JPH11309867A - インクジェット式記録ヘッドの製造方法 - Google Patents

インクジェット式記録ヘッドの製造方法

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JPH11309867A
JPH11309867A JP29252698A JP29252698A JPH11309867A JP H11309867 A JPH11309867 A JP H11309867A JP 29252698 A JP29252698 A JP 29252698A JP 29252698 A JP29252698 A JP 29252698A JP H11309867 A JPH11309867 A JP H11309867A
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etching
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧電素子の駆動による変形量を容易に向上す
ることのできるインクジェット式記録ヘッドの製造方法
を提供する。 【解決手段】 流路形成基板10を圧電素子とは反対側
からエッチングして圧力発生室12を形成すると共に弾
性膜50の圧力発生室12内の面の一部に凹部51を形
成するインクジェット式記録ヘッドの製造方法におい
て、流路形成基板10の他方面に設けられたマスク層5
5の凹部51と対向する領域に貫通部55aを有すると
共に圧力発生室12に対応して凹部51以外の部分に薄
膜部55bを有するマスクパターンを形成する第1のス
テップと、マスク層55を利用してエッチングすること
により圧力発生室12及び凹部51を形成する第2のス
テップとにより、弾性膜50に容易に凹部51を形成す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インク滴を吐出す
るノズル開口と連通する圧力発生室の一部を振動板で構
成し、この振動板の表面に圧電素子を形成して、圧電素
子の変位によりインク滴を吐出させるインクジェット式
記録ヘッドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インク滴を吐出するノズル開口と連通す
る圧力発生室の一部を振動板で構成し、この振動板を圧
電素子により変形させて圧力発生室のインクを加圧して
ノズル開口からインク滴を吐出させるインクジェット式
記録ヘッドには、圧電素子の軸方向に伸長、収縮する縦
振動モードの圧電アクチュエータを使用したものと、た
わみ振動モードの圧電アクチュエータを使用したものの
2種類が実用化されている。
【0003】前者は圧電素子の端面を振動板に当接させ
ることにより圧力発生室の容積を変化させることができ
て、高密度印刷に適したヘッドの製作が可能である反
面、圧電素子をノズル開口の配列ピッチに一致させて櫛
歯状に切り分けるという困難な工程や、切り分けられた
圧電素子を圧力発生室に位置決めして固定する作業が必
要となり、製造工程が複雑であるという問題がある。
【0004】これに対して後者は、圧電材料のグリーン
シートを圧力発生室の形状に合わせて貼付し、これを焼
成するという比較的簡単な工程で振動板に圧電素子を作
り付けることができるものの、たわみ振動を利用する関
係上、ある程度の面積が必要となり、高密度配列が困難
であるという問題がある。
【0005】一方、後者の記録ヘッドの不都合を解消す
べく、特開平5−286131号公報に見られるよう
に、振動板の表面全体に亙って薄膜技術により均一な圧
電材料層を形成し、この圧電材料層をリソグラフィ法に
より圧力発生室に対応する形状に切り分けて各圧力発生
室毎に独立するように圧電素子を形成したものが提案さ
れている。
【0006】これによれば圧電素子を振動板に貼付ける
作業が不要となって、リソグラフィ法という精密で、か
つ簡便な手法で圧電素子を作り付けることができるばか
りでなく、圧電素子の厚みを薄くできて高速駆動が可能
になるという利点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た薄膜技術およびリソグラフィ法による製造方法では、
圧電振動子の駆動による変形量が小さいので、十分な吐
出容量が得られがたいという問題がある。
【0008】本発明はこのような事情に鑑み、圧電素子
の駆動による変形量を容易に向上することのできるイン
クジェット式記録ヘッドの製造方法を提供することを課
題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の第1の態様は、流路形成基板の一方面に設けられた
圧力発生室の一部を構成する弾性膜上に圧電素子を形成
し、前記流路形成基板を他方面側からエッチングして前
記圧力発生室を形成すると共に前記弾性膜の前記圧力発
生室内の面の一部に凹部を形成するインクジェット式記
録ヘッドの製造方法において、前記流路形成基板の他方
面に設けられたマスク層の前記凹部と対向する領域に貫
通部を有すると共に前記圧力発生室に対応して前記凹部
以外の部分に薄膜部を有するマスクパターンを形成する
第1のステップと、前記マスク層を利用してエッチング
することにより前記圧力発生室及び前記凹部を形成する
第2のステップとを有することを特徴とするインクジェ
ット式記録ヘッドの製造方法にある。
【0010】かかる第1の態様では、圧力発生室を構成
する弾性膜の一部に、エッチングによって凹部を容易に
形成することができる。
【0011】本発明の第2の態様は、第1の態様におい
て、第1のステップは、前記マスク層の前記凹部に対向
する領域をエッチングして前記貫通部を形成するステッ
プと、前記マスク層の前記圧力発生室に対応して前記凹
部以外の部分をエッチングして前記薄膜部を形成するス
テップとを有することを特徴とするインクジェット式記
録ヘッドの製造方法にある。
【0012】かかる第2の態様では、流路形成基板の一
方面に設けられたマスク層を所定の形状にパターニング
することにより、マスク層を圧力発生室及び凹部を形成
するためのマスクパターンとして用いることができる。
【0013】本発明の第3の態様は、第1又は2の態様
において、前記第2のステップは、前記貫通部に対応す
る部分の前記流路形成基板をエッチングして前記弾性膜
が露出した露出部を形成するステップと、前記マスク層
の前記薄膜部及び前記弾性膜の露出部をエッチングして
前記凹部を形成するステップと、前記薄膜部に対応する
部分の前記流路形成基板をエッチングして前記圧力発生
室を形成するステップとを有することを特徴とするイン
クジェット式記録ヘッドの製造方法にある。
【0014】かかる第3の態様では、弾性膜を精度よく
エッチングすることができ、凹部の深さを所望の寸法に
形成することができる。
【0015】本発明の第4の態様は、第3の態様におい
て、前記露出部を形成するステップでは、前記貫通部に
対応する部分の前記流路形成基板をエッチングすると共
に前記薄膜部の厚さ方向の一部をさらにエッチングして
除去することにより、次のステップでエッチングされる
前記凹部の深さを調整することを特徴とするインクジェ
ット式記録ヘッドの製造方法にある。
【0016】かかる第4の態様では、薄膜部の厚さを調
整することにより、凹部の深さを確実に所望の寸法にす
ることができる。
【0017】本発明の第5の態様は、第1又は2の態様
において、前記第2のステップでは、前記薄膜部、前記
流路形成基板及び前記弾性膜を一括してエッチングして
前記圧力発生室及び前記凹部を形成することを特徴とす
るインクジェット式記録ヘッドの製造方法にある。
【0018】かかる第5の態様では、圧力発生室及び凹
部を一括して形成することができ、製造工程が簡略化で
きる。
【0019】本発明の第6の態様は、第1〜5の何れか
の態様において、前記圧力発生室がシリコン単結晶基板
に異方性エッチングにより形成され、前記圧電素子の各
層が成膜及びリソグラフィ法により形成されたものであ
ることを特徴とするインクジェット式記録ヘッドの製造
方法にある。
【0020】かかる第6の態様では、高密度のノズル開
口を有するインクジェット式記録ヘッドを大量に且つ比
較的容易に製造することができる。
【0021】本発明の第7の態様は、第1〜6の何れか
の態様において、前記マスク層は、前記弾性膜と略同一
材料からなることを特徴とするインクジェット式記録ヘ
ッドの製造方法にある。
【0022】本発明の第7の態様では、弾性膜とマスク
層とのエッチング速度が略同一となり、凹部の寸法精度
を向上する。
【0023】本発明の第8の態様は、第7の態様におい
て、前記弾性膜及び前記マスク層が、酸化シリコン又は
窒化シリコンからなることを特徴とするインクジェット
式記録ヘッドの製造方法にある。
【0024】かかる第8の態様では、流路形成基板上に
弾性膜及びマスク層を容易に形成することができる。
【0025】本発明の第9の態様は、第1〜8の何れか
の態様において、前記圧力発生室及び前記凹部がウェッ
トエッチング法によって形成されることを特徴とするイ
ンクジェット式記録ヘッドの製造方法にある。
【0026】かかる第9の態様では、凹部を精度よく形
成することができる。
【0027】本発明の第10の態様は、第1〜9の何れ
かの態様において、前記流路形成基板には前記圧力発生
室に連通されるリザーバが画成され、前記ノズル開口を
有するノズルプレートが接合されていることを特徴とす
るインクジェット式記録ヘッドの製造方法にある。
【0028】かかる第10の態様では、ノズル開口から
インクを吐出するインクジェット式記録ヘッドを容易に
実現できる。
【0029】本発明の第11の態様は、第1〜10の何
れかの態様において、前記流路形成基板には、前記圧力
発生室にインクを供給する共通インク室と、前記圧力発
生室と前記ノズル開口とを連通する流路とを形成する流
路ユニットが接合されていることを特徴とするインクジ
ェット式記録ヘッドの製造方法にある。
【0030】かかる第11の態様では、インクは流路ユ
ニットから圧力発生室に供給され、ノズル開口から吐出
される。
【0031】本発明の第12の態様は、第11の態様に
おいて、前記流路ユニットが前記流路形成基板の前記圧
力発生室開口側に接合されていることを特徴とするイン
クジェット式記録ヘッドの製造方法にある。
【0032】かかる第12の態様では、流路ユニットか
らのインクは圧力発生室の開口側から供給される。
【0033】本発明の第13の態様は、第11の態様に
おいて、前記流路ユニットが前記流路形成基板の前記圧
電素子形成側に接合されていることを特徴とするインク
ジェット式記録ヘッドの製造方法にある。
【0034】かかる第13の態様では、流路ユニットか
らのインクは圧電素子形成側に開口する連通路を介して
圧力発生室に供給される。
【0035】
【発明の実施の形態】以下に本発明を実施形態に基づい
て詳細に説明する。
【0036】(実施形態1)図1は、本発明の実施形態
1に係るインクジェット式記録ヘッドを示す分解斜視図
であり、図2は、平面図及びその1つの圧力発生室の長
手方向における断面構造を示す図である。
【0037】図示するように、流路形成基板10は、本
実施形態では面方位(110)のシリコン単結晶基板か
らなる。流路形成基板10としては、通常、150〜3
00μm程度の厚さのものが用いられ、望ましくは18
0〜280μm程度、より望ましくは220μm程度の
厚さのものが好適である。これは、隣接する圧力発生室
間の隔壁の剛性を保ちつつ、配列密度を高くできるから
である。
【0038】流路形成基板10の両面には、それぞれ、
予め熱酸化により形成した二酸化シリコンからなる、厚
さ0.1〜2μmの弾性膜50と、詳しくは後述する
が、圧力発生室12等を形成する際にマスクパターンと
して用いられる保護膜55とが形成されている。そし
て、流路形成基板10の一方の面には、保護膜55をマ
スクとしてシリコン単結晶基板を異方性エッチングする
ことにより、ノズル開口11、圧力発生室12が形成さ
れている。
【0039】ここで、異方性エッチングは、シリコン単
結晶基板をKOH等のアルカリ溶液に浸漬すると、徐々
に侵食されて(110)面に垂直な第1の(111)面
と、この第1の(111)面と約70度の角度をなし且
つ上記(110)面と約35度の角度をなす第2の(1
11)面とが出現し、(110)面のエッチングレート
と比較して(111)面のエッチングレートが約1/1
80であるという性質を利用して行われるものである。
かかる異方性エッチングにより、二つの第1の(11
1)面と斜めの二つの第2の(111)面とで形成され
る平行四辺形状の深さ加工を基本として精密加工を行う
ことができ、圧力発生室12を高密度に配列することが
できる。
【0040】本実施形態では、各圧力発生室12の長辺
を第1の(111)面で、短辺を第2の(111)面で
形成している。この圧力発生室12は、流路形成基板1
0をほぼ貫通し、後述するが、弾性膜50の一部までエ
ッチングすることにより形成されている。なお、弾性膜
50及び保護膜55は、シリコン単結晶基板をエッチン
グするアルカリ溶液に侵される量がきわめて小さい。
【0041】一方、各圧力発生室12の一端に連通する
各ノズル開口11は、圧力発生室12より幅狭で且つ浅
く形成されている。すなわち、ノズル開口11は、シリ
コン単結晶基板を厚さ方向に途中までエッチング(ハー
フエッチング)することにより形成されている。なお、
ハーフエッチングは、エッチング時間の調整により行わ
れる。
【0042】ここで、インク滴吐出圧力をインクに与え
る圧力発生室12の大きさと、インク滴を吐出するノズ
ル開口11の大きさとは、吐出するインク滴の量、吐出
スピード、吐出周波数に応じて最適化される。例えば、
1インチ当たり360個のインク滴を記録する場合、ノ
ズル開口11は数十μmの溝幅で精度よく形成する必要
がある。
【0043】また、各圧力発生室12と後述する共通イ
ンク室31とは、後述する封止板20の各圧力発生室1
2の一端部に対応する位置にそれぞれ形成されたインク
供給連通口21を介して連通されており、インクはこの
インク供給連通口21を介して共通インク室31から供
給され、各圧力発生室12に分配される。
【0044】封止板20は、前述の各圧力発生室12に
対応したインク供給連通口21が穿設された、厚さが例
えば、0.1〜1mmで、線膨張係数が300℃以下
で、例えば2.5〜4.5[×10-6/℃]であるガラ
スセラミックスからなる。なお、インク供給連通口21
は、各圧力発生室12のインク供給側端部の近傍を横断
する一つのスリット孔でも、あるいは複数のスリット孔
であってもよい。封止板20は、一方の面で流路形成基
板10の一面を全面的に覆い、シリコン単結晶基板を衝
撃や外力から保護する補強板の役目も果たす。また、封
止板20は、他面で共通インク室31の一壁面を構成す
る。
【0045】共通インク室形成基板30は、共通インク
室31の周壁を形成するものであり、ノズル開口数、イ
ンク滴吐出周波数に応じた適正な厚みのステンレス板を
打ち抜いて作製されたものである。本実施形態では、共
通インク室形成基板30の厚さは、0.2mmとしてい
る。
【0046】インク室側板40は、ステンレス基板から
なり、一方の面で共通インク室31の一壁面を構成する
ものである。また、インク室側板40には、他方の面の
一部にハーフエッチングにより凹部40aを形成するこ
とにより薄肉壁41が形成され、さらに、外部からのイ
ンク供給を受けるインク導入口42が打抜き形成されて
いる。なお、薄肉壁41は、インク滴吐出の際に発生す
るノズル開口11と反対側へ向かう圧力を吸収するため
のもので、他の圧力発生室12に、共通インク室31を
経由して不要な正又は負の圧力が加わるのを防止する。
本実施形態では、インク導入口42と外部のインク供給
手段との接続時等に必要な剛性を考慮して、インク室側
板40を0.2mmとし、その一部を厚さ0.02mm
の薄肉壁41としているが、ハーフエッチングによる薄
肉壁41の形成を省略するために、インク室側板40の
厚さを初めから0.02mmとしてもよい。
【0047】一方、流路形成基板10の開口面とは反対
側の弾性膜50の上には、厚さが例えば、約0.5μm
の下電極膜60と、厚さが例えば、約1μmの圧電体膜
70と、厚さが例えば、約0.1μmの上電極膜80と
が、後述するプロセスで積層形成されて、圧電素子30
0を構成している。ここで、圧電素子300は、下電極
膜60、圧電体膜70、及び上電極膜80を含む部分を
いう。一般的には、圧電素子300の何れか一方の電極
を共通電極とし、他方の電極及び圧電体膜70を各圧力
発生室12毎にパターニングして構成する。そして、こ
こではパターニングされた何れか一方の電極及び圧電体
膜70から構成され、両電極への電圧の印加により圧電
歪みが生じる部分を圧電体能動部320という。本実施
形態では、下電極膜60は圧電素子300の共通電極と
し、上電極膜80を圧電素子300の個別電極としてい
るが、駆動回路や配線の都合でこれを逆にしても支障は
ない。何れの場合においても、各圧力発生室毎に圧電体
能動部が形成されていることになる。また、ここでは、
圧電素子300と当該圧電素子300の駆動により変位
が生じる振動板とを合わせて圧電アクチュエータと称す
る。なお、上述した例では、弾性膜50及び下電極膜6
0が振動板として作用するが、下電極膜が弾性膜を兼ね
るようにしてもよい。
【0048】ここで、シリコン単結晶基板からなる流路
形成基板10上に、圧電体膜70等を形成するプロセス
を図3を参照しながら説明する。
【0049】図3(a)に示すように、まず、流路形成
基板10となるシリコン単結晶基板のウェハを約110
0℃の拡散炉で熱酸化して、流路形成基板10の両面
に、それぞれ二酸化シリコンからなる弾性膜50及び保
護膜55を一度に形成する。
【0050】次に、図3(b)に示すように、スパッタ
リングで下電極膜60を形成する。下電極膜60の材料
としては、Pt等が好適である。これは、スパッタリン
グ法やゾル−ゲル法で成膜する後述の圧電体膜70は、
成膜後に大気雰囲気下又は酸素雰囲気下で600〜10
00℃程度の温度で焼成して結晶化させる必要があるか
らである。すなわち、下電極膜60の材料は、このよう
な高温、酸化雰囲気下で導電性を保持できなければなら
ず、殊に、圧電体膜70としてPZTを用いた場合に
は、PbOの拡散による導電性の変化が少ないことが望
ましく、これらの理由からPtが好適である。
【0051】次に、図3(c)に示すように、圧電体膜
70を成膜する。本実施形態では、金属有機物を溶媒に
溶解・分散したいわゆるゾルを塗布乾燥してゲル化し、
さらに高温で焼成することで金属酸化物からなる圧電体
膜70を得る、いわゆるゾル−ゲル法を用いて形成し
た。圧電体膜70の材料としては、チタン酸ジルコン酸
鉛(PZT)系の材料がインクジェット式記録ヘッドに
使用する場合には好適である。なお、この圧電体膜70
の成膜方法は、特に限定されず、例えば、スパッタリン
グ法で形成してもよい。
【0052】さらに、ゾル−ゲル法又はスパッタリング
法等によりPZTの前駆体膜を形成後、アルカリ水溶液
中での高圧処理法にて低温で結晶成長させる方法を用い
てもよい。
【0053】次に、図3(d)に示すように、上電極膜
80を成膜する。上電極膜80は、導電性の高い材料で
あればよく、Al、Au、Ni、Pt等の多くの金属
や、導電性酸化物等を使用できる。本実施形態では、P
tをスパッタリングにより成膜している。
【0054】このように各層の成膜が終ると、これら下
電極膜60、圧電体膜70及び上電極膜80をパターニ
ングして圧電素子300を形成し、さらに、各圧電素子
300に対応する領域の流路形成基板10をエッチング
して、圧力発生室12を形成する。その際、本実施形態
では、弾性膜50の圧力発生室12内の圧電体能動部3
20に対向する部分に凹部51を形成している。
【0055】以下、この一連の形成工程について説明す
る。
【0056】図4(a)に示すように、流路形成基板1
0の圧力発生室12形成側の表面に保護膜55が形成さ
れており、本実施形態では、この保護膜55をマスクパ
ターンとして圧力発生室12等をエッチングにより形成
している。そこで、まず圧力発生室12形成位置に対応
する領域で凹部51に対応する部分、例えば、本実施形
態では、圧電体能動部320に対応する部分の保護膜5
5を、例えば、フッ酸(HF)等でエッチングして貫通
部55aを形成する。
【0057】次いで、図4(b)に示すように、圧力発
生室12形成位置に対応する領域の貫通部55a以外の
部分を貫通部55aの形成工程と同様に、HFでエッチ
ングして、例えば、本実施形態では、貫通部55aの周
囲を囲むように、圧力発生室12に対向する領域外の保
護膜55よりも相対的に膜厚の薄い薄膜部55bを形成
する。
【0058】ここで、詳しくは後述するが、凹部51の
深さは、基本的にはこの薄膜部55bの厚さによって決
定される。そして、薄膜部55bの厚さは、以下の工程
で調整が可能であるため、この工程では、薄膜部55b
を凹部51の所望の深さと略同一、若しくは若干厚い膜
厚としておくことが好ましい。なお、この薄膜部55b
は、ハーフエッチング等により形成すればよい。
【0059】次に、図4(c)に示すように、下電極膜
60、圧電体膜70及び上電極膜80をエッチングして
圧電体能動部320等のパターニングを行う。
【0060】次に、図5(a)に示すように、このよう
にパターニングされた保護膜55をマスクパターンとし
て前述したKOH等のアルカリ溶液によるシリコン単結
晶基板(流路形成基板)10の異方性エッチングを行
う。この工程では、貫通部55aに対応する部分の流路
形成基板10を完全に除去して、貫通部55aに対応す
る部分に弾性膜50が露出した露出部50aとなるまで
エッチングを行う。
【0061】この際、流路形成基板10のKOHによる
エッチングに伴って保護膜55(薄膜部55a)もエッ
チングされるが、KOHでの保護膜55のエッチング速
度は、流路形成基板10に比べて極めて遅いため、保護
膜55がエッチングされる厚さは若干量である。本実施
形態では、この若干量のエッチングを利用して、薄膜部
55bの厚さの調整を行っている。
【0062】次いで、図5(b)に示すように、保護膜
55の薄膜部55b及び弾性膜50の露出部50aを、
HFでエッチングして凹部51を形成する。ここで、弾
性膜50及び保護膜55は、本実施形態では、上述した
ように二酸化シリコンからなるため、同一材質で形成さ
れているため、エッチング速度も同一である。したがっ
て、この工程のエッチングによって、凹部51は薄膜部
55bの厚さと略同一の深さに形成されることになる。
したがって、上述のように、薄膜部55bの厚さを精度
よく調整しておくことで、凹部51を所定の深さで精度
よく形成することができる。
【0063】なお、弾性膜50及び保護膜55の材質
は、特に限定されず、例えば、窒化シリコンであっても
よい。また、エッチング速度が略同一であれば、弾性膜
50と、弾性膜55との材質が異なっていてもよい。
【0064】次に、図5(c)に示すように、薄膜部5
5bに対応する部分の流路形成基板10をKOHでエッ
チングして圧力発生室12を形成する。またこのとき、
弾性膜55の露出部50aも同時にエッチングされ、こ
のエッチングによって凹部51が所望の深さに形成され
る。
【0065】このような圧力発生室12及び凹部51の
形成方法では、保護膜55をマスクパターンとして流路
形成基板10等をエッチングすることにより、圧力発生
室12を形成すると共に弾性膜50に凹部51を容易に
形成することができる。また、本実施形態では、流路形
成基板10を二回に分けてエッチングして圧力発生室1
2及び凹部51を形成するようにしているため、その
際、薄膜部55bの厚さを調整することができる。ま
た、流路形成基板10の厚さは一定であるため、薄膜部
55bの厚さの変化のみが凹部51の深さの変化とな
り、この薄膜部55bの厚さを調整するだけで、凹部5
1を所望の深さに精度よく形成することができる。
【0066】図6は、このように形成されたインクジェ
ット式記録ヘッドの要部断面図である。
【0067】本実施形態では上述の工程によって、図6
に示すように、各圧力発生室12に対向する領域内に圧
電体膜70及び上電極膜80をパターニングして圧電体
能動部320を形成し、圧力発生室12に対向する領域
の弾性膜50に、圧電体能動部320の幅方向略中央部
に長手方向に亘って、弾性膜50の厚さ方向の一部を残
した深さで形成している。
【0068】このように、上述のような工程によって、
圧力発生室12内側の弾性膜50に凹部51を精度よく
形成することにより、圧電体能動部320の駆動による
応力が抑えられ、変位量を向上したインクジェット式記
録ヘッドを実現することができる。
【0069】なお、本実施形態では、凹部51を、圧電
体能動部320に対応する領域に形成するようにした
が、これに限定されず、圧力発生室12内側の弾性膜5
0の何れの場所にも設けることができる。
【0070】例えば、図7(a)に示すように、貫通部
55aを圧電体能動部320の幅方向両側に設け、薄膜
部55bを圧力発生室12の略中央部の圧電体能動部3
20に対向する領域に設けて流路形成基板10をエッチ
ングするようにすれば、図7(b)に示すように、凹部
51が圧力発生室12の幅方向両側に形成されることに
なる。
【0071】すなわち、圧力発生室に対向する領域内
で、凹部を形成したい部分に貫通部を設け、その他の部
分に薄膜部を設けて、流路形成基板をエッチングするこ
とにより所望の位置に凹部を形成することができる。ま
た、何れの場合にも、薄膜部の厚さを調整することによ
り、所望の深さの凹部を精度よく形成することができ
る。
【0072】なお、本実施形態では、凹部51を弾性膜
50の一部を残した深さで形成するようにしたが、これ
に限定されず、例えば、下電極膜60の一部まで除去し
た深さとしてもよい。この場合にも、下電極膜60のエ
ッチング速度等を考慮して薄膜部55bの厚さを調整し
ておくことにより、凹部51を精度良く形成することが
できる。なお、この場合には、保護膜55を弾性膜50
よりも厚く形成しておくことが必要である。
【0073】以上の説明では、圧電体能動部320形成
後に、圧力発生室12を形成するようにしたが、実際に
は、図2に示すように、各上電極膜80の上面の少なく
とも周縁、及び圧電体膜70および下電極膜60の側面
を覆うように電気絶縁性を備えた絶縁体層90を形成
し、さらに、絶縁体層90の各圧電体能動部320の一
端部に対応する部分の上面を覆う部分の一部にはリード
電極100と接続するために上電極膜80の一部を露出
させるコンタクトホール90aを形成し、このコンタク
トホール90aを介して各上電極膜80に一端が接続
し、また他端が接続端子部に延びるリード電極100を
形成した後に、圧力発生室12を形成するようにしても
よい。ここで、リード電極100は、駆動信号を上電極
膜80に確実に供給できる程度に可及的に狭い幅となる
ように形成するのが好ましい。なお、本実施形態では、
コンタクトホール90aは、圧力発生室12に対向する
位置に設けられているが、特に限定されず、例えば、圧
電体膜70及び上電極膜80を圧力発生室12の周壁に
対向するまで延設して、その周壁に対向する位置にコン
タクトホール90aを設けるようにしてもよい。
【0074】また、以上説明した一連の膜形成及び異方
性エッチングは、一枚のウェハ上に多数のチップを同時
に形成し、プロセス終了後、図1に示すような一つのチ
ップサイズの流路形成基板10毎に分割する。また、分
割した流路形成基板10を、封止板20、共通インク室
形成基板30、及びインク室側板40と順次接着して一
体化し、インクジェット式記録ヘッドとする。
【0075】このように構成したインクジェットヘッド
は、図示しない外部インク供給手段と接続したインク導
入口42からインクを取り込み、共通インク室31から
ノズル開口11に至るまで内部をインクで満たした後、
図示しない外部の駆動回路からの記録信号に従い、リー
ド電極100を介して下電極膜60と上電極膜80との
間に電圧を印加し、弾性膜50、下電極膜60及び圧電
体膜70をたわみ変形させることにより、圧力発生室1
2内の圧力が高まりノズル開口11からインク滴が吐出
する。
【0076】(実施形態2)図8は、実施形態2に係る
薄膜製造工程を示す断面図である。
【0077】本実施形態は、流路形成基板10、保護膜
55の薄膜部55b及び弾性膜50を一括してエッチン
グして圧力発生室12及び凹部51を形成した例であ
る。
【0078】まず、本実施形態の形成方法においても、
実施形態1と同様に、図8(a)に示すように、圧力発
生室12形成位置に対応する領域で凹部51を形成する
部分に対応する位置の弾性膜55をエッチングして貫通
部55aを形成する。次いで、図8(b)に示すよう
に、圧力発生室12形成位置に対応する領域の貫通部5
5a以外の部分に、圧力発生室12に対向する領域外の
弾性膜55よりも相対的に膜厚の薄い薄膜部55bを形
成する。そして、図8(c)に示すように、圧電体膜7
0及び上電極膜80等をパターニングして圧電体能動部
320を形成する。
【0079】このように圧電体能動部320を形成後、
流路形成基板10等をエッチングして、圧力発生室12
及び凹部51を形成する。本実施形態では、図8(d)
に示すように、薄膜部55b、流路形成基板10及び弾
性膜50をKOH水溶液で一括してエッチングして、圧
力発生室12及び凹部51を形成した。
【0080】このような一括した流路形成基板10等の
エッチングでは、最初に貫通部55aの領域のシリコン
単結晶基板(流路形成基板)10が侵されていくが、こ
れと共に周囲の薄膜部55bも侵される。そのため、薄
膜部55bは時間と共に完全に除去され、薄膜部55b
に覆われていた部分のシリコン単結晶基板(流路形成基
板)10も、遅れて侵されていく。その後、貫通部55
aの領域のシリコン単結晶基板(流路形成基板)10が
完全に除去されるが、薄膜部55bの領域のシリコン単
結晶基板(流路形成基板)10が完全に除去されるま
で、すなわち、圧力発生室12が形成されるまでエッチ
ングを続行する。結果的に、貫通部55aの領域の弾性
膜50が侵され、凹部51が形成されることになる。
【0081】このように、流路形成基板10等を一括し
てエッチングして圧力発生室12及び凹部51を形成す
ることによって、製造工程を簡略化することができ、製
造効率及び製造コストを向上することができる。
【0082】(他の実施形態)以上、本発明の各実施形
態を説明したが、インクジェット式記録ヘッドの基本的
構成は上述したものに限定されるものではない。
【0083】例えば、上述の実施形態では、流路形成基
板10、弾性膜50及び保護膜55をウェットエッチン
グによってパターニングするようにしたが、これに限定
されず、例えば、ドライエッチングを用いてもよく、あ
るいはウェットエッチング及びドライエッチングを併用
してもよい。
【0084】また、上述の実施形態では、弾性膜50の
圧電体能動部320に対向する領域、又は圧電体能動部
320の幅方向両側に対向する領域に、それぞれ、一つ
の凹部51を形成するようにしたが、これに限定され
ず、例えば、図9(a)に示すように、圧電体能動部3
20に対向する領域の弾性膜50に複数の凹部51Aを
設けるようにしてもよいし、図9(b)に示すように、
圧電体能動部320の幅方向両側に対向する領域に、複
数の凹部51Aを設けるようにしてもよいし、あるい
は、圧力発生室12に対向する領域の弾性膜50の幅方
向に亘って複数の凹部51Aを形成するようにしてもよ
い。勿論、凹凸の形状は、これらに限定されるものでは
ない。
【0085】さらに、例えば、上述した封止板20の
他、共通インク室形成板30をガラスセラミックス製と
してもよく、さらには、薄肉膜41を別部材としてガラ
スセラミックス製としてもよく、材料、構造等の変更は
自由である。
【0086】また、上述した実施形態では、ノズル開口
を流路形成基板10の端面に形成しているが、面に垂直
な方向に突出するノズル開口を形成してもよい。
【0087】このように構成した実施形態の分解斜視図
を図10、その流路の断面を図11にぞれぞれ示す。こ
の実施形態では、ノズル開口11が圧電素子とは反対の
ノズル基板120に穿設され、これらノズル開口11と
圧力発生室12とを連通するノズル連通口22が、封止
板20、共通インク室形成板30及び薄肉板41A及び
インク室側板40Aを貫通するように配されている。
【0088】なお、本実施形態は、その他、薄肉板41
Aとインク室側板40Aとを別部材とし、インク室側板
40に開口40bを形成した以外は、基本的に上述した
実施形態と同様であり、同一部材には同一符号を付して
重複する説明は省略する。
【0089】また、勿論、共通インク室を流路形成基板
内に形成したタイプのインクジェット式記録ヘッドにも
同様に応用できる。
【0090】また、以上説明した各実施形態は、成膜及
びリソグラフィプロセスを応用することにより製造でき
る薄膜型のインクジェット式記録ヘッドを例にしたが、
勿論これに限定されるものではなく、例えば、グリーン
シートを貼付もしくはスクリーン印刷等により圧電体膜
を形成するもの、又はスパッタリング法やゾル−ゲル法
以外で、例えば、水熱法等の結晶成長により圧電体膜を
形成するもの等、各種の構造のインクジェット式記録ヘ
ッドに本発明を採用することができる。
【0091】また、圧電素子とリード電極との間に絶縁
体層を設けた例を説明したが、これに限定されず、例え
ば、絶縁体層を設けないで、各上電極に異方性導電膜を
熱溶着し、この異方性導電膜をリード電極と接続した
り、その他、ワイヤボンディング等の各種ボンディング
技術を用いて接続したりする構成としてもよい。
【0092】このように、本発明は、その趣旨に反しな
い限り、種々の構造のインクジェット式記録ヘッドに応
用することができる。
【0093】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
圧力発生室を形成するためのマスクパターンとなる弾性
膜等に薄膜部を設けて、流路形成基板等をエッチングす
るようにしたので、圧力発生室内側の弾性膜に凹部を容
易に形成することができる。また、圧力発生室を2回に
分けてエッチングすることにより、薄膜部の厚さを精度
よく調整することができる。これにより、凹部の深さを
精度よく形成することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るインクジェット式記
録ヘッドの分解斜視図である。
【図2】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記
録ヘッドを示す図であり、図1の平面図及び断面図であ
る。
【図3】本発明の実施形態1の薄膜製造工程を示す断面
図である。
【図4】本発明の実施形態1の圧力発生室及び凹部の製
造工程を示す断面図である。
【図5】本発明の実施形態1の圧力発生室及び凹部の製
造工程を示す断面図である。
【図6】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記
録ヘッドの要部を示す断面図である。
【図7】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記
録ヘッドの変形例を示す断面図である。
【図8】本発明の実施形態2に係る圧力発生室及び凹部
の製造工程を示す断面図である。
【図9】本発明の他の実施形態に係るインクジェット式
記録ヘッドの要部を示す断面図である。
【図10】本発明の他の実施形態に係るインクジェット
式記録ヘッドの分解斜視図である。
【図11】本発明の他の実施形態に係るインクジェット
式記録ヘッドを示す断面図である。
【符号の説明】
10 流路形成基板 11 ノズル開口 12 圧力発生室 50 弾性膜 51,51A 凹部 55 保護膜 55a 貫通部 55b 薄膜部 60 下電極膜 70 圧電体膜 80 上電極膜 90 絶縁体層 100 リード電極 300 圧電素子 320 圧電体能動部

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流路形成基板の一方面に設けられた圧力
    発生室の一部を構成する弾性膜上に圧電素子を形成し、
    前記流路形成基板を他方面側からエッチングして前記圧
    力発生室を形成すると共に前記弾性膜の前記圧力発生室
    内の面の一部に凹部を形成するインクジェット式記録ヘ
    ッドの製造方法において、 前記流路形成基板の他方面に設けられたマスク層の前記
    凹部と対向する領域に貫通部を有すると共に前記圧力発
    生室に対応して前記凹部以外の部分に薄膜部を有するマ
    スクパターンを形成する第1のステップと、前記マスク
    層を利用してエッチングすることにより前記圧力発生室
    及び前記凹部を形成する第2のステップとを有すること
    を特徴とするインクジェット式記録ヘッドの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、第1のステップは、
    前記マスク層の前記凹部に対向する領域をエッチングし
    て前記貫通部を形成するステップと、前記マスク層の前
    記圧力発生室に対応して前記凹部以外の部分をエッチン
    グして前記薄膜部を形成するステップとを有することを
    特徴とするインクジェット式記録ヘッドの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、前記第2のス
    テップは、前記貫通部に対応する部分の前記流路形成基
    板をエッチングして前記弾性膜が露出した露出部を形成
    するステップと、前記マスク層の前記薄膜部及び前記弾
    性膜の露出部をエッチングして前記凹部を形成するステ
    ップと、前記薄膜部に対応する部分の前記流路形成基板
    をエッチングして前記圧力発生室を形成するステップと
    を有することを特徴とするインクジェット式記録ヘッド
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3において、前記露出部を形成す
    るステップでは、前記貫通部に対応する部分の前記流路
    形成基板をエッチングすると共に前記薄膜部の厚さ方向
    の一部をさらにエッチングして除去することにより、次
    のステップでエッチングされる前記凹部の深さを調整す
    ることを特徴とするインクジェット式記録ヘッドの製造
    方法。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2において、前記第2のス
    テップでは、前記薄膜部、前記流路形成基板及び前記弾
    性膜を一括してエッチングして前記圧力発生室及び前記
    凹部を形成することを特徴とするインクジェット式記録
    ヘッドの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5の何れかにおいて、前記圧
    力発生室がシリコン単結晶基板に異方性エッチングによ
    り形成され、前記圧電素子の各層が成膜及びリソグラフ
    ィ法により形成されたものであることを特徴とするイン
    クジェット式記録ヘッドの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6の何れかにおいて、前記マ
    スク層は、前記弾性膜と略同一材料からなることを特徴
    とするインクジェット式記録ヘッドの製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項7において、前記弾性膜及び前記
    マスク層が、酸化シリコン又は窒化シリコンからなるこ
    とを特徴とするインクジェット式記録ヘッドの製造方
    法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8の何れかにおいて、前記圧
    力発生室及び前記凹部がウェットエッチング法によって
    形成されることを特徴とするインクジェット式記録ヘッ
    ドの製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9の何れかにおいて、前記
    流路形成基板には前記圧力発生室に連通されるリザーバ
    が画成され、前記ノズル開口を有するノズルプレートが
    接合されていることを特徴とするインクジェット式記録
    ヘッドの製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10の何れかにおいて、前
    記流路形成基板には、前記圧力発生室にインクを供給す
    る共通インク室と、前記圧力発生室と前記ノズル開口と
    を連通する流路とを形成する流路ユニットが接合されて
    いることを特徴とするインクジェット式記録ヘッドの製
    造方法。
  12. 【請求項12】 請求項11において、前記流路ユニッ
    トが前記流路形成基板の前記圧力発生室開口側に接合さ
    れていることを特徴とするインクジェット式記録ヘッド
    の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項11において、前記流路ユニッ
    トが前記流路形成基板の前記圧電素子形成側に接合され
    ていることを特徴とするインクジェット式記録ヘッドの
    製造方法。
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