JP2006026329A - ステント及びステントグラフト - Google Patents

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Abstract

【課題】
管状器官内に留置するときに、その端部を所定の大きさまで確実に拡径させ、かつ、線材の屈曲部が内周側に浮き上がってしまうことを防止できるステント及びステントグラフトを提供する。
【解決手段】
このステント200は、1本以上の線材210を編み組んで筒状に形成され、少なくとも両端部は、線材210を周方向に沿って左右に折り返しながら進行させ、かつ、かつ、前の周の線材と交差する場合には織りを形成して複数回周回させて構成した少なくとも1つの周方向単位をそれぞれ有している。この周方向単位は、軸方向から見て多角形をなし、周方向単位の屈曲部230は、多角形の角部に位置するように形成され、隣接する屈曲部230間の線材210は、直線若しくは多角形の辺より内周側に突出するように湾曲した形状をなしている。
【選択図】 図4

Description

本発明は、例えば胆道、血管、食道、気管等の体内の管状器官に留置することにより、管状器官の狭窄や閉塞、動脈瘤等の破裂等を防止するようにしたステント及びステントグラフトに関する。
近年、血管等の管状器官における治療のため、血管の狭窄部にステントを留置して拡張させたり、動脈瘤が形成された箇所にステントを留置して動脈瘤の破裂を防止する治療方法が広く行われている。
このようなステントとして、下記特許文献1には、金属線材をメッシュ状かつ筒状に編んで形成したステントにおいて、線材を多重にして環状に編んだ多重編み部分が、軸方向に沿って少なくとも1箇所にあることを特徴とするステントが開示されている。具体的には、線材を周方向に沿って波形に屈曲させながら走行させ、前に周回させた線材と交差する部分では織りを形成して複数回周回させた後、線材を軸方向に移動させて上記と同様に編むと共に、軸方向に隣接する線材の屈曲部どうしを絡ませて、円筒状に編んだものが開示されている。
また、下記特許文献2には、コ字状の折曲部が連続した波形をなし、角部に小さな屈曲部からなる係止部が設けられた線状部材を少なくとも3本以上備え、前記線状部材を並列させて、隣接するものどうしで対応するコ字状の折曲部どうしを絡み合わせ、端面から見てループ状に連結してなることを特徴とするステントが開示されている。
特開2004−49804号公報 特開平9−313617号公報
一般に、この種のステントは、筒状のシースやカテーテル(以下、シース等という)等の内部に縮径させて収容し、血管の留置位置までシース等を到達させたら、プッシャ等でステントを押し出すことにより血管内に留置されている。
しかしながら、線材をメッシュ状かつ筒状に編んで形成した従来のステントでは、ステントを血管内に留置させたとき、線材の屈曲部が血管内壁の曲面に適合せず、血管の内径側に浮き上がってしまうことがあった。
図9はその一例を示し、図中400はステントグラフト、410はステント、420はグラフト、411は線材である。ステント410は、初期形状において、血管Vの内径よりも大きい外径となるように成形されており、血管V内に留置された状態では、上記初期形状よりやや縮径された形状で血管内壁に圧接されている。しかし、このように縮径された形状では、ステント410の初期形状における外周面の曲率と、血管V内に留置された状態での外周面の曲率とが異なるため、線材411の屈曲部が血管Vの内壁の曲面に適合せず、ステント410の内周側に浮き上がってくることがある。
このため、ステント410の端部において、コーンニング現象と呼ばれる先すぼまりの状態になり、ステントグラフト400と血管Vとの間に隙間Aが発生することがあった。その結果、血管Vとステントグラフト400との間に隙間Aが生じ、血液がこの隙間に入り込むため、例えば動脈瘤の治療の場合には、血液が動脈瘤に流れ込んでしまったり、ステントグラフト400の血管V内における固定力が弱くなって、血流に流されて位置ずれを起こす可能性があった。
また、上記特許文献2のステントは、バルーンによってステントをその内部から押圧すると、一方のコ字状折曲部の係止部に対して他方のコ字状折曲部の線材が摺動することによって拡径する、いわゆるバルーン拡張型のステントであるため、コーンニング現象が発生することは少ない。しかし、このバルーン拡張型のステントを、上記特許文献1のステントと同じタイプである、自発的に弾性復帰するいわゆる自己拡張型のステントとして流用しようとしても、構造自体が根本的に異なっているので不可能である。
したがって、本発明の目的は、血管等の管状器官の所定部位に留置するときに、その端部を所定の大きさまで確実に拡径させ、かつ、線材の屈曲部が内周側に浮き上がってしまうことを防止できるステント及びステントグラフトを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の第1は、1本以上の線材を編み組んで、筒状に形成してなるステントにおいて、
このステントの少なくとも両端部は、前記線材を周方向に沿って左右に折り返しながら進行させ、かつ、前の周の線材と交差する場合には織りを形成して複数回周回させて構成した少なくとも1つの周方向単位をそれぞれ有しており、
前記周方向単位は、軸方向から見て多角形をなし、前記周方向単位の屈曲部は、前記多角形の角部に位置するように形成され、
前記屈曲部と屈曲部との間の線材は、直線若しくは前記多角形の辺より内周側に突出するように湾曲した形状をなすことを特徴とするステントを提供するものである。
上記第1の発明によれば、軸方向から見て多角形をなし、かつ、周方向単位の屈曲部が多角形の角部に位置するように形成されているので、初期形状よりも縮径された形状で血管等の管状器官内に留置されても、線材の内面への浮き上がりが発生し難く、それによってコーニング現象を防止できる。
なお、本発明において、「軸方向から見て多角形をなし」とは、多角形の辺が直線状である形状に限らず、上記辺が内周側に湾曲したような形状(例えば星型のような形状)をも含む意味である。
本発明の第2は、前記第1の発明において、前記周方向単位が部分的に重なり合いながら軸方向に複数配列されており、隣接する周方向単位どうしは、前記周方向に沿った折り返しパターンが1/4ピッチずれており、かつ、前記折り返しパターンの屈曲部が外周側に突出するように編まれているステントを提供するものである。
上記第2の発明によれば、線材の折り返しパターンの屈曲部が、常に多角形の外周側に突出するようになるので、この屈曲部が内周側に突出して血流等を妨げたりする虞れがなくなると共に、前記屈曲部が管状器官内壁に圧接されて固定力を高めることができる。
本発明の第3は、前記第1又は第2の発明において、前記線材は、外周に配置された超弾性合金と、その中心部に配置されたX線不透過性材料とで構成されているステントを提供するものである。
上記第3の発明によれば、前記線材は、外周に配置された超弾性合金と、その中心部に配置されたX線不透過性材料とで構成されているので、柔軟性及び形状復元性が高く、しかも、血管等の管状器官内に留置する際に、その位置をX線透視カメラによって視認できるので、目的とする治療箇所に正確に留置することができる。
本発明の第4は、前記第1〜3の発明のいずれか1つにのステントと、このステントの内周及び/又は外周を覆うグラフトとを有することを特徴とするステントグラフトを提供するものである。
上記第4の発明によれば、例えば、血管の動脈瘤等の内周に配置したときに、血液がステントの内部を流れて、その外側の動脈瘤内に流入することを阻止することが可能な治療具を提供できる。
本発明のステント及びステントグラフトによれば、初期形状よりも縮径された形状で血管等の管状器官内に留置されても、線材の内面への浮き上がりが発生し難く、コーニング現象を防止できる。このため、線材がステントの内周に突出して血流等を阻害するなどの問題が生じない。
以下、図1〜7を参照して、本発明のステント及びステントグラフトの一実施形態を説明する。
図1、2に示されるように、このステントグラフト100は、線材210を編み組んで筒状に形成してなるステント200の外周を、筒状カバーであるグラフト300で被覆して構成されている。なお、グラフト300はステント200の内周に被覆してもよく、内周と外周の両方に被覆することもできる。
ステント200を形成する線材210の材料としては、金属線材が好ましく、特に熱処理による形状記憶効果や、超弾性が付与される形状記憶合金が好ましく採用される。ただし、用途によってはステンレス、Ta、Ti、Pt、Au、Wなどを用いてもよい。形状記憶合金としては、Ni−Ti合金、Cu−Zn−X(X=Al,Fe等)合金、Ni−Ti−X(X=Fe,Cu,V,Co等)合金等が好ましく使用される。また、金属線材の表面にAu、Ptなどをメッキ等の手段で被覆したものであってもよい。金属線材の太さは、特に限定されないが、例えば血管用ステント等の場合には、0.08〜1mmが好ましい。なお、線材210として合成樹脂繊維などを用いることもできる。
また、図8には、特に好ましく用いられる線材210aが示されている。この線材210aは、外周に配置された超弾性合金bと、その中心部に配置されたX線不透過性材料aとで構成される。外周に配置された超弾性合金bと中心部に配置されたX線不透過性材料aは、一体であっても、別体で相対的に移動可能であってもよい。この線材210aは、中心部に配置されたX線不透過性材料a及び外周に配置された超弾性合金bで形成されているので、管状器官の屈曲部に自然に曲がって対応することが可能な柔軟性と、ステント200の位置をX線透視カメラによって視認できる視認性とを兼ね備えており、本発明のステント200及びステントグラフト100を目的とする管状器官内部の治療箇所に、スムーズに、かつ、正確に留置することができる。
なお、上記中心部に配置されたX線不透過性材料aとしては、Au、Pt、Pd等の金属が用いられ、外周に配置された超弾性合金bとしては、Ni−Ti系の形状記憶合金等が好ましく用いられる。また、図8における中心部に配置されたX線不透過性材料aの直径Xと、線材の直径Yとの関係は、中心部に配置されたX線不透過性材料aの横断面積が線材の横断面積に対して10〜40%の範囲となるように設定することが好ましい。
グラフト300としては、熱可塑性樹脂を押出し成形、ブロー成形などの成形方法で加工された円筒状に形成したもの、円筒状に形成した熱可塑性樹脂の繊維の編織物、円筒状に形成した熱可塑性樹脂の不織布、円筒状に形成した可撓性樹脂のシートや多孔質シートなどを用いることができる。編織物としては、平織、綾織などの公知の編物や織物を用いることができる。また、クリンプ加工などのヒダの付いたものを使用することもできる。
これらの中でも、グラフト300としては、特に円筒状に形成した熱可塑性樹脂の繊維の編織物、更には円筒状に形成した熱可塑性樹脂の繊維の平織りの織物が、強度及び有孔度、生産性が優れるため好ましい。
熱可塑性樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−α−オレフィン共重合体などのポリオレフィン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートなどのポリエステル、ポリ弗化エチレンやポリ弗化プロピレンなどのフッ素樹脂などの耐久性と組織反応の少ない樹脂などを用いることができる。
特に、化学的に安定で耐久性が大きく、組織反応の少ない、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリ弗化エチレンやポリ弗化プロピレンなどのフッ素樹脂を好ましく用いることができる。
グラフト300や、該グラフトを構成する繊維、更にステント200を構成する線材210は、ヘパリン、コラーゲン、アセチルサリチル酸、ゼラチン等の抗血栓性材料で被覆処理されているものを用いることができる。
グラフト300は、縫着、接着、溶着等の手段によって、ステント200に連結されている。この場合、グラフト300は、ステント200の伸縮に影響を及ぼさないように被覆し、連結する必要がある。グラフト300とステント200との連結部は、ステント200の両端部や中間部などに適宜設けることができる。グラフト300の全体をステント200に所定間隔で連結してもよいが、グラフト300とステント200の両端部のみ、あるいはグラフト300とステント200の一端部のみを連結してもよい。
本発明のステントグラフト100は、拡張時における外径が6〜40mm、長さが3〜30cm程度であることが好ましい。
また、ステント200の適当な場所、例えば両端部には、X線不透過材料が固着されていてもよい。X線不透過材料としては、例えばAu、Pt、Ir、Ta、W、Ag等や、それらを含有する合金などが好ましく使用される。X線不透過性材料は、ステント200に半田付け、ろう付け、溶着、接着、カシメ等の手段で固着することができる。
このステント200は、線材210を、図3、4に示すような手順で編むことによって形成されている。この編み作業は、図示しないマンドレルの外周に線材210を所定のパターンで巻き付けながら行われる。図3は、編み手順を各周方向単位毎に取出して示す説明図であり、(a)は一列目の編み手順、(b)は二列目の編み手順、(c)は三列目の編み手順を示している。図4は、各周方向単位どうしを編み組んだ実際の形状を示す説明図である。
まず、各周方向単位の編み手順について説明すると、図3(a)に示すように、線材210の始端部210aからスタートし、図示しないマンドレルの周方向に、線材210を左右に折り返して山形の屈曲部230を形成しながら、図中矢印で示すように、ジグザグ状の折り返しパターンをなすように進行させて、1周目のループ211を形成する。なお、図中の矢印イは、矢印ロに連絡するように進行させる。
こうして線材210を1周させると、1周目のループ211に対して半ピッチずれた位相となり、1周目のループ211と直線部において十字に交差する2周目のループ212が開始される。この2周目のループ212は、1周目のループ211と交差する部分で織りを形成するように、1周目のループ211の上下を交互に通過するように進行させる。図中矢印ハは、矢印ニに連絡するように進行させる。
上記2周目のループ212が1周すると、再び1周目のループ211と重なるので、1周目のループ211と同様な経路を通って3周目のループ213を形成する。
そして、上記3周目のループ213が1周すると、再び2周目のループ212と重なるので、2周目のループ212と同様な経路を通って4周目のループ214を形成する。こうして第1の周方向単位221が形成される。
4周目のループ214の終端部214aは、1周目のループ211と重なるが、屈曲させずにそのまま直進させて、図3(b)に示す5周目のループ215の始端部215aとなる。5周目のループ215は、第1の周方向単位221に対して、軸方向に半ピッチずれた位置で、線材210を周方向に折り返しパターンをなすように進行させることによって形成される。図中矢印ホは、矢印ヘに連絡するように進行させる。
なお、軸方向における1ピッチとは、図4に示すC1、C2等の長さを意味し、第1の周方向単位221の軸方向ピッチC1と、第2の周方向単位222の軸方向ピッチC2とは、ほぼ半ピッチずれて形成される。ただし、この重なり度合いは、軸方向に隣接する周方向単位どうしが互いに絡み合うことが可能な範囲で、適宜変更することができる。
また、5周目のループ215の折り返しパターンは、第1の周方向単位221のループの折り返しパターンに対して、1/4ピッチ位相がずれている。ここで、周方向における1ピッチとは、図4に示すB1、B2、B3等の長さを意味し、5周目のループ215の折り返しパターンB3は、第1の周方向単位221のループの折り返しパターンB1,
B2に対して、1/4ピッチ位相がずれている。
そして、5周目のループ215を周方向に沿ってジグザグ状に折り返しながら進行させるとき、それらの山形の屈曲部230であって、第1の周方向単位221と重なる部分においては、第1の周方向単位221の交差部240を、ステント200の外周側を通って亘るように編み組まれる。
再び図3(b)を参照すると、5周目のループ215を1周させると、5周目のループの始端部215aに対して半ピッチずれた位相となり、5周目のループ215と直線部において十字に交差する6周目のループ216が開始される。この6周目のループ216は、5周目のループ215と交差する部分で織りを形成するように、5周目のループ215の上下を交互に通過するように進行させる。図中矢印トは、矢印チに連絡するように進行させる。
また、6周目のループ216においても、前記5周目のループ215と同様に、それらの山形の屈曲部230であって、第1の周方向単位221と重なる部分においては、第1の周方向単位221の交差部240を、ステント200の外周側を通って亘るように編み組まれる。
こうして、5周目及び6周目のループ215,216を形成することにより、第2の周方向単位222が形成される。この場合、第1の周方向単位221では、線材230を4周させて2重の線材で構成しているが、第2の周方向単位222以下においては、線材230を2周させて1重の線材で構成する。第1の周方向単位221を2重の線材で構成することにより、ステント200の端部における復元力を高めて、管状器官内に留置させたとき、ステント端部を確実に拡径復帰させることができる。また、第2の周方向単位222以下を1重の線材で構成することにより、ステント200全体としての柔軟性を保持することができる。ただし、2重の線材で構成した周方向単位を軸方向に沿って複数箇所に設けてもよい。
6周目のループ216が1周すると、5周目のループ215に重なるので、その重なった折り返しパターン部を1ピッチほど設けた後、そのまま直進させて、図3(c)に示す7周目のループ217の始端部217aとなる。7周目のループ217は、第2の周方向単位222に対して、軸方向に半ピッチずれた位置で、線材210を周方向に折り返しパターンをなすように進行させることによって形成される。図中矢印リは、矢印ヌに連絡するように進行させる。
この7周目のループ217の折り返しパターンは、第2の周方向単位222のループの折り返しパターンに対して、1/4ピッチ位相がずれている。そして、前記第2の周方向パターン222と同様に、7周目のループ217を周方向に沿ってジグザグ状に折り返しながら進行させるとき、それらの山形の屈曲部230であって、第2の周方向単位222と重なる部分においては、第2の周方向単位222の交差部240を、ステント200の外周側を通って亘るように編み組まれる。
また、7周目のループ217を1周させると、7周目のループ217の始端部217aに対して半ピッチずれた位相となり、7周目のループ217と直線部において十字に交差する8周目のループ218が開始される。この8周目のループ218は、7周目のループ217と交差する部分で織りを形成するように、7周目のループ217の上下を交互に通過するように進行させる。図中矢印ルは、矢印ヲに連絡するように進行させる。
また、8周目のループ218においても、前記7周目のループ217と同様に、それらの山形の屈曲部230であって、第2の周方向単位222と重なる部分においては、第2の周方向単位222の交差部240を、ステント200の外周側を通って亘るように編み組まれる。
そして、8周目のループ218を1周させることにより、第3の周方向単位223が形成される。以下同様にして、必要とされるステントの長さに相当する数の周方向単位を順次形成することにより、ステント200を形成することができる。
なお、図5(A)、(B)に示すように、各ループの屈曲部230は、山形に屈曲させるだけでなく、軸方向から見て多角形となるように折り曲げる。そして、屈曲部230と屈曲部230の間の線材210は、直線状か(想像線S)、又は上記多角形の内周側に突出するように湾曲される(想像線R)。同図(A)の屈曲部230A1、230A2、230B1が、同図(B)の屈曲部230A1、230A2、230B1に相当している。
このような編みパターンによれば、各周方向単位の屈曲部230が、常に多角形の外周側に突出するようになるので、この屈曲部230が内周側に突出して血流等を妨げたりすることがなく、かつ、外周側に突出した屈曲部230によって血管内壁に対する固定力を高めることができる。
なお、線材210を周方向に沿って左右に折り返しながら進行させる場合、左右の折り返し部における屈曲部はそれぞれ1個ずつであること、具体的には左右の折り返し部が山形に屈曲された1個ずつの屈曲部で構成されることが好ましい。
以上説明した、ステント200及びステントグラフト100は、血管、尿管、胆管、気管支などの人体の管状器官内に適用されるが、特に動脈瘤の治療に効果的である。図6には、その動脈瘤の治療のために血管に挿入する場合の一例が示されている。
まず、常法により図示しないガイドワイヤを、血流方向に向かって血管V内に挿入し、その先端を治療部位である動脈瘤Dよりも少し前寄りにて配置させる。その後、前記ガイドワイヤ外周に沿って、図示しない親カテーテルを挿入し、その先端が、動脈瘤Dの所定箇所に到達したら、前記ガイドワイヤを引き抜く。
そして、ステントグラフト100を手指等により縮径させて、図示しない子カテーテルの先端部に挿入する。このとき、ステント200を構成する各周方向単位は、軸方向から見て多角形をなし、かつ、各周方向単位の屈曲部230が多角形の角部に位置するように形成されているので、縮径又は拡径する際には、線材210の屈曲部230が閉じたり開いたりして変形する。このため、線材どうしが交差する位置がそれほど変化せず、線材どうしの摩擦が少なくなる。
次に、前記子カテーテルを前記親カテーテル内に挿入し、前記子カテーテルの先端が動脈瘤Dの治療箇所に到達したら、前記子カテーテル内に、図示しないプッシャを挿入して、ステントグラフト100を血管Vの内側に押し出す。すると、ステントグラフト100は、子カテーテルから押出された部分から順次拡張復帰して、血管Vの内壁に圧接固定される。
このとき、前述したように、線材210の屈曲部230が開くことにより拡張し、線材どうしが交差する位置がそれほど変化せず、線材どうしの摩擦が少なくなるので、コーンニング現象を生じさせずに、ステントグラフト100の端部を、スムーズにかつ確実に所定形状にまで拡径させることができ、併せて、ステントグラフト100の端部が内周側に浮き上がってしまうことを確実に防止できる。
こうして、ステントグラフト100を、前記子カテーテルから完全に押し出すと、図7に示すように、血管Vの動脈瘤Dの内周を覆うようにステントグラフト100が留置される。このステントグラフト100によれば、端部のコーンニング現象を抑制し、かつ、端部の浮き上がりを防止されるので、図6に示すように、ステントグラフト100が血管Vの内壁にしっかりと密着する。そのため、血管Vの内壁にステントグラフト100を、しっかりと固定させて留置することができ、血流等によって流されることがなくなる。
また、血管Vの内壁とステントグラフト100の端部とに隙間が生じないので、血流が動脈瘤側に流れ込むこともない。更に、線材210の屈曲部230が、ステントグラフト100の内周側に突出することがないので、ステントグラフト100の内腔における血流を阻害して血栓等を生じる虞れもなくなる。
こうして、ステントグラフト100のグラフト300によって、動脈瘤Dの内周が覆われ、血流はステント200の内腔を通り、動脈瘤Dには流れ込まなくなるため、動脈瘤Dの破裂を防止することができる。
本発明のステントと、従来のステントとを作製し、それらについてコーンニング現象の発生時期を確認した。作製方法、試験方法は以下の通りである。
実施例1
図2に示す、軸方向から見て多角形をなしたステント200を作製した。
すなわち、Ni−Ti製で、直径が0.3mmの線材210を用いて、図示しないマンドレルに前述した編みパターンによって巻き付けて、周方向単位を順次形成して、ステント200を作製した。
このステント200を軸方向から見ると、図5(B)に示すように、2種類の多角形状(この場合、7角形)が交互に組まれた形状となった。
このステント200の外径は30mm、長さは約100mmであった。また、周方向における屈曲パターンのピッチ(図4のB1、B2、B3)は27mm、軸方向における周方向単位のピッチ(図4のC1、C2)は10mmであった。
比較例1
比較例1として、軸方向から見て円形(円筒状)のステントを作製した。
この場合、上述した実施例1と同じ材質・直径で、かつ、同じ編みパターンでもって、比較例1のステントを作製した。
このステントを軸方向から見ると、屈曲部が突出することもなく、ほぼ円形であった。
このステントの外径は30mm、長さは約100mmであった。また、周方向における屈曲パターンのピッチは27mm、軸方向における周方向単位のピッチは10mmであった。
以上のような実施例1と比較例1のステントを使用して、ステント端部のコーンニング現象の発生時期を確認する試験を行った。
まず、実施例1及び比較例1のステント全体を、合成樹脂製のシートで包み込んで、各ステントをシート内面に当接させた。その状態で、シートを絞り込むようにして徐々に丸めていき、各ステントの端部がシート内面から離れて、シート内周側に浮き始めたときのシートの外径を測定した。その結果を、表1に示す。
これによれば、軸方向から見て円形のステントは、26mmと、少しシートを丸めただけで、端部が浮き上がってしまうのに対して、本発明の軸方向から見て多角形をなしたステントは、シート径が18mmになるまで、その端部が浮き上がらず、線材の屈曲部が内周側に突出することを効果的に抑制できることが明らかとなった。更に、ステント両端を持ち、端部と端部を接触させるように屈曲しても、内周側に突出しないことを確認した。
本発明は、血管等の管状器官の所定部位に留置するときに、その端部を所定の大きさまで確実に拡径可能で、かつ、該端部が内周側に浮き上がってしまうことを防止できるステント及びステントグラフトとして利用することができる。
本発明のステントグラフトの一実施形態を示す斜視図である。 本発明のステントの一実施形態を示す斜視図である。 同ステントの編み手順を各周方向単位毎に取出して示す説明図であって、(a)は第1の周方向単位の編み手順を示す説明図、(b)は第2の周方向単位の編み手順を示す説明図、(c)は第3の周方向単位の編み手順を示す説明図である。 同ステントにおいて各周方向単位どうしを編み組んだ実際の形状を示す展開図である。 同ステントの隣接する周方向単位の相対関係を示しており、(A)は隣接する周方向単位の絡み方を示す斜視図、(B)は軸方向から見た周方向単位の組まれ方を示す正面図である。 同ステントグラフトを血管の動脈瘤の内側に留置した状態を示す説明図である。 同ステントグラフトを血管に留置した際の状態を示す断面図である。 本発明のステントを形成する線材の他の例を示す説明図である。 従来のステントグラフトを血管に留置した際の状態を示す説明図である。
符号の説明
100 ステントグラフト
200 ステント
210 線材
211 1周目のループ
212 2周目のループ
213 3周目のループ
214 4周目のループ
215 5周目のループ
216 6周目のループ
217 7周目のループ
218 8周目のループ
221,222,223 周方向単位
230 屈曲部
240 交差部
300 グラフト
a X線不透過性材料
b 超弾性合金

Claims (4)

  1. 1本以上の線材を編み組んで、筒状に形成してなるステントにおいて、
    このステントの少なくとも両端部は、前記線材を周方向に沿って左右に折り返しながら進行させ、かつ、前の周の線材と交差する場合には織りを形成して複数回周回させて構成した少なくとも1つの周方向単位をそれぞれ有しており、
    前記周方向単位は、軸方向から見て多角形をなし、前記周方向単位の屈曲部は、前記多角形の角部に位置するように形成され、
    前記屈曲部と屈曲部との間の線材は、直線若しくは前記多角形の辺より内周側に突出するように湾曲した形状をなすことを特徴とするステント。
  2. 前記周方向単位が部分的に重なり合いながら軸方向に複数配列されており、隣接する周方向単位どうしは、前記周方向に沿った折り返しパターンが1/4ピッチずれており、かつ、前記折り返しパターンの屈曲部が外周側に突出するように編まれている請求項1記載のステント。
  3. 前記線材は、外周に配置された超弾性合金と、その中心部に配置されたX線不透過性材料とで構成されている請求項1又は2記載のステント。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載のステントと、このステントの内周及び/又は外周を覆うグラフトとを有することを特徴とするステントグラフト。
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