JP5134429B2 - 電線配索装置 - Google Patents

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本発明は、例えば、自動車の床などの車体と、この車体に対しスライド自在に設けられたシートなどのスライド体とに亘って電線を配索する電線配索装置に関するものである。
自動車には、車体としての乗員室の床などに対してスライド自在なスライド体としてのシートが設けられていることがある。また、前記シートには、例えば乗員が着座しているか否かを検出する着座センサ等の電子機器が取り付けられている。このため、前述したスライド自在なシートを有した自動車には、前記シートに取り付けられた電子機器と前記床側に固定された電子機器とを接続するために、前記床と前記シートとに亘って電線を配索する種々の電線配索装置が用いられてきた(例えば特許文献1を参照。)。
図6は従来の電線配索装置を示す斜視図である。図7は図6に示された従来の電線配索装置の分解図である。図8は図6中のE−E線に沿った断面図である。図9は図6中のG−G線に沿った断面図である。
図6ないし図9に示す従来の電線配索装置201は、自動車の車体としての乗員室の床202と、この床202に矢印K2に沿ってスライド自在に設けられたスライド体としてのシート203とに亘って電線250を配索する装置である。
この電線配索装置201は、床202側に取り付けられた電子機器とシート203に取り付けられた電子機器とを接続した前記電線250と、電線250の中間部を収容したケース205と、このケース205内に設けられたレール211上をシート203に連動して移動するスライダとしての第1プロテクタ206と、第2プロテクタ230と、を有している。
上記ケース205は、図6及び図7に示すように、厚手の板金で構成されたロアケース209及びアッパケース210が互いに重ねられて筒状に設けられている。このケース205は、図8に示すように、底壁209aが床202に当接した状態でボルト212等により床202に取り付けられているとともに、マット228の下に配置されている。また、ケース205には、第1プロテクタ206及び第2プロテクタ206に保持された電線250をケース205内からケース205の外部に導くための、矢印K2に沿って延びたスリット225が設けられている。このスリット225には、異物の侵入を防止するためのモール207が取り付けられている。また、図7中の符号208は、前記モール207をケース205に取り付けるためのモールブラケットである。また、アッパケース210の天井壁210aには、ケース205の剛性向上のために、凹部243と凸部242とが矢印K2に沿って連続した凹凸形状が設けられている。また、前記第2プロテクタ230は、シート203に取り付けられ、かつ、前述した第1プロテクタ206と紐により連結されている。
上記電線250は、図7に示すように、ケース205内に配置されたコルゲートチューブ204内に収容されて保護されている。このコルゲートチューブ204は、U字状に配置され、一端が図7中のケース205の奥側の端部に位置する開口部近傍に固定され、他端が第1プロテクタ206に固定されている。また、コルゲートチューブ204の前記一端から導出された電線250の一端側は、前記開口部を通されてケース205の外部に引き出されている。また、コルゲートチューブ204の前記他端から導出された電線250の他端側は、筒状に形成された第1プロテクタ206の内部を通され、スリット225を通されてシート203側に配索されている。
上記レール211は、ロアケース9の底壁209aに取り付けられている。このレール211は、図8及び図9に示すように、ケース205内の空間を、該レール211よりスリット225側に位置しかつ電線250がシート203と連動して移動する電線移動空間240と、レール211よりスリット225から離れた側に位置しかつ電線250即ちコルゲートチューブ204を収容する電線収容空間241と、に仕切っている。
特開2006−35961号公報
前述した電線配索装置201は、図9に示すように、ケース205の底壁209aからレール211の上面までの距離L1が、電線即ちコルゲートチューブ204の外径R2よりも小さく形成されていたので、このコルゲートチューブ204がレール211上に乗り上げてレール211とアッパケース210の間に挟まってしまったり、コルゲートチューブ204がレール211を乗り越えて電線移動空間240側に飛び出してしまう恐れがあるという問題があった。このようにコルゲートチューブ204がレール211上に乗り上げたりレール211を乗り越えたりすると、第1プロテクタ206の円滑な移動を妨げてしまうという問題があった。
さらに、電線配索装置201は、電線収容空間241を構成する天井壁210aが、レール211の上面よりも底壁9aから離れた位置に配置されていたので、コルゲートチューブ204が底壁9aから図9中の一点鎖線で示す位置まで浮き上がってしまうことがあり、前述した問題を生じさせ易かった。また、図9中の符号L2は、天井壁210aの内表面からレール211の上面までの間隔を示している。
したがって、本発明は、電線がレール上に乗り上げることを確実に防止できる電線配索装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明は、自動車の車体と前記車体にスライド自在に設けられたスライド体とに亘って電線を配索する電線配索装置において、前記車体に取り付けられた電子機器と前記スライド体に取り付けられた電子機器とを接続した前記電線と、前記電線を収容しかつ前記車体に取り付けられたケースと、前記ケース内に収容されかつ該ケースの底壁に取り付けられたレールと、前記レールの長手方向に沿って該レールに移動自在に支持され、かつ前記電線を保持した状態で前記スライド体に連動して移動するスライダと、を有し、前記ケースには、前記レールの長手方向に沿って延在し、前記スライダ及び前記スライダに保持された前記電線を前記ケースの外部に導くスリットが設けられており、前記ケース内の空間は、前記レールによって、該レールより前記スリット側に位置しかつ前記電線が前記スライド体と連動して移動する電線移動空間と、前記レールより前記スリットから離れた側に位置しかつ前記電線を収容する電線収容空間と、に仕切られており、前記ケースの底壁から前記レールの上面までの距離が、前記電線の外径よりも大きいことを特徴とする電線配索装置である。
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、前記ケースが、前記電線収容空間を構成しかつ前記底壁と相対する天井壁を有し、該天井壁が、前記レールの上面よりも前記底壁側に配置されていることを特徴とするものである。
請求項3に記載された発明は、請求項1または請求項2に記載された発明において、前記レールが前記ケースと別体で形成されており、そして、前記底壁の前記レールが取り付けられる箇所が、他の個所より前記スライド体に向かって突出していることを特徴とするものである。
請求項1に記載された発明によれば、ケースの底壁からレールの上面までの距離が、電線の外径よりも大きいので、この電線がレール上に乗り上げるために必要な底壁からの浮き上がり量が大きくなり、そのために、電線がレール上に乗り上げることを確実に防止できる電線配索装置を提供することができる。
請求項2に記載された発明によれば、前記ケースが、電線収容空間を構成しかつ前記底壁と相対する天井壁を有し、該天井壁が、前記レールの上面よりも前記底壁側に配置されているので、この電線がレールの上面よりも底壁から離れた位置に浮き上がることがなく、そのために、電線がレール上に乗り上げることを確実に防止できる電線配索装置を提供することができる。
請求項3に記載された発明によれば、前記レールが前記ケースと別体で形成されており、そして、前記底壁の前記レールが取り付けられる箇所が、他の個所より前記スライド体に向かって突出しているので、レールの寸法精度を高精度に保つことができるとともに、必要最小限の大きさのレールを用いることで、電線配索装置の重量増加を抑えることができる。
以下、本発明の一実施形態に係る電線配索装置を図1ないし図5を用いて説明する。図1は本発明の一実施形態に係る電線配索装置を示す斜視図である。図2は図1に示された電線配索装置の分解図である。図3は図1に示された電線配索装置のアッパケースを外した状態を示す平面図である。図4は図1中のA−A線に沿った断面図である。図5は図1中のB−B線に沿った断面図である。
電線配索装置1は、自動車の車体としての乗員室の床2と、この床2に矢印Kに沿ってスライド自在に設けられたシート3とに亘って電線50を配索する装置である。また、矢印Kは、前記車体の前後方向に沿った直線状をなしている。
上記シート3には、シート3に乗員が着座しているか否かを検出する着座センサや、シート3に着座した乗員がシートベルトをしているか否かを検出するシートベルトセンサなどの電子機器が取り付けられている。これらシート3と前記電子機器とは、特許請求の範囲に記載したスライド体を構成している。
上記電線配索装置1は、図1ないし図4に示すように、複数の電線50と、複数の電線50の中間部を収容したケース5と、ケース5内に設けられた電線規制部材90と、ケース5の長手方向の両端部5a,5bにそれぞれ取り付けられた一対のキャップ60,70と、ケース5の長手方向の両端部5a,5bにそれぞれ取り付けられ、該ケース5を床2に取り付ける一対のブラケット65,75と、ケース5内に設けられたレール11と、ケース5に取り付けられた複数のモールブラケット8と、ケース5に取り付けられた一対のモール7a,7bと、レール11上をシート3に連動して移動するスライダとしての第1プロテクタ6と、第2プロテクタ30と、を有している。
上記複数の電線50は、それぞれ、導電性の芯線と、絶縁性の被覆部とを有した所謂被覆電線である。これら複数の電線50は、シート3に取り付けられた前記電子機器と、床2側即ち前記車体に取り付けられたECU(Electronic Control Unit)などの電子機器とを接続している。また、これら複数の電線50は、互いに束ねられてコルゲートチューブ4(図3を参照。)内に通されている。コルゲートチューブ4は、ポリプロピレンなどの合成樹脂で蛇腹状の筒状に設けられており、内側に複数の電線50を通すことで、これら電線50を保護している。
上記ケース5は、ロアケース9と、このロアケース9に重ねられた状態でボルト12等によりロアケース9と固定されるアッパケース10と、を有している。
上記ロアケース9は、板金で構成され、長手方向が矢印Kと平行な平面形状が矩形状に設けられている。即ち、ロアケース9の幅方向は、前記車体の幅方向と平行である。このロアケース9は、図4に示すように、床2と隙間をあけてこの床2上に配置される平板状の底壁9aと、この底壁9aの乗員室の内側(図4における右側に相当する。)に位置する縁から立設し、レール11及びアッパケース10の後述の内縁10fとの間にスリット25を構成する内縁壁9bと、底壁9aの乗員室の外側(図4における左側に相当する。)に位置する縁から立設した第2外縁壁9eと、この第2外縁壁9eの底壁9aから離れた上端に連なり、乗員室の外側に向かって平板状に延びた外縁9cと、底壁9aの乗員室の内側寄りの部分に設けられ、後述するレール11の底板部11aが重ねられて該レール11が取り付けられるレール取付部9dと、を有している。前記底壁9aは、特許請求の範囲に記載した「ケースの底壁」をなしている。また、底壁9aと、内縁壁9bと、第2外縁壁9eと、外縁9cと、レール取付部9dの長手方向は、前述した矢印Kと平行である。
上記スリット25は、ケース5の内外を連通した隙間であり、ケース5及びレール11の長手方向則ち矢印Kに沿って直線状に延びている。スリット25は、第1プロテクタ6の後述の電線収容部15をケース5内からケース5の外部則ちシート3に向かって導くための隙間である。
上記第2外縁壁9eは、底壁9aから離れるにしたがって徐々にシート3に近付く方向に曲げられた曲面状に設けられている。上記外縁9cは、その面方向が底壁9aの面方向と平行に設けられており、後述するアッパケースの外縁10cと重ねられる。上記レール取付部9dは、底壁9aの他の箇所よりシート3に向かって突出しており、レール11及びロアケース9の長手方向に沿って直線状に延びている。また、レール取付部9dの表面は、平坦に設けられている。
さらに、上記底壁9aには、図2及び図4に示すように、当該底壁9aを貫通した平面形状が円形の貫通穴9fが、底壁9aの長手方向に沿って互いに間隔をあけて複数設けられている。これら複数の貫通穴9fには、後述する電線規制部材90の各円柱部92が通される。
上記アッパケース10は、板金で構成され、長手方向が矢印Kと平行な平面形状が矩形状に設けられている。即ち、アッパケース10の幅方向は、前記車体の幅方向と平行である。このアッパケース10は、上記底壁9aと間隔をあけて該底壁9aと平行に配置される、即ち底壁9aと相対する、平板状の天井壁10aと、この天井壁10aの乗員室側に位置する縁から立設した立設壁10eと、この立設壁10eの天井壁10aから離れた上端に連なり、乗員室の内側に向かって平板状に延びた上壁10bと、天井壁10aの乗員室の外側に位置し、上記外縁9cと重なる外縁10cと、上壁10bに設けられ、後述するモールブラケット8が重ねられて該モールブラケット8が取り付けられるモール取付部10dと、を有している。また、天井壁10aと、立設壁10eと、上壁10bと、外縁10cと、モール取付部10dの長手方向は、前述した矢印Kと平行である。
上記天井壁10aは、ロアケースの底壁9aのうち貫通穴9fが設けられた部分と相対する位置に配置されている。この天井壁10aは、特許請求の範囲に記載した「ケースの天井壁」をなしている。上記立設壁10eは、ケース5の幅方向の略中央部に配置されている。また、立設壁10eの前記上端は、ロアケース9の内縁壁9bの上端と高さが等しい。また、前記「高さ」とは、床2からシート3に向かう方向に沿った位置を意味する。また、上記上壁10bの乗員室の内側の内縁10fは、ロアケース9の内縁壁9bと間隔をあける。上記外縁10cは、平板状に設けられ、その面方向が天井壁10aの面方向と平行に設けられている。上記モール取付部10dは、上壁10bの他の箇所よりシート3に向かって突出しており、アッパケース10の長手方向に沿って直線状に延びている。また、モール取付部10dの表面は、平坦に設けられている。
前述したアッパケース10とロアケース9とは、互いに重ねられた外縁9cと外縁10cとがボルト12等によって固定されることにより互いに組み付けられて、筒状のケース5を構成する。また、このケース5は、図1に示すように、長手方向の両端部5a,5bにそれぞれ取り付けられた一対のブラケット65,75が、ボルト12等により床2に固定されることで、底壁9aが床2と隙間をあけた状態でこの床2に取り付けられる。また、ロアケース9とアッパケース10とが組み付けられた状態において、ロアケース9とアッパケース10とレール11の長手方向は、互いに平行であるとともに、前述した矢印Kと平行である。
さらに、前述したアッパケース10とロアケース9とは、それぞれ、周知のロール成形や押出成形などによって、シート3のスライド方向、即ち第1プロテクタ6のスライド方向、に沿って断面形状が一定の長尺構造物が設けられ、この長尺構造物が所定の長さに切断され、かつ、ボルト12を通すための穴等が打ち抜かれるなどして設けられている。また、前記ロール成形とは、帯板状の板金が、連続的に配列された複数対の成形ロール間を順次通過されることで該成形ロールの表面形状に沿って変形されて、円筒状や角筒状などの様々な形状に加工される加工方法を言う。
また、本明細書においては、ケース5の内側の空間のうちレール取付部9dよりスリット25側を電線移動空間40と呼び、レール取付部9dよりスリット25から離れた側を電線収容空間41と呼ぶ。前述したケース5は、電線移動空間40内で電線50が第1プロテクタ6と一体に、シート3と連動して移動することを許容し、電線収容空間41内にコルゲートチューブ4で覆われた電線50を収容する。
上記電線規制部材90は、図2中のケース5の奥側の端部5aから該ケース5の長手方向の中央に亘って設けられている。電線規制部材90は、合成樹脂等で構成され、長手方向が矢印Kと平行な四角柱状の角柱部91と、この角柱部91の底面91aから円柱状に突出した複数の円柱部92と、角柱部91の側面91bに設けられ、コルゲートチューブ4の外周に巻き付いて該コルゲートチューブ4を固定する複数の電線固定部93と、を有している。前記角柱部91の高さ方向の寸法は、ケース5の底壁9aから上壁10bまでの距離と等しい。また、前記「高さ方向の寸法」とは、角柱部91を構成する面のうち、円柱部92が突出した底面91aからこの底面91aに相対する上面91cまでの寸法を意味する。前記複数の円柱部92は、角柱部91の長手方向に沿って互いに間隔をあけて設けられている。これら円柱部92の直径は、貫通穴9fの直径よりもわずかに小さい。
前述した電線規制部材90は、図2及び図4に示すように、角柱部91の底面91aがロアケース9の底壁9aに当接し、各円柱部92が各貫通穴9fからケース5外に突出した状態でボルト12等によりロアケース9に固定され、このロアケース9の底壁9aとアッパケース10の天井壁10aとの間に配置される。このように電線規制部材90がケース5に組み付けられ、さらにケース5が床に取り付けられた状態において、角柱部91の上面91cが天井壁10aに当接し、角柱部91の底面91aが底壁9aに当接し、円柱部92が貫通穴9fからケース5外に突出して該円柱部92の下面92aが床2に当接する。
さらに、前述した電線規制部材90により、電線収容空間41は、電線移動空間40寄りの第1空間46と、電線移動空間40から離れた第2空間47とに区画されている。これら第1空間46と第2空間47とは、ケース5の図2中手前側の端部5bで互いに連なっている。前記第2空間47には、コルゲートチューブ4及び電線50の床2寄りの部分が収容される。また、前記第1空間46には、前記第2空間47からケース5の図2中手前側の端部5b内を通されたコルゲートチューブ4及び電線50のシート3寄りの部分が収容される。即ち、電線規制部材90は、電線50のケース5内における配索形体を規制するとともに、ケース5の剛性を補強する。
上記一対のキャップ60,70は、合成樹脂で構成され、ケース5の両端部5a,5bの開口部をそれぞれ塞ぐ格好で該ケース5に取り付けられる。これら一対のキャップ60,70は、ケース5内に収容された電線50がケース5外に飛び出すことを防止する。また、図2中奥側の端部5aに取り付けられるキャップ60には、ケース5内に収容された電線50、即ちコルゲートチューブ4、をケース5外に引き出すための引き出し口である溝が設けられている。この溝は、キャップ60のアッパケース10に当接する外表面から凹に設けられており、アッパケース10との間に電線50の外径、即ちコルゲートチューブ4の外径、よりも大きい穴を構成する。このような溝から引き出された電線50は、前述した車体に取り付けられたECUなどの電子機器に接続されている。また、一対のキャップ60,70は、ケース5が床2に固定された状態でその底面が床2に当接する。
上記一対のブラケット65,75は、板金にプレス加工が施されて得られるものであり、ボルト12等により床2に固定されることで、ケース5を床2に取り付ける。
上記レール11は、板金で構成され、ロアケース9と別体で設けられている。このレール11は、図4に示すように、平面形状が長手方向が矢印Kと平行な矩形状に形成されている。また、レール11は、平板状の底板部11aと、この底板部11aの幅方向(矢印Kに直交する方向)の両縁から立設した一対の鉤壁11bとを有している。前記底板部11aは、レール取付部9dの平坦な表面上に重ねられ、溶接などによりこのレール取付部9dに固定されている。前記一対の鉤壁11bは、底板部11aの幅方向の両縁から互いに平行に直線状に立設した後、互いに近付く方向に底板部11aと平行に延びて、断面形状が鉤状に形成されている。
前述したレール11は、図4に示すように、前記スリット25と、レール11の幅方向に沿って位置ずれした位置に配されている。また、レール11及びレール取付部9dは、ケース5の内側の空間をスリット25寄りの電線移動空間40と、スリット25から離れた側の電線収容空間41とに仕切っている。さらに、図5に示すように、レール11と、このレール11に相対するアッパケース10の上壁10bの内面との間隔D3は、コルゲートチューブ4の外径Rより狭い。また、底壁9aの内表面からレール11の上面までの距離D1は、コルゲートチューブ4の外径Rよりも大きい。さらに、電線収容空間41を構成する天井壁10aの内表面は、レール11の上面よりも距離D2だけ底壁9a側に配置されている。即ち、本実施形体におけるコルゲートチューブ4は、特許請求の範囲に記載した「電線」に相当する。また、図5中の一点鎖線は、コルゲートチューブ4が底壁9aから最も浮き上がった場合の位置を示している。同図に示すように、コルゲートチューブ4は、底壁9aから最も浮き上がった場合でも、レール11の上面よりも底壁9a側に配置されることになる。
このように、本発明では、ケース5の底壁9aからレール11の上面までの距離D1が、電線即ちコルゲートチューブ4の外径Rよりも大きいので、このコルゲートチューブ4がレール11上に乗り上げるために必要な底壁9aからの浮き上がり量が大きくなり、そのために、コルゲートチューブ4がレール11上に乗り上げてレール11と上壁10bとの間に挟まってしまったり、コルゲートチューブ4がレール11を乗り越えて電線移動空間40側に飛び出すことを確実に防止できる。よって、第1プロテクタ6の円滑な移動を妨げることを防止することができる。
また、本発明では、天井壁10aが、レール11の上面よりも底壁9a側に配置されているので、電線即ちコルゲートチューブ4がレール11の上面よりも底壁9aから離れた位置に浮き上がることがなく、そのために、コルゲートチューブ4がレール11上に乗り上げてレール11と上壁10bとの間に挟まってしまったり、コルゲートチューブ4がレール11を乗り越えて電線移動空間40側に飛び出すことを確実に防止できる。
また、本発明では、レール11がケース5と別体で形成されており、そして、レール取付部9dが底壁9aの他の個所よりシート3に向かって突出しているので、レール11の寸法精度を高精度に保つことができるとともに、必要最小限の大きさ、即ち必要最小限の高さ、のレール11を用いることで、電線配索装置1の重量増加を抑えることができる。
上記複数のモールブラケット8は、図2及び図4に示すように、それぞれ、平板状に設けられている。これら複数のモールブラケット8は、モール取付部10dの長手方向に沿って互いに間隔をあけて、モール取付部10dの表面に取り付けられている。また、モールブラケット8は、矢印Kと直交する方向の幅がモール取付部10dの幅よりも大きく設けられており、その両端部がモール取付部10dの両端部よりも外側に配置されている。このようなモールブラケット8は、モール7aの後述の固定部20を取り付ける。
上記一対のモール7a,7bは、それぞれ、合成樹脂で板状に構成されており、長手方向が矢印Kと平行になる向きでケース5に取り付けられている。また、これら一対のモール7a,7bは、床2の表面と平行でかつ矢印Kに対し直交する方向に沿って互いに間隔をあけて配置され、互いの間にスリット25を位置付ける。このスリット25は、第1プロテクタ6の後述する電線収容部15が通される。即ち、一対のモール7a,7bは、互いの間に電線収容部15を位置付ける。
また、上記一対のモール7a,7bは、図4に示すように、ケース5に重ねられる平板状の本体部16と、この本体部16から立設しかつ第1プロテクタ6の電線収容部15と接触する弾性変形自在な接触片17と、を一体に有している。これら一対のモール7a,7bの接触片17は、アッパケース10の内縁10fとロアケース9の内縁壁9bとの間、即ちスリット25、を覆って、この間に異物などが侵入することを防止する。
また、上記一対のモール7a,7bのうち乗員室の外側に位置する一方のモール7aは、さらに、前述したモールブラケット8に取り付けられる固定部20を有している。この固定部20は、本体部16から立設した一対の立設部26と、この立設部26の本体部16から離れた側の縁から互いに近付く方向に延びた一対の延在部27とを有している。
上記一対の立設部26は、モールブラケット8の幅方向(矢印Kに対し直交する方向)に沿って互いに間隔をあけて配され、本体部16からアッパケース10に向かって互いに平行に立設している。これら一対の立設部26は、互いの間に、モール取付部10dとモールブラケット8とを位置付ける。上記一対の延在部27は、立設部26の前述した縁からアッパケース10の上壁10bの表面に沿って延びている。また、前述した立設部26と延在部27とは、矢印Kに沿って直線状に延びている。
前述したモール7aは、図2中の一点鎖線で示すように、アッパケース10に対し、矢印Kに沿ってスライドされることで、アッパケース10の矢印Kの一方の端に位置するモールブラケット8から他方の端に位置するモールブラケット8に向かって順に、当該モールブラケット8の両端部とアッパケース10との間に延在部27が位置付けられ、かつ、延在部27と本体部16との間に当該モールブラケット8の両端部を位置付ける。このようにしてモール7aがアッパケース10則ちケース5に取り付けられる。また、他方のモール7bは、両面テープなどによりロアケース9の内縁壁9bに取り付けられる。
上記第1プロテクタ6は、合成樹脂で構成されており、図1及び図4に示すように、スライド部13と、チューブ固定部14と、電線収容部15とを有している。前記スライド部13は、電線収容部15から下方に突出しており、レール11内に収容されて該レール11の長手方向に沿ってスライド自在にレール11に支持されている。即ち、第1プロテクタ6は、レール11の長手方向に沿ってスライド自在に設けられている。前記チューブ固定部14は、コルゲートチューブ4の端部を固定している。前記電線収容部15は、筒状に設けられており、一端が前記チューブ固定部14に連なっている。また、電線収容部15は、スライド部13がレール11にスライド自在に支持されると、他端が前述したスリット25を通ってケース5よりシート3側に突出する。この電線収容部15は、コルゲートチューブ4の端部から導出された電線50を内側に通して、該電線50をケース5からシート3に導く。また、電線収容部15には、電線50を固定する電線固定部15aが設けられている。
上記第2プロテクタ30は、合成樹脂で構成されており、図1及び図4に示すように、電線収容部15から渡された電線50を内側に位置付ける第2電線収容部31と、シート3に取り付けられるフランジ部32と、を有している。前記第2電線収容部31には、電線50を固定する電線固定部31aが設けられている。
また、前述した第1プロテクタ6と第2プロテクタ30のフランジ部32とには、紐19が掛け渡されている。このため、第1プロテクタ6は、レール11の長手方向則ち矢印Kに沿って移動自在に設けられ、かつ、前記紐19により第2プロテクタ即ちシート3から引っ張られることで、シート3と連動して矢印Kに沿って移動可能に設けられている。
また、前述した電線配索装置1のモール7aとアッパケース10則ちケース5との間には、床2上に敷かれるマット28の端部が圧入される。そして、マット28の端部は、モール7aとアッパケース10とのうち少なくとも一方に固定される。
前述した電線配索装置1のケース5は、シート3の下部に設けられており、また、マット28の下に隠れていることから、前記自動車の乗員に踏み付けられる可能性があるが、本発明では、ケース5が、前述した電線規制部材90及び一対のキャップ60,70により底壁9aが床2と隙間をあけた状態で床2に取り付けられているので、アッパケース10に荷重が加えられた際に、電線規制部材90及び一対のキャップ60,70が支えとなって前記荷重が底壁9aにかかることなく電線規制部材90を介して床2に伝わり、そのために、ケース5に生じる応力が小さくなる。
よって、ケース5の剛性を、従来の底壁209aが床202に当接する構造のケース(図6ないし図9に示すケース205を参照。)に要求される剛性よりも低くすることが可能になるので、従来の構造のケースに行われていた剛性向上のための凹凸形状などを省くことができるとともに、ケース5の板厚を薄くできることでケース5の軽量化及び材料費の削減が可能になる。即ち、本発明のケース5においては、ロアケース9やアッパケース10に、高いコストがかかる加工を施さずとも、前述した生産性の高いロール成形や押出成形などによって製造されたロアケース9とアッパケース10と、電線規制部材90と、一対のキャップ60,70を用いて十分な剛性を確保することができる。その結果、剛性が高くコストの低いケース5、及び、電線配索装置1を提供することが可能になる。
また、前述した実施形態では、電線50がコルゲートチューブ4に収容されていたが、本発明では、コルゲートチューブ4が必ずしも必要ではない。
また、前述した実施形態では、ケース5がロアケース9とアッパケース10との2部材で構成されていたが、本発明では、ケースが1部材で構成されていても良い。
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
本発明の一実施形態に係る電線配索装置を示す斜視図である。 図1に示された電線配索装置の分解図である。 図1に示された電線配索装置のアッパケースを外した状態を示す平面図である。 図1中のA−A線に沿った断面図である。 図1中のB−B線に沿った断面図である。 従来の電線配索装置を示す斜視図である。 図6に示された従来の電線配索装置の分解図である。 図6中のE−E線に沿った断面図である。 図6中のG−G線に沿った断面図である。
符号の説明
1 電線配索装置
2 床(車体)
3 シート(スライド体)
4 コルゲートチューブ(電線)
5 ケース
6 第1プロテクタ(スライダ)
9a 底壁
9d レール取付部(個所)
10a 天井壁
11 レール
25 スリット
40 電線移動空間
41 電線収容空間
50 電線

Claims (3)

  1. 自動車の車体と前記車体にスライド自在に設けられたスライド体とに亘って電線を配索する電線配索装置において、
    前記車体に取り付けられた電子機器と前記スライド体に取り付けられた電子機器とを接続した前記電線と、前記電線を収容しかつ前記車体に取り付けられたケースと、前記ケース内に収容されかつ該ケースの底壁に取り付けられたレールと、前記レールの長手方向に沿って該レールに移動自在に支持され、かつ前記電線を保持した状態で前記スライド体に連動して移動するスライダと、を有し、
    前記ケースには、前記レールの長手方向に沿って延在し、前記スライダ及び前記スライダに保持された前記電線を前記ケースの外部に導くスリットが設けられており、
    前記ケース内の空間は、前記レールによって、該レールより前記スリット側に位置しかつ前記電線が前記スライド体と連動して移動する電線移動空間と、前記レールより前記スリットから離れた側に位置しかつ前記電線を収容する電線収容空間と、に仕切られており、
    前記ケースの底壁から前記レールの上面までの距離が、前記電線の外径よりも大きいことを特徴とする電線配索装置。
  2. 前記ケースが、前記電線収容空間を構成しかつ前記底壁と相対する天井壁を有し、該天井壁が、前記レールの上面よりも前記底壁側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の電線配索装置。
  3. 前記レールが前記ケースと別体で形成されており、そして、前記底壁の前記レールが取り付けられる箇所が、他の個所より前記スライド体に向かって突出していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電線配索装置。
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