JPH11277755A - 凹部を有するシリコン基板とインクジェットヘッドの製造方法およびそのシリコン基板とインクジェットヘッド - Google Patents
凹部を有するシリコン基板とインクジェットヘッドの製造方法およびそのシリコン基板とインクジェットヘッドInfo
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Abstract
トヘッドの製造方法およびそのシリコン基板とインクジ
ェットヘッドを提供する。 【解決手段】 シリコン基板に対してウエット酸化を
施して、凹部をエッチング形成するためのマスクとして
熱酸化膜を形成し、マスク形成工程により形成された熱
酸化膜をマスクとしてシリコン基板に凹部をエッチング
形成し、エッチング工程後にマスク形成工程において形
成された熱酸化膜をシリコン基板から除去し、除去工程
後にシリコン基板に対してドライ酸化を施して、シリコ
ン基板の保護膜を形成し、精密化、微細化、小型化を図
った凹部を有するシリコン基板を製造するとともに、当
該凹部を振動板やインクノズルとして、インクに対する
耐腐蝕性が高く、省電力化を図ったインクジェットヘッ
ドを製造する。
Description
コン基板とインクジェットヘッドの製造方法、凹部を有
するシリコン基板、凹部として振動板を有するシリコン
基板を備えるインクジェットヘッド、特に、プリンタや
ファクシミリ等の印刷機構に用いることができるインク
ジェットヘッドに関する。
用いられるインクジェットヘッドでは、インク液滴を吐
出させるが、このためのメカニズムに応じて各種の方式
が提案されている。たとえば、ヒータを加熱してインク
を沸騰させ、それによって生じる気泡圧でインク液滴を
吐出する方式、インクを貯留したインク室に貼り付けら
れた圧電素子に電圧を印加することによりインク室の容
積を膨張および収縮させて、インク液滴を吐出する方
式、静電気力(静電アクチュエータ)を利用してインク
を貯留したインク室の容積を変化させて、インク液滴の
吐出を行う方式などがある。
の微細加工技術を用いて形成される。たとえば、静電気
力を利用してインク液滴の吐出を行うインクジェットヘ
ッドでは、シリコン基板に凹部(振動板)を設け、これ
と所定の間隔で電極を対峙させ、凹部(振動板)と電極
との間に静電気力を発生させて、凹部(振動板)を変位
させ、インク室に圧力変動を発生させて、インクノズル
からインク液滴を吐出させる。この凹部(振動板)と、
電極が配置された部材とを、合わせて対向部材と呼ぶ。
シリコン基板に対して、シリコン基板やガラス基板等の
第2の基板を接合して当該凹部(振動板)を塞ぐことに
より形成される。したがって、シリコン基板の凹部(振
動板)は、インク室の壁の一部を構成する。
の形成には、半導体の微細加工技術を用いる。すなわ
ち、シリコン基板に凹部(振動板)を形成するための耐
エッチング材(マスク)を形成してからエッチングを施
して凹部を形成する。
酸化膜が形成されるが、通常は、この熱酸化膜をマスク
として用いる。
るシリコン基板の腐蝕防止のため、対向基板との接合に
先立って、凹部(振動板)が形成されたシリコン基板の
表面に保護用の熱酸化膜を形成する。
法として、本出願人は、特開平3−79350号公報お
よび特開平6−71882号公報を開示している。
形成する方法としては、ウエット酸化およびドライ酸化
の2種類の方法が知られている。ドライ酸化は、膜の形
成速度(成膜速度)は遅いが、膜の密度が密な良質の酸
化膜が得られるという特徴がある。一方、ウエット酸化
は、ドライ酸化に比べて膜密度が疎であり、膜質の点で
は劣るが、膜の形成速度(成膜速度)が速いという特徴
がある。
護する保護用の熱酸化膜をウエット酸化により形成する
と、ウエット酸化によって得られる熱酸化膜は膜質が劣
るため、耐インク性が弱く、シリコン基板がインクによ
って腐食および溶解されてしまう可能性がある。これ
は、第2の基板がシリコン基板により構成され、ウエッ
ト酸化によって得られる熱酸化膜を保護膜とする場合も
同様である。
化膜は、膜の密度が疎であるために充分な絶縁性能を得
ることができないので、静電駆動方式のインクジェット
ヘッドでは、凹部(振動板)と電極との間に発生した静
電気が放電して、凹部(振動板)が破壊されるおそれが
ある。
速いために膜厚を高精度にコントロールすることが難し
いので、膜厚がばらつき、凹部(振動板)の静電吸引特
性が劣化する特に静電吸引力が低下する恐れもある。こ
の静電吸引特性の劣化は、適切な量のインク液滴を吐出
することができず、印字品質を低下させる原因となる。
護膜の耐腐食性および絶縁性を向上させるために、膜厚
を厚くすることが考えられるが、熱酸化膜を厚くする
と、対向部材の間に生じる静電気力が弱くなるので、そ
の分静電吸引力が低下し、省電力化や小型化が困難にな
ってしまう。
護膜用の熱酸化膜との双方をドライ酸化で形成すると、
ドライ酸化の成膜速度が遅いので、インクジェットヘッ
ドの生産効率が低下し、コストが上昇してしまう。
されたものであり、その目的は、シリコン基板に形成す
る熱酸化膜の酸化方法を、その熱酸化膜の目的に応じて
規定することにより、インクジェットヘッドの生産効率
および耐久性の向上を図ることができるインクジェット
ヘッドの製造方法を提供することにある。
めの手段として、以下の発明を提供する。
方法では、シリコン基板に対してウエット酸化を施し
て、凹部をエッチング形成するためのマスクとして熱酸
化膜を形成し、マスク形成工程により形成された熱酸化
膜をマスクとしてシリコン基板に凹部をエッチング形成
し、エッチング工程後にマスク形成工程において形成さ
れた熱酸化膜をシリコン基板から除去し、除去工程後に
シリコン基板に対してドライ酸化を施して、シリコン基
板の保護膜を形成する。
造方法では、シリコン基板に対してウエット酸化を施し
て、インクジェットヘッドのインクと吐出するための振
動板をエッチング形成するためのマスクとして熱酸化膜
を形成し、マスク形成工程により形成された熱酸化膜を
マスクとしてシリコン基板に振動板をエッチング形成
し、エッチング工程後にマスク形成工程において形成さ
れた熱酸化膜をシリコン基板から除去し、除去工程後に
シリコン基板に対してドライ酸化を施して、シリコン基
板の保護膜を形成し、保護膜形成工程後にシリコン基板
に第2の基板を接合して振動板を壁の一部とするインク
室を形成する。
製造方法では、フェイスインクジェット等のように、第
2の基板としてシリコン基板を用いて、これにインクノ
ズルを形成する場合、第2の基板に対してウエット酸化
を施して、インク室に連通するインクノズルをエッチン
グ形成するためのマスクとして熱酸化膜を形成し、第2
のマスク形成工程により形成された熱酸化膜をマスクと
して第2の基板にインクノズルをエッチング形成し、第
2のエッチング工程後に第2のマスク形成工程において
形成された熱酸化膜を第2の基板から除去し、第2の除
去工程後に第2の基板に対してドライ酸化を施して、第
2の基板の保護膜を形成する。
短縮を図るウエット酸化と、精度の高いドライ酸化を組
み合わせることにより、耐腐蝕性の高い凹部を有するシ
リコン基板を短時間で製造することができる。このよう
な凹部をインクジェットヘッドの振動板やインクノズル
を形成するために用いることができる。
の近傍から完全に除去することにより、保護膜形成のた
めの熱酸化によって凹部(振動板)がたわむことがなく
なり、凹部(振動板)を精密に加工することができるよ
うになる。
造方法により静電駆動方式のインクジェットヘッドを製
造する場合、シリコン基板に対して、振動板に所定の隙
間をもって対峙する電極が形成された第3の基板を、第
2の基板とは反対側の面に、接合する。
板は、凹部の長さに対する凹部のコンプライアンスの比
が、0.64×10(−19)m4/N以上3.3×1
0(−19)m4/N以下であるように構成される。
インクを吐出するための振動板を有するシリコン基板
と、当該振動板を壁の一部とするインク室と、インク室
に連通するインクノズルと、振動板に所定の間隔をもっ
て対峙し、これを静電気力により変位させる電極と、を
備え、振動板の長さに対する振動板のコンプライアンス
の比が0.64×10(−19)m4/N以上3.3×
10(−19)m4/N以下であるように構成される。
度が高く、小型化を図ることができるシリコン基板やイ
ンクジェットヘッドを提供することができる。
施の形態を説明する。なお、以下に説明する実施形態は
説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するも
のではない。したがって、当業者であればこれらの各要
素もしくは全要素をこれと均等なものに置換した実施形
態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も
本願発明の範囲に含まれる。
造方法によって形成されたインクジェットヘッドの一部
を分解斜視図を用いて示してある。図2にはその部分断
面図を示してある。これらの図に示すように、インクジ
ェットヘッド1は、インク液滴を基板の上面に設けたイ
ンクノズルから吐出させるフェイスインクジェットタイ
プであり、静電駆動方式のものである。インクジェット
ヘッド1は、ノズルプレート(第2の基板)2、キャビ
ティープレート(第1の基板)3およびガラス基板(第
3の基板)4がこの順序で相互に接合された構造をして
いる。
であり、プレートの表面には底壁が振動板5として機能
するインク室6を構成することになる凹部7と、凹部7
の後部に設けたインク供給口8を構成することになる細
溝9と、各々のインク室6にインクを供給するためのイ
ンクリザーバ10を構成することになる凹部11と、が
エッチングによって形成されている。このキャビティー
プレート3の下面は鏡面研磨によって平滑面とされてい
る。
成側の基板表面)に接合されるノズルプレート2は、キ
ャビティープレート3と同様にシリコン基板である。こ
のノズルプレート2において、インク室6の上面を規定
している部分には各インク室6に連通する複数のインク
ノズル21がエッチングにより形成されている。また、
このノズルプレート2において、インクリザーバ10の
上面を規定している部分にはインクリザーバ10に連通
するインク供給口12が形成されている。このインク供
給口12は接続パイプ13およびチューブ14を介して
インクタンク(図示せず)に接続される。
プレート3を相互に重ね合わせることにより、これらの
プレート2、プレート3の間に、インク室6、インク供
給口8、およびインクリザーバ10が区画形成される。
るガラス基板4において、各々の振動板5に対峙する部
分には振動室15を構成することになる凹部16が形成
されている。この凹部16の底面には、振動板5と対峙
する個別電極17が配置されている。個別電極17は、
リード線18を介して駆動手段としてのドライバ20に
接続され、ドライバ20はキャビティープレート3に形
成された共通電極19にも接続されている。
ク室6の底面を規定している振動板5は、共通電極とし
て機能する。ドライバ20によって個別電極17に電圧
を印加すると、電圧が印加された個別電極17と対峙し
ている共通電極(振動板5)が静電気力によって振動す
る。この振動板5の振動に伴ってインク室6の圧力が変
動し、この圧力変動に伴ってインクノズル21から適切
な量のインク液滴100が吐出される。
電極17の表面を正の電位に帯電させると、対応する振
動板5の下面は負の電位に帯電される。従って、振動板
5は静電気力によって吸引されて下方に撓む。次に、個
別電極17へ印加している電圧パルスをオフにすると、
振動板5が元の位置に復帰する。この復帰動作によっ
て、インク室6の内圧が急激に上昇して、インクノズル
21からインク液滴が吐出される。そして、振動板5が
下方に撓むことにより、インクがインクリザーバ10か
らインク供給口8を経由して、インク室6に補給され
る。
に、キャビティープレート3の製造方法を説明する。図
3にはキャビティープレート3の製造工程を示してあ
る。
0)面方位のシリコンウエハの両面を鏡面研磨し、所定
の厚さ、たとえば、厚さ200μmのシリコン基板30
を作製する。
基板30を水蒸気雰囲気中で摂氏約1050度に加熱
し、この状態を約3時間40分保持して、当該シリコン
基板30にウエット酸化処理を施す(マスク形成工
程)。その結果、シリコン基板30の両面に膜厚が約
1.3μmの熱酸化膜(SiO2膜)31が形成され
る。この熱酸化膜31はウエット酸化によって形成され
るので、ドライ酸化によって同じ厚さの熱酸化膜を形成
する場合に比べて膜の形成時間を短縮できる。この熱酸
化膜はシリコン基板30をエッチングする際のマスク
(耐エッチング材)として用いるものである。
基板30の上面の熱酸化膜31の上に、インク室6、イ
ンク供給口8およびインクリザーバ10を構成すること
になる凹部の形状に相当するフォトレジストパターン
(図示せず)を形成して、フッ酸系エッチング液を用い
て熱酸化膜31の一部を除去する。その後、残っている
フォトレジストパターンを除去する。
ターンに形成された熱酸化膜31をマスク(耐エッチン
グ材)としてシリコン基板30の表面をアルカリ液によ
りエッチングする(エッチング工程)。その結果、シリ
コン基板30の表面には、インク室6を構成することに
なる凹部7が形成される。また、インク供給口8および
インクリザーバ10を構成することになる凹部も形成さ
れる。
た後は、図3(E)に示すように、シリコン基板30の
両面に形成されている熱酸化膜31をフッ酸水溶液によ
って完全に除去されるように、適当なエッチングレート
でエッチング除去する(除去工程)。この結果、熱酸化
膜31が完全に除去されて、シリコン基板30の表面が
露出した状態になる。
基板30を乾燥雰囲気中で摂氏約1000度に加熱し、
この状態を約3時間21分保持して、当該シリコン基板
30にドライ酸化処理を施す(本発明における保護膜形
成工程)。その結果、シリコン基板30の表面は膜厚が
約0.11μmの熱酸化膜(保護膜)32によって覆わ
れる。
32は、ドライ酸化によって得られたものであるため膜
質の点でウエット酸化によって得られる熱酸化膜より優
れている。また、熱酸化膜32により、シリコン基板3
0の耐腐蝕性を確保することができる。このようにし
て、図1および図2に示したキャビティープレート3が
得られる。
ズルプレート2の製造方法を説明する。
0)面方位のp型シリコン基板35の両面を鏡面研磨す
る。そして、そのシリコン基板35を水蒸気雰囲気中で
約1075℃に加熱し、この状態を約6時間保持して、
当該シリコン基板35にウエット酸化処理を施す(第2
のマスク形成工程)。
が約1.8μmの熱酸化膜36が形成される。この熱酸
化膜36はウエット酸化によって形成されるので、ドラ
イ酸化によって同じ厚さの熱酸化膜を形成する場合に比
べて膜の形成時間を短縮できる。熱酸化膜36はシリコ
ン基板35をエッチングする際のマスク(耐エッチング
材)として用いるものである。
基板35の上面の熱酸化膜36の上に、インクノズル2
1およびインク供給孔12を形成するための所定のフォ
トレジストパターン(図示せず)を形成して、フッ酸系
エッチング液を用いて熱酸化膜36の一部を除去する。
そして、残っているフォトレジストパターンを除去す
る。
膜36をマスク(耐エッチング材)として用いてシリコ
ン基板35の表面をアルカリ液によりエッチングする
(第2のエッチング工程)。その結果、シリコン基板3
5には、複数のインクノズル21およびインク供給孔1
2が形成される。
成した後は、シリコン基板30の両面に形成されている
熱酸化膜36をフッ酸水溶液によって完全に剥離される
ように、適当なエッチングレートでエッチング除去する
(第2の除去工程)。
化膜36が完全に除去されて、シリコン基板30の表面
が露出した状態になる。
基板35を乾燥雰囲気中で約1000℃に加熱し、この
状態を約3時間35分保持して、当該シリコン基板35
にドライ酸化処理を施す(第2の保護膜形成工程)。そ
の結果、シリコン基板35の表面は膜厚が約0.11μ
mの熱酸化膜(保護膜)37によって覆われる。
酸化膜37は、ドライ酸化によって得られたものである
ため膜質の点でウエット酸化によって得られる熱酸化膜
より優れている。なお、熱酸化膜37は、シリコン基板
35の耐インク性等を確保するための保護膜である。こ
のようにして、図1および図2に示したノズルプレート
2が得られる。
をキャビティープレート3の一方の面側に重ね合わせて
接合し(接合工程)、その後、キャビティープレート3
の他方の面側に、個別電極17が形成されたガラス基板
4を重ね合わせて接合して(第2の接合工程)、インク
ジェットヘッド1を形成する。
製造方法では、エッチング時のマスクとして用いるため
の熱酸化膜をウエット酸化によって形成している。ウエ
ット酸化は酸化膜の成長速度が速いので、熱酸化膜をド
ライ酸化によって形成する場合に比して酸化膜の形成時
間を短縮でき、インクジェットヘッドの生産効率を高め
ることができる。
方法では、シリコン基板であるノズルプレート2および
キャビティープレート3をインクから保護する等の目的
から製造工程における最終段階で形成される熱酸化膜3
2、37を、良質の熱酸化膜が得られるドライ酸化によ
って形成する。従って、ノズルプレート2およびキャビ
ティープレート3がインクによって腐食および溶解され
るのを熱酸化膜32、37によって確実に防ぐことがで
きるので、インクジェットヘッドの耐久性を向上でき
る。
化膜32、37は、その膜密度が密であるために充分な
絶縁性能を備えているので、振動板5と個別電極17と
の間に発生した静電気の放電によって振動板5等が破壊
される恐れもない。
の膜厚を制御し易いので、振動板5の表面に均一な膜厚
の熱酸化膜を形成することができ、振動板5と個別電極
17との間に均一な静電吸引力を発生させることが可能
となる。
インク液滴を吐出させることができ、印字特性に優れた
インクジェットヘッドを製造できる。また、耐腐食性お
よび絶縁性に優れた薄い熱酸化膜を保護膜として用いる
ことができるので、振動板5と個別電極17との間に充
分な静電気力を発生させることができる。このため、高
電圧の駆動回路を組み込む等のインクジェットヘッドの
設計変更をしなくても良い。また、小型化、省電力化を
図ることができる。
は、インク液滴を基板の上面に設けたインクノズルから
吐出させるフェイスインクジェットタイプであるが、基
板の端部に設けたインクノズルからインク液滴を吐出さ
せるエッジインクジェットタイプであっても良い。ま
た、インクジェットヘッドとしては、静電駆動型のもの
ではなく、その他の駆動方式であっても良い。
ノズルプレート2やキャビティープレート3では、シリ
コン基板に凹部(振動板やインクノズルなど)を設けて
いるが、このような凹部を有するシリコン基板の用途は
広い。
ビティープレート3と同様に、シリコン基板に対して、
ウエット酸化によりマスク用の熱酸化膜を形成し(マス
ク形成工程)、この熱酸化膜をマスクとしてエッチング
を行って凹部を形成し(エッチング工程)、その後にマ
スク用の熱酸化膜を除去し(除去工程)、さらに、ドラ
イ酸化により保護用の熱酸化膜を形成する(保護膜形成
工程)ことにより、凹部を有するシリコン基板を製造す
ることができる。
の長さ(例えば矩形状に形成された凹部の長手方向の長
さ)とコンプライアンスとの比が3.3×10
(−19)m4/N以上であるようなシリコン基板で
は、マスク用酸化膜を十分に除去せずに保護膜形成のた
めの熱酸化を行うと、凹部の形状がたわんでしまう。こ
れは、マスク用酸化膜と、酸化されていないシリコン基
板とでは、熱酸化膜形成時の温度変化による熱応力の残
留によるもので、酸化膜とシリコンのそれぞれの材料の
熱による伸縮の比が異なるからである。
比が0.64×10(−19)m4/N以下となる場合
は、静電吸引力により振動板を吸引する際の力を大きく
する必要があるため、駆動電圧を上げる必要が有る、振
動板と対向電極の距離を短くする必要が有る等の不具合
が生ずる恐れがでてくる。
ライアンスとの比を上述した規格内におさめるために
は、薄板部の厚みや幅を調整すればよい。即ち、薄板部
をより薄くする場合は、幅をより狭く設定する。この場
合には、薄板部となる部分のシリコンにB+を拡散し
て、エッチストップ層を形成する。このようなエッチス
トップ層を形成してエッチングを行うことによりするこ
とにより精度良く薄板部を形成することができる。この
ように薄板部を薄く形成することにより、薄板部の幅を
より狭くすることが可能となる。即ち、密度の高い連続
した凹部を形成することが可能となり、高密度で印刷品
位に優れたインクジェットプリンタ用のインクジェット
ヘッドを実現することが可能となる。実際に、幅108
μm、薄板部の厚み2μmの凹部を形成した後、ドライ
酸化したシリコン基板を解像度360dpiのインクジ
ェットヘッドに適用したところ、吐出特性の優れたイン
クジェットヘッドを得ることができた。
その厚みは比較的厚く形成することができるので、シリ
コンにB+を拡散する等の特別な工程を用いる必要はな
い。この場合、より容易に凹部を形成可能である。実際
に、幅365μm、薄板部の厚み13μmの凹部を形成
した後ドライ酸化したシリコン基板を用いて静電アクチ
ュエータを試作・試験したところ、優れた静電吸引特
性、振動特性が確認された。
述したように、シリコン基板に形成されている熱酸化膜
をフッ酸水溶液によって適当なエッチングレートでエッ
チング除去し、これを完全に剥離する。このようなエッ
チングのための諸条件は、シリコン基板、形成した凹部
の形状、用途などによって異なるが、上記のインクジェ
ットヘッドの振動板を形成する場合の除去のための諸条
件は、以下の通りである。
全面に残留した熱酸化膜を剥離する。純水にてリンス
し、フッ酸を洗浄する。その後、IPA(イソピロピル
アルコール)の蒸気にて残留した純水を完全に乾燥す
る。最後に、熱酸化膜厚みを計測して熱酸化膜が完全に
剥離されていることを確認する。
クノズルを形成する場合の除去のための諸条件は、以下
の通りである。
全面に残留した熱酸化膜を剥離する。純水にてリンス
し、フッ酸を洗浄する。その後、IPA(イソピロピル
アルコール)の蒸気にて残留した純水を完全に乾燥す
る。最後に、熱酸化膜厚みを計測して熱酸化膜が完全に
剥離されていることを確認する。
膜剥離時間である。ノズル形成では、マスクとして使用
している熱酸化膜が厚いため、剥離のための浸漬時間を
振動板形成時よりも長くしている。
00)シリコンウエハにて、振動板側を(110)シリ
コンウエハにて形成しているので、エッチングマスクと
しての最適な熱酸化膜厚みが異なるためである。
(100)シリコンウエハに凹部を形成する場合のほ
か、(110)シリコンウエハに異方性エッチングを行
って(110)面に対して凹部を形成する場合などに
も、凹部のコンプライアンスが上記の値の範囲に入るよ
うなシリコン基板を提供することができる。このため、
単位面積あたりの凹部の数を多くすることができ、加工
の微細化を図ることができる。特に、(110)シリコ
ンウエハを用いた場合には、所望のシリコン基板の小型
化を図ることができる。
利用した静電アクチュエータ、もしくはインクジェット
ヘッドについて述べたが、これに限らず、本発明は、静
電反発力を利用したものにも適用可能である。また、ア
クチュエータに限らず、例えばシリコン基板の薄膜部と
これに対向する電極間の静電容量の変化を検知し、薄膜
部にかかる圧力を検出する圧力センサ等にも適用可能で
ある。
の生産効率および耐久性を向上させることができる。ま
た、静電駆動方式のインクジェットヘッドに対して適用
した場合には、対向部材間に発生した静電気の放電によ
っても対向部材が破壊されにくく、インクノズルから適
切な量のインク液滴を吐出させることができ、印字品質
が良好になり、対向部材間に充分な静電気力を発生させ
ることができ、小型化、省電力化を図ることができる。
で用いられる凹部(振動板)を有するシリコン基板と同
様の凹部を有するシリコン基板の製造方法と当該凹部を
有するシリコン基板とを提供することができる。
ェットヘッドの分解斜視図である。
る。
る。
Claims (6)
- 【請求項1】 シリコン基板に対してウエット酸化を施
して、凹部をエッチング形成するためのマスクとして熱
酸化膜を形成するマスク形成工程と、 前記マスク形成工程により形成された熱酸化膜をマスク
として前記シリコン基板に凹部をエッチング形成するエ
ッチング工程と、 前記エッチング工程後に前記マスク形成工程において形
成された熱酸化膜を前記シリコン基板から除去する除去
工程と、 前記除去工程後に前記シリコン基板に対してドライ酸化
を施して、前記シリコン基板の保護膜を形成する保護膜
形成工程と、を含むことを特徴とする凹部を有するシリ
コン基板の製造方法。 - 【請求項2】 シリコン基板に対してウエット酸化を施
して、インクジェットヘッドのインクと吐出するための
振動板をエッチング形成するためのマスクとして熱酸化
膜を形成するマスク形成工程と、 前記マスク形成工程により形成された熱酸化膜をマスク
として前記シリコン基板に前記振動板をエッチング形成
するエッチング工程と、 前記エッチング工程後に前記マスク形成工程において形
成された熱酸化膜を前記シリコン基板から除去する除去
工程と、 前記除去工程後に前記シリコン基板に対してドライ酸化
を施して、前記シリコン基板の保護膜を形成する保護膜
形成工程と、 前記保護膜形成工程後に前記シリコン基板に第2の基板
を接合して振動板を壁の一部とするインク室を形成する
接合工程と、を含むことを特徴とするインクジェットヘ
ッドの製造方法。 - 【請求項3】 請求項2に記載のインクジェットヘッド
の製造方法において、 前記第2の基板はシリコン基板であり、 前記第2の基板に対してウエット酸化を施して、前記イ
ンク室に連通するインクノズルをエッチング形成するた
めのマスクとして熱酸化膜を形成する第2のマスク形成
工程と、 前記第2のマスク形成工程により形成された熱酸化膜を
マスクとして前記第2の基板に前記インクノズルをエッ
チング形成する第2のエッチング工程と、 前記第2のエッチング工程後に前記第2のマスク形成工
程において形成された熱酸化膜を前記第2の基板から除
去する第2の除去工程と、 前記第2の除去工程後に前記第2の基板に対してドライ
酸化を施して、前記第2の基板の保護膜を形成する第2
の保護膜形成工程と、をさらに含むことを特徴とするイ
ンクジェットヘッドの製造方法。 - 【請求項4】 請求項2に記載のインクジェットヘッド
の製造方法において、 前記シリコン基板に対して、前記振動板に所定の隙間を
もって対峙する電極が形成された第3の基板を、前記第
2の基板とは反対側の面に、接合する第2の接合工程を
さらに含むことを特徴とするインクジェットヘッドの製
造方法。 - 【請求項5】 凹部を有するシリコン基板であって、 前記凹部の長さに対する前記凹部のコンプライアンスの
比が、0.64×10(−19) m4/N以上3.3×
10(−19)m4/N以下であることを特徴とする凹部
を有するシリコン基板。 - 【請求項6】 インクを吐出するための振動板を有する
シリコン基板と、 当該振動板を壁の一部とするインク室と、 インク室に連通するインクノズルと、 前記振動板に所定の間隔をもって対峙し、これを静電気
力により変位させる電極と、を備えるインクジェットヘ
ッドであって、 前記振動板の長さに対する前記振動板のコンプライアン
スの比が0.64×10(−19)m4/N以上3.3
×10(−19)m4/N以下であることを特徴とする
インクジェットヘッド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP916099A JPH11277755A (ja) | 1998-01-28 | 1999-01-18 | 凹部を有するシリコン基板とインクジェットヘッドの製造方法およびそのシリコン基板とインクジェットヘッド |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1532298 | 1998-01-28 | ||
JP10-15322 | 1998-01-28 | ||
JP916099A JPH11277755A (ja) | 1998-01-28 | 1999-01-18 | 凹部を有するシリコン基板とインクジェットヘッドの製造方法およびそのシリコン基板とインクジェットヘッド |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007005499A Division JP4100447B2 (ja) | 1998-01-28 | 2007-01-15 | 凹部を有するシリコン基板およびインクジェットヘッド |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11277755A true JPH11277755A (ja) | 1999-10-12 |
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ID=26343834
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP916099A Pending JPH11277755A (ja) | 1998-01-28 | 1999-01-18 | 凹部を有するシリコン基板とインクジェットヘッドの製造方法およびそのシリコン基板とインクジェットヘッド |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11277755A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1108928C (zh) * | 2000-01-07 | 2003-05-21 | 威硕科技股份有限公司 | 用于列印装置的喷墨头及其制造方法 |
CN1109604C (zh) * | 2000-01-07 | 2003-05-28 | 威硕科技股份有限公司 | 喷墨列印装置的喷墨头的制造方法及其装置 |
GB2410464A (en) * | 2004-01-29 | 2005-08-03 | Hewlett Packard Development Co | A method of making an inkjet printhead |
US20110162709A1 (en) * | 2008-09-15 | 2011-07-07 | Gebr. Schmid Gmbh & Co. | Method for the treatment of substrates, substrate and treatment device for carrying out said method |
-
1999
- 1999-01-18 JP JP916099A patent/JPH11277755A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN1108928C (zh) * | 2000-01-07 | 2003-05-21 | 威硕科技股份有限公司 | 用于列印装置的喷墨头及其制造方法 |
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US7497961B2 (en) | 2004-01-29 | 2009-03-03 | Hewlett-Packard Development Company, L.P. | Method of making an inkjet printhead |
US20110162709A1 (en) * | 2008-09-15 | 2011-07-07 | Gebr. Schmid Gmbh & Co. | Method for the treatment of substrates, substrate and treatment device for carrying out said method |
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