JP4608673B2 - ステント及びステント付きグラフト - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば血管、尿管、胆管、気管などの人体の管状器官に挿入、配置されるステント及びステント付きグラフトに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、血管、尿管、胆管、気管などの人体の管状器官における治療のため、カテーテルを通してステントを挿入し配置することが行われている。例えば血管の狭窄部にステントを配置して拡張したり、動脈瘤が形成された箇所にステントを配置して動脈瘤の破裂を防止する治療方法が知られている。特に動脈瘤の治療においては、ステントの外周にグラフトという織布を被覆してなるステント付きグラフトが使用されている。
【0003】
従来のステントとして、例えば特開平11−57021号公報には、所定本数の線条がサインカーブ状に撚り組まれて円筒篭状の組み紐構造に形成されており、その円筒篭状の組み紐構造の両末端は線条の折り返しまたは接合によりループ構造に形成してあり、全体として各線条が末端のない無限ループとなっていることを特徴とするステントが開示されている。
【0004】
また、特許第2975584号公報には、ジグザグ状の多数のバンドを有する円筒形から形成された一本のフィラメントからなる体腔拡張用ステントにおいて、上記バンドは多数の直線部、ピーク部及び谷形部を備え、上記ピーク部と谷形部はステントの円周方向に、そして同一の平面上に配置され、上記バンドを形成する谷形部には、隣接する下部バンドのピーク部が、少なくとも一回転半以上の捻りのツイスト方式で連結され、上記隣接する下部バンドのフィラメントは隣接する上部バンドの終わり直線部から下方に延長するフィラメントであることを特徴とする体腔拡張用ステントが開示されている。
【0005】
更に、特開2000−279529号公報には、略円筒形状に形成され、生体内挿入時には外径が圧縮され、生体内留置時には外径が拡張して元の形状に復元する自己拡張型体腔内留置用ステントと、該ステントの外径を圧縮させた状態で先端部内面に保持した内側シースと、該内側シースを収納する外側シースと、前記ステントを生体内にて吐出させる吐出機構とを備える体腔内病変部治療用器具であり、前記ステントは、側面が膜により被覆されており、前記外側シースは、先端より前記内側シースの先端部を吐出可能であるとともに、少なくとも先端より若干基端側となる位置に血液流通用開口を備えていることを特徴とする体腔内病変部治療用器具が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
これらのステントは、カテーテルの先端部内周に装着された状態で、人体の管状器官の所定箇所まで運ばされ、そこでカテーテルから押し出されることによって、管状器官内に留置されるようになっている。このため、カテーテルの先端部内周に装着する際には、容易に縮径させることができ、カテーテルから押出されたときには、十分な拡張力で管状器官を押し広げることができ、しかも、縮径時と拡径時とで長さの変化が少なく、押出したときに位置ずれしにくい構造が求められている。更に、血管等の曲折した管路に挿入したときに、座屈変形しにくいことも必要とされる。
【0007】
したがって、本発明の目的は、縮径しやすく、しかも十分な拡張力を有し、縮径時と拡径時とで長さの変化が少なく、更に座屈変形しにくいステント及びステント付きグラフトを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の第1は、金属線材を編んで筒状に形成してなるステントであって、
前記ステントは、前記金属線材がV字状に折り返す部分で互いに一周せずに絡み合って組まれて交差する部分と、前記金属線材が十字状に交差する部分とを有しており、
前記組まれて交差する部分は、小さな角度でV字に折り返す金属線材と、それよりも大きな角度でV字状に折り返す金属線材とが絡み合って形成されており、かつ、前記小さな角度でV字に折り返す金属線材と、それよりも大きな角度でV字状に折り返す金属線材との向きを交互に変えて、前記ステントの軸方向に交互にずれながら、周方向に沿って環状に配列されており、
この組まれて交差する部分の前記環状配列が、前記ステントの軸方向に沿って少なくとも1箇所にあることを特徴とするステントを提供するものである。
【0009】
上記発明によれば、金属線材が十字状に交差する部分においては、金属線材どうしの摺動や交差角の変化が比較的自由になされる。一方、金属線材がV字状に折り返す部分で互いに組まれて交差する部分においては、金属線材どうしが摺動しにくく、交差角も変化しにくい。その結果、十字状に交差する部分は縮径しやすいが、拡張力はそれほど大きくない傾向があり、組まれて交差する部分は縮径しにくいが、拡張力が強くなる傾向がある。また、組まれて交差する部分は、金属線材どうしが組み合って交差しているので、縮径時における軸長の伸びが抑えられ、縮径時と拡径時とで長さの変化が小さくなる。
【0010】
したがって、上記発明によれば、カテーテル内周に挿入する際には比較的縮径させやすく、カテーテルから押出されたときには十分な拡張力が得られ、しかも縮径時と拡径時とで長さの変化が小さく、更に座屈変形しにくいステントを提供することができる。
【0012】
また、組まれて交差する部分が軸方向にずれながら周方向に沿って配列されているので、拡張力の付与が比較的広い幅をもって平均的になされ、局部的に縮径しにくい部分が発生するのを防止して、縮径時の作業性が損なわれないようにすることができる。
【0013】
また、拡張力の高い部分が比較的広い幅をもって周方向に沿って環状に形成されているので、血管等の管状器官の曲折した箇所に挿入した場合にも、ステントが座屈変形(流路が潰れるように折れ曲がること)しにくくなり、安全性を高めることができる。
【0015】
更に、小さな角度でV字に折り返す金属線材が軸方向に比較的長く伸びて、大きな角度でV字状に折り返す金属線材と絡み合うため、組まれて交差する部分の軸方向のずれ幅を広くとることができると共に、組まれて交差する部分が軸方向に交互にずれながら周方向に沿って配列された部分における拡張力を平均化させることができる。
【0016】
本発明の第2は、上記第1の発明において、前記組まれて交差する部分の前記環状配列が、前記十字状に交差する部分の環状配列を挟んで、前記ステントの軸方向に少なくとも2箇所に設けられているステントを提供するものである。
【0017】
上記発明によれば、組まれて交差する部分の環状配列が、十字状に交差する部分の環状配列を挟んで、ステントの軸方向に沿って少なくとも2箇所に設けられているので、拡張力の付与や、座屈変形防止力を、ステントの軸方向全体に亘って平均して付与することができる。
【0018】
本発明の第3は、上記第1又は2の発明のステントと、該ステントの内周及び/又は外周の一部又は全てを覆う筒状カバーとを備えたステント付きグラフトを提供するものである。
【0019】
上記発明によれば、例えば血管の動脈瘤が形成された箇所に配置して、動脈瘤内に血液が流れ込むのを防止することができる。
【0020】
なお、本発明においては、前記組まれて交差する部分は、金属線材どうしが一周せずに絡み合って形成されていることが好ましい。
【0021】
上記発明によれば、組まれて交差する部分は、金属線材どうしが一周せずに絡み合って形成されているので、金属線材に少なくとも一回転半以上の捻りを与えて絡み合わせた場合に比べて、縮径時における自由度が大きくなる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面につき詳しく説明する。本発明は、これらの実施の形態のみに限定されるものではない。
【0023】
図1〜5には本発明によるステント付きグラフトの一実施形態が示されている。図1は同ステント付きグラフトの筒状カバーを一部切り欠いて示す斜視図、図2は同ステント付きグラフトのステントを示す斜視図、図3は金属線材の編みパターンを示す展開図、図4は同ステント付きグラフトの縮径状態と拡径状態を示す側面図、図5は同ステント付きグラフトを血管の動脈瘤の内側に配置した状態を示す説明図である。
【0024】
図1に示すように、このステント付きグラフト10は、所定本数の金属線材21をメッシュ状かつ筒状に編んで形成したステント20と、このステント20を覆う筒状のカバー30とを有している。
【0025】
ステント20は、図2、3に示すように、金属線材21が十字状に交差する部分Aと、金属線材がV字状に折り返す部分で互いに組まれて交差する部分Bとを有している。そして、組まれて交差する部分Bは、ステント20の軸方向に交互にずれながら、周方向に沿って環状に配列されている。
【0026】
そして、ステント20は、組まれて交差する部分Bが上記のように環状に配列された領域IIと、十字状に交差する部分Aが環状に配列された領域Iとを有し、領域IIと領域Iとが軸方向に交互に繰り返して、この実施形態では、領域IIが合計3箇所に設けられている。これによって、軸方向にできるだけ均一な拡張力や座屈変形防止力が得られる。
【0027】
また、組まれて交差する部分Bは、小さな角度でV字に折り返す金属線材21aと、それよりも大きな角度でV字状に折り返す金属線材21bとが絡み合って形成されており、図2、3において、組まれて交差する部分Bが上方に配置される場合には、上方に大きな角度のV字状をなす上記線材21b、下方に小さな角度のV字状をなす上記線材21aが配置され、組まれて交差する部分Bが下方に配置される場合には、上方に小さな角度のV字状をなす上記線材21a、下方に大きな角度のV字状をなす上記線材21bが配置されている。
【0028】
その結果、小さな角度でV字状に折り返す金属線材21aが、軸方向にずれた交差部分Bの間を連結するように配列され、上記軸方向のずれ幅を大きくとって拡張力を分散させて、ステント20の拡張力や座屈変性防止力が軸方向にできるだけ均一に得られるようにしている。
【0029】
また、この実施形態では、金属線材21どうしがV字状に折れ曲がり、その屈曲部で互いに一周せずに絡み合っている。ここで一周せずにとは、金属線材21どうしが屈曲部で係合するだけで、相手方の線材の周りに巻き付いていない状態を意味している。それによって、交差部分Bにおける縮径時の自由度を高めることができる。ただし、金属線材21が他方の金属線材21に1周半以上巻き付くようにして絡めることもできる。
【0030】
なお、金属線材21の全交差部分(A+B)に対する、組まれて交差する部分Bの割合は、好ましくは2〜50%、更に好ましくは3〜40%、より好ましくは4〜35%、特に好ましくは5〜30%の範囲が好ましい。組まれて交差する部分Bが2%よりも少ないと、拡張力の向上や、縮径時と拡径時の長さ変化の減少効果が乏しくなる。
【0031】
また、本発明においては、金属線材21の編みパターンに疎密の変化をもたせてもよい。
【0032】
金属線材21の交差点は、固着されていない方が好ましく、それによって、線材21どうしのずれの自由度が高まり、カテーテル挿入時の縮径や、カテーテルから押出したときの拡径をしやすくすることができる。金属線材21の端部どうしが重なる部分や、金属線材21の端部と金属線材21が重なる部分は、例えば半田、金属ろう、接着剤等で固着してもよい。また、ステント20は、一本の金属線材21で編まれていても、複数本の金属線材21で編まれていてもよい。
【0033】
なお、金属線材21の材料としては、熱処理による形状記憶効果や、超弾性が付与される形状記憶合金が好ましく採用されるが、用途によってはステンレス、タンタル、チタン、白金、金、タングステンなどを用いてもよい。形状記憶合金としては、Ni−Ti系、Cu−Al−Ni系、Cu−Zn−Al系などが好ましく使用される。また、形状記憶合金の表面に金、白金などをメッキ等の手段で被覆したものであってもよい。金属線材21の太さは、特に限定されないが、例えば血管用ステント等の場合には、0.08〜1mmが好ましい。
【0034】
筒状カバー30は、熱可塑性樹脂を押出し成形、ブロー成形などの成形方法で円筒状に形成したもの、円筒状に形成した熱可塑性樹脂の繊維の編織物、円筒状に形成した熱可塑性樹脂の不織布、円筒状に形成した可撓性樹脂のシートや多孔質シートなどを用いることができる。編織物としては、平織、綾織などの公知の編物や織物を用いることができる。また、筒状カバー30としては、クリンプ加工などのヒダの付いたものを使用することもできる。更に、筒状カバー30は、カバーの側部に穴を設けたものを使用することができる。
【0035】
これらの中でも、筒状カバー30としては、特に円筒状に形成した熱可塑性樹脂の繊維の編織物、更には円筒状に形成した熱可塑性樹脂の繊維の平織りの織物が、強度及び有孔度、生産性が優れるため好ましい。
【0036】
熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−α−オレフィン共重合体などのポリオレフィン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートなどのポリエステル、ポリ弗化エチレンやポリ弗化プロピレンなどのフッ素樹脂などの耐久性と組織反応の少ない樹脂などを用いることができる。
【0037】
特に、化学的に安定で耐久性が大きく、組織反応の少ない、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリ弗化エチレンやポリ弗化プロピレンなどのフッ素樹脂を好ましく用いることができる。
【0038】
上記筒状カバー30は、縫着、接着、溶着などの公知の固定手段を用いて、ステント20の一部又は全部に固定することができる。特に筒状カバー30は、ステント20の端部又は端部付近に固定することが好ましい。この場合、ステント20の縮径や拡径を妨げないように、ステント20への固着箇所を選定する必要がある。なお、筒状カバー30を上記ステント20の内周に被覆してもよい。
【0039】
筒状カバー30や、該カバーを構成する繊維、更にステント20を構成する金属線材21は、ヘパリン、コラーゲン、アセチルサリチル酸、ゼラチン等の抗血栓性材料で被覆処理されているものを用いることもできる。
【0040】
また、上記ステント付きグラフト10の適当な箇所、例えば両端部等には、X線不透過性材料が固着されていてもよい。X線不透過性材料としては、例えば金、白金、イリジウム、タンタル、タングステン、銀等や、それらを含有する合金などが好ましく使用される。X線不透過性材料は、ステント20に、半田付け、ろう付け、溶着、接着、カシメ等の手段で固着することができる。
【0041】
また、こうして得られた本発明のステント付きグラフト10は、その外径が2〜50mm、長さが1〜20cm程度であることが好ましい。
【0042】
次に、上記ステント付きグラフト10の使用方法について説明する。このステント付きグラフト30は、血管、尿管、胆管、気管支などの人体管状器官のあらゆる箇所に適用可能であるが、特に血管の動脈瘤の内側に配置して、血液が動脈瘤内に流入することを阻止し、動脈瘤の破裂を防止する治療に好適である。
【0043】
動脈瘤の治療のために血管に挿入する場合の手順の一例を説明すると、次の通りである。まず、常法によりガイドワイヤを血管内に挿入し、その先端を患部に位置させた後、ガイドワイヤ外周に沿って親カテーテルを挿入し、その先端が目的箇所に到達したら、ガイドワイヤを引き抜く。
【0044】
そして、ステント付きグラフト10を、図4(A)に示すように縮径させて、子カテーテルの先端部に挿入する。このとき、ステント付きグラフト10のステント20の十字に交差する部分Aは、金属線材21どうしが比較的自由に位置ずれし、かつ、その交差角も比較的自由に変えられるので、縮径しやすくする作用をもたらす。また、組まれて交差する部分Bは、金属線材21どうしが摺動しにくく、交差角も変えにくい(V字に屈曲した部分を更に小さくしようとすると反発力が生じる)ので、縮径しにくくする作用を与えるが、上記のように、組まれて交差する部分Bが軸方向に交互にずれながら周方向に沿って配列されているので、局部的に縮径しにくい部分が発生するのが防止され、カテーテル挿入作業が困難とならないように縮径のしやすさを維持することができる。
【0045】
こうして子カテーテルの先端が患部に到達したら、子カテーテル内にプッシャを挿入して、図5に示すように、ステント付きグラフト10を血管イの動脈瘤イ’の内側に押出す。すると、ステント付きグラフト10は、自己拡張型であるため、それ自信の拡張力によって図4(B)に示すように拡径する。その結果、ステント付きグラフト10は、その両端部が動脈瘤イ’の両端部内周に密接して配置される。
【0046】
このとき、ステント付きグラフト10を構成するステント20は、金属線材21をメッシュ状かつ筒状に編んで形成したものであるため、血管イの屈曲した形状に自然に適合し、かつ、血管イの内周に隙間なく密着する。また、ステント20には、組まれて交差する部分Bが軸方向に交互にずれながら周方向に沿って配列された領域IIが、十字状に交差する部分Aが配列された領域Iを挟んで複数箇所に設けられているので、全体的に拡張力が強くなっており、血管イの内壁に対する密接度が向上する。その結果、血管イ内を流れる血液は、ステント付きグラフト10内を通り、動脈瘤イ’内に流入しないので、動脈瘤イ’の破裂等の危険を回避することができる。
【0047】
また、ステント20には、組まれて交差する部分Bが軸方向に交互にずれながら周方向に沿って環状に配列された領域IIを、軸方向において所定間隔で複数箇所に有するので、その部分でメッシュの伸びが規制されることにより、図4における縮径させた状態(A)と、拡径させた状態(B)とで、軸方向の長さ変化が少なくなるという利点がもたらされる。このため、子カテーテルから押出すときに位置ずれしにくく、作業性が向上する。
【0048】
更に、組まれて交差する部分が配列された領域IIは、筒形状を押し潰そうとする力に対して強い抵抗力を示すので、血管等の曲折した箇所に挿入したときの座屈変形を防止することができる。
【0049】
図6は、本発明のステント付きグラフトに用いられるステントの他の実施形態を示す編みパターンの展開図である。
【0050】
このステント20bは、前記図3に示したステント20と基本的には同じ編みパターンをなしている。すなわち、十字状に交差する部分Aが所定の幅で周方向に沿って環状に形成された領域Iと、組まれて交差する部分Bが軸方向に交互にずれながら周方向に沿って環状に形成された領域IIとが、軸方向に交互に形成されている。
【0051】
しかし、このステント20bでは、軸方向の両端部に配置された前記領域Iにおいて、最も端部寄りに位置する金属線材21が軸方向にV字状に突出した部分21cを有する点が相違している。すなわち、V字状に突出した部分21cは、ステント20bの両端から更に軸方向に突出するように形成され、この突出した部分21cが周方向に所定間隔で複数配列されている。
【0052】
このステント20bによれば、上記V字状に突出した部分21cを例えば外径側に曲げることにより、両端部で拡径した形状にすることができる。それによって、例えば血管等の管状器官内に配置したとき、ステント付きグラフトの両端部が管状器官の内壁により強く押圧されて、血管等の管状器官内壁との密接力や固定力を高めることができる。
【0053】
【実施例】
実施例1
線径300μmの形状記憶合金線材を、図3に示すようなパターンで、円筒状に編むことにより、拡径時における外径30mmφ、長さ90mmのステント20を作成した。
【0054】
このステント20の外周に、ポリエステル製の織布からなる筒状カバー30を被せ、ステント20の両端部において、筒状カバー30をステント20に縫着して固定した。こうして、本発明のステント付きグラフト10を得た。
【0055】
このステント付きグラフト10の拡張力を外径が10mmφのときの反力として測定したところ、拡張力は450gfであった。
【0056】
また、内径22mmφの筒状カバー(外周)30を被覆したステント付きグラフト10を、その外径が7mmになるように縮径させたところ、ステント付きグラフト10の軸方向長さは110mmになった。すなわち、上記縮径時には、軸長が13%伸びることがわかる。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、カテーテル内周に挿入する際には比較的縮径させやすく、カテーテルから押出されたときには十分な拡張力が得られ、しかも縮径時と拡径時とで長さの変化が小さく、更に座屈変形しにくいステント及びステント付きグラフトを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるステント付きグラフトの一実施形態であって、筒状カバーを一部切り欠いて示す斜視図である。
【図2】同ステント付きグラフトのステントを示す斜視図である。
【図3】同ステントの金属線材の編みパターンを示す展開図である。
【図4】同ステント付きグラフトの縮径状態と拡径状態を示す側面図である。
【図5】同ステント付きグラフトを血管の動脈瘤の内側に配置した状態を示す説明図である。
【図6】本発明のステント付きグラフトに用いられるステントの他の実施形態を示す編みパターンの展開図である。
【符号の説明】
10 ステント付きグラフト
20、20b ステント
21 金属線材
30 筒状カバー
A 十字状に交差する部分
B 組まれて交差する部分
I 十字状に交差部分が形成された領域
II 組まれて交差する部分が形成された領域
イ 血管
イ’ 動脈瘤
Claims (3)
- 金属線材を編んで筒状に形成してなるステントであって、
前記ステントは、前記金属線材がV字状に折り返す部分で互いに一周せずに絡み合って組まれて交差する部分と、前記金属線材が十字状に交差する部分とを有しており、
前記組まれて交差する部分は、小さな角度でV字に折り返す金属線材と、それよりも大きな角度でV字状に折り返す金属線材とが絡み合って形成されており、かつ、前記小さな角度でV字に折り返す金属線材と、それよりも大きな角度でV字状に折り返す金属線材との向きを交互に変えて、前記ステントの軸方向に交互にずれながら、周方向に沿って環状に配列されており、
この組まれて交差する部分の前記環状配列が、前記ステントの軸方向に沿って少なくとも1箇所にあることを特徴とするステント。 - 前記組まれて交差する部分の前記環状配列が、前記十字状に交差する部分の環状配列を挟んで、前記ステントの軸方向に少なくとも2箇所に設けられていることを特徴とする請求項1記載のステント。
- 請求項1又は2に記載のステントと、該ステントの内周及び/又は外周の一部又は全てを覆う筒状カバーとを備えたステント付きグラフト。
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