JP2006035962A - 直動装置及びこの直動装置を備えたスライド配索装置 - Google Patents

直動装置及びこの直動装置を備えたスライド配索装置 Download PDF

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Abstract

【課題】レールを収容するケース内に侵入した異物がスライダの移動を妨げることを防止できる直動装置及びこの直動装置を備えたスライド配索装置を提供する。
【解決手段】スライド配索装置1は直動装置14を備えている。直動装置14はケース部5とレール11とプロテクタを備えている。ケース部5はロアケース9とアッパケース10と一対のモール7a,7bを備えている。ロアケース9とアッパケース10とレール11を収容する。一対のモール7a,7b間にスリット25が形成されている。レール11はロアケース9に取り付けられる。プロテクタはレール11の長手方向に沿って移動自在に支持されている。モール7a,7b間の間隔Daよりロアケース9の内縁壁9bとレール11との間隔Dbが大きい。
【選択図】図6

Description

本発明は、例えば、自動車の車体に取り付けられたレールと、この車体に対しスライド自在に設けられたシートなどのスライド体と連動して前記レールに移動自在に設けられたスライダと、を備えた直動装置及びこの直動装置を備えたスライド配索装置に関する。
移動体としての自動車は、例えば、車体としての乗員室などに床に対しスライド移動自在なスライド体としてのシートを備えている。また、シートには、例えば乗員が着座しているか否かを検出する着座センサが取り付けられている。このため、前述したスライド移動自在なシートを備えた自動車は、従来から種々のスライド配索装置(例えば、特許文献1参照)を備えている。
特許文献1に示されたスライド配索装置は、直動装置と、接点などを備えている。直動装置は、レールと、スライダとを備えている。レールは、直線状に延びており、自動車の車体としての乗員室の床に取り付けられている。レールの長手方向は、シートの移動方向と平行である。スライダは、レールの長手方向に沿って移動自在にレールに支持されている。スライダは、前述したシートと連動して移動する。
前述した接点は、スライダとレールとの間に設けられ前述したスライダとレールとを電気的に接続している。
前述したスライド配索装置は、前記接点がスライダとレールとを電気的に接続することで、前述したシートに取り付けられた着座センサと車体に取り付けられたECU(Electronic Control Unit)などとを電気的に接続する。
特開2002−326527号公報
前述した従来のスライド配索装置では、前述したレールを覆うケースを設けることがある。この場合、ケースには、前述したスライダをレール内からシートに向かって突出させるためのスリットが形成される。この場合、前述したスリットを通して、異物がケース内に侵入することが考えられる。ケース内の異物が、スライダなどに当接して、スライダの移動を妨げることが考えられる。
したがって、本発明の目的は、レールを収容するケース内に侵入した異物がスライダの移動を妨げることを防止できる直動装置及びこの直動装置を備えたスライド配索装置を提供することにある。
前記課題を解決し目的を達成するために、請求項1に記載の本発明の直動装置は、レールと、このレールの長手方向に沿って該レールに移動自在に支持されたスライダと、前記レールを収容するケース部と、を備えた直動装置において、前記ケース部には、前記レールに移動自在に設けられたスライダを外部に導くとともに前記レールの長手方向に沿って延在したスリットが設けられており、前記スリットの幅より、互いの間にスリットを位置付ける前記ケース部の内面と前記レールとの間隔が大きいことを特徴としている。
請求項2に記載の本発明の直動装置は、請求項1に記載の直動装置において、前記スリットの幅は、前記スライダと前記ケース部の内面との間隔より狭いことを特徴としている。
請求項3に記載の本発明の直動装置は、請求項1又は請求項2に記載の直動装置において、前記ケース部は、互いに取り付けられて前記レールを収容する複数のケースと、このケースに重ねられた化粧部材と、を備え、前記化粧部材は、前記ケースの縁を覆う縁覆い部を備えたことを特徴としている。
請求項4に記載の本発明の直動装置は、請求項3に記載の直動装置において、前記化粧部材は、前記ケースに重ねられた本体部を備え、前記縁覆い部は、前記本体部から前記ケース部の内側に向かって延在しかつ前記ケースの縁より前記スリットの内側に配されていることを特徴としている。
請求項5に記載の本発明のスライド配索装置は、電線を自動車の車体と前記車体にスライド自在に設けられたスライド体とに亘って配索するスライド配索装置において、請求項1ないし請求項4のうちいずれか一項に記載の直動装置を備え、前記レールは、前記車体に取り付けられ、前記スライダは、前記スライド体と連動して前記レールの長手方向に沿って移動可能に設けられているとともに前記電線が取り付けられていることを特徴としている。
請求項1に記載された本発明の直動装置によれば、スリットの幅より、互いの間にスリットを位置付けるケース部の内面とレールとの間隔が大きいので、スリットを通してケース部内に侵入した異物は、確実にケース部の内面とレールとの間に位置付けられる。
請求項2に記載された本発明の直動装置によれば、スリットの幅がスライダとケース部の内面との間隔より狭いので、スリットを通してケース部内に侵入した異物は、確実にケース部の内面とスライダとの間に位置付けられる。
請求項3に記載された本発明の直動装置によれば、化粧部材の縁覆い部がケースの縁を覆うので、このケースの縁に形成されるバリなどが露出しない。
請求項4に記載された本発明の直動装置によれば、縁覆い部が本体部からケース部の内側に向かって延在し、ケースの縁よりスリットの内側に配されている。このため、縁覆い部は、ケースの縁を確実に覆うことができる。
請求項5に記載された本発明のスライド配索装置によれば、スリットの幅より、互いの間にスリットを位置付けるケース部の内面とレールとの間隔が大きいので、スリットを通してケース部内に侵入した異物は、確実にケース部の内面とレールとの間に位置付けられる。
以上説明したように請求項1に記載の本発明は、スリットを通してケース部内に侵入した異物が、確実にケース部の内面とレールとの間に位置付けられる。このため、ケース部内に侵入した異物が、スライダと当接することを防止でき、スライダの移動を妨げることを確実に防止できる。
請求項2に記載の本発明は、スリットを通してケース部内に侵入した異物が、確実にケース部の内面とスライダとの間に位置付けられる。このため、ケース部内に侵入した異物が、スライダと当接することを防止でき、スライダの移動を妨げることを確実に防止できる。
請求項3に記載の本発明は、ケースの縁に形成されるバリなどが露出しないので、ケースの縁などに異物が引っ掛かるなどして、該異物がスライダの移動を妨げることを防止できる。
請求項4に記載の本発明は、縁覆い部がケースの縁を確実に覆うことができる。このため、ケースの縁に形成されるバリなどが確実に露出しなくなり、ケースの縁などに異物が引っ掛かるなどして、該異物がスライダの移動を妨げることを確実に防止できる。
請求項5に記載の本発明は、スリットを通してケース部内に侵入した異物が、確実にケース部の内面とレールとの間に位置付けられる。このため、ケース部内に侵入した異物が、スライダと当接することを防止でき、スライダの移動を妨げることを確実に防止できる。
本発明の一実施形態にかかるスライド配索装置1及び直動装置14を、図1ないし図6に基づいて説明する。スライド配索装置1(以下、単に配索装置と記す)は、図1に示すように、自動車の車体としての乗員室の床2と、この床2に矢印Kに沿ってスライド自在に設けられたスライド体としてのシート3とに亘って電線13(図4及び図5に示す)を配索する。
電線13は、それぞれ、導電性の芯線と、絶縁性の被覆部とを備えた所謂被覆電線である。電線13は、複数束ねられて、コルゲートチューブ4(図2に示す)内に通されている。コルゲートチューブ4は、合成樹脂としての例えばPP(ポリプロピレン)などからなり筒状に形成されている。また、コルゲートチューブ4は、蛇腹状に形成されている。コルゲートチューブ4は、内側に複数の電線13を通すことで、これらの電線13を保護している。
図示例では、シート3は、図1中の一点鎖線で示す位置と、二点鎖線で示す位置とに亘って、前述した矢印Kに沿ってスライドする。矢印Kは、直線状をなしている。また、シート3には、図示しない着座センサや、シートベルトセンサなどの電子機器が取り付けられている。着座センサは、シート3に乗員が着座しているな否かを検出する。シートベルトセンサは、シート3に着座した乗員がシートベルトをしているか否かを検出する。前述した電線は、前述したセンサが検出した情報を車体などに取り付けられる各種のECU(Electronic Control Unit)に伝送する。
配索装置1は、図1及び図2に示すように、直動装置14を備えている。直動装置14は、図3に示すように、ケース部5と、レール11と、スライダとしてのプロテクタ6とを備えている。ケース部5は、図1ないし図3に示すように、ロアケース9と、アッパケース10と、化粧部材としての一対のモール7と、固定機構8(図3に示す)と、を備えている。
ロアケース9と、アッパケース10は、互いに取り付けられて、レール11を収容する本明細書に記したケースをなしている。ロアケース9は、板金からなり、長手方向が矢印Kと平行な平面形状が矩形状に形成されている。ロアケース9は、平板状の底板部9aと、この底板部9aの縁から立設した内縁壁9bとを備えている。底板部9aは、床2上に重ねられる。内縁壁9bは、底板部9aの乗員室の内側に位置する縁から立設している。また、底板部9aと、内縁壁9bの長手方向は、前述した矢印Kと平行である。
アッパケース10は、厚手の板金からなり、長手方向が矢印Kと平行な平面形状が矩形状に形成されている。アッパケース10は、平板状の天井部10aと、この天井部10aの縁から立設した外縁壁10bとを備えている。天井部10aは、底板部9aと間隔をあけて、該底板部9aと平行に配される。外縁壁10bは、天井部10aの乗員室の外側に位置する縁から立設している。また、天井部10aと、外縁壁10bの長手方向は、前述した矢印Kと平行である。
アッパケース10とロアケース9は、外縁壁10bがロアケース9の底板部9aの乗員室の外側の縁に重なり、天井部10aが底板部9aと間隔をあけた状態で、互いに固定される。そして、アッパケース10とロアケース9は、図2に示すボルト12などにより前述した床2に固定される。こうして、ケース部5は、車体としての床2に取り付けられる。また、アッパケース10とロアケース9とが互いに固定されて床2に取り付けられると、アッパケース10の乗員室の内側に位置する内縁と、ロアケース9の内縁壁9bとが間隔をあける。
前述した構成のロアケース9は、底板部9aに直動装置14の後述するレール11の底板部11aが重ねられて、レール11が取り付けられる。そして、アッパケース10の外縁壁10bがロアケース9の外縁に重ねられ、アッパケース10の天井部10aがロアケース9の底板部9aと間隔をあけて平行に配されて、アッパケース10とロアケース9とが互いに固定されて、床2に取り付けられる。このとき、アッパケース10とロアケース9とレール11の長手方向は、互いに平行であるとともに、前述した矢印Kと平行である。このため、矢印Kは、本明細書に記したレール11の長手方向をなしている。
また、図2に示すように、ロアケース9とアッパケース10との間に前述したコルゲートチューブ4を収容している。ロアケース9は、コルゲートチューブ4の床2寄りの一端部を固定している。
一対のモール7は、それぞれ、合成樹脂からなり板状に形成されている。一対のモール7は、長手方向が前述した矢印Kと平行な格好で、前述したケース部5に重ねられる。一対のモール7は、床2の表面と平行でかつ矢印Kに対し直交する方向に沿って互いに間隔をあけて配され、互いの間に前述したプロテクタ6の後述する鉛直部30b,31bを位置付ける。
また、一対のモール7は、図3などに示すように、前述したケース部5に重ねられる平板状の本体部16と、この本体部16から立設しかつプロテクタ6の鉛直部30b,31bと接触する弾性変形自在な接触片17を一体に備えている。一対のモール7の接触片17は、プロテクタ6の鉛直部30b,31bと接触しない状態では、互いに接触して、アッパケース10の内縁とロアケース9の内縁壁9bとの間を覆って、この間に異物などが侵入することを防止する。
一対のモール7のうち図1ないし図3中左側に位置する一方のモール7(以下符号7aで示す)は、固定機構8によりアッパケース10に取り付けられる。一方のモール7aは、前述した本体部16と、接触片17に加え、縁覆い部24を一体に備えている。縁覆い部24は、本体部16からロアケース9則ちケース部5の内側に向かって延在し、アッパケース10の後述するスリット25側の縁10cより該スリット25の内側に設けられている。また、アッパケース10の縁10cは、スリット25に臨む。縁覆い部24は、モール7a,7b及びケース10,11の長手方向則ち矢印Kに沿って直線状に延びている。縁覆い部24は、アッパケース10の全長にわたって前述した縁10cを覆う。
図1ないし図3中右側に位置する他方のモール7(以下符号7bで示す)は、両面テープ18(図3に示す)などによりロアケース9の内縁壁9bに取り付けられる。このように、モール7a,7bは、本体部16が矢印Jに沿ってケース部5に重ねられて、該ケース部5に取り付けられる。なお、矢印Jは、床2などの表面に対し直交する方向で、図示例では鉛直方向に沿っている。このため、矢印Jは、勿論、矢印Kに対し直交している。
固定機構8は、図2などに示す固定部材19と、一方のモール7aに一体に設けられた固定部20とを備えている。
固定部材19は、図3に示すように、ケース部5のアッパケース10の表面に重ねられて、該アッパケース10に取り付けられる平板状の底板部21と、底板部21から立設した立設部22と、この立設部22の底板部21から離れた側の縁から底板部21則ち固定部材19の外方向に延びた延在部23とを備えている。
底板部21の平面形状は、矩形状に形成されている。底板部21の長手方向は、矢印Kと平行である。立設部22は、底板部21の幅方向(矢印Kに対し直交する方向)の両縁からアッパケース10の上方則ちモール7aに向かって立設している。延在部23は、各々の立設部22の前述した縁からアッパケース10則ちケース部5の表面に沿って、矢印Kに対し直交する方向でかつ固定部材19の外方向に延びている。
前述した構成の固定部材19は、底板部21の長手方向が矢印Kに沿い、かつ矢印Kに沿って互いに間隔をあけてアッパケース10則ちケース部5の表面に取り付けられる。また、固定部材19は、底板部21の長手方向が矢印Kに沿うことで、前述した矢印Jに対し直交する方向に直線状に延びている。
固定部20は、モール7aの本体部16から立設した一対の第2立設部26と、この第2立設部26のモール7aの本体部16から離れた側の縁から互いに近づく方向に延びた第2延在部27とを備えている。
一対の第2立設部26は、固定部材19の底板部21の幅方向(矢印Kに対し直交する方向)に沿って互いに間隔をあけて配されている。一対の第2立設部26は、互いに平行に配されている。一対の第2立設部26は、互いの間に固定部材19を位置付ける。第2立設部26は、モール7aの本体部16からアッパケース10則ちケース部5に向かって立設している。
第2延在部27は、第2立設部26の前述した縁からアッパケース10則ちケース部5の表面に沿って延びている。
前述した構成の固定部20は、前述した第2立設部26と第2延在部27とに亘って、前述した矢印Kに沿って直線状に延びている。則ち、固定部20は、前述した矢印Jに対し直交する方向に直線状に延びている。
前述した構成の固定機構8は、モール7aをアッパケース10則ちケース部5に対し、矢印Jに対し直交する矢印Kに沿ってスライドすることで、アッパケース10の矢印Kの一方の端に位置する固定部材19から他方の端に位置する固定部材19に向かって順に、延在部23とケース部5との間に第2延在部27を位置付け、第2延在部27とモール7aの本体部16との間に延在部23を位置付ける。そして、モール7aをアッパケース10則ちケース部5に固定する。
前述したケース部5は、一方のモール7aと他方のモール7bとの間にケース部5の内外を連通するスリット25を設けている。スリット25は、モール7a,7b、ケース10,11及びレール11の長手方向則ち矢印Kに沿って直線状に延びている。スリット25は、プロテクタ6をケース部5内からケース部5の外部則ちシート3に向かって導く。
レール11は、板金からなり、平面形状が長手方向が矢印Kと平行な矩形状に形成されている。レール11は、平板状の底板部11aと、この底板部11aの幅方向(矢印Kに直交する方向)の両縁から立設した一対の鉤壁11bとを備えている。底板部11aは、ロアケース9の底板部9a上に重ねられ、このロアケース9の底板部9aに固定される。このため、レール11は、ロアケース9を介して床2に取り付けられる。一対の鉤壁11bは、底板部11aの幅方向の両縁から互いに平行に直線状に立設した後、互いに近づく方向に底板部11aと平行に延びて、断面形状が鉤状に形成されている。レール11の長手方向としての矢印Kは、前述したアッパケース10とロアケース9との双方の長手方向と平行である。矢印Kは、シート3のスライド方向と平行である。
プロテクタ6は、図4及び図5に示すように、本体部32と、摺動部33と、連結部34と、離間阻止部35と、固定部36と、二組の一対の凸部15a,15bを備えている。本体部32は、摺動部33がレール11内に侵入すると、このレール11上に配される。本体部32は、プロテクタ本体30と、このプロテクタ本体30と取り付けられる蓋体31とを備えている。プロテクタ本体30と蓋体31との双方則ちプロテクタ6は、図3に示すように、正面からみてL字状に形成されている。
プロテクタ本体30は、絶縁性の合成樹脂からなり、図4及び図5に示すように、平行部30aと、平行部30aから折り曲がった鉛直部30bと、を一体に備えている。平行部30aは、ロアケース9とアッパケース10との双方と平行に配される平板状に形成されている。鉛直部30bは、平行部30aの端に連なっているとともに、平行部30aから一対のモール7a,7b間を通ってシート3に向かって延びて、レール部5よりシート3側に突出する。
プロテクタ本体30は、平行部30aと鉛直部30bとに亘って則ちその全長に亘って、略樋状に形成されている。
蓋体31は、絶縁性の合成樹脂からなり、図4及び図5に示すように、平行部31aと、平行部31aから折り曲がった鉛直部31bと、を一体に備えている。平行部31aは、ロアケース9とアッパケース10との双方と平行に配される平板状に形成されている。鉛直部31bは、平行部31aの端に連なっているとともに、平行部31aから一対のモール7a,7b間を通ってシート3に向かって延びて、レール部5よりシート3側に突出する。
蓋体31は、平行部31aと鉛直部31bとに亘って則ちその全長に亘って、略平板状に形成されている。
また、プロテクタ本体30と蓋体31とは、平行部30a,31a同士が互いに重なり、鉛直部30b,31b同士が互いに重なった状態で、互いに取り付けられる。このとき、蓋体31の平行部31aが、プロテクタ本体30の平行部30aより床2寄りに位置し、蓋体31の鉛直部31bが、プロテクタ本体30の鉛直部30bよりモール7b寄りに位置している。
また、蓋体31は、一対の側板33間を閉塞する状態で、プロテクタ本体30に取り付けられる。さらに、プロテクタ本体30と蓋体31とは、平行部30a,31aの鉛直部30b,31bから離れた側の端部間にコルゲートチューブ4のシート3寄りの他端部を挟んで、このコルゲートチューブ4のシート3寄りの他端部を固定している。
また、前述した平行部30a,31aは、プロテクタ本体30と蓋体31の一端部をなしている。鉛直部30b,31bは、プロテクタ本体30と蓋体31の他端部をなしている。
摺動部33は、図3ないし図6に示すように、厚手の平板状に形成されている。摺動部33は、その両表面が底板部11aの表面と平行な状態で、レール11内に侵入する。摺動部33は、レール11内に侵入すると、該レール11の長手方向に沿って移動自在にレール11に支持されている。摺動部33則ちプロテクタ6は、レール11の長手方向則ち矢印Kに沿って移動自在に設けられている。
連結部34は、一端が蓋体31の平行部31aに連なり、他端が摺動部33に連なって平板状に形成されている。連結部34の両表面は、前述した矢印Jと平行である。
離間阻止部35は、プロテクタ本体30の鉛直部30bの平行部30aから離れた側の端部に設けられている。離間阻止部35は、図5などに示すように、一対の延在壁37を備えている。一対の延在壁37は、プロテクタ本体30の鉛直部30bの両縁に連なっているとともに、プロテクタ本体30の鉛直部30bの両縁から互いに近づく方向に延びている。離間阻止部35は、一対の延在壁37で蓋体31を押さえて、この蓋体31が底板32則ちプロテクタ本体30から離れることを防止する。
固定部36は、図5に示すように、プロテクタ本体30の平行部30aに設けられた係止爪38と、蓋体31の平行部31aに設けられた係止受け孔39と、を備えている。このため、固定部36は、プロテクタ本体30と蓋体31の平行部30a,31aに設けられている。
係止爪38は、プロテクタ本体30の平行部30aから蓋体31の平行部31aに向かって延在している。係止受け孔39は、蓋体31の平行部31aを貫通しており、係止爪38が係止する。固定部36は、係止爪38が係止受け孔39内に侵入して、該係止受け孔39に係止することで、プロテクタ本体30の平行部31aと蓋体31の平行部31aとを互いに固定する。
一対の凸部15a,15b同士は、図6に示すように、互いの間に摺動部33の連結部34を位置付けている。一対の凸部15a,15bのうち一方の凸部15aは、蓋体31の平行部31a則ちプロテクタ6からレール11の鉤壁11bの底板11aと平行な部分に向かって凸に形成されている(突出している)。凸部15aは、図4及び図5に示すように、矢印K則ちレール11の長手方向に沿って直線状に延びている。また、凸部15aの表面の矢印Kに直交(交差)する断面形状は、蓋体31の平行部31a則ちプロテクタ6からレール11の鉤壁11bの底板11aと平行な部分に向かって凸の曲面に形成されている。図示例では、凸部15aの表面の矢印Kに直交(交差)する断面形状は、円弧状に形成されている。
一対の凸部15a,15bのうち他方の凸部15bは、摺動部33の平板部33則ちプロテクタ6からレール11の鉤壁11bの底板11aと平行な部分に向かって凸に形成されている(突出している)。凸部15bは、図4及び図5に示すように、矢印K則ちレール11の長手方向に沿って直線状に延びている。また、凸部15bの表面の矢印Kに直交(交差)する断面形状は、蓋体31の平行部31a則ちプロテクタ6からレール11の鉤壁11bの底板11aと平行な部分に向かって凸の曲面に形成されている。図示例では、凸部15bの表面の矢印Kに直交(交差)する断面形状は、円弧状に形成されている。
一対の凸部15a,15bは、矢印Jに沿って、互いの間にレール11の鉤壁11bの底板11aと平行な部分を位置付けている(挟んでいる)。一対の凸部15a,15bは、レール11の鉤壁11bの底板11aと平行な部分と接触している。なお、矢印Jは、凸部15a,15bが突出する方向をなしている。
このように、一対の凸部15a,15bは、互いに間隔をあけて配されている。一対の凸部15a,15b間に、レール11を位置付けている。一対の凸部15a,15bは、それぞれ、プロテクタ6からレール11に向かって凸でかつレール11に接触するとともに、矢印Kに沿って直線状に延びている。
前述したように、凸部15a,15bがレール11に接触することで、レール11とプロテクタ6とが互いに接触している。
前述した構成のプロテクタ6は、プロテクタ本体30の平行部30aと蓋体31の平行部31aとの間に挟んだコルゲートチューブ4内の電線13を、プロテクタ本体30と蓋体31との間を通して、レール部5からシート3に導く。
前述した構成のプロテクタ6は、以下に示すように、組み立てられる。ます、平行部30a,31a同士を平行な状態とし、かつ鉛直部30b,31b同士を平行な状態として、蓋体31とプロテクタ本体30とを間隔をあけて位置付ける。そして、図5に示すように、平行部30a,31a間にコルゲートチューブ4の他端部を位置付けて、電線13をプロテクタ本体30内を通して、シート3側に導いておく。
その後、蓋体31の鉛直部31bを一対の延在壁37よりプロテクタ本体30の鉛直部30b側に位置付けて、蓋体31とプロテクタ本体30の鉛直部30bと一対の延在壁37の表面に沿って、平行部30a,31a同士が近づく方向に、蓋体31をプロテクタ本体30に近づく方向にスライドする。そして、蓋体31の鉛直部31bを一対の延在壁37よりプロテクタ本体30の鉛直部30b側に位置付けて、係止爪38を係止受け孔39に係止して、図4に示すように、プロテクタ6を組み立てる。
また、前述した構成のプロテクタ6とシート3には、図示しないひもなどが掛け渡されている。このため、プロテクタ6は、ケース部5の長手方向則ち矢印Kに沿って移動自在に設けられ、かつ前述したひもなどによりシート3から引っ張られることで、シート3と連動して、前述した矢印Kに沿って移動可能に設けられている。また、プロテクタ6は、チューブ固定部14にコルゲートチューブ4の他端部を固定し、かつプロテクタ本体30と蓋体31との間に電線13を収容することで、該電線13が取り付けられている。
また、前述した配索装置1のモール7aとアッパケース10則ちケース部5との間には、床2上に敷かれるマット28の端部が圧入される。そして、マット28の端部は、モール7aとアッパケース10とのうち少なくとも一方に固定される。
また、前述した配索装置1及び直動装置14では、図6に示すように、一対のモール7a,7bの本体部16間の間隔Daは、ロアケース9の内縁壁9bとレール11との間隔Dbより小さい。また、図3に示すように、一対のモール7a,7bの本体部16間の間隔Daは、プロテクタ6と、ロアケース9の内壁面9bと底板部9aとの交差部との間隔Dcより狭い。一対のモール7a,7bの本体部16間の間隔Daは、本明細書に記したスリット25の幅をなしている。ロアケース9の内縁壁9bとレール11との間隔Dbは、本明細書に記した互いの間にスリット25を位置付けるケース部5の内面とレール11との間隔をなしている。プロテクタ6と、ロアケース9の内壁面9bと底板部9aとの交差部との間隔Dcは、本明細書に記したプロテクタ6とケース部5の内面との間隔をなしている。則ち、本発明では、スリット25は、ロアケース9の底板部9a則ち床2及びレール11から離れるのにしたがって、幅が段階的又は徐々に狭くなっている。
本実施形態によれば、スリット25の幅としての一対のモール7a,7bの本体部16間の間隔Daより、互いの間にスリット25を位置付けるケース部5の内面とレール11との間隔としてのロアケース9の内縁壁9bとレール11との間隔Dbが大きいので、スリット25を通してケース部5内に侵入した異物は、確実にケース部5の内縁壁9bの内面とレール11との間に位置付けられる。このため、ケース部5内に侵入した異物が、スライダとしてのプロテクタ6と当接することを防止でき、プロテクタ6の移動を妨げることを確実に防止できる。
また、スリット25の幅としての一対のモール7a,7bの本体部16間の間隔Daが、プロテクタ6と、ロアケース9の内壁面9bと底板部9aとの交差部との間隔Dcより狭い。このため、スリット25を通してケース部5内に侵入した異物は、確実にケース部5の内縁壁9bとプロテクタ6との間に位置付けられる。このため、ケース部5内に侵入した異物が、スライダとしてのプロテクタ6と当接することを防止でき、プロテクタ6の移動を妨げることを確実に防止できる。
また、モール7aの縁覆い部24がアッパケース10の縁10cを覆うので、このアッパケース10の縁10cに形成されるバリなどが露出しない。このため、アッパケース10の縁10cなどに異物が引っ掛かるなどして、該異物がプロテクタ6の移動を妨げることを防止できる。
縁覆い部24が本体部16からケース部5の内側に向かって延在し、アッパケース10の縁10cよりスリット25の内側に配されている。このため、縁覆い部24は、アッパケース10の縁10cを確実に覆うことができる。このため、アッパケース10の縁10cに形成されるバリなどが確実に露出しなくなり、アッパケース10の縁10cなどに異物が引っ掛かるなどして、該異物がプロテクタ6の移動を妨げることを確実に防止できる。
前述した図示例では、電線13を取り付けるプロテクタ6を備えた直動装置14を示している。しかしながら、本発明では、プロテクタ6以外のレール11の長手方向に沿って移動自在なスライダを備えた直動装置14に適用しても良い。
また、前述した実施形態では、モール7aにアッパケース10の縁10cを覆う縁覆い部24を設けている。しかしながら、本発明では、一対則ち複数のモール7a,7bのうち少なくとも一つが、ケース10,11の縁10cを覆う縁覆い部24を備えていれば良い。
前述した実施形態では、前述した矢印Jに対し直交する矢印Kに沿って、ケース部5に対しモール7aをスライドすることで、モール7aをケース部5に固定している。しかしながら、本発明では、前述した矢印Jに対し直交しかつ矢印Kに対し交差する方向に沿って、ケース部5に対しモール7aをスライドすることで、モール7aをケース部5に固定するようにしても良い。
また、前述した実施形態では、一方のモール7aを固定機構8でケース部5に固定している。しかしながら、本発明では、他方のモール7bを固定機構8でケース部5に固定しても良い。要するに、本発明では、複数のモール7a,7bのうち少なくとも一つを前述した固定機構8でケース部5に固定すれば良い。
さらに、前述した実施形態では、車体としての床2と床2に対してスライド自在なスライド体としてのシート3とに亘って電線13を配索している。しかしながら、本発明では、車体としてのボディパネルとこのボディパネルに対してスライド自在なドアとに亘って電線13を配索しても良く、車体としてのルーフパネルとこのルーフパネルに対してスライド自在なサンルーフとに亘って電線13を配索しても良い。要するに、本発明では、車体と車体に対してスライド自在なスライド体とに亘って電線13を配索すれば良い。
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
本発明の一実施形態にかかるスライド配索装置の構成を示す斜視図である。 図1に示されたスライド配索装置の一部を分解して示す斜視図である。 図1中のIII−III線に沿う断面図である。 図1に示されたスライド配索装置の直動装置のプロテクタの斜視図である。 図4に示されたプロテクタの分解斜視図である。 図1中のVI−VI線に沿う断面図である。
符号の説明
1 スライド配索装置
2 床(車体)
3 シート(スライド体)
5 ケース部
6 プロテクタ(スライダ)
7,7a,7b モール(化粧部材)
9 ロアケース(ケース)
10 アッパケース(ケース)
11 レール
13 電線
14 直動装置
16 本体部
24 縁覆い部
25 スリット
Da 間隔(スリットの幅)
Db 間隔(ケース部の内面とレールとの間隔)
Dc 間隔(スライダとケース部の内面との間隔)
K レールの長手方向

Claims (5)

  1. レールと、このレールの長手方向に沿って該レールに移動自在に支持されたスライダと、前記レールを収容するケース部と、を備えた直動装置において、
    前記ケース部には、前記レールに移動自在に設けられたスライダを外部に導くとともに前記レールの長手方向に沿って延在したスリットが設けられており、
    前記スリットの幅より、互いの間にスリットを位置付ける前記ケース部の内面と前記レールとの間隔が大きいことを特徴とする直動装置。
  2. 前記スリットの幅は、前記スライダと前記ケース部の内面との間隔より狭いことを特徴とする請求項1記載の直動装置。
  3. 前記ケース部は、互いに取り付けられて前記レールを収容する複数のケースと、このケースに重ねられた化粧部材と、を備え、
    前記化粧部材は、前記ケースの縁を覆う縁覆い部を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の直動装置。
  4. 前記化粧部材は、前記ケースに重ねられた本体部を備え、
    前記縁覆い部は、前記本体部から前記ケース部の内側に向かって延在しかつ前記ケースの縁より前記スリットの内側に配されていることを特徴とする請求項3記載の直動装置。
  5. 電線を自動車の車体と前記車体にスライド自在に設けられたスライド体とに亘って配索するスライド配索装置において、
    請求項1ないし請求項4のうちいずれか一項に記載の直動装置を備え、
    前記レールは、前記車体に取り付けられ、
    前記スライダは、前記スライド体と連動して前記レールの長手方向に沿って移動可能に設けられているとともに前記電線が取り付けられていることを特徴とするスライド配索装置。
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