JPH10112458A - エッチング液及びエッチング加工方法 - Google Patents

エッチング液及びエッチング加工方法

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JPH10112458A
JPH10112458A JP19069397A JP19069397A JPH10112458A JP H10112458 A JPH10112458 A JP H10112458A JP 19069397 A JP19069397 A JP 19069397A JP 19069397 A JP19069397 A JP 19069397A JP H10112458 A JPH10112458 A JP H10112458A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 寸法安定性に優れたエッチング加工を行なう
ことができ,また,表面を平滑化又は粗化することがで
きるエッチング液,及びこれを用いたエッチング加工方
法を提供すること。 【解決手段】 シリコンウェハ1をエッチング加工する
ためのエッチング液において,上記エッチング液は,ア
ルカリ水溶液に,シリコン表面に吸着し得る金属成分を
添加してなる。上記金属成分は,Cu,Mg又はPbの
いずれか1種又は2種以上を用いることができる。例え
ば,エッチング液におけるCu含有量を0.1ppm以
下とすることにより,上記薄板部のシリコン{110}
面ウェハの表面粗さ(Rz)が1μm以下の平滑面を得
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,シリコンウェハの表面をエッチ
ング加工するために用いるエッチング液及び,これを用
いたエッチング加工方法に関する。
【0002】
【従来技術】従来,シリコンウェハをエッチング加工し
て,圧力,加速度センサ等に用いるシリコンダイヤフラ
ムを作製する方法が知られている。このシリコンダイヤ
フラムは,本体であるシリコンウェハの一部分をエッチ
ング加工して薄板部となし,この薄板部を弾力性のある
ダイヤフラム部分とするものである(図1参照)。そし
て,上記ダイヤフラム部分の表面に電気抵抗回路を形成
してセンサとなし,このダイヤフラム部分の歪状況を電
気的に検出することにより,圧力,加速度等を検出す
る。
【0003】上記のダイヤフラム部分を形成する方法に
おいては,アルカリ水溶液を用い,シリコンウェハの各
結晶面のエッチング速度差を利用した異方性エッチング
加工が行われる。この異方性エッチング加工において
は,後述する図1に示すごとく,シリコン{110}面
ウェハを用いて,シリコン{110}面のエッチング速
度とシリコン{100}面のエッチング速度の比から,
ダイヤフラム部分を幅Yに加工するために必要なエッチ
ングマスクの開口穴の幅X設定し,エッチング加工を行
なっている。
【0004】このエッチング加工方法を説明すると,後
述する図2に示すごとく,シリコンウェハ1の表面に,
所望のパターン形状に開口した開口穴21を有するエッ
チングマスク2を被覆する(図2E)。この状態で,シ
リコンウェハを,アルカリ水溶液又は酸系溶液に浸漬し
て,エッチング加工を行う。アルカリ水溶液としては,
ヒドラジン,エチレンジアミンピロカテコール(ED
P),水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH),
KOH等の水溶液を用いる。
【0005】また,酸系溶液としては,例えばHFとH
NO3 の混合系溶液が用いられる。これらにより,エッ
チングマスク2の開口穴21から露出したシリコンウェ
ハ1の表面に,エッチング液が接触して,エッチング加
工が行なわれ,ダイヤフラム部分15が形成される。
【0006】
【解決しようとする課題】しかしながら,上記従来のエ
ッチング加工方法においては,以下の問題があった。ま
ず,ダイヤフラム部分15の幅にバラツキが大きく,得
ようとする幅のねらい値がずれてしまう。そのため,所
望形状のダイヤフラム部分を有するシリコンダイヤフラ
ムを得ることが困難である。
【0007】また,形成されたダイヤフラム部分は,一
般的には,センサの感度安定化,高感度化のためその表
面が平滑であることが要求されているが,面荒れが生じ
る場合がある。また,シリコンウェハは,エッチング加
工により,上記シリコンダイヤフラムの他に,シリコン
ビーム,シリコンノズルなどに加工することがある。
【0008】この場合,エッチング加工面のエッチング
速度は,エッチング液の濃度,温度により大きく異な
り,各エッチング液に応じて,適正なエッチング加工条
件を選定しなければならない。
【0009】例えば,特願平7−318143号によれ
ば,エッチング液を変質させる,加熱ヒータの表面材質
を考慮するなど,設備面での改善を行うことが提案され
ている。この場合においては,ダイヤフラム部分の表面
を平滑面とする場合には,アルカリ水溶液として25〜
40重量%のKOHを用い,液温を100℃以上とす
る。しかし,この範囲内にある最適条件(32重量%の
KOH,110℃)でエッチングを行った場合にも,エ
ッチング加工面に面荒れが生じるなど,表面粗さが安定
しないという問題がある。
【0010】また,エッチング加工しようとするシリコ
ンウェハの厚みが例えば20μmのように薄くなると,
これまで30μmでは問題とされなかったエッチング加
工面の平滑さが,全体の厚みの精度を左右するようにな
り,エッチング加工面の平滑化,平滑面の安定化が必要
となる。
【0011】また,例えばシリコンダイヤフラムは,そ
の裏面(ダイヤフラム部分と反対側)は,シリコンダイ
ヤフラムを被測定体に接合することがある。この場合,
上記裏面は,接合強度増大のために,粗大な凹凸面を有
することが望まれる。そのため,シリコンウェハのエッ
チング加工は,上記の平滑化のみならず,逆に粗化を要
求されることもある。
【0012】本発明はかかる従来の問題点に鑑み,寸法
安定性に優れたエッチング加工を行なうことができ,ま
た,表面を平滑化又は粗化することができるエッチング
液,及びこれを用いたエッチング加工方法を提供しよう
とするものである。
【0013】
【課題の解決手段】請求項1の発明は,シリコンウェハ
をエッチング加工するためのエッチング液において,上
記エッチング液は,アルカリ水溶液に,シリコン表面に
吸着し得る金属成分を添加してなることを特徴とするエ
ッチング液にある。
【0014】上記アルカリ水溶液としては,KOH,ヒ
ドラジン,EDP,TMAHなどの水溶液がある。ま
た,シリコン表面に吸着しうる金属としては,Cu
(銅),Mg(マグネシウム),Pb(鉛),Sn
(錫),Ag(銀)などがある。上記の「シリコン表面
に吸着しうる」とは,液中の金属とシリコン表面とが相
互作用を及ぼし,例えばシリコン表面に付着したりする
現象をいう。
【0015】そして,本発明においては,エッチング液
として,上記シリコン表面に吸着しうる金属を用いてい
るので,その金属の種類,濃度等を適宜選択することに
より,所望する形状のエッチング加工状態,或いは所望
する表面粗さ(平滑化,粗化)に,シリコンウェハをエ
ッチング加工することができる。特にシリコン{11
0}面ウェハを用いて,シリコン{110}面にエッチ
ング液を接触させてエッチング加工を行なう場合に,優
れた効果を発揮する。
【0016】次に,請求項2の発明のように,上記金属
成分は,Cu,Mg及びPbのいずれか1種又は2種以
上を用いることができる。上記金属の中,Cu,Mg,
Pbは,エッチング液中の濃度を調整することにより,
シリコンウェハを部分的に,所望する厚みの薄板部にエ
ッチング加工することができる。また,シリコンウェハ
を所望する表面粗さに加工することができる。
【0017】また,請求項3の発明のように,上記アル
カリ水溶液はKOHの水溶液を用いることができる。こ
の場合には,特にTMAH等に比べ,エッチング加工速
度が大きいという効果が得られる。
【0018】また,請求項4の発明のように,上記金属
成分は,上記エッチング加工時に発生する水素よりも酸
化還元電位が大きいものを適用することが好ましい。こ
こでいう酸化還元電位とは,エッチング液(強アルカ
リ)中におけるものである(以下同様)。
【0019】この場合には,上記水素によって上記金属
成分がシリコンウェハ表面上において析出を起こし,そ
の析出物が一種のマスキング膜となる。そのため,上記
金属成分の含有量を変えることにより,エッチング速
度,エッチング面の表面粗さ等を容易にコントロールす
ることができる。また,請求項5の発明のように,上記
金属成分としては,Cuを適用することができる。
【0020】また,請求項6の発明のように,上記金属
成分は,上記エッチング加工時に発生する水素よりも酸
化還元電位が小さく,かつ,Niよりも酸化還元電位が
大きいものを適用することもできる。特に請求項7の発
明のように,上記金属成分は,上記エッチング加工時に
おいて上記シリコンウェハの表面上において,イオン化
と析出を繰り返すものであることが好ましい。これによ
り,上記金属成分の含有量を変えることにより,エッチ
ング速度等を容易にコントロールすることができる。ま
た,請求項8の発明のように,上記金属成分としては,
Pbを適用することができる。
【0021】また,請求項9の発明のように,上記金属
成分は,上記アルカリ水溶液中において水酸化物による
コロイドを形成するものを適用することもできる。この
場合には,上記コロイドがシリコンウェハの表面をカバ
ーすることを利用して,エッチング速度等をコントロー
ルすることができる。また,請求項10の発明のよう
に,上記金属成分としてはMgを適用することができ
る。
【0022】次に,請求項11の発明のように,シリコ
ンウェハの表面にエッチング液を接触させることにより
上記シリコンウェハをエッチング加工する方法におい
て,上記エッチング液は,アルカリ水溶液に,シリコン
表面に吸着し得る金属成分を添加してなることを特徴と
するエッチング加工方法がある。
【0023】この場合には,上記エッチング液を用いて
いるので,上記のごとく,所望するエッチング加工状
態,表面粗さにシリコンウェハをエッチング加工するこ
とができる。また,上記と同様に,シリコン{110}
面ウェハを用いてシリコン{110}面にエッチング液
を接触させてエッチング加工する場合に,その効果が大
きい。
【0024】次に,請求項12の発明のように,上記金
属成分は,上記エッチング加工時に発生する水素よりも
酸化還元電位が大きいことが好ましい。この場合には,
上記のごとく,析出物のマスキング膜としての作用によ
り,エッチング速度,エッチング面の表面粗さ等を容易
にコントロールすることができる。また,この場合に
は,請求項13のように,上記金属成分としてCuを適
用することができる。
【0025】また,請求項14の発明のように,上記金
属成分は,上記エッチング加工時に発生する水素よりも
酸化還元電位が小さく,かつ,Niよりも酸化還元電位
が大きいものを適用することもできる。さらに,請求項
15の発明のように,上記金属成分は,上記エッチング
加工時において上記シリコンウェハの表面上において,
イオン化と析出を繰り返すものであることが好ましい。
これにより,上記のごとく,エッチング速度等を容易に
コントロールすることができる。そして,この場合に
は,請求項8の発明のように,上記金属成分としてPb
を適用することができる。
【0026】また,請求項17の発明のように,上記金
属成分は,上記アルカリ水溶液中において水酸化物によ
るコロイドを形成するものを適用することができる。こ
の場合にも上記のごとくエッチング速度等をコントロー
ルすることができる。また,この場合には,請求項18
の発明のように,上記金属成分としてMgを適用するこ
とができる。
【0027】次に,請求項19の発明のように,上記金
属成分は,Cu,Mg又はPbのいずれか1種又は2種
以上を用いることができる。この場合には,上記請求項
2と同様の効果を得ることができる。次に,請求項20
の発明のように,上記アルカリ水溶液はKOHの水溶液
を用いることが好ましい。この場合には,上記請求項3
と同様の効果を得ることができる。
【0028】次に,上記シリコンウェハには,エッチン
グ加工により,当初の厚みよりも薄い薄板部を部分的に
形成することが好ましい。例えば,エッチング加工によ
りシリコンダイヤフラムを製造する場合には,上記薄板
部はダイヤフラム部分に相当する。この場合には,薄板
部の厚みを任意にコントロールすることができる。
【0029】また,上記エッチング液の金属成分の濃度
を調整することにより,薄板部の幅寸法を調整すること
ができる。この場合には,薄板部の幅寸法を任意にコン
トロールすることができる。
【0030】次に,シリコン{110}面ウェハを加工
するに当たり,エッチング液におけるCu含有量は,
0.1ppm〜100ppmとすることが好ましい。ま
た,シリコン{110}面ウェハを加工するに当たり,
エッチング液におけるMg含有量は,5ppm〜100
ppmとすることが好ましい。また,シリコン{11
0}面ウェハを加工するに当たり,エッチング液におけ
るPb含有量は,0.05ppm〜100ppmとする
ことが好ましい。
【0031】上記の場合には,それぞれCu,Mg,P
bの含有量(濃度)を上記範囲とすることにより,シリ
コン{110}面ウェハを,所望する形状に容易にエッ
チング加工することができる。そして,Cuが0.1p
pm未満の場合にはエッチング加工が不充分となり,一
方100ppmを越えると,エッチング加工,洗浄後,
シリコン表面にCuが残存するというおそれがある。
【0032】また,Mgについては,5ppm未満の場
合にはエッチング加工が不充分となり,一方100pp
mを越えると,エッチング加工,洗浄後,シリコン表面
にCuが残存するというおそれがある。また,Pbにつ
いては,0.05ppm未満の場合にはエッチング加工
が不充分となり,一方100ppmを越えると,エッチ
ング加工,洗浄後,シリコン表面にCuが残存するとい
うおそれがある。
【0033】また,上記エッチング液における金属成分
の濃度を調整することにより,シリコンウェハ表面の表
面粗さを調整することができる。この場合には,シリコ
ンウェハの表面粗さを,所望する平滑状態或いは粗化状
態にエッチング加工することができる。
【0034】また,上記エッチング液における金属成分
の濃度を調整することにより,上記薄板部の表面粗さを
調整することができる。この場合には,上記薄板部の表
面粗さを所望する状態にエッチング加工することができ
る。
【0035】次に,エッチング液におけるCu含有量を
0.1ppm以下とすることにより,シリコン{11
0}面ウェハの表面粗さ(Rz)が1μm以下の平滑面
を得ることができる。この場合には,上記薄板部の表面
粗さRz(10点平均粗さ)を,上記のごとく1μm以
下に平滑化することができる。上記Cu(含有量)が
0.1ppmを越えると,表面粗さの(Rz)が1μm
を越えてしまうおそれがある。一方,Cu含有量の下限
は,分析管理可能レベルの点より0.001ppmとす
ることが好ましい。
【0036】また,エッチング液におけるCu含有量を
0.3ppm以上とすることにより,上記シリコン{1
10}面ウェハの表面粗さ(Rz)が 4μm以上の角
錐状突起を有する凹凸面を得ることができる。この場合
には,上記角錐状突起を有する粗化表面を得ることがで
きる(図15参照)。このような粗化表面とすることに
より,シリコンウェハを,有機物或いは無機物の接着剤
を用いて相手材に接合するとき,その接合強度を向上さ
せることができる。
【0037】また,上記において,Cu含有量が0.3
ppm未満の場合には,上記表面粗さを得ることができ
ない。一方,Cu含有量の上限は,エッチング加工,洗
浄後ウェハにCuの残り発生が生じるおそれがあるた
め,100ppmとすることが好ましい。なお,上記の
エッチング加工方法においては,いずれも,特にシリコ
ン{110}面ウェハに上記エッチング液を接触させて
その面の方向にエッチング加工する場合,特に,その効
果が大きい。
【0038】次に,シリコン{110}面ウェハを用い
て薄板状のダイヤフラム部分を有するシリコンダイヤフ
ラムを製造するに当たり,上記ダイヤフラム部分形成の
ための開口穴を有するエッチングマスクを,シリコン
{100}面で構成された斜面が形成されるようにシリ
コン{110}面に対面させて配置してエッチング加工
を行ない,上記エッチングマスクの上記開口穴の開口幅
Xに対する上記ダイヤフラム部分の幅Yの形成比Y/X
を0.75〜1.10にエッチング加工する方法があ
る。
【0039】この場合には,上記「形成比Y/X」が
0.75〜1.10の逆台形状の凹部を有するシリコン
ダイヤフラムを,容易に,しかも精度良く得ることがで
きる。上記エッチングマスクとしては,エッチング液に
よって侵食されない,例えばシリコン窒化膜,シリコン
酸化膜などの材料を用いる。
【0040】
【発明の実施の形態】 実施形態例1 本発明の実施形態例にかかる,シリコンウェハのエッチ
ング加工方法及びエッチング液につき図1〜図6を用い
て説明する。本例は,シリコンダイヤフラム10(図1
B)を製造する例である。即ち,図1(A)に示すごと
く,シリコンウェハ1のシリコン{110}面に開口穴
21を有するエッチングマスク2を配置し,この開口穴
21を通じてシリコン{110}面にエッチング液を接
触させて,シリコン{110}面に沿ってエッチング加
工を行なう。上記エッチングマスク2は,シリコン{1
00}面で構成された斜面(図1B)が形成されるよう
に配置してある。
【0041】そして,図1(B)に示すごとく,シリコ
ンウェハ1に逆台形の凹部11を形成する。これによ
り,ダイヤフラム部分15を有するシリコンダイヤフラ
ム10が得られる。また,このシリコンダイヤフラム1
0は,エッチングマスク2の開口穴21の幅をX,ダイ
ヤフラム部分15の幅をYとするとき,その形成比〔Y
/X〕が0.75〜1.10の範囲に形成されている。
【0042】図2〜図4は,上記のシリコンダイヤフラ
ム10の製造法を示している。即ち,その製造に当たっ
ては,まず図2(A)に示すごとく,シリコンウェハ1
を準備し,次いで図2(B)に示すごとく,シリコン
{110}面上の全面に,例えばSiN或いはSiO2
よりなるマスク材20を被覆する。次いで,フォトリソ
グラフィーを用いてエッチングマスク2を形成する。
【0043】即ち,図2(C)に示すごとく,上記マス
ク材20の上に穴31を有するホトレジスト膜3を設け
る。次いで,上方より光を当てて,現像を行なう。その
後マスク材20において光が照射された部分を酸系エッ
チング液で除去し,図2(D)に示すごとく,シリコン
ウェハ1上にエッチングマスク2を形成する。次いで,
上記ホトレジスト膜3を除去する。
【0044】次いで,図2(E)に示すごとく,シリコ
ンウェハ1において,エッチングマスク2の開口穴21
に露出している部分に,エッチング液を接触させ,エッ
チング加工を行なう。これにより,図2(F),上記図
1(B)に示した,ダイヤフラム部分15を有するシリ
コンダイヤフラム10が得られる。
【0045】なお,上記エッチング加工に当たっては,
図4に示すごとく,ヒータ42を有するエッチング加工
槽4内にエッチング液41を入れ,この中にエッチング
マスク2を施したシリコンウェハ1を入れる。また,エ
ッチング加工槽11の内壁及びヒータ14の表面にはポ
リテトラフルオロエチレンよりなる被覆材45をコーデ
ィングしてある。これはエッチング加工槽11,ヒータ
14の金属がエッチング液41中に溶出することを防止
するためである。
【0046】また,上記図1,図2では,個片化された
状態のシリコンダイヤフラムをイメージして説明してあ
る。しかし,シリコンダイヤフラムの製造は,例えば直
径100cmの円板状のシリコンウェハを用いて,多数
のシリコンダイヤフラムを同時に製造する。それ故,シ
リコンウェハは,図3に示すごとく,円板状をなし,そ
の上面に,各個片化シリコンダイヤフラムに対応する位
置にそれぞれ開口穴21を設けたエッチングマスク2を
設けてある。同図の点線19は,シリコンダイヤフラム
にした後に個々に個片化するための切断線である。
【0047】このように,シリコンウェハは,その上面
にエッチング加工用の多数の開口穴21を設ける他,そ
の全表面(側面,底面も含む)をエッチングマスク2に
より被覆し,図4に示すごとく,上記エッチング液41
中に入れられる。
【0048】次に,本例においては,Cuを添加したエ
ッチング液を用いて上記エッチング加工を行なった。即
ち,アルカリ水溶液として,32wt(重量)%のKO
H水溶液を用い,110℃においてエッチング加工を行
なった。エッチング液中へのCuの添加は,原子吸光分
析用の金属標準液を用いて行なった。
【0049】そして,エッチング液中のCuの含有量を
種々に変えて,シリコン{110}面とシリコン{10
0}面における各エッチング速度(μm/min)を測
定した。その結果を図5に示す。同図における曲線11
0面がシリコン{110}面の,曲線100面がシリコ
ン{100}面の各エッチング速度を示している。ま
た,同図の横軸はCu含有量(ppm)を対数目盛に
て,縦軸はエッチング速度(μm/min)を等分目盛
にて示している。
【0050】図5より知られるごとく,シリコン{11
0}面はシリコン{100}面よりもエッチング速度が
大きい。そのため,上記図1(B)に示すごとく,逆台
形の凹部11が形成され,ダイヤフラム部分15を有す
るシリコンダイヤフラム10が得られる。
【0051】また,シリコン{110}面は,Cuの含
有量を変えることにより,エッチング速度が変わり,C
u含有量が大きくなるにつれてエッチング速度が低下す
ることが分かる。そして,シリコン{110}面とシリ
コン{100}面の間のエッチング速度の比率も変わ
る。それ故,エッチング液中のCu含有量を変えれば,
シリコン{110}面のエッチング速度に対するシリコ
ン{100}面のエッチング速度の速度比を変えること
ができる。そのため,シリコンウェハの上記台形状の凹
部の形状は,Cu含有量により任意にコントロールする
ことができる。
【0052】図6は,上記エッチングマスクの開口穴の
幅を740μmとしたときの,Cu含有量に対するダイ
ヤフラム部分の幅(μm)を示したものである。同図よ
り知られるごとく,例えばCu含有量0.2ppm以下
であれば,ダイヤフラム部分の幅が約590μmの安定
したシリコンダイヤフラムを得ることができる。即ち,
エッチングマスクの開口穴の幅X=740μmに対する
ダイヤフラム部分の幅Y=590μmの形成比Y/X
が,約0.8のシリコンダイヤフラムが得られる。ま
た,Cu含有量が0.2ppmを越えると,その含有量
をコントロールすることによって,任意の幅のダイヤフ
ラム部分を得ることができる。なお,エッチング加工,
洗浄後シリコン表面にCuが残存しないようにするため
に,Cuの上限としては100ppmが好ましい。
【0053】換言すれば,Cu含有量をコントロールす
ることにより,エッチング加工の形状を変えることがで
き,エッチングマスクの開口穴の幅Xに対するダイヤフ
ラム部分幅Yの形成比(Y/X)を任意にコントロール
することができる。
【0054】実施形態例2 本例は,図7〜図9により,Mgをエッチング液に添加
した例を示す。本例においても,Mgは,実施形態例1
と同様の金属標準液を用いた。その他は,実施形態例1
と同様である。
【0055】エッチング加工の結果を,シリコン{11
0}面とシリコン{100}面のエッチング速度につい
て,図7に示した。また,図8には,「シリコン{11
0}面のエッチング速度」に対する「シリコン{10
0}面のエッチング速度」の比を示す「エッチング速度
比」を,Mg含有量(ppm)毎に示した。同図より知
られるごとく,エッチング速度比は,Mg含有量が大き
くなるにつれて大きくなる,つまりシリコン{110}
面に対するシリコン{100}面のエッチング速度の比
が大きくなることが分かる。
【0056】また,図9には,エッチングマスクの開口
穴幅を1000μmとしたときの,Mg含有量に対する
ダイヤフラム部分の幅を示した。同図より,Mg含有量
を1.5ppm以下に制御すれば,安定したダイヤフラ
ム部分の幅が得られ,また1.5ppmを越えるとダイ
ヤフラム部分幅を任意にコントロールできることが分か
る。なお,MgもCuと同様の理由により上限は100
ppmとすることが好ましい。
【0057】実施形態例3 本例は,図10,図11により,Pbをエッチング液に
添加した例を示す。Pbは,実施形態例1と同様の金属
標準液を用いた。その他は,実施形態例1と同様であ
る。エッチング加工の結果をシリコン{110}面とシ
リコン{100}面のエッチング速度について,図10
に示した。
【0058】また,図11には,エッチングマスクの開
口穴の幅を1000μmとしたときの,Pb含有量に対
するダイヤフラム部分の幅を示した。同図より,Pb含
有量を変えることにより,ダイヤフラム部分の幅を任意
にコントロールできることが分かる。なお,PbもCu
と同様の理由により上限は100ppmとすることが好
ましい。
【0059】また,図11より,Pbが0.1ppm以
上に制御するとダイヤフラム部の幅が安定してくること
が分かる。これは,ダイヤフラム部の幅をより精密に制
御する場合に有効であるといえる。即ち,Pbを0.1
ppm以上添加することによりダイヤフラム幅のばらつ
きを抑制することができる。なお,ダイヤフラム幅のば
らつきを制御する点において考えた場合,Pb添加量の
上限としては,図11に示すデータから2ppmとする
ことが望ましい。また,Pb添加のエッチング液を用い
るエッチング加工は,環境への影響を考慮して,クロー
ズドシステムで行なうことが好ましい。
【0060】ここで,上記実施形態例1〜3における,
Cu,Pb,Mgの各金属成分をエッチング液に添加し
たことによる上記効果が,どのようなメカニズムによっ
て発揮されるかについて考察する。まず,これらの金属
成分のエッチング液(強アルカリ)中における酸化還元
電位を図12に示す。
【0061】同図は,水素(H)とその他10種類の金
属元素のエッチング液中における酸化還元電位を調査
し,酸化還元電位の低いものを左に,高いものが右にく
るように並べて示したものである。また,各元素が上記
エッチング液中において存在する状態をその下欄に示し
た。さらにその下欄には,エッチング反応中における各
金属成分の挙動を示した。
【0062】同図を基にして,まず,Cuの作用を考察
する。Cuは,同図より知られるごとく,Hよりも貴で
あり,シリコンウェハ表面上においては,エッチング反
応において発生する水素(H)により還元される。その
ため,Cuはシリコンウェハ表面上に析出すると考えら
れる。
【0063】このCuの析出物は,マスキング膜として
の作用を発揮し,その析出部分のエッチング反応を抑制
する。また,上記析出の状態は,Cuの含有量によって
左右される。それ故,Cuの含有量を調整することによ
り,エッチング反応の抑制効果を制御することができ,
これにより,エッチング速度や面粗度をコントロールす
ることができると考えられる。
【0064】なお,AgもCuと同様にHよりも酸化還
元電位が高い。しかしながら,Agは,Cuのようには
エッチング反応にあまり影響を及ぼさない。これは,A
gは,Cuよりもさらに還元されやすいため,シリコン
ウェハ表面にAgイオンが到達する前にHによってエッ
チング液中で還元されるためと考えられる。
【0065】次に,Pbの作用につき考察する。Pbは
図12に示すごとく,水素Hとほぼ同等で若干低い程度
の酸化還元電位を有している。そのため,Pbはシリコ
ンウェハ表面上において水素と酸化還元反応を繰り返す
と考えられる。即ち,Pbは,シリコンウェハ表面上に
滞在してSiの溶解反応を阻害することにより,エッチ
ング速度を低下させると考えられる。
【0066】なお,水素Hよりも卑な金属成分,例えば
Znなどは,エッチング液中においてイオンのまま存在
し続けるので,エッチング反応に影響を及ぼさないと考
えられる。このように,上記のAgやZnがエッチング
反応にあまり影響を及ぼさず,上記のPb,Cuが顕著
に影響を及ぼす理由は,これらPb,Cuの酸化還元電
位がエッチング反応により発生する水素Hの値に非常に
近いためであると考えられる。そして,そのため,P
b,Cuは,ppbオーダーという極微量の添加量でも
エッチング反応に影響を与えると考えられる。
【0067】次に,Mgは,上記のPbやCuと異な
り,酸化還元電位が水素と大きく異なるため,単純に上
記と同様の理由を当てはめて考えることはできない。し
かしながら,ppmオーダーという比較的多量のMgを
含有させた場合には,エッチング液中において水酸化物
を多量に発生させるようになる。この水酸化物はエッチ
ング液中においてコロイド状となり,シリコンウェハ表
面をカバーするので,エッチング反応を抑制する効果を
発揮する。それ故,Mgの含有量を調整することによっ
て,エッチング速度を制御することが可能となると考え
られる。
【0068】実施形態例4 本例は,図13〜図16に示すごとく,シリコン{11
0}面ウェハをエッチング加工した場合の,エッチング
液中のCu含有量とエッチング加工面の表面粗さとの関
係を示すものである。エッチング液は,32wt%KO
H水溶液を用い,これにCuを添加して,110℃で,
20分間エッチング加工を行なった。また,シリコンウ
ェハは,実施形態例1に示すごとく,開口穴を設けたエ
ッチングマスクをシリコン{110}面に被覆し,これ
をエッチング液中に浸漬した。
【0069】そして,エッチング加工されたシリコン
{110}面ウェハにおける表面粗さ(Rz)を測定し
た。表面粗さは,10点平均法により測定した。その結
果を図13に,横軸にCu含有量を,縦軸にエッチング
加工面の表面粗さ(Rz)をとって示した。同図より,
Cu含有量0.1ppm以下に制御することにより略平
滑(表面粗さ1μm以下)なエッチング加工面を得るこ
とができることが分かる。また,0.15ppm以上と
すると,表面粗さはCu含有量と共に増大することが,
また0.3ppm以上ではその増大が小さくなることが
分かる。つまり,Cu含有量を0.3ppm以上とする
ことにより,所定の大きさの表面粗さを安定して形成で
きる。このような粗化表面とすることにより,シリコン
ウェハを有機物或いは無機物の接着剤を用いて相手材に
接合するとき,その接合強度を向上させることができ
る。
【0070】次に,図14は,Cu含有量0.34pp
mのエッチング液の温度を3種類変え,その表面粗さを
測定した結果を示す。いずれの場合も,表面粗さが約
4.1μmで,角錐状突起(図15)を有していた。
【0071】また,エッチング加工面を顕微鏡により観
察したところ,Cu含有量0.3ppm以上では,図1
5に示すごとく,エッチング加工面に,ピラミット状の
角錐状突起が形成されていることが分かった。図15
は,Cu含有量0.34ppmのエッチング液を用いた
場合のエッチング加工面を示している。なお,図15
(A)はエッチング加工面を上方斜方向から,図15
(B)は斜横方向から見た写真である。このように,C
u含有量を変えることにより,エッチング加工面を平滑
面,或いは角錐状突起を有する粗化面に任意にコントロ
ールできる。
【0072】次に,図16は,110℃の32wt%K
OH水溶液を用い,各ロット毎にCu含有量(右縦軸)
を変えたときの,エッチング加工面の表面粗さを示して
いる。同図より,Cu含有量0.02〜0.08ppm
においては,その表面粗さは略同じの約0.8μmにコ
ントロールできることが分かる。
【0073】実施形態例5 本例は,図17,図18に示すごとく,シリコン{10
0}面ウェハを用いて,他は実施形態例4と同様にエッ
チング加工した場合を示している。エッチング液は,3
2wt%KOH水溶液,温度110℃であり,Cuを添
加してある。図17は,Cu含有量に対するシリコン
{100}面の表面粗さを示している。
【0074】同図より,Cu含有量0.2ppm以下と
することにより,平滑なエッチング加工面を得ることが
できることが分かる。また,図18は,各ロット毎にC
u含有量の異なる上記エッチング液を用い,エッチング
加工したときの表面粗さを示している。同図よりCu含
有量が0.1ppm以下であれば,いずれも表面粗さ約
0.2μmのエッチング加工面が得られることが分か
る。
【0075】実施形態例6 本例は,図19に示すごとく,シリコン{110}面ウ
ェハに対して,Cu含有量0.021ppm,Mg含有
量0.031ppm,Pb含有量0.021ppmの3
種類の金属を含む,32wt%KOH水溶液,110℃
の条件でエッチング加工し,これを24回繰り返した。
その他は実施形態例1と同様である。そのときの,各回
処理におけるダイヤフラム部分の幅と,表面粗さを同図
に示した。同図より,24回の各処理ともに,略同じダ
イヤフラム部分の幅,表面粗さを有していることが分か
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1における,エッチング加工による
シリコンダイヤフラムの製造の説明図。
【図2】実施形態例1における,シリコンダイヤフラム
の製造工程の説明図。
【図3】実施形態例1における,エッチング加工時のシ
リコンウェハの平面図。
【図4】実施形態例1における,エッチング加工槽の説
明図。
【図5】実施形態例1における,Cu含有量とエッチン
グ速度との関係を示す線図。
【図6】実施形態例1における,Cu含有量とダイヤフ
ラム部分の幅との関係を示す線図。
【図7】実施形態例2における,Mg含有量とエッチン
グ速度との関係を示す線図。
【図8】実施形態例2における,Mg含有量とエッチン
グ速度比との関係を示す線図。
【図9】実施形態例2における,Mg含有量とダイヤフ
ラム部分の幅との関係を示す線図。
【図10】実施形態例3における,Pb含有量とエッチ
ング速度との関係を示す線図。
【図11】実施形態例3における,Pb含有量とダイヤ
フラム部分の幅との関係を示す線図。
【図12】実施形態例3における,金属成分の酸化還元
電位を示す説明図。
【図13】実施形態例4における,Cu含有量と表面粗
さの関係を示す線図。
【図14】実施形態例4における,エッチング液温度と
表面粗さの関係を示す線図。
【図15】実施形態例4における,エッチング加工面の
角錐状突起の粒子構造を示す図面代用写真(倍率(A)
は1000倍,(B)は2000倍)。
【図16】実施形態例4における,エッチング液のロッ
ト番号と,Cu含有量,表面粗さの関係を示す線図。
【図17】実施形態例5における,Cu含有量と表面粗
さの関係を示す線図。
【図18】実施形態例5における,エッチング液のロッ
ト番号と,Cu含有量,表面粗さの関係を示す線図。
【図19】実施形態例6における,エッチング処理回数
と,ダイヤフラム部分の幅,表面粗さの関係を示す図。
【符号の説明】
1...シリコンウェハ, 11...逆台形状の凹部, 15...ダイヤフラム部分, 2...エッチングマスク, 21...開口穴, 4...エッチング加工槽,
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阿部 吉次 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 伊藤 基樹 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 井上 和之 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコンウェハをエッチング加工するた
    めのエッチング液において,上記エッチング液は,アル
    カリ水溶液に,シリコン表面に吸着し得る金属成分を添
    加してなることを特徴とするエッチング液。
  2. 【請求項2】 請求項1において,上記金属成分は,C
    u,Mg及びPbのグループから選ばれる1種又は2種
    以上であることを特徴とするエッチング液。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において,上記アルカリ
    水溶液はKOHの水溶液であることを特徴とするエッチ
    ング液。
  4. 【請求項4】 請求項1において,上記金属成分は,上
    記エッチング加工時に発生する水素よりも酸化還元電位
    が大きいことを特徴とするエッチング液。
  5. 【請求項5】 請求項4において,上記金属成分はCu
    であることを特徴とするエッチング液。
  6. 【請求項6】 請求項1において,上記金属成分は,上
    記エッチング加工時に発生する水素よりも酸化還元電位
    が小さく,かつ,Niよりも酸化還元電位が大きいこと
    を特徴とするエッチング液。
  7. 【請求項7】 請求項6において,上記金属成分は,上
    記エッチング加工時において上記シリコンウェハの表面
    上において,イオン化と析出を繰り返すものであること
    を特徴とするエッチング液。
  8. 【請求項8】 請求項6又は7において,上記金属成分
    はPbであることを特徴とするエッチング液。
  9. 【請求項9】 請求項1において,上記金属成分は,上
    記アルカリ水溶液中において水酸化物によるコロイドを
    形成するものであることを特徴とするエッチング液。
  10. 【請求項10】 請求項9において,上記金属成分はM
    gであることを特徴とするエッチング液。
  11. 【請求項11】 シリコンウェハの表面にエッチング液
    を接触させることにより上記シリコンウェハをエッチン
    グ加工する方法において,上記エッチング液は,アルカ
    リ水溶液に,シリコン表面に吸着し得る金属成分を添加
    してなることを特徴とするエッチング加工方法。
  12. 【請求項12】 請求項11において,上記金属成分
    は,上記エッチング加工時に発生する水素よりも酸化還
    元電位が大きいことを特徴とするエッチング加工方法。
  13. 【請求項13】 請求項12において,上記金属成分は
    Cuであることを特徴とするエッチング加工方法。
  14. 【請求項14】 請求項11において,上記金属成分
    は,上記エッチング加工時に発生する水素よりも酸化還
    元電位が小さく,かつ,Niよりも酸化還元電位が大き
    いことを特徴とするエッチング加工方法。
  15. 【請求項15】 請求項11において,上記金属成分
    は,上記エッチング加工時において上記シリコンウェハ
    の表面上において,イオン化と析出を繰り返すものであ
    ることを特徴とするエッチング加工方法。
  16. 【請求項16】 請求項14又は15において,上記金
    属成分はPbであることを特徴とするエッチング加工方
    法。
  17. 【請求項17】 請求項11において,上記金属成分
    は,上記アルカリ水溶液中において水酸化物によるコロ
    イドを形成するものであることを特徴とするエッチング
    加工方法。
  18. 【請求項18】 請求項17において,上記金属成分は
    Mgであることを特徴とするエッチング加工方法。
  19. 【請求項19】 請求項11において,上記金属成分
    は,Cu,Mg又はPbのいずれか1種又は2種以上で
    あることを特徴とするエッチング加工方法。
  20. 【請求項20】 請求項11又は12において,上記ア
    ルカリ水溶液はKOHの水溶液であることを特徴とする
    エッチング加工方法。
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