JP4085081B2 - プロテクタとプロテクタを備えたスライド配索装置 - Google Patents

プロテクタとプロテクタを備えたスライド配索装置 Download PDF

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Description

本発明は、例えば、電線を収容して、該電線が傷つくことを防止するためのプロテクタと、自動車の車体とこの車体に対しスライド自在に設けられたシートなどのスライド体とに亘って電線を配索するとともにプロテクタを備えたスライド配索装置に関する。
移動体としての自動車には、種々の電子機器が搭載されている。このため、自動車は、前述した電子機器に所望の信号や電力を供給するためにワイヤハーネスを配索している。ワイヤハーネスは、複数の電線と、コネクタと、プロテクタなどを備えている。電線は、導電性の芯線と絶縁性の被覆部とを備えた所謂被覆電線である。コネクタは、電線の端末などに取り付けられ、かつ前記電子機器と嵌合する。プロテクタは、電線を収容して、該電線が傷つくことを防止する。
前述したワイヤハーネスは、コネクタが電子機器と嵌合するなどして、自動車に配索される。ワイヤハーネスは、前述した電線などが所望の信号や電力を電子機器に供給する。
前述したプロテクタとして、例えば、樋状のプロテクタ本体と、このプロテクタ本体にヒンジを介して連結された蓋体と、を備えたもの(例えば、特許文献1参照)が用いられる。特許文献1に示されたプロテクタは、蓋体と、プロテクタ本体とに互いに係止する係止部と、係止受け部とを備えている。プロテクタは、ヒンジを中心として蓋体を回転することで、蓋体がプロテクタ本体を塞ぐ格好で、前記係止部と係止受け部とが互いに係止して、蓋体とプロテクタ本体とが互いに固定される。
実開平5−45209号公報
前述したプロテクタは、用いられる箇所によっては、前述したプロテクタ本体が薄型であることが望まれている。自動車の車体と、この車体にスライド自在に設けられたスライド体とに亘って電線を配索するスライド配索装置では、スライド配索装置の薄型化を図るため、車体に取り付けられたレール部にスライド自在に設けられかつ前述した電線を収容するプロテクタは、特に、薄型化が望まれる。
このように、プロテクタの薄型化を図る場合、テープやチューブなどにより互いに束ねられた状態のワイヤハーネスの電線は、プロテクタの近傍で、互いに分離されることが考えられる。薄型のプロテクタ本体内に電線を収容して、蓋体でプロテクタ本体を閉じると、プロテクタ本体内で複数の電線を並行に並べることが望ましい。
しかしながら、プロテクタの近傍まで電線がテープやチューブなどにより束ねられているため、プロテクタ本体内で電線同士が互いに重なろうとすることが考えられる。このとき、特に蓋体が、プロテクタ本体から離れる方向に電線から押圧されて、最悪の場合、係止部と係止受け部の係止が外れてしまうことが考えられる。このように、前述した特許文献1に示されたプロテクタは、薄型化を図ると、電線を収容したままに保つことが困難である。
したがって、本発明の目的は、薄型化を図っても電線を収容したままに保つことができるプロテクタとこのプロテクタを備えたスライド配索装置を提供することにある。
前記課題を解決し目的を達成するために、請求項1に記載の本発明のプロテクタは、底板と、この底板の両縁から立設した一対の側板とを備えたプロテクタ本体と、前記底板と平行でかつ一対の側板間を閉塞する状態で前記プロテクタ本体に取り付けられる蓋体と、を備えたプロテクタにおいて、前記蓋体と前記プロテクタ本体とのうち一方に設けられ、かつ自動車の車体に取り付けられたレール部の長手方向に沿って移動自在に設けられるとともに、前記一方の一端部寄りに設けられた摺動部と、前記プロテクタ本体の一対の側板それぞれから前記底板と平行に互いに近づく方向に延在しているとともに、前記摺動部より離れた前記プロテクタ本体の他端部に設けられた一対の延在壁と、を備え、前記蓋体を、前記一対の延在壁と前記底板との間に位置付けて、前記延在壁の表面に沿ってスライドすることで、前記プロテクタ本体に取り付けることを特徴としている。
請求項2に記載の本発明のプロテクタは、請求項1に記載のプロテクタにおいて、前記プロテクタ本体と前記蓋体の一端部同士を固定する固定手段を備えたことを特徴としている。
請求項3に記載の本発明のスライド配索装置は、自動車の車体に取り付けられたレール部と、底板とこの底板の両縁から立設した一対の側板とを備えたプロテクタ本体と、前記底板と平行でかつ一対の側板間を閉塞する状態で前記プロテクタ本体に取り付けられる蓋体と、前記蓋体と前記プロテクタ本体とのうち一方に設けられかつ前記レール部の長手方向に沿って移動自在に設けられるとともに前記一方の一端部寄りに設けられた摺動部と、前記プロテクタ本体の一対の側板それぞれから前記底板と平行に互いに近づく方向に延在した一対の延在壁と、を備えたプロテクタと、を備え、そして、前記蓋体を、前記一対の延在壁と前記底板との間に位置付けて、前記延在壁の表面に沿ってスライドすることで、前記プロテクタ本体に取り付け、そして、前記プロテクタが前記蓋体と前記プロテクタ本体との間に電線を通して、当該電線を前記車体と前記車体にスライド自在に設けられたスライド体とに亘って配索するスライド配索装置において、前記延在壁を、前記摺動部より離れた前記プロテクタ本体の他端部に設けたことを特徴としている。
請求項4に記載の本発明のスライド配索装置は、請求項3に記載のスライド配索装置において、前記プロテクタ本体と前記蓋体の一端部同士を固定する固定手段を備えたことを特徴としている。
請求項1に記載された本発明のプロテクタによれば、プロテクタ本体の底板と、この底板と平行な一対の延在壁との間に蓋体を位置付けて、該蓋体をプロテクタ本体に取り付ける。このように、蓋体が延在壁と底板との間に位置付けられているため、蓋体をプロテクタ本体から離れる方向に押圧しても、蓋体が延在壁と底板との間に保たれる。
在壁を摺動部から離れたプロテクタ本体の他端部に設けている。このため、プロテクタ本体の摺動部の近傍の厚みが厚くなることを防止できる。
請求項2に記載された本発明のプロテクタによれば、摺動部の近傍に固定手段を設けている。このため、プロテクタと蓋体の他端部同士は延在壁により互いに固定されて、プロ
テクタと蓋体の一端部同士は固定手段により互いに固定される。
請求項3に記載された本発明のスライド配索装置によれば、プロテクタが、プロテクタ本体の底板と、この底板と平行な一対の延在壁との間に蓋体を位置付けて、該蓋体をプロテクタ本体に取り付ける。このように、蓋体が延在壁と底板との間に位置付けられているため、蓋体をプロテクタ本体から離れる方向に押圧しても、蓋体が延在壁と底板との間に保たれる。
ロテクタの延在壁を摺動部から離れたプロテクタ本体の他端部に設けている。このため、プロテクタ本体の摺動部の近傍の厚みが厚くなることを防止できる。
請求項4に記載された本発明のスライド配索装置によれば、プロテクタが、摺動部の近傍に固定手段を設けている。このため、プロテクタと蓋体の他端部同士は延在壁により互いに固定されて、プロテクタと蓋体の一端部同士は固定手段により互いに固定される。
以上説明したように請求項1に記載の本発明は、蓋体が延在壁と底板との間に位置付けられているため、蓋体をプロテクタ本体から離れる方向に押圧しても、蓋体が延在壁と底板との間に保たれる。このため、プロテクタ本体の薄型化などを図って、プロテクタ本体内の電線などが蓋体をプロテクタ本体から離れる方向に押圧しても、プロテクタ本体内に電線を収容し続ける。したがって、薄型化を図っても電線を収容したままに保つことができる。
在壁を摺動部から離れたプロテクタ本体の他端部に設けている。このため、プロテクタ本体の摺動部の近傍の厚みが厚くなることを防止できる。したがって、プロテクタ本体と、このプロテクタ本体を移動自在に支持するレール部とを合わせた厚みを抑制することができる。
請求項2に記載の本発明は、摺動部の近傍に固定手段を設けている。このため、プロテクタと蓋体の他端部同士は延在壁により互いに固定されて、プロテクタと蓋体の一端部同士は固定手段により互いに固定される。したがって、プロテクタ本体と蓋体の両端部を互いに固定しているので、薄型化を図っても電線を確実に収容したままに保つことができる。
請求項3に記載の本発明は、プロテクタの蓋体が延在壁と底板との間に位置付けられているため、蓋体をプロテクタ本体から離れる方向に押圧しても、蓋体が延在壁と底板との間に保たれる。このため、プロテクタ本体の薄型化などを図って、プロテクタ本体内の電線などが蓋体をプロテクタ本体から離れる方向に押圧しても、プロテクタ本体内に電線を収容し続ける。したがって、プロテクタの薄型化を図っても電線を収容したままに保つことができる。
在壁を摺動部から離れたプロテクタ本体の他端部に設けている。このため、プロテクタ本体の摺動部の近傍の厚みが厚くなることを防止できる。したがって、プロテクタ本体と、このプロテクタ本体を移動自在に支持するレール部とを備えたスライド配索装置の厚みを抑制することができる。
請求項4に記載の本発明は、摺動部の近傍に固定手段を設けている。このため、プロテクタと蓋体の他端部同士は延在壁により互いに固定されて、プロテクタと蓋体の一端部同士は固定手段により互いに固定される。したがって、プロテクタ本体と蓋体の両端部を互
いに固定しているので、プロテクタの薄型化を図っても電線を確実に収容したままに保つことができる。
本発明の一実施形態にかかるスライド配索装置1及びプロテクタ6を、図1ないし図7に基づいて説明する。スライド配索装置1(以下、単に配索装置と記す)は、図1に示すように、自動車の車体としての乗員室の床2と、この床2に矢印Kに沿ってスライド自在に設けられたスライド体としてのシート3とに亘って電線13(図6及び図7に示す)を配索する。
電線13は、図6及び図7に示すように、それぞれ、導電性の芯線14と、絶縁性の被覆部15とを備えた所謂被覆電線である。電線13は、複数束ねられて、コルゲートチューブ4(図2に示す)内に通されている。コルゲートチューブ4は、合成樹脂としての例えばPP(ポリプロピレン)などからなり筒状に形成されている。また、コルゲートチューブ4は、蛇腹状に形成されている。コルゲートチューブ4は、内側に複数の電線13を通すことで、これらの電線13を保護している。
図示例では、シート3は、図1中の一点鎖線で示す位置と、二点鎖線で示す位置とに亘って、前述した矢印Kに沿ってスライドする。矢印Kは、直線状をなしている。また、シート3には、図示しない着座センサや、シートベルトセンサなどの電子機器が取り付けられている。着座センサは、シート3に乗員が着座しているな否かを検出する。シートベルトセンサは、シート3に着座した乗員がシートベルトをしているか否かを検出する。前述した電線13は、前述したセンサが検出した情報を車体などに取り付けられる各種のECU(Electronic Control Unit)に伝送する。
配索装置1は、図1及び図2に示すように、レール部5と、化粧部材としての一対のモール7と、固定機構8(図3に示す)と、プロテクタ6とを備えている。
レール部5は、図1ないし図3に示すように、ロアケース9と、アッパケース10と、レール11と、を備えている。ロアケース9は、板金からなり、長手方向が矢印Kと平行な平面形状が矩形状に形成されている。ロアケース9は、平板状の底板部9aと、この底板部9aの縁から立設した内縁壁9bとを備えている。底板部9aは、床2上に重ねられる。内縁壁9bは、底板部9aの乗員室の内側に位置する縁から立設している。また、底板部9aと、内縁壁9bの長手方向は、前述した矢印Kと平行である。
アッパケース10は、厚手の板金からなり、長手方向が矢印Kと平行な平面形状が矩形状に形成されている。アッパケース10は、平板状の天井部10aと、この天井部10aの縁から立設した外縁壁10bとを備えている。天井部10aは、底板部9aと間隔をあけて、該底板部9aと平行に配される。外縁壁10bは、天井部10aの乗員室の外側に位置する縁から立設している。また、天井部10aと、外縁壁10bの長手方向は、前述した矢印Kと平行である。
アッパケース10とロアケース9は、外縁壁10bがロアケース9の底板部9aの乗員室の外側の縁に重なり、天井部10aが底板部9aと間隔をあけた状態で、互いに固定される。そして、アッパケース10とロアケース9は、図2に示すボルト12などにより前述した床2に固定される。こうして、レール部5は、車体としての床2に取り付けられる。また、アッパケース10とロアケース9とが互いに固定されて床2に取り付けられると、アッパケース10の乗員室の内側に位置する内縁と、ロアケース9の内縁壁9bとが間隔をあける。
レール11は、板金からなり、平面形状が長手方向が矢印Kと平行な矩形状に形成されている。レール11は、平板状の底板部11aと、この底板部11aの幅方向(矢印Kに直交する方向)の両縁から立設した一対の鉤壁11bとを備えている。底板部11aは、ロアケース9の底板部9a上に重ねられ、このロアケース9の底板部9aに固定される。このため、レール11は、ロアケース9を介して床2に取り付けられる。一対の鉤壁11bは、底板部11aの幅方向の両縁から互いに平行に直線状に立設した後、互いに近づく方向に底板部11aと平行に延びて、断面形状が鉤状に形成されている。
前述した構成のレール部5は、ロアケース9の底板部9aにレール11の底板部11aが重ねられて、ロアケース9にレール11が取り付けられる。そして、アッパケース10の外縁壁10bがロアケース9の外縁に重ねられ、アッパケース10の天井部10aがロアケース9の底板部9aと間隔をあけて平行に配されて、アッパケース10とロアケース9とが互いに固定されて、床2に取り付けられる。このとき、アッパケース10とロアケース9とレール11の長手方向は、互いに平行であるとともに、前述した矢印Kと平行である。
また、レール部5は、図2に示すように、ロアケース9とアッパケース10との間に前述したコルゲートチューブ4を収容している。レール部5のロアケース9は、コルゲートチューブ4の床2寄りの一端部を固定している。
一対のモール7は、それぞれ、合成樹脂からなり板状に形成されている。一対のモール7は、長手方向が前述した矢印Kと平行な格好で、前述したレール部5に重ねられる。一対のモール7は、床2の表面と平行でかつ矢印Kに対し直交する方向に沿って互いに間隔をあけて配され、互いの間に前述したプロテクタ6の鉛直部30a,30bを位置付ける。
また、一対のモール7は、図3などに示すように、前述したレール部5に重ねられる平板状の本体部16と、この本体部16から立設しかつプロテクタ6の鉛直部30a,30bと接触する弾性変形自在な接触片17を一体に備えている。一対のモール7の接触片17は、プロテクタ6の鉛直部30a,30bと接触しない状態では、互いに接触して、アッパケース10の内縁とロアケース9の内縁壁9bとの間を覆って、この間に異物などが侵入することを防止する。
一対のモール7のうち図1ないし図3中左側に位置する一方のモール7(以下符号7aで示す)は、固定機構8によりアッパケース10に取り付けられる。図1ないし図3中右側に位置する他方のモール7(以下符号7bで示す)は、両面テープ18(図3に示す)などによりロアケース9の内縁壁9bに取り付けられる。このように、モール7a,7bは、本体部16が矢印Jに沿ってレール部5に重ねられて、該レール部5に取り付けられる。なお、矢印Jは、モール7a,7bがレール部5に重ねられる方向をなしており、床2などの表面に対し直交する方向で、図示例では鉛直方向に沿っている。このため、矢印Jは、勿論、矢印Kに対し直交している。
固定機構8は、図3などに示す固定部材19と、一方のモール7aに一体に設けられた固定部20とを備えている。
固定部材19は、図3に示すように、レール部5のアッパケース10の表面に重ねられて、該アッパケース10に取り付けられる平板状の底板部21と、底板部21から立設した立設部22と、この立設部22の底板部21から離れた側の縁から底板部21則ち固定部材19の外方向に延びた延在部23とを備えている。
底板部21の平面形状は、矩形状に形成されている。底板部21の長手方向は、矢印Kと平行である。立設部22は、底板部21の幅方向(矢印Kに対し直交する方向)の両縁からアッパケース10の上方則ちモール7aに向かって立設している。延在部23は、各々の立設部22の前述した縁からアッパケース10則ちレール部5の表面に沿って、矢印Kに対し直交する方向でかつ固定部材19の外方向に延びている。
前述した構成の固定部材19は、底板部21の長手方向が矢印Kに沿い、かつ矢印Kに沿って互いに間隔をあけてアッパケース10則ちレール部5の表面に取り付けられる。また、固定部材19は、底板部21の長手方向が矢印Kに沿うことで、前述した矢印Jに対し直交する方向に直線状に延びている。
固定部20は、モール7aの本体部16から立設した一対の第2立設部26と、この第2立設部26のモール7aの本体部16から離れた側の縁から互いに近づく方向に延びた第2延在部27とを備えている。
一対の第2立設部26は、固定部材19の底板部21の幅方向(矢印Kに対し直交する方向)に沿って互いに間隔をあけて配されている。一対の第2立設部26は、互いに平行に配されている。一対の第2立設部26は、互いの間に固定部材19を位置付ける。第2立設部26は、モール7aの本体部16からアッパケース10則ちレール部5に向かって立設している。
第2延在部27は、第2立設部26の前述した縁からアッパケース10則ちレール部5の表面に沿って延びている。
前述した構成の固定部20は、前述した第2立設部26と第2延在部27とに亘って、前述した矢印Kに沿って直線状に延びている。則ち、固定部20は、前述した矢印Jに対し直交する方向に直線状に延びている。
前述した構成の固定機構8は、モール7aをアッパケース10則ちレール部5に対し、矢印Jに対し直交する矢印Kに沿ってスライドすることで、アッパケース10の矢印Kの一方の端に位置する固定部材19から他方の端に位置する固定部材19に向かって順に、延在部23とレール部5との間に第2延在部27を位置付け、第2延在部27とモール7aの本体部16との間に延在部23を位置付ける。そして、モール7aをアッパケース10則ちレール部5に固定する。
プロテクタ6は、図4及び図5に示すように、プロテクタ本体30と、このプロテクタ本体30と取り付けられる蓋体31と、を備えている。プロテクタ本体30と蓋体31との双方則ちプロテクタ6は、図3に示すように、正面からみてL字状に形成されている。
プロテクタ本体30は、絶縁性の合成樹脂からなり、図4及び図5に示すように、平行部30aと、平行部30aから折り曲がった鉛直部30bと、を一体に備えている。平行部30aは、ロアケース9とアッパケース10との双方と平行に配される平板状に形成されている。鉛直部30bは、平行部30aの端に連なっているとともに、平行部30aから一対のモール7a,7b間を通ってシート3に向かって延びて、レール部5よりシート3側に突出する。
プロテクタ本体30は、平行部30aと鉛直部30bとに亘って則ちその全長に亘って、略樋状に形成されている。プロテクタ本体30は、図6及び図7に示すように、平板状の底板32と、この底板32の幅方向の両縁から立設した一対の側板33とを備えている。
蓋体31は、絶縁性の合成樹脂からなり、図4及び図5に示すように、平行部31aと、平行部31aから折り曲がった鉛直部31bと、を一体に備えている。平行部31aは、ロアケース9とアッパケース10との双方と平行に配される平板状に形成されている。鉛直部31bは、平行部31aの端に連なっているとともに、平行部31aから一対のモール7a,7b間を通ってシート3に向かって延びて、レール部5よりシート3側に突出する。
蓋体31は、平行部31aと鉛直部31bとに亘って則ちその全長に亘って、図6及び図7に示すように、略平板状に形成されている。また、後述するように、プロテクタ本体30と蓋体31とが互いに取り付けられた状態で、底板32と蓋体31との間隔は、前述した電線13の外径と等しい又は外径より若干大きい。
また、プロテクタ本体30と蓋体31とは、平行部30a,31a同士が互いに重なり、鉛直部30b,31b同士が互いに重なった状態で、互いに取り付けられる。このとき、蓋体31の平行部31aが、プロテクタ本体30の平行部30aより床2寄りに位置し、蓋体31の鉛直部31bが、プロテクタ本体30の鉛直部30bよりモール7b寄りに位置している。また、蓋体31は、一対の側板33間を閉塞する状態で、プロテクタ本体30に取り付けられる。さらに、プロテクタ本体30と蓋体31とは、平行部30a,31aの鉛直部30b,31bから離れた側の端部間にコルゲートチューブ4のシート3寄りの他端部を挟んで、このコルゲートチューブ4のシート3寄りの他端部を固定している。
また、前述した平行部30a,31aは、本明細書に記したプロテクタ本体30と蓋体31の一端部をなしている。鉛直部30b,31bは、本明細書に記したプロテクタ本体30と蓋体31の他端部をなしている。
さらに、プロテクタ6は、摺動部34と、離間阻止部35と、固定手段としての固定部36とを備えている。摺動部34は、蓋体31に設けられている、摺動部34は、蓋体31の平行部31aから立設しており、前述したレール11内に収容されて、該レール11の長手方向則ち矢印Kに沿ってスライド自在にレール11に支持されている。則ち、摺動部34は、レール部5の長手方向に沿って移動自在に設けられている。
離間阻止部35は、プロテクタ本体30の鉛直部30bの平行部30aから離れた側の端部に設けられている。離間阻止部35は、図7に示すように、一対の延在壁37を備えている。一対の延在壁37は、側板33それぞれに連なっているとともに、側板33それぞれから互いに近づく方向に底板32と平行に延びている。離間阻止部35は、一対の延在壁37と底板32との間に蓋体31を位置付けて、この蓋体31が底板32則ちプロテクタ本体30から離れることを防止する。
固定部36は、図5に示すように、プロテクタ本体30の平行部30aに設けられた係止爪38と、蓋体31の平行部31aに設けられた係止受け孔39と、を備えている。このため、固定部36は、プロテクタ本体30と蓋体31の平行部30a,31aに設けられている。
係止爪38は、プロテクタ本体30の平行部30aから蓋体31の平行部31aに向かって延在している。係止受け孔39は、蓋体31の平行部31aを貫通しており、係止爪38が係止する。固定部36は、係止爪38が係止受け孔39内に侵入して、該係止受け孔39に係止することで、プロテクタ本体30の平行部31aと蓋体31の平行部31aとを互いに固定する。
前述した構成のプロテクタ6は、プロテクタ本体30の平行部30aと蓋体31の平行部31aとの間に挟んだコルゲートチューブ4内の電線13を、プロテクタ本体30と蓋体31との間を通して、レール部5からシート3に導く。
前述した構成のプロテクタ6は、以下に示すように、組み立てられる。ます、平行部30a,31a同士を平行な状態とし、かつ鉛直部30b,31b同士を平行な状態として、蓋体31とプロテクタ本体30とを間隔をあけて位置付ける。そして、図5に示すように、平行部30a,31a間にコルゲートチューブ4の他端部を位置付けて、電線13をプロテクタ本体30内を通して、シート3側に導いておく。
その後、蓋体31の鉛直部31bをプロテクタ本体30の鉛直部30bの底板32と一対の延在壁37との間に位置付けて、蓋体31とプロテクタ本体30の鉛直部30bの底板32と一対の延在壁37の表面に沿って、平行部30a,31a同士が近づく方向に、蓋体31をプロテクタ本体30に近づく方向にスライドする。そして、蓋体31の鉛直部31bをプロテクタ本体30の鉛直部30bの底板32と一対の延在壁37との間に位置付けて、係止爪38を係止受け孔39に係止して、図4に示すように、プロテクタ6を組み立てる。
プロテクタ6は、離間阻止部35則ち延在壁37をプロテクタ本体30の鉛直部30bに設けている。プロテクタ6は、図3に示すように、平行部30a,31aの厚みTaが、鉛直部30b,31bの厚みTbより薄くなっている。
また、前述した構成のプロテクタ6とシート3には、図示しないひもなどが掛け渡されている。このため、プロテクタ6は、レール部5の長手方向則ち矢印Kに沿って移動自在に設けられ、かつ前述したひもなどによりシート3から引っ張られることで、シート3と連動して、前述した矢印Kに沿って移動可能に設けられている。また、プロテクタ6は、チューブ固定部14にコルゲートチューブ4の他端部を固定し、かつプロテクタ本体30と蓋体31との間に電線13を収容することで、該電線13が取り付けられている。
また、前述した配索装置1のモール7aとアッパケース10則ちレール部5との間には、床2上に敷かれるマット28の端部が圧入される。そして、マット28の端部は、モール7aとアッパケース10とのうち少なくとも一方に固定される。
本実施形態によれば、プロテクタ本体30の鉛直部30bの底板32と平行な一対の延在壁37と底板32との間に蓋体31を位置付けて、該蓋体31をプロテクタ本体30に取り付ける。このように、蓋体31が延在壁37と底板32との間に位置付けられているため、蓋体31をプロテクタ本体30から離れる方向に押圧しても、蓋体31が延在壁37と底板32との間に保たれる。
このため、プロテクタ本体30の薄型化などを図って、プロテクタ本体30内の電線13などが蓋体31をプロテクタ本体30から離れる方向に押圧しても、プロテクタ本体30内に電線13を収容し続けることができる。したがって、プロテクタ6は、薄型化を図っても電線13を収容したままに保つことができる。
延在壁37を摺動部34から離れたプロテクタ本体30の他端部としての鉛直部30bに設けている。このため、プロテクタ本体30の摺動部34の近傍則ち平行部30aの厚みが厚くなることを防止できる。このため、プロテクタ6と、このプロテクタ6を移動自在に支持するレール部5とを合わせたスライド配索装置1の厚みを抑制することができる。したがって、レール部5を床2に取り付けても、スライド配索装置1のレール部5の床2からの突出量を抑制でき、美観を損ねることを防止できるとともに、床2に生じる段差を最小限にすることができる。
平行部30a,31a則ち摺動部34の近傍に固定手段としての固定部36を設けている。このため、プロテクタ本体30と蓋体31の他端部としての鉛直部30b,31b同士は、離間阻止部35則ち延在壁37により互いに固定される。プロテクタ本体30と蓋体31の一端部としての平行部30a,31a同士は、固定部36により互いに固定される。したがって、プロテクタ本体30と蓋体31の両端部則ち鉛直部30b,31bと平行部30a,31aとの双方を互いに固定しているので、プロテクタ6は、薄型化を図っても電線13を確実に収容したままに保つことができる。
前述した実施形態では、摺動部34を蓋体31に設けている。しかしながら、本発明では、摺動部34をプロテクタ本体30に設けても良い。また、前述した実施形態では、レール部5に移動自在なプロテクタ6を示している。しかしながら、本発明では、レール部5に移動自在ではない、電線13を収容する通常のプロテクタ6に適用しても良い。また、本発明では、摺動部34をプロテクタ本体30に設けても良いことは、勿論である。
前述した実施形態では、前述した矢印Jに対し直交する矢印Kに沿って、レール部5に対しモール7aをスライドすることで、モール7aをレール部5に固定している。しかしながら、本発明では、前述した矢印Jに対し直交しかつ矢印Kに対し交差する方向に沿って、レール部5に対しモール7aをスライドすることで、モール7aをレール部5に固定するようにしても良い。
また、前述した実施形態では、一方のモール7aを固定機構8でレール部5に固定している。しかしながら、本発明では、他方のモール7bを固定機構8でレール部5に固定しても良い。要するに、本発明では、複数のモール7a,7bのうち少なくとも一つを前述した固定機構8でレール部5に固定すれば良い。
さらに、前述した実施形態では、車体としての床2と床2に対してスライド自在なスライド体としてのシート3とに亘って電線13を配索している。しかしながら、本発明では、車体としてのボディパネルとこのボディパネルに対してスライド自在なドアとに亘って電線13を配索しても良く、車体としてのルーフパネルとこのルーフパネルに対してスライド自在なサンルーフとに亘って電線13を配索しても良い。要するに、本発明では、車体と車体に対してスライド自在なスライド体とに亘って電線13を配索すれば良い。
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
本発明の一実施形態にかかるスライド配索装置の構成を示す斜視図である。 図1に示されたスライド配索装置の一部を分解して示す斜視図である。 図1中のIII−III線に沿う断面図である。 図1に示されたスライド配索装置のプロテクタの斜視図である。 図4に示されたプロテクタの分解斜視図である。 図4中のVI−VI線に沿う断面図である。 図4に示されたプロテクタの平行部の断面図である。
符号の説明
1 スライド配索装置
2 床(車体)
3 シート(スライド体)
5 レール部
6 プロテクタ
13 電線
30 プロテクタ本体
30a 平行部(一端部)
30b 鉛直部(他端部)
31 蓋体
31a 平行部(一端部)
31b 鉛直部(他端部)
32 底板
33 側板
34 摺動部
36 固定部(固定手段)
37 延在壁

Claims (4)

  1. 底板と、この底板の両縁から立設した一対の側板とを備えたプロテクタ本体と、
    前記底板と平行でかつ一対の側板間を閉塞する状態で前記プロテクタ本体に取り付けられる蓋体と、を備えたプロテクタにおいて、
    前記蓋体と前記プロテクタ本体とのうち一方に設けられ、かつ自動車の車体に取り付けられたレール部の長手方向に沿って移動自在に設けられるとともに、前記一方の一端部寄りに設けられた摺動部と、
    前記プロテクタ本体の一対の側板それぞれから前記底板と平行に互いに近づく方向に延在しているとともに、前記摺動部より離れた前記プロテクタ本体の他端部に設けられた一対の延在壁と、を備え、
    前記蓋体を、前記一対の延在壁と前記底板との間に位置付けて、前記延在壁の表面に沿ってスライドすることで、前記プロテクタ本体に取り付けることを特徴とするプロテクタ。
  2. 前記プロテクタ本体と前記蓋体の一端部同士を固定する固定手段を備えたことを特徴とする請求項1記載のプロテクタ。
  3. 自動車の車体に取り付けられたレール部と、
    底板とこの底板の両縁から立設した一対の側板とを備えたプロテクタ本体と、前記底板と平行でかつ一対の側板間を閉塞する状態で前記プロテクタ本体に取り付けられる蓋体と、前記蓋体と前記プロテクタ本体とのうち一方に設けられかつ前記レール部の長手方向に沿って移動自在に設けられるとともに前記一方の一端部寄りに設けられた摺動部と、前記プロテクタ本体の一対の側板それぞれから前記底板と平行に互いに近づく方向に延在した一対の延在壁と、を備えたプロテクタと、
    を備え、そして、
    前記蓋体を、前記一対の延在壁と前記底板との間に位置付けて、前記延在壁の表面に沿ってスライドすることで、前記プロテクタ本体に取り付け、そして、前記プロテクタが前記蓋体と前記プロテクタ本体との間に電線を通して、当該電線を前記車体と前記車体にスライド自在に設けられたスライド体とに亘って配索するスライド配索装置において、
    前記延在壁を、前記摺動部より離れた前記プロテクタ本体の他端部に設けたことを特徴とするスライド配索装置。
  4. 前記プロテクタ本体と前記蓋体の一端部同士を固定する固定手段を備えたことを特徴とする請求項記載のスライド配索装置。
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