説明する。
図1は、本実施の形態のバイポーラ電池の平面図を示しており、図2は、図1の2A−2A線および2B−2B線に沿った断面図を示している。
図1に示されるバイポーラ電池100は、略長方形状をしている。バイポーラ電池100は、側方に延びた正極端子板110aおよび負極端子板110bを有する。これら正極端子板110aおよび負極端子板110bは、それぞれ、バイポーラ電池100の最外層の集電体と接触している。
図2(B)に示されるとおり、バイポーラ電池100は、集電体120の一方の面に正極活物質層130が形成され他方の面に負極活物質層140が形成された複数のバイポーラ電極を有する。各バイポーラ電極は、セパレータ層150を介して積層されている。このとき、隣り合うバイポーラ電極の正極活物質層130と負極活物質酢層140とがセパレータ層150を介して向き合う向きに、各バイポーラ電極が積層されている。
そして、隣接する正極活物質層130、セパレータ層150、および負極活物質層140は、一つの単電池層160を構成する。したがって、バイポーラ電池100は、単電池層160が複数積層された構造を持つ。なお、両端部にある集電体(端部集電体170と称する)では、正極活物質層130または負極活物質層140のどちらか一方のみが片面に形成されている。これら端部集電体170は、上述の正極端子板110aおよび負極端子板110bと接続される。
〔集電体〕
集電体は、バイポーラ電池のためにはエネルギー密度、出力密度を高くするたに薄層状のものが適している。機能的には電子的に電導性であり、イオン的には絶縁性である必要があり、更に正極側では、使用電位範囲で化学的に安定であり、負極側ではリチウムとの合金化が事実上起こらないことが必要である。これらの条件を満たせば、単一材料であっても複合系材料でもよいが、使用する電極材料により、つまり使用する電位範囲により使用できる材料系が変わってくる。4V系の電池を構成するには、正極側には耐酸化性が良いアルミニウム、ステンレス、チタン等がよく、負極側は銅、ニッケル、ステンレス(SUS)、鉄等が挙げられる。また、複合系材料としては前記の条件をそれぞれが満たすものを積層した構造もの、その例としては、2種の箔を張り合わせたクラッド材、片方の材料の上に蒸着、スパッタ、メッキや塗布などにより他方の材料を配置してものが挙げられる。また、中心の層の両側に上記の正極側層、負極側層を設けた多層構造でもよい。
〔正極活物質層〕
正極は、正極活物質を含む。この他にも、イオン伝導性を高めるために電解質、リチウム塩などが含まれ得る。また、電子伝導性を高めるために導電助材、スラリー粘度の調整溶媒としてNMP(N−メチル−2−ピロリドン)、重合開始材としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)などが含まれ得る。特に、正極または負極の少なくとも一方に電解質が含まれていることが望ましい。
上記正極活物質としては、溶液系のリチウムイオン電池でも使用される、遷移金属とリチウムとの複合酸化物を使用できる。具体的には、LiCoOなどのLi・Co系複合酸化物、LiNiOなどのLi・Ni系複合酸化物、スピネルLiMnなどのLi・Mn系複合酸化物、LiFeOなどのLi・Fe系複合酸化物などが挙げられる。この他、LiFePOなどの遷移金属とリチウムのリン酸化合物や硫酸化合物;V、MnO、TiS、MoS、MoOなどの遷移金属酸化物や硫化物;PbO、AgO、NiOOHなどが挙げられる。
[負極活物質層]
負極は、負極活物質を含む。この他にも、イオン伝導性を高めるために電解質、リチウム塩や導電助材などが含まれ得る。負極活物質の種類以外は、基本的に「正極活物質層」の項で記載した内容と同様であるため、ここでは説明を省略する。
負極活物質としては、溶液系のリチウムイオン電池でも使用される負極活物質を用いることができる。たとえば、金属酸化物、リチウム−金属複合酸化物金属、カーボンなどが好ましい。より好ましくは、カーボン、遷移金属酸化物、リチウム−遷移金属複合酸化物である。さらに好ましくは、チタン酸化物、リチウム−チタン複合酸化物、カーボンである。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
〔セパレータ層〕
セパレータ層150は、液体電解質またはゲル電解質を保持可能なポリマー骨格などの材料で形成される。セパレータ層150は、繊維を絡み合わせた不織布または繊維で形成されることが望ましい。たとえば、セパレータ層150は、厚さ50μm程度のポリプロピレンの不織布で形成される。好ましくは、セパレータ層150には、高分子ゲル電解質を保持されることが望ましい。高分子ゲル電解質を用いることによって、バイポーラ電池からの液漏れを減じることができ、より簡単な方法により高性能の多層積層バイポーラ電池を構成することができる。
ここで、高分子ゲル電解質に含まれる電解液(電解質塩および可塑剤)としては、通常リチウムイオン電池で用いられるものであればよく、たとえば、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiTaF、LiAlCl、Li10Cl10等の無機酸陰イオン塩、LiCFSO、Li(CFSON、Li(CSON等の有機酸陰イオン塩の中から選ばれる、少なくとも1種類のリチウム塩(電解質塩)を含み、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート等の環状カーボネート類;ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート等の鎖状カーボネート類;テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン等のエーテル類;γ−ブチロラクトン等のラクトン類;アセトニトリル等のニトリル類;プロピオン酸メチル等のエステル類;ジメチルホルムアミド等のアミド類;酢酸メチル、蟻酸メチルの中から選ばれる少なくともから1種類または2種以上を混合した、非プロトン性溶媒等の有機溶媒(可塑剤)を用いたものなどが使用できる。ただし、これらに限られるわけではない。
本実施の形態では、セパレータ層150に電解質が含浸されていない状態で複数のバイポーラ電極を積層してなるバイポーラ電池構造体が作られ、その後に、各々の単電池層160にゲル電解質の材料を注入し、さらにゲル化することによって、最終的なバイポーラ電池100が構成されることが望ましい。
〔絶縁シール部材〕
次に、本実施の形態の特徴的な構成の一つである絶縁シール部材190について説明する。このバイポーラ電池100では、単電池層160からの液漏れを防止するために、一つの単電池層160の周囲を取り囲むように、隣り合う集電体120の間に絶縁シール部材190が設けられている。なお、好ましくは、絶縁シール部材190の一部は、図1に示されるとおり、バイポーラ電池100において集電体120の端縁を越えて外側に向かって引き出されて、余剰部分191を形成する。
各層の絶縁シール部材190は、図2(B)に示されるとおり、隣り合う集電体120の間に配置された一対のラミネートフィルム192,193から構成される。一対のラミネートフィルム192,193は、一部の未シール部分(熱融着されていない状態の部分)を除いて、相互にヒートシール、すなわち熱融着されている。熱融着されていない未シール部分は、単電池層160を収容している空間に連通する連通路194として機能する。この連通路194は、一端が単電池層160を収容する空間につながり、他端が上記の余剰部分191を経由して電池外部へとつながっている。
なお、絶縁シール部材190、すなわちラミネートフィルム192,193としては、金属箔などで構成される集電体120との接着性のよい樹脂フィルムを用いることできる。たとえば、変性ポリプロピレンまたは変性ポリエチレンなどの樹脂フィルムを用いることができる。また、変性ポリプロピレンや変性ポリエチレンからなる第1樹脂フィルムおよび第2樹脂フィルムの間に融点の高いポリエチレン・テレフタレート(PET)を挟んで構成された多層樹脂フィルムを用いることもできる。
本実施の形態では、図1および図2(A)に示されるとおり、上の層になるにつれて、連通路194が形成される位置が図中のX方向に変化している。一方、各層の連通路194の端部における連通路長手方向(図中Y方向)の位置は、揃っている。
また、最下層を除く各層の絶縁シール部材190および集電体120,170は、図1および図2(A)に示されるとおり、切り欠き部195を有している。具体的には、ある層の絶縁シール部材190および集電体120は、その下の層の絶縁シール部材190に形成された連通路194の上を覆わないように一部に切り欠き部195が設けられている。ここで、上述したとおり連通路194のX方向に沿う位置が各層間で異なるのに対応して、各層の切り欠き部195の大きさ(X方向に沿う長さ)も各層間で異なっている。
以上のように、絶縁シール部材190および集電体120に切り欠き部195が設けられるともに、連通路194の位置が各層間で異なっているので、各層の絶縁シール部材190において、連通路193が形成されている部分(以下「連通路形成部分」と称する)は、互いに階段状に位置がずれて設置されることとなる。したがって、各層の絶縁シール部材190における連通路194の上方が他層の絶縁シール部材によって覆い被されることが防止される。
次に、本実施の形態のバイポーラ電池の作用について説明する。
一般的なバイポーラ電池の作用については、従来のバイポーラ電池の作用と同様であるので説明を省略し、主として、連通路194の作用、および各層の絶縁シール部材190の連通路形成部分が互いに階段状に位置がずれて設置されている作用について説明する。
連通路194は、大別して2つの役割を有する。まず、連通路194は、電解質の材料を単電池層160に注入(注液)する際の電解質注入通路として用いられる。連通路193を通じて注入された電解質の材料は、セパレータ150に含浸される。
また、連通路194は、初期の充電または充放電の際に単電池層160で発生した水素等のガスを排気するためのガス排気通路としても使用可能である。具体的には、リチウムイオン二次電池の場合、バイポーラ電池を組み立てた後に最初の充放電を行うと、電池内部で反応が起こり、多くの水素等のガスが発生する。したがって、連通路194は、水素等のガスを排気するためのガス排気通路として使用される。
連通路194は、電解質の材料の注入および/またはガスの排気の後に、ヒートシール、すなわち熱融着によって封止される。好ましくは、電解質の材料の注入後に一時的に連通路194を熱融着により封止(連通路194の第1封止)した上で初期の充放電を実行し、その後、連通路194のいずれかの部分を開口してガスの排気を行った上で、最終的に連通路194が封止(連通路194の第2封止)される。
この場合、連通路194の第1封止と第2封止とは、連通路194の一端分から他端部へ至る領域のうちで、それぞれ異なる部分で行われることが望ましい。具体的には、上記の余剰部分191で、第1封止工程が実行され、絶縁シール部材190と集電体120とが重なっている部分で、第2封止工程、すなわち最終的な封止が実行されることが望ましい。
このように、絶縁シール部材190を設けることによって、隣り合うバイポーラ電極間の電子的絶縁と、隣り合う電解質層間のイオン的絶縁が可能となり、多層積層バイポーラ電池を構成することができる。また、絶縁シール部材190には、熱融着などによって封止可能な連通路194が設けられているので、電解質として液体あるいはゲル状電解質を使用する場合に、それぞれの単電池層(セル)160に電解質の材料を注入することができる。さらに場合によっては、初期充電後、ガス排気が必要になる場合にも、連通路194を介して排気することができる。
次に、本発明のバイポーラ電池100の製造手順について説明する。
本発明のバイポーラ電池100の製造手順としては、まず、集電体120の一方の面に正極活物質層130を設け他方の面に負極活物質層140を設けてバイポーラ電極を複数形成する。なお、端部集電体170では、一方の面にのみ電極層(正極活物質層130または負極活物質層140)が設けられる。
次に、端部集電体170の電極層の上に、電解質が含浸されていない状態のセパレータ層150を重ねる。そして、端部集電体170の縁上に一対のラミネートフィルム192,193を重ねて配置する。ここで、ラミネートフィルム192,193は、端部集電体170の縁のみを覆うように、中央部が大きく開口されている。ここで、一対のラミネートフィルム192,193の間の一部には、熱性のすぐれたフッ素樹脂で形成されたスペーサ(不図示)を挟み込んでおく。
さらに、バイポーラ電極およびセパレータ層150を交互に積層する。このとき、正極活物質層130と負極活物質層140とがセパレータ層150を介して向き合う向きに、各バイポーラ電極は積層される。各層においても、集電体120の縁上には、一対のラミネートフィルム192,193を配置される。ラミネートフィルム192,193間に挟み込まれるスペーサの位置は、各層ごとに一定方向に変化させる。また、各層の集電体120およびラミネートフィルム192,193は、切り欠き部195を有しているものを用いる。ここで、上層になるにつれて切り欠き部195の大きさが大きくなるように変化した集電体120およびラミネートフィルム192,193が適宜に用いられる。
所定の層数分のバイポーラ電極の積層が終了した後、熱を加える。この結果、スペーサが挟み込まれた部分を除いて、ラミネートフィルム192,193が熱融着される。スペーサが挟み込まれた部分は、未シール部分となり、上述した連通路194となる。なお、この時点では、電解質が含浸されていないので、ある程度、熱を加えても、電池特性の劣化にはつながらない。
次に、電解液に架橋性ゲル電解質マトリックス高分子材料および熱重合開始剤が加えられたゲル材料溶液を用意する。そして、各層の連通路194を通じて、ゲル材料溶液を各単電池層160に注入する。すなわち、連通路194は、電解質の材料を注入するための電解質注入路として用いられる。連通路194を通じてゲル材料溶液を各単電池層に注入した後、連通路194の口を上にして静止させ、ゲル材料溶液をセパレータ層194に含浸させる。
次いで、電解質の材料を注入した後に連通路194を一時的に封止する工程(第1封止工程)を実行する。具体的には、減圧下において、互いに階段状に位置がずれて設けられた連通路形成部分にインパルスシーラのヒータを当てて熱融着させる。このとき、連通路形成部分が互いに階段状に位置がずれて設けられており、各層の絶縁シール部材190における連通路194の上方が他層の絶縁シール部材によって覆い被されていない。したがって、どの層の絶縁シール部材190にも直接的に熱が加わるため、積層数が多い場合であっても、十分に熱融着することができる。このため、複数層の単電池層分の封止を同時に行うことができる。なお、第1封止工程における連通路194の封止は、たとえば、集電体120の端縁を越えて外側に向かって引き出された余剰部分191にて実行されることが望ましい。
このように連通路194を一時的に封止した後、セパレータ層194に含浸させたゲル材料溶液を架橋させ、ゲル化させる。この結果、ゲル電解質バイポーラ電池100として機能する状態となる。
次に、このバイポーラ電池100に最初の充放電を行う。この初期の充放電時によって、多くの水素等のガスが発生する。
そして、この最初の充放電の後に、各層の連通路194の一部に開口を設ける。具体的には、余剰部分191に切れ目を入れるなどの処理によって、各連通路194に開口を設けることが望ましい。具体的には、上述のように、第1封止工程では、余剰部分で熱融着しているので、この熱融着部分よりも、内側の部分に開口を設けることが容易である。そして、このように再び開口された連通路194を通じて減圧に引くことで、最初の充電および/または放電時に発生したガスが排気される。
次いで、ガスの排気後に連通路194を最終的に封止する第2封止工程を実行する。具体的には、互いに階段状に位置がずれて設けられた連通路形成部分にインパルスシーラのヒータを当てて熱融着させる。但し、この第2封止工程は、第1封止工程と異なり、上記の余剰部分191ではなく、絶縁シール部材190と集電体120とが重ねられている部分において、集電体120の上からインパルスシーラのヒータを当てて熱融着させることが望ましい。この結果、最終的なバイポーラ電池100が完成する。
なお、上記の説明では、略長方形型のバイポーラ電池100を例にとって説明したが、他の形状のバイポーラ電池100を構成することもできる。
図3は、本実施の形態のバイポーラ電池の変形例を示す図である。本変形例では、図3に示されるように、台形形状のバイポーラ電池100が構成される。本変形例においても、各層の絶縁シール層190において連通路194の形成部分が互いに階段状にずれて形成される。なお、図3に示されるバイポーラ電池100も、各層の絶縁シール部材190の連通路194の端部における連通路長手方向の位置は、揃っている。
(実施例)
次に、実際にバイポーラ電池を製造した実施例について説明する。
正極活物質には、スピネルのマンガン酸リチウム(LiMn)を用い、負極活物質にはハードカーボンを用いた。バインダーには、ポリフッ化ビニリデン樹脂(以下「PVdF」という)を用いた。その他、導電助材としてアセチレンブラックを用いた。集電体には、厚さ15μmのステンレス箔(SUS316L)を用いた。リチウム塩としては、LiN(SO(以下、「BETI」という)を用いた。
ステンレス箔からなる集電体に、端縁のシール部分を除いて、電極部分が10cm×20cmの大きさを持つパターン電極を形成した。ステンレス箔の形状は、図1および図2に示される形状とした。ステンレス箔の一の面に負極活物質層を形成し、他の面に正極活物質層を形成した。
具体的には、平均粒子径20μmのハードカーボンと上記PVdFとに対してN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を加えて攪拌器により攪拌混合し、その後、脱泡機にて脱泡し、その結果物を上記のステンレス箔からなる集電体に塗布乾燥し、負極活物質層とした。固形物ハードカーボンとPVdFの重量比は、9:1であった。負極活物質層の厚さは、約90μmとした。
一方、ステンレス箔からなる集電体の反対側には、同様の方法によって、平均粒子径20μmのスピネルのマンガン酸リチウム(LiMn)正極用のスラリーを調整して、塗布乾燥して、正極活物質層とした。このときのマンガン酸リチウム(LiMn):アセチレンブラック:PVdFの比率は、90:5:5とした。正極活物質層の厚さは、約100μmとした。こうして作製されたバイポーラ電極を軽くルールプレスを加えた。
以上のようにして作製された複数のバイポーラ電極を、ポリプロピレン不織布を挟んで正極活物質層と負極活物質層とが向かい合うようにし、単電池層5層分積層して、バイポーラ電池構造体を作った。バイポーラ電池の両端の端部集電体は、それぞれ正極活物質層または正極活物質層のどちらかのみを形成した。テフロン(登録商標)スペーサーを利用して連通路となる部分のみを残して周辺部をヒートシールした。このバイポーラ電池構造体を高真空化90℃で1日乾燥した。
次に、ゲル材料溶液を調整した。電解液は、プロピレンカーボネートとエチレンカーボネートが体積比1:1で混合した混合溶液に、1.0MのBETIを溶解したものを用いた。この電解液に架橋性ゲル電解質マトリックス高分子材料を質量比で7%加えた。さらに、熱重合開始材としてt−ヘキシルパ−オキシピバレートを5000ppm添加して、よく攪拌して均一溶液とした。この均一溶液をゲル材料溶液として用いた。そして、先に作製したイポーラ電池構造体の各単電池層に対して連通路を介してゲル材料溶液の一定量を注入し、連通路を上にして静置して含浸させた。
次に、集電体と重ならないラミネートフィルムの余剰部分を減圧下にて封止した。その後、50℃のオーブンにて3時間加熱してゲル材料溶液を架橋することにより、ゲル電解質バイポーラ電池を製造した。
このバイポーラ電池を1つの単電池層あたり4.2Vを満充電として充放電した。その後、ラミネートフィルムの上記余剰部分において、余剰部分に切れ目を入れるなどによって、各連通路に開口を設け、減圧することにより内部のガスを排気した。
その後、ラミネートフィルムと集電体とが重ねられている部分において、集電体の上からインパルスシーラのヒータを当てて熱融着させて、最終的に封止した。この結果、高性能のバイポーラ電池が得られた。
以上のとおり、本実施の形態のバイポーラ電池100を説明したが、本実施の形態のバイポーラ電池によれば、以下のような効果を奏する。
(ア)連通路194を通じて電解質の材料を注入できるので、電解質抜きの状態で複数のバイポーラ電極を積層してバイポーラ電池構造体を構成した後に、それぞれの単電池層160へ電解質の材料を注入することができ、高性能の多層バイポーラ電池を構成することができる。
(イ)連通路194が、最初の充放電時に発生したガスを排気するガス排気通路としても用いられるので、最初の充放電時に発生したガスを外部に排気することができる。したがって、電池内圧が上昇することなく、電池特性の低下を防止できる。
(ウ)特に、連通路194は、電解質の材料の注入後に一時的に封止されるので、最初の充放電の際の液絡(短絡)が防止される。特に、この過程では、連絡路194のみを封止すればよいので、絶縁シール部材190全体を封止する場合と比べて、無理なく封止することができる。
(エ)また、連通路194は、ガスの排気後に最終的に封止されるので、その後のバイポーラ電池の使用時における液絡が防止される。
(オ)特に、絶縁シール部材190が連通路194となる部分を熱融着されていない状態に維持しつつ他の部分を互いに熱融着した一対のラミネートフィルム192,193であるので、特別な樹脂成形などを施すことなく、上記のように連通路194が設けられた絶縁シール部材190を提供することができる。
(カ)電解質としてゲル電解質を用いることによって、バイポーラ電池からの液漏れのおそれを減じることができる。
(キ)各層の絶縁シール部材190において連通路194が形成された連通路形成部分は、互いに階段状に位置がずれて設けられており、各層の絶縁シール部材190における連通路194の上方が他層の絶縁シール部材によって覆い被されていない。したがって、複数層分の絶縁シール部材190を同時に熱融着する際に、各層の絶縁シール部材190に直接的に熱を加えることができ、積層数がある程度多い場合であっても、熱源から遠い層の絶縁シール部材において十分に熱融着することができる。
(ク)また、連通路194の封止は、集電体120の端縁を越えて外側に向かって引き出された余剰部分191において連通路194を塞ぐように絶縁シール部材190を熱融着することによって達成できるので、再度、連通路194を開口する際に、余剰部分194の根元を切断するなどによって簡単に開口を設けることができる。
(ケ)連通路194の端部における連通路長手方向の位置が揃っているので、各層の連通路194の対応部分を局所的に熱融着しやすい。特に、余剰部分191を形成しやすく、この余剰部分191において熱融着することが容易である。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態のバイポーラ電池は、上記の第1実施形態の場合と比べて、各層の絶縁シール部材における連通路形成部分の構成が異なる。なお、第1実施形態と同様の構成については、詳しい説明を省略する。また、第1実施の形態と同様の部材には、同じ符号を付す。
図4は、本実施の形態のバイポーラ電池の平面図を示しており、図5は、図4の5−5線に沿った断面図を示している。なお、説明の簡素化のため、正極端子板110aおよび負極端子板110bは省略して示している。
本実施形態のバイポーラ電池100も、図5に示されるとおり、隣接する正極活物質層130、セパレータ層150、および負極活物質層140が一つの単電池層160を形成している。そして、単電池層160の周囲を取り囲むように、隣り合う集電体120間に絶縁シール部材190が形成される。ここで、絶縁シール部材190は、連通路194となる部分を除いて相互に熱融着された一対のラミネートフィルム192,193からなる。
本実施の形態では、各層の絶縁シール部材190および集電体120の側面197の位置が、下層の絶縁シール部材および集電体の対応する側面の位置に対して一定方向(図中のX方向)に所定の長さL1分ずれている。たとえば、各層の絶縁シール部材190および集電体120自体をずらしながら積層することによって、図4および図5に示された構成が実現される。また、各層ごとに絶縁シール部材190および集電体120自体の長さを変化させることによっても、同様の構成を実現することができる。
ここで、図4および図5に示されるとおり、各層の連通路194は、それぞれ絶縁シール部材190および集電体120の側面197に一端部がつながるように形成される。したがって、本実施の形態では、各層の絶縁シール部材190および集電体120の側面の位置がずれるのに対応して、各層の連通路194の端部の位置が連通路長手方向にずれて形成される。
以上のように、本実施の形態のバイポーラ電池100は、各層の絶縁シール部材190および集電体120の側面の位置を他層に対してずらすことによって、各層の連通路形成部分を互いに階段状に形成している。この結果、各層の絶縁シール部材190における連通路194の上方が他層の絶縁シール部材によって覆い被されることが防止される。
本実施形態のバイポーラ電池100によっても、第1実施形態の(ア)〜(キ)と同様の効果が得られる。さらに、本実施形態のバイポーラ電池によれば、(コ)絶縁シール部材190および集電体120,170に切り欠き部を設ける必要がないという効果が得られる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態のバイポーラ電池は、上記の第2実施形態の場合と比べて、各層の絶縁シール部材における連通路形成部分の構成が異なる。なお、第2実施形態と同様の構成については、詳しい説明を省略する。また、第2実施形態と同様の部材には、同じ符号を付す。
図6は、本実施の形態のバイポーラ電池の平面図を示しており、図7は、図6の7−7線に沿った断面図を示している。
本実施の形態のバイポーラ電池100では、各層の絶縁シール部材190および集電体120,170が、側方に突出した突出部198を有している。そして、各層間で突出部198の突出量が変化している。図6および図7に示される例では、上方の層になるにしたがって、突出量が小さくなっている。
ここで、図6および図7に示されるとおり、各層の連通路194は、それぞれ集電体120の突出部198の端に一端部がつながるように形成される。したがって、本実施の形態では、各層間で突出部198の突出量が変化するのに伴って、各層の連通路194の端部の位置が、連通路長手方向にずれて形成される。
以上のように、本実施の形態のバイポーラ電池100は、ある層の絶縁シール部材190および集電体120の突出部198における突出量を各層間で変化させることによって、各層の連通路形成部分を互いに階段状に位置をずらして設けることができる。この結果、ある層の絶縁シール部材190における連通路194の上方が他層の絶縁シール部材によって覆い被されることが防止されている。
本実施形態のバイポーラ電池100によっても、第1実施形態の(ア)〜(キ)と同様の効果が得られる。
(第4実施形態)
本実施の形態は、上記の第1および第2実施形態と比べて、各層の絶縁シール部材における連通路形成部分の構成が異なる。なお、第1および第2実施形態と同様の構成については、詳しい説明を省略する。また、第1または第2実施形態と同様の部材には、同じ符号を付す。
図8は、本実施の形態のバイポーラ電池の平面図を示しており、図9は、図8の9−9線に沿った断面図を示している。
本実施の形態では、第2実施形態(図4および図5参照)と同様に、各層の絶縁シール部材190および集電体120の側面197の位置が、下層の絶縁シール部材および集電体の対応する側面の位置に対して一定方向に所定の長さ分ずれている。このような構成は、たとえば、各層の絶縁シール部材190および集電体120自体をずらしながら積層することによって実現される。この点は、第2実施形態と同様であるので、詳しい説明を省略する。
但し、各層の連通路194が伸延される方向は、第2実施形態の場合と異なる。具体的には、本実施形態の連通路194は、上記の基準となる側面197に略平行な方向に伸延している。この結果、各層の連通路194の端部における連通路長手方向(図中Y方向)の位置は、第1実施形態(図1および図2参照)の場合と同様に、揃っている。
また、本実施形態でも、絶縁シール部材190一部は、図8に示されるとおり、バイポーラ電池100において集電体120の端縁を越えて外側に向かって引き出された余剰部分191を形成していることが望ましい。この場合、連通路194は、一端が単電池層を収容する空間につながり、他端が上記の余剰部分191を経由して電池外部へとつながっている。
以上のように、本実施の形態のバイポーラ電池100は、各層の絶縁シール部材190および集電体120の側面の位置を他層に対してずらすことによって、各層の連通路形成部分を互いに階段状に位置をずらして設けている。この結果、各層の絶縁シール部材190における連通路194の上方が他層の絶縁シール部材によって覆い被されることが防止されている。
本実施形態のバイポーラ電池100によれば、第1実施形態の(ア)〜(ケ)の効果、および第2実施形態の(コ)の効果を共に奏することができる。
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態のバイポーラ電池は、上記の第1実施形態の場合と比べて、各層の絶縁シール部材における連通路形成部分の構成が異なる。なお、第1実施形態と同様の構成については、詳しい説明を省略する。また、第1実施の形態と同様の部材には、同じ符号を付す。
図10は、本実施の形態のバイポーラ電池の概略を示す斜視図である。説明の簡素化のため、正極端子板110aおよび負極端子板110bは省略して示している。
本実施の形態のバイポーラ電池においても、第1実施形態(図1および図2参照)と同様に、連通路194の端部における連通路長手方向の位置(図中Y方向の位置)が揃っている。また、本実施形態でも、絶縁シール部材190一部は、図10に示されるとおり、バイポーラ電池100において集電体120の端縁を越えて外側に向かって引き出された余剰部分191を有している。この場合、連通路194は、一端が単電池層を収容する空間につながり、他端が上記の余剰部分191を経由して電池外部へとつながっている。
また、上の層になるにつれて、連通路194が形成される位置が一定方向(図中のX方向)に変化している。そして、絶縁シール部材190において連通路194が形成されている辺の部分のうち、連通路194が形成されている近傍以外の部分(不要部分)が取り除かれている。また、集電体120においても、不要部分が取り除かれている。
このように、本実施の形態のバイポーラ電池100では、第1実施形態のように切り欠き部を形成するのではなく、絶縁シール部材190および集電体120の辺(連通路194が形成されている辺)において、連通路194が形成されている近傍以外のすべての不要部分が取り除かれている。言い換えれば、連津路194が形成されている近傍のみが突出している。
この結果、本実施の形態では、各層の絶縁シール部材190における連通路194の上方のみならず、下方についても、他層の絶縁シール部材によって覆い被されないように構成される。
したがって、本実施形態のバイポーラ電池100によれば、第1実施形態の効果を奏するのみならず、(サ)複数層分の絶縁シール部材190を同時に熱融着する際に、上下両側から各層の絶縁シール部材190に直接的に熱を加えることができ、積層数がある程度多い場合であっても、熱源から遠い層の絶縁シール部材において十分に熱融着することができるという効果を奏する。
(第6実施形態)
本発明の第6実施形態のバイポーラ電池は、上記の第1〜第5実施形態の場合と比べて、各層の絶縁シール部材における連通路形成部分の構成が異なる。なお、第1〜第5実施形態と同様の構成については、詳しい説明を省略する。
上記の第1〜第5実施形態では、すべての各層の絶縁シール部材において連通路形成部分が直接的に表面に露出されている場合を示した。すなわち、連通路形成部分では、2層以上の絶縁シール部材が重なることはなかった。
たしかに熱融着の確実性の観点からは、第1〜第5実施形態のように、構成することが望ましいが、絶縁シール部材の連通路形成部分において、積層数が所定数以下の絶縁シール部材190の重なりを許容することができる。具体的には、5層以下の絶縁シール部材190の重なりを許容することができる。この場合、表面からみて5層以下の絶縁シール部材190が重なる状態を許容する一方、6層以上の絶縁シール部材190が重なることがないように構成することが望ましい。このためには、上述した第1〜第5実施形態で説明したとおり、5層目と6層目の絶縁シール部材190において各連通路形成部分が相互に階段状に位置がずれて配置されるように構成する。
言い換えれば、本実施の形態では、一度に熱融着、すなわちヒートシールする絶縁シール部材190の積層数を5層以下とすることが望ましい。このように5層以下とすることが望ましいのは、一度にヒートシールする積層数をあまり多くすると、中心部が十分に融着できなくなり、融着を可能とするために温度を上げすぎるのでは、セパレータ層150、正極活物質層130、負極活物質層140、および電解質などを変性させてしまうおそれがあるからである。たとえば、第5実施形態(図10参照)で説明したバイポーラ電池100において、2層分の絶縁シール部材190が重なる構成を採用することができる。
本実施の形態によっても、第1実施形態の(ア)〜(キ)と同様の効果を奏することができる。
(第7実施形態)
上記の第1〜第6実施形態では、各層の絶縁シール部材に、1つの連通路のみが形成される場合を説明した。本実施の形態では、各層の絶縁シール部材に、複数の連通路が形成される場合を説明する。なお、第1〜第6実施形態と同様の構成については、詳しい説明を省略する。また、第1〜第6実施形態と同様の部材には、同じ符号を付す。
図11は、本実施の形態のバイポーラ電池の断面図を示す。図11に示されるバイポーラ電池は、第2実施形態のバイポーラ電池と同様の構成を有する。
本実施の形態では、対向する2つの側面197a,197bに第2実施形態(図3および図4参照)で説明したものと同様の連通路形成部分が設けられる。すなわち、バイポーラ電池100では、各層の絶縁シール190および集電体120の側面の位置を他層の対応する側面に対してずらしている。具体的には、各層の絶縁シール部材190および集電体120自体を一定方向にずらしながら積層することによって、図11に示された構成が実現される。この結果、階段状部分が2つ形成される。
ここで、図11に示されるとおり、各層の第1の連通路194aは、それぞれ絶縁シール部材190および集電体120の一の側面197aに一端部がつながるように形成されており、各層の第2の連通路194bは、それぞれ絶縁シール歩部材190および集電体120の他の側面197bに一端部がつながるように形成される。したがって、本実施の形態では、各層の絶縁シール部材190および集電体120の側面が他層の対応する側面に対してずれるのに伴って、各層の連通路194a,194bの端部の位置が連通路長手方向にずれて形成される。
以上のように、複数の連通路194a,194bが設けられていることによる作用を説明する。たとえば、一方の連通路194aを電解質注入通路として利用し、他方の連通路194bが内部の空気またはガスの抜き口として利用することができる。すなわち、単電池層160を収容する空間に連通路194aを通じて電解質の材料溶液を注入する際に、この空間内の空気を別の連通路194bを通じて抜くことができるので、電解質の材料溶液をより確実かつ迅速に注入することができる。
なお、各層の絶縁シール部材に複数の連通路が設けられているバイポーラ電池としては、図11に示されたものに限られない。たとえば、図12および図13に他の例を示す。
図12および図13は、第3実施形態(図6および図7)を変形した例である。図12に示される例では、各層の絶縁シール部材190および集電体120,170が側方に突出して形成された2つの突出部198a,198bが設けられている。そして、各層の絶縁シール部材190には、これらの2つの突出部198a,198bに対応して、2つの連通路194a,194bが設けられている。一方、図13に示される例では、6つの突出部198a〜198fが設けられている。そして、各層の絶縁シール部材190には、6つの突出部198a〜198fに対応して、6つの連通路194a〜194fが設けられている。
以上のように、本実施の形態のバイポーラ電池100は、各層の絶縁シール部材に、複数の連通路が形成されているので、上述した第2実施形態および第3実施形態における効果に加えて、(シ)それぞれの単電池層へ電解質の材料を注入する際の工程の自由度が高まるといった効果を有する。具体的には、複数の連通路のうち一部の連通路を電解質注入通路として用いつつ、他の連通路を空気の逃がし口として用いることができ、より確実かつ迅速に電解質の材料を注入することができる。
(第8実施形態)
第1〜第7実施形態では、熱融着、すなわち、ヒートシールを用いて、連通路を封止する場合を説明した。しかしながら、本実施の形態では、樹脂からなる封止材(樹脂封止材)を用いて各層の絶縁シール部材190における連通路を封止する場合を説明する。
図14は、本実施の形態のバイポーラ電池の断面図を示している。本実施の形態のバイポーラ電池の構成は、樹脂封止材を用いて、各層の絶縁シール部材190における連通路194を封止することを除いて、第2実施形態(図3および図4参照)のバイポーラ電池と同様である。すなわち、各層の絶縁シール部材190および集電体120の側面の位置を他層の対応する側面の位置に対して一定方向にずらすことによって、各層の連通路形成部分を互いに階段状に位置をずらして設けている。
樹脂封止材は、たとえばエポキシ系の接着剤199である。本実施の形態では、電解質の材料の注入および/またはガス排気後に、絶縁シール部材190における連通路形成部分に接着剤199が塗布され、その後、硬化される。特に、ガス排気後に、接着剤199が塗布されることが望ましい。この結果、図14に示されるようなバイポーラ電池100が最終的に構成される。
接着剤199を用いて封止する場合、集電体120,170と接着剤199との間の接着性が重要である。本実施の形態では、接着剤199が塗布される各層の連通路形成部分が階段状に位置をずらして設けられているため、集電体120,170と接着剤との間の接触面積が大きくなり、接着性が高まる。
本実施の形態によれば、第1実施形態の(ア)〜(カ)と同様の効果が得られる。さらに、本実施の形態によれば、(ス)各層の連通路形成部分を覆うように封止性能の高い樹脂を配置して封止することによって目的のバイポーラ電池を構成できる。すなわち、最終的なヒートシールをせずに、目的のバイポーラ電池を構成できる。特に、接着剤199が塗布される各層の連通路形成部分が階段状に位置をずらして設けられているので、集電体120,170と封止材である接着剤199との間の接触面積が大きくなり、接着性が高まる。
(第9実施形態)
本発明の第9実施形態のバイポーラ電池は、上記の第8実施形態(図14参照)の場合と比べて、各層の絶縁シール部材における連通路形成部分の構成が異なる。なお、第8実施形態と同様の構成については、詳しい説明を省略する。また、第8実施形態と同様の部材には、同じ符号を付す。
図15は、本実施の形態のバイポーラ電池の断面図を示している。本実施の形態では、第7実施形態(図11参照)と同様に、対向する2つの側面197a,197bにおいて、各層の連通路形成部分が階段状に位置をずらして設けられる。
なお、第8実施形態(図14参照)では、各層の絶縁シール部材190および集電体120を一定方向にずらしつつ積層していたが、本実施の形態では、中央付近の所定の層までは、各層の絶縁シール部材190および集電体120を第1の方向にずらしつつ積層する。そして、中央付近の所定の層まで積層した後は、各層の絶縁シール部材190および集電体120を第1の方向の反対方向である第2の方向にずらしつつ積層する。この結果、積層体全体では、第1の側面197aにおいては中央の所定層を中心に凸形状が形成される一方、第2の側面197bにおいては中央の所定の層を中心に凹形状が形成される。そして、第1の側面197aおよび第2の側面197bにおける連通路形成部分を覆うように接着剤199が設けられる。
本実施の形態においても、接着剤が塗布される各層の連通路形成部分が階段状に位置をずらして設けられているため、集電体120,170と接着剤199との間の接触面積が大きくなり、接着性が高まる。したがって、本実施の形態によっても、第8実施形態と同様の効果が得られる。
(第10実施形態)
第10実施形態では、上記第1〜第9実施形態のバイポーラ電池を複数個、並列および/または直列に接続して、組電池を構成する。
図16は第10実施形態に係る組電池の斜視図であり、図17は内部構成を上方から見た図面である。
図16および図17に示すように組電池300は、上述した第1実施形態〜第9実施形態のいずれかに示されたバイポーラ電池100を複数個接続したものである。電池100同士は、導電バー301により各バイポーラ電池の電極302および303が接続されている。この組電池300には電極ターミナル304および305が、電極として一側面に設けられている。
この組電池300においては、バイポーラ電池100を複数個接続する際の接続方法として、超音波溶接、熱溶接、レーザー溶接、リベット、および、かしめなどを用いることができる。このような接続方法をとることで、長期的信頼性のある組電池300を製造することができる。
また、図18に示されるように、バイポーラ電池100を複数個接続する際に、複数のバイポーラ電池100を導電性接着剤306を用いて直接張り合わせることも可能である。たとえば、一のバイポーラ電極の端部集電体と、他のバイポーラ電極の端部集電体とを導電性接着剤306を介して直接的に張り合わせることができる。このように、複数個のバイポーラ電池100を導電性接着剤306を介して張り付けることによって、非常に積層数の多いバイポーラ電池を容易の構成することができ、非常に高電圧のバイポーラ電池を構成することができる。
組電池300によれば、(セ)前述した第1実施形態〜第9実施形態に係るバイポーラ電池100を用いて組電池化することで、高容量および/または高出力を得ることができ、しかも一つひとつの電池の信頼性が高いため、組電池としての長期的信頼性を向上させることができるといった効果を奏する。
なお、組電池としてのバイポーラ電池100の接続は、複数個全て並列に接続してもよいし、また、バイポーラ電池100を複数個全て直列に接続してもよく、さらに、直列接続と並列接続とを組み合わせても良い。
(第11実施形態)
第11実施形態では、上記第1実施形態〜第9実施形態のバイポーラ電池100または第10実施形態の組電池300を駆動用電源として搭載して、車両を構成する。バイポーラ電池100または組電池300をモータ用電源として用いる車両は、たとえば電気自動車、ハイブリッド自動車など、車輪をモータによって駆動している自動車である。
参考までに、図19に、組電池300を搭載する自動車400の概略図を示す。自動車に搭載される組電池300は、上記説明した特性を有する。このため、組電池300を搭載してなる自動車は高い耐久性を有し、長期間に渡って使用した後であっても充分な出力を提供しうる。
以上のように、本発明の幾つかの好適な実施の形態について示したが、本発明は、以上の実施の形態に限られるものではなく、当業者によって種々の変更、省略、および追加が可能である。
たとえば、上記の例では、ヒートシールまたは接着剤のどちらかを用いて連通路を封止する場合を説明したが、本発明はこの場合に限られない。たとえば、連通路をヒートシールを用いて封止した上に、さらに、封止材を塗布することで、より確実に封止することができる。
本発明の第1実施形態のバイポーラ電池の平面図である。 図1の2A−2A線および2B−2B線に沿った断面図である。 第1実施形態のバイポーラ電池の変形例を示す平面図である。 本発明の第2実施形態のバイポーラ電池の平面図である。 図4の4−4線に沿った断面図である。 本発明の第3実施形態のバイポーラ電池の平面図である。 図6の7−7線に沿った断面図である。 本発明の第4実施形態のバイポーラ電池の平面図である。 図8の9−9線に沿った断面図である。 本発明の第5実施形態のバイポーラ電池の斜視図である。 本発明の第7実施形態のバイポーラ電池の断面図である。 第7実施形態のバイポーラ電池の他の例を示す平面図である。 第7実施形態のバイポーラ電池の他の例を示す平面図である。 本発明の第8実施形態のバイポーラ電池の断面図である。 本発明の第9実施形態のバイポーラ電池の断面図である。 本発明の第10実施形態の組電池の斜視図である。 図16の組電池の上面図である。 複数のバイポーラ電池の他の接続例を示す図である。 本発明の組電池を搭載する自動車の概略図である。
符号の説明
100 バイポーラ電池、
120 集電体、
130 正極活物質層、
140 負極活物質層、
150 セパレータ層、
160 単電池層、
170 端部集電体、
190 絶縁シール部材
191 余剰部分、
192,193 ラミネートフィルム、
194,194a,194b 連通路、
195 切り欠き部、
199 封止材(接着剤)、
300 組電池、
400 自動車。

Claims (19)

  1. 集電体の一方の面に正極活物質層が形成され他方の面に負極活物質層が形成された複数のバイポーラ電極と、電解質を保持可能な複数のセパレータ層とを、正極活物質層と負極活物質層とがセパレータ層を介して向き合うように積層してなるバイポーラ電池であって、
    隣接する前記正極活物質層、前記セパレータ層、および前記負極活物質層を含んで構成される単電池層の周囲を囲むように、隣り合う前記集電体の間に配置される絶縁シール部材を有し、
    各層の絶縁シール部材には、各単電池層を収容する空間に連通する封止可能な連通路が形成されることを特徴とするバイポーラ電池。
  2. 異なる層の絶縁シール部材における前記連通路の形成部分が、互いに階段状に位置がずれて配置されることを特徴とする請求項1に記載のバイポーラ電池。
  3. 前記絶縁シール部材は、前記連通路となる部分を熱融着されていない状態に維持しつつ他の部分を互いに熱融着した一対のラミネートフィルムであることを特徴とする請求項1または2に記載のバイポーラ電池。
  4. 前記連通路は、前記電解質の材料を注入するための電解質注入通路として用いられ、
    前記セパレータ層には、前記連通路を通じて注入された電解質の材料が含浸されることを特徴とする請求項1または2に記載のバイポーラ電池。
  5. 前記連通路は、初期の充電の際に前記単電池層で発生したガスを排気するためのガス排気通路として用いられることを特徴とする請求項1または2に記載のバイポーラ電池。
  6. 前記連通路は、前記電解質の材料の注入後に封止されることを特徴とする請求項4に記載のパイポーラ電池。
  7. 前記連通路は、前記ガス排気後に封止されることを特徴とする請求項5に記載のバイポーラ電池。
  8. 前記連通路は、熱融着により封止されることを特徴とする請求項6または7に記載のバイポーラ電池。
  9. さらに、前記連通路を封止するための樹脂封止材が設けられていることを特徴とする請求項6または7に記載のバイポーラ電池。
  10. 各層の絶縁シール部材には、それぞれ前記連通路が複数形成されることを特徴とする請求項1に記載のバイポーラ電池。
  11. 前記セパレータ層には、ゲル状電解質が保持されることを特徴とする請求項1に記載のバイポーラ電池。
  12. 集電体の一方の面に正極活物質層を設け他方の面に負極活物質層を設けてバイポーラ電極を複数形成する工程と、
    電解質を保持可能なセパレータ層を一のバイポーラ電極に重ねる工程と、
    前記セパレータ層が正極活物質層および負極活物質層間に挟まれるような向きで、他のバイポーラ電極を前記セパレータ層上に積層する工程と、
    隣接する前記正極活物質層、前記セパレータ層、および前記負極活物質層を含んで構成される単電池層を収容する空間に連通する少なくとも一つの連通路を残しつつ、隣り合う前記集電体の間の前記単電池層の周囲を絶縁シール部材で囲む工程と、
    前記連通路を通じて電解質の材料を注入し、前記セパレータ層に含浸させる工程と、
    前記電解質の材料を注入した後に前記連通路を封止する第1封止工程と、
    を有することを特徴とするバイポーラ電池の製造方法。
  13. 異なる層の絶縁シール部材における前記連通路の形成部分が、互いに階段状に位置がずれて配置されることを特徴とする請求項12に記載のバイポーラ電池の製造方法。
  14. 前記連通路の形成部分は、前記集電体の端縁を越えて外側に向かって引き出された余剰部分を有し、
    前記第1封止工程は、前記余剰部分を熱融着して、前記連通路を一時的に封止する段階であること特徴とする請求項12または13に記載のバイポーラ電池の製造方法。
  15. さらに、前記第1封止工程の後に、積層されて構成されたバイポーラ電池に初期の充電を行う工程と、
    初期の充電の後に、再び開口された前記連通路を通じて、初期の充電時に発生したガスを排気する工程と、
    ガスの排気後に前記連通路形成部分を熱融着して、前記連通路を最終的に封止する第2封止工程と、を有することを特徴とする請求項14に記載のバイポーラ電池の製造方法。
  16. さらに、前記第1封止工程の後に、積層されて構成されたバイポーラ電池に初期の充電を行う工程と、
    初期の充電の後に、再び開口された前記連通路を通じて、初期の充電時に発生したガスを排気する工程と、
    ガスの排気後に前記連絡形成部分を樹脂で覆って、前記連通路を最終的に封止する第2封止工程と、を有することを特徴とする請求項14に記載のバイポーラ電池の製造方法。
  17. 請求項1〜11に記載のバイポーラ電池、または、請求項12〜16に記載の製造方法により製造されたバイポーラ電池を複数個接続してなる組電池。
  18. 請求項1〜11に記載のバイポーラ電池、または、請求項12〜16に記載の製造方法により製造されたバイポーラ電池を導電性接着剤を介して複数個張り合わせたことを特徴とする組電池。
  19. 請求項1〜11に記載のバイポーラ電池、請求項12〜16に記載の製造方法により製造されたバイポーラ電池、あるいは請求項17または18に記載の組電池を駆動用電源として搭載してなる車両。
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