JP3570865B2 - シリコン材料のエッチング方法 - Google Patents
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Description
【技術分野】
本発明は,半導体圧力センサのダイヤフラム,半導体加速度センサのカンチレバー等,シリコン材料を三次元加工した構造物の加工表面を平滑とする,又はシリコン材料を高精度に加工する場合に利用されるシリコン材料のエッチング方法に関する。
【0002】
【従来技術】
従来,シリコン単結晶,多結晶シリコン等のシリコン材料は,その電気的特性からLSIなどに代表される半導体集積回路に欠くことができない材料として重視されている。
【0003】
更に,近年はシリコン材料の機械的特性が注目され,理想的な弾性材料として種々のデバイスに応用されている。尚,この応用例としては,バルブ,ノズル,プリンタ用ヘッド,流量,圧力及び加速度等の各種半導体センサ(例えば半導体圧力センサのダイヤフラム,半導体加速度センサのカンチレバー)が挙げられる。
【0004】
上記シリコン材料の加工方法としては,一般にエッチング方法が多用されていた。上記エッチング方法はドライエッチングとウェットエッチングとに大別される。ここに上記ウェットエッチングとは,エッチング液を充填したエッチング槽にシリコン材料を投入し,エッチング液との化学反応を利用してシリコン材料の不要部分を溶解させて行う加工方法である。
【0005】
【解決しようとする課題】
しかしながら,上記エッチング方法には,以下に示す問題点がある。
即ち,上記エッチング方法においてエッチング液中にCuが100ppb以上混入した場合,後述の図3に示すごとく,エッチング面が荒れる(エッチング面の表面粗度が高くなる)ことを発明者らは明らかにした。
また,上記Cuの混入はエッチング液の純度不足,エッチング装置材料からの溶け込みにより発生し,完全に防止することが非常に困難である。
【0006】
以上により,従来のエッチング方法においては,エッチング中,定期的にエッチング液を交換する必要があった。
しかしながら,エッチング液の新品交換はエッチング温度,エッチング液の濃度変動を伴うため,シリコン材料の加工品質に変動が生じるおそれがあった。
【0007】
更に,上記エッチング液はCuの含有が問題となっており,他の面ではエッチング液として充分な品質を保持していることから,このようなエッチング液を再生させる方法についての要求が高かった。
【0008】
本発明は,かかる問題点に鑑み,エッチング面荒れが防止でき,エッチングの加工品質を維持可能,更にCuを含有したエッチング液を継続して利用可能な,シリコン材料のエッチング方法を提供しようとするものである。
【0009】
【課題の解決手段】
請求項1の発明は,Cuを含有するアルカリ溶液よりなるエッチング液を用いてシリコン材料をエッチングするに当たり,上記アルカリ溶液にはMgを添加することを特徴とするシリコン材料のエッチング方法にある。
【0010】
上記Mgの添加は,例えば分析用の金属(Mg)標準液又はMg塩を溶解した水溶液を所定量を添加することにより行うことが好ましい。
又,上記エッチング液としては後述するKOH水溶液の他に,TMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)水溶液,EDP(エチレンジアンミンピロカテコール)水溶液等を使用することができる。
【0011】
又,本発明のエッチング方法は,単結晶シリコンあるいは多結晶シリコン等の加工に適用することができる。例えば,シリコンウェハのシリコン(100),シリコン(110)面等の加工に適用することができる。
又,上記シリコン材料としてはシリコン単体よりなる材料ばかりでなく,例えば他の物質を含んだ材料,又は他の物質よりなる構造を設けた材料にも適用することができる。
【0012】
又,本発明のエッチング方法により,シリコン材料よりなる各種半導体集積回路,バルブ,ノズル,プリンタ用ヘッド,流量,圧力及び加速度等の各種半導体センサ(例えば半導体圧力センサのダイヤフラム,半導体加速度センサのカンチレバー),各種マイクロマシン等を作製することができる。
【0013】
本発明の作用につき,以下に説明する。
本発明にかかるエッチング方法においては,Cuが含有されたエッチング液に対してMgを添加する。
【0014】
エッチング液中のCuはシリコン材料の表面に析出し,エッチングマスクとしての役割を果たすことを発明者らは明らかにした。即ち,シリコン材料の表面でCuが析出していない部分はエッチングされるが,Cuが析出した部分はエッチングされ難い。よって,エッチング面に凹凸が形成され,表面粗度が高まり,エッチング面が荒れてしまう。
【0015】
ところで,上記エッチング液はアルカリ溶液であることから,添加されたMgは水酸化物を形成する。また,Mgの水酸化物は水に溶け難い。そして,水酸化物は生成する際にCuを取り込むことができる。更に,水酸化物は生成後にCuのシリコン材料表面への拡散を抑制できる。
このため,Cuのシリコン材料表面への析出が防止され,エッチング面の荒れを防止することができる。
【0016】
また,本発明によればMgの添加によりエッチング液中からCuの影響を排除できるため,継続してエッチングを行うことができる。従って,エッチングの加工品質を維持することができる。
また,同一のエッチング液をより長期間使用できるため,エッチング液にかかるコストを低減することができる。
【0017】
以上のように,本発明によれば,エッチング面荒れが防止でき,エッチングの加工品質を維持可能,更にCuを含有したエッチング液を継続して利用可能な,シリコン材料のエッチング方法を提供することができる。
【0018】
又,上記アルカリ溶液中のCu含有量よりもMg添加量が大であることが好ましい。これにより,Cuの影響を排除できるため,継続してエッチングを行うことができる。
なお,上記アルカリ溶液はKOH水溶液であることが好ましい。これにより,単結晶シリコン材料において,異方性エッチング加工(面方位によってエッチング速度が異なる加工)を実施できる。また,アルカリ溶液の中でもKOH水溶液のエッチング速度は早い。この点において優れている。
【0019】
又,上記Mg添加量は上記アルカリ溶液に対して10〜1000ppmであることが好ましい。これにより,シリコン材料におけるCuの面荒れ作用を防止して平滑な面を得ることができる。
上記Mg添加量が10ppm未満の場合には,本発明にかかる効果が得られないおそれがある。一方,1000ppmを越えた場合には(即ち0.1%を越えた場合には),アルカリ水溶液の濃度に対して無視できない量のMgが添加されたこととなり,大きなエッチング速度の低下や添加する水溶液量が多くなり,エッチング液自体の濃度(アルカリ濃度)が変化してしまう。
【0020】
【発明の実施の形態】
実施形態例
本発明の実施形態例にかかるエッチング方法につき,図1〜図3を用いて説明する。尚,本例はシリコンウェハのシリコン(110)面のエッチング加工を行うものである。
本例のエッチング方法は,Cuを含有するアルカリ溶液よりなるエッチング液を用いてシリコン材料をエッチングする。そして,上記アルカリ溶液にはMgを添加する。上記エッチング液は32wt%KOH水溶液よりなる。
【0021】
以下に本例にかかるエッチング方法及びその性能につき詳細に説明する。
まず,32wt%KOH水溶液を準備し,該水溶液に原子吸光分析用の金属標準液を用いて,Cuを170ppb添加した。
この水溶液をいくつか準備し,それぞれの水溶液に原子吸光分析用の金属標準液を用いて,Mgを所定量添加した。
以上にかかる水溶液を用いて温度100℃,時間20分という条件でシリコン材料をエッチングした。
【0022】
エッチングを終えたシリコン材料のそれぞれについて,針触式の表面粗さ計や共焦点型レーザー顕微鏡による形態観察等にてエッチング面の表面粗さ(十点平均粗さ)を測定した。
【0023】
以上の試験結果について,横軸にMgの添加量を,縦軸にエッチング面の表面粗さを採った線図にプロットし,図1とした。
同図によれば,Mgの添加量が少ない(1ppb)場合には2μm以上あった表面粗さが,Mgの添加量が5000ppbを越えた付近から急激に減少することが分かった。
そして,Mgの添加量が10000ppbを越えることにより,Cuが極微量含まれたエッチング液(図3参照,100ppb以下)にてエッチングした場合と同程度の滑らかなエッチング面(表面粗さ;1μm未満)を達成できたことが分かった。
【0024】
また,上記と同様の試験をCuが350ppb含有されたエッチング液について行い,この結果について図2に記載した。
同図によれば,上記と同様に,Mgの添加量が5000ppbを越えた付近から表面粗さが急激に減少し,添加量が10000ppbを越えることにより,Cuが極微量含まれたエッチング液(図3参照,100ppb以下)にてエッチングした場合と同程度の滑らかなエッチング面(表面粗さ;1μm未満)を達成できたことが分かった。
【0025】
また,比較例として,上記と同様の32wt%KOH水溶液に所定量のCuを添加して得られたエッチング液を準備し,上記と同様にしてシリコン材料のエッチングを行い,上記と同様にエッチング面の表面粗さを測定した。そして,横軸にCuの含有量を,縦軸に表面粗さを採った線図を作製した。これが図3である。同図によれば,Cuの含有率が0.1ppm,即ち100ppbを越えた付近より急激に表面粗さが増大していることが分かった。
【0026】
次に,本例における作用効果につき説明する。
本例において,上記エッチング液はアルカリ溶液であることから,添加されたMgは水酸化物を形成する。また,Mgの水酸化物は水に溶け難い。そして,水酸化物は生成する際にCuを取り込むことができる。更に,水酸化物は生成後にCuのシリコン材料表面への拡散を抑制できる。
このため,Cuのシリコン材料表面への析出が防止され,エッチング面の荒れを防止することができる。
【0027】
また,Mgの添加によりCuの影響を排除できるため,継続してエッチングを行うことができる。従って,エッチングの加工品質を維持することができる。
また,同一のエッチング液をより長期間使用できるため,エッチング液にかかるコストを低減することができる。
【0028】
以上のように,本例によれば,エッチング面荒れが防止でき,エッチングの加工品質を維持可能,更にCuを含有したエッチング液を継続して利用可能な,シリコン材料のエッチング方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例における,エッチング液におけるCuの含有量が170ppbである場合のMgの添加量とシリコン材料の表面粗さとの関係を示す線図。
【図2】実施形態例における,エッチング液におけるCuの含有量が350ppbである場合のMgの添加量とシリコン材料の表面粗さとの関係を示す線図。
【図3】実施形態例における,エッチング液におけるCuの含有量とシリコン材料の表面粗さとの関係を示す線図。
Claims (1)
- Cuを含有するアルカリ溶液よりなるエッチング液を用いてシリコン材料をエッチングするに当たり,上記アルカリ溶液にはMgを添加することを特徴とするシリコン材料のエッチング方法。
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JP21595297A JP3570865B2 (ja) | 1997-07-25 | 1997-07-25 | シリコン材料のエッチング方法 |
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1997
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