JP2006156459A - エッチング液及びその製造方法、並びに液体噴射ヘッドの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 酸化膜からなる所定形状のマスクパターンを介してシリコン基板をウェットエッチングする際に用いられるアルカリ性溶液を含有すると共に、Pb、Al、Ca、Mg、Zn又はSnの少なくとも1種の金属を含有したエッチング液とする。
【選択図】 なし
Description
かかる第1の態様では、アルカリ性溶液を含有するエッチング液に所定の金属が含まれているので、マスクパターンを介してシリコン基板をウェットエッチングする際に、マスクパターンがエッチング除去されるのを防止、又はマスクパターンのエッチングレートのばらつきを低減することができる。
かかる第2の態様では、Ni又はCuの少なくとも1種の金属濃度が所定の濃度以下であるアルカリ性溶液を含有するエッチング液に所定の金属が含まれているので、マスクパターンを介してシリコン基板をウェットエッチングする際に、マスクパターンのエッチングによる膜減り量を抑制し、又はマスクパターンのエッチングレートのばらつきを低減することができる。
かかる第3の態様では、エッチング液のNi又はCuの少なくとも1種の金属濃度の上限値を規定することで、少なくとも、マスクパターンのエッチングレートのばらつきをより効果的に防止することができる。
かかる第4の態様では、所定の各種金属濃度の下限値を100ppb以上と規定することで、少なくとも、マスクパターンのエッチングレートのばらつきをより効果的に防止することができる。
かかる第5の態様では、所定の各種金属濃度の下限値を500ppb以上と規定することで、少なくとも、マスクパターンのエッチングレートのばらつきをより効果的に防止することができる。
かかる第6の態様では、所定の各種金属濃度の下限値を1000ppb以上と規定することで、少なくとも、マスクパターンのエッチングレートのばらつきをより効果的に防止することができる。
かかる第7の態様では、シリコン基板に凹部を良好に形成することができる。
かかる第8の態様では、所定のアルカリ性溶液に、所定の金属を制限なく添加することで、所定形状のマスクパターンを介してシリコン基板をウェットエッチングする際に、マスクパターンのエッチングによる膜減り量を抑制し、又はマスクパターンのエッチングレートのばらつきを低減することができるエッチング液を実現することができる。
かかる第9の態様では、所定のアルカリ性溶液に、所定の金属を制限なく添加することで、所定形状のマスクパターンを介してシリコン基板をウェットエッチングする際に、マスクパターンのエッチングによる膜減り量を抑制し、又はマスクパターンのエッチングレートのばらつきを低減することができるエッチング液を実現することできる。
かかる第10の態様では、アルカリ性溶液を含有するエッチング液に所定の金属が含まれているので、マスクパターンを介してシリコン基板をウェットエッチングする際に、マスクパターンがエッチング除去されるのを防止、又はマスクパターンのエッチングレートのばらつきを低減することができる。これにより、液体噴射ヘッドを製造する際に、マスクパターンを厚膜で形成しなくてもよいため、製造効率を上げ、コストを削減でき、マスクパターンを形成するときのサイドエッチング量を小さく(パターン精度を良く)できる。
かかる第11の態様では、Ni又はCuの少なくとも1種の金属濃度が所定の濃度以下であるアルカリ性溶液を含有するエッチング液に所定の金属が含まれているので、マスクパターンを介してシリコン基板をウェットエッチングする際に、マスクパターンがエッチング除去されるのを防止、又はマスクパターンのエッチングレートのばらつきを低減することができる。これにより、液体噴射ヘッドを製造する際に、マスクパターンを厚膜で形成しなくてもよいため、製造効率を上げ、コストを削減でき、マスクパターンを形成するときのサイドエッチング量を小さく(パターン精度を良く)できる。
かかる第12の態様では、ウェットエッチング加工を良好に実施することができ、シリコン基板に所定形状の圧力発生室を確実に形成することができる。
かかる第13の態様では、酸化シリコン膜のエッチングによる膜減り量を有効に抑制できる。
(実施形態1)
本発明に係るエッチング液は、酸化シリコン膜等の酸化膜からなる所定形状のマスクパターンを介してシリコン単結晶基板を含むシリコン基板をウェットエッチングする際に用いられるアルカリ性溶液を含有すると共に、Pb、Al、Ca、Mg、Zn又はSnの少なくとも1種の金属を含有するものである。
図3は、液体噴射ヘッドの1つであるインクジェット式記録ヘッドの要部拡大断面図である。図3に示すインクジェット式記録ヘッドは、駆動手段に静電気力を利用したヘッドであり、具体的には、一方面が(100)面であるシリコン基板からなりその一方面側にインク滴を吐出する複数のノズル開口11に連通する圧力発生室(キャビティ)12等が並設されたキャビティ基板10を具備する。また、キャビティ基板10には、圧力発生室12のノズル開口11が連通する一端部とは反対側の他端部に連通するインク供給路13が設けられ、このインク供給路13の圧力発生室12側とは反対側には、各圧力発生室12に共通なインク室となる共通インク室14が設けられている。さらに、圧力発生室12の底壁は、詳細は後述するが、圧力発生室12に圧力変化を生じさせる振動板15となっている。
Claims (13)
- 酸化膜からなる所定形状のマスクパターンを介してシリコン基板をウェットエッチングする際に用いられるアルカリ性溶液を含有すると共に、Pb、Al、Ca、Mg、Zn又はSnの少なくとも1種の金属を含有するものであることを特徴とするエッチング液。
- 酸化膜からなる所定形状のマスクパターンを介してシリコン基板をウェットエッチングする際に用いられ且つNi又はCuの少なくとも1種の金属濃度が所定の濃度以下であるアルカリ性溶液を含有すると共に、Pb、Al、Ca、Mg、Zn又はSnの少なくとも1種の金属を含有するものであることを特徴とするエッチング液。
- 請求項2において、前記Ni又はCuの少なくとも1種の金属濃度が、200ppb以下であることを特徴とするエッチング液。
- 請求項1〜3の何れかにおいて、前記Pb、Al、Ca、Mg、Zn又はSnの少なくとも1種の金属濃度が、100ppb以上であることを特徴とするエッチング液。
- 請求項1〜4の何れかにおいて、前記Pb、Al、Ca、Mg、Zn又はSnの少なくとも1種の金属濃度が、500ppb以上であることを特徴とするエッチング液。
- 請求項1〜5の何れかにおいて、前記Pb、Al、Ca、Mg、Zn又はSnの少なくとも1種の金属濃度が、1000ppb以上であることを特徴とするエッチング液。
- 請求項1〜6の何れかにおいて、前記アルカリ性溶液が、KOHを少なくとも含有する水溶液であることを特徴とするエッチング液。
- 酸化膜からなる所定形状のマスクパターンを介してシリコン基板をウェットエッチングする際に用いられるアルカリ性溶液に、Pb、Al、Ca、Mg、Zn又はSnの少なくとも1種の金属を添加することで製造することを特徴とするエッチング液の製造方法。
- 酸化膜からなる所定形状のマスクパターンを介してシリコン基板をウェットエッチングする際に用いられ且つNi又はCuの少なくとも1種の金属濃度が所定の濃度以下であるアルカリ性溶液に、Pb、Al、Ca、Mg、Zn又はSnの少なくとも1種の金属を添加することで製造することを特徴とするエッチング液の製造方法。
- シリコン基板の一方面側に形成される酸化膜からなる所定形状のマスクパターンを介して前記シリコン基板をウェットエッチングして、液体を噴射するノズル開口に連通する圧力発生室とその圧力発生室に対して圧力変化を生じさせる振動板とを形成する第1工程と、前記シリコン基板の他方面側に電極を有する電極基板を接合する第2工程とを少なくとも有し、前記第1工程では、アルカリ性溶液を含有すると共にPb、Al、Ca、Mg、Zn又はSnの少なくとも1種の金属を含有するエッチング液を、前記マスクパターンを介して前記シリコン基板の一方面側に接触させて前記ウェットエッチングを実施することを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法。
- シリコン基板の一方面側に形成される酸化膜からなる所定形状のマスクパターンを介して前記シリコン基板をウェットエッチングして、液体を噴射するノズル開口に連通する圧力発生室とその圧力発生室に対して圧力変化を生じさせる振動板とを形成する第1工程と、前記シリコン基板の他方面側に電極を有する電極基板を接合する第2工程とを少なくとも有し、前記第1工程では、Ni又はCuの少なくとも1種の金属濃度が所定の濃度以下であるアルカリ性溶液を含有すると共にPb、Al、Ca、Mg、Zn又はSnの少なくとも1種の金属を含有するエッチング液を、前記マスクパターンを介して前記シリコン基板の一方面側に接触させて前記ウェットエッチングを実施することを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法。
- 請求項10又は11において、前記第1工程では、前記エッチング液を100℃以下の温度として前記ウェットエッチングを実施することを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法。
- 請求項10〜12の何れかにおいて、前記第1工程では、前記酸化膜として前記シリコン基板の一方面を酸化することで酸化シリコン膜を形成することを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法。
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