JP2006147946A - エッチング液及びその製造方法、並びに液体噴射ヘッドの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 シリコン基板、特に表面が(100)面であるシリコン基板をウェットエッチングする際に用いられるアルカリ性溶液を含有すると共に、Ca、Cu、Mg、Ni、Zn又はSnの少なくとも1種の金属を含有したエッチング液とする。
【選択図】 なし
Description
かかる第1の態様では、Al、Pbの濃度が所定の濃度以下であるアルカリ性溶液を含有するエッチング液に所定の金属が含まれているので、シリコン基板をウェットエッチングする際に、シリコン基板の(211)面方位のエッチングレートのばらつきを低減することができる。
かかる第2の態様では、Al、Pbの濃度が所定の濃度以下であるアルカリ性溶液を含有するエッチング液に所定の金属が含まれているので、表面が(100)面であるシリコン基板をウェットエッチングして少なくとも(211)面を形成する際に、シリコン基板の(211)面方位のエッチングレートのばらつきを低減することができる。
かかる第3の態様では、エッチング液のAl又はPbの濃度の上限値を規定することで、シリコン基板の(211)面方位のエッチングレートのばらつきをより効果的に低減することができる。
かかる第4の態様では、エッチング液に所定の金属が含まれているので、表面が(100)面であるシリコン基板をウェットエッチングして少なくとも(211)面を形成する際に、シリコン基板の(211)面方位のエッチングレートのばらつきを低減することができる。
かかる第5の態様では、所定の各種金属濃度の下限値を100ppb以上と規定することで、シリコン基板の(211)面方位のエッチングレートのばらつきをより確実に低減することができる。
かかる第6の態様では、所定の各種金属濃度の下限値を500ppb以上と規定することで、シリコン基板の(211)面方位のエッチングレートのばらつきをより確実に低減することができる。
かかる第7の態様では、所定の各種金属濃度の下限値を1000ppb以上と規定することで、シリコン基板の(211)面方位のエッチングレートのばらつきをより確実に低減することができる。
かかる第8の態様では、シリコン基板に(211)面を有する凹部を良好に形成することができて、しかもその凹部の(211)面のエッチングレートのばらつきを低減することができるエッチング液を実現することができる。
かかる第9の態様では、所望のアルカリ溶液を含有したエッチング液により、平滑な(211)面の形状が得られる。
かかる第10の態様では、KOH、水、アルコールの少なくとも3成分系からなるエッチング液とすることで、より平滑な(211)面の形状が得られる。
かかる第11の態様では、所定のアルカリ性溶液に、所定の金属を制限なく添加することで、シリコン基板をウェットエッチングする際に、シリコン基板の(211)面方位のエッチングレートのばらつきを低減することができるエッチング液を実現することができる。
かかる第12の態様では、所定のアルカリ性溶液に、所定の金属を制限なく添加することで、表面が(100)面であるシリコン基板をウェットエッチングする際に、シリコン基板の(211)面方位のエッチングレートのばらつきを低減することができるエッチング液を実現することができる。
かかる第13の態様では、Al、Pbの濃度が所定の濃度以下であるアルカリ性溶液に、所定の金属を制限なく添加することで、表面が(100)面であるシリコン基板をウェットエッチングする際に、シリコン基板の(211)面方位のエッチングレートのばらつきを低減することができるエッチング液を実現することができる。
かかる第14の態様では、Al、Pbの濃度が所定の濃度以下であるアルカリ性溶液を含有するエッチング液に所定の金属が含まれているので、シリコン基板をウェットエッチングする際に、シリコン基板の(211)面方位のエッチングレートのばらつきを低減することができる。これにより、液体噴射ヘッドの性能低下、例えば、圧力発生室の容積変化等(ノズル)の形状、寸法等に伴って生じる液体噴射特性のばらつきを低減することができる。
かかる第15の態様では、Al、Pbの濃度が所定の濃度以下であるアルカリ性溶液を含有するエッチング液に所定の金属が含まれているので、表面が(100)面であるシリコン基板をウェットエッチングする際に、シリコン基板の(211)面方位のエッチングレートのばらつきを低減することができる。これにより、液体噴射ヘッドの性能低下、例えば、圧力発生室の容積変化等(ノズル)の形状、寸法等に伴って生じる液体噴射特性のばらつきを低減することができる。
かかる第16の態様では、所定のアルカリ性溶液を含有するエッチング液に所定の金属が含まれているので、表面が(100)面であるシリコン基板をウェットエッチングする際に、シリコン基板の(211)面方位のエッチングレートのばらつきを低減することができる。これにより、液体噴射ヘッドの性能低下、例えば、圧力発生室の容積変化等(ノズル)の形状、寸法等に伴って生じる液体噴射特性のばらつきを低減することができる。
かかる第17の態様では、ウェットエッチング加工を良好に実施することができて、シリコン基板に少なくとも(211)面を有する所定形状の圧力発生室を確実に形成することができる。
(実施形態1)
本発明に係るエッチング液は、シリコン基板の中でも特に、表面が(100)面であるシリコン単結晶基板を含むシリコン基板をウェットエッチングする際に用いられるアルカリ性溶液を含有すると共に、Ca、Cu、Mg、Ni、Zn又はSnの少なくとも1種の金属を含有するものである。
図3は、液体噴射ヘッドの1つであるインクジェット式記録ヘッドの要部拡大断面図である。図3に示すインクジェット式記録ヘッドは、駆動手段に静電気力を利用したヘッドであり、具体的には、一方面が(100)面であるシリコン基板からなりその一方面側にインク滴を吐出する複数のノズル開口11に連通する圧力発生室(キャビティ)12等が並設されたキャビティ基板10を具備する。また、キャビティ基板10には、圧力発生室12のノズル開口11が連通する一端部とは反対側の他端部に連通するインク供給路13が設けられ、このインク供給路13の圧力発生室12側とは反対側には、各圧力発生室12に共通なインク室となる共通インク室14が設けられている。さらに、圧力発生室12の底壁は、詳細は後述するが、圧力発生室12に圧力変化を生じさせる振動板15となっている。
Claims (17)
- シリコン基板をウェットエッチングする際に用いられ且つAl又はPbの少なくとも1種の金属濃度が所定の濃度以下であるアルカリ性溶液を含有すると共に、Ca、Cu、Mg、Ni、Zn又はSnの少なくとも1種の金属を含有するものであることを特徴とするエッチング液。
- シリコン基板の(100)面である一方面をウェットエッチングして少なくとも(211)面を形成する際に用いられ且つAl又はPbの少なくとも1種の金属濃度が所定の濃度以下であるアルカリ溶液を含有すると共に、Ca、Cu、Mg、Ni、Zn又はSnの少なくとも1種の金属を含有するものであることを特徴とするエッチング液。
- 請求項1又は2において、前記Al又はPbの少なくとも1種の金属濃度が、200ppb以下であることを特徴とするエッチング液。
- シリコン基板の(100)面である一方面をウェットエッチングして少なくとも(211)面を形成する際に用いられるアルカリ溶液を含有すると共に、Ca、Cu、Mg、Ni、Zn又はSnの少なくとも1種の金属を含有するものであることを特徴とするエッチング液。
- 請求項1〜4の何れかにおいて、前記Ca、Cu、Mg、Ni、Zn又はSnの少なくとも1種の金属濃度が、100ppb以上であることを特徴とするエッチング液。
- 請求項1〜5の何れかにおいて、前記Ca、Cu、Mg、Ni、Zn又はSnの少なくとも1種の金属濃度が、500ppb以上であることを特徴とするエッチング液。
- 請求項1〜6の何れかにおいて、前記Ca、Cu、Mg、Ni、Zn又はSnの少なくとも1種の金属濃度が、1000ppb以上であることを特徴とするエッチング液。
- 請求項1〜7の何れかにおいて、前記アルカリ性溶液が、KOHを少なくとも含有する水溶液であることを特徴とするエッチング液。
- 請求項8において、前記アルカリ性溶液が、KOHと所定の溶液と水とを所定の割合で混合して得た水溶液であることを特徴とするエッチング液。
- 請求項9において、前記所定の溶液が、少なくともアルコールを含む溶液であることを特徴とするエッチング液。
- シリコン基板をウェットエッチングする際に用いられ且つAl又はPbの少なくとも1種の金属濃度が所定の濃度以下であるアルカリ性溶液に、Ca、Cu、Mg、Ni、Zn又はSnの少なくとも1種の金属を添加することで製造することを特徴とするエッチング液の製造方法。
- シリコン基板の(100)面である一方面をウェットエッチングして少なくとも(211)面を形成する際に用いられるアルカリ溶液に、Ca、Cu、Mg、Ni、Zn又はSnの少なくとも1種の金属を添加することで製造することを特徴とするエッチング液の製造方法。
- シリコン基板の(100)面である一方面をウェットエッチングして少なくとも(211)面を形成する際に用いられ且つAl又はPbの少なくとも1種の金属濃度が所定の濃度以下であるアルカリ溶液に、Ca、Cu、Mg、Ni、Zn又はSnの少なくとも1種の金属を添加することで製造することを特徴とするエッチング液の製造方法。
- シリコン基板の一方面側からのウェットエッチングによって、液体を噴射するノズル開口に連通する圧力発生室とその圧力発生室に対して圧力変化を生じさせる振動板とを形成する第1工程と、前記シリコン基板の他方面側に電極を有する電極基板を接合する第2工程とを少なくとも有し、前記第1工程では、Al又はPbの少なくとも1種の金属濃度が所定の濃度以下であるアルカリ性溶液を含有すると共に、Ca、Cu、Mg、Ni、Zn又はSnの少なくとも1種の金属を含有するエッチング液を前記シリコン基板の一方面側に接触させて前記ウェットエッチングを実施することを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法。
- シリコン基板の(100)面である一方面側からのウェットエッチングによって、液体を噴射するノズル開口に連通して少なくとも(211)面を有する圧力発生室とその圧力発生室に対して圧力変化を生じさせる振動板とを形成する第1工程と、前記シリコン基板の他方面側に電極を有する電極基板を接合する第2工程とを少なくとも有し、前記第1工程では、Al又はPbの少なくとも1種の金属濃度が所定の濃度以下であるアルカリ性溶液を含有すると共に、Ca、Cu、Mg、Ni、Zn又はSnの少なくとも1種の金属を含有するエッチング液を前記シリコン基板の一方面側に接触させて前記ウェットエッチングを実施することを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法。
- シリコン基板の(100)面である一方面側からのウェットエッチングによって、液体を噴射するノズル開口に連通して少なくとも(211)面を有する圧力発生室とその圧力発生室に対して圧力変化を生じさせる振動板とを形成する第1工程と、前記シリコン基板の他方面側に電極を有する電極基板を接合する第2工程とを少なくとも有し、前記第1工程では、アルカリ性溶液と、Ca、Cu、Mg、Ni、Zn又はSnの少なくとも1種の金属とを含有するエッチング液を前記シリコン基板の一方面側に接触させて前記ウェットエッチングを実施することを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法。
- 請求項14〜16の何れかにおいて、前記第1工程では、前記エッチング液を100℃以下の温度として前記ウェットエッチングを実施することを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法。
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