JP2008103428A - プラズマエッチング加工方法及び液体噴射ヘッドの製造方法 - Google Patents
プラズマエッチング加工方法及び液体噴射ヘッドの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2008103428A JP2008103428A JP2006283059A JP2006283059A JP2008103428A JP 2008103428 A JP2008103428 A JP 2008103428A JP 2006283059 A JP2006283059 A JP 2006283059A JP 2006283059 A JP2006283059 A JP 2006283059A JP 2008103428 A JP2008103428 A JP 2008103428A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- plasma etching
- etching
- substrate
- vpp value
- nozzle
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Landscapes
- Plasma Technology (AREA)
- Drying Of Semiconductors (AREA)
- Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
Abstract
【課題】プラズマエッチング装置を用いて基板をドライエッチングすることにより、基板を常に高精度に加工することができるプラズマエッチング加工方法及びそれを用いた液体噴射ヘッドの製造方法を提供する。
【解決手段】基板上に所定寸法の開口を有する保護膜201を形成する工程と、保護膜201をマスクとしてプラズマエッチング装置により基板をドライエッチングしてエッチング工程とを有し、エッチング工程を実施中にプラズマエッチング装置の電極のVpp値を測定し、各エッチング工程で設定する設定Vpp値を前回のエッチング工程時に測定された測定Vpp値に基づいて調整する。
【選択図】図4
【解決手段】基板上に所定寸法の開口を有する保護膜201を形成する工程と、保護膜201をマスクとしてプラズマエッチング装置により基板をドライエッチングしてエッチング工程とを有し、エッチング工程を実施中にプラズマエッチング装置の電極のVpp値を測定し、各エッチング工程で設定する設定Vpp値を前回のエッチング工程時に測定された測定Vpp値に基づいて調整する。
【選択図】図4
Description
本発明は、プラズマエッチング装置を用いて、保護膜をマスクとして基板をドライエッチングすることにより基板に所定の加工を施すプラズマエッチング加工方法に関し、特に、液体噴射ヘッドを構成するノズルプレートにノズルを形成するのに好適な加工方法である。
一般的に、プリンタ、ファクシミリ、複写装置等に用いられるインクジェット式記録ヘッド等の液体噴射ヘッドでは、液滴を吐出させるためのメカニズムに応じて各種方式のものが知られている。例えば、発熱素子等によって液体を沸騰させ、そのときに生じる気泡圧で液滴を吐出させるものや、液滴が充填された圧力発生室の容積を、圧電素子の変位によって膨張又は収縮させることでノズルから液滴を吐出させるものがある。また、例えば、静電気力を利用して圧力発生室の容積を変化させることで、ノズルから液滴を吐出させるようにしたものがある。
このような各種液体噴射ヘッドでは、一般的に、インク滴が吐出される複数のノズルが穿設されたノズルプレートを有する。このようなノズルプレートとしては、例えば、シリコン基板等の基板に、プラズマエッチング装置によるドライエッチングにより複数のノズルを形成することによって製造されるものがある(例えば、特許文献1参照)。このようにプラズマエッチング装置を用いてノズルプレートにノズルを形成することで、直径が数十μm程度のノズルであっても比較的高精度に形成することができる。
しかしながら、プラズマエッチング装置に印加する電圧等の加工条件を一定にしていても、複数枚の基板を連続的にエッチングしているうちにエッチングレート等が変化してサイドエッチング量が増減してしまうという問題がある。すなわち、ノズルを常に所望の直径で形成することができず、若干のバラツキが生じてしまう場合がある。また、このようなノズルの形状のバラツキは、例えば、基板をエッチングする際に用いるマスクの寸法誤差等によっても生じる場合がある。勿論、このような問題は、ノズルプレートを製造する場合だけでなく、プラズマエッチング装置を用いて基板をドライエッチングする際には、同様に生じる虞がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、プラズマエッチング装置を用いて基板をドライエッチングすることにより、基板を常に高精度に加工することができるプラズマエッチング加工方法及びそれを用いた液体噴射ヘッドの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明は、基板上に所定寸法の開口を有する保護膜を形成する工程と、該保護膜をマスクとしてプラズマエッチング装置により基板をドライエッチングするエッチング工程とを有し、前記エッチング工程を実施中に前記プラズマエッチング装置の電極のVpp値を測定し、各エッチング工程で設定する設定Vpp値を前回のエッチング工程時に測定された測定Vpp値に基づいて調整することを特徴とするプラズマエッチング加工方法にある。かかる本発明では、常に所定のエッチングレートで基板がエッチングされるため、基板を常に所望の形状に加工することができ、加工品質が大幅に向上する。
ここで、前記エッチング工程の前に、前記保護膜の開口寸法を測定する測定工程を有し、各エッチング工程での設定Vpp値を、前回のエッチング工程で測定された測定Vpp値と、前記保護膜の開口の寸法誤差とに基づいて設定することが好ましい。この構成では、保護膜の開口の寸法誤差によるエッチング誤差が、設定Vpp値を変化させることで調整される。これにより、基板をより確実に所望の形状に形成することができる。
また、前記基板としては、シリコン基板が挙げられる。シリコン基板であれば、プラズマエッチング装置を用いてより確実に所望の形状に加工することができる。
さらに、前記プラズマエッチング装置としては、誘導結合型プラズマエッチング装置が挙げられる。誘導結合型プラズマエッチング装置を用いる場合であっても、設定Vpp値を調整することで、加工品質を向上することができる。
また、本発明は、圧力発生手段によって圧力発生室内の液体に圧力を付与してノズルから液滴を吐出する液体噴射ヘッドの製造方法であって、上記のようなプラズマエッチング加工方法によって、前記基板であるノズルプレートに複数の前記ノズルを形成することを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法にある。かかる本発明の液体噴射ヘッドの製造方法では、微小孔である複数のノズルを極めて高精度で且つ常に均一な形状に形成することができる。したがって、液滴の吐出特性が極めて安定するため、常に高品質な液体噴射ヘッドを提供することができるようになる。
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
まずは、本発明の一実施形態に係るインクジェット式記録ヘッドについて説明する。なお、図1は、インクジェット式記録ヘッドの概略斜視図であり、図2は、その断面図である。
まずは、本発明の一実施形態に係るインクジェット式記録ヘッドについて説明する。なお、図1は、インクジェット式記録ヘッドの概略斜視図であり、図2は、その断面図である。
液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドは、いわゆる静電駆動方式のヘッドであり、図示するように、キャビティ基板10と、このキャビティ基板10の両面にそれぞれ接合されるノズルプレート20及び電極基板30とで構成されている。
キャビティ基板10は、例えば、面方位(100)又は(110)のシリコン単結晶基板からなり、その一方面側に開口する圧力発生室(キャビティ)11がその幅方向に複数並設されている。また、本実施形態では、キャビティ基板10には、複数の圧力発生室11が並設された列が2列形成されている。さらに、キャビティ基板10には、各列の圧力発生室11に共通するインク室となる共通インク室12が形成されており、この共通インク室12は、後述するインク供給路を介して各圧力発生室11に連通されている。また、共通インク室12の底壁には、共通インク室12にインクを供給するためのインク供給孔13が形成されている。また、キャビティ基板10には、共通インク室12の外側に、後述する個別電極33に接続される個別端子部34を露出させるための貫通孔14が形成されている。
なお、各圧力発生室11の底壁は、圧力発生室11内に圧力変化を生じさせるための振動板15として機能し、且つこの振動板15を変位させる静電気力を発生させるための共通電極としての役割を兼ねている。そして、キャビティ基板10の貫通孔14近傍には、後述するノズルプレート20の露出孔内に露出されて図示しない駆動配線が接続される共通端子部16が形成されている。
ノズルプレート20は、キャビティ基板10と同様に、面方位(100)又は(110)のシリコン単結晶基板からなり、各圧力発生室11に連通する複数のノズル21が形成されている。このノズルプレート20は、キャビティ基板10の開口面側に接合され、圧力発生室11及び共通インク室12の一方の面を構成している。また、ノズルプレート20のキャビティ基板10とは反対側の面には、ノズル21に対応する領域に亘って厚さ方向の一部を除去したノズル段差部22が形成されている。
ここで、各ノズル21は、インク滴が吐出される側に設けられてノズル段差部22内に開口する略円形の小径部21aと、小径部21aよりも大きい径を有し小径部21aと圧力発生室11とを連通する大径部21bとからなる。全てのノズル21は、このノズル段差部22内に開口しており、本実施形態では、このノズル段差部22内のノズルプレート20表面がノズル面となる。なお、このノズル21は、詳しくは後述するが、プラズマエッチング装置を用いてシリコン単結晶基板からなるノズルプレート20をドライエッチングすることによって形成されている。
また、ノズルプレート20のキャビティ基板10との接合面には、圧力発生室11と共通インク室12との境界に対応する領域に、これら各圧力発生室11と共通インク室12とを連通するインク供給路23が形成されている。また、ノズルプレート20には、共通インク室12の外側に対応する位置に、キャビティ基板10の貫通孔14に連通し、個別端子部34と共に共通端子部16を露出させる露出孔24が形成されている。
このノズルプレート20の表面、本実施形態では、ノズル段差部22内には、例えば、フッ素含有シランカップリング化合物等からなる撥水撥油性材料からなる撥水撥油膜25が形成されている。これにより、ノズルプレート20の表面(ノズル面)へのインク滴の付着を抑えている。
一方、電極基板30は、シリコン単結晶基板に近い熱膨張率を有する、例えば、ホウ珪酸ガラス等のガラス基板からなり、キャビティ基板10の振動板15側の面に接合されている。この電極基板30の振動板15に対向する領域には、各圧力発生室11に対応して電極基板凹部31が形成されている。また、電極基板30には、キャビティ基板10のインク供給孔13に対応する位置に、このインク供給孔13に連通するインク導入孔32が形成されている。そして、図示しないインクタンクからこのインク導入孔32及びインク供給孔13を介して共通インク室12にインクが充填されるようになっている。
また、各電極基板凹部31には、振動板15を変位させる静電気力を発生させるための個別電極33が、振動板15との間に所定の間隔を確保した状態でそれぞれ配置されている。また、電極基板凹部31内には、キャビティ基板10の貫通孔14に対向する領域に、図示しない駆動配線が接続される個別端子部34が形成されており、この個別端子部34と各個別電極33とはリード電極35によって接続されている。なお、図示しないが、これら各個別電極33及びリード電極35は絶縁膜によって封止され、また個別端子部34と共通端子部16との間には、接続配線を介して駆動電圧パルスを印加するための発振回路が接続されている。
そして、このようなインクジェット式記録ヘッドでは、発振回路によって個別電極33と振動板15(キャビティ基板10)との間に駆動電圧を印加すると、これら個別電極33と振動板15との隙間に発生する静電気力によって振動板15が個別電極33側に撓み変形して、圧力発生室11の容積が拡大し、駆動電圧の印加を解除すると、振動板15が元の状態に復帰し、圧力発生室11の容積が収縮する。そして、このとき発生する圧力発生室11内の圧力変化によって、圧力発生室11内のインクの一部が、ノズル21からインク滴として吐出される。
以下、本実施形態に係る液体噴射ヘッドの製造方法、具体的には、ノズルプレートの製造工程について、図3〜5を参照して説明する。なお、図3〜5は、ノズルの列とは直交する方向の断面図である。
まず、図3(a)に示すように、ノズルプレート用ウェハ200を熱酸化することにより、その表面に二酸化シリコンからなる保護膜201を形成する。なお、ノズルプレート用ウェハ200は、例えば、厚さが180μmのシリコンウェハであり、複数のノズルプレートが一体的に形成される。
次いで、図3(b)に示すように、ノズルプレート用ウェハ200の一方面側の保護膜201を、例えば、フォトリソグラフィ法によりフッ化アンモニウム等によってエッチングすることにより、所定寸法の開口部を形成する。すなわち、小径部21aが形成される領域に、小径部21aと略同一径の開口部202を形成する。また、個別端子部を露出させるための露出孔24が形成される領域にも、所定形状の開口部203を形成する。なお、本実施形態では、開口部203は、露出孔24が形成される領域の周縁部のみに形成している。次いで、図3(c)に示すように、保護膜201をさらにハーフエッチングすることにより、大径部21bが形成される領域に、大径部21bと略同一径で所定深さの大径部用凹部204を形成する。また、インク供給路23が形成される領域に、インク供給路23と略同一開口形状を有する所定深さのインク供給路用凹部205を形成する。
次に、図4(a)に示すように、このような保護膜201をマスクとしてノズルプレート用ウェハ200をプラズマエッチング装置によりエッチングすることによって、所定深さの凹部206(小径部21a)及び溝部207を形成する。本実施形態では、ノズルプレート用ウェハ200を異方性ドライエッチングすることで、凹部206(小径部21a)及び溝部207をノズル21の小径部21aと略同一深さとなるように形成する。具体的には、誘導結合型プラズマエッチング装置を用い、SF6ガスを用いてドライエッチングするエッチング工程と、このエッチングした領域の側壁にC2F6ガスを用いてフッ素化合物のポリマーを形成する工程とを繰り返すことにより、ノズルプレート用ウェハ200を異方性ドライエッチングする。
次に、図4(b)に示すように、ノズルプレート用ウェハ200の表面の保護膜201をフッ化水素水溶液でエッチングし、その厚さ方向の一部を除去して、大径部用凹部204,インク供給路用凹部205に対応する部分に開口部208,209を形成する。すなわち、大径部用凹部204,インク供給路用凹部205内の保護膜201が完全に除去されるまで保護膜201全体を均一な厚さで除去する。
そして、図4(c)に示すように、この保護膜201をマスクとして、ノズルプレート用ウェハ200を、プラズマエッチング装置を用いてさらにドライエッチングする。ノズルプレート用ウェハ200を大径部21bと同一の深さだけエッチングすることにより、開口部208に対応する部分に、小径部21a及び大径部21bからなるノズル21が形成されると共に、開口部209に対応する領域にインク供給路23が形成される。また同時に、溝部207がさらに深く形成される。
このようなノズルプレート用ウェハ200のエッチング工程は、複数枚のノズルプレート用ウェハ200に対して順次実施される。そして、本発明では、各ノズルプレート用ウェハ200のエッチング工程においてプラズマエッチング装置の電極のVpp値を測定しておき、各エッチング工程でエッチング開始時に設定される「設定Vpp値」を、前回のエッチング工程で測定された「測定Vpp値」に基づいて調整するようにしている。
ここで、本実施形態に係るノズルプレートの製造に用いられる誘導結合型プラズマエッチング装置について説明する。図6は、誘導結合型プラズマエッチング装置の概略図である。図6に示すように、誘導結合型プラズマエッチング装置(以下、ICP装置という)300は、例えば、枚様式の装置であり、エッチング室301の中央下部にノズルプレート用ウェハ200が載置されるステージ302が設けられている。エッチング室301の上部には、エッチング室301に円筒状に巻かれた誘導結合コイル304が設けられている。この誘導結合コイル304には、所定の高周波電圧(RF電圧)を印加するためのRF電源305が接続されており、一方、ステージ302には、RFバイアス電圧を印加するためのRFバイアス電源306が接続されている。またICP装置300には、エッチング工程中に、ステージ302に印加されるRFバイアス電圧の電圧差であるVpp値を測定する測定手段307が設けられている。
また、エッチング室301の上部には、例えば、電気ヒータ308及び冷却水が供給される冷却パイプ309を有する冷却手段310が配されており、これら電気ヒータ308及び冷却手段310によってエッチング室301内の温度が調整されるようになっている。さらに、エッチング室301には、例えば、C4F8、SF6、O2等の反応ガスを供給するためのガス供給管311が接続され、各反応ガスの流量はマスフローコントローラ(MFC)312によって適宜調整されるようになっている。
そして、このようなICP装置300においてシリコン基板を加工した場合、例えば、図7のグラフに示すように、サイドエッチング量はVpp値の増加に伴って増加することが分かっている。すなわち、エッチングレートとVpp値とは正比例の関係を示すことが分かっている。なお、図7に示すデータは、ICP装置300によってシリコン基板に直径20μm、深さ100μm程度の微小凹部を形成したときのデータである。
このようにサイドエッチング量とVpp値とは正比例の関係を示すため、プラズマエッチング装置のVpp値を変化させることで、形成される凹部の形状(直径等)も変化する。また、誘導結合コイル304に印加するRF電圧及びステージ302に印加するRFバイアス電圧を常に一定にしていても、実際のVpp値には若干のバラツキが生じてしまう。すなわち、設定Vpp値と測定Vpp値とが一致しない場合がある。
このため、本発明では、前回のエッチング工程での測定Vpp値に基づいて、各エッチング工程での設定Vpp値を調整するようにしている。すなわち、エッチング工程中に測定手段307によって測定される測定Vpp値が所望のVpp値となるように、設定Vpp値を調整するようにした。具体的には、ステージ302に印加するRFバイアス電圧を変化させることで設定Vpp値を調整している。
このように前回のエッチング工程での測定Vpp値に基づいて各エッチング工程の設定Vpp値を調整することで、エッチンレートが安定し、常に所望の形状のノズル21を形成することができる。例えば、各エッチング工程での測定Vpp値が一定となるように設定Vpp値を調整することで、各ノズルプレートのノズルを均一な形状に形成することができる。ただし、保護膜201の開口部202,208の形状に寸法誤差が生じている場合、各エッチング工程での測定Vpp値が一定となるようにしてしまうと、ノズル21の形状(直径)にバラツキが生じてしまうと考えられる。
このため、本実施形態では、前回のエッチング工程における測定Vpp値と共に、保護膜201の開口部202,208の寸法誤差に基づいて、設定Vpp値を調整するようにしている。具体的には、ノズルプレート用ウェハ200をエッチングする前に、保護膜201の開口部202,208の寸法を測定し、例えば、開口部202,208が設計寸法よりも大きく形成されている場合には、設定Vpp値を若干低めに調整し、設計寸法よりも小さく形成されている場合には、設定Vpp値を若干高めに調整する。これにより、保護膜201の開口部202,208にある程度の寸法誤差がある場合でも、各ノズル21を常に均一な形状に形成することができる。
以上のようにICP装置300を用いたドライエッチングによりノズルプレート用ウェハ200にノズル21を形成した後は、図5(a)に示すように、ノズルプレート用ウェハ200表面の保護膜201をフッ酸水溶液によって、一旦全て剥離させる。次に、図5(b)に示すように、ノズルプレート用ウェハ200を熱酸化し、ノズル21内等を含む全表面に、再び酸化膜211を形成する。
次に、図5(c)に示すように、ノズルプレート用ウェハ200のインク供給路23とは反対側の面、すなわち、ノズル面側の酸化膜211を、例えば、フッ化アンモニウム等によってエッチングすることにより、ノズル段差部22及び露出孔24が形成される領域に開口部212,213を形成する。そして、図5(d)に示すように、この酸化膜211をマスクとしてノズルプレート用ウェハ200を、例えば、水酸化カリウム溶液(KOH)等によって異方性ウェットエッチングすることにより、ノズル段差部22を形成すると共に、露出孔24を実質的に貫通させる。なお、本実施形態では、ノズル段差部22をウェットエッチングにより形成するようにしたが、これに限定されず、例えば、ドライエッチングによって、あるいはウェットエッチングとドライエッチングとを併用して形成するようにしてもよい。
その後、図5(e)に示すように、ノズルプレート用ウェハ200表面の酸化膜211を、フッ酸水溶液等によって完全に剥離させる。これによって、ノズル21がノズル段差部22内に開口すると共に、露出孔24が完全に貫通される。なお、その後は、図示しないが、ノズルプレート用ウェハ200を、再び熱酸化してノズル21等の内面にインク保護膜となる酸化膜を形成して、ダイシング等により所定の大きさに切断することによってノズルプレート20が形成される。
以上本発明の一実施形態について説明したが、勿論、本発明はこのような実施形態に限定されるものではない。例えば、本実施形態では、比較的高い寸法精度が要求されるノズルを形成する際に設定Vpp値を調整するようにしたが、勿論、ノズルプレートの他の部分を形成する際に調整するようにしてもよいことは言うまでもない。さらに、本実施形態では、ステージ302に印加するRFバイアス電圧を変化させることで、設定Vpp値を調整するようにしたが、設定Vpp値の具体的調整方法は特に限定されるものでない。例えば、電気ヒータ308、冷却手段310等によってエッチング室301内の温度を調整することによっても設定Vpp値の若干の調整は可能である。
また、例えば、インク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッドを一例として本発明を説明したが、本発明は、他のあらゆる液滴を吐出する液体噴射ヘッドの製造方法にも採用することができるものである。他の液体噴射ヘッドとしては、例えば、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレー、FED(電界放出ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられる。
さらに、本発明は、液体噴射ヘッドの製造方法だけでなく、プラズマエッチング装置を用いたドライエッチングによるあらゆる基板の加工に適用することができるものである。
10 キャビティ基板、 11 圧力発生室、 12 共通インク室、 13 インク供給孔、 15 振動板、 20 ノズルプレート、 21 ノズル、 201 保護膜、 300 プラズマエッチング装置、 301 エッチング室、 302 ステージ、 304 誘導結合コイル、 305 RF電源、 306 RFバイアス電源、 307 測定手段、 308 電気ヒータ、 309 冷却パイプ、 310 冷却手段、 311 ガス供給管、 312 MFC
Claims (5)
- 基板上に所定寸法の開口を有する保護膜を形成する工程と、該保護膜をマスクとしてプラズマエッチング装置により基板をドライエッチングするエッチング工程とを有し、
前記エッチング工程を実施中に前記プラズマエッチング装置の電極のVpp値を測定し、各エッチング工程で設定する設定Vpp値を前回のエッチング工程時に測定された測定Vpp値に基づいて調整することを特徴とするプラズマエッチング加工方法。 - 前記エッチング工程の前に、前記保護膜の開口寸法を測定する測定工程を有し、各エッチング工程での設定Vpp値を、前回のエッチング工程で測定された測定Vpp値と、前記保護膜の開口の寸法誤差とに基づいて設定することを特徴とする請求項1に記載のプラズマエッチング加工方法。
- 前記基板がシリコン基板であることを特徴とする請求項1又は2に記載のプラズマエッチング加工方法。
- 前記プラズマエッチング装置が誘導結合型プラズマエッチング装置であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のプラズマエッチング加工方法。
- 圧力発生手段によって圧力発生室内の液体に圧力を付与してノズルから液滴を吐出する液体噴射ヘッドの製造方法であって、
請求項1〜4の何れか一項に記載のプラズマエッチング加工方法によって、前記基板であるノズルプレートに複数の前記ノズルを形成することを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006283059A JP2008103428A (ja) | 2006-10-17 | 2006-10-17 | プラズマエッチング加工方法及び液体噴射ヘッドの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006283059A JP2008103428A (ja) | 2006-10-17 | 2006-10-17 | プラズマエッチング加工方法及び液体噴射ヘッドの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008103428A true JP2008103428A (ja) | 2008-05-01 |
Family
ID=39437551
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006283059A Withdrawn JP2008103428A (ja) | 2006-10-17 | 2006-10-17 | プラズマエッチング加工方法及び液体噴射ヘッドの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008103428A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010199429A (ja) * | 2009-02-26 | 2010-09-09 | Fujifilm Corp | プラズマエッチング方法及びプラズマエッチング装置並びに液体吐出ヘッドの製造方法 |
JP2013084996A (ja) * | 2013-02-01 | 2013-05-09 | Seiko Epson Corp | ノズルプレートの製造方法及び流体噴射ヘッドの製造方法 |
JP2017069542A (ja) * | 2015-09-29 | 2017-04-06 | 株式会社日立ハイテクノロジーズ | プラズマ処理装置およびプラズマ処理方法 |
KR101958016B1 (ko) | 2011-06-15 | 2019-03-14 | 어플라이드 머티어리얼스, 인코포레이티드 | 기판 캐리어를 이용한 하이브리드 레이저 및 플라즈마 에칭 웨이퍼 다이싱 |
US11417501B2 (en) | 2015-09-29 | 2022-08-16 | Hitachi High-Tech Corporation | Plasma processing apparatus and plasma processing method |
-
2006
- 2006-10-17 JP JP2006283059A patent/JP2008103428A/ja not_active Withdrawn
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010199429A (ja) * | 2009-02-26 | 2010-09-09 | Fujifilm Corp | プラズマエッチング方法及びプラズマエッチング装置並びに液体吐出ヘッドの製造方法 |
US8158525B2 (en) | 2009-02-26 | 2012-04-17 | Fujifilm Corporation | Plasma etching method and apparatus, and method of manufacturing liquid ejection head |
KR101958016B1 (ko) | 2011-06-15 | 2019-03-14 | 어플라이드 머티어리얼스, 인코포레이티드 | 기판 캐리어를 이용한 하이브리드 레이저 및 플라즈마 에칭 웨이퍼 다이싱 |
JP2013084996A (ja) * | 2013-02-01 | 2013-05-09 | Seiko Epson Corp | ノズルプレートの製造方法及び流体噴射ヘッドの製造方法 |
JP2017069542A (ja) * | 2015-09-29 | 2017-04-06 | 株式会社日立ハイテクノロジーズ | プラズマ処理装置およびプラズマ処理方法 |
US11417501B2 (en) | 2015-09-29 | 2022-08-16 | Hitachi High-Tech Corporation | Plasma processing apparatus and plasma processing method |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2005238846A (ja) | 圧電方式のインクジェットプリントヘッドと、そのノズルプレートの製造方法 | |
JP2007152621A (ja) | 液滴吐出ヘッド及びその製造方法 | |
JP2008103428A (ja) | プラズマエッチング加工方法及び液体噴射ヘッドの製造方法 | |
JP7119943B2 (ja) | ノズルプレートの製造方法及びインクジェットヘッドの製造方法 | |
TW201410484A (zh) | 用以控制基體與載體間之黏著劑之技術 | |
JP2007175992A (ja) | ノズルプレートの製造方法及びノズルプレート、液滴吐出ヘッドの製造方法及び液滴吐出ヘッド、並びに液滴吐出装置の製造方法及び液滴吐出装置 | |
JP6213795B2 (ja) | インクジェットヘッドの製造方法 | |
JP2008055647A (ja) | シリコン基板の製造方法、液滴吐出ヘッドの製造方法及び液滴吐出装置の製造方法 | |
KR20060081110A (ko) | 잉크젯 프린트헤드의 대칭형 노즐 형성 방법 | |
WO2008075715A1 (ja) | 液体吐出ヘッド用ノズルプレートの製造方法、液体吐出ヘッド用ノズルプレート及び液体吐出ヘッド | |
JP2007062291A (ja) | 液滴吐出ヘッドの製造方法、液滴吐出ヘッドおよび液滴吐出装置 | |
JP2008279707A (ja) | ノズル基板、液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置の製造方法 | |
WO2022208701A1 (ja) | ノズルプレートの製造方法、ノズルプレート及び流体吐出ヘッド | |
JP2005014618A (ja) | インクジェットヘッドの製造方法並びにインクジェット装置 | |
JP2006281479A (ja) | 液体噴射ヘッドの製造方法 | |
JP2007182009A (ja) | ノズル基板、液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置の製造方法 | |
JP2006181827A (ja) | ノズル形成部材及びその製造方法並びに液体噴射ヘッド | |
JP2007230100A (ja) | シリコン基板の加工方法及びノズルプレートの製造方法 | |
JP2008260152A (ja) | インクジェット記録ヘッド及びその作製方法 | |
JP2007001296A (ja) | 液体吐出ヘッドおよびその製造方法 | |
JP2007237417A (ja) | 静電アクチュエータ、液滴吐出ヘッド及びそれらの製造方法 | |
JP2002127415A (ja) | 液滴吐出ヘッド及びその製造方法 | |
JP2007160672A (ja) | 基板加工方法及び液体噴射ヘッドの製造方法 | |
JP4100447B2 (ja) | 凹部を有するシリコン基板およびインクジェットヘッド | |
JP2005212131A (ja) | インクジェット記録ヘッド及びその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20090813 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20091105 |
|
A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20110121 |