JPH10226071A - インクジェット式記録ヘッド - Google Patents

インクジェット式記録ヘッド

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JPH10226071A
JPH10226071A JP8324597A JP8324597A JPH10226071A JP H10226071 A JPH10226071 A JP H10226071A JP 8324597 A JP8324597 A JP 8324597A JP 8324597 A JP8324597 A JP 8324597A JP H10226071 A JPH10226071 A JP H10226071A
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勉 橋爪
Akira Matsuzawa
明 松沢
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    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2/14201Structure of print heads with piezoelectric elements
    • B41J2/14233Structure of print heads with piezoelectric elements of film type, deformed by bending and disposed on a diaphragm
    • B41J2002/1425Embedded thin film piezoelectric element

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧力発生室の境界近傍における振動板の応力
集中を防止しつつ、圧電体層を介しての上電極と下電極
との間でのリーク電流の発生の防止や吸湿に起因する圧
電体層の劣化を防止すること。 【解決手段】 圧電体層11及び上電極12が、圧力発
生室3に対向する領域の内側に形成され、上電極12が
電気絶縁体層13に被覆されて上電極12に対向する領
域に形成された電気絶縁体層13の窓13aを介して駆
動信号を供給する導電パターン14を接続して、圧力発
生室3の境界部3a、3bでの急激な変位による応力集
中を防止し、また電気絶縁体層13により上電極12と
下電極10との絶縁と、大気との遮断を確保する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術の分野】本発明は、インク滴を吐出
するノズル開口と連通する圧力発生室の一部を弾性板で
構成し、この弾性板の表面に圧電体層を形成して、圧電
体層の変位によりインク滴を吐出させるインクジェット
式記録ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】インク滴を吐出するノズル開口と連通す
る圧力発生室の一部を弾性板で構成し、この弾性板を圧
電振動子により変形させて圧力発生室のインクを加圧し
てノズル開口からインク滴を吐出させるインクジェット
式記録ヘッドには、圧電振動子の軸方向に伸長、収縮す
る縦振動モードの圧電振動子を使用したものと、たわみ
振動モードの圧電振動子を使用したものの2種類が実用
化されている。
【0003】前者は圧電振動子の端面を弾性板に当接さ
せることにより圧力発生室の容積を変化させることがで
きて、高密度印刷に適したヘッドの製作が可能である反
面、圧電弾性板をノズル開口の配列ピッチに一致させて
櫛歯状に切分けるという困難な工程や、切り分けられた
圧電振動体を圧力発生室に位置決めして固定する作業が
必要となり、製造工程が複雑であるという問題がある。
【0004】これに対して後者は、圧電材料のグリーン
シートを圧力発生室の形状に合わせて貼付し、これを焼
成するという比較的簡単な工程で弾性板に圧電振動体を
作り付けることができるものの、たわみ振動を利用する
関係上、或程度の面積が必要となり、高密度配列が困難
であるという問題がある。
【0005】後者の記録ヘッドの不都合を解消すべく、
特開平5-286131号公報に見られるように、弾性板の表面
全体に亙って成膜技術により均一な圧電材料層を形成
し、この圧電材料層をリソグラフィ法により圧力発生室
に対応する形状に切分けて各圧力発生室毎に独立するよ
うに圧電振動子を形成したものが提案させている。これ
によれば圧電振動子を弾性板に貼付ける作業が不要とな
って、リソグラフィー法という精密で、かつ簡便な手法
で圧電振動子を作り付けることができるばかりでなく、
圧電振動子の厚みを薄くできて高速駆動が可能になると
いう利点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】反面、圧電材料層が非
常に薄いため、圧電振動子を貼付したものに比較して剛
性が低く、圧力発生室の境界近傍に応力が集中しやす
く、弾性板や圧電振動子、さらには電極の寿命の低下を
招く等の不都合がある。また圧電定数がグリーンシート
を貼付して焼成して形成した圧電振動子に比較して1/
3乃至1/2程度と低く、高電圧での駆動を必要とし
て、上電極と下電極とが圧電材料層の側面を介して沿面
放電して上電極と下電極との間にリーク電流が生じ易
く、インク滴の吐出が不安定になるという問題や、圧電
振動子を個々の圧力発生室に対応するように分離、分割
した場合には、大気に露出する側面の面積が大きくな
り、大気中の湿気により圧電振動子が劣化しやすいとい
う問題がある。
【0007】本発明はこのような問題に鑑みてなされた
ものであって第1の目的とするところは、圧力発生室の
境界近傍での応力集中を低減して上電極の破損を防止す
ることができるインクジェット式記録ヘッドを提供する
ことである。
【0008】本発明の第2の目的は、圧力発生室の境界
近傍での応力集中を低減して上電極の破損を防止すると
ともに、圧電材料層を挟む上下電極間でのリーク電流の
発生を防止してインク滴を安定に吐出させ、また、圧電
振動子の劣化を防止することができるインクジェット式
記録ヘッドを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】第1の課題を達成するた
めに本発明においては、ノズル開口に連通する圧力発生
室を構成する弾性板の表面に形成された下電極と、該下
電極の表面に形成された圧電体層と、前記圧電体層の表
面で、かつ前記圧力発生室に対向する領域に形成された
上電極とからなる圧電振動子を備えたインクジェット式
記録ヘッドにおいて、前記上電極が、前記圧力発生室に
対向する領域毎に独立して形成され、また前記上電極の
上面の少なくとも導電パターンとの接続部をなす窓を残
すようにその周縁部から前記圧電体層の側面を被覆する
絶縁体層を形成するようにした。これにより上電極が圧
力発生室よりも内側に位置するため、圧力発生室の境界
部での急激な変位を受けることがなく、破壊を防止する
ことができる。
【0010】第2の課題を達成するために本発明におい
ては、ノズル開口に連通する圧力発生室を構成する弾性
板の表面に形成された下電極と、該下電極の表面に形成
された圧電体層と、前記圧電体層の表面で、かつ前記圧
力発生室に対向する領域に形成された上電極とからなる
圧電振動子を備えたインクジェット式記録ヘッドにおい
て、前記圧電体層及び上電極が、前記圧力発生室に対向
する領域の内側に形成され、また前記上電極の上面の少
なくとも導電パターンとの接続部をなす窓を残すように
その周縁部から前記圧電体層の側面を被覆する絶縁体層
を形成するようにした。これにより、圧力発生室の境界
部での急激な変位による応力集中を防止し、また電気絶
縁体層により上電極と下電極との絶縁と、大気との遮断
性を確保する。
【0011】
【発明の実施の形態】そこで以下に本発明の詳細を図示
した実施例に基づいて説明する。図1は、本発明の一実
施例を示す組立斜視図であり、また図2は1つの圧力発
生室の長手方向における断面構造を示す図であって、図
中符号1は、流路形成基板で、一方の面が開口面とな
り、また他方の面が酸化シリコンからなる弾性板2を形
成するようにシリコン単結晶基板を異方性エッチングし
て圧力発生室3、リザーバ4を形成、さらにこれら圧力
発生室3とリザーバ4とを一定の流体抵抗で連通させる
凹部からなるインク供給口5を形成して構成されてい
る。
【0012】弾性板2の各圧力発生室3に対向する領域
には、各圧力発生室3毎に独立させて膜形成方法で作り
付けられた圧電振動子6が設けらている。
【0013】圧電振動子6は、弾性板2の表面に圧力発
生室3、インク供給口5の領域をほぼ覆うように形成さ
れた下電極10と、圧力発生室3の弾性板2が露出して
いる領域をはみ出すことなく、かつ各圧力発生室3の幅
よりも若干狭く形成された圧電体層11と、圧電体層1
1の表面に形成された上電極12とをそれぞれ積層して
構成されている。
【0014】圧電体層11、及び上電極12は、図2
(イ)、(ロ)に示したようにノズル開口側の辺11
a、12a、及びインク供給口側の辺11b、12bが
圧力発生室3の長手方向の境界3a、3bよりも内側に
位置するように形成され、また幅方向の望ましくは圧力
発生室の隔壁よりも内側に位置するように形成されてい
る。
【0015】上電極12の上面の少なくとも周縁、及び
圧電体層11の側面を覆うように電気絶縁性を備え、造
膜法による形成やまたエッチングによる整形が可能な材
料、例えば酸化シリコン、窒化シリコン、有機材料、好
ましくは剛性が低く、かつ電気絶縁性に優れた感光性ポ
リイミドからなる薄い絶縁体層13が形成されている。
【0016】絶縁体層13の上電極12の一部には後述
する導電パターン14と接続するために上電極12の一
部を露出させる窓13aが形成され、この窓13aを介
して上電極12に一端が接続し、また他端が接続端子部
に延びる導電パターン14が形成されている。導電パタ
ーン14は、駆動信号を上電極12に確実に供給できる
程度に可及的に狭い幅となるように形成されている。
【0017】15はノズルプレートで、圧力発生室3の
一端側で連通するようにノズル開口16を穿設して構成
され、流路形成基板1の開口部を封止するように固定さ
れている。なお、図中符号17は、圧電振動子6に駆動
信号を供給するフレキシブルケーブルを、また18はヘ
ッドケースを示す。
【0018】この実施例において、外部駆動回路からフ
レキシブルケーブル17を介して駆動信号を圧電振動子
6に供給すると、導電パターン14を通って上電極12
に印加され、圧電振動子6がたわみ振動して圧力発生室
3の容積を減少させる。
【0019】圧力発生室3の容積変化により加圧された
圧力発生室3のインクは、一部がノズル開口16からイ
ンク滴として吐出する。インク滴の吐出が終了して圧電
振動子6が元の状態に戻ると、圧力発生室3の容積が増
大してインク供給口5を介してリザーバ4のインクが圧
力発生室3に流れ込む。
【0020】ところで、各圧電振動子6を構成する圧電
体層11は、その両端11a、11bが圧力発生室3の
境界3a、3bよりも内側に位置するサイズに形成され
ていて、圧電体層11や上電極12が境界3bに存在し
ないため、急激な変位勾配の影響を受けることがなくな
り、機械的疲労による破壊が皆無となる。
【0021】これに対して図8に示したように圧電体層
11’を記録ヘッドの端部近傍にまで延長して、圧電体
層11’を下電極10と上電極12’との絶縁層とし、
また上電極12’の延長部を引出し電極として使用する
形式の記録ヘッドでは、圧力発生室3の端部3bに圧電
体層11’が位置することになり、境界3bに対向する
領域で急激な変位勾配が生じて、圧電振動子6が破壊さ
れやすいという不都合がある。
【0022】また、上電極12に接続する導電パターン
14は、絶縁体層13の表面に形成されているため、下
電極10との間隙が大きく、下電極10との間の絶縁抵
抗を確保されて沿面放電が防止され、また静電容量、及
び圧電体損が極めて小さくなり、応答速度の低下や発熱
を抑えることができる。
【0023】さらに、吸湿により圧電定数等が変化しや
すい圧電体層11は、上面を金属の緻密な膜からなる上
電極12と絶縁体層13とにより、また側面を絶縁体層
13により大気と遮断されているため、長期間に亙って
吸湿することがなく、初期の特性を維持することができ
る。
【0024】なお、上述の実施例においては導電パター
ン14を上電極12の一端でのみ接続するようにしてい
るが、図3(イ)、(ロ)に示したように上電極12の
側部に平行に延びるように導電パターン14を形成し、
上電極12に対向する絶縁体層13の複数の箇所に窓1
3a,13b,13cを形成し、これら窓13a〜13
cを介して上電極12と接続するようにすると、上電極
12に応答遅れを可及的に小さくして駆動信号を供給す
ることができる。
【0025】また、上述の実施例のおいては導電パター
ン14との接続部の形状に一致させて絶縁体層に窓13
a,13b,13cを形成しているが、図4に示したよ
うに上電極12の上面の周縁の一部ΔL、ΔL’、Δ
L''だけを残して導電パターン14の接続部よりも大き
な窓17を形成しても、圧電体層11は、その表面を白
金等の緻密な膜からなる上電極12により被覆され、ま
た側面を絶縁体層13により被覆されて大気から隔離さ
れるから、大気中の湿気等による劣化と、側面を伝う沿
面放電が防止される。
【0026】そして圧電体層11は、その変位領域の大
部分に窓17が形成されていて上電極12だけが存在す
るだけであるから、絶縁体層13の剛性による剛性の増
加を可及的に抑えて前述の実施例に比較して単位電圧当
たりの変位量を増大させることができる。
【0027】ところで、このような記録ヘッドは、図
5、図6に基づいて以下に説明するように基本的にはシ
リコン単結晶基板を母材に使用した異方性エッチングに
より製作される。
【0028】すなわち、シリコン単結晶基板20の表面
に熱酸化法等で酸化シリコン膜21、22を形成し、片
面に振動板を兼ねる下電極の導電層23を白金などのス
パッタリング法により形成した母材を用意する。そして
導電層23の表面にチタン酸ジルコン酸鉛などの圧電材
料層24を形成し、引き続いて上電極12となる導電層
25をスパッタリング法により形成する。
【0029】次に、圧力発生室の形状に合わせてフォト
リソグラフィー法により圧電体層24及び導電層25を
同一プロセスでエッチングする。さらに、フォトリソグ
ラフィ法により導電層23をパターニングして下電極を
形成し、つぎにシリコン単結晶基板20の他方の面の酸
化シリコン膜22を、圧力発生室の形状に合わせてフォ
トリソグラフィー法によりパターニングする。なお、下
電流のパターニングの際に、レジスト層31が圧電材料
層24や上電極の導電層23の保護層として機能する。
また、酸化シリコン膜21のパターニングにはフッ酸が
エッチャントとして使用されるが、上述のレジスト層3
1を形成しておくことによりフッ酸から圧電材料層24
を保護することができる(図5(I))。
【0030】次に、圧電体材料層24及び導電層23、
25の表面に、厚さ6μm程度のフッ素樹脂保護膜26
を形成する(図5(II))。このフッ素樹脂保護膜は、
回転塗布法により2μm程度塗布し、これを120°C
で20分乾燥させる工程を3回繰返すことにより、圧電
体材料層24及び導電層23、25にフッ素樹脂保護膜
26を、その重合度を高めつつ密着させて形成すること
ができる。
【0031】なお、フッ素樹脂保護膜26の形成方法に
は、図(II’)に示したように母材の他面側に樹脂フィ
ルム27を貼着し、全体をフッ素樹脂液に浸漬すること
により、圧電体材料層24及び導電層23、25を被覆
するように樹脂液を付着させる。これを温度100°C
で30分程度プレアニールし、ついで温度200°Cで
30分加熱してフッ素樹脂28を保護膜として機能する
まで硬化させる方法を採用してもよい。なお、フッ素樹
脂保護膜28の形成が終了した段階で、樹脂フィルム2
7を除去すると、不要なフッ素樹脂保護膜29も除去さ
れる。
【0032】パターニングされたシリコン酸化膜22の
側だけを、温度80°Cに維持された5wt%乃至20
wt%の水酸化カリウム水溶液に浸漬して、1乃至2時
間程度エッチングを実行する。これにより、シリコン単
結晶基板は酸化シリコン膜22を保護層として他方の酸
化シリコン膜21までエッチングが進行して、圧力発生
室となる凹部30が形成される。このエッチング工程に
おいてフッ素樹脂保護膜28により圧電材料層24を保
護することにより、圧電材料層24が水酸化カリウム水
溶液によりダメージを受けるのを防止することができ
る。
【0033】ついで、エッチングストッパとして機能し
た酸化シリコン膜21の内、凹部30から露出している
領域と、異方性エッチング用パターンとして機能した酸
化シリコン膜22とを、フッ酸素溶液、またはフッ酸と
フッ化アンモニウムとを混合した溶液で除去する。最後
にフッ素樹脂膜26(28)を酸素プラズマによるエッ
チングにより除去する(図6(II))。
【0034】この除去に際して上電極となる導電層25
の上面の少なくとも導電パターンとの接続部をなす窓3
1を形成する一方、圧電体層24の側面には残留させる
ようにエッチングを行なうと、フッ素樹脂膜26(2
8)を前述の絶縁層13と同様の機能を持たせることが
できる(図6(II’))。
【0035】もとより、図6(II)に示したようにフッ
素樹脂保護膜26(28)を全て除去した場合には、前
述したように新たな絶縁膜13を別途、形成すればよ
い。
【0036】なお、上述の実施例においては、記録ヘッ
ドの面に対して垂直な方向にノズル開口16を形成して
フェースタイプの記録ヘッドとして構成しているが、図
7に示したように流路形成基板等の圧力発生室構成部材
や、圧力発生室に流路を介して記録ヘッドの端面40に
ノズル開口41を穿設してエッジタイプとして構成して
も同様の作用を奏することは明らかである。
【0037】さらには、上述の実施例においては、圧電
振動子を造膜法により形成する場合について説明した
が、圧電材料のグリーンシートの薄板を、圧力発生室に
対応する形状に整形して弾性板に貼着し、これを焼成し
て圧電層としたものに適用しても同様の作用を奏するこ
とは明らかである。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように本発明においては、
ノズル開口に連通する圧力発生室を構成する弾性板の表
面に形成された下電極と、下電極の表面に形成された圧
電体層と、圧電体層の表面で、かつ圧力発生室に対向す
る領域に形成された上電極とからなる圧電振動子を備え
たインクジェット式記録ヘッドにおいて、上電極が、圧
力発生室に対向する領域毎に独立して形成され、また上
電極の上面の少なくとも導電パターンとの接続部をなす
窓を残すようにその周縁部から圧電体層の側面を被覆す
る絶縁体層が形成されているため、上電極が圧力発生室
よりも内側に位置し、圧力発生室の境界部での急激な変
位を受けることがなく上電極の断線を防止することがで
き、また圧電振動子を絶縁体層により被覆して上下電極
間での沿面放電や吸湿による劣化を防止することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット式記録ヘッドの一実施
例を示す組立斜視図である。
【図2】図(イ)、(ロ)は、それぞれ同上インクジェ
ット式記録ヘッドの1つの圧力発生室の断面構造を示す
図、及び圧力発生室、上電極、下電極との位置関係で導
電パターンの配列形態を示す図である。
【図3】図(イ)、(ロ)は、それぞれ本発明の同上イ
ンクジェット式記録ヘッドの他の実施例を、1つの圧力
発生室の断面構造を示す図、及び圧力発生室、上電極、
下電極との位置関係で導電パターンの配列形態を示す図
である。
【図4】図(イ)、(ロ)は、それぞれ同上インクジェ
ット式記録ヘッドの1つの圧力発生室の断面構造を、圧
力発生室の長手方向の断面と、圧力発生室の並び方向の
断面で示す図である。
【図5】図(I)乃至(II’)は、それぞれインクジェ
ット記録ヘッドを構成するシリコン単結晶基板の加工方
法の前半の工程を示す図である。
【図6】図(I)乃至(II’)は、それぞれインクジェ
ット記録ヘッドを構成するシリコン単結晶基板の加工方
法の後半の工程を示す図である。
【図7】本発明の電極構造の適用が可能な他の形式の記
録ヘッドの一実施例を示す断面図である。
【図8】たわみ振動子を使用した記録ヘッドの一例を示
す断面図である。
【符号の説明】
1 流路形成板 2 弾性板 3 圧力発生室 4 リザーバ 5 インク供給口 6 圧電振動子 10 下電極 11 圧電体層 12 上電極 13 絶縁体層 14 導電パターン 15 ノズルプレート 16 ノズル開口

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノズル開口に連通する圧力発生室を構成
    する弾性板の表面に形成された下電極と、該下電極の表
    面に形成された圧電体層と、前記圧電体層の表面で、か
    つ前記圧力発生室に対向する領域に形成された上電極と
    からなる圧電振動子を備えたインクジェット式記録ヘッ
    ドにおいて、 前記上電極が、前記圧力発生室に対向する領域毎に独立
    して形成され、また前記上電極の上面の少なくとも導電
    パターンとの接続部をなす窓を残すようにその周縁部か
    ら前記圧電体層の側面を被覆する絶縁体層が形成されて
    いるインクジェット式記録ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記導電パターンが前記圧力発生室の隔
    壁に対向する位置に形成され、前記上電極に複数箇所で
    窓を介して接続する請求項1に記載のインクジェット式
    記録ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記窓が前記圧電体層の振動領域の変位
    を阻害しない程度に前記圧電体層の周縁まで拡大されて
    いる請求項1に記載のインクジェット式記録ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記電気絶縁体層が、酸化シリコン、窒
    化シリコン、またはポリイミド等の有機材料により形成
    されている請求項1に記載のインクジェット式記録ヘッ
    ド。
  5. 【請求項5】 前記絶縁体層が、エッチング工程で使用
    するエッチング保護膜により形成されている請求項1に
    記載のインクジェット式記録ヘッド。
  6. 【請求項6】 ノズル開口に連通する圧力発生室を構成
    する弾性板の表面に形成された下電極と、該下電極の表
    面に形成された圧電体層と、前記圧電体層の表面で、か
    つ前記圧力発生室に対向する領域に形成された上電極と
    からなる圧電振動子を備えたインクジェット式記録ヘッ
    ドにおいて、 前記圧電体層及び上電極が、前記圧力発生室に対向する
    領域の内側に形成され、また前記上電極の上面の少なく
    とも導電パターンとの接続部をなす窓を残すようにその
    周縁部から前記圧電体層の側面を被覆する絶縁体層が形
    成されているインクジェット式記録ヘッド。
  7. 【請求項7】 前記導電パターンが前記圧力発生室の隔
    壁に対向する位置に形成され、前記上電極に複数箇所で
    窓を介して接続する請求項6に記載のインクジェット式
    記録ヘッド。
  8. 【請求項8】 前記窓が前記圧電体層の振動領域の変位
    を阻害しない程度に前記圧電体層の周縁まで拡大されて
    いる請求項6に記載のインクジェット式記録ヘッド。
  9. 【請求項9】 前記電気絶縁体層が、酸化シリコン、窒
    化シリコン、またはポリイミド等の有機材料により形成
    されている請求項6に記載のインクジェット式記録ヘッ
    ド。
  10. 【請求項10】 前記絶縁体層が、エッチング工程で使
    用するエッチング保護膜により形成されている請求項6
    に記載のインクジェット式記録ヘッド。
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