JP2007123156A - リチウムイオン電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】 安全性と負荷特性に優れたリチウムイオン電池を提供する。
【解決手段】 正極と負極とをセパレータを介して巻回してなる巻回型電極体を有するリチウムイオン電池であって、上記巻回型電極体は、少なくとも、幅の異なるセパレータAとセパレータBを有しており、上記正極、上記負極、上記セパレータAおよび上記セパレータBの幅が、
セパレータB>セパレータA>負極>正極
の関係を満足し、少なくとも、上記巻回型電極体の最外周の電極の内周側には、上記幅広のセパレータBが配置されていることを特徴とするリチウムイオン電池である。
【選択図】 図1
【解決手段】 正極と負極とをセパレータを介して巻回してなる巻回型電極体を有するリチウムイオン電池であって、上記巻回型電極体は、少なくとも、幅の異なるセパレータAとセパレータBを有しており、上記正極、上記負極、上記セパレータAおよび上記セパレータBの幅が、
セパレータB>セパレータA>負極>正極
の関係を満足し、少なくとも、上記巻回型電極体の最外周の電極の内周側には、上記幅広のセパレータBが配置されていることを特徴とするリチウムイオン電池である。
【選択図】 図1
Description
本発明は、巻回型電極体を有するリチウムイオン電池に関するものである。
近年、携帯電話やノート型パソコンなどのポータブル電子機器の発達などの面から、高容量の電池が必要とされるようになってきた。
現在、こうした要求に応える電池として、高エネルギー密度で、軽量、かつ小型化が可能なリチウムイオン電池が使用されている。このリチウムイオン電池では、例えば、正極活物質として、LiCoO2、LiNiO2、LiMn2O4などのリチウム含有複合金属酸化物が用いられ、また、負極活物質として、リチウムのインターカレートやディインターカレートができる炭素材料などが用いられている。
そして、リチウムイオン電池では、高容量化や負荷特性の向上の観点から、電極面積を大きくすることが行われており、具体的には、薄く長尺状にした正極と負極とを、セパレータを介して数周程度巻回した巻回型電極体を用いることが一般的である(例えば、特許文献1など)。
なお、上記のような巻回型電極体では、正極と負極との接触による短絡の発生を確実に防止すべく、セパレータの幅を、これら正負極の幅よりも広くすることが行われている。
ところで、最近では、リチウムイオン電池の用途も多様化しており、例えば、各種携帯機器の電源など、使用の際に衝撃を受けるような機器への適用も増している。このような機器にリチウムイオン電池を適用した場合、機器の受ける衝撃によってリチウムイオン電池にも衝撃がかかり、セパレータのずれが生じて短絡が発生してしまう。リチウムイオン電池が適用される携帯機器の多様化に伴って、リチウムイオン電池にかかる衝撃も、より過酷なものとなっている。そのため、このような機器に適用されるリチウムイオン電池では、外部からの衝撃によるセパレータのずれに起因する短絡の発生を、より確実に防止して、安全性を確保することが求められている。
上記のようなセパレータのずれに起因する短絡の発生を防止するには、巻回型電極体に用いるセパレータの幅を広くすることが有効であるが、これに伴って電池の負荷特性が低下することが本発明者らの検討により明らかとなった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、安全性と負荷特性に優れたリチウムイオン電池を提供することを目的とする。
上記目的を達成し得た本発明のリチウムイオン電池は、正極と負極とをセパレータを介して巻回してなる巻回型電極体を有するものであって、上記巻回型電極体は、少なくとも、幅の異なるセパレータAとセパレータBを有しており、上記正極、上記負極、上記セパレータAおよび上記セパレータBの幅が、
セパレータB>セパレータA>負極>正極
の関係を満足し、少なくとも、上記巻回型電極体の最外周の電極の内周側には、上記幅広のセパレータBが配置されていることを特徴とするものである。なお、本発明のリチウムイオン電池では、巻回型電極体を有するものであり、セパレータ、正極および負極は、長尺状のものである。よって、本発明でいうセパレータ、正極および負極の「幅」は、これらの長尺方向に直交する方向(すなわち幅方向)の長さを意味している。
セパレータB>セパレータA>負極>正極
の関係を満足し、少なくとも、上記巻回型電極体の最外周の電極の内周側には、上記幅広のセパレータBが配置されていることを特徴とするものである。なお、本発明のリチウムイオン電池では、巻回型電極体を有するものであり、セパレータ、正極および負極は、長尺状のものである。よって、本発明でいうセパレータ、正極および負極の「幅」は、これらの長尺方向に直交する方向(すなわち幅方向)の長さを意味している。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、リチウムイオン電池において、外部からの衝撃によるセパレータのずれに起因する短絡の発生を、該セパレータの幅を広くすることで防止した際に発生する負荷特性の低下は、以下の理由によるものであることを見出した。すなわち、セパレータの幅を広くすると、セパレータの体積が増加するため、これに伴って電池内の空隙体積が減少することから、非水電解液(以下、単に「電解液」という)の注液性が低下し、電極近傍での電解液分布状態の均一性が損なわれて、電池の負荷特性が低下するのである。
そこで、本発明では、巻回型電極体が有する2枚のセパレータA、Bのうち、セパレータのずれによる短絡が最も発生し易い箇所、すなわち、巻回型電極体の最外周の電極の内周側には、幅の広いセパレータBを配置するようにして、短絡の発生を防止して電池の安全性を高めると共に、他方のセパレータには、幅の狭いセパレータAを用いることで、電池内におけるセパレータの占有部分の増大を可及的に抑制して、電池内容積の空隙容積を確保することにより、電解液の注液工程を改善し、電極近傍の電解液分布状態を良好にして、電池の負荷特性を維持している。
本発明によれば、安全性と負荷特性に優れたリチウムイオン電池を提供できる。
図1に、本発明のリチウムイオン電池に係る巻回型電極体の概略図を示す。なお、図1に示す巻回型電極体は一例に過ぎず、本発明に係る巻回型電極体の構造は、図1に示したものに限定される訳ではない。例えば、図1では、最外周の電極が正極となっているが、例えば、電池外装体の構成によっては、最外周の電極が負極となる場合もある。
図1に示す巻回型電極体1は、最外周の電極が正極2であり、その内周側に幅広のセパレータB:4bが配置されており、このセパレータB:4bにより、その内周側に位置する負極3と正極2とが隔離されている。また、図1に示す巻回型電極体では、正極2の外周側に、幅が狭いセパレータA:4aが配置されている。なお、図1中、7は正極リード体、8は負極リード体である。
このように、本発明のリチウムイオン電池に係る巻回型電極体は、少なくとも、幅の狭いセパレータAと幅広のセパレータBとを有しており、このうち、幅広のセパレータBが、少なくとも、最もセパレータのずれの発生し易い最外周の電極(図1では、正極2)の内周側に位置するように用いられ、もう1枚のセパレータには、セパレータBよりも幅の狭いセパレータAが用いられている。このような構成の採用によって、短絡の発生をより確実に防止して電池の安全性を高めつつ、セパレータの体積増加による電池内空隙体積の減少を可及的に抑制して、電池の負荷特性も維持している。
すなわち、本発明のリチウムイオン電池においては、幅の狭いセパレータA、幅広のセパレータB、正極および負極の幅が、下記の関係を満足していなければならない。
セパレータB>セパレータA>負極>正極
セパレータB>セパレータA>負極>正極
セパレータAやセパレータBの幅が正極や負極よりも狭いと、正負極間の隔離が十分に達成できず、短絡が発生してしまう。また、負極>正極の関係が要求されるのは、充電時に正極から放出されるリチウムイオンをすべて負極電極で受容し、負極活物質以外(エッジ部など)に金属リチウムとして析出するのを防止するためである。
なお、幅広のセパレータBの幅は、例えば、負極の幅よりも、1mm以上、より好ましくは1.5mm以上であって、4mm以下、より好ましくは3.5mm以下広いことが望ましい。負極の幅に対してセパレータBの幅が小さすぎると、セパレータBを採用することによる短絡防止効果が小さくなることがある。また、負極の幅に対してセパレータBの幅が大きすぎると、短絡防止効果が飽和するばかりか、電池内におけるセパレータの占有部分が大きくなることになり、却って電池の負荷特性維持効果を小さくしてしまうことがある。
また、幅の狭いセパレータAの幅と幅広のセパレータBの幅の差は、例えば、0.5mm以上、より好ましくは1mm以上であって、2mm以下、より好ましくは1.5mm以下であることが望ましく、かつ幅の狭いセパレータAの幅が、負極の幅よりも、0.5mm以上、より好ましくは1mm以上であって、2mm以下、より好ましくは1.5mm以下広いことが望ましい。(特に負極の幅に対して)セパレータAの幅が小さすぎると、短絡防止効果が不十分となることがあり、(特にセパレータBの幅に対して)セパレータAの幅が大きすぎると、電解液注液性の低下を抑えることによる電池の負荷特性の低下抑制効果が小さくなることがある。
本発明に係るセパレータは、セパレータA、セパレータB共に、例えば、微孔性樹脂フィルムで構成することができる。その微孔性樹脂フィルムとしては、例えば、微孔性ポリエチレンフィルム、微孔性ポリプロピレンフィルム、微孔性エチレン−プロピレンコポリマーフィルム、微孔性ポリプロピレン/ポリエチレン2層フィルム、微孔性ポリプロピレン/ポリエチレン/ポリプロピレン3層フィルムなどが挙げられる。
セパレータの厚みは、セパレータA、B共、例えば、10μm以上、より好ましくは15μm以上であって、30μm以下、より好ましくは25μm以下であることが望ましい。セパレータが厚すぎると、内部抵抗が大きくなる。なお、セパレータは薄いほど、電池の負荷特性向上や高容量化にはよいが、あまり薄すぎると、上記の短絡防止効果が小さくなることがある他、機械的強度や電解液保持性も低下することがある。
なお、本発明では、セパレータAとセパレータBで厚みに差を付けることもでき、例えば、セパレータBを多少薄くしても、上記の短絡防止効果が良好に維持できる。よって、セパレータBをセパレータAよりも薄くすることで、電池内の空隙容積を増大させて、電池の負荷特性を高めることもできる。また、セパレータBをセパレータAよりも薄くすることで電池の負荷特性を維持しつつ、セパレータBやセパレータAの幅をより広くして、上記の短絡防止効果を更に向上させることもできる。更に、セパレータBの厚みの減少に伴って、正負極の厚みを増加させることもできるため、電池の高容量化を達成することも可能となる。
セパレータAおよびセパレータBの厚みが上記の好適値を満たす場合であって、セパレータBの厚みを、セパレータAよりも薄くする場合には、例えばセパレータBとセパレータAの厚みの差を、2〜10μmとすることが好ましい。
また、セパレータの空孔率は、小さすぎると電池用セパレータとしての機能が低下し、また大きすぎると機械的強度が低下するので、上記の短絡防止効果を十分に確保しつつ電池の負荷特性の向上も図るためには、セパレータA、B共、例えば、30%以上、より好ましくは40%以上であって、60%以下、より好ましくは50%以下であることが望ましい。
本発明のリチウムイオン電池に係る正極としては、特に制限はなく、従来公知のリチウムイオン電池(リチウムイオン二次電池)に採用されている正極と同様のものが使用できる。例えば、上記正極活物質に必要に応じて導電助剤やバインダーを加えて混合して調製した正極合剤を溶剤に分散させて正極合剤含有ぺーストを調製し(ただし、バインダーはあらかじめ溶剤などに分散または溶解させておいてから、正極活物質などと混合してもよい)、得られた正極合剤含有ぺーストをアルミニウム箔などからなる正極集電体に塗布し、乾燥して正極合剤層を形成し、必要に応じて正極合剤層を加圧成形する工程を経由することによって作製した正極を用いることができる。ただし、正極の作製方法は、上記例示の方法のみに限られることなく、他の方法によってもよい。
正極の活物質としては、高容量化に適するという観点から、リチウム含有複合金属酸化物が好ましい。このようなリチウム含有複合金属酸化物としては、例えば、LiCoO2などのリチウムコバルト酸化物、LiMnO2、LiMn2O4などのリチウムマンガン酸化物、LiNiO2などのリチウムニッケル酸化物、LixMO2(MはNi、Mn、CoおよびAlのうちの2種以上の元素を表し、0.9<x<1.2)で表されるリチウム含有複合金属酸化物などが好適に用いられる。
正極に用いる導電助剤としては、例えば、カーボンブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、鱗片状黒鉛などが挙げられる。そして、バインダーとしては、負極に用いるバインダーとして上で例示したものと同様のものを用いることができる。
正極合剤層中における組成としては、例えば、正極活物質の含有量が、90質量%以上、より好ましくは92質量%以上であって、99質量%以下、より好ましくは98質量%以下であることが望ましい。導電助剤の含有量は、0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上であって、5質量%以下、より好ましくは2質量%以下であることが望ましい。導電助剤の含有量が少なすぎると、正極合剤の導電性を確保できず、電池の負荷特性が低下し、多すぎると、活物質量の低下を引き起こすため、電池容量が小さくなることがある。また、バインダーの含有量は、0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上であって、8質量%以下、より好ましくは3質量%以下であることが望ましい。バインダーの含有量が少なすぎると、集電体との接着性や正極合剤層の強度が低下し、多すぎると、活物質量の低下を引き起こすため、電池容量が小さくなることがある。
負極についても特に制限はなく、従来公知のリチウムイオン電池(リチウムイオン二次電池)に採用されている負極と同様のものが使用できる。例えば、負極活物質にバインダーなどを加えて調製した負極合剤を、溶剤に分散させて負極合剤含有ペーストを調製し(ただし、バインダーはあらかじめ溶剤などに分散または溶解させておいてから、負極活物質などと混合してもよい)、得られた負極合剤含有ぺーストを銅箔などからなる負極集電体に塗布し、乾燥して負極合剤層を形成し、必要に応じて負極合剤層を加圧成形する工程を経由することによって作製された負極が挙げられる。ただし、負極の作製は、上記例示の方法のみに限られることなく、他の方法によってもよい。
負極活物質としては、例えば、黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物の焼成体、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、炭素繊維などの、リチウムを吸蔵、放出可能な炭素系材料の1種または2種以上の混合物が用いられる。また、特開2004−119350号公報に開示されている炭素材料、すなわち、002面の面間隔(d002)がd002≦0.3360nmであり、c軸方向の結晶子サイズ(Lc)がLc≧70nmであり、かつ波長514.5nmのアルゴンレーザーで励起させた時のラマンスペクトルのR値〔R=I1350/I1530(1350cm−1付近のラマン強度と1580cm−1付近のラマン強度との比)〕が0.01≦R≦0.3である炭素材料を用いることも好ましい。
負極の作製に当たって用いるバインダーとしては、例えば、セルロースエーテル化合物やゴム系バインダーなどが挙げられる。セルロースエーテル化合物の具体例としては、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、それらのリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、アンモニウム塩などが挙げられる。ゴム系バインダーの具体例としては、例えば、スチレン・ブタジエン共重合体ゴム(SBR)などのスチレン・共役ジエン共重合体、ニトリル・ブタジエン共重合体ゴム(NBR)などのニトリル・共役ジエン共重合体ゴム、ポリオルガノシロキサンなどのシリコーンゴム、アクリル酸アルキルエステルの重合体、アクリル酸アルキルエステルとエチレン性不飽和カルボン酸および/またはその他のエチレン性不飽和単量体との共重合により得られるアクリルゴム、ビニリデンフルオライド共重合体ゴムなどのフッ素ゴムなどが挙げられる。
そして、この負極用のバインダーとしては、特にセルロースエーテル化合物とゴム系バインダーとを併用することが好ましく、とりわけ、CMCとSBR、NBRなどのブタジエン共重合体系ゴムとを併用することが好ましい。これは、CMCなどのセルロースエーテル化合物が、主としてぺーストに対して増粘作用を発揮し、SBRなどのゴム系バインダーが、負極合剤に対して結着作用を発揮するからである。このように、CMCなどのセルロースエーテル化合物とSBRなどのゴム系バインダーとを併用する場合、両者の比率としては質量比で1:1〜1:15が好ましい。
なお、負極合剤層中における負極活物質の含有量は、90質量%以上、より好ましくは95質量%以上であって、99質量%以下、より好ましくは98質量%以下であることが望ましい。負極活物質の含有量が少なすぎると、電池容量が小さくなることがあり、多すぎると集電体との接着性や負極合剤層の強度が低下する。さらに、負極合剤層中におけるバインダーの含有量は、1質量%以上、より好ましくは1.5質量%以上であって、10質量%以下、より好ましくは6質量%以下であることが望ましい、バインダーの含有量が少なすぎると、集電体との接着性や負極合剤層の強度が低下し、多すぎると活物質比率が少なくなり、電池容量が小さくなることがある。負極活物質、バインダーともに2種類以上を併用してもよく、導電助剤やフィラーを添加しても良い。また、負極密度(負極合剤層密度)は、1.20g/cm3以上、より好ましくは1.40g/cm3以上であって、1.90g/cm3以下、より好ましくは1.80g/cm3以下であることが望ましい。負極密度が低すぎると、負極の厚みによって電池空間内を大きく占めてしまうため、電池容量が小さくなることがあり、高すぎると、活物質の圧壊によって電池容量が小さくなることがあり、また、電解液への濡れ性が低下するためである。
そして、正極集電体や負極集電体としては、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル、チタン、ステンレス鋼などの箔、網などを用いることができる。正極集電体、負極集電体共に、その厚みは、それぞれ、5μm以上、より好ましくは8μm以上であって、60μm以下、より好ましくは40μm以下であることが望ましい。集電体が薄すぎると、強度が小さくなるために、電池製造時や充放電サイクルにより電極が切断しやすくなり、厚すぎると、電池内に占める集電体の割合が大きくなり、電池容量が小さくなることがあるからである。
本発明のリチウムイオン電池に係る巻回型電極体の製造に当たっては、最外周の電極(正極または負極)の内周側に位置するセパレータが、幅広のセパレータBとなるようにすればよく、その巻回方法などについては特に制限はなく、従来公知の方法が採用できる。
本発明のリチウムイオン電池に係る非水電解液としては、非水溶媒にリチウム塩などの電解質塩を溶解させることで調製されたものが使用できる。
電解液溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、テトラヒドロフラン、γ−ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエタン(DME)などが挙げられる。これらの溶媒は、1種または2種以上の混合溶媒として用いることができ、特にPCやECなどの環状カーボネートと、DMCやMECなどの鎖状カーボネートとの混合溶媒が好適に用いられる。また、充放電サイクル寿命を長くするためには、PCやECなどの環状カーボネートを全溶媒中で10体積%以上用いることが好ましい。そして、電解質塩としては、例えば、LiPF6、LiClO4、LiBF4、LiAsF6、LiSbF6、LiCF3SO3、LiC4F9SO3、LiCF3CO2、Li2C2F4(SO3)2、LiN(CF3SO2)2、LiC(CF3SO2)3、LiCnF2n+1SO3(n≧2)などが挙げられ、それらは単独でまたは2種以上混合して用いられる。非水電解液中における電解質塩の濃度は、特に限定されるものではないが、0.3〜1.7mol/lが好ましい。
また、非水電解液中には、ビニレンカーボネートまたはその誘導体を含有させることが好ましい。ビニレンカーボネートまたはその誘導体を非水電解液に添加することで、電池の充放電サイクル特性を高めることができる。これは、ビニレンカーボネートまたはその誘導体が負極の炭素材料表面で安定な保護膜の形成に寄与し、その保護膜が電解液溶媒の分解を抑制するからであると考えられるからである。すなわち、このビニレンカーボネートまたはその誘導体に由来する保護膜は、電池の充放電サイクル中も亀裂が生じない安定な膜であり、負極の合剤表面がこの保護膜によって被覆されることにより、充放電の繰り返しによる電解液溶媒の分解が抑制され、ガスの発生が抑制されるものと推定される。しかも、このビニレンカーボネートまたはその誘導体に由来する保護膜は、電池の充放電の正常な反応を妨げることがないので、良好な充放電サイクル特性が得られる。
非水電解液中におけるビニレンカーボネートまたはその誘導体の含有量は、0.5質量%以上、より好ましくは1.2質量%以上であって、5質量%以下、より好ましくは4質量%以下であることが望ましい。非水電解液中におけるビニレンカーボネートまたはその誘導体の含有量が少なすぎると、これら添加することによる効果が十分に確保できないことがある。また、非水電解液中におけるビニレンカーボネートまたはその誘導体の含有量が多すぎると、上記の保護膜の形成に寄与しない過剰のビニレンカーボネートまたはその誘導体が分解して、電池内でガスを発生する副作用が生じ、高温貯蔵により電池に膨れを生じさせることがある。
なお、上記ビニレンカーボネートの誘導体としては、例えば、ジメチル−1,3−ジオキソル−2−オンのようなビニル基の少なくとも一方の水素原子がメチル基などのアルキル基で置換されたものが好適なものとして挙げられる。ビニレンカーボネートまたはその誘導体は、既に調製済みの非水電解液に添加することによって非水電解液中に含有させてもよいし、また、非水電解液の調製時に加えることによって、非水電解液をビニレンカーボネートまたはその誘導体を含有した状態で調製してもよい。
本発明のリチウム二次電池では、非水電解液は、通常、液状のまま用いられるが、上記の非水電解液を、公知のゲル化剤を用いてゲル化させたゲル状のものを用いてもよい。
また、上記非水電解液に、ビニレンカーボネートまたはその誘導体を添加して上記保護膜を形成させる場合、この保護膜をより好適なものとするために、ブチルベンゼンなどのアルキル基を有するベンゼン類化合物、アニソールなどのアルコキシ基を有するベンゼン類化合物、フルオロベンゼンなどフッ素置換されたベンゼン類化合物、ジフェニルジスルフィドなどの芳香族ジスルフィド、プロパンスルトンなどの環状スルトン、ビフェニルなどの添加剤を非水電解液に含有させてもよい。
本発明のリチウムイオン電池は、上記の巻回型電極体を外装体に装填し、正極および負極を、外装体の正極端子および負極端子と公知の接続手段(例えば、リード体を用いた接続手段)などによって接続し、上記の非水電解液を外装体内に注入した後に封止して製造することができる。リチウムイオン電池の形態は、特に制限はなく、スチール缶やアルミニウム缶、アルミニウム合金缶などを外装体として使用した筒形(角筒形や円筒形など)などが挙げられる。また、アルミニウム金属を蒸着したラミネートフィルムを外装体としたソフトパッケージ電池などとすることもできる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施をすることは、全て本発明の技術的範囲に包含される。
実施例1
負極の活物質としてX線回折法によって測定されるd002〔(002)面の面間隔(d002)〕が0.3356nmで、Lc〔c軸方向の結晶子サイズ(Lc)〕が100nmで、波長514.5nmのアルゴンレーザーで励起させた時のラマンスペクトルのR値〔R=I1350/I1580(1350cm−1付近のラマン強度と1580cm−1付近のラマン強度との比)〕が0.2の天然黒鉛(関西熱化学社製「NG」)を用い、バインダーとしてカルボキシメチルセルロースとスチレン・ブタジエン共重合体ゴムとを質量比1:1の割合で用いた。上記天然黒鉛:98質量部とカルボキシメチルセルロース:1質量部とスチレン・ブタジエン共重合体ゴム:1質量部の割合で水の存在下で混合してスラリー状の負極合剤含有ぺーストを調製した。得られた負極合剤含有ぺーストを、厚みが10μmの銅箔からなる負極集電体の両面に塗布し、乾燥して負極合剤層を形成し、ローラーで負極合剤層の密度が1.65g/cm3になるまで加圧成形した後、幅44mmになるようにして切断して負極を作製した。負極に係る負極合剤層中の負極活物質量は3.1gであった。
負極の活物質としてX線回折法によって測定されるd002〔(002)面の面間隔(d002)〕が0.3356nmで、Lc〔c軸方向の結晶子サイズ(Lc)〕が100nmで、波長514.5nmのアルゴンレーザーで励起させた時のラマンスペクトルのR値〔R=I1350/I1580(1350cm−1付近のラマン強度と1580cm−1付近のラマン強度との比)〕が0.2の天然黒鉛(関西熱化学社製「NG」)を用い、バインダーとしてカルボキシメチルセルロースとスチレン・ブタジエン共重合体ゴムとを質量比1:1の割合で用いた。上記天然黒鉛:98質量部とカルボキシメチルセルロース:1質量部とスチレン・ブタジエン共重合体ゴム:1質量部の割合で水の存在下で混合してスラリー状の負極合剤含有ぺーストを調製した。得られた負極合剤含有ぺーストを、厚みが10μmの銅箔からなる負極集電体の両面に塗布し、乾燥して負極合剤層を形成し、ローラーで負極合剤層の密度が1.65g/cm3になるまで加圧成形した後、幅44mmになるようにして切断して負極を作製した。負極に係る負極合剤層中の負極活物質量は3.1gであった。
また、正極の作製に当たっては、活物質としてLiCoO2を用い、バインダーとしてポリフッ化ビニリデンを用いた。LiCoO2:95質量部と導電助剤としてのカーボンブラック:2質量部とポリフッ化ビニリデン:3質量部との割合で、溶剤としてのN−メチル−2−ピロリドンの存在下で混合してスラリー状の正極合剤含有ぺーストを調製した。得られた正極合剤含有ペーストを、厚みが15μmのアルミニウム箔からなる正極集電体の両面に塗布し、乾燥して正極合剤層を形成し、ローラーで正極合剤層を所定の厚みになるまで加圧成形した後、幅43mmになるように切断して正極を作製した。なお、この正極の単位面積当たりの正極合剤層の量は5.00g/100cm2であり、正極合剤層の密度は3.60g/cm3であった。
非水電解液は、エチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとの体積比1:2の混合溶媒に、LiPF6 を1.2mol/lの濃度になるように溶解させ、そこにビニレンカーボネートを2質量%となるように加えて、ビニレンカーボネートを含有した状態で調製した。
上記正極と負極とを、厚みが22μm、幅が44.5mm、空孔率40%の微孔性ポリエチレンフィルムからなるセパレータA、および厚みが20μm、幅が45mm、空孔率40%の微孔性ポリエチレンフィルムからなるセパレータBを介して渦巻状に巻回して巻回型電極体とした後、角形の外装缶内に挿入するために、押圧して巻回型電極体を扁平状にした。なお、セパレータBが、最外周の電極である正極の内周側に位置するように巻回した。
この電極体を、アルミニウム合金製で角形の外装缶内に挿入し、リード体の溶接と封口用蓋板の外装缶の開口端部へのレーザー溶接を行った。その後、封口用蓋板に設けた注入口から上記の非水電解液を外装缶内に注入し、非水電解液がセパレータなどに充分に浸透した後、注入口を封止して密閉状態にした。その後、予備充電、エイジングを行い、図2に示すような構造で図3に示すような外観を有し、幅が34mmで、厚みが4.0mmで、高さが50mmの角形のリチウムイオン電池を作製した。
ここで図2〜3に示す電池について説明すると、図2はリチウムイオン電池の構造を示しており、(a)が上部からみた平面図で、(b)が部分縦断面図である。図2(b)に示すように、正極2と負極3は上記のようにセパレータ4を介して渦巻状に巻回した後、扁平状になるように加圧して扁平状の巻回型電極体1として、角形の外装缶5に上記非水電解液とともに収容されている。ただし、図2では、煩雑化を避けるため、正極2や負極3の作製にあたって使用した導電性基体としての金属箔や非水電解液などは図示しておらず、また、巻回型電極体1の巻外部分のみを示し、巻芯部の詳細は示していない。
外装缶5はアルミニウム合金製で電池の外装材の主要部分を構成するものであり、この外装缶5は正極端子を兼ねている。そして、外装缶5の底部にはポリテトラフルオロエチレンシートからなる絶縁体6が配置され、上記正極2、負極3およびセパレータ4からなる扁平状の巻回型電極体1からは正極2および負極3のそれぞれ一端に接続された正極リード体7と負極リード体8が引き出されている。また、外装缶5の開口部を封口するアルミニウム製の蓋板9にはポリプロピレン製の絶縁パッキング10を介してステンレス鋼製の端子11が取り付けられ、この端子11には絶縁体12を介してステンレス鋼製のリード板13が取り付けられている。
そして、この蓋板9は上記外装缶5の開口部に挿入され、両者の接合部を溶接することによって、外装缶5の開口部が封口され、電池内部が密閉されている。また、図2の電池
では、蓋板9に電解液注入口14が設けられており、この電解液注入口14には、封止部材が挿入された状態で、例えばレーザー溶接などにより溶接封止されて、電池の密閉性が確保されている(従って、図2および図3の電池では、実際には、電解液注入口14は、電解液注入口と封止部材であるが、説明を容易にするために、電解液注入口14として示している)。また.蓋板9には、防爆ベント15が設けられている。
では、蓋板9に電解液注入口14が設けられており、この電解液注入口14には、封止部材が挿入された状態で、例えばレーザー溶接などにより溶接封止されて、電池の密閉性が確保されている(従って、図2および図3の電池では、実際には、電解液注入口14は、電解液注入口と封止部材であるが、説明を容易にするために、電解液注入口14として示している)。また.蓋板9には、防爆ベント15が設けられている。
この実施例1の電池では、正極リード体7を蓋板9に直接溶接することによって外装缶5と蓋板9とが正極端子として機能し、負極リード体8をリード板13に溶接し、そのリード板13を介して負極リード体8と端子11とを導通させることによって端子11が負極端子として機能するようになっているが、外装缶5の材質などによっては、その正負が逆になる場合もある。
図3は上記図2に示す電池の外観を模式的に示す斜視図であり、この図3は上記電池が角形電池であることを示すことを目的として図示されたものであって、この図3では電池を概略的に示しており、電池の構成部材のうち特定のもののみを示している。また、図2においても、電極体の内周側の部分は断面にしていない。
そして、この電池は、上記のように、正極を、正極リード体を介して正極端子に接続し、負極を、負極リード体を介して負極端子に接続しているので、電池内部で生じた化学エネルギーを電気エネルギーとして外部へ取り出し得るようになっている。
実施例2
セパレータAの幅を45mm、セパレータBの幅を46mmに変更した他は、実施例1と同様にして角形のリチウムイオン電池を作製した。
セパレータAの幅を45mm、セパレータBの幅を46mmに変更した他は、実施例1と同様にして角形のリチウムイオン電池を作製した。
実施例3
セパレータBの幅を47mmに変更した他は、実施例2と同様にして角形のリチウムイオン電池を作製した。
セパレータBの幅を47mmに変更した他は、実施例2と同様にして角形のリチウムイオン電池を作製した。
実施例4
セパレータAの厚みを20μmに変更した他は、実施例3と同様にして角形のリチウムイオン電池を作製した。
セパレータAの厚みを20μmに変更した他は、実施例3と同様にして角形のリチウムイオン電池を作製した。
実施例5
セパレータBの厚みを18μmに変更した他は、実施例3と同様にして角形のリチウムイオン電池を作製した。
セパレータBの厚みを18μmに変更した他は、実施例3と同様にして角形のリチウムイオン電池を作製した。
実施例6
セパレータBの厚みを16μmに変更した他は、実施例3と同様にして角形のリチウムイオン電池を作製した。
セパレータBの厚みを16μmに変更した他は、実施例3と同様にして角形のリチウムイオン電池を作製した。
実施例7
セパレータAの厚みを20μmに変更した他は、実施例5と同様にして角形のリチウムイオン電池を作製した。
セパレータAの厚みを20μmに変更した他は、実施例5と同様にして角形のリチウムイオン電池を作製した。
実施例8
セパレータA、セパレータB共に、厚みを18μmに変更した他は、実施例2と同様にして角形のリチウムイオン電池を作製した。
セパレータA、セパレータB共に、厚みを18μmに変更した他は、実施例2と同様にして角形のリチウムイオン電池を作製した。
実施例9
単位面積当たりの正極合剤層の量が5.20g/cm2であり、正極合剤層の密度は3.62g/cm3である正極を用いた他は、実施例8と同様にして角形のリチウムイオン電池を作製した。
単位面積当たりの正極合剤層の量が5.20g/cm2であり、正極合剤層の密度は3.62g/cm3である正極を用いた他は、実施例8と同様にして角形のリチウムイオン電池を作製した。
比較例1
セパレータBについて、幅を44.5mmに、厚みを22μmに変更した他は、実施例1と同様にして角形のリチウムイオン電池を作製した。なお、比較例1の電池が、従来公知のリチウムイオン電池(従来公知の巻回型電極体を有するリチウムイオン電池)に相当する。
セパレータBについて、幅を44.5mmに、厚みを22μmに変更した他は、実施例1と同様にして角形のリチウムイオン電池を作製した。なお、比較例1の電池が、従来公知のリチウムイオン電池(従来公知の巻回型電極体を有するリチウムイオン電池)に相当する。
比較例2
セパレータA、B共に、幅を47mmに変更した他は、比較例1と同様にして角形のリチウムイオン電池を作製した。
セパレータA、B共に、幅を47mmに変更した他は、比較例1と同様にして角形のリチウムイオン電池を作製した。
比較例3
セパレータBの厚みを20μmに変更した他は、比較例1と同様にして角形のリチウムイオン電池を作製した。
セパレータBの厚みを20μmに変更した他は、比較例1と同様にして角形のリチウムイオン電池を作製した。
上記のようにして作製した実施例1〜9および比較例1〜3の電池について、セパレータの構成を表1に示している。また、これらの電池について、下記の評価を行った。結果を表2に示す。
<放電容量評価>
実施例1〜9および比較例1〜3電池について、950mAの定電流(1C相当)で、続いて、4.2Vの定電圧で、合計の充電時間が2.5時間となるように充電を行った後、190mAの定電流(0.2C相当)で、3.0Vになるまで放電し、放電容量を求めた。なお、放電容量は、比較例1(従来構造の巻回型電極体を有する電池)を100とした場合の相対値で示している。
実施例1〜9および比較例1〜3電池について、950mAの定電流(1C相当)で、続いて、4.2Vの定電圧で、合計の充電時間が2.5時間となるように充電を行った後、190mAの定電流(0.2C相当)で、3.0Vになるまで放電し、放電容量を求めた。なお、放電容量は、比較例1(従来構造の巻回型電極体を有する電池)を100とした場合の相対値で示している。
<注液性評価>
外装缶5内を減圧し、次いで注液孔に、エチレンカーボネート(EC)およびメチルエチルカーボネート(MEC)の混合溶媒に、LiPF6を1.2mol/lの濃度で溶解させた非水電解液電解液2.0mlを注液し、所定の時間(2分)内に電解液が外装缶内に完全に浸透されたかを調べた。所定時間までに全液量注入後に、注液孔から電解液が見えない場合は○、注液孔に液が残っていた場合は×とした。
外装缶5内を減圧し、次いで注液孔に、エチレンカーボネート(EC)およびメチルエチルカーボネート(MEC)の混合溶媒に、LiPF6を1.2mol/lの濃度で溶解させた非水電解液電解液2.0mlを注液し、所定の時間(2分)内に電解液が外装缶内に完全に浸透されたかを調べた。所定時間までに全液量注入後に、注液孔から電解液が見えない場合は○、注液孔に液が残っていた場合は×とした。
<負荷特性評価>
実施例1〜9および比較例1〜3の電池について、それぞれ950mAの定電流 (1C相当)の電流で、電池電圧が4.2Vになるまで充電した後、それぞれ1900mA(2C相当)の電流で3.0Vになるまで放電し、放電容量を求めた。この2Cでの放電容量を、上記の放電容量評価で求めた0.2Cでの放電容量で除して、負荷特性を評価した。
実施例1〜9および比較例1〜3の電池について、それぞれ950mAの定電流 (1C相当)の電流で、電池電圧が4.2Vになるまで充電した後、それぞれ1900mA(2C相当)の電流で3.0Vになるまで放電し、放電容量を求めた。この2Cでの放電容量を、上記の放電容量評価で求めた0.2Cでの放電容量で除して、負荷特性を評価した。
<落下試験>
4.2Vまで充電を行った電池を6つのそれぞれの面が下になるようにして2mの高さからコンクリート上に落下させることを1セットとして、5セット後の電池電圧を測定し、回路電圧が落下試験により50mV以上低下した個数を確認した。
4.2Vまで充電を行った電池を6つのそれぞれの面が下になるようにして2mの高さからコンクリート上に落下させることを1セットとして、5セット後の電池電圧を測定し、回路電圧が落下試験により50mV以上低下した個数を確認した。
表2から以下のことが分かる。本実施例で採用した上記の落下試験は、電池に非常に大きな衝撃が加わった場合を想定して、極めて過酷な条件で実施しているが、実施例1〜9のリチウムイオン電池は、この落下試験時に発生する不良個数が非常に少ないか全くなく、外部衝撃に対する短絡の発生が非常に抑制されており、優れた安全性を有している。また、これら実施例1〜9の電池では、電解液の注液性も良好で、優れた負荷特性も維持されている。更に、実施例9では、セパレータを薄くしつつも良好に短絡を防止していることに加えて、セパレータを薄くした分だけ正極活物質量を増加させて、高容量化も達成できている。
これに対し、従来品に相当する比較例1や、比較例1と同じ幅のセパレータを用いている比較例3の電池では、実施例1〜9の電池に比べて、落下試験における短絡の発生個数(不良個数)が多くなっている。また、セパレータA、Bの幅を大きくした比較例2の電池では、落下試験による短絡の発生は、実施例1〜9の電池と同等程度に抑制できているが、電解液の注液性が低下しており、負荷特性が劣っている。
1 巻回型電極体
2 正極
3 負極
4 セパレータ
4a セパレータA
4b セパレータB
2 正極
3 負極
4 セパレータ
4a セパレータA
4b セパレータB
Claims (4)
- 正極と負極とをセパレータを介して巻回してなる巻回型電極体を有するリチウムイオン電池であって、
上記巻回型電極体は、少なくとも、幅の異なるセパレータAとセパレータBを有しており、
上記正極、上記負極、上記セパレータAおよび上記セパレータBの幅が、
セパレータB>セパレータA>負極>正極
の関係を満足し、
少なくとも、上記巻回型電極体の最外周の電極の内周側には、上記幅広のセパレータBが配置されていることを特徴とするリチウムイオン電池。 - 上記幅広のセパレータBの幅が、負極の幅よりも1〜4mm広い請求項1に記載のリチウムイオン電池。
- 上記幅の狭いセパレータAの幅が、上記幅広のセパレータBの幅よりも0.5〜2mm狭く、かつ負極の幅よりも0.5〜2mm広い請求項1または2に記載のリチウムイオン電池。
- 上記幅広のセパレータBの厚みが、上記幅の狭いセパレータAの厚みよりも薄い請求項1〜3のいずれかに記載のリチウムイオン電池。
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-
2005
- 2005-10-31 JP JP2005316377A patent/JP2007123156A/ja not_active Withdrawn
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