JP2004119674A - シリコン異方性エッチング液及びそれを用いた半導体装置の製造方法 - Google Patents

シリコン異方性エッチング液及びそれを用いた半導体装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】アルミニウムをエッチングすることなくシリコンのみを選択的にエッチングすることができるシリコン異方性エッチング液を提供すること。
【解決手段】3.0〜20.0質量%TMAH水溶液に、シリコンを0.9〜8.0質量%となるように溶解後、酸化剤を添加されてなるシリコン異方性エッチング液か、または、3.0〜20.0質量%のTMAHと、シリコンと、硝酸アンモニウムとを含有してなるシリコン異方性エッチング液により課題は解決される。
【選択図】    なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シリコン異方性エッチング液及びそれを用いた半導体装置の製造方法に関し、特に、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる構造を有する半導体装置の製造に好適なシリコン異方性エッチング液に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年のマイクロマシニング技術により、半導体装置、例えば、熱型センサ、圧力センサ、加速度センサ、角速度センサなどの各種デバイスには、高集積化、微細化、高感度化、高機能化などの種々の要望がなされており、このような要望を満たすために、半導体装置の構造は平面的な構造から立体的な構造に移行されている。半導体装置において所望の立体構造を形成するためには、乾式、湿式などの異方性エッチング技術が用いられる。
【0003】
他方、従来より、シリコン半導体における電極又は配線材料は、アルミニウム又はアルミニウム合金が多用されている。しかしながら、アルミニウム又はアルミニウム合金はアルカリ性湿式異方性エッチング液(例えば、KOH、TMAH、EDP水溶液)に侵されやすいため、電極又は配線材料としてアルミニウム又はアルミニウム合金が使用される半導体の製造においてアルカリ性湿式異方性エッチングを適用する場合は、アルミニウム又はアルミニウム合金を保護するための何らかの対策を必要としていた。そのため、このような半導体の製造工程は複雑になり、また、アルカリ性湿式異方性エッチングによる汚染(アルカリイオンによる半導体装置の汚染)防止のため特別の装置を必要とするなどの種々の問題が生じ、これらは半導体装置(例えば、デバイス)の製造コストを上げる原因となっていた。それ故、アルミニウム又はアルミニウム合金のエッチングがされないアルカリ性湿式異方性エッチング技術の開発が要望されている。
【0004】
従来、アルミニウム層又はアルミニウム合金層を有する半導体装置の製造にアルカリ性湿式異方性エッチングを適用する場合には、代表的に下記の方法が用いられていた。
1.アルカリ性湿式異方性エッチング後に、アルミニウム層又はアルミニウム合金層の形成を行う。
2.アルカリ性湿式異方性エッチングに耐性を有する保護膜(例えば酸化膜など)により、アルミニウム層又はアルミニウム合金層を保護する。
3.アルミニウム又はアルミニウム合金のエッチング程度の低いアルカリ性湿式異方性エッチング液(例えば、シリコン添加TMAH、EDPなど)を選択して使用する(例えば、特許文献1参照。)。
4.電極材料をアルミニウム又はアルミニウム合金から、アルカリ性湿式異方性エッチング液に耐性を有する金属(例えば、Ti、W、Mo、Ta、Cr)に変える。
5.アルミニウム層又はアルミニウム合金層の形成されたウェハ表面を保護治具により保護し、ウェハ表面からアルカリ性湿式異方性エッチングを行う。
【0005】
しかしながら、前記方法には以下のような種々の問題がある。
1.のように、アルカリ性湿式異方性エッチング後にアルミニウム層又はアルミニウム合金層を形成する方法では、アルカリ性湿式異方性エッチングにより基板と分離された部分の構造強度が弱いため、アルミニウム層又はアルミニウム合金層を成膜したあと、これを更にエッチングするためのフォトリソグラフィや湿式エッチングの適用が困難である。
2.のような方法でアルミニウム層又はアルミニウム合金層を保護した場合には、酸化膜などの通常使用される保護膜は導電性を持たないので、アルミニウム層又はアルミニウム合金層との電気的接触を行うために保護膜除去工程が必要となる。しかし、この保護膜除去工程をフォトリソグラフィや湿式エッチングで行うことが困難である。
3.のような方法では、アルミニウム層又はアルミニウム合金層のエッチングされる厚さを考慮してこの厚さを予め付け増ししておくといったことが必要になり、加工精度が低下し、ウェハ面内でのアルミニウム層又はアルミニウム合金層の厚さバラツキが増加し、性能が低下する。加えてアルミニウムによる半導体装置の汚染問題も生じる。
4.のような方法では、アルミ以外の金属材料を用いるため、半導体装置の汚染問題が生じる。更に、通常IC回路はアルミニウム又はアルミニウム合金使って作製するため、信号処理回路との集積化ができなくなる。
5.のような方法では、枚葉式の処理となり生産性が低い。加えて、ウェハ裏面からのエッチングにしか使えず、エッチング時間が長く、エッチングにより形成される斜面のためのチップサイズが大きくなりすぎるという問題もある。
【0006】
【特許文献1】
特開平4−370932号公報 (第3頁)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題点を解決するものであり、その目的は、アルミニウムをエッチングすることなくシリコンのみを選択的にエッチングすることができるシリコン異方性エッチング液を提供することにある。
さらに、前記シリコン異方性エッチング液を用いた、生産性に優れる半導体装置の製造方法を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
即ち本発明は、
<1>3.0〜20.0質量%TMAH水溶液に、シリコンを0.9〜8.0質量%となるように添加後、酸化剤を添加されてなるシリコン異方性エッチング液である。
【0009】
<2>3.0〜20.0質量%のTMAHと、シリコンと、硝酸アンモニウムとを含有してなるシリコン異方性エッチング液である。
【0010】
<3>前記シリコンの含有量が0.9〜8.0質量%であり、前記硝酸アンモニウムの含有量が0.3〜4.0質量%である<2>に記載のシリコン異方性エッチング液である。
【0011】
<4>3.0〜20.0質量%TMAH水溶液に、シリコンを0.9〜8.0質量%となるように添加後、酸化剤を添加することを特徴とするシリコン異方性エッチング液の製造方法である。
【0012】
<5>シリコン半導体基板上にアルミニウム又はアルミニウム合金からなる層を形成し、次いでアルカリ性湿式異方性エッチングによりシリコン半導体基板に3次元構造を形成する半導体装置の製造方法において、前記アルカリ性湿式異方性エッチングに用いられるエッチング液が、<1>又は<2>に記載のシリコン異方性エッチング液であることを特徴とする半導体装置の製造方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】
(シリコン異方性エッチング液)
本発明のシリコン異方性エッチング液は、3.0〜20.0質量%TMAH水溶液に、シリコンを0.9〜8.0質量%となるように添加後、酸化剤を添加されてなる(以下第一のエッチング液と言うことがある。)。
さらに、3.0〜20.0質量%のTMAHと、シリコンと、硝酸アンモニウムとを含有してなるシリコン異方性エッチング液(以下、第二のエッチング液と言うことがある。)も本発明のシリコン異方性エッチング液に含まれる。
【0014】
本発明に用いられる水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)は、水溶液中で高解離度,強塩基性を有することからエッチング速度が大きい。また、TMAHは不揮発性であるため、エッチング速度に影響を与える濃度変化が小さく、これにより長時間のエッチングに対してもほぼ一定のエッチング速度を保つことができる。
【0015】
本発明のシリコン異方性エッチング液は、特定量のシリコンと酸化剤とを含有することによりアルミニウム又はアルミニウム合金を全くエッチングせずにシリコンのみを選択的にエッチングすることができるという性質を有する。
【0016】
−第一のエッチング液−
第一のエッチング液において、TMAHとシリコンと酸化剤との添加量の割合は、各々3.0〜20.0質量%、0.9〜8.0質量%及び0.3〜4.0質量%が好ましく、更に好ましくは4.0〜15.0質量%、1.2〜6.0質量%及び0.4〜3.0質量%であり、特に5.0〜10.0質量%、1.5〜4.0質量%及び0.5〜2.0質量%が好ましい。各々の成分の添加量の割合を上記の範囲にすることにより、シリコン異方性エッチング液にアルミニウム又はアルミニウム合金を全くエッチングせず、シリコンのみを選択的にエッチングすることができるという性質を付与することが可能となる。
【0017】
ところで、TMAHの濃度が3.0質量%より小さい場合には、エッチング面の凹凸が大きくなるため良好なエッチング加工精度が得られない。また、TMAHの濃度が20.0質量%より大きい場合には、アルミニウム又はアルミニウム合金のエッチングが発生し、シリコンエッチング速度も低下するとともに、室温で溶液中に不純物が生じ溶液の取り扱いが困難になる。
また、シリコンの濃度が0.9質量%未満であると、アルミニウムまたはアルミニウム合金へのエッチングを停止させることができない場合がある。一方、シリコンの濃度は8.0質量%以上にすることは困難な場合がある。
【0018】
前記酸化剤の具体例としては、例えば、過硫酸アンモニウム又は硝酸アンモニウム等が挙げられる。
【0019】
第一のエッチング液は、3.0〜20.0質量%TMAH水溶液に、シリコンを0.9〜8.0質量%となるように添加後、酸化剤を添加することにより製造される。
第一のエッチング液を用いてシリコン基板等のエッチングを行うと、エッチング底面にマイクロピラミッドの発生がほとんど観測されず平坦性に優れたエッチング底面を得ることが可能となる。
ところが、3.0〜20.0質量%TMAH水溶液に、酸化剤を添加後、シリコンを0.9〜8.0質量%となるように添加させる工程により製造されたシリコン異方性エッチング液を用いてシリコン基板等をエッチングすると、エッチング底面に大量のマイクロピラミッドが発生するという問題が生ずる場合がある。例えば、酸化剤として過硫酸アンモニウムを用いると前述のような問題が生ずる。したがって、用いる酸化剤の種類によって、TMAH水溶液にシリコンと酸化剤とを加える順番が重要となる。
【0020】
次に、第一のエッチング液の製造方法における、酸化剤を添加するタイミングについて説明する。
第一のエッチング液の製造方法においては、TMAH水溶液にシリコンを添加後、酸化剤を添加するが、酸化剤を添加するタイミングは、シリコンが完全に溶解した後である必要はない。酸化剤を添加するタイミングは、TMAH、シリコン及び酸化剤の濃度を勘案して適宜調節される。
【0021】
−第二のエッチング液−
第二のエッチング液において、TMAHとシリコンと硝酸アンモニウムとの添加量の割合は、各々3.0〜20.0質量%、0.9〜8.0質量%及び0.3〜4.0質量%が好ましく、更に好ましくは4.0〜15.0質量%、1.2〜6.0質量%及び0.4〜3.0質量%であり、特に5.0〜10.0質量%、1.5〜4.0質量%及び0.5〜2.0質量%が好ましい。各々の成分の添加量の割合を上記の範囲にすることにより、シリコン異方性エッチング液にアルミニウム又はアルミニウム合金を全くエッチングせず、シリコンのみを選択的にエッチングすることができるという性質を付与することが可能となる。
【0022】
ところで、TMAHの濃度が3.0質量%より小さい場合には、エッチング面の凹凸が大きくなるため良好なエッチング加工精度が得られない。また、TMAHの濃度が20.0質量%より大きい場合には、アルミニウム又はアルミニウム合金のエッチングが発生し、シリコンエッチング速度も低下するとともに、室温で溶液中に不純物が生じ溶液の取り扱いが困難になる。
【0023】
酸化剤として硝酸アンモニウムを用いた第二のエッチング液の場合、シリコン及び、硝酸アンモニウムの添加の順番には特に限定はなく、どちらを先に添加しても平坦性に優れるエッチング底面を生ずるシリコン異方性エッチング液を得ることができる。
【0024】
(半導体装置の製造方法)
本発明の半導体装置の製造方法は、シリコン半導体基板上にアルミニウム又はアルミニウム合金からなる層を形成し、次いでアルカリ性湿式異方性エッチングによりシリコン半導体基板に3次元構造を形成する半導体装置の製造方法において、前記アルカリ性湿式異方性エッチングに用いられるエッチング液が前記第一または第二のエッチング液であることを特徴とする。
【0025】
前記半導体装置としては、電極又は配線などの導電部材としてアルミニウム又はアルミニウム合金が使用されている半導体装置であればよく、具体的には、例えば、各種センサ(熱型センサ、圧力センサ、加速度センサ、角速度センサ等)が挙げられる。
前記シリコン半導体基板は、シリコン半導体の分野で通常使用されるものであってよい。又、シリコン半導体基板に形成される3次元構造も、目的とする半導体装置の種類に応じて選択することができる。
【0026】
前記アルミニウム又はアルミニウム合金からなる層は、導電層(通常電極又は配線)として使用されるので、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる層の大きさ、形状、厚さは、導電層として機能し得るように適宜選択する。前記アルミニウム合金は、同種分野で慣用のものであってよい。
以下、図面を用いて本発明の半導体装置の製造方法を説明する。
【0027】
図1は、半導体装置のパッド部分のアルミニウム又はアルミニウム合金への適用例である。
図1(a)の如く、シリコン半導体基板1の上面にウェル2、膜3、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる層のパッド部4及び回路部5が形成され、又シリコン半導体基板1の下面に膜6が形成されている。図1(b)の如く、膜3、パッド部4及び回路部5を覆って表面保護膜7を形成する。次いで図1(c)の如く、パッド部4上の表面保護膜7を一部除去して、パッド部4に窓8を開ける。次いで図1(d)の如く、シリコン半導体基板1の上面にエッチング用の窓10を開け、またシリコン半導体基板1の下面にもエッチング用の窓11、12を開ける。次いで図1(e)の如く、シリコン半導体基板1の上下両面をアルカリ性湿式異方性エッチングして、所望の3次元構造13及び14を形成する。
この場合、前記アルカリ性湿式異方性エッチングは、前記第一または第二のエッチング液を用いて行われる。
【0028】
前記アルカリ性湿式異方性エッチングを、前記第一または第二のエッチング液を用いて行うことにより、半導体装置のパッド部分のアルミニウム又はアルミニウム合金を保護する層を設けることなくエッチングが可能となるため、半導体装置の生産性を向上させることが可能となる。
【0029】
前記アルカリ性湿式異方性エッチングは、40℃以上の温度で行われることが好ましく、さらに好ましくは60〜90℃、特に70〜80℃が好ましい。エッチング液の温度を高くすることにより、溶解反応の反応速度が上昇し、シリコン単結晶の(100)面の溶解量が増加する。エッチング液の温度が40℃未満の場合には、実用的なエッチング速度が得られず、またエッチング底面の平滑性も低下する。
【0030】
図2は、半導体装置のアルミニウム又はアルミニウム合金部分全体への適用例である。
図2(a)は図1(a)と同じ状態にある。次いで図2(b)の如く、シリコン半導体基板1の上面にエッチング用の窓を開け、又シリコン半導体基板1の下面にもエッチング用の窓11、12を開ける。次いで、図2(c)の如く、シリコン半導体基板1の上下両面を図1の場合と同様にアルカリ性湿式異方性エッチングして、所望の3次元構造を形成する。この場合においても、アルミニウム又はアルミニウム合金を保護する層を設けることなくエッチングが可能となるため、半導体装置の生産性を向上させることが可能となる。
【0031】
【実施例】
以下、本発明を実施例を用いて詳細に説明する。
[実施例1]
10.0質量%TMAH水溶液に、シリコンを3.0質量%となるように添加してから、過硫酸アンモニウムを1.0質量%となるように添加した本発明のシリコン異方性エッチング液(第一のエッチング液)を用いてシリコン半導体基板のエッチングを行った。エッチング温度は80℃、エッチング時間は30分であった。
エッチングされた部分の電子顕微鏡写真(倍率1000倍で撮影。)を図3に示す。
エッチング底面にマイクロピラミッドの発生がほとんど見られないことがわかる。
【0032】
[実施例2]
10.0質量%TMAH水溶液に、シリコンと硝酸アンモニウムとをそれぞれ3.0質量%と1.0質量%となるように溶解させた本発明のシリコン異方性エッチング液(第二のエッチング液)を用いてシリコン半導体基板のエッチングを行った。エッチング温度は80℃、エッチング時間は30分であった。
エッチングされた部分の電子顕微鏡写真(倍率1000倍で撮影。)を図4に示す。
エッチング底面にマイクロピラミッドの発生がほとんど見られないことがわかる。
【0033】
[比較例1]
10.0質量%TMAH水溶液に、過硫酸アンモニウムを1.0質量%となるように添加してから、シリコンを3.0質量%となるように添加した比較例のシリコン異方性エッチング液を用いてシリコン半導体基板のエッチングを行った。エッチング温度は80℃、エッチング時間は30分であった。
エッチングされた部分の電子顕微鏡写真(倍率1000倍で撮影。)を図5に示す。
エッチング底面に大量のマイクロピラミッドが発生した。
【0034】
[実施例3]
3.0質量%のシリコンが溶解した10.0質量%TMAH溶液における、アルミニウムエッチングレートの硝酸アンモニウムの濃度に対する依存性を調べた。
図6は、各種硝酸アンモニウム添加濃度におけるアルミニウムエッチングレート(Å/min)を示す。硝酸アンモニウムの添加量の増加に伴いアルミニウムエッチングレートが低下し、硝酸アンモニウムの添加量が1.0質量%以上になるとアルミニウムはエッチングされなくなることがわかる。
【0035】
硝酸アンモニウムと同様に、過硫酸アンモニウムを3.0質量%のシリコンが溶解した10.0質量%TMAH溶液中に1.0質量%以上となるように添加することで、アルミニウムのエッチングを停止させることが可能であった。
【0036】
[実施例4]
10.0質量%TMAH水溶液に、シリコンを3.0質量%となるように添加後、酸化剤として過硫酸アンモニウムか、又は硝酸アンモニウムを1.0質量%となるように添加してなるシリコン異方性エッチング液を用いて、表面にアルミニウム層を備えるシリコン半導体基板をエッチングしたときのアルミニウム層表面に形成される酸化層の厚みを測定した。アルミニウム層表面に形成される酸化層の厚みは、オージェ電子分光法により、アルミニウムと酸素との組成比変化を深さ方向に測定して膜厚を求めた。
この時のエッチング温度は80℃、エッチング時間は30分であった。
酸化層の厚みは、硝酸アンモニウムを酸化剤として用いたシリコン異方性エッチング液では40Å、過硫酸アンモニウムを用いた場合は120Åであった。
アルミニウム層表面に形成される酸化層が薄いと、配線抵抗、接触抵抗が増加せず、加えてボンディング性についても良好な結果を得ることができる。
【0037】
【発明の効果】
本発明により、アルミニウム又はアルミニウム合金をエッチングすることなく、シリコンを選択的にエッチング可能なシリコン異方性エッチング液を提供することができる。さらに、生産性に優れる半導体装置の製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体装置の製造方法を半導体装置のパッド部分のアルミニウム又はアルミニウム合金に適用した場合の説明図である。
【図2】本発明の半導体装置の製造方法を半導体装置のアルミニウム又はアルミニウム合金部分全体に適用した場合の説明図である。
【図3】酸化剤として過硫酸アンモニウムを用いた第一のエッチング液によるエッチング部分の電子顕微鏡写真である。
【図4】酸化剤として硝酸アンモニウムを用いた第二のエッチング液によるエッチング部分の電子顕微鏡写真である。
【図5】比較例のシリコン異方性エッチング液によるエッチング部分の電子顕微鏡写真である。
【図6】アルミニウムエッチングレートの硝酸アンモニウムの濃度に対する依存性を示した図である。
【符号の説明】
1  シリコン半導体基板
4  パッド部
7  表面保護膜
8、10、11、12  窓

Claims (5)

  1. 3.0〜20.0質量%TMAH水溶液に、シリコンを0.9〜8.0質量%となるように添加後、酸化剤を添加されてなるシリコン異方性エッチング液。
  2. 3.0〜20.0質量%のTMAHと、シリコンと、硝酸アンモニウムとを含有してなるシリコン異方性エッチング液。
  3. 前記シリコンの含有量が0.9〜8.0質量%であり、前記硝酸アンモニウムの含有量が0.3〜4.0質量%である請求項2に記載のシリコン異方性エッチング液。
  4. 3.0〜20.0質量%TMAH水溶液に、シリコンを0.9〜8.0質量%となるように添加後、酸化剤を添加することを特徴とするシリコン異方性エッチング液の製造方法。
  5. シリコン半導体基板上にアルミニウム又はアルミニウム合金からなる層を形成し、次いでアルカリ性湿式異方性エッチングによりシリコン半導体基板に3次元構造を形成する半導体装置の製造方法において、
    前記アルカリ性湿式異方性エッチングに用いられるエッチング液が、請求項1又は2に記載のシリコン異方性エッチング液であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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