JP4100447B2 - 凹部を有するシリコン基板およびインクジェットヘッド - Google Patents

凹部を有するシリコン基板およびインクジェットヘッド Download PDF

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Description

本発明は、凹部を有するシリコン基板と、凹部として振動板を有するシリコン基板を備えるインクジェットヘッド、特に、プリンタやファクシミリ等の印刷機構に用いることができるインクジェットヘッドに関する。
プリンタやファクシミリ等の印刷機構に用いられるインクジェットヘッドでは、インク液滴を吐出させるが、このためのメカニズムに応じて各種の方式が提案されている。たとえば、ヒータを加熱してインクを沸騰させ、それによって生じる気泡圧でインク液滴を吐出する方式、インクを貯留したインク室に貼り付けられた圧電素子に電圧を印加することによりインク室の容積を膨張および収縮させて、インク液滴を吐出する方式、静電気力(静電アクチュエータ)を利用してインクを貯留したインク室の容積を変化させて、インク液滴の吐出を行う方式などがある。
これらのインクジェットヘッドは、半導体の微細加工技術を用いて形成される。たとえば、静電気力を利用してインク液滴の吐出を行うインクジェットヘッドでは、シリコン基板に凹部(振動板)を設け、これと所定の間隔で電極を対峙させ、凹部(振動板)と電極との間に静電気力を発生させて、凹部(振動板)を変位させ、インク室に圧力変動を発生させて、インクノズルからインク液滴を吐出させる。この凹部(振動板)と、電極が配置された部材とを、合わせて対向部材と呼ぶ。
インク室は、凹部(振動板)が形成されたシリコン基板に対して、シリコン基板やガラス基板等の第2の基板を接合して当該凹部(振動板)を塞ぐことにより形成される。したがって、シリコン基板の凹部(振動板)は、インク室の壁の一部を構成する。
このようなシリコン基板の凹部(振動板)の形成には、半導体の微細加工技術を用いる。すなわち、シリコン基板に凹部(振動板)を形成するための耐エッチング材(マスク)を形成してからエッチングを施して凹部を形成する。
シリコン基板を熱酸化するとその表面に熱酸化膜が形成されるが、通常は、この熱酸化膜をマスクとして用いる。
また、インクとの濡れ性向上やインクによるシリコン基板の腐蝕防止のため、対向基板との接合に先立って、凹部(振動板)が形成されたシリコン基板の表面に保護用の熱酸化膜を形成する。
このようなインクジェットヘッドの製造方法として、本出願人は、特開平3−79350号公報および特開平6−71882号公報を開示している。
一般的に、熱酸化膜を形成する方法としては、ウエット酸化およびドライ酸化の2種類の方法が知られている。ドライ酸化は、膜の形成速度(成膜速度)は遅いが、膜の密度が密な良質の酸化膜が得られるという特徴がある。一方、ウエット酸化は、ドライ酸化に比べて膜密度が疎であり、膜質の点では劣るが、膜の形成速度(成膜速度)が速いという特徴がある。
流路壁や振動板をインクによる溶解から保護する保護用の熱酸化膜をウエット酸化により形成すると、ウエット酸化によって得られる熱酸化膜は膜質が劣るため、耐インク性が弱く、シリコン基板がインクによって腐食および溶解されてしまう可能性がある。これは、第2の基板がシリコン基板により構成され、ウエット酸化によって得られる熱酸化膜を保護膜とする場合も同様である。
また、ウエット酸化によって得られる熱酸化膜は、膜の密度が疎であるために充分な絶縁性能を得ることができないので、静電駆動方式のインクジェットヘッドでは、凹部(振動板)と電極との間に発生した静電気が放電して、凹部(振動板)が破壊されるおそれがある。
加えて、ウエット酸化では膜の成長速度が速いために膜厚を高精度にコントロールすることが難しいので、膜厚がばらつき、凹部(振動板)の静電吸引特性が劣化する特に静電吸引力が低下する恐れもある。この静電吸引特性の劣化は、適切な量のインク液滴を吐出することができず、印字品質を低下させる原因となる。
ウエット酸化で形成した熱酸化膜による保護膜の耐腐食性および絶縁性を向上させるために、膜厚を厚くすることが考えられるが、熱酸化膜を厚くすると、対向部材の間に生じる静電気力が弱くなるので、その分静電吸引力が低下し、省電力化や小型化が困難になってしまう。
これに対して、マスク用の熱酸化膜と、保護膜用の熱酸化膜との双方をドライ酸化で形成すると、ドライ酸化の成膜速度が遅いので、インクジェットヘッドの生産効率が低下し、コストが上昇してしまう。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、シリコン基板に形成する熱酸化膜の酸化方法を、その熱酸化膜の目的に応じて規定することにより、インクジェットヘッドの生産効率および耐久性の向上を図ることができるインクジェットヘッドの製造方法を提供することにある。
上記の課題を解決するための手段として、以下の発明を提供する。
本発明の凹部を有するシリコン基板の製造方法では、シリコン基板に対してウエット酸化を施して、凹部をエッチング形成するためのマスクとして熱酸化膜を形成し、マスク形成工程により形成された熱酸化膜をマスクとしてシリコン基板に凹部をエッチング形成し、エッチング工程後にマスク形成工程において形成された熱酸化膜をシリコン基板から除去し、除去工程後にシリコン基板に対してドライ酸化を施して、シリコン基板の保護膜を形成する。
また、本発明のインクジェットヘッドの製造方法では、シリコン基板に対してウエット酸化を施して、インクジェットヘッドのインクと吐出するための振動板をエッチング形成するためのマスクとして熱酸化膜を形成し、マスク形成工程により形成された熱酸化膜をマスクとしてシリコン基板に振動板をエッチング形成し、エッチング工程後にマスク形成工程において形成された熱酸化膜をシリコン基板から除去し、除去工程後にシリコン基板に対してドライ酸化を施して、シリコン基板の保護膜を形成し、保護膜形成工程後にシリコン基板に第2の基板を接合して振動板を壁の一部とするインク室を形成する。
さらに、本発明のインクジェットヘッドの製造方法では、フェイスインクジェット等のように、第2の基板としてシリコン基板を用いて、これにインクノズルを形成する場合、第2の基板に対してウエット酸化を施して、インク室に連通するインクノズルをエッチング形成するためのマスクとして熱酸化膜を形成し、第2のマスク形成工程により形成された熱酸化膜をマスクとして第2の基板にインクノズルをエッチング形成し、第2のエッチング工程後に第2のマスク形成工程において形成された熱酸化膜を第2の基板から除去し、第2の除去工程後に第2の基板に対してドライ酸化を施して、第2の基板の保護膜を形成する。
これらの製造方法においては、製造時間の短縮を図るウエット酸化と、精度の高いドライ酸化を組み合わせることにより、耐腐蝕性の高い凹部を有するシリコン基板を短時間で製造することができる。このような凹部をインクジェットヘッドの振動板やインクノズルを形成するために用いることができる。
また、マスク用熱酸化膜を凹部(振動板)の近傍から完全に除去することにより、保護膜形成のための熱酸化によって凹部(振動板)がたわむことがなくなり、凹部(振動板)を精密に加工することができるようになる。
また、本発明のインクジェットヘッドの製造方法により静電駆動方式のインクジェットヘッドを製造する場合、シリコン基板に対して、振動板に所定の隙間をもって対峙する電極が形成された第3の基板を、第2の基板とは反対側の面に、接合する。
さらに、本発明の凹部を有するシリコン基板は、凹部の長さに対する凹部のコンプライアンスの比が、0.64×10(-19)4/N以上3.3×10(-19)4/N以下であるように構成される。
また、本発明のインクジェットヘッドは、インクを吐出するための振動板を有するシリコン基板と、当該振動板を壁の一部とするインク室と、インク室に連通するインクノズルと、振動板に所定の間隔をもって対峙し、これを静電気力により変位させる電極と、を備え、振動板の長さに対する振動板のコンプライアンスの比が0.64×10(-19)4/N以上3.3×10(-19)4/N以下であるように構成される。
本発明により、凹部もしくは振動板の面密度が高く、小型化を図ることができるシリコン基板やインクジェットヘッドを提供することができる。
以下に図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、以下に説明する実施形態は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であればこれらの各要素もしくは全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本願発明の範囲に含まれる。
(全体構成)
図1には本発明を適用した製造方法によって形成されたインクジェットヘッドの一部を分解斜視図を用いて示してある。図2にはその部分断面図を示してある。これらの図に示すように、インクジェットヘッド1は、インク液滴を基板の上面に設けたインクノズルから吐出させるフェイスインクジェットタイプであり、静電駆動方式のものである。インクジェットヘッド1は、ノズルプレート(第2の基板)2、キャビティープレート(第1の基板)3およびガラス基板(第3の基板)4がこの順序で相互に接合された構造をしている。
キャビティープレート3は、シリコン基板であり、プレートの表面には底壁が振動板5として機能するインク室6を構成することになる凹部7と、凹部7の後部に設けたインク供給口8を構成することになる細溝9と、各々のインク室6にインクを供給するためのインクリザーバ10を構成することになる凹部11と、がエッチングによって形成されている。このキャビティープレート3の下面は鏡面研磨によって平滑面とされている。
このキャビティープレート3の上面(溝形成側の基板表面)に接合されるノズルプレート2は、キャビティープレート3と同様にシリコン基板である。このノズルプレート2において、インク室6の上面を規定している部分には各インク室6に連通する複数のインクノズル21がエッチングにより形成されている。また、このノズルプレート2において、インクリザーバ10の上面を規定している部分にはインクリザーバ10に連通するインク供給口12が形成されている。このインク供給口12は接続パイプ13およびチューブ14を介してインクタンク(図示せず)に接続される。
このノズルプレート2およびキャビティープレート3を相互に重ね合わせることにより、これらのプレート2、プレート3の間に、インク室6、インク供給口8、およびインクリザーバ10が区画形成される。
キャビティープレート3の下面に接合されるガラス基板4において、各々の振動板5に対峙する部分には振動室15を構成することになる凹部16が形成されている。この凹部16の底面には、振動板5と対峙する個別電極17が配置されている。個別電極17は、リード線18を介して駆動手段としてのドライバ20に接続され、ドライバ20はキャビティープレート3に形成された共通電極19にも接続されている。
キャビティープレート3に形成した各インク室6の底面を規定している振動板5は、共通電極として機能する。ドライバ20によって個別電極17に電圧を印加すると、電圧が印加された個別電極17と対峙している共通電極(振動板5)が静電気力によって振動する。この振動板5の振動に伴ってインク室6の圧力が変動し、この圧力変動に伴ってインクノズル21から適切な量のインク液滴100が吐出される。
たとえば、正の電圧パルスを印加して個別電極17の表面を正の電位に帯電させると、対応する振動板5の下面は負の電位に帯電される。従って、振動板5は静電気力によって吸引されて下方に撓む。次に、個別電極17へ印加している電圧パルスをオフにすると、振動板5が元の位置に復帰する。この復帰動作によって、インク室6の内圧が急激に上昇して、インクノズル21からインク液滴が吐出される。そして、振動板5が下方に撓むことにより、インクがインクリザーバ10からインク供給口8を経由して、インク室6に補給される。
(キャビティープレートの製造方法)
以下に、キャビティープレート3の製造方法を説明する。図3にはキャビティープレート3の製造工程を示してある。
まず、図3(A)に示すように、(100)面方位のシリコンウエハの両面を鏡面研磨し、所定の厚さ、たとえば、厚さ200μmのシリコン基板30を作製する。
次に、図3(B)に示すように、シリコン基板30を水蒸気雰囲気中で摂氏約1050度に加熱し、この状態を約3時間40分保持して、当該シリコン基板30にウエット酸化処理を施す(マスク形成工程)。その結果、シリコン基板30の両面に膜厚が約1.3μmの熱酸化膜(SiO2膜)31が形成される。この熱酸化膜31はウエット酸化によって形成されるので、ドライ酸化によって同じ厚さの熱酸化膜を形成する場合に比べて膜の形成時間を短縮できる。この熱酸化膜はシリコン基板30をエッチングする際のマスク(耐エッチング材)として用いるものである。
次に、図3(C)に示すように、シリコン基板30の上面の熱酸化膜31の上に、インク室6、インク供給口8およびインクリザーバ10を構成することになる凹部の形状に相当するフォトレジストパターン(図示せず)を形成して、フッ酸系エッチング液を用いて熱酸化膜31の一部を除去する。その後、残っているフォトレジストパターンを除去する。
次に、図3(D)に示すように、所定のパターンに形成された熱酸化膜31をマスク(耐エッチング材)としてシリコン基板30の表面をアルカリ液によりエッチングする(エッチング工程)。その結果、シリコン基板30の表面には、インク室6を構成することになる凹部7が形成される。また、インク供給口8およびインクリザーバ10を構成することになる凹部も形成される。
このようにして、それぞれの凹部を形成した後は、図3(E)に示すように、シリコン基板30の両面に形成されている熱酸化膜31をフッ酸水溶液によって完全に除去されるように、適当なエッチングレートでエッチング除去する(除去工程)。この結果、熱酸化膜31が完全に除去されて、シリコン基板30の表面が露出した状態になる。
次に、図3(E)に示すように、シリコン基板30を乾燥雰囲気中で摂氏約1000度に加熱し、この状態を約3時間21分保持して、当該シリコン基板30にドライ酸化処理を施す(本発明における保護膜形成工程)。その結果、シリコン基板30の表面は膜厚が約0.11μmの熱酸化膜(保護膜)32によって覆われる。
この保護膜形成工程で形成された熱酸化膜32は、ドライ酸化によって得られたものであるため膜質の点でウエット酸化によって得られる熱酸化膜より優れている。また、熱酸化膜32により、シリコン基板30の耐腐蝕性を確保することができる。このようにして、図1および図2に示したキャビティープレート3が得られる。
(ノズルプレートの製造方法)
以下に、ノズルプレート2の製造方法を説明する。
まず、図4(A)に示すように、(100)面方位のp型シリコン基板35の両面を鏡面研磨する。そして、そのシリコン基板35を水蒸気雰囲気中で約1075℃に加熱し、この状態を約6時間保持して、当該シリコン基板35にウエット酸化処理を施す(第2のマスク形成工程)。
その結果、シリコン基板35の両面に膜厚が約1.8μmの熱酸化膜36が形成される。この熱酸化膜36はウエット酸化によって形成されるので、ドライ酸化によって同じ厚さの熱酸化膜を形成する場合に比べて膜の形成時間を短縮できる。熱酸化膜36はシリコン基板35をエッチングする際のマスク(耐エッチング材)として用いるものである。
次に、図4(B)に示すように、シリコン基板35の上面の熱酸化膜36の上に、インクノズル21およびインク供給孔12を形成するための所定のフォトレジストパターン(図示せず)を形成して、フッ酸系エッチング液を用いて熱酸化膜36の一部を除去する。そして、残っているフォトレジストパターンを除去する。
次に、所定のパターンに形成された熱酸化膜36をマスク(耐エッチング材)として用いてシリコン基板35の表面をアルカリ液によりエッチングする(第2のエッチング工程)。その結果、シリコン基板35には、複数のインクノズル21およびインク供給孔12が形成される。
このようにして、インクノズル21等を形成した後は、シリコン基板30の両面に形成されている熱酸化膜36をフッ酸水溶液によって完全に剥離されるように、適当なエッチングレートでエッチング除去する(第2の除去工程)。
この結果、図4(C)に示すように、熱酸化膜36が完全に除去されて、シリコン基板30の表面が露出した状態になる。
次に、図4(D)に示すように、シリコン基板35を乾燥雰囲気中で約1000℃に加熱し、この状態を約3時間35分保持して、当該シリコン基板35にドライ酸化処理を施す(第2の保護膜形成工程)。その結果、シリコン基板35の表面は膜厚が約0.11μmの熱酸化膜(保護膜)37によって覆われる。
この第2の保護膜形成工程で形成された熱酸化膜37は、ドライ酸化によって得られたものであるため膜質の点でウエット酸化によって得られる熱酸化膜より優れている。なお、熱酸化膜37は、シリコン基板35の耐インク性等を確保するための保護膜である。このようにして、図1および図2に示したノズルプレート2が得られる。
このようにして得られたノズルプレート2をキャビティープレート3の一方の面側に重ね合わせて接合し(接合工程)、その後、キャビティープレート3の他方の面側に、個別電極17が形成されたガラス基板4を重ね合わせて接合して(第2の接合工程)、インクジェットヘッド1を形成する。
このように本例のインクジェットヘッドの製造方法では、エッチング時のマスクとして用いるための熱酸化膜をウエット酸化によって形成している。ウエット酸化は酸化膜の成長速度が速いので、熱酸化膜をドライ酸化によって形成する場合に比して酸化膜の形成時間を短縮でき、インクジェットヘッドの生産効率を高めることができる。
また、本例のインクジェットヘッドの製造方法では、シリコン基板であるノズルプレート2およびキャビティープレート3をインクから保護する等の目的から製造工程における最終段階で形成される熱酸化膜32、37を、良質の熱酸化膜が得られるドライ酸化によって形成する。従って、ノズルプレート2およびキャビティープレート3がインクによって腐食および溶解されるのを熱酸化膜32、37によって確実に防ぐことができるので、インクジェットヘッドの耐久性を向上できる。
また、ドライ酸化によって形成された熱酸化膜32、37は、その膜密度が密であるために充分な絶縁性能を備えているので、振動板5と個別電極17との間に発生した静電気の放電によって振動板5等が破壊される恐れもない。
さらに、ドライ酸化を採用すれば熱酸化膜の膜厚を制御し易いので、振動板5の表面に均一な膜厚の熱酸化膜を形成することができ、振動板5と個別電極17との間に均一な静電吸引力を発生させることが可能となる。
これにより、インクノズルから適切な量のインク液滴を吐出させることができ、印字特性に優れたインクジェットヘッドを製造できる。また、耐腐食性および絶縁性に優れた薄い熱酸化膜を保護膜として用いることができるので、振動板5と個別電極17との間に充分な静電気力を発生させることができる。このため、高電圧の駆動回路を組み込む等のインクジェットヘッドの設計変更をしなくても良い。また、小型化、省電力化を図ることができる。
なお、前述したインクジェットヘッド1は、インク液滴を基板の上面に設けたインクノズルから吐出させるフェイスインクジェットタイプであるが、基板の端部に設けたインクノズルからインク液滴を吐出させるエッジインクジェットタイプであっても良い。また、インクジェットヘッドとしては、静電駆動型のものではなく、その他の駆動方式であっても良い。
(凹部を有するシリコン基板の製造)
上記ノズルプレート2やキャビティープレート3では、シリコン基板に凹部(振動板やインクノズルなど)を設けているが、このような凹部を有するシリコン基板の用途は広い。
したがって、上記ノズルプレート2やキャビティープレート3と同様に、シリコン基板に対して、ウエット酸化によりマスク用の熱酸化膜を形成し(マスク形成工程)、この熱酸化膜をマスクとしてエッチングを行って凹部を形成し(エッチング工程)、その後にマスク用の熱酸化膜を除去し(除去工程)、さらに、ドライ酸化により保護用の熱酸化膜を形成する(保護膜形成工程)ことにより、凹部を有するシリコン基板を製造することができる。
発明者等の実験によると、このような凹部の長さ(例えば矩形状に形成された凹部の長手方向の長さ)とコンプライアンスとの比が3.3×10(-19)4/N以上であるようなシリコン基板では、マスク用酸化膜を十分に除去せずに保護膜形成のための熱酸化を行うと、凹部の形状がたわんでしまう。これは、マスク用酸化膜と、酸化されていないシリコン基板とでは、熱酸化膜形成時の温度変化による熱応力の残留によるもので、酸化膜とシリコンのそれぞれの材料の熱による伸縮の比が異なるからである。
また、凹部の長さとコンプライアンスとの比が0.64×10(-19)4/N以下となる場合は、静電吸引力により振動板を吸引する際の力を大きくする必要があるため、駆動電圧を上げる必要が有る、振動板と対向電極の距離を短くする必要が有る等の不具合が生ずる恐れがでてくる。
凹部を形成する上で、凹部の長さとコンプライアンスとの比を上述した規格内におさめるためには、薄板部の厚みや幅を調整すればよい。即ち、薄板部をより薄くする場合は、幅をより狭く設定する。この場合には、薄板部となる部分のシリコンにB+を拡散して、エッチストップ層を形成する。このようなエッチストップ層を形成してエッチングを行うことによりすることにより精度良く薄板部を形成することができる。このように薄板部を薄く形成することにより、薄板部の幅をより狭くすることが可能となる。即ち、密度の高い連続した凹部を形成することが可能となり、高密度で印刷品位に優れたインクジェットプリンタ用のインクジェットヘッドを実現することが可能となる。実際に、幅108μm、薄板部の厚み2μmの凹部を形成した後、ドライ酸化したシリコン基板を解像度360dpiのインクジェットヘッドに適用したところ、吐出特性の優れたインクジェットヘッドを得ることができた。
また、薄板部の幅を大きくとれる場合は、その厚みは比較的厚く形成することができるので、シリコンにB+を拡散する等の特別な工程を用いる必要はない。この場合、より容易に凹部を形成可能である。実際に、幅365μm、薄板部の厚み13μmの凹部を形成した後ドライ酸化したシリコン基板を用いて静電アクチュエータを試作・試験したところ、優れた静電吸引特性、振動特性が確認された。
これらの凹部の撓みを防止するために、上述したように、シリコン基板に形成されている熱酸化膜をフッ酸水溶液によって適当なエッチングレートでエッチング除去し、これを完全に剥離する。このようなエッチングのための諸条件は、シリコン基板、形成した凹部の形状、用途などによって異なるが、上記のインクジェットヘッドの振動板を形成する場合の除去のための諸条件は、以下の通りである。
25℃のフッ酸に約20分間以上浸漬して全面に残留した熱酸化膜を剥離する。純水にてリンスし、フッ酸を洗浄する。その後、IPA(イソピロピルアルコール)の蒸気にて残留した純水を完全に乾燥する。最後に、熱酸化膜厚みを計測して熱酸化膜が完全に剥離されていることを確認する。
また、上記のインクジェットヘッドのインクノズルを形成する場合の除去のための諸条件は、以下の通りである。
25℃のフッ酸に約30分間以上浸漬して全面に残留した熱酸化膜を剥離する。純水にてリンスし、フッ酸を洗浄する。その後、IPA(イソピロピルアルコール)の蒸気にて残留した純水を完全に乾燥する。最後に、熱酸化膜厚みを計測して熱酸化膜が完全に剥離されていることを確認する。
ここで、振動板形成時と異なる点は熱酸化膜剥離時間である。ノズル形成では、マスクとして使用している熱酸化膜が厚いため、剥離のための浸漬時間を振動板形成時よりも長くしている。
この違いは、本実施例ではノズル側を(100)シリコンウエハにて、振動板側を(110)シリコンウエハにて形成しているので、エッチングマスクとしての最適な熱酸化膜厚みが異なるためである。
このような除去処理を行うことにより、(100)シリコンウエハに凹部を形成する場合のほか、(110)シリコンウエハに異方性エッチングを行って(110)面に対して凹部を形成する場合などにも、凹部のコンプライアンスが上記の値の範囲に入るようなシリコン基板を提供することができる。このため、単位面積あたりの凹部の数を多くすることができ、加工の微細化を図ることができる。特に、(110)シリコンウエハを用いた場合には、所望のシリコン基板の小型化を図ることができる。
なお、上述の実施形態では、静電吸引力を利用した静電アクチュエータ、もしくはインクジェットヘッドについて述べたが、これに限らず、本発明は、静電反発力を利用したものにも適用可能である。また、アクチュエータに限らず、例えばシリコン基板の薄膜部とこれに対向する電極間の静電容量の変化を検知し、薄膜部にかかる圧力を検出する圧力センサ等にも適用可能である。
本発明によれば、インクジェットヘッドの生産効率および耐久性を向上させることができる。また、静電駆動方式のインクジェットヘッドに対して適用した場合には、対向部材間に発生した静電気の放電によっても対向部材が破壊されにくく、インクノズルから適切な量のインク液滴を吐出させることができ、印字品質が良好になり、対向部材間に充分な静電気力を発生させることができ、小型化、省電力化を図ることができる。
さらに、このようなインクジェットヘッドで用いられる凹部(振動板)を有するシリコン基板と同様の凹部を有するシリコン基板の製造方法と当該凹部を有するシリコン基板とを提供することができる。
本発明の製造方法によって製造されたインクジェットヘッドの分解斜視図である。 図1に示すインクジェットヘッドの断面図である。 キャビティープレートの製造方法を示す図である。 ノズルプレートの製造方法を示す図である。
符号の説明
1…インクジェットヘッド、2…ノズルプレート(第2の基板)、3…キャビティープレート(第1の基板)、4…ガラス基板(第3の基板)、5…振動板、6…インク室、8…インク供給口、10…インクリザーバ、12…インク供給孔、17…個別電極、20…ドライバ、21…インクノズル、30…シリコン基板、31…ウエット酸化による熱酸化膜、32…ドライ酸化による熱酸化膜、35…シリコン基板、36…ウエット酸化による熱酸化膜、37…ドライ酸化による熱酸化膜。

Claims (1)

  1. 振動板と、
    該振動板を壁の一部とするインク室と、
    該インク室に連通するインクノズルと、
    前記振動板に所定の間隔をもって対峙し、前記振動板を静電気力により変位させる電極と、
    を備えるインクジェットヘッドであって、
    前記振動板は、酸化膜をマスクとして、シリコン基板に基板平面内で略長方形の凹部を形成し、ドライ酸化により前記シリコン基板表面に保護膜を形成した前記凹部の底面であって、
    前記凹部の略長方形の長辺の長さに対して、前記凹部の底面のコンプライアンスの比が、0.64×10(-19)4/N以上3.3×10(-19)4/N以下であることを特徴とするインクジェットヘッド。
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